【閲覧注意・クロス】兄ちゃんから手紙?

  • 1二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:37:37

    中3凛「兄ちゃん、もうすぐ帰ってくるのに手紙なんて。へんなの」


    凛へ

    ごめん。
    帰ってくるのが遅れちまいそうだから、手紙にした。

    夢を、書き換えたんだ。
    俺は世界一のストライカーじゃなく、世界一のミッドフィルダーになる。
    ……どうしてこんなこと、だって?


    実を言うと 地球は もうだめだ。
    突然こんなこと言って ごめん。
    でも本当だ。

    1、2年後にものすごく赤い朝焼けがある。
    それが、終わりの合図だ。
    程なく大きめの地震が来るから気をつけろ。
    それがやんだら少しだけ間をおいて、終わりがくる。

    ※ここだけスペインに行ってから最終兵器になった冴の世界線

  • 2二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:46:19

    最終兵器彼女、ブルーロックの読者に通じるかな!?

  • 3二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:47:01

    読んだことないがまとめであらすじだけは知ってる
    凛ちゃんは喜びそうなENDだった

  • 4二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:52:12

    >>1のコピペ?は有名だから知ってる

  • 5二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:54:16

    その身に余る大きな機械の羽生やしてる兄ちゃ、なんとなく似合いそう
    元ネタの子より戦いに慣れるの早そう兄ちゃ

  • 6二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 20:59:28

    ミームとして知ってたが元ネタ最終兵器彼女だったんだ

  • 7二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:00:28

    「……悪いな、凛……兄ちゃん……こんな体になっちまった……」

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:03:47

    レ・アールでサッカーできるとうきうきでスペインに行ったら

    実は世界が終わりかけてて、兵器に適合する体質だったから最終兵器にされる(物理的)兄ちゃ!?

    最終兵器やりながらサッカー選手してるのやばいな兄ちゃ

    >>1でナイトスノウ帰るの遅れて手紙になったの、突然出撃させられてたからでは……

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:16:48

    死ぬまで凛ちゃんの味方でいたいから、兵器化が進んで凛ちゃんまでころしてしまわないように
    兵器化が暴走してぐちゃぐちゃになってる脳と身体で「ころしてくれ」と凛ちゃんに頼む兄ちゃ鬱過ぎないか?

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:31:09

    >>7

    抱きしめた兄ちゃんの心臓は、音がしなかった

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 21:32:20

    >>1の手紙読んで錯乱して家飛び出す凛ちゃんさん、飛び出した先で戦いに巻き込まれ

    冴の手紙が現実味を帯びてきたところで、爆撃の正体である変わり果てた姿の兄に再会してしまうのか

    そして冴は>>7と……曇らせがすぎる

  • 12二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 22:16:46

    最終兵器だと冴のエフェクトの数列オーラに含みが出たり
    「フィールドは戦場」発言がお労しく見えてくる

  • 13二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 01:10:55

    久々にナマで見た兄ちゃがこれになってんだよね

  • 14二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 07:35:36

    U-20戦終わって兄弟二人で話してたら急に爆撃されて察知した兄ちゃに庇われる凛ちゃんさんいそう
    多分潔とかが音に気がついてみんな伏せろ!!!とか叫んでる

  • 15二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 11:54:39

    冴は最終兵器に肉体改造されちゃった後でもちゃんとサッカーの公式試合に出して貰えているのか……?

  • 16二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 20:27:07

    原作うろ覚えなんだが最終的に世界滅んでたよな確か

  • 17二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:38:39

    必然的にポストアポカリプスブルロになるんだよね
    キャラブの「もし世界が終わる日に~」のところが生きてくるかも

  • 18二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 08:12:54

    >>15

    元ネタでは偶然姿を見られてしまった主人公と改造した張本人の機関しか最終兵器であることを知らなかった気がする(知られてはいけなかった?)

    となるとサッカー協会とかご両親も知らない可能性がある?

  • 19二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 09:23:26

    改造されたのがスペイン行った後ならもしかして冴を改造したのは日本じゃなくてスペインの機関なのかも

  • 20二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 10:03:29

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 10:11:41

    スペインで改造され西洋各地で戦わされてたけど
    敵に家族がいる日本を集中的に狙われ、ナイトスノウの時期に帰ってきたとかある?
    鎌倉近くで戦ってた?辺り
    表向きはサッカー関係で帰ってきたけど、裏の理由は家族を守る為だったとか
    一年後のU-20戦後にはブルーロックスタジアムを直接爆撃される程戦いが激化しているし、もしかしたら何らかの理由をつけてナイトスノウで帰ってきてから日本に滞在し続けているのかもしれない

  • 22二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 11:31:39

    原作でもちせが最終兵器に選ばれるまでの詳細は描かれてなかった記憶があるからパロで考えるとなるとそういった部分は妄想で詰めるしかないな

  • 23二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 16:20:29

    最終兵器兄ちゃ描いてみた 儚さが似合うな……

    「兄ちゃんは死ぬまでお前の味方だからな」

  • 24二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 20:31:35

    >>23

    サッカー選手の証であるユニフォームが羽に破られているの悲しい

    名前と番号が破れてしまっているの、元ネタ通りなら終末が近づくにつれサッカー選手でいられなくなるのを表してるみたいでおつらい

  • 25二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 22:16:42

    >>23

    ちょっとちせっぽさを感じさせる表情だ

    美しいけど段々と削げていく人間性を感じさせて……

  • 26二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 22:49:04

    終盤で記憶無くなって兵器化が進んだ兄ちゃを鎌倉の思い出のサッカー場で見つけた凛ちゃんが
    兄ちゃに1on1挑むシーン泣ける
    戦う内に凛ちゃんの記憶がフラッシュバックしてる兄ちゃに勝ったら、記憶が戻るんだ……

  • 27二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 04:35:08

    鎌倉の冬の夜に兵器の冴さんは映えるけど物悲しいだろうな

  • 28二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 06:43:38

    フィールドに静かに佇む兄ちゃんをやっと見つけたら、「誰だ、お前」って言われる凛ちゃん……
    なぜかどうしてもここで誰かを待っていたかった記憶なし兄ちゃ……

  • 29二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:30:11

    ちせとこの辺の考え方が同じなら本当は凛にも自分が最終兵器ってことはバラしたくなかったのかもしれない
    ただちせにはシュウちゃんがいたけど冴にはいないからな

  • 30二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:20:48

    原作のちせは戦争を経験するたびに兵器として成長していくのが怖くて飯抜いてる時期とかあったけど、冴はアスリートだから流石にそれもできないだろうな

  • 31二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:14:53

    兄ちゃも凛ちゃんにはバレてしまったけどご両親には最期まで黙っているのかもしれないね
    兵器になってしまったことと、そう在った結果たくさんの人を救って滅していることはご両親に言えないだろうな……
    兄ちゃの場合フラットに見ることができるから
    化け物になっていく自分を自嘲して見ているかもしれない

