年末!キヴォトス寄席

  • 1晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:04:20

    (出囃子:Constant Moderato)

    えー、冬になりますと祝いの席が多数ございます。クリスマス、忘年会、正月などなど……ですが、我々学生の身にとって飲酒はご法度中のご法度。
    しかし抜け道を探そうとするものは何処にでも居るものです。

    キヴォトスの北にはレッドウィンター連邦学園という学校がございます。こちらには悪事をしでかした生徒が送られる特別な校舎がありまして──

  • 2晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:04:56

    「待て、227号の生徒だな?本校舎に行くなら手荷物を確認させてもらおうか」
    「あっ、て、手荷物……ですか……それは……その……」
    「ふむ?何か後ろめたいことでもあるのか?改めさせてもらうぞ!」
    ガサゴソ
    「……なんだこの瓶は?……この香りは、酒か?規則違反で没収だ!」
    「あぅ……」

  • 3晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:05:32

    「──ということがあったんですよ……せっかく用意していただいたカンポットが……」
    「う〜ん、またクーデターの余波で見張りが増えたのかな?本校舎にいる友達のためを思って持っていったカンポットが『たまたま』発酵してたってだけなのにねぇ」

    「ああ、じゃあ次は瓶を箱に入れて『集めたリンゴで作ったシャルロートカ(アップルパイ)です』ってごまかしてみる?」
    「良いですね、それ!」

    そして後日。
    「……また来たのか、荷物を確認させてもらうぞ。……その箱はなんだ?」
    「227号の皆で作ったシャルロートカです!お世話になった人にあげたくて!」
    「殊勝な心がけだな。通っていいぞ」
    「ありがとうございます!よっ、どっこいしょっ……と」
    「む、今なんと言った?シャルロートカは焼き菓子だ。そんなに重いはずはないだろう」
    「あっ……これは……そう、私の口癖でして!立ち上がるのにも『どっこいしょ』、銃をリロードするにも『どっこいしょ』、とにかく何につけても『どっこいしょ』と言ってしまうんですよ!」
    「……貴様はまだ16歳だろう……箱の中身を見せなさい」
    「ああっ……」

  • 4晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:06:13

    「……また瓶か。チャプチャプと音がするな……これでもシャルロートカと言い張るか?」
    「あ……そ、そう、それは『水シャルロートカ』なんですよ!私たちで考えた新しいスイーツのレシピで、友達にも食べさせてあげたくて!ほら、甘い香りがするでしょう?」
    「『水シャルロートカ』ぁ?聞いたことがない……甘い香りなのは間違いないが……これは味を見て確認しなくてはな……」

    グビッ

    「ふむ……これはかなり甘いな……しかし美味い……ゴクゴク……あぁ、なんか楽しくなってきたぞ……!」
    「あっ、そ、そんなに飲まれると……!」
    「う、う〜む、これはやはり酒れはないか……!うそをつきおったにゃ……!?ぼっしゅーら!」
    「没収もなにも、全部飲んだじゃないですか!」

  • 5晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:06:41

    「──ということで、うまくいきませんでした……一部は私のミスでしたが……」
    「全部飲まれちゃったらどうしようもないね……というかその門番も分かってて飲んでるよねえ!?」

    「あ、じゃあ今度はこうしてみるのはどうかな?」
    ゴニョゴニョ
    「えっ、それは流石に……!?」

  • 6晄輪亭チハヤ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:07:07

    そして、またしばらく後。また門番のところで止められます。

    「貴様も懲りないな……また荷物を見せてもらうぞ。まずはその大事そうに抱えてる箱からだ。中身は?」
    「はい、アルコールでございます」
    「ついに隠す気もなくなったか。没収だ」
    「いえ、これは飲む用ではないので……!」
    「信用できん!いいから渡しなさい!」
    「渡せません!!」
    「このっ……!」

    ……っとまあ押し合いへし合いをしていますと手から箱がツルンッと滑ったかと思うと──

    ガッチャーン!

    大きな音を立てて割れた箱と中身の瓶。
    すると瞬く間に大きな炎が立ち上りました。

    「うわっ、熱っ!?これは、火炎瓶!?貴様……!」
    「だから飲む用ではないアルコールだと言ったじゃないですか!」

    「くっ……この……正直者めが!」

    お後がよろしいようで。

  • 7晄輪亭ジュゲム ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:13:05

    もうしばらくのお付き合いをお願いしたいと思います。
    年末年始は何かとお金がかかるものでございます。借金の精算やお年玉、年始で何かを新調することもございましょう。そういったときに苦労するのが会計という役職。学園の運営にも欠かせないこの仕事は随分と大変なようでして──

