- 1スレ主24/12/10(火) 20:53:02
あらすじ
・人類がほぼ死滅したファンタジー世界。とある山奥にそびえ立つ屋敷では、二人の魔法使いとあらゆる種族の仲間がワイワイと暮らしていた。
ある日、そんな屋敷の一員となった妖精の黒名は、屋敷の奇妙奇天烈な面々と仲良くなっていく!
※前スレがありますが、読まなくても大丈夫な様に書いていきます
※ほのぼのストーリーです
※ライブ感で書いていくので更新ゆっくりです、申し訳ない - 2スレ主24/12/10(火) 20:53:59
- 3二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 20:55:34
ずっっと待ってました!
嬉しい! - 4二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 20:56:20
後日譚だー!!!!!
何度も読み返すくらいには大好きなので楽しみです! - 5スレ主24/12/10(火) 20:58:12
すごーくお待たせしました申し訳ない
《キャラ紹介》
凪
・人間。不老不死。白宝ラノベの主人公で、魔法の才能がとてつもなくある。玲王とは既に結ばれている
玲王
・人間。不老不死。reの主人公で、魔法使い兼精霊術師兼錬金術師。凪とは既に結ばれている
黒名
・妖精。死にかけていた所を潔に拾われ、森の中の大きな屋敷に住むことになる。何故か屋敷の住人の一部が黒名を知っていて…?
潔
・大精霊、超強い。蜂楽という妖精のパートナーが出来た
蜂楽
・妖精。潔という大精霊のパートナーが居る。妖精仲間の黒名が来て嬉しい - 6スレ主24/12/10(火) 20:59:03
《キャラ紹介2》
馬狼
・狼人間。屋敷の掃除係。潔に勝つため日々鍛錬を積んでいる
二子
・ドワーフ。屋敷の雑務をこなしてくれる。フェレットの使い魔を溺愛している
斬鉄
・竜人。人間が滅んだ際、不審に思った竜族が降臨させた存在。しかし凪と玲王、そして二子を気に入った為、下界の探索もそこそこに屋敷に居付いた。努力するバカ
國神
・ホムンクルス。料理人。厨房に居付いた千切に作った料理を摘み食いされるが、軽い注意で済ませる善人。千切とは熱い友情で結ばれている
千切
・ティーフリング。立派な角と爬虫類の尻尾を持つ。口から火を吹けるので、たまに國神の料理を手伝っているが、三分の一の確率で炭にする。國神とは熱い友情で結ばれている
氷織
・ジャックフロスト。冷凍庫に入り切らない食材等を凍らせておける地下にゲームと一緒に自ら引きこもっている。里を逃げてきており、その際に背中を押してくれた烏をいつか連れ出すと計画している - 7スレ主24/12/10(火) 21:05:15
- 8二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 21:05:44
うわーずっと待ってました!!嬉し過ぎるー!
- 9スレ主24/12/10(火) 21:15:06
人類が死滅してから数百年
自然には魔力が満ち溢れ、世界は神話時代へと逆戻りを果たした
そこら中に妖精や精霊が漂い、力比べや魔力比べばかりするようになった為、弱い妖精や精霊は次々と消滅していく
黒名も、消えゆく妖精のうちの一人だった
(痛い…もう、体動かない…)
ひび割れた羽を力なくパタつかせ、飛べなくなった体を見下ろす。長い時を生きてきても、終わるのはこんなに一瞬なのかと目を閉じかけた、その時だった
「見つけた───…遅くなってごめん」
緑色の光が黒名を照らす。
降ってきた優しい声に、傷付いた体から力が抜けていった。
どこかホッとしたような心地になりながら、黒名はそのまま意識を手放した - 10スレ主24/12/10(火) 21:16:28
ハッ
と目を覚ますと、白く清潔な天井が目に入った
体の痛みはどこかへと掻き消え、魔力不足でカラカラだった肉体は上質な魔力で満たされている
「生き、てる」
ペタ、と自分の頬を触りながら、黒名は呆然と呟いた。
見渡すと、そこは広くて手入れの行き届いた部屋だった。窓の外には晴天と、切り揃えられた立派な木々と花々が咲き誇る庭が見える。
部屋の豪華さから察するに、この場所は大きな屋敷だろう
「何処だここ…」
ポツリと呟いた時、コンコンとノックの音が聞こえた
ノックをしたのは
dice1d2=2 (2)
1 潔&蜂楽
2 凪&玲王
- 11スレ主24/12/10(火) 21:37:04
「ど、どうぞ」
緊張に肩を強張らせながらも、黒名はノックの相手に入室を促した。
どんな相手が扉の先に居るのかは分からないが、ボロボロだった黒名を手当してくれたのだ、きっと優しい人に違いない
白いシーツをきゅっと握りながら、扉が開くのを待つ
すると、ドアノブがゆっくりと回って…
バーンっ!!!