  • 32二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:59:45

    >>26のところちょっとだけss書いてみた

    まだ続きあります

    冴を探しに想い出の場所に行く凛ちゃん


    早朝だというのに空は濃紺のままだった。

     一年も前は、朝焼けが見えたのに。

     壊れるのが早い星だと思った。

     あるいは、あの頃から壊れていたのかもしれない。


     昏いままの故郷を走り回る。あんなに綺麗だった街は、今では見る影もない。

     瓦礫に足を引っかけないように走る。あの場所まで、もう少し。

     兄ちゃんがよくサッカーをしていた場所。俺が初めてゴールを決めた場所。

     二人でサッカーをした場所。襲撃が酷くなるまでは、サッカーをする奴らで賑わっていた場所。

     もし兄ちゃんがいるとしたら、立ち寄りそうな場所。

     壊れかけのグラウンドが見えてくる。汚れてボロボロになったボールが、ひとつ置き去りになっていた。少しずつ、走る速度が下がっていく。

     兄ちゃん。

     最後に見た兄ちゃんの姿は傷だらけで。二度と目を覚まさないようにも見えて。

     

     祈りたくなるなんて、柄じゃない。

  • 33二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 02:00:17

    SS読むと改めて思うに糸師ってホラーだけじゃなくセカイ系も合うよな

  • 34二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 07:59:57

    糸師凛の地球最後の日にすること
    「兄ちゃんと戦う」

  • 35二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 09:09:16

    兄ちゃが最終兵器だということを踏まえて兄ちゃの好きな曲である「水星」を聴くと
    歌詞が意味深だなと感じる
    「もっと輝くところに君を連れて行くよ」

  • 36二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 11:39:59

    >>35

    ちせも最後にはシュウちゃんを宇宙に連れて行ったな……

  • 37二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:45:29

    やはりここの兄ちゃも最後は『船』になるのか

  • 38二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 23:31:12

    >>32の続きです


     「あ」

     頬に冷たい感触がはしる。雪だ。

     まるで、あの時と同じだ。スペインから帰ってくる兄ちゃんを待っていたあの時。

     雪が降ってきても練習して、家に帰ったら兄ちゃんからの手紙が届いていて。

     あの手紙が全ての始まりだった。

     

    『……悪いな、凛……兄ちゃん……こんな体になっちまった……』

     『兄ちゃんは死ぬまでお前の味方だからな』

     

    『ころしてくれ。おまえをころすまえに』


    「ッ……」

     あの時、俺は。

     微笑む兄ちゃんの首を絞めた。

     だけど。

     兄ちゃんの息の根を止めることはできなかった。


     今まで散々、破壊衝動に身を任せてきたのに。兄ちゃんだけは壊せなかった。

     ……違う。壊したくなかった。

     死んでほしくなかった。

     隣にいてほしかった。

  • 39二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 02:57:53

    本編もハッピーエンドとは言い難いしSSも幸せな未来に着地する匂いは嗅ぎ取れないしやっぱセカイ系って心の弱いオタクには辛いジャンルだわ

  • 40二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 07:08:01

    糸師には雪がよく似合う

  • 41二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 08:23:51

    漢字調べたら凛は寒さが厳しい
    冴は冷え込む、氷が凍てつくって意味があるんだな
    糸師兄弟と雪の日の親和性は異常

  • 42二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 13:35:57

    「雪の降る日の冷たい夜、彼らの世界と夢は壊れた」って書けばナイトスノウも元からセカイ系だった気がしてきた

  • 43二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 19:49:34

    このスレのために最終兵器彼女を読み返してるけど実家にあった筈の2巻以降が見つからない

  • 44二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:47:19

    >>38の続きです


     あの場所に辿り着いた時、辺りが白い光に包まれた。

     思わず瞑った瞼を開くと、そこには兄ちゃんがいる。

     機械仕掛けの大きな羽を伸ばしてフィールドに舞い降りた兄ちゃんの姿は、まるでこの世のものじゃないようにも見えた。

     「兄ちゃん!」

     考える間もなく、名前を叫んだ。逢いたかった。生きていて、ほしかった。

     俺の声を聞いた兄ちゃんは、ゆっくりとこちらを見据える。

     感情を映さない無機質な瞳で、兄ちゃんは告げた。


     「誰だ、お前」


     視界が歪んだ。

     混乱した頭にぐるぐると流れる言葉がそのまま口から出る。

     「兄ちゃんッ!?……なんで、俺だよ、凛だよ!」

     思わず兄ちゃんの肩を掴んで吐いた言葉が響いた。

     「凛?リン、り、ん…………っ、ぁ」

     兄ちゃんは目を見開いた。俺の名前を聞いた途端、ぼろぼろとその瞳から涙が溢れ出した。

     兄ちゃん自身もどうして涙が出ているのか理解できない様だった。ただ、ひたすら流れてくる液体を拭っている。

     「どうして、なんで、こんな、止まらない?」

     「『サエ』は『リン』が来たらここに来るようにプログラミングされていた。お前のこと、待ってた?」


     姿は俺の良く知っている兄ちゃんだけど、様子がおかしい。俺のことを覚えていないみたいだった。

     どうして。

     やっと会えたのに。

     血の気が引くのを感じる。でも、これで終わりなんかじゃない。こんなところで絶望してたまるか。こんなところで諦めてたまるか。まだ、俺は。

  • 45二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 01:11:17

    ファイト凛ちゃん!
    パロ元が最終兵器彼女である以上どれだけ頑張ってもハッピーエンドの目は見えなくてキツイが!!

  • 46二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 09:17:57

    諦めないことに定評のある凛ちゃんさんなら
    血縁者だから俺も兵器なれるだろとか兄ちゃを改造した機関に詰め寄りそう
    ただ無情なことに凛ちゃんでも適合しないんだろうな……

  • 47二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 11:22:26

    仮に凛ちゃんが最終兵器になったらそれはそれで世界終わりそうじゃない????

  • 48二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 18:51:00

    >>47

    セカイ系っていうか世界破壊系になりそう

  • 49二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 19:13:35

    兄、ミステリアス、早死にしそうな表紙
    この世の儚そうと思われる要素の全てを手に入れた男、兄ちゃがちせというポジションだからセカイ系パロが成り立つのだ(実際の兄ちゃは心身共につよつよで長生きしそうだけどね)

  • 50二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:27:03

    >>44の続きです


    「兄ちゃん。これ、覚えてる?」

     ひとつ置き去りになっていたサッカーボールを手に取る。

     「……サッカー、ボール。そうだ。『サエ』はサッカーが好きだった。それで、よく……」

    「一緒にプレイしたよね。……ん」

     思い出すのは、兄ちゃんと過ごした温かい記憶。兄ちゃんがまだ兵器じゃなかった頃の記憶だ。

     持っていたボールを蹴って、兄ちゃんの方にパスする。兄ちゃんは、驚きつつも自然と身体が動くようで、軽くボールを止めて、俺に返す。

     

    「……1on1しよう、兄ちゃん。俺、もっと最強になった兄ちゃんと戦いたい」

     

