- 1124/12/29(日) 22:26:13
- 2124/12/29(日) 22:27:16
- 3124/12/29(日) 22:29:34
※1スレ目から派生のバッドエンドルート+2スレ目のハピエンルート後の後日談SSスレです
※バッドエンドルートには流血描写、キャラが死ぬ描写、胸糞描写が含まれています
※バッドエンドルート、ハピエン後日談どちらも未来捏造です
※先にバッドエンドルートを書いてからハピエン後日談に取り掛かるので、後日談のみ読みたいよって方が居たらしばらく飛ばしてください(バドエンはそんなに長くならない予定です)
※色々ガバだけど許して
上記が大丈夫な方は引き続きお付き合いいただけましたら幸いです - 4124/12/29(日) 22:30:48
「俺、玲王を忘れようとしてるみたい」
「それが出来たらさ、玲王に出逢う前の俺に戻れる」
「全部無かった事に出来る」
スマホを確認する。
返信は届いていない。
もう、疲れた。これ以上期待をしたくない。
これまで連絡が無いってことが、答えだ。
ばぁやさん達は俺を疎んでいるし、玲王に会わせて欲しいなんて願いは受け入れてくれないだろう。
「…」
スマホの画面を消し、目を閉じる。このまま眠ってしまおう。
そうして怠惰な眠りに誘われ、俺は意識を手放した。 - 5124/12/29(日) 22:31:24
白宝高校、校舎内階段。
夕焼けが空を染める頃、俺は階段に座り、いつものようにゲームを楽しんでいた。
背中に衝撃を受ける。
ぶつかった衝撃で、手にしていたスマホがこぼれ落ちた。
階段の下へとスマホが落ちていく。
その光景を、ぼんやりと見送った。
ガシャン、と音を立ててスマホが落下した。
のろのろと立ち上がり、階段を降りてスマホを拾う。
ケースに少し亀裂が入っているけど、本体は無事のようだ。
そのまま、また座り込んでゲームを再開する。
背後にあったはずの気配は、感じられなくなっていた。 - 6124/12/29(日) 22:31:42
「…おはよ、チョキ」
目覚めた世界は、色を失っていた。 - 7124/12/29(日) 22:32:48
元サッカー日本代表選手、御影玲王さん(25)が刺された事件で、御影さんが搬送先の病院で死亡していたことが関係者への取材で明らかになりました。
御影さんは搬送先で懸命な治療が行われたものの、○○日深夜に息を引き取ったとのことです。
なお、葬儀はご遺族の意向により身内だけで執り行われたことが確認されています。
警察は、容疑者が抱いていた動機の背景をさらに詳しく調べるとともに、事件に至る経緯を明らかにする方針です。 - 8124/12/29(日) 22:33:22
凪誠士郎さん(25)が所属チームを脱退し、プロサッカー選手を引退する意向を示したことが関係者への取材で明らかになりました。
引退の理由について、凪さん自身は公式の声明を発表していませんが、先日発生した元チームメイトである御影玲王さんの事件が影響していると予想されています。 - 9124/12/29(日) 22:34:50
『世界の損失だろこれ』
『御影亡くなってたんだ、ご冥福をお祈りします』
『凪のコメント無いの?マジで引退するんか?』
『サッカーなんて始めなければこんなことにならなかったのに。玲王くんを止めていれば良かった』
『関係者?犯人の情報何か落としてよ』
『犯人許せない。世界の凪を返せ』
『凪と御影が出会わなかったらもっと凪のプレー見れてたってこと?残念』 - 10124/12/29(日) 22:35:44
【事件当時に居合わせた女性の証言】
玲王さんとは同級生でした。
玲王さんは昔から文武両道で明るくて優しくて、みんなの憧れの存在でした。
そんな玲王さんに、また会いたいって思う人は少なくなかったんです。
私も、その一人でした。
だからあの日、母校で講演をするって聞いて、すぐに申し込みをしました。
一目、見れるだけで良かったのに。まさか、あんなことになるなんて思ってもいませんでした。
私は医療に携わる仕事をしていたので、その場で応急処置にあたりました。
玲王さんが助かりますようにって、祈りながら処置をしていました。
でもそれは私の役目じゃないって、凪さんに声をかけるようにお願いしたんです。
…彼の祈りも、届かなかったようですね。 - 11124/12/29(日) 22:36:29
【処置を行った医師の証言】
玲王さんとは面識はありませんでした。しかし、テレビで彼らの活躍は拝見していました。
なので、まさかあんな形でお会いすることになるなんて信じられませんでした。
…玲王さんは、搬送されて治療を施された後、ほんの少し意識を取り戻していました。
その間、ご両親やお付きの方々が必死にお声がけを行いました。
その中で皆様が、凪さんを連れてくるから、頑張ってくれ、と玲王さんに伝えました。
玲王さんは、それに対して大きく反抗した態度を見せました。
意識が朦朧としているであろう中、凪さんにだけは会いたくない、とはっきりと拒絶を示したのです。
その後…玲王さんは再び意識を失い、…そのまま目覚めることはありませんでした。
私はテレビ越しにしか、彼らのことを知りません。お二人の間に何があったのかは分かりません。
しかし、お二人を会わせてあげるべきだったのではないかと、今でも悔やんでいます。
もしかしたら、何かが変わったのではないかと、そう考えずにはいられません。 - 12124/12/29(日) 22:37:53
────────────
お前と出逢って俺の人生は変わったんだ
一緒に居ると楽しくて、幸せだった
出逢わなければ良かったんだ
出逢わなければこんな気持ちを知らずに済んだのに
そんな表情をさせたくなかった
こんな事を考えても無駄なのに
考えたくないのに思考が止まらない
何も考えたくないのに
また笑って欲しいと思っているんだ
隣で笑い合っていたかった
思い出したくない時ですら笑顔が脳裏に焼き付いていて
いつだって目が離せなくて
ずっと見ていたよ
誰よりも、ずっと
忘れられた日なんて無い
隣に居たいんだ
怖くて言えなかったけど
出逢わなければ こんな
「………」
あれから、長い年月が経過した。
ここでの生活は今日で一旦終わる。
言い渡された務めは、区切りを迎えることになる。
出所後、出迎えてくれる存在は居ない。
家族や親族には縁を切られ、俺に残っているのは多額の賠償金と、償い切れない罪だけだった。
何よりも尊い命を奪った、罪。 - 13124/12/29(日) 22:39:08
毎日のように、夢を見る。
未だに、この脳を焼き続けている。
御影玲王という人物は、俺の人生を変えた存在だった。
中学の頃、クラスに馴染めず一人で居ることの多かった俺に気を遣ってくれたのか、声をかけてくれた玲王。
あまり運動に特化していない学校だったから、比較的、体格が良くスポーツが得意な俺が単純に物珍しかったのかもしれない。
それから体育の時間で二人でペアを組むことが何回かあって、俺は玲王のかけてくれる言葉が、笑顔が大好きになった。
その笑顔を、ずっと傍で見ていたかった。俺だけが独り占めをしたかった。
けれど玲王はいつも多忙で、いつも周りに沢山人が居て。そんな玲王に声をかける勇気も無くて。それでもずっと、玲王のことが好きだった。
そんな中、また玲王の方から声をかけてくれた。
嬉しくて嬉しくて、天にも昇る心地だった。
その後、あんな思いをすることになるのも知らずに。 - 14124/12/29(日) 22:39:57
思いを馳せながら、入居予定の更生施設への道を歩く。
人気の無い道路を歩いていた、その時だった。
道の脇から複数の人が飛び出してきて、羽交い締めにされ口元を布で覆われる。
訳も分からぬまま本能的に危険を感じ、とにかく抵抗をしたいのに身体が言うことを聞かない。
おそらく即効性の薬品を嗅がされている。
怖い。助けて。誰?何の目的が?──それを考える暇もなく、次第に意識が掠れ、ついには完全に暗転した。
そして次に目を覚ました時。
俺は埃の被った小部屋で、手足を拘束された状態で横たわらされていた。
首を動かし見上げた先──男がしゃがみこみ、真っ黒な目でこちらを見つめていた。 - 15124/12/29(日) 22:41:05
男が、口を開く。
「御影玲王は、俺の全てでした。
出逢った時から眩し過ぎて、ずっと近くに居るなんて出来なくて、離れている間も身が焦がすような思いが止まらなくて、それで、」
「……」
「…それで?何だっけ?」
「……、…、」
「…ねぇ聞こえてる?」
「…な、ぎ…」
「俺の名前じゃなくて、続き言えって。お前が裁判で話してたことだろ」
「………」
「あー、まだ薬抜けてない感じ?さっさと起きろよ」
「………」
「はぁ、めんどくさ。話せるようになったら声かけて」
ため息混じりに吐き捨てるて、男はスマホを操作し始めた。
白い髪に並外れた長身。
忘れるはずも無い。
羨ましくて妬ましくて憎くて仕方無かった。
凪誠士郎、その人だった。
──────────── - 16124/12/29(日) 22:42:18
混乱のせいなのか薬のせいなのか、言葉が発せれないらしい男を視界から排除し、スマホに目を向ける。
慣れた手付きで画像フォルダを開き閲覧を始める。
ずらりと並ぶサムネイルの中から、一枚の画像を選択した。
拡大表示されたのは、夕暮れの河川敷の写真。
「はー、良い風だなー!」
「うん、風きもちー」
「風きもちー、って言いながらスマホいじんなし!」
「…今日ログボ貰ってなかったからー」
「ったくもー。風情のないやつだな。後はお前が自転車漕げ!」
「うぇ〜…」
そんな会話をしながら、実は写真撮影していたんだよね。
なんてことの無い、ただの風景がキラキラ輝いて見えたから、思わずシャッターを押していた。
一緒にいる人次第で目に映る世界が変わるって、本当なんだなって。あの時は気付いていなかった。
今は、痛い程理解している。 - 17124/12/29(日) 22:49:53
バッドエンドルート+ハピエン後日談スレになります
1スレ目、2スレ目ではたくさん♡とレスをいただき本当にありがとうございました!
また感想などいただけるととても嬉しいです!
3スレ目もよろしくお願いします🙇 - 18二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 06:34:41
バッドエンド辛いけど、スレ主さんの文才がありすぎてつい見入ってしまう......
