- 1スレ主24/12/20(金) 20:00:39
- 2スレ主24/12/20(金) 20:01:36
- 3二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:07:14
- 4スレ主24/12/20(金) 20:09:03
- 5二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:11:50
我牙雷スレ!!我牙雷スレじゃないか!!
- 6スレ主24/12/20(金) 20:16:29
- 7スレ主24/12/20(金) 20:18:01
ープロローグー
一歩引いて支えてくれる人が好きだった。
そう言えば、『亭主関白かよ!』なんて言ってくる奴もいたけど、そうじゃねぇ。
前は俺に任せてほしい。
もし、自分がつまづくことがあったら、後ろから俺を支えて欲しいから。
でも、そんな俺を狂わせる存在と、このブルーロックで出会った。
いや、出会ってしまった。
俺を狂わせた存在。
それは、ブルーロックの守護神としてしられる男、“我牙丸吟”だった。
一歩引いて支えてくれるなんてことはねぇし、俺が世話を焼いてやることの方が断然多い。
挙句に飯を手で食う野生児ときたもんだ。
いったい俺は、どこで間違えたのだろうか。 - 8二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:20:58
このスレ見て雷市発狂してそうとか思っちゃった自分は絶対BLの見過ぎだな…
我牙丸さんのこと好きな(自分にとっては)新鮮な雷市いいね - 9スレ主24/12/20(金) 20:25:52
この想いを気づかれてはいけない。
気づかれてしまえば、あいつは離れてしまうのではないかという考えが消えないから。
かと言って、避け続ければ怪しまれる。
そして何より、我牙丸の眼中に入れないのは、俺が嫌だ。
こんなことを思ってしまうのは正直悔しい。
なんで俺様があんな野生児相手にこんな感情持たねーといけねぇんだクソッ!!
つまりは、避けていると気づかれない程度の距離を保ちつつ、“我牙丸に惚れる前まで”の接し方をしていればいい、ということになる。
そんなことを考えていたから、つい焦っちまったんだろうか。 - 10二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:30:13
- 11スレ主24/12/20(金) 20:39:03
いつものように『シネ』だの『コロスゾ』だの、到底好きな奴に向ける言葉じゃねぇことを吐き捨てた。
“いつもは”『はーい』とかテキトーに返事をしてた我牙丸は、ムッと眉間に皺を寄せながらこう言った。
「なんか雷市、最近、俺に辛辣。俺、ここ来てから雷市とずっと一緒だけど、最近の雷市わかんねー。俺のこと嫌いになったのか?」
いつもと違って饒舌な我牙丸に、俺は戸惑った。
戸惑って、言っちゃいけねぇことを無意識に口にしてた。
「はぁ? 俺ぁテメェなんか嫌いだ馬鹿が! チョーシ乗ってんじゃねぇ!」
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
血の気が弾くのを感じ、恐る恐る我牙丸の顔を見る。
すると我牙丸は、顰めっ面を解き、そっぽを向いて
「………俺だって、そんなこと言う雷市、嫌いだ」
と、言い放った。 - 12二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:43:42
今キャーキャー言ってる めっちゃ好きです
- 13二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 20:45:24
あにまんのせいで無遠慮に迫る我牙丸さんに悲鳴あげながら逃げる雷市のイメージしかないから急いでpixivで我牙雷見まくってきた
このスレ好きです - 14スレ主24/12/20(金) 20:48:41
- 15スレ主24/12/20(金) 20:51:40
それから誰と何を話したか、どうやって部屋に戻って来たのか、よく覚えていない。
ただ、ただ、胸が痛かった。
『俺だって、そんなこと言う雷市、嫌いだ』
頭の中で我牙丸の声が響く。
「あ……ぁ………」
これほどまでに、他人の言葉で心を痛めたことがあっただろうか。
失敗した。あの時素直にそんなことねーって言っていれば。あいつを傷つけるようなことを言わなければ。こんな可愛げのかけらもない性格でなければ。
そもそも、あいつを好きにならなければ。
後から後から、後悔が胸を駆け巡って止まらない。
俺はいったい、どこから間違えたのだろうか。
さっきの会話か、それとも最初からか。
「……好きになんか、ならなきゃ良かった」
失恋というのは、こんなにも辛いことだったなんて、知らなかった。知りたくなかった。
かつて、自分に告白してきた同級生を思い出す。
あの女子も、こんな気持ちだったのだろうか。
