【🎲・オリキャラ・オリ学園】独立の道 黄金の自由を目指して(2)

[1 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 17:42:58]

と、いうわけで2スレ目を作る必要があったんですね。

前スレまでの簡単なあらすじ

第一歩:ゲヘナ襲撃事件&武装蜂起！自由と独立への憧れは止められねえんだ……だから武装蜂起とゲヘナへの襲撃事件を起こす必要があったんですね。

第二歩:戦車と騎兵と歩兵でゲヘナ打通作戦。幾年振りの帰郷達成！有翼騎兵が本土一番乗り！

第三歩:航路は大時化。されど激戦と波濤を乗り越え、本土への片道鈍行船団は進む！

スレ画は描いて頂いた簡易校章。

前スレはこっち

【🎲、オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して｜あにまん掲示板

[2 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 17:43:44]

これまでの語り手まとめ

語り手

①卜部シラク

政治と事務が得意なタイプの八尺様。スタミナと素早さは人並み程度にあるけど体力と回復力が低い。
そんなんだから基本的に前線に出張る事はないし、基本は人を顎で使うか後方で書類とか政治やってる。
シラクの役職である帯剣官も基本的には閣僚への軍事的アドバイスや軍政をやるような仕事なので実は適職。
占いが当たる確率は半々。あまり間に受けたりはせず、験担ぎ程度にやってる。

馬耳！
俺っ子


②鋼駒鋒ホマレ

投擲を除けば戦闘技術はトップクラスに得意な上になぜか医療技術も高い。なおゴリゴリに文系の学科・学部(哲学科・文献学部)を選んでいるのでどうやって身につけてきたのかは謎。体力と回復力が低いし、運動能力もそんな高いわけじゃないので戦車に乗って人を顎で使ってる。
身長176cm、スレンダーで太ももが太い。そしてとても長い癖っ毛気味の黒髪。多分外見的にはアリスの身長引き伸ばしてユウカの足を移植したものと考えればいいかも。
僕っ子


③天雷公寺ユリ

銃器の取り扱いが絶望的なまでにヘタクソ。正規軍の所属なので訓練はちゃんと受けているが、銃の扱いが良くなる事はなかった。部下や同僚からは「銃を使わないでくれ」と頼み込まれている。
そして体力が貧弱通り越して純粋培養のもやし。ヒマリやセイアよりも貧弱だぞ！前線職じゃなくてよかったね！
神秘が割と強めで持久力以外の身体能力もそれなりにある。それはそれとして純粋培養のもやしちゃんであることに変わりはない。よく船乗りになろうと思ったね？
実は一人称が私(わたくし)だったりする。
名前欄の下に“氏族“欄があるのはシェオル上流階級の中で苗字が別でも同じ祖先を持つものがいる為。由緒正しい家系の生まれ。

[3 二次元好きの匿名さん 24/12/07(土) 18:22:46]

スレ立てありがとうございます

[4 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 18:32:32]

「提督、現在網掛川号は順調に砂州半島の港へ接近しているとのことです」
「よろしい、こっちも順調に繁沼港へ近づいている。後少しで輸送艦と雷鳴号の心配をしなくて済むのが一番ありがたいな」

無線室からの報告、そして艦橋からでもわかる、かなり近づいてきた本土、そして輸送艦の届け先である繁沼港。
砂州半島を通過したあたりから幾らか時化が落ち着き、揺れも落ち着く。そのおかげで雷鳴号の応急処置も先程より順調に進み、片肺運転ではあるが、一応は航行能力を取り戻している。
とは言っても一度火を落としたボイラーを再び沸かす必要がある為、まだまだ曳航しなければならないし、なんなら曳航されたまま入渠することになるだろうが。

「通信室より報告！繁沼港より雷鳴号の曳航用にタグボートが3隻派遣され、現在出港中とのことです！」
「よろしい！タグボートと合流したら曳航索を外せるようにしておけ！」

最後に見たのは何年前のことかもわからない故郷の大地を眺め、艦橋にいる者全てが思いを馳せていた頃、通信室からの報告が入ってくる。
どうやら繁沼港の方でタグボートを出してくれるとのことらしい。だとすれば、タグボートと合流さえできれば雷鳴号のことを預けて地上部隊の支援やゲヘナ艦隊との交戦の為に走り回ることができる。
そうなれば、もはや我々の仕事は終わったも同然だろう。

[5 二次元好きの匿名さん 24/12/07(土) 18:47:09]

たておつです
このSSの続きが！結末が気になって仕方ねえんだ！
とはいえ、無理はしないでくださいね

[6 二次元好きの匿名さん 24/12/07(土) 19:10:18]

たておつ

[7 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 19:28:14]

「提督、通信室より報告！沿岸要塞を確保したとのことです！現在は要塞砲及び射撃管制システムの掌握に取り掛かっている模様です！」

「ふむ、どうかクソ雷帝の遺した要塞砲がちゃんと使えることを祈ろう。16インチのEMLなら、射程も威力も段違いだろうからな。それさえ使えれば、我々の方が格段に有利になる」

先に上陸した部隊からは要塞の確保が終わったとの知らせが入る。後は要塞の遺産整理になるが、せめて1門でもいいからEMLがちゃんと機能して欲しいものだ。

もし3門あるEMLの全てが使えない場合、シェオルが半島の主だった頃に設置された152mm要塞砲や、105mmカノン砲に、75mmの野砲と対空砲。そして沈んだシェオルの機雷敷設艦から回収して簡易的な砲台に据え付けられた120mm艦砲。

そいつらの中でも使えるものを使うしかなくなるし、さらに付け加えるならば、シェオルが設置した中央射撃管制所に関しては残っているかすらも怪しくなってくる。

そんな状況であった場合、我々はまともな砲撃支援が望めなくなるし、要塞も艦船に対する優位性を発揮できなくなる。

……できれば、そんな事態は起こってほしくないものだ。

要塞砲状況ダイス

16インチ電磁投射砲(EML):dice3d3=2 1 1 (4)

一個目/一番砲 二個目/二番砲 三個目/三番砲

1.使用可能 2.簡易無力化措置(閉鎖機及び送電ケーブルコネクター除去。残っていれば再活性化可能) 3.使用不能

[8 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 20:04:06]

「EMLは一番砲以外、全て使用可能とのことです！」

「一番砲の状況はどうなっている？」

「閉鎖機と送電ケーブルのコネクター、これらが除去されており、それを回収さえできれば再活性化可能とのことです！」

「ならばそれらの捜索と再活性化を急ぐように伝えろ。後は……シェオルが設置した要塞砲、それが使えるかの確認もしておくように伝えてくれ」

「了解！」

とりあえず現状、クソ雷帝が設置したEMLは2門が即座に使用可能、1門は外された部品さえ回収できれば再活性化可能と、ありがたい報告が入ってくる。

これなら少なくとも火力面での有利は我々が確保できているし、それに加えてシェオルが設置した要塞砲と中央射撃管制所も使えればより我々が有利になる。

どうにかそっちも使えることを祈ろう。今の私は本土へ輸送艦を送り届け、雷鳴号の曳航をタグボートと交代しなければならない以上、それしかできない。

シェオル構築要塞設備状況ダイス

中央射撃管制所:dice1d2=1 (1)

1.使用可能 2.使用不能

152mm要塞砲:dice4d2=2 1 2 2 (7)

一個目/一番砲 二個目/二番砲 三個目/三番砲 四個目/四番砲

1.使用可能 2.使用不能

105mmカノン砲:dice2d2=1 2 (3)

同上

75mm野砲:dice6d2=2 1 1 1 2 1 (8)

同上

75mm対空砲:dice6d2=1 2 2 2 1 2 (10)

同上

120mm艦砲転用要塞砲:dice2d2=1 1 (2)

一個目/一番砲(連装砲) 二個目/二番砲(単装砲)

[9 二次元好きの匿名さん 24/12/07(土) 20:20:34]

砲は半数程度は残ってるぐらいか
EMLも使えそうなのは幸運だったな
ただ対空砲が心配だな、爆撃隊を送られないことを祈る

[10 天雷公寺ユリ 24/12/07(土) 21:13:19]

「提督！他の要塞砲ですが、使用可能な火砲は152mm砲1門、105mmカノン砲1門、75mm野砲4門、75mm対空砲2門、120mm艦砲転用要塞砲3門とのことです！また、中央射撃管制所に関しても問題なく使用が可能とのことです！」

「ほぉ……実に素晴らしい！一部は射角の問題で使えないものもあるだろうが、少なくとも要塞の自衛と射撃支援はある程度望めるだろうな」

EMLより長く放置されていた上、戦闘での消耗もあっただろうに、ここまでの火砲が残っていて、射撃管制所も無事に機能しているときた。

これなら上陸部隊が持ち込んだ武器弾薬と組み合わせれば要塞の防衛はなんとかなるだろうし、射撃支援も高精度のものが望める。

2門のEMLほどではないが、地上要塞に管制設備付きのちゃんとした火砲を据え付けた砲台が残っているというだけでそれなりには心強くもある。

「ところでEML一番砲の閉鎖機と送電ケーブルコネクター捜索はどうなっているんだ？」

「現在調査中とは聞いていますが、再度確認してきます」

まあ、それでもEMLは3門全部使えた方が気分的にはマシではあるんだが。

捜索ダイス:dice2d3=2 1 (3)

一個目/閉鎖機 二個目/送電ケーブルコネクター

1.発見 2.発見(施錠コンテナに保管) 3.未発見

[11 天雷公寺ユリ 24/12/08(日) 00:37:37]

「……よし、迎えのタグボートが来た！曳航索を外せ！雷鳴号の入渠はタグボートに任せるぞ！」
「甲板員、曳航索外せぇー！！」
「それではゆっくりと減速せよ！雷鳴号と衝突することだけは避けろよ！」

報告を聞く前に、無事合流できたタグボートへ雷鳴号を預ける為、曳航索を外さねばならない。近くにいた手隙の水兵にメガホンを持たせ、命令を出して艦橋の外へと押し出し、伝達役に仕立て上げる。
精一杯声を張り上げて周囲の同僚へ命令を伝える水兵の声をBGMに、稲妻号は雷鳴号と衝突しないようにゆっくりと速度を落として一時的に艦隊から離れる。
ただでさえ艦尾に衝突されるのは面倒なことなのに、よりにもよって雷鳴号とその姉妹艦である稲妻号は艦首に耐氷性を持たせる為、リブで補強されている。
そのため、少しでも操艦を間違えて衝突事故が発生した場合、航行不能艦が1隻増える羽目になる。
故に、操艦を担う水兵は臆病なほど慎重に舵を動かし、速度を調整している。

[12 二次元好きの匿名さん 24/12/08(日) 09:15:44]

頑張れ頑張れ

[13 天雷公寺ユリ 24/12/08(日) 13:45:11]

「提督！上陸部隊より報告、一番砲の閉鎖機と送電ケーブルコネクターを発見したとのことです！現在は閉鎖機の入っているコンテナをこじ開けている、とのことです！」
「取り出してから再活性化を終わらせるまでに時間はかかるだろうが、3門全て使えるってのはありがたいものだ。これで
我々は枕を高くして港に篭れるな」

なんとか停船することに成功し、雷鳴号の曳航をタグボートに代わってもらっている間に上陸部隊からの報告が入ってくる。
最悪1門くらいは使えなくても仕方がないだろうと考えてはいたが、ここに来て我々は運に恵まれてきた。雷鳴号を生贄に捧げて得たようなものではあるが、それでも駆逐艦1隻と港を守るのには十分な能力を持つ要塞砲3門ならば、要塞砲の方がより重要ではある。
……それはそれとして、やはり水上戦力が1隻分減るのはあまり喜ばしいものではないんだが。

[14 二次元好きの匿名さん 24/12/08(日) 20:40:21]

やったね

[15 天雷公寺ユリ 24/12/09(月) 00:39:19]

だがまあそれも一応は容認してやるとしよう。水上戦力が1隻減るのも修理が終わるまでの間だけだ、修理が終わりさえすればまた6隻での行動ができるようになる。
修理が終わるまで、雷鳴号の乗員は陸戦隊として地上戦を頑張ってもらおう。
……侵攻前の基準から見て二線級の旧式装備しか持ち合わせていないような水兵連中だが、それでも一応は正規軍でちゃんとした訓練を受けているからある程度は戦えるだろう。
それに加えて、雷鳴号から対空機銃を引っ張って地上転用すれば投射できる火力は増える。まあこれは雷鳴号の方で勝手にやってくれるだろうよ。
ま、なんにしろこれで雷鳴号の水兵達は地下学府や上陸部隊のお荷物にはならんだろうし、作戦行動もちゃんとしたのが取れるはずだ。

「雷鳴号へ以下の内容で打電するよう通信室へ伝えろ。『雷鳴号は入渠後、健在な乗組員で陸戦隊を編成し、地上部隊と合流せよ』とな」
「了解！」

雷鳴号宛の命令を打電させるため、伝令にと近くの水兵を捕まえて内容を良く言含め、送り出して。
その間に雷鳴号はタグボートに曳航され、押されて我々から離れていく。
損傷具合にもよるが、雷鳴号の復帰は月単位で待たされる可能性があるだろう。
……それまでにこの戦いが終わるか、もしくは雷鳴号が復帰するか。どっちが先かはわからんが、少なくとも我々のやっていることは何かしら大いなる意義があることだ。そう信じて突き進むだけだ。

「それでは諸君、我々は艦隊に合流し、戦列へ復帰する。第三戦速！前進！」

だが、まずは艦隊に合流せねばならない。

[16 二次元好きの匿名さん 24/12/09(月) 08:15:03]

艦隊の方はゲヘナ艦隊に見つかってないと良いが

[17 二次元好きの匿名さん 24/12/09(月) 18:33:01]

無事いけるかな

[18 二次元好きの匿名さん 24/12/09(月) 23:02:59]

保守

[19 天雷公寺ユリ 24/12/10(火) 01:14:54]

先に港へ輸送艦を送り届けた駆逐艦隊はド派手な銃撃戦が起こっている港から離れ、銃撃戦のど真ん中でも堂々と物資や兵員の揚陸を進める上陸部隊と、港を確保するついでに上陸部隊の援護をする地下学府の部隊。
そして港を奪還しようとするゲヘナ風紀委員と、それを押し留めるべく主砲や対空砲といった艦載火砲や銃火器で援護射撃を行う輸送艦と駆逐艦の乗組員。
港を巡る戦いは最早銃撃戦の範疇を越え、お互いに持てるだけの火力をぶつけ合う火力戦に移行している。
で、そんな火力戦は陸から見て強力な火砲を持ち、なおかつ数秒で火力を叩きつけられる駆逐艦と、その駆逐艦を4隻も味方につけている地下学府・上陸部隊が有利になるのは当然であり、これ以上付き合っていられなくなったか、あるいは立て直しのためか。兎にも角にも、港を奪還しようと港に集まった風紀委員共は恐らく兵舎か武器庫があるであろう都市の方へ撤退して行った。

