【閲覧注意/TRPG】復活のギーツ×ネクロニカ(6.75)

  • 1二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:45:05

    ※注意
    ギーツライダー4人にTRPG『永い後日談のネクロニカ』をプレイしてもらうスレです

    ・世界観やシステムの都合上、グロや暴力、非倫理、倒錯的シーン、キャラの曇らせや特殊な感情設定が多く含まれます(展開が激しめになりそうなシーンはワンクッション挟むつもりです)
    ・キャラ同士の関係が重たくなったり恋心が飛び出したりするゲームではありますが、過度なCPネタは禁止でお願いします

  • 2二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:46:14
  • 3二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:49:01

    Q.生きとったんかいワレ!

    生きてました、大変お久しぶりです……。めっちゃ中途半端なところで落としたうえに、長らく音沙汰なくしてすみません。もし待っていてくれた方がいましたらありがとうございます……感謝しかないです……


    Q.三が日にこんなスレ再建して良いのか!?

    リアルタイム更新だと建てても落としてしまいそうだったため、正月休みのうちに書き溜めたセッション3完結まで進められればと思ってます! 休暇期間にできる限り進めたい! 正月に相応しくないスレなのは本当にそう。

  • 4二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:51:01

    前回までのあらすじ

    〜PC編〜
    真意を隠したまま、持ちえるすべてを使ってドールたちの旅路を終わらせようと立ちはだかるジーン。そんな彼を打ち破ったドールたちはひとときの休息を手に入れた。語るべき言葉を、それぞれが相手へと向け合うが……すべてはネクロマンサーの手のひらの上。二度目の離別は、すぐ近くへと迫っていた。


    〜PL編〜
    発狂の洗礼を受けまくる道長
    常に出目が不安な英寿
    というか前回に関しては手駒が地味に安定してるのに反して、ドールたちの出目が全体的に緩やかに悪い気がしている

  • 5二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:52:02

    ドール設計図まとめ

    x.gd
  • 6二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 22:59:25

    現時点の未練表

    ずいぶん期間空いたしで需要あるか分からないため内心ちょっとビビってますが、さすがにキリが悪すぎるのでセッション3までは完結させるつもりです。付き合ってくださる方がまだいてくれれば(今回みたく途切れ途切れになるかもしれないですが)シナリオ完走までなんとか続けられればと思ってます…! よろしくお願いします

  • 7二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:12:46

    (前スレ151から)

    「俺たちは元々、この施設の労働力として生み出されたアンデッドだ。変に期待を持たせて脱走されても面倒だと思ったんだろうね。はじめから、俺たちはこの施設でしか活動できないように設計されてた」
    「……その縛りは、解けなかったのか」
    「"解かなかった"が正しいかな。施設と俺とを一体化させることで、外に出なくても自由に場所を移動できるようになったし、この中でできることも増えた。俺にとってはそっちの方が有益だったんだ」
    「待ってよ!!」

    淡々とした口調で語るジーンの声に、震えた叫びが重なった。拳をぎゅっと握りしめたナーゴは、今にも泣きだしそうに顔を歪める。

    「それじゃ……あなたや、キューンは……」
    「……時間があればもう少しできることもあっただろうけど、先手を打たれちゃったからね。君には申し訳なく思ってる」
    「そんな……だって私、まだ何も伝えられてない!何も返せてないのに、また……!」

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:14:01

    そう言いかけたナーゴの口がはたと止まる。だって君は理解していたはずだ。この"キューン"は彼じゃない。かつて君のそばに寄り添ってくれた彼は、もうとっくにこの世界にはいないのだ。何をしたってもう、この言葉が、想いが、彼に届くことはない。

    「……そんなのわかってる、わかってるけど、でも……っ」

    そうこうしている間にも、施設の崩落は進んでいく。ヒビの入った柱の一つが崩れ、支えを失った天井からばらばらと瓦礫が落ちては砂埃を舞わせた。地下から出る唯一の手段である階段まで崩れれば、ここまでの死闘も無意味に立ち消えることになるだろう。

    「……あぁくそッ、ナーゴ、行くぞ!」
    「やだ、待って、離して!」

    逡巡を切り裂いて、ナーゴの腕を掴んだのはバッファだった。この場から離れるまいとする彼女の身体を強引に抱え、彼はギーツの方を振り向いた。

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:14:41

    「こんなとこで、瓦礫に押し潰されて終わりなんて笑えねえ。違うか、ギーツ!」
    「……分かってる。すぐに追いかけるから先に行ってろ。タイクーンもな」
    「っ、その言葉、信じるからね!」
    「待って……キューン……!」

    階段へと向かって駆け出すバッファの肩の上で、ナーゴはまだじたばたと藻掻く。手を伸ばせど距離は離れていくばかりで、だけど。

    首をもたげ、君を見つめるその眼差しが、あの日の彼に重なる。初めて優しさをくれた人。生きることを教えてくれた人。伝えたいことも、伝えなければならないことも山ほどあって。……たとえそれが、もう彼には届かないものだったとしても。

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:15:31

    「──キューン!」

    ここまで大事に抱え込んできたバスケットを掴み、勢いよくひっくり返す。出口から吹き込む風を受け、その中身……何枚もの紙が蝶のように宙に舞った。幼子のような下手な字が並ぶそれの正体を、今の君はわかってる。大切な誰かに届くように祈り、願い、書き綴った言葉。手紙はひらひらと空中を泳ぎ、その一枚がキューンの鼻先へと乗った。

    「ずっと、伝えたかった──ありがとう。ありがとう、キューン!!」

    今は懐かしい彼女に教えてもらいながら、何回も練習しつづけた。あの日々は、想いは、無意味なものだったかもしれないけれど。

    「……大丈夫。届いたよ、絶対に」

    あふれる涙を拭うナーゴと、彼女を抱えるバッファの隣を駆けながら、タイクーンはそっと呟く。奇しくもそれは、かつてナーゴに熱心に文字の書き方を教えていた誰かの無邪気な言葉によく似ていた。

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:19:17

    待ってた、滅茶苦茶待ってました!
    復活嬉しい!

