- 1二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:45:00
- 2二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:45:31
詳しく
- 3二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:47:56
このレスは削除されています
- 4スレ主24/12/16(月) 19:51:31
あの姉妹、小さい頃ほぼ確実に姉上がサンタになって内緒でプレゼントあげてそうな気がしまして…しかも一才素振りを気取らせずに
んであまりに純粋に信じてるもんだからジャーニーも言うタイミングを無くして今に至る…
という感じでオルフェが今も内心サンタの存在を信じて待ち遠しくしてるとカワイイなーと思いまして - 5スレ主24/12/16(月) 19:53:30
- 6二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:54:26
君娘オルフェファンスレ民でしょ
- 7スレ主24/12/16(月) 19:56:27
- 8二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:58:05
「NORADを毎年振り切っている以上、実在を疑う余地は無かろう」
- 9624/12/16(月) 19:58:09
- 10スレ主24/12/16(月) 19:58:29
あと言い遅れましたがスレ主はしょっちゅう巻き添えでホスト規制をくらいます
なのでコメントできないことがしばしばあるのでご了承を… - 11二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:59:13
- 12スレ主24/12/16(月) 19:59:36
論理詰めでサンタの実在を熱弁する王…
- 13スレ主24/12/16(月) 20:00:21
私もできればそうしたかったんですが…待ちきれなかったのでつい
- 14二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:05:10
そういやスレ主がせっかく一から作ってたからなかなか言いにくかったんだけど、
ぬいの素体(のっぺらぼうで髪なしの頭とボディだけワタまで入ってる完成体)、手芸屋とかに売ってるんだ
好みの色に塗れるアイロン接着芯付きの目とか口とか色々売ってるよ
よかったら見てみてくれ - 15スレ主24/12/16(月) 20:05:24
- 16スレ主24/12/16(月) 20:07:06
- 17二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 20:50:27
オルフェがサンタさんにプレゼントをねだるとして、何を欲しがるのか全然予想できないかも。大体は実力で手に入れそうだからなぁ
- 18スレ主24/12/16(月) 20:56:43
- 19二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:04:40
グッズの手作りできる人しゅげえって思う
- 20二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:06:39
- 21二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:08:05
娘オルフェファンスレ民にはアクキー自作してた民いたしね……
- 22スレ主24/12/16(月) 21:19:45
- 23二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:21:41
- 24スレ主24/12/16(月) 21:25:14
珍しくしくじり、後ろ姿を見られてしまうサンタジャーニー
半分わかってて虫取り網を持ち出して捕まえようとするゴルシと巻き込まれたナカヤマ、シオン
そんな最中、ゴルシの肩を掴んで止めるオルフェ…
「サンタは忙しいのだ、邪魔は許さん」 - 25スレ主24/12/16(月) 21:47:31
個人的に、ですがね…
威厳たっぷりなカッコいい王ももちろん好きですが、年相応に女の子してる王も自分はあって欲しいし好きなんですよ…
という気持ちでこのスレを立てさせていただきました… - 26二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:53:56
- 27二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:04:37
姉上はトレセン入学前まではオルと一緒にサンタさんを信じていたけど入学前に両親に呼び出されて入学後はサンタさんは来ない(両親は深夜にプレゼントを置いておけない)現実を教えられるんだよね。でもそれを教えてくれたことに感謝しつつ、自分の夢を両親が守ることは出来なかったけどオルの夢を自分が守ることはできると思ってオル入学の際には同室にしてもらいずっとずっとオルのサンタさんを守り続けてるんだよね。姉上卒業したらどうしよう
- 28スレ主24/12/16(月) 22:53:23
- 29スレ主24/12/16(月) 22:56:20
- 30二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 23:32:20
- 31スレ主24/12/17(火) 02:30:17
「さて」
トレセン学園、寮室。
ドリームジャーニーは独りごつ。
カレンダーの先にある日付をーー12月24日という文字を見据えて。
この日ーー正確には翌日の早朝にかけて、彼女には重大なミッションが下される。
「また、コレを着る日が来たか」
クローゼットの中、厳重に仕舞われた箱。それを開いた先にある真っ赤な服を力強く見据える彼女。
それはまごうことなきーー
「今年もよろしくお願いしますね」
サンタ服であった。
もう一度言おう。
サンタ服である。
ドリームジャーニーというウマ娘を知る者であれば、彼女がコレを身に纏うと言われても、信じる者はいないだろう。
しかし、彼女は誰にも知られる事なく、赤き衣に手を通す。
何のため?それはまぎれもなく、
「オル、今年も喜んでくれればいいが…」
愛する妹、オルフェーヴルのためだ。
何を隠そう彼女は、サンタクロースの存在を信じている。『暴君』と称され、畏怖と尊敬を等しく集める彼女が、である。
しかし何故、そうなったのか?