「……よし、上陸には成功したか。これで我々の仕事はほとんど終わったようなものだ、あとは地上支援でもしながらぬくぬくとやらせてもらおうかな」

港に設置されている大型クレーンが動き、輸送艦から物資の入ったコンテナが埠頭へ下ろされ、輸送艦に横付けされたタラップから武装した兵士が降り立つ中。
私は副官が淹れてくれたジャム入りの紅茶を啜り、これまで張り詰めていた気を抜いてゆったりと椅子に腰掛けていた。
いやはや、こうも上陸がスムーズに進んでくれるとはね。上陸の支援をしてくれた地下学府の兵士たちには感謝しなくてはな。

[20 二次元好きの匿名さん 24/12/10(火) 11:52:30]

台詞がフラグ

[21 二次元好きの匿名さん 24/12/10(火) 12:06:29]

そもそもマンパワーが違い過ぎるからね
自治確立を他所に認めさせる前にヒナに復帰されたら終わりよ

[22 天雷公寺ユリ 24/12/10(火) 20:58:59]

「提督、砂州半島の要塞より報告です！中央射撃管制所からはゲヘナ艦らしき反応を複数確認とのこと！また、要塞の方ではEML2門による迎撃の準備中とのことです！」

「……知っていたさ、ゲヘナの連中が我々を追ってここまでやってくることなんぞな。だが猟犬を放っていたにしては、追いつくのが遅すぎないか？」

残敵掃討と戦場清掃も終わり、先ほどより効率良く物資や兵員の揚陸を進める港の様子を眺めていたところへ、要塞からの報告を知らせに水兵が走って艦橋へと飛び込む。

それ自体は予想できていたし、むしろもっと早くに追いついてくるものだと思ってはいた。

だが、出港が遅れたか、もしくは準備に手間取ったか……なんにしろ、ゲヘナ艦隊は出遅れをかまし、我々は作戦目標を達成した上で強力な要塞砲の援護射撃を受けられる状態にある。

……ただ、懸念点としてはうちの要塞砲兵があのEMLをまともに使いこなせるかどうかにかかっている。少なくとも初弾命中を叩き出すなんて奇跡は諦めているし、砲兵連中も慣らしのために数発は試射を行うだろう。

だが、要塞砲兵がEMLの感覚を掴んだ暁には圧倒的な長射程と高火力を活かしてアウトレンジで敵艦隊にかなりの痛手を負わせてくれるだろう。

ゲヘナ艦隊 規模ダイス

dice1d12=6 (6) 隻

編成ダイス

軽巡洋艦:dice1d2=1 (1)

1.編成されている 2.編成されていない

数的主力:dice1d2=1 (1)

1.駆逐艦 2.水雷艇

[23 二次元好きの匿名さん 24/12/10(火) 21:04:41]

相手も砲撃で叩き潰そうとしにきてるな

[24 天雷公寺ユリ 24/12/11(水) 01:06:34]

我々に近づきつつあるゲヘナ艦隊の脅威を取り除く為、駆逐艦隊を集結させ、悠々と進み行くゲヘナ艦隊の鼻っ面へ布陣するために急いで港から離れつつあったその時。
砂州半島の要塞、その要塞砲が設置されていたあたりから2発の砲弾が撃ち出された。それは彗星の如く青白く光る尾を引き、到底目では追いきれぬほどの猛烈なスピードで水平線へと飛び去ってゆく。
忌々しい雷帝が遺して行った兵器に頼らざるを得ないのは少し不服に感じてはいるが、それでも故郷の為、自由の為、独立の為、同胞の為に必要なのだと自分に言い聞かせる。

……我々が戦うことになるゲヘナ艦隊。その規模や戦力は現状不明瞭ではあるが、たとえ敵が我々より強力だとしても、我々はそれに立ち向かい、最善を尽くすのが仕事である。
それに、もしここで退けば港で揚陸中の上陸部隊や輸送艦、そして港を制圧している地下学府は大打撃を受けることになるし、周り回って我々シェオルが敗北する原因にもなりかねない。
そのような事態を防ぐためには、なんとしてでもゲヘナ艦隊が港に近づく前に撃破、あるいは撤退に追い込まねばならない。

「艦隊、砲雷撃戦用意！楽な戦いができるとは思うなよ！絶対に気を抜くな！」

故に、私は指揮下の駆逐艦へ命令を下す。
全てはシェオルと同胞の為に。そして自由と糧の為に。

[25 二次元好きの匿名さん 24/12/11(水) 10:52:22]

いよいよ勝負か

[26 天雷公寺ユリ 24/12/11(水) 19:16:06]

先程のEMLによる砲撃は当然ながらハズレであり、諸元修正後に放たれた数発もまた同じように敵艦隊に命中することはなかった。

……どうにも、要塞砲兵曰く要塞砲の射撃管制所で射表や弾道計算機を探すついでに砲側だけで撃ってみたとの事だが、それにしたって随分と無茶なことをするものだ……

一応シェオルが設置した中央射撃管制所である程度は弾着観測ができているようだが、元々は最大口径で152mm砲を扱う程度の設備なものだから、観測機材はまだしも弾道計算機に関しては当然ながら16インチのEMLに対応していないのもあって、暗闇の中、手探りで何とか初見の銃を扱っているようなレベルの精度しか叩き出せていない。

「……提督、敵艦隊まで残り11海里です！主砲の射撃を始めますか？」

「まだだ、ここから撃ち始めても無駄弾になるだけだ。あいつらを撃つのはもっと距離を詰めてからにするぞ」

敵は我々よりも強力な火砲を積み込んだ船を持ってきているのだろう。先程からしきりに周囲へ降り落ちる砲弾と、それが打ち上げる大きな水柱。

これの存在が明確な証拠となるが、それでも我々は引き返すことはせず、ただひたすらに前進し続ける。敵の砲が我々のものよりも射程が長いのならば、その分だけ踏み込んでやれば良いだけ、ただそれだけの単純な話だ。

それに、敵からの射撃はどこか砲の扱いに手間取っているようにも感じる。

実際、我々からかなり離れた前方や後方、あるいは左右に落ちる弾もちらほらと出ている。

……おそらくは急いで仕立て上げた艦隊かもしれんが、どっちにしろこれのおかげで我々はある程度の距離まで近づけるだろう。

艦級ダイス:

軽巡洋艦:dice1d3=3 (3)

1.エムデン 2.ケーニヒスベルク級 3.ライプツィヒ級

駆逐艦:dice1d5=3 (3)

1.Z1型 2.Z5型 3.Z17型 4.Z23型 5.Z35型

[27 二次元好きの匿名さん 24/12/11(水) 22:07:00]

よくわからんが強そう

[28 二次元好きの匿名さん 24/12/11(水) 22:09:33]

軽巡洋艦は150mmと大口径、駆逐艦の方も主砲門数もかなりの数
激しい砲撃戦になりそうだ

[29 天雷公寺ユリ 24/12/12(木) 02:19:37]

「敵艦隊、艦種識別完了！敵艦隊はライプツィヒ級軽巡洋艦1隻とZ17型駆逐艦5隻で編成されています！」
「はっ！奴らも本腰上げて使えるもんを引っ張り出してきたか！だが、戦いは数と火力だけじゃないってことを奴らにたっぷりと教えてやろうではないか！」
「シェオルはここにありと奴らに見せつけてやれ！シェオルは決して滅びぬ！我らが生き続ける限り、永久に！」

近くに落ちる敵弾をものともせずに前進を続ける最中、敵艦隊の艦種識別が終わったとの報告が入る。
立派な艦隊を揃え、ここで我々を仕留めようという魂胆だろうが、その目論見を真っ向から破綻させてやる。
だが、それを達成する為にはまず兵員の士気が十分なものでなくてはならない。水兵達の練度はオデュッセイアやトリニティよりも優れているとの自負があるし、この日の為に血が滲む程の厳しい訓練を乗り越えてきた同胞達だ。
……だが、それ以上に私の不安感を消し飛ばし、臆病風に吹かれることが出来ないよう、賽を投げるという意味もある。
そんな私の言葉に、稲妻号の艦長は校歌の一節を引用して同調する。報告の為に艦橋へきた水兵のお陰で扉が開いており、漏れ聞こえてきたものが他の持ち場についている水兵にも伝わり、稲妻号乗員の士気は高まって行く。

「提督！雷電号が敵艦隊に対して発光信号を送っています！」
「内容は？」
「『我はシェオル学徒なり！』です！」
「そうかそうか……戦意は十分なようで何より、他の艦にも砲撃を始めるように伝えろ。内容は『シェオルを讃えて三斉射』だ、しっかりと伝えてこい！」
「了解！」

稲妻号だけでなく、艦隊全体で見ても士気は非常に高く、雷電号に至っては威勢良く敵艦隊へ探照灯で発光信号を送っている。
だが、それよりも大事なことがある。敵艦隊の射程に収められているが、我々もまた敵艦隊を射程圏内に収めたことである。
ここからなら十分に我々の砲弾が届く。ならば、今こそ射撃を始める時だろう。
そうと決まれば急ぎ通信室へ伝令を送り出し、艦隊へ三斉射から砲撃を始めろと命令を出す。

[30 天雷公寺ユリ 24/12/12(木) 07:40:44]

砲戦ダイス:

(シェオル艦隊/三斉射)

dice5d4=3 3 2 2 4 (14)

dice5d4=3 4 4 2 1 (14)

dice5d4=3 4 3 4 4 (18)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/稲妻号 二個目/雷電号 三個目/疾風号 四個目/花輪号 五個目/夕立号

(ゲヘナ艦隊)

dice6d4=4 3 2 4 3 2 (18)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/軽巡洋艦 二個目/駆逐艦1 三個目/駆逐艦2 四個目/駆逐艦3 五個目/駆逐艦4 六個目/駆逐艦5

[31 二次元好きの匿名さん 24/12/12(木) 16:31:58]

当たらんものだな

[32 天雷公寺ユリ 24/12/12(木) 22:36:26]

「弾着観測の結果、命中弾は夕立号の1斉射のみです！」

「……おお、もう……」

先程の三斉射による砲煙と水柱が晴れ、射撃の結果が報告される。

……よりにもよって三斉射をしておきながらまともな命中弾を出したのは130mm砲装備の夕立号ただ一隻のみ。

それ以外は敵も味方も仲良く夾叉か至近弾か外れという有様。

さらには要塞からのEMLによる支援砲撃も飛んできたが、これに関しては遥か彼方、何もない水平線へ青白い尾を引いてかっ飛んでいった。

「……諸元修正の後射撃を行え！」

……一応、先制攻撃には成功している。まあ敵艦、それも艦隊全体で狙いをつけていたあの軽巡洋艦に弾を当てたのは夕立号だけなのだが！

夕立号が4基搭載する130mm単装砲、その砲弾がうまく敵艦のバイタルパートを撃ち抜いてくれた事を祈ろう……

弾着ダイス:

ダメージレベル:dice1d2=2 (2)

1.通常被弾 2.バイタルパート貫通/クリティカルダメージ(損傷度に1d5倍のボーナス)

損傷度:dice1d120=71 (71) (口径ボーナス)

軽巡洋艦体力:1000

体力が750以下で小破、戦闘継続可能。500以下で中破、自力航行可能、継戦能力減少。250以下で大破、自力航行不能、戦闘能力一部喪失。

[33 天雷公寺ユリ 24/12/12(木) 22:36:50]

>>32

損傷度ボーナス:dice1d5=5 (5)

[34 二次元好きの匿名さん 24/12/12(木) 22:44:32]

バイタルパートに当たり小破させたか、不幸中の幸いだ

[35 天雷公寺ユリ 24/12/13(金) 07:59:43]

「夕立号の砲弾は敵巡洋艦、後部砲塔への命中を確認しました！現在敵軽巡洋艦は前部砲塔のみを用いての射撃を行っています！」

「よろしい！実によろしい！夕立号は非常に素晴らしい仕事をしてくれたな！」

詳細な観測によって敵巡洋艦が負った損害が明らかになり、少しばかり艦橋の中は勢い付く。

夕立号の砲弾が敵軽巡洋艦の後部砲塔に命中し、さらには装甲を貫通し、中身が損傷したのであろうか。後部砲塔はこちらを向いているが、火を吹くことはない。

そして艦隊はそのような戦果から勢い付く艦橋とは対照的に、回避行動を挟みながらゲヘナ軽巡洋艦目掛けて各々の主砲を撃ち放ち、魚雷の射程範囲内へ敵艦隊を収める為、着実に前進を続けている。

「諸元修正、装填完了！」

「主砲、斉射ぁ！！」

砲戦ダイス:

(シェオル艦隊/三斉射)

dice5d4=2 2 2 3 1 (10)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/稲妻号 二個目/雷電号 三個目/疾風号 四個目/花輪号 五個目/夕立号

(ゲヘナ艦隊)

dice6d4=4 2 4 1 4 4 (19)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/軽巡洋艦 二個目/駆逐艦1 三個目/駆逐艦2 四個目/駆逐艦3 五個目/駆逐艦4 六個目/駆逐艦5

ゲヘナ軽巡洋艦残り体力:645

[36 二次元好きの匿名さん 24/12/13(金) 19:06:33]

なんとかして巡洋艦だけは戦闘不能に持ち込みたいところ

[37 二次元好きの匿名さん 24/12/14(土) 00:52:04]

こんなに１が出ない事ある？

[38 二次元好きの匿名さん 24/12/14(土) 09:23:42]

もどかしいね

[39 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 12:20:02]

>>35

弾着ダイス:

(シェオル艦隊砲撃)

ダメージレベル:dice1d2=1 (1)

1.通常被弾 2.バイタルパート貫通/クリティカルダメージ(損傷度にdice1d5=4 (4) 倍のボーナス)

損傷度:dice1d120=98 (98)

(口径ボーナス)

軽巡洋艦残り体力:645

体力が750以下で小破、戦闘継続可能。500以下で中破、自力航行可能、継戦能力減少。250以下で大破、自力航行不能、戦闘能力一部喪失。

(ゲヘナ艦隊砲撃)