    ミレニアムサイエンススクールにそれはもうゲーム好きな、3度の飯よりゲームが好きという生徒たちがおりました。
    あるとき、アナログゲームを、それも人生ゲームをやろうということになり、知り合いも集めて遊んでおりました。

    「えっ、また私が払うの!?」
    「うわあ……お姉ちゃん貧乏……」
    「次は私の番ですね。ルーレット回します」
    カラカラカラカラ……
    「8です。1、2、3……ああ、そうだモモイ、今何時ですか?」
    「えっ?今は……午後6時!」
    「ありがとうございます。なるほど、午後、6、時……8。えーと、『右隣のプレイヤーに、持ってる最も高級な宝物カードを売る』……モモイ、支払えますか?」
    「ええっ!?2連続で!?……あれ?トキのコマってそんな位置だっけ?見てなかった……」

  • 8晄輪亭ジュゲム ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:13:44

    ええ、この生徒はしれっとイカサマを働いておりまして、皆そこに気がついていました。なんならイカサマをされた少女も薄々勘づいておりました。が、ただ指摘したんじゃ場が盛り下がる。それでいてただでは済ませない。そう思ったようで……

    「うっ……トキの一番高いやつはお金が足りなくて買えない……そ、そうだ!ここは1つ、そこの安いやつでまけてくれない?」
    「これですか……半額にはなってしまいますが、まあ仕方ないでしょう。では、5000クレジットいただきます」
    「はい、5000クレ……あっ、そうだ、今もらったこのカードって、5000クレジットの価値なわけだよね?じゃあこれ返すから、このカードの5000クレとさっき払った5000クレで足して10000クレジット!ほら、これで払える!」
    「……考えましたね。仕方ないです、それで手を打ちましょう」
    「ふっふーん、これでギリギリ借金ルートは回避だ!」

  • 9晄輪亭ジュゲム ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:14:08

    ……とまあ、騙し騙されのそんなやりとりを、一人の参加者が眺めておりました。

    (なるほどぉ……ああいうやり取りで誤魔化すのってアリなんですね……にはは、良いことを知りましたよ!)

    この生徒は我々同様に道楽者といいますか、苦労せず遊んで暮らすためならどんな苦労も厭わない、いや、むしろそういった苦労を苦労だと思っていない、そんな生徒でございました。

    さて、この道楽者の生徒、とんでもないことに、予算の不正利用の疑いでミレニアムの生徒会……セミナーに捕まってしまいます。

    会計担当からお叱りを受けることになるのですが……

  • 10晄輪亭ジュゲム ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:15:01

    「コーユーキー!また面倒事ばっかり起こして!」
    「うぅっ……」
    「とにかく、横領した予算で買ったゲーム機、家具その他諸々は没収!それに加えて使った200万円分もそのまま支払ってもらうわよ!!」
    「えっ、そのゲーム機等々は合計200万円分だからそれで返したことにならないんですか!?なんで!?」
    「なんでじゃないわよ!あんた、いくつの銀行ハッキングしたか数えてみなさい!」
    「確か、20ほど……」
    「本当に?ここのリスト、数えてみなさい」

    と言って分厚い書類を渡されましたこの生徒、悪知恵は働くけれども少々詰めが甘い。ですがそんな自覚はなく、先日のボードゲーム大会を思い出します。

    「えーと、1、2、3、4……14、15、16……あ、あの……ユウカ先輩、今何時ですか?」
    「え?そうね……18時よ」
    「えー、18時、19、20、21、22……!?」
    「はぁ!?あんた2つもハッキングしたこと隠してたの!?どこの口座!?」
    「えっ!?ああっ!やってしまいました……」
    「やっぱりやってるんじゃない!」
    「あ、いや、その、その『やった』は別の意味で……エト……」
    「言い訳なら後で聞くわ!しばらく反省室で大人しくしてなさい!」
    「うわあぁぁぁぁーー!なんでぇぇぇぇーーー!!」

    『トキ壺算』というお話でございました。(ペコリ

  • 11二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 09:36:27

    物凄い面白いんだけど適切な感想の出し方が分からねえ!
    とりあえず座布団投げていいか!?

