- 1白染セツナ24/12/15(日) 02:04:59
体験入部でもいいですから来てください……
あらすじ:
共通の友人である宇沢レイサを通じて、白染セツナは放課後スイーツ部との交流を始めた。トリニティでの留学生活を謳歌し、少しずつ心を開いていく彼女。しかし、セツナの笑顔の裏にはまだ、深いトラウマが隠されていた。
救護騎士団のミネ団長はセツナが抱える心の傷を癒すため、スパルタ訓練を決意する。自信が無かったセツナに、身を守るための技術と心構えを教え、次第に彼女の心に変化が訪れる。しかし、真の治療にはもう一歩が必要だった。
団長の手によるEMDRを受けたセツナは、ついにトラウマの根源である「無力感」と向き合うことに。自分を支配していた恐怖を乗り越え、彼女は少しずつ自分を取り戻していく。
そして、セツナの心の傷が癒えた時、彼女はついにゲヘナに帰るべき時が来た
ーー見送人多すぎないですか?
前スレのリクエスト:
原点へ帰るのだ(救急医学部) - 2白染セツナ24/12/15(日) 02:06:05
前スレです
ひょっとして……|あにまん掲示板ゲヘナ一番忙しいのはうちなの?お馬鹿さんたちが暴れたら死体が増えるし風紀委員会が動いたらお馬鹿さんたちが死体になるし下手すると風紀委員会の方々も死体になるかもしれないしよく風紀委員会=忙しいのイメージ…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】救急医学部はアットホームな職場です part2|あにまん掲示板異論は認めません……!あらすじ:誰も知らない所で、過酷な救護活動(週6徹夜で19連勤)を続ける、救急医学部の一般部員、白染セツナ。過労で倒れ、酷い後遺症を抱えた彼女は、部長のセナと先生(ついでにサヤ)…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】実家のような安心感、それが救急医学部です part3|あにまん掲示板むしろもう住んでいますあらすじ:大火災の中、命がけで負傷者を救い出したセツナ。しかし、その過酷な経験が彼女の心と体に深い傷を残してしまった。再び訪れた静かな病室生活の中、セツナは優しい仲間たちに支えら…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】健康と生活を支える福利厚生、救急医学部 part4|あにまん掲示板医療設備が充実してるから、倒れても安心です(三敗)。あらすじ:火事によるトラウマを抱えながらも、少しずつ前に進む日々を送っていたセツナ。ゲーム開発部では仲間たちと楽しみを共有し、トレーニング部では体を…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】救急医学部、未経験者歓迎です part5|あにまん掲示板実戦から学ぶ、誰でも即戦力です。あらすじ:お馬鹿な誘拐犯(元爆弾魔)から過激な荒療治を受けたものの、未だにトラウマを克服できていない白染セツナ。そんな彼女が導き出したトラウマ克服の答えは、まさかの鍛え…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】フレックスタイム制導入済み、救急医学部 part6|あにまん掲示板労働時間は自ら決められます、好きなだけ伸ばせます。あらすじ:トラウマを乗り越えるため、ゲヘナを離れ、トリニティに短期留学したセツナ。慣れない環境に戸惑いながらも、彼女はトリニティの生徒たちと絆を築こう…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】がんばり次第で高収入、救急医学部 part7|あにまん掲示板お金が貯まる一方です。あらすじ:セツナがいじめられていることを知り、彼女を救うために、シャーレの先生をはじめ、救護騎士団の団長ミネ、シスターフッドの長サクラコ、ゲヘナの救急医学部部長セナ、そして風紀委…bbs.animanch.com【オリキャラ・SS・🎲】成長できる職場、救急医学部 part8|あにまん掲示板【オリキャラ・SS・🎲】成長できる職場、救急医学部 part8一ヶ月の勤務で二ヶ月分の経験が積めます。あらすじ:ティーパーティーとのお茶会でトリニティ生たちとついに和解を果たした白染セツナ。罰や謝罪を…bbs.animanch.com - 3白染セツナ24/12/15(日) 02:06:44
ステータス
戦闘 29+12 (防御しかできない)
事務 13
医療 71
知性 33
運動 68
技術 22
政治 76
交渉 33
創作 71
倫理 100
慈悲 44
神秘 49
倫理の化け物
ゲーム 38
ガーデニングに 95
料理 71
お茶淹れスキル 99
お茶会マナー 79
容姿:立ち絵通り、目つきが悪い、角がデカい、ハスミパイ
身長:188cm
武装(非殺傷縛り)
グレラン(煙玉や催眠弾)
救護波(?)
筋肉
盾 - 4白染セツナ24/12/15(日) 02:07:00
好感度
セナ→セツナ 67
セツナ→セナ 85
ヒナ→セツナ 66
セツナ→ヒナ 35
セツナ→先生 100
セツナと救急医学部の皆の仲良し度 100
サヤさんとの仲良し度 57
ルミとの仲良し度 89
ミネ団長との仲良し度 38
ゲーム開発部との仲良し度 62
スミレとな仲良し度 72
ジュリ 幼馴染
パンちゃんに懐かれる
レイサの好感度 98
火や煙がトラウマ 治療済
トリニティ生の態度と警戒 解除済み
正実の警戒 解除済み
セツナが救護騎士団モブたちとの関係 60
モモフレンズ浸食率 5 - 5124/12/15(日) 02:10:30
- 6二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 02:36:21
たておつ
救急医学部の服って何気に難しい色してて再現しにくいんだよな…… - 7二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 02:39:33
なんとかセルフで10まで埋めないと落ちるってば……
- 8二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 02:53:02
深夜スレは10まで行かなくでも落ちない…筈
- 9二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 03:02:25
たておつです
…そういえばゲヘナ送りにされたトリニティモブはどうなったんだろうか - 10二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 03:02:56
そして10
- 11二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 10:48:44
- 12二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:37:18
ティーパーティーはゲヘナ生一人のために壮大な送別会をするのをやめろー!(ミノリ画像略)
- 13白染セツナ24/12/16(月) 03:25:31
私はレイサさんに続いて、トリニティでできた友達にも、自分がゲヘナに帰ることを伝えました。その瞬間から、怒涛の誘いが始まりました。お茶会に食事会、お出かけの予定がびっしり詰まり、文字通りおはようからおやすみまでスケジュールが埋まってしまいました。これがいわゆるセレブ生活なのでしょうか。この前ナツさんが冗談っぽく言っていたトリニティの社交界デビューなんて、本当に体験してしまいそうです。
そんな中、ナギサさんからもメッセージをいただきました。回復祝いの言葉と共に、お茶会へのお誘いまで。気軽な笑顔で「いっそのこと、このままトリニティに転入しませんか?」なんて冗談を言われましたが、もちろん丁重にお断りしました。でもその後、なぜかナギサさんが本気で残念そうな顔をしていた……あれ冗談ですよね?
そして帰還当日、久しぶりに救急医学部の制服に袖を通しました。この瞬間、自分が救護騎士団のセツナではなく、救急医学部のセツナに戻ったのだと実感します。お土産の量があまりにも膨大になってしまったので、大半は郵送することにしました。これで帰り道の荷物はだいぶ軽くなります。
最後にもう一度、空っぽになった寮室を振り返りました。「帰るんですね」と、胸の奥で静かに実感が広がります。最初から長く住むつもりではなかったので、形のある物はほとんど買いませんでした。でも、形のない物――皆さんとの思い出なら、こんなにもたくさん抱えています。
「よし。」
グレネードランチャーがしっかりショルダーホルスターに収まっていることを確認し、部屋に一礼してから扉を閉めました。 - 14白染セツナ24/12/16(月) 03:28:56
駅に向かう道すがら、トリニティの景色をもう一度目に焼き付けます。どこか清々しい空気が流れ、整然とした街並みが視界を満たします。心に刻むように、ゆっくりと歩を進めました。
「確か、レイサさんと団長たちは見送りに来るって言ってたはず……」
駅に近づくと、なんだか妙な人混みが見えました。今日はお祭りか何かでもあるのでしょうか?少し気後れしながらも、人の流れを避けて歩こうとしたその時――
「セツナさん!どこに行くんですか!こっちですよ!」
人混みの中から聞き慣れたレイサさんの声が響きました。振り返ると、彼女が大きく手を振りながらぴょんぴょん跳ねています。その姿を見て、思わず笑ってしまいそうになりましたが、返事をする間もなく、彼女が私の手を掴んで引っ張り始めました。
「皆、セツナさんのことを待っていますよ!」
「え?待つって、どういうことですか?」
戸惑う私に、レイサさんは一瞬驚いた顔を見せました。
「あ、もしかして聞いていませんでしたか?」
「ええ、全然……」
「……セツナさんの送別会です!」
「え?」
目を丸くする間もなく、私は人混みを引っ張られるように通り抜け、広場の中心まで連れて行かれました。そこには、ミネ団長やハスミさん、サクラコさんが立っていました。そしてその傍らには、ティーテーブルに座っているナギサさんの姿も。
一気に視線が自分に集中していることに、ようやく気付きました。これまでの人混みは、ただの通行人ではなかったんだ、と実感します。最初、レイサさんの大声が理由かと思っていましたが、どうやらそれではなさそうです……。
「セツナさん、お待ちしておりました。」
ナギサさんが微笑みながら席を立ち、私の方に歩み寄ってきました。
「ナギサさん、これは一体……?」
「言いましたよね。セツナさんの留学を全面的に支援すると。そして、見送りも最後までしっかりやらないといけません。」
ナギサさんは集まっている人々を見渡しながら、はっきりとした声で言いました。
「これより、白染セツナさんの送別式を執り行います!」 - 15124/12/16(月) 03:29:29
ナギサ様dice1d100=29 (29) %は冗談です
そしてお土産は dice1d3=3 (3)
1. 全部自腹で
2. 一部はナギサ様から支援を受けました
3. 全部ナギサ様からもらったカードで……
- 16二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 09:05:02
7割本気、そして全額負担
ナギちゃん…?
そうか、お茶(99)だもんね… - 17二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:33:59
結構本気…別に一生じゃないけどお別れは寂しいものね
- 18二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:36:17
ナギちゃん…重いよ…
いや色々気持ちはわかるけども…! - 19二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 01:26:03
駄目だ、レイサの存在でどうしても銅鑼とか鳴らして送別するのが頭に浮かんでしまった それは山海経だ
- 20二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 09:04:37
- 21白染セツナ24/12/17(火) 19:20:09
「――白染セツナさん」
ナギサさんが、いつもより一段と凛とした声で私の名前を呼びました。彼女の視線は真っ直ぐにこちらを捉え、その表情はどこか誇らしげにも見えます。
「あなたがゲヘナからトリニティにやってきたことで、私たちは多くのものを得ました。混乱の中、誠実に、そしてまっすぐに向き合うその姿に、私たちは幾度となく励まされ、支えられたのです。」
図らずも、サプライズ送別式の主役になってしまいました。どう見ても、これは送別式というよりも表彰式――いや、もっと格式ばった儀式に近い雰囲気です。正直、ここまで大仰にされると、なんだか背中がむずがゆくなります。
視線が集まっているせいで、どうしても背筋がピンと伸びてしまいます。ナギサさんは一言一言を丁寧に紡ぎ、まるで式典の演説のような堂々とした口調です。
「友情とは、時に距離や境遇を超えて育まれるもの――そう教えてくれたのも、あなたです。あなたがゲヘナに戻ったとしても、私たちのこの友情が揺らぐことは決してありません。あなたと共に過ごした日々を、私たちは大切にし続けるでしょう」
周囲から自然と拍手が沸き起こります。私は居心地の悪さに思わず頬を掻き、礼儀正しく一礼を返しました。こそばゆい気持ちの中にも、確かな温かさが胸に広がっていきます。――ナギサさんは本当に、こういうところが堂に入っているのですね。 - 22白染セツナ24/12/17(火) 19:21:07
「そして、セツナさん。これは友好の証として、あなたに贈るティーセットです。ぜひ、ゲヘナでも私たちのことを思い出しながら、お茶を楽しんでください」
そう言いながら、ナギサさんが私にラッピングされた箱を手渡してきました。思ったよりも軽くて、思わずきょとんとしてしまいます。
「あれ……?」
私が首を傾げていると、ナギサさんが顔を少し寄せ、小声で囁きました。
「中身は空ですよ。少しお値段が張りますので、後日、きちんと配送させていただきます」
ティーパーティーホストであるナギサさんが「お値段が張る」と仰っています……?
「……お値段を聞いてもいいんでしょうか?」
「ふふ、それはセツナさnの淹れる紅茶に相応しいもの――とだけお答えしておきます」
にこりと微笑むナギサさん。あまりにも自然すぎるその笑顔に、これ以上追及する勇気は出ませんでした。――絶対、かなり高級なものですよね。怖くて具体的な額は聞けません。
でも、どうしても一つだけ確認したいことがあって、私は小声で尋ねました。
「……どうして事前に教えてくれなかったんですか?」
「それはもちろん、セツナさんが気が変わるかもしれないからですよ」
「気が変わる、ですか?」
「ええ。そうしたら、この送別式は――歓迎会に早変わりですからね」
「ええと、何の話いですか?」
「もちろんセツナの転入の話です。」
どうしよう。やっぱりあの「転学」の話、冗談じゃなかったらしいです。
**
短めの更新、次は団長との話です - 23二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 23:36:20
ははは…
- 24二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 08:30:09
ナギちゃん重い…
配送って、もしかしてイチカ?