     記憶がなくなっても、兄ちゃんはサッカーを憶えてる。

    「よせ。『サエ』……俺はもう人間の身体じゃない。ここまで来たら制御もできねぇし、下手に興奮したら、お前までころしちまう」

     「命がけだ。それでいい。兄ちゃんと決着、つけたかったから」

     俺の真剣な目を見て、少しの時間が過ぎて無言で兄ちゃんは構えた。

     きっと、正真正銘、フィールドでの最後の戦いだ。

     息を深く吸って吐いて、目の前の兄ちゃんを見据える。


     「いくよ。兄ちゃん……一発勝負だ」

  • 51二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 01:09:23

    筆早くて尊敬する

  • 52二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 07:32:46

    儚くてしんどくて美しい描写だ…
    続き待ってます

  • 53二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 11:19:08

    やっぱこういうの似合うな糸師兄弟

  • 54二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 20:04:15

    このスレの影響でアプリからこつこつ最終兵器彼女を読み進めている

  • 55二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:45:37

    >>50の続きです

    いつも感想ありがとうございます

    励みになっております

    ※サッカーエアプなのでサッカー描写にはご容赦を


     兵器として完全体になった兄ちゃんは強いなんていう次元じゃなかった。

     さらに、勝負がヒートアップするほどフィールドも危険になっていく。あちこちで弾の落ちる音がする。爆発音がする。

     本当に命がけな戦いは、これが初めてだ。気が張り詰めると同時に、気分が高揚してくる。

     兄ちゃんは人間が太刀打ちできるような強さではなかったけれど、負ける訳にはいかない。

     絶対に勝つ。以前ブルーロックで兄ちゃんと戦った時を思い出せ。

     俺は最後、兄ちゃんに勝った筈だ。


     あの時の感覚を思い出せ。


     自然と口が開く。舌が出る。

     「やめろッ!これ以上は本当にころしちまうッ」

     「やれよ、兄ちゃん。ころし返してやる」

     停滞していた足を踏み出す。同時に、今までより一際大きい爆発音がした。

     構わない。前へ進む。

     また、兄ちゃんが阻んでくる。


     考えるな。

     一瞬に命を懸けろ!

  • 56二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:46:03

    >>55の続き


    「っ」

     兄ちゃんが見せたほんの少しの隙を突いて、抜ける。

     そのまま全力で振りかぶって、シュートした。


     ボールはそのまま、放物線を描きながらゴールの方に飛んでいく。

     そうして。

     ほつれかかったネットに、勢い良く突き刺さった。


     兄ちゃんに、勝った。

     「はぁ……っは」

     そう思った時。

     「凛ッ!」

     切羽詰まったような。

     そんな、兄ちゃんの声が聞こえた。


     今まで聞いたものの中で、一番大きい爆発音がした。

  • 57二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 01:12:12

    ベロ凛vs最終兵器兄ちゃの本気1on1迫力ヤバそう

  • 58二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 09:02:53

    爆弾飛び交う中サッカーしてる凛ちゃん強すぎる
    奇しくも幼少期凛ちゃんがやりたかった命懸けの戦い兄ちゃとしてるのな……

  • 59二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 12:45:56

    命懸け(本物)すぎんだろ

  • 60二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 13:33:12

    凛ちゃんは地球最後の日は兄ちゃんと戦うって言っているからな

  • 61二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 13:43:55

    >>60

    想定したよりだいぶ本格的に戦っている……!

  • 62二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 22:02:07

    スポーツ漫画で許される命懸けのレベルを超えてるけどここは最終兵器彼女が混ざっている世界線なのでセーフですセーフ

  • 63二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 22:43:03

    >>56の続きです


     目を覚ますと、辺りはまっさらだった。

     なにも、ない。さっきまであった、フィールドも、ゴールネットも、ボールでさえ。

     「凛、起きたか……良かった」

     なにもなかったけれど、兄ちゃんだけはいた。俺の、よく知ってる兄ちゃんが。

     「兄ちゃん。これ、兄ちゃんがやったのか?すげー……」

     兄ちゃんは瞼をこすった後、遠くを見てぽつりと言った。

     「言っただろ、制御もできねぇって」

     「でも、俺を助けてくれたんだろ?」

     目を逸らされる。俺を助けたのは兄ちゃんだし、俺をころそうとしたのも兄ちゃんだからだ。

     「アレを落としたのも俺だけどな」

     沈黙の時間が流れる。何から、話せばいいんだろう。きっと、兄ちゃんも分からないんだろうな。

     「……思い出した?」

     「ああ……思い出さなかったら、兵器でいられたのにな」

     そう言う兄ちゃんの横顔は、なぜか酷く寂しげに見えた。兵器になってから、よくするようになった顔。

     「凛」

     「なんだよ、兄ちゃん」

     

     「俺、たくさん人をころしたんだ。兵器だから」

  • 64二次元好きの匿名さん25/01/09(木) 23:33:49

    やっと記憶戻ったけどハッピーエンドになる気がしない…凛ちゃん頑張れ

  • 65二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 05:27:45

    破壊獣に目覚めた後の凛なら兄が人殺しまくったくらいはまあ気にしないだろうという信頼がある

  • 66二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 13:27:49

    凛ちゃんだからな……

  • 67二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 17:50:47

    凛ちゃんさんなら兄がストライカーやめるのは解釈違いでも兄が世界を壊すくらいなら全然セーフなイメージある

  • 68二次元好きの匿名さん25/01/10(金) 22:29:47

    >>63の続きです


     「うん」

     関係ない。兄ちゃんが兵器であろうと、たくさん人をころしていようと。

     兄ちゃんは俺の兄ちゃんだ。

     「だから……」

     兄ちゃんは押し黙る。なにか、考えているみたいだった。もしくは、言い淀んでいるような。

     「……この後もころす。数えきれない数をな」

     兄ちゃんは、好き好んで人をころすような人ではない。俺と違って。

     そう。

     だったら、どうして?

     「もうすぐ、世界は本当に終わる。生き残ることなんて、並みの人間には無理だ。だから、せめて」

     「みんなをころすの?」

     一瞬驚いて、兄ちゃんは無言でこくりと頷いた。

     「俺なら、苦しませることもねぇ。一瞬だ……本当は、世界が終わることなんて大分前から知ってた。俺だけじゃなく、国の奴らもな。分かってたくせに、何もできやしなかった」

     去年の兄ちゃんの手紙を思い出す。あの頃から、兄ちゃんは。

  • 69二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 02:03:23

    冴はそれが1番いい選択肢ならどんなに辛くてもやる気はする

  • 70二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 09:46:31

    良くも悪くもそういう決断が出来てしまうメンタリティよな

  • 71二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 19:04:42

    続き待機

  • 72二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 22:34:57

    >>68の続きです このssはもうすぐ完結です

    お付き合い頂き、ありがとうございます


     「……お前を思い出す前までは、そう考えてた。一思いに楽にしてやろうって」

     「兄ちゃん?」

     

     「ごめんな」

     

     今まで聞いたことがないような声色で、兄ちゃんは呟いた。

     「本当は、まだ。お前にサッカーさせてやりたかった。サッカーじゃなくてもいい。やりたいこと、させてやりたかった」

     「スペインに行って、嫌でも分かっちまった。世界はもう、夢を追い続けることなんてできないところまで来てた」

     「ごめんな。本当はもう、W杯やCLなんてねぇんだ。帰ってきたあの時……言えなくて悪かった。どうしても、夢を信じ続けてたお前には言えなかった。ごめん、ごめんな……」

     いつだって強く逞しかった兄ちゃんが嗚咽を漏らすところを、初めて見た。

     ……本当は気が付いていた。世界が終わりそうなら、世界大会なんて、もう……なんてことは。

     それでも止まることなんてできなかったから、続けてきた。きっと、ブルーロックの中にも、同じ奴はいる。兄ちゃんは、11人でまともに試合ができるのはブルーロックで戦った時が最後だって気が付いていたんだろう。