。無理せずに頑張ってください! - 19二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 15:06:55
スレ主文才つよつよで草
- 20二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 17:17:13
一気読みしてきてボロボロ泣いてしまった
バドエンルートの凪さん怖… - 211 ごめん!今日はこれだけ24/12/30(月) 23:55:49
スマホの画面を一旦オフにして、横たわる男の様子を窺う。
顔色から察するに、薬の効果は抜けている。ただ混乱と恐怖で頭が働かないようだ。心底面倒臭い。思わず舌打ちが漏れる。
「おい、聞こえてるんだろ。状況説明してやるから、ちゃんと聞けよ」
そう声をかけると、男が再び顔を上げ、目線が合った。
怯えと困惑が入り混じった、不安そうな表情。そんな男の様子を一切気に留めることなく、口を開く。
「まず、ここは山奥の古民家。叫んだりしても助けは来ないから」
「…ど、して」
「…どうして?どうしてって言った?」
屈んでいた体制から、ゆらりと立ち上がり、頭上から男を見下ろす。男は震えていた。
その震えが、あまりに滑稽で愚かしくて惨めで。
「ねぇ、理由が分からないなんて言わないよね。俺が、お前と顔を合わせる理由なんてひとつしか無い」
脚を上げ──硬い靴底を男の顔のすぐ横へ振り下ろす。
鋭い音が空気を切り裂き、大きな衝撃音が響く。
古い木の床板が、ひしゃげて浅い亀裂が入る。
「復讐。それ以外有り得ないだろ」
男の震えと、息遣いが更に荒くなった。しかしお構い無しに言葉を続ける。
「あと、拘束を抜けて俺を倒して逃げようとしても無駄。ここには俺以外に協力者が何人も居るから、もしも俺を撒いたとしてもすぐ捕まるよ」
「……、…」
「あー、協力者って誰かって?さぁ、名前とかは覚えてないけど。みんな同じ。みんな、お前に復讐したいって思ってる奴らだよ」
「ここに居る人間は全員、今も尚…御影玲王に焦がれ続けているってこと」
みかげれお。誰よりも尊く眩しい、何よりも大切な存在。
その名前を口にする時だけ、自分の声音が柔らかくなるのを自覚できた。
そしてその名前が耳に入った途端、男の震えが収まるのを見逃さなかった。 - 22二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 23:55:50
このレスは削除されています
- 23二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 09:00:02
緊張する…
どうなってしまうんだろ - 24二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 17:33:36
ドキドキ、ザワザワ…
- 25二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 23:08:20
ほしゅ
- 26二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 08:30:47
泣ける
いいもの見れたありがとう - 27二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 18:06:37
☆
- 28二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 23:32:59
ほしゅ
- 29二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 08:12:08
☆
- 30二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 11:54:32
ドキドキしながら待ってる
- 31二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 19:59:12
☆
- 32二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:25:19
ほしゅ
- 33二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 10:15:57
ほしゅ
- 341 あけおめです25/01/03(金) 10:25:50
「ほら、もう喋れるだろ。早く続き。それで?」
促すと、男はおずおずと話し始める。
「…そ、れで、ずっと、玲王が迎えに来てくれるの…待ってて、…」
「…」
「そしたら、玲王がサッカー部に誘ってくれて、また一緒に居られるって、嬉しくて、でも、玲王の隣には、………」
「隣には?何?」
その問いかけをした途端、きょろきょろと定まっていなかった男の視線が、しっかりと俺を捉えるようになる。
そして、俺を睨むように見つめながら、口を開く。
「…と、隣には…お前が、居て…!」
ボソボソと呟くように話していた男の語気が、強くなった。
それを冷めた目で見下ろしながら、相槌を打つ。
「うん、そうだよ。玲王の隣はずっと俺だった」
「嫌で、嫌で堪らなかった…俺の方がず、ずっとずっと前から玲王のことを見ていたのに…!」
「そうだね、お前はずっと玲王のこと見てたみたいだ。俺と違って、遠くから」
事件の後に家宅捜査が入ったこいつの部屋には、玲王の写真や、どこから手に入れたのか分からない玲王の私物、そして高校の頃の制服やサッカー用品が大切そうに保管されていた。
その中には、俺が初めて玲王から貰ったスパイクと全く同じ品番の物も含まれていた。
…俺と玲王が出逢ったばかりの頃から、こいつは『こう』なっていたんだ。 - 35125/01/03(金) 10:27:18
「お、俺の方が!先に玲王と出逢って、必要とされたのに、なのに、なのに!」
「なのに、何?元々お前は重要な存在じゃなかっただけ。玲王は、欲しい物は全部手に入れる主義だよ。玲王が手放してたってことは、不要だったんだよ、単純に」
「、……ッ!な、ぎぃ…!!」
俺の返答が大層気に障ったらしい。男は、拘束された状態のまま、身体を大きく反らしその反動で俺に近付こうとしてきた。
あー、うざい、気持ち悪い。
この興奮状態では話が出来ないと判断し、男に背を向け部屋の扉へと向かう。
男は何やら騒いでいたが、無視をして部屋の外へと退室する。そして部屋のすぐ外で見張りをしていた協力者に男を一旦落ち着かせるように指示を出す。
協力者が部屋へと俺と入れ替わりに入っていくのを確認し、その場に座り込んだ。
一旦休憩にしよう。久しぶりに声を出して会話を行ったことで、少々疲れてしまった。
唯一の話し相手は、随分前に枯れ落ちてなくなってしまったから。 - 36125/01/03(金) 10:28:45
ポケットからスマホを取り出し操作をして、画像フォルダを開く。
スクロールし、小さなサムネイルでも目を惹く鮮やかな画像を選択する。
輝く大きな木の下で、笑顔で写真に収まる玲王。
「撮れてるかー?凪ー?」
「おっけー、撮れてる撮れてる。ねぇそれより寒いよ玲王。早くお店入ろーよ」
「ありがと!んじゃ次お前の番な!ツリーの下でピースして!」
「えー、俺一人で?玲王も一緒に撮ろうよー」
「うーん、お前のソロ写真需要高いんだよなぁ……」
二人でクリスマスマーケットに出掛けた日。
一緒に写真に写ろうとする俺に、玲王は渋ったけど押し切って俺はソロ写真を回避した。
この後俺が慣れない自撮りツーショットをしたらピントは合ってないしブレブレだしで、玲王に笑われたんだよね。
玲王はひとしきり笑った後、これはこれで味がある!とか言い出してそのままSNSに上げたら中々の反響で。それにも玲王は満足そうに笑っていたな。
俺と玲王のSNSは、あの日から止まったままだ。
そして、新たな投稿がされる日は、もう二度と訪れない。 - 37二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 18:48:38
続き有難うございます!
- 38二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 19:01:10
もしかしてチョキ、枯れて…
- 39二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 02:29:19
チョキまでそんな…
- 40二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 10:56:17
怖いよ…どうなってしまうんだ
- 41二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:05:34
☆
- 42二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:21:09
☆
- 43二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 00:28:09
ほしゅ
- 44二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 10:43:40
ほ
- 45二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 19:44:52
保守
- 46二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 03:38:53
ほ
- 47二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 08:08:56
ほしゅ
- 48二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 16:53:02
☆
- 49125/01/06(月) 23:57:13
もうそろそろ落ち着いた頃合いかな。
スマホの画面をオフにして、立ち上がり扉に手をかける。
扉を開くと、先程とは打って変わって静かな様子の男と、それに対して憎しみを隠そうともせず、睨み続けている協力者の姿があった。
あんなに興奮してたのに、どんな手を使ったんだろ。ここに連れてきた時と同じような手段かな。そんな疑問も浮かんだけれど、その答えを知ったところで意味は無いので、思考の隅に追いやった。
協力者に出てって、という意味を込めて目配りをし、その意図を組んで退室するのを見届ける。
さて。
「落ち着いた?声荒らげるなよ。うるさいから」
「……」
「じゃあさっきの続き。玲王の隣に俺が居たから、何?」
男は、素直に語り出した。
「…妬ましかった。俺が欲しかったこと全部、お前が当たり前のように享受して、玲王の隣を独占するお前が羨ましくて、憎かった」
そう語る男の声は、一見冷静を装っていたが、隠しきれない俺への敵意が滲み出ていた。
「ふーん、そんなこと考えながらサッカー部に居たんだ」
「……サッカー部に居る間は、玲王は俺のことも、見てくれた。いつか俺だけを見てくれるかもしれないって、…思えた」
「そんな訳無いのに。…あー…、…気にしないで、続けて」
また怒らせたら面倒なのに、つい本音が出てしまった。雑に取り繕う俺を、男はじとりと見つめながらこう言った。
「でも、玲王は遠くに旅立ってしまった。画面越しでしか、玲王に逢えなくなった」
その旅の先は、青い監獄。俺と玲王に、大きな変化をもたらした場所。
『昼寝より、ゲームより、面白い人生に連れてってやる!!』
「………」
昔は昼寝して、ゲームして、また寝て。そんな生活を望んでいたのに。
それが叶った今の世界は、ひどくつまらない。
面白い人生に、連れてってくれる人はもう居ない。 - 50二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 08:14:35
続き有難うございます💫
- 51二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 10:53:59
涙が…涙がとまらないよ…
- 52二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:13:38
心が…心が痛い…
- 53二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 01:54:42
😭
- 54二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 08:14:15
ほしゅ
- 55二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 17:37:50
☆
- 56二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 00:03:48
ほしゅ
- 57二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 08:24:54
☆
- 58二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 10:56:13
続きみたいけど怖いよ…
- 59125/01/09(木) 22:09:01
「画面越しに見る玲王は、笑顔ばかりじゃなかったけど、誰よりも綺麗で格好良くて、玲王への想いが募っていった」
今まで同じ校舎に居た想い人が、突然遠くへ行ってしまい、会えなくなる。それはとても悲しく淋しいものなんだろう。
しかも──
「画面の中でも、玲王の隣はお前が居た。どうして俺じゃないんだって、…嫉妬が止まらなかった」
玲王の隣には、俺が居た。俺と玲王がパートナーとして共に在ることが世界へ配信されている。その事実はきっとこいつの心に鋭利に刺さっただろう。
「玲王は復学後もお前とばかり居て、…俺とは特別に関わることも無く、あっという間に卒業して、…俺と玲王の繋がりは無くなってしまった」
「……」
その傷は、癒えること無く広がり続けた。
そして…
「現実に耐えきれなくて、玲王の隣に居るお前が憎くて、そんな世界を否定したくて…いつしか、」
「いつしか、俺は自分を玲王のパートナーであると、思うようになった」
「………」
ああ、反吐が出る。
心底、気色が悪い。 - 60125/01/09(木) 22:15:35
男は、俺の向ける視線に怯むことなく、語り続ける。
「そう思うようになってから、現実と、夢の境が無くなっていった。いつでも隣に玲王が居る気がして、それが現実なのか夢なのか分からなくて、不安になった。その度、玲王は『居る』って思い込んだ」
「…大した幸せな脳味噌してるね、お前」
俺は嘲笑うような相槌を聞き、男は黙り込み眉根を寄せるも、再び口を開く。
「……そんな中、玲王が、白宝高校に来ることになって、…迎えに来てくれたんだって思った。でも、」
「やっぱり隣には、俺が居たって?」
「…ああ、講演はお前と二人でやるって聞いて、…俺は、だんだんと夢から覚めていった」
男の声には微かな震えが混じっていた。当時の記憶を辿り、傷口が開いているのかもしれない。それに構うことなく、催促をする。
「それで?夢が覚めて、現実を見て、お前は何を見た?」
「…現実で、玲王を見た。玲王の声を聞いた。…玲王の笑顔を、眩しく思った」
「それが、引き金になった」 - 61125/01/09(木) 22:20:59
────────────
本当に久しぶりに、玲王と逢った。
玲王はやっぱり綺麗で格好良くて美しくて、その笑顔がとても眩しくて…眩し過ぎて。
俺の描く夢の玲王には無い輝きだった。
それは『俺の玲王』が紛い物であることを証明していた。
そして、そんな玲王の隣には、やはり凪誠士郎が居た。
玲王の隣は俺の席じゃない。
玲王のパートナーは俺じゃない。
玲王は俺のものじゃない。
なら、本物の玲王は要らない。
『俺の玲王』を、本物にする。
当時の記憶は曖昧で、よく覚えていない。けど、きっと逢う機会が訪れた時から用意してたナイフを握りしめて、
──俺に笑いかけてくれた玲王を、刺したんだ。 - 62125/01/09(木) 22:21:44
語り終え、口を閉じる。
目の前の長身が、ゆっくりと傲慢な動作で、ポケットに手を差し入れる。
そして何かを掴み、手を引き抜いて…それを、俺に向ける。
凪がその手に握り、静かに俺の眉間を捉えているのは──拳銃の銃口だった。 - 63125/01/09(木) 22:33:11
- 64二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 07:29:38
うわ〜ドキドキする!