ティーセット、列車、ゲヘナ線、うっ、頭が… - 25二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 19:49:19
保守
- 26二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 01:40:09
じめじめナギちゃん……
- 27白染セツナ24/12/19(木) 04:51:31
ナギサさんから贈られた友情の証である空箱。それを抱えた瞬間、不思議な重みが胸に広がりました。ただの箱なのに、そこに込められた思いが、私の心を押し包むようです。一旦荷物の中にそっと収めると、ナギサさんが席に戻るのと入れ替わりで、ミネ団長が前へと進み出ました。
団長が立つと、空気が変わるのを感じます。その堂々たる佇まいは、いつだって見る者の心を掴むのです。彼女の視線が私を捉えました。
「セツナ。」
団長が私の名前を呼びました。その声は優しくも力強く、深い愛情を感じさせます。彼女の呼び方が、最初の頃とは変わったことを思い出しました。入団当初は敬意と距離感を保つように接していましたが、今ではすっかり団員として扱われています。呼び捨てにされることさえ、今では心地よく感じます。
「……はい。」
私は真っすぐに彼女の目を見つめながら答えました。団長も穏やかに微笑み返してくれます。しかし、次の瞬間、彼女は凛々しい表情に戻り、声を張り上げました。その声は、この場にいる全員に響き渡ります。
「――白染セツナ。あなたがトリニティ総合学園の救護騎士団に加わってから、わずかな期間ではあったが、その真摯な姿勢は私たち全員に深い影響を与えました。これは決して忘れることのない事実です。」
「あなたは、誰よりも人を助けることに全力を尽くしました。その姿は救護騎士団の誇りであり、我々の目指すべき救護そのものでした。どんな状況でも決して信念を諦めなかったあなたの精神は、私たちにとって大きな教訓となりました。」
「これからゲヘナ学園に戻り、新たな道を歩むことになるあなたに、我々の感謝と誇りを込めて、ここに表彰を授かります。――セリナ、ハナエ。」
「「はい!」」
呼ばれたセリナさんとハナエさんが、重そうな物を二人がかりで運んできます。何だろう、と目を凝らすと、それは大きな盾でした。団長はそれを受け取り、私の前に立たせます。
「これは、盾……ですか?」
驚きとともに声が漏れました。団長が使う強化樹脂のライオットシールドではなく、金属とカーボンでできた本格的なバリスティックシールド。表面には何も刻まれておらず、無骨ながらも堅牢なそれは、団長の身長に匹敵するほど大きく、耐弾ガラスの覗き窓以外は全身を覆うことができる構造です。 - 28白染セツナ24/12/19(木) 04:52:13
「セツナに教えた盾の使い方を無駄にするわけにはいけません。しかし、救護騎士団の備品をそのまま持ち帰らせることもできないから、急遽あなたに合った盾を発注しました。」
団長はそう言いながら、両腕でその大きな盾を私に差し出しました。
「攻撃を嫌がるあなたにとって、振りやすさや小回りの良さは重要ではありません。あなたに必要なのは、どんな攻撃にも耐えうる頑丈さと、防ぐための重みです。そして、この盾の裏には……」
私は盾を受け取り、その裏側に目を向けました。
「救護騎士団のエンブレムが……!」
そこには騎士団の象徴が、目立たないようひっそりと刻まれていました。
「そうです。ゲヘナで使う以上、トリニティや騎士団を想起させるものを表に乗せるわけにはいけません。しかし、裏に刻むことで、あなたが救護騎士団の一員だった証を残しました。たとえゲヘナにいても、この事実を忘れないでください。」
「団長……!」
私は盾を片手で抱え、もう片方の手を広げて団長を力いっぱい抱きしめました。彼女の温かい体温が、心にじんわりと染み渡ります。
「セツナ、あなたがどこに行こうとも、トリニティ総合学園救護騎士団はあなたを誇りに思っています。あなたの未来に幸多きことを心より祈っていいます。今までありがとうございました。」
「……はい!」
涙が目に浮かびましたが、それを拭う暇も惜しいほど、私は感謝の気持ちでいっぱいでした。この盾は、私にとってかけがえのない宝物になるでしょう。 - 29二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 12:59:04
青春だねー
- 30二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 13:01:05
約朝5時に投稿してるのか……
- 31二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 19:06:15
バリスティックシールド…
おじさんモドキ? - 32二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 02:06:56
ほしゅ
- 33二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 13:42:47
昼ほしゅ
- 34二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:21:33
ほ
- 35白染セツナ24/12/21(土) 02:50:32
団長の温かな体温に包まれたまま、私はしばしの間、そのぬくもりを感じていました。けれど、背中に軽く触れる手の感触で、もう一人が私に近づいてきたことに気づきます。
「セツナさーん!」
ハナエさんの弾むような声が聞こえるや否や、抱きつくように彼女の腕が私に回されました。
「ゲヘナに戻っても、モモトークでたくさんお話ししましょうね!私、寂しくなっちゃうので!」
彼女の笑顔は眩しいほどで、まるで小さな太陽のようです。私の胸元で彼女の額が軽くぶつかると、私は慌てて頷きました。
「はい、もちろんです。私も、ハナエさんとお話しするのを楽しみにしています。」
そんな私たちの姿を見て、セリナさんも苦笑しながら近づいてきます。
「セツナちゃん、くれぐれもお体には気をつけてくださいね。ゲヘナに戻ったとしても、しっかり食事をとって、睡眠も怠らないように。」
「……ぜ、善処しますぅ。」
「もう……また過労で倒れたりしたら、本当に怒りますからね。」
「は、はい。なるべく怒られないように……努力します。」
セリナさんの叱咤はありがたくも痛いところを突いてくるので、つい腰が引けてしまいます。それでも、そんなやりとりがどこか心地よく、笑みが自然と浮かびました。 - 36白染セツナ24/12/21(土) 02:52:13
「セツナ。」
団長に名前を呼ばれ、私は思わず団長を解放し、姿勢を正しました。団長は少し息を整えるようにしてから、しっかりとした声で話し始めます。
「ゲヘナの状況について、私にできることは多くありません。しかし、セリナと同じく、生活面での健康管理は最優先すべきだと考えています。」
「……」
「医療関係者として、患者を見捨てられないというあなたの気持ちは痛いほど分かります。しかし、犠牲を強いられる状況が続く中で、救急医学部そのものが疲弊しているのもまた事実です。」
その言葉に、私は息を呑みました。団長は私を一瞬だけ見つめ、さらに言葉を続けます。
「セツナをトリニティに迎えるというナギサ様の提案には、私も賛成でした。それは、あなた自身の過労を防ぐための最も確実な方法だからです。」
団長の視線が、まっすぐに私を貫きます。
「しかし、セツナが納得していないことも理解しています。それならば……あなたが救急医学部を変えなさい。」
「!そ、そんな……私にそんなことができるはずが……」
「すぐにすべてを変えようとする必要はありません。自分にできることから、少しずつ始めればいいのです。そして、どうしても分からないことがあるときは、周りの人を頼りなさい。」
そう言いながら、団長の手が私の頭にそっと触れました。二本の角の真ん中あたりに、彼女の温かな手のひらが優しく置かれるのを感じます。その仕草に、自然と目が潤みました。
「救護騎士団は、いつでもあなたの味方です。どこにいても、それは変わりません。」
「……はい。」
涙を堪えながら、私は深く頭を下げました。 - 37124/12/21(土) 03:03:59
連勤日数がセツナに近づいていく……(苦悶する顔
年明けまで毎日更新はできません
保守してくれてありがとうございます。
ゲヘナに戻ったらそろそろ職場環境改善に行きます(できる保証はない)
ナギサ様がくれたティーセットの値段は
セツナのdice1d12=3 (3) ヶ月分の給料
団長がくれた盾は dice1d3=1 (1) を耐えるくらい頑丈です
1.戦車砲
2.ヒナビーム
3. 巡航ミサイル
※装備者が耐えれるのは別の話
- 38二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 03:17:32
給料3ヶ月分…
婚約指輪? - 39二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 10:22:34
- 40二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:31:37
忘れないうちに保守
- 41白染セツナ24/12/22(日) 04:37:58
ふっと周りの視線に気づきました。そういえば、まだ送別式の最中でしたね。それなら当然、皆が注目しているのも無理はありません。感動のあまりミネ団長に思わず抱きしめてしまいましたし、涙目になってしまいましたし、さらには子どもみたいに頭を撫でられて……しかも、団長は未だになでなでを続行しています。えっと、これ、一体いつ終わるのでしょう?
「団長、そろそろです。ほら、皆待っていますよ。」
「……あ。」
困ったように視線を送り続けていた私の様子に気づいたのか、セリナさんとハナエさんが団長を元の居場所まで引っ張って行きました。団長は少し名残惜しそうな表情を浮かべつつも、大人しく従っています。そして、今度はその入れ替わりのようにナギサさんがこちらに歩み寄っていらっしゃいました。
「ミネ団長がここまで執心していらっしゃるなんて、やはりセツナさんの人徳の賜物ですね。」
「いえ、そんな大層なものでは……」
「謙遜なさらなくてよろしいです。セツナさんのおかげで、エデン条約が破綻せずに済んだのです。そして、セツナさんがトリニティにいらっしゃった際の素晴らしい振る舞いは、トリニティの生徒たちが抱いていたゲヘナへの先入観を見事に払拭しました。最初はいざこざもございましたが、今でははっきりと申し上げられます。セツナさんがトリニティに来てくださって、本当に良かった、と。」
丁寧に語りかけるナギサさんの言葉が、心にじんわりと染み渡ります。その場でじっと立ち尽くし、言葉を探す私に、ナギサさんはやわらかな微笑みを浮かべていました。
「……ありがとうございます。私の方こそ、治療だけでなく、大切な人々と出会うチャンスを頂きました。ですから、トリニティに来て本当に良かったと思っています。」
私は胸に手を置きながら、ナギサさんへ向けて深く頭を下げました。そして彼女がそっと腕を広げてくださったので、短く軽い抱擁を交わしました。その仕草一つひとつが、名残惜しさと温かさに満ちています。 - 42白染セツナ24/12/22(日) 04:44:21
「では、私はそろそろ……」
「あ、セツナさん、少々お待ちくださいませ。実は一部の生徒たちから、セツナさんとのツーショットをお願いされておりまして。ゲヘナにお戻りになる前に、叶えていただけませんか?」
「え?それくらいは大丈夫ですけれど……」
ただ写真を撮るだけなら、そんなに時間はかからないだろうと気軽に答えました。しかし。
「では、あちらへどうぞ。」
ナギサさんが手をすっと差し向けた方向を見た瞬間、目を疑いました。そこには、列ができている……というよりも、人が大勢並んでいます。それも数える気が失せるくらいに。
「……ええと、あの列に並んでいる方々、全員が写真を撮りたいと?」
「はい、全員です。」
静かに頷くナギサさんの顔は、至って真剣そのもの。私は改めて列を見やり、頭の中でそっと溜息をつきました。
セナ部長……どうやら私の帰還は、もう少し時間がかかりそうです……
**
ちなみにツーショットに一番リクエストされたポーズは dice1d4=1 (1)
1. 隣に並んで(普通)
2. 抱き寄せ
3. 手ハート
4. お姫様抱っこ
- 43二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 15:04:59
片方ハート片手bはなかったか…
- 44二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 16:35:47
あにまんブルアカスレなのに健全すぎる…
前ファイヤーマンズキャリーされたトリモブちゃんが絶対お姫様抱っこを注文すると信じる - 45二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 22:59:48
焼き焼きしすぎない距離感…いや取れてるかな?倫理100に焼かれてない?
トリモブちゃんは…ゲヘナに連れてくる訳にはいかないしね?来ないよね? - 46白染セツナ24/12/23(月) 05:08:04
交換生トリモブたちに気になる方がいるので……トリモブ視点です
**
一体どうしてこんなことになったんだろう……
窓ガラスに映る自分を見つめて、ため息をつく。トリニティの白い制服はもう剥奪されて、今着てるのはゲヘナの青い制服。なんかムカつく。
ガラス越しに、自分の傷一つない白い翼を見て、ナギサ様の言葉がまた頭に浮かぶ。
「あなたも分かっているはずです。セツナさんをいじめたあなたの今の風評が、一体どこまで落ちているか。このままトリニティに残れば、想像もつかない過酷な環境が待っているんでしょ。だから、骨折が治り次第、ゲヘナに行ってください。あなたの派閥の子たちは、すでにそちらに行きました。この交換留学を機に、自分の行動を反省しなさい。」
……ほんと、冗談じゃないわ。
携帯を取り出してモモトークを開こうとしたけど、結局やめてポケットにしまう。あのゲヘナの子と対決したあの日から、モモトークなんて見てない。最後に見たのは、いろんな奴から送られてきた罵詈雑言と、友達だと思ってた人たちの既読無視だけ。
これから、あいつらと会わないといけないなんて……考えただけで気が重い。裏切り者のあいつらに、一体どんな顔で会えばいいの?
……いや、逆かもしれない。私が、あいつらにどんな顔をされるのか、怖がってるんだ。仲間だと思ってたのに、そうじゃなくなった奴らが、これから私に何をしてくるのか……
「はぁ、やめよ。考えるだけ時間の無駄。」
同じ部署に行くって聞いたけど、別につるむ必要はない。部活で真面目にやってるアピールして、さっさとナギサ様に許してもらって、トリニティに戻ればいいんだ。 - 47白染セツナ24/12/23(月) 05:10:25
中に入ると、同じ制服着た生徒たちがバタバタ走り回ってる。……ん?何、この雰囲気。戦場?これがアットホームなの?
「あの……」
「はい?あ、トリニティからの留学生さんですね?」
「う、うん、私……」
「上の階へ行ってください。お仲間の方はそちらにいますので。」
「お仲間」って言葉にムッとして、その子を睨み返そうとしたけど……虚ろな目に気圧されて何も言えなくなる。え、なに、この子の目……?やばいんだけど。
「わ、わたしは……」
「あとにしてください!こっちは急いでるんです!」
私を無視して、その子は去っていった。
セツナの目もやばかったけど、この子もかなり怖い……何なの、ここ?
