- 1スレ主24/12/07(土) 19:23:19
- 2スレ主24/12/07(土) 19:23:45
過去作
🎲よいこのSEEDおとぎ話『3匹の子豚』|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところに3匹の子豚の兄弟がいました。長男はキラ、次男はアスラン、そして末っ子はシンという名前です。ある日、三兄弟はそれぞれ自分の家を建てて暮らす事になりました。理由はdice1d3…bbs.animanch.com🎲よいこのSEEDおとぎ話『人魚姫』【CP注意】|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところにdice1d2=@1 (1)@ (1.カガリ 2.アスラン)という人魚のお姫様がいました。(※元ネタの都合上、アスカガ等CP要素が多く含まれる可能性大です。ご注意ください)bbs.animanch.com🎲よいこのSEEDむかしばなし『竹取物語』|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところにdice2d47=@22 40 (62)@ の夫婦が暮らしていました。https://bbs.animanch.com/img/3462477/1bbs.animanch.com🎲よいこのSEEDおとぎ話『アラジンと魔法のランプ』|あにまん掲示板bbs.animanch.com🎲よいこのSEEDおとぎ話『白鳥の湖』【CP注意】|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところにdice1d2=@1 (1)@ がいました。1.キラという心優しい王子様2ラクスという美しいお姫様(※元ネタやダイスの都合上、キララクやそれ以外のCP要素が含まれる可能性大…bbs.animanch.com🎲よいこのSEEDおとぎ話『セロ弾きのゴーシュ』|あにまん掲示板「むかしむかし、あるところにdice1d2=@2 (2)@ (1.町の小さな楽団 2.無名ロックバンド)に所属するオルフェという青年がいました。(今回はオルフェ主人公固定でいきます。ご了承ください)bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 19:24:20
おっ新作だ、しかもステラ主人公か
- 4二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 19:27:17
お父さんいないってことは
ネオなしでアウルとスティングってことかな? - 5スレ主24/12/07(土) 19:45:19
- 6スレ主24/12/07(土) 19:57:41
「……?」
「ん?どうしたんだよステラ」
「なんか、手が変」
「手ぇ?」
アウルと一緒にdice1d3=3 (3) (1.雪だるま 2.かまくら 3.ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲)を作っていると、ふと手に違和感を感じてステラは自分の手のひらを見てみます。
一体何事かとアウルもステラの手を覗き込んでみると、ステラの小さな手のひらは真っ赤になっていました。
「うわっ!なんだよその手!?……って俺の手もおんなじになってる!」
そこで自身の手もステラと同様に赤くなっている事に気付いて、アウルは慌ててステラを連れてほら穴に帰るとそこでぬくぬくしていたもう1匹のお兄さん狐のスティングに駆け寄りました。
- 7二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 20:06:48
初手からダイス神何してんだって結果でふいた
銀魂かな? - 8スレ主24/12/07(土) 21:23:42
「スティング!スティング!!俺とステラの手が変になっちまった!」
「はあ?」
大慌てのアウルとは対照的にスティングは落ち着いていて、2人の赤くなった手を見てすぐに納得したように頷いていました。
「あー、こりゃ霜焼けだな。ま、朝からずっと雪触ってたら当然そうなるわな」
「スティング、しもやけって何?」
「霜焼けってのはそうだな…簡単に言うと火傷の冷たい版みたいなモンだ」
ちょっと待ってろよ、と言ってスティングは立ち上がると側に置いてある戸棚を漁り中からdice1d3=2 (2) (1.薬草 2.オロナイン 3.ナナシのみ)を取り出すとそれを2匹の手に塗ってやります。
「そら、出来たぞ。あとはこのまま一日じっとしてたら治るだろ」
「えー!それじゃ雪で遊べないじゃん!」
「んな事言っても仕方ねえだろ、我慢しろ」
文句を言うアウルをスティングは面倒くさそうに宥め、そんな2匹のやり取りをステラはじっと見つめていました。
- 9二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 23:17:41
保守
- 10二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 23:22:38
続き待機
- 11二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 23:52:52
アウルとステラが作ったネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の完成度はどれくらいかな?
