【SS】カスミ「温泉開発……悪くはないな」

  • 1124/12/15(日) 19:07:04

    諸君、人の話を聞くのは好きかな? 私は大好きだ!

    何せ人の語る言葉には必ず想いが存在する。意図せず吐いた言葉の一つだって抱えた想いや思想に思考、それらから導き出された混合物とも言えるだろう。
    もちろん嘘を吐く者だっている。嘘を吐く相手が目の前の人物なのか自分自身に対してなのか、そもそもの望みと反対のことを自分の望みだと勘違いしている連中も当然存在する。

    しかし、しかしだ。それでも口に"できる"言葉というのは意図や意志、思考に思想が堆積して出来上がるものであり、突然彼方からの電波に脳を汚染でもされない限りは来歴なき言葉なんて吐けないものさ。

    ああ、いや、これは決して語った言葉が語った人物の思想である、なんて極端なことを言いたいわけじゃない。
    その考えを知っているか知らないか、ただそれだけで、それ以上を決めつけるだなんて愚の骨頂と言わざるを得ないな。この世には理解できるが共感ができないものもあるし、理解はできないが何となく共感できるものだってある。どちらもできない場合もあれば、どちらもできる場合だってある。

    ただそれだけの話なのに、それが自分の思想であるだなんて決めつけるのは早計なんじゃないかと私は警鐘を鳴らしてやりたいね!

    おっと、話が逸れたかな? では話を戻そう。君たちは人の語る言葉が好きかな?
    人には言葉を騙り、言葉で隠し、言葉で自分を隠して騙る者がいる。分厚い理性の岩盤で覆い隠して、本当の願いすら見失った者がいる。

    実に哀れな存在とは思わないかい?
    取れない葡萄を酸っぱい葡萄だと思い込む狐ぐらい悲しい存在だ。

    だから私は、その分厚く頑丈で意固地な"岩盤"とやらを"爆破"したいのだよ。

    金の卵を産む雌鶏を欲望のままに潰す行為を私は肯定しよう。そうしたいのならそうすればいい。
    葡萄が取れないのならその木をへし折ればいい。もっと人は自分の欲望のままにあるべきだ。だってその方が楽しいだろう? じゃあやるべきだ。一時の愉快は一生の不愉快よりも優先されるべきで、私は理性の贅肉を削ぎ落す手伝いをしてやりたいのさ。

  • 2124/12/15(日) 19:07:47

    ――その想いは、今でも変わらない。

    そして、私は知らなかったんだ。
    この世にはごく稀に、壊すべきでないものが存在するのだと。

    私は人の利害関係をまとめ上げるのが得意だ。きっと誰よりも私の方が上手くやれる。我々の間に仲間意識なんて特には無かったが、それでも角がへし折れた彼女は足を洗ってしまった。だったら多少派手めに動いたって構いやしない。あの猫かぶりも当分は潜伏中だ。"教授"の秘密は暴かれない。

    ずっとやりたかったことがあった。
    私だったらギャングをまとめて犯罪結社連盟を作り上げることが出来るし、あの時は実際にそうして見せた。ゲヘナ学園そのものを陥落させて、混沌に満ちた自由な自治区にしてやることだって容易なのだと、本気でそう思っていた。

    だから私は自らの知性を試すべく、知略と謀略と策謀の限りを尽くしてゲヘナ学園へと挑んだんだ。


    …………。


    さて、物語を語るに当たって、初めにネタばらしをしよう。
    この物語の結末は、突然現れた空崎ヒナが何もかも滅茶苦茶にして終わりを迎える。
    私の知略も謀略も策謀も、その全てが圧倒的で純粋な暴力ただひとつで無に帰した。

    私は爆破が好きだ。その結果自分が報いを受けようとも、爆破の瞬間が見られたのなら満足できる。
    だから自分が自分の行動の果てに後悔するだなんて思ったことすらなかった。そして私は後悔した。

    傍から見れば諧謔的な遁走劇がこの物語の結末だ。
    驕った小娘が惨めに逃げ惑いながら敵に回してはいけない存在があるのだと分からせられる話でしかない。

  • 3124/12/15(日) 19:08:21

    さて、最初の問いに戻ろう。
    諸君、人の話を聞くのは好きかな?


    もし好きならどうか聞いて欲しい。去年のゲヘナで何があったかを。
    そして如何にして、この鬼怒川カスミが15歳の時に温泉開発部に入ったのかを。

    -----

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:09:13

    もう好き
    何やこの語彙と教養の無呼吸連打

  • 5二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:10:33

    なんかすごい物語が始まりそう
    なんとなくだけど雷帝を討ての人?

  • 6124/12/15(日) 19:14:03

    >>5

    何故分かった!? 夢見ホシノの再録をようやく書き終えたので、今度はカスミの話です。

    エタらないよう頑張りますので宜しくお願いしまァす!!

  • 7124/12/15(日) 19:15:14

    そこは打ちっぱなしの殺風景な部屋だった。
    家具らしい家具は特になく、唯一あるのは壁掛けテレビとソファだけ。
    部屋の片隅にはATMが置かれているが、当然札束が入っているわけでも無ければセントラルネットワークに繋がっているわけでもなく、ただの置物に過ぎなかった。

    部屋に入った私は飛び込むようにソファへ座って、それからリモコンを手にテレビを付ける。
    流れだしたのはクロノススクールのトップニュースだった。

    【昨日午後6時40分ごろ、トリニティ自治区の学生支援センターにて、大規模な詐欺集団が逮捕されました】

    ニュースキャスターに読み上げられたのは、学生証を転売するべく詐欺に加担していたトリニティ生の逮捕劇であった。
    捕まったのは20名。個人情報もろとも学生証を騙し取ってはブラックマーケットで売り払っていたらしい。
    学生証を盗られた生徒は個人口座をロンダリングなどに使われたらしく、それはもう根深い社会問題に発展しそうな勢いだ。

    「いや、怖いね! 詐欺集団だとさ。捕まった彼女たちは裁判中らしいが……あれはもう無理だな。上手く行っても飼い殺しだろうね」

    けらけらと笑って見せながら、私は部屋の入口へと顔を向けた。
    私と一緒にここまで来てくれた、ギャングの幹部に。

    「ですが、その……あれは"教授"が手引きしたのでは?」
    「ん? そうだな。しかし彼女たちも本望だろう。もう買わないと言ったのに欲を抑えきれなかったんだ。やりたいようにやって、その結果捕まった。それだけじゃあないか!」
    「…………」

    幹部は身じろぎもしないまま、呆れたように溜め息を吐いた。
    あれは私の"悪癖"に対して理解も共感もできないという感情の発露である。そしてその悪癖は自分たちに牙を向くようなものではないと、向けられたとて捻じ伏せられると信じている。実に良いことだ。

    「ああ、そうそう。約束のものだったね」

    そう言って私はソファのクッション部分を外す。その中には紙袋がひとつ、取り出してから幹部へと渡した。
    幹部は中身を覗いて確認すると、約束のものを得たと言うように頷いた。

  • 8124/12/15(日) 19:15:42

    「確かに。では報酬と、それからあなたに"預ける"現金は3時間後に」
    「ははっ、これからも困ったことがあったら相談してくれ! 24時間対応のサポートセンターみたいなものだしな! ハーッハッハッハ!!」

    そうして幹部は去っていった。紙袋に入った20人分の学生証を手に。

    さて、と私はテレビを消してソファに寝転がる。
    トリニティでは派手に稼いだ。金をじゃない、信用をだ。おかげで裏社会とのコネは以前に増して遥かに増えた。

    (退学生徒ならともかく、大人社会に食い込むのは骨が折れたな)

    私は懐から一枚のカードを取り出す。キャッシュカードを模したオモチャのカードで、トリニティで活動していたときに偶然手に入れたものだった。
    しかし、この中身はオモチャで済ませて良いものでは決して無い。この陳腐で薄っぺらなカード一枚でキヴォトスを滅ぼせる代物だ。

    「さぁて……そろそろトリニティも潮時だし、次は何処に行こうか」

    むむ、と思考を巡らせて、そうだと手を打った。

    「確か……去年頃に起こったクーデターで山ほど退学者が出ていたな」

    ゲヘナ学園。治安が著しく悪化しているあの学校なら、もっと色々出来そうだ。何より、クーデター後に標榜された校風が実に気に入っていた。
    自由と混沌。それはまさしくこの鬼怒川カスミのためにある言葉というもの。

    (せっかくだから、ギャング共に学園を乗っ取らせてみるか……)

    前代未聞の大事件になるだろう。特にゲヘナのギャングたちはクーデターをきっかけに大打撃を受けているのだというから、それはもう鬱憤が溜まりまくっているに違いなかった。

    「いよぉし! それじゃあ早速、ゲヘナに行ってみるか!」

    後に、トリニティ自治区にて空きテナントが一件ガス漏れで爆発したと通報があったが、そこから居なくなった者の存在に気が付く者は誰一人として居なかった。
    -----

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:20:22

    >>6

    なんでもなにも、あんたほどの文章を書けるようなSS書きがあにまんにそう何人もいてたまるか!

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:23:46

    要するにここにはあんた未満の腕前の奴らしかいないからすぐ分かるって言いたいんだよ

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:26:05

    よくしゃべる!

  • 12二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:29:42

    >>10

    言わんとする事はわかるけどその言い方は品がないからやめときなー…

  • 13二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:32:09

    まあ>>9の発言内容はつまりそういう事だからね

  • 14二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:35:48

    マジレスするなら文章力に加えて文体の雰囲気とか奇抜な独自解釈・独自設定の入れ方、主舞台がゲヘナであること、主役となるキャラの軽妙な語り口から始まるプロローグ、章区切り記号の一致とかいろいろ判断材料はある
    まあ何が言いたいかって言うとこの1の書くSS(ショート…?)は面白いってことだ

  • 15124/12/15(日) 19:37:22

    褒めてくれて嬉しいぜ……!
    相対評価だと気楽に喜び辛いから絶対評価で褒めてくれるともっと嬉しい!

  • 16124/12/15(日) 19:37:40

    「あの、サツキ先輩、ちょっと聞きたいんですけど……」
    「どうしたのイロハ。そんなに顔をしかめちゃって」
    「マコト先輩のことですよ……」

    私はげんなりと肩を落としながら、万魔殿の資料室で溜め息を吐く。
    私が入学してからもうじき一か月が経つであろう、四月の終わりのことだった。

    万魔殿はゲヘナの生徒会で、いわゆる"お役所仕事"をやるような部活だと聞いていた。
    堅苦しくて融通も利かず、逆に言えば杓子定規な仕事だけで適当にやれる部活なのだと思っていたのだ。

    それがどうだ。そもそも面接の時から様子がおかしかった。

    「キシシッ、万魔殿に無能は要らん。成績上位者の中でも選ばれたトップクラスの人材が必要なのだ」
    「まぁ、はい。そう聞きました」
    「ではどうやって選別するか……イブキ!」
    「はい!」

    なんか、面接側の席についていた小さな子が元気よく手を挙げた。
    可愛い。ぎゅっとしたらよく眠れそう。そんな感想が一瞬頭を過ぎったが、そもそも何故こんな子がここに居るのだろうか?
    ゲヘナが飛び級制度を採用しているのは知っている。それでも大きく見積もったところで良くて中学生。小学生だと言われても納得できるような子がそこに居た。

    「えっと、イロハ先輩の好きな食べ物はなんですか?」
    「え、あ……まぁ、プリンとか嫌いじゃないですね」
    「わぁ! イブキとおんなじだぁ!」

    可愛い。本当に可愛い。なんだかもうそれだけが正義なような気がしたが、いやいやと首を振る。
    いまこの子は私を何て呼んだ……?

  • 17124/12/15(日) 19:49:43

    「あの、質問いいですか?」
    「いいよ~! 何でも答えるよ~!」
    「ええと……イブキ"先輩"、ですよね? ゲヘナ学園二年生の」
    「ううん、違うよ~。イブキねぇ、来年入学するんだ~!」
    「そうなんですかぁ……」

    (……部外者では?)

    可愛さに絆されかけたが、ゲヘナ高等学園の生徒ではないと言うことであれば益々そこにいる意味が分からない。
    まぁ、いいか。可愛いし。考えるのが面倒になって聞き流すことにする。

    「じゃ~あ、次の問題です!」
    「質問じゃなくて問題なんですね」
    「ここに! アイスクリーム2コと、プリン1コがあります。全部で何個でしょうか~?」
    「…………三個、ですかね?」
    「ぶぶー! 残念! 正解は~……『おやつが3コもあったらすっごく幸せ~』だよ!」
    「……なるほど」

  • 18124/12/15(日) 19:49:57

    なんかもう、それでいいや。私はそう思った。
    だって可愛いし。それが一番なんじゃないかと納得した。

    「それじゃあ、最後に~?」

    そう言ってイブキが私の前まで歩いてくる。それから小さな手を私に差し向けた。
    何か渡さなきゃいけないものでもあっただろうかと一瞬考えたが、そんなものは無かったはずだ。
    よく分からないままその手を握ると、イブキはぎゅっと掴み直して花丸の笑顔を私に向けた。

    「えへへ、あっくしゅ!」
    「――――ッ!!」

    雷に打たれたかのような衝撃が走った。
    震える手でイブキの頭に手を伸ばす。ふわふわとした髪が指の間をすり抜ける。まるでお人形さんのようで、私は夢中で頭を撫でていた。

    「んゅ……くすぐったいよ~」
    「っ!!」

    ぎゅっと抱きしめると、お日様のような匂いがする。これは、これは何という事だろう……!

    「キキッ、合格、だな」

    そしてハンコが押されて私は万魔殿へと入部した。
    ――と、入学時のことを改めて思い出して首を振る。

  • 19124/12/15(日) 20:06:44

    「いやいや、おかしいじゃないですか……。なんか色々雑過ぎません?」
    「イブキちゃんを大切に出来る子かどうかが大事なのよ」
    「ま、まぁそれはそうかも知れませんが……そもそも、マコト先輩いま何やってるんですか? 仕事だけ私に押し付けてどっかに行ったんですけど」
    「あ~うん、それは……」

    サツキ先輩が遠い目をして苦笑いを浮かべる。その理由を私は噂で知っていた。

    「聞くところによれば、風紀委員長にする嫌がらせの道具を買い集めに行ったそうじゃないですか。なんかどんどん万魔殿の倉庫が変なもので埋まっていくんですけど。この前だって不良生徒を集めてミントの種とか集めていたようですし」
    「風紀委員会の花壇に投げ込んでやるって張り切ってたわね……」
    「あの人、万魔殿の議長ですよね? ゲヘナの代表ですよね? 何でなんですか? というより何なんですか?」
    「うぅ~ん、それは……」

    何とも歯切れの悪いサツキ先輩に対して、別に怒っているわけでは無い。ただ、次から次へと仕事を増やすあの人のことが知りたいだけである。というより、何かしらの事情が無くては留飲も下らない。いや別にそこまで怒っているわけでは無いのだが……。

    「何て言えばいいのかしら……。万魔殿の議長がマコトちゃんであることに皆が賛成したから、って言えばいいのかしらね」
    「何かしら凄い功績でも上げたってことですか?」
    「それは……まぁ、私もよく覚えていないのだけれど……、とにかく、マコトちゃんは凄いのよ!」
    「……具体的に?」
    「ふ、不透明なカリスマ性?」
    「覆い隠されてますけど」
    「ま、まぁ! でも、マコトちゃんは人を見る目だけはあるから!」
    「バンドマンにDVされてる彼女みたいな発言ですねそれ」
    「イロハなら出来ると分かっているから頼まれるのよ! その辺りの匙加減だけは本当に上手いから、そこだけは信じてあげて!」
    「はぁ……まぁ、いいですけど」

    半目で仕事に戻って押し付けられた書類を片付けに掛かる。
    内容は、ゲヘナ自治区内における銀行の引き出し額を地域別にまとめる作業だった。

    -----

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 20:09:20

    ここまで読む限り世界観は雷帝SSと繋がってる感じかこれ
    あっちを読んだ後だとそりゃイブキを大切にできる人材集めるわ…ってなるけれど

  • 21二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 20:17:20

    >>20

    前のレスにもあったけど雷帝SSってのがあるのか。まだ閲覧してないから貼ってくれると嬉しい。

  • 22124/12/15(日) 20:39:31
  • 23124/12/15(日) 20:40:24

    「噂はかねがね聞いているよ。確か……トリニティのブラックマーケットを派手に盛り上げたそうではないか」
    「全く耳が早いな! それに盛り上げた、という表現も実に的確じゃあないか。私はあくまで賑やかしだからな」

    ゲヘナ自治区、表通りのオフィスビル最上階。
    ワインを手に葉巻をくゆらす"如何にも"な人物こそがゲヘナ自治区を拠点とするマフィアの最大手、レルモ・ファミリーのドンたるセナート・レルモである。

    「教授、聞けば君は金貸しをやる傍らで預かる方も請け負っていると聞く」
    「ああ、表に出来ないツテがあってね。私の身に危険が及ばない限り、余計な手数料も必要ない安全な保管先を持っているとも」
    「なるほど。つまり、君を拘禁しようものならトリニティを根城にするマフィアたちがこぞって取り返しに来る、ということかね?」
    「理解が早くて助かるよ、ミスター・セナート」

    金を預かり金を貸す。これは表社会の銀行と張り合えるほどの資金を持つことが前提となる。
    そして私と取引している反社会勢力はそれなりの数が存在している。言ってしまえば私を中心とした火薬庫がこのキヴォトスに誕生したのだ。
    全員が牽制し合い膠着する渦中。下手に手を出せば潰し合いが起きる。故に、誰も手が出せないという奇妙な安全保障の中を歩いていた。

    そしてそれは、それだけの拮抗状態が生み出せるという実力の信用にもなる。

    「カイザーがボってる預かり手数料……結構いい商売をしているそうじゃないか! 私なら無償で受け持てるし、何なら遥かに安い利息で金を貸すことだって出来る」
    「見返りに何を望む?」
    「情報と暴力。私は見ての通りか弱いただのいち生徒だ。襲おうと思えば誰だってすぐに出来る。もちろん今この瞬間だって」

    この口答は目の前のミスタに随分とウケたようだった。
    くつくつと喉を鳴らしたマフィアのドンは、試すように私へ銃を向けた。

  • 24124/12/15(日) 20:53:49

    「ではこうしたら、どうかな?」
    「……君はこう思っている。直接自分が引き金を引く相手じゃないってね。隣の部屋に待機させている部下たちで取り囲めばいい。それ以上の手間は必要ない。そう考えている」
    「随分と強気だな教授。私が小賢しい小娘に対してどうやって自分の立場を教えてやるのか知らんわけでもあるまい?」
    「だからさ。君は侮る相手には容赦せずとも、そうでなければ今どき珍しいほどに誠実な人物だ。かつてのストリートの住人らしく、ね」
    「くっくっくっ……どうやら舌は回るようだな、貴様は」

    銃は収められ、どうやらテストは合格のようだった。

    「それで、貴様は何を望む」
    「何って、さっきも言った通り――」
    「――舐めるなよ小娘」

    私の言葉を遮って、レルモ・ファミリーの親玉が睨みを利かせた。

    「さっき貴様は言ったな。見返りは情報と暴力で良いと。では何を為すための情報が必要で、何に対する暴力が必要なのか。裏社会に対する自衛であれば金を人質に膠着状態を作り上げたのだろう? 貴様には目的があるはずだ」
    「……失礼した、ドン・セナート。あなたを前にあまりに道化を演じ過ぎてしまったようだな」

    私は真顔でそう答えた。
    そして、何かを掴むように両手を伸ばす。

    「私が望むのはゲヘナ学園」
    「なに?」
    「生徒が統治するなんておかしいじゃないか。あなたのような大人が統治したのなら、一体ゲヘナで何が起きると思う?」
    「くくっ……なるほど」
    「大量の退学者、枝葉のように分かれて今なお衰退しつつある弱小マフィア、制御の利かないバイカーギャング。それら全てをひとつにまとめたら、それはそれは楽しそうじゃないか!」

  • 25二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 20:58:01

    このレスは削除されています

  • 26124/12/15(日) 20:59:00

    私の提案は甘露のように見えただろう。
    学園都市、生徒が支配する表社会。その構図を逆転させるなど、表と裏に深く浸透しきったカイザーですらも行えない不可侵領域だ。

    それを、崩す。
    これまで辛酸を舐めさせられた裏社会の大人たちが、生徒たちに反旗を翻す。
    社会基盤の発破解体。夢物語と思われたそれを考えるだけで、私は背筋にぞくぞくとしたものを感じた。

    「さぁ、全部ぶち壊そう。なに、私たちはそれが出来るのだ。今までやってこなかっただけで。どうせやらないだろうと高を括った学園に、社会に、そしてこのキヴォトスに刻み付けようじゃないか」

    この世界は簡単に崩れゆく砂上の楼閣に過ぎないのだと。
    悪魔が笑いて世界転覆の筋書きがここから引かれる。まずは退学者たちの統率から、随意に。

    -----

  • 27124/12/15(日) 21:30:12

    「イブキよ、何か欲しいものはあるか?」

    ショッピングカートを押しながら、私はカートにしがみ付くイブキへと声を掛けた。

    「ううん! 大丈夫だよ、マコト先輩も買いたいもの買ったぁ?」
    「ああ、とりあえずはな」

    もうすぐゴールデンウィークだ。その前に、と万魔殿入部を祝うケーキやら何やらの予約がてらにショッピングモールへと足を運んでいた。

    「キキキッ、これで我が万魔殿への忠誠は約束されたも同然……。みな滂沱の涙を流しながらこの羽沼マコト様へ平伏すること間違いなしだ」
    「ぼうだ?」
    「感動してボロボロ泣くだろう、という意味で使っているな。学園に戻ったら辞書を引くと良い」
    「分かったー!」

    元気よく返事をするイブキに癒されつつも、ともかくだ。
    入部祝いとは別に万魔殿発足記念の準備もあらかた済ませて残っているのは、空崎ヒナへどう嫌がらせをするかというものだった。

    「粘着手榴弾はやったし、次は何をしようか……」
    「イブキ、べたべたはもう嫌だよ……?」
    「あぁ! 済まないイブキ! 大丈夫だ、もうやらん! もっとこう、シンプルなものにしよう、な!」

    花壇にミントを撒く準備は出来ているが、何事も先の先を取るかのように準備が必要だ。

    (風紀委員会本部にローションでも撒くか? 階段は流石に危ないから部屋に撒く感じにして……)

    なんてことを考えた、その時だった。
    私の携帯が鳴る。表示名は空崎ヒナ。私の天敵だ。普段であれば。

    「イブキ、済まんがトイレに行ってくる。待っててくれ」
    「はーい!」

  • 28二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 21:35:44

    このレスは削除されています

  • 29124/12/15(日) 21:38:02

    カートを端へと寄せてそそくさとイブキから離れる。私の声が聞こえないぐらいの距離まで速やかに。
    そして着信音が切れるのを待って、私はすぐさまかけ直した。

    「キッキッキ……お前から私に電話をかけてすぐに取ると思ったら大間違いだぞ空崎ヒナよ」
    『それ、ただあなたに通話料が発生してるだけじゃないの……?』
    「やかましいわ!」

    電話の向こうから聞こえたのはうんざりとしたようなヒナの声だった。
    ゲヘナ風紀委員委員長、空崎ヒナ。今は所用の為に3月からトリニティ自治区へ調査に向かわせたままのゲヘナ最高戦力である。

    「それで、どうせ大した手掛かりは見つからなかったという報告なのだろう?」
    『……まぁ、そうね。外れだったわ』

    現状風紀委員会はヒナひとりに対してのその他全体の戦力差はヒナより劣っていた。
    とはいえ、ヒナ個人を動かす理由が"私"には存在し、ヒナ自身それを認めている。
    結果、極めて面倒ながら私が風紀委員会を直接指揮しているのだが……あの乳がはみ出しかけたヒナの補佐役にやいのやいのと噛み付かれながらの状況だ。いや、ヒナをわざわざ遠方に追いやったのは新入生たちに私の印象を強く植え付けるためでもあったのだが、それはさておき。

    『マコトが言っていた例の指南役、もうトリニティには居ないみたい』
    「というと……少なくとも実在はしたか」
    『ええ、犯罪コンサルタント。通称"教授"』

    事の発端は三か月前ほど前のこと。トリニティ自治区のブラックマーケットにて不穏な動きがあった。

    曰く、願いを叶える悪魔が現れた。
    曰く、「何がしたい?」と聞き回っては歪んだ形で必ず遂行する。
    曰く、謎の資本力を持ち、出所不明の金をばら撒く正体不明。
    曰く、曰く、曰く――

    大量の噂話が個人の輪郭を隠し切っており、流れる噂は私たちにとって決して無視の出来ないものでもあった。

  • 30124/12/15(日) 21:45:47

    (願いを叶える――まさか、な)

    かつてゲヘナを、いやキヴォトスすらをも破滅へと導きかけたかの災厄を思い出して、私たちはすぐさまその調査へと乗り出した。
    もちろんかの存在が帰って来たとは思っていない。どちらかと言えばそうでないことを証明するための行動だった。そして、予想通り違った。帰って来ていたとして、犯罪コンサルなんて呼ばれるはずがない。あれはもっと次元の異なる存在なのだから――

    「まぁ、良い。せっかくだ。そのままトリニティの反社会勢力の情報を集めてこい」
    『ええ……。始業式以外ゲヘナに帰っていないんだけど……』
    「もう少し働け。何が有ろうとゴールデンウィークが始まる前には全て切り上げる。テストもまだ先だろう」
    『はぁ……別に良いけど』
    「嫌と言ってもお前には帰って来てから1週間は強制的に登校禁止にするがな! 登校禁止最終日に『明日は学校行かなきゃなぁ』などと憂鬱な気持ちで満たされるがいい!!」
    『はいはい。そっちの方は任せた』

    程なくして通知が切れる。奴め、今でこそ学年は一緒だが私の方が年上だということを忘れているらしいと鼻を鳴らした。

    (――とはいえ、厄介だな)

    もちろん空崎ヒナのことではない。
    本来ならばもっと簡単に追跡できるはずの厄ネタ。それが未だ見つからないという事実に頭を抱えながら、私はイブキの元へと戻っていった。

    -----

  • 31二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 21:51:36

    >>22

    さんくす。今から読んでくるぜ

  • 32二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 21:51:42

    この謎に包まれた巨悪が今やちいかわってマジ……?

  • 33二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 22:00:29

    「教授」ね…
    元々は特定の個人を指すわけじゃなく、複数人の犯罪コンサルタントがシェアしてた名義ってことなのか…?

  • 34124/12/15(日) 22:04:26

    かつてゲヘナには、雷帝と呼ばれた生徒が存在した。
    科学者して発明家、政治家にして暴君。しかしてその真なる正体を知る者は片手以下。
    雷帝が作り出したとされる発明品はいずれも常軌を逸していた。それは倫理か、単純な破壊力か、それとも莫大なる影響力か。
    雷帝が卒業した今となっては、彼女の作りし発明品はこう呼ばれている。雷帝の遺産と。
    かつてを知る万魔殿議長、並びに万魔殿の部員たちは、風紀委員会委員長たる空崎ヒナ助力の元、多くの遺産を破壊し続けてきた。

    しかして未だ、かの厄災の足跡は残っている。
    未だ見つからぬ雷帝の遺産がひとつ。"魔法のカード"。
    一体どこの誰が望んだのかは分からないが、その玩具のように陳腐なキャッシュカードには頭が悪いとしか思えない現金を引き下ろすことが出来るのだという。

    その額、五千兆円。
    如何なる原理にて引き出せるのかも分からない。明らかに擦り出された既存の額面を遥かに超えたそれは、キヴォトスの貨幣経済を根底から破壊しかねない核兵器に他ならない。
    羽沼マコトが、空崎ヒナが、あの日を知る万魔殿の部員が知るところに依れば、それは現金を引き出す機能しかなく、更に言えばオモチャのような見た目であるがために大人であれば興味も持たずに捨て得るもの。

    ――故に、未だ見つからないというのはただひたすらに不気味であった。

    いち生徒が云百万単位の買い物をすれば一発で所在が分かる。
    いち生徒の口座額が一度に増えればそれだけでも分かる。常識を超えた額を前に自らの常識を投げ捨ててしまうなんて普通のことなのだから。

    けれども、もし。
    けれども、もしそれを手にしたのが天才的な頭脳を持つ知的犯罪者であったのなら。
    凡百の人間とは異なる方法を用いて如何なる者の予測を飛び越えた混沌を求める可能性がある。
    その価値を知るが故に、ゲヘナのみならずキヴォトスを転覆させかねない大事件を起こす可能性がある。

    それは脅威だ。必ず排除せねばならない脅威の権化。
    全身全霊で叩き潰さねばならないパブリックエネミー。

    その敵がたった今ゲヘナ学園に紛れ込んでいるなどと、それを知る者は本人以外に存在し得なかった。

    -----

  • 35124/12/15(日) 22:44:44

    ブラックマーケットを訪れる生徒はどの自治区であっても本来であればごく少数。生徒にとっては馴染みのない場所だ。
    しかし、退学者と不良生徒で溢れる今のゲヘナにとっては違う。仕事を求めて武力を差し出す生徒の何と多いことやら。加えて彼女たちは欲に満ちていた。今日を凌ぐ屋根と壁を。安心と安全を。
    そして彼女たちは知っていた。それらが金によって保障されるということを。

    「よくぞ来てくれた諸君! 我々は君たちのような清貧を知る者たちを待っていた!」

    集まったのは不良生徒、その数50名余り。稼ぎの良いバイトを口伝で繋いで集った兵隊候補だ。
    そのうちのひとりが私の口上に眉をひそめて口さなく吐き捨てた。

    「清貧? ここはゲヘナだ! トリテニィじゃない!」
    「おおっと失礼した。つい最近までトリニティで"仕事"をしていてね。おこぼれにあずかりたい新参の弱者は捕まってしまったが、生き馬の目を抜くような君たちならば問題ないだろう」
    「それで、アタシたちに何させようってのさ」

    そうだそうだと口々に追随するものが現れる。私は抑えるように両手を広げて、朗々と声を張り上げた。

    「退学ってのは辛いものじゃあないか! 口座は凍結されて、現金でしかあらゆる決済が許されない。かと言って持ち歩くには財布をパンパンにしなくっちゃあならないし、それだって何かあれば一度に失くしてしまうかもしれない」

    皆が私の話を聞いていた。当然まだ訝しむような目だ。だからもう少し"怪しませる"。

    「私は金貸しをやっていてね。当然預かることだって出来る。顧客はもちろんキヴォトス各地のマフィオーソ達だ。レルモ・ファミリー、佐古組、バイカーギャング『ブルータルカイ』……私に対する信用はいま君たちがいるストリートが証明してくれるとも!」
    「な、なぁ……これってやばいんじゃ……」

    誰かが言った。私はその人物に目を向ける。それからゆっくりと首を振った。

    「どうして分からない! 彼らは決して理解の出来ない強大な何者かでは無いんだ! 現に彼らは私を信用していて私に金を預けている。15歳の私にだぞ!? 私と君たちの違いは何だ? ええ? いいか、我々は、"私たち"は共に学園に相反する友じゃあないか。この中に一切の罪すら犯したことが無いものがいるのか? ストリート暮らしの、我々の中に、未だ潔癖を貫けたものがいたのか?」

  • 36124/12/15(日) 22:44:54

    私の言葉に異を唱える者はいなかった。
    当然だ。前科を持つ者"だけを"ここに集めたのだから。途中声を発した生徒も全て仕込み、偽物――いわゆるサクラだ。しかしこの瞬間、この状況においては偽物だって真実に変えられる。