  • 12二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:33:04

    >>11

    ありがとうございます!ありがたすぎる…


    ーーー


    落ち着きのない振動に、床や壁までが悲鳴を上げているのが分かる。残された時間はあとわずかだろう。バッファの言った通りだ。こんなところでぺしゃんこになって終わりなんて、誰も求めていない最低なエンディングだろうね。


    「英寿、君も早く……」

    「一つだけ、確認しておきたいことがある」


    走り去るナーゴたちの背中を、思うところあるように眺めていたジーンの口を遮って。ギーツは静かに視線を落とす。


    「あの場所に……姉さんが死んだ部屋に、花を供えたのはお前だな」

    「……花って言っても偽物だけどね。今更何かしたところで意味なんてないのに……ただの自己満足さ」

    「偽物なんかじゃない。造られたものでも、その心が生きているのなら」

  • 13二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:34:14

    ジーンの瞳がわずかに見開かれる。突き刺さる視線から、目を逸らすことはしなかった

    「ありがとう、ジーン。お前と、もう一度話せてよかった」
    「…………意外だな、英寿がそんなこと言うなんて」
    「なんだ、化かしてると思うか?」
    「いや、……信じるよ」

    ふ、と表情を和らげたジーンに、ギーツもまた笑みを返す。だがそんな空気の余韻を冷ますがごとく、再び大きな振動が足元を揺るがした。

    「もう時間がない……英寿、これを」

    不完全な模造品でも、最後の余力は残していたらしい。床に転がっていたジーンの拳銃の片割れがふわりと浮き上がり、ギーツの右手へと収まる。中の構造にまでは詳しくない君の目からも、先の戦闘で損傷したそれは、もはやまともに使えないだろうことが分かるだろう。

  • 14二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:34:56

    「武器としてはもう壊れてるだろうけど、君たちの助けになるかもしれない。運が良ければね」

    だからたまには、俺のことも思い出してよ。言葉の真意は分からずとも、そう冗談めかして、その実確かな質量を持って侘しげに笑ったジーンを疑う気にはならなかった。

    「君とこうして話せただけで……長い時間を生きた甲斐があった。今はそう思う。……どうか気をつけて、英寿」
    「あぁ……またな、ジーン」

    肩に背負ったショットガンと、右手に握りしめた拳銃。増えた重みを大切に抱え、君は彼へと背を向けた。ひび割れた床を踏みつけ、階段を駆け上がり、姉妹たちの待つ外へ。背後に響き渡る崩落の気配に、二度と消えないだろう寂しさを覚えながら。

  • 15二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:36:28

    ▽▲

    世界が終わった瞬間よりも、ずっと騒々しくて派手な終焉。管理者として接続された導線からそれを感じ取って、思わず、ふっと吐息をこぼす。

    「まったく、ネクロマンサーにはしてやられたなぁ」

    何を犠牲にしても勝ちたかった、勝たなければならなかった相手には敗けて。誰よりも許せなかった存在には嵌められて。こんな最期、かけてきた時間すべてを無に帰すようなバッドエンドだろう。だけど──心はあまりに満たされている。俺の完全敗北だ。もちろん、ネクロマンサーなんかにじゃなくて。

    『……やっぱり、映像に細工をしたのは君だったんだね』

    記憶を蓄積する部分がショートでもしたのだろうか。遠い過去、いつかの自分の声と共に、目の前に異なる情景が浮かび上がる。目を閉じれば、それは暗闇の中で明瞭な形となった。

  • 16二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:37:53

    廃棄場の奥、鉄格子に囲まれた小さな牢獄。そこに座り込んだ青年。俺と同じようにして生まれ落ちた、同型アンデッド。

    『どういうつもりだ、キューン。俺だって処分は覚悟で彼らを逃がした。庇われる謂れはないよ』
    『わかってる。説明していなかったのは悪かったよ、時間がなかったから……。だけど、彼女たちには後ろ盾がなさすぎる。君なら……ここからでも、きっと祢音たちをサポートできると思った』
    『だからって……』
    『俺よりも君の方が判断能力が高い。だから……託させてくれ。浮世英寿のついででも構わないから、どうか、彼女を──彼女の幸せを、守ってほしい』

    彼が処分される、その前夜。守りたかった約束。俺にとっても、叶えたかった想い。

  • 17二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:38:47

    まぶたの裏に、別の男の姿が現れる。彼は大仰な素振りで腕を組み、理解できないとばかりに首を傾けた。

    『おいおい、本気かよジーン。人類も世界もとっくに滅んでんだぜ?』
    『俺はずっと本気だよ。そのために技術も身につけたんだし』
    『それもあの人間のため? ホンットに物好きねぇ、アンタもキューンも』