- 65二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 10:57:08
緊張が走るっ…
- 66二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 12:21:52
ほ
- 67二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 21:51:13
ほしゅ
- 68二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 21:56:57
ほ
- 69二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 07:15:39
ほしゅ
- 70二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 10:57:17
最後どうなるんだ…?
- 71二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 18:37:33
💫
- 72二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 23:54:09
☆。.:*・゜
- 73二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 06:56:20
ほしゅ
- 74二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 11:31:14
ドキドキ
- 75二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 22:01:31
ほ
- 76二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 08:57:12
ほしゅ
- 77二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 10:54:31
この先どうなるんだろ?ドキドキする
- 78125/01/13(月) 16:44:12
俺に銃口を向けたまま、凪が口を開く。
「はい、自分語りご苦労。裁判で話してた内容と同じだね。あれからお前の気持ちは変わってないってことで良い?」
「ああ、俺の想いは変わらない。玲王が欲しくて、玲王を殺した」
「………」
俺を見つめる凪の目が細められる。
きっとその眼差しには、俺への敵意を込められている。
「玲王を刺した時のことは、今でも鮮明に思い出せる。玲王にナイフを突き刺した時の感触も、引き抜いた時のあっけなさも」
そうだ!それで良い。
「たくさん血が流れて、ああ、玲王って血の色まで綺麗なんだって感動した」
俺を憎んでくれ。何より大切なものを奪った俺を。
「でも、先に俺を捨てたのは玲王なんだし、どうせならもっと苦しむ方法にすれば良かったって思った。そしてもっともっと、苦悶の表情を俺に見せて──」
その衝動に身を任せろ。
言葉の途中で、肌に直接銃口が突き付けられた。
やった!これで、助かる。これで、やっと
「死んで、玲王に逢えると思った?」
死んで、玲王に逢える!
「…えっ?」
突き付けられた銃口から、弾丸が放たれる事は無かった。
──────────── - 79125/01/13(月) 16:45:30
男がぽかんと間抜け面をしている間に、手を下ろす。
「拷問の後、殺されると思ってた?」
問いかけると、男はぎくりとした表情を浮かべ、体を固くした。この反応は、図星だろう。
「そっちも一応準備してたけど、安心しなよ。やらないことにした」
そう言って、拳銃を再びポケットに収めた。
男が困惑と安堵の混じった表情を浮かべる。
「お前を殺すのやめた理由、分かる?」
「……、…」
男は疑問符を浮かべながら、沈黙する。
「お前が最も苦しむ方法で、復讐する。それが最優先事項だからだよ」
「お前、死ぬことで玲王に近付けるって、考えたな?なら、殺さない。お前に救いは与えない」
俺が退室して、再びこいつと会話を始めた時。
こいつはやけに落ち着いていて、流暢に語り出した。まるで、俺の敵意を煽っているかのように。
それを見て、あの時俺と交代で部屋に入った協力者に何か言われて、心境に大きな変化が生まれたんだと勘付いた。
おそらく、嬲って痛め付けて惨めな姿で玲王の元に送ってやるー、とかベタなこと言われたんじゃないかな。あの人は確かこいつを殺したい派だったし。
それを聞いてこいつの中で、痛みや死への恐怖とか、そういった絶望より、玲王にまた会えるかもしれないっていう希望が勝った。
こいつ、思い込みだけは得意そうだし。多分そういう流れだろう。興味無いけど。
重要なのは、こいつにとって何を奪われるのが苦しいのか。それを見極める為に、こいつと直接話す必要があった。
判ったのは、こいつにとって死は救いとなり得ること。こいつにとって、玲王の存在があらゆる恐怖を上回ること。
それが判れば、もう充分だ。
「はい、じゃあもうお前話さなくていーよ。声聞きたくないから。口塞ぐね」
「な、ぅ…、……!!」
予め用意していた布で、手早く男に猿轡を噛ませる。男は苦しそうにもがくが、もがけばもがくほど息が苦しくなることに気付き、次第にぐったりと静かに項垂れていった。 - 80125/01/13(月) 16:46:54
静かになった部屋で、男に問いかける。
「お前さ、今でも玲王の夢、見れてるの?」
問いかけと言っても、男は返答を出来ない状態だから、俺の独り言でしかないのだけれど。
「違うよな、お前は、夢で玲王を描けなくなった。夢の中の玲王を、本物にすることは出来なかった。夢で玲王に会えてるなら、お前はもっと活気があって、この状態に抵抗してた筈だ」
男が目を見開いた。それは図星であることを表していた。なんて愚鈍で、分かりやすい奴なんだろう。
「お前が毎晩夢に見ているのは、笑顔の玲王じゃない。最後に見た、血塗れの玲王だ」
自分の目論見が崩れると、途端に調子を落とす。平凡で、つまらなくて、ダセェ男。
でも、俺とこいつには、共通点があった。
「どうして分かるのかって?」
「それはね、俺も同じだからだよ」
忘れたくても、出逢いを否定したくても、出来なかった。
未だに、御影玲王という存在に焦がれ続けている。 - 81125/01/13(月) 16:47:33
毎日のように、夢を見る。
目の前には血塗れの玲王が倒れている。
「玲王、大丈夫だから!気をしっかり持って…!」
俺は玲王の手を握って、必死に声をかけ続ける。
「今救急車呼んでるから…すぐ来るから!」
でも、流れる血は止まらなくて。
「絶対大丈夫だから、お願いだよ…」
握った手は、温かさを失っていく。
「死なないで、頼むから…」
大好きな笑顔が、思い出が、赤黒く塗り潰されていく。
「俺より先に死ぬなって、言っただろ……」
一緒に居たいと願う、唯一のひと。
「最後まで一緒って、約束したじゃん、玲王…!」
お願いだから、置いて行かないで。
俺の祈りが、虚しく響き渡る。そんな夢。 - 82125/01/13(月) 16:48:28
スマホを取り出し操作する。
そして映し出された画像を、男の眼前に突きつける。
その画像は、あの事件の日の白宝高校の校門前で、俺と玲王が二人でピースしている写真。
玲王は、俺に寄りかかって肩にもたれながら、笑顔を見せている。
「ねぇ、これが本物の玲王だよ。良い笑顔でしょ。このスーツさ、俺と玲王お揃いなんだ。玲王が張り切ってさ、二人で仕立てに行ったの。めちゃくちゃ似合ってる。玲王かっこいー」
何度かスワイプをして、画像を遡る。次に映し出されたのは、エプロンを身に付けた玲王がキッチンに立ち、こちらに振り向く姿。
「これはね、うちに来て俺に料理作ってくれた時の玲王。玲王によく料理作りに来てもらってたから、玲王専用のエプロンがあるんだ。俺がいつもありがとって贈った物なんだけどさ、母の日かよって笑われた。でも嬉しそうにしてくれてたな」
更にスワイプをすると、綺麗な形のオムライスに、ケチャップで玲王のサインが描かれている写真が映し出される。
「これ、この時作ってくれたオムライス。めちゃくちゃ美味いし、ねだったら玲王がサイン描いてくれた。ほんと器用なんだよね、玲王って」
そこから、一覧画面へ戻りスクロールをして…指を止める。映し出されたのは、写真ではなく、動画。ガヤガヤとしたカラオケボックスのモニターの横で、玲王が流行りのラブソングを歌唱している。玲王は歌いながら、時折、カメラに向かって笑いかけたり手を振ったりしていた。
「これ、前にカラオケ行った時の動画。玲王すっごい歌上手くて、みんな盛り上がってた。んで、俺がカメラ向けてるのに気づいてからはさ、めっちゃファンサしてくれたの。さすが玲王」
ちらり男の様子を覗う。男は、震えながらも目を見開き、血走った目でスマホに釘付けになっている。 - 83125/01/13(月) 16:50:19
「ねぇ、これが玲王だよ。お前はこれから先、こんな玲王の夢を見れる?見れないよな。見たこと無いもんな。本物の玲王のこと」
動画を流したまま、男に向かって淡々と話しかける。
「お前は玲王にとって、ただのモブだから。俺と違って、お前は特別な存在じゃないから。見たことなくて当たり前なんだよ」
男は、玲王の歌声と俺の言葉を耳にしながら、充血した目で動画の中の玲王を凝視している。
「お前はこれからも玲王の夢を見ることは出来ない。だって、想像できないから。本物の玲王が、パートナーに対してどんな表情で笑いかけて、言葉をかけてくれるか」
今俺が見せた、玲王が俺に向けてくれた姿を、こいつは再現出来ない。
考えれば考える程、自分の描いた玲王が偽物だと思い知るはずだ。
玲王の輝きは、誰であっても、脳内ですら、再現なんて出来ない。
ましてや、ただのモブのこいつには、絶対に出来やしない。
「玲王は、この世界にはもう居ない。お前が殺したから」
だからこそ。
「お前はこれから先、ずっとずっと、玲王の居ない世界で、玲王に焦がれ続けながら生きていく」
これが、最も重い罰となる。 - 84125/01/13(月) 16:54:15
玲王のことが好きだ。玲王に逢いたい。玲王と話したい。玲王と触れ合いたい。
それらは、永遠に叶わない。
なら、せめて夢の中で逢いたい。でも、夢を描こうとしても、想像上の玲王の笑顔を、現実の血塗れの玲王が全て上書きしてしまう。それ程までに、太陽のようないつもの玲王と、最後の玲王がかけ離れていて、その落差があまりに強烈な印象として脳に焼き付いてしまっていた。
じゃあ、いっそ忘れたい。出逢いも何もかも、無かったことにしたい。そう考えて考えて考えて、忘れようとしても。駄目だった。何を考えようとしても、何をしようとしても、全てに玲王が結び付いていて。
それに、少しでも忘れることが出来て、それに気付いた時。その時は、忘れてしまったことがとてつもなく怖く感じて、その度写真や動画を見て、玲王のことを思い出して安堵した。そしてまた、喪失感の中で、玲王の居ない世界に絶望する。あの日から、そんな毎日の繰り返しだ。
俺とこいつの思考は似通っている。なので、何が最も苦しいことか、すぐに分かる。
それは、玲王を奪われること。そして、玲王が居ない世界で、生きていくこと。
…こいつは、俺と違って、自分の生にも多少の執着があるようだけど。だから、そこについても手は打ってある。
「ねぇ、もし玲王のこと忘れたりしたら、延々と痛め付けて、殺してあげる」
動画の中の、玲王の歌声が切なげに震える。
「お前の入る施設に、俺の協力者が居るんだ。ずっと近くで、お前のこと監視してもらう」
歌が、ラストのサビに差し掛かる。玲王が、真っ直ぐにカメラの向こうの俺を見つめる。
「施設を出ても、ずっとずっと、お前のことを見てるよ。お前が死ぬまで、永遠に苦しみ続けるように」
それが、俺の復讐。
画面の中では、玲王が眩い笑顔で、俺に笑いかけていた。 - 85二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:54:58
ほ
