- 1二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:45:42
- 2二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:53:09
でたわね発表水龍
- 3二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 22:55:42
猫ちゃん(綺良々 キャラクターストーリー1)
『綺良々はまるで不思議な魔法を見ているかのように、目をまん丸にしてその全てを眺めていた』
『人間社会への憧れが小さな蝶のように彼女の心に飛び込んで来たのは、恐らくその時だろう。』
(解説)
綺良々殿のキャラクターストーリーは原神における妖怪という存在を詳しく描いているものだ。
今では稲妻の運送屋で働いている猫又の彼女だが、かつては名もなき小さな野良猫だったらしい。
そんな彼女のキャラクターストーリーには、ヒトの姿を得てから元気に仕事へ励む彼女と、
まだ野良だった小さな彼女がヒトと関わりを持っていく姿が記されている。
評判の良い運び屋として快活な姿を描いたストーリー、
「千織屋」の店主である彼女と綺良々が知り合う過程を描いたストーリー、
いずれも私は好んでいるが、中でも好んでいるのがキャラクターストーリー・1である。
猫……獣たちは火を嫌っている一方で、暖かな熱に吸い寄せられる不思議な習性を持っている。
このキャラクターストーリーでは、人間たちが示す暖かさに惹かれた綺良々に訪れる「出会い」が描かれていた。
子猫であった彼女が、こっそりと忍び込んだ人家。そこで出会った家主との交流。
野生に暮らした猫の綺良々は、人間の優しさに触れていくことで猫又へと成長した。
彼女が他人へ分け与える暖かさの源泉を、優しく描いたこのストーリーを私もまた愛している。 - 4二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:05:08
うさぎさん(カチーナ キャラクターストーリー2)
『カチーナが「帰火聖夜の巡礼」で何度も失敗した時、一緒に成長してきた仲間たちは容赦なく彼女を遠ざけ、嘲笑すらした』
『しかし、鋭い棘に覆われたユーちゃんは、いつでもカチーナに寄り添った。ユーちゃんとカチーナの絆が揺らぐことは無かった』
(解説)
旅人。君たちは、ナタの国のストーリーに登場した「ユーちゃん」というキャラクターを覚えているか?
「ユーちゃん」は魔神任務でほんの少しだけ姿を見せたテペトル仔竜の名前である。
カチーナの家族として紹介されたこの竜と、彼女の出会いを描いているのが上記のキャラクターストーリーだ。
カチーナ殿は幼い身でありながら、大きな責任を負ったことに苦しんできた人物だ。
そのような彼女にとって、言葉が分からない故に邪気のない交流を重ねられる良き友人の存在は心強いことだっただろう。
日頃の何気ないやりとりから始まり、いつのまにか「時間」というかけがえのない財産を共有し合うカチーナ殿とユーちゃん。
ただの知り合いが友人となり、友人が家族となる、彼女たちのストーリーがここにある。
ナタへ入国している旅人の諸兄はテペトル仔竜の「ちび」と交流を重ねていることだろう。
刺々しいツノとツメを有していても、丸いお腹を揺さぶっている小さな仔竜は愛らしい。
そして、彼(あるいは彼女)と様々な冒険を繰り返してきて感情移入をしてきた者もきっと少なくないはずだ。
カチーナ殿のストーリーは、彼女の誠実さと力にまつわる物語を展開していてなかなか読ませるものがある。
その中でも、小さな隣人が、カチーナ殿と身を寄せ合う絵を想像させてくれる……このストーリーを私はよく思っている。 - 5二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:16:54
ライオンさん (ディシア 獅子の物語)
『幼い頃の記憶を思い返すたび、ディシアはふいに目を輝かせる…まるで夜のキャンプに燃えていた、あの焚き火のように』
『彼女は真の獅子となり、クセラの語った物語は、彼女の中で生き続けるのだ』
(解説)
「熾鬣の獅子」(しりょう・の・しし)という異名を有するディシア殿のストーリーには、彼女と獅子の関係性が記されている。
ゲーム中のテキストを散見する限り、テイワットにおける「獅子」は半ば空想の存在になっているようだ。
だが、四つ足で牙を持った百獣の王という特徴は語り継がれているらしい。
ディシア殿の父、クセラ殿は空想の物語を演じることが好きな人物であった。
彼女の伝説任務において、彼女と父の確執が語られていたことを覚えている者も多いだろう。
それが故、ディシア殿は父親を連想させる「獅子」という言葉があまり好きではなかったようだ。
彼女のストーリーを理解する上では、この親子の確執を念頭に置く必要がある。
「獅子の物語」のストーリーに描かれているのは、ディシア殿が己の中の壁を越えていくまでの物語だ。
私は「熾鬣の獅子」という彼女の異名を好んでいたので、彼女自身がその名を少々嫌っていたのは些かの動揺を禁じ得ないところであった。
だが、ディシア殿は変わった。
他ならぬ旅人諸兄との経験を通じ、新たな仲間を増やし、また父親の秘めていた物語に触れたのだ。
過酷な砂漠に生きる彼女は、取り返しのつかないほどに苦い経験も幾度か味わったのだろう。
それでもなお、前を向いてひたむきに生きる彼女の姿は百獣の王と形容するのに相応しいほどの美しさだ。
ディシア殿の伝説任務をプレイしたことのある旅人の皆は、
彼女のキャラクターストーリー・3とこの「獅子の物語」を読んでみてほしい。それが、私の願いである。 - 6二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:32:20
獣とヒトとのハーフなやつ(煙緋 キャラクターストーリー4)
『もしかして、ずっと私に興味を持っていたの…?』
(解説)
この世に登場してから今に至るまで原神ユーザーの話題になり続ける最強のストーリー。
そう、それが煙緋殿のキャラクターストーリー・4に描かれた彼女の心の揺らぎ方だ。
法律を扱う者は、どこから見ても誤解を生じることのないよう一義的な文章を読み書きするのが通例である。
だが、一見すると杓子定規な文章の中に隠された意図を込めたり、また発見できたりするならば、これは法律家として非常に強い武器となる。
優れた法律家と名高い煙緋殿は、鋭い読解力と観察眼を有しているのだろう。
このストーリーでは、彼女の持った高い資質と職業病がもたらす喜劇をコミカルに描いてくれている。
仙獣の血と人知を超えた特徴を持ちながら、人の世に交わって自在に暮らす彼女は璃月において無二の存在だ。
そんな彼女が育ったルーツと、璃月社会との交わり方を書いたキャラクターストーリーはどこをとっても面白い。
そう。煙緋殿は一見すると小難しい話し方に慣れた堅い世界の人物なのだが、
自由闊達で硬軟自在な考え方もすることのできる「人間らしい仙人」なのだ。
優秀で人間らしい彼女だからこそ、深読みをして思わぬ罠にはまってしまう。
明朗快活新進気鋭、博覧強記に才気煥発を誇る彼女が楽しげな悩みを持っているのはとても微笑ましいものだ。
願わくば、悶々として眠れていない煙緋殿を壁になって眺めたい。彼女を見ながら味わう名水は、きっと美味しいだろう。 - 7二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:45:08
正式名称が分からない仙獣の子も
好き好き大好き 好き好き大好き
(余談)
煙緋殿にはツノや鱗が生えていることを旅人諸兄はご存知だろうか。
海の生き物や爬虫類を想像させる特徴になぜかそわそわとする気持ちになるのは私だけか?
鶴が仙獣になった閑雲殿や、麒麟と人が交わり生まれた甘雨殿と異なり、彼女はなんという獣のハーフが判然としない。
そして、彼女のキャラクターストーリーでは非常に長命であることが示唆されている。
つまり煙緋殿は見た目通りの10、20代そこそこの年齢とも考えられるし、
ひょっとすると30代40代のお姉様という可能性もあるわけだ。
そしてまた、彼女は父と母とをよく慕って「お父様」などと呼んでいることがストーリーや個別ボイスからよく分かる。
知れば知るほど魅力的になる煙緋殿のストーリーには、かような情報が詰まっているため見所が多く刺激的だ。
故に、イチオシのキャラクターストーリーとして彼女の物語を紹介しようと思っていたのだ。 - 8二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:46:14
- 9二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 23:56:18
私の推し(フリーナ キャラクターストーリー1)
「だって僕は神だからね。はい、次の質問!」
(解説)
私がフォンテーヌで最も熱を傾けているスターの物語を紹介しよう。
そう。他でもないフリーナという少女の物語だ。
彼女のキャラクターストーリー・1ではフリーナ殿の持つ二面性が記されている。
他人の人生が懸かっている裁判すらも嘲り笑い、
傍若無人で文字通りに傲慢な神の如く振る舞う彼女が玄妙な空気を纏う際のエピソードだ。
フリーナ殿は500年の長きにわたってフォンテーヌの民に愛され、
彼女もまた求められるパフォーマンスで応え続けたテイワットに誇るべき水神の少女だ。
その彼女が「神」としての振る舞いを止め、他の誰でもない「役」を演じる時のストーリーが描かれている。
芸術に疎いこの私でも、彼女の演技が真に迫り、しかも実に多彩な顔を持っていることに驚かされた。
日頃のギャップに戸惑う観衆たちは例外なく彼女に魅せられ、そして疑問を持つのだそうだ。
『あなたが練習しているところを見たことがないのですが、神であるあなたはなぜそんなに演技がお上手なのでしょうか?』
