【SS】聖夜の贈り物は貴方にも

  • 1二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:46:59

    過去に他スレでwriteningに書いて上げたSSですが、中身のネタがクリスマスだったのでせっかくということでスレ立てしました。短めですが良ければ。


    因みに中身はユウカとアオイが主軸となります。CP注意。


    他校の彼女が欲しい……|あにまん掲示板bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:48:41

    >>1

    それは、クリスマスイブ前日のこと。


    外の景色がクリスマスに向けて彩られる中、ミレニアムのセミナー所属の早瀬ユウカは、いつにもましてタイピングスピードが上がっていた。一刻も早く、溜まりに溜まった書類たちを処理してしまいたいといった感じだ。

    しかし、仮にもミレニアムは数多のエンジニアやクリエイターが集う場所だ。特許の申請、規約の確認、採算が取れるかの計算・・・上げれば本当に切が無いだろう。


    「あぁ、もう・・・全く先に進まないじゃない!このままじゃ・・・」


    その様子を見ていた彼女の友人、生塩ノアはユウカに声をかけた。


    「・・・ユウカちゃん、随分と張り切ってますね。身体を気遣いながらやらないと、負担になってしまいますが・・・もしかして、何か理由が?」

    「え?そ、それは・・・・・・このことについて、秘密にしてくれる、ノア?」

    どうやら、あまり公にしたくない理由らしい。ノアはこくりと頷き、「私は記憶力が良いですから、大丈夫ですよ」と答える。

    「・・・明日までに、自由時間を確保したいのよ。やりたいことがあって」

    「やりたいこと、ですか?」

  • 3二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:50:28

    >>2

    「えぇ。──買い物が、したくて」


    そういうと、ユウカははぁ、とため息を一つつく。


    「・・・最近、あまりゲーム開発部のあの子たちに構ってあげられてなくて。テストプレイに付き合ってほしいって言われた時も、別の仕事で追われてたから断ってたのよ。

    ちょっと残念そうなアリスちゃんの顔を見たら──何かこう、あの子たちに悪い気がして・・・」


    それを聞いたノアは、成る程と言った感じで微笑んだ。


    「つまり──クリスマスプレゼント、ですね?」

    「あの子たちには、お願いだから言わないで頂戴。──多分、サプライズで貰うのが一番嬉しいと思うから」

    「えぇ、分かりました。因みに、買うものは決まっていたりしますか?」

    「まぁ、前にモモイが『みんなで遊びたい〜』って零してたゲームソフトがあったから・・・あとは、遊ぶとき用のお菓子とか──も、勿論ただ遊ぶ為用じゃなくてね!?あの子たちの次のゲームのクオリティのためにも、参考になるようにきちんと評価の高くて勉強になるものを──」

  • 4二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:51:44

    >>3

    そこは素直に『クリスマスプレゼントをあげたいだけ』でいいのにと思いながら、必死にそれをはぐらかそうとするユウカをみて、思わずノアはくすくすと笑う。

    「な、何よ・・・」

    「ふふっ。いいえ、何も。

    ──とはいえ、流石に今のユウカちゃんの表情には、疲労がにじみ出ているのが分かります。明日までには、きちんと休まなければ駄目ですよ?」

    「そ、そうね・・・できたら取っておきたいけど・・・」

    そういう風に言いながらも、ユウカの手は休まることを知らない。それを見たノアは、優しさが故に自身を顧みなくなっていないだろうか、と少々心配するのだった。


    その日の夜。一部の書類を連邦生徒会に提出しなければならず、しかしながら即日で出す必要があったため、ユウカはデスクワークで固まった身体を無理やりにでも引きずりながら、書類を持って連邦生徒会の財務室へと向かっていた。

