- 1佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 18:17:24
うわーん、向き合うべきことが無くならない! ……もしかして、僕以外の人もそうだったりする?
佐藤カガリ 16歳(2年生)
出身校:百鬼夜行連合学院
身長 130+40 (40) cm
胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛
腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太
尻 2 (2) 1.小さめ 2.やわらか 3.もちっ
髪色:薄い黄色(3・1) 長さ64 (1で肩につかないくらい100で足元)
瞳の色:オレンジ(5・2)
肌の色:85 (1で芸術級スーパー美白、100で健康的こんがり褐色)
(間が伸びすぎなければ今スレで白亜の予告状編に突入します! 性質上、どうしてもセリフなど原作テキストの内容をほぼ引用するような場面もあると思うので、ご注意&ご容赦ください)
(とは言え、なるべく原型そのままになり過ぎないよう手を加えた展開にしたいですね 時が来たらイベスト見返したりします) - 2佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 18:19:15
情報まとめ
「佐藤カガリ」こと天童アリスのストーカー のまとめtelegra.ph1スレ目
【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい|あにまん掲示板はぁ…………今日もかわいい……………………(スレ画は一番好きな表情)戦闘 dice1d100=@57 (57)@知性 dice1d100=@12 (12)@運動 dice1d100=@67 (67)@…bbs.animanch.com前スレ
【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part8|あにまん掲示板今のうちに。佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太尻 2 (2) 1…bbs.animanch.com前回のあらすじ(1/2)
見本市イベント"K.PCE"参加を終え、新作アクションRPG"鳥葬のまちエニーリス"制作にゲーム開発部のメンバーとして取り組むカガリ。何かと見守られながら『とりあえず何でもやってみよう』精神を発揮し、プログラミングからシナリオ執筆、グラフィックやBGMなど様々な作業に加勢、特にBGM作成では優れた素質を持っていることが発覚した……が、初歩的なミスで耳にダメージを与えてしまい、一時的に休息を取ることになる。
直後、変なことがキッカケとなり「部室とは別に『学生寮』を1室借りること」をユズから提案され、なんやかんやあってユズの隣部屋に居を構えたカガリ。とは言えエニーリスが完成するまでは今まで通り泊まり込みだろう、と思っていたのも束の間、部費を管理していたモモイの凡ミスによって、このままでは部として活動できる時間が半分以上に減ってしまうことに。
- 3佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 18:23:22
(2/2)
"エニーリス"を納期通りに、かつクオリティが高い状態でリリースするには、勿論ここからも作業を続けることが必要。だがその為には、今すぐに纏まった額の部費を得る必要がある。活動の性質上、すぐお金を稼ぐ手段に乏しいゲーム開発部の元に、セミナー内部部門『鑑定部』の部長がミドリから事態を聞きつけて現れ、ある方法を提案した。
ゲーム開発部に入る前のカガリが、ヴェリタスとエンジニア部と新素材開発部の協力のもと作り上げた、横幅12m高さ7mの巨大グラフィティアート。前触れなく、突然ミレニアムのモノレールステーション前に1日掲示されたそれは、土台となるキャンバスごと60枚に分割した状態になり、今は安全な場所で保管されている……
鑑定部の提案とは、それをアート作品としてミレニアムの『競売』に掛けること。話題性は十分、上手く行けば即時的に大きな利益が得られる方法だが、カガリにとってそれは少なからず思い入れのある品物でもあり……その日の夜まで悩んでから、自分ではない他者からの意見を求めたカガリが最初の相談相手として選んだのは、エンジニア部だった。 - 4二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 18:23:50
たておつ
- 5二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 18:41:34
10までうめ
- 6佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 18:52:11
(3人バランスよく出したいんですが、既にまあまあバランスよく出てる気がしたのでダイスにします)
電話に出てくれたのは?
dice1d3=1 (1)
1.ウタハ
2.ヒビキ
3.コトリ
- 7二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:08:47
たておつ
まず部長からか - 8二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:16:25
たておつです
- 9二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:10:25
立て乙
- 10二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:25:18
ウタハだ
- 11佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/17(火) 03:46:20
『……はい、もしもし。すまない今ちょっと作業中なんだけど』チュイイイイイイ ガリガリガリガリ
あっすいません! 後にした方がいいですか……?
『いや、丁度良いし休憩にするよ。せっかくそっちから連絡してくれたんだし』
********************
『なるほど、あの絵を……うん、確かにアレはうちで保管してあるよ。カガリさえ良ければいつでも取り出せる』
ありがとうございます! まだ決まったわけじゃなくて……僕の勝手だけで決めちゃうのもな、と思い。
『ふむ。様子を思い出すと、カガリに次いでマキが積極的に手を加えていた記憶があるね。事実上"共同著作者"ってことになるのかな』
そう、ですね。その、マキちゃんのこともそうなんですけど、コトリさんからも聞いておきたいなって。遅くまで付き合ってもらったし、エンジニア部の技術がないと絶対に実現しなかったし……
『――コトリから? ……じゃあコトリ、どう?』
『はいっ、実は横で聞いちゃっていましたコトリです! 全面的にオッケーですよ、というかカガリさんすごく律儀ですね。私から意見する筋合いも、まあ無いとは言い切れないのですが、それをわざわざ……』
『うん。不意にコロっといかれる人が出る理由の一端を垣間見たよ』
????? あ、ありがとうございます……? - 12佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/17(火) 04:04:03
『さて。例の絵については、目的地と配送時間を指定してくれればその通りに運んでおくとして……もう1つ、お節介してもいいかな?』
え゛。ま、まあ……していただけるのなら有難く。
『まあ、大したことじゃない。"情報部の部長"がどんな人物なのかってことについて、少し共有しておきたくてね。……少し話して見た感じ、どうだったかな。カガリの苦手なタイプに該当すると思ったんだけど』
……正直なところ、はい。なんというか、話してる時に『利害』が前面に出てくる人って、やりづらい感じが……
『純粋に会話をしようとしても、なぜか舌戦を仕掛けてくるよね。あれ、彼女がどうしてもやってしまう悪い癖みたいなもので……相手に対して悪意が有るとか、自分が優越したいとか、そういう意図はないんだ。それだけでも知っておくと心理的に楽だよ』
……なるほど! あの、あんまり人間関係が得意じゃない人だ!
「ふふ、そうかもしれない。だから、私から"ヒント"を2つ教えておこうと思う……あくまで"ヒント"だよ、全部教えてしまったら意味がないから」
1つ目のヒントでは、『彼女は意外と浪漫を追求するタイプ』らしいことを教わった。鑑定部の活動に熱意を燃やしているのも、彼女が"価値"という概念を探求する手段の1つなのだと言う……だから、数字で表せるような具体的な価値だけに興味がある、というような俗な人物じゃないと。
2つ目のヒント……うーん。なんというか……そんなこと僕に言われてもどうすれば良いのさ、って感じだった、これは。まあ、部長さんに対して抱いてた怖いイメージは薄れたけどさ。それで良いのかって感じ。一旦心の奥にしまっておきます。 - 13佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/17(火) 06:13:48
「そういえば、今日ちょっと耳にしました。なんでもゲーム開発部が新作をもうすぐ完成させるとか」
はい、そうなんです! ただその、絵を競売に出すってなったのもそうなんだけど、代換制度? に使える部費が無くなっちゃって……
「ああ……なんとなく経緯は想像できるけど」
「でもカガリさん、日を追うごとにミレニアムに馴染んでいますね。なんというのでしょう、当初心配していたより、周りに心を閉ざしていないというか……」
それは皆さんのおかげです。まずアリスちゃんがずっとそうだし、先生やヒマリさんには最初から助けられっぱなしだし、気遣ってくださったチヒロさんやネルさん、いち生徒として向き合ってくれるノアさんやユウカさんも……勿論お二人だってそうですし!