    もう一人、一番気の合わなかった同族は、そう言って長い黒髪の毛先をいじる。

    『君たちだって、特別な誰かに出会っていたら違ったと思うけどね。特別な……運命みたいな人間に』
    『ねーな』
    『ないわね』
    『あぁ、そう……』

    オペラハウスでの人間模様を程々に楽しんではいたようだけど、最後まで人間に強い興味を持たなかった二人に、この感情を理解させることは早々に諦めた。だけどため息をついた俺に負けず劣らず、二人の視線は呆れたもので。

  • 18二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:39:47

    『言っとくが、お前が稼働を続けようが、俺たちはフツーに停止するぞ? こんな世界、面白みも何もねぇし』
    『はじめから期待してないよ。設定された稼働期間を真面目に過ごした方が意外だったくらいだし。特にベロバは』
    『自分から停止措置取るのも、それはそれでバカな人間みたいで嫌じゃない。アンタはそれ以上のバカみたいだけど』
    『……ベロバの憎まれ口も、これが最後だと思うと寂しくなるもんか?』
    『いや別に』
    『だよなぁ、俺も』
    『うるっさいわねぇアンタたちは最後まで!』

    意見も思想も求めるものも、何もかもが噛み合わない。同じように造られていながら、こんなにも違うのかと思うことばっかりだったけれど。

    『ま、せいぜい頑張れよ、ジーン』
    『ここまで時間と手間暇かけて、失敗したらお笑い草ね』
    『ご心配なく。失敗なんかしないよ、今度は』

  • 19二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:40:26

    鬱陶しくても、呆れても。俺はきっと彼らを嫌ってはいなくて。彼らの代わりまで造ってしまったなんて知られたら、きっと二人には笑われるだろう。この世界に天国も地獄もなくてよかった。

    そうだ。この世界には何もない。あの世なんて不確かなものはなく、肉体の死んだ自我は深くに転がり落ちるだけ。生きることにも死ぬことにも、救いなんてものはない。新たな目覚めにだって。……だけど。

    『姉さんを──あのひとを、救いたいんだ』

    無謀も、困難も、誰よりも正しく認識しながら、それでも屈することなく、真っ直ぐに前を見つめていたその姿を覚えてる。それを眩しく思った自分のことも。もっと知りたいと思った。その強さの理由を。震える心の意味を。

    「──英寿、……どうか君たちの未来に、幸福がありますように」

    言葉はもう、誰に届くこともない。それでよかった。

  • 20二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:50:45

    ▽▲
    四人で降りてきた道を、一人で駆け抜ける。抜けかけた床を飛び越え、落ちてくる破片を避け、ただ彼らが待っているだろう外を目指して。

    「──英寿くん!」

    角を曲がれば、最後の通路の先、もうもうと舞う砂埃の向こうに、開かれた出口の前で佇むタイクーンの姿が目に入った。

    「はやく!!」

    ──きみ、大丈夫!?

    伸ばされた腕と、焦燥に満ちた必死の表情。その様子にいつかの彼が重なる。バッファに連れられ、息を上げて小屋の中に飛び込んできた彼との──四人の出会い。

  • 21二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:51:23

    迫っていた瓦礫の影より早く一歩を踏み出し、一息に通路を抜ける。伸ばした手を、タイクーンは即座に掴んで引いた。二人揃って外に転がり出た瞬間、背後から轟音と爆風が吹き抜け、君たちはそろって身を固くする。

    「……間一髪、だったな」
    「だったな、じゃないだろ!めちゃくちゃ焦ったからねこっちは!」
    「はは、悪い」

    衝撃が収まった頃を見計らい、頭を上げて軽口を叩けば、タイクーンからはすぐさま小言が飛んできた。それを笑って受け流し、「本格的に崩れ出す前に離れた方がいいな」と立ち上がる。

    「タイクーン!ギーツ!」
    「お前らも無事そうだな。……ナーゴは、大丈夫か」
    「……うん」

    出口から距離を取っていたのだろう、駆け寄ってきたバッファの腕に抱えられたままのナーゴは、まだすんと鼻を鳴らしながら、それでも小さく声を返した。

  • 22二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:52:01

    「キューンともあの子とも、もう会えないのは悲しいし、苦しいよ。でも……キューンが残してくれた想いは今ここにあるし、私も同じ。終わった世界で、終わった命でも、私は生きてる。だから……」

    手に握る、ただ一片だけ残った手紙。最後に彼が綴った、飾りのない言葉は、【たからもの】として彼女の心を支えるだろう。

    「だから、ちゃんと前に進むよ。幸せになるために……それがキューンの望んだことだって、わかってるから」

    バッファの肩に埋めていた顔を上げ、ナーゴは気丈に微笑む。涙に濡れた瞳は清廉に、どこか強ささえ印象づける輝きを宿していた。

    「英寿は、ちゃんと話せた?」
    「あぁ、言いたかったことは言えた。ご丁寧に、手土産ももらっちまったしな」

  • 23二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:52:45

    ナーゴと同じように、ギーツの手にもまた、彼から託された想いが握られている。

    「それ、ジーンの……?」
    「何かの役には立つかもしれないから持っていけ、ってな。ま、銃としては壊れてるが──」

    くるくると手の中でそれを回し、何気なく引き金に手をかけた、その刹那。ピピ、と鳴ったチープな電子音に、君たちは揃って目を丸くする。

    「ん?」「えっ」「は?」「な、なに!?」

    それぞれが身構えるよりも早く、銃口から青白い光が飛び出した。それは一枚の板のように四角く広がり、空中に図面のようなものを映し出す。

    「うわーッなにこれ!!?」
    「おいお前らもっと離れろ、何してくるか分かんねぇだろ!」
    「わ、バタバタしないでよ二人とも、たぶんこれ大丈夫なやつだから!」