     「それでも。世界が終わることを知っても、俺の記憶すら無くなっても、お前は諦めなかった。そんなお前を知ってるのに、勝手に、終わらせる、ことっ……なんか……」

     泣いている兄ちゃんなんて、見たことがなかったから。こういう時にどうすれば良いか、分からない。兵器じゃない俺は、兄ちゃんの痛みや苦しみには……寄り添うことはできない。

     「兄ちゃん」

     ただ、涙を流す兄ちゃんの隣にいた。

  • 73二次元好きの匿名さん25/01/11(土) 23:48:52

    そうだよな世界が滅びそうなんだからそりゃ大会とか無いわな……

  • 74二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 01:33:22

    世界が終わるんだから世界大会も終わるは言われてみれば当然か

  • 75二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 08:38:59

    兄ちゃは最終兵器になっても記憶失うまで、どんなに辛くても凛ちゃんの前で泣くことはなかったんだろうな……

  • 76二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 13:29:24

    負けず嫌いだからな兄ちゃ

  • 77二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 19:33:02

    原作でもナイトスノウが起こったことの原因の一つにいくらなんでも弟の前で弱さを見せなさすぎたことがあると思うしな

  • 78二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 21:52:34

    >>72の続きです

    次回でラスト予定です

    続きのssもゆっくりですが、書いていく予定です

    突然家のWi-Fiがホスト規制かかってしまったので続きは時間掛かるかもしれません……


    雪が降ってこなくなったから、俺は立ち上がって空を見上げる。

     「……あ。兄ちゃん、夜が明けてきた。もう昼だけど」

     いつの間にか、空の濃紺は消えて、赤みが増していた。遅れに遅れた日が昇る。

     「あの朝焼けがもっと濃くなったやつが来る。その日が、終わりの日だ」

     兄ちゃんがあの手紙に書いていたことだった。それが現実になる日が来るなんて、読んでいた当時の俺には想像もつかなかったけれど。

     「……なぁ、凛」

     いつの間にか泣き止んでいた兄ちゃんは、突き刺すような真っ直ぐな瞳で俺の目を見る。

     

     「このまま、死にたいか?」

     

     俺も兄ちゃんの目を真っ直ぐ見て、答えた。

     決まってる。

     

     「嫌だ。まだ、何も叶えてない。何も満足してない。何も、掴んでねえ」

     「”まだ”、死にたくなんて、ないッ!」

     

     兄ちゃんは目を見開いた後、一度ゆっくりと目を閉じて。

     ふっ、と諦めたように笑った。

     「それじゃあ、仕方ねぇな……」

  • 79二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 01:32:34

    最近ホスト規制が急に入ったり急に解除されたりで不安定だよな
    続き楽しみに待ってます!

  • 80二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 11:13:49

    ただの死にたくないじゃなくて『まだ』なあたりが凛らしい
    最終的には強い奴をぐちゃぐちゃにしたりされたりして死にたいんだもんなぁ

  • 81二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 21:09:27

    >>78の続きです 最後になります


    「それじゃあ、仕方ねぇな……」

     

     懐かしい顔だ。小さい頃、俺がわがままを言った時に『しかたねぇな』と許してくれた時の顔。

     この一年間、不安じゃない時はなかったけれど。この顔を見ると、少しだけなんとかなるような気がしてくる。

     

     「他のみんなをころすのはやめだ。最期まで、戦うよ。仲良く心中なんて、俺たちには似合わない。お前を見てたら余計そう思っちまった」

     

     昇ってくる日を眺めながら、吹っ切れたような顔で兄ちゃんは言った。そうだ、仲良く心中なんて。そんなぬりぃこと、俺たちには似合わない。

     「”最期”までなんて、やめてよ兄ちゃん。全部倒して、壊して……戻ってきてよ。俺、ずっと見てるから。動けなくなったら、迎えに行くから」

     無茶を言った。兄ちゃんの身体はもう限界で、いつ本当に人間じゃなくなってもおかしくないのは知っている。それでも、戻ってきてほしかった。

     「面倒くさい弟だぜ……その代わり、この星が終わるときは付き合えよ。凛」

     大きくなり過ぎた羽を伸ばして兄ちゃんは微笑んだ。何もかもを背負い込んだ兄ちゃんが潰れないように、鋼鉄の羽なんだろうかと思った。

     兄ちゃんは他の人間を苦しませて死なせることを背負おうとしている。

     そんなの知るか。

     俺だったら、勝手に殺されるなんて嫌だ。そんなことになるくらいだったら、最後まで生きて、戦って、死にたい。

     「うん。だから……帰ってこいよ、兄ちゃん」

     兄ちゃんにこの決断をさせたのは俺だ。

     だから、兄ちゃんに降りかかる数多の死人の呪いくらい……俺が背負ってやる。


     もう誰も、何も、俺たちを立ち止まらせたりしない。

  • 828125/01/13(月) 21:10:45

    相変わらずホスト規制なのでなんとか投稿していますが、続編ssは時間がかかってしまうかもしれません
    続編ssまでスレが残っていますように……
    ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました

  • 83二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 00:52:49

    書き乙〜
    いつも楽しく読んでるけどホスト姿勢はしゃーなしだし無理せずにね

  • 84二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 11:02:25

    SS読みながら久々に最終兵器彼女の曲流してるわ

  • 85二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 14:30:15

    ここ思い出したわ

  • 86二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 20:41:42

    逃避行中にどんどん人間じゃなくなっていくちせみたいな状態に冴もなったんだろうか

  • 87二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:08:28

    覚醒オーラが数列の兄ちゃだから兵器化との相性が良くてギリギリまで平常を保っていられたとかない?
    その代わりに壊れてきたら口からエラーコードしか吐き出さなくなったりしそうだけど

  • 88二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:44:46

    壊れたら口から数字しか吐かなくなる冴めっちゃ想像つく

  • 89二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 23:42:22

    >>88

    めだかボックスの雲仙姉みたいな喋り方してそう

  • 90二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:37:35

    これか

  • 91二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 12:58:45

    >>84

    「サヨナラ」が一番好き

  • 92二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:06:58

    最終兵器彼女アマプラに入ってたから見てみるかぁ

  • 93二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 23:08:40

    >>85の兄ちゃ今描いてるんだけど

    表情が辛すぎて描いてるだけでしんどい……

  • 94二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 23:53:30

    >>93

    すごく見たい…!

    楽しみに待ってます!!

  • 95二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 09:04:20

    このレスは削除されています

  • 96二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 13:40:15

    >>95

    それでも繋いでいたいと兵器になった手に触れられるか否か……

  • 97二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 18:30:00

    凛ちゃんなら触りに行けるだろうなって自信しか無い
    でもナイトスノウ前なら触りに行かなかったかも

  • 98二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:15:12

    >>85の兄ちゃです 元ネタ時系列的には>>9の辺り


    「兄ちゃん……殺してやる。俺が、殺してやるから」

  • 99二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:21:44

    >>98

    うあ"……

    心の底から全部諦めちゃった表情がしんどい…けど好き…凛ちゃんの返答がしんどさを上乗せしてくるよ

  • 100二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 23:37:47

    >>98

    鬱くしい……

  • 101二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 01:59:40

    >>98

    ここから入れる保険が欲しい

    美しいけどバッドエンドしか見えない

  • 102二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 12:17:00

    最初のイラストも二枚目のイラストも淡い色使いが最終兵器彼女の雰囲気に合うんだコレが

  • 103二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 17:40:37

    >>98

    元絵はちせがシュウちゃん殺してあげようとしてるけどこっちは凛が冴を殺してあげようとしてるのどっちも痛ましい

  • 104二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 22:03:48

    あれだけコロスコロス言ってたし、生まれつき破壊者の凛ちゃんが
    いざ壊れかけの兄ちゃを殺そうとしたら、なぜかできないシーン泣けそうだな……

  • 105二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 22:06:14

    弟がそんな泣き方してるの見たら冴も泣いて2人でしばらくわんわん泣き通すことになるんだろうな

  • 106二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 00:30:21

    泣いたってもうどうしようもないことも含めて悲しいね

  • 107二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 09:18:47

    あれだけメンタル強くて兄ちゃが最終兵器になっても泣かなかったであろう凛ちゃんが兄ちゃ殺してあげれなくて泣くの、堪えるものがある

  • 108二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 09:43:08

    泣いてもどうしようもなくったって泣くことはやめられないよね人間だもの……兄ちゃんは最終兵器だが……

  • 109二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 16:18:31

    実写映画しか観たことないけど兵器化進みすぎたちせがメカ天使みたいなビジュになってたのは覚えてる
    兄ちゃも最後の方にはああなってもう元の兄ちゃだってわかる人のほうが遥かに少なくなるんだろうな

  • 110二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 21:22:24

    >>109

    これか

    神々しいけどこれが元人だったとは思えないしまして誰かなんてわかるはずもないな

  • 111二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 22:44:58

    兄ちゃをどうしても殺せなくて泣く凛ちゃん描きたい……恐らく今まで見たことがないような泣き顔してるんだろうな

  • 112二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:31:49

    >>98

    セリフを兄ちゃが放出してる数字に変えるの、天才の発想すぎるんよ…

    個人的な意見だけどすごい髪の塗り方好き…

  • 113二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:33:47

    >>110

    聖書とかで描写されてるガチなほうの天使みたいだな

  • 114二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 09:36:22

    あの凄まじい数の羽や目玉が生えてるやつか

  • 115二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 16:27:27

    最終兵器彼女って調べたら漫画とアニメと実写映画でラスト違うんだな
    この糸師はどこに辿り着くのか

  • 116二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 22:25:07

    >>115

    実写映画はなんとなく改変されてるだろうなって予想もついてたけどアニメも違うんだ!?

  • 117二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 23:23:13

    規制解除されたので気分でちょっと書いたssを投下しますぜ
    前のssより時系列が前になります
    凛ちゃんがブルーロックを脱獄するまでの話

    「うお、今揺れた?」
    「結構大きかったねぇ。怪我してない?潔」
    「大丈夫。ありがとう、蜂楽。最近本当多いし危ないよなー」
     一週間ぶりか。ここまで揺れたのは。小さな地震なんてもう気にもしなくなった他の奴らでも反応するくらいには、振動が大きかった。
    「凛も大丈夫か?」
     オカッパに手を借りて立ち上がった潔が寄ってくる。揺れが来る時はコイツを見れば一発で分かるほどに、地震や爆撃に敏感だ。ブルーロックで兄ちゃんと戦った後に襲撃されたあの時も、兄ちゃんの次に爆弾の音を察知していた。
    「あ?こんなもん大したことねぇだろ」
    「いや、今回のは凛でも危ねえって。ほら、そこの壁とかちょっと崩れてるしな」
     今さら地震なんぞに驚いている暇はない。ただ、兄ちゃん如く耐震構造に長けたブルーロックですら少し脆くなる程度には地震が酷くなっていることは確かだった。

  • 118二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 06:45:56

    世一の感覚過敏は確かに反応してそう

  • 119二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 10:14:23

    世界一のストライカー目指すブルーロックに終末が訪れそうなの気が重いけどそれが最終兵器彼女のパロをするってことだもんな……みんななるべく生き残れ……

  • 120二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 20:35:39

    世界がこんなだしネオエゴ開催されてないっぽいよね……
    なんだったら戦いが激化してるからU-20戦まで生き残ったけど家族が心配とかで脱獄したメンバーとかもいそう

  • 121二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 20:38:44

    玲王とか下手したら途中で実家に連れ戻されて地下シェルターにでも押し込められてそうだな

  • 122二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 22:48:33

    >>117の続きです


    『地震です、地震です。安否確認の為、焦らず中央フロアに集まってください』

     聞き慣れた放送が掛かる。面倒だ。

    「ほら、放送掛かるってことは危ないやつじゃん」

    「チッ……おい、潔。俺の代わりに行ってこい」

     行かないと見つかるまで探されるぞ、と困ったように潔は笑った。ムカつく奴だ。

     コイツは戦いが表に出てこようと変わらなかった。もう、あるかも分からない世界一のストライカーを追い続けていた。

     ……お前も同じだろ、と兄ちゃんが言っている気がした。

    「はい!俺、潔、凛ちゃんは無事です!」

    「ここで言っても意味無いって蜂楽」

     騒がしい奴らを背後に感じながら中央フロアに向かうと、既に到着した奴らで賑わっていた。

    「あ。千切!良かった、無事みたいで」

    「俺が巻き込まれる訳ないだろー、潔。ただ、あっちのトレーニングルームはもう使えないかもな。瓦礫まみれだぜ。蜂楽が気に入ってたとこだったのにな」

    「うわっ、そうなの?残念、無念、また来世~だね……まぁ」

     