- 861 25/01/14(火) 00:04:41
はぁ、と息を吐く。ため息と一緒に疲労感が抜けてくれれば良いのに、そうはならず、たたただ疲れが身体に溜まっていた。
自室のベッドに腰を下ろし、そのまま横たわる。
あの後、男を開放して施設まで送り届け、俺と集った協力者達は解散した。
中には、あいつを徹底的に拷問して亡き者にしたいって奴らも少なくなかったから、説得には少し骨を折った。
それでも、俺が出した結論に全員が従った。
あいつはこれから、ずっと玲王に焦がれ続けて生きていく。玲王の夢を見ることも叶わない。死にたくなっても、死なせてやらない。それが最も重い罰である。
俺の下した罰を、誰よりも玲王に近かった俺が言うならと、皆が納得してくれた。
みんなみんな、玲王のことが好きだった。
俺一人では成し得なかった復讐。それを支えたのは玲王を想い続ける協力者達。あとは…金の力。
俺がプロになって稼いだ、人生を数回早期リタイアしても寝て暮らせるだけのお金。これがあれば、出来ないことは無かった。コネを回すことも、法に触れる物品を取り寄せることも、何もかも。
しかし勿論、根底には強い思いが必要だ。
あいつを一生監視し続ける役目も、自ら引き受けた者が多く居る。
当然そんな協力者達には相応の対価は渡してある。でもその役目は、玲王への気持ちと、あいつへの復讐心が無いと務まらない役目だった。
あいつが死なないように、見張り続ける役目。そして、もしあいつの玲王への想いが薄まって、生きていることが罰ではなくなったら、その時は…手にかける役目でもある。きっと、後者になることは、無い。今日あいつを見ていてそう感じた。あいつは一生、自分が殺した玲王を追いかけ続ける。
皆、気持ちは同じだった。未だに、御影玲王に焦がれ続けて、一生忘れることは出来ない。
そんな連中との打ち合わせや体制の確認を終えた。
俺の復讐は、あいつが死ぬまで終わらない。そう整えることに成功した。
唯一の心残りが──解消された。
だから、もうこの世界に用は無い。 - 87二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 00:12:43
凪、やはりそうなってしまうのか⋯
やはり玲王のいない世界では⋯そうか⋯ - 88二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 06:58:23
良すぎる…
- 89二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 11:11:19
凪はやはりそうなるか
- 90二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:07:09
辛い…
- 91二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:39:01
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- 92二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:40:02
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- 93二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:41:36
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- 94二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:42:38
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- 95二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:43:58
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- 96125/01/15(水) 01:05:35
ポケットから、拳銃を取り出す。
これをあいつ相手に使えなかったことに、後悔と同じ位、安堵感を感じていた。
当然俺は、あいつが憎い。憎くて憎くて憎くてたまらない。この手で命を奪いたいと、思わない訳が無かった。
しかし、あいつの命を奪ったとして。玲王のパパさん達に、迷惑がかからない訳も無く。それは、嫌だった。
玲王が死んだことはニュースの報道で知った。
報道通り、葬儀は既に済んでいて、俺は、玲王とお別れすら出来なかった。
その後パパさん達から、連絡が出来なかったことについてのお詫びと、これまでの感謝の気持ちが添えられた品が届いた。
謝られることも、感謝されることも、何も無いのに。
今まで玲王と居てくれてありがとう、これからもサッカーを続けて活躍して欲しい。それが難しくても、元気に生きて欲しい。パパさん達は、そう俺を励ましてくれた。
実際に、彼らが俺にどんな感情を抱いているのかは分からない。俺が居なかったら、玲王は死なずに済んだ。それは事実だから。
そして、どちらにせよ俺はそんなパパさん達のかけてくれた言葉を裏切ることになる。
その上で、迷惑をかけることは気が引けた。 - 97125/01/15(水) 01:06:13
さて。
復讐は確立した。親への遺書も用意してある。
思い残すことは無い。
体を起こし、拳銃を一度手から離す。
最後に、玲王の顔が見たい。
スマホを操作し、画像を選択する。
画面に映し出されたのは、俺達の夢が叶ったあの日、二人でトロフィーを掲げる写真。
指先で、画面の中の玲王の輪郭をなぞる。その存在を、確かめるように、ゆっくりと。
「…………」
ああ、これ以上は、もう駄目だ。
もう、耐えられない。
手に持ったスマホを手放す。
そして、再び拳銃を握る。
腕を上げ、銃口をこめかみへ押し付ける。
玲王。玲王。玲王。
俺、頑張ったよ。
もう、良いよね。
指先に力を入れる。
引き金を、引いた。 - 98125/01/15(水) 01:07:23
…
……
「…………」
カチカチと、金属音が部屋に響く。
何度も何度も、引き金を引いているのに──俺の頭は撃ち抜かれない。
弾倉は確認してある。試し撃ちも行った。安全装置は解除済みだ。
スライドを引こうとしても、動かない。
…故障?この、タイミングで?
こんなの、まるで──
放心したまま、行き場の無い目線を彷徨わせる。目線の行き着く先には、付けたままのスマホの画面。
「…れ、お」
画面の中の玲王は、涙を流していた。
ぽろぽろと涙を流しながらも目を細めて、笑みを浮かべる玲王。
この涙は、悲しみの涙ではない。喜びによる涙だった。夢が成就し、感動に打ち震える。そんな瞬間だった。
…ああ、人のことを、思い込みが得意だとか、言っていられない。
俺も同じだ。都合の良い妄想を、現実だと、思い込もうとしている。
復讐を終えて、自らも終わりを迎えようとした矢先に、偶然拳銃が壊れて、防がれる?こんなの。
こんなの、まるで玲王が、俺に死ぬなと言っているようじゃないか。
そんな、都合の良い妄想に、脳を支配される。
「…れお、れ、お、れお…」
画面の中の玲王の横には、涙を浮かべる俺の姿があった。玲王と共に、感動を分かち合う俺がそこに居た。
画面の中の俺が、羨ましかった。
ひとり、喪失に打ちひしがれ涙を流す惨めな俺とは正反対の俺が、妬ましくて、仕方が無かった。 - 99125/01/15(水) 01:08:09
視界の端に、握りしめたままの拳銃が映る。
もう一度、自身に向けて引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。
「…ねぇ、玲王、どうして止めるの?」
何度やっても同じだった。このガラクタは、俺の命を奪ってはくれない。
「嫌なんだよ。もう、玲王の居ない世界に、居たくないんだよ。ねぇ、ねぇ玲王!」
役立たずのガラクタを放り投げる。暴発でもしてくれないかという期待を裏切り、拳銃はただ床に転がった。
「何で、何で俺をひとりにしたの?ふたりじゃないと嫌だよ。玲王、お願い、ひとりにしないでよ!」
室内に、俺の叫びが響き渡る。喉がひりついて、痛みが走る。
「嘘付き嘘付き嘘付き、一緒に居るって言ったのに!何で置いて行ったの?」
堰を切ったように、八つ当たりのような幼稚な慟哭が止まらない。
「玲王のせいで、こんな風になっちゃったのに。俺はひとりで生きてきて、ずっとひとりのはずだったのに、なのに、玲王のせいなのに!」
忘れられたら良かった。嫌いになれたら良かった。いっそ、憎めれば良かったのに。
「バカ、玲王のバカ。俺の人生めちゃくちゃにして居なくなって、俺の、人生は…」
こんなはずじゃなかった。
いや、今からだって、遅くない。お金はある。やり直せる。夢のスローライフを満喫出来る。
けれど、
「玲王が居ないと、何も無いのに」
ただ一人、大切なひとが居ない。それだけで、世界は色を失った。
それだけ、玲王の存在は大きくて。それってつまり、
「玲王のことが、好きだ」
ああ、玲王に、どうして伝えれなかったんだろう。
伝えていたら、玲王は、なんて返してくれただろう。 - 100125/01/15(水) 01:08:50
横たわり、胎児のように身体を丸める。
スマホを手に握り、瞳を閉じる。
眠い。怠い。何もかも、めんどくさい。
倦怠感が眠りを誘う。
また、あの日の夢を見ることになる。
ああ、でもそれでも、玲王に逢えることに変わりはないのかもしれない。
そんなことを考えながら…俺は、眠りについた。 - 101125/01/15(水) 01:09:54
夢を見た。
見慣れた血染めの光景ではなく、夕焼けに照らされた、始まりの日の階段。
俺は肩を寄せ抱きついてくる玲王から、目が離せなかった。
「面白い!お前はそのままでいい!」
キラキラ輝く瞳に、頬を微かに染める俺が映る。
「サッカーやろうぜ!」
ああ、お前となら、何だって。何処へだって、付き合うよ。
だから、最後まで一緒にいてね。
暖かくて、眩しくて、幸福で、
残酷な、夢だった。
badend - 102125/01/15(水) 01:23:05
バッドエンドルートこちらで完結になります
本当に暗く救いの無い話で申し訳無い…しかも長くなっちゃった…
しかもひとつSSを飛ばして投稿してしまっていたので投稿し直しています。恥ずかしい
次からはハピエン後日談書いていきますので、口直しにそちらも読んで頂けたら嬉しいです!
そっちは幸せたっぷりの予定です。よろしくお願いします🙇
以下小ネタ供養
・1スレ目、2スレ目の>>1のポエムは犯人視点。3スレ目はバドエンルートの凪視点
・1スレ目中盤までのポエムは全て妄想が入り混じった犯人視点
・スレ画は犯人の盗撮イメージ(早い段階で指摘レスがあって驚きました)
・バッドエンドルートではチョキは枯れてなくなってしまっている
- 103二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 08:15:51
お疲れ様ですスレ主さま、凪の心情を考えると切なく悲しいですが偶然かはたまた本当に玲王が望んでいることなのか壊れた拳銃のくだりに泣きそうになりました
- 104二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 11:03:48
ありがとうスレ主
素晴らしいものを読ませてもらいました
ハピエン後日談も楽しみにしてるよ! - 105二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:32:45
最高だった
まじで - 106二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:24:57
面白かったよー!
チョキやっぱり枯れてたのか… - 107二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 01:52:41
めちゃくちゃ面白かったです!スレ主!
