- 1福丸は俺24/12/16(月) 21:39:59
- 2二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:23:00
建て乙ですぴゃ
- 3福丸は俺24/12/16(月) 23:53:47
「ぴゃいっ!」
「ぴゃいっ!」
「ぴゃいっ!」
……今日は木曜日。
来る決戦の日に向けて、猛特訓の最中。
「…………ふぅ」
「……随分広くなったな。ここも」
実福狩りの影響により、脱福する門下生が後を絶たない。
無理のないことだ。命を張ってまで実質福丸小糸で在り続けるなんてなかなかできることじゃない。
分かってる、分かってる、解ってる…わかってるよ。
……だけど思ってしまうんだ。
「…………寂しいな」 - 4福丸は俺24/12/16(月) 23:54:12
金曜日。
また1人……2人……
脱福者が増えていく。
かつて一緒に高め合い、笑い合った彼らの姿はもうどこにも見えない。
「…………」
「…………ぴゃあっ!!」
ぴゃ力の消費を抑える訓練をした。
月曜日はトール達との連戦になる。
数では向こうが圧倒的有利。
必要最低限のぴゃ力消費量で戦わなければあっという間にガス欠になるだろう。 - 5福丸は俺24/12/16(月) 23:57:48
土曜日。
また死人が出た。
実福狩りだ。
街で一人歩いているところをトールに狙われたらしい。
「…………」
今にも飛び出して奴らを探し出し、この手でとっちめてやれたらどんなに良いだろう。
……でも今はまだその時じゃない。
決戦まであと2日…… - 6福丸は俺24/12/17(火) 00:42:13
前スレでは久々の再開にも関わらず保守をしていただきありがとうございました
引き続き完結に向けて頑張ります - 7二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 04:22:31
ぴゃあっ...!
た、楽しみにしてます...! - 8二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 05:59:06
ブォ…
- 9二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 06:48:17
ほ
- 10二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 06:56:45
す
- 11二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 17:32:28
俺も実福になれば冬優の寒さに耐えれるかなっ...!
- 12二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 01:24:43
浅倉透ファンヒーター ブォ…
- 13福丸は俺24/12/18(水) 06:20:04
日曜日。
決戦の日、その前日。
とうとう誰もいなくなった。
残ったのは僕と師匠だけだ。
いつか師匠が言っていたっけ。
“孤独”を知れ──
それが真の実質福丸小糸に至るのに必要なんだと。
結局師匠の言う通りになってしまった。
「よぉ、何しょぼくれた顔してんだよ」
「え……」
そんな、いるはずがない。
トールや福面との戦いで大怪我を負って入院してるはずだ。
なのに……なんで…… - 14福丸は俺24/12/18(水) 06:21:13
「ルカ!」
「明日奴らが攻めて来んだろ。俺も戦うぜ」
「怪我は…………」
『怪我はいいのか』と、聞こうとした。
けれど、すんでのところでその言葉を飲み込んだ。
良いはずがない。 良いはずがないんだ。
数日で治るような怪我じゃない。
本来なら僕は引き摺ってでも病院に連れ戻さなければならないのだろう。
だのに、どうしても僕にはそれができなかった。
思ってしまったんだ。
逆の立場ならどうだったろうと。
怪我をしたのが僕で。 置いていかれたのが僕で。
独り死んでしまったのがルカだったなら、と。
もしそうだったら僕は許さなかっただろう。
置いていったルカを。 這ってでも戦いに加わらなかった自分を。 - 15二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 15:53:14
ぴゃあ...(孤独)
- 16二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 22:36:17
実質雛菜だからな
- 17福丸は俺24/12/19(木) 06:08:39
「そうか。ルカよ、お主も戦うか……」
「おう、俺一人寝て待ってなんていられねぇぜ」
病院を抜け出して帰ってきたルカ。
僕達は師匠にそのことを報告しに来た。
「戦いに加わるのは許可する……じゃが」
「……足、引っ張るでないぞ?」
「師匠! それは言い過ぎだ!」
「いいんだ。実力不足は俺が一番分かってる」
「ジジイにも今のお前にも、正直着いて行ける気がしねぇ」
「ルカ……」
「『足を引っ張るなよ、雑魚が……』……ジジイがそう言いたくなる気持ちも分かるぜ」
「それは言っとらん」
「けどよ、心配すんな。何もできねぇまま、気づかれずに終わらせはしねえ」
「…………では見せてもらおうかの。お主の実質福丸小糸を」
「おう!」 - 18福丸は俺24/12/19(木) 06:09:04
その日の修行を終え、僕達は久し振りに毎日特訓を重ねたあのビルの屋上へやってきた。
「なんだか懐かしいな……」
「強くなりたいと思った」
「だからここで二人で特訓を始めた」
「こんなやべー戦いになるとは思わなかったけどな」
「…………」
「不安か?」
「…………あぁ。戦うことはもう怖くはない。だけど……」
だけど、時々不安に思うことがある。
「僕達はどこに向かって走っているのか……って」
福丸さんのことを知りたくて実質福丸小糸になった。
それが今ではこの街を守る為に、平気で人の命を弄ぶような連中と戦うようになってしまった。 - 19福丸は俺24/12/19(木) 06:09:25
「僕達はどこに向かって、どこまで走っていくんだろう」
「…………それは……俺馬鹿だから分かんねえけどよ」
「今のお前は良い方向に成長してると思うぜ」
「……うん」
「だったら、流れに身を任せてこのまま突っ走るのも良いんじゃあねえか?」
「…………そうかな」
「……なぁルカ」
「走った先に何もなかったら……一緒に『何もなかったね』って笑ってくれるか?」
「…………!」
「…………あぁ……たりめぇだろ」
一瞬の間の後、ルカは笑ってそう答えた。
「……ありがとう、ルカ」
「帰ってきてくれて。一緒に走ってくれて」
ルカは僕にとって……どんなカミサマよりも、信じられる理解者だ。 - 20二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 12:55:16
実福のその先には小糸の強張った顔があるから一緒に笑おう