モモイの悲惨な一日

  • 1二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:00:34

    モモイが周りからものすごい勘違いされるお話です


    「ユウカの馬鹿ぁ!!!!」
    「あっ待ちなさいモモイ!!」

     部室を飛び出すモモイ。ユウカは呆れたように溜息を吐く。最初は部室に部費のことで話をしに来ただけだったが、あまりの汚さから掃除、ゲームの制作状況はなどの話になってちょっとした口論となった。

     ここまでは他の部員のアリス、ユズ、ミドリもいつもの事かと思っていたのだが……。モモイが喉が渇いたと飲み物を手に取り飲もうとした時にふらつきユウカに飲み物をかけてしまったのだ。
     よりにもよってカフェオレ。ユウカのネクタイは綺麗にシミを作っていた。そこからユウカの怒涛のお小言タイム。最初こそごめんなさいと謝っていたモモイだったが色々言われて腹が立ったのか……。

    「ユウカの太ももお化け!」

     と言ってから更にヒートアップ。最後は半泣きになりながらもう知らない!とばかりに恨み言を言って逃げ出したのだ。

    「ユウカちゃんも少し言い過ぎですよ」
    「ノア……そうね。帰ってきたら謝らないと」
    「大丈夫ですよ。お姉ちゃんなら直ぐに帰ってきますよ」

     ノアは買ってきたコーヒーをユウカに渡して、ミドリは片付けが終わってアリスとゲームをし始めていた。

    「モモイは勇者なのです!だから心配は要りません!」

     などここまでは普通の……少しだけ喧嘩した日。珍しいと言えば珍しいがたまーに見かける事もあるくらいだった。

  • 2二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:01:42

    どうしてモモ虐は生まれるのか

  • 3二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:02:20

    書きながら投稿するので良ければ適当に読んでやってください。
    前にモモイ勘違い系のお話読んで書き始めたので似てるところあるかもです

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:02:44

    モモ虐はいいぞ

  • 5二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:03:34

    モモイはゲーセンに来ていた。気分が落ち込んだ時はここに限る。ひとしきり遊んだ後気分も戻ってくると罪悪感が込み上げてくる。
     ユウカに言いすぎた事だ。自分が悪いのは分かってたけどつい反論してしまった。それにネクタイをダメにしてしまったかもしれない。

     近くの洋服屋に入り青のネクタイを選んで綺麗に包装してもらう。プレゼントならメッセージはいかがですか?と言われてお願いする。

    「ユウカごめんね。いつもありがとう」

     とメッセージを入れてもらった。これで少しでも気を逸らして帰って怒られる時のダメージを少なくするのだ。
     ユウカはこういうのに弱いというのもあるから謝罪と合わせて渡せばもしかしたら怒られないかもしれないと、もしかして私って天才か?と思いながらスマホを出す。

     案の定みんなからモモトークなどが来ていたので流し読みをしてみる。今どこ?大丈夫?ユウカさんあまり怒ってないですよなど色々な内容が来ていた。

    「心配させちゃったなぁ。ちょっと近道しようかな」

     普段使わない裏道に入る。返信どうしようかなと考えていると前から声と音がする。えっなに?と思わず隠れる。
     そっと覗いてみると男の大人達が怪しい取引をしていた。

  • 6二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:04:03

    現在書いてるところまで載せます

  • 7二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:05:10

    大量のスーツケースを積み込んで、スーツケースの中身のお金を数え始める。
     こんなアニメとか漫画みたいな事ほんとにあるんだと思いながら。見つかったらやばいと思って離れようとしたその瞬間。

     ピリリリリリ

    「?!」
    「誰だっ!!」

     なんでこんな時に?!み、ミドリ?!なら助けを!
     咄嗟に逃げ出しながら電話を取る。

    「お姉ちゃんそろそろ……」
    「ミドリ!助けて!!」
    「えっ」

     自分の居場所を言おうとした瞬間後ろから発砲音が聞こえる。それはスマホに当たり妹の声は聞こえなくなった。

    「待てゴラァ!!!」
    「いやぁぁぁぁ!!!」

     一応銃はあるしウタハ先輩から貰ってるエンジニア部特製爆弾もあるけどどうしよう。とりあえず逃げないと。
     角を曲がって遮蔽物を乗り越えて銃を構える。男達が見えた瞬間に撃ち始める。しかしそんなに当たらない。

     飛び出したものだからマガジンは今撃ってるのと合わせて二つしかない。射撃そんなに上手じゃないのに!!!