言われた通り目的の部屋に行って扉を開けると、見慣れた二人がいた。
「「……」」
「……何か言ったら?」
「た」
「た?」
「助けてください!」「もう無理ですわ!」
「はぁ!?」
二人がまるでゾンビみたいに私に近づいてきて、縋るように助けを求めてきた。よく見ると、目の下にはクマ、髪はボサボサで、学園祭のホラー系お化け役でもやるつもり?
「はい!みんな揃いましたね!では本日も業務、頑張りましょう!」
「ひぃ!」「うわぁぁん!」
部屋に挨拶もなく入ってきた救急医学部の制服の子が、元気そうな声でそう言った。でも目はやっぱり……ガンギマってる。
「あの、説明とかは……?」
「仕事しながらするから大丈夫っしょ!じゃ、行こう!」
……このあと、ゲヘナがゲヘナと呼ばれる理由をたっぷり見せつけられた。ナギサ様、反省しろって言うけど、ここ、反省する時間もくれないんだけど……
白染セツナ、あんたのこと甘ちゃんだって思ってたけど、それは撤回するわ……甘ちゃんは、わたしだった。
**
次はトリニティ留学篇のエピローグ(?)です - 48二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 05:37:07
お嬢様、ブラック労働を知る
将来はホワイトな職場を増やす活動をしてくれ - 49二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 12:44:15
皆目がキマってるのか…
第三者目線で見た過労医学部(?)はこれがはじめて? - 50二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:18:17
強く生きて
- 51二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:20:58
保守
- 52二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 09:54:26
朝ほしゅ
- 53二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 18:49:30
おかしい…
クリスマスなのエッチなミニスカサンタセツナちゃんがいない…だと!? - 54二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 19:03:11
馬鹿野郎セツナの恵体なら普通のサンタ衣装のほうがエロいだろうが
- 55124/12/24(火) 23:39:33
- 56124/12/24(火) 23:49:45
- 57二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 00:11:23
エッ!?エッ!?エッ!?
これはすごくいい… - 58二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 07:28:16
二つも!
- 59二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 08:34:31
こんな格好でシャーレの当番を…
六時間勤務かな? - 60二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 19:30:54
ほ
- 61二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 00:14:37
し
- 62白染セツナ24/12/26(木) 03:01:39
ゲヘナ学園生徒会、万魔殿の部室。中央の豪奢な椅子にふんぞり返るのは、生徒会議長である羽沼マコト。その尊大な態度と不敵な笑みは、誰が見ても支配者を思わせるものだった。
「マコト先輩、先ほどトリニティに派された子が帰還したとの連絡が入りました。」
議員のイロハが淡々と報告する。先輩への敬意を保ちながらも、どこか事務的な口調だった。
「キキキッ、遅かったではないか!」
マコトは組んでいた腕を解き、椅子に身を乗り出した。唇には不敵な笑みが浮かび、目は輝いている。
「どうやらいろいろと問題があったようです。」
「どうせ向こうで手間取ったんだろう?まあ、わが校の生徒がトリニティなんぞに派遣されて、トラブルなしで済むわけがない。キキキッ、だがこれもすべて、この羽沼マコト様の策のうちだ!」
マコトの笑い声が部室に響き渡る。
「トリニティなど、あの綺麗ごとしか言えない連中にまともな対応ができるとは思っていない。それより、我らがゲヘナの優位を示す絶好の機会だったのだ!」
マコトは満足げに椅子に深く腰掛け直した。その策とはこうだ。ゲヘナの生徒をトリニティに送り込み、もし問題が起きた場合にはそれを理由にトリニティを非難する。そして、これを口実に様々な便宜を引き出す狙いだった。エデン条約が締結された後、表立った争いができなくなった今、彼女が編み出した回りくどいが効果的な奇策だった。
案の定、トリニティに派遣された生徒はわずか1ヵ月でトラブルに巻き込まれ、結果的に怪我を負う事態に発展。その騒動は、部活の部長や風紀委員長までがトリニティへ乗り込む大事件に発展した。
「キキキッ、これでトリニティも二度と我らゲヘナの前でデカい顔はできまい……そういえば、この前の美容室代、まだ請求できていないな。」
「マコト先輩、まだそんなこと気にしてるんですか?」
「当たり前だろう!仇を簡単に忘れる、このマコト様ではない!」
イロハが呆れたように眉を下げるが、マコトはまったく意に介さない。 - 63白染セツナ24/12/26(木) 03:02:10
「ところでイロハよ、その箱の山は何だ?」
「留学生からのお土産らしいです。送別の際にトラブルが起きると予想して、別便で送られてきたようです。」
「……しっかりしてるじゃないか。」
「さらにカードも添えられていて……中身のアレルギー表示、賞味期限、それにカロリーのリストがありますね。日持ちしないものから食べてほしいと。紅茶との相性まで書かれていますね。」
「……しっかりしすぎないか?」
そんな人間がゲヘナにいるとは思わなかったぞと、マコトは目を見開いて驚いた表情を浮かべた。
その時、子供のような声が部室に響く。
「なになに?わー、ケーキだ!」
部屋の隅でおとなしくしていたイブキが、テーブルに積まれた箱に興味津々で手を伸ばしていた。一番前の箱を開けると、中からカラフルなフルーツが飾られた真っ白なケーキが現れる。イブキの目が輝いた。
「マコト先輩!イブキ、ケーキ食べたい!」
「お?いいぞ!イロハ、切り分けてやれ。」
「……報告はまだ途中ですが。」
「イブキのおやつより重要なものがあるか?」
「はーいはい……イブキ、ちょっと待っててね。」
「やったー!」
イブキが嬉しそうに飛び跳ねると、マコトは満足そうに笑う。どんな策を練ろうとも、部室の中心でこうして甘えるイブキには誰も逆らえないのだった。 - 64白染セツナ24/12/26(木) 03:03:09
「マコト先輩もケーキ食べてるの?」
「ああ、食べてるぞ。」
「おいしいね!」
イブキの満面の笑みに、マコトもイロハもつい微笑む。確かに、このケーキは特別だ。こんな見事なケーキを送ってくる留学生を利用したことに、多少罪悪感を覚えそうになるほどの美味しさだ。しかし――。
「キキキッ!イジメたほうが悪いに決まっている、だから悪いのはトリニティだ!」
それはそう。
「お土産の中に留学の成果報告書も入ってましたよ。マコト先輩、読みますか?」
「もちろんだとも!トリニティを脅す材料を探しておくのは重要だからなぁ。」
マコトはケーキを脇に置き、報告書を読み始めた。しかし、数ページめくると、眉をひそめた。
「……イロハよ、これはどういうことだ?どっかのセレブの写真が混ざっているぞ。」
ページに載っていたのは、豪奢なエステサロンで笑顔を浮かべる、どこか品のある少女たち。
「えっと……あ、これですね。この角の子、うちの生徒です。」
イロハは写真を指差して説明する。
「これはトリニティの生徒会長、ティーパーティーのホストに誘われてエステに行ったときの写真らしいです。」
「虐められているのではなかったのか!?」
「最初はそうだったみたいですが、その後誤解を解いて、今ではみんなと友達になったそうです。あ、ここに書いてあります。『あの事件の弁償として特別待遇を受けました』と。」 - 65白染セツナ24/12/26(木) 03:04:14
「満喫しんでるじゃないか!いや、だが虐められた過去は変わらん!トリニティの謝罪を受けるまでは、このマコト様の立場に影響はない!」
強がるマコトの目に、イロハがさらなる一文を指摘した。
「追伸:お送りしたお土産はすべてトリニティ総合学園、ティーパーティーホストのスポンサー提供です。謝罪を兼ねて――だそうです。」
「な、なんだと!?」
マコトの手から報告書が落ちそうになる。
「つまり……これらのケーキも、紅茶も、全部トリニティのお金で……?」
「そうですね。」
「まずい、イブキ、ケーキを食べるのはやめ――」
振り向いた先には、既にケーキを三分の一ほど平らげたイブキが、幸せそうな顔でフォークを持っていた。
「え?ケーキ食べちゃだめ、イブキ悪い子だから?」
涙目で見上げる彼女に、マコトの表情が苦しげに歪む。
「い、いや、食べていい、ぞ。」
絞り出すようにそう言うと、イブキは歓声を上げて再びケーキに夢中になる。
イロハが困ったように肩をすくめた。
「どうします?マコト先輩?」
「……キキキッ、やられた。」
マコトは天を仰ぎ、ケーキを見つめて、そしてまた一口を食べる。
食べてしまったものは、もう食べるしないんだから。
**
これは dice1d2=2 (2) の案です。
1. セツナ
2. ナギサ
- 66二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 13:17:19
これで円満に終わったのか
謝罪の品を食べたもんね…
ナギちゃんの案とは言え
セツナちゃんはこの件で万魔殿に目を付けられないか?
いい意味も悪い意味も… - 67二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 23:31:55
保守
- 68二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 10:03:39
保守
- 69白染セツナ24/12/27(金) 13:54:34
久しぶりの昼更新です
**
ゲヘナに戻ったとき、予定よりだいぶ遅れていることに気がつきました。
ただの記念写真を撮るだけだと思っていたのですが、いつの間にか本格的な撮影会になってしまいました。きっかけは、どこからか現れたプロ仕様のカメラを持った方でした。ナギサさん曰く、エデン条約のプロモーションに使うためとのことです。
撮影中も一悶着ありました。最初は普通に並んで写真を撮るだけだったのに、なぜか一部の方々から次々とポーズのリクエストが飛んできたのです。手を振るポーズから始まり、最終的にはお姫様抱っこまで……筋力的には問題ありませんが、何度も並び直して撮影するのはやめていただきたいです。
暴走気味の雰囲気を察したナギサさんがタイミングよく制止してくれたおかげで、昼過ぎから夕方にかけて、ようやくゲヘナに戻ることができました。
ゲヘナ自治区の街並みが目に入ると、自然と胸が温かくなりました。古い石畳が敷き詰められた通り、頑丈そうな煉瓦造りの建物群。その景色の中、あちこちから聞こえてくる罵声や銃声、わずかに漂う硝煙の匂い――そして、どこか温泉特有の湿った香りも混じります。あの頃は嫌で仕方がなかったこの混沌とした音や匂いが、今はなんだか懐かしく感じるのだから不思議です。 - 70白染セツナ24/12/27(金) 13:55:57
救急医学部の建物に入ると、すぐに忙しそうに走り回る先輩たちの姿が目に飛び込んできました。
「セツナちゃん!? 戻ってきたのか?」
「あ、はい! 白染セツナ、ただいま戻りました!部長はどこにいらっしゃいますか?」
「部長なら搬送の準備をしてたよ。今急げば会えるかもしれない!」
「ありがとうございます、行ってきます!」
そう言いかけた瞬間、ふいに先輩が私を抱きしめました。その温かさに、一瞬、息をのみます。
「トリニティでの出来事、みんな知ってたよ。セツナちゃんのこと、本当に心配してたんだ。」
「……私は、もう大丈夫です。」
自分でも驚くほど落ち着いた声が出ました。でも、先輩の腕の中で、少しだけ肩の力が抜けたのを感じました。
「うん、その顔を見れば分かるよ。元気になって本当によかった。」
先輩は短い抱擁のあと、すぐに私を解放してくれました。そして、そのまままた忙しそうに職務へ戻っていきます。こんな忙しいときでも、私を気遣ってくださるなんて、なんて私は幸せ者なのでしょう。
「早く走って、セナ部長に元気な姿を見せてあげなさい!部長だって、私たちに負けないくらいセツナちゃんのこと心配してたんだから!」
「はい!」
私は元気よく返事をすると、少し重たかった肩が軽くなった気がして、自然と笑みがこぼれました。そして、先輩の言葉に背中を押されるように、足早に廊下を駆け出しました。
**
しめはセナ部長です
そこは譲れません - 71二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:10:01
楽しみ
- 72二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 10:32:13
保守
- 73二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 18:47:50
よく抱かれるよなせっちゃん
スレ主の癖? - 74二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 18:58:02
ハグはいいものだぞ、それが女の子同士ならなおさらいいぞ
- 75二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 23:46:42
ほ
- 76白染セツナ24/12/29(日) 04:09:29
私は救急医学部の廊下を小走りで駆け抜けていました。すれ違う先輩たちが私を見つけ、笑顔で「おかえり」や「回復おめでとう」と声をかけてくださるたびに、自然と頬が緩みました。でも、立ち止まって話す時間はありません。後でトリニティでの出来事をゆっくり話すと約束を交わしつつ、急ぎ足で救急車の駐車スペースを目指します。
遠くからでもわかりました。駐車スペースにはセナ部長と、彼女の愛車とも言える緊急車両11号が停まっています。部長が車のサイドに片手と片足で張り付き、出発前の最終確認をしているのが見えました。まさに出発寸前のようです。
間に合わなかった……そう思った瞬間、運転席の先輩が私に気づいてくれました。彼女がこちらに向けてサムズアップのジェスチャーをすると、私も同じ仕草で応えました。そしてようやく、ゼーゼーと息を切らしながらセナ部長の前にたどり着きました。
「戻ってきたのですね、セツナ。」
「はい。ただいま戻りました。遅くなって申し訳ありません。」
「いえ、向こうから連絡がありましたので。撮影、お疲れ様でした。」
