- 1二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 21:01:58
ご都合展開なSSです、温かく見守ってください。いつかの先生の誕生日と言う設定です
明日は先生の誕生日、キヴォトス中の生徒が待ちに待ってた日。しかし、どの学園も先生の誕生日をお祝いしたいため、どこの学園でパーティーをやるか争いが起こる可能性がある。さらに、一気に生徒がプレゼントを持ってくる可能性もあるため、先生はその前日にモモトークでタイムスケジュールを一斉に送信する。これでどの学園にも平等に先生の誕生日を祝うことができる
…はずだった。
8:00〜9:00 ミレニアムサイエンススクール
10:00〜11:00 百鬼夜行連合学院
12:00〜13:00 山海経高級中学校
14:00〜15:00 トリニティ総合学園
16:00〜17:00 レッドウィンター連邦学園
18:00〜19:00 ゲヘナ学園
20:00〜21:00 アビドス高等学校
22:00〜23:00 連邦生徒会
23:30〜 シャーレ
※空白の1時間は移動及びパーティーに参加できなかった者と会うための時間とする - 2二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 21:30:02
先生“送信完了。”
シャーレでの書類仕事中、明日のスケジュールを全生徒に一斉送信した私は、少しソワソワしている。なんせ明日は私の誕生日だ。少しくらい浮かれてもいいだろう。っと時刻は0時を回った。それと同時に今日の当番である花岡ユズが立ち上がり、カバンから包装されたプレゼントを取り出し、渡してきた。
ユズ「あ…あの、先生の誕生日パーティーに参加するのは恥ずかしいので…た、誕生日プレゼントを受け取ってください。私のオススメのゲームです。」
ユズの希望で今日の当番を担当したのはそのためかと思った。
先生“ありがとう。ユズのオススメなら楽しみだな。今日もお疲れ様、気をつけてね。”
笑顔のユズは、頭を下げてシャーレのオフィスから出ていった。ユズが出ていってすぐ、カズサとキキョウがやってきた。2人はケンカしながら私に誕生日プレゼントを持ってきてくれた。2人にお礼をいい、誕生日プレゼントを受け取った。その後、窓から音がして、窓の方を見ると、ワカモが窓から入ってきた。警察に追われる身、私に危険が及ばないように、他の生徒が来ないことを確認してから侵入してきたようだ。誕生日プレゼントとしてワカモの衣装に似た柄のハンカチを貰った。お礼を言うと窓から帰っていった。そして、私は貰ったプレゼントを机の上に置き、寝た。 - 3二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 21:31:09
ホシノと誕生日同じなのか…
- 4二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 21:59:57
6:30に起床し、7:00にシャーレを出た。シャーレの玄関ではミドリが待っており、誕生日プレゼントを受け取って一緒にミレニアムへ向かった。エンジニア部に頼んでた作ってもらったドローンを使って、誕生日プレゼントをシャーレに送ってもらうようにしている。さすがに何千人の生徒からのプレゼントを持って移動できないからである。そのまま予定通りにミレニアムから始まり、連邦生徒会で終わった私の誕生日パーティーは幕を閉じた。23:30にシャーレに戻って受け取った誕生日プレゼントを1つ、1つ丁寧に整理する。ほぼすべて受け取った時にお礼とプレゼントの確認をしているが移動する直前に渡されたプレゼントは確認できなかった。後日、ちゃんとお礼を言うためにプレゼントを開封する。私は光に包まれた。
- 5二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:30:01
???「あ〜、なんで起こしてくれなかったの、ミドリ〜。」
私は文句を言いながら走ってミレニアムへ向かう。8時50分、今日は先生の誕生日なのに大遅刻をしてしまった。ミレニアムに着き、パーティー会場の体育館に行くが、片付けが始まっていた。時刻は9時10分。間に合わなかったのである。
