- 1二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 02:13:19
まだ残る寒さを感じ、スペシャルウィークは目を覚ました。自らのぬくもりで温ったベッドから出ることのいかに困難なことか。休日であるし、彼女は二度寝を決め込もうと寝返りを打った。
向かい側のベッドはきれいに整えられており、その主がすでに起きて外にいることを示していた。十中八九走りに行ったに違いない。
「スズカさんはすごいなあ」
そんなことをつぶやきながら、抜け殻のベッドに目を向けた。ふとスズカさんの良い匂いが頭の中をよぎる。
スペシャルウィークに魔が差した。
彼女は素早く、身軽に自分の布団を抜け出し、サイレンススズカのベッドへと転がり込んだ。
彼女はうつ伏せになり枕の香りをめいいっぱい吸う。
「すぅーっ……はー。スズカさんの香り、いい……」
そして布団を被り、香りを全身に纏う。優しい香りで幸福が満ちていく。窓から差し込む光の温かさが気持ちよくて……。 - 2二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 02:13:31
ふと目を覚ますと誰かがいるような気がして、すぐに飛び起きた。
「す、スズカさん!?」
「お、おはよう、スペちゃん」
サイレンススズカが返ってくるまで、寝てしまっていたのだ。
「ごっ、ごめんなさいスズカさん!!」
謝罪の声が響く。
「いいのよ、私が帰ってきた時も起きなかったし」
「帰ってきた時って……え?」
「なんか気まずかったからシャワー迄浴びてきちゃった」
本当にすみません!言葉にならない謝罪でスペシャルウィークの口が形を変える。
動揺しているスペシャルウィークを尻目に、サイレンススズカは自分のベッド、つまり未だスペシャルウィークが入っているベッドに腰掛け、布団の中に入った。
「えっ!?」
スペシャルウィークの素っ頓狂な声があがった。
「ふふ、私が自分のベッドに入るのがなにかおかしいかしら?」
サイレンススズカはいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「え、でも私、あの……その……」
スペシャルウィークは顔を赤くさせて何も言えなくなっていた。そんな彼女にサイレンススズカは顔を埋めつぶやく。
「スペちゃんの香り、いい香りね……」
「ひょえ!?」
突然の行動に全く身動きが取れなくなる。
「ふふ、お返し、いいでしょ?」
スペシャルウィークは頷くしかなかった。
一つのベッドに包まれる二人の少女たち。まだ寒い季節を二人で温め合い、甘い香りを燻らせていた。 - 3124/12/20(金) 02:14:03
スズスペいいよね……以上です
- 4二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 02:20:47
良いですね……