- 1二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:04:03
きみの生まれた日が近くなり、近頃は随分と風が強く吹いていますね。
乾燥した空の音を聞くたび、私の心にはきみが過ぎていきました。
冷たい外気を避け、暖かな場所にいても、きみが頭から消えてくれないのです。
暖かな温度に思うのは、物言わぬ外殻だけを残したきみを焼いたときのことです。
世間ではきみは大罪人でありましたから、葬儀はひっそりと家族内のみで行われたのでした。
青かったきみが、赤に塗りつぶされて消えていく。
煙たい空気を残して、吹けば飛ぶようなかけらに変わっていく。
煙になり、宙を泳ぐきみが目にしみて、あたたかな雫が頬を伝いました。
やがて、白いかけらに姿を変えたきみを、私は丁寧に拾い上げます。
そして、やわらかなキスを送りました。
動物が我が子を愛でるように、優しく食み、くすんだきみをそっと撫でます。
足りない時間を、いのちを削って引き伸ばしていたきみはひどく脆く、少し力を入れただけで、私の歯の上で軽やかなステップを刻みました。
小さく弾けて、やわく砕けて、存外穏やかに跳ねまわります。
そのダンスの、なんて慎ましく濃艷で鮮やかなことか。
思い出すだけでも、思わず瞳が潤み、心臓が痛いほどに高鳴るのです。
息を呑むような絶景が目前に広がったように、意味もなく口を閉会させ、けれども正しく言葉を見つけられずに、ただ空気を漏らし続けるような心地になるのです。
そして、それほどまでに私の根幹を強く揺るがすきみが、もう生きていないことに、肺の底が沈むような気持ちになるのです。
深く息を吸うと、冷えた空気に喉の奥が縮むように震えました。
その冷たさにもきみを思い、そんな自分に苦笑をこぼしてしまいます。
きみは熱くて、同時に、ゾッとするほど冷たかったので、いつでもきっと、私は何度もきみを思い返しては心を揺らすのでしょう。
これからもずっと、私は、きみを見続けているのでしょうね。
それはきっと、赫々と燃ゆるお父さまにも成し得ない、きみと私のとびきりの旅路なのでしょう。
いつかまた踊るさまを夢見て、私は静かに、穏やかで暖かな空気に身を委ねます。
あけましておめでとうございます、荼毘くん。
これからは共に、ゆっくり過ごしていきましょうね。 - 2二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:07:37
新年そうそう現れたな
- 3二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:09:27
でた…
- 4二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:10:44
文豪の妖怪だーーーーーー!!!!!!!
- 5二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:16:04
年明けたばっかりなんだからカニ食べて大人しくしてなさい
- 6二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:16:25
でたわね、
- 7二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:48:42
妖怪だー!
- 8二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:53:29
玄関の扉を開けた時、眩しさに目を細めた先に見上げた空が、あまりにも彩やかに見えたものですから。
蒼天を目に映したときに、光が沁みて視界が滲んだのか、空の青さにきみを思い出して切なさに胸が軋んだのか、判断がつかないものですから。
きみがいなくなってから、夢見のように朧気な景色が、瞬くほどに色を取り戻すように思えて仕方ないのです。
私が心に負ったきみという火傷は、たしかなかたちをもって、なによりも鮮明に、枯れることなく、痛み続けるのです。
なにを食べても、なにを歌っても、なにを思っても、そこには常にきみが居続けるのです。
私はそこにひとりしか居ないのに、君のことばかりを考えていて、まるでずっときみと一緒にいるように思うのです。
なんて、そんなことをふと思って、ついつい溢れた思いを零してしまうのでした。 - 9二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 12:21:50
まだ昼間だぞ
- 10二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 13:05:04
本当にあなたの文章が好きだよ文豪荼毘妖怪
- 11二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 13:10:05
出たよ…
- 12二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:18:18
かなり荼毘に脳焼かれてるな
- 13二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:31:38
スレ主は文才とひきかえに理性を荼毘に付しちゃったのか
- 14二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 01:53:20
癖になる文章