「……ありがとう。しかし聞いているとこそばゆくなってくるね、そろそろ切ろうか」
えぇー!?
「ふふふ、そうですね。ではカガリさん、今日はこのあたりで! 近況が落ち着いたらまたお話聞かせてください!」
通話を切る。明るいだけじゃなくしっかりした人たちだなぁと思う……時計を見ると、まだ極端に夜更けの時間でもないから、もう一人くらい別の人と話せそうだけど。……うん、誤魔化すのはやめよう。マキちゃんと直接話すことに怯えている自分を認める。
さっき、マキちゃんがゲーム開発部に来た時……その、意見の衝突ってほどでもないけど、僕が何を言っても気分を悪くしてしまうんじゃないかってナイーブな直感に囚われて、顔があまり合わせられなかった。でも実際、前もって自分の気持ちを整理しておくことは必要だったと思う! 問題は、それをいつ終えるかってこと。
(次に電話をかけるのは)
dice1d4=3 (3)
1.新素材開発部
2.ゲーム開発部
3.……いっそのこと?
4.ヴェリタス
- 14二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 08:37:23
いっそ?
まさか件の? - 15二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 12:53:56
ヒントって何聞いたんだろ
- 16二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 21:14:47
一番面白そうなの引いたな
- 17二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 08:20:32
保守
- 18二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 18:52:03
気になるので保守
- 19二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 23:51:27
どこに電話するかな?
- 20佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/19(木) 05:51:09
『……こんばんは。え、ええと。掛けてくれたってことは、決心というか、付いたってことでオッケーかな?』
うーん……"その前に"、って感じです。部長さんのことあんまり知らないっていうか、僕からすると意図がよくわかってないままなので。
『あーね? うんうん……話しにく、ちょっと声作ってきていい?』
えっ。いいですけど……
『………………』プツッ
………………
『ん゛っ、いやーすまないすまない! ワタシと来たらあんまり夜中は人と喋らないからね』
……なんか、調子悪そう。体調じゃなくて、メンタルでもなくて……パフォーマンス? が悪い。上手く行ってなさそうというか。
『で、決心じゃなければ質問とか雑談って取るのが普通か。なんでも聞いて、なるべく包み隠さず話すからね』
あっ、はい。その、そもそも僕に"競売"の話を持ち掛けてくれたの、なんでなのかなぁと。"営利"とか"仕事の内"って仰ってたけど、あんまり腑に落ちなくて。
『そうか? ワタシは普通に……いや、この普通ってのが違うのか?』
競売のこと、さっき個人的に調べさせてもらいました。なんか、鑑定部にほとんどお金が落ちない仕組みっていうか……軽く手数料は取るけど、取る額が割合じゃなくて定数だし、落札者と出品者の間で取引が成立するのを保証するだけ、みたいな。これのこと営利って言わないですよ普通。
『まあ言われてみればそうなんだよ。うーん……そこ説明しようってなると、ちょっとワタシの思想の話になっちゃうかも』 - 21佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/19(木) 06:39:17
『そうだね……カガリさん、今の部屋に窓とかあるかな。外を見上げることって出来る?』
? 窓……はい、ありますね。月が浮かんでます。
『ミレニアム自治区は明るい方だけど、それでも大きな星がいくつか散らばって見えるはず。勿論、そこには見えていない星も存在してる……それら一つ一つに、実は値段がついているんだよ』
へえー! ……え、星の数ってかなり膨大なんじゃないですか????
『勿論、全てじゃないよ。それに値段と言っても、一般にやり取りするのは"命名権"、自由に名前を付けられますよってことだけだし』
特殊なやり取りの方では星が丸ごと買える、みたいな言い方では。
『ははっ、確かにそんなニュアンスだね! ……しかし、もしそうじゃなかったとしても。我々が星に対して、勝手に名前を決める程度のことしかできないとしても……そこに"価値"を見出すことが出来るって、興味深くないかい?』
……ちょっと、わかるかも。今となっては昔のことだけど、いわゆる『ゲームソフト』を初めて見た時、その物質的な原価と実際の売値の差を想像して、すごい世界だと思った記憶がある。
とは言え、それは普通の『本』だってまったく同じことで、価値の決め方はいくつか種類あるってだけ。そこには時として驚きがある……部長さんが言ってるのも、そういうことなのかな、と思った。
『君の絵を見た時、そして調べた時、とても興味深いと思ってさ。そのシチュエーション、その題材、その技法、その成り立ち、その意図、そのインパクト……まさに複数種類の、それも奇抜な"価値"の塊、普通に生きてても中々簡単に出会えるもんじゃない。それを、お金っていう物差しで測ってみたくなったんだ』
部長さん、"お金"の捉え方が人と違いますよね。失礼かもしれませんけど、普通の人が何かにつけてお金って口に出すと、負のイメージがあるというか……でも、部長さんはそういうつもりで言ってない。
『……そ、そうだね。ワタシにとっては、世界の見え方を変える眼鏡というか……まあ、そんな感じ。ハア、なんか調子狂うな、なんだこれは』
あんまり自分自身について話すことがない、と自己分析する彼女。あと他の人から分析されるのも慣れないらしい。
とりあえず、ウタハさんも言ってくれてた通り、特別悪い人じゃなさそうなことは改めてわかった! そしてまあ、問題が無いわけでもない人ってことも。 - 22佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/19(木) 06:55:13
『まあ、鑑定部の活動、かなりワタシの趣味で好き勝手させてもらっててさ。部門の意義を拡大解釈して、手当たり次第に価値を鑑定しまくることは長い目で見ればなんやかんやでミレニアムの為になる! みたいな……いや、デタラメ言ってるつもりは無いんだけど、説明は難しいしなんだか胡散臭いし、そう、私がリオ会長のことうっすら指示してるの、これを認めてくれたからだったりして』
すっごい早口……
『ぐっっっ……ま、まあ、そういうわけだよ。要はワタシの私利私欲に巻き込んだってこと、ワタシ個人にお金が入らないとしてもそんな感じ。ごめんね』
いえ、そんなに言わなくても。お話聞いてみて、"競売"に出品してみてもいいかな、って気になってきましたし。
『! ほんとかい!? ええと、必要事項を送るから、入力して返してくれれば明日の朝イチで――』
そ、その、もうちょっと時間頂きたいです! どうやって出品するのか、をまだ少し悩んでて。
『……ほう。また何か面白いことしてくれそうな雰囲気だね? わかった、じゃあ大人しく待ってるよ』
き、切れちゃった。まあ話すべきことは話せたかな?
ちょっと遅くなっちゃった。とりあえず今日は寝るとして……初めて寮の自室で寝るとして。寝れるかな。それより、明日起きたらどこに向かおうか……起きる時間にもよるんだけど。成り行きで僕に任されちゃったけど、ゲーム開発部の活動に関わることだし、みんなの優先順位はしっかり高く見ておこう。
(起きたあと向かうのは)
dice1d3=3 (3)
1.なぜか新素材開発部
2.ひとまずゲーム開発部から
3.ヴェリタス
- 23二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 11:12:20
本当に浪漫に生きてるんだな部長ちゃん
- 24二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 11:23:43
浪漫には共感できるけど友人との思い出を金銭化するのはな…
今後何をしてもまた売るんじゃないかってノイズが浮かんでモヤモヤする - 25二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 14:19:20
不注意で招いた緊急事態だからやってるだけじゃん
- 26二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 00:05:46
保守
- 27佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/20(金) 05:55:38
自分のことながら良くない癖だと思うんだけど、扉に耳を当てて盗み聞きする。
「カガリさん来たよ。……話せる? マキ」
「……直接来たの?」
「うん。まあ、好きにしなよ。基本は優しい人だと思うし」
やけに早い時間に起きてしまい、マキちゃんより先にヴェリタス部室に着いてしまうと気まずいなと思ったので、予めチヒロさんに連絡してタイミングを図らせてもらった。よく考えたらそこそこ迷惑な頼み事だったかも、後でもう一回お礼言っとこう。
そして、マキちゃんが静かに頷いてくれたらしく、チヒロさんの声で入室を促される。おずおずと扉を開いて、中にいる人と順番に目を合わせて……
「誤解されてるかもしれないけど、別にあたし、そんなに怒ってないよ」
そっ、そうなの? 僕もその……昨日、嫌ってほどじゃないけど、難しいなーって思ったりしてて、なんか、マキちゃんもそうなのかなって――
「うん。なんて言うのかな……あのグラフィティそのものがどうこうじゃなくて、あの時に教えた"芸術"のこと、ちゃんと覚えてくれてるのか、自信なかったんだと思う」
それは……その"芸術"って、技法とかアイデアの話じゃない、よね?
「そうだね。……ハートっていうのかな。こだわりとか、熱意とか……あーもう、自分でも客観的に、めんどくさい先輩風吹かせてるなって思うけどさ」
そんなことないよ!? う、うーん……でも、そのハートって、頭から取り出して確認できるものじゃないし。かと言って言い張るようなものではもっとないし……
「ううん、もう大丈夫。あたしが聞いた噂と、昨日の一瞬だけじゃわかんなかったけど……"競売"のこと、慎重にしっかり考えてくれてるんだなってのは、わかったし」
思えば僕がマキちゃんと、こうやって初めから落ち着いた話をするのは初めてで、なんなら僕の方が取り乱してしまっている。
こう表現すると失礼だけど、マキちゃんに対して"気持ちの整理をするのが難しい子"ってイメージを勝手に持ってたかもしれない。でも実際、投げ掛けられた言葉はどれもしっかり整っている……ここからの話も、ずっとそう思いながら聞いていた。 - 28佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/20(金) 06:25:44
「……でもなー。やっぱり、置いていかれた感じっていうか……なんとなく、寂しい、のかも。あたしカガリ先輩のことそんなには好きじゃないのに」
ぐっっっっ……
「マキ!? あ、あのね、あんまり本人の前ではそういう……」
「そ、そっか、ごめん。えっと……だってあのグラフィティ、確かにみんなで協力したけどさ、誰の作品かって言ったらカガリのでしょ? それをさ、なんか寂しいからあたしにも話通してよって、この距離感でそんな理屈も何も無いような甘え方しないでしょ、普通。一応先輩なんだし」
一応、先輩……そうですね……
「あのねマキ、一応じゃなくても先輩だから」
「ごっ、ごめん……でも、寂しいって思っちゃったの! これって多分、あたしが作品の話になると途端にしつこいせいじゃん。それに巻き込むのもなって……芸術ってもっと、自由なものだし」
うーん。別にいいんじゃない? 敢えて不自由な方を選んでみるのも自由っていうか。それも芸術の広い懐の中だったら余裕で収まるでしょ。
「……カガリさぁ。パッとその場で思いついて喋り出すくせに、そこそこ良いこと言うのやめた方がいいよ」
ええーーーー!!??!??
「マキ!!!!!」
とりあえず、お話してくれたことが嬉しいのが第一に来るとして。そしてその上で考えてみた感じ、要は『置いていかない』ならいいんじゃない? と僕は思いました。
ので、緊張が緩んだこの隙に、昨晩考えたアイデアを見せてみる。今なら反感に繋がる確率はちょっと低いはず……!
「何それ、PDF?」
昨日、鑑定部が過去に開催した競売のデータ漁っててさ。見てここ、出品者名が2つある! つまり、僕たち2人で"共同出品"っていうのも出来るんじゃないか、って思って!
「……え、良いの??」
勿論! その、こっちの都合で、こっちの名義が"ゲーム開発部"になるから、そっちも"ヴェリタス"の方が悪目立ちしないかな、ってのはあるんだけど……
「うん。今朝連絡した時、そのことについても相談されて……後輩の思い出になるんだったら、まあそれくらいは良いかって思って。だから、大丈夫」
「……じゃあ、そうする!」
やったー! ありがとマキちゃん!
「やるからには目いっぱい協力するよ。手始めにどこかハッキングする?」
「マキ」
やめようね!!!!! - 29佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/20(金) 06:46:10
「……で、カガリさん。絵の出品についてはそこそこ噂が立ってるわけだけど、自分でチェックしてる?」
えっ。……普通に、してないですね。しててもよかったかも。
「カガリってその辺無頓着だよね。まあ、あたしも昨日は何も見ないで寝ちゃったんだけど……」
やっぱりか、というニュアンスの溜め息をつきながら、チヒロさんのノートパソコンの画面に何かが写し出されて、こっちから見易いよう向けてくれる。これは……SNSの投稿?
『今回の出品内容が本当なら、ミレニアムの次期生徒会長の座を意識している人間にとっても目が離せない戦いになると思う。なんなら他の誰よりも高値を付けることによって生徒会長という肩書へのモチベーションをアピールすることだって出来るし。いかんせん題材がそれっぽすぎるというか、この絵を落札したっていう事実が一種の格付けとして機能することは否定できない』
……こ、これは?