    「おい!アレもってこい!」
    「なになになに?!?!」
     遮蔽物に隠れて様子を伺う。男がカバーを貰いながら何か投げつけてくる。
    「手榴弾んんん!!!!」
     慌てて逃げる。普通に爆発物もあるしどうしようどうしよう?!とりあえず反撃しないと始まらない。何処かいい感じの遮蔽物はと探しながら走るのだった。

  • 8二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:10:47

    「ミドリ!!助けて!!」
    「えっ?」

     直後通話が切れた。姉はふざける事がある。念の為にもう一度通話ボタンを押すと機械音が流れる。さっき繋がったのに……。

    「ミドリ!モモイはなんと?」
    「えっ……あっ……」

     ミドリは混乱していた。イタズラ?その可能性もあったが本当なら今お姉ちゃんは助けを求めてる。
     ミドリはユズとアリスに話をした。お姉ちゃんが助けてって言って通話が切れたと。
     直ぐにユウカ達セミナーに話をしに向かった。話を聞いたユウカ達は直ぐに行動した。C&C、エンジニア部、ヴェリタス、特異現象捜査部にも直ぐに連絡が入った。

     ハッキングで通話の最後のポイントを絞りだしC&Cメンバーが直ぐに現場へと向かう。これでもう大丈夫。あとはモモイがどんな状況か。不安になりながらもミドリ達ゲーム開発部メンバーは武装して、先行しているC&Cの後を追うのだった。

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:11:48

    書いてる私自身ここを利用するのは初めて+結構ニワカなので変なことあっても目を瞑ってください……

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:13:03

    ほんとに無理!弾が無くなった。けどまだ男達はめちゃくちゃ追いかけてくる。そうだとポケットに入れていた爆弾を取り出す。手榴弾のようなそれはウタハ先輩が私にくれた「ピンチの時に使う爆弾」らしい。どんなものかは分からないがウタハ先輩ならきっと何か役に立つ物を渡してくれてるはずとそれを相手の方へと投げた。

     ポンと何やら軽い音がしたと思ったら男達の悲鳴が聞こえてきた。なんだと遮蔽物から覗き込んで見ると男達はみんローションまみれになっていた。
     なんで????
     (注意。これは安心安全を目指して作られた爆弾です。ローションは滑りやすいので追手を転ばせるのに最適です。ウタハ先輩は真面目にこれを作りました)

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:13:53

    と、とにかく相手の足が止まった!まだ爆弾は残ってる!これなら逃げれる!と思った時横に何かが落ちた。
     えっ……と思考が止まる。それを見ると手榴弾ではなかった。代わりに何か白いガスが出てきた。

    「うわぁぁぁぁんんん!!!目が……目がぁぁ!!!ゲホッ!ゴボッ!ゲッホゲッホ!!」

     催涙ガス。慌てて逃げたが間に合わず息が上がっていたこともあって結構吸い込んだ。しかも目がめちゃくちゃ痛い。
     それでも逃げなければと歩く。すると後ろから。

    「逃がすか……目がぁ!!」
    「ローションが滑っ……ゲッホゲッホ!!」
    「やろう!なんて罠を……ゲッホゲッホ!!」

     地獄絵図だった。ローションに滑りながらガスを吸い込んだ男達は悲惨そのもの。涙で見えてないがきっと見えてたら笑った負けが開催されていた事だろう。
     声だけでもちょっと笑いそうになってるのに。
     と油断したのが悪かった。涙や痛みなどに気が取られていたのもあるが手に持ったローション爆弾を一つ落としてしまう。

