猫は炬燵で丸くなる

  • 1二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:22:15

    「先生、今週もお疲れ様…あれ?」
    毎週恒例の挨拶を口にして、カズサは扉を開ける。
    普段なら机に向かい、疲れを顔に浮かべ事務作業を行っている先生が迎えてくれるはずだが、その日は2点おかしな所があった。
    まず1つは、部屋に置かれた大きな炬燵。
    正方形で80cmほどの机を、白と青のチェック柄の布団が覆っており、上には蜜柑が積まれていた。
    (先週はあんなの無かったけど…)
    そしてもう1つは─。
    「いらっしゃい、座ったら?」
    青い羽織と二股の尻尾、そして黒い猫耳をピンと立たせた生徒、桐生キキョウ。
    彼女が炬燵に足を入れたまま、1人読書にふけっていたことだ。

  • 2二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:36:52

    おお…続けて

  • 3二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:44:34

    「…」
    「…」
    暖房と時計の秒針、そして窓ガラスに風が絶え間なく打ち付ける音のみがシャーレに響く。
    ドアを開けてから固まっていたカズサが、炬燵の対角へ足を入れるのにそう時間はかからなかった。
    毛を緩く逆立てて警戒する彼女と裏腹に、キキョウはたまに蜜柑を摘みページをめくるだけで、本から目線を外さない。
    降雪一歩手前の寒空に凍えていた身体が芯から温まって行くのを感じると、カズサは蜜柑を手に取った。
    「ねぇ」
    「何?」
    かじかんだ指でぎこちなく蜜柑の皮を剥きながら、少しの敵意を含んでキキョウに話しかける。
    「何でアンタがここにいるの?」
    「私が今日の当番だから、それ以外にある?」
    その言葉に続き、ぺらりと紙の捲れる音を耳にした誰かの溜息が聞こえた。

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:46:13

    とても良い、保守

  • 5二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:58:30

    「でも当番だからってこんな遅くまで居る理由にはならなくない?そもそも先生もいないし…」
    目を細め尋問…質問を続けるカズサに嫌気が差したのか、彼女はぱたりと本を閉じてカズサへ目を向ける。
    「先生は他自治区で起きたトラブルの処理…あと、それはアンタにも言えるんじゃないの?」
    墨のように深い視線がじっとりと貫くのを感じ、思わずカズサは尻尾を立てた。
    「アンタだって先生に会おうと思ってシャーレまで来たんでしょ?」
    何も言わない様子を肯定と受け取ったのか、彼女は更に続ける。
    「どのみちここには私とアンタしかいないわけだし、炬燵で温まりながら待つ方が得策じゃない?」
    「…確かに」
    悔しげに言葉を選ぶカズサの様子を見ると、キキョウは一瞬だけ微笑んで再び本へ視線を戻した。

  • 6二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:00:54

    乾燥で喉がイガイガする時期だから助かる

  • 7二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:06:50

    何でだろう、絡みないはずなのに脳内再生できる

  • 8二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:08:32

    >>6

    ナチュラルに加湿器あつかいするんじゃないよ

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:11:52

    猫だ!
    かわいい…

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:14:31

    まさか性格まで丸くなるとは…()

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:14:46

    先住猫と新入り猫の挨拶の儀

  • 12二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:17:52

    ヘイロー付きのキキョウカズサ猫画像を思い出す良スレ

  • 13二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:18:33

    >>12

    詳しく

  • 14二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:49:53

    「…あ、そういえば」
    「?」
    そう言うとカズサは何かを思い出したように、自分の横に置いてあった紙袋を炬燵の上へと乗せた。
    「アイリ達と買ってきたフルーツ大福があるんだけど、多めに買ってきたから食べる?」
    「それならちょうど緑茶を持ってきてるから、一緒にどう?」
    キキョウも机に本を置くと、紙袋の横に木製の茶筒を置きカズサと笑みを交わす。
    最初の険悪な雰囲気は何処へやら、『…スイーツは、人と人とを繋ぐロマンなんだよ』なんて言葉が聞こえてきた気がする。
    「…」
    「…え、淹れてくれるんじゃないの?」
    炬燵から出る素振りを見せないキキョウに、カズサが思わず疑問符を浮かべると、キキョウはなんて事ないかのように蜜柑を剥き始めた。
    「どうせ大福のお皿を準備したりするだろうし、あんたが次いでに淹れれば良い話でしょ?」
    「はぁ!?炬燵から出たくないだけでしょ!私は入ったばっかなんだからそっちが行ってよ!」

    ───やっぱりそんな事ないかもしれない。

    ごめん、取り敢えず寝るから続きは明日…

  • 15二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:56:35

    乙 

  • 16二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 01:23:17

    >>13

    探したけど見つからなかった

    代わりに

  • 17二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 08:51:41

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています