【SS】ジュンウイ書いてく

  • 1二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:32:04

    タイトルとスレ画の通りです
    まったり書いていくのでよければくつろいでいってください

    エ駄氏無し、恋愛感情、濃厚なイチャラブ無しの普遍的な、お友達との友情を築いてくストーリー・・・
    になりそうな気がしています。
    スレ主は原作の味が一番好きなので関係性を大きく壊したくないので、もしかしたらミニストーリーや幕間でそういうこともあるかも・・・ くらいの温度感にしたいと思ってます。

    まぁ、そんな感じです。よろしくお願いします。

  • 2二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:33:40

    ここはトリニティの一角に佇む古書館。
    キヴォトスに誇る中央図書館とは打って変わって建物の規模は小さく、利用する人は少なく、少し埃っぽくて薄暗い。
    しかしその貯蔵品の総合的な価値はトリニティ中央図書館すべての本を合わせても引けを取らないだろう。
    そんな古書館の主、古関ウイは先ほどまでデスクで古書の復元作業をこなしていたが、今は少し休憩しようと思い、コーヒーを淹れたところだ。
    デスクの一角でコーヒーカップから湯気が立ち上り、古書館内に芳ばしい香りが満ちていく。
    作業用のチェアに深く腰かけて背もたれに体重を預けると、皮を張った椅子の背もたれが、ギュ、と音を立てる。

  • 3二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:35:22

    >>2


    コーヒーに口をつけようとしたその時、入口のドアが軋んだ音を立てながら開く。図書委員のシミコさんでも来たかな? と思い、ドアの方を振り向くと、見慣れない客人がいた。

    「お邪魔しまーす。うーん、やっぱここって図書館ではない・・・・・・わよね?」

    小さな背丈、赤い髪のツインテール、そして、ツノ。

    制服の肩にはゲヘナが誇る(誇れない)テロリスト集団『美食研究会』のワッペンが付いている。彼女はそのメンバーのひとり、赤司ジュンコである。

    「ゲ、ゲヘナがどうしてここに!?」

    ウイは思わぬ来客に狼狽える。

    ゲヘナの生徒がなぜトリニティに? しかも中央図書館ではなくこの、古書館に?

    なぜ? なぜ? なぜ? なぜ?

    疑問符が止まらない。

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:39:58

    >>3


    その疑問にはやってきたゲヘナ生の方が答えてくれた。

    「い、いや、どうしてって・・・・・・普通に読書だけど・・・・・・?」

    「ゲヘナの生徒が読書・・・・・・? あ、ありえません!!この子たちを誘拐(強盗ともいう)しに来たのでしょう!? そうに決まっています!!」

    「お、落ち着いてってば! 本当にただ読書が趣味なだけで・・・・・・!」

    「つくならもっとマシな嘘をついてください! ゲヘナ生が読書なんてするわけないじゃないですか!! 中央図書館ではなくこちらに来たのはこの子たちの価値を知っていてのことでしょう!?