「昨日の夕方くらいに投稿された、ミレニアムの内政面を趣味で追ってるユーザーの呟き。……確認だけど、カガリさんって別に政治的意図があってあの絵を描いたわけでも、政治的意図で出品するわけでもないんだよね?」
そりゃもちろん。ミレニアムも難しいし政治も難しいのに、ミレニアムの政治なんていう難しすぎることは僕にはわかりません。
「すごく胸を張って言うね……」
「まあ、実際がそうだとしても……昨日の夜から今日に掛けて、この投稿が独り歩きしちゃって。拡散される途中で本旨がズレていって、"あの絵を落札した人間が次の生徒会長になる!"……みたいな、荒唐無稽な噂にまで発展してるの」
ええっ???? な、なんでそんなことに……
「うわー、SNSの嫌なところ出たね。たぶん噂流した人もこうなるとは思ってないんじゃない? 鑑定部の部長さんだっけ」
「ああ、そうだったんだ。残念ながら、あいつが思ってるほど人間は賢くないし、あいつが期待してるほど人間は賢くなれないってことだね」
あいつって呼ばれてる…… - 30二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 13:07:58
共同出品いいな
流石にエンジニアまでは載せれなそうだが、材料まで言及するとキリがなくなるからな… - 31二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 13:42:06
ヒットゲームの売り上げくらいの値段がつきそうだなこれ
オークションは高額になりやすいし知名度も上がるけどこういう面が怖いんだよね - 32二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:48:05
結構気の置けない仲なのかな
- 33佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/21(土) 04:28:49
さて。合意の取り付けはバッチリ出来たから、次は実際に出品することの申請をする段階。なんだけど、ちょっと記憶力に自信がないというか、僕の個人情報の実物を見ながらじゃないと安心して書類を書けないことに気付いたので、ゲーム開発部に向かう。せっかくだし遊びに行こうかな! と言ってついてきたマキちゃんを連れて……
「――おお、カガリさん。お邪魔しているよ」
「おかえり~~~カガリ先輩。……この人誰???? カガリ先輩の知り合いって言ってるんだけど」
……し、知らない……
「ちょっ、知らないじゃないでしょ!? 新素材開発部の人だって、一緒にグラフィティしたじゃん」
そ、そうなんだけど。あまりにもこの人のこと知らなさすぎるから……
「悲しいよ私は。まあいいけど」
「ええー、じゃあ普通に部室に知らない人入って来ただけってこと?」
と言いながらも、実際にはすぐ仲良くなってしまったのか、新素材開発部の人と格闘ゲームを満喫しているモモイちゃん。と……もしかして? と思って部屋の隅を見てみると、ロッカーの上にふわっと、無言でヘイローが浮かび続けていた。ゆ、ユズちゃん……ちょっと今はどうしてあげることも出来ないけど。
「まあ、こっちも仕事溜めてるからね。用事が済んだらすぐ帰るよ」
は、はい、助かります! ……あっ。
「なんだ、早く帰れってか。悲しいよ私は、悲しいポイント2点目だよ」
そうじゃなくて!!!!!
「冗談はさておき。噂で聞いただけだけど、競売にあのアート出すんだって? その繋がりで注目されたっぽくて、うちも新しい依頼結構来てたりして」
そ、そうなんですか? その、間接的にご迷惑だったりしないでしょうか……
「大丈夫、ってかいちいちそんなに気にしなくていいよ。むしろお礼に来たんだから、はいこれどうぞ」
……これは? ちょっとずっしりしてる。
「ちょっと良いコーヒー。ゲーム開発部でよく飲むって聞いたから、私のおすすめを」
ええええ!!! あ、ありがとうございます!!!!
「いいのいいの、今後ともよろしくね」 - 34佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/21(土) 04:53:40
じゃあ私はこれで、頑張ってね。……と言って颯爽と去っていった新素材開発部の人。ぎ、義理堅いっていうのかなぁ。あんなに安定してる人そんなにいない……普通の人間がピッチャーだとしたらあの人はピッチングマシーンというか。
「何はともあれ、良いものゲット出来ちゃったね。実際に飲むのは明日の朝とか?」
……いや、折角だし今試しちゃおうかな。その、ユズちゃんのメンタルを落ち着けるためにも……
「う、うぅ……ありがとうございます」ガチャ
「わっ!?? ビックリした、そこにいたんだ」
あはは……先に座ってて大丈夫だよ、すぐ済むし。
「へー、カガリが淹れるんだ。なんか似合ってるじゃん」
似合ってるかなぁ。なんか嬉しいなそれ。このちょっとした浮かれ気分がコーヒーの味に出たりしないだろうか、と変な心配をしながら手順を進める。
……モモイちゃんとマキちゃんは相性良いって聞いたことあるけど……そこにユズちゃんって、大丈夫なのか? いや、1対1より良いのかも。確実に話し掛けられるより……
「なんかさ、カガリ先輩ってコミュ力あるよなってさっきの見て思ったんだけど」
「コミュ力? そうかなぁ、あたしから見たらモモの方が高そうだけど」
「いや私はさ、その場のノリでやることが多いじゃん。だから何か協力するとしても、後にあんまり残らないじゃん? その点、カガリ先輩のは数日経っても残るっていうか」
「……わ、わかる。ちょっと深く関係築くタイプ……いろんな人と」
「どっちが良いんだろ。チヒロ先輩がそういう感じだけど、残るって割とめんどくさそうだよ」
「どっちにも長短ある、って感じ……たとえば、同じアタッカータイプのユニットでも、瞬間火力が高いか、継戦能力が高いかの違い」
「それもそっか。じゃあ、ダブルアタッカーでこれからも頑張ろっかなぁ」
ぼ、僕の話で盛り上がってて、それにユズちゃんが参加してる……いや、ユズちゃんがやりやすいなら幾らでもダシにしてくれて構わないけど。なんかそわそわするな…… - 35佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/21(土) 05:22:34
「……え、これホントにコーヒー?」
「お、美味しい……香りとか舌触りとか、全然違う……!」
同じ淹れ方で、こんなに変わるんだ……すご。えー、他のも試してみたくなっちゃうな……
「すっごくオシャレな味するね! コーヒーのイメージ新しくなっちゃった」
……そのまま話が10分弱弾んでしまった。違う違う、書類!!! 確固たる意志でその場を少し離れ、自分の荷物が置いてあるところから必要なものを一式取ってくる。あとは、昨日送ってもらった必要事項と照らし合わせながら、今朝印刷しておいた用紙に書き込む……じゃあ先に、マキちゃんに手伝ってもらう場所だけ先に洗い出し……あっ。
「どうしたのカガリ、そんな見るからに悩んでるポーズして」
その……あの絵の"題名"、決めてなかったなって。どうしよう……???
「あー。そっか、あの時は勢いで描き始めたしね」
「え、題名決めてないことある? 私の場合むしろ題名しか決まらないことすらあるんだけど」
も、モモイちゃんもちょっと極端というか……ひとまず、写真見直してみようかな。
「……新しく決めてもいいけど、この下に書いてあった英語の文でもいいんじゃない? Little sistersなんとかかんとかっていう。こっちはもう、実物残ってないし」
そう、だね! 一応、新しいパターンも考えてみようかな……
「はいはい、才羽モモイにちょっと考えさせてください! 任せて、10秒で出すから」
え、ええっ。じゃあ……試しに……
「うーん……"暗黒の平和女王"……いや、"平和の暗黒女王"、"平和の暗黒女王あらわる"! どう!?」
「特撮の世界観すぎじゃない?」
Little sistersなんとかかんとかにしよっか!
「そんなぁ……」
……改めて、題名は"Little sisters is sometimes wondering you"になった。名前がつくとまた一層重みが増した気がする! そのままの勢いで他の記入も済ませてしまい、あとはセミナーに提出するだけ……
ちょっと緊張する。マキちゃんもついてきてくれるみたいで心強かった。ここで『心強い』って思うあたりが先輩っぽくないんだよな、僕…… - 36二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 11:29:40
名前が広まるってやっぱ強いな
- 37二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:07:53
平和の暗黒女王…
- 38佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/22(日) 05:14:43
……お……おはようございます。今って開いてますか……?
「あら、おはようございます♪ 大丈夫ですよ、どのような御用でしょう」
その、あるものを競売に出品したくて。実物はちょっと運ぶの大変なんですけど、書類は揃えてきました!
「なるほど。ということは、噂通り……ふむ、これは部長さんに対応してもらった方が良さそうですね」
扉を開けたらノアさんが居てちょっと安心したんですが、行ってしまいました。後ろからマキちゃんに「ホント顔に出るよね」って言われて反省したのも束の間、奥からドタドタと物音が聞こえてきて……
「お、おはよう! 出品だね、早いね思ったよりも、奥で仮眠してたよ」
ありゃ、お邪魔して申し訳ないです。その、これが書類――
「ん、後ろの子は? あー、アレだ、そうだ小塗マキだ。なんでここに……うん? ええーっと、これは……」
「カガリに誘ってもらって、共同出品っていうことになったの。って言っても、そこに名前が入ってるだけかもしれないけど」
「…………なる、なるほど、そう来たか。なるほどね。いやごめん、内心ちょっと見くびってたのかもしれない。かなり……想像を遥かに超えて、面白い。今回に限らず、ゲーム開発部にとっても君個人にとっても、なんなら他の人々にとっても、将来に渡って大きい価値を残し続ける選択だよ、これ」
そ、そうですか? えっと、個人的に意味合いを込めてはいても、言われるほどかは……
「その"個人的に"を超える価値基準なんて、この世にはあまり無いよ。大衆も経済も思想も、所詮は個人の集まったものに過ぎないんだから……いやしかし、なんだか嬉しいね。競売っていうシステムをただ使うだけじゃなく、こういう風に活かしてくれると……眠気吹っ飛んじゃったなぁワタシ」
すごく機嫌は良いみたいだけど、早口も相俟って内容があまりわからない!!! 様子を見ると、マキちゃんも同じ感想みたいで……いや、僕よりちょっと複雑そうかも?
事が済んだ後に聞いてみたところ、「芸術について熱弁してる時のあたしも、傍から見たらこんな感じなのかなぁ、って思っちゃった」らしい。いやーーー違うと思うけどなぁ…… - 39佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/22(日) 05:44:32
「書類の内容は完璧だったから、出品の手続きはこれで完了かな。あとは、実物の配送に関してだけど……今ってどこに置いてある?」
エンジニア部で保管をお願いしてます! その、話通しておいたほうがいいですかね?
「任せてくれて大丈夫だよ。っと……証明としてここにサインくれたら」
はい! あ、ペン借りますね。……はい、これで大丈夫かな。
「んー、完璧! しかし、転入してきたばっかりって考えると、かなり書類書くの上手いね。3年生でも不備ばっかりの人いるよ?」
ミレニアムの前、シャーレでちょっと勉強する機会があったんです。あとは……性格かなぁ。変なとこ心配性っていうか。
「てか、ゲーム開発部の事務ってまだモモがやってるんだ。カガリって入部したての時、裏方からどうこう言ってなかった?」
色々やってみると楽しくて……いつの間にか……
「……うーん。改めて、聞いてみていいかな。なんで"競売"の話、受けてくれたのか」
え。それは……お金が無いから?
「それはそうなんだろうけどさ。部の問題なんだから、そのために動ける部員は他にもいるわけで……君だって、これ以外に稼ぎよう幾らでもありそうだし……」
「あ、それあたしも気になってた。こんなの受けなくてよくない? って思ってたし、なんなら」
「…………いやワタシもそう思うよ正直。今になって考えればそう」
……うーん。なんでだろう。
いや、答えることは頭の中にあるんだけど……部長さんに対する答えか、マキちゃんに対する答えかで、かなり内容が変わってしまう。その……僕ってたぶんあんまり心が綺麗じゃないんだよね!!! そのせいで2つになってる。
dice1d100=35 (35) 目安は倫理ステータス(52)
dice1d100=42 (42) 目安は慈悲ステータス(67)
- 40二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 12:41:48
書類書ける新人っていいな…
- 41二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 15:08:47
部長ちゃん結構油断したキャラよね
- 42二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 20:49:11
どんな答えが出るかな?
- 43二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 07:31:07
保守
- 44二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 15:42:38
これは上手く言えたか
- 45二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 21:44:52
保守
- 46佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/24(火) 04:49:47
……失礼を承知で言ってしまうと、特に理由があって決めたわけじゃなく、その時いちばん近くにあった選択肢だったから、です! でも、それでよかったかもって自分では思ってます。
「そ、そうか。申し訳ない、押し売りみたいになっちゃって……」
「そうだよ! 次から気を付けてね」
よかったかもって思ってますから!!! その……もう一回考えるきっかけになった、っていうか! 部長さんが言ってる"価値"の話とは違うかもしれないけど。
「"価値"の話って?」
うん。僕は……あの絵ならどんな値段がついても良いかなっていうか。どうでも良いわけじゃなく、どんな結果でも受け入れられる、みたいな……自分にとって思い入れが強いものほど、逆にどうなっても大丈夫だなって、それに気付けたのは有意義だったかも。
「なる、ほど?」
……ある物が、お金換算で幾らなのかと、それにどんな思い入れがあるかって、全く別の話じゃないですか。でも、"価値"って言葉でひとくくりに出来るから、近いものだって誤解しちゃうことがあって。その上でどっちも守れるのか、敢えてどちらかだけを守るのか、最後に決めるのは人間の気の持ち方次第だって思いました。
「……すごく、良い返事だね。はあ、君からは色々と教わってばっかりだなぁ……」
くたびれた様子で、しかしどこか満足そうに頷いた部長さん。……こういう話、"哲学的"っていうのかな。哲学的な話はマキちゃんの好みに合わないらしく、どこか落ち着かない気分なのが見て取れた。
……なんか、違和感があるなって思う。今の会話、僕もあっちも、間違ったことも不愉快なことも発してないし、言うべきことは全部言えた……でも、居心地の悪さがある。
「とりあえずさ、結果が出るまであたし達は待ってれば良いんだよね? 折角だし遊びたいな、でもゲーム開発部って最近忙しいんだっけ」
う、うん。でも、少しくらい大丈夫だと思う……モモイちゃん達と遊ぶ時って何してるの?
「ゲーセン行ったり、"モンスタースレイヤー"のマルチしたり……うーん、割と上級者向けかも」
落ち着かなくて、意味もなく振り返ると、そこにいたノアさんと目が合う。微笑み返すまでの一瞬、ほんの少しだけ冷たい表情に見えたのは、僕が小心者だからでしょうか。
(精神力ステータスが変動します 今回は減少もあり得ます)
77+ dice1d8=5 (5) -4
- 47佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/24(火) 05:26:58
「カガリ先輩、喉渇いてませんか? お茶持ってきますね」
あ、ありがとう。その……みんな、授業は大丈夫なの?
「調整して大丈夫にしました! その、やっぱり、みんなで集まれる時間は作りたいので……」
「うーん久しぶりに"時フル"やろっかなぁ。あんま覚えてないし、ガイドしてもらいながら」
「カガリ、この錯視画像を見てください! どっちの方向に傾いているように見えますか?」
……僕の気を紛らわそうと、すごく頑張ってくれている。たしかに"競売"、そこそこ以上に心配だけど、そんなにしなきゃいけないほどでしょうか???
ゲーム開発部に帰ってきて数十秒の時点で、マキちゃんは流れを察して去ってしまいました。その時モモイちゃんが「くっ、一人逃したか」と言っていたのはどういう意味だったんだろう……???? と、とにかく、みんなのお陰で大きな不安を抱えることもなく、そろそろ競売が始まる時間に――
「ああっ!? ヤバいよアリス!!」
「任せてくださいっ、光よ!!!!!!!!!!」
……時計を見たら時計が吹き飛びました。こんなにしなきゃいけないほどでしょうか!?!??
「ややっやっぱりさ、カガリ先輩ってば疲れてるんじゃない? なんか癒しの時間が必要だよ、私はそう思うね」
い、いや……大丈夫だよ? まあ、緊張は確かにしてるけど、こんなにされるほど劇的に病んではいないよ??
「そ、それでも、癒しは必要だと思います! 普段、いろいろと気を配ってもらってるので」
「でも確かに、癒し手として私たちは実力不十分かも。手探りでやってはいるけど」
「アリス達がまだ、"転職"をしていないからかもしれません。その為には……まず情報を集める必要があります!」
「それだ! さっそく調べよう、癒し手に転職……癒し手ってなんだろ。カガリ先輩知ってる?」
ええっ!? し、知らないけど……
「うーん……ひとまず、『疲れた人間には何をするのが良いか』で……えっと、『カウンセリング』とか、良いかも?」
「……ちょっとお金掛かりそうだね。なんとかならないかな」
「それっぽい知り合いで良いんじゃない? ミレニアムで言えば――」 - 48佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/24(火) 05:45:26
「……なるほど。それで私のところに」
はい……すいません突然……
「いえ、謝る必要はありませんよ。むしろ、ゲーム開発部の子たちとは今まであまり接点が無くて……カガリさんがそのきっかけになってくれた、と捉えることもできるでしょう」
『カウンセリング』が済んだら、あの子たちとも話してみたいですね、と微笑むヒマリさん。……カウンセラーっぽいかはともかく、僕はこの人と話してると落ち着くので、単純に快い感じがする。
「誤解を恐れずに言うと、カガリさんの精神面が気遣われているのは、"特異性"のことも考慮されていると思います。一度か二度説明したっきりですが、あの子たちなら覚えているでしょうし」
あ、そっか。それは……ちょっと迷惑かけちゃってるかもな。
「まあ、それも全く無いとは言いませんけど。根本的には、カガリさん本人のためだと思いますよ……自分がコントロールできない要因で何かを起こしてしまった時、一番の不安を抱くのは本人ですから。ゲーム開発部は特に、そのことを深く理解している人々でしょう」
! ……なら、いっそのこと堂々としてた方がいいんですかね。自分のためにも。
「そこは任せますよ。別に何も、可能な限り早く割り切らないといけないわけでもありませんし……っと、事前の断りもそこそこにして、本題に入りましょうか」
ほ、本題? なんかありましたっけ。
「カウンセリングですよ。あの子たちが知っているかはともかく、何か悩み事はあるんじゃないですか? こう、生きてるんですから、1つや2つは。とりあえず聞くことはできますから、なんでもどうぞ」 - 49二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 11:42:33
ゲーム部漫画みたいな雰囲気になったと思ったらシリアスが抜けきってない
- 50二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 20:34:29
カガリからどんな悩みが打ち明けられるかな?
- 51佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/25(水) 05:45:16
「なるほど、会話に違和感が。それも結構込み入った話をしていたんですね」
は、はい。たぶん、客観的には上手く話せたんだろうなって自分でも思うんですけど、モヤモヤしちゃって。
「ふむ。あくまで可能性の一つとして聞いていただきたいのですが……"上手く話し過ぎた"のではありませんか?」
えっ!? いや、過ぎたって……上手く話せるに越したことはないんじゃ?
「必ずしも、有意義であること、あるいは深い知見を伴っていることだけが、会話の価値ではありません。例え簡単で、取るに足らない内容だったとしても、話題の中で、お互いが同じイメージを共有することこそ好ましいのです」
なるほど。ってことは、僕は同じイメージを共有できてなかったのかな……?
「カガリさんの性格を鑑みるに、少し相手に合わせようとし過ぎたのでは? ほら、"読書感想文"と同じですよ。その本に対する感想がまだ固まり切っていなかったとしても、締め切りが明日に迫っていたら、人はそれっぽいことを書いてしまいます」
……全くその通りのことしてたな、僕。というか、自分が出した読書感想文って、毎回そうじゃなかったっけ……??
「あくまで可能性の一つですが、当てずっぽうで言っているわけではなく。そう考えるに足る根拠が幾つかありまして……いつか話そうと思っていたんですよね。折角ですし、この機会に――」
「カガリ先輩!!! ごめん、私たちの方が先に耐えられなくなってきてる、どうしよう!!!!」
モモイちゃん!? ど、どうしたの、何かトラブル?
「トラブルはありません! 今のところ、これ以上ないくらい順調です!」
……どうしよ。見てもいいのかな。
「ふふ、でしたらこの話の続きは、また別の機会にしましょうか。私もお祭りごとには少し興味がありますし、見学させてください」 - 52二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 06:15:20
このレスは削除されています
- 53佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/25(水) 06:16:53
僕が"カウンセリング"を受けている間、みんなは同じ部屋の隅の方に集まって、オンラインで"競売"の様子をリアルタイムに見ていたらしい。「私たちが見てたら何かあったとしても気付けるから、そんなに気にしなくても大丈夫だよ!」ってことで、それは有難かったんだけど……
「す、すごいです、カガリと手を繋いだら息を吹き返しました! ゲーム開発部で一番癒し手の才能があるのはカガリだったんですね!」
流石に息の根止まってたわけじゃないと思うけど……ユズちゃん、大丈夫? そ、そんなショッキングな状況なの??