「うひゃあっ!?」
勢い良く開いた扉に、黒名は思わず悲鳴を上げてしまった。
しかし驚きを落ち着かせる暇もなく、紫色がとんでもないスピードで黒名へと飛び付いてくる
「黒名ぁ〜〜〜っ!!無事で良かった!!」
「わわっ、だ、誰、誰!?」
むぎゅうーっと抱きしめられて、わたわたと慌てふためいた黒名に構わず、抱きついてきた誰かは黒名の体を上から下までじっと見て、ニッコリと笑った
「怪我が治って良かった!今日からこの屋敷はお前の家だ!存分に寛げよ!」
煌めく紫紺の瞳。快活そうな紫色の髪の青年は、黒名の手を両手で握ってそう言う - 12スレ主24/12/10(火) 21:38:44
「ねぇレオ、説明がそれだけじゃソイツ、訳分かんないんじゃない?」
目を白黒させている黒名を見かねた様な声が、今度は紫色の青年の背後から聞こえた。見てみると、白い髪に燕尾服を着た背の高い青年が、黒名の手を握る紫色の青年を見つめている。凪いだ、灰色の瞳だった
白色の青年の言葉に「それもそうだな」と頷いた紫色の青年は、黒名が座るベッドから降りて、胸に手を当てて自己紹介を始めた
「俺はレオ、この屋敷の主だ。こっちは凪、俺のパートナーな」
どうやら、紫色の青年はレオ、白色の青年は凪というらしい。
訳が分からないながらも、黒名も倣って自己紹介する
「俺は黒名…えっと、助けてくれてありがとう」
「どういたしまして!…って言いたいところだが、お前を助けたのは俺らじゃなくてヨイチだよ。今は別の所に居るから、会った時に礼を言うと良い」
ニッコリと微笑んだレオも、その隣でただただ面倒くさそうに突っ立っている凪も、やはり悪い人では無さそうだ。
黒名は思い切って、質問する事にした - 13スレ主24/12/10(火) 21:40:00
「…どうして、俺を助けてくれたんだ?」
心細さに羽を折り畳みながらそう聞く黒名に、凪とレオは顔を見合わせた後、少しだけ寂しそうにまた黒名を見た。
居心地の悪い空気が一瞬流れたが、その空気を断ち切るかのように手を叩いたレオが、黒名に笑いかける
「これから俺らと黒名は仲良くなれるはずだから、かな!まぁ細かい事は気にするなよ、楽しく生きていこうぜ」
顔を見て満足したからと、レオは凪を連れて部屋から出ていった。
おそらくだが、黒名が一人で思考を整理出来るように気遣ってくれたのだろう
(よく分かんない状況だな…でも生きてる、生きてる。体ももう痛くないし…そうだ、俺を助けてくれたのはヨイチって奴なんだよな。ソイツにお礼をしに行こう!レオもそうしろって言ってたし!)
すっかり元通りの美しい羽で飛び立った黒名は、ピュンっと部屋から飛び出て、"ヨイチ"を探し始めたのだった - 14スレ主24/12/10(火) 21:41:37
黒名が最初に出会う人物
dice1d5=5 (5)
1 潔&蜂楽
2 國神&千切
3 馬狼
4 二子&斬鉄
5 氷織
- 15スレ主24/12/10(火) 21:44:52
こんな感じでのろのろ進めていきます
白宝ラノベの方はめちゃくちゃシリアスだったり曇らせばっかりだったりしますが、気になった方は一読して下さればより後日譚を楽しめるかと思います
お風呂の為一時離脱しますね - 16スレ主24/12/11(水) 07:05:06
「あれ?この道さっきも通ったような…じゃあこっち?」
「うーん、もう一階降りてみるか」
「ま、まずい…迷った迷った…!」
思った以上に広い屋敷の中で、黒名はあっという間に迷ってしまった。
いつの間にか周囲は静謐な壁ではなく石造りになっており、しかも異様に寒い。羽が凍ってしまいそうだ。
恐らく地下に来てしまったのだろう、早く上に行かなければ…と踵を返したとき、ふいに後ろから声を掛けられた
「なんや、初めて見る顔やん」
驚いて振り返る。
そこには、鬼の様な角の生えた水色の少年が居た。
パッチリとした瞳は薄い氷が張ったような色をしていて、こんなに寒いのに薄着をしている
「てことは、君がレオくん達が言ってた黒名くんなのかな?よろしゅう」
はんなりと微笑んだ彼は、"氷織"と名乗った
「寒いやろ?上着貸したげる。ごめんなぁ、僕は氷の妖精やねん。この地下にあるものを凍らせるのがお役目なんよ」
いそいそと黒名にもこもこのコートを貸してくれた氷織は、自分がジャックフロストだと教えてくれた - 17スレ主24/12/11(水) 07:06:03
「ふふふ、君、若い妖精やね。外で生きるのは大変やったろ?ここに来れて良かったね」
もこもこになった黒名を自室に招いた氷織は、膝に白猫を乗せながらそう言った
「うん。ヒトが居なくなった日から、皆の力が急に増えたから、弱い妖精は生きづらくて…その猫、こんな寒い所にいて平気なのか?」
「ああこの子?猫ちゃんはレオくんの使い魔やから、魔法で自分の身を守れるんよ。ねー」
小首を傾げて猫へ語りかける氷織。猫は、返事をするようににゃあと一つ鳴いた
「白猫ちゃん、ホントは飼い主のレオくんや凪くんと一緒に居たいやろうに、僕がここで一人じゃ寂しそうだからってしょっちゅう来てくれるんよ、かわええやろ?」
白猫を見る氷織は、優しい顔をしていた - 18スレ主24/12/11(水) 07:08:43
「えっと、俺は"ヨイチ"を探してて」
「ああヨイチくんね。探せばすぐ見つかると思うけど…もし外に出てたら、レオくんに喚び出して貰えばええよ。彼、レオくんと契約してる大精霊やから」
氷織は、黒名がヨイチを探していると言うと、そうアドバイスしてくれた
「また遊びに来てな。これお土産の冷凍みかん。溶けかけがシャリッとして美味しいから持っていき」
地上までの道を案内してくれながら、お土産まで持たせてくれて、氷織は黒名を見送った
黒名が次に出会う人物
dice1d4=3 (3)
1 潔&蜂楽
2 國神&千切
3 馬狼
4 二子&斬鉄
- 19二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 07:29:01
あったけぇ世界だ…
- 20二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 09:11:23
ネコちゃ優しい…!今の仲良しはひおりんなんだね
- 21スレ主24/12/11(水) 19:35:50
地上に出た黒名は早速、虱潰しに部屋を探してまわろうとしたのだが…
ドン!