部長は、いつも通り冷静で淡々とした口調です。でも、その目には少しだけホッとしたような色が浮かんでいるのを私は見逃しませんでした。
「トリニティでの留学は、楽しめましたか?」
「はい、友達もできましたし、お茶を淹れる腕前もナギサさんに褒められました。それに……トラウマも、団長のおかげで克服できました。」
「それは良かったですね。」
「はい。」
会話が途切れました。セナ部長はもっといろいろと聞きたいことがあるはず……と思いきや、今は出発前でした。
「す、すみません、負傷者の回収を邪魔してしまって。後で、いえ、仕事が一段落したらまた改めて……」
私が慌てて謝罪すると、セナ部長がふと何かを思い出したように目を開き、車から降りました。
「いえ。ただ……セツナがトリニティに残るのだと思っていました。」
「……え?」 - 77白染セツナ24/12/29(日) 04:09:50
「前から救護騎士団からセツナの転学について打診がありました。私は、本人の意向次第で了承するつもりでした。」
「ちょっと待ってください!私はゲヘナを、救急医学部をやめるつもりなんて……!」
「でも、それがセツナのためになると、そう思ったのです。」
「どうして……?」
私がそう問い返すと、セナ部長の瞳が私を見据えました。その目には迷いのようなものが微かに見えます。
「セツナが人を助けたい気持ちは知っています。でも、救急医学部の激務がセツナにとって辛いことも知っています。それなら、救護騎士団に所属したほうが、セツナにとって良い選択かもしれないと。」
「そんな……」
反論したいのに、声が出ません。それは、部長の次の言葉に打ちのめされたからです。
「救護騎士団にいる時のセツナは、いつも笑顔でした。それは救急医学部にいるときには一度も見せたことのない笑顔です。」
「……っ!」
何も言い返せません。自分でもそのことに気づいているから。
「でも、どうしてあの時私をゲヘナに連れ戻そうと……?」
「あの時、セツナがいじめられたと聞きましたので。ですが、今のトリニティなら問題なく受け入れてくれると思います。」
部長が少し考え込んでから話題を変えるように微笑みました。
「もちろん、セツナの帰還は心から嬉しいです。」
違う……私は、そんな仕方ないような言葉が欲しかったわけではありません。
「これからも救急医学部の一員として……」
「セナ部長!」
自分でも驚くほど大きな声が出ました。それでも、言わなければいけません。
「私は、救急医学部です!」 - 78白染セツナ24/12/29(日) 04:10:10
「確かに、救急医学部の仕事は好きではありません。ですが、負傷者を見るたびに目を背けたくなるほど嫌なのに、見捨てることができません。それを乗り越えられたのは、セナ部長と、救急医学部の皆さんのおかげです!」
入学してすぐ銃撃戦に巻き込まれ、セナ部長に救われた日の記憶が鮮明によみがえります。
「私は、救急医学部が大好きです。だから、ここに残りたい。それが私の意志で、私の選んだ道です。どうか、分かってください。」
涙声になりそうな自分を必死で抑えながら、懸命に訴えました。部長の表情が一瞬揺らぎます。
「ならどうして、いつも辛そうな顔をしているのですか?」
「疲れているから、誰でもそうなります……いえ、先輩たちのほうがおかしいです!そんな激務でも笑えるなんて!長時間の勤務によるコルチゾールとノルアドレナリンの過剰分泌が原因です!笑うというより、むしろ興奮による異常に高いテンションです!」
そう言った瞬間、横でサイドウィンドウを開けていた先輩が、素早くそれを閉じて目を逸らしました。
「……みんな、ただ仕事が好きなだけで……」
「部長も、徹夜待機のとき、こっそり先生に告白しようとしていましたよね。」
今度はセナ部長が目を逸らしました。
「このままだと、いつか私たちが負傷者より先に倒れます。……だから私は、救護騎士団の団長と約束をしました。救急医学部を、過労と無縁な部活に変えようと。」
「……そう、ですか。」 - 79白染セツナ24/12/29(日) 04:10:38
「わかりました。私の勘違いでした。ごめんなさい。」
「いえ、私こそ……申し訳ございません。」
お互い謝罪を交わした後、短い沈黙が流れます。そして、部長がふっと微笑みました。
「大切な後輩が他の場所ではしゃいでいる姿を見て、少し意地を張ってしまったのかもしれません。」
「え……?」
「おかえりなさい、セツナ。」
その言葉とともに、部長が私を優しく抱きしめてくれました。
「また一緒に頑張りましょう。」
「……はい。」
車内からコンコンとノックする音がしました。運転席の先輩が合図を送ってきたのです。
「時間が掛かり過ぎました。」
「すみません、出発前に……」
「いえ、これくらいならスピードを上げれば問題ありません。」
セナ部長は再び救急車のサイドに張り付き、そのまま出発していきました。私はその背中を見送りながら、大きく深呼吸して……
「ただいま。」
静かにそう呟きました。 - 80124/12/29(日) 04:16:23
**
これでトリニティ留学篇が終わりです
本来そこまで長くする予定は無かったですが……(苦悶する顔)
次は救急医学部のセツナに戻ります
職場改善と言っても全くノープランですので
初心に戻ってダイスとアンカーを頼ります
女の子同士のハグ好きじゃない方いる……?
- 81二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 11:55:30
ダイスの邪神「ステンバーイ…」
- 82二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 22:22:03
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 09:09:25
ハグはいいぞ心が温まる
- 84二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 18:17:34
デカイ
柔らかい
暖かい
抱くしかない - 85二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 01:09:47
心も清いとか好きになっちゃうよ?改めて目と身長の圧が凄いんだなって
- 86正月番外編24/12/31(火) 04:38:41
壁に掛けたカレンダーを見て、12月31日であることに気づいた瞬間、思わず「あ」と声を上げてしまいました。徹夜が続いたせいで、今日が何日なのかすら忘れていました。救急医学部あるある。
「どうしたの、セツナちゃん?」
同じ夜勤をしている先輩が私の声を聞きつけ、心配そうに尋ねてきました。
「あ、いえ……ただ、知らないうちに大晦日になっていたんだな、と気づいただけです。」
「大晦日?え、うそ?もうそんな日?来週だと思ってたわ。」
「先輩……先週からずっと勤務していませんでしたっけ?」
「そんなことより、早く準備しないと!」
「ええと……準備、ですか?」
てっきり正月もいつも通り働くのだと思っていましたが、もしかして新年のお祝いをするのでしょうか?それとも、退院できない患者さんたちが少しでも正月の雰囲気を楽しめるよう、部室を飾るのでしょうか?確かに、入院によるストレスで免疫力や回復力が低下する恐れがありますから、それを考えると理にかなっていますね。
「そうそう、正月に向けた準備だよ。今のうちに機材を用意しておかないと。」
「機材……?おせちの食材じゃないんですか?」
「何言ってるの?吸引機と消化管内視鏡に決まってるでしょ。……あ、そうか、セツナちゃんは初めてなんだね。」
先輩は納得したようにうなずき、私の両肩に手を置いて、真剣な顔で言いました。
「セツナちゃん、正月になるとあれが来る。」
「あれ、とは……?」
「お餅よ。」
「お餅……ですか?」
「正月になるとね、お餅による事故が乱闘事件より多いんだよ。」
「うそでしょう……」
「ゲヘナではせっかちな人が多いうえに、節度を知らない子も多いからね。喉を詰まらせる事故なんてしょっちゅうだよ。」
「……すぐ用意しに行きます。消化管内視鏡は上部だけでいいんですか?」
「念のため下部も準備しておいて。数は少ないけど、腸閉塞の可能性もあるから。」
「腸閉塞……それはまた、どうして……?」
「よく噛まずに大量にお餅を食べて、消化しきれないお餅が腸で固まっちゃうんだよ。それで結局、手術に……。あ、セツナちゃん、お餅好き?好きならこれ以上聞かない方がいいよ。」
「……もう今年は、お餅はいいかなと思います。」
「ああ、遅かったか。ごめんね。」
※お餅を食べる時はよく噛んで、もしくは一口サイズの食べやすい大きさに切り分けてから食べましょう。 - 87124/12/31(火) 04:41:46
- 88二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 14:46:44
良いお年を
- 89二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 19:44:27
来年もよろしくお願いします
- 90二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 02:13:54
ふふっ今年もよろしくお願いいたしますね、セツナさん
- 91二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 02:16:08
あけおめです、今年もよろしくねセツナ
- 92二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 12:32:52
保守
- 93二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 12:32:54
保守
- 94二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 12:38:59
あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
セツナちゃんが元気になって良かったしトリニティ関連とマコト関連も片付いて良かった…
さあ!後は勤務体制の変革だね!頑張ってねセツナちゃん! - 95二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 19:32:15
ほ
- 96二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 04:50:55
勤務体制の改革…
まずゲヘナの治安をなんとかできないと - 97二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 15:07:32
保守
- 98二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:04:10
ほ
- 99二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 10:30:58
保守
- 100125/01/03(金) 18:00:27
皆さんあけましておめでとうございます
保守してくれでありがとうございました
今年もよろしくお願いいたします
更新は明日からです
では新年の初ダイス行きます
ゲヘナに戻ったあとに……? dice1d4=3 (3)
1. おみやげ配りです(ジュリ)
2. 万魔殿からの呼び出しが……
3. どうして美食研がここに……?
4. >>101
正直に言うと勤務体制の改善はノープランだから気長にいくつもりです
- 101二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 23:55:28
ほしゅ
- 102二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:06:32
まさかもう耳に入ってる?
- 103二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 18:28:41
ハルナたち割りとトリニティに出没するから情報が…
- 104白染セツナ25/01/05(日) 04:08:07
救急医学部を変える——ミネ団長とそう約束しましたが、正直なところ、未だにどうすればいいのか分かりません。
激務に追われる日々、その原因の一つはゲヘナ学園の無秩序な校風。そして、頭の悪い……失礼しました、短慮な方が多すぎることです。頻繁に起こる事故や事件、被害者だけでなく、風紀委員会によって鎮圧された事件の当事者、さらに鎮圧中に負傷した風紀委員の部員たちまで、すべてまとめて救急医学部に送られてきます。
この状況を根本から解決する!そう意気込んだのはいいものの、現実的には「無理です」としか言いようがありません。ヒナ委員長が三人に増えても到底追いつかないでしょう。
もう一つの理由は、人手不足です。救急医学部はゲヘナの中では比較的人数の多い部活ですが、それでも仕事が多すぎます。新しく入部する人はいても、激務に耐えきれず辞めてしまう人が後を絶ちません。先輩たちも「残ったメンバーは選ばれし適合者だ」なんて冗談を言うほどです。この激務が原因で人が減り、人が減ることでさらに仕事が増えるという悪循環が続いています。
転部していった同期のチナツさん、戻ってこないでしょうか……。正直なところ、戻ってきてほしいです。とりあぜず、チナツさんへのお土産は倍にしておきました。
「はぁ……」
小さくため息をつきながら、カブの世話をする手を止めました。トラウマを克服した今でも、園芸を続けています。もともとは畑を撤去する予定でしたが、先輩たちが猛反対したため、こうして毎朝短い時間ながら作物のお世話をしながら考え事をするのが日課になっています。
「ふふっ、立派な畑ですわね。」
「園芸です。」
不意に聞こえた声に、私は反射的に振り返り、思わず突っ込んでしまいました。そこには見覚えのある女性が立っていました。その姿はどこか高貴な雰囲気をまとい、涼やかな微笑を浮かべています。
「……ハルナさん。」
「あら、覚えていてくださるなんてうれしいですわ。」
黒舘ハルナさん。美食研究会の会長で、ゲヘナ学園の要注意人物の一人です。美食を追い求めるあまり手段を選ばず、気に食わない飲食店を爆破するという。その行動から、キヴォトスではほぼテロリストと認識されています。何度もヒナ委員長に懲らしめられ、そのたびに救急医学部に運ばれてくるのですが。
そんな方が、どうしてここに? - 105白染セツナ25/01/05(日) 04:12:37
「ええと、救急医学部の受付はあちらですが……?」
「存じておりますわ。でも、本日はあちらに用はございませんの。」
冷静に答えるハルナさん。確かに今の彼女にはケガの様子は見られません。それなら、一体何の用で……?
「病院食についてのクレームなら受けますから、爆破だけはやめてください!」
「まぁ、そんなことはしませんわよ。患者のことを思い、回復と健康のために栄養バランスを計算して用意された病院食に、文句を言うつもりなどございませんわ。それに、病院食は入院という特別なシチュエーションでしか味わえない美食ですもの。」
色々と理解が追いつきませんが、とりあえず部室が爆破される心配はないと考えていいのでしょうか……?