ダメージレベル:dice1d2=2 (2)

同上/ボーナス値 dice1d5=3 (3)

損傷度:1d100=

被弾艦:dice1d5=5 (5)

1.稲妻号 2.雷電号 3.疾風号 4.花輪号 5.夕立号

[40 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 12:20:55]

>>39

損傷度:dice1d100=90 (90)

[41 二次元好きの匿名さん 24/12/14(土) 12:28:20]

お互いボロボロ

[42 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 12:37:39]

「提督、我が方はまたも夕立号の砲弾のみ命中とのことです！ただ、敵軽巡洋艦へ着実な被害を与えています！」

「おお……そうかぁ……」

なんとも反応に困る報告ではあるが、それでも一応は夕立号が敵軽巡洋艦へダメージを与えている。ただ、贅沢を言うならばもう少しくらいは大きな損害を与えて欲しいものだ。

だが、微妙に困る戦果報告の後、言いづらそうに我々の損害についても報告を始める。

「ですが、その……夕立号は敵駆逐艦からの砲撃により大破しました。現在夕立号はダメージコントロールを試みています、ですが状況によっては放棄せざるを得ないでしょう」

「……雷鳴号に続き、今度は夕立号か……なんとか延命できれば良いのだが……」

……夕立号は今やいつ沈んでもおかしくないくらいの損傷を負っている。対空機関砲の砲弾が火災の熱で暴発する中、搭載する兵装の中で危険な魚雷をなんとか全弾海中へ投棄し、魚雷の誘爆を防いでいる。

だが、夕立号を無事に帰投させる為には夕立号の乗組員がダメージコントロールを完璧にこなした上で、幸運を掴み取らねばならない。

……どうにか、夕立号には沈まないで欲しいものだ。

「……だがまずは目の前の仕事を片づけねばな。諸元修正の後、射撃せよ！雷鳴号と夕立号の敵討だ！」

(シェオル艦隊)

dice4d4=1 3 2 4 (10)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/稲妻号 二個目/雷電号 三個目/疾風号 四個目/花輪号

(ゲヘナ艦隊)

dice6d4=3 3 1 3 4 1 (15)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/軽巡洋艦 二個目/駆逐艦1 三個目/駆逐艦2 四個目/駆逐艦3 五個目/駆逐艦4 六個目/駆逐艦5

軽巡洋艦残り体力:547

[43 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 13:02:05]

「命中弾は稲妻号のみ！損害の規模は不明！」

「よし、今回はなんとか当ててくれたか……これで艦長が射撃管制へ殴り込むことは回避できたな」

「ですが、他の艦に関してはいまだに命中弾を出せていません」

「なんとも不甲斐ない奴らだこと！帰投したら連中を徹底的に扱かねば！」

内心の動揺を覆い隠すように、堂々とした態度を演じながら指揮を続ける。

ここで艦隊の士気が崩れるのは非常にまずい。敵艦隊をあまり減らせてない上、魚雷の射程にすら入りきれていない。

どうにか、敵艦隊を魚雷の射程に収めなければ。それさえできれば、敵艦隊に一本ぐらいは命中するだろう。

……それから、要塞砲の援護も来て欲しいものだ。今まで何発か射撃しているが、そのどれもが盛大な外れか、至近弾か、もしくはあまりにも危険すぎる誤射ギリギリの至近弾か。

今の今まで要塞砲兵を更迭したくなるレベルの事態しか起こしていないのだから、せめて今回こそはちゃんと敵に当てて欲しいものだ。

まあそれは我が艦隊の方にも言えることなのだけど！

「稲妻号は諸元そのままで射撃継続！他の艦は諸元修正の後に射撃せよ！」

(要塞砲砲撃)

dice2d4=4 1 (5)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

一個目/一番砲 二個目/二番砲

ダメージコントロールダイス(夕立号):1d4=

1.成功/沈没回避 2.成功/自力航行可能(低速) 3.失敗/総員退艦 4.失敗/轟沈

[44 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 13:04:10]

>>43

ダメージコントロールダイス:dice1d4=3 (3)

弾着ダイス:

(シェオル側砲撃)

ダメージレベル:dice2d2=1 2 (3)

一個目/稲妻号 二個目/EML二番砲

1.通常被弾 2.バイタルパート貫通/クリティカルダメージ(損傷度にdice1d5=2 (2) 倍のボーナス)

損傷度(稲妻号砲撃):dice1d100=51 (51)

損傷度(EML二番砲/合算値):dice1d1000

(ゲヘナ艦隊砲撃)

(左.駆逐艦2の砲撃 右.駆逐艦5の砲撃)

ダメージレベル:dice2d2=2 1 (3)

同上/ボーナス値 dice2d5=3 2 (5)

損傷度:2d100=

被弾艦:dice2d4=4 4 (8)

1.稲妻号 2.雷電号 3.疾風号 4.花輪号

[45 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 13:18:55]

「提督！要塞砲からの射撃ですが、二番砲の砲弾が1発命中とのことです！」

「なんとまあ、要塞砲兵の連中はやっと命中させたか！次からは期待しても良いだろうな！」

「それとは別で、花輪号が敵艦からの集中射を受け、被弾したとの報告も入っています。そして夕立号ですが、現在総員退艦命令が発布されたとのことです」

「夕立号は放棄で、次は花輪号がやられるのか……」

とりあえず、これで二番砲の人員は陸戦隊送りのリストからは免除してやれる。次は一番砲もちゃんと当てて欲しいものだな。

だが、あいにくと喜ばしいことばかりじゃないのが戦争というものだ。

艦隊の最後尾を行く花輪号が敵駆逐艦から集中砲火を浴びている。現状、被害の規模は不明だが、どうにか保っていて欲しいものだ……

「……提督よ、我々は奴らを魚雷の射程距離に収めたぞ。貴公、物事は全体を見据えてから考えよ！」

「ああ、そうか……そうだな、確かに連中との距離は詰められた。そして魚雷の射程に収めることができた……」

少しばかり気が滅入ってくるが、艦長から背中を叩かれて喝を入れられ、最低限外面を取り繕い直すくらいの気力は持ち直せた。背中はものすごい痛いけど。

「魚雷の照準を始めろ！散布界に連中を収めてから放て！」

>>44

損傷度(EML二番砲/合算値):dice1d1000=450 (450)

(ゲヘナ艦隊砲撃)

損傷度:dice2d100=12 43 (55)

[46 二次元好きの匿名さん 24/12/14(土) 18:42:05]

結構ボロボロ？

[47 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 19:04:16]

「花輪号の損害確認完了！現在花輪号は大破しており、魚雷の投棄も兼ねてか敵艦隊に向けて魚雷を投射しています！」

「わかった、我々も魚雷を放つ！ここで全弾使い切るぞ！」

「了解！」

なんとか魚雷への誘爆は防げたのか、危険物を投棄するついでに一矢報いんと花輪号が533mm魚雷を4連装発射管2基分、つまりは8本全てを敵艦隊目掛けて投射する。

それに合わせ、我々の方も指向できる魚雷発射管を敵艦隊の予想航路へ向け、各々が持つすべての魚雷を放つ。

「提督！敵軽巡洋艦が甚大な被害を負いました！現在は火災と爆発で確認できませんが、おそらくは大破確実かと！」

「ほお、それは実に素晴らしい！できればここで沈めてやりたいものだがな！だがまあ、大破に追い込んだだけでも儲けもんだろうよ！」

被弾した機関部か、あるいは我々が放った砲弾によるものか。由来不明の火災と、それで誘爆したであろう艦載兵装の弾薬が誘爆している影響故に詳細な戦果確認はできないが、敵軽巡洋艦は盛大に燃え盛っている。

……正直に言えば、現状あの軽巡洋艦よりもお供の駆逐艦の方が脅威になっているというのは奇妙なものではある。

まあ、多分軽巡洋艦の方はかなりのブランクや衰えがあったんだろう、そういうことにしておこう。

雷撃ダイス

稲妻号/550mm三連装魚雷発射管二基:dice6d2=1 2 1 1 2 1 (8)

雷電号/533mm五連装魚雷発射管一基:dice5d2=2 1 2 1 2 (8)

疾風号/533mm四連装魚雷発射管一基:dice4d2=1 1 1 1 (4)

花輪号/533mm四連装魚雷発射管二基:dice8d2=1 2 2 1 2 2 1 1 (12)

ダイス数は各艦の魚雷発射管数準拠

1.命中(命中弾数は別途ダイス) 2.外れ

攻撃対象:dice4d5=3 3 1 4 (11)

一個目/稲妻号 二個目/雷電号 三個目/疾風号 四個目/花輪号

1.駆逐艦1 2.駆逐艦2 3.駆逐艦3 4.駆逐艦4 5.駆逐艦5

>>44

>>45

ダメージコントロールダイス(ゲヘナ軽巡洋艦):dice1d4=4 (4)

1.成功/沈没回避 2.成功/自力航行可能(低速) 3.失敗/総員退艦 4.失敗/轟沈

[48 天雷公寺ユリ 24/12/14(土) 23:14:18]

「提督！敵巡洋艦、轟沈！轟沈しました！」

「よろしい、実によろしい！！要塞砲兵は実に素晴らしい仕事をしてくれたな！！戦果報告を要塞に送ってやれ！きっと要塞砲兵の連中も喜ぶぞ！」

勢いよく燃え盛り、ゲヘナ水兵による必死の消火活動も虚しくバーベットの主砲弾薬庫にまで火の手が回って誘爆したのか、びっくり箱の如く主砲塔が吹き飛び、空高くへ打ち上げられる。

流石にこうなっては艦を延命するために奮闘していたゲヘナ水兵も逃げるべきだと判断したのか、装載艇を下ろして水面へと飛び込み、沈む艦に巻き込まれないよう少しでも泳いで距離を取ろうと海面へ飛び込むのがよく見える。

これで、まずは軽巡洋艦1隻を撃沈。次は先程放った魚雷の行方だが、そっちはどうなるだろうか。

「……おおっ！敵駆逐艦を3隻も沈めたぞ！大戦果ではないか！」

「多少は不発や早爆もあったろうが、それでも3隻を一気に仕留められたのは大きい。残りの敵艦は駆逐艦2隻、形勢逆転だな」

我々が放った魚雷、それは盛大な雷跡を残しながら敵艦隊へと突き進み、多少は回避されたり、あるいは信管の不良で早爆や不発を起こしながらも無事に敵駆逐艦3隻の船体をへし折って沈める。

この一撃で、敵艦隊は浮き足立っているのか、残った2隻は正反対の行動を取り始める。

片方は速度を落とし、装載艇を下ろして撃沈された艦の乗組員救助を始めているが、もう片方については我々との戦いを続けるつもりではあるらしい。

……事実、我々へ向けて主砲を撃ってはいる。だが、その照準はちゃんと計算されたものではなく、むしろ錯乱しているかのようなものではあった。

……これならば、残った敵艦に対して降伏勧告をしてみるのも良いかもしれないな。

とりあえずは僚艦と稲妻号の艦長の意見を聞いてみよう。

艦長達の意見

dice5d3=1 2 2 2 3 (10)

一個目/稲妻号艦長 二個目/雷電号艦長 三個目/疾風号艦長 四個目/花輪号艦長 五個目/夕立号艦長

1.降伏勧告/抑留・鹵獲 2.降伏勧告/撤退許可 3.撃沈

[49 二次元好きの匿名さん 24/12/15(日) 09:31:18]

敵軽巡洋艦撃沈、駆逐艦も3隻を沈める確かに大戦果だ、ゲヘナ側がどう反応するか
艦長達の意見としては降伏か撤退させる方針かな

[50 二次元好きの匿名さん 24/12/15(日) 09:41:11]

２多いな

[51 天雷公寺ユリ 24/12/15(日) 19:22:59]

……成程、艦長側は概ね降伏勧告をした上で、連中を見逃せと申すか……

正直に言えば、私としては稲妻号艦長と同じように降伏勧告をした上で、可能であれば乗員の抑留と艦艇の鹵獲をしたいものではある。

とは言ってもそれをするにしたって港のキャパシティ確認と、捕虜収容所の工面が必要になってくる。

となれば夕立号以外の艦長達の意見も真っ当なものであり、それらを鑑みる必要も出てくる。

……一旦港を抑えている上陸部隊と地下学府の指揮官にも聞いてみるか。

dice2d3=2 3 (5)

一個目/上陸部隊指揮官 二個目/地下学府側指揮官

1.抑留・鹵獲 2.撤退許可 3.撃沈

港湾キャパシティ:dice1d2=2 (2)

1.余裕あり 2.余裕なし

収容所予定地:dice1d3=2 (2)

1.確保完了 2.簡易収容所設営中 3.未策定

[52 二次元好きの匿名さん 24/12/15(日) 19:45:15]

港湾の方に余裕がないなら見逃すしかないか

[53 天雷公寺ユリ 24/12/15(日) 22:41:57]

「……よーし、連中は見逃してやれ！これ以上は我々の脅威になんぞなりゃしない、無駄弾は使うなよ！帰投だ、曳航の用意をしろ！」
「夕立号の方はどうします？」
「……一応曳航は試みるとしよう。もしかしたら修理できるかもしれんからな」

港からの報告を聞き、夕立号艦長と地下学府側指揮官の意見を黙殺して帰投命令を出し、ついでに損傷した僚艦の曳航を始めさせる。
……あいつらには手酷くやられてしまったが、今回は沈めたり捕獲するなんてことはせず、ただ見逃してやることにする。戦力補填の為にもあの駆逐艦を鹵獲しておきたかったが、我々だけで手一杯というのならば致し方ない。
それに、大量に出る捕虜の処遇についても考えねばならなくなる。捕虜収容所の設置と、捕虜に与える食料や衣服その他諸々に、脱走を防ぐ為の設備や人員についてなど、考えることが多くある。
これら全部を丸ごとひっくるめて考え直してみれば、あいつらを見逃した方が帰って我々の得にはなるだろう。

それに、我々が港を確保した後には潜水母艦を引き連れて、修理やら新たに受領した潜水艦の習熟訓練やらを終わらせた潜水艦隊も合流してくる手筈にはなっている。
このことも考えると、あのゲヘナ駆逐艦2隻を鹵獲したところで停泊や繋留なんて出来そうにもなくなってくる。ここは欲を出さず、シーマンシップに則って行動するしかない。