    「みんな、もうだいぶ少なくなっちゃったし。そこが潰れても大丈夫っしょ」

  • 123二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 22:49:43

    >>122の続きです


    U-20代表戦が終わって休暇後に集まった面子より、今はかなり人数が少なかった。

     去っていくやつに興味はねぇから、名前どころか顔すら覚えていないが。

    「……國神、元気かな。ワイルドカードで帰ってきたけど、家族が心配で帰っちゃったもんなぁ」

    「元気にはやってるみたいだぜ。LINEは来てるから」

    「凪っちと玲王っちは?」

    「わかんねー。でも、二人で宇宙船開発に携わってるらしい。地球がダメになったら、俺たちを開発した宇宙船で迎えに来るって言ってたぜ。すげーな」

    「宇宙一のストライカーを決めるスペースロックが始動するってこと?!」

    「なんだよスペースロックって、映画じゃん。あ」

     話し込んでいた潔のスマホが鳴る。

    「……母さんと父さんからだ。大丈夫、っと」

    「俺も来てた。姉ちゃん、心配し過ぎだっつーの」

    「蜂楽廻、今日も元気に球蹴り中!っと……」

     次々と家族からの連絡に返信が始まる。俺のスマホも鳴ったから、確認してみる。

     母さんと父さんからだ。大丈夫、と返信しようとした時、別のアカウントからメッセージが届いた。


    『大きい地震があったが、怪我してないか?凛』

     それは、ブルーロックでの試合が終わってから暫く行方不明の……兄ちゃんからだった。

  • 124二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 01:59:28

    しれっとスケールのデカい白宝、おもしれー男ども

  • 125二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 10:24:25

    國神は闇神のまま実家に帰ったのか
    やっぱりこの世界でも闇堕ち向いてないよお前……

  • 126二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 20:27:47

    御影スペースシップ流石に間に合わないだろうな……

  • 127二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 21:01:18

    世界が終わる日に「なるようになるさ」と答えた凪が、玲王との夢を叶えたくて
    もしかしたら天才性を最大限発揮して早期開発新技術を発見しまくるかもしれない

  • 128二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 22:45:09

    >>123の続きです


    『怪我してないよ。兄ちゃん、今……どこにいるの?』

     失踪してから長らく聞きたかったことを返信する。即既読がついて返信が来た。早い。

    『よかった。どこにいるかは内緒だ。強いて言えば、戦場か』

     戦場。ああ、そうか。あれから、兄ちゃんは……ずっと。

    『やっと、一旦落ち着いたんだ。お前と話す時間が作れた』

     やけに返信が早かった。いつもはこんなに早くはないのに。

    『そっか。兄ちゃんこそ大きい怪我してない?』

    『してねぇよ。しても今の俺ならすぐ治せる』

     ブルーロックのフィールドを襲撃された時、俺を庇って手の指を吹っ飛ばした兄ちゃんは一瞬で治していた。傷ついても傷ついても、兵器として成長した兄ちゃんはなかったことのように傷を消してしまうのだろうか。それは……何か嫌だな。

    『それでも、無理はしないでよ兄ちゃん。てか、いつもより返信早くね?』

     

    『ああ、ネットワークをハッキングして俺の脳から直接送ってるからな』

     息が詰まった。兄ちゃんはもうここまで来ているんだ。すげえけど、少しだけ心が落ち着かない。

    『そろそろ時間だ。凛、元気でやれよ。また連絡する』

    「兄ちゃ……っ」

     兄ちゃんから再度連絡が来たのは、それから一週間後だった。

  • 129二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 22:47:08

    >>128の続きです


    『そろそろ帰れそうだ。来週辺りブルーロックまで顔を見に行くぞ』

     兄ちゃんが来る。驚いて一瞬スマホを落としかけた。

    『急にどうしたんだよ。こっちまで来るなんて』

    『ようやく一時離脱できそうだからな。あの辺りは人もいねえから、飛んでも来られる』

     朝から晩まで戦い漬けにされている兄ちゃんの姿が思い浮かんだ。許せない。

    『分かった。待ってるから、兄ちゃん』


     それから、二週間過ぎた。

     兄ちゃんは、まだ来ない。

     遅せぇよ兄ちゃん、と鬱憤をボールにぶつけてシュートする。誰もいないフィールドに、ゴールの音が響き渡った。

     

     「今のコース甘いんじゃね?」

     

     久しぶりに聞いた声がして振り向くと、兄ちゃんが立っていた。

     「おせーよ、兄ちゃん。おかえり。待ちくたびれた」

     不貞腐れた顔で迎えると、昔みたいな少し呆れたような顔で兄ちゃんは言った。

     「おぅ……ただいま。待たせたな、凛」

  • 130二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 02:44:28

    フィールドじゃないガチの戦場……

  • 131二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 11:30:58

    このレスは削除されています

  • 132二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 11:35:44

    糸師が戦場って言ってると一瞬戦場(戦場)なのか戦場(サッカーコート)なのかわからなくなる

  • 133二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 21:45:05

    この世界線の凛ちゃんはどんな気持ちで「フィールドは戦場」と言っていたんだろうな……

  • 134二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:39:20

    >>129の続きです


     俺の使っている部屋のベッドに兄ちゃんは腰を下ろす。ふぅ、と小さく息を吐き出した。

     人数が少なくなった結果、今はほとんどが一人部屋だ。元々は数人で使う部屋だから、兄ちゃんが増えても窮屈さはない。

     「……兄ちゃん、怪我は治るんじゃなかったのか」

     帰ってきた兄ちゃんは、頬に絆創膏を一、二枚貼り付けていた。

     「擦り傷程度のやつは治りが悪いんだよ、逆に。全く面倒な仕様だぜ」

     兄ちゃんの隣に腰掛ける。兄ちゃんは無言でどこからか取り出して、俺に淹れさせた塩昆布茶をちびちび飲んでいる。自己中兄貴。

     「っ……」

     兄ちゃんの動きが止まる。どうしたんだろう。

     「おい、大丈夫か兄ちゃん。どこか痛むのか」

     兄ちゃんは少し悲しそうな顔をして、言った。

     

     「……味が、しねえ」

     

     ……は?

     そんなはずはない、と。兄ちゃんからコップを借りて飲んでみる。淹れた時には塩昆布の香りがしたから。

     ……普通の、兄ちゃんが好きな塩昆布茶の味。ってことは。

     「兄ちゃん、もしかして……味覚が」

     「かもな。この間に戦い過ぎて、更に身体が人間から離れたんだろ」

     淡々と、なんてことのないように兄ちゃんは告げる。あの時と同じだ。兵器になったのを俺に説明しているときの、無機質な声。一瞬頭が痛くなった。

  • 135二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:41:30

    >>134の続きです


     兄ちゃんは味を感じられない塩昆布茶を、何事もなかったかのように啜り始める。

     

     俺は我慢ができなくなって叫んだ。

     

     「それで……いいのかよ兄ちゃん!?あんなに大好きだったのに、そんな風に……悔しくないのかよッ!」

     

     突然大声を出した俺に驚いて兄ちゃんはコップを落とす。バシャ、と床に落ちて中身を溢したコップが転がる音が響いた。

     「っ、りん」

     「勝手に兵器にされて、日に日に人間じゃなくされて、サッカーする時間も奪われて……それでいいのかよ!?」

     「ふざけんなよ。兄ちゃんは世界一のミッドフィルダーになるんだろ。CLで優勝するんだろッ!」

     「なんで怒らねぇんだよ!なんで受け入れちまってんだよ!」

     

     「一回ぐらい、抗ってみてもいいだろッ!」

     

     荒くなった息を治す。俺の嘆きを途中から黙って聞いていた兄ちゃんは、寂しそうな、困ったような目で返した。

     「……それで、いい訳ねぇよ。でも、世界はお前の知っている以上に壊れかけなんだ。スペインも俺が日本に帰る頃には、もう。本当はここだって、造られたもう一つの理由がある」

     酷いことを言った俺に兄ちゃんは怒るでもなく、ただ寂しそうに話した。

     分かっている。俺が知っている以上に兄ちゃんは世界の惨状と裏側を知っている。

     それでも、叫ばずにはいられなかった。これでいいのかって。

  • 136二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 01:46:20

    こういう所で飲み込まずに叫ぶのが凛ちゃんらしさだよな

  • 137二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 13:09:29

    兵器化と共に心も死んでいっているみたいで兄ちゃが悲しい

  • 138二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 13:52:22

    大量に人ぶち殺して回るのに人間のメンタルしてるほうがキツいってのもあるだろうがそれにしたって心より先に人としての機能から削ぎ落とされていくの余計にキツいだろうな

  • 139二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 20:17:10

    最終兵器彼女はどこと戦ってんだよってのがずーっと気になってたんだけど
    日本以外住めたもんじゃなくて生き残るために他の国が攻めてきてる
    らしいというのを見た