涙止まりません!ありがとうございます!お疲れ様でした!! - 108二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 07:09:57
チョキ枯れてるの悲しい…
- 109二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 11:00:54
スレ主お疲れ様です
ハピエン後日談も待ってます - 110二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 18:29:09
悲しくも綺麗な話を読ませてくれてありがとう
後日談も楽しみにしています - 111二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:40:51
ハピエン後日談待機待機
- 112125/01/17(金) 01:55:27
「…お、…れお……」
ゆさゆさと、身体を揺さぶられる。
「ねぇ、れお…れおってば」
「……………なに……なぎ…?」
ここは、自宅の俺の寝室。こだわりの寝具に囲まれて心地良い睡眠に浸っていた俺を覚醒させた犯人は…俺のパートナー。凪誠士郎のようだ。
「もー…、まだ深夜だろ…トイレなら一人で行けって…」
凪は、目を閉じたままで雑にあしらうような素振りの俺がお気に召さなかったらしい。肩を掴まれ、更に強く揺さぶられる。
「ちょ、起きるから!何だよもう!」
目を開くと、そこには何かを堪えるかのような表情の凪が居た。膨れ面を想像していたので、少し面を食らう。
「ごめんって、どうした?」
いや、何で深夜に起こされた俺の方が謝ってるんだ?という思いは飲み込んだ。それより、凪の様子が気になった。
「…怖い夢見た」
「は?」
「ひとりで寝たら続き見ちゃうかもしれない。レオ、一緒に寝よ」
子供かよ。という突っ込みをしたかったけれど…怖い夢を見たというのは本当らしい。今の凪からは、迷子の子供のような危うさを感じられた。しかし、二人で寝るにはベッドは狭いし現役のスポーツ選手には、きちんとした体制で睡眠を取って欲しい訳で。
「とりあえず、何か飲んで落ち着こうぜ。ほら、リビング行こ、な?」
「……うん」
ベッドから降りて、凪の手を引く。凪は大人しく、俺の後ろを着いてきた。…ほんとに、子供みたいだ。
「ほら!御影玲王特製ホットレモンティー!」
「ありがとー」
マグカップを片手に、二人でリビングのソファに並んで座る。時刻は明け方に近づいていた。横目で様子を窺う。凪は先程よりは血行が良く、落ち着いたように見える。
「美味しい?」
「うん。おいしー」
特に会話もないまま、ちびちびとレモンティーを飲む。
…怖い夢。その内容は、何となく察しが付いていた。自惚れかもしれないけど、きっとその夢は……
「凪、夢は所詮夢だよ。そんなものより明日も明後日もやってくる現実の方が大事だろ?」
「…明日も、明後日も」
「ああ。明日も明後日もその先も、いつも通りの日常がやってくる。ほら、怖くないぞ。よしよーし」
わしゃわしゃと凪の頭を撫でる。凪はジト目で子供のような扱いに不服アピールをしてくるが、抵抗はしてこなかった。 - 113125/01/17(金) 02:02:35
「不安な時はさ、直近の予定を考えるんだよ。まず明日。明日っていうか今日だけど。起きたら何したい?」
「明日は休みだから、レオとだらだら過ごす」
問いかけに、凪は悩まずに即答する。だらだらするのは揺るがない決定事項らしい。
「もっと具体的に!どうやってだらだらする?」
「…起きたら一緒にご飯作って食べる」
「うん、この前買った厚切りベーコンを焼こう!」
「食べたら、昨日のドラマの続きを見る」
「あのドラマ続き気になるよな!主人公は先輩と同級生、どっちとくっつくんだろうなー」
「レオが気になってるって言ってたブランドの新作、一緒に見よ」
「おう!お前に似合いそうなジャケットがあるんだよ、見てみよーぜ」
「晩御飯は、この前作ってくれたシチューが食べたい」
「いーよ!あれ気に入ってたんだなー、おかわりしてたもんな」
まくし立てるように話を展開する。こうして、明日の予定が決まった。
「なぁ、明日楽しみになった?」
「…うん」
「じゃあ、もう眠るの怖くないな」
「……うん」
怖い夢より、明日への楽しみの方が上回る。幸せな現実に勝るものなど無いのだから。
「よし、じゃあ歯磨いて布団入ろう」
「…めんどくさーい。磨いてー」
「自分で磨きましょーね、凪くん」
「レオのケチ、スパルタ、もっと甘やかしてよー」
「充分甘やかしてるだろーが…」
そして翌日。俺と凪はしっかりと寝坊をして、時計の針が真上を指す頃に起床した。昔だったら時間を無駄にしたと嘆いていたけれど、たまにはこんな日も良いと思えるようになったのは、間違いなく凪の影響だった。
「凪!起きろー!」
「うぇー、まだ寝たーい…」
今日もまた、日常が始まる。
(感想レスありがとうございます!とても嬉しいです!良ければ後日談もよろしくです) - 114二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 08:16:22
後日談も続きが楽しみです
- 115二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 09:27:33
日常が幸せで素敵
後日談続き楽しみにしてます! - 116二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 11:12:27
後日談待ってる〜
- 117二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 13:41:14
これはチョキさんもお花咲かせてにっこり
どのルートも引き込まれる
後日談楽しみにしてます - 118二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 22:25:10
🌟
- 119二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 07:16:12
ほしゅ
- 120二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 11:28:17
ありがとう
後日談待ってる〜
後日談は次スレですか? - 121125/01/18(土) 19:54:19
「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい、凪」
玄関先まで送りに来てくれたレオと挨拶を交わす。笑顔で手を振るレオに向かってこちらも手を振り返し、名残惜しい気持ちのままに家を後にする。
今日はチームの練習日だ。
車に乗り込みエンジンをかける。空っぽの助手席は少し寂しく見えた。
午前の練習を終え昼休憩の時間。食堂で昼食を摂りながらスマホを確認すると、レオからメッセージが入っていた。
『自信作✌』というメッセージと、魚の煮物と具沢山サラダの写真。どうやら本日のレオの昼食のようだ。ぽちぽちと返信を返す。
『お魚おいしそー、俺も食べたい』
『今日の晩食べるか?まだ具材あるし』
やった!という文字と共に跳ねて喜ぶ宇宙人のスタンプを送る。
それに対して、親指を立てるライオンのスタンプが帰ってきた。今日の晩ごはんはレオ特製煮魚に決定した。
今のレオは、退院してから在宅で少しずつ家の仕事を再開している段階だ。そして、あの日から通院以外の外出をしていない。
体力面の懸念は勿論、考えたくはないが模倣犯が出る可能性も考慮して、ある程度の期間は家で過ごすように、パパさん達とも話をして決めた。話し合いには、俺も同席した。
元々活動的なレオにとっては、気落ちのする状況だろうと思っていたが…レオは仕事の合間に家事をしてくれていて、それらが案外楽しいらしい。
以前から時々振る舞っていてくれていた料理も楽しみの一つらしく、益々腕を上げている。栄養面も考慮されているし味は美味しいし、何よりレオのご飯を食べられるのは嬉しい。この家には料理を作ってくれる人も居るから毎日ではないけど、俺は毎日でもレオのご飯が食べたいな、と思う。
昼休憩が終わるまで、俺はテレビから流れているニュースを耳に入れながら、レオと何気ないメッセージのやり取りを続けた。 - 122125/01/18(土) 20:00:39
「おかえり、凪!」
「ただいまー、つかれたー」
夕方。帰宅する俺をレオが出迎えてくれた。
「お疲れ。すぐ夕飯食べるか?」
「うん、お腹空いちゃった。何か手伝う?」
「ありがと!手洗ったら箸と飲み物準備してくれるか?」
「はーい」
あー、沁みる。何気ないやり取りで、いつも通りの日常だけど。疲労感が溶けて無くなっていくのを感じる。
レオには少し申し訳無さもあるけれど。レオが家に居てくれるのは…嬉しい。
外で他人が居る場所にレオが居るのを想像するのは、まだ怖い。あの日のことを思い出してしまう。そういった不安が解消される安心感がある。
そしてそれ以上に、……正直、レオが朝の見送りをしてくれて、夜にこうして出迎えてくれるのはかなり…気分が良い。こういうの何て気分って言うんだろう。名前がつけれないけど、とにかく毎日のやり取りに心は高揚していた。いつも一緒に居られるのが一番嬉しいけど、こういうのも、悪くないなと思う自分が居た。
ただ、こういう日々も長くは続かないだろうとは思う。レオの体調は良好だし、きっと外に出て活動を始めるのもそう遠い未来ではない。
その時は、俺も隣に居たい。だから、その為に俺も頑張らないといけない。
「どう?美味しい?」
「うん、おいしー。ご飯おかわりー」
「良かった!でもちゃんと噛んで食べろよ〜?お茶碗借りるなー」
レオが白米をよそってくれて、茶碗を手渡してくれる。
…頑張らないといけないこともあるけど、とりあえず、今はこの日常を満喫しようと思った。
(嬉しい感想をいただけてとても励みになります!皆さんいつもありがとうございます
後日談はこのスレでやりますので良ければおつき合いください〜) - 123二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:10:51
続き待ってます!
- 124二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 10:24:57
楽しみです
- 125二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 20:40:04
待機
- 126二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 07:30:04
ほしゅ
- 127二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 17:35:29
☆
- 128二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 23:45:33
続き待機!