- 12二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 01:18:52
なんつーもんを無垢な女の子に作らせてんだダイスwww
- 13二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 01:56:36
アウルお兄さんもスティングお兄さんもお腹冷えそうな格好してるの草
- 14スレ主24/12/08(日) 08:04:51
(寝落ちしてました…申し訳ない)
「でもさ、素手で雪に触らなきゃ大丈夫なんだろ?なら手袋買ってくれよ!」
「ダメだ。手袋なんて人里におりないと買えないだろうが」
スティングは苦々しい顔でアウルのお願いを却下します。
というのも、以前スティングは友人のdice1d4=4 (4) (1.オルガ 2.クロト 3.シャニ 4.dice1d32=22 (22) )と一緒に人里へと遊びに行った事があるのですが、その時に友人が百姓の家の家畜にちょっかいを出してそれに怒った百姓に追いかけられて命からがら逃げ帰ったという苦い経験がありました。
なのでスティングは弟妹に「人間は怖い生き物だ」と教え、人里に行かないよう口すっぱく言い聞かせてきたのです。
じゃあなんで家にオロナインがあったのかって?そこは突っ込んではいけません。
- 15二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 08:06:01
自分‼
- 16スレ主24/12/08(日) 08:12:00
書き忘れてましたが、ダイスは基本的に既出キャラと被った場合は+1してるのでこの場合はオルフェになります。
ちなみにスティングと共に百姓に追いかけられたオルフェはどうなったかdice1d2=1 (1)
1.スティングと共にどうにか逃げ切った
2.百姓に捕まるもペットとして飼われ今も可愛がられて暮らしてる(スティングはその事を知らずに殺されてしまったと思ってる)
- 17スレ主24/12/08(日) 18:54:22
- 18スレ主24/12/08(日) 18:55:21
スティングとステラの言い合いがヒートアップしていき、気付けば蚊帳の外に追いやられていたアウルがポツリと言いました。
「…なら、人間に化けて買いに行けばいいんじゃね?」
「なんだと?」
「スティングは狐のまま人里に行って人間に追いかけられたんだろ?狐じゃなくて同じ人間のカッコしてたら人間も何もしてこないんじゃねーの?」
「…だとしても、ステラはまだ小さいんだ。人間に化けるなんて出来ないだろ」
「それくらい俺がやってやるって!」
アウルはそう言うと、ステラの頭の上に一枚の葉っぱを乗せます。するとボンッという音と共にステラの体が煙に包まれ、煙が晴れるとステラはdice1d2=1 (1)
1.人間の少女の姿に変わっていました。
2.手だけが人間の手になっていました。
- 19二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 21:19:02
あらかわいい
- 20二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 01:32:58
そのお百姓さん、黒髪赤目だったりしませんよね……??
- 21スレ主24/12/09(月) 06:11:11
「おっ、思ったよりイイ感じじゃん」
「すごい!ありがとうアウル!」
「アウル!お前勝手に…!」
「なんだよ、ステラ本人がやりたいって言ってるんだからやらせてやればいいだろ?」
あっけらかんと答えるアウルにまだ何か言いたげな様子のスティングでしたが、その場で踊るようにくるくると回ってはしゃぐ人間の姿をしたステラに毒気を抜かれたのか、やがて諦めたようにため息をついてステラへと声をかけました。
「いいか、ステラ。町に着いたら真っ直ぐに店に行って店の人に「手袋をふたつください」つってコレを渡せ。それで手袋を買ったら寄り道せずにすぐに帰って来る!いいな?」
「分かった」
僅かながらに持っていたなけなしのお金を握らせ、スティングはしっかりとステラに言い聞かせます。ステラもそれに頷き、気合十分といった様子で家を出発しました。
ステラの事が心配で堪らないスティングはdice1d2=2 (2)
1.どうか何事もなく帰って来るようにと祈りながらステラを見送りました。
2.アウルを連れてこっそり後をついて行く事にしました。
- 22二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 11:45:29
このレスは削除されています
- 23二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 22:35:04
保守
- 24スレ主24/12/10(火) 06:15:46
セルフ保守
- 25二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 15:16:10
まさかの別展開!