「繰り返し通達するが、あの2隻には手を出すなよ！無駄弾は使うな！放っておいても脅威にはならん！」

[54 二次元好きの匿名さん 24/12/15(日) 22:53:48]

潜水母艦に潜水艦...もしかしてシュオル潜水艦も保有してるのか

[55 二次元好きの匿名さん 24/12/16(月) 08:22:29]

潜水艦…ゲヘナ側は全て自沈処理されてるからシュオルのか

[56 二次元好きの匿名さん 24/12/16(月) 18:38:07]

お、なんだ？
ウルフパックするための潜水艦隊か？

[57 天雷公寺ユリ 24/12/16(月) 21:03:21]

「……提督よ、連中の艦を鹵獲していたならば、今頃は失った戦力の補填ができていた。だがなぜ貴公は連中を見逃した？」

命令には従い、撤退するゲヘナ艦を放っておきながらも怪訝そうな表情で艦長が見逃す理由を訊ねてきたので、出港前に伝えられた作戦計画の一部を参照しながら回答する。
私の答えに艦長はどうも中身を掴みきれていないような様子でいるから、詳細な補足を付け足す。

「艦長、潜水艦隊が後から合流するってことは知っているか？」
「ああ、あのオンボロちびっこ沿岸防衛用が3隻と素敵な新品の高性能品2隻で編成された、あの潜水艦隊だな？」
「それに加えてミレニアム製旧式潜水艦が1隻とトリニティ製の小型潜水艦が2隻追加、それと潜水母艦ということになったトリニティの旧式軽巡洋艦、竜騎兵号。後は護衛兼荷物持ちのL-72、L-115、L-26の護衛駆逐艦三姉妹もついてくると、流亡学府司令部からの通達だ。
で、潜水艦隊に加えて鹵獲したあの2隻まで港に押し込むとなったら、ただでさえ我々と輸送艦の補給と、侵攻時に損傷して自沈した艦の浮揚と再戦力化。これらの準備や作業に追われている港湾組合や造船所の連中がハンマーだのリベット打ち機だのを片手に殴り込んでくるぞ」
「ヒェッ……」

流石にここまで詳しく言えば艦長もあの2隻を鹵獲しなかった理由を理解したようで、これ以上の追求をしてくることはなかった。
それ以前に、操艦体系などが違う可能性のある艦に乗員を割り当てたところで習熟に時間が必要であるのには変わりないし、考え直してみればそこまで鹵獲にこだわる必要性もないし、後は溺者救助の負担をゲヘナに押し付けたいというのもある。
……それから、捕虜収容所に関しても簡易的な収容キャンプ程度のものしかないと港の司令部から回答が得られた。
と、なれば捕虜を取ったところで扱いに困り果てるのがオチと言ったところだ。
そしてあくまでも我々が正規軍である以上、連邦生徒会が制定した古き良き戦争法に従って馬鹿正直に捕虜を丁重に扱い、その結果同胞を食わせるのに困るくらいなら返してやる方がずっと経済的だ。

[58 二次元好きの匿名さん 24/12/17(火) 07:25:13]

結構考えてた

[59 二次元好きの匿名さん 24/12/17(火) 17:41:14]

ガチじゃん

[60 天雷公寺ユリ 24/12/17(火) 18:10:49]

……紆余曲折ありながらも夕立号と花輪号を曳航し、やっとこさ無事に繁沼港へ帰投できた我々であるが、入港してすぐに久しぶりの地上を踏み締める……ことはできなかった。
なぜなら、再び損傷した艦艇の人員配置について考える必要が出てきたからだ。それと、休暇のシフトや補給する弾薬や燃料についての書類その他諸々の事務作業。
これらをこなし、余裕ができてからなんとか少しばかりの休暇を手に入れられるかと思えば、よりにもよって地下学府の司令部へと呼び出される羽目になった。

「それじゃあ、艦隊のことは任せたぞ」
「しっかりとお預かりしておきますよ」

……しかし、なぜ地下学府の司令部へ呼び出されたのだろうか？先の戦闘における消耗の激しさか、あるいはまた別の何かか……
どうにも心当たりのあるものが一つしかない分、理由がよくわからないのが恐ろしいものだ。
いやまあレッドウィンターじゃないから粛清されるなんてことはないだろうが、それでも更迭されるくらいのことは覚悟しておいた方が良いだろうか？

[61 二次元好きの匿名さん 24/12/18(水) 00:13:19]

ただのお話だといいんだけど

[62 天雷公寺ユリ 24/12/18(水) 08:03:47]

八方塞がりになって、半ば思考を放棄しそうになりながらも、シェオルの繁沼港キャンパスに設置された司令部へ到着してしまった。
……もはやここに到達してしまった以上、私に撤退するという選択肢は取れない。まあなんだ、毒もくらわばなんとやら、案外そこまで悪いことじゃない……はず、だよね？

「よく来てくれたな。シェオル学士院軍艦隊、駆逐艦隊提督の天雷公寺ユリ少将。今回、君には少し聞いておきたいことがあるんだ。できれば知っていることは全て教えてくれないだろうか？」

……おやぁ？これはなんかまずいかもしれないな？高位の将校が雁首揃えて鎮座なんてことはなかったが、地下学府側の指揮官であろうリツェウムの4回生が1人と、どっかで見たことがあるようなないような、よく分からんうすらデカい、おそらく地下学府の上層部関係者であろう2回生も1人。
できれば私の進退とは無関係であって欲しいものだが、この面子が揃っている以上はそうはいかないのかも知れない。
となれば、最早私にできることはただ一つ。ありのまま、知っていること全てを話すことだけだ。

「さて、我々が聞きたいことだが……現状艦隊が保有する戦力についてだ。教えてくれるな？」

その質問に否応なく全てを答えると、地下学府側の2人は互いの顔を見合わせ、私には何を話しているのか全くわからないくらいの小さな声で何かを話し始める。
……どうやら、先の海戦における損害についてはそこまで触れられないようで。これはもしかしたら更迭を回避できるのかも知れない……
まあそれも目の前にいる2人次第ではあるのだが。

[63 二次元好きの匿名さん 24/12/18(水) 18:16:53]

圧迫面接…

[64 天雷公寺ユリ 24/12/18(水) 20:51:30]

暫しの私が置いてけぼりにされた秘密の話の後、うすらデカい方が口を開く。

「さて、艦隊の状況がわかったところでだが、君に少し聞きたいことがある。ああ、それと君の作戦指揮と戦果についてだが、我々の見解としては十分問題のないものであったと認識している。君は今後もシェオル艦隊の提督として働いてもらうぞ、励みたまえよ！」

……よし！これは多分私の更迭は回避できただろうし、大人しく質問に答えれば私の提督生命はまだまだ続く。
となれば気分は幾分か軽くなるし、思考だって非常に冴え渡ってくる。今なら最高に素晴らしい作戦を立てられるだろうよ！まあ現状を鑑みるとその作戦はペーパープランにはなるだろうけど。

「ええ、答えられる範囲でしたらお答えいたします」
「ならよかった。それでだが……現状の戦力と駆逐艦隊、それから合流予定の潜水艦隊を用いてゲヘナの軍港を襲撃し、占領することは可能だろうか？」
「……その場合、我々は非常に分の悪い賭けをすることになるでしょう。現状の戦力でゲヘナ軍港を襲撃する場合、そのリスクはあまりにも大きく、最悪の場合は艦隊の全滅すら覚悟せねばならないでしょう」

で、件のうすらデカい上層部関係者からはゲヘナ軍港を襲撃して占領することは可能かと聞かれたが、流石に無理があるのでそのことをしっかりと伝え、その上で別の案を出してみる。

「ただ……ゲヘナの軍港へ襲撃を行うのでしたら、潜水艦隊による襲撃の方がリスクを減らし、尚且つ一時的なものではありますが、敵艦隊へ牽制を行うことも可能です。また、潜水艦隊に所属する一部潜水艦は機雷敷設能力を有しているため、その機雷を用いて軍港の閉塞を行うことが可能であり、その場合は一時的に敵艦隊を港へ閉じ込めることが可能になります」
「ふむ……ならばゲヘナ軍港の襲撃は潜水艦隊に任せるとしよう。下手に素人が口出しして無駄に損害を出すくらいならプロに全てを任せた方が良い。だろう？」

どうやら私の案は受け入れてもらえたようで、ゲヘナ軍港への襲撃は潜水艦隊が請け負うことになった。まあ当事者はこの場に居ないから、あくまでも計画段階でしかないのだけれど。

[65 天雷公寺ユリ 24/12/19(木) 08:04:53]

それにしても、あのうすらデカいのは上層部ながら随分と話がわかるものだ。他の政治屋なんかを相手にすると多少は作戦へ政治的な意味を持たせるために別の場所を狙えと言ってきたりするものだけれど、目の前にいるのはそうでもない。
少なくともプロとして高度な軍事教育は受けているだろうし、それに加えて他人からの進言をしっかりと受け止めて取り入れる度量もある。
少なくとも、彼女が上官なのはありがたいことだ。

「さて、それでは君たち駆逐艦隊に就いてだが……現状は補給と休養を優先せよ。それが終わり次第、要塞と協力して沿岸区域の哨戒へ取り掛かるように。だからまずはしっかりと英気を養ってきたまえ、君たちにはまたたっぷりと働いてもらわないといけないからな」

……と、どうやら駆逐艦隊はしばらくの間補給ついでに休暇をもらえるとのことだ。非常にありがたい。
酷い時化を乗り越えて護衛任務を果たしてきた上、輸送艦隊の護衛やら港の防衛やらで激しい戦闘までこなしてきた以上、状況が落ち着いてきた今の内に水兵達を休ませておかなければ、艦はまともには動かせなくなる。
ここはお言葉に甘えて、ゆっくりと休ませてもらうとしよう。

「了解、謹んで拝命致します」

[66 二次元好きの匿名さん 24/12/19(木) 18:25:52]

政治家や政治将校が口出しした結果、作戦に支障をきたしたなんて話は幾らでもあるだろうしなあ

[67 二次元好きの匿名さん 24/12/19(木) 18:29:28]

少し不穏だな

[68 二次元好きの匿名さん 24/12/19(木) 18:38:39]

奇襲のアドバンテージと中枢機能停止で押してるけど攻勢に出られたら耐えられないからな
断続的に分断するような作戦を続けて何とか麻痺した状態を継続させたいところ

[69 二次元好きの匿名さん 24/12/19(木) 22:22:26]

とりあえず一息かぁ

[70 天雷公寺ユリ 24/12/20(金) 01:45:50]

第三歩:シェオルを讃えて三斉射！　完

[71 天雷公寺ユリ 24/12/20(金) 13:02:47]

メモ:家に帰ったら続きの執筆！

[72 金矢シレナ 24/12/20(金) 19:57:38]

[本来の身分]

名前:金矢 シレナ(こんさ シレナ)

学校:シェオル連盟共同体学士院 地下学府

学年:リツェウム dice1d4=2 (2) 回生

課程:普通学士課程

学科・学部:音楽科 声楽部

所属:積極的武装闘争連合 “傘“大隊

兵科:突撃兵

階級:軍曹

[偽の身分]

名前:金矢 シレナ

学校:ゲヘナ学園

学年:3年生

部活:水泳部

[73 金矢シレナ 24/12/20(金) 19:57:56]

外見

髪色:dice1d5=3 (3)

(1.黒 2.茶 3.金 4.赤 5.銀)

長さ:dice1d100=99 (99)

(1で肩につかないほど、50で肘あたり、75で腰、100で地面につく)

瞳:dice1d8=3 (3)

(1.濃褐色 2.淡褐色 3.琥珀 4.緑 5.灰 6.青 7.赤 8.青紫)

髪のボリューム:dice1d3=3 (3)

(1.ストレート 2.癖強め 3.モフモフ、新たなモップ種の仲間入り)

耳:エルフ耳

羽:大型の鳥類型

尻尾:魚

[74 金矢シレナ 24/12/20(金) 19:58:28]

体型

身長:120cm + dice2d60=28 58 (86)

胸:dice1d6=2 (2)

1.かなりまな板 2.貧しき者…… 3.大体普通くらい 4.割と大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかい

腹:dice1d5=3 (3)

1.筋肉微量、柔らかめ 2.筋肉少量、やや柔らかめ 3.中間、みっちりしてる 4.筋肉やや多め、少し硬め 5.筋肉マシ、硬め

尻:dice1d6=3 (3)

1.小 2.やや小さめ 3.中間 4.やや大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかいよ

脚:dice1d6=6 (6)

1.細い 2.やや細い 3.普通くらい 4.少し太め 5.太いよ 6.うおっ……ふっと……

[76 金矢シレナ 24/12/20(金) 19:59:23]

戦闘系技能

戦闘(所属補正で最低保証50付与):dice1d50=50 (50)

射撃(同上):dice1d50=36 (36)

格闘(同上):dice1d50=12 (12)

投擲(同上):dice1d50=36 (36)

体力(同上):dice1d50=17 (17)

回復(同上):dice1d50=46 (46)

馬術:dice1d100=52 (52)

剣術:dice1d100=86 (86)

身体系技能

筋力(同上/50):dice1d50=44 (44)

持久力(同上/50):dice1d50=36 (36)

敏捷性(同上/50):dice1d50=27 (27)

柔軟性(同上/50):dice1d50=1 (1)

運動(同上/50):dice1d50=5 (5)

水泳(部活補正で最低保証50付与):dice1d50=37 (37)

[77 金矢シレナ 24/12/20(金) 19:59:51]

その他技能

知性:dice1d100=42 (42)

事務:dice1d100=94 (94)

指揮:dice1d100=77 (77)

医療:dice1d100=27 (27)

技術:dice1d100=64 (64)

創作:dice1d100=50 (50)

魅力:dice1d100=79 (79)

政治:dice1d100=76 (76)

交渉:dice1d100=96 (96)

倫理:dice1d100=27 (27)

慈悲:dice1d100=5 (5)

幸運:dice1d100=69 (69)

神秘:dice1d100=23 (23)

歌唱(学部補正で最低保証50付与):dice1d50=27 (27)

[78 金矢シレナ 24/12/20(金) 20:00:22]

使用武器種:dice1d10=4 (4)

サイドアーム選出ダイス:dice1d2=2 (2)

(1.なし 2.あり/dice1d6=1 (1) から選出)

使用武器種ダイス/結果換算

1.HG 2.SMG 3.AR 4.SR 5.MG

6.GL 7.RL 8.MT 9.FT 10.供与・鹵獲品(別途ランダム選出)