  • 24二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:54:02

    未知の存在に飛び上がりおののくタイクーンと、ナーゴを落とさないようにしながらそんなタイクーンの首根っこを掴むバッファ。そんなふたりを呆れながらも宥めかして、ナーゴは「これ、地図だよね」とギーツへ視線を投げた。

    「そうだな。俺には大した土地勘もないが、ここら一帯のだろう。タイクーンなら分かるんじゃないか?」
    「え? ……あ、ほんとだ。現在地がここなら……町があっちで、俺の家はその奥……のはず」
    「方角から考えれば、自ずと方向も分かるな。なるほど、確かに役に立つ贈り物だ」

    もう一度触れれば投影は消え、再びただの銃に戻ったそれを懐にしまう。信憑性を疑うつもりは今更なかった。

    「それなら、次の目的地は決まったってことでいいな?」
    「うんっ」
    「あぁ」

  • 25二次元好きの匿名さん25/01/02(木) 23:54:56

    迷いの抜け落ちたギーツの声に、ナーゴとバッファは頷く。その隣に立つタイクーンもまた、地図の示す方向へと目をやって、力強く「うん」と拳を握りしめた。

    「行こう!まずは俺たちもお世話になったふもとの町。そこから更に進んだとこにある、俺たちの家へ」

    きっとそこにあるのは幸福な思い出、だけではない。君たちはそれを理解しながら、先を往くことを選ぶ。……あぁ、まぁ、一人は除いて、と言うべきかもしれないけれど。

    「……というかナーゴ、落ち着いたならそろそろ降りろ。歩けんだろ」
    「えー、もう少しだけ!ね?」

    置き去りにした過去と、繰り返す離別。だが君たちはそれぞれをしっかりと胸に抱えて、再び未来へと歩み出した。君たちの背を押した彼らが望んだ未来。それを、自らの手で成し遂げるため。
    全ての真実が白日に晒される時は近い。まだ何も知らない無垢な君たちは、そこで何を思い、何を選択するのか……僕はそれを、心から楽しみにしているよ。

  • 26二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:01:00

    〜〜〜

    大智「……というところでEP、そしてセッション3『未来へと愛を込めて』は終了だ。おつかれさま」
    祢音「おつかれさまー! さすがにちょっと疲れたなぁ」
    景和「英寿と祢音ちゃんは新情報もRPも多かったもんね、おつかれ」
    英寿「そうだな、これで合流前のことは大体分かった。次からはいよいよ四人、もとい五人での暮らしの方に舵が切られるんだろうが……」
    道長「ろくなことになってない要素しかねぇぞ、今のところ」
    ツムリ「まぁそれがネクロニカと言ってしまえばそうなんですよね……」
    景和「元も子もないなぁ……」

  • 27二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:01:33

    大智「っと、タイミングがなくて流しちゃったけど、最後に全員での対話判定もしてもらって構わないよ。ただ、今後はこれまでほど補正判定を甘くはしないから注意してくれ」
    祢音「まぁここまで進むと、大失敗でもなきゃ未練変わることなくなってるくるもんね。仕方ないかぁ」
    ツムリ「それから英寿は"ジーンの拳銃"を【たからもの】として取得可能ですが……」
    英寿「願ってもないな、当然取得する。だがいいのか? ずいぶんサービスが良いが」
    大智「一つ目の候補を取らなかったのはRPを優先したからだろう? ご褒美みたいなものさ。装備部位は次までに決めておいてくれ」

  • 28二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:03:03

    【対話判定】

    英寿→

    景和〈独占〉:dice1d10=2 (2) +1+1

    祢音〈対抗〉:dice1d10=9 (9)

    道長〈保護〉:dice1d10=5 (5)


    景和→

    英寿〈依存〉:dice1d10=3 (3) +1+1

    祢音〈保護〉:dice1d10=8 (8)

    道長〈独占〉:dice1d10=7 (7)


    祢音→

    英寿〈依存〉:dice1d10=6 (6)

    景和〈対抗〉:dice1d10=5 (5) +1

    道長〈恋心〉:dice1d10=3 (3) +1


    道長→

    英寿〈対抗〉:dice1d10=7 (7)

    景和〈憧憬〉:dice1d10=5 (5) +1

    祢音〈友情〉:dice1d10=9 (9) +1

  • 29二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 00:11:07

    復活ありがとうございます!!!
    待ってました…

  • 30二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 02:08:06

    >>29

    ありがとうございます!そう言っていただけて安心しました…!