- 129二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 23:45:47
このレスは削除されています
- 130二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 08:22:16
ほしゅ
- 131二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 11:19:56
待機
- 132二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 22:10:08
ほしゅ
- 133二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 08:04:32
待機〜
- 134二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 11:15:06
後日談楽しみすぎ〜
いつまでも待ってる - 135二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 21:39:44
ほしゅ
- 136二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 03:09:39
ほしゅ
- 137二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 11:16:41
楽しみに待ってる
- 138125/01/23(木) 17:33:45
「…あれ、この段ボールまだ開けてないじゃん」
ある日、自分の部屋のついでにと、凪の部屋を掃除していた時。
机の下に、未開封の段ボールを発見した。
凪は俺の退院の直前に、俺の家に引っ越してきた。
凪は俺と違い物をあまり持たず、こだわりも少ない。面倒臭かったのか時間が無かったのか、俺が退院して家に帰って来た時も、生活用品の入った極一部の段ボール以外は未開封のまま残っていた。
凪の荷物の少なさに驚きつつ、一緒に荷解きをしたのは記憶に新しい。
そんな流れでほぼ未着手だった段ボールの荷解きをしたはずなのだが、まだ残りがあったらしい。
「んー、開けちゃいたいな…」
段ボールのまま家に残しておくのは避けたい。おそらくうちは大丈夫だけれど、虫が湧くという話も聞いたことがある。なので開封してしまいたい。
しかし机の下にあるということは、凪からの認識はあるということだ。面倒臭がって除けた結果では無い限り。
凪が帰ってきたら聞いてみよう。そして凪が面倒臭がらないように、一緒に開封をしよう。そう決めて、俺は他の場所の掃除に移った。
「…未開封の段ボール?」
「ああ、今日掃除してたら机の下にまだ開けてない段ボールあったからさ。あれ引っ越しの時の荷物だよな?」
「あー……うん。そうだね」
凪の帰宅後、夕飯の時間。自家製カレーを食べながら件の段ボールの事を尋ねた。凪には心当たりがあるみたいだ。
「段ボールって放置とくと虫が出るって話もあるし、中身も劣化するかもしれないぞ」
「え、そんなことになるの?あー、じゃあすぐに開けなきゃだね…」
反応的に、どうやらそれなりに大事な物が入っているらしい。…俄然、中身が気になってきた。
「よし!じゃあご飯食べたら開けようぜ!」
「…レオも一緒に開けるの?」
「あ、見られたくない物入ってた?なら任せるけど…」
凪の気まずげな言動に、好奇心よりも申し訳無さが上回る。俺のしょんぼりとした内面が表情に現れていたのか、凪が少し早口で弁明をする。
「別に、見られたくない訳じゃない。まぁいいか、手伝ってよ、レオ」
どうやら、俺が見ても大丈夫な物らしい。無理をさせてないか少し心配になったけれど…そういう雰囲気ではなさそうなので、言葉通りに受け取ろう。
「勿論!っと、その前におかわりするかー?」
「うん。カレーおいしー」 - 139125/01/23(木) 17:37:57
そして食後。俺達は凪の部屋で段ボールを前に座り込んでいた。
「じゃあ、開けるぞー」
「…うん」
端からテープを剥がしていく。何が入っているんだろう。昔のゲームとか?プレミアの付いたレアな物だったりするのかな。
一人で想像を膨らましながら、段ボールを蓋を開ける。現れた箱の中身は…
「…ユニフォーム?」
それは、高校時代のユニフォームだった。
「…あ、ジャージも。制服もあるじゃん」
その段ボールには、白宝高校時代の衣類が入っていた。綺麗に畳まれて袋に入ったそれらは、10年近く前の物だというのに、あまり劣化も見られない。
横の凪の様子を窺う。凪の白い肌が、上気しているのが分かる。こいつ、照れてる。そんな凪を見てたら、こっちまで何故か恥ずかしくなってきた。
「と、とっておいてたんだ。昔の服とか」
「…当たり前じゃん。思い出、だし」
「……ん、そうだな…」
凪が思い出とか、過去のことを大事にしているのは分かっていた。意外って言うと凪は怒るかもしれないけど、やっぱり意外というか、こうして物を大事にしているのを目の当たりにすると驚いてしまう。
「…保管方法とか俺分かんないからさ、教えてよ。レオ、よく分からん物いっぱい持ってるし」
「芸術品をよく分からん物って言うなし!」
お互い照れ隠しのように軽口を叩き合う。
目線を段ボールに戻すと、まだ中に物があることに気が付いた。
「…箱?開けて良い?」
「んー、俺が開けるね」
段ボールの中には、更に箱が入っていた。凪が取り出し、箱を開ける。中に入っていたのは──手入れの行き届いた、銀色のスパイク。
「…これ、…昔一緒に買ったやつ?」
「うん。レオに買ってもらったスパイク」
俺達が、一緒にサッカーをすることを誓った日。そして、二人でフィールドを駆け抜けた日々。
それらの思い出が詰まったスパイク。凪も、大事に持っていてくれたんだ。あの頃から何回も引っ越しをしたのに、その度こうして箱に入れて大事に持って来て…
「…今までは、クローゼットにしまってたんだよね。汚れたりしたら嫌だったから。でも、レオと、一緒に住んでる訳だから…」
「…訳だから?」
「……何か、隠すみたいにしまうの、嫌だなって思って。でもどうしたら良いか分かんなくて、そのままにしてた」
そう口にする凪が、いじらしく見えて、心が温かくなった。
「…そっか。じゃあ折角だし、こうしないか?」 - 140125/01/23(木) 17:44:58
数日後。リビングの一角に、俺と凪の高校時代のユニフォームとスパイクが飾られていた。
クローゼットで眠っていた思い出の品々は、今は専用のケースの中で誇らしげに佇んでいる…ように見える。
「どうよ?良い感じだろ!」
「んー、ちょっと恥ずいけど、悪くないね」
「良いって言え〜」
素直じゃない物言いの凪の、頭をわしわしと撫でる。
うぇー、なんて言いながらも凪は抵抗せず、俺に頭を任せていた。
ふわふわの頭を撫でられながら、凪がぽつりと呟く。
「…ねぇレオ。こいつら、毎日見ても、飽きたりしない?」
「はー?飽きる訳無いだろ。大事な思い出だろ、俺とお前の」
「…うん」
これからも、一緒に思い出を増やしていけたらいいな。その思いは、二人同じだと嬉しい。いや、きっと同じに違いない。
隣に並ぶ、金と銀のスパイクを見て、そう思った。 - 141二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 20:54:58
すきですありがとうございます(ド直球告白)
- 142二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 02:07:08
ニヤニヤが止まらんです
- 143二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 11:02:14
最高です!
ありがとうございます - 144125/01/24(金) 18:11:41
『凪と一緒に映画を見ました。凪特製ポップコーン付き!』
ホームシアターとポップコーン、それから俺の後頭部が写った写真が投稿された。投稿元は、レオのSNSアカウント。
俺はベッドに寝そべりながら、レオの投稿を見ていた。
今、俺は遠征試合の為に家を離れている。
正直、家にレオを残して遠出するのは心配なんだけど、家を開けている間もばぁやさんがついていてくれるから、ばぁやさんを信頼して留守を任せている。ちなみに、あまり心配し過ぎると子ども扱いかってレオが拗ねるので、あまり表には出せない。
そんな訳でレオと離れてホテルで一人過ごしている訳だけど、ゲームをしていてもあまり捗らない。やっぱり一人は寂しいからかな。いつもの調子が出なかった。
そんな時、テレビでニュースを流しながら気分転換にSNSを開くと、丁度レオが新しい投稿をしていた。内容は、この前家で映画を見た時の写真。写っているポップコーンは、俺の手作りだ。手作りって言っても、フライパンで温めたら出来上がる物を使ったのだけれど。家で映画を見るって決めた時、外に出れてないレオはしばらく映画館のポップコーン食べれてないんだなって思って、俺がポップコーンを作ったんだよね。レオはいたく感動してくれて、勿体無さそうにちまちまと食べてくれた。
そんな日の思い出が、投稿されていた。その日のことを思い出して、目元が緩む。
何かコメントしようかな。そう俺が悩んでいる間も、続々とコメントが寄せられていく。
『相変わらず仲良いですね♡』
『何の映画見たんですか?』
『自家製ポップコーン?凪くん作ポップコーン羨ましい!』
『この二人昔から変わらなくて微笑ましい〜』
『玲王さんが元気そうで嬉しいです』
うん、元気なレオが一番だよね。
そんな好意的なコメントが多数だが、…悪意の感じられる物も、中には存在した。
『そいつと居たせいで刺されたのに、よく一緒に居られますね。玲王くんの為にも離れてほしいです』
『凪に近付かないでほしい。もう足引っ張るなよ』
『凪君のことも、いつか捨てるんですか?』
『パートナー営業乙』
「あ?」
握りしめたスマホが軋み、みしり、と音を立てた。 - 145125/01/24(金) 18:16:08
中には、こういう奴らも居る。
事件の後、犯人の動機や犯行に至った経緯、犯人の人物像等は世間に明るみになっていた。
一部では、事実を誇張したり脚色された物が流れていて…俺達が一緒に居ることを、良く思わない人にとっては良い餌になってしまっている。
俺個人のファンにもレオ個人のファンにも、昔からそういう層は存在した。
また、事件の後、俺が世間に何も言わず仕事やら何やらをボイコットしていたのは事実で、そこが奴らにとっては突きやすい箇所になっている。
そしてレオは、そのことを気にして俺を巻き込んでしまったと自負してしまっている。
「くそ…」
今だから思う。俺達は何も悪くない。悪いのは、犯人ただ一人だ。俺達は、被害者でしかない。
レオが刺されたのは、犯人の妄執の果てだ。足を引っ張る?俺はレオが居たからここまで来れたというのに。大事な人が心配で何も手が付かなくなるのは、当たり前だろ。
俺が試合で以前と変わらず活躍をしていることに加え、レオ自身が元気に過ごしていること、変わらず俺との関係は良好であることを様々な場所で発信してくれているから、この手のコメントは大分減ったけど。目に入ると不快にはなってしまう。
試合前日なのに嫌なもん見せやがって。沸々と不快感が増していく。あー、むしゃくしゃする。
苛立ちの中、俺は反射的に、スマホを操作していた。慣れた手付きで、通話履歴の一番上の項目をタップして、スマホをスピーカーモードにする。テレビの電源も消し、一人きりのホテルの一室に、呼び出し音だけが響く。そして、音が途切れ…
『…凪?どうしたー?』
聞こえてきたのは、いつも通りの玲王の声。 - 146125/01/24(金) 18:17:53
「……えーと、特に何もないんだけど」
『何もないのかよ?明日試合なんだから早く寝とけよ?』
「うん……寝れなくって」
『もー、睡眠は大事だぞー?子守唄でも歌ってやるかー?』
嘘だ。本当は、声が聞きたかっただけ。なんて、さすがに恥ずかしくて言えなかった。
電話の向こうのレオは、そんな俺の心情を察したのかそうでないのか、けらけらと笑っている。
不思議なもので、あんなにモヤモヤしていたのに、声を聞いていると、心が晴れて落ち着いてくるのを実感する。そして、そんな安心感が本当に眠気を連れて来てくれた。
「あー、眠くなってきたかも」
『えっ早っ。まだ何もしてないけど』
「ん、何か眠れそうになった」
『なら良いんだけど。じゃあ明日も試合頑張れよ、凪』
「うん、ありがとー。おやすみ、レオ」
『おやすみ!』
いつもの挨拶を交わし、通話を終了する。
うん。落ち着いた。ほんの少し声を聞いただけだけど、心がぽかぽかする。
レオも明日仕事だからすぐ電話切っちゃったけど、もう少し話していたかったな。
いや、家に帰ればいくらでも話せるんだ。それを励みに明日も頑張ろう。自分を鼓舞し、目を閉じようとして…その前に、一つだけやりたいことが思い付いた。
再度レオのSNSを表示し、コメント欄に文字を入力する。送信。
よし、寝よう。すっきりした思考の中、今度こそ、目を閉じた。