  • 12◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 09:40:14

    >>11

    今ね、座布団いただきましたけどね、こんなんなんぼあってもええですからね(ありがとうございます)

  • 13晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:05:29

    年の瀬、年明けにはパーティがつきものですが、人が集まる席で何を話すかは大事です。近況報告、惚気、愚痴、レスバトル……いろんなものがあるかと思います。

    どれだけ強くて恐ろしいものがなさそうに見えたとしても、どうしてもこれだけは怖くてしかたない、というものが一つはございます。さて、ここに各学園の最も強い生徒たちが集まる機会がありました。これはそういった場でのお話でございます。

  • 14晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:06:02

    「あら、こんなところで会うなんて気偶ね。トリニティ、ミレニアム、アビドス、百鬼夜行……皆で集まって何話してるの?」
    「アンタはゲヘナの……そうだな、今は『怖い物』について話してたんだ」
    「へえ、面白そう。皆は何が怖いのかしら?」

    「私はヘビかな~☆ なんかヌラヌラしてて冷たいから生理的にムリっていうか……」
    「あたしは蜘蛛が怖えかな……なんかカサカサ動くし、速いし、脚がいっぱいあって不気味じゃん?」
    「私は……お化けが怖い。百鬼夜行なんていう名前の学園でお化けが怖いなんていうとちょっと恥ずかしいけど……でも、とても親しかった友達を思い出すから……」
    「うへ~、おじさんは砂嵐が怖いかな~。……砂漠ってナメてると本当に死ぬからね」
    (((重い……!!)))

  • 15晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:06:41

    「あっ、ごめんごめん、なんか重くなっちゃったね。せっかくだしぃ、おじさんは風紀委員長ちゃんの怖いものとか聞いてみたいな〜?ぶっちゃけどうなの?なにか怖いものってあるの?」

    「……そうね。ヘビも蜘蛛もお化けも怖いとは思わないわ……砂嵐は流石に少し怖いけれども」
    「いや、砂嵐は誰でも怖いだろ……」

    「怖いもの……怖いもの……ああ、そうね、1つ思い出したわ」
    「へぇ、聞かせてよ☆」
    「……絶対に口外しないって約束してくれる?」
    「もちろん」

    「……ゅう」

    「え?なんて言った?」

    「……んじゅう」

    「ごめん、もう一度」

    「拳銃!あまり口に出したくないくらい怖いのに、なんども言わせないでちょうだい!……うぅ、考えるだけで寒気が……」

  • 16晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:07:17

    「拳銃って、あの……?」
    「そうよ……なんというか、銃にしては短くて頼りない見た目と威力!装弾数も少なければ射程も短い!あんなもの、武力として使ってる人の気がしれなくて怖いのよ!」
    「アハハハッ!ゲヘナの風紀委員長が拳銃嫌いなんて面白い冗談だね?じゃあ普段問題児を鎮圧するときなんてのは……」
    「もちろん、怖いからさっさと終わらせてるわ!マシンガンの方が圧倒的に強いし……」
    「怖いからで容赦なく鎮圧できる貴方の方が怖いけど……」

    「あれ、でも確か風紀委員のメンバーにも普段拳銃使ってる子が居たよね?」
    「あの子たちは……まあ前衛じゃないし、怖いのも我慢してるわ」

  • 17晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:08:12

    「……あぁ、考えてたら本当に気分が悪くなってきた……ちょっと隣の部屋で休んでるわね」

    ガラガラピシャン

    「……あれ、どう思う?」
    「え~、しっかり気分悪そうだったし、本当っぽくない?」
    「……あたしらで試してみないか?」
    「というと?」
    「おじさんたちで拳銃を集めて見せてみるとか?」
    「そうそう、面白そうじゃねえか?」
    「……本当に怖かったらどうするのよ。学校間の大問題よ」
    「あー……そんときはそんときでいいだろ」

    所詮は遊びたい盛りの高校生。一度イタズラのアイデアが出たら止められないのが性というもので……

    「……よし、しっかり寝てるな?起こさねえように拳銃を枕元にいっぱい並べて……っと」
    「風紀委員長ちゃん、そろそろ元気になった?一度起きてみてよ〜」

  • 18晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:08:45

    「ん……よく寝たわ……えっ……あぁ……!!け、けけけけ、拳銃……!!ひいいっ……!」

    「わぁ……本当にビビってるみたい……」
    「だ、大丈夫か?」

    「拳銃こわい……拳銃……あぁ、こんなに怖いものは……分解してしまいましょう」

    そう言って中からはガチャガチャと金属を弄る音が聞こえて参りました。

    「これは……デザートイーグルね……ここちょっと緩んでるわね……締めておきましょう……あぁ怖い……」
    「こっちは……ウェルロッド?……よく手入れされてるけど……こんな射程が短いのを常用してるなんて恐ろしい……」
    「ワルサーPPKに……こっちは信号弾拳銃かしら?……いずれにしても怖いわね……」

  • 19晄輪亭チトテ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 11:09:58

    「えっ?なんかめっちゃ手入れしてる音しない?ナギちゃんのと同じやつを借りてきたけど大丈夫かな……」
    「後輩の愛用してる拳銃を『射程が短い』って言われると悔しいな……」
    「一度、中を見てみた方が良いんじゃない……?」

    「え、風紀委員長ちゃん大丈夫?……ってすごくピカピカに手入れされてる!?」

    「なんだ、拳銃なんて全然怖くないんじゃねえか!あんた、本当は一体何が怖えんだよ!」

    「そうね、この辺でひとつ、風紀違反の不良が怖い」

  • 20二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 11:11:41

    つまり…何を意味する?