    これサッカーどころじゃなくなってんな

  • 140二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 20:42:59

    兄ちゃが帰ってきたのって本当の理由はスペイン自体に住めなくなったからとかだったりしそう
    多分スペイン側の親しかった人達には
    最期に「行ってこい。あっちには家族がいるんだろ」とか言われてそう

  • 141二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:16:12

    エアプだから知らなかったけど想像よりかなり世紀末なんだな最終兵器ワールド

  • 142二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:44:05

    >>141

    なんせ一般女子高生を最終兵器に改造しないといけないほどの局面だからな

  • 143二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:46:54

    >>135の続きです


     「でも、そうだな……」

     兄ちゃんは少しの間黙り込んで、目を閉じた。

     そして、ゆっくりと瞼を開けて、ぽつりと呟いた。

     

     「一回ぐらい、好き勝手しても……いいかもな」

     

     憂いを含んだ、こんな顔で微笑む兄ちゃんを見たのは初めてのことだった。

     

     「兄ちゃん」

     「なんだ」

     「抗おうぜ、二人で。こんな役目なんて、捨てて……どこかへ行こう」

     兄ちゃんは少し目を見開いて、真剣に俺の目を見て問う。

     「いいのか、お前はそれで。ここを出ることになるんだぞ」

     答えなんて決めている。今日まで決めきれなかったけれど、兄ちゃんに会って決めた。


     「いいよ。今度こそ、俺たち二人で」


     「準備はできたか?」

     「うん。後は……」

     あれから、俺は正式にブルーロックから脱獄することを申請した。

     

     『そっか。残念だけど、凛くんが選んだ道ですから。お元気でね』

     『己が選んだ道を正解にしろ。諦めるなよ、糸師凛』


     もう、ブルーロックから諸々の事情で脱獄する奴は珍しくない。俺の離脱処理もスムーズに終わった。荷物もまとめ終わった。

     このまま脱獄できる、が。

     やり残したことがある。

     廊下の向こうから、走る足音がする。

  • 144二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:48:24

    >>143の続きです


     「凛!」

     

     「兄ちゃん、ごめん待ってくれ。休んでてもいいから」

     俺を呼んだ奴を見た兄ちゃんは無言で頷いて、近くにある休憩室に入っていく。


     「凛。お前も脱獄するなんてな……」

     「フン。お前に俺が見通せるかよ、潔」

     俺を追いかけてきた潔は、心底残念だと言わんばかりの顔をしていた。何かムカつく。

     「で、何の用だ。まさか見送りに来たとかぬりぃこと抜かすんじゃねぇだろうな」

     「……もう着換えちゃった後で悪いんだけどさ」

     「あ?」

     バツの悪そうな顔に変わった潔は一瞬下を見て、それから俺に真っ直ぐ視線を合わせて言った。


     「1on1しようぜ、俺と。出ていく前に一勝負したいんだ」

  • 145二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:53:19

    >>144の続きです

    次でこの話は終わり、兄弟二人の旅の先にあるぶっ壊れる兄ちゃのssを書く予定です


     潔との1on1は勝負が拮抗して長引いた。

     出会った頃は俺が圧倒的に勝っていたが、今は潔が食らいついてくる。絶対殺してやる。

     互いに汗まみれで長い時間が経った気がするが、決着がつくのに更に時間が掛かった。


     「これで……終わりだ潔ッ!」

     紙一重で潔を抜け出し、そのままの勢いでシュートする。

     ゴールのホイッスルが鳴り、俺は潔に勝った。


     「はぁ……はぁ……クソッ、今回も凛に勝てなかった……ッ!」

     勝ったとはいえ、かなりの時間が掛かった。それだけ互角の戦いだったのだろう。

     「クソッ。俺はお前に紙一重の差でしか勝てなかった……次は絶対殺してやる」

     そう言って芝生に座り込むと、潔が何かに気が付いたのか吹っ切れたように笑った。

     「何がおかしいんだよクソ潔」


     「いや……そっか、”次”か。そうだよな。なあ、凛」

     「今度会う時は絶対俺が勝つから。だから、もっと強くなってろよ」

     

     本当にムカつく奴だ。だけど、潔は俺の宿敵だ。

     「俺が勝つに決まってんだろ。潔、お前こそぬる雑魚になってんじゃねぇぞ」

     俺たちは睨み合った後に、立ち上がって互いを見据える。

     潔の突き刺すような青い瞳を、俺は忘れない。

     

     「ああ。いつか、殺してみろよ……またな、凛」

  • 146二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 02:08:31

    また再会できるかわからないが青い監獄を出る前にライバルと勝負ができて良かった

  • 147二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 10:30:12

    こんな世紀末での「またな」は生きてまた戦おうぜっていうある種のエールも含まれてるよな
    あと自分も生き残ってみせるって覚悟

  • 148二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 21:47:24

    >>145の続きです 最後になります


    「長かったな。用は終わったか?」

     休憩室で待っていた兄ちゃんはあくびをしながらそう言った。

     あれからシャワーを浴びて着替え直したから、兄ちゃんが仮眠できるくらい待たせてしまった。

     「うん。ごめん、待たせた。兄ちゃん」

     「いい。今度こそ、忘れものはないか?」


     ブルーロックでの様々な記憶が蘇る。

     忘れ物は、ない。


     「ない。行こう、兄ちゃん」


     忘れ物はないけれど、サッカーボールだけは持って行った。

  • 149二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 22:47:09
  • 150二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 22:49:49

    士道が士道すぎて大好き

  • 151二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 23:21:20

    士道の好きなところと士道と冴の関係性の好きなところめっちゃ詰まってる ありがてぇ

  • 152二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 00:47:34

    士道はこんな世界でもなんだかんだ生きてそうだし死ぬ時は笑って死ぬんだろうな

  • 153二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 09:03:07

    このレスは削除されています

  • 154二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 11:55:22

    原作だとギリギリ生き残っていた人類もいたからなんとか頑張ってくれみんな
    現実的に考えると大半は死んでしまうと思うけどそこはこうご都合主義で……

  • 155二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 22:27:45

    旅に出た後の糸師兄弟のssです 続きます

     兄ちゃんと旅に出て、一週間が経った。この一週間で色々なことがあった。
     まず世界の崩壊が進んでいた。もう俺の大好きな鯛茶漬けは食べることが難しい。漁で魚が取れないらしいからだ。思えば、ブルーロックにいた頃も次第にメニューが変化していった。
     ゴーストタウンが珍しくなくなった。壊れかけの街がそのまま残されているのを何度も見た。もしかしたら、ブルーロックから脱獄しようとしても帰る故郷自体が無くなっている奴らもいるかもしれない。戦車も、大分前にくたばっている屍も、もう珍しくはない。
     兄ちゃんは屍を見つけると、目が開いたままになっていたら閉じさせていた。
     
     『みんな死にたかった訳じゃねぇんだ。死にたくないって言って、くたばっていくからな。こいつもきっとそうだ』
     
     そう呟いた兄ちゃんは、遠い目をしていた。何を、思い出していたのだろう。”戦場”で、兄ちゃんは何を見てきたのだろう。背負ってきたのだろう。おそらく、地獄ばかりなのだろうなと思った。