[79 金矢シレナ 24/12/20(金) 20:13:28]

メイン(SR)選定ダイス:dice1d11=3 (3)

1.kb Mauser wz. 98a

ポーランド、ラドム造兵廠で製造されたボルトアクション式ライフル。

ドイツのGewehr 98小銃に若干の改良を施したもの。

7.92×57mm弾を使用する。

2.kbk wz. 29

ポーランド、ラドム造兵廠で設計・製造されたボルトアクション式カービン。

7.92×57mm弾を使用する。

3.kbk KP-32

ポーランドにてマロシェク技師が設計・試作したボルトアクション式カービン。

生産性とコストを下げる為の設計がされており、それでいて試験において命中精度の面では好成績を残したものの、照準器の不良や組み立てる際の問題などで採用されることはなかった。

7.92×57mm弾を使用する。

4.kbsp wz. 38M

ポーランドにてマロシェク技師が設計・試作した半自動小銃。

この小銃による記録された戦果は、設計者らが列車で避難している最中、攻撃を仕掛けた2機のドイツ軍機に対して設計者自身による敵機への対空射撃を行い、その結果として乗員が死傷した1機を緊急着陸させたものが残っている。

7.92×57mm弾を使用する。

5.kb ppanc wz. 35

ポーランドにてマロシェク技師が設計したボルトアクション式対戦車ライフル。

開戦前までは軍事機密として「観測機器」や「ウルグアイ」と言った秘匿名称がつけられていた。

7.92mmと、対戦車ライフルにしては小口径ではあるが、とてつもない高初速で重い鉛の弾頭を装甲板に叩きつけ、それによって粘着榴弾じみた現象を起こすことによって装甲板の内面剥離を引き起こし、乗員の死傷と車載装備品等の破損を狙うとかいうよくわかんないやつ。

なお初期のドイツ戦車は100m以内ならこいつで容易く装甲を貫通できたりする。

7.92×107mmDS弾を使用する。

[80 金矢シレナ 24/12/20(金) 20:13:40]

6.Bor 7,62
ポーランドのZakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したブルパップのボルトアクション式スナイパーライフル。
7.62×51mmNATO弾を使用する。

7.ALEX-338
ZMTが設計・製造したブルパップのボルトアクション式スナイパーライフル。
.338 Lapua Magnum弾を使用する。

8.Tor
ZMTが設計・製造したブルパップのボルトアクション式対物ライフル。
12.7×99mm弾を使用する。

9.ZMT MWS-25
ZMTが設計・製造したモジュラー式のセミオートスナイパーライフル。
7.62×51mmNATO弾と6.5mm Creedmore弾を使用する。

10.ZMT MWS-38
ZMTが設計・製造したモジュラー式のセミオートスナイパーライフル。
.338 Lapua Magnum弾を使用する。

11.MSBS Grot-7.62N
ポーランド、ラドム社が設計・製造したモジュラー式のセミオートマークスマンライフル。
7.62×51mmNATO弾を使用する。

[81 金矢シレナ 24/12/20(金) 20:14:57]

サイドアーム(HG)選定ダイス:dice1d6=4 (4)

1.Vis wz. 35

ポーランドのラドム造兵廠で設計・製造された自動拳銃。アメリカ製のM1911自動拳銃をベースにしつつも生産性や安全性、メンテナンス性を高めるための工夫が随所に施されている。

同期で同じくM1911をベースに設計されたソ連のトカレフ TT-33とは対照的な存在。

9mmパラベラム弾を使用する。

2.P-83 "Wanad"

人民共和国期のポーランドで設計・製造された自動拳銃。

前任のP-64はあまり評判がよろしくなかったため、それを置き換えるために設計された。

9mmマカロフ弾を使用する。

3.WIST-94

ポーランドで設計・製造された自動拳銃。

試験では良い結果を残したものの、イラクやアフガンに派遣されたポーランド兵からは不評が叩き付けられたため、ポーランド軍の兵站部へ左遷された。

9mmパラベラム弾を使用する。

4.MAG

ポーランド、ラドム社で設計された自動拳銃。

試験では上のWISTよりも良い結果を残したが、重量とサイズが要件に合わなかった為、採用されなかった。

9mmパラベラム弾を使用する。

5.VIS 100

ポーランド、ラドム社で設計・製造された自動拳銃。

人民共和国期に採用されたP-64拳銃やP-83拳銃を置き換える為、導入が進められている。

9mmパラベラム弾を使用する。

6.Gward

ポーランド警察向けに設計されたリボルバー。

少数が警察に使用されたが、製造メーカー側の経済的な問題によって大量生産はされなかった。引き金の操作性が悪い。

.38スペシャル弾を使用する。装弾数は6発。

[82 二次元好きの匿名さん 24/12/21(土) 07:40:15]

クソでか？

[83 二次元好きの匿名さん 24/12/21(土) 14:27:58]

事務仕事が得意なんだな、そして積極的武装闘争連合ということもあってか慈悲の無さよ

[84 金矢シレナ 24/12/21(土) 15:20:58]

第四歩:黄金の角笛が吹き鳴らされた時


私をはじめとした数人で編成される"傘"大隊の突撃小隊は、1時間ほど前からシェオルの本校近くにある寂れた教会に集結し、各自の装備を確認して武装蜂起が始まるその時にシェオル全土へラジオと無線で送信される合図の楽曲、「地下学府讃歌」が流れるのを待っていた。

「おお、聞きたまえよシレナ嬢！我らが偉大なる帯剣官殿はついに蜂起を起こすように我らへ命じられたぞ！」
「やっとですか、随分と長かったものですね」
「ついに我々が自由と独立を掴み取る時が来たのだよ。さあ、我らはここにありと！シェオルは決して滅ばじと！我らの声をキヴォトス全土に響かせようじゃないか！」

しばらくの待機時間の後、ラジオからは勇壮な歌詞と旋律が流れ始める。
事前に通告された時間に流れ、少しするとちらほらと蜂起が始まった証である銃声や爆発音が鳴り響く。

「シェオルの同胞諸君！郷土の自由と独立の為、戦いへ赴こう！武器を取れ、蜂起軍よ！」

それに伴って私の同輩、音楽科で歌劇部に属するショウカが音頭を取り、突撃小隊を率いて教会から離れて近くのゲヘナ風紀委員を打ち倒しつつも、司令部から割り当てられた攻撃目標であるゲヘナが設置した武器庫、その一つの近くに到着する。

[85 金矢シレナ 24/12/21(土) 20:51:33]

かつてはシェオルの郵便局だった武器庫、そこに立て篭もる風紀委員が窓に据えつけた機関銃を撃ち放ち、突撃小隊を遮蔽物や建物の影に押し留める中、手製のボトル型手榴弾や鹵獲品の卵形や柄付きの手榴弾を抱えたショウカが近づいてきて、それらを私に押し付けながら即興で考え出した敵陣地攻略の為の作戦を話す。

「いいかい、シレナ嬢。我々はあの忌々しいゲヘナの機関銃手にここで釘付けにされている。だが喜ばしいことに、ここの地下水道はあそこの武器庫、その地下に通じていると教導士官の先輩が教えてくださった。
そこで、だ。ボクと君と、それから火炎放射器兵のララ嬢と機関銃手の強盗騎士殿で地下水道を使って潜入し、内部からあそこを撹乱してやる。そして外の突撃部隊を雪崩れ込ませて抑える。どうだ、完璧な作戦だろう？ボクはこれでもシェオルの騎士だからね、これくらいはすぐに思いつくのさ！」

その豊満な胸を揺らし、鼻高々と戦闘中ながらもおしゃべりをするショウカは、同じように建物の影に隠れて地下学府による密造品の火炎放射器を抱えて隙を窺っている火炎放射器兵と、黒い甲冑に身を包んだ褐色肌の機関銃手、あるいはゲヘナを騒がせている"強盗騎士"を指で指し示し、最後に近くのマンホールを指差して具体的に攻略プランを示す。
……現状、それが一番良いやり方だろう。それに教導士官も腕を組んで「やるべし」と言わんばかりに笑顔で頷いている。少なくとも正規軍の将校からのお墨付きはもらえたということにして、その作戦を始めていこう。それはそれとしてなんか妙に腹が立つから教導士官も道連れにするけど。

「ま、待って！？待ってってば！？私は窓口業務とか不穏分子の監視とかが仕事なんだってば！前線にガンガン立つような立場じゃないの！！だから待って！やめろー！！」
「教導士官サマはこういってるが、どうするんだ？」
「放生してあげたほうがいいんじゃないかなぁ？」
「いいや。作戦の成功率を上げるためにも、教導士官殿にはついてきてもらうよ！」
「多分問題はないでしょう、火力はあるだけ注ぎ込んだほうが良いと、正規軍から配られた教範にもあるでしょう？」

[86 金矢シレナ 24/12/22(日) 04:05:47]

そうと決まればすぐにマンホールの蓋を外し、梯子を伝って地下水道へ入り込む。
この地下水道は上水道なので、服や体が汚れたり、悪臭に襲われるなんてことが起こりようもないし、躊躇なく入り込めるのがありがたい。
……ただ、電灯が点いているわけではないので、中は非常に暗く、お互いの顔すらまともに確認できないのだけれど。

「うわっ！めっちゃ暗い！早くライト点けて！」
「教導士官、お前の出番だぞ！早くしろ！」
「仮にも私は少尉なんだぞ……お前たちより偉いんだぞ……クソッ……」
「はいはい泣き言を言う前にまずは自分の仕事をしましょうね〜」

引っ張ってきた教導士官を案内役として先頭に立たせ、教導士官が持つ短機関銃に取り付けられたライトを頼りに地下水道の中を進み、目的地の地下に通じる点検用ハッチを発見した私達はそこから地下室へ入り込む。
セントラルヒーティング用のボイラーや空調機器用のブレーカーなどが設置されたそこは、風紀委員の見張りがいるわけでもなく、そもそも埃が積もりに積もっている以上、もう何年もここを放っておいているのが明らかであった。
まあ、ここを放っておいてくれていたおかげで私達がすんなりと侵入できたから、そのことには感謝しておこう。

「よし、ここがあの郵便局の地下室で間違いないんですよね？」
「その通り。この上に出れば風紀委員どもがわんさといるだろうし、ゲヘナが運び込んだ武器弾薬もたんまりとあるかも」
「……いいね、新しいおもちゃがたっぷりと手に入りそうだ」
「強盗騎士稼業は目の前の仕事を片付けてからにしたまえよ！我々の目的を忘れるようなら、後ろ弾を覚悟しておくことだね！」
「へいへい、わかってますとも」
「全員、準備はできていますね？仕事を始めましょう、シェオルの為に」

何はともあれ、ここを確保する為にも風紀委員を一掃しなくては。
地上階へつながる階段、それを塞ぐ扉をこじ開けて階段を駆け上がり、再び扉をこじ開け、その先へと踏み込む。

[87 二次元好きの匿名さん 24/12/22(日) 13:23:43]

巻き込まれてしまった

[88 金矢シレナ 24/12/22(日) 19:43:08]

踏み込んだ先の廊下を左に曲がった先には分隊規模の風紀委員が窓に張り付き、視線の先に居る突撃小隊へ制圧射撃を行っていた。
……結構数が多いが、こっちには機関銃と火炎放射器の火力に、たっぷりの手榴弾がある。この程度ならすぐに片付くだろう。

「……よし、ボクが合図を出すから、皆はそれに合わせてあいつらを撃ってくれ。シレナ嬢は手榴弾の投擲を」
「了解、風紀委員に腐った卵を3発食らわせて差し上げましょう」
「射撃位置についた、命令を」
「照準完了、とっておきは後でにしてもいいよね？」
「後は野となれ山となれだ……！」

壁に張り付き、各々の目標に狙いをつけ、私は卵型手榴弾の安全キャップを外して摩擦型信管と繋がった紐を掴み、引き抜けるようにする。

「……よし、始めろ！」
「グラナート！」
「……おい、手榴弾だ！！退避しろ！！」

攻撃準備が整ったところで、ショウカの合図が送られ、私が投げた3発の手榴弾による爆発で旧郵便局攻防戦の火蓋が切られる。

「射撃開始！確実に仕留めろ！」
「ハッハー！！強盗騎士のクリス様だぞ！！オレ様に平伏しろ！風紀委員の雑兵共！！」
「弾切れ！再装填中！」
「援護する！早くマガジンを変えろ！」
「反撃だ、早く反撃しろ！さもなくばあいつらにやられちまうぞ！！」

小銃手や狙撃手の何人かはすぐに反応して距離を取ったり遮蔽物の後ろに隠れたものの、機関銃に張り付いていた機関銃手と弾薬手をはじめとした、退避が間に合わなかった不幸な数人は手榴弾の爆風で気絶する。
そして、残りの風紀委員も私達の小銃や機関銃、短機関銃による猛射で急速に1人ずつ意識を刈り取られ、無様に床へ倒れ伏す。

[89 金矢シレナ 24/12/22(日) 19:43:18]

「制圧完了、クリア！」
「お、いいもんめっけ。これはオレ様の戦利品だぞ！」
「……はぁ……これだから寄せ集めってやつは……」
「ここは制圧できましたが、上や他の部屋はまだ制圧できていないのです。気は抜かないでおいてくださいね、クリス」
「へいへい、わかってますともシレナ嬢さんよ」

ここに展開していた風紀委員が全員無力化できたことを確認し、クリアリングを済ませる。まずは機銃陣地を一つ潰せたが、他にも機銃陣地はあるし、風紀委員だって残っている。
そんな中、強盗騎士のクリスはその名前通りに倒れた風紀委員数人の懐を漁っては1人の懐から拳銃を抜き取り、腰のベルトに差している。……これだから強盗騎士ってやつは……
まあそれはいい、重要なのは郵便局全体を制圧できていないということだ。風紀委員はまだまだ残っているし、先の戦闘音を聞きつけて追加が来ないという確証もない。

「て、敵襲！敵襲！！暴徒が中まで来てるぞ！」
「反乱軍と接敵！交戦する！」
「クソッ！だから戦利品収集は後でやれと言ったろ！」

……ま、ざっとこんな感じでね。

[90 二次元好きの匿名さん 24/12/23(月) 00:38:59]

うーん野蛮

[91 二次元好きの匿名さん 24/12/23(月) 10:42:24]

落ち着かんね

[92 金矢シレナ 24/12/23(月) 21:19:25]