    【対話判定】

    英寿→祢音〈対抗〉:●●○○


    景和→

    祢音〈保護〉:●●○○

    道長〈独占〉:●●○○


    祢音→

    英寿〈依存〉:●○○○

    景和〈対抗〉:●●○○


    道長→

    英寿〈対抗〉:●●○○

    景和〈憧憬〉:●●○○

    祢音〈友情〉:●●●○


    (一部未練表ミスあったので修正しましたごめん!たぶんこれで大丈夫なはず…

    あと地味に道長→祢音が発狂したままだったことに今気づいたのは秘密)

  • 31二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 11:32:47

    大智「さて、それじゃあ寵愛点の配布といこうか。今回の寵愛点は15点に、カルマ2つ達成で+4点。合わせて19点の獲得になるね」
    ツムリ「おめでとうございます!貯金分の2点と合わせれば21点。選択肢は幅広いですね」
    英寿「貯金合わせて20点越えが安定してきたな。今回はどうするか……」
    景和「あ、それなんだけどNC。セッションってあと何回くらいを想定してる? それによって取るもの変わるかもなって」
    大智「そうだね、あと1セッション挟んで、その次が最終のネクロマンサー戦になる予定だよ」
    祢音「強化自体はあと2回か〜!うーん、どうしよっかなぁ」

  • 32二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 11:34:41

    道長「の前に。知らねぇ情報がPLから色々出てきてたんだが、アレなんだよ」
    景和「あ、そうだった。英寿ハンドアウト公開したよね」
    大智「うん、文字通りハンドアウト。NCからPLに渡す隠れ情報だと思ってくれればいいよ。秘匿の指示がなければいつ開示しても良いは良いんだけど……君たちは基本隠すね、まったく」
    ツムリ「ちなみにこの卓では進行に応じて複数枚渡すこともあるので、どちらかと言えば(そっとメモを渡す)が近いかもしれません」
    祢音「実際、私のはセッション1で【たからもの】回収できたときにそっと渡されたしね。……あ、ついでにこれも公開しちゃおっと」


    祢音:ハンドアウト公開《バスケット》

    手紙の中の王子様。その正体を、本当は君も分かってた。口と態度の悪い、けれど誰よりも優しく、君の心を救ってくれた彼。君もなんだか気恥ずかしくて、彼にそれを伝えることはなかったけれど。
    でも……いつか、ちゃんとお礼が言えたなら。今よりもっと綺麗な字で手紙を書いて、笑いかけて……。バスケットの中にあふれる、ぐちゃぐちゃの字の手紙たちは、いつか彼に渡すために練習してきたものの名残だ。

  • 33二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 11:37:41

    祢音「更新来たぶんも含めてだけど、これがあったから余計にキューンには会いたかったんだよね。難しそうだなぁとは思ってたけどさぁ」
    景和「そういえば中身についてはちゃんと聞いたことなかったね」
    道長「中身ぶちまけたが、これ今どうなってんだ?」
    祢音「【たからもの】自体はバスケットだもん。キューンの手紙を大事にしまってるよ!装備部位は、さすがにズラしちゃったけど……」
    大智「まぁそのあたりは上手く処理するよ、何かあればね」
    祢音「な、何かなんてないし!大丈夫大丈夫!」
    英寿「それに越したことはないな」
    景和「道長さんもそろそろ【たからもの】ゲットできるといいね。今回かなり狂気点に苦しめられてたし」
    道長「狂気点減らせんのはいいが、どのみちろくな目にあう気がしねぇな……」

  • 34二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 12:01:59

    というわけでセッション3完結です。色んな意味で長すぎた……。
    そんなこんなでオペラハウス編は実質サポーター組編でした。ケケベロ、本編での動き方がネクロマンサー寄りなので、下手に縦軸に絡ませると扱いが難しかったというのが本音。


    ちなみにサポーターアンデッドたちのオペラハウスでの役割は一応以下の通り。

    ジーン:施設全域の監視役。施設内をうろついて、定期的に報告を上にあげるのが主な仕事。洞察力の高さを評価されたことが理由だったが、当然英寿の脱走事件後は監督不行届とのことで降ろされた。

    キューン:被検体のカウンセリング……とは名ばかりの、限界まで追い詰められてる被検体たちの精神を、役に立つ程度に保たせるお仕事。キューンは心底この仕事が嫌いだった。

    ケケラ:名称としては警備員になるが、やってることは雑務じみた汚れ仕事。脱走者の処分とか、英寿のカケラのように力仕事に駆り出されることも。

    ベロバ:被検体の整備士。実験でバラバラにした被検体を元通りにくっつけるのが仕事。なのでごく簡単なネクロマンシー技術を持っていた。本当に道長と出会わなくて良かった。

  • 35二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 21:21:34

    続き読めてうれしい!ありがとうございます
    ギーツ勢ネクロマンサー向け人材多すぎ問題

  • 36二次元好きの匿名さん25/01/03(金) 22:38:12

    復活今気づいた!おかえりなさい!
    本編ケケベロの立ち回りまんまNCだもんな…

  • 37二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 02:28:19

    🎉🦊🦝🐱🐮🎉

  • 38二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 10:58:14

    〜〜
    大智「……うん、良いお茶だね。さすが鞍馬財閥のお嬢様セレクト。それで、強化は決まったかい?」
    祢音「ありがとっ、全員決まったよ」
    景和「高級な香りすぎてスーパーで買ってきたおやつが浮いてる……」
    ツムリ「それでは……もぐ……英寿から……もぐ……お願いします……もぐ……!」
    英寿「姉さん、口にクッキーの欠片ついてるぞ」
    道長「肉が食いてぇ……」

    英寿「どちらもコートから、スキル『作戦』と『冷静』を取った。20点消化だ」
    大智「バトルパート開始時に一人の配置を変更できる『作戦』と、行動判定に+1の補正がつく『冷静』か。攻撃力以外のところを補填してきたね」
    祢音「いつまでも同じ陣形っていうのも芸がないよねって話になって。向こうの配置分かった上で動かせるのは大きいよね」
    ツムリ「(ごくん)ここで行動判定への補正も取ったんですね」
    英寿「あぁ、個人的な問題には一段落ついたわけだしな。物事を冷静にみる余裕も生まれたところだろ」
    景和「PCの心の成長にダイスが追いつくか分からないもんね」
    英寿「…………」
    道長(またやってやがる……)