「……その、わたし、20万円台で落札されるかなって思ってたんです……スタートが5万円でしたし」
あ、僕もそのくらいだと思ってた。部費に加えるには若干物足りないけど、バイトとかしてみようかなって……
「それが、今……どれくらいになってるんだろう。ちょっと、み、見てみましょうか」
1m離れたところで、竦み上がっているモモイちゃんと頭を抱えたミドリちゃん、そして訝し気な様子のヒマリさんがノートパソコンと睨めっこしている。雰囲気が物々しい。いや、実際に見るってなるとちょっと怖いな……と思いながら、横をすり抜けて画面を覗き見る……
「ひいいぃぃぃぃぃ……!!!」
……よ、458万??? えっ……あの、これって高いんですか?
「どう見ても高いでしょ!?!!?」
「ええ、まあ、かなり高いでしょうね。"競売"で扱われたことのある美術品の中では、歴代20位以内にランクインしますし……著作者の身分証明が有効であるものに限って言えば、5本の指に入ります。しかも、まだまだ上がりそうですよ」
「あっ、今まさに上がりました、460万円です!」
「……これ、大丈夫? カガリ先輩、明日からまともにミレニアム歩けなくなるんじゃ」
ええ!? そ、それは困る……
『私もだよ。いや、評価されてるんだったら嬉しいけどさ……実際どうなの? これ』
あれ、マキちゃんだ。通話?
「そうそう、ヴェリタスと繋ぎながら見てたの。マキとこたま先輩がさっきからご立腹だよ」
コタマさんはなんで!!???
『……何故でしょうか。私にも理由はわかりません』 - 54佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/25(水) 06:39:43
『さっきからチラっと見てるだけだけど、なんでみんなそんなに慌ててるの? 高く落札される分にはいいじゃん』
「うっ、旨い話には代償が付き物じゃん!? 確かに、直接取引されてるのはこの絵だけだけど、この値段って裏の意図がありそうっていうか……作ったカガリ先輩とか、名義出してるゲーム開発部に、何か重いものがのしかかりそうじゃん!」
『ハレ先輩にはわかんないよ。どっちかって言ったら代償を支払わせる側だもん』
『そんな言い方なくない?』
……でも、確かになんか複雑だね。チヒロさんが"政治的意図"とか言ってたけど……
「せ……政治的意図、って?」
うん、なんか"これを落札した人がミレニアムの次期生徒会長になる"みたいな噂立ってるんだって。流石に全員が信じてるわけじゃないと思うけど……
「ほらーーー!! なんかそういうの言われてるじゃん!!!」
僕もマキちゃんも、そういうつもりで描いたわけじゃなかったから。出来ることなら、この絵の色とか線とか雰囲気とか、純粋に見て楽しいって思ってくれる人の手に渡ってほしいけど……
『そう、だね。どうしよっか……変なやつが落札したら特定してスマホに攻撃とかしていい?』
駄目だよ!!!!
『さ、流石に冗談だってば。今後ろにチヒロ先輩いるもん、流石に』 - 55二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 13:49:44
ちょっと困った
- 56二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:33:20
カウンセリングはちょっとお預けか
しかしどう収集付けたものか - 57二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 23:15:02
ああああああやっと追いついたあああああああ・・・
- 58佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/26(木) 05:40:11
……その後も、提示される買い値はじわじわと伸び進んでゆく……
「うわーーー、500万乗った!!! すごいよこれ、エニーリスとは別にもう1タイトル作ったっていいくらいじゃない!?」
「う、うん。アイデアが出てからになるけど……頑張ってみてもいいかも」
500万を超えて、流石に断念する人も出てくるのか、新しい入札までの頻度は伸びていった。気になったので規約を調べてみると、今回の場合は『最新の入札から1時間が経過した時点で落札が確定』という仕組みになっているみたい。なんとなくその時が近づいている気がする……
「……!? ちょっと、640万だよ!!! 583万から一気に、640万円!!!!」
ええっ!?!?? う、嘘でしょ……この人最初からちょっとずつ刻んでた人じゃん、なんで急に???
「痺れを切らしたんでしょうか? ミドリがソーシャルゲームで同じようにしているのを見たことがあります」
「流石の私でもこんなのしたことないよ!?」
『あっはははは!! すごいすごい、ねえ副部長、山分けでもこれ結構な臨時収入になるよね? 折角だし最新の機材買っちゃおうよ、グラボとかさ!』
『……確かに凄いとは思うけど、浪費の理由にはならない。現状不満足してないでしょ、今の環境だってみんなで使いやすいように組んだんだから』
「相変わらずチーちゃんはお堅いですね。環境を刷新するなら、天才美少女ハッカーにアイデアがないこともないですが」
『……本当に? 後で詳しく』
「」
「……あれっ? ユズが気絶してる」
わ゛あああ!!!! 最近大丈夫だと思ったのに!!!!!
『そっちもこっちも阿鼻叫喚だね。ミレニアムの掲示板もすごい有様になってるよ……』 - 59佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/26(木) 06:17:03
『"うわあ やりやがった総務 640入れた"』
『"確実か?これ"』
『"総務のmomocoin垢が手持ちの暗号資産から換金してるの発見 金の出処はこれっぽい"』
『"これは次期の会長選挙荒れるね 今回の一件に乗せられてるやつの頭数にもよるけど"』
『"元から会計書記コンビに次いで有力だったしあんま影響ないんじゃない? その2人が会長職に後ろ向きだったらバトン回ってくるって図式を覆す判断材料にならない"』
『"びしおpが583で取る分には良い落とし所って感じしたがなぁ。随分ややこしいことに』
『"ってかびしおpって結局誰なんですか"』
『"不明で有名 ミレニアム競売ヲチだと頻繁に出てくるから有名人"』
……ハレさんから送られてきた"掲示板"のURLを踏んでみると、こういうやり取りがずらーっと並んでいた。更新する度に新しい書き込みがある。
とりあえず、このまま次の入札が無い場合、この『総務』って呼ばれてる人の落札になるらしい。ど、どんな人なんだ? 質問してみよっかな。
『"全然詳しくないんですけど、総務っていう人はどんな人なんですか?"』
『"びしおpです 元々590が限度だったんで退きます、流石についていけない"』
『"マジか じゃあこれで確定"』
『"本人降臨キタ――(゚∀゚)――!!"』
『"2ヶ月前にパンケーキの化石落札したびしおpってあれ本物だったの?"』
『"こいつが本物かもわからんぞ"』
……話題流されちゃった。ま、まあ、これで確定したってことか! 実際に競売のページを見てみても、参加していた全員が沈黙を続けていた。640万円、改めて、すごい額……
「ちょっとカガリ先輩、何してんの! ほらこれ持って!」
ほわっ!? ……りんごジュース?
「ふふ、私からの奢りです。こういう来客時の為に取っておいてたんですよ」
『いいなー、こっちも飲み物開けて乾杯しようよ!』
『とは言っても、エナドリしかありませんね。まあ別に不足はありませんけど』 - 60佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/26(木) 06:35:34
「じゃあカガリ先輩、乾杯コールお願い!」
え、えーーーーーー。…………はい、えー、改めて、本日はお集まり頂いてありがとうございました。今回の出品で得られた利益は新作ゲームの開発期間に充て、より完成度の高い状態でリリースできるよう、部員みんなで頑張っていこうと思います!