- 26スレ主24/12/10(火) 20:48:11
そんなこんなで時折道草を食いはしたものの、それ以外は特に問題もなく町へと到着したステラでしたが、そこでとある問題が起きました。
「……お店、どこ…?」
そう、ステラはお店で手袋を買う方法は教わりましたがそのお店のある場所を聞いていなかったのです。
キョロキョロと辺りを見回しますが、お店と民家の違いも碌に理解していないステラにはどれも同じ建物に見えてよく分かりません。
ステラの死角の物陰に隠れていたスティングも、ステラにお店への行き方を教えていなかった事に今更ながら気付いて頭を抱えてアウルに呆れられていました。
このままでは手袋が買えない、そうステラが途方に暮れそうになったその時です。
dice1d2=1 (1)
1.赤毛の姉妹がステラに声をかけました。
2.たまたま住人(dice1d47=19 (19) )が通りがかったので、咄嗟に道を尋ねました。
(既出キャラの場合は+1)
- 27スレ主24/12/10(火) 20:49:32
>>22が消えてたので再投稿
「……なあスティング、これ俺らいる意味ある?」
「あるに決まってるだろ。もしステラに何かあったら守ってやるのが兄貴の役目だろうが」
「だったら最初からスティングが行けばよかったんじゃん…まあ俺も町に興味あったからいいけどさ」
そんな会話をしながら、スティングはアウルと共に草むらに隠れてステラの様子を伺います。
2人がついて来ているなんて微塵も思っていないステラはトテトテと町へ続く道をマイペースに歩いて行きます。
時折空を飛んでいる鳥を見つめたり、道端に生えているキノコに気を取られたりして足を止めましたが、それも一瞬の事ですぐにまた歩き出しました。一応スティングの言いつけを守っているのでしょう。
「ステラ!そっちは脇道だ!その道だと遠回りになるから道なりに行け!…よしその調子だ、そのままそのまま…あっ!?馬鹿なんでそっちに行くんだよ!」
「え、何これはじめてのおつかい?」
ハラハラしながらステラの動向を見守るスティングの横で呟いたアウルの言葉に答えてくれる人はいませんでした。
- 28スレ主24/12/11(水) 06:09:10
「あ、あのー、すみません…」
「?」
控えめに声をかけられてステラが振り向くと、そこには系統の違う赤い髪色の女の子が2人立っていました。
「ごっ、ごめんなさい、急に声かけちゃって。なにか困ってるようだったから…」
「さっきからずっとキョロキョロしてたけど、もしかして迷子なの?この町の人じゃなさそうだけど」
そう言う2人に敵意は全く感じられず、ただ純粋に困っている様子のステラを心配して声をかけたのだという事が伝わります。
なので初めは警戒していたステラもすぐに緊張を解いて正直に事情を話す事にしました。
「…手袋が欲しいの」
「手袋?」
「うん。ステラとアウルと、あとスティングの分も」
「ああ、買い物に来たのね。手袋となると…一番近いのはあの店かしら」
「お姉ちゃん、せっかくだから案内してあげようよ」
「そうね。どうせ暇だし」
どうやら直接連れて行ってくれるようです。
ついて来て、と優しく笑う少女達にステラもまた小さく笑みを返しながら頷きました。 - 29二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 16:34:37
保守がてら
かわいい話がさらにかわいくなってて楽しみです - 30スレ主24/12/11(水) 22:44:03
「へー、人間って案外親切なんだな」
「…そりゃ、今のステラが人間のフリをしてるからだ。もし正体がバレたら何をされるか分かったモンじゃねえ」
「そんな心配しなくても別に取って食われたりはしないだろ?俺らエキノコックスとかあるし」
「おとぎ話に生々しい話を持ち出すのはやめろ」
姉妹に連れられて歩き始めたステラを追うように、アウルとスティングも建物の物陰や植え込みに身を潜ませながら町の中を移動していきます。
そしてスティングの心配とは裏腹に3人は至って和やかな雰囲気で歩きながらの会話を楽しんでいました。
「そういえば、まだ名乗ってなかったわよね?私はルナマリアで、この子が妹のメイリン。あなたは…」
「ステラ」
「あ、さっき言ってたステラってあなたの名前だったんだね。この町に来たのは初めてみたいだけど、ステラってどの辺に住んでるの?」
「…あっち」
そう言ってステラが森のある方角を指差すと、メイリンは不思議そうに首を傾げます。
「え?あの方角には森しかないはずだけど…人の住んでる場所なんてあったっけ?」
「人じゃなくて動物がいっぱい暮らしてる。狸とかうさぎとかリスとか…今はみんなほとんど寝てるけど」
「…ステラって結構メルヘンな環境で生活してるんだね…?」
メイリンが脳内でディズニープリンセスのように小動物と戯れるステラの姿を思い浮かべてる間に3人は目的地へと到着しており、丸いシャッポの看板がかけられた建物の扉をルナマリアがコンコンとノックしました。