ユウカ「やっと来たわね、モモイ。先生は百鬼夜行に行ったわよ。またいつもの寝坊なの?」
モモイ「寝坊だけどさ〜。先生のプレゼントのために頑張ってたんだよ。ミドリ、なんで起こしてくれなかったの?」
ミドリ「お姉ちゃん、私は何度も起こしたよ。なかなか起きないから先に行ったよ。」
モモイ「そんな〜」
ユズ「モモイ、時間もあるし、デバッグをして最終調整をしたらいいんじゃないかな?」
アリス「デバッグ?アリスもやりたいです。」
モモイ「ダメだよ、アリス。これは私が先生のために作ったゲームなんだから。」
そして、私は22時30分までユズからプログラミングを教えて貰いながら最終調整を行った世界でたった1つのゲーム「先生クエスト」を完成させ、ソフトを焼いた。その後、シャーレに向かい、途中コンビニでお菓子とジュースとケーキを買った。先生に朝まで「先生クエスト」をやってもらうんだ。ゲーム開発者として生の反応も見たいしね。そうして、私は23時30分にシャーレのオフィスの扉の前まで来て………。 - 6二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:05:15
目が覚めたら、私は病院のベッドの上にいた。体が痛い。左の方を見ると寝ているアリスと椅子に座っているユウカが、右の方を見るとミドリとユズが眠っている。右手に力が入らないが力を振り絞ってミドリの頭を撫でる。それに気づいたのかミドリも起きた。
モモイ「おはよう、ミドリ。」
ミドリ「お…お姉ちゃん?お姉ちゃん!よかった、よかった…。」
ミドリが抱きついてきた。痛いけど我慢して、抱き返した。ミドリの声に反応して他のメンバーも起きて抱きついてきた。ユウカは病院の先生を呼びに行った。みんなが泣いている。けど、私はどうして病院にいるのか、まだわからなかった。シャーレに行った後の記憶がないし。 - 7二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:30:01
あれから私は3日間寝ていたらしい。ゲームのログボを取り損なってしまったことにガックリしている。その後、ヴァルキューレ警察学校の生徒から事情聴取を受けた。あの日、シャーレに向かった私の行動を聞いていた。コンビニの購入履歴や監視カメラと一致していたため、すぐにリュックと一緒に返された。リュックの中にあった「先生クエスト」のソフトはバキバキに壊れていた。落胆した。ここで疑問が出てくる。先生が見当たらない。ソフトもバキバキなのもおかしい。事情聴取を担当した生徒に話を聞いた。
モモイ「ねぇ、先生はどこにいるの?」
警察モブ「先生は、死にました。3日前のシャーレ爆発事件で爆発源の近くにいたため、遺体すら残らず、オフィスの一室は消えてなくなりました。シャーレの外に倒れていたあなたを救助し、第一容疑者かもしれなかったので事情聴取を受けてもらいました。我々はヴァルキューレ警察も捜査していますが、まだ進展はありません。」
…嘘。先生が死んだ?私、まだ誕生日プレゼントをあげてないのに…。先生がいない悲しさとどこに吐き出していいのかわからない犯人への怒りとプレゼントを渡せなかった後悔で私は泣いた。みんなが私に痛いほど抱きついてきた理由も今わかった。あの日、シャーレの近くにいた私も爆発で吹き飛ばされて、意識を失っていたから。私は扉の前にいたから爆発にモロに受けなかったために助かった。もし、私までいなくなってしまった…と考えたら恐ろしかった。 - 8二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:00:00
それからキヴォトスの治安は悪くなった。先生を慕ってた風紀委員会の委員長が引きこもりになり、風紀委員が機能しなくなったから。今回の事件の犯人は、トリニティの生徒だった。動機は、先生が目障りだったから。誕生日プレゼントに爆弾を贈ったそうな。先生が確認できないように移動する直前に渡したみたい。そのことを自慢気に話してたところを他の生徒に見られ、魔女と呼ばれた生徒がその話を聞き、その犯人を原型をなくすまで殴り続け自害し先生の元へ逝った。そして、トリニティのトップの人が全責任を負ってやめた。他にも色々あるけど、ミレニアムは防衛のために色々と開発して頑張っている。私も慌ただしい生活に悲しむ余裕を与えてくれない世界を恨んでいる。ゲームなんて…数カ月触れていない。
