- 1二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 16:41:51
- 2二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 16:42:23
とにかく、今はわからないことが多すぎる。私以外に人間がいるかもわからないし、少し心細い。だから、この世界での記録をつけてみようと思う。幸い、気を失う前に持っていたスマホの電源がついた。(もちろん電波はつながらない)携帯電話一つでこんなにも安心できてしまうとは、我ながらかなり依存してしまっているようだ。
まずはやるべきことを整理しよう。最優先事項は、食事・水分・電源の確保、意思疎通ができる生物(できれば人間)の探索、拠点は…この廃ビルでいいか。まずはこれらをなんとかしよう。長くなったが、これが私の現状だ。何かあったらまた記録していこうと思う。 - 3二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:12:13
何てこった、こんなのありえるはずがない。
2日目。
やはり異世界という認識は間違ってなかった。順番に説明すると、まず、問題はあっさりと解決しそうだ。街に出てみると、かなり普通の街って感じだった。異世界といったら異国風の建物や大きな城を想像していたから、案外拍子抜けだった。
少し歩くとコンビニがあった。聞いたことない店名だったが、入ってみると一般的なコンビニとさほどかわらなかった。──銃や弾丸が普通に売っていることを除けば。ただ、異世界だからなんでもありだとどこかで思っていたのだろうか、そのことを私は別に気に留めなかった。
予想通りのことではあったが、やはりお金は使えなかった。この世界では通貨を『クレジット』と言うらしい。商品を買うことはできなかったが、見た目も食べれそうだったし、雑草生活の心配はなさそうだ。モバイルバッテリーも売っていたため、物資の確保という課題は資金の調達に変わりそうだ。 - 4二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:13:08
そんなことを思いながら店を出ようとしたその時、いきなり銃声が聞こえた。それも拳銃なんかじゃない、アサルトライフルやそれ以上の重火器のだ。元軍人(といってもただの兵役だが)ということもあって、私の反応は早かった。すぐさま店内に戻り、商品棚に隠れながら外の様子を伺おうとした。そしたら、なあ、この世界では銃撃戦が普通なのか?あろうことか店員が驚きもしないんだよ。ただ今はそんなことはどうでもいい。まずは自分の身だ。
ほふく前進で窓のそばへ行き外の様子を伺う。どんなイかれた軍隊だよと思いながらゲリラの当事者たちに目を向けると…おいおい、ただの少女じゃねえか。しかも防弾チョッキどころか普通の制服だよ。銃はしっかり手入れされているようで、そのことや他の市民(ということにしておく)の反応からして、やはり銃撃戦が日常的におこなわれているようだ。──日常的に銃撃戦がある異世界なんて行きたいと思うほうがおかしいね。 - 5二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:13:59
ここまででもかなりの驚きの連続だったが、私の人生の中でこれ以上の驚きはないといっても過言ではない。銃撃戦の最中、ある少女が被弾した。思わず目を背けてしまったが、叫び声があがるどころか、発砲音が一向に弱まらない。違和感を覚えた私は再び外を見た。なぜだ、なぜさっき被弾したはずの少女が何も変わらず銃を撃っている。いや、何も変わらないというのは少し語弊がある。その少女の額にはすり傷のようなものができていた。
- 6二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:14:54
今冷静になってみれば、この世界の人間には銃弾に対する抵抗があるのではないかと考えることもできるが、私は、いやあそこに誰がいたとしても、冷静さを保っていられるはずがなかった。半ばパニック状態となった私は、店員に助けと説明を求めた。
「おい!あれはなんだ!どうして人が銃で撃たれても平気でいる!どうして街中で銃撃戦が起きている!」
「えっと…その…い、いつものこと…だと思いますよ…?」
「撃たれているのに傷がつかないのもか!?」
「あっ…そ、その…キヴォトスにいる人はみんなそうだと思います…」
私にも何か装備があったら少しは動けただろう。だが、今の私は丸腰、さらには知らない土地で右も左もわからない状態だ。そんな状態ではどうすることもできず、ただコンビニの隅で隠れていることしかできなかった。 - 7二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:15:20
結局その銃撃戦は、後から来た小柄な白髪の少女がその身体に見合わぬマシンガンを手に制圧してしまった。ただありがたいことに、この世界を何も知らない私を見て、コンビニの店員が廃棄予定の弁当と水、それに丸腰だったため安売りの銃と弾丸をくれた。世の中生きてりゃいいことあるなんて馬鹿馬鹿しいと思っていたが、案外間違っていないのかもな。
今日はいろんなことがあってもうクタクタだ。情報集めは後日にしよう。 - 8二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:39:02
10までほす
- 9二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:51:18
キヴォトスの通貨は円だよ
- 10二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:58:18
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 18:05:24
スレ主じゃないけど知らなかった
- 12二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 18:06:47
まぁどちらでもいいでしょうそこは
それよりも面白そうなので期待 - 13二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 18:08:19
まぁ伝わるし問題ないわよ
- 14指摘ありがとうございます。24/12/21(土) 18:14:58
5日目。
この数日は街に出て当面の資金とこの世界の情報を集めていた。資金の方はそこらで募集されていた日雇いのバイトでなんとかなりそうだ。身分証なしでできるバイトは怪しいと思っていたが、意外とまともだった。食事も、今ではもう顔馴染みとなってしまったコンビニの店員から廃棄の弁当を譲ってもらったり、なんやかんやで心配はなさそうだ。
この世界の新しい情報が手に入った。この世界はキヴォトスと言うらしい。先日の店員が言っていたのはこのことだったみたいだ。異世界と呼び続けるよりは名前があったほうが親しみやすくなるな。 - 15二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 18:34:56
期待
- 16二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 18:44:35
7日目。
案外ここでの生活にも慣れてしまった。人間の適応力は本当に素晴らしいと思う。
また新しい情報だ。どうやらここは『ゲヘナ』と呼ばれる自治区らしい。「自由と混沌」が校風になっているらしく、街中では銃声が後を絶えない。この街の治安維持はどうなっているのかと思ったが、『風紀委員会』なる治安維持組織があるのだとか。2日目に見た白髪の少女はそこの委員長らしい。
───とはいっても街中に温泉を掘ろうとしているのは自由すぎやしないか? - 17二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 19:14:54
10日目。
今日は風紀委員会と接触した。接触といえば聞こえはいいが、実際はこの世界のことを知らなすぎる私を不審に思っての職務質問みたいなものだろうな。怪しまれるのも無理はないだろう。
まあそのこと自体はあまり問題じゃない。それよりも重大なのが─風紀委員から質問されるまで自覚がなかったが─私には元いた世界の記憶がほとんどなかった。言われてみれば、常識的な事と自分に関する事
以外は何も思い出せない。
ただこの世界の外から来たことは案外すんなりと受け入れられた。なんでも前例がいるらしい。詳しい話は聞けなかったが、機会があったら会ってみたいものだ。 - 18二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 19:32:49
12日目。
前回の外の世界から来たという人物の正体が分かった。彼は『シャーレ』というところで先生をしているらしい。彼も最近ここに来たばかりらしく、もしかしたら私と同じ境遇かもしれない。本人に話を聞ければ1番良かったが、とても忙しいらしく、会うことができなかった。次の機会を待とうと思う。 - 19二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:07:10
15日目。
最近傭兵のバイトを始めた。元の世界で銃を扱ったことがある分、日常的に銃を扱ってるこの世界の住人になんとか食いついていけてた。
動きの良さが評価されたのか知らないが、たまに風紀委員会と行動を共にすることもあった。彼女たちの連携は素晴らしく、敵対しなくて済むのならそれで十分だ。 - 20二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:27:31
20日目。
ついに先生に会うことができた…のだが、彼も自分が元いた世界のことはあまり覚えていないらしかった。残念。
ただ、外の世界から来たという話をした時、何か心当たりがあるようだった。そのことについては聞かなかったが、知り合いに外の世界と干渉できる人物でもいるのだろうか。 - 21二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:30:25
コラボキャラやんけ
- 22二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:43:43
30日目。
ここに来てから1ヶ月が経った。最初は街を歩くことにすら怯えていたのだが、今では市民や生徒と普通に会話できるほどにはなった。中でも、風紀委員会とはかなり打ち解けることができたと思う。風紀委員長が、私がシャーレの先生と似た境遇なのを知ってから、かなり気をかけてくれるようになった。(横にいる行政官は私のことをまだ信用していないみたいだが。)
そのおかげで、ここでの生活に苦労することはほとんどなくなった。そろそろ、元の世界への帰り方を探してみようと思う。 - 23二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:51:22
- 24二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:55:02
33にちmえ
そらがあかい - 25二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 20:55:38
33日目。
どうなっていやがる。なんだこの空の色は。おかしい。なぜこんなにも空が赤い。
数時間前、突如として空が赤く染まった。何を言っているのかわからないと思うが、私も何が起きているのかわからない。街では避難を促す警報がけたたましく鳴り続けている。風紀委員会や初めて見る制服(統一感があるためどこかの組織と思われる)の生徒たちが避難活動を行っている。
私も避難しようと思う。約1ヶ月拠点として生活してきたここから離れるのは少し不安だが、彼女らについていけば問題はないだろう。もし余裕があったら避難活動の手伝いでもしようかと思う。 - 26二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:02:00
33−2。
あらかた市民の避難は完了した。医療班も来ていたらしく、目立った負傷者もいなかった。とりあえずは一安心だ。 - 27二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:08:06
34。
あれは…ロボットか?銃声が聞こえて起きてみたら風紀委員たちが何かロボットのようなものと戦っていた。
おい、押されてるじゃねえか。まずいぞ。──確かバッグの中にスマホに繋げて映像を記録できる小型カメラがあったはず。情報収集も兼ねてこれをつけて援護に回る。 - 28二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:15:28
ファイル-1
「あーあー。テステス、聞こえてるかな。まあ聞く人なんていないかもしれないけどな。」
「そんなことはいい。まずは敵の情報だ。映像にも映っていると思うが、敵は人型のロボット。どこかに指揮系統があるらしく、かなり統率が取れている。」
「一体一体の戦闘力はさほど問題ではないが、奥を見てみろ。どれだけ倒してもどこからかまるで湯水のように湧き出てくる。対してこちらは本拠地ではないため、消耗戦となるとかなりきつい。別の場所では風紀委員の幹部が戦っているみたいだが、ここにはそんな余裕はn…」
風紀モブ「そんなこと言ってないで早く援護手伝ってください!今は人手が足りないんです!」ドガガガ
「あ、あぁ…すまない。とにかく現状はこんな感じだ。また何かあったら記録する。」
ファイル-2
「私だ。今は風紀委員とは別地点にいる。私の思いつきで始まった、私がロボットたちの注意を引き、横から叩いてもらう戦法がかなり効果的だったためだ。」
「あのロボットたちについて分かったことがある。私は、あいつらを見たことがある。」
「どこで見たかなんて覚えていないが、確かに私はあいつらを知っている。頭の隅の方で、どこかこう…私はあいつらを倒さなければいけない感覚がする。」
「まあ倒さないと私たちの命が危ないわけだから当然なわけだが。はぁ…全く、後どれだけ倒せばいいんだか…足元に残骸が溜まってきて動きづらくなってk…」
「───やばい!こいつまだ動いて───………」 - 29二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:18:43
ファイル-3
「すまな・・・・・まいく・・・ちょう・・・わる・・・・」
「・・・まず・・・・・・かこま・・・・にげ・・・」
ファイル-4
──ファイルが破損していて再生できません── - 30二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:19:10
ファイル-5
「───思い出した…すべて、すべて思い出したよ。」
「───あいつらに攻撃された時の衝撃の影響だろうか。…そんなことはもうどうでもいい。」
「───私は外の世界から来たわけではなかった。もちろん、この世界の住人でもない。」
「私は───人の手によって作り出された、兵器だ。」
「わかる…全てが手に取るようにわかる…あいつらは『色彩』に操られている。そして私は、その色彩の手先に対抗するために作られた。」
「ははっ…どうりで、外の世界から来たと思っていた割に撃たれても死ななかったのはそういうことだったのか。この世界の住人を見ていたら感覚が麻痺してしまっていたよ。」
「───さて、私の仕事…いや、私の使命は色彩によってもたらされた脅威の排除。やるべき事はもう決まっている。」
「奥の方からしていた銃声がだんだん少なくなってきている。そろそろ風紀委員会だけで持ち堪えるのは厳しくなってきたのだろう。」
「私は兵器。人ではない。ただ与えられた仕事を淡々と行うのみ…」
「『命』を『使』うと書いて『使命』。私は自分の命がある限り自分の使命を全うする。」
「───では、最後の仕事をしようか」
与えられし我が使命〜終〜 - 31二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:28:29
ここまで長いの書いたの初めてですが何とか書き切りました…
駄文なのはわかってるんで感想ボロクソにでも言って下せぇ… - 32二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 21:58:58
乙です、おもしろかった
- 33二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:00:40
お疲れ様
- 34二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:03:07
日記部分を一レス内で分割していくらかまとめてほしかったけどSS自体は良かったです!
- 35二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:04:03
わかる、そこがちょっと残念だった
- 36二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:07:12
日記とは別で生徒とのやり取り描いた会話劇も見てみたかったぜ。
スレ主がどうブルアカキャラを動かすのか興味ある - 37二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:08:50
途中までコーヒーの宇宙人かと思ってたw
- 38二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:09:32
書き方に某S○P味を感じるのは私だけ?
- 39二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:10:23
- 40二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:14:52
面白かったと思うよ、おつおつ
- 41二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:36:47
- 421ですよ24/12/21(土) 22:40:57
- 43二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:31:12
- 44二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:33:05
- 45二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:35:28
- 46二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:39:05
時系列的にはロボットに襲われる→記憶取り戻すの間か
ロボットに接触したことが記憶が戻る鍵だったのかも…? - 47二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 00:46:28
吉良みたいなセンスしてんなこのロボ