このような質問をぶつけられた彼女が何と答えたか──その台詞が好きだったから、私は彼女の物語を愛せている。 - 10二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:09:47
お父様(召使・アルレッキーノ キャラクターストーリー2)
「これは君に課せられた新たなレッスンだ──」
(解説)
アルレッキーノ殿のキャラクターストーリーは大まかに二種類に分けられる。
ひとつは、彼女と孤児院『ハウスオブハース』に生きる者たちとの関係性。
もうひとつは、彼女の身に秘められた炎の力とそれにまつわる物語だ。
私が紹介するのは、「お父様」たるアルレッキーノ殿が、
手ひどい失敗をしてしまった孤児院の子へ贈る「教育」のストーリーである。
ストーリーを要約すると、以下のような物語になる。(制限字数60字。5点満点)
「思春期の心情が災いして失敗した子どもへ、アルレッキーノは彼女の心を否定することなく失態を繰り返さないための秘訣を授けた。」
アルレッキーノ殿の教育術は見事なもので、子供たちの「仕事」に邪魔になりそうな感情をコントロールさせるため、
彼ら彼女らの心を抑圧することなく、しかし適切なプレッシャーを与えることで優しくも厳しく導こうとしているようだ。
その過程で、彼女が容姿を気にする女の子へ、次のように導いてやっているのだ。
『「お父様」は袋の中からベルベットのリボンと、宝石の嵌め込まれたピアスを取り出した。
そして、少女の髪を結び、高価なアクセサリーを着けてやった。
そして彼女の肩に手を添えて、鏡の前まで連れていった。
鏡に映る少女の、宝石を身に纏った姿はまるで高貴な薔薇のようで、
たとえ表情が不安で強張っていても、その美しさは寸分も損なわれていなかった』
この文章に目を通したとき私の心は大きく乱れ、
胸中には『性癖壊れるやろ!!!!』と怒号にも似た大きな声が響き、フォンテーヌの国中には嵐が巻き起こった。
鉄血のごとく無表情を貫きながら、子供たちのあらゆる表情に触れ、彼らの手を引いていく。
そんな「お父様」に私自身も教育を受け、お目目のバッテン模様に一生囚われていく生を送りたい。そう思わせるのに、十分なストーリーであった。 - 11二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:10:38
このレスは削除されています
- 12二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:26:37
胡堂主(胡桃 神の目)
「生を大切に、死を恐れずに。思いに従い、最善を尽くす」
(解説)
胡桃殿が神の目を手にするまでのストーリーには、今世を生きる者が死を乗り越えるまでの止揚が描かれている。
どの世界でも、どのような者でも、「時間」は絶対に平等である。
お爺ちゃんっ子であったらしい胡桃殿は幼い日に祖父に先立たれてしまっていた。
最も親しい家族と別れた胡桃殿が、それでも彼に会いたいと願い、行動していくストーリーである。
ストーリーにおいて、幼い彼女は危険も省みずに生と死の境界へ辿り着く。
その時、心ない幽霊たちが「こんなところに来ても祖父と会えるわけないだろう」と彼女をあざ笑ったという。
幽霊たちの悪態に苦しみながら、それらを振り払う胡桃殿の描写が私は結構好きである。
さて、他人の死を乗り越える過程やその方法は、個々人にとって千差万別となるだろう。
私個人の考えとして、大切であった者の死にあたっては、
必要なだけの時間をかけて事象を咀嚼し、去ってしまった者が遺してくれた言葉や事物を偲び、悼むことが重要だと思われる。
あるいは、それを無理に乗り越える必要もないのではないか。死とはそれほどに大きな出来事なのだから。
当時の胡桃殿にとって、死を乗り越えるということは生と死の境界に踏み入ることと同義だったと言えるだろう。
「ただ一度でいい。別れる前にもう一度だけ顔が見たい」
幼心に祖父を求める彼女の心は想像するに難くない。
死した祖父と会話するために彼女が行動し、出会ったのは──ある人間の魂だった。
この魂との会話を通し、胡桃殿は最愛の人の死を乗り越えていくこととなる。
そして彼女が神の目を手にするまでの物語は、私が感服してやまぬものであった。 - 13二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:39:50
読んでいるだけで幸福なやつ(シグウィン キャラクターストーリー3)
「親愛なるヌヴィレットさんへ、ウチはついに彼も知らない秘密を見つけたのよ…」
(解説)
賢明な旅人の諸兄ならば、シグウィン殿の登場するエピソード動画へ目を通していることだろう。
まだ見たことのない者は、このレスに貼り付けするので見るとよい。きっと暖かな気持ちになろう。
メロピデ要塞に暮らすシグウィン殿はしばしば私へ宛てて手紙を送ってくれている。
彼女の綴る筆跡にはシグウィン殿の優しい眼差しとメロピデ要塞の楽しい暮らしが記されており、
その文章を見ているだけで私の心は朝方の海原のように凪ぎ、とても貴重な時間を過ごしている気分になれるのだ。
