【🎲注意】日常でがっつりホラーに被弾する

  • 1124/12/27(金) 04:49:04

    スレタイ通り一味がホラーな感じのものに被弾するスレ
    展開はダイス次第
    時間軸はジンベエ加入後~エッグヘッド前くらいののもしくは謎時空


    ゆっくりまったり進行



  • 2124/12/27(金) 04:57:04
  • 3124/12/27(金) 04:59:40

    ※多少の一味の日常に捏造が入る予定
     スレ主は原作と映画数本とアニワン半分程度しか見てないのでそれ以外の媒体の情報は反映されない

  • 4124/12/27(金) 05:02:43

    冬のホラーも乙なものだよね


    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=2 (2)

  • 5124/12/27(金) 05:11:36

    時間


    1.昼 2.夜中

    dice1d2=2 (2)

  • 6二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 06:06:30

    このレスは削除されています

  • 7124/12/27(金) 06:09:15

    1.ゾロ

    心地よい夜風を浴びながら酒を煽るのは、習慣となっている夜間の見張りの楽しみだ。2年前に比べたら船員の数が増えて時間的な余裕がある。
    ザーン…ザザ――ン…
    気の抜けない新世界の海でも穏やかな夜はある。夜間の見張りはゾロやジンベエが担当する割合が高く、交代の時間には共に盃を開けることもあった。残念ながら今夜は酒の進みがよく、ジンベエが来るより先に酒も肴もなくなりそうだが。
    カタッ
    立てかけていた愛刀のどれかが音をたてた。振動だろう。穏やかとはいえ海の上、波の揺れは常にある。珍しいことでもないのでゾロは気にせず肴に箸を伸ばした。
    ザーン…ザザ――ン…カタッ
    今夜の肴は小鯵の南蛮漬け。揚げ物のさっくり感はないが、油と酸がよく馴染んでいて美味い。鼻に抜ける風味を輪切りの唐辛子のピリッとした辛味が引き締める。それを酒で流すのがたまらない。
    ザーン…ザザ――ン…カタッ …カタカタッ
    ピクッとゾロの片眉が跳ねる。刀が波の揺れによる振動とは合わない音をたてた。パッと周囲に視線を走らせ、気配も探る。微かな変化が大時化の前兆かもしれない。
    そうして警戒しながら、一分も過ぎただろうか。
    ザーン…ザザ――ン…
    ゾロ「…止んだか」
    振動が止まった。改めて周辺を探るが見聞色には何も引っかからない。何か合ったのかもしれないが、過ぎ去ったようだ。やれやれ、と腰を下ろしたゾロはぐいと酒を煽り、チラッと横目に刀を見下ろす。
    先ほどまで震えていた妖刀がすっかり大人しくなっているのを確認して一つ息を吐くと、そのままジンベエと交代するまで一人酒を楽しんだ。

  • 8124/12/27(金) 06:20:47

    1.ルフィ 2.ナミ 3.ウソップ 4.サンジ 5.チョッパー 6.ロビン 7.フランキー 8.ブルック 9.ジンベエ

    dice1d9=2 (2)

  • 9124/12/27(金) 06:26:16

    時間


    1.朝 2.夜中

    dice1d2=1 (1)

  • 10二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 06:51:22

    このレスは削除されています

  • 11124/12/27(金) 06:54:39

    2.ナミ

    朝のダイニングでふあ、と欠伸したナミを見て、正面に座っていたロビンが「あら」と新聞から顔を上げる。
    「珍しいわね。まだ眠いのなら、もう少し寝たら?」
    「ううん、大丈夫。でもサンジくん、コーヒーちょうだい」
    「はあ〜〜〜い♡ちょっと待っててねナミすわん♡♡」
    すぐにコーヒー特有のいい香りが漂ってきて、甲板から聞こえるバイオリンの音色に耳を澄ませているうちに目の前にカップが置かれる。
    「どうぞ、スペシャルブレンドです」
    「ありがと。…ああ、美味しい!」
    満足げなナミの顔に「幸せ〜〜〜♡」とくるくる回るサンジを横に、ロビンがしっかり眠れた?と尋ねる。
    「なあんか昨夜、一回起きちゃったのよね。まあちゃんと起きたんじゃなくて寝ぼけてて、たぶんそのまま寝たんだと思うけど。誰かの足音か何かを聞いた気がするのよ」
    「夜中に歩き回るっていやあ、見張りしてたマリモとジンベエか」
    「あ、ルフィかもしれないわね。昨夜はフランキーが担いで部屋に行ったみたいなのに、さっき芝生の方で寝ていたから」
    「誰にしろ、ナミさんの安眠を妨害するとは許し難し…!」
    物理的に燃えながら怒るサンジはちょっと場所的に危ない。なんにせよ眠くなったらどこでも寝てしまう船長には、あとで一言言っておこう。いくら丈夫だからって、風邪の一つもひかないとは限らないのだから。ただ…。
    「(ルフィだとしたら、ずいぶん静かだったわね…あの足音)」
    まあ、寝ぼけてなにかの音を足音と聞き間違えただけかもしれないが。