  • 5124/12/25(水) 22:06:39

    >>4

    「うぅ・・・終わったのはいいけれど・・・少しくらくらするわね。ノアの言った通り、流石にどこかで休憩を取らないと・・・」


    ユウカが3回ほど財務部のドアをノックし、「失礼します」と言って開けると、連邦生徒会の財務室長の扇喜アオイが、他から送られた書類をデスクの上で見ていた所だった。


    「お疲れ様です、ミレニアムサイエンススクールの早瀬ユウカです。提出書類をこちらにお渡しに来ました」

    「そう、ありがとう・・・少し拝見するわね」


    アオイはユウカから受け取った封筒の口を裂き、折りたたまれた書類をチェックして目を通していく。

    それを見ながら、ユウカは明日のことに頭を何とか回そうとしていた。


    これが終われば、今日はもう帰るだけ。

  • 6124/12/25(水) 22:08:32

    >>5

    空いた時間でネットで探して、注文しても間に合わない可能性もある。

    ギリギリにはなるだろうけど、直接繁華街に行って例のゲームソフトや手ごろなお菓子を確保すれば間に合うだろう。店員さんに包んでもらって、あの子達が帰った後におけば──



    と。

    一瞬頭の中に、鈍く澱んだ泥が流れるような不快感が巡る。

    「うっ・・・」

    ぐらっと、視界が揺れる。

    「…? ちょっと、大丈夫──」

    天地が90度逆になっていく感覚に襲われ、気が付けば──


    アオイの遠のく声の中で、意識を手放していた。





    「──気が付いた?」

    小さい声に気づき、次に目が覚めた時──背中から、柔らかい感触が伝わってきた。恐らく、ソファか何かの上だろうか。

    身体の上には、ブランケットのようなものがかけられている。未だに定まらない焦点を手繰り寄せながら周りを見れば──自分がまだ財務室の中にいるであろうことを把握できた。


    「来た時に薄っすらと感じてはいたけれど・・・やっぱり、かなり溜め込んでいたみたいね」

  • 7124/12/25(水) 22:10:30

    >>6

    そう聞こえる声の方を見ようと上体を起こすと──隣にあった別のソファに座っていた、アオイが見えた。


    「あ、あの・・・私・・・もしかして・・・」

    「えぇ。オーバーワークによるものか・・・私の目の前で倒れてしまったのよ。とはいっても、多少休めば大丈夫と判断して、ここのソファに移動させてもらったの」

    「す、すみません・・・!私ったら、恥ずかしい所をお見せして・・・」

    「あまり気にしないで。それよりも──そういう風になってしまった体調管理に関しては、次からは気を付けること。それが、私からのお願いとでもいうのかしら」

    「──そう、ですね・・・分かりました…」


    そうして、ソファから立とうとするが力が上手く入らない。どうやら、思った以上の負荷が掛かっていたようだ。

    時計を見ると、既に深夜が近い時間になっていたことから、かなりの間、気を失っていたのだと分かる。


    「・・・場所として良いかは分からないけど、今日はここで休んでいって構わないわ。不十分な状態で帰らせてまた途中で倒れでもしたら、私も後味が悪いから。幸い、今日は私も帰れそうになさそうだし」

    「・・・本当に、すみません・・・」

  • 8124/12/25(水) 22:23:30

    >>7

    罰が悪い顔をしながら、ユウカは再びソファに座り込む。自己管理がなっていなかったのは、焦る気持ちの強さゆえだろうか。完璧を目指したいユウカにとっては、正直不甲斐なさが強い瞬間だった。


    すると、アオイが二つのマグカップを持ってやってくる。その中からは、チョコレートのような甘い香りが漂ってきた。

    「ココアだけど・・・良ければ飲む?」

    「・・・あ、ありがとうございます・・・」

    一口含むと、仄かな味わいが凝った身体にしみわたっていく。それに思わずほっと一息ついた。

    「それじゃ、私は少し仕事をするわね。何かあったらまた呼んで頂戴」

    「は、はい・・・」

    デスクに向かっていった彼女は、PCで文書を打ち込み始めた。小気味良いカタカタという音に思わず眠気を誘われる。

    気遣ってくれたのか照明は極力消してくれており、彼女のデスクのライトだけが暖かく光っていて、それが何とも言えない心地よさを与えてくる。

  • 9二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 22:25:35

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  • 10124/12/25(水) 22:27:01

    >>8

    そうして暫く、それを見ていた後──ふと、ユウカは気を使って言わない本音を、口から吐露し始めていた。


    「──アオイさん」


    「・・・・・・どうしたの?」


    「私、ミレニアムサイエンススクールで会計を担当しているんです。アオイさんも財務部なので分かると思うのですけど・・・凄く沢山の数字を管理していて。それは、私にとっては得意なことだから、大丈夫だとは思うけれど・・・」