「流石、様になっています! すっかりモモイの無茶振りにも慣れましたね」
「……はっ! い、今から乾杯? ごめん、気付いたら意識が」
「大丈夫だよユズちゃん、これ持って」
…………それでは、ゲーム開発部とヴェリタスの長い友好を記念して。かんぱーい!
『『『「「「「かんぱーーーい!!!!」」」」』』』
……その後も、意外とすぐお開きにはならず、通話を繋ぎながらオンラインゲームのマルチプレイをしたり、プチカラオケ大会でヒマリさんの十八番の演歌を聞かせてもらったりと、楽しい時間が過ごせた。聞くと、乾杯の流れを作ったのがモモイちゃんだったらしい。実際、この時間のお陰でむしろ一層気が引き締まったというか、"エニーリス"作成のラストスパートに向けて良いリフレッシュになったから、すごいなぁと思う。
そんな楽しい時間も、いつまでもは続かないわけで、飲み物が無くなったのを合図に解散ムードが流れ始めた。時刻も夕方って感じ。部室に戻ったらどうしようか。明日からの開発に向けて手順を整理しないとかな。なら会議しよう! みたいな話をしつつ、荷物を纏めて――
「……カガリ? その、少し良いですか」
ん、どうしたのアリスちゃん。パソコン?
「はい、競売の様子を見ていたページ、閉じようと思ったんですが……入札価格、増えていませんか?」
…………うん???????
「アリスの見間違いでなければ、1280万になったように見えます。2倍です」
……僕にもそう見えます。
「……と、とりあえず、みんなにも言ってみましょう」
僕らと同じようにみんなの反応も、喜びとか驚きとかじゃなく、戸惑いだった。い、いったいどういうことですか。 - 61二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 12:32:23
ホラーなんですけど
- 62二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 16:00:04
一体何が原因でこうなったんでしょうかね(電話猫)
- 63二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 21:58:10
どうするよこれ
- 64佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/27(金) 04:17:32
要するに。競争的な性質を持つ出来事ってのは、最後まで何が起こるかわからないのが普通なんだから、浮かれてると決定的な瞬間を見逃す恐れがあるよ、ということだった。いや、でも、あの上がり方の後にもう1回、それを遥かに突き放すような価格が覆い被さるって、尋常じゃない事態……
『……駄目ですね。ユーザー名"unknown"で初期アイコンな時点でそれっぽいとは思ってましたけど、匿名身分証明サービスのお膝元になってます。私たちが正体を知ることは難しそうですね』
『だね。古典的な総当たりしか効かない種類のセキュアだし、そもそもこれを破るってのは聖域を穢すに等しい行いだし』
そ、それは……つまり、何が何でも自分が誰なのか知られたくない人が、ついさっき怒涛の勢いで落札した、ってことですか?
「怖っっっ。反社会的だよそのやり方、何者????」
「……そ、それって、知る必要あるのかな。み、"未必の故意"じゃないけど、わたし達は何も知らないんだし……大人しくお金受け取ってもいいんじゃ」
「……ふむ。少々貸していただいてもよろしいですか?」
ヒマリさん? 何を……
「追跡という分野においては、自信があります。往々にして、乙女とは可憐であるほどに強い執着心をも併せ持つものです」
特異現象捜査部の大画面から伸びたケーブルがパソコンに刺さり、元からあるキーボードやマウスは全く触れられないまま、凄まじい速さでウィンドウの出現や消滅、文字入力が繰り返される数秒間……
モニターは最後に、先ほど"unknown"から届いた1件のメッセージ……『絵の現物の受け渡しはどこで行うか』、という要求に付いていた画像ファイルを写した。……たった画像1つでも、何かの痕跡が残ってたりするんだろうか?
「……これは、駄目ですね」
「ええ!? だ、駄目だったんですか!?」
「はい。詳しく説明するとややこしいのですが……人の住所を調べたはずが、宇宙の星の名前が5つ同時に出てきてしまった、という様子でしょうか。このパターンは付き合うだけ時間の無駄です」
「じゃあ、アリス達はこの"unknown"の正体がわからないままなんですね……」
「ぐっ……なんか悔しい!!! お金が入るのは嬉しいけど消化不良だよ!!!!」
dice3d100=67 27 13 (107) 知性ステータス(22)以下のダイス1つごとに1回成功
- 65佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/27(金) 05:01:27
『――ねえ。これって本当に正体が全くわからない相手かな、ちょっと憶測があるんだけど』
「あら、奇遇ですねチーちゃん。もしかしたら、私たち2人とも同じ人を思い浮かべているかもしれません」
「……あっ! あ、あーーーーーっ、なるほどね???」
「お姉ちゃん!? チヒロ先輩とヒマリ先輩に交じって、あのお姉ちゃんが何かわかったの!?」
言い方……
「いや、何もわからないんだけどさ。でも、この2人が同時に思い当たるって、そういうことじゃない?」
「……そ、そういうこと!?」
「"メタ読み"、だね。モモイらしい導き方……」
「モモイの言っていることがわかりました! 逆に考えると、わざわざこんなに手の込んだトリックを使ったこと自体、アリス達へのヒントだったのかもしれません!」
……あれ、みんなわかった感じだな。本当の意味で何もわかってないんだけど僕。ええええ待って置いてかないでなんか寂しいんだけど。
『わかってないみたいですね、カガリさん』
うぐっっっっ……
『あー。カガリ、変なところで抜けてるよね……冴えてる時はちょっと冴えてるのに』
『まあ、知らないほうが幸せなことも世の中にはあるし。この話もそっちの部類でしょ』
待ってください、それって僕が知ってる人!!? こ、ここまで来たら自分で気付きたい!!!
『……アリス。ちょっと前に聞いた"試練"の話って、まだあの時のまま?』
「はい、あと3つ残っています! その、聞いてくれたということは、もしかして……!」
『うん。私から"第2の試練"、出してもいい? 少し難しめで』
……あ゛っ!!! そ、その話あったね!!!!
「勿論です! アリスのクエストブックにも書いておきますね!」
『どうも。じゃあ、カガリさん……今回の絵を落札したunknownの正体を、きちんと"根拠付き"で突き止めて、私に報告してもらいたい。それが試練の内容』
え、えっ? 根拠付き……って、今さっき、ヒマリさんも出来なかったことじゃ……
『まあ、そうだけど。カガリさんなら出来そうじゃない?』
……どうして僕はこんなに高く見積もられているのでしょうか!!!! ミレニアムに来てからというもの、越えやすいハードルを見た記憶が1回もなかった。 - 66二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 08:04:28
そういえばアリスの試練残ってたっけ
- 67二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 08:04:42
やっと追いついた〜!!
時間がギリギリな気がするから保守 - 68二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 15:33:12
草
頑張れカガリちゃん - 69二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 20:25:39
君ならできる!
…多分 - 70二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 20:33:50
さてどうなるか
カガリの特定力が試される - 71二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 07:32:38
保守
- 72二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 17:17:48
ダイスの女神は微笑むか
- 73二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 00:16:07
保守
- 74二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 09:41:55
大丈夫かカガリちゃん
ちゃんと推理できるかカガリちゃん - 75二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 20:40:41
保守