  • 39二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 10:59:28

    景和「俺はスキルから《殺劇》、それとアリスから《負けない心》を取ったよ。……並べるとすごい、情緒不安定みたいになるけど」
    ツムリ「同カウントで姉妹と同じ対象に攻撃する場合に出目とダメージ+1、ですか。相変わらず着実にダメージを積みますね、景和様……」
    景和「あはは……、遠距離狙える英寿もいるし、安定して使えるかもなと思ったらつい……」
    大智「とはいえアリス特有の対話判定補正も取ったんだね。君はわりとRPで補正が得やすい方だけど、脅しが効いたかい?」
    景和「それもあるけど、今回はまだ調子良かっただけでセッション1とか2で苦労したのは俺も同じだし。取るなら今かなって」
    英寿「そろそろ爆弾も来そうだからな、お前らに関しては」

  • 40二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:01:09

    祢音「私は変異に+1して【だるま】、それからオートマトンの《氷の心》を取ったよ!景和とも重なるけど、狂気判定がもうちょい安定したドールがいた方がいいなって。大失敗損傷がなくなるのも大きいし!」
    ツムリ「【だるま】はダメージを各部位に振り分けることができるパーツですね。問題になっていた見た目ですが……」
    祢音「していいなら名前変えたいけど、何かいいのある? あんま思いつかなかったんだよね」
    英寿「そうだな……NC、ナーゴのドールも、オペラハウスである程度の人体改造を受けてるんだよな?」
    大智「そうだね。投薬や多少の手術は経験してると思うよ」
    景和「手術に多少も何もないから!」
    英寿「なら、今になって彼女がESPを発動する可能性もあるんじゃないか? いわゆる覚醒イベントにもなりうる場面もあったしな」

  • 41二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:01:30

    大智「……なるほど」
    祢音「え、アリなの?それ」
    英寿「効果範囲は自分だけで、ダメージを減らせるわけじゃない。ESPとしてはかなり弱い部類になるだろうし、僅かにしか発動できないならシナリオの妨げになることもないはずだ。もちろん、NCの采配次第だが」
    ツムリ「どうですか?大智様」
    大智「うん……いいよ、許可しよう。名称は【限定的超感覚】とかでいいかい?」
    祢音「やった、ありがと大智くん!」
    景和「……前から思ってたけど、こういう部分は結構甘いよね、NC。柔軟というか」
    大智「ネクロニカはこの特殊な世界観のカスタマイズが売りだという意見もあるだろうけど、君たちの場合は目的も違うからね。PLたちがやりやすいのが一番だと思うし」
    景和「ちゃ、ちゃんとしてる……!」
    英寿(……目的、か)
    ツムリ「……、話が逸れましたが、最後は道長様ですね!」

  • 42二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:02:56

    道長「あー……まず改造に+1で【スパイク】を取る。それから、……おいギーツニヤニヤすんな!」
    英寿「照れることないだろバッファ。タイクーンやナーゴと同じ、ただの発狂対策だ」
    道長「……変異に+1して【おとこのこ】を取った」
    大智「なるほど、みんなしっかり対策してきたわけだね。ところでこのパーツは部位が任意になるけど、どこにするか決めてるかい?」
    道長「は?」
    英寿「【おとこのこ】、どこにつけるんだ?バッファ」
    道長「…………お前ら、なぁ……!」

    ツムリ「こらー!暴れるなら卓の外でやってください!! まったく、バカな弟とNCを持つと苦労します……」
    景和「ツムリは本当にたくましくなったね……(……俺のせいだったらどうしよう)」
    祢音「というか道長はなんで怒ってるの? 【おとこのこ】の部位が任意なのはホントでしょ?」
    ツムリ「そうなんですよね。確かに英寿たちのにやにやは腹立たしいですが……」
    景和「あははなんでだろうねまぁでも道長さんがあの二人に怒ってるのはよくあることだし!」
    ツムリ「それは……そうですね」
    景和(危なかった──!)

  • 43二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 11:08:20

    祢音「うーん……道長なら、名前変えても良さそうじゃない? たとえば……【口下手】とか」
    景和「あー、道長さんが素直じゃないのを、俺たちがちゃんと理解できるようになった、みたいな? 確かにありかも」
    道長「おいドールをつけろドールを」
    大智「元々装備した部分が男性的特徴を帯びる、というニュアンスのふわっとしたパーツだからね。拡大解釈はしやすいし、こっちも認めるよ」
    英寿「喉仏だったり、中性的な外見だったり、あとは体格の描写が変わることが多い印象だな」
    道長「…………じゃあなんだったんだよさっきのやり取りは!!!!」

    ツムリ(しかし皆さん【おとこのこ】にばかり目がいってますが、地味にダメージ+2のスパイクも怖いですね……)

  • 44二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:37:26

    大智「さて、それぞれアドベンチャーパートのことも考えた強化になったね。バトルにも余裕が出てきたかい?」
    景和「バトルに余裕があるというか、それ以外に余裕がないというか……」
    英寿「そろそろNCが本気を出してきそうな気配があるしな」
    ツムリ「完全に警戒されてますね」
    大智「こんなにPL想いのNCだというのにひどいな」
    祢音「なんだろうね、この……"地獄への道は善意で舗装されている"?」
    道長「またなんか違うんじゃねぇか、それは」

    〜〜
    というわけで各処理も終わったためセッション4進めていきます。ほぼ書き溜めないんですが、できる限り進められればいいなと…。落としてしまったらまた書き溜めてからのスレ立て方式にできればと思ってます。

    コメントもありがとうございます、お付き合いいただけてホントにありがたいです…!
    セッション2でやった裏設定や振り返りは今回そんなにないのでカットしますが、もし補足あった方がいい部分などあればコメントもらえると助かります!