  • 12124/12/27(金) 06:55:39

    1.ルフィ 2.ウソップ 3.サンジ 4.チョッパー 5.ロビン 6.フランキー 7.ブルック 8.ジンベエ

    dice1d8=6 (6)

  • 13124/12/27(金) 12:13:42

    時間


    1.朝 2.夜

    dice1d2=1 (1)

  • 14124/12/27(金) 12:50:32

    3.フランキー


    トントントン…

    木を打つ軽快な音が芝生に座り込んだフランキーの手の中から鳴っている。その前には作業を見守るルフィとウソップ。何をしたのか見張り用の望遠鏡を壊してしまったと、2人がフランキーのところに泣きついてきたのがついさっきだ。幸いレンズは無事だったので、割れてしまった本体の鏡筒部分を直してやるだけで事は済んだ。

    「おーしッ!完成!」

    「「おおおお〜〜〜〜〜〜!!!」」

    これくらいなら文字通り朝飯前。自分で覗き込んでみて問題ないのを確認し「ほらよ」と手渡してやれば、2人は目を輝かせて早速覗き込んでいる。こういうところは年相応の若者で可愛いものだ。

    そうして交互に望遠鏡を覗き込んでいた2人だが…。


    1.ルフィが「んん?」と声を上げた。

    2.ウソップが何かを見つけたようだ。

    dice1d2=2 (2)

  • 15124/12/27(金) 13:12:26

    「何だ、あれ?」
    ウソップが何かを見つけたようだ。船の手すりに手をかけて、前のめりになって海の向こうを見ている。
    「何かあんのか?島か?海王類か?」
    「いや…ありゃァ…」
    数秒沈黙した後、ハッとして声をあげる。
    「なんかゆらゆら動いて…あ、樽!樽だ!旗みてえのがついてる!」
    「樽?」
    海に流れる旗つきの樽といえば。
    「流し樽か」
    かつて一度遭遇したことのあるそれが、波に乗ってサニー号に近づいてきていた。

  • 16二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 13:23:52

    日常ホラー!日常ホラーの人じゃないか!

  • 17124/12/27(金) 14:33:24

    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=10 (10)

  • 18124/12/27(金) 16:03:04

    4.ジンベエ

    急に甲板に召集をかけられてすわ敵船か嵐かと身構えたが、どうやら流し樽を見つけたらしい。それならばと一肌脱いだジンベエは海に飛び込んだ。魚人のジンベエからすれば海に飛び込んで樽の一つを持ち帰るくらいなんということはない。実際樽まではひと泳ぎだった。
    「これじゃな」
    樽といってもよく見る茶色ではなく、若々しく白っぽい。ほんのり木香もする。形も普通の樽を上から潰したような丸みがあり、それが縄でぐるぐる巻かれている。なんとなく、ワノ国で見たお神酒に似ていた。
    よいせ、と大きめなその樽を担いだジンベエは海の中で踵を返す。冒険好きの船長が手すりに乗り上げながら大きく両手を振って横から狙撃手に抑えられていた。まったく、悪魔の実の能力者だというのに。
    サニー号に向かって泳いでいる最中、ふとジンベエは妙な匂いを感じて振り返った。しかし気のせいだったのか、目に見える範囲にはなにもない。
    「(気のせいか)」
    ジンベエはそのまま樽を持ってサニー号に戻った。

  • 19二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 20:30:57

    ホラースレの新作だ!うれしい!