    「・・・けれど?」


    そこで、上手く口に出せずに、頭が真っ白になり始める。自分の弱みを、全く違う部署の赤の他人に話そうとしていることに気づき、段々恥ずかしくなってきたのだ。


    「・・・ゆっくりで構わないわ。丁度、仕事も終わったところだし」


    そう言ったかと思うと、アオイがノートPCをぱたんと閉じ、ソファの空いた空間に静かに座る。

    アオイがこちらを見る眼差しからはどこか包容力のようなものを感じてしまい、それにつられて閉じていた口が再び開く。

  • 11124/12/25(水) 22:39:04

    >>10

    「・・・けれど、それ以外にも仕事はあって。採算を取るためにも、ミレニアムの中の子たちと予算や経費のことでよく話をしにいくんです。

    でも──大抵は、上手くいかないまま。特に、ゲーム開発部の子たちには、怒ったり呆れたりしちゃうばっかりで・・・。


    破産しないように気を付けないといけない都合上、相手に冷酷なことを言わないといけないこともあるけれど、正直なところは、あの子たちを困らせたり悲しませたくはないんです。

    ただ、必要なことだから言わざるを得なくて──それで終わるのは、私も嫌だったんです。


    だから、せめてもの気持ちも込めて、あの子たちに贈り物をしようと思って仕事を急いでいたんです。──その結果、こうなっちゃうとは思わなくて・・・」


    かけてもらっていたブランケットの裾を、ユウカはぎゅっと掴む。いつもミレニアムで誰かのために負担を背負いこみ、毅然として振舞おうとしていた彼女としてみると、幼子のように弱弱しいその感じは人によっては非常に珍しく映るかもしれない。


    「・・・本当に情けないです。あの子たちの先輩として、しっかりしていなきゃいけないのに・・・完璧でいたいのに。私、上手くやれているのかしら・・・」

  • 12124/12/25(水) 22:40:47

    >>11

    ──すると、アオイがソファから立ち上がり、俯いているユウカの目の前に膝立ちですっと座り込んだ。


    「──別に、何もかも上手くやる必要はないんじゃないかしら」

    「・・・え?」


    「あなたを見てると──私のある先輩を思い出すのよ。頑張り屋さんだけど、ちょっと言葉足らずでね。つい一人で抱え込みがちなの。もう少し、自分を気遣ってほしいって思ってたりするわ。

    確かに、話を聞く限り、あなたは彼女たちを怒ったりしてるかもしれないけど──いつも、話はしてくれるのでしょう。それなら、完全に拒絶されてるわけではないんじゃないかしら?」