「ごめんくださーい!」
するとたちまち中から「はーい」という返事が聞こえ、扉が開いて中から黒い髪に赤い目をした男の子が顔を覗かせました。 - 31スレ主24/12/12(木) 06:07:04
「あら、シンじゃない。店番?」
「まあな……んで、何の用?またウインドウショッピング?」
「ちょっと、せっかくお客さん連れて来てあげたのにその態度はないんじゃない?」
「えっ、お客さん?」
シンと呼ばれた男の子はそこでようやくメイリンの隣にいるステラに気付いたようで、赤い目を丸くして慌てて扉を大きく開きました。
「すみません!気付かなくて!どうぞ中に入ってください!」
シンに促されステラがお店に入ると、ルナマリアとメイリンも一緒に中へと入って来ました。
さも当然というようなその素ぶりにシンはジト目で2人を見やります。
「…なんでルナ達まで入って来てるんだよ」
「だって外寒いんだもん。それにステラここら辺の道分からないみたいだから、帰りも案内してあげないと」
「そうそう。それにただの冷やかしじゃなくて友達の買い物に付き合ってるんだから普通にお客さんとしてカウントしてもいいでしょ」
「ともだち?」
ステラがきょとんとした顔で反覆すると、ルナマリアとメイリンはしっかりと頷きます。
「そう、友達!こうして会ったのも何かの縁だし、このまま他人としてハイサヨナラ、なんて勿体無いわよ」
「それとも、ステラは私達と友達になるのは嫌?」
「………嫌じゃない。ルナとメイリンと友達になるの、嬉しい」
思ったそのままを口にすると、2人もまた嬉しそうに笑いました。
- 32スレ主24/12/12(木) 11:47:26
ついでに言うと、>>26で2が出ていたらお店の人はシンじゃなくてムウさんになる予定でした
- 33二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 23:05:58
保守
- 34スレ主24/12/13(金) 06:07:50
すみません、今リアルで仕事が立て込んでて中々時間が取れず…続きはもう少しだけお待ちください
- 35二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 13:28:54
保守
- 36二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 22:49:56
このレスは削除されています
- 37スレ主24/12/13(金) 22:53:28
「えーと…それでその、ステラ?は何を買いに来たの?」
「おっと、いけない。そっちが本題だったわね」
シンが控えめに尋ねると、ルナマリアが今思い出したかのように声を上げます。
ステラはシンに近付き、スティングから渡されたお金をポケットから取り出してシンに差し出しました。
「手袋みっつ、ください」
スティングには二つくださいと言うように言われていましたが、ステラは三つと言いました。
ステラとアウルの分だけ買ってスティングの分の手袋は買わないだなんて、そんな仲間はずれみたいな事はしたくないと思ったからです。
シンはステラからお金を受け取り、愛想の良い笑顔を浮かべます。
「はい、手袋3つね。どういうのが欲しいとかってある?」
「どういうの…?」
「たとえば色とかデザインとか、あと大きさとか」
「…よく分からないけど、大きさは小さいのと中くらいのと、あと大きいの一つずつがいい」
「小さいのがステラの分って事でいいのかな。悪いけど、どれくらいの大きさなのか手を見せて貰ってもいい?」
「うん」
シンに促されたステラが手を差し出したその時です。
不意にステラの頭の上に乗っていた葉っぱがdice1d2=1 (1)
1.少しズレて、手が狐の手になってしまいました。
2.ひらりと落ちてしまい、ステラは子狐の姿に戻ってしまいました。
- 38二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 08:32:47
続き待機
- 39スレ主24/12/14(土) 20:15:18
「「「え…」」」
「あ」
シンとルナマリアとメイリンの声が重なり、ステラも自分の手を呆然と見つめます。
せめてすぐに手を引っ込めていればまだ誤魔化せたかもしれませんが、この時ステラの思考は完全にフリーズしてしまっていてそれも叶いません。
その様子は窓からお店の中を覗き込んでいたアウルとスティングにも見えていて、2人も予想外の事態に顔を強張らせていました。
「おいおいマジかよ…」
「チッ…!アウル!今すぐステラ連れて逃げるぞ!」
「は!?ステラを連れてってどうやって」
「この窓ブチ破るに決まってんだろ!」
乱暴にそう吐き捨てたスティングが窓ガラスに体当たりしようとしますが…それよりも早く、シンがそっとステラの手を取りました。 - 40二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 22:52:41