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 23:53:30

    一味ホラーの人だ!ありがとう!

  • 21124/12/28(土) 00:35:24

    書きにきましたまたよろしくオナシャス



    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=8 (8)

  • 22124/12/28(土) 01:11:45

    5.フランキー


    ゴトン、と重そうな音と共にジンベエが酒樽を下ろす。

    「前に拾った樽よりでっけェ〜な!肉入ってるかな!」

    「待て待て待てルフィ!その時のことをもうちょっと思い出せ!ありゃ罠だっただろうが!」

    「なんじゃお前さんら、引っかかったことがあるのか」

    「ええ、2年前にね」

    「私がこの一味に入れてもらう直前の一件ですね、いやァ懐かしい!」

    「樽は最近作られた物だろうが、旗は…やけにボロボロだな?何が書いてあったのかほとんどわからねェ」

    「この端の方…燃えたように見えるわね」

    「なんにせよ、開ける前に少し調べるか」

    そう言って、フランキーは樽を持ち上げた。匂いは木と海水のそれ。そこそこ重い。振ると中で液体が揺れる感触がある。

    「中に液体が入ってるな」

    「酒か」

    「じゃあ、本当に普通の流し樽なんじゃない?」

    「いや、それと…」

    樽の中、さらに液体の中に何かある。その中で何か同士がぶつかっているような…まるで、内側からノックするような。

    「液体の中にまだ何かあるってのか?」

    「たぶんな。だがそれ以上は…」

    これ以上は開けてみないとわからない。さて…とひと息おいたところで。



    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=8 (8)

  • 23店長24/12/28(土) 01:34:46

    「よし、開けるか」

    「ためらいゼロか!前みてェになったらどうすんだよ!」

    トンカチをとりだしたフランキーに反射でウソップがツッコむ。チョッパーがビクッと跳ねてルフィの足にしがみつく。

    「ま、前みたいにって、あのピカッてするのが飛び出てくるやつか!?」

    「おおそうだ、そしてそれを見つけた海賊船がおれ達を襲うためにわらわら寄ってくるんだ…!」

    「ギャアアアアア―――!!」

    「それはそれで構わねェけどな」

    「全部ぶった斬っちまえばいいだけの話だ」

    「「頼もしッ!」」

    「いいな?ルフィ」

    「おう!」

    船長に最終確認をして、よし、とフランキーはトンカチを振り上げた。パカンッと小気味の良い音をたてて、樽の上板が割れる。途端、ふわっと香る酒精。

    「お…」

    「あら」

    「へえ…いい酒だな」

    匂いだけで上物とわかり、早速ゾロとナミ、サンジが食いついた。閃光弾が出てこなかったことに安堵して他の面々も樽の中を覗き込む。

    「んん?なんだ、これ」

    樽の中には確かに酒のような液体が満ちていた。そしてその真ん中には。



    1.木箱

    2.白い瓶

    dice1d2=2 (2)

  • 24二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 01:59:28

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:01:05

    このレスは削除されています

  • 26124/12/28(土) 02:03:36

    (安価ミスったので貼り直し)



    「なにこれ、瓶?」

    「よっと」

    酒の中からルフィが両手で白い瓶を引き上げる。ポタポタと酒の雫を落とす大きな瓶をよくよく見ると、どうやら内側に白い紙が敷き詰めるように貼ってあるようだ。

    「中になんか入ってるな」

    なんだろーなと匂いを嗅ぐルフィだが、もちろん酒の匂いしかしない。後ろで早くも樽に手を突っ込んで手酌で味をみていたゾロが「お、美味ェ」と嬉しげな顔をした。

    「こらクソマリモ、ナミさんとロビンちゃんも飲むモンに素手で触ってんじゃねェよ!コップ持ってくるから待ってろ!」

    「確かにいい匂いね!よかった、今回はちゃんとした流し樽みたいで」

    「これ飲んだら、後でまた酒入れて流すんだったか?」

    「そうよ。蓋は…フランキーが作ってくれるわ」

    「おうよ、任せな!」

    そんな会話をしているうちに、ルフィは瓶の固い蓋を開けることに成功した。中から取り出したのは。



    1.指輪 2.紙 3.人形 4.刃物の欠片

    1〜4で安価>>30

    ダイスもOK

  • 27二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:30:30

    dice1d4=4 (4)