「こ、この子たちは花として育てているんです!だから持って行かないでください!」
「いえ、そんなことはいたしませんわ……私たちのことを一体どう思っているですの?」
「テロリスト、ですよね。」
「心外ですわ。私たちはただ、究極の味を求めて最善を尽くしているだけですのよ。」
ハルナさんは微笑を浮かべたまま、私に向き直ります。
「本日はセツナさんに用がありましてよ。」
「私に……?」
「ええ、そうですわ。」
「カブを譲る気はありませんが。」
「一旦蕪から離れましょう……私たちが求めているのは、セツナさんの紅茶です。」
「紅茶……?それならトリニティに行けば……」
「いいえ、求めているのは茶葉ではなく……」
ハルナさんは優雅に手を上げ、合図を送ります。
「……『キヴォトス最高の茶』ですわ。」
その瞬間、死角から何人もの影が飛びかかってきて、私の視界は真っ暗になりました。
……やっぱりテロリストじゃないですか。 - 106125/01/05(日) 04:14:53
お待たせしました
拉致されたのは dice1d3=3 (3)
1. セツナ
2. ↑+フウカ
3. ↑+ジュリ
- 107二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 04:53:14
「後日送るよ」と言われてる以上、今のところはただの誘拐では…
- 108二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:04:28
キヴォトス最高の茶だから
ナギちゃんがくれたティーセットではなく
せっちゃんの淹れた紅茶(99)のほう? - 109二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 00:09:07
保守
- 110白染セツナ25/01/06(月) 04:26:18
「セ……ち……」
声が聞こえます。
「セ……ちゃん……」
私は……どこにいるんでしょう?ぼんやりとした意識の中、目の前に浮かぶのはまだ終わらない部活のタスクの数々。カブたちの世話をした後は、薬品の整理、ラウンド、患者のバイタルチェック、そして機器の整備が待っているはずでした。
「セツナちゃん……セツナちゃん……!」
けれど、その前に……。
「……テロリストが現れました!」
「きゃー!」
「「痛い!」」
バッと勢いよく体を起こそうとした瞬間、額に何か硬いものがぶつかり、思わず涙がにじみます。おでこを手で押さえようとしても、動けません。視線を下に送ると……腕が縄でしっかりと縛られていることに気づきました。周りを見渡せば、風景がどんどん後ろに流れていきます。今は……どうやらトラックの荷台に転がされているようです。
「何なんですかこれは!?」
「ううっ……セツナちゃん、頭が硬すぎるわ……」
聞き覚えのある声が隣から漏れます。振り向くと、涙目でおでこをさするジュリさんの姿がありました。 - 111白染セツナ25/01/06(月) 04:26:44
「ジュリさん!?どうしてここに――」
子どもの頃からの友人である彼女が、私と同じく縄で縛られた状態で、隣に転がっています。給食部に入ってからはお互い忙しくて会う機会は減りましたが、モモトークでよく話していた彼女が、まさかこんな形で再会するなんて……
「あはは……こんな状況だけど、お久しぶり、セツナ。」
「フウカさんまで?」
荷台の隅に座るのは、給食部の部長であるフウカさん。いつもの穏やかな微笑みは苦々しい笑みに変わり、彼女もまた縛られていました。
「どうしてお二人がここに……?いえ、そもそもこれは一体どういう状況なんですか?」
「ええと、簡単に言うと、私たちは美食研究会に拉致された……ってところね。」
「ら、拉致ですか!?そんな……」
「まあまあ、そんなに怖がらないで。美食研は意外とひどいことはしないから……たぶん。」
「ええ、いつも料理を作らされるくらいで済みますから……」
ジュリさんとフウカさんのどこか諦めた眼差しが、かえって不安を煽ります。それでも、私を安心させようと努めているのが分かりますが……
「どうしてお二人ともそんなに落ち着いているんですか?普通、もっと焦ったりしませんか?」
「そりゃ、最初はね。でも……慣れたのよ。不本意ながらね。」
フウカさんは遠い空を見上げながら、どこか虚ろな声で答えました。その姿には、まるで全てを悟ったような静かな諦めが漂っています。 - 112二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 13:49:45
そういえば
給食部と救急医学部
どっちも結構ブラックだな - 113二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 23:06:41
ほ
- 114白染セツナ25/01/07(火) 00:24:23
少しフウカさんとジュリさんと話して、ようやく状況が飲み込めてきました。
フウカさんはこれまで何度も美食研に拉致されて、料理を作らされているらしいです。給食部の手伝いも時々しているそうですが、その結果、大抵は調理場が大惨事になるとか……
「彼女たちも悪気があってやってるわけじゃないんだけど……いや、だからこそタチが悪いのかもね……」
フウカさんは困ったような表情を浮かべていましたが、怒っている様子はありません。むしろ、半ば諦めたような、そんな雰囲気でした。
「でも、どうしてジュリさんと私まで拉致されたんですか……?」
料理なら、ここ最近私はほとんどしていませんし、ジュリさんだって……お世辞にも得意とは言えません。
「それは……」
「うう……多分、私のせいだと思います……」
ジュリさんは申し訳なさそうに俯きました。その姿に胸が痛みます。
「セツナちゃんからもらったおみやげを、給食部に持って行ったんですが……」 - 115白染セツナ25/01/07(火) 00:24:38
「わぁ、こんなにたくさん!」
「はい!フウカ先輩の分もあるって言いました!」
「本当に思いやりのある子ね、セツナは。」
「はい!本来なら私と一緒に給食部に入る予定だったんですが、結局、救急医学部に行ってしまって……セツナちゃんがいれば、下ごしらえだけじゃなくて、フウカ先輩の調理をちゃんと手伝えたんですが……」
「いいのよ。ジュリだけでも十分助かってるわ。」
「先輩……!」
「まぁ、休憩中ですの?」
「ハルナ!?どこから湧いてきたの?」
「ふふ、フウカさんのお顔を見たくて。それに……甘い香りが漂ってきましたね。あら?これはトリニティの?」
「ジュリの友達からもらったのよ。悪いけど、ハルナの分はないわよ。」
「トリニティのおみやげ……ジュリさん、そのご友人とは、白染セツナさんのことでしょうか?」
「ええ、そうです!セツナちゃんとは幼馴染で、最近までトリニティに留学しているんです!」
「まあ、そんな素敵なご縁が……ふふ、良いことを思いつきましたわ。さあ、皆さま。」
「絶対ロクなことじゃな……ちょ、なんで縛るの!?また!?」
「どうして私まで!?」
「ついでに主役もお迎えに参りましょう――素敵なティータイムのために。」 - 116白染セツナ25/01/07(火) 00:25:02
「うう……私がセツナちゃんの話をしたせいで……ごめんなさい……」
ジュリさんは涙目で謝ってくれます。でも正直に言うと……
「いえ、最初から私の名前を知っている様子でしたから、ジュリさんのせいではないと思います。それに……おみやげを狙っているだけなら、私を攫う必要なんて……」
ふと、気絶する直前に聞いたハルナさんの言葉を思い出しました。
「そういえば、ハルナさんは『キヴォトス最高の茶』と、そう言ってました。」
「ええ?でも、セツナちゃんのおみやげの中に茶葉なんて……」
「ジュリさんが淹れたら大惨事になりますから……」
「そんな……」
ジュリさんは悲しそうな顔をしていますが、対照的にフウカさんは何か思いついたようでした。
「もしかして、セツナのお茶淹れの腕を目当てにしてるんじゃない?ほら、この前ジュリが自慢げに言ってたじゃない。セツナの紅茶がトリニティのティーパーティーホストに褒められたって。」
「そんなこと言ってたんですか?」
「だって、セツナちゃんが楽しそうだったからつい……ゲヘナにいるときは、いつも目が死んでるし。」
嘘でしょう……私、そんな風に見えてたんですか?
「でも、私はゲヘナに帰る直前、ようやくナギサさんから合格をもらったくらいで……いうほどすごいお茶を淹れられるわけじゃ……」
「ふふ、ご謙遜を。」
いつの間にかトラックが止まり、ハルナさんが上品な微笑みを浮かべながら立っていました。
「トリニティはお世辞を申しますが、紅茶について嘘はつきませんわ。まして、ティーパーティーホストに『完成された』と評価されたセツナさんの紅茶、ぜひいただきたいのです。」 - 117二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 12:19:42
やっぱり美食って怖いっすね
- 118二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 12:38:56
セツナちゃんもともと給食部志望だったか…
それはそれでおいたわしくになりそう - 119二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:43:05
そんなに言われると飲みたくなってくる…紅茶淹れようかな
- 120白染セツナ25/01/08(水) 02:47:45
私とジュリさん、そしてフウカさんがハルナさんたちに連れられてきた場所は、ゲヘナ外郭にあるレンタルスペースのテラスでした。白いパラソルが風に揺れ、爽やかな光が差し込む空間──けれど、私の心中はそんな穏やかさとは程遠いものでした。
「じゅるり……こんなにお菓子があるんだし、ちょっとだけ味見してもいいよねぇ……?」
「いけませんわ、イズミさん。皆で味わうのが美食研究会の掟ですもの。」
「その割に、この前イズミが腹壊して脱落したとき、あっさり見捨ててなかったっけ?」
「うわーん!思い出しました!あの時の仕返し、まだしてないのにぃ!」
「まぁ、その後ちゃんとイズミさんと合流したではありませんか。」
「トリュフの匂いも嗅がせましたし☆」
「……絵面が最悪だったけど。」
美食研究会の皆さんは、そんな調子で賑やかにお喋りしながらティーテーブルのセッティングを進めています。その手際は無駄がなく、次々とテーブルの上にスイーツが並べられていきました。よく見ると、それらは……私がジュリさんとフウカさんのために選んだお土産のスイーツでした。 - 121白染セツナ25/01/08(水) 02:49:01
「……」
思わず無言のまま睨んでしまった私に、ジュンコさんとイズミさんが気付いたようです。
「ハルナ、あの子、すっごい目で睨んでるんだけど!」
「風紀委員長みたいな目だよ!ヤバいって!」
「イズミさん、ジュンコさん、落ち着いてくださいな。」
ハルナさんが上品な笑みを浮かべながら、私たち縛られた三人に優雅に歩み寄ってきました。その仕草にますます不安と怒りが湧き上がります。
「そんな目をしないでくださいませ、セツナさん。私たちはただ、最高のお茶会を楽しみたいだけですわ。」
「他人のお土産を奪い、その持ち主の目の前で味わうのが、最高のお茶会というのですか?」
私の口から出た声は、自分でも驚くほど低く冷たいものでした。
「まあ、それは誤解ですわ。」
ハルナさんは動じることなく、相変わらずの優雅な口調で応えます。
「先ほども申し上げました通り、一人欠けることなく、皆で美食を味わうのが美食研究会の掟ですのよ。」
そう言って、彼女は私に手を伸ばしました。その動きに、フウカさんとジュリさんが慌てて声を上げます。
「ちょっと!ハルナ!私ならまだしも、彼女たちに手を出すのはやめて!」
「セ、セツナちゃん!」
二人の悲鳴にも関わらず、ハルナさんは何事もなかったかのように私の縄を解き始めました。その手つきは丁寧で、そこに悪意があるようには思えません。
「一人も欠けず、皆で味わう──その『皆』には、もちろんセツナさんたちも含まれておりますわ。」
ハルナさんの静かな笑みとその言葉に、私は一瞬言葉を失いました……この人、本気で言っているのでしょうか?