画像の影響ですごくロマンティックなシーンのようだ
- 41二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 07:34:39
続きを全力待機
- 42スレ主24/12/15(日) 13:17:38
「シン…?」
「…うん、この大きさなら子供用の手袋でいいかな。取ってくるからちょっと待ってて」
シンは何でもないように微笑んで言うと、安心させるようにステラの頭を軽く撫でてからお店の奥に引っ込んで行きました。
それを見たルナマリアとメイリンも顔を見合わせ、そして小さく笑って頷き合うと再びステラへと話しかけます。
「ステラが気にいる手袋があるといいね」
「見た目だけじゃなくてちゃんとあったかいかどうかも考えた方がいいわよ。シンなら試着させてくれるだろうし、じっくり選びましょ」
先ほどと全く変わらない態度で接する2人にステラは困惑の表情を浮かべ、おずおずと口を開きました。
「…どうして?」
「ん?」
「ステラの手、見たでしょ?なんで何も言わないの?怒らないの…?」
わけが分からず尋ねたステラでしたが、それに対してルナマリア達も同じようにわけが分からないという顔をします。
「なんで怒らないのって…ステラはただ手袋を買いに来ただけでしょ?何も悪い事してないのに怒る必要なんてないじゃない。まあ確かにちょっとびっくりはしたけど…」
「むしろ私は納得したかなぁ。森で暮らしてるってそういうことかーって」
それに、とメイリンはステラの目をしっかりと見つめて続けます。
「私達はステラが困ってたから声をかけて、ステラと仲良くなりたいって思ったから友達になったの。人間だからとか狐だからとか、そんなの関係なくステラがステラだったからそうしたんだよ」
多分、シンも同じなんじゃないかな?
そうメイリンが言ったタイミングで店の奥に引っ込んでいたシンが戻って来ました。 - 43スレ主24/12/15(日) 13:18:11
「お待たせ。取り敢えず店にあるステラの手のサイズに合うやつ一通り持って来たから、この中から好きなの選んでいいよ」
「あっ噂をすれば…ステラ、手袋選ぼう?私達も手伝うから」
「ステラは何色が似合うかしら?シン、試着してみてもいいわよね?」
「もちろん!」
並べられた色とりどりの手袋を手に取りステラの狐の手に当ててああでもないこうでもないと楽しそうに吟味するルナマリアとメイリン。
2人に挟まれて嬉しそうにはにかむステラ。
そしてそんな3人を穏やかな表情で見守っているシン。
予想していなかった彼らの行動に呆気に取られていたアウルとスティングでしたが、やがてスティングは無言で窓から離れて踵を返します。
「…アウル、ステラが帰ってくる前に先に帰るぞ。もし俺達が後をつけてたってバレたら拗ねて後々面倒だ」
「…りょーかい」
2匹のお兄さん狐は、妹に気付かれないようにそっとお店から離れてひと足先に森へと帰っていきました。 - 44二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 22:51:47
保守
- 45二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 07:26:38
お兄さん達お疲れ様です
- 46二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 17:35:31
シンルナメイのやりとりもかわいいし
お兄ちゃんたちもかわいい - 47スレ主24/12/16(月) 22:27:09
「──決まった?」
「うん。これにする」
いろんな手袋を試着して、ステラが選んだのはピンク色のふわふわした手触りの手袋でした。
「アウルとスティングの分も、これと同じふわふわであったかいのがいい」
「その材質のやつで男性用となると…これとこれかな」
そう言ってシンは青色と緑色の手袋を取り出します。
アウルとスティングがその手袋をつけている姿を思い浮かべて、ステラは嬉しそうに笑いました。
「せっかくだし、そのまま着けて帰ればいいんじゃない?」
「そうだな。ステラ、値札取るから一旦貸してくれる?」
シンはステラから手袋を受け取ると、ペン立てから取り出したハサミで手際よく3つの手袋の値札とタグを切り取って再度返します。
メイリンに促されて手袋をつけると、ステラの狐の手は手袋に覆われて見えなくなりました。これなら帰る時に町の人に見られたとしても問題ないでしょう。
「試着した時も思ったけど、やっぱりステラにはピンクが似合うわね」
「うんうん!お兄さん達用の手袋もきっと喜んでくれるよ!」
「ルナ、メイリン、シン、ありがとう!」
3人の優しさがどうしようもなく嬉しくて、ステラはたまらずdice1d3=2 (2) (1.ルナマリア 2.メイリン 3.シン)に抱きつきました。