  • 28二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:30:56

    dice1d4=4 (4)

  • 29二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:31:11

    指輪

  • 30二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:31:23

    dice1d4=2 (2)

  • 31124/12/28(土) 02:36:10

    「なんだこれ?なんて書いてんだ?」

    蓋を開けて最初に目に入ったのは、瓶の内側に貼り付けてあるのと同じ紙のようだった。ベリー紙幣程度のサイズで、裏は真っ白。そこにミミズがのたくったような文字らしきものが書き連ねられている。


    インクの色

    1.赤

    2.黒

    3.赤黒

    dice1d3=1 (1)

  • 32124/12/28(土) 02:50:06

    「うげっ、なんだそれ?」
    「わかんね。ロビン〜!これ何かわかるか?」
    「え?…あら、文字のようね。ワノ国でも見た、御札じゃないかしら」
    「御札〜〜〜〜!?」
    「あ、赤い文字!?おいまさかそれ血じゃねェだろうな!?」
    「血だとしたら時間が経過したら酸化して赤黒くなるから違うと思うぞ。匂いもしないし」
    「ア、ソウデスカ…」
    3秒前まで御札という単語に怯えていたのに色が違うから血じゃないと急に落ち着いて怖いことを言うものだから、ウソップはチョッパーのその変化にスンとした。ビビリ仲間どこいった。
    「どうしたの?それ」
    「瓶の中にいっぱい貼ってあるんだ」
    「そういうのは普通、入れ物の外側に貼るものだけど…」
    変わった風習ね、とロビンが首を傾げる。それはそうと、と仲間たちが酒を飲んでいる横でルフィは瓶の中身を改め始めた。
    「あ、金だ」
    「あら。指輪、ネックレス…色々入ってるわね」
    「え、お宝!?」キュピーン
    「どちらかというと普段使いのアクセサリーじゃないかしら」
    「あ、ホントだ。まあ金には違いないけど」
    「ルフィ、他にはなにか入ってるか?」
    「ん〜と…あッ、いてッ!切れた!」
    「切れた?刃物か何か入ってたのか?」
    「このやろッ!」
    面倒になったルフィは瓶をそのままひっくり返す。中身が芝生の上にぼとぼと転がった。その中に刃物が一つ。ルフィを指を傷つけたのはこれらしい。

  • 33124/12/28(土) 03:30:29

    「危ねェな…鞘無しで入れるなよこんな物」

    「手紙、人形、ナイフ、縄、汚れた布…なんだこれ、ガラクタばっかか」

    「貴金属もちょっと入ってるけど、それ以外はお金になりそうもないわね」

    「ルフィさん、怪我の方は大丈夫ですか?」

    「おう!」

    ブルックの問いに、ルフィはチョッパーに手当されながら答える。刃物はルフィの

    1.親指

    2.人差し指

    3.中指

    4.薬指

    5.小指

    dice1d5=3 (3)

    を切ったようだ。そこまで深くないのは不幸中の幸いか。

    「それにしても、流し樽に入れるにしてはなんだか奇妙ですね」

    「確かに…食料とか、儀式的意味合いのある物ならわかるのだけど」

    「これはどう見ても日常生活の中で使われる物じゃな」

    経験則と知識に一家言ある仲間たちが揃って首を捻るラインナップ。やけに立派に作られた大きな酒樽と燃やされたらしい旗、美味い酒と御札のようなものが貼られた瓶の中に日用品。なんだかチグハグだ。しかし。

    「ま、酒に罪はねェよ」

    「そうね、金に罪はないわ」

    結局ゾロとナミの言うところに話は帰結し、その日は急遽手に入った酒を理由に宴となったのだった。

  • 34二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 09:36:08

    小指や薬指だったら危なかった気がする

  • 35124/12/28(土) 10:21:54

    次の島まで

    dice1d5=2 (2)

  • 36124/12/28(土) 10:42:04

    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=9 (9)

