- 1125/01/04(土) 19:54:33
- 2125/01/04(土) 19:55:43
再三言うけど閲覧注意案件はない
今回先に過去作を貼りたくてマジでこのためだけに閲覧注意を付けたんだ、自己紹介に替えさせて頂く
【クロス?・閲覧注意】ブルロ表紙組でニチアサしようぜ|あにまん掲示板明日は日曜日だからねダイス・安価などで要素を集めたらSSなりイラストなりで物語を作ってみたいと思うダイスの結果によって微腐、女体化などがあるかもしれないので注意でじゃあなにやろうかdice1d3=@2…bbs.animanch.com【🎲・閲覧注意】ブルーロックス、魔法少年になる|あにまん掲示板『──あーあー、テステス。ごきげんようブルーロックス。突然だけど君たちにはね、今日から魔法少年として人助けしてもらいます』ダイス・安価によって進むオールキャラバトルロワイヤルSSスレスレ民参加型なので…bbs.animanch.com - 3125/01/04(土) 19:57:53
《ルート選択について》
・進行のルール上、スレ民に議論して選択肢を選んで頂く場面があります。反対意見が生まれることもあるだろうけど、語気が強くなりすぎないようにね!
・基本的に正解ルートのヒントは文中に散りばめてありますが、行き詰まってしまった場合はスレ主に言ってくれればヒントを出します。また正解ルートは必ず1つとは限りません
・議論時間はだいたい5~10レス分ほど、時間帯や流れの速さを考慮し変えていきます。基本多数決として多かった意見を採用します。 - 4二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 20:00:11
おかえりスレ主
今回も楽しみ - 5125/01/04(土) 20:01:35
─こちらのSSは渋谷組がカフェ・ゲームセンターから娯楽施設へ移動する時間に起こった出来事を捏造したものです。本編とは時間・居場所のズレが生じますが、二次創作なのであまりお気になさらぬようお願いします─
- 6二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 20:02:25
- 7125/01/04(土) 20:08:16
──渋谷の中心街、とあるデパート前にて。
蜂楽「ねぇねぇ潔、俺トイレ行きたい!」
潔「ん?あ~……皆!ちょっとそこのデパート入っていいか?蜂楽がトイレ行きたいって」
くいくいっと俺の袖を引き、尿意を訴えた蜂楽のため皆にそう声をかける。
俺たちより数歩先を歩いていたメンバー達が、立ち止まってこちらを振り向いた。
烏「なんや、さっきの店とかゲーセンで行っとかんかったんか」
千切「お前ガブガブ飲みすぎなんだよ蜂楽、さみぃとトイレ近くなんのにさぁ」
蟻生「道のど真ん中でトイレなどと叫ぶのはオシャじゃないぞ。花を摘むと言え」
潔「いや、不可抗力だろ……」
そして口々にそう言う。俺が悪いわけじゃないと思うんだけど……
雪宮「まぁまぁ、じゃあちょっと休憩がてら皆で入ろうか」
時光「えぇっ俺たちも!?オシャレな百貨店なんて絶対場違いだよ……!」
玲王「入ってそれぞれどっかで時間潰せばよくね?俺たちデカイんだから入口に突っ立ってたら邪魔だろ」
凪「俺歩き疲れたー」 - 8625/01/04(土) 20:08:33
- 9125/01/04(土) 20:11:41
- 10125/01/04(土) 20:20:27
結局、入ってそれぞれ時間を潰すことに決定。蜂楽が「そんな時間かかんないのになー」と少々むくれていたけど、確かに目的地までの休憩地点としては申し分ない。
その時、前を歩いていた乙夜がふと足を止めてくんくんと鼻を鳴らす。
乙夜「なんか変な匂いしね?」
潔「変な匂い?わっかんないけど……」
乙夜「んー、しかもなんか嗅いだことある気すんだよなー」
乙夜「……もしかして元カノ?」
千切「なら変な匂いは失礼だろ」
烏「東京の女にまで手ぇ出しとるんか。1人で刺されろよ」
雪宮「あはは、乙夜くん将来的に刺されすぎて小学生の消しゴムみたいになってそう」
結局そのまま乙夜は頭の後ろに手を当て、「まぁいっか。思い出せないってことは重要じゃねぇっしょ」と歩いてデパートの人混みへ消えてしまった。
千切「アイツ絶対ナンパしに行くぞ」
潔「烏に手綱握っててもらおう……蜂楽、俺ら待ってるから行ってこいよ」
蜂楽「はいはーい」
トイレにとたとた走る蜂楽をぼうっと見送る俺は、まだ気づかない。
乙夜の発言を、もっとちゃんと問い詰めておくべきだったこと。
そして、既にとんでもない事件に巻き込まれてしまっていたことを。 - 11125/01/04(土) 20:26:58
~4F烏グループ・雪宮視点~
トイレに行った蜂楽くんを待つため1階のベンチに腰を下ろした潔くん、千切くんと別れた俺たちは、烏くんと乙夜くんと4階のレディースファッションフロアに来ている。
──え?なんでレディースかって?