『帰ったら、いつでもポップコーン作ってあげる』
この俺のコメントが微妙に物議を醸し、レオに頬をつねられるのは、また別のお話。
ちなみに、試合では決勝点を決めてレオに褒めてもらえたのだった。 - 147二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 21:51:48
不安と幸せ入り混じる後日談だけど二人で今以上の幸せを引き寄せていって欲しい
- 148二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 03:04:10
2人の幸せをずっと願ってるよ
- 149二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 11:06:06
スレ主のストーリーめちゃくちゃ好きだよ
- 150二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 20:35:28
ほしゅ
- 151二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 01:56:26
☆
- 152二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 10:19:01
やっぱり白宝はいいな
- 153125/01/26(日) 20:18:50
「…俺の家?」
「そう!凪の家!」
俺も凪もオフのある日。俺達はソファに座って美味しい紅茶を飲みながら、あることについて話し合っていた。
議題は、【俺が外出OKになったらどこに行きたいか】。
今はまだ外出を控えている俺だけど、いずれはそれも無くなる。目処も立っていて、最初に行く場所はもう決めていた。
そんな未来が待っているので、お互いの行きたい所ややりたいことを話して、夢を膨らませようという訳だ。良い休日である。
意外にも、話を切り出したのは凪の方で、先に行き先を提示したのも凪だった。
凪は、また旅行に行きたいと言ってくれた。こっちで計画を立てるから、一緒に行こう、と。首に手を当てながらこちらを見つめる凪に、不覚にもどきりとしてしまった。
そんな訳で、外出第2弾は凪プレゼンツの旅行に決まり、その次は俺の希望を出す番で。元々外出が好きな俺は候補がたくさんあって、次々に行き先を出していった。
その中のひとつが、凪の家だった。
「俺の家って、実家?何も無いよ、近くの楽しい遊び場も知らないし」
「何も無い訳無いだろ!お前が生まれた家なんだから。…ていうかさ、お前の親御さんと話してみたくって」
「…あー、…」
「お前はいつの間にかうちの親と仲良くなってるじゃん?俺も、仲良く出来たらなって」
そう、凪はうちの親と仲が良い。俺の意識が無い頃に頻繁に顔を合わせていたおかげなのか、信頼も厚い。この家に凪を住まわせたいと打診した時も、二つ返事でOKが貰えた程だ。
「うちの親、レオが話しても面白くないかもよ」
「そんなことないって!お前のご両親だろ。話したいことたくさんある!」
「えー、…そんなに?」
「そんなに!それとも、俺を会わせたくない?」
「そういう訳じゃなくて…」
もごもごと口ごもる凪の肩にもたれかかり、頭をぐりぐりと押し付ける。時々凪がこうしてくるのでコピーだ。話しぶりからして、きっと凪は本気で嫌がっている訳じゃない。きっと──
「なんか、恥ずかしいだけ。嫌な訳じゃない」
ビンゴ!やっぱりただ照れてるだけだ。思っていた通りだ。最近になってようやく、俺は凪のことを理解できてきた気がする。それが嬉しくて、つい口角が上がる。
そんな俺の様子を、凪はからかっていると思ったらしい。分かりやすく拗ねていることをアピールする為か、そっぽを向き出した。 - 154125/01/26(日) 20:23:49
「なぁぎ〜、頼むよ。俺も仲良くなりたいんだって」
「……」
「今後の為にもご挨拶したいんだよ、俺の方から」
「………」
凪がこちらに向き直る。拗ねているのはポーズだったらしく、表情は柔らかい。
「………良いよ。俺も、紹介したいと思ってたし」
「凪ー!よし!ご挨拶の練習するぞ!」
「うぇー。練習なんかいらんってー」
嬉しい。ずっと話してみたかったんだよな、凪の家族と。認めてもらえるかな。不安もあるけど、やっぱり楽しみな気持ちの方が大きい。
…ちなみに、外出第1弾の行き先は、少し前に二人で決めた。
それは、凪の引退試合だった。
こっちに関しては、楽しみという感情だけでは、表せれなかった。訪れるその日を想像すると、まだ先のことだというのに、感情が溢れそうになり、唇を噛む。
「れ、レオ。そんな緊張しなくても大丈夫だよ。うちの親もレオならいつでも大歓迎だろうし」
そんな俺の様子を見た凪は、来たる実家訪問に緊張していると思ったらしく、フォローを入れてくれた。それを見て、俺が凪のことを理解できるようになったのは、凪が以前より気持ちを口に出すようになったからってのも大きいよなぁ、としみじみ思った。
それは、人間的な成長?それとも、俺の為?…少しは自惚れても、良いかな。
「…緊張じゃねーよ。俺も小さい頃のお前のアルバム見れるかなーって考えてた」
「え、バレてたの?」
「バレバレ、っていうか、口止めしてないだろお前」
少し強引に話題を変えたけど、これは嘘ではなかった。
凪が母さんと、俺の昔のアルバムを見ていたことを俺は知っている。他でもない母さんから、誠士郎くんと昔のお写真見たの楽しかったわ、今度はみんなで撮りましょうと言われたのだ。
「お前だけ恥ずかしい写真見やがって!俺も見せてもらうからな!」
「うぇー、別に恥ずかしい写真なんて無かったってー」
凪の頭をわしゃわしゃと撫でる。ふわふわの髪を撫でていると、心が落ち着く。
「…楽しみだな、凪」
「うん、全部楽しみだね、レオ」
「ちなみに何の写真が一番良かった?」
「んー、赤ちゃん頃のレオかな。赤ちゃん時代にもちょんまげしてて面白かった」
…やっぱり凪の幼少期面白写真は必ず発掘しよう。そう決めた。 - 155二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:08:46
ああーほっこりする
ちび凪の写真沢山見せてもらってご満悦な玲王まで想像しました - 156二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 02:08:26
赤ちゃんの頃の凪玲王はさぞ可愛いでしょうね
- 157二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 02:28:14
一気に読んできたけど涙が止まらん
- 158二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 08:39:46
ほしゅ
- 159二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 11:12:57
こうやって小さい頃の写真見る展開大好き
- 160二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:10:54
ほ
- 161125/01/28(火) 00:16:43
「お、お邪魔しまーす」
「お邪魔します」
「ようこそ!いらっしゃい!」
「よーこそー」
俺達の家の玄関に、普段は馴染みの無い声が響く。声の主の正体は…潔世一と黒名蘭世。二人共同じ海外のチームに所属していて、オフシーズンを利用して帰国していた。今回は予定を合わせて、二人でレオのお見舞い兼遊びに来ているのだった。
「レオ、元気そうで良かった、良かった!」
「本当だよ!マジで心配してたんだぞ…もうどこも悪くないのか?」
「ああ、心配かけて悪かったな。見ての通り元気だよ」
黒名がレオに正面から抱き着き、レオが背中を撫でる。身長差があるから、すっぽりと収まっている。
微笑ましい雰囲気が流れる。………。
「…とりあえず中入りなよ。どーぞ」
「そうだな!二人共、帰国してすぐ来てくれたんだろ?ゆっくりしてけよ!」
「ありがとうな、お言葉に甘えるよ」
二人を連れて、リビングへと向かう。
潔は到着した時から並外れた家の豪華さと、いたる所にある謎の芸術品に驚きを隠せていない様子だ。まぁ、普通はそうだよね。 - 162125/01/28(火) 00:20:03
「しかし、ここが噂の凪・玲王ハウスか…千切に聞いてた通り凄い家だな」
「豪邸、豪邸」
この家にお見舞いとして称して遊びに来たのはこの二人が初ではない。最初は斬鉄で、その次は千切だった。さすが二人共、足が速いと言ったところかな。
「リビングのソファにでっかいファミコンのクッションがある辺り、凪の要素も強いな」
「最新ゲーム機まで全部揃えてあるしコントローラが沢山ある。氷織が見たら喜びそう」
「あ、後でFIFAしようぜ!凪に付き合ってるから俺も結構な腕前なんだぜ」
…うん、引っ越してきてから、俺の物がめちゃくちゃ増えてきてます。引っ越しの時の荷物は少なかったのにね。普段レオと二人で過ごしてる空間を見られるのは、何故かちょっとむず痒い。
「あー、お茶入れるね。座ってて。レオもね」
「お、ありがとな凪!頼むよ」
むずむずするのでタイミング良く仕事を見つけ、キッチンへ避難した。3人はサッカーゲームの話で盛り上がっている。ほんとにサッカー好きだね。みんな。
「しかし、凪が来客の為に茶を出すとはなぁ。凪って案外尻に敷かれるタイプだよな」
「かかあ天下?」
「うーん、それはちょっと不名誉だな…」
…何だか解釈違いな話をされてる気がするので、早めに戻ろう。
俺の淹れたお茶と、レオがこの日のために用意したきんつばとツイストパンを食べながらまったりと雑談を楽しむ。流石レオのチョイス、とても美味しい。二人も目を輝かせている。
お茶を片手に、潔がしみじみとした様子で口を開く。
「しかし本当、玲王が元気で良かった。凪も全然連絡つかないしさ、みんな気が気じゃなかったよ」
「國神も毎日気にしてた。また隈ができてた」
「いや、マジで心配かけたなー…でもありがとな、ほら凪も」
「ごめんなさいでした。心配ありがとうね」
「棒読みじゃん」
レオに頬をむにむにとつねられる。レオは最近俺のほっぺがお気に入りだ。
申し訳無さも感謝も感じてなくはないが、後悔はしていない。当時はいっぱいいっぱいで、レスポンスを出来る程気力も余力も無かったから、致し方なかったと思っている。…きっと、俺達の周りの奴らは分かってくれてる。そんな気がする。 - 163125/01/28(火) 00:27:55
「レオ、あれ何?」
ツイストパンを頬張りながら、黒名が壁の絵画を指差す。丁度目線の先にあったので気になったらしい。植物のような人間のような何かが描かれた絵画。
「ああ、その絵良いだろー!ポーランドの画家の絵でさ…」
「謎、謎」
レオと黒名が絵画を近くで見る為に席を立つ。俺もお茶飲んだらそっちに行こう。そう考えながらレオを見つめる俺に、潔が隠れるような、小さな声で俺に話しかける。
「玲王のことは勿論だけどさ、みんな、凪のことも心配してたよ」
「それ、どういう心配?」
「…玲王に何かあったら、道を踏み外して帰って来なそうって心配」
「……千切にも同じこと言われた。そんなに分かりやすい?俺って」
「基本分からんけど玲王のことに関してなら多少分かりやすいって感じ」
玲王に、何かあったら。そりゃ…みんなが心配する通りのことを起こすだろうね。
黒名と楽しそうに談笑しているレオを見る。今日もレオは元気だ。元気に、俺の隣に居てくれる。
「何にせよ、良かったよ。またお前らの元気な姿が見れてさ。…玲王も元気だし、引退試合は全力出せそうか?」
「まーね。レオが見てるからね」
「おーい潔!この絵と並んでくれよ、写真撮るから」
「潔と植物人間、並べ並べ」
噂をすれば、レオの声が響いた。黒名はスマホを構えている。
「え?俺が被写体なの?」
潔が席を立ち、二人の方へ向かう。
三人が並んでいるのを遠目で眺める。上背に差はあれど、レオと比べると、現役のサッカー選手である潔と黒名は鍛えているのが分かる身体をしていて、厚みの差を感じた。
…このエゴイスト達と、フィールド上で会うことは、きっともう無いのだろう。
俺のサッカー人生のフィナーレは、近づいていた。そして、新たに始まるのは───
「双葉と植物、相性抜群」
「蜂楽に送ってやるからなー、この写真」
「おい!面白画像の素材みたいに使うな!」
(絵画はエヴァ・ジャスキヴィッツの作品をイメージしてます) - 164二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:08:51
続き有難うございます!
- 165二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 15:28:54
なにこれかわいい
- 166二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 16:38:35
>國神も毎日気にしてた。また隈ができてた
やっぱお前ヒーローだ…!光堕ちしたのかな?