  • 37124/12/28(土) 15:31:54

    6.ブルック

    「紅茶が飲みたいですね」
    チョッパーと交代で見張り台から降りながら、ブルックは無意識に呟いた。潮風に喉をやられたのだろうか。しかし一度意識してしまうと急激に喉の渇きを感じる。忙しい彼には少しばかり申し訳ないが、頼もう。
    そう考えてダイニングに向かうと、ちょうどサンジが歩いてくるところだった。盆を片手に。
    「あ、サンジさん。どちらへ?」
    「見張りごくろーさん。いや、ナミさんとロビンちゃんが図書室にいるからな。お茶でもと思ってよ」
    「いいですねェ。実は私も、喉が渇いて…」
    「ああ、じゃあダイニングで待ってろよ。これ届けたらおやつ作るのに戻るつもりだったしよ」
    「ありがとうございます」
    気にすんな、と言ってサンジは図書室に向かった。彼は優しい。
    ダイニングにはすぐに着いた。中でしばらく待っていようと扉を開ける。
    シューーッ
    「え?」
    噴き上がるような音に目を向ければ、キッチンでヤカンが蒸気をあげていた。え?
    「まさか」
    サンジが火をつけっぱなしでダイニングを離れるわけがない。誤作動?
    ともかくキッチンに駆け込んだブルックは火を止めーーようとして、火がついていないことに気づいた。はい?
    火はついていない。ついていないのにヤカンは今正に熱せられているかのように蒸気を噴き上げている。
    ピーーーーーッ
    ブルックは本能的に、そっと離れた。蒸気音はますます大きくなっていく。そしてダイニングから出て、パタン、と扉を閉める。とたんに蒸気音は途切れた。
    ふーっ、と大きく息を吐いて、そっと扉を開ける。ダイニングには音一つなくーーーヤカンも、静かにそこにあった。

  • 38124/12/28(土) 15:54:53

    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=2 (2)

  • 39二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 18:00:47

    やっぱりゾロあたる率高い気がする

  • 40124/12/29(日) 03:57:17

    7.ゾロ

    トレーニングルームで巨大なダンベルを担いだままスクワットをすること1000回。ごとん、とダンベルをおいて汗を拭き一息ついたゾロは籠もった空気を入れ替えるために窓を開けた。
    「おー…」
    とたんに入ってくる、心地よい潮風。そのまま気分良く涼んでいると、ふと下の方に何かの気配を感じた。
    ずっと下、水面だ。サニー号の横でなにかが水面で跳ねて飛沫を上げている。何だ?よく見ようとするが、さすがに少し遠い。遠いし激しい飛沫にまぎれて何がいるのかわからない。魚?
    「んん…?」
    あ、今チラッと見えた。なんだろう、何本かタコの足か何かのような細長いものが…。
    グラッ
    「ぅ、おッ!?」
    飛沫の中から細長いものが見えたと思った時には、ゾロはトレーニングルームの窓から落ちていた。海に向かって真っ逆さまに。落ちる先には飛沫の中からゾロに向かって伸びる足が―――。
    「ゾロ!」
    「おわッ!!」
    ビュン グルッヒョイッ スタッベチッ
    「へぶッ」
    「あ、悪ィ」
    あと少しであの足に捕まる、というところで見慣れたゴムの腕が伸びてきてゾロに巻き付き遠心力で大きく宙に振り上げられた。そのまま甲板に落とされる。地味に痛い。
    「何すんだお前は!」
    「ええ!?だってゾロが海に飛び込もうとしてたからよ!」
    飛び込もうと―――と言われて、はたとゾロは我に返った。そういえば落ちかけたのだ。ただ少し窓を開け、海面を見下ろしていただけなのに、いつの間にか体が宙に放り出されていて。まるで、あの飛沫の中にいた何かに引っ張られるように…。
    「何だ?海に何かいるのか?」
    「おい、待てルフィ!」
    もしルフィがあの妙なものに引っ張り込まれたら。悪魔の実の能力者には危険が過ぎる。
    とはいえそれ自体は杞憂に終わった。何もねェぞ?と首を傾げるルフィの言う通り、海面には何もなかった。あれだけ激しくあがっていた飛沫が、まったくない。見聞色で探っても何も引っかからない。
    「…なんだったんだ、ありゃあ」
    トレーニングとは関係ないところでひどく疲れた気がして、ゾロはぐったりと息を吐いた。

  • 41124/12/29(日) 11:28:35

    島発見


    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

    dice1d10=1 (1)