その訳はーー幼少の頃に遡る。
つづく - 32スレ主24/12/17(火) 06:35:11
- 33二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 16:24:55
ーーまだ、姉妹が共に一桁の年齢であった頃。
「おねぇちゃーん!」
「何だい、オル」
聖夜も近づいたある夜、幼きオルフェーヴルは、姉へと飛びつく。
それを優しく受け止め、撫でてやるドリームジャーニー。
「サンタさん、今年も来るかな!来るよね!」
「そうだね…オルはいい子だから、必ず来るよ」
「やった!じゃあお手紙書いてくる!」
へへへ、とはにかむ妹の顔に、頬を緩めるジャーニー。同時に、その脳裏では一つのシナリオが描かれていた。
(さて…今年はどうしようか)
いつからか彼女は、妹にクリスマスプレゼントを贈ることが毎年の恒例行事となっていた。
それもただ渡すのではなくーー『サンタ』として、気づかれることなく、だ。
サンタクロースを純粋に信じる妹の夢を壊さぬよう、両親にも頼んでいる。
そして周囲にも目を配りーー決してサンタクロースの非実在を知られぬようにしていた。
流石に時が経てば、自ずとわかるだろうとも思いながらーー
(まさか、今の今まで信じ続けているとは思わなかったが)
しかし、その予想は外れた。
オルフェーヴルは高等部となった今でも、サンタクロースの存在を疑っていないのだ。
プレゼントを願うというよりも『労ってやる』という名目の方が強くなってはいるが、実在そのものは信じ続けている。
このことは姉であるジャーニーにとっても予想外であった。彼女としては、この秘密は隠し通す所存だ。
だからこそ妹にも知られぬよう、寮のクローゼットにサンタ服を忍ばせている。
既に届出はしている。ルートも万全。後の問題はーーゴールドシップを始めとする周囲の生徒達。うっかり口を滑らせてしまうーーということは十二分に考えられる。
ともなれば、クリスマス付近で徹底的に対策を打つほかない。
「ふっ…」
ドリームジャーニーは大きく伸びをし、思考を巡らせる。
全ては、愛する妹の純心を守るためーー
つづく - 34スレ主24/12/17(火) 16:48:22
多分続きは深夜か明日夜…
- 35スレ主24/12/18(水) 00:43:58
書ける気がしないのでとりあえず保守だけ…
- 36スレ主24/12/18(水) 04:38:21
一応保守しておきます…すいません…
- 37スレ主24/12/18(水) 07:46:16
ほしゅ
- 38二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 16:13:01
- 39スレ主24/12/18(水) 16:35:19
仕事の休憩中なのだ…反応してくれてる人いて嬉しいのだ…
明日は休みだから続き投下するのだ…
待ってて欲しいのだ… - 40スレ主24/12/18(水) 16:44:35
- 41二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 00:02:53
39歳まで純粋に信じてた伝説の傭兵じゃないか!
