- 1二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:27:50
- 2二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:28:34
〜出発当日〜
「じゃあみんな、行ってくるわね!」
「楽しんできてねアルちゃん♪」
「便利屋の社員として光栄であります……!」
「お土産はスペースデブリがいいな。」
便利屋の社員たちに見送られながらアルは事務所を後にし、やがてミレニアムへと辿り着いた。
「陸八魔さん、宇宙旅行当選おめでとうございます!」
ミレニアムへやってきたアルを一人の生徒が出迎えた。しかし、この後思いもよらない質問を投げかけるのであった。
「突然ですが宇宙飛行士は宇宙に着くまでどのように排泄しているかご存知でしょうか?」
「え?普通にトイレじゃないの……?」
「正解はこちらです。」
そう言うとミレニアムの生徒は手に持っていたカバンから信じられないものを取り出した。
「これって……"オムツ"よね?」
「そうです。あなたはこれを履いて宇宙に飛び立つのです。」
オムツ。打ち上げ時や船外活動時における宇宙飛行士の必需品であるが、これを履くことはアルのプライドが許さなかった。
「こ、こんなの恥ずかしいわ!!アウトローの面目丸潰れよ!!」
「気持ちは分かりますがどうしても履かなければならないのです。一度宇宙服を着たらそこから何時間も拘束される上脱ぎ着も面倒なのですから。」
「……分かったわよ。仕方ないけど履くしかないのね……。」
この後アルは更衣室で上着を脱ぎ、ブラジャーとオムツだけを身に着けた不恰好な姿になった。
「ていうかこの柄はなんなのよ?まるで赤ちゃんが履くオムツみたいじゃない!」
「これは小塗さんという方によるデザインです。本人曰く『これから宇宙に飛び立つワクワク感』をイメージしているそうですよ。」
「もっと他にあったでしょ……。」
オムツにはロケットや星などがあしらわれたポップな絵がプリントされており、まるで子供用オムツのようだ。意図は分からないが、前部に「まえ」の表記や股下におしっこのサインまである。
この後アルは宇宙服を着込み、ロケットに乗り込むのであった。 - 3二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:29:05
「宇宙旅行当選者陸八魔アルが宇宙旅行へ……。羨ましいわね。」
「信じられません!!あいつが宇宙飛行士なら私はとっくに連邦生徒会長になってます!!」
「アコ、うるさいよ。」
アルが飛び立つ様子はキヴォトス全国に中継されている。全国から様々な視線が向けられ、狭い空間で宇宙服を着ながらオムツの違和感に苛まれる彼女はもはや四面楚歌であった。
「オムツを履かされようと耐えてみせるわ……ここで漏らしたらアウトローの名が泣くもの……!!」
アルは自身を鼓舞し、何としても漏らさないという決心を固めた。そんな中カウントダウンが始まった。
「3……2……1……」
カウントダウンの後、アルを乗せたロケットは空高く舞い上がった。しかしここで無慈悲な現実がやってきた。
「あ」
アルは自身の股下に不穏な温みと臀部の異様な盛り上がりを感じ取った。
「え……嘘……?私、お漏らししてる……!?」
ロケット発射に伴い強力なGが身体に押しかかったことにより、アルは漏らしてしまったのだ。
「せっかく決意したのに……うわあああああああん!!!!こんなのやだあああああ!!!!」
これで終わりではなかった。大気圏を突破するまで彼女はオムツを汚し続けながら空を旅することになるのであった。 - 4二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:29:32
〜翌日〜
「陸八魔さんが帰ってきました!」
「宇宙に行った感想を教えてください!」
「…‥地球は青かったわ。」
帰還後、報道陣に囲まれるアル。人前では格好付けながらもその心境は決して良いものではない。なにしろ汚れきったオムツを履いているのだから。本人の顔色は地球以上に青かった。
おしまい - 5二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:29:57
以上です
お目汚し失礼しました