    たとえゲヘナのバンディットが相手だろうと命に代えてもこの子たちは守り切って見せます!!」

    ウイは修復中であった本の前に立ちふさがる。

    その立ち居姿は覚悟のある騎士のようにも見えた。しかしその膝は少し震えている。

    (でっか・・・・・・)と、ジュンコは思った。それもそのはずで、ジュンコの身長149センチに対してウイの身長は165センチもある。

    (あと失礼なヤツ・・・・・・)とも、ジュンコは思った。ゲヘナの生徒でも読書が好きな者はいる。パッと思い浮かぶのは万魔殿の戦車長くらいであったが・・・・・・。

    「ほ、本当に本を読みに来ただけなんだってば~~! ここに入ってきたのはコーヒーの匂いがしたからっていうか・・・・・・!」

    ウイの動きがはたと止まる。

    「・・・・・・コーヒー・・・・・・?」

    「この建物の前を通り掛かったときにね、なんだか良い匂いがするなーと思ってここに入ったの!」

    ジュンコはパッと笑顔を咲かせる。ジュンコの良いところは飲食が絡むときは大体笑顔なことだ・・・・・・それを台無しにされるまでは。

  • 5二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:47:21

    とりあえず保守
    本文は今から読んでくる

  • 6二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:53:54

    >>4


    「はぁ・・・・・・もしや本当にそんなことで・・・・・・?」とウイは本を庇うために精一杯に広げた腕を下す。

    「そんなこととは何よ! 私は美食研究会の会員なの、美食の匂いには敏感なんだから! 野生のトリュフを見つけたことだってあるのよ!」

    ふふん、と得意げなジュンコに対してウイは、何とも言えない面持ちで(人間の嗅覚でトリュフを・・・・・・?)と、さらなる疑問符を増やしていた。

    「とにかく、美食研としては味わっておかないといけないって思ったの! この香り、今までに嗅いだことないし、貴重な豆か特別なブレンドなんじゃないの?」

    ウイの強張っていた肩の力が少しだけ抜ける。

    「確かに、これは私が行きつけのコーヒー店の店主にオーダーしてブレンドしてあるオリジナルですが・・・・・・。

    香りだけで分かるとは・・・・・・さすが豚並みの嗅覚を持っているだけはありますね。

    美食を探求しているというのも、お遊びというわけではないようです」

    「今豚扱いした・・・・・・?」

    「ヘァ!? い、いえそんなことは・・・・・・一杯くらいなら、淹れてもいいですけど・・・・・・」

    苦し紛れなウイの話題転換だったが、ジュンコの瞳は輝いた。

    「えっ、ホントにいいの!?」

    「・・・・・・飲んだら帰ってくださいね・・・・・・」

    お湯を沸かすために振り向いたウイの後ろでやったー、とガッツポーズするジュンコだった。

  • 7二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:55:07

    一旦ここまでにしておいて、続きは校正しながらになるのでゆっくり投稿になります。

  • 8二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:20:11

    >原作の味が一番好きなので関係性を大きく壊したくない


    でもこのカプ原作で関わりないですよね?妙だな…

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:35:00

    >>8

    うーーーーーーーん、確かに(敗北


    し、しかしナギハルやフウミカが存在している以上ジュンウイだって存在していいはずです。

    ジュンコとウイは編成上でも相性良いし・・・・・・!(精一杯の抵抗

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:44:04

    >>6


    「あ、そうだ」というジュンコの声にまだ何かあるのかと振り向く。

    「私、赤司ジュンコよ、よろしくね!」

    弾けるような笑顔につい顔を背けてしまう。

    シミコもヒナタもよく笑顔を向けてくれる友人である、ジュンコはその二人とはまた少し違っているように感じられた。

    (あの二人はもっと、手元を優しく照らしてくれる暖かい照明のような人達、ですが・・・・・・この人の笑顔は・・・・・・まだ微睡んでいるときにカーテンを開けられた時の日光のような・・・・・・否応のない明るさ・・・・・・苦手です・・・・・・!)

    「古関・・・・・・古関ウイです・・・・・・どうせ今日限りの関係でしょうから、覚えていただかなくても結構ですが」

    そう言い捨ててウイは再びコーヒーを淹れる作業に取り掛かった。

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 01:45:56

    3時頃まで書く気だったけど>8に敗北して胃の具合が悪くなってきました・・・今日は寝ます・・・・・・・

  • 12二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 08:54:01

    これはエデン条約スレ?

  • 13二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 14:38:00

    >>12

    そういうこった!

  • 14二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 14:47:14

    原作でまだ絡みないことの何が問題なのか…いつか絡むかもしれないじゃんね!
    続きを待機!

  • 15二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 14:58:04

    気にするなスレ主!
    好きに書きたいものを書く、それが自由ってものよ

  • 16二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 15:32:09

    >>14

    >>15

    ありがとうございます・・・・・・!

    とりあえず書きたいこと全部書くまでは頑張ります

  • 17二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 15:35:47

    >>10

    少し待つと、ジュンコの前にコーヒーが差し出され、淹れたてのホットコーヒーはまだ白い湯気を盛んに立てている。

    反対に、ウイのコーヒーはそうこうしている間にすこし冷めてしまったようだった。

    「いただきます」と言ってからジュンコは少し息で冷まし、そっとカップに口を付ける。

    「お、おいしい! こんなおいしいコーヒー初めて飲んだかも!」

    「そんな大袈裟な・・・・・・豆が良いだけですよ」

    「うーん、そうは思わないけど・・・・・・」

    ただ豆の良し悪しだけではない何かがあるように感じていたジュンコだったが、それはうまく言葉にできなかった。

    ここに黒館ハルナでも居てくれれば、この靄のかかった感情に適切な言葉を付けてくれるのだろう。


    ジュンコに続くようにウイもコーヒーを口に含む。やはり、彼女が言うほど特別おいしいとも感じなかった。

    「あっ!! ゴメン、私のせいでコーヒー冷めちゃったわね・・・・・・」

    「ふへ!? い、いえお構いなく・・・・・・」

    (なんだか、思ってたゲヘナの生徒のイメージとかなり違いますね・・・・・・?

    私の中のゲヘナ生はもっとガサツで自己中心的かつ欲望に忠実な乱暴者という感じだったのですが・・・・・・)

    そのイメージは全くの間違い、とも言えないのがゲヘナの良いところだ。・・・・・・良いところだろうか?

    それはそうとして、ジュンコの純真さに少し絆されたのか、ウイは最初よりかなり落ち着いた様子に変わっていて、それからはしばらく二人でコーヒーに舌鼓を打った。

  • 18二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 15:40:19

    凄く横道の話なんですけど、スレ主がこの二人のカップリングに行きついた経緯は
    2人とも趣味が読書だからです。

    ジュンコをホーム画面に置いていると趣味が読書だと教えてくれるんですよね。

    後は水着ウイでアイスコーヒー飲んでるので、うーんこれは・・・美食だね!(美食脳
    ってなってこのカップリングに・・・・・・

    決して無から繋がりを生み出したわけでも無いんです信じてください

  • 19二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:11:15

    >>17


    「あの・・・・・・そういえば、ジュ・・・・・・赤司さんはなんの本を借りるつもりだったのですか?」

    ぽそりとウイが呟く。

    純粋にこの少女が借りに来た本がどんなものか気になったのである。そのあたり、どんなに警戒していても本好きの性であろうか、あるいは、ゲヘナ生であるのに読書好きを自称する彼女が、本当に読書が好きなのかどうか、見極めたかったから・・・・・・かもしれなかった。


    「うーん、特にこれっていうのは無くて、適当に探してピンと来たやつを読んで帰ろうと思ってたの」

    「そ、それは・・・・・・あまりおすすめ出来ませんね・・・・・・中央図書館の書籍の数は膨大なので、ある程度ジャンルを絞っておかないと気になる子を見つけるまでに閉館時間になりかねません」

    「えぇっ そんなことある!?」

    「まぁ、図書館内で行方不明者が出るくらいなので・・・・・・あ、どうせ読むものが決まっていないなら、私の持っている子を貸しましょうか? 好きなジャンルがあれば、ですが」

    「え、でもコーヒー飲んだら帰れって言ってなかった?」

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのまま図書館に行かれても余計な騒ぎになりそうなので、ここで読んで帰ってもらった方がいいと思いまして」

    「そういうことなら・・・・・・?」

    ウイが数秒間たっぷりと時間を使って完璧な答えを導き出したため、ジュンコは頷くしかできなかったようだ!

    (めっちゃ考えてたな、今・・・・・・そんなにゲヘナ生がトリニティに居るのまずいのかな・・・・・・)

    「読みたいジャンルとか、持っている本で好きなモノはあるんですか?」

    ジュンコは顎に指を当てて考える。

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:21:28

    >>19


    うーん、と悩んだ後、ジュンコは記憶にある中からいくつかの本をピックアップしていく。

    「ジャンルは結構雑食というか、手あたり次第っていうか・・・・・・。

    えっと、最近読んだのは<ティファニーで朝食を>とか・・・・・・?

    <江戸川乱歩>とかも読むかな。好みとしては<ハリーポッター>よりも<ドラゴンライダー>シリーズの方が好きなんだけど・・・・・・」

    「・・・・・・<江戸川乱歩>がお好きなら、<シャーロック・ホームズ>などはどうですか?」

    ウイは本棚から一冊の本を抜き取り、顔の横に掲げて見せた。

    「あ、ホームズは読んだことあるかな、もちろん翻訳版だけどね?」

    得意そうな顔のジュンコにウイはまた、驚いた顔をする。

    「本当に雑食、といった感じですね・・・・・・ちょっと取っ掛かりが無さすぎて難しいですけど・・・・・・そういえば、ひとつ聞いても・・・・・・いいですか?」

    「ん?なあに?」

    ウイの方から人に対してわざわざ踏み込んで質問することは少ない。

    この光景をシミコや先生が見たら目をむいて驚くだろう。それにやかましいくらいの拍手も添えられて。

    「美食研究と読書、なんの脈絡もないように思うのですけど、どうして美食研究会に?」


    「これは持論なんだけど、読書って食事と似てると思うのよね。

    料理を作る人が居て、食べる人が居るみたいに、お話を書く人が居て、読む人が居る。

    食べ終わったり、読み終わったら、そこには料理や物語への余韻と感想だけが残って・・・・・・なんというか、満たされてる感じが似てるっていうか・・・・・・。

    私にとっては、文字を読むことも美食なのよ!

    まぁ、研究会の人たちに言っても誰も理解してくれなかったけどね・・・・・・読書好きにとって文字は『接種するもの』だと思うの!」

  • 21二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:27:54

    >>20


    ジュンコは力強く言い切った。それが彼女の持論だと、胸を張るように。

    ウイは静かに息を吸って、吐き出した。溜息ととられないように、少し慎重に。

    理由は、少し自分が混乱していたからだ。

    まさかゲヘナの生徒からこんな言葉を聞くとは思いもしなかったからだ。

    ゲヘナと仲良くするなんて、という気持ちもあった。

    相手がトリニティの生徒であれば、すぐさま手を取って「なんて理解のある人!」と褒め讃えていたに違いない。

    しかし、今まで積み上げてきた凝り固まった思想が、ゲヘナへのヘイトが、イメージが、周りの目が、ウイにそうさせなかった。

    「少し・・・・・・分かる気がします・・・・・・」と、ウイはそれだけ言うのがやっとだった。

  • 22二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:34:14

    保守

  • 23二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:51:40

    ジュンウイだと!?こんなの僕のデータにないぞ!!

    ...もっとデータが欲しいので続きを楽しみに待ちます

  • 24二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:53:28

    >>23

    スレ主が一番待ってたコメントしてくれてありがとうw

    これで心置きなく逝けます

  • 25二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:24:47

    >>21


    そんな時、ある本が目に留まった。

    「あ、それならこんな本はどうですか」

    そう言って差し出した本の表紙には<シャーロック・ホームズとお食事を>と書かれている。

    「これもシャーロック・ホームズなの?」とジュンコが首を傾げる。

    「作者は違いますけどね。内容はホームズゆかりの地の家庭料理や有名な料理などのグルメについて作中のキャラクター達が語っている本でして、レシピも載っていますよ」

    「あはは! 美食研の私にぴったりかもね、じゃあコレにしてもいい?」

    「ええ、どうぞ」

    ウイは丁寧に本を手渡す。

    「えへへ、読む本も見つかったし美味しいコーヒーも飲めるなんて今日はついてるわね」

    弾む声色で言うジュンコはご機嫌だ。

    そうして2人は読書と古書の修繕作業に没頭していった・・・・・・。


    2人の空間には大きな振り子時計からのカチコチという音と、本のページを捲る音、それからコーヒーをソーサーに戻す音が時折聞こえるだけだった。

  • 26二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:27:15

    >>25


    ・・・・・・・・・・・・。

    外から鐘の音が聞こえる。下校時刻の鐘を聞いて、本校舎や中央図書館から生徒たちが仲の良いグループごとの集団になって出て来る。

    しばらくの間、ページを捲る音と作業のために道具を取ったり戻したりする物音以外は、静寂に包まれた古書館の中にも鐘の音は聞こえてくる。

    どちらかともなく、椅子の背もたれに体重を預ければ、ギシ、と椅子の脚が軋みをあげた。

    「うーん・・・・・・っ」ジュンコはひとつ、大きく伸びをして脱力する。

    「はーーー、久しぶりにこんなにゆっくり読んだ〜〜」

    「そうですか・・・・・・それは上々ですね」

    窓の外は空が赤く染まっている。

    「うわ、もうこんな時間なの!?」

    ジュンコは足元に置いていた鞄を慌ただしく片付けて肩紐を引っ掴む。

    「ウイ、私そろそろ行くね!」

    「ええ、そうしてください」

    「じゃあまたね!」

    ジュンコは出口に向かおうとしながら別れの挨拶を告げる。

    ウイにはその挨拶が引っ掛かった。

    「・・・・・・え? 『また』とは・・・・・・?」

    「だってまだ読み終えてないんだもの、もう一回来ないと、でしょ?」

    そう言われてはノーを突きつけるなどできないウイであった。

    「・・・・・・授業中以外はほとんどここにいますから、まぁ、適当に来てください。」

    「分かった、そうする〜。じゃね!!」

    背中越しに手をふりながらジュンコはあっという間にドアの向こうに消えていった。

  • 27二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:29:34

    >>26


    「はぁ・・・・・・慌ただしい人ですね・・・・・・」

    でも意外と礼儀や挨拶はちゃんとしていたように思う。

    だがそれはそれとして、自分のかわいいコレクション(家族と言い換えてもいい)の一冊に傷汚れがないかはチェックしておく。ドッグイヤーでもあろうものなら、次に会ったときに『お礼』をしなくてはいけない。

    「あら? これは・・・・・・?」

    ジュンコが座っていた椅子の足元、一冊の手帳が落ちていた。

    「忘れ物・・・・・・」

    自分の足で今から追い掛けて追いつくわけもない、今度来るまで預かっておこう。

    (もし途中で気付いて引き返して来るにしても私はもうしばらく作業を続けるつもりですし、大丈夫でしょう)

    「それはそれとして、中身は確認させていただきましょうか。定期券やらが挟まっていると話が変わってきますし・・・・・・」

    (もし自作小説か何かだったら気まずいですが・・・・・・)

    手帳を閉じているベルトのボタンを外して中を開いてみる。

    「これは・・・・・・」

    どうやら自作小説では無いようで一安心。

    中は沢山の切り抜きと可愛らしい字体のメモ書きでスクラップブックのようになっていた。

    『外観が可愛い喫茶店』『絶品!スフレパンケーキのお店』『柴関ラーメンの屋台 ※砂漠が近いから風が強い日は注意!』

    などなど。

    本人の足跡が窺える内容だった。

    「どうやら大切な物みたいですね・・・・・・」

    ウイは愛おしそうに、その手帳の表紙を撫でる。

    皮の装丁は何度も開閉を繰り返して皺が深くなり、角は擦れて、潰れている。

    「世話のやけるご主人様でアナタも大変ですねぇ」

    優しく語りかけるような声は他に誰もいない古書館の中に溶けていった。

  • 28二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:30:55

    一旦書き溜め分の消化が終わりました。

    書くのはすぐですが校正にやたら時間をかけるので気長に待っていただけると嬉しいです

  • 29二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:32:01

    投稿かんしゃ〜

  • 30二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 01:52:54

    絡みは気にしなくても良いと思います

    私もウミカ×ネルやイチカ×イロハの絡みといった他学園同士のカップリング書いてますが、書く際の抵抗はそんなになかったです

  • 31二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 12:07:30

    保守。続き期待してます

  • 32二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 15:38:13

    書きあがるまでもちょっとかかりそうなので自分でほしゅ

スレッドは12/23 03:38頃に落ちます

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