- 167二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 22:58:02
ほしゅ
- 168二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 08:41:08
ほしゅ
- 169二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 11:11:02
待機
- 170二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 18:53:54
続き待機ー
- 171二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 00:08:34
ほしゅ
- 172二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 01:12:05
ほしゅ
- 173二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 08:26:55
続き楽しみ
- 174二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 12:21:53
☆
- 175二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 17:46:53
保守
- 176二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 21:09:36
ほしゅ
- 177125/01/30(木) 23:01:46
穏やかな日々が続き、季節は移り変わった。
俺は、熱気と大歓声に包まれたスタジアムに居た。
用意された特等席。そこで、俺はフィールドに立つ凪の、最後の姿を目に焼き付けた。
凪は引退試合でハットトリックを達成。最後まで鮮やかで、天才的なプレーを世界に見せつけた。
スタジアムが揺れる。
みんなが、凪の名前を大声で呼んでいる。
みんなが、凪の引退を惜しんでいる。
俺の見つけた天才は、世界中から愛される選手になった。そして、今日で舞台を下りる。
試合中は実感が湧かなかったが、本当に、最後なんだ。
目頭が熱くなる。でも、涙は堪えた。今は、泣く時じゃない。最後までフィールド上の凪の姿を、見ていたかったから。
そして、最後のヒーローインタビューが始まる。 - 178125/01/30(木) 23:03:18
「本日をもって現役を引退される凪選手です!いつにも増して、凄まじい気迫と素晴らしいプレーでした。試合を終えての率直な感想をお聞かせください!」
「えー、今日は特別な日となりました。これまで応援してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。今までもらった応援には、今日のプレーで応えれたかなと思います。見ててくれたよねー?」
凄い!それっぽいことを言っている!大人になったな、凪。しかし、立ち位置に少し違和感がある。
「ファンの皆さんの声援も凄いですね。いつもこのような応援をどのように感じていましたか?」
「そうですね。いつも支えてくれたことに感謝してます。その声が、ずっと励みになっていました」
観客達がらしくない凪の発言にざわめく。そんな中、あることに気がついた。
…凪は、インタビューに答えながら…目の前のインタビュアーでもなく、観客席でもなく…俺の座席の方に体を向けている。
控えめに、周りを見渡す。俺の近くにカンペか何かがあって、それを見ている可能性を考えたけど、周りはうちのSPで囲まれているだけで、何も無い。隣のばぁやは、優しい目で俺を見てくれている。戸惑いの視線を返すと、背中を撫でてくれた。俺はまた、フィールドの凪に向き合った。
「現役生活の中で一番印象に残った出来事は何でしたか?」
「W杯優勝ですね。長年の夢が叶って、本当に嬉しかったです。でも、同時に夢が終わっちゃうって、焦りもありました」
「焦り…ですか?」
「はい。夢が終わったら、これから先どうしたら良いのか分からなくて。でも、また新しい夢が見つかったので大丈夫です」
「その夢は、サッカーに関わることですか?」
「いいえ、関係無いです。プライベートのことです。順調です」
「そ…そうなんですね!」
その発言に、観客席が再び大きくざわめいた。
ああバカ、またごちゃごちゃ言われるに決まってる。
ていうかこれって、もしかして… - 179125/01/30(木) 23:04:37
「ファンの皆さんにメッセージをお願いします!」
「ずっと俺のことだけを見ててくれたから、ここまで走り続けれました。一人はやっぱり寂しいからここらが限界。明日からは新しい夢の為に頑張ります。長い間、応援してくれて本当にありがとうございました。これからもよろしくね」
もしかして、ではない!
こんなの、明らかに俺へのメッセージだ!
これは自惚れなんかじゃない。凪は俺を見ている。
凪からも周りからも鈍ちんだのなんだのと言われてきたけど、さすがに分かる。
顔が熱い。凪は、涼し気な顔でこちらを見ている。
おかしい。今日は、感動の引退試合のはずなのに。すっかり涙は引っ込んでしまった。
こんなのは良くない。公の場で、最後の晴れ舞台で、凪のファンがたくさんいる中で、誤解だって生むだろう。だからこんなのは絶対に良くない…のに。
俺は今、心から嬉しいと思ってしまっている。
凪の思いが嬉しい。
凪の気持ちを信じれるようになったのが嬉しい。
凪とこれからも一緒に居られるのが嬉しい。
そして、こんな場面でも俺のことを話しちゃうくらい凪が俺のことを好きなのが分かるのが嬉しい!
「これも、エゴってやつなのかな…」
思わず漏れた独り言に、ばぁやが微笑みを返してくれた。
「やはり、素直になるのが一番ですね」
「うん………うん?」
その言葉は、どこかで聞いたことがあるような気がした。いつかは思い出せないけれど、確かに覚えがあって…
しかし、それより凪だ。大きな拍手と歓声に包まれながら、凪がフィールドを後にしようとしている。
最後まで見届けよう。俺のパートナー、凪誠士郎の姿を。
見てたぞ、凪。最後まで。 - 180125/01/30(木) 23:10:08
「ただいまー」
「おかえり、凪」
その日の夜。俺はいつも通り凪を玄関で出迎えた。
いつもと変わらない様子の凪に問いかける。
「凪、サッカー、楽しかったか?」
「うん。楽しかった。俺、サッカーが好き。でもさ、」
澄んだ黒色の瞳に、俺の姿が映る。
「やっぱりレオが居ないと寂しかった。俺のサッカーは、レオと共にあったから。だから、今日でおしまい」
「最後まで、俺のこと見ててくれた?俺の気持ち、届いた?」
夢に向かって走り続けた日々が、心の中を駆け巡る。
出逢ってから、今日に至るまで。
ずっと、お前だけを見ていたよ。 - 181125/01/30(木) 23:11:01
「…当たり前だろ。ずっと見てたし届いてる!」
「よかったー。ねぇ、俺頑張ったよ」
凪が器用に上目遣いをしてくる。
ああ、言葉がうまく出てこない。
お疲れ様とか、格好良かったとか、もっと世間体気にしとけとか、色々あるはずなのに。
凪の体を正面からぎゅっと抱きしめた。
何より今、凪に伝えたいことを素直に口にする。
「凪!俺、お前のこと大好きだ!」
「うん、ありがとう」
「んで、お前も俺のことめっちゃ好きじゃん!」
「ようやく気付いたの?」
「感極まってたのに、お前があんまりにも熱烈だから涙引っ込んだ!」
「なら良かった。泣いてるより笑ってる方が良いよ」
「凪!」
「なーに」
「これからもよろしくな!」
「こちらこそ。さいごまで、よろしくね」
これが俺達の答え。
今日で俺達のサッカー人生は終わった。
それでも明日も明後日もその先も、俺達はふたりで熱く生きていく。
ずっとずっと、ふたりで生きていこう。
その思いを乗せて、凪を抱きしめる力を強めた。
うぇー、苦しいよレオー、なんて言いながらも、背中に回された手の温かさに、幸せを感じた。 - 182二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 01:06:18
ありがとうございます!
- 183二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:46:53
幸福感がすごい
凪の実家訪問も期待! - 184二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 12:17:36
ありがとうございます
泣けました…! - 185二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:38:46
幸せな後日談だー!
- 186二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 22:12:47
読んでるこっちが幸せだわ
- 187二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 00:59:49
玲王にだけ向けられたヒロイン最高でした
- 188125/02/01(土) 02:13:27
「凪ー、準備出来たかー?」
「おっけー」
その日は晴天、正に旅行日和。これから俺達は、俺の地元の温泉で数泊のんびりした後、俺の実家に向かう。運転手は、ばぁやさん。
レオは落ち着かない様子で荷物を確認している。
「あー、なんか今から緊張してきた…」
「緊張するの早いよ。ていうかレオは緊張とかするタイプじゃないっしょ」
「いやそうなんだけど、いざご挨拶するって思うと何かさぁ…変なこと言っちゃわないか不安っていうか…」
らしくなく、レオは少し弱気だ。あんなに張り切ってたのに。励ますように声をかける。
「大丈夫だよ。多分うちの親、びっくりしてそれどころじゃないから」
「まぁ、そうだな…息子がサッカー選手辞めたと思ったら、御影コーポレーションに入社するなんて、驚くよな…」
そう、俺はサッカー選手を引退し…御影コーポレーションへの入社が決まっていた。
ポジションは、レオの秘書兼付き人。ばぁやさんの後継にと内定を貰っていた。まずは、ばぁやさんの弟子からスタートだけど。
入社試験は自力で挑戦した。この為に、興味は無いけどニュースやビジネス書に向き合って、筆記試験は難なく合格。後の面接官がパパさんだったのは驚いた。
正直、身内採用、コネ入社と言われても仕方は無い。レオの評判にも関わるし、適度に仕事をこなして、正当な評価を得れるように頑張らなくてはいけない。
何で頑張るのか。理由はひとつ。レオの隣に居たいから、それだけ。
お金は既にたくさんあって、夢の早期リタイアスローライフは今すぐにでも送れるけれど、そんなものは、もう価値を感じれなかった。
だって、一緒じゃなきゃ意味が無いから。
これからも隣で生きていく。それが俺の、俺達の新しい夢だ。
「確かに、息子の変貌に比べれば俺なんておまけだな。ちょっと気持ちが楽になったわ」
「変貌て。ていうかびっくりするのはそっちじゃないよ」
「え?他に驚くことあるか?」
そりゃあるでしょ。
俺みたいな息子が人を連れて来て、大事な人です、って紹介をする日が来るなんて。思ってもなかっただろうから。
「まぁ、なるようになるって。ほら、そろそろ行こ」
「…そうだな!まずは温泉を楽しまなきゃな!」
ふたりで荷物を持ってエントランスに向かう。そしてシェル爺に挨拶をして、外に出た。 - 189125/02/01(土) 02:16:54
「いい天気だなー!テンション上がってきた!」
温かい日差しの中。レオが笑っていた。本当に、レオが元気に俺の隣で笑っていてくれていることが嬉しい。
俺にとって御影玲王という人物は、太陽よりも眩しくて温かい存在で、何より大切で。
本人にも少しは伝わってるらしくて安心したけど、レオはひとりで考え込みがちだから、日頃から気持ちを伝えていこうと思う。
「ねぇレオ、さいごまで一緒にいてね」
レオの手を引いて、そう伝える。レオは急にどうしたって表情をしながらも、すぐにおどけた笑顔に変わった。
「ああ、病める時も健やかなる時も、な?」
「いや、それはやだ」
「……はぁ!?普通そこで拒否るか!?」
「だって、もうレオが元気じゃないところ、見たくないし」
「………」
笑顔から一転、下がり眉になってしまった。困らせちゃったかな。でも本心だし。
「…分かった。俺は一生健康で居続けてやるよ。お前の為に」
「よろしく。その為にも、お仕事は程々にしてのんびり暮らしていこうね」
「そうだな。誰かのおかげで俺ものんびりした生活、好きになったし!」
レオがにかっと笑う。やっぱり、レオは笑顔が一番だ。
「よし!じゃあ出発ー!行くぞ凪!まずは温泉街巡りだ!」
「うん、行こうレオ」
どちらからともなく、手を取り合う。
もう離さないよ。ずっと一緒だ。
そんな思いを込めて、レオの手をぎゅっと握る。
少し驚きながらも、レオは笑顔を向けてくれた。
俺の大好きな、笑顔だった。
「凪!さいごまで付き合えよ!」
「うん、約束だよ。レオ」
夢と約束を胸に、俺たちは幸せな未来へ向かって、一歩を踏み出した。
end - 190125/02/01(土) 02:17:58
長い間お付き合いいただきありがとうございました。これにて完結になります
たくさん感想や♡をいただけて、とても嬉しかったです。本当にありがとうございます!
実家訪問編はスレの残り的に難しかった!ごめんなさい!書けなかったけど玲王は無事凪のご両親と打ち解けて赤ちゃん凪の写真をゲットします
そのうちまたSSスレを立てたいと思いますので、その時はまたよろしくお願いします🙇
ではまたどこかで〜 - 191二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 03:13:40
スレ主完結おめでとう!ありがとう!
ふたりとも末永くお幸せに! - 192二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 08:37:52
楽しかったよスレ主!ありがとう!
またスレ主のSSに出会える日を待ってるよ! - 193二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 12:20:31
感動をありがとう!
次回のSSも楽しみに待ってます! - 194二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 14:50:40
良すぎた!最高!ありがとう!!いいスレだった!
- 195二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 16:10:36
完結お疲れ様です!
そして素晴らしいSSを有難うございました!