**
セツナのストレスゲージ dice1d100=97 (97)
- 122二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 03:09:30
終わったわ
- 123二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 10:47:46
ハルナアンチ?と一瞬思ったんだが、本編がもっとひどかった気がした
ただでさえ過労気味な日常生活なのに拉致されて、おみやげも奪われて、もう怒っていいんのよ… - 124二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 10:50:45
カスミと違ってヒナが来た程度で逃げてくれなさそうだし…どうすればいいんだろう
- 125二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 21:55:42
保守
- 126二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 08:20:42
爆発の時は近い
- 127二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 19:09:05
むしろ一回くらい爆発してリセットした方がいいかもしれない
- 128白染セツナ25/01/10(金) 02:59:26
「……どうしよう、救急医学部の制服がだんだんメイド服に見えてきた気がしたよ。」
「もう先に食べていいんじゃない?」
「いけませんよ、イズミさん。こういうパフォーマンスもおもてなしの一つですわ。誠心誠意、じっくりご覧くださいませ。」
「普段こういうの見られないから、今のうちにしっかり目に焼き付けておかなきゃ損ですよね☆」
失礼極まりない不快な声を聞こえ、私は思わず真顔になり、無言の抗議を送ってしまいましたが、相手には届いていないようです。
フウカさんとジュリさんの縄を解いた後、ハルナさんが本当にただお茶を楽しみたいだけだということが分かりました。そして、私たち三人の解放を条件として、なぜか私がお茶を淹れる役目を引き受けることになったのです。
「セツナちゃん、本当にプロみたいです!」
「まるでトリニティの広告に出てきそうな淹れ方ね。」
ジュリさんとフウカさんが楽しそうに声を弾ませます。その言葉を受けて、私は一瞬だけほっとしたものの、気を抜くわけにはいきません。
「ふふ。実際、出たことがありますわ。」
ハルナさんが唐突にそう言って、携帯を取り出しました。画面にはトリニティ総合学園の公式SNSが表示されています。そして、そこには……私の写真。ナギサさんの指導の下、お茶の淹れ方を学んでいる時の一枚が堂々と載っていました。
「ほら、こう書かれておりますわ……『紅茶に対する深い愛と理解を持つ逸材』と。ティーパーティーホストであるナギサさんからそこまで評価されたセツナさん……。この紅茶、一度味わってみたいものですわ。」
ナギサさん……どうしてそんなこと……
「しかも、ジュリさんとご縁のある方だったなんて……」
「まさに運命の出会いですね☆」
……最悪の運命ですね。そう言い返したい衝動を必死で抑えながら、私は集中力を切らさずに紅茶を淹れる作業を続けました。 - 129白染セツナ25/01/10(金) 02:59:46
ポットから湯気が立ち上り、その香りが広がるたびに、この空間が紅茶の香りで満たされていくのを感じます。蒸気が湯気とともに空気を柔らかく包み込み、私の動作一つひとつが周囲の視線を集めているのが分かりました。
全てのカップに均等に紅茶を注ぎ終え、最後に一息つきます。
「……どうぞ。」
私は一言だけ添えて、カップをテーブルの中央へと置きました。
それが合図だったかのように、静かだったテラスが再び賑やかさを取り戻しました。美食研究会のメンバーたちは早速カップを手に取り、一口ずつ味わい始めます。彼女たちの反応がどうなるのか、期待半分、不安半分で私はそっと息を整えました。
美食研究会の方々は、お茶を一口飲むと、すぐに満面の笑みを浮かべました。その表情に、少なくとも酷評されることはなさそうだと胸をなで下ろしました。
お茶会はというと、彼女たちが和やかにおしゃべりを楽しむ中で進行していました。フウカさんの的確なツッコミが場を盛り上げつつも、基本的には平和そのものです。ですが、その雰囲気にどこか見覚えがあるような気がして、一瞬だけ放課後スイーツ部の皆さんの姿を思い浮かべてしまいました。……心の中でアズサに謝らなくては、と小さく反省します。
そんな中、私とジュリさんは久しぶりの再会を喜びつつ、周りの邪魔にならないよう小声で最近のお互いの近況を語り合いました。モモトークで連絡を取ることは欠かさないとはいえ、対面で伝えられることにはやはり特別なものがあります。特に、ジュリさんの無邪気な笑顔を目の当たりにするだけで、心がじんわりと癒されるのを感じました。 - 130白染セツナ25/01/10(金) 03:00:37
「セツナさん、素晴らしい紅茶をいただき、本当にありがとうございました。」
「……どういたしまして。」
大量にあったスイーツがいつの間にかすっかり消えてしまった頃、ハルナさんが静かに声をかけてきました。どうやら満足していただけたようです。これでようやく私たちも解放されるのでしょうか……そう思った矢先のことです。
「本当に素敵な時間でしたわ……でも。」
ハルナさんが少し眉をひそめ、困ったような表情を浮かべました。
「……これではキヴォトス最高のお茶とは言えませんわ。」
「え?」
不穏な響きに思わず声を上げる私をよそに、ハルナさんは続けます。
「勘違いなさらないでくださいね。私はセツナさんの紅茶に苦言を呈するつもりはありませんわ。水温の管理、抽出時間の調整、味と香りのバランス、美しい姿勢とサーブ――どれをとっても洗練されています。きっと血のにじむような努力をされたのでしょうね……ですが、それでもナギサさんに“最高”と評価されるには、まだ何かが足りません。」
「ナギサさんが過大評価しているだけではないですか……?」
小さく反論する私に、ハルナさんは軽く首を振ります。
「いえ、ナギサさんはご自身の言葉の影響力を理解していないはずがありませんわ。そうなると、問題はセツナさんご自身にあるのではないでしょうか。」
「……手は抜いていません。」
「ええ、それは分かっています。セツナさんの表情や動きから、お茶を淹れるときの真剣さには一片の偽りも感じられませんでした……だからこそ伺いたいのです。セツナさん、お茶を淹れるとき、一体何を考えていらっしゃいますの?」 - 131白染セツナ25/01/10(金) 03:01:55
お茶を淹れるときの考え事――?私は少し考え込みましたが、答えはすぐに口をついて出ました。
「オキシドール、ドロコルチゾン、アルギン酸ナトリウム、アドレナリン……」
「オキシ……?なんだか美味しそうな名前だね!」
「全部薬品の名前ですよ☆」
「毒殺のつもりか!?」
外野から飛んでくる突っ込みを無視して、私はハルナさんを見つめ直しました。
「今日の薬品整理の作業です。それからラウンド、患者のバイタルチェック、機器の整備……まだまだ仕事が山積みで……」
「なるほど、お忙しいのですね。道理で集中しきれないわけですわ。」
ハルナさんは納得したようにうなずくと、柔らかな笑みを浮かべました。
「セツナさん、美食というのは、常に素直な心で迎え、味わうべきものです。それは調理もお茶も同じこと。せっかくのお茶会ですから、ここは一旦お仕事のことを忘れて、お茶そのものを楽しむことに集中されてはいかがでしょう?」
「そうよ!おいしいものをたくさん見つけて、たくさん食べれば、みんな幸せになれるよ!」
「仕事頑張っ分は美味しいものに食べに行かないと!」
イズミさんは無邪気な笑顔を浮かべ、ジュンコさんも楽しそうにうなずきます。
「おいしいものをお腹がいっぱいになるまで食べて、見も心も満たされるこそ生きる意味ですよ☆」
ジュンコさん明るく語り、その意見に全員が賛同しました。
――仕事を忘れて、いっぱい食べる。私は、私たちは一体、誰のせいで、何のためにこんなに働いているのでしょう。目の前で輝くような笑顔を浮かべる彼女たちが、なぜか遠く感じられました。心に広がるこの重苦しさに、私は耐えれず……
dice1d2=2 (2)
1. 怒りました
2. 泣き出した
- 132125/01/10(金) 03:08:40
うわーん、昨日パソコンの前で寝落ちたせいで鼻水が止まりません!最近寒くなったので、皆さんも体に気をつけてください!
アンチじゃないです信じてください(苦悶する顔)
セツナは最初からテロリストが嫌いで、尖った態度を取っているだけです。これからちゃんと交流を深めます。
あと、美食研は本編以上の実害を出させない予定です。
- 133二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 13:22:37
美食研ならセツナちゃんのこと嫌いにならないが
セツナちゃんのほうはね…
本編を超えないと言っても本編のテロ行為はガチだからな(他の自治区での破壊行為) - 134二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 22:08:05
ほしゅ
- 135二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 09:16:36
朝ほしゅ
- 136二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 20:34:39
保守
- 137白染セツナ25/01/12(日) 02:53:48
うわーん!薬を飲んだら、頭が動かなくなりました!保守してくれてありがとうございます。
**
頬を伝う涙の感触に気づいたときには、もう止められませんでした。滴がぽたりと膝に落ち、服に染み込むその感触が、まるで自分の無力さを突きつけてくるようで。
「セツナ、さん……?」
ハルナさんの声が震えています。彼女がこんなにも動揺している姿を見るのは初めてかもしれません。いつも冷静で自信に満ちた彼女が、おろおろと手を宙に彷徨わせ、どう声をかければいいのか迷っているのが伝わります。
私は彼女に視線を向けることさえできず、ただ膝の上で握りしめた拳を震わせながら呟きました。
「……そんなの、できるわけが、ないじゃ、ないですか。」
感情がごちゃごちゃに絡まり、言葉がうまく紡げません。一つ一つを噛み砕くように、ゆっくりと口を開きます。
「今、この瞬間にも、多くの事故や事件が、このゲヘナで発生しているはず、です。」
涙でかすむ視界の中、頭の中ではただ、あの光景が浮かんでいました。血に染まった服、そして静寂。
「死た……ではなく、怪我してる人がいれば、治さないといけません。」
そして、治すのは、いつも私たちです。だから……
「だから、私たちは、食事も、休憩も、楽しさも、二の次、です。」
拳を握りしめる力がさらに強くなり、指先が白くなります。
ジュリさんの小さな「セツナちゃん……」という声が聞こえました。その優しさが、余計に心を締め付けます。溢れる涙が止まりません。
「この状況を変えるって、約束したのに……どうしたらいいのか、分からない……今日も無断欠勤がいて、今も人手不足、なのに……」
言葉がどんどん零れ落ちていきます。これまでずっと溜め込んでいた不満や悲しみが、堰を切ったように流れ出しました。 - 138白染セツナ25/01/12(日) 02:54:25
美食研究会の皆さんが、何も言わず、ただ黙って聞いてくれているのがわかります。その沈黙が、逆に私をさらに追い詰めるようで――
「怪我なんて、キヴォトスでは日常茶飯事でしょう?そんなに気にするものなの?」
ジュンコさんの何気ない一言が、胸に突き刺さりました。
「……気にするな、とでも言いたい、ですか!?そもそも、あなたたちの活動で、どれだけ怪我人が……ッ!」
抑えられない怒りが声に乗ります。ジュンコさんを睨みつけた瞬間、ハルナさんは、私の言葉を遮りました。
「ジュンコさん。」
その一言で場が凍りつきました。ハルナさんの冷静で落ち着いた声に、ジュンコさんが少し気まずそうに視線を逸らします。
「誰も使ってない流し台の蛇口を締めらないといけないと同じく、誰でもそんな衝動に駆られるのです。それと同じように、怪我人をほっとけないという衝動は、セツナさんの、救急医学部の、蛇口のようなものだと思いますわ。」
ハルナさんの視線が、真っすぐ私に向けられます。その瞳には、私を責める感情は一切なく、ただ純粋な理解と慈しみが込められていました。
「私たちが、美食を追求することを止められないように、セツナさんに救護を諦めさせるのも不可能だと思います。」
彼女の言葉が、静かに心に響きます。
「しかし……困りましたわ。救急医学部がここまで忙しい限り、セツナさんが落ち着いてお茶を淹れてくれることはできないでしょうね。」
「……分かったなら、もう二度と私と関わらないでください。」
「いいえ。言いましたわ。究極の味への追求は諦めません。」
ハルナさんは動じません。不敵な笑みを浮かべ、私をじっと見つめます。
「セツナさんが言った、救急医学部を変えるという約束。それを、私たちが手伝わせていただきますわ。」
「……はぁ?」 - 139二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 10:53:07
そういえばこの子セナと違って死体見たことがあるな…
- 140二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 22:23:38
そらビックリするわ
- 141二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 10:04:09
このレスは削除されています
- 142白染セツナ25/01/13(月) 19:41:35
「手伝って……」
「ええ、フウカさんのご友人でしたら、私たちの友人も同然。友が困っているときに手を差し伸べるのは人として当然の情けですわ。それに、食に関することでしたら、美食研究会としても黙っていられませんわ。そう、フウカさんの手伝いに皆で目玉焼きを焼いたあの日のように……」
懐かしそうに目を閉じて微笑むハルナさん。しかし――
「そして調理室が大惨事になったこと、私はまだ忘れてないよ。」
フウカさんが疲れ切った顔でぽつりと呟きました。その目はどこか遠くを見つめています……一体なにが?
「……救急医学部に、入部するつもり、ですか?」
恐る恐る質問すると、ハルナさんはきっぱりと首を振りました。
「いいえ、それは違いますわ。」
「私、潔癖症なので★」
「アルバイトあるから無理。」
「ご飯が食べられないところはいやだよ!」
「そもそも、セツナさんがおっしゃっていた仕事量は、私たち四人でどうにかできる量ではございませんわ。」
ハルナさんの冷静な指摘に、私は押し黙ります。悔しいですが、その通りでした。例えセナ部長が四人に増えたとしても、今の状況を劇的に改善するのは無理です。でも、もしセナ部長が四人になったら、少なくとも私はやる気が出ます。確実に。 - 143白染セツナ25/01/13(月) 19:42:56
「ゲヘナで生徒が暴れまわるのは日常ですが、最近は確かに増えすぎている気がしますわ。」
「おかげで風紀委員会の戦力が分散されて、逃げやすくなりました★」
「聞く限り、あなたたちも暴れる側では……」
思わず突っ込みを入れる私を無視して、ハルナさんは続けます。
「そのうち風紀委員会が解決するでしょうけど、美食の追求を妨げる原因があるなら、それを取り除くしかございませんわ。」
「……で、結局何をするの?」
ジュンコさんが、いかにも面倒そうに聞きます。それでも一応話に乗る姿が、少しだけ意外でした。
「ひとまずは情報を集めましょう。食べ物の情報ではないのは気が進みませんが、これも美食に繋がる道ですわ。」
「最終的においしいものがいっぱい食べられるならどうでもいいよ。」
「それなら久しぶりにゲヘナでグルメ巡りでもしましょうか★」
「わーい、賛成~!」
彼女たちは、気楽に話を進めます。テロリストと呼ばれているはずなのに、そう悪い人たちでもないのかもしれません……
「では、セツナさん。」
ふとハルナさんが私の方に振り返り、優雅に手を差し出しました。その瞳は真剣そのもので、まるで私を引き込もうとするかのようです。
「邪魔者をすべて片付けたあと、もう一度お茶会をしましょう。」
その言葉に、私は彼女の手を見つめます。震える手を自分の胸の前で握りしめて、迷い、そして――
dice1d2=2 (2)
1. 彼女の手を握りました
2. 彼女の手を握りませんでした
- 144125/01/13(月) 19:45:39
美食研究会からの好感度
ハルナ 50+dice1d50=40 (40) (お茶の補正)
アカリ dice1d100=90 (90)
イズミ dice1d100=75 (75)
ジュンコ dice1d100=68 (68)
- 145二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:57:03
ハルナとアカリも…
せっちゃん三年生特攻過ぎるよ - 146二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:25:21
残当
トリニティイベントのときも
先生がいなかったら、屋台のモブたちも美食研と組もうとしないんだろ… - 147二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 20:03:32
保守
- 148白染セツナ25/01/15(水) 02:52:50
私は、この手を握ってしまっても良いのでしょうか?
目の前で差し出されたハルナさんの手に、躊躇いが心の中を駆け巡ります。どれだけ親切そうに見えても、彼女たちはテロリストと呼ばれる存在。これまで数え切れないほどの騒動を引き起こし、多くの死者……ではなく、負傷者を生み出す人たちです。そんな彼女たちが手伝うと言っても、悪い予感しかしません。
そもそも、彼女たちの評判を思い返すだけで、彼女たちのやり方がどのようなものか想像できます。結果的に怪我人を増やすのがオチではないでしょうか。
そんな人たちとお茶会の約束なんて、交わしたくありません。
「……すみません、私は……」
断る言葉を探しながら、伸ばしかけた手をそっと下げようとしました。その瞬間、ハルナさんの手が私の手をしっかりと掴みました。
「ふふ。契約成立、ということでよろしいですわね。」
あれ?おかしい……どうして私が了承したかのような雰囲気になったんですか?