近くの部屋か、あるいは上の階から降りてきたのか。そのどちらかはわからないが、どちらにしろ確定しているのは風紀委員と出会し、交戦することになったことだけ。
クリス以外の私たち全員はすぐさま遮蔽物の影に位置取りし、そこから各々が持つ銃を撃ち放つ。
そして戦利品漁りに熱を出していたクリスはといえば、すぐさま懐を漁っていた風紀委員共の陰に隠れ、倒れた風紀委員の体を盾にし、いつの間にかくすねていた風紀委員制式小銃を出会した他の風紀委員目掛けて撃ち放つ。

「うわっ！なんだあいつ、卑怯だぞ！！」
「甲冑着込んでるんなら正々堂々姿を表して戦いたまえよ！君は腐っても騎士だろう？そんな闘い方をして恥ずかしくないのか！！」
「そうだそうだ！！シェオルの騎士としてもっと相応しい行動をしろー！！」
「なんで味方にブーイングされにゃならんのや！！それもこれもお前らゲヘナのせいだぞ！！責任とって有り金全部置いて行けぇ！！」
「うわっ！強盗騎士がこっちにきやがった！こっち来んな！あっち行けよ！！」

その戦いぶりは敵であるゲヘナ風紀委員よりも、味方であるはずのシェオル側から大不評を食らう羽目になる。まあ、この評価は妥当なものではあるから甘んじて受け入れ、自分の身の振りようを見直して欲しいものだ。
……とは言っても、クリスの暴れようはなんだかんだで頼りにはなるから、振る舞いを見直して欲しくない気持ちも少しはある。

[93 二次元好きの匿名さん 24/12/24(火) 08:03:29]

こわ～

[94 二次元好きの匿名さん 24/12/24(火) 17:48:20]

咄嗟の行動が蛮族

[95 金矢シレナ 24/12/24(火) 21:01:50]

……まあ、それは置いておいて。結局追加でやってきた風紀委員もまた打ち倒され、地面に転がる気絶者の数が増えただけに留まる。そして私たちはといえば、特に負傷者が出たわけでもなく、すんなりと状況を切り抜けはした。

「……よーし、クリア！制圧完了！」
「よし、まずは機銃陣地一つと分隊が半分ってとこか？」
「概ねそんなところ。でも全体の制圧はまだできていない。他の機銃陣地だけでも潰さないと、友軍を突入させられない」
「……つまり、稼ぎ場が増えるってことだろ？楽しくなって来たじゃないの！」
「それじゃ、そろそろ点火装置に着火してもいいよね？」
「やっていいけど、味方の背中を炙らないようにだけ気を付けてね。ケバブにはなりたくないからさ」

風紀委員共が確実に気絶したかを確認し、手榴弾や弾薬など使えるものを剥ぎ取った風紀委員を一箇所にまとめて積み上げてから再度装備の点検を行い、他の機銃陣地を潰しにクリアリングをしながら階段をゆっくりと登る。
そして登った先、先頭に立つショウカと、小銃を背中にスリングで襷掛けし、拳銃と手榴弾を握りしめた私がそろりと近くの通りに面した廊下を覗き込んでみれば、最優先目標の機銃陣地に出くわす。
……これを銃だけで制圧するのはかなり面倒だから、ララの背負っている手製火炎放射器に頼る方がいいかも。

「……狙撃兵に機関銃手に小銃手。それと武器庫から持ち出したであろうとグレネードランチャーもある。ここはララの火炎放射器で一気に焼き払うのが正解かな」

[96 金矢シレナ 24/12/24(火) 21:02:03]

「それじゃ、点火装置に着火するね！」
「よし、ゲヘナの連中をガチョウのように丸焼きにしておくれ！」
「おお、いい趣味をしてるじゃあないの！やったれー！」

背中のタンクからホースで送られる燃料を圧縮空気で勢いよく敵に向けて噴射するノズル。その先端に取り付けられたたっぷりと燃料の染み込んだ麻紐で編まれたブリキのバスケットにライターで火を付ける。
その後、通りに向けて遮蔽に隠れながら制圧射撃を行う風紀委員連中に向け、噴射用のバルブを緩めて勢いよく火のついた燃料を噴射し、廊下を一気に火の海へと変える。

「ゲヘナぜーんぶ焼き尽くしてやる！」
「流石は火炎放射器だ、室内掃討にはこれ一本！てとこかな！」
「うへぇ……いつぞや温泉開発部の赤毛ちゃんとやり合った時はそこまで恐ろしく感じなかったものだが、室内になるとこんなに恐ろしくなるもんなのか……くわばらくわばら……」
「ゲヘナの侵略者共！己の罪を悔い改めよ！！」
「ララを援護しながら前進！ここさえ抑えれば味方が前進できる！」

ララの火炎放射に合わせ、皆で火炎を浴びなかった風紀委員を撃ちながらゆっくりと前進し、廊下の風紀委員掃討に取り掛かる。
やはり屋内の掃討戦には火炎放射器が一番効率が良い、何せ散弾銃と違って炎で敵が怯んでくれるのだから。しかも敵の装備品に火が点けば、消火に専念させられるのも私たちを有利にさせてくれる。

[97 二次元好きの匿名さん 24/12/25(水) 08:21:37]

味方だと頼もしい

[98 金矢シレナ 24/12/25(水) 18:44:02]

廊下のたむろしていた風紀委員を炎と銃撃ですり潰し、制圧が順調に進む中、通りへの射撃が弱まったのを確認したショウカが教導士官へ合図のフレアを撃つように言う。
それに従って教導士官は腰のホルスターからフレアガンを取り出し、近くの窓をグリップで割ってから銃口を空へ向け、小さなパラシュートにぶら下げられた緑のフレアを撃ち上げる。

「……よし！突撃小隊を突入させる！今が好機だ、損害も軽くできる！」
「わかった、フレアを撃つ！」
「やってくれ、少尉！」

そのフレアを見つけて意図を察した待機中の突撃小隊は一気に遮蔽物から飛び出し、私たちが攻略中の旧郵便局、あるいはゲヘナ風紀委員の武器庫を制圧するための突撃を敢行する。

「邪魔するやつは全て撃ち倒せ！ここを抑えれば地下学府にとって大きな助けになるぞ！」

いまだに残る風紀委員の射撃で何人かは倒れるが、それ以上に中へ突入した突撃小隊の方が多く、激しい白兵戦が始まる。その音は上階にいる私達にも聞こえるほど、非常に非常に激しいものであった。
それこそ、ガラスか陶器の割れる音だけでなく、勢いよく誰かが壁に打ち付けられる音や、喊声まで聞こえてくる。
まあそれはおいておいて。ついに2階の通りに面した機銃陣地を潰した私達は追い詰められた風紀委員の最後の抵抗をすんなりと打ち砕き、すりつぶされる前に武器を捨てて降伏した賢明な数人の風紀委員を壁と向き合わせて跪かせている。

「うっひゃー……こりゃ下は惨劇になってるだろうな……」
「下のことは置いておきたまえよ！それよりも、だ。強盗騎士殿、君にうってつけの仕事を頼みたい」
「へぇ、何をさせようってんだ？」
「何、そこに倒れているのと、この捕虜の懐を漁って何か有益そうな情報を持ってないか探って欲しいんだ。君ならできるだろう？」
「ほぉ、そりゃ随分と素晴らしい仕事を頼みなさる。喜んで取り掛かりましょうぞ、へへへ」

一旦下の状況が落ち着くまではここで待機することとなり、その間に強盗騎士クリスはショウカに頼まれた情報収集の仕事を始めている。
……時々、捕虜や倒れた風紀委員の懐から金目のものをくすねなgら。

[99 二次元好きの匿名さん 24/12/25(水) 22:26:04]

強盗っていうか追剥みたいな

[100 二次元好きの匿名さん 24/12/26(木) 09:40:21]

憲兵がいたら一発でしょっぴかれそうだな

[101 二次元好きの匿名さん 24/12/26(木) 20:06:08]

室内戦での火炎放射器は頼もしいな、凄い恨みを買ってそうな気もするけど

[102 二次元好きの匿名さん 24/12/26(木) 22:24:47]

キヴォトスって銃撃よりも強盗の方が罪が重そう

[103 金矢シレナ 24/12/27(金) 04:37:13]

……と、そんな具合に制圧した機銃陣地の捕虜を監視しつつ情報収集し、風紀委員が使っていた武器弾薬を一箇所に集めて捕虜と隔離していたところへ、他の部屋の制圧を済ませて2階へ上がってきた突撃小隊の同胞数人が合流する。

「よーし、良いところに来てくれたな！こいつらの見張りは任せた！僕たちはこの荷物を下のトラックに積んでくる！」
「了解！」

その数人に捕虜の見張りを任せ、私達は分捕った武器弾薬類を担いで下の階へ降り、制圧が完了したのを聞きつけてやってきたであろう地下学府のトラックに担いでいた鹵獲品や、中から運び出された物資類を積み込む。
現状、正規軍や学士院騎兵隊と一部の装備優良部隊を除けば、地下学府側戦力の装備は基本的に地下工場での密造品やブラックマーケット経由で入手した横流し品くらいしか持っていない。そして、それらは量か質のどちらかが欠けている。
そんな悲惨な装備状況を少しでも改善するためには、こうやってゲヘナの武器庫を襲撃するか、侵攻時に正規軍や学士院騎兵隊が隠匿した装備品を掘り出すかくらいしか出来ない。
……昔はこういった装備品を大量に自力生産できていたというのに、今や敵の持ち物に頼らねばならないとは……

「栄光のシェオルも落ちぶれたものだ……」
「だが、今を持ち堪えれば古き良きシェオルが帰ってくる。そう信じて進めば素晴らしい未来が訪れる！僕はそう信じている！」

ため息と共に出た嘆きを聞きつけたショウカが側に近寄り、私を励ますためか無駄に爽やかな笑顔を浮かべてそんな事を宣う。
別に励ましなど求めていないのに、彼女は何を勘違いしているのやら。ただそれを訂正したりするのもちょっと面倒なので、そのまま放っておこう。
……と、少し私達から離れていた教導士官が堅牢そうな軍用ラップトップを抱えて戻ってきた。何があったのかはわからないが、多分別の任務か何かだろうか？

[104 二次元好きの匿名さん 24/12/27(金) 15:25:58]

パソコンか

[105 金矢シレナ 24/12/27(金) 15:27:40]

「司令部から報告だ、余裕がある近場の部隊は正規軍部隊による飛行場の確保を支援する為に合流しろだと！これに合流するかどうか自体は任意だが、あんたらはどうするつもりだ？」
「俺としては正規軍が頼りになるかを見極めるためにも、合流した方が良いと思っているぜ。お前らはどうする？」
「私としても、正規軍の力量を見極めるのにちょうど良い機会ですから、加わっても良いとは思います」

……どうにも、私の読みは概ね当たっていたようで。飛行場確保の支援任務が生えてくる。
正直なところ、私としては正規軍の戦いぶりを見るためにも合流した方が良いとは思うし、戦利品を手に入れて懐が温まった強盗騎士も概ね意見は同じようだ。

「ふむ……それなら僕も向かうとしよう！君たち3人だけじゃあ、どうにも頼りにできそうにないからね！でも、僕が加われば正規軍にとっても大きな助けになるだろう！」
「うーん、私はここでお留守番してるよ。飛行場確保ってことは広い滑走路で戦うこともあるんでしょ？それだったら、お荷物にならないようここで捕虜の見張りでもやってるよ」

私達3人が飛行場確保の支援に向かうことが決定し、ショウカとララとは一旦お別れかとなりかけた所、少し考え込んだ後にショウカも私達と行動を共にすることとなった。
そしてララは自身の得物である火炎放射器の特性と、戦場になる飛行場の特性を考えた上で郵便局での残留組に加わる。なお捕虜となった風紀委員からは「こっちくんな！あっちいけ！」と評判である。

「それじゃあ俺ら4人で正規軍の支援と洒落込みますかね！」
「……待って？私も頭数に含められるの？」
「何を言っているんだ？俺達は地下水道を通ってあの郵便局を制圧した仲じゃないか、一緒に来てもらうぞ」
「……ま、そういうことだからさ。また道連れになってもらうよ」

自分も頭数に数えられたことにようやく気づいたこの鈍感教導士官は前線に出たくないと駄々をこねるが、それは黙殺し、運行再開したトラムに乗り込んで4人で飛行場へと向かう。

[106 二次元好きの匿名さん 24/12/27(金) 20:33:11]

仲良しだなぁ（）

[107 二次元好きの匿名さん 24/12/27(金) 21:08:58]

ふと思ったけどこの一連の騒動に対して先生はどう思ってるんだろう？
そしてシェオル連盟共同体学士院側も先生をどう評価しているのか

[108 二次元好きの匿名さん 24/12/27(金) 21:20:05]

生徒主導だからアリウスよりは協力の余地があるけど結局ただの暴力だから味方はしないと思う
連邦生徒会を通さずに実効支配したとしても体勢を整えたゲヘナに反撃されそうだけどそこは想定してるんだろうか

[109 金矢シレナ 24/12/28(土) 04:56:51]

トラムを乗り継ぎ、途中下車をして事前に通達された合流地点へ向かえば、そこには発掘品であろう37mm対戦車砲や60mm軽迫撃砲に、よく今まで隠せてきたものだと感心してしまうロソマク装甲車を少数ながら揃え、私達とはまるで違うピカピカの装備で固めた正規軍が数個小隊ほどと学士院騎兵隊の槍騎兵連中に、私達と同じようなZWZの増援が固まっていた。
それとは別で、遠くからは中口径の火砲や迫撃砲による砲声と弾着による爆発音も断続的に聞こえてくる。事前に敵の陣地を潰しているのだろうか？

「おい、そこの！お前らも我々の支援に来たのか？」
「はっ！その通りであります、大尉！」
「よろしい！お前たちはあそこの37mm対戦車砲を動かすヴィオレッタ小隊の援護につけ！わかったな？」
「了解！ヴィオレッタ小隊の援護、把握しました！」

取り敢えず何をすれば良いのか、これをはっきりとさせるためにも教導士官を先頭に立たせて任務の詳細を聞き出しに指揮官を探し出して聞き出し、やることがはっきりと明確になった後に私達は弾薬と手榴弾の補給を受け取り、攻勢開始時刻まで銃の整備をして次の戦闘に備える。