    状況は全て私の手の平の上。私は嘆くように、憐れむように演説を続けた。

    「だったらきっと今なんだ! 学園至上主義のこの社会に反意の矛を向け、皆が一丸となって戦えるのは! 退学処置? 私たちはそこまで悪いことをしたのか!?」

    皆が私を見ていた。弁舌尽くして皆の敵を作り上げる。"これほど簡単なことはない"――

    「さぁ取り返そう! 私たちが奪われた全てを! 一番金を持ってる奴らの元へ、今こそ鉄火の銃声を! 賛同できないのであれば今すぐここから去って欲しい。ここから先は"善い子"にはちょっとばかし刺激の強すぎる――"悪い子"のお話だ」

    ここにいるのは最初の50人と何人か。
    そしてここからゲヘナの治安は爆発的に悪化する。種火を持ってここに来た。これが第一の爆破であった。

    -----

  • 37二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 22:59:12

    弁の立つ扇動者っていうならミノリやトモエとかもそうなんだけど、こいつは根底に悪意がある分性質が悪いな…

  • 38124/12/15(日) 23:17:51

    マコト先輩への不信感は拭えぬまま、それから数日が経った頃だった。
    私はというと、仕事を誰かに押し付けるという方面へとその技能を発展させていった。何せひとりで処理できる数じゃない。そうそうに諦めて暇そうな部員を捕まえてはひたすらに手分けして作業を進めていた。

    違和感に気付いたのはそんなときだった。

    「あの、これ、計上おかしくありません?」
    「え?」
    「なんかやたら高いんですけど。この三地区だけ」

    回収した資料をまとめていると、ゲヘナの一番街と八番街、十三番街だけやたら商取引が活発――というよりも異常であった。人口密度からして各地域に差異が出るのは分かる。けれども、それを加味したうえでも見込み推移から二千万以上の異常値を出していたのがその三地区だった。

    そのことを指摘すると、手伝ってくれた万魔殿部員が首を傾げる。

    「でも、回収した帳簿とは一致してるよ?」
    「それはそう……なんですか……。いえ、ありがとうございました」
    「何かあったら言ってね! 手伝うから!」

    そう言って去る同期の背中に眺めて、私は額に手をやった。
    面倒だ。この違和感を抱え続けることすら面倒。かと言ってスルーして良いものか……。
    丁度その時だった。マコト先輩がイブキと共に万魔殿に現れたのは。

    「キキッ、今日も仕事に精が出るなぁ?」
    「マコト先輩……」
    「お疲れ様! イロハ先輩!」
    「お帰りなさい、イブキ」

    駆け寄って来たイブキを抱き上げると、イブキは楽しそうに私へ抱き着いた。
    癒やしだ。万魔殿唯一の。

    遠慮なく頬を緩めていると、マコト先輩は私のまとめた資料を一目見て自らの口元を撫で上げた。

  • 39124/12/15(日) 23:18:12

    「どうされましたか?」
    「……いや。この資料だが、サツキに回しておけ」
    「はぁ」
    「それとイロハよ。お前は今よりゲヘナ自治区で確認されている反社会勢力の資料を作れ」
    「……えっ!?」
    「イブキ、お前はイロハの手伝いだ。キキッ、私にはやるべきことがあるのでな」
    「いってらっしゃーい!」

    それだけ言うと、マコト先輩はまた何処かへと行ってしまった。
    残ったのは私とイブキ。思わず顔を見合わせる。

  • 40124/12/15(日) 23:18:23

    「……どう思います、イブキ」
    「うーんとね、マコト先輩、イロハ先輩のこと大好きなんだと思うよ!」
    「うっわぁ……」

    それはない。というよりあの人イブキ以外見ていない気しかしない。
    イブキはそのことを知ってか知らずか、無邪気な笑顔を私に振り撒いた。

    「マコト先輩は~最近はぼんやりしてるけど、ほんとはすっごく優しいんだよ!」
    「本当ですかぁ?」
    「ほんとだよ! イブキ、嘘つかないもん!」
    「ふふっ、そうですね」

    抱き上げたイブキを撫で上げる。まるで猫のように身を震わすその姿に頬が一層綻んでしまう。

    ……ふと、先ほどのイブキの言葉に引っかかりを感じた。

    《最近はぼんやりしてるけど……》

    ("ぼんやり"してなかった時期があったんですかね。あの人に)

    想像は出来なかったが、考えるだけ面倒なのも間違いない。
    私は資料をサツキ先輩のデスクへ置くと、ゲヘナのギャングに関する報告が積み重なった机へと向かって行った。

    -----

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