  • 45二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:38:42

    大智「休憩も済んだところだし、特に質問もなければ、そろそろ次の幕を開けようか。ツムリ」
    ツムリ「はいっ。

    ジーン様から託された地図と、僅かに残る記憶を頼りに、みなさまは再び山の奥へと進んでいきます。時々迷ったり、未知の気配に息を潜めたりしながらも、その足取りは決して止まることなく。山中での野宿にも慣れた頃、あなたたちは木々の狭間に残された小道の形跡を見つけます。きっと目的地は近い、そんな予感が広がるでしょう。無邪気な希望や期待、切実な覚悟、或いは怯え──それぞれが様々な想いを抱きながら、ドールたちは進みます。記憶が確かならば、道の先にあるはずの町へと。

    それではセッション4『君が心をくれたから』、スタートですっ」

  • 46二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:39:18

    ──


    『あ、明日ー!!? なんでもっと早く言ってくれないの英寿くん!! 祢音ちゃんも!!』
    『長らく日付感覚を失ってたからな……悪い。まさかそんなに驚くとは……』
    『…………誕生日って、そんなに特別なものなの?』
    『そりゃあもう!生まれてきたことを祝う大事な日だもん!祢音ちゃんの誕生日なんて絶対に祝わなきゃだめだから!人類の損失だから!』
    『……なに騒いでんだ』
    『ただいまー、英寿、丹波のおじいちゃんがこの間の話また聞きたいって……』
    『おかえり道長くん景和っ、祢音ちゃん明日誕生日だって!!どうしよー!!??』
    『は?』
    『え、明日!? ……いや大丈夫、まだやれる!道長くんと英寿も手伝って!』
    『は??』
    『あぁ、それはもちろん。なぁ道長?』
    『は???』

  • 47二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:40:13

    ▂▅▅▂▂

    『……生まれた日ってだけでおおげさだろ』
    『そう? 大事なことだと思うけどなぁ。こんな世界なんだし。相手と自分が、一緒にここまで生きてこれた。当たり前のことじゃないんだから』
    『…………』
    『あっそうだよ、英寿と道長さんは? 誕生日いつ?二人のときももちろんお祝いするからね!』
    『知らねえ』
    『俺も生まれた日は知らないな。便宜上、拾われた日を誕生日と呼ばれていた時期はあったが』
    『えッッ……!?』


    『……そうだよね、ごめん、配慮がなかった……』
    『別に……今更気にしねぇ、それぐらい』
    『世界は広いってことだな。それで、お前はどうするんだ、景和』
    『……英寿は便宜上?の日でやるとして、道長さんは……よし、じゃあ明日、お祝いが終わったらみんなで道長さんの誕生日決めよう!』
    『あ?おい俺は、』
    『いいんじゃないか。お前らのことだ、俺たちを拾った日は別で祝うつもりなんだろ? 被るのは不公平だもんな』
    『拾ったって表現はともかく、さすが英寿、ばればれだ。うーん、道長さんは何月が似合うかなぁ。準備しながら道長さんも考えといてね』
    『いや、だから、……ってか、そもそも誕生日ってそんな適当に決めていいのかよ。大事なもんって言ったのお前だろうが』

  • 48二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:41:09

    『大事だから、だよ。ここまで生きて、俺たちと出会ってくれて、一緒に生きてくれてありがとうって、その想いを伝えられるなら、本当に生まれた日自体に、きっと大きな意味はないんだ』
    『…………』
    『なんて、半分くらいは姉ちゃんの受け売りなんだけど。……祢音ちゃんにも、ちゃんと伝えなきゃね』
    『そうだな……彼女もこういう経験には乏しい。戸惑いはするかもしれないが、きっと喜ぶ』
    『うん。料理は英寿にも手伝ってもらうとして、プレゼントも……限界はあるにしても、できるだけあの子が喜ぶものを用意してあげたいけど。ただ祢音ちゃんも、あんまそういうこと言わないしなぁ……』
    『……祢音が興味持ってたものなら、心当たりはあるが』


    『それいい、すごく良いよ道長さん! プレゼントって感じだし!』
    『だが、一応骨董品だろ? 交渉できるかが問題だな』
    『ウィンさんとは俺も姉ちゃんも交流あるし……うちの野菜持ってお願いに行こう。今日はもう暗くなるし、明日、姉ちゃんと道長さんで行ってきてもらう感じになるかな』
    『いや、俺がいたら警戒されるだろ』
    『そんなことないよ、運ぶの手伝ってもらってるから、町の人たちも顔は知ってるだろうし。俺と英寿はうちで料理の準備しなきゃだからさ、お願い!』
    『どうしても嫌なら変わってやってもいいぞ。芋の皮むきがお前にできるかは知らないがな』
    『っ、〜〜……、……荷物持ちぐらいしかできねぇからな』
    『……さすが英寿』
    『ふ、適材適所ってやつだ』