「郵便局制圧の次は対戦車砲のお守りか、俺らもあれを運ばされたりするのか？」
「いいえ、対戦車砲の操作や弾薬の運搬はあの対戦車砲兵が担うので、私達はその援護をする、と。命じられたのはそれだけです」
「へぇ、それなら仕事も簡単に済むんじゃないかな？」
「ですが対戦車砲兵の任務は積極的に前線近くへ進出し、前線へ火力支援を提供するとのことです。なので私達の仕事はそう簡単に進まない可能性もあります」
「でもさっきみたいに最前線に少人数だけで入り込んで暴れ回るようなのじゃないから、さっきよりは楽にはなるだろうね」

[110 二次元好きの匿名さん 24/12/28(土) 08:44:17]

バリバリやってんね

[111 二次元好きの匿名さん 24/12/28(土) 19:19:09]

楽な仕事ってのは無いものだな

[112 金矢シレナ 24/12/29(日) 03:07:36]

銃の整備を済ませて攻勢発起点へ移動した私達は対戦車砲を扱うヴィオレッタ小隊に合流し、攻勢開始の合図である準備砲撃が始まるのを待つ。
しばし続いた小規模な準備砲撃の後に飛行場への攻勢が始まると、対戦車砲は歩兵の前進に合わせて進み、準備砲撃を生き残った万魔殿の射撃陣地に対して榴弾を迅速な釣瓶打ちで叩き込んで潰していく。
砲弾を叩き込まれた陣地のうち幾らかは反撃を試みようとしたが、それよりも先に踏み込んだ歩兵によって制圧され、終始失敗に終わる。

「よし、陣地転換をする！次は向こうに移動だ！押せ！」
「対戦車砲が移動する！援護だ援護！あそこに制圧射撃を加えろ！」

取り敢えず今まで展開していた場所から狙える標的はあらかた撃ち尽くしたからか、砲兵が対戦車砲を押して陣地転換を始める。陣地に籠る万魔殿側は被害拡大を食い止めるため、対戦車砲の操作人員を狙って射撃を加えてくるが、射撃地点へ私たちから制圧射撃をする事で敵の頭を抑え込み、対戦車砲の陣地転換に必要な時間を稼ぐ。

「よし、僕達も陣地転換をする！相互に援護射撃しながら対戦車砲の近くへ移動！」
「ベルトの交換ついでにお先に失礼！」

対戦車砲の陣地転換が終われば今度は私達が動く番となり、互いに援護射撃をしながら対戦車砲の側に戻り、お守りを再開する。
対戦車砲が陣地を潰したのに合わせて前進しどんどんと飛行場の制圧を進めていく正規軍歩兵の勇姿と、再び速射で敵の射撃陣地を潰しにかかる対戦車砲兵の無駄一つない洗練された動作。
いやはや、この戦いぶりを見てしまった以上、今後は正規軍を侮ることはできない。少なくとも、正規軍は十二分に頼りになる存在だということは明らかになった。

[113 二次元好きの匿名さん 24/12/29(日) 13:03:08]

頼もしい

[114 金矢シレナ 24/12/29(日) 19:48:30]

対戦車砲を釣瓶打ちして敵の戦力を削り、歩兵が前進して着実に抑え……このサイクルを繰り返して管制塔と格納庫を抑え、最後は飛行場のターミナルを残すのみとなったところで、突如として青色の信号弾が2発打ち上げられる。
……一体、何が起こっているのだろうか？あれは味方によるものか、あるいは万魔殿によるものか……一旦教導士官に聞いてみよう。

「教導士官、あの信号弾にはどのような意味があるのか教えて欲しいんだ。わかるか？」
「え、あれか？あれは……うちのだとするなら『敵が反撃を始めた、増援を送れ』だ。もしかしたらターミナル内の制圧状況は芳しくないのかもしれないな」
「……だとすれば私達も前線へ移動する必要が出てくるのだろうか？」
「もしかしたらそうなるかもね。ちょっと確認させとくれ」

被弾を避けるため匍匐で教導士官の側へ近寄り、小さなパラシュートでしばらく空に留まって煌々と輝く信号弾を指差しながら意味を聞き出して見れば、どうにもターミナルに展開する歩兵達の状況は芳しくないらしい。
現状陣取っている位置からだと遮蔽物や爆煙なんかで中の状況をはっきりと視認しにくいのもあって、推測しかできないのは面倒なものだ。
それは教導士官の方でも同じことを思ったようで、背中に背負っている官給品の「キューブ」と渾名のついた四角形のバックパックからラップトップを取り出して開き、液晶に映る飛行場周辺の地図や部隊の配置と状況などをみている。

[115 二次元好きの匿名さん 24/12/30(月) 06:07:09]

飛行場の占拠...制空権にも関わるだろうし相手も必死に防衛してきそうだ

[116 二次元好きの匿名さん 24/12/30(月) 16:07:10]

混乱しそう

[117 金矢シレナ 24/12/30(月) 20:18:46]

ラップトップが映し出す状況はどうにも良くないようで、何か追加の命令が飛んできたりはしていないものの、ターミナル内部に踏み込んだ歩兵からはあまり良くない知らせが入っている。

「ふーむ……ターミナルに立てこもってる連中は、他の所が攻撃を受けている間になんとか陣地構築を終わらせたみたいだな。それに加えて、抵抗もかなり激しいときた……そりゃあ歩兵が増援を求めてくるわけだ」
「……あのロソマクだけだと火力が足りていない……？」
「多分そうかも、なんせ近くに高射砲がお出ましになったからね！」

滑走路を走り回るロソマク装甲車は砲塔に載せた30mm機関砲をターミナルに向けて撃ち込んではいるが、それでもなお敵の抵抗を崩し切れず、陣地も健在だという。
そんな状況を打開するためか、今まで後方から飛行場の敵陣地に向けて砲撃を加えていた75mm高射砲が前線近くに進出し、直接照準で対戦車砲よりも迅速な釣瓶打ちをターミナル内の陣地へと食らわせていく。
2、3秒に1発のテンポで75mmの榴弾を高速で叩きつけ、その度にターミナルは猛烈な爆発が起こる。

「おーおー、随分と羽振りがよろしいようで。あんだけ弾を使っておいて、よく弾切れにならねえもんだな」
「本当にその通りだよ、補給があるにしても流石に限界は近いはず……なんだけどねぇ」
「一応前々から発掘や密造で備蓄量を増やしていたとは聞いているけども……ここまでの量はあったか?」

高射砲と対戦車砲の釣瓶打ちに、ロソマクの30mm機関砲と機関銃による制圧射撃。それのおかげもあってか砲兵が銃火に晒されることは無くなったが、それはむしろ私達に疑問を沸かせるものではあった。
そもそも、長い準備期間があったといえど、一門へ大量に砲弾を割り当てられるものなのだろうか？

[118 二次元好きの匿名さん 24/12/31(火) 01:51:16]

なにか裏があるのか？

[119 二次元好きの匿名さん 24/12/31(火) 12:37:31]

いわゆる見てはいけないものだったり？

[121 金矢シレナ 24/12/31(火) 22:31:04]

同じ疑問は正規軍に所属しているはずの教導士官や対戦車砲兵の指揮官も抱えていたようで、私のようなお守りによる援護の必要性も薄れたのをいいことに一か所に集まり、互いに持っている情報を交換して疑問点を潰していけないかと試みている。
……が、結局それは失敗に終わったようなので、目の前の仕事を片付けることに専念させる……とはいっても、高射砲の登場によってターミナルの制圧も進みつつあるようなので、現状は最早消化試合のようなものではあるが。

「うちの高射砲兵は一体どこからあんな量の弾を掻っ払ってきたんだ？大規模にあれの砲弾を生産していた工廠が再稼働したとは今んところ聞いてないんだが」
「あの高射砲が使う弾はうちの工廠でしか生産していない独自規格のやつだ、他に作らせたとは思えん。もしかしたらどっかに隠してた正規軍の弾薬庫でも見つけ出したのかもしれんだろうが……そうじゃない場合は一体どこから引っ張り出してきたんだ？」
「……まあ、どっちにしろ砲弾があるならあるでいい。それだけでしょう。今は目の前の仕事を片付ける方が優先です」
「その通りだな。全くもってその通りだ。とは言っても今は我々有利でかなり良い状況らしいが」
「……後でこのことは同期の友人にでも聞いてみるよ。彼女は私より階級が高いから、少しくらいは何か知ってるはずだ」

……おや、どうにも教導士官殿は階級の高いご友人がいるようで。今まで知らなかったけれども、階級の高い正規軍将校の友人がいると言うのならば、このことに関してもう少し詳しい情報が手に入るかも。
それにしても、正規軍が隠された弾薬庫あるいは武器庫を確保していたと言うのなら、なぜ私達ZWZに共有しなかったのやら。それから、それが実際に存在するとして、その事は学士院騎兵隊の方も知っていたのか。
……そして、正規軍がそれを確保していたと仮定して。何故同じ正規軍の、末端ながら正規の将校にちゃんと教えていないのか。

とりあえず、一旦思考はここまでにしておいて。今は飛行場の制圧もあらかた終わり、戦場掃除と残敵掃討、それから捕虜の武装解除が始められた。
私達は滑走路に集められた万魔殿の捕虜を監視し、脱走や反乱など妙な気を起こさないよう、散弾を詰めて砲口を向けている対戦車砲兵や、立派な軍馬に騎乗して槍を構えている槍騎兵、着剣した小銃を携える正規軍の歩兵と共に睨みを効かせている。

[122 金矢シレナ 24/12/31(火) 22:31:14]

「捕虜の調子は？」
「今のところは大人しく僕達を睨みつける程度にとどまっているし、妙な動きをすれば歩兵や槍騎兵が銃剣や槍とサーベルで脅してくれるから楽かな。後は軍用犬が増援で送られてきたのも大きいね」
「俺としては小遣い稼ぎができねえのは残念だが、ここまで厳重に見張られてるんじゃ諦めるしかねえな」
「正規軍の前でそのような真似をするのでしたら、正規軍が処分を下すより先に私があなたを白水河の川底に沈めますよ」
「うへっ……それは勘弁してくれよ、俺はカナヅチなんだ」

なんとか飛行場の制圧が終わり、収容所への移送が始まるまで捕虜を監視する中、他にやることもないので適当に駄弁りながらも捕虜を監視していた。
正規軍も見ているのもあってかクリスは戦利品や捕虜の懐を漁れないのを嘆いているが、それ自体はどうでもいいから適当に返事して流すとして。
万魔殿の方もそれなりの人数ここの防衛に割り当てていることから、ここは結構重要であると見ていたようだし、そのおかげで鹵獲兵器の数もある程度は期待しても良いだろう。
それから、飛行場の確保ができたことで流亡学府からの物資の空輸も受け取れる。これで少しは物資や兵員の補充が見込めるだろう。
とはいってもそれを始める前に滑走路やターミナル、管制塔の片付けと再整備をしなければいけないのだけど。

[123 二次元好きの匿名さん 25/01/01(水) 09:36:51]

砲弾...不穏な気配
にしても整備か、ここまでぶっ放してたとなると骨が折れそう

[124 二次元好きの匿名さん 25/01/01(水) 19:49:56]

しっかり輸送機も持ってるんだな

[125 金矢シレナ 25/01/02(木) 00:43:06]

工兵や建築科を機材と共に荷台へ積み込み、飛行場へ乗りつけたトラックから物資を下ろした後、後ろ手で縛った捕虜を荷台に押し込んでは収容所へ送り出し……と、一連の作業を何回か繰り返した末に捕虜の移送は終了し、ついでに整備・補修担当の人員と機材も揃って飛行場の復旧作業が始まる中、捕虜がいたことで話せなかったであろうことを伝えに教導士官が私たちの元へやって来る。

「よし、捕虜がどっか行ったからやっとこさこの事を話せる。他言無用で頼むぞ」
「了解、誰に聞かれても答えない。教えていいのは信用できる同胞にだけ、でしょう？」
「機密保持の心得についてはちゃんと学んでいるようだな、関心関心。
で、本題だが……簡潔に言えば確かに上の方は事前に隠されてた弾薬庫や武器庫を抑えていたが、その情報は蜂起の前倒しもあって適切に共有されていなかった。と私の友人は仰っていたな。どうにもそこまで大層な陰謀とかではなく、精々がどっかのバカが先走った皺寄せが来ただけ程度のものだと」

教導士官が件の友人から聞き出した情報はどうにも真っ当で、そして割とあり得てしまう内容ではあった。
そもそも私達へ蜂起決行日の通達を担当した騎兵隊の将校はどこか怪訝そうな表情でその書類を渡してきたのだけど、今になってみるとあれは当初の予定より早くに蜂起を決行することに対して何か思うところがあったのだろう。
と、なれば多少上の方で混乱と情報伝達の不備が発生してしまったという、大した陰謀も何もない、非常につまらない結論に至るわけだ。まあ陰謀なんてあってほしくもないが。
とまあ、一旦出所不明の高射砲弾に関する謎は解けたのは良しとしよう。
少なくとも、私達はどこかの企業の首輪に繋がれないで済むのだから！

「さて、申し訳ないが一仕事終えた後にまた一仕事だ。今度はここにある発電所の制圧を援護しろとさ」
「おいおいマジかぁ？上は俺たちにいっぱい稼がせてくれるってのか？」
「なんてこった、少しは銃の整備と腹拵えくらいさせて欲しいのだけど……」

[126 二次元好きの匿名さん 25/01/02(木) 11:49:21]

一人蛮族がいる…

[127 二次元好きの匿名さん 25/01/02(木) 22:42:48]

うーん、ブラックだ

[128 二次元好きの匿名さん 25/01/03(金) 10:32:59]

ほ

[129 二次元好きの匿名さん 25/01/03(金) 20:38:15]

発電所か、思いっきりインフラ狙いだな

[130 金矢シレナ 25/01/04(土) 03:21:02]

飛行場制圧の次は発電所の制圧の援護に向かえとのお達しが伝えられる。全く、これ以上の戦闘は過重労働になるとして割り増し給金を請求した方が良いだろうか？
だが、現状どこもかしこも戦闘中といえど流石に連戦続きというのは銃や心身の消耗を考えれば厳しいものもある。
……まあ何はともあれ、今は耐え抜く時なのだろう。これさえ切り抜けることができれば、少しは休めるはずだ。

「兎にも角にも、これが命令である以上私たちも従う必要があります。それは理解できますよね？」
「まあ、理解はできるさ。理解はね。でも僕としては納得ができないんだ、僕らを休みもなしに戦い続けさせる上の意図がね！」
「確かにそれはごもっともな意見だ。だが我々は今、シェオルの為に一つの部隊として協同して戦わなければならないんだ。だから、今だけは耐えてほしい」
「……わかった、降参する。戦いに行けばいいんだろう？」