     両親には手紙を送ってきた。兄ちゃんと旅に出るから、帰らない……と。心配ばかり掛けさせているのを、申し訳なく思った。兄ちゃんのことも言えなかった。
     『息子がこんな身体になって、手を血でどろどろに染めてるなんて、言えねぇよ。母さん、倒れちまう』
     在りし日の兄ちゃんの言葉が頭をよぎって、手紙に書けなかった。

  • 156二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 05:47:45

    このレスは削除されています

  • 157二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 09:17:28

    この期に及んで何も知らないご両親もそれはそれで可哀想ではある

  • 158二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 11:20:15

    >>157

    あの世に行ってから全ての真実を知って「!?!?!?!?」ってなってそう

  • 159二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 21:09:14

    正直この世界線だと、あの世があるなら全人類みんな仲良くおっ死んで天国だか地獄だかで再会したほうがまだ生きてるより楽って場合もありそう

  • 160二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:43:21

    >>155の続きです


     今、俺たちは兄ちゃんの車で旅をしている。ゴーストタウンを見つけたら、泊まれそうだったら寝床にしてみたり、まだ営業している泊まれる店があれば利用したり。車の中で寝たこともあった。

     ブルーロックから出て俺を抱えて飛んで行った兄ちゃんが地上に降りた先に、車があった。

     いちいち送迎されるのも面倒くさいから、人が多く飛べない場所を通るためにも自分のを買ったらしい。知らぬ間に免許まで取ってた。凄いな、兄ちゃん。

     国が兄ちゃんに課した役目に抗う為の旅だったが、不思議と追われている感覚はなかった。兄ちゃんが今後の為に口座から大きい金額をおろした時も特に問題はなかった。

     『俺がブルーロックのとの試合に出る時も、邪魔したら容赦しねぇって散々脅したからな。懲りてんだろ』

     兄ちゃんは強かった。色んな意味で。あの時、爆撃の後国の人間が直ぐに出てきたのはそういうことか。

     

     「おい凛、世にも珍しい鯛の缶詰めあったぞ」

     今日は人が消えたとある街のショッピングモールを探索していた。使えそうな物は拝借していく。

     一応金は置いて。人はもういないけれど、瓦礫や屍はあるかもしれないから気をつけろ、と兄ちゃんは言うが。

     「え?!」

     鯛の缶詰め。直ぐに頭に思い浮かんだのは鯛茶漬け。もう半年も食べていない。俺の精神安定剤……

     「お茶漬けの素もあるぞ」

     ほら見ろとばかりに兄ちゃんが缶詰めとお茶漬けの素を見せてくる。米はまだ残ってたっけ。

     「米もまだある。作るか、凛」

     うん!と勢い良く返事をすると、勢いが良すぎたのか兄ちゃんがしょうがないやつだなと言いたげに笑った。

  • 161二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:48:00
  • 162二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 00:57:53

    ほのぼのとしたやり取りの裏側でどうしようもなく近付くタイムリミット……

  • 163二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 06:43:26

    この時には兄ちゃもう、薬なくなってたんだろうな……

    元ネタと違って凛ちゃんは本当に倒れるまで、兄ちゃのタイムリミット知らないまま過ごすことになるのか……

  • 164二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 10:46:50

    世界の終わりも兄の人としての終わりも近付いてくるしどうしようもない
    最初から終わりの見えた逃避行だけどそれでも兄ちゃんは弟と束の間共にいることを選んだんだ

  • 165二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:12:50

    このレスは削除されています

  • 166二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:36:32

    このスレきっかけで最終兵器彼女のアニメ観てるけどやっぱセカイ系って感情移入しすぎるとキツいなメンタルが

  • 167二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:53:22
  • 168二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 00:42:48

    あぁ…ついに…

  • 169二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:41:44

    終わりの始まりというか、とっくの昔に始まっていた終わりがやっと露呈したというか

  • 170二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 15:03:42

    これに相当するシーンか……

  • 171二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 22:30:05
  • 172二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 23:33:30

    おぉん😭

  • 173二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 01:05:43

    マジで筆早いなSS書きさん

  • 174二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 07:11:39

    このレスは削除されています

  • 175二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 11:20:12

    途中までは本当に弟に殺されたかったけど泣いてるのを見てやっぱりやめたんだろうなと思うとやはり根っからのお兄ちゃん

  • 176二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 18:51:25

    このスレが始まった当初は「最終兵器彼女は名作だけどブルーロックでパロできるか!?」って思ってたけど糸師兄弟めっちゃ合うな

  • 177二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 22:16:29

    糸師とあと白宝はこういうセカイ系のパロ似合う度でいうとブルロでも随一だと思うわ

  • 178二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 22:40:20
  • 179二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 00:26:09

    世界の終わりを君と見たい

  • 180二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 00:34:05

    作品違うけどエヴァ新劇場版シリーズの最後のほう見守ってる時の気持ちになってきた

  • 181二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 02:05:47

    パロとはいえ久々にセカイ系を摂取して脳味噌の久しく使っていなかった部分が活性化しているのを感じる

  • 182二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:01:16

    元ネタみたいに命のやりとりや生と死を間近に
    見てきたことで
    あの凛ちゃんさんも終末になった時には、一旦ご両親の元に向かったのかなって

  • 183二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 10:48:22

    このスレの凛ちゃんは原作の凛ちゃんよりご両親のことちゃんと認識してそう

  • 184二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 14:46:19

    >>183

    原作の凛ちゃん世界に冴と潔しかいないからな……

  • 185二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 20:12:33

    >>184

    これが原作者の口から語られた設定なの改めてどうかしている

  • 186スレ主兼絵描いてた人25/01/30(木) 21:46:52

    スレ主なんですが、まだ描きたいものあるので
    一回限りの次スレ兼感想スレ立てようかなと思っております
    様々な良概念・ssに感謝

  • 187二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 22:54:57

    >>178の続きです

    最終回まで間に合いませんでした 続きあります!

    後日談やあったかもしれないブルーロックスの終末も書く予定です

    次スレあれば、U-20戦や前日譚も書きたいですね


    約束 | Writening めくるめくミラーボール乗って  水星にでも旅に出ようか  いつか見たその先に何があるというの  きらきら光る星のはざまで  ふたりおどりあかしたら  もっと輝くところに君を連れて行くよ────  歌が…writening.net
  • 188二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 00:51:56

    水星だー!


  • 189二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 03:30:29

    ついに兄ちゃが宇宙船になった

  • 190二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:25:34

    終わる地球から弟を外に連れ出してやらないといけないからな

  • 191二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 12:36:13

    もっと輝くところに君を連れていくよってそういう!?

  • 192二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 14:02:02

    確かにこの世に宇宙ほどキラキラしている場所は無いわな

  • 193二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 16:41:46

    ちょっと想像よりかなり輝いてるところに連れ出されたな……

  • 194二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 18:02:40

    宇宙船の兄ちゃ、天の川とか観に行かせてくれそう

  • 195二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 19:12:24

    兄ちゃの好きな曲である水星の歌詞、原作兄ちゃもだけどここの兄ちゃにぴったり過ぎてびっくり

  • 196二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:16:25
  • 197二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:17:12

    >>196

    立ておつです!

  • 198二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:37:24

    おつおつ

  • 199二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:54:11

    たぶん宇宙船になった兄ちゃはこのスレ以外に流石にいないだろうな

  • 200二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 21:08:42

    >>199

    公式グッズでも宇宙には行ったが宇宙船にはならなかったからな……

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