- 9二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:30:24
先生がいなくなってから数カ月が経った。治安も前に近いくらいまで戻った。あれから心が壊れて立ち止まった人、壊れながら歩いてる人、治りっているが立ち止まった人、治り歩いてる人に別れた。先生の葬儀は国葬として、全学園それぞれで行った。私たちゲーム開発部は少しでも笑顔にするために、色んな学園の人から先生の話を聞いて、それぞれの学園にあった「先生RPG」を作った。音声はコタマ先輩から拝借している。ゲームの売れ行きは向上。タダも同然の値段で売っている。少ない売上金は先生のお墓の維持費に充ててもらっている。「先生RPG」に依存する人も多くいると聞くけど、みんな…私と違って誕生日プレゼント…あげてるじゃん…私だけちゃんとあげれてないんだよ…いいな…。
- 10二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 01:00:34
「先生RPG」も発売して少し経った頃、ミドリに呼び出された
モモイ「どうしたの、ミドリ?」
ミドリ「お姉ちゃん…ごめんね…」
突然の謝罪と泣いている妹。私は混乱しているところに
ミドリ「私…あの日…嘘をついたの。私…お姉ちゃんを…一回も起してない…。朝一に…先生と一緒に…ミレニアムに向かったの…本当に…ごめんなさい…」
妹に殺意が湧いた。今すぐにでも殴りたい気分だった。嘘をつかれた。そのせいで先生に誕生日プレゼントを渡せなかった。いや違う、目覚まし通りに起きていれば渡せたんだ。それでも…
モモイ「ごめん、ミドリ。しばらく…顔を…見せないで。」
ミドリ「おね…」
私は走った。どこでもいい。この感情をぶつけることができるのなら。そうして、私はサオリ先輩に頼んで、サンドバッグを借りた。何日も何日も殴り、怒りの感情のまま手がどれだけ痛くなっても殴るのをやめず、怒りが収まるまで殴った。 - 11二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 02:00:00
頭も冷え、ミドリを呼び出した。
ミドリ「おねえ…」
モモイ「ごめんなさい、ミドリ。あの日、目覚まし通りに起きていれば、こんなことにならなくてよかったんだよね。ミドリにばっかり背負わせてごめんね。自分のことは自分でしなくちゃ、高校生なんだもん。」
ミドリ「おね…」
モモイ「だから、ミドリは気にしないで。全部…私が悪いんだから。」
ミドリに1発くらい殴った方が正解だったんだろう。あの日から私は、壊れていた。楽しいことは楽しいし、嬉しいことは嬉しいよ。ただ、先生がいない。あの日の後悔がずっと心に残っている。
それからの私は勉強もしっかり取り組んでいた。特にプログラム関係に。「先生クエスト」を作っていた時、プログラミングに少しハマってしまったからだ。もっとも今は別の目的のために勉強しているけども。 - 12二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 02:29:59
月日は流れ、私たちゲーム開発部はゲーム会社を設立し、キヴォトス1のゲーム会社を目指して日々ゲームを作っている。私は天才シナリオライターとして毎月新作ゲームを開発している…嘘です。本当は3ヶ月に1本ペースです。そこそこ売れているため、少しずつ成長している。ただ、私の場合、それがメインではない。私は、どのインターネットにも繋がれていないパソコンを使って作っている…【先生AI】を。「先生RPG」の時に聞いた先生の特徴をプログラミング化してAIとして電脳空間に出力する。電脳空間に私もフルダイブする。ここ最近のゲームはフルダイブが主流となっている。電脳空間ではシャーレオフィスに似た世界を作り、先生AIと会う。
モモイ「先生?」
先生AI『才羽モモイさん、こんにちは』
モモイ「…またうまくいかなかったか…。」
先生の声、先生の形をしているが、先生とは程遠い存在で、体温も匂いも抱き返す力もない。それでも先生の形をしたソレに私は抱きつく。先生の声と形をしているソレは私の心を休ませるには少しだけ効果があった。そして、ログアウトして私は仕事に戻る。天才シナリオライターに休む時間なんてない。先生だって…無茶していたんだから、私も頑張らなくちゃ。 - 13二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 12:02:51
私は毎年、この時期になると「先生クエスト」を作り直している。グラフィック、エフェクト、効果音、対応しているハード機器など最新鋭に作り直している。原本はそのままにして、コピーの方を改良している。いつか先生に会った時に最新鋭のやつで遊んでもらうために。
そして、今日はミドリの結婚式。キヴォトスの外で出会った少し先生に似た性格の男性と結婚するようだ。ミドリが幸せになってくれるのなら私は断る理由がない。私にはたぶん一生縁のない話だけども。「先生クエスト」の改良も終わり、結婚式に向かう。ウェディング姿のミドリは美しかった。ミドリが投げたブーケは、新郎の友人に渡った。 - 14二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 21:00:02
最近は、疲れた。前までは4徹くらい問題なく仕事できていたのに。ユズが体調を崩し、緊急でプログラミングをしているが、これがなかなかやっかいである。天才シナリオライターの私でも難しいものは難しい。ただでさえ、【先生AI】の方も完成させるために頑張っているのに、明け方まで仕事は続き、体調が回復したユズに後を引き継いで私は【先生AI】に癒しを求めた。声と形を真似しただけの未完成の物だけど、それでも【先生】に会える感覚があるのが嬉しい。癒されて帰ると…世界が傾き、頭に衝撃が走った。意識が…眠たい…。パソコンの画面には【Delete】と映し出されている。私が死んだ時にその存在を誰にも気づかせないためにそう言う風にプログラムした。そう…死んだ時に…
- 15二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 21:30:03
目が覚めると、シャーレの机にいる。まだ電脳空間にいるのかと思ったが、ミレニアムの制服を着ている。おかしいと思うと
???“やっと来たか、モモイ”
何千、何万と聞いたその声の方を見る。先生がいる。私は走って抱きつきにいく。温かい体温、先生の匂い、抱き返される優しい腕。
モモイ「どうして先生がいるの?」
先生”閻魔大王様が、私には徳があるから1つだけ望みを聞いてもらえたんだ。死んだ生徒たちが転生するまで私と一緒に過ごさせて欲しいとお願いしたんだ。全生徒が来るまで。“
私は、先生のすごさを聞き、溢れる感情を抑えきれなかった
モモイ「ねぇ、キスしていい?」
先生”それはダメなんだ。閻魔大王様が見てるし、キスなんてしたら「エッチなのはダメ、転生」って言ってすぐに転生させられるよ。何人か私とキスしてすぐに転生しちゃったし…“
先生の表情は悲しそうだった。せっかく生徒と話す最後のチャンスがなくなったのは辛いだろう。キスすれば転生してしまう。先生といっぱい喋りたい。ならどうするか。私には分かっていた。
モモイ「先生。遅れてしまったけど、はい、誕生日プレゼント。私が先生のために作った世界で1つのゲーム【先生クエスト】だよ。一緒に遊ぼう。」
先生“ありがとう、モモイ。さっそくゲームをしようか” - 16二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 22:00:30
私たちはテレビ画面に映し出された荒いグラフィックに音質の悪い効果音、レトロな選択画面のゲームをプレイする。このゲームの真エンディングが、最後のスチルが出てくるまで先生の隣にいたい。あの時、伝えることができなかった私の気持ちを先生に見せたい。先生の肩に頭を預けてる私の気持ちを先生が気付いて欲しい。爆発なんて起きなければ…と言うことを何度も考えてた。寝坊しなければ…と何度も後悔した。ぽっかり空いた心の穴を塞ぐように私は先生の温もりを感じてる。
この時間が永遠であるように願い、時間の終わりにキスをした。
END - 17二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 22:00:55
駄文SSを見ていただきありがとうございました