渋るショウカを教導士官と2人で説得し、少しの思案の後に腹を括ったのか、少し諦めたかのようにしつつも大人しく私たちと行動を共にすることを決める。
強盗騎士クリスは平常運転で疲れを微塵も見せていないし、むしろさらに稼げると乗り気だ。その元気を少しは分けて欲しいものだ。
まあ何はともあれ、発電所へ移動するまでは銃の整備をしつつ休むとしよう。発電所の制圧さえすれば、あとはゆっくり休めるはずだから。

[132 金矢シレナ 25/01/04(土) 23:38:02]

発電所までの移動を終え、一掴みの文句と疲労に数発の手榴弾を抱えた私達は激しい室内戦へ投げ込まれる羽目になった。
一応武器庫制圧時のような少数での行動ではなく、正規軍や学士院騎兵隊からの援護を受けられるし、シェオル最精鋭の有翼騎兵がポイントマンになってくれている。それでも楽ではないし、かなり大変ではある。
そもそも、発電所の中はボイラーとタービンやそれに付随した種々の機器に配管やらが詰め込まれているもんだからひどく複雑で入り組んでいる上、そもそも結構狭い。

「地下水道よりも狭いぞ、どうなってんだ」
「発電所というのはそういうものだ、観念して受け入れたまえよ」
「……どこかで短機関銃を調達しておくべきでしたね」
「今の状況なら、敵から鹵獲するのが一番現実的かもな。強盗騎士、頼んだぞ」

そんな状況だから、最初っから短機関銃を持っている教導士官はともかくとして、私は小銃を背負ってホルスターから拳銃を抜いているし、クリスの方も機関銃を振り回すのを諦めて鹵獲品の拳銃を片手に進んでいる。
ただ、ショウカと有翼騎兵は拳銃を持っていないが故になんとか持ち方に苦労しながら小銃を構えて警戒しながら進む羽目になっている。
……こうなることを知っていたのならば、銃の整備よりも先に短機関銃を捕虜からの接収品か補給所から分捕っておくべきだったかな。まあこれも後知恵だから言える事で、今のような状況に陥るまでは考えもしなかったのだけど。
だから、短機関銃の調達は敵に任せるとしよう。現状地下学府の兵器・弾薬類の供給ルートは発掘と密造、ブラックマーケットからの購入、そして敵からの鹵獲の4本立てになっているのだから。

[133 二次元好きの匿名さん 25/01/05(日) 10:30:03]

そもそもあんまり撃ち合いたくない場所だわ

[134 二次元好きの匿名さん 25/01/05(日) 18:55:43]

悪どい

[135 金矢シレナ 25/01/05(日) 21:50:46]

頑丈な鎧を着込んだ有翼騎兵を先頭に、狭くて複雑な通路をなんとか通り抜けられると思えば、よりにもよってそこで私たちと同じように発電所の制圧を目論んでいる万魔殿の連中と出会し、突発的な遭遇戦が始まる。

「うわっとと！この先に万魔殿だ！交戦開始！」
「援護する！」

有翼騎兵とショウカがなんとか構えた小銃で応戦し、万魔殿の方も装備している短機関銃や散弾銃を撃ち返している。
先頭の2人が万魔殿の連中と激しい戦いを繰り広げている間、この状況を打破するために何か使えそうなものはないか私とクリスと教導士官の3人で各自の持ち物を広げて吟味していた。

「手榴弾はどうだ？こいつらでなんとかならないか？」
「……我々は今、ここで足止めを食らっている。通気ダクトや横道なんてない、完全なクソ狭いくせして無駄に距離のある一本道のここでな」
「クリス、あの窮屈な状態から手榴弾をこの通路の奥まで投げられますか？」
「……無理だな、手榴弾を使うのは取り消そう。ところで……この弾はその信号拳銃に使えるのか？」
「ん、それはこいつにちゃんと適合する催涙弾だな……」

その中で色々プランを立ててみては白紙に戻し、新たなプランを立てて……と、ループが続くかと思われたところに一つの光明が差す。
教導士官が持つ信号拳銃、それに適合する催涙ガスが詰まった26mm弾が数発。
これを目敏く見つけたクリスは催涙弾がちゃんと使えるものかを確認し、教導士官は使えると答えてから何か思うところでもあるのか、催涙弾を手に取り、地図と交互に見ながら考え始める。
そして、考えを終えたのか私達に質問を一つ投げかける。

「……なあ、お前達。ガスマスクって持ってるか？」

[136 二次元好きの匿名さん 25/01/06(月) 08:32:30]

悪い顔してそう

[137 二次元好きの匿名さん 25/01/06(月) 17:23:32]

絶対目鼻が痛くなる作戦じゃん

[138 金矢シレナ 25/01/07(火) 00:17:25]

「ガスマスクぅ？そんな立派なもんなんぞ、俺らみたいな寄せ集めが持ってるわけねえだろ」
「僕らは教導士官殿や有翼騎兵殿のような正規軍の出身ではないからね、ガスマスクなんて持ってないのが普通さ」
「教導士官、あなたは一体何をするつもりで……？」

愉快そうに悪い笑みを浮かべ、件の催涙弾を信号拳銃に装填した教導士官は、私達の答えや問いを聞いて、渾身の悪巧みを披露する。
……なぜ私達のような寄せ集めがガスマスクなどという立派な軍用装備を持っていることを前提に話しているのやら。

「この催涙弾にはクロロアセトフェノンが封入されている。こいつは塩化フェナシルやCNガスとも呼ぶ。
で、私がなにをしたいのかだが……まず最初にこの催涙弾を連中に撃ち込む、すると万魔殿の連中はガスの効果で激しく咳き込んだり目を痛めたりする。そこを狙って突撃し、連中を掃討する。その予定だったが、ガズマスクを持っていないんじゃ……」
「CNガスならガスマスクの代わりにゴーグルと普通のマスクでも対処できるぞ。ま、それすら持ってない場合、お前達は口と鼻を布切れで覆っただけの状態で突撃する羽目になるが」

教導士官によるプランの披露が終わった後、有翼騎兵が催涙ガスについての補足をしてくれたのは良いんだけれども、そのガスマスクの代用品すらない場合はどうすれば良いのやら。

「ま、代用品がないんならないで、なんとか耐えてくれ。シェオル魂を奴らに見せ付けてやろうじゃないか」

[139 金矢シレナ 25/01/07(火) 00:44:12]

所持品ダイス:

dice3d4=4 2 4 (10)

(左からシレナ、ショウカ、クリス)

1.代用品所持

2.眼球保護/ゴーグル、安全メガネ等所持

3.呼吸器保護/マスク、スカーフ等所持

4:なし/気合いで頑張るマン爆誕

[140 二次元好きの匿名さん 25/01/07(火) 00:46:06]

三分の二は地獄を体験することになるな

[141 二次元好きの匿名さん 25/01/07(火) 11:00:31]

どこまで気合いで行けるか

[142 金矢シレナ 25/01/07(火) 19:55:02]

代用品もまともに持ち合わせていない私たちを一瞥した教導士官は精神論を唱えつつ通路の先へ催涙弾を撃ち込んでから手早くガスマスクを装着し、同じようにガスマスクを装着した有翼騎兵と共に通路を進んで行く。

「催涙弾投射！前進だ前進！」
「我に続け！突撃！」
「……頑張ろっか……」
「うす……」

流石に銃を撃ちながらズンズンと突き進む教導士官と有翼騎兵を放っておく訳にもいかず、ノーガードの私とクリス、そしてゴーグルだけ持っていたショウカの3人で催涙弾の放出するガスの中へと突っ込む羽目になったわけで。
完全防御状態の正規軍に所属する2人を除き、この場にいる全員が催涙ガスの主成分に眼球と呼吸器を痛めつけられてふらふらになりながらも、なんとか奮闘していた。
そんな中、完全防御状態で無駄に元気な教導士官と、有翼騎士だけが着実に戦果を上げ、他の私達は催涙ガスの効果に足を引っ張られてまともな戦果など望めるはずもなく。
流石に催涙ガスへ諸に晒された状態で普段通り戦うのは無茶があるし、私とクリスは戦闘が終わってすぐ地に膝をついて咳き込みながら目や鼻の痛みや皮膚に感じる刺激にのたうち回る羽目になった。ただショウカの方はまだゴーグルで目を保護できていたため、咳き込む程度で済んだのだから比較的に被害は比較的に軽く済んでいる。

……まあ、流石にこの惨状を引き起こした原因だと自覚できている教導士官の手配によって、後退してシャワーを浴びれるようになったのはほんの少しの役得とでも思うことにしよう。まあそれすらもなかったら中指突き立てて告発してやるところではあったが。

[143 二次元好きの匿名さん 25/01/08(水) 01:49:56]

良かった
いや良くはないか

[144 二次元好きの匿名さん 25/01/08(水) 13:29:54]

なんとかできたか

[145 二次元好きの匿名さん 25/01/08(水) 22:17:31]

休まらないなぁ

[146 金矢シレナ 25/01/09(木) 05:21:19]

流石に戦闘継続が不可能な状態で何かができるわけもないのはわかりきった事実であるから、私達は後退してシャワーを浴びるついでに検査を受けることになった。
ゴーグルのおかげで視覚は無事なショウカに先導してもらいながら発電所を出て、近くの指定された病院まで移動し、そこでシャワーを浴びた後に呼吸器や目の検査をしてもらう。
幸いなことに全員あの催涙ガスを浴びたことで発生した後遺症などはなく、無事ではあった。

シャワーや検査等を終えた後に化学戦に詳しい正規軍将校の1人から、私達が諸に曝露したCNガスというものは大量に目に入ると一時的な失明すら引き起こす物だと教えてもらった。
それを聞いた私達の反応はと言えば、どこか緩い所のある銀縁眼鏡をかけたあの教導士官に対するイメージが180度反転したようにしか見えなくなっていた。

「……あの2人はそんなものを使ったのか……」
「あいつら、もしや俺らの事は使い捨ての雑兵くらいに考えているんじゃねえか？」
「もしくは郵便局制圧の時の意趣返しかもしれませんよ。それにしてもあのガスの中に突撃させるのは酷すぎるのだけれど！」
「どっちにしろだ、発電所の制圧を終えたあの2人が戻ってきた時。その時に僕らから文句を言ってやろうじゃないか！僕らからあのブルーブラッド共に文句の一つや二つくれてやる権利はあるのだから！」

今まで身につけ、装備していた服や甲冑、装備品等を除染の為に化学戦部隊の兵士へ預け、病院から配布された患者服に着替えた私達は除染作業が終わるまでの間を、不満を溢しながら少しの休憩だとゆっくりくつろいで待つ。
行動を共にしていた有翼騎兵と、教導士官。あの2人に出会したら文句を叩きつけてやると意気込みながら。

[147 二次元好きの匿名さん 25/01/09(木) 16:13:26]

残当

[148 二次元好きの匿名さん 25/01/10(金) 01:14:06]

っぱ貴族主義はダメだな！

[149 金矢シレナ 25/01/10(金) 07:38:47]

除染が終わった装備品類を受け取って着替え、教導士官は何処にいるのか聞き出してみれば、いまだに発電所で戦っているらしい。
どうにも万魔殿側の増援が送られてきたようで、それの対処に追われているとか。まあ私達は検査結果が出るまでは戻れないから、ゆっくりとあの2人の無事を祈りながら駄弁って待つだけしかできないんだけれど。

「それにしても、検査結果を出すのにはここまで時間がかかるものなのか？」
「さあ……よくわからないとしか……」
「でも俺らは今、この結果待ちのおかげでゆっくり休めてんだからよ、大人しく結果が出るまで待っていようじゃないか」

なんにしろ私達のような門外漢が医者の真似事なんてできるわけもないので、大人しく医者の言葉に従っていたところ、検査を担当していた眼科と呼吸器科の医者が戻ってきて私達へ「戦線復帰可能」の太鼓判を押す。
……さて、これであの2人の所に戻ってまた戦うことになるわけだけども、言い換えればこれは文句を叩きつけてやれるチャンスとも言える。

「そんじゃ、発電所に戻るとするかねぇ」
「僕らにはあの2人に言いたいことが山ほどあるからね！それを全部ぶつけるまではゆっくり休んでいられないし！」
「文句言われてもなお言い訳を続けるようでしたら、あの2人が泣き言を言うまで財布を使わせてもらいましょう」

何はともあれ、私達はお喋りを続けながら戦場である発電所へと舞い戻る。

……発電所へ戻ってきたのはいいのだけれど、よりにもよってあの2人と合流するために発電所内をあちこち走り回る羽目になった上、コンクリートの建屋やボイラーにタービンその他諸々の影響で通信もうまくつながらないものだから合流にはかなり手間取ってしまったが。

[150 二次元好きの匿名さん 25/01/10(金) 18:34:54]

磁場の影響があるということは稼働中なのか…戦闘の余波でタービン吹っ飛ばないか心配だな

[151 金矢シレナ 25/01/11(土) 03:23:56]

あっちこっち走り回った末になんとかあのノーブル2人と合流し、文句を大量に叩きつけた上で恨みを込めた一撃を1人1発の計3発を2人に喰らわせた後。
私達は先程の通路よりは広く、そして開放的な発電所建屋の屋上とそれに繋がる屋外通路を確保することになった。
もちろんこれに取り掛かるのは私達だけじゃなく、制圧済みのエリアから引き抜かれたZWZと正規軍の分隊もまた同じ命令を受けている。
とは言っても私たちの方が数分の差ではあるけれども、屋上を先に確保できたので位置的な有利を手に入れることはできたし、正規軍の兵士が神輿のように3人で三脚ごと担いで運んできた水冷式重機関銃を万魔殿連中が到達する前に設置してくれたおかげで、屋上の防衛はかなり楽にやれている。

「そっちの階段に機銃を指向しろ！」
「梯子を登ってきてる連中は蹴り落としてやれ！」
「敵が通路を通って来ている！手榴弾の投擲を！」

……まあ、攻撃するよりは比較的楽ってだけであって、そこまで楽というわけではないのだけれども。
それでも正規軍が扱う重機関銃の支援や、敵の移動ルートが数個に限られて来る以上、適切に人員と仕事を割り振りさえすれば概ねなんとかなる以上、やはり今までの戦いよりはかなり楽であると言える。

「これなら程々の頑張りでもなんとかなる……のやら」