- 48二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 08:31:52
保守
- 49二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 12:23:37
あら〜
- 50二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 22:25:19
結末覚えてないけどハッピーエンドで終わってほしいな
- 51スレ主24/12/18(水) 06:41:56
「わっ!ふふ、どういたしまして!」
抱きついて来たステラを受け止めてメイリンが笑うと、ルナマリアがさて、と切り出しました。
「ステラの買い物も終わったし……そろそろ帰りましょうか」
「……うん」
さっきまでの笑顔はどこへやら、ステラは途端にシュンとして大人しくなります。
出会いの数だけ別れがある。当然、シンやルナマリア、メイリンともお別れをしなくてはなりません。
「それじゃあシン、私達もう行くから…」
「あ、うん」
「シン…さよなら」
小さく手を振りながらシンに別れの挨拶をして、ステラ達はお店を後にしました。 - 52スレ主24/12/18(水) 06:42:26
お店に行く時よりもゆっくりした足取りで来た道を戻り、ついに3人は先程出会った場所…町の入り口へと辿り着きます。
「あとは帰り道分かるよね?」
メイリンの問いかけに無言で頷き、2人に向き直ったステラが手袋の入った紙袋を抱きしめて寂しい気持ちをグッと堪えて先程シンに言った別れの言葉を再度口にしようとしたその時、ルナマリア達の背後からステラを呼ぶ声がしました。
「ステラ!」
3人が驚いて声のした方を向くと、なんと先程別れたはずのシンがこちらに向かって走って来ているではありませんか。
「ハア、ハア…良かった、間に合って…」
「シン…なんで…?」
「あんた店番はいいの?」
「どうしてもステラに渡したいものがあったからさ、マユに任せて来たんだ」
「ステラに?」
シンは息を整えると、優しく笑いながらステラにあるものを差し出します。
「はい、これお土産」
そう言ってシンが差し出したのはdice1d2=2 (2) でした。
1.みかん3個
2.HGデスティニーspecⅡ&ゼウスシルエット
- 53二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 06:53:29
待てシン
いや本当に待てシン - 54二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 07:19:51
一瞬、目を疑ったよ
- 55二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 08:17:51
トンチキコース入ったな
- 56二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 11:00:58
そうだぞ。ガンマカやヤスリとは言わないがニッパーぐらいは一緒に持たせてあげないと。
- 57二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 11:10:07
キツネだか爪でなんとか(ならん)
- 58スレ主24/12/18(水) 21:00:22
「(箱が)デカ過ぎんだろ…」
「? 何の話?」
ルナマリアが思わず呟くと、シンはきょとんとして聞き返します。
「箱の話よ箱の!なんでよりによってそんなデカいサイズのガンプラ渡すわけ!?」
「い、いやだって、ステラは手袋3つも買ってくれたしサービスしてもいいかなって…」
「どう考えてもサービスの枠超えてるから!ステラを見てみなさいよあんなデカい箱抱えてるから顔隠れちゃってるじゃない!あれでどうやって帰れって言うのよ!」
「ステラ、大丈夫…?」
「前が見えねェ」
「お姉ちゃん大変!ステラがクレヨンしんちゃんみたいなこと言ってる!」
「そんな古いネタ読んでる人に伝わるわけないでしょ!」
「ご、ごめんステラ!」
てんやわんやの大騒ぎの後、HGデスティニーspecⅡ&ゼウスシルエットはステラが念の為にとスティングに持たされた風呂敷に包んで持って帰ることになりました。 - 59二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 21:51:30
- 60二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 07:17:11
懐かしいネタがwwww
- 61スレ主24/12/19(木) 11:51:26
「あのさステラ、さっきは言いそびれたんだけど…」
ステラがHGデスティニー(以下略)を包んだ風呂敷を背負ったタイミングで、シンが頬を掻きながら切り出します。
「良かったら、またウチの店に来てよ」
「え?」
