- 1二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:00:03
- 2二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:05:32
好奇心だけで開けてはいけないことを思い知らされた
- 3二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:09:12
伝えなきゃ(使命感)
- 4二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:10:20
先生、右頬を差し出せ
- 5二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 00:13:27
いやでもまあキヴォトスだし作るわな
- 6二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 01:50:24
開けるんじゃなかった。
そう思った時にはもう遅かった。
けれども旺盛な好奇心を抑えられるほどの確かな理性はコユキになく、つい中身を検めてしまう。
「にはは……」
それが黒崎コユキの悲しい性だった。 - 7二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 01:59:03
確かめてみるとまだ下書きの段階だった。
つまり公正証書としての十分な効力は有していない。
「先生が、弱いから……?」
こんなものが用意されている理由など、それくらいしか思い当たらない。
そもそも先生のような脆弱な肉体の持ち主が、キヴォトスで生活を送っているのがおかしいのだ。
何度命の危機に陥ったかは、それこそ数え切れないくらいかもしれなかった。
ならば遺言書がてら尊厳死宣言書を作ろうとしても、不思議はあるまい。 - 8二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:08:13
それにしても、何故尊厳死宣言書から作っているのだろうか?
コユキの脳裏にそんな疑念が生まれた。
第六感が囁く。こういう形で自分が目にするなら、まず遺書だったろうと。
(……まるで延命治療を拒んでいるかのよう)
そんなことを思った。
あんな身体でキヴォトスに来たのだから、確かに先生は死にたがりなのかもしれない。
加えて、過労死を心配される程度にオーバーワークをこなしていると評判だ。
(うーん……死にたがっているような雰囲気には見えないんだけどなぁ……)
希死念慮については疑わしいとコユキは考える。
(生き急いでいるというなら、先生と面識のある誰もがそう認めるだろうけどさ~)
先生はどうも先々のことを考えすぎなんじゃないか。そう結論を出した。 - 9二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:25:18
"あ、コユキ。……うん、あなたがここに一人でいたらまあそうするよね"
件の人物がやって来た。
剣呑なものを金庫にしまいながら、今も朗らかに笑ってしまえる怖い大人が。
「先生……」
しおらしい様子で先生へと歩み寄るコユキ。
だが先生の側についた途端、逆上したのか声を荒げて詰問する。
「なんでこんなものを書いたんですか……?」
"必要だと思ったからね"
「そんな説明じゃ分かりませんよ!その、先生って多分死にかけたことがあったんでしょうし、万が一のことを考えるくらいは仕方ないって思いますけど……けど……」
コユキはそこで言葉を詰まらせてしまう。
目を潤ませる彼女を見て、先生はあやすように頭を撫でる。
「……こんなことしたって、許してあげませんから」
そう言いつつも、慰められると心のどこかで喜んでしまうことを自覚し、コユキは自己嫌悪を深める。 - 10二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:31:18
衝動的に動いてしまうのが自分の性だ。
コユキが何度後悔しても懲りずにまた悪さをするのは、どこかでそう割り切っているからに違いなかった。
"……ごめんね"
そんな彼女も、先生のような優しい人に負い目を感じさせてしまうことに関してはそれが出来ない。
したくないのだ。
したいことだけしたがるコユキだからこそ、なけなしの良心に咎められては後悔ではなく、反省をしたくなるのだ。
しかしながら、したくなったからといって可能だとは限らない。
普段したがらないししないことを上手くやれるほど、コユキは器用に立ち回れないからだ。
もしそう出来たならば何度も反省室に送られはしなかったろう。 - 11二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:34:02
なぜ遺書といいコユキはこの手の曇らせが似合うのか
- 12二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:42:18
「にはは……先生、なんでそこで謝るんですか。開けちゃいけないものを開けた私が悪いのに……」
"そうだね。でもねコユキ、あなたに開けられてしまうタイプの金庫を選んだのは私だし、何らかの形で知られてしまえば生徒の誰かを傷つけかねないものを用意したのも私だよ。まだ下書きだからと、手近な保管場所を選んで保管した私のミスなんだ"
先生は必要以上にコユキを咎めない。
まずコユキ自身が自らを咎めていたから、先生は彼女が自発的に認めた過ちを肯定するだけでよかった。
何よりコユキが傷付いた一因である自分が、泣きじゃくっているコユキに追い打ちをかけるのは本意でない。
「あの、怒らないんですか……?」
だからコユキに促される形で罰を与えることもしない。
"それじゃご褒美になっちゃうよ。コユキはその、責められるのが好きなの?"
「そ、そんな訳ないじゃないですか!?」
刹那先生の脳裏をよぎる行政官。
ああ、やはり罰されるべきが望む罰は罰にならない。それはもうただのSMプレイに違いなかった。 - 13二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:51:23
ん、文豪が生えてきてる
もっと頂戴 - 14二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:51:59
「……とりあえず、こういうものを用意するならもう少しセキュリティは考えてください」
"うん"
コユキは一旦追求をやめた。
もう少し踏み込んでみたい気持ちはあったが、自分がそうするのは烏滸がましいと考えたから。
「それから……その」
"え?"
コユキが先生に向けて端末をかざす。
「あんなものを用意した理由について尋ねるべき人は、他にいると思うので」
"ちょっ……!?"
先生の目に映るのはモモトークの通話画面。
ユウカだ。
そう思ったのもつかの間、ヌッ、ヌッっと足音のような何かを知覚する。
「私も一緒に怒られますから、覚悟してくださいね?」
"コユキっ……!"
扉が開け放たれ、鬼の形相をした魔王が現れ間もなく二人を蹂躙するだろう───!
WAPPY END. - 15二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:56:08
ブロリーの「ギュピッ」枠なのか「ヌッ」は
- 16二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:58:44
- 17二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 05:33:33
皆が先生を蘇生させることだけに拘って停滞しちゃったプレ先世界の反省かなあ
- 18二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 08:17:14
サオリがぶっ壊れるわ
ヒナが部屋から出てこなくなるわ
クロコが今度こそ不可逆にへし折れるわ
大変なことに - 19二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 14:26:32
なるほどな
- 20二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 14:31:24
何ならこの先生が大怪我したらコユキもテラー化一歩手前ぐらいにはなりそう
- 21二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 00:23:01
ヌッヌッヌッヌッ