- 42スレ主24/12/19(木) 11:52:13
「おーっすジャーニー!この後ドーナツでも食いに行かね?あそこのプレーンシュガー美味くってさー」
「いえ…申し訳ありませんが今日は遠慮させていただきます。少し、用がありますので」
「えー?んだよつれねえのー」
それから時が経ち、12月24日の放課後。
ゴールドシップとそんな会話を交わしていたドリームジャーニー。
彼女の言う『用』とは当然、本日決行する計画の最終チェックである。
栗東寮寮長、フジキセキにこの話は通っている。
サンタ服は寮長室へと保管場所を移した。
消灯後、オルフェーヴルが眠りについたタイミングで部屋を抜け出し、着替える。
その後気取られぬよう部屋へと突入、プレゼントを設置した後は一旦寮を出て、離れに設置したテント内でサンタ服から着替え、タイミングを見て戻る…以上が、本計画の概要だ。
「では、私はこれで」
「おーう、んじゃまたなー」
「ええ、また」
二人はそんな会話の後、それぞれの行き先へと向かい始める。
一人寮へと足を進める、ドリームジャーニー。
そんな彼女の背中を眺めながらーー
「んー、やっぱり怪しいよな…?さてはなんかあるな?」
ゴールドシップはぼそりと、呟いていたーー
つづく - 43スレ主24/12/19(木) 20:04:43
細々保守
- 44二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 03:59:09
今更見つけたがとても微笑ましいですね
- 45スレ主24/12/20(金) 13:46:52
保守ります
- 46二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:38:25
待ってます
- 47二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 06:32:39
ぬーん、保守なんだな〜
- 48スレ主24/12/21(土) 08:23:06
夜、栗東寮の一室には、安眠効果のある香が焚かれ、落ち着いた空気が漂っている。オルフェーヴルは小さな寝息を立てながら、すっかり深い眠りについていた。
その頭を優しく撫で、「おやすみ、オル」と呟くドリームジャーニー。
そして彼女は、計画を決行するべく動き出す。
音を立てないように部屋を抜け出し、寮長室にてサンタ服に着替えたジャーニー。
後は部屋に向かい、プレゼントを置いて抜け出したら着替え戻るだけ。
(…何故、こうなったのだろうか…)
ーーしかし。ドリームジャーニーは今、寮の外で身を隠していた。その手には、未だプレゼントがある。
彼女が物陰から少しばかり身を乗り出して覗き込むと、そこにはーー
「いたか?」
「いや…」
「何であたしまで…」
何かを探すゴールドシップ、ナカヤマフェスタ、ウインバリアシオンの姿が見えた。
ゴールドシップに至っては、虫取り網を担いでいる。
「ぜってぇ捕まえんぞ、サンタ!…っぷし!」
鼻を啜りながら、意気込むゴールドシップ。
彼女の目的はサンターーつまり、ドリームジャーニーの事である。その正体に気づいているか否かは定かでないが、サンタという存在が何らかを刺激しーー行動させてしまったのだろう。
(どうしたものか…)
再び物陰に隠れ、思考を巡らせるジャーニー。
ゴールドシップがイレギュラーとなる事自体は頭にあった。が、まさかここまで大胆な行動に出るとは思っていなかった。
ジャーニーは思考する。そしてスマホを取り出し何やらメッセージを送信した後ーー覚悟を決めて物陰から飛び出した!
「いたぞーー!おっかけろー!」
ゴールドシップが叫ぶ。
ドリームジャーニーは振り返りもせず、ただ駆けた。
みるみるうちに寮から離れ、そのまま市街地に飛び出してしまう。人混みと建物を利用し、撒こうというのだ。彼女の逃走劇は、果たされるのだろうかーー?