  • 42二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 18:45:44

    ここでルフィか
    今度はどんな島だろ

  • 43124/12/30(月) 01:56:56

    8.ルフィ

    見張り台の上で調子外れの鼻歌を歌い、風を浴びながら一面の青い海を眺める。見張り交代の時にサンジがくれたおやつを食べながらの見張りはなかなか楽しい。今日のおやつはスイーツトースト。主に桃やリンゴ、梨、バナナといった果物のスライスがバターをたっぷり塗ったパンに乗せられ、そこにシュガーやはちみつ、チョコソースがかけられている。いつもならパイで出そうなところ、朝昼夜の献立的に被るから敢えて外したんだとか。つまり今夜はパイだろうか。
    「ミートパイがいいなあ、おれ。あ、シチューが入ってるやつも美味かったなあ」
    美味いものはよく覚えている。一番はやはりミートパイだがシチューのパイ包みも楽しい。かぼちゃが丸ごと器になってるやつ。かぶりつくとソーセージがバリッと割れて肉汁が溢れるやつも好き。
    そうして夕飯に思いを馳せながら見張りをしていたルフィだが。
    「―――あ!」
    水平線に何かを見つけ、パッと望遠鏡を手に取る。身を乗り出して覗き込むこと十数秒。
    「ん?…んん!?」
    パッと望遠鏡から顔を離し、下に目を向ける。ちょうどナミとロビンがサンジの給仕を受けているところだ。すうと一つ大きく息を吸って。
    「ナミ――――――!!!」
    「うわ、びっくりした。なに、ルフィ?そろそろ島が見えた?」
    島。島?島というか、あれは。
    「木!すんげ〜〜〜でっけェ切り株がある!!」
    すごい発見をしたといわんばかりのルフィの言葉に、ナミのみならず聞いた全員が「は?」と目を丸くした。

  • 44124/12/30(月) 02:20:51

    dice1d10=3 (3)

  • 45124/12/30(月) 03:30:36

    3

    肉眼で確認できる距離まで近づいて、一味はルフィの言葉を理解した。
    「なるほど、こういうことですか」
    「確かにでけェ切り株だなァ」
    大きな切り株が海に浮かんでいる。そう表現するのが一番的確かもしれない。その辺の山より巨大な切り株。麓の片側には平面の地があり、どうやら人が住んでいる様子が伺えた。
    「しかしこんな巨大な木があるのか?」
    「おいおい、これじゃァまるで、宝樹"アダム"じゃねェか」
    「えーッ!?これがサニー号の素材の樹なのか!?」
    サニー号を造船する際にフランキーが話した世界最強の樹。
    「でもあれは世界に数本って話じゃなかったか?」
    「そうともよ。しかもその最強の樹を、こんな風に根本からばっさり切るなんてありえねえ」
    船からでは上部の様子はわからないが、遠目に見た時点では"切り株"と表現するほどすっぱり切られていた。人の手作業だとしたら大変な労力だ。それともまさかどこぞの剣豪が切ったんだろうか。…切れるんだろうか。
    「おいゾロ、お前なら斬れるか?ほら、ドレスローザの時のでっけェ石の巨人をズパッとやった時みてェによ」
    「こいつはあの野郎よりでけェだろ」
    かつてピーカを斬った時の事を持ち出すウソップだが、当のゾロは鷹の目なら…と難しい顔をする。さすがに一撃ではムリか。
    「とりあえず船を留める場所を探しましょ。それから街…はたぶんあっちね、建物が見えるから」
    「なあ、冒険は!?あの切り株のてっぺん登るんだおれは!」
    「ダメ!あんたすぐ騒ぎを起こすんだから!最低限情報収集できるまで待ちなさい!」
    「ナミさんの言う通りだルフィ。それに今から人目につかない場所に船つけて…ってしてたら夕飯の時間だぞ」
    えーっ!と不満そうな顔をするルフィだが、ナミとサンジのコンボには叶わない。冒険は明日と諦めることになった。そうしてちょうどいい場所を見つけて船を留める頃には、すっかり陽が傾き空と海はオレンジ色に染まってた。

  • 46124/12/30(月) 11:44:49

    1.ルフィ 2.ゾロ 3.ナミ 4.ウソップ 5.サンジ 6.チョッパー 7.ロビン 8.フランキー 9.ブルック 10.ジンベエ

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