【クロス】このまま長閑な正月を過ごせるといいなぁ〜

  • 1二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 19:07:20

    「山崎さ〜ん!!」
    「えっ!?」
    「山崎さーん!!」
    「(……誰だろう?)」

  • 2125/01/01(水) 20:26:45

    真選組の山崎退は正月休みを満喫しながらアンパンを食べ歩きしていた。
    と、そこへ、

    「山崎さーん!」
    「えっ!?」

    誰かが自分を呼ぶ声が聞こえてきた。

    「山崎さあぁぁぁぁん!?」
    「(……誰だろう?)」

    そこには見知らぬ少女がいた。
    その少女は、柄の悪そうな金髪の男に無理やり連れて行かれそうになっていた。

    「今日は何時もの奴等はいないようだな」
    「いや!?放して下さい!!」
    「そうはいかん。お前は俺の子を産むのに相応しい貴重な女なんだからな」
    「な、何を言って!?」

    山崎は咄嗟に自身の懐からある物を取り出して言った。

    「その手を放しやがれ!」

    それは、アンパン。
    アンパンを男の頭へと投げつけ、怯んでいる間に少女を抱き寄せて、その場から逃走したのだった。
    そして、山崎は少女を連れて路地裏に隠れた。

  • 3125/01/01(水) 20:26:58

    「はぁ……はぁ……」
    「……あの」
    「あ!ごめんね?急に連れて来ちゃって」
    「いえ……助けて頂き、ありがとうございました」
    「それにしても災難だったね?……それで、君の名前は何て言うの?」
    「……雪村千鶴と申します」

    やっぱり知らない名前だ。
    その時だ。
    突然玉のようなものを投げつけられ、辺りは煙に巻かれる。

    「けほ、ケホ!?くそ!?さっきのヤツか!?」
    「ケホ……ケホ……」

    煙によって咳き込んでいると、そこに現れたのは覆面姿の小柄な男だった。

    「なっ、何だ!?お前は!?」
    「俺は……見ての通りの忍者だ」
    「忍者!?何でこんな所に!?」
    「話す必要は無い。その少女をコチラに渡して貰えれば、それ以上は何もしないでいてやる!」
    「え……?」
    「や、山崎さん……!?」

    山崎は雪村を庇うように立ち、忍者と名乗る男に向かって言う。

    「断る!!」

    山崎のその言葉に、雪村は戸惑いの表情を見せる。
    そしてそのまま山崎は真選組の屯所に逃げ込んだ。

  • 4125/01/01(水) 20:55:41

    真選組の隊士達は山崎が女連れで帰ってきたことで驚いていた。

    「何だ山崎、その女は?」
    「ああ!その子は……!」
    「えっと、雪村千鶴と言います」
    「山崎の彼女か!?」
    「えぇ!?」
    「ち、違います!!私はこの人に危ない所を助けて貰っただけで!?」
    「何だ違うのか。つまんねぇの」
    「とにかく、今はこの大変な時ですから!彼女も追われていたんです!!」

    山崎は必死に説明する。
    その時だ。
    覆面の男が屯所の中に入ってきたのだ。

  • 5125/01/01(水) 20:56:11

    「追って来やがったか!?」
    「に、忍者だぞ!?」
    「ビビるこたぁねぇよ」
    「そうだ!俺達は真選組だ!!」

    隊士達は一斉に立ち上がり、刀を構えた。

    「ったく山崎め。正月早々厄介事を持ち込みやがって!?」

    だが覆面の男はそんな彼等を無視し、山崎に言う。

    「その女を渡せ!」
    「だから!この子が何をしたって言うんだよ!?」
    「……貴様には関係ない!!」
    「山崎さん!」
    「危ないからそっちに行っちゃ駄目だ!!」
    「雪村君。無事だったか!?」
    「えっ!?」
    「山崎さん」

    雪村は忍者に向かって『山崎さん』と呼んでいる。
    つまり、雪村は忍者の正体を知っている事になる。

    「何なんだ?あの男は?」
    「さ、さぁ……?」

    雪村は事の次第を説明する。

    「誤解なんです。あの人は無理やり風間さんに連れて行かれそうになった私を助けてくれて……」
    「何だって!?」

  • 6125/01/01(水) 21:07:20

    その後、その忍者だと名乗った男は新選組の山崎烝だということが判明した。
    雪村は風間という男に無理やり連れて行かれそうになった事。
    そして、それを助けたのが山崎退だった事を説明した。

    「ウチの山崎退がそちらに迷惑をかけてすみませんでした」

    局長の近藤勲は連絡を受けてやって来た近藤勇に謝罪した。

    「いえ。こちらこそそちらに大変な迷惑をかけてしまって申し訳無い」

    両方の近藤は深々と頭をさげる。
    正月早々近藤勲に頭を下げさせるなんてことをさせた怒りでバズーカを構えて待ち構えている沖田総悟。

  • 7125/01/01(水) 21:07:40

    そんな総悟を

    「ふぅん。飛び道具使うなんて。こっちの沖田さんは刀に自信がないようだね」

    沖田総司が皮肉混じりに言った。
    それもその筈だ。
    沖田総司も近藤勇に頭を下げさせるなんてことをさせた怒りに満ちていた。
    総悟は刀に手をかける。

    「正月だから手加減してやろうって思ったけど、そんな必要ないみたいだな!?」
    「当然」

    総司も刀を抜いている。

    「総司!?仕事増やすんじゃねぇ!!」
    「総悟!?仕事増やすんじゃねぇ!!」

    両方の土方がそれぞれの沖田を必死に止める。
    こんなドタバタな新年の幕明けと同時に、新選組と真選組は出会ったのだった。

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:28:35

    何やかんや色々あったけどここからどんちゃん騒ぎな新年会に移行するんだろうな

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:47:17

    こんな最悪な出会いをしたから良い印象を付けないとと緊張した終兄さんはあの笑顔をみせてあっちの斎藤さんをドン引きさせる

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 22:13:06

    アンパンにやられるちー様……

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 22:18:25

    こりゃ夢だな……
    山崎の初夢……

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