つづく - 49スレ主24/12/21(土) 13:07:59
保守しておきます
- 50二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 13:20:09
サンタさん信じるオルフェ可愛いし健気にサンタを務める姉上も可愛い
応援してます - 51スレ主24/12/21(土) 17:03:11
仕事休憩保守…
- 52スレ主24/12/22(日) 04:01:54
それから、彼女はひたすらに走った。
時に雑踏に紛れ、時に建物の隙間へと回り込み。
追っ手の気配が消えるまで、走り続けた。
そうして路地裏にてしばしの休憩を取っていたところーー
「…そうか」
彼女の逃走劇は、一つのメールによって終わりを告げた。
送信元はーー寮長、フジキセキ。添付された画像には彼女に捕獲され、簀巻きになったゴールドシップ達の姿が。
それを目にし、天を仰ぎふぅ、とため息を吐く。安堵と、少しばかりの不安が入り混じったため息であった。
部屋を出てから、幾つ時が過ぎた?早く戻らなければ。妹はーーオルはまだ眠ってくれているだろうか?何かの拍子に目を覚まして、自分がいない事を知れば、オルはどう考える?
取り止めのない思考の波が、彼女の脳裏を駆け巡る。
そしてそんな最中ーー
「!」
懐のスマホが、突如としてアラーム音を発した。慌てて取り出し、画面を見るドリームジャーニー。
同時にーー
「こんなところにいたのか、探したぞ…ッ!?」
後方より、聞き覚えのある声が彼女の耳に届く。
その声の主は驚愕し、言葉を詰まらせたのちーー
「あね…うえ…!?」
と、声を漏らした。
「オ…ル…!」
輝くネオンが二人を照らし出し、影を作る。
出会ってしまった姉妹は、共に黙りこくり、固まっていたーー
つづく - 53スレ主24/12/22(日) 04:28:20
「その格好は一体…」
「…」
平静を装いつつも、震える声で尋ねるオルフェーヴル。ドリームジャーニーはばつが悪そうに、少しばかり目を逸らす。
「何とか言ってくれ、姉上」
「…すまない、オル」
絞り出すような謝罪の言葉。
それを聞きーーオルフェーヴルは全てを察したように頷いた。
「…そうか。そうだったのだな」
「私は…」
ギュッと目を瞑る、ドリームジャーニー。
妹の純真を守るためとはいえーーずっと騙してきたことには変わりない。どんな罵詈雑言も、受け入れよう。彼女が、そんな覚悟を決めた瞬間であった。
「…ッ!?」
なんと、ドリームジャーニーは優しく抱きしめられていた。
他でもない、妹の腕によって。
驚き、目を見開くジャーニー。
そんな最中、彼女は頭を撫でられる感覚を覚える。
「ずっと…ずっと私を想っていてくれていたのであろう。姉上は昔から…そうだったからな」
「オル…」
「大義であった」
(ああ、本当にーー本当にーー)
ジャーニーは、震える肩を抱きしめる。
(お前は、強い子だよーー)
つづく - 54スレ主24/12/22(日) 07:34:08
- 55二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 12:36:03
仕事なので延命保守
そろそろ希望の逆襲の時間だコラァ! - 56スレ主24/12/22(日) 12:43:04
今回の有馬イラストでまーた妹ムーブしてたよ王
これマジでサンタ信じてる説ワンチャンあるのでは…?(飛躍) - 57スレ主24/12/22(日) 17:13:09
ほしゅー
- 58スレ主24/12/23(月) 03:05:11
それから幾許かして。
ドリームジャーニーはゆっくりと帰路に着いていた。その背に、妹を乗せて。
[…今は、こうさせてくれ]