  • 49二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 17:44:40

    ▂▅▂▅▅▅▂


    『道長……っ、待って、ねぇ、待ってよ!』

    『…………』

    『なんで……なにがあったの、なんで、こんなことに……ねぇ、道長……!』

    『……はじめから、間違ってたんだろ。望むべきじゃなかった。それなのに……だから、こんな……』

    『道長!』

    『──……あいつを、殺したのは…………俺だ』


    ──


    【行動判定:地図を広げて】

    英寿:dice1d10=2 (2) +1+1

    景和:dice1d10=1 (1) +2

    祢音:dice1d10=8 (8)

    道長:dice1d10=6 (6)

  • 50二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 18:06:32

    とうとう最大の爆弾に近づいている…

  • 51二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:52:11

    ヤバい(ヤバい)な…

  • 52二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 02:59:45

    おとこのこ問題草
    変なパーツ多いよなぁネクロニカ

  • 53二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 05:27:21

    閲覧注意保守

  • 54二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:23:20

    「なんで地理把握してそうな奴らがそろって迷子なってんだよ」
    「この道見つけられたからよかったけど、しっかりしてよね〜?」
    「うぅ……だって俺、こっち側から町に向かうとかしたことないし……」
    「野生の勘には敵わないな。さすがだバッファ」
    「誰が野生だ」

    またしても舞い戻ってきた森の中。地図と記憶と目の前の景色を照らし……。歩き続けた先にようやく見つけた、あぜ道の形跡を辿りながら、君たちはそんな軽口を叩く。
    生い茂った雑草に覆われてはいるものの、土の色が残る一本の線は真っ直ぐに伸び、いつかあった人の往来を感じさせた。

  • 55二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:23:54

    「ここまでの獣道とは明らかに出来が違う。地図の示す方向と相違もなさそうだし、このまま進めば辿り着けるだろ」
    「アンデッドじゃなきゃ遭難してるよね、こんな山奥。そろそろ屋根のある場所で休みたい……」
    「私は平気だけどっ。こういう旅には慣れてるし? あの頃に比べたら今は恵まれてる方だよねぇ、英寿」
    「あの頃は地図どころか目的地もなかったからな。空腹に悩まされないのはアンデッドの特権だと痛感するよ」

    何気なく交わされる会話にはかつての苦渋が滲んでいて、タイクーンは思わず表情を曇らせた。それをちらと見やったバッファは、「それで」と静かに口を開く。

  • 56二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:24:29

    「逃げ出したこと、後悔でもしたか?」
    「まさか!もちろん大変だったし、ここで死んじゃうかもとか思ったけど、後悔なんか一度もしなかったよ。何もかも初めて見るものばかりで……うれしかった」

    今だってそうだ。汚染され、荒廃し、美しさとはかけ離れた世界であっても、外の景色に弾む心は変わらない。初めて地面に触れた靴底の感覚さえ蘇るような気がして、君はそっと目を閉じた。


    ──

    『は、っ、はぁ、は……』

    酸素不足に痛む肺。吸い込む空気は冷たく、嗅いだことのない複雑な匂いが入り交じっていた。足取りが重くなっていることに気づいてか、君の手を引いて先を走っていた彼は振り向き、祢音、と君の名前を呼ぶ。

  • 57二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:25:12

    『悪いな、休ませてやりたいが、日が昇る前にもう少し進んでおきたい。背中、掴まれるか?』
    『え、でも、英寿だって……』
    『君くらい大した重さじゃないさ』

    ほら、としゃがみこむ彼を前にしてもためらっていれば、いいからと、優しい声色に急かされる。迷ってるひまはないことも頭では分かっていて、おずおずと彼の背中に身を預け、肩へと腕を回した。

    浮世英寿。キューンに連れられ出た廊下で出会った彼のことを、自分はほとんど何も知らない。たぶん、それは彼だって同じだろう。キューンから話には聞いていたけれど……実際に言葉を交わすのも初めてのはずだ。だけど彼は、そんな相手を前にして、一瞬だけ泣きそうに唇を震わせた。

    ジーンと呼ばれた少年に促されて、彼は初めて名前を名乗った。君とともに、この場所から抜け出すために来た、と。その目は自分を見ているというよりは、むしろ……。

  • 58二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 14:26:09

    感じた違和感を飲み込み、見上げた紺色の天井は果てしなく広い。これが空。黒く湿っぽい床は土で、それからあれはなんだろう? 胸を埋め尽くす、この心が跳ねるような感情は、きっと不安だけじゃないはずだ。ずっと諦めていた外の世界。それが今、目の前にある。

    回した腕にぎゅっと力を込めれば、彼の体温がじんわりと肌に伝わった。この温もりを信じよう。それしか、今、自分にできることはないのだから。

    ──


    祢音:記憶のカケラ【外の世界】獲得
    監視の目をかいくぐり、彼に手を引かれて、君は外へと駆け出した。まだわずかに青色を残した空、風に乗る草の匂い、舗装されていない土の感触。あの頃の君にとっての、はじめての外。信頼も感情も追いつかないような旅立ちではあったけれど──確かな体温に感じた安堵と、広がる世界への感動。それは君にとって、消えることのない価値を持つものだった。

  • 59二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 20:26:18

    ネクロニカはパーツ問題は確かにあるからな…

スレッドは1/6 08:26頃に落ちます

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