  • 12二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:25:40

    「あっ……」

     全身にぶちまけられるローション。足は急に摩擦が無くなりコケる。コケた所にもローションがまとわりつく。
     気持ち悪い。と言おうとしたところで気がつく。咳はずっと出るが声が出ない?!
     きっと辛味成分的なやつのせいだろう。ゲームを作る時に仕入れた無駄な知識が頭に流れてくる。

    「待てゴラァ!!」
    「ん?!んー!!!!」

     男達に捕まった。と思ったらローションでお互い滑る滑る。掴まれてもぬるりとすり抜ける。もみくちゃになりながら路地を進んでいく。

     暴れた時に残ったローション爆弾が勝手に爆発していく。よりヌルヌルに、より滑りながら路地を抜けていく。

     良く見えない、ガスのせいで咳は止まらない。最後にぶつかったのは駅前の噴水に男とモモイが滑りながら落ちる所だった。
     全員何をしなければなど関係なくローションと催涙ガスを洗い流す。ローションのおかげか催涙ガスは少しはマシになった。
     そこで気がついたのは駅前のみんなから注目されていた。

    「こい!!」

     モモイはもう暴れる元気すらなく肩に担がれていった。
     ローション路地は使えないので別の路地に入りみんなして息を整える。

    「な、なんでこんな……」
    「と、とにかく逃げなきゃならねぇ」
    「ここならあそこはどうだ」
    「あぁ……薬やってるゴロツキが前に捕まったから今は安全だろう」
    「多分ちょっとはなんか物資もあるだろ」

     と廃墟に向かって歩きだすのだった。モモイはと言うと顔を綺麗に洗えずまだ泣いていた。
     目がぁ!目がぁ!と少しバタついて見たもののそれが男に伝わることはなかった。

  • 13二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:17:49

    「モモイさんが発見されました!!」
    「場所は?!」

     男達ともみくちゃになりながら駅前の噴水に落ちる様子が防犯カメラに映っていた。男達は水に落ちたモモイを拾い上げて別路地へと歩いて行くのが確認された。

     モモイのスマホの場所まで着いていたメンバー達は撃ち抜かれたスマホを回収してモモイの後を追うように進もうとしたところで……。

    「待って!ヘリを手配したわ!早急に向かって!」
    「了解!」

     ユウカがチャーターしたヘリにみんな乗り込む。そのまま追えばローション路地を目撃出来たのだが……。
     そんなことは露知らず一刻も早くモモイを助けなければとヘリは飛び立つのだった。

  • 14二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:19:07

    「ふぅこれでいいか」
    「ーーー!!ーーー!!!」

     声が出ない。未だに涙が止まらない。しかも腕を縛られたので涙は垂れ流し、ローションが服の内側まで入っていて気持ち悪い。水も浴びてて少し寒い。

    「これからどうする」
    「どうするも何も…とりあえず戻らねぇと。金も物も置いたままだ」
    「クソが」
    「まぁまて。こいつミレニアムだろう。人質にして身代金要求しようぜ」
    「あぁ……あそこは色んなもの開発してるらしいからな金はたんまり持ってるだろ」
    「そういうことだ。物資の中に服がないか探すぞ」

     そんな会話が聞こえてきたがモモイはモモイでやばい状況になっていた。
     (やばい……上着の中で爆弾したローションが股に垂れてきた)
     非常に気持ち悪い。上着の中で爆発したローションが洗い流されずに水と混ざって股辺りに垂れてきたのだ。
     しかも少しお腹の熱で温められてぬるくて気持ち悪い。

    「ーー!ーー!!!」

     男達になんと言われようとちょっと流石に気持ち悪かったので何とかしてもらおうと声を出そうとするが声が出ない。
     男達も声ががっすがすになっているし咳き込んだりしているので多分ガスの影響。近くでしかも結構吸い込んだせいで声を出そうとするとむせる。
     しかも……。

     (トイレ行きたいぃぃぃ!!!)