彼女のキャラクターストーリー・3で見られるのはそうした手紙の一節たちだ。
このストーリーには、3人のキャラクターが登場している。
一人はシグウィン殿。もう一人は手紙を送られる私、ヌヴィレット。
そして3人目が、手紙の中に登場する『少年』──私と彼女が共通して知り合ったとある人物のことである。
今こうしてレスを書いているこの時も、彼女の物語を始めて読んだ時の気持ちが蘇ってきて実に楽しい心地がする。
微笑ましく、驚きに満ち、暖かく、揺蕩うような…この気持ちをどう喩えればよいだろう。
ストーリーの中では、何年もの時間の経過が示される。
シグウィン殿が私へ教えてくれた『少年』のストーリーが、いったいどのように展開していくか、
もう一つのキャラクターストーリーを描きながらもシグウィン殿の人柄に触れる文章に、私は尊さを感じずにはいられないのだ。
- 14二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:52:58
伝説任務では 語りきれないストーリーも
好き好き大好き 好き好き大好き
(余談)
シグウィン殿のキャラクターストーリーに重きを締める要素が、彼女が医師になるまでの物語である。
伝説任務では「メリュジーヌ先生」と呼ばれた彼女は、他ならぬメリュジーヌであるということに長い間苦しんでいた。
だが、メリュジーヌである彼女が人間とのかかわり方に苦悩するのは必然なのだ。
種が違うということは、様々な感覚へ容易には共感し得ないということになる。
同じ種の生き物ですら他者との関わりに苦労する中で、人間に寄り添おうとするシグウィン殿の苦難は想像するに余りあることだ。
彼女のストーリーにでは、そんな異種交流が時にはコミカルに、時にシリアスに描かれている。
シグウィン殿の志した医の道は、非常に過酷な道である。
人とのかかわりに悩みながら人の縁に恵まれた彼女は、容易に答えを出せぬ課題に向き合いながら、
柔らかく、優しく、一歩一歩と努力を重ねていったのだろう。
彼女目線の物語を知ることのできる伝説任務をプレイしたあと、
キャラクターストーリーを読んでいくことでこの感動は何倍にも深まっていく。
彼女の物語はまさに、人間とメリュジーヌへの愛に溢れた物語なのである。 - 15二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:54:56
- 16二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:15:32
ドリー殿(ドリー キャラクターストーリー5)
「私はあなたの最高のビジネスパートナーになりますの」
(解説)
『モラさ!モラさえあればなんでも手に入る!うまい酒!デカい家!いい傭兵!』
『人の命だって金次第だ!買えないモンなんか何もねぇ!事実だぜ 金がありゃオレの家族は死ななかった!』
…と、彼女が言ったかどうかは定かではないが、ドリー殿はとにかく金…モラにこだわる人物だ。
モラに愛されてモラに泣く。モラに愛されまたモラに笑う。
彼女のキャラクターストーリーでは、彼女とモラを巡る、時にヘビーで時に楽しげな物語が展開される。
ドリー殿のキャラクターストーリー・5では誰もが驚くあの人物が登場する。
それは、他でもない「アリス」……ゲーム内では声と著作テキスト以外で姿を見せることなく、
しかし、誰よりもミステリアスで優れた冒険者だと旅人の皆が認識しているアリスその人である。
確かにドリー殿はスメールにおいて何でもアリな人物であって驚きを与えてくれる機会が多かったのだが、
まさか彼女のチュートリアル動画でナレーションを務めたアリス殿との関係性が細かく描かれるとは思わなかった。
このサプライズにより、ドリー殿のキャラクターストーリーは水龍ポイントを3000点ほど加点されている。
アリス殿はテイワット外のいわくつきアイテムを度々仕入れてくる底知れない人物であり、
そんな彼女がドリー殿と良きパートナーであったことに驚きそして納得が湧いてくる。
何より感じ入るべきは、未だ駆け出しであったドリー殿が、成功した今になってもアリス殿へ真心を以て接しているのが描写されている点だろう。
彼女との取引はドリー殿の人生に黄金色の輝きをもたらし、彼女に新しい生き方を保証するものとなった。
黄金の神・モラクスが流した血液──モラ貨幣と、二人の資質が、ドリーという少女に血肉を与えたのである。
テイワットにおいて最高の保証力を持つモラを介して、目に見えないほど強いつながりが生まれていく。
このように、人と人の結びつきを描き出した物語は多くの人に愛されるべきものであろう。 - 17二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:15:54
本当にひたすら好きなストーリー発表ドラゴンしてて笑う
- 18二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:36:20
冒険者(ベネット 神の目)
『一枚の温かい宝珠が彼の手のひらで、冒険者の心拍に合わせて脈打っていた』
『それは世界の慈悲や運命の憐憫ではなく、彼の炎のような意志に相応しい「終点の宝物」だった』
(解説)
何となれば全てのキャラクター・ストーリーの中で一番好き……かもしれない。
他にも候補があって迷うが、少なくとも最上位に挙げることは間違いない。それがベネット殿の神の目ストーリーである。
彼のキャラクターストーリーは冒険者・ベネットの半生を語る上で必要な情報が限りなく凝縮されている。
不運に翻弄されながら奮闘する導入部。謎に満ちた生誕と冒険心に愛された生い立ち。
ともに励む冒険者や、彼の不運を心配するシスターの存在。そして、何よりも大切な家族……「オヤジたち」との思い出だ。
少し面白いのは、ゲームにおいて非常に高性能な戦闘力の背景が描写されていることだ。
ストーリーのテキスト量は他のキャラクターと比較しても多くないが、知ることができると嬉しい情報が詰まっているのである。
さて、ベネット殿は冒険者である「オヤジ」と彼の仲間である「オヤジたち」に囲まれ、育った少年だ。
「オヤジ」が亡くなる間際に話したという「終点の宝物」──この在処を巡るストーリーが、彼の神の目に関わっている。
不運とは幸運と表裏一体である。
価値のある宝物に期待するから、裏切られた時には不運と不幸を、期待が応えた時には幸運と幸福を感じるのだ。
たぐいまれな不運に見舞われ続けるベネットは、極限の冒険を繰り返す中で最悪の不運に見舞われた。
「なにもない」という直視しがたい結末は不運な彼には親しみやすいものであったが、難度の高い冒険で傷を増やし過ぎた彼は命の終わりを感じたという。
不運がもたらす終焉。死。それはまさしくこれ以上ない「終点」であった。
ここで生きてくるのが、先に語った「終点の宝物」という伏線である。
炎のようなベネット殿のストーリーを語る際に、これほど相応しい冒険の結末はないと納得できるところが好きなのだ。 - 19二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:51:40
センパイ(ファルザン キャラクターストーリー4)
『しかし、意識が混濁していたファルザンは、まだ知らなかった。真の苦難は、遺跡の外で待ち受けているということを』
(解説)
「ストーリー」……つまり物語としての面白さやメッセージ性を感じるものとして、
全ての原神キャラクターにおいて随一の魅力を有するのがファルザン先輩のキャラクターストーリーである。
まずファルザン先輩といえば美少女なのに100歳を超えた人物という造型が衝撃的であるが、
彼女の100年間を短くも十分に記したストーリーの重厚さに驚かされる。
またストーリーの導入部では、現代の教令院で奮闘している彼女の姿が描かれてとても楽しく読めるのだ。
特にキャラクターストーリー・3で判明する新事実には思わず笑った。ファルザン先輩とコレイ殿の出会いが面白おかしく描かれているのだから。
恐ろしいのは、キャラクターストーリーの4、5、そして神の目ストーリーである。
ここに記されたのは「学術」の意義──人々が互いに見識を深め合い、導き合うことの意義であり、
そして、学術を通して育まれてきたファルザン先輩の気高き精神性である。
命とは暗い闇の中に身を置いてこそ最も光り輝くものであり、私は苦境の中でも立ち上がる人間のあがきが大好きでたまらない癖(ヘキ)を持つ龍であるが、
ファルザン先輩の「100年間秘境に独り閉じ込められた」という過去は非常に暗いものであろう。
彼女のストーリーが素晴らしいのは「主人公は大きな苦難を乗り越えました。おしまい」で終わらなかったことである。
気高い知恵者であるファルザン先輩は、常人ならば狂を発して死んでも責められないほどの苦境をしのぎ、生き延びた。
そこに至るまでの思考や行動原理は涙ぐましいものであり、それだけでも名ストーリーと賞するに値するものである。
だが、彼女のストーリーを読む者はこの文に愕然とするのである。
『真の苦難は、遺跡の外で待ち受けている』
彼女を迎えた『真の苦難』はなんであったか。そして、彼女はどのように苦難を克服したか。
ファルザン先輩の背負う物語を知った時、私は彼女への畏敬を禁じ得なかった。 - 20二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:51:51
キィニチ入ってそう(偏見)
- 21二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:52:53
- 22二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:07:49
ケツまで中身が詰まったやつ(キィニチ 神の目)
『ここで力尽きるのだと、そう悟った。その時、初めてアハウの声から荘厳な響きを感じ取った』
「キィニチ、オレの力も限界だ…」
「でもよ、『クフル・アハウ』の名にかけて、××××××った後、偉大なる聖龍が──────。」
『キィニチは、普段では想像できないような大声で笑った』
(解説)
頭からケツ(導入から結末)まで中身がギッチギチに詰まってテキスト量も情報量も多すぎる。
それが、キィニチ殿のキャラクターストーリーだ。ハッキリ言って強欲すぎる。嬉しい。もっと寄越せと言いたい。
キャラクター紹介から神の目に至るまで、キィニチ殿の個別ストーリーはいずれも印象的である。
ストーリーの内容そのものが、他者から逸脱している彼の背景を描いているので衝撃を受けるものであるし、
また同時に、彼の生い立ち、人格形成からナタの戦士として独り立ちするまでのターニングポイントを的確に描いているからだ。
今こうして解説のレスを書いている間も彼の物語を読み返しているが、語るべき箇所が多すぎる。
彼の戦闘スタイルのルーツや、偉大なるインコ鳥・クフル=アハウとの出会いを描いているのもポイントが高い。水龍ポイントはストップ高になりそうだ。
そんな中で私が神の目ストーリーを推すのは、ただ一点だ。ただ一節、記された一文。
『キィニチは、普段では想像できないような大声で笑った。』
この描写一つに込められた彼の感情に心の底から共感すると同時に、
ナタに生きている彼と、こうして安穏と暮らす私自身との断絶を感じるからである。
キィニチ殿の神の目の物語は「夜神の国」で漆黒の脅威に襲われた中でのエピソードであり、どうしようもない苦境で足掻き続ける彼のどうしようもなさ。ナタの山々で育まれてきた彼の生命力と、強靭で危うい精神性が描写されたものである。
ナタという戦争の国とキィニチ殿という山に育ったキャラクター同士の設定が密に絡み合い、味わい深いストーリーを創出した。これは原神においても記念すべきエピソードの一つであろう。 - 23二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:13:03
予言者かよ
- 24二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:26:06
キャラスト1~5から 語りたいこの一文を
好き好き大好き 好き好き大好き
(余談)
「神の目」を除き、キィニチ殿のキャラクターストーリー1~5、そして幕間の『セミの静かな丘』から好きな一文をそれぞれ発表しよう。
・ストーリー1:『しばらくして、彼は父親のカギ縄を拾い上げ、硬直したその体を苦労して引きずりながら、家の方へと歩いて行った』
→この『しばらくして』の6文字が効果的なセンテンスとなっている。前段の文章と合わせて読むと、ストーリー中のキィニチ殿に共感を覚えて呆然とする心地になれるのが良い。
・ストーリー2:『小さなキィニチの考えでは、この世にタダのものなどない。値段がはっきりしているもののほうが安全で、無償の援助など警戒すべきものであった』
→「いくら払う?」というキィニチ殿のお約束なセリフを理解する上で大事な一文である。
・ストーリー3:『山々は、最も高貴なものは腹を満たしてくれるイノシシだと教えてくれた』
→衝撃的な幼少期に端を欲するキィニチ殿の実利主義が表れており、単純だがいい表現である。
・ストーリー4:「いいや、それは違う。彼は懸木の民の子供ではない。彼は山々の子であり、自分がなりたい英雄になるだけなのだ」
→ナタという国が文化・伝承を重視している国であり、他人の風評……「物語」が最も重要視される風土を有していることを加味すると、キィニチ殿の特異性がよく表現されている。
・ストーリー5:『「クフル・アハウ」と名乗る謎の生物は、キィニチの言葉に従うことに同意し、限定的に、条件付きで、節度を持って契約に従い、部分的、一時的に、その力をキィニチに貸すことになった』
→偉大なる聖龍を自称するインコ、アハウとの出会いを書いたストーリーの一文で、元素爆発テキストにも同様の解説が書かれている。
チュートリアル動画、津田健次郎殿が迫真の声で上記の一文を発した時、私は大きく笑ってしまった。
・『セミの静かな丘』:『キィニチは言葉を詰まらせたが、それでもこの作品への愛着は変わらなかった』
→キィニチ殿が、生涯で最も愛する『セミの静かな丘』なる書籍を低評価された時の反応である。
キィニチ殿でも言葉に詰まることがあるのか……かわいそ……と驚かされたと同時に、作品への愛情が漂っていて私も胸が詰まる。 - 25二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:29:04
- 26二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:32:40
- 27二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:33:37
- 28二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:35:57
乙!読みたい知りたいと思いつつそのままにしてしまうからこうしてまとめてくれてとてもありがたい
またいつか発表してくれよな!僕の推しはロサリアさんのストーリーです! - 29二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 02:51:41
水龍お疲れ〜
ガイアのキャラストーリーは全旅人が読むべきと言っても過言では無いのでよろしくな! - 30二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 08:33:24
「大きく笑ってしまった」とか「胸が詰まる」とかいちいちキャラストへのリスペクトを感じて好き
- 31二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 09:28:22
ドリーのキャラスト読んだ事無かったな
読んでみよう - 32二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 10:14:00
キィニチのキャラスト噂にはきいてたから、ほよWikiで読んでみた
すげー漫画の主人公みたいだった
俺は個人的に神の目ストーリーが好きかもしれんわ
死の描写で鳥肌たった - 33二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:12:23
- 34二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:26:09
神の目(ガイア 神の目)
『たとえそれが全力の一戦の記念、家族に本音を語った結果でも、ガイアはそれを自分への警告としか思っていない』
『そして嘘の重みを背負いながら生きていくと』
(解説)
ガイア殿が亡国カーンルイアのスパイであるということは旅人の皆にはよく知られたことだろう。
あまり知らなかった方も安心してほしい。なぜなら、ガイア殿の出自は今のところストーリーに大きく関わってはいないからだ。
重要なのは、亡びた国の出身者である彼が何かしらの使命を帯びてモンドの国を守る仕事に就いている。この事実である。
彼のストーリーでは、優秀な騎士として知られているガイア殿の型破りな様とひょうひょうとした気風が綴られている。
中には、ガイア殿の酒好きを騎士の仕事と絡めておかしく語ったものもある。
まだ読んだことのない者は、彼のキャラクターストーリー・3に目を通してみてほしい。
そうして、民を守り、モンドの国で愛されている彼の姿を綴ったところで登場するのが例の記述──ガイア殿がカーンルイア人の末裔だという設定だ。
普段はつかみどころのない人物だが、義心に篤いガイア殿が「嘘」を抱えながら生きていたことがここで判明する。
ディルック殿が20代前半とおぼしき描写があるので、ガイア殿はまだ20そこそこと言った年齢だろう。
それほど若い青年が、秘密を抱えて生きてきたことの辛さが端々に見えているのが彼のストーリーである。
クライマックスで描かれるのは、義兄弟であるディルック殿との決闘の一幕だ。
ガイア殿の抱える秘密は兄弟の関係に破綻を招き、そのために二人は道を違えることになった。
この重苦しい背景において、彼が神の目を手にするに至ったきっかけは実に特異的である。
『家族に本音を語った結果でも、ガイアはそれを自分への警告としか思っていない』
各人が神の目へ感じる思いは様々だが、彼だけがそれを十字架のように捉えている。
ガイア殿のキャラクターストーリーは、それゆえに重く、切実な物語である。 - 35二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:37:30
初期でも重さがぶち抜けたやつ(ロサリア キャラクターストーリー4)
『平和に過ごすシスターではなく、彼女が選んだのは外での狩り。彼女にとって、金色の太陽は眩しすぎたのだ』
(解説)
世界観を間違ったのではないかと言うほど陰惨な過去を持っているのがロサリア殿だ。
原神にはおおむね一国に1,2人の割合で(体感)とてつもなく哀しき過去を背負うキャラクターがおり、モンド枠が彼女である。
ロサリア殿はえっちな改造修道服を纏いながらモンドを守る妖しいダークシスターであり、
キャラクターストーリーでは野放図なシスターっぷりが語られている。
モンド城のシスターたちは口うるさく彼女に構い、優しく彼女を導こうとするがロサリア殿には響いていないようなのだ。
(年上のロサリア殿を注意するバーバラ殿尊ひ……)
ロサリア殿が一向に真面目なシスターを目指さない理由。それを語ったのがキャラクターストーリー・4である。
『だが、彼女が生まれて間もない頃、盗賊が村を襲い、ロサリアはその盗賊に拾われることになる』
『盗賊に育てられた彼女は幼い頃より戦うすべを叩き込まれ、盗賊として活動しながら雑用係をし生きることになった』
……重すぎやろがい!!アホか!世界観の基準変わるやんけ!どんな秩序やねんボケカス!!
と、口汚く罵りたくもなるほど恐ろしい背景がここに綴られている。
幸いなことに、このストーリーでは西風騎士団の大団長・ファルカ殿が登場して辛い境遇のロサリア殿を救ってくれる。
だが、ロサリア殿は本当の意味で立ち直ってはいなかったのだ。
彼女にとって、モンド城を照らす白い陽射しはあまりにも眩しすぎたのだ。
他のシスターのように敬虔な祈りを持たず、
誰もが躊躇う汚れ仕事を買って出ながらモンドを守る彼女の心情にこのようなストーリーが眠っていたとは想像もしなかった。
キャラクターストーリー「教会から配られたノート」には、彼女がモンド城下で日中どのように過ごしていたかが示唆されている。
もう、書いているだけで涙が出そうな心地でさえある。彼女には、ただ幸せになってほしいものだ。 - 36二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:54:02
デートやイベントで 一緒に読むと深い話も
好き好き大好き 好き好き大好き
(余談)
旅人の諸兄は、ガイア殿と過ごすデートイベントをクリアしただろうか。
あるいは、ロサリア殿の登場したモンドの猫イベントをプレイしたご記憶はあるだろうか。
ガイア殿のデートイベントのとあるルートで、君は彼の背後に秘められた葛藤を知るだろう。
そのデートで、ガイア殿は、2つの国の板挟みになる人物を演じることになる。
生国のために恩義のある国を裏切るか?
恩義のある国を守るために生国へ背くか?
期せずしてこのような決断を迫られることになったガイア殿が、どのような演技を見せるのか。
「"そう"あらねばならぬ」と発言するガイア殿のセリフを楽しむうえで、彼のキャラクターストーリーも必読である。
また、ロサリア殿はモンド城下にオープンする猫カフェイベントで傷付いた野良猫を癒す役割を担っていた。
鋭い爪と軽やかな身のこなしを持ちながら、望まぬ定めに翻弄されて酷く傷つき、疑心を抱える不幸な者はこの世に決して少なくない。
このイベントでは、辛い境遇から保護されてもなお、人へ心を開けない野良猫が登場する。
誰にも懐こうとしない彼へ、ロサリア殿が語りかける言葉の全ては暖かさを感じさせるものであった。
かつての彼女は誰にも顧みられることなく不遇な過去に傷付き続けたが、
ファルカ殿に救われ、バーバラ殿や君たち旅人のような仲間たちに接したことで、彼女の心にもようやくモンドの暖かな風が吹き込んだ……と感じるのは抒情的に過ぎるだろうか。
この二人について語ったところで、私が言いたいのは次のひとことである。
「キャラクターストーリーを知っておくと楽しいよ」
ガイア殿、ロサリア殿は、初期に実装された人物ながらも衝撃的な過去と救いを感じる物語を見せてくれた。
彼らはいずれも、旅人の皆に深く愛されていることが納得できるキャラクターたちである。 - 37二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:55:14
- 38二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:19:33
相変わらず1キャラ1キャラと作品への愛をめちゃくちゃ感じるスレだったよ水龍殿
共感ポイントも多すぎる - 39二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:22:46
覗いてたまたま読んだけど
文才だと思う
言葉選びが良いし共感できるし推しのキャラストを高評価して思ってこと全部文字にされていたのが何より嬉しい…ありがとう水龍 - 40二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 00:46:52
水龍、水龍、またやって
- 41二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 00:50:59
こんだけ語って一個一個しっかり文章力あるのすごいよ水龍