「あ、あの、違います!私は断ろうと――」
「セツナさんが、いかなる相手にも誠心誠意で紅茶を淹れる姿を見て、感動いたしましたわ。次はぜひ、もっとゆっくりと落ち着いた状況で、セツナさんの紅茶を堪能したいと思っておりますの。」
「あの、だから……」
「ああ、形はどういたしましょう?やはり格式高いアフタヌーンティーにするべきかしら。それとも、もっとボリュームを考慮して、カジュアルなハイティーも良いかもしれませんわね……どちらも捨てがたいですわ。」
私の言葉なんて聞こえていないかのように、ハルナさんは勝手に次のお茶会のプランを楽しげに練り始めています。
「フ、フウカさん!ハルナさんが、突発性難聴に……!」
私は助けを求めるようにフウカさんを振り返ります。しかし、そこにいたのは死んだ目をしたフウカさんでした。
「多分ね、全部聞こえてるよ。」
「えっ、じゃあどうしてこんな……?」
「聞こえた上で、全部無視してるのよ。」
「そんな……」
**
ハルナの好感度が高いので……
そろそろ風紀委員会委員会は dice1d3=2 (2)
1. 来ない
2. 来る
3. ↑ ヒナも来る(逮捕確定)
- 149二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 13:03:13
仕事が増えてしまうのか…?
- 150二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 13:13:33
そりゃ美食研のグルメ巡り(情報収集)
何も起きないはずがなく…
せっちゃん、断れるだけでやめてくれるならフウカが拉致されないよ - 151二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 00:31:48
来ちゃったか
- 152二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 00:40:11
このレスは削除されています
- 153白染セツナ25/01/16(木) 03:20:03
ふと、外から規則正しい軍靴の足音が聞こえてきました。それに混じるのは、威厳のある声で指示を飛ばす誰かの声――風紀委員会です。人が集まるざわめきとともに、緊迫した気配が空気を震わせます。
「あら、どうやら時間切れのようですわね。」
ハルナさんは私の手を握ったまま、ちらりと他の美食研究会のメンバーたちに視線を向けました。その視線を受けた彼女たちは、既に逃走の準備を整えた様子。ついでに、残ったお菓子をテイクアウトしている光景が目に入りました。
……それ、一応ジュリさんとフウカさんのお土産なんですが。
「やはり今の風紀委員会の動きは、いつもより遅いですわね。」
「ほんとだよ!いつもなら食べる途中に現れるんだから、あれ本当イヤだ!」イズミさんが不満を口にします。
「包囲も甘いわね。これなら簡単に抜けられそう。」ジュンコさんは銃を肩に担ぎながら、外の様子を伺っています。
「明らかに人手不足ね。」アカリさんは冷静な声で、しかしどこか楽しそうにそう付け加えました。
彼女たちの言葉を聞くと、やはり彼女たちはゲヘナが誇……りたくないテロリストだと再認識せざるを得ません。でも……風紀委員会が人手不足だなんて、少し気になります。あそこは別に少人数の部活ではないはず。それなのに手が足りていないなんて……もしかして、ハルナさんが言っていた「何か原因がある」というのも本当なのかもしれません。 - 154白染セツナ25/01/16(木) 03:20:28
「ね、会長。」外を見張っていたジュンコさんが、銃を構えながら言いました。「風紀委員長がいなさそうだから、逃げるより返り討ちにしたほうが楽じゃない?」
「ふふ、それもよろしいかもしれませんが……」
ハルナさんが私を見て、ゆっくりと首を振りました。その仕草には、どこか優雅な余裕が感じられます。
「今日は素敵なお茶会をしましたから、この余韻を味わうためにも、ここはひとまず穏便にいたしましょう。」
「今度は何があっても置いていかないでよ!」
「なら、ちゃんと追いついてきてくださいね★」
「分かってるよ!」
メンバーたちの軽快なやり取りに、ハルナさんは微笑みを浮かべました。そして再び私に目を向け、柔らかく言いました。
「では、私たちは退散といたしましょうか。セツナさん、またよろしくお願いいたしますわ。」
「さようなら★」「じゃね。」「今度も美味しいもの食べよう~!」
アカリさん、ジュンコさん、イズミさんが軽く別れの言葉を交わすと、全員が迷いなくテラススペースから飛び降りました。そして――
「あら……?」
ハルナさんだけがその場に立ち止まりました。
「ええと……これは……」
どうして動けないのかと問いたげに私を見つめます。理由は簡単です。私が彼女の手を、まだしっかりと握り締めたままだからです。 - 155白染セツナ25/01/16(木) 03:21:17
「セツナさん。お気持ちは嬉しいですが、そろそろお手を放していただいても……」
私は考えました。このまま彼女たちを逃がせば、きっと碌なことにならない。それなら、せめてハルナさん一人でも風紀委員会に引き渡したほうが良いのではないか、と。
ハルナさんが手を振り解こうとしますが、その動きはどこか控えめで、私の力に敵うものではありませんでした。
「会長~?何してるの~?」遠くからアカリさんが声をかけてきます。
「皆さん、少し困った事情が……」
「ハルナさんがきっと、私たちのために囮になってくれるんですって★」
「えっ、そうなの!?」
「ア、アカリさん!?」
「では、さっさと退散しましょう~!」
「会長!この尊い犠牲は忘れないよ~!」
「これ本当に大丈夫なの!?」
好き勝手なことを言いながら、メンバーたちは次々と去っていきます。ハルナさんの顔には珍しく焦りの色が浮かび、視線が私に戻りました。
「セツナさん?……もしかして怒っていらっしゃいます?」
私は深呼吸をして、静かに言いました。
「はい。ジュリさんとフウカさんのお土産が、勝手に食べられましたので。」
美食研究会の皆さんなら分かるはずです。食べ物の恨みは、とても恐ろしいということを。
- 156二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 08:47:54
- 157二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 19:51:59
保守
- 158二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 03:11:44
早めに保守
- 159二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 03:30:15
美食の恨み、よーく知ってるよね?
- 160二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 13:26:55
ばかな、イズミが逃げれただと?
こんなの僕のデータにないぞ!
まぁ、ヒナが忙しいなら多分捕まってもすぐ脱獄するんだろ美食研 - 161二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 23:14:53
保守
- 162白染セツナ25/01/18(土) 02:53:35
ハルナさんが風紀委員に引き渡される瞬間、彼女は驚くほど大人しく振る舞っていました。その様子に少し拍子抜けしながらも、私はどこか安心感を覚えました。
「セツナさんの心を動かせなかったのは残念でしたわ。でも、状況はどうであれ、セツナさんとの約束だけは果たしてみせます。どうぞご安心を。」
「……そんな約束、した覚えはありませんけど。」
「ふふ、それでは、ごきげんよう。」
最後まで余裕の笑みを浮かべたハルナさん。その言葉に妙な不安を覚えながらも、私はジュリさんと共に帰路につきました。
風紀委員たちによる取り調べを受けるかと思いきや、私の顔を見た途端、彼らの態度が一変しました。顔を引きつらせたかと思えば、妙に丁寧で遠慮がちな態度で私たちを解放してくれたのです。「医学部送りだけは勘弁してくれ」とか何とか言っていましたが、一体どういう意味だったのでしょうか……?
「セツナちゃん、あとのことは私に任せて、二人とも帰りなさい。」
「えっ?でも……」
「大丈夫よ。久しぶりに会ったんでしょ?積もる話もあるでしょう?」
フウカさんの計らいで、私はジュリさんと先に帰ることになりました。
ジュリさんと肩を並べて歩きながら、静まり返った夜道に目を向けます。街灯の明かりだけが頼りの暗い道には、私たち以外の人影はありません。ふと、今日の出来事が思い返されて、なんとも言えない気持ちが胸に込み上げます。
「やっと再会できたと思ったら、一緒に拉致されるなんて……」
ジュリさんが苦笑交じりに呟きました。その声に、私も思わず微笑んでしまいます。
「本当に、そうですね……」
しばらく無言のまま歩き続けましたが、ジュリさんがぽつりと口を開きました。
「救急医学部は、やっぱり忙しいですか?」
「……ええ、それはもう。」
ジュリさんの瞳が、少し心配そうに揺れます。
「ハルナさんの言葉、気にしてる?」
「えっと……はい。」
確かに、ハルナさんは私が忙しすぎてお茶会に集中できていない、と指摘していました。その言葉が頭をかすめるたび、否定しきれない自分がいるのも事実です。
「セツナちゃんが無理してるんじゃないかって……心配で。」
ジュリさんの言葉は、まるで優しい包帯のように胸に沁みました。
「……でも、誰かがやらないといけないことですから。」 - 163白染セツナ25/01/18(土) 02:54:09
ジュリさんは少し顔を俯け、何か強い決意を抱えた様子で口を開きました。
「まだ、見えていますか?その……死体、が。」
胸がぎゅっと締め付けられる感覚がします。その質問が、私の中の何か深いところをえぐったからです。
「……はい。」
あの日以来、負傷者を見るたび、例えそれが軽傷であっても、私の目には「死体」のように映ってしまいました。体温があって、呼吸があって、脈拍が確認できても、私は死を強く意識してしまいます。
このキヴォトスでは、死に直面することは滅多にありません。しかし、死は確かに存在しています。それも、私たちのすぐ傍に。
ジュリさんはじっと私の顔を見つめたまま、少し震える声で続けました。
「それがセツナちゃんのやりたいことなら……うう。」
そこで言葉が詰まったのか、ジュリさんの声が震え、静かに嗚咽が漏れました。
「ジュリさん?」
顔を覗き込むと、ジュリさんの目には涙が滲んでいました。
「セツナちゃん、入学前に一緒に給食部に入るって約束、覚えていますか?」
「……大変、申し訳ございませんでした。」
私は思わず頭を下げました。その約束を破り、相談もなく救急医学部に入部してしまったこと。それは、ずっと心のどこかで引っかかっていました。
「ううん、怒っているわけじゃないんです。それどころか、嬉しかったんです、あの時。」
「え?」
驚いて顔を上げると、ジュリさんは涙を滲ませながらも、微笑んでいました。その微笑みが、かえって胸を締めつけます。
「あの日から、あまり笑わなくなったセツナちゃんが、やっとやりたいことを見つけて、前に進もうとしているのを見て、私も応援したいって思ったんです……」
ジュリさんはふいに立ち止まりました。私も反射的に足を止めます。
「でも、それからセツナちゃんが過労で倒れたり、怪我をしたり、いきなり留学に行ってしまったり……。せっかくゲヘナに戻ってきたのに、忙しすぎて全然会えなくなって……今のセツナちゃん、全然嬉しそうに見えないんです。私……本当に応援してもいいのか、分からなくなりました。」
ジュリさんの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちます。
「ジュリ……さん。」 - 164白染セツナ25/01/18(土) 02:54:54
私は――一体、何をしているんでしょうか。
ジュリさんの涙を見て、胸の奥がひどく痛みました。その痛みを抱えたまま、心の中で自問します。
一生懸命に働けば、皆が救われる。そう信じて走り続けてきました。しかし、その私の在り方が、目の前の大切な人に涙を流させている。それが正しいことだなんて、どうして思えるでしょうか。
トリニティにいたとき、団長と交わした約束を果たすんだと心に決めました。でも――結局、ゲヘナに戻った途端、私は元に戻ってしまったのではないでしょうか。変わらないまま、何も進まず、ただ周りに支えられながら自分の足元ばかりを見つめて。
救急医学部の皆が頑張っているから、私も頑張らなくては――。その気持ちは、きっと間違ってはいないと思います。でも、もし変化を求めるなら、それだけでは足りない。むしろ、足りない部分に気づかないまま走り続けることが、誰かを悲しませているのではないか――そんな気がしてならないのです。
「……ごめんなさい。」
絞り出すような声で口にしました。
「セツナちゃん、私は別に、謝ってほしいわけじゃ――」
ジュリさんが慌てて首を振りますが、私はもう一度頭を下げました。彼女の言葉を遮ってでも、どうしても謝りたかったのです。
「それでも……ごめんなさい。心配させてしまって、本当にすみませんでした。」
声が震えるのが自分でも分かりました。涙がにじみそうになるのを、ぎゅっとまぶたを閉じて堪えます。
「私……自分のことしか考えていませんでした。頑張れば誰かを助けられるって、それだけに必死で……。でも、そのせいでジュリさんをこんなふうにしてしまって……私、本当に……。」
そこで言葉が詰まり、どうしようもなくなります。それでも何かを伝えたい一心で、もう一度顔を上げました。
「私は変わります。変わりたいです。もう二度と、こんなふうにジュリさんに涙を流させたくありません。」
私の決意のこもった声が、静かな夜道に響きました。 - 165白染セツナ25/01/18(土) 02:56:31
ジュリさんは、驚いたような顔で私を見つめていましたが、やがてそっと微笑みます。その微笑みには、どこか寂しさが滲んでいるように見えました。
「セツナちゃん……私、ずっと応援してますから。だから、無理だけはしないでください。セツナちゃんが笑顔でいられることが、一番大切だから……」
ジュリさんの優しい声が、冷たい夜風の中でも温かく心に染み込みます。その言葉のひとつひとつが、私の中で疲れた心を少しずつ癒してくれるようでした。
「はい。」
静かに頷きながら答えます。その一言に、精一杯の感謝と決意を込めて。
「もし、私にできることがあれば……何でも言ってくださいね。」
ジュリさんは少し前かがみになり、真っ直ぐ私を見つめながら言いました。その真剣な眼差しに、胸がじんと熱くなります。
「……私、とりあえず救急医学部の皆に、ちゃんとした食事を取らせたいです。だから、もし私たちが食堂に来たら、私の分は――ジュリさんが用意してください。」
「え、でも私は……」
「初めて食べる給食は、ジュリさんのがいいんです。」
その言葉に、ジュリさんの目が大きく見開かれました。驚きと嬉しさが入り混じった表情が、月明かりの下で輝いて見えます。
「……セツナちゃん!」
次の瞬間、ジュリさんが私に飛びついてきました。彼女の温もりを感じて、私はこれかのことを考え始めました…… - 166125/01/18(土) 03:03:18
**
久しぶりにアンカーします
最近のゲヘナの治安がもっとひどくなったらしい
情報収集のために誰かに聞いてみようか
>>169までダイスです
ちなみにハルナは dice1d5=4 (4) dice1d2=2 (2) 後脱獄しました。
1. 時間
2. 日
- 167二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 03:06:37
セナ部長と死体安置中(搬送中)の雑談の中で
- 168二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 03:13:34
治安のことは治安維持部隊に