  • 21二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 11:21:48

    >>20

    (落語「まんじゅうこわい」のパロディやで)

  • 22二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 13:40:10

    けんじゅうこわいで草

  • 23晄輪亭ハヤミ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 16:10:56

    いっぱいのお運びということで大変ありがたく思います。
    もうすぐ年が変わります。皆さまは今年は何を成し遂げたでしょうか。
    いつの世も人は他人から自分のしたことを認められたい、称賛されたいと思うもの。ここにもそういった生徒が一人──


    「部長、話っていきなりどうしたのさ」
    「よく来ましたね……いきなり冷房の温度を最低まで下げないでください。リモコンも返してください」
    「暑いよこの部屋……で、何の話?」
    「私に足りていないものは一体なんだと思いますか?」
    「健康と体力」
    「……それを言われたらもう返す言葉がありません。今日は解散です」
    「冗談だよ。何が言いたいのさ」
    「コホン……今の私に足りていないものはずばり、『称賛』です!誰一人としてこの「全知」の学位を持つ超天才清楚系病弱美少女ハッカーのことを正しく評価していないのです!」
    「……」
    「そうでしょう、あまりの正当な怒りに声も出ないようですね」

  • 24晄輪亭ハヤミ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 16:11:37

    「ですので私は考えました。どうすれば皆からもっと称賛の声が頂けるのか。それがこちらになります」

    (手ぬぐいでタブレット端末を渡すしぐさ)

    「……文字が小さい。そして長い。3行に纏めて」
    「これは私の名前です。私は今後このように呼んでいただけない限り返事をいたしませんので。ですから、正しく覚えてくださいね?」

    こうしてこの生徒は次のように名前を変えたのでした。

    ミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な乙女、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花──と称され、それでいて新雪のように高潔で、舞い散る花びらのように儚く、清水の如く透き通る超天才清楚系病弱美少女ハッカー

    そして、彼女は宣言した通り、このように呼ばれない限り返事をしないことを貫いたため、周囲も渋々ながらこのように呼んだのでした。

  • 25晄輪亭ハヤミ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 16:13:25

    さて、話は少し変わって、彼女が所属する部活というのが少々変わっておりました。
    ミレニアムの中でもハッキングを得意とする日陰者……もとい頭脳派の集団。
    あるとき、彼女のいる部室の電子機器が逆にハッキングされる事態が起きました。

    ビーッ!ビーッ!

    「部長……じゃなかった、ミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な乙女、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花──と称され、それでいて新雪のように高潔で、舞い散る花びらのように儚く、清水の如く透き通る超天才清楚系病弱美少女ハッカー、何者かがサーバーにハッキングをしてきてるよ!」
    「ええ、こちらでも確認しています!まさかこのミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な乙女、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花──と称され、それでいて新雪のように高潔で、舞い散る花びらのように儚く、清水の如く透き通る超天才清楚系病弱美少女ハッカーが設定したファイアウォールを突破するなんて……!」
    「ミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な乙女、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は……ええいまだるっこしい!ああ、これ使おう!」

    と思って後輩はスマホを取り出して、起動したのはボイスレコーダー。

    『ミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な……』
    「あっ、音声データでショートカットするのはズルいですよ!」
    「今そんな場合じゃないでしょ!」

  • 26晄輪亭ハヤミ ◆NvA/S1eVIk24/12/31(火) 16:13:45

    「いえ、もう対策は済んでおりますよ?……ふふ、私の名前を呼んでいる間にコードを修正して再度プロテクトをかけました」
    「……ホントだ、アラートが止んでる」
    「驚きましたか?私を誰だと思っているのですか」

    「……ミレニアムの清楚な高嶺の花であり、みなさんの憧れである「全知」の学位を持つ眉目秀麗な乙女、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花──と称され、それでいて新雪のように高潔で、舞い散る花びらのように儚く、清水の如く透き通る超天才清楚系病弱美少女ハッカーさん、助かったよ」

    「ふふっ、その名前、称賛として受け止めさせていただきます」

    それではこれにて。

  • 27二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 17:57:48

    8888888888888

  • 28二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 05:21:16

    88888

  • 29二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 15:45:38

    このレスは削除されています

  • 30二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 22:01:35

    すごくいい…

オススメ

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