「いや、こう言ったらアレだけどウチってそれほど繁盛してないからあんまりお客さんとか来なくて…でもその分常連さんはいい人が多いから、ステラもきっと仲良くなれると思うんだ。今回は会わなかったマユにも紹介してやりたいし」
「あら、私も同じ事言おうとしてたのにシンに先越されちゃったわ。ま、そう言うわけだから、またいつでも遊びに来てね」
「…ステラ、また来てもいいの?」
思わずそう聞くと、ルナマリアは笑って「当然じゃない」と言いました。
「まだこの町にはステラを連れて行ってあげたい場所がいっぱいあるもの」
「私は次会う時はもっとステラの話聞かせて欲しいかな。ステラのお兄さんとか住んでる森の話とかすっごく気になる!」
その言葉に、ステラの表情はみるみるうちに明るくなっていきます。
「うん!ステラ、絶対またここに来てシンとルナとメイリンに会いに行く!約束する!」
気付けば、寂しい気持ちや悲しい気持ちはすっかり消えていました。
代わりに、早く帰ってアウルとスティングに今日あったことを話したいと、そんな気持ちが湧いてきます。
ステラは踊るように軽やかな動きで3人から離れると、くるりと回って先程とは違う別れの挨拶を笑顔で口にします。そう、さよならではなく……
「──またね!」
手袋に包まれた手を大きく振って、ステラは森へと帰っていきます。
その後ろ姿を、シン達は同じように手を振りながらずっと見送っていました。 - 62二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 22:19:58
どこか爽やかな余韻を残す感じ、実に良い。
- 63スレ主24/12/19(木) 22:28:21
「ただいま!」
「おー、帰ってきたか…ってなんだそのデカい荷物?」
「お土産もらったの」
家に帰ったステラは真っ先にアウルとスティングの元へと向かい、まずは紙袋から青い手袋を取り出してアウルへと渡しました。
「はい。アウルの手袋」
「さんきゅ、これでまたネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲作れるな!」
「うん!」
アウルと仲睦まじく笑い合った後、ステラはスティングへと歩み寄ります。
「あのねスティング。人間、怖くなんてなかったよ。みんな優しかった」
お店の場所が分からないステラをお店まで案内してくれた事、友達だと言ってくれた事。
ステラが狐だと分かっても追い出さずに手袋を売ってくれて、サービスにガンプラまでつけてくれた事。
そしてステラにまた来てねと、そう言ってくれた事。
ステラは全部スティングに話しました。
「今度はみんなで一緒に町に行こう?ステラ、スティングとアウルにもシン達と友達になってほしいの」
緑の手袋を差し出しながらスティングを見上げるステラに、スティングは暫し何も言わずに手袋をじっと見つめていましたが…やがて観念したように息をつき、手袋を受け取りました。
「…友達になれるかはさておき、一応考えとくよ」 - 64スレ主24/12/19(木) 22:34:42
- 65二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 22:36:06
乙
うん…でかいの二つが本当にノイズ過ぎるなどうしてこうなった - 66二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 22:37:28
お疲れさまでした!
うーんひたすらにかわいい、とにかくかわいい
HGデスティニーspecⅡ&ゼウスシルエットはまぁシンだからまだ良いとして
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲は笑っちゃうだろ! - 67スレ主24/12/19(木) 23:06:31
お付き合い頂きありがとうございました!
元のお話が短いからサクッと終わらせる予定だったのにタイミング悪く仕事が多忙になり長引いてしまいました…申し訳ない
次は前スレで挙げられてた雪の女王をシンルナでやろうかなと考えてます。仕事納めして年末に自宅回線がホスト規制かけられてなければスレ立てする予定なので、その時はまたお付き合い頂ければ幸いです。 - 68二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 07:18:48
いままでに比べるとだいぶトンチキ成分が抑えられてて可愛い感じで終わった
ホーク姉妹✕ステラが可愛いし相性良さげでほっこり
雪の女王が原作版か変化球でディズニー版か、とにかく期待してます - 69二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 09:06:39
ありがとうございました
キツネ3人組と人間3人組がわちゃわちゃする未来が想像できて嬉しいです
ノイズのトンチキ感がまた主さんらしくて良かった
無理なさらない範囲で、次も期待しています