保健室に来る風紀委員会所属の子に聞いてみる - 169二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 03:16:53
ヒナ委員長から直接。色々巻き込まれる生徒さんなので
- 170二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 10:26:19
幼馴染みからの情報量が多すぎ…
いままでの死体発言はセナ譲りではなく本当に死体が見えるのか
ジュリの手料理をリクエストするなんて
もしかしてせっちゃんもイズミみたいに適合者? - 171125/01/18(土) 12:29:09
- 172二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 12:30:29
めちゃめちゃ適性ある…
- 173二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 12:36:33
幼馴染みパワーすげぇ…
- 174二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 22:56:09
昔から少しずつ食べて身体を慣らしていったんだろうか
- 175二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 10:11:14
このレスは削除されています
- 176白染セツナ25/01/19(日) 19:40:36
救急医学部の皆に給食を食べさせるという目標を立てました。
一見すると簡単に思える目標ですが、救急医学部の現状を考えると、達成はほぼ不可能に近いです。私たちは常に病床使用率が100%を超えている状態で、休むことすらままならない状況です。そんな中で、ゆっくり座ってご飯を食べるなんて、夢物語にしか聞こえません。
いまの私たちの食事といえば、カ〇リーメイト、エネルギーゼリー、ポ〇リ、サプリメント、待機中にコンビニのおにぎりをつまむ程度……これが救急医学部の日常です。
「固体なしの食事は禁止」という最低限のルールのおかげで、消化器系の衰弱だけは防いでいますが、それも危ういバランスの上に成り立っているだけです。
私もこの食生活を当然だと思っていた頃がありました。でも、トリニティに留学した際、セリナさんの怒りの小言……失言しました、栄養学講義を受けたおかげで、この食事がいかに危険かを学びました。とはいえ、例えこの事実を先輩たちに伝えたとしても、彼女らがそれを改善しようとすることはまずないでしょう。死体が次々に増える限り、私たちは目の前の命を救うことを最優先するのが当然だからです。
結局、死体の数が減らない限り、何をしても無駄だということです。
その時、ハルナさんたちの言葉が頭をよぎりました。テロリストの彼女たちですら、ゲヘナの事件が多すぎると感じるほどですから、確かに何かしらの原因があるはずです。
悔しいですが、彼女たちの言う通り、まずは情報収集から始めるしかありません。 - 177白染セツナ25/01/19(日) 19:40:56
「すみません、少しお時間よろしいですか?」
「……あぁ? バイタルならさっきチェックしたはず――げぇ、セツナ……さん?」
私は救急医学部のラウンド中、病床に横たわる負傷した風紀委員に声をかけました。事件の情報を得るなら、彼女たちに聞くのが一番手っ取り早いはずです。
「ええと、セツナです。すみません、どこかでお会いしたことがありましたか?」
「……いや、ない……いや、ありませんでした!」
「そんなに畏まらなくてもいいですよ。普段通りに話していただいて構いません。」
「……いいだろう。」
ハルナさんの時もそうでしたが、どうして風紀委員の人たちは私に会うたびこんなに怯えるのでしょうか。それに、面識がないはずなのに、どうして私のことを知っているのでしょう……
「で、何の用だ?」
「その……最近、風紀委員会の方がよく救急医学部に運ばれているようですが、大きな事件でも起きているんですか?」
「嫌味かぁ!?」
「ち、違います! ただ、何か事情があるのかと思いまして……」
「……救急医学部には関係ないだろう?」
「いえ、このゲヘナにおいて、救急医学部に関係のない事件は、負傷者の出ない事件だけです。」
私の言葉に、風紀委員は苦虫を噛み潰したような顔をして、反論を控えました。なにぜ、彼女はまさに現在進行形で救急医学部の部室の病床で横になっているからです。
とはいえ、実は彼女の言うことは間違いがありません。事件は救急医学部に全く関係のないことはないですが、救急医学部はあくまで負傷者の治療することだけ管轄していますので、事件事項の捜査、解決に関るべきではありません。
要するに、物は言いようです。 - 178白染セツナ25/01/19(日) 19:42:13
「……私でも分からない。」
彼女はぽつりと呟きました。
「暴れるバカが増えた。それも、組織化したわけじゃなく、ただ好き勝手に暴れている感じだ。事件が多いのはゲヘナの日常だが、増え方が尋常じゃない。」
「……何か原因が?」
「分からない。ヒナ委員長やアコ行政官なら何か掴んでいるかもしれないが、私は知らない。ただ……」
彼女は少し言葉を切り、歯切れ悪く続けました。
「……装備は良かった。弾丸も武器も揃ってて、風紀委員会相手でもある程度の抵抗をするくらいにはな……別に言い訳じゃないぞ!普段なら風紀委員会はもっと上手く行けるから!」
「そうですか……」
「……まぁ、ただの私の現場感想だ。たまたまかもしれない。」
「教えてくださって、ありがとうございます。」
頭を下げると、彼女は少し誇らしげな表情を浮かべました。
**
「そういえば、どうして風紀委員の皆さんは、私にそんなに遠慮した態度を取るんですか?」
「……そりゃ、お前を怒らせたら、救急医学部に送られて人格崩壊するまで働かされるって。」
「そんなことしません!というか、救急医学部を何だと思ってるんですか!?」
「……労働基準法だけ的確に全部犯し尽くすクソヤバい部活?」
どうやら、救急医学部の実態改善だけでなく、外部のイメージ改善も必要そうです。 - 179二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 02:43:46
これは…後ろになにかいるパターンだな
- 180二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 14:15:53
キヴォトスって労働基準法あんの?
- 181二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 23:02:54
ほしゅ
- 182白染セツナ25/01/21(火) 03:25:53
風紀委員さんから貴重な情報をいただき、やはり今回の状況にはさまざまな不審な点があることがわかりました。しかし、おかしいということが判明しただけで、肝心の原因については手がかりすら掴めていません。もちろん、ヒナ委員長ならもっと詳しい情報を握っているはずですが、それを風紀委員内でも共有していない以上、私のような救急医学部の一平部員に教えてくださるはずもありません。
それならば、部室に運ばれてきた容疑者たちから話を聞ければ……と思ったのですが、病床不足もあって、彼女たちは意識が回復し次第、風紀委員会の医療部へと引き渡される予定とのこと。つまり、直接話を聞くチャンスはほぼ皆無というわけです。
残る選択肢としては、現在収容されていない暴徒化した人たちの話を聞くこと。でも真っ先に思い浮かぶのは、美食研究会や温泉開発部のことくらいです。しかし、ハルナさんたちの話を聞く限り、美食研究会は今回の件には無関係なようですし、温泉開発部に至っては、そもそもまだゲヘナで活動しているかどうかも怪しい状況です。
となると、消去法で考えれば、やはり彼女しかいないでしょうか…… - 183白染セツナ25/01/21(火) 03:26:44
「やあ、君から連絡してくれるなんて嬉しいな。」
「お土産のタオルセットです。」
「わあ、本当?ありがとう!おお、さっすがトリニティ、タオルまで真っ白なのか?」
「……あと、お菓子もあります。」
「たくさんじゃないか、わーい。」
嫌味が全く通じることなく、純粋に喜んでいるのは、この前ゲヘナで爆弾事件を起こして風紀委員会に捕まった爆弾の人です。以前、私のトラウマ治療と称して、廃ホテルを火の海にし、無茶苦茶な暴露療法を仕掛けてきた、ある意味ゲヘナらしいぶっ飛んだ人でもあります。
あの事件がきっかけでモモトークに勝手に登録され、一方的に話しかけられ続けて、ついにはこうして直接会う羽目になったわけですが……
「セツナがゲヘナに戻ってきたってことは、もう治ったのか?トラウマ。」
「ええ、おかげさまで。」
「それはよかった。君のいないゲヘナなんて寂しいものだ。」
「……私たち、そんなに親しい関係ではないと思いますが。」
この人、本当にどうしてこんなになれなれしいんでしょうか……。
「つれないなぁ、もう裸も見せた仲なのに。」
「医療行為の一環です。やむを得なかっただけで。」
「恥ずかしいところまで全部……」
「排泄介助です!人聞きの悪いことを言わないでください!」
「それってもう、付き合ってるのと同じじゃないのか?」
「そんな理屈が通るなら、救急医学部はゲヘナの生徒の半分以上と付き合ってることになりますよ!」
全力でツッコむ私をよそに、彼女はただただ笑っています。
「何なんですか、あなたは……」
「いや、久しぶりに君に会えて、ついはしゃぎすぎた。で、君が私に連絡するなんて、ただお土産を渡すためだけじゃないだろう?」
その問いかけに、私はぐっと言葉を飲み込みました。さて、どう切り出したものか……
**
爆弾の人がどれくらい知っている dice1d100=3 (3) (100ほど全部)
- 184二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 03:27:58
うーん、ハズレ
- 185二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 03:54:02
使えねぇ…
- 186二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 15:29:32
3て……
- 187二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 00:48:56
ほしゅ
- 188二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 12:03:52
保守
- 189二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 12:16:41
RTAセナが新技を披露したな
せっちゃんも包帯使ってみないか? - 190白染セツナ25/01/22(水) 22:38:56
「……ご存じの通り、最近のゲヘナでは事件の発生件数が、過去よりもずっと増加しています。そのせいで、風紀委員会も救急医学部も忙殺される毎日です。」
そう言いながら、私は言葉を慎重に選びつつ、目の前の彼女に視線を向けました。彼女は、いつもの飄々とした態度を崩すことなく、静かに私の話に耳を傾けています。その様子に、少しだけ緊張が和らぎました。
「これらの事件、直接の関連性は低いように見えますが……妙に装備や補給が充実しているんです。」
風紀委員さんたちは確証を得ているわけではありませんが、現場の感覚として、この違和感を感じ取っているそうです。その感覚を私は信じています。
「爆弾魔と呼ばれるほど、かつてゲヘナで名を馳せたあなたなら……何か知っているのではありませんか?」
私は相手の顔を真っすぐに見つめました。心臓がドクンと跳ねるのを感じながら、相手の反応を待ちます。
「……」
彼女は無言のまま顎に手を当て、熟考している様子を見せます。その姿に、少しだけ期待を抱いてしまうのは仕方がないことでしょう。そして、しばらくしてから私を見つめ直し――
「いや、わからん。」
「えっ?」
あまりにもあっさりとした返答に、思わず声が裏返りました。
「いや、本当にわからない。最近のゲヘナってそんなにヤバいのか?」
「ゲヘナ生ですよね? 最近の状況に何も感じていませんでしたか?」
「私、こう見えても忙しいんだよ。ほら、解体作業の仕事があるからさ。普段は人のいない廃墟エリアに引きこもってるんだ。」
彼女の驚いたような表情を見る限り、どうやら嘘をついている様子はなさそうです。
「そもそも、私が爆弾テロをやってたのはもうずいぶん前の話だろ? 今は爆破解体のエキスパートとして、まっとうにやってるよ。ほら、私はただ爆破が好きなだけであって、別に人じゃなくてもいいんだよな。むしろ今みたいに毎日違うものを爆破できるほうが――」
「聞いてもいないのに、めちゃくちゃ語ってますね……」
私が呆れたようにそう呟くと、彼女はにやりと笑いました。
「だってセツナ、どうせ興味ないんだろ?私のことなんて。」
彼女がそう言うと、思わず目を逸らしてしまいました。私って、こんなに分かりやすいのでしょうか……? - 191白染セツナ25/01/22(水) 22:39:53
「でも、装備の話か……」
彼女は少し考え込むような素振りを見せました。
「なにか覚えていますか? 誰かから資金の援助を受けたりしていませんか?」
もし彼女が誰かから支援を受けていたなら、その相手こそが元凶の可能性があります。
「うーん……いや、資金援助とかはなかったな。爆弾って意外と金がかかるから、当時の私は……めっちゃアルバイトしてたよ。」
「アルバイト、ですか?」
「そうそう、ブラックマーケットに行けばいくらでも仕事は見つかるさ。」
ブラックマーケット――それは連邦生徒会ですら管理が及ばない、危険極まりないエリアです。
「よくそんな場所で仕事を見つけましたね……」
「なーに言ってる。荒事慣れしてるゲヘナ生は人気が高いんだぞ? “好きなものは爆破!”なんて言えば採用してくれるくらいだからさ。」
「ゲヘナよりも終わってますね、ブラックマーケット……」
頭を抱えたくなりながらも、ふと気になったことを口にしました。
「……って、ブラックマーケットでゲヘナ生が多いんですか?」
「まぁ、短時間で稼ぎたいゲヘナ生なら二択しかないからな。一つはブラックマーケットってわけ。まぁ、今のゲヘナの問題と関係ないかもしれないけどね。」
「……そう、ですか。」
手掛かりが掴めそうにない現実に、思わず肩を落としました。
**
「ちなみに、もう一択は?」
「トリニティに行って、お嬢様を攫って身代金を要求することかな。」
「それだからゲヘナとトリニティの関係がいつまで経っても良くならないんですよ!」 - 192125/01/22(水) 22:44:46
- 193二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 07:52:09
ティーパーティーの服装
- 194二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 15:29:41
(無言でガッツポーズをとるナギちゃん)
(脳が破壊される団長)
(なんとも言えないハスミ) - 195二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 23:58:33
ほしゅです
- 196二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 11:49:21
ほしゅ
- 197二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 23:02:37
ティーパーティーの制服可愛いよね
- 198二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 10:45:37
もう次スレの時期か…
- 199125/01/25(土) 10:45:41