少し前。オルフェーヴルはそう言うと、姉の胸に埋もれて眠りについた。
まだ、彼女の目の周りはほんのりと赤い。
(けど…こういうところは変わらないな)
小さな寝息と心音を背に感じながら、ジャーニーは思う。
「オル…お前はいつまでも、可愛い妹だよ」
応えるように、彼女の服の裾が少しばかり摘まれた。
目線を後ろへやりつつ、微笑みを浮かべるジャーニー。
そうして一歩ずつ、歩みを進めていたその時ーー
「っとと…!」
路地の影から現れた人影が、驚きの声を上げた。男の声である。
ちょうど目線を逸らしていたジャーニーも驚き、足を止める。
「すみません…こちらの不注意でしたね」
軽く頭を下げ、謝るジャーニー。
「いや、大丈夫。俺の方こそごめん、ぶつかったりしてないか?」
男の方も、すぐに返す。
右手を模した黒いバックルが特徴的なベルトに、風変わりな指輪を身につけた青年であったーー
つづく - 59スレ主24/12/23(月) 08:21:07
ほしゅ
- 60スレ主24/12/23(月) 10:53:50
「…って、ん…?」
「どうかしましたか…?」
青年はジャーニーを見たのち、何やら少しばかり固まった様子を見せると、驚嘆の声で言った。
「…サンタぁ!?」
「え」
ジャーニーは一瞬言葉の意味を理解できず、フリーズする。しかしすぐにはっとなり、「あ」、と声を漏らした。
「そう言えば…そうでしたね」
「バイト帰り…って訳でも無いよな?なんか…ウマ娘、背負ってるし」
「ええ、まぁ…ちょっと込み入った事情がありまして」
「そ、そっか…家、こっから近いの?」
「家…というよりは寮ですが、まぁ」
「ふーん…んじゃ、こんな時間だし、近くまで送ってって行こっか?」
ジャーニーはその言葉に、少し考えを巡らせる。目の前にいる青年はどうも軽い雰囲気だがーー不思議と、悪意は感じられなかった。
その言葉の一つ一つが、完全な善意から来ているのだろうという事が、何故だか分かった気がしていた。
鋭い感性を持つ彼女だからこそ、なのかもしれない。
ジャーニーは青年に言う。
「わかりました、それでは是非」
「かしこまりました、サンタさん」
そうして三人は学園寮へ向け、ネオンの灯る街を歩いてゆくこととなったーー
つづく - 61スレ主24/12/23(月) 15:49:50
クリスマス当日には完結したい所存…
保守 - 62二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 02:05:38
待ってます
- 63二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 05:05:23
おはヨーグルト
- 64スレ主24/12/24(火) 08:21:23
「そういやさ」
それから少し。学園へ向け歩き続ける最中、青年が呟いた。
何でしょう、と返すジャーニー。
「何でサンタの格好でこんなとこにいるのかなって」
「オルの…妹のため、ですかね」
「妹さんの?」
青年はそれを聞き、何か考え込む素振りを見せる。
そして「あ」、と納得したような声を漏らす。
「どうかしましたか?」と、尋ねるジャーニー。
「オルって…その娘、オルフェーヴル!?ってことはあんたは…ドリームジャーニー!?」
「え、ええ、はい…」
「そっか…おっちゃん達、会ってみたかっただろうなぁ〜」
「一体、何を…?」
「ああいや、こっちの話。俺はあんまレースとか見たことないんだけどさ…俺が世話になってる人があんた達姉妹のファンで」
「そう…ですか」
そんな言葉に、少しばかりの笑みを浮かべるジャーニー。
「でも…そんな有名人なら、尚更何でこんなとこに?妹さんの為だって言ってたけど」
「それは…」
ジャーニーはそこまで言うと、言葉を詰まらせる。しばし悩んだのちーー彼女はゆっくりと口を開いた。
「強いて言うなら…この子の…希望のため、ですかね」
つづく - 65二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 08:21:44
このレスは削除されています
- 66スレ主24/12/24(火) 08:25:19
「希望…」
刹那、青年は真剣な面持ちを見せる。
「この子の純真という名の希望を…守ってやりたかったんです」
「…そっか…あんた、いいお姉さんだよ」
「いえ、そんな事は…」
「妹さんの希望を守ろうと体張ってるんだ、間違いないさ…俺が保証する。何たって俺は…希望の魔法使いだからな」
青年は指輪を軽くかざし、微笑んで見せる。
「ふふ…魔法使いさん、ですか。スイープさんが聞いたら羨ましがるでしょうね…おや」
そう言い、足を止めるジャーニー達。
気づけば、もう寮は目の前であった。
「ん、着いた?」
「ええ、ありがとうございます」
「いいよいいよ、気にすんな」
軽く頭を下げ、寮へと戻っていく姉妹。
「クリスマスの希望、か…」
そんな彼女らの背を眺めながら、青年は独りごちる。
そして彼は懐から、あるものを取り出した。
それはーークリスマスツリーに巻き付くドラゴンの刻印がなされた指輪であった。
「もう一回コイツをくれた理由、やっとわかったよ」
彼はその指輪を右手の中指に嵌め込むと、バックルにかざす。
するとーー
『メリークリスマス!』
祝福の言葉がーー冬空に響き渡った。
つづく - 67スレ主24/12/24(火) 08:57:05
続きはお昼過ぎにでも…
25日には完結します - 68スレ主24/12/24(火) 12:17:47
「…む…」
オルフェーヴルは、ゆっくりと目を開く。
見渡せば、そこは自室。隣のベッドでは、ドリームジャーニーが寝息を立てている。
(あの後…余は確か…姉上が連れ帰ってくれたのか)
体を起こし、歩み寄る。深い眠りについている姉の姿に、感謝と、少しばかりの罪悪感を感じる彼女。
ーーその時であった。
「何者だ…!」
突如として振り返り、威圧するオルフェーヴル。
「…ッ!?」
そして、その視線の先にあるものを認識した瞬間。彼女は息を詰まらせた。一体、何があったというのか?
「貴様は…!」
「ホッホッホゥ」
そこにいたのは、赤き衣に帽子、白いヒゲをたくわえた老人ーー
「サンタ…クロース…?」
そう。まごうことなき、サンタクロースである。
(成程…余はまだ、夢を見ているという訳か)
オルフェーヴルは、頭の中でそう解釈した。
そしてサンタクロースへと歩み寄るとーー
「毎年の民への恵み、大義である。これからも励むことだ」
そんな言葉を投げかけた。大仰ではあるが、彼女なりの感謝の念を込めた言葉であった。そんな姿に、サンタは笑顔を見せーー
「メリークリスマス」
一つの箱を手渡した。
「ほう…よい心掛けだ」
それを受け取り、笑みを浮かべるオルフェーヴル。
「ホッホッホホ…」
束の間。
笑い声と共にサンタは光となって姿を消した。
「…ふ、中々の夢であった」
それを見届けたオルフェーヴルは踵を返し、ベッドへ横たわる。
そして、再び目を閉じたーー - 69スレ主24/12/24(火) 12:18:40
「…ふっ…くぅ…」
小鳥のさえずりに、ドリームジャーニーは目を覚ます。
軽く伸びをし、眼鏡をかけるとーー
「…!?」
彼女は、目を見開いた。その目線の先にあったものが、信じられなかった故だーー
「これは…プレゼント…!?」
なんと小さなプレゼントボックスが、彼女の机の上に置かれていたのだ。
いや、正確にはーー妹の机の上にも、だ。
(アレは…私が用意したものではない…一体誰が…?)
包装の違いからそう考えると、彼女は急いで寮長室へ向かった。
しかしーー
「いや、それが私にもわからないんだ。それどころかーー」
フジキセキが指差した先にもまた、プレゼントの箱が。
その後、心当たりのある人物を探ってみたものの、誰も皆、同じように困惑を見せていた。
ジャーニーは考え込む。
(まさか…本当に…?いや、まさか…) - 70スレ主24/12/24(火) 12:20:08
ーーそして、その日の昼。
「さて、集まったな」
「おめぇがわざわざ呼び立てるなんて珍しいじゃんか」
「で、何の用なんすか」
[ど〜なつ屋 はんぐり〜]と書かれたピンクの車が目立つ広場にて、オルフェーヴルはゴールドシップやウインバリアシオンらを集め、机を囲んでいた。
「早速だが…これを見よ」
そうしてオルフェーヴルは、机の上にある物を置いた。それはーー
「あーそれ!」
ゴールドシップが反応を見せる。
「あんたの所にも来てたんすか!?」
続いて驚くウインバリアシオン。
「こいつは驚きだな…」
同意するナカヤマフェスタ。
何を隠そう、彼女らの元にもーー否、トレセン学園の生徒全員(+理事長)の元にーーオルフェーヴルやドリームジャーニー達と同様、プレゼントが置いてあったというのだ。
これを知ったオルフェーヴルは急遽、知人を集めた。
その訳とはーー? - 71スレ主24/12/24(火) 12:20:59
「余は確信した。サンタは実在する、と。そこで、だ…」
謎の緊張感が迸り、唾を飲む面々。
オルフェーヴルは、高らかと言い放った。
「我々の手で、必ず見つけ出すぞ」
その言葉にーードリームジャーニー以外の全員がずっこけたのは言うまでもない。
「ちょっとちょっとー!サンタもいいけど…まずはコレ探すの、付き合いなさい!」
そしてそんな中、遅れてやってきたスイープトウショウ。
彼女は手にしたビラを指差しながら、興奮した様子で言う。
皆が覗き込んだそこにはーー
「[はぐれキマイラ、探してます]ぅ〜!?」
そんな文章が書かれていた。イラストまで添えて。
「キマイラって…物語に出てくるアレですよね?」
「発見者にはマヨネーズ一年分…貴様、そんなにマヨネーズが欲しいのか?」
「んな訳ないでしょ!?キマイラよキ・マ・イ・ラ!」
「興が乗らん、勝手にしろ」
「も〜!あんたはいつもいつも〜!」
そっぽを向くオルフェーヴルに噛み付くスイープトウショウ。
そんな二人の様子に微笑みつつ、ドリームジャーニーは車の方を見やる。
そこにはーー - 72スレ主24/12/24(火) 12:21:42
「あいつ、あいつ何やってんだよ…ゲホッゲホッ…」
そんなことを呟きつつ、盛大にむせ返る青年の姿が。
それはあの夜、ジャーニー達を寮まで送り届けた青年であった。
「あの…」
ジャーニーはその近くまで歩み寄り、声をかける。
「ん…あ、こないだの」
「ええ、その節はお世話になりました」
「気にすんなって。で、どうかした?」
ジャーニーはさらに歩み寄り、小声で問う。
「貴方…確か魔法使いと仰ってましたよね。あの夜…何かされましたか?」
「いいや、俺は何も。まー強いて言うなら…クリスマスの奇跡ってとこ、かな」
それだけ言うと男はプレーンシュガーの袋を手にし、近くにあったバイクにまたがる。
そしてヘルメットを被りーーバイクを発進させた。
「そんじゃ、妹さんと仲良くなー!」
みるみるうちに小さくなっていく青年の背中を見届けながら、ドリームジャーニーは呟いた。
「ふふ…クリスマスの奇跡、ですか…」
そうして彼女は振り返り、賑やかな輪の中へと帰ってゆくーー
星光(ほし)は旅を続けている。
今も、昔も、いつまでも。
億万の夜を超え、誰かの目を輝かせる。
希望という名の、光を灯してーー
完 - 73スレ主24/12/24(火) 12:24:49
と、いうわけで唐突に始めましたSSもこれにて完結です!
いかがでしたでしょうか…?
終盤で出てきた人物を出した理由としましては、そのままだとオチがビターになりそうだったので多少無茶でもハッピーに変えるためです、はい。
エミュ等不慣れなものでしたが楽しんでいただけていれば幸いです…
それでは、メリークリスマス! - 74二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 15:11:17
あげ