ドゴーン!
バゴン!!
地響きと共にそんな音が聴こえたものだから、慌てて音の発生源を探した
「な、なんだなんだ…!?大ミミズが暴れてるのか!?」
じっと耳を澄ませると、何となくだが音の発生源がどこなのかが分かってきた。
恐る恐るそちらへ進むと、手入れの行き届いた庭の、少し離れた場所に更地があることに気が付いた。
窓からそちらをじっと見てみると、そこに大きな人影がある
大岩を軽々と片手で持ち上げるその人影には、尖った耳とふさふさの尻尾、そして、銀糸のような滑らかなたてがみがあった
「変身した…狼人間…!!」
隆々と波打つ筋肉が、遠くからでも良く見えた。その美しさに見惚れていると、自分に向けられた視線に気がついたのか、狼人間の鋭い瞳が黒名へと向いた - 22スレ主24/12/11(水) 19:36:52
「あっマズい、気付かれた?」
何となく悪いことをした様な気分になって、黒名はササッとしゃがんで窓越しにチラリと狼人間を見た。
すると、こちらを見る狼人間の視線は明らかに一層鋭くなった
「あう…誤魔化すの無理っぽい」
観念して姿を現し、ついでに"ヨイチ"について聞こうと、黒名は羽で飛び立って狼人間へと近付いてみた。
黒名が寄っていくと、狼人間は普通の人の姿へと姿を変貌させる。
銀のたてがみは、瞬く間に天を衝くような黒髪へと変った
「お前、新顔だよな」
遥か高みから見下ろすように黒名を見やりながら、狼人間は威圧感のある低音ボイスで話し掛けてくる。
こくりと黒名が頷くと、狼人間は「よし」と呟いて
「じゃあお前は今から俺の下僕だ」
と言い放った - 23スレ主24/12/11(水) 19:38:01
「げ、下僕!?」
「あ?何か不満か」
「不満!不満!!不満しか無い!!」
パッと羽を広げて威嚇のポーズを取った黒名に、狼人間は舌打ちをしながら仕方なさそうにため息を吐く
「チッ、じゃあ手下で勘弁してやる」
「それ何にも変わってないっ!!」
妖精の光る粉を散らしながら憤慨する黒名。小さい体で遺憾の意を表する黒名に毒気を抜かれたのか、狼人間は一度地面に置いた大岩を再度片手で持ち上げながら、黒名へシッシッとジェスチャーをした
「じゃあどっか行け。俺は今トレーニング中だ」
「そうだったのか、邪魔して悪い。でも俺、お前に聞きたいことがあるんだ。ヨイチが何処にいるか、分かる?」
「……ヨイチだぁ?」
"ヨイチ"と聞いた途端、狼人間の雰囲気がピリつく。ギロリと眼光鋭く睨んできた狼人間は、呪詛を吐くように黒名へ語った
「知るか。アイツが何処に居ようと俺はアイツを喰う」 - 24スレ主24/12/11(水) 19:39:11
それだけ吐き捨てて、狼人間は我武者羅に己を鍛え始める。
それ以上話を聞いてもらえなそうだし、何よりこの狼人間も"ヨイチ"の居場所を知らなそうだったので、黒名はトレーニング場を後にすることにした
「なんだか、"ヨイチ"は色んなヤツと因縁があるんだなぁ」
大変だ。と独り言ちながら、黒名は屋敷へと戻ったのだった
dice1d3=1 (1)
1 潔&蜂楽
2 國神&千切
3 二子&斬鉄
- 25二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:57:59
幸せそうで泣ける