だとしたら、もうこんな思いなんて忘れ去ってしまっていればいいな、なんて考える。
きっと俺は、もう無理だから。 - 16スレ主24/12/20(金) 20:58:11
我牙丸の視界に入るのが怖い。
目が合えば逸らされるのだろうかとか、今まで見たことないような冷たい目で見られるのかとか、そもそも目を合わせてくれさえしないのか、なんて考えがぐるぐる回る。
わかってる。あいつは簡単に誰かを嫌いになったりなんかしない、冷たくすることもないって。でも、俺が、怖いんだ。
あいつは何一つ悪くない。俺が悪い。
『嫌い』なんて思ってもないことを言った俺が、あいつを好きになった俺が、全部悪い。
「あー……どうすっかなぁ……」
運悪く、あいつとは同部屋だ。
イガグリや清羅、音留もいるとは言え、やっぱりキツイものがある。
あーー部屋割りを教えられたときに喜んだ自分をボコボコにしてやりてぇ。
これ以上あいつを傷つけて、嫌われるのが、怖い。
「……ぁ」
ならばもう、どうしようもないほど嫌われてしまえばいいんじゃないか。
嫌われれば我牙丸から俺に近づくことはなくなるだろう。
そうすれば、俺があいつを傷つけることはなくなるんじゃ、ないか?
なら、もう、いいんじゃないか。
すきになったおれが、わるいんだから。 - 17スレ主24/12/20(金) 21:13:34
そうと決まれば明日からやってやる。
キリキリと痛む胸に気づかないフリをしながら、俺は目を閉じた。
朝。いつもよりも早く目が覚めた。
こんなに寝起きがいいのはいつぶりだろうか。
ちらりと隣のベッドを盗み見る。
「……ふはっ、間抜け面」
愛おしいと、一つ上の男に抱くとは思えないような感情が頭を過ぎる。
あぁ、だいぶ頭ぁイカれちまってんな、俺。
キリキリと痛む胸を上から押さえつけて、蓋をする。
これを最後に、俺は“これ”を永遠に眠らせる。
だから、この一瞬だけ、コイツに恋する俺を、許してほしい。
「……うっし!」
小声で気合を入れ、ベッドから降りる。
我牙丸の視界に入る前に、とっとと練習しに行くか。本番はそっからだ。
昨日よりも幾分か軽い足取りで食堂に向かう。
「あ、雷市くんおはよう。いつもより早いね」
「テメーがいつも早すぎなんだよ」
「早寝早起きは基本だからね」
雪宮は毎朝決まった時間に起きて決まった時間に寝てっから健康体そのものらしく、その話を聞いた我牙丸が共感して…
「……なんだか今日は元気ないね」
「あ? どう見たらそうなんだ。俺ぁ毎日元気すぎて親が困るくらいだわ」
「ふーん…そっか」 - 18二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:14:33
綺麗な雪宮じゃないか
- 19二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:19:44
- 20スレ主24/12/20(金) 21:28:01
これ書いてて思ったんだけど、雷市ってすごく可愛い性格してるよね、好き
- 21スレ主24/12/20(金) 21:28:41
何かあったら言いなよ、と言って雪宮は食堂から去って行った。
一体なんだったんだ? 元気がない?
ンなワケねーよな、いつもの俺だよな……
雪宮の発言は一旦忘れて、とりあえず朝食を食べる。
「……?」
いつものように喉を通らない。
関係ねぇよな、ただ今日調子が悪いだけ、だよな。
そろそろ食堂の人口が多くなる時間だ。
もちろん、あいつも例外じゃねぇ。
とことん嫌われてやる……けど、怖くないわけじゃねぇ。
あいつがいつもより遅く起きることを願いながら、口に飯を運ぶ。
あいつは起きるのがそんなに得意じゃねぇから、俺が起こしてやってた。
俺も、朝は得意じゃねぇ。
でも、あいつのためならまあいいか、なんてらしくねーこと考えちまって、気がついたら毎日やってた。恋って怖えな、人を変える。
なんとか胃に全て流し込み、食器を返す。
練習して体を使ったら、腹が減って普通に昼食・夕食を食べれるはずだ。
食堂を出ようとしたとき、さっきの願いも虚しく我牙丸とすれ違った。
「あ……待って、らーーー」
我牙丸の低い声は、食堂にいる奴らの声にかき消され、俺の耳に届くことはなかった。
誰かを呼び止めようとしたのだろうか。
まあ、俺には関係ないことだが。
できるだけ早く、それでいて不自然にならないように足を動かす。
あいつに呼び止められる奴が羨ましいな、なんてことを考えながら。 - 22スレ主24/12/20(金) 21:35:01
「なんか雷市、今日めっちゃ調子いいな!」
「ね。なんか身軽になったみたいやなぁ」
「ハッ! 今まではテメーらばっか目立ってたかもしれねーが、こっからは俺の時代だ! せいぜい置いていかれねーようにしろよ!」
「いや、雷市くんも十分目立っとったと思うよ」
「嫌味か?? 嫌味なんか??」
我牙丸への想いを仕舞い、何もかも吹っ切ろうとしている俺は、それはもう絶好調だった。
見たか野生児!
てかお前、朝フツーに起きれんのかよ俺が起こしてやってたときは全然起きなかったくせにこの野郎!
「…にしても、我牙丸くん今日静かやない?」
ドクン、と心臓が大きく鼓動する。
「え? あー…言われてみれば確かに」
「いつも静かだけど、今日は特にだな。静か静か」
「雷市くん、なんでかわかる?」
キリキリと胸が痛む。
俺が知るわけないだろ、だって、あいつはいつだって静かだ。
昨日だって、あんな我牙丸は初めて見た。
「はっ……俺が、知るわけ……」
「そっか。雷市くんがわからんならわらかんなぁ」
「ンで……」
「え? だって雷市くんーーー
我牙丸くんと仲良えやん」 - 23二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:36:30
我牙丸の寝顔見て微笑む雷市控えめに言ってすごく可愛い
- 24二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:38:13
- 25スレ主24/12/20(金) 21:47:10
仲が良いのか、俺たちは。
他人からみたら、仲が良いように見えていたのか。
いくら仲が良いっつったって、他人の気持ちがわかるなんてことはそうない。
そんなの、鰐間兄弟くらいだろう。
けど、そう見えてたのか、俺たちは。
喜ぶな。それは昨日捨てたろはずだろーが。
潔が号令をかけ、練習が再開する。
チラリとゴール前を見る。
すると、何故かこちらを見ていた我牙丸と目が合った。
「……ッ!」
急いで目を逸らす。
ダメだ、もうそっちを見るのはダメだ。
雑念を振り払い、プレーに集中する。
問題は、練習が終わった後だった。
ドイツ棟ブルーロックメンバーでの練習が一通り終わり、各々自主練タイムへ移った。
俺はどうするか…帰るか? いや、スタメンを維持するには練習しねーと…
またぐるぐる考えながら歩き始めたとき、腕を掴まれた。
「待って、雷市」
俺の好きな奴の、俺の好きな、低い声。
「………は」 - 26スレ主24/12/20(金) 22:02:28
我牙丸に、呼び止められた。
なんで、我牙丸が、俺を……
「話したいことあって、朝も食堂で見かけたから呼び止めようとしたんだ。けど、らいち聞こえてないみたいだったから」
「っ俺は話したいことなんか……」
「雷市、昨日は言いすぎてごめん」
我牙丸の言葉に、頭が真っ白になる。
我牙丸が、俺に、“ごめん”って…?
「俺、なんでかわかんねーけど、雷市に‘嫌い’って言われてショックで…」
話が全く頭に入って来ない。
やめてくれ、そんな真っ直ぐな目で俺を見ないでくれ。
「らいち?」
「っ…ンだよ」
「本当にごめん。俺、“心にもねーこと言っちまって”」
その言葉を聞いて、頭が真っ白になった。
そうだ、俺も言っちまえばいいんだ、『悪かった。俺も心にもねぇこと言っちまった』って。
でも人間、頭で考えるよりも先に口が動いちまうんだな。
「……ハッ、何言ってんだ。本気だったろ?」
「雷市、何言って、」
「本当に思ってもねーなら、口に出ねーよ」 - 27スレ主24/12/20(金) 22:03:49
今日は一旦ここまでで。
スレ主は明日早いので寝ます。
おやすみなさい、良い夢を。 - 28二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:05:05
休日のお楽しみになりました
- 29二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:08:56
読んでいて楽しかったです。おやすみなさい!
- 30二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:51:28
やばい尊い…