     水の中に入ったこともあって膀胱が悲鳴をあげ始めていた。直ぐに漏れる事はないがこのままでは乙女としての何かを失いかねない。

  • 15二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:20:49

     何とか男達を説得させてトイレをしなければ……。
     目の痛み、もみくちゃにされて乱れた服、水を浴びて寒く震える身体。垂れてくるローション。トイレ。

     何とか言い訳や解決策を考えようとしたがキャパがオーバーしている。現実逃避をしながら涙を流すのだった。

  • 16二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:21:14

    「ユウカごめんね。いつもありがとう」
    が別れの言葉と誤解されるやつだな

  • 17二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:22:04

    「見つけました。赤外線カメラで中に人を発見」
    「こちらも狙撃ポイントについた」
    「モモイの場所は?」
    「問題なし。今は犯人と距離があり好機かと」
    「行くぞ。ウチに喧嘩ふっかけた事後悔させてやれ」

     モモイは二階に捕らえられており、男達は一階で動いているのを確認。ネルの指示で一斉に突撃。モモイ救助活動が始まった。

    「なっ?!」
    「なんだコイツら!!」
    「余った武器全部使え!!」

     銃弾の嵐。しかし一人、また一人とC&Cのメンバーに打ち倒されていく。それは素早く、的確に。

    「クソがっ!!これでも喰らえ!」

     と投げつけられたのは手榴弾。一つ二つでは無い。箱に入った手榴弾がそのまま投げられた。それを男は撃ち抜く。耳をつんざくほどの大きな爆発。
     やったかと顔を上げた時、そこにはメイド服が写っていた。

  • 18二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:24:58

    >>17

    このゴロツキ全員ローション塗れなのなんかのギャグでしょコレ(

  • 19二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:29:01

     下で何か発砲音が聞こえる。なんだなんだ?仲間割れか?もしかして逃げるチャンスか?
     しかしトイレを我慢しすぎて動きたくもない。びしょ濡れ、震える体、ローションでお尻が滑る。
     立ち上がることすら困難の為逃走は諦める他なかった。願わくば下の音が味方のものである事を願うばかりだ。

     すると地響きに似た振動が聞こえる。身体が跳ねる。そしてお尻にまで垂れたローションは摩擦を奪って後ろに倒れ込む。

     (あっ……)

     唐突の衝撃。イメージとしては貯めたダムの放水。終わった。仮に下のが味方ならもう終わりだ。
     願わくばただの仲間割れであってくれと願う他なかった。そしてダムの放流が終わると少しでも移動して悟られないようにしようと身体を丸めて芋虫のように端っこへ移動するのであった……。その時上着のポケットからネクタイの箱が落ちてきた。ローションまみれだが……一応お金かかってるし持っておくかと後ろ手で何とか拾い部屋の隅まで退避するのだった。

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:41:24

    「クリア!!」
    「モモイは二階ね!!」
    「待ってくださいユウカちゃん!」

     ユウカとノアに続いてゲーム開発部メンバーも二階へ行く。みんなの思いは一つ。モモイどうか無事で。
     もしかしたら怖くて半べそになってるかもしれない。攫われた時に怪我とかしてるかもしれない。早く早くと階段を駆け上がり二階の扉をぶち破る。

    「モモイ大丈夫?!モモ………………ィ」
    「ユウカちゃん落ち着いて…………くださ………………い」

     そのにいたモモイに二人は言葉を失う。その時気絶しそうな思考を現実に戻したのは後ろから走ってくる音が聞こえたからだ。
     二人は咄嗟に後ろのメンバーの前に出て言う。

    「見ちゃダメ!!!」

     半ばタックルするような勢いで止められたミドリ、ユズ、アリスは困惑する。ユウカはなんで?と言う彼女達に何と声をかけたらいいか分からず涙がこぼれる。何と言えばいいのか……。下唇を強く強く噛む。
     ノアも平然を装い何とかみんなを止めようとしているがその顔は血の気が引いてただでさえ白い顔がより白くなっている。

     二人が見たもの。服ははだけて泣いているモモイ。これだけで何があったのか明白。だがそれだけなら暴れた時に服が乱れただけと思える。しかしモモイのいる場所、少し離れた場所。そこには何かが行われたであろう水とは違う粘液。水溜まりのような物もある。

     いつも元気な彼女からは想像もつかないような弱った姿。その光景を思い出すと涙が溢れて止まらない。

  • 21二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:01:50

    このあにまんにおいて、モモイの勘違いもの…そしてこの話の流れ……なんとなくスレ主が何を見たのか想像つくが、こちらもこちらで中々いい地獄

  • 22二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:03:18

    あのスレ見てからモモイの事知りたくなってブルアカ始めたとか他にも魅力的な生徒が沢山いて、ストーリにどハマりしたとか全然ないですから
    まだ片足突っ込んだくらいで耐えてますから

  • 23二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:04:00

    「おい!どうした」

     どうしようと思っているとネル先輩達がやってきた。犯人達はウタハ先輩の犯人捕獲マシーンで全員捕獲し護送中との事だった。
     ネルはユウカやノアの様子がおかしいことに気が付き何があったと声をかけたが二人のは何かおかしい。ただ目線で部屋の方を向いていたのでそちらを覗くと。

    「リーダー何があっ……」
    「見るんじゃねぇ!!!」

     走って合流するC&Cのメンバー。怒号が響く。全員が止まる。一つの声も仕草も出してはいけないようなそんな雰囲気に圧倒された。
     ネルは素早く人を分けた。ゲーム開発部はカリンやアカネに任せてここを離れるように伝える。

     ユウカもノアも茫然自失のような状態だったので下がらせようと思ったが

    「モモイ……」

     とユウカはふらふらと部屋の中へと入っていった。止めようと声をかけたが大丈夫です……と言ったので止めれないと判断して中へ入る。
     ノアも青ざめた顔で部屋の中に入る。

     全員が息を飲んだ。泣き腫らした顔。瞼は殆ど閉じられて、目には生気がない。横向きに倒れている彼女の股からは白い粘液が垂れている。そして今もずっと泣いている。
     全身には白い粘液が付着していた。

  • 24二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:04:42

    ユウカは駆け寄り自分の上着を彼女に被せる。

    「モモイ……!モモイ!!しっかり!!」
    「……ゥ……カ…………」
    「モモイ?」
    「…………」

     モモイは何か言おうと口をパクパクと動かしている。声が……。と思っていると。

    「モモイさんお水飲みますか?」

     ノアが震える手で水を差し出すとコクンと頷いた。ユウカが支えながら水を飲ませる。その間も彼女の身体はずっと震えていた。

    「腕縛られてんな。待ってろ」

     とネルは腕のロープを切る。その時にモモイの手からボロボロで潰れた箱のようなものが落ちた。なんだと拾い上げネルは言葉を失う。

    「……いで……」

     その細い声は誰だとネルもノアもユウカもモモイの方を向いた。喋れるように……と少し安堵した後に聞こえてきたのは……。

    「見な……いで……ヤダ…………グズッ……見な……うぅ……」

     と号泣しながらユウカの上着で顔を隠す彼女だった。

  • 25二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:05:24

    日付変わるまでには書き上げます
    ご飯食べてきます

  • 26二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:06:34

    ああ、水たまりが…そういう…

  • 27二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:11:22

    似てるって言うかパク(ry

  • 28二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:12:31

    >>27

    大丈夫だ。元スレのスレ主はネタ使ってのifルート書いても良いよって言ってたし

  • 29二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:18:02

    どうであれ見る側は何でも楽しんだもん勝ち

  • 30二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:37:55

     (おしまいだ。さらば私の学園生活)

     モモイはやっと来た助けに安堵したと同時に絶望した。漏らした姿を目撃された。催涙ガスの影響のせいで目は殆ど開かない。声も出にくい。水を飲んだら少しだけ話せるようになった。

     だけどやはり声は出にくい上に泣いてることもあって……見ないでと言う他なかった。

     それに寒いし、ローションのせいで気持ち悪い。精神的にも肉体的にもかなりの限界が来ていた。
     (ミドリ……こんなお姉ちゃんでもお姉ちゃんとして許してくれる?)
     と燃え尽きたかのような面持ちであった。何もかも諦めた絶望顔……。ネル先輩がロープを切ってくれたがもうネクタイもいいや……。後日また買おう……。その元気があればだけど……。フフフフフ……。

     必死に顔を隠していたがユウカが少しこじ開けて濡らしたハンカチを目に当ててくれる。ひんやりしていて泣き腫らした目には気持ちよかった。
     ハンカチを自分で抑えながらほんとにこれからどうしようとさめざめと泣く他ない。
     ユウカからの上着も水気が移って段々と冷たくなってくるし。これが罰か……フッ……。もうどうにでもなれ……。と諦めた。

  • 31二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:40:25

    三人は顔を見合わせる。なんて言葉をかけたらいいのかも分からない。けれどネルが一言。

    「何はともあれまずは病院だろう」

     それでやっと動き始めた。モモイを抱えようとした時にネルが抱えると言った。ユウカはネルにモモイを渡す時。

    「お前の名前が入ってる。ずっと持ってたみたいだ。後は任せとけ。ノアはユウカのそばにいろ」

     ネルはボロボロの箱をユウカに渡す。ネルはモモイを抱えて外へと走る。

  • 32二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:41:15

    ユウカとノアは渡されたそれを見た。包装されていたであろうそれは水気などでボロボロになっており、箱は潰れて殆ど原型がない。
     ただ箱の表面にユウカ様と書かれた紙が見えた。

     それを取り出すとメッセージカードだった。
    「ユウカごめんね。いつもありがとう」
     溢れる涙で前が見えない。ノアも片手で叫び出したくなる口を抑えるが涙が溢れているようだ。
     なるべく優しく包装を取り中を開けるとそこには青色のネクタイがあった。

     自分が悲惨な目に合いながらもずっとずっと持っていたのだろう。そう考えた時にはそのネクタイを抱きしめて膝から崩れ落ちた。
     ノアも横から抱きしめて二人で泣く。

    「モモイ……ごめっ……ごめんなさい……私がっ……私のせいで……!!!」
    「ユウカちゃん……そんなことないです……」
    「私があの時……大人気ないこと…………しなかったら…………ああああああああぁぁぁ!!!!」

     二人はエンジニア部が来るまでの間ずっとずっと泣いていた。エンジニア部も部屋の惨状を見ると察して二人を外へと連れ出すのだった。

  • 33二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:15:45

    病院に入院となったモモイは面会謝絶が取られた。精神的影響を鑑みての事だった。ただモモイは。

     (ガス吸い込んで声が出ないだけでここまで大事になるとは……)

     と思いはしたが声から察するにネル、ユウカ、ノアには漏らしたであろう現場を見られたのだ。それを思い出すだけで涙が出てくるほど恥ずかしかった。


     捕まった犯人達はヴァルキューレに送られた。送られた犯人達は余程怖い思いをしたのだろう。自分たちの所属、何をしていたか、手を貸している仲間、諸々の話を聞いてもいないのに話し出した。

     結論を言うと普段出回らない違法な武器を取引しているグループだった。本来ならかなりの時間をかけて捜査が行われるハズなのだがミレニアムがヴァルキューレに手を貸して一週間しない内に壊滅した。
     もちろん一人も逃げきれたやつなど居ない。

  • 34二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:17:21

     退院してから分かった。私はあの男共から酷い扱いをされているのだと。ウタハ先輩が何となくお通夜なミレニアムの雰囲気になってると私が疑問視している事を察してか話をしてくれた。
     ミドリも退院したのに元気がなくずっと泣いてばかりだし、ゲーム開発部に行って遊んでもみんな様子を伺ってくるし。

     ウタハ先輩はあの爆弾くれたから知ってるはずと事情を話しても……「いや私がもっとモモイが危ない時に助けてくれるアイテムを作れていたら……。すまないな。泣きたいのはモモイだろうに。私を気遣う必要はない。今は自分のことを大切にな」
     と言われてしまった。

     モモイはその後みんなからほぼ同じ反応をされた。みんなに心配をかけまいと笑顔を振りまく少女。と思われて時には……。
    「モモイさんもういいですから……。もうそんなに気丈に振る舞わなくてもいいんです」
     とノアに抱きしめられてしまった。
     そしてユウカならと部屋に行くと今までの彼女の姿はなくモモイを見るなり……。

    「ごめんね……ごめんね……もう怒らないから……」

     と抱きしめてずっと謝られる。
     そしてミレニアム学園が復活したのは一ヶ月懇切丁寧に自分が悪い、あれは誤解だ、本当に元気、と話し回って何とか元通りの形になった。
     しかしユウカはまだ立ち直れて居ないようでゲーム開発部は暫く他のメンバーに任せてずっとユウカのそばにいるようにしている。

  • 35二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:19:53

     ユウカはモモイが居なくなるとキョロキョロと辺りを見回して酷い時は泣き出してしまう程。トイレに行っていたらユウカが泣いてると言うのはかなり驚いた。
     弱々しく泣くユウカをそっと抱きしめて大丈夫だよ。そばに居るよと声を掛け続ける。これじゃ私の方がお姉ちゃんみたいじゃないかと思いながらも自業自得かと空を仰ぐのであった。でもこれは私が求めてるユウカじゃない

  • 36二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:20:26

    「ユウカ!しっかりしなさい!!」
    「えっ」
    「私みたいなのに怒られるなんてこのキヴォトスじゃ恥ずかしい事なんだよ!!」
    「……」
    「私が知ってるユウカはもっと私に怒って、ゲーム開発部の進捗聞いて呆れて、部屋の様子みて怒って、それでも最後は笑って見てくれるのがユウカでしょ!!」
    「……」
    「計算ばっかりで部の予算増やしてくれなくて!ガミガミと頼んでない事で怒って!太ももの事指摘したら怒るのがユウカじゃん……グズッ……」
    「…………」

     呆気に取られるユウカの顔をじっと見つめる。涙で視界がぼやける。そうだ。ユウカに元気になって欲しい。方法も分からない私が出来るのはユウカがしてくれたみたいにユウカを怒る。見限らず、相手の事を想って怒る。

    「だから……だがらァ……ユウカ……また怒ってよ…………ユウカと言い合い出来ないのつまんないよ……ヒック……」
    「………………フフッ」
    「ユウカ……?」
    「まさかモモイに怒られるなんてね……」
    「グズッ……そうだよ。私に怒られるなんてどうかしてるよ!私は……私は元気なユウカが好きなんだから」
    「出来れば怒らせないでもらいたいんだけど?」
    「うっ……それは……その………………善処します」
    「冗談よ……また何時でも怒ってあげる」

     そう言ってユウカは立ち上がって伸びをする。モモイお腹空かない?と言ってきた。実は腹ぺこなのを我慢していた。
    「減った!」
    「なら行きましょ。せっかくだしゲーム開発部のみんな誘って行きましょ」
    「うん!そうそうみんなまだお通夜みたいな雰囲気出してるからユウカからも言ってやってよ」
    「いや無理あるわよ。でもそうねモモイが頑張ってるのに私が落ち込んでる訳にはいかないものね」
    「ん?」
    「ほら早くしないと置いていくわよ」

     盛大に何か誤解されてる気がするが。それよりもユウカが久しぶりに笑顔でこっちを見てくれている事の方が嬉しくてそのまま聞き流してしまった。
     そうそう私の日常はこうでなくちゃと歩き始めるのだった。

  • 37二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:21:32

    以上完結です
    読んで下さった皆様ありがとうございます
    拙い文や設定、口調がおかしい所あったかもしれませんが温かい目で見てもらえると幸いです

  • 38二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:29:13

    ひとくちモモイ、美味しかった

  • 39二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 07:49:21

    次は先生主体の何か書こうかなと思ってるので見かけたら覗いてやってください

  • 40二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:35:04

    ユウモモは尊い
    ユウモモは世界を救う
    ユウモモ永遠であれ

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