    「────」


    「それに、そういう風に思っているのなら──普段の振舞いにも、あなたが気を遣っている部分が零れて見えるものよ。意外と、周りはそこに気づいてしまうの」



    そうしてアオイは──「行政官」として日々激務をこなしている彼女のことを思い出しながら、目の前の気が弱くなってしまっているユウカに語りかける。

  • 13124/12/25(水) 22:51:56

    >>12

    「だから、きっとあなたは今の状態でもかなりうまく出来ていると私は思う。それ以上負担をかけるなら、ちゃんと周りと相談しないとね。

    その子たちや周りのために頑張るのは良いけど──自分のことも大事にしないと、きっと周りは哀しむわ。それを忘れないで」

    「・・・はい。あ、ありがとうございます・・・アオイさん」

    「気にしないで。確か・・・ユウカだったわね」

    「はい、早瀬ユウカです。・・・そうしたら、今日はお言葉に甘えさせてもらっても、よろしいでしょうか・・・?」

    「えぇ、大丈夫よ」


    それが、どこか暖かく、そして心地よかったのか──緩みがかった心からユウカは思わずこんなことを言ってしまう。

    「・・・アオイさん」

    「どうしたの?」

    「・・・これは、良ければのお願いなんですけど・・・手を握っててほしくて。ちょっと──心細いんです」

  • 14124/12/25(水) 22:53:45

    >>13

    そう彼女が言うと──アオイは、空いていたユウカの手に、自分自身の手を少しずつ馴染ませる。

    そして、か細い力で握られたその手を──壊れないように、慎重に握った。


    「──ッ」

    その感触が、綻んだ心に灯りとなる。

    ぽとりと寂し気に一つ涙を零したユウカの頭を──アオイがゆっくりと撫でる。



    「お休み──今はどうか、心安らかに眠って」



    その声に諭されるように──ユウカは、体を再びソファに倒し──静かに瞼を閉じた。


    やがて、すぅすぅと寝息を立てたユウカを見ながら、深夜の一つ灯るライトの側で、連邦生徒会の財務室長は穏やかに微笑んでいた。


    「随分と──可愛い顔をして寝るのね」

  • 15124/12/25(水) 23:07:48

    >>14

    次の日のクリスマスイブ。


    起きたユウカは、アオイに礼を言ってその場を後にした。そのまま繁華街に行き、ゲーム開発部の為の目的の品を手に入れたユウカは──ふと、あることを思いついた。


    「…アオイさんに、お礼も兼ねて何か…」

    そうして、繁華街の店をいくつかうろうろとした後、ユウカは「あるもの」を見つけた。

    「今は寒い季節だし──うん、これなら多分いいかも」


    その後、帰りにミレニアムに寄り、ゲーム部のみんなが帰った頃を見計らう。あまり片付けられていない部室のテレビの前に、店員に包んでもらった品をユウカはこっそり置いた。

    「これで、よしと…」


    そして、その場を急いで離れ、自宅へと帰った。

  • 16124/12/25(水) 23:10:23

    >>15

    やってきた、クリスマス当日。

    ユウカは最初に自分のデスクに向かう前に、ゲーム開発部の部室へと立ち寄ってみることにした。

    中からは、想定通りガヤガヤという感じではしゃぐ声が聞こえており、内容を聞こうとユウカはバレないようにこっそりとドアに耳を傾けた。



    「もーっ!!!さっきからユズの連勝だよー!!!このゲーム初めてって言ってたのに!」

    「いや、お姉ちゃんずっと同じ攻撃しかしないじゃん。それじゃ避けられるに決まってるよ!」

    「うわーん!!!アリスの使ったアイテムで召喚した子、ぴょんぴょん跳ねるだけで何もしてくれませんー!!!」

    「うぅ…ど、どうしよう…初めてでちょっとワクワクしすぎて、つい本気が…」



    そういう感じで、ユウカが買ってきたらしいゲームで盛り上がる部室からの音を聞きながら、ユウカはご機嫌で再びその場を後にし、デスクへと向かった。


    「──今は、思い切り遊んであげさせましょうか……あれ?」

  • 17124/12/25(水) 23:12:25

    >>16

    そうしてデスクに向かうと──多くのプレゼントが、ユウカのデスクに置いてあったのだ。


    「な、何これ!?」

    奥で見ていたノアが、彼女へのプレゼント箱を開きながら、それを見て笑う。

    「さぁ、誰からでしょう?随分と、沢山のサンタさんが来たみたいですね」


    それはもう、大小様々なものだったが──一部のものは、色や形、包み具合の上手さで誰か判別ができた。それに気づき──ユウカは思わず吹き出す。


    「全く──あの子達ったら。こんな分かりやすい包装じゃ、サンタさんが誰かバレちゃうじゃない……ん?」


    すると、その中の一つにユウカは目がいく。他の箱と比べると、スマートながら見目麗しい包装が施されており、少し趣向の違うものである気がした。


    「これは…誰からかしら?」

    「開けてみてはどうでしょう?」


    ノアの言葉に頷き、包装紙を綺麗に剥がす。そうして中の箱を開けて出てきたのは──


    「…マフラー?」

    「…これはまた。寒い季節にはピッタリですね」

    「でも、一体誰から…」

  • 18124/12/25(水) 23:13:54

    >>17

    そうして考えた時──ふと、思い当たる。



    もし、『彼女』もまた、自分と同じように考えていたとしたら?