烏「お前な、服選んどる女の子ナンパとか不審者にも程があるやろ」
乙夜「なんで?可愛い女の子いたら買ってあげるよ着てるとこ見てーし。ユッキーもいんだからそれなりに釣れるくね?」
烏「貢いで気引こうとするオッサンか!お前」
雪宮「人を釣り餌に使わないで欲しいな……」
──と、ここまで言えば説明しなくても分かったかな?
乙夜くんの女の子好きには、ホント頭を抱えるよ。にしてもレディースファッションのお店を物色して歩く大男3人は普通に怪しすぎる。周囲の視線が痛い……。
乙夜「にしてもさぁ、変な匂いマジで強まってんだけど誰も気づかないワケ?」
雪宮「特に気にならないけど……誰かの香水とかじゃなくて?」
烏「なんや俺やないからな?ほら乙夜、もっと考えて何の匂いか思い出せ」 - 12125/01/04(土) 20:34:23
うーん……と顎に手を当て考え込む乙夜くん。
その後ろを、何やら全身黒ずくめの男が2人、バタバタと足早に通り過ぎて行った。
──なんだろう、スタッフにしては変な格好だけど。
俺が首を傾げるとほぼ同時に、乙夜くんが「──あっ」と小さく呟く。不思議なことに、その額には一筋の汗が流れていた。
乙夜「やべーなんで忘れてんだ俺。聞いて驚くなよ、2人とも───
──────コレさ、火薬の匂いだ」
烏・雪宮「─────は?」
乙夜「伏せろッッ!!!!!」
叫んだ乙夜くんが、覆い被さるようにして俺たち2人を押し倒す。ぽかんと口が開いたままの俺と烏くん、そして乙夜くんの体が地面に倒れた次の瞬間。
──激しい爆発音と爆風が、フロアの商品を片っ端から吹き飛ばした。 - 13125/01/04(土) 20:44:57
~2F蟻生グループ・時光視点~
時光「やっぱり場違いだよ、出ようよ蟻生くん!」
俺と蟻生くんは、2階のイベントスペースで開催されているなんだかよく分からない画家の展示ブースを訪れていた。
蟻生「何を言っている、"俺"とこの美術品たちは最高にオシャに決まっているだろう?」
時光「俺が場違いなんだってばぁ!あぁもう、周囲の目が痛い……」
時光「安心しろ、お前ももちろんオシャだ。それに気にしているその視線とやらはそこの麗しき人物画たちのことではないのか?」
大正解。このフロア、不気味なくらい誰もいないのに蟻生くんだけが大声ではしゃいでいるのがいたたまれないんだよ……。
にしても、不自然に人がいない。まるで何かを隠すためにワザと人払いをしているような──?
そんな折、後ずさった俺の足にカツンと立て看板が当たる。倒れてしまったそれを直そうと拾い上げると、そこに書かれていたのは。
『当フロア、改修のため立ち入りを禁ず』
時光「ほらぁ!やっぱり勝手に入っちゃダメだったんだ……怒られる……!」
蟻生「ん?おかしいぞ。この施設の公式サイトで展示についても確認したが、改修などの旨は記されていなかった」
時光「え、そうなんだ……?じゃあなんで……」 - 14125/01/04(土) 20:56:06
────ドォォン!!!
静まり返ったフロアを、爆音が切り裂く。
建物全体にズシンと衝撃が響き渡り、展示された美術品がガタガタと揺れる。驚いた俺たち2人は互いに顔を見合わせ、とりあえず身を守るためその場に屈んだ。
時光「な、何何何ィ!?」
蟻生「焦げ臭いな……火事か!?出火場所はこのフロアではなさそうだが」
──ジジッ。古いスピーカーの起動音。
すぐさま、館内放送で衝撃の内容が伝えられる。
『──あーあー、聞こえてるか?コホン。
この施設は、俺たちテロ集団が乗っ取った。出入口は全て封鎖してある。その場に座ってここを動くな。サツのヤロー共が身代金を持ってくるまで、お前らは全員人質だ。変な行動を起こせば……分かってるよな?お前らの行動は監視されている』
──ブツッ。放送が切れた。 - 15二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 20:57:00
わーリアルタイムで見るの始めて!楽しみ!
- 16125/01/04(土) 21:03:16
蟻生「…………くそ、爆破テロか」
時光「ど、どどどうしよう!?俺たちここで死んじゃうよォ!?!?」
蟻生「落ち着け時光。とりあえずここを離れるぞ」
時光「話聞いてなかった!?出入口は封鎖されてるって」
焦ってまくし立てる俺の口を手のひらで塞ぎ、蟻生くんは更に続ける。被ったその帽子を、そっと外して床に置いた。
蟻生「あぁ、この施設を出るのは不可能だからとりあえず階段の近くに移動しよう。他の奴らと合流するのが先だ」
時光「な、なるほど……でも監視カメラに映ったら見つかっちゃうんじゃ?」
蟻生「気が付かないか?このフロアは美術展示のおