クリスマスイブにひとりぼっちのミカを幸せにするお話

  • 1二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:51:51

    えへへ、皆さん。
    もう少しクリスマスイブですね。
    ご予定はいかがでしょうか?

    まぁ、クリスマスも私はぼっちですけどね…
    辛いですね、苦しいですよね…。

    せめてもの救いになるお話を誰か出してくれたりしませんでしょうか…?

  • 2二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:58:58

    お前が書け

  • 3二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:59:01

    うわぁぁぁぁぁん!
    やっぱりクリぼっちに救いなんてありませんよね!?

    わかりました!もうさっさと投稿してふて寝します!
    正月まで寝太りしてやります!!

    もうおしまいです!

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:59:42

    >>3

    偉いぞ書け

  • 5二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:00:43

    うへ〜続きが見たいなヒヨリちゃん🩷

  • 6二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:00:47

    「うぅ…寒いなぁ…。」

    吹き抜ける木枯らしの下で、体操服に身を包んだ聖園ミカは竹箒を手に落ち葉の山を片付けていた。
    すでに日は落ち始め、街頭に明かりがつき始めている。


    軍手を忘れることがこれほど致命的なこともないだろう。
    凍えるような風は素肌から体温をすぐさま奪い取り、両の手は寒さよりも痛みを覚える有様だった。
    ビュオオオとさらに風が吹き、枯れ葉が吹き飛ぶ。
    わずかな時間とはいえ積み重ねていた努力があっという間に水泡に帰した。

  • 7二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:01:50

    >>6

    「今日どこに行こっか?」

    「私大通りのツリーが見たい!」

    「うん!一緒に行こ!」


    遠くから聞こえる声。

    手を繋いで走っていく生徒達。

    そう、今日はクリスマスイブである。

    そんな様子を遠くからミカは浮かない顔で眺めていた。


    彼女の立ち位置を考えれてしまえば、当然といえば当然だろう。

    どのような催事の席であっても、今の彼女を歓迎する人はいない。

    ましてや年に一度の聖夜となれば、尚更だろう。

    ナギサやセイアであれば個人的なパーティくらいには招待してもらえたかもしれないが、残念なことにその彼女達も予定が入ってしまっていた。

    結果、時間を持て余したミカは奉仕活動の一環として今日も1人枯葉の山と戦う羽目になったのである。

  • 8二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:02:39

    >>7

    「それにしても…本当に寒いじゃんね…。」


    特に見る人もいないのに、短パンを選んだのは本当に愚行だったとミカは後悔した。

    箒を抱えながら蹲り、悴んだ指先に息を吹きかける。

    辺りはさらに暗くなり、風はさらに強まる。

    ミカの監督役の生徒は、すでに役目を放棄したのか影も形もない。

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:03:15

    >>8

    …きっと皆、思い思いの時間を過ごしているのだろう。

    ある人は豪勢な食卓を囲み、また誰かは煌びやかな街並みに繰り出す。

    ある人は厳かな聖歌を歌い、ある人は思い人と手を繋ぐ。

    それが普通だろうと、今までのミカなら思っていた。


    けど、そんなことは無かった。

    暖かな暖炉もない凍える風の吹き荒ぶ場所で身を寄せ合って過ごす人々もいるのだと、今のミカは知っている。

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:03:55

    >>9

    「………あの子達は、今どうしているのかな…。」


    先生に聞けば、もしかしたら教えてくれるのかもしれない。

    けど、それを聞いたところで彼女に何かできることがあるわけでもない。



    ……遠くで、讃美歌が聞こえ始める。

    きっとシスターフッドだろう。

    彼女達もまた、遍く人々のために今宵も祈りと歌を捧げている。

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:04:49

    >>10

    「………。」


    気がつけば、ミカは静かに両の手を重ね、静かに目を瞑り祈っていた。

    せめて、彼女達が寒空の下であっても身を寄せ合って今夜を凌げるようにと。

  • 12二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:05:20

    >>11

    ……瞼を開けた時には、すでに視界は滲んでいた。


    「あぁ……そっか、そうだよね……。」


    特になんてことのない事実。

    けど、その事実は突き刺さるように重かった。


    ……彼女達ですら身を寄せ合うことができるのに、今の聖園ミカには、それすら叶わない。

  • 13二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:05:51

    >>11

    すでに辺りには夜の帷が降りている。


    「早く帰ろう…。」


    ……あの質素な屋根裏部屋に戻り、分厚い布団をかぶって瞼を閉じればいい。

    そうすれば、今日が終わって明日になる。

    明日になれば、こんなことを意識しないで済む。


    うん、そうだ。そうしよう。


    俯いたまま立ち上がる。

    そして、


    「あいたっ!」


    ミカは何かに頭をぶつけた。



    ーーーーー

  • 14二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:06:52

    >>13

    「トリニティに?」

    『はい。』


    電話越しに、私はある生徒からの依頼を受けていた。


    『先生にしか、お願いできないことなのです。』

    「それはいいけど…私は何をすればいい?」

    『そこは心配しなくていい、行けば自ずとわかるさ。』


    電話越しに聞こえるもう1人の生徒の声。


    『誠に不本意ながら、その日に限って私たちのどちらも外せない予定が入ってしまったのです…。』

    『故に、私達からの折り入っての依頼と言うわけだ。』

    「うーん、正直どうも要領を得ないんだけど…。」


    そんな私の回答に、電話越しの2人は大きくため息をついた。


    『…全く、どうしてこう言うことには察しが悪いのか、甚だ疑問に感じざるを得ないな。』

    『本当に、呆れそうです。』


    そして、二人は声を揃えて言った。


    『『私達のお姫様を、よろしく頼みます(むよ。)』』


    ーーーーー

  • 15二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:07:23

    >>14

    滲んだ視界の焦点が合い、目の前の人物が誰なのかを聖園ミカはやっと把握した。


    「せん…せい…?」

    「やぁ、ミカ。」

    「な、なんでここに!?」

    「うーん、たまたま…かな。」


    力なく笑う先生を見て、ミカはさらに狼狽した。

  • 16二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:08:02

    >>15

    「あ、あのね!その今はちょっと…うん…。」


    何を言おうとしたのか、考えがまとまらない。

    足元や服は枯葉と泥で汚れている、それに涙を滲ませた自分の顔を見ないで欲しい。

    だが、それすらまともに言えない。


    「……ちょっと待ってね。」


    そう言うと、先生はカバンから何かを取り出した。


    「はい。」

    「これ…。」

    「私ので嫌かもしれないけど…手、霜焼けてるから。」

  • 17二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:08:40

    >>16

    渡された手袋をミカはまじまじと見つめる。


    「……ありがと、先生。」


    ゆっくりと受け取った手袋を、ミカは両の手に嵌める。


    温かい。


    その温かさに釣られらように、ミカの目にはまた涙が浮かび始めていた。

  • 18二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:09:24

    >>17


    「ミカ!?」

    「……ごめんね、先生……こんな大事な日に、私なんかのために……。」


    堪えようにも、涙が止まらない。

    あまりにもみっともない。

    そんな状況が、ミカに涙を余計に流させてしまう。

  • 19二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:10:21

    >>18


    「……なんか、じゃないよ。」

    「?」

    「ミカのことを大切に思ってくれる人達がいたから…、私はこうして今ここにいられるんだよ。

    だから、間違っても私なんかじゃない。」

    「……うん。」


    ビュオオオと、遠くで聞こえる聖歌を掻き消さんばかりに、さらに風が吹く。

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:10:52

    >>19


    「ミカ、寒くない?早く屋内にいこう。」

    「ちょっと、尋常じゃないくらいに寒いかも…オシャレは我慢って言うけど…今回は大失敗じゃんね。」

    「少しの間でよければ…コートも着るかい?」

    「そ、それは先生が風邪ひいちゃうからダメだよ!?」


    とは言え、一番近い建屋でもここからかなりの距離がある。

    このままでは確実に風邪をひいてしまうだろう。


    「あっ。」


    そんな中で、あることを思いついた。

  • 21二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:11:39

    >>20


    「先生、ちょっと失礼するね⭐︎」

    「み、ミカ!?」


    コートを開けて、すっぽりと先生の中に収まる。


    「こうすれば、二人で温かいまま移動できるじゃんね⭐︎」


    が、先生の顔を見ると、真っ赤になったままそっぽを向いていた。

  • 22二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:12:18

    >>21


    「その…ミカ、色々当たって…。」

    「……!!?」


    しまった、とんでもないことをしたと、今になってミカは後悔した。


    「せ、先生!そう言うことは言わない約束でしょ!?」

    「ご、ごめん……。」

    「こ、講堂あたりならきっと暖炉もついてるから…早く移動するじゃんね。」

  • 23二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:13:06

    >>22


    ぎこちないまま、二人羽織のような状態で建屋に向かって歩き始める。

    背中から伝わる、彼の体温を嫌でもミカは意識してしまう。

    自分だけが、この温もりを独占している。

    先ほどとは打って変わっての状況。

    しかし、それはあくまで生徒であるミカを慮ってのものである。


    「先生。」


    建屋が目の前に見えた頃だろうか。

    ミカは先生に声をかけた。

  • 24二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:13:40

    >>23


    「どうかした?」


    ……もう少しで、この状況も終わってしまう。

    きっと、それでも今夜は門限まで先生は付き合ってくれるのだろう。

    けれど、これだけ近くにいてくれるのは、きっと今だけだ。


    立ち止まり、コートの中で180°向きを変える。


    「ミカ?」


    手袋をつけた手を彼の頬に伸ばし、優しく添えた。

    じっと、先生の瞳を見つめる。

    瞳の向こうに、煌びやかな自分の光輪がうっすらと見えた気がした。

  • 25二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:14:21

    >>24


    「………。」


    ……与えられたものは、

    眩いイルミネーションでもなく、

    素敵なパーティーでも、

    暖かな食事でもない。

    心打つような讃美歌でもない。

    可愛らしい人形でも、化粧品でさえもない。

    ……だが、それで彼女には十分であった。


    「本当に……ありがとね。」

  • 26二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:16:42

    >>25


    路上にて、二人の影が、更に重なる。


    その一瞬だけは、全てが無音になった気がして。


    そして、影が離れる頃には、二人の表情は真っ赤になっていた。


    「……行こう?……先生。」

    「……そうだね、行こうか。……私の大切なお姫様。」

    「……わーお⭐︎」



    講堂に向かうはずが、二人はさらに向きを変えて歩き始める。

    ………その日、誰一人として、トリニティの校門から出る先生の姿を見ることは、終ぞなかった。




    ーーーーー

  • 27二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:17:19

    >>26


    「先生?確かに私は、ミカさんのことをよろしくお願いしましたが………、これは少し行き過ぎではありませんか!?」

    「まぁそう言ってやらないであげたまえ。」


    翌る日のティーパーティーのテラスにて、

    桐藤ナギサ、百合園セイア、そして……、


    「行き過ぎじゃないじゃんね⭐︎当然の結果じゃんね⭐︎」

    「すまない…大人として、先生として私は失格だ……。」


    ひたすらに二人に頭を下げる私とべったりなミカの4人がいた。

  • 28二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:17:49

    >>27


    「本当です!なんてことをしてくれたのでしょうか!?」


    カタカタカタカタとティーカップを揺らすナギサ。


    「てっきり門限くらいまでで終わると思っていたのだがね……まさか嫌な予感が的中するとは。」

    「ふーん、じゃあセイアちゃんはこうなるってわかってたじゃんね?」

    「予感がしただけだ。別に予知をしたわけじゃない。」

    「同じようなものじゃんね⭐︎」

    「違いますからね!?あまり惚気るとその口にたらふくロールケーキをぶち込みますわよ!?」

    「先生助けてー!ナギちゃんが怒ったー!」

    「まぁまぁナギサ、その辺りにしてあげて。」

    「できるはずありませんよね!?」

    「うーん…。」

  • 29二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:19:39

    >>28


    ヒートアップするミカとナギサを尻目に、セイアは先生に語りかける。


    「それで、先生はこれからどうするつもりなんだい?」

    「そうだね…こんな形にはなってしまったけど…しっかり自分の責任を果たすよ。」

    「そうだな……是非、そうしてくれたまえ。」

  • 30二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:20:17

    >>29


    二人をそろそろ止めようと、立ち上がる先生。
その様を眺めてセイアは静かに呟いた。


    「……二人に心からの祝福を。
それと、……メリークリスマス。」


    
眩い昼の光を受けて、二人の手には白金が煌めいていた。

    
ー終ー

  • 31二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:22:44

    うわあああん!
    駄文にお付き合いいただきありがとうございました!
    宣言通りふて寝します!!

    二人になにがあったのかはご想像にお任せします!
    宿屋の店主にでもなった気分でいてください!!

    それとやっぱりクリぼっちに救いはありませんね!

    誰か素晴らしいssでも提供してもらえませんかね!
    自分の拙さを見返すと顔から火が出そうです!

  • 32二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:23:29
  • 33二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:25:16

    >>31

    乙←これは乙じゃなくてヒヨリのサイドテールなんだからねっ!


    めっちゃ面白かったです。

    ミカは失ったものも多いけれど、残ってるものもあるし新しく得たものもまだあるんだなって……

  • 34二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:29:32

    >>32


    ついに4体が生じてしまいました…これどうすればいいんですかね…?


    >>33


    やっぱりお姫様は幸せにしてあげるべきですよね!

    みんなでお姫様をすこるじゃんね⭐︎

  • 35二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 01:07:04

    あ、ミカで投稿したい方いれば遠慮なくお願いします。

スレッドは12/24 13:07頃に落ちます

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