    紺と白でできたマフラーを首元に巻いてみれば、外の寒さから身を包み、寄り添うように暖かみを与えてくれそうな気がした。

    「ユウカちゃん、似合ってますよ」

    「そ、そうなの…?」

    ふと窓を見てみれば、ノアの言う通り、自分の姿を考えて選んでくれたようなフィット感があった。そしてそのカラーリングに──思い当たった人を重ねた。


    「ごめん、ノア…私、用事が出来ちゃったから出かけてくるわね。帰るの遅くなるかも」

    「はーい。行ってらっしゃい」


    そうして、どこかへと向かっていくユウカの姿を見ながら、ノアは一人彼女のプレゼントについて思案を巡らせ、友人が新しい出会いをしていたことに喜びを覚えていた。


    「さて…マフラーを送るなんて…ユウカちゃん、いつの間にそんな人と会ってたのでしょうか?」

  • 19124/12/25(水) 23:28:20

    >>18

    暫くして、連邦生徒会の財務室にて。


    その日の仕事を先んじて少し済ませてたこともあり、アオイは仕事を終わらせたpcの前で一人この後の予定を考えていた。

    「さて──どこに行こうかしら」


    すると、ドアのノックが3回ほど聞こえ、「失礼します」という、先日聞いたのと同じ声を耳にした。

    そして、恐る恐るという感じで開いたドアの奥から──『それ』を身につけたユウカがやってきた。


    「…あら。こんにちは、ユウカ」

    「こ、こんにちは…」

    そのユウカはといえば──もじもじと、何かを出すかどうか迷ったようにしている。

    「ア、アオイ、さん…」


    そして──ある包みを取り出した。


    「…えっと…?」

    「ク…クリスマスプレゼントです…先日お世話になったお礼も兼ねて…!」

    「…そう」


    自分と彼女は、正直あまり深い関係では無い。先日、助け助けられの時間を一日だけ過ごしただけなのだ。



    それでも──ユウカは、『それ』を送る相手の心当たりが、一人しかいなかった。

  • 20124/12/25(水) 23:29:29

    >>19

    「…ありがとう、受け取らせて貰うわ。せっかくだし、開けてもいいかしら」

    「は、はい!」


    そうして、端から包みを剥がしたアオイが目にしたのは──これまた、紺と白のカラーリングをした手袋だった。


    「…なるほど、手袋ね。丁度、デスクワークが多いのに、ここにくる途中で手が悴むことが多かったから助かるわ」

    「本当ですか!?よ、良かった…!」


    そうして緊張が解れたように肩の力を抜いてくユウカの前で──アオイは、早速手袋を身につけた。

    「うん、良い感じね──あと、そうね。実はこの後出かける予定なの。良ければ一緒に来ない?」

    「…え?いいんですか?」

    「えぇ。丁度あなたも──



    せっかく似合ってるマフラーを、また掛け直すのは面倒でしょ?」

  • 21124/12/25(水) 23:31:36

    >>20

    「──ッ」

    その言葉に、顔が赤くなっていくのを感じる。自分の直感は──どうやら間違っていなかったようだ。

    しかし、それでも──嬉しさではにかみながら、ユウカはそれに答えた。


    「──是非、ご一緒に」


    その後──ミレニアムのどこか川沿いで、見晴らしのいい場所に立ちながら談笑する彼女達を見かけた人がいたとか。




    あぁ──そういえば。

    彼女達が知っているかは定かでは無いが、プレゼントには送る相手へのメッセージが込められている場合がある。


    彼女たちの場合は実際どうなのか──それについては、あなたの想像にお任せすることとしよう。



    それでは──良き聖夜を。



    fin.

  • 22124/12/25(水) 23:33:55

    >>21

    これにて終わりでございます。

    読んでくれた方には心より感謝を。ありがとうございました~


    ではでは、もう時間的にギリギリかもしれないけど──メリークリスマス!

  • 23二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 00:08:07

    ん、SSクロコスレから来た。
    ミレニアムのみんなのために頑張りすぎてしまうユウカの健気さとそれを温かく包み込んでくれたアオイの大人な包容力が読んでて心地いいSSだった。ラストの恋の始まりのようなユウカの感情描写に思わずニヤけてしまった、とてもいいSSだと思う。
    クリスマスにいいものを読めた、書いてくれてありがとう。あなたはつよシロコ。

  • 24二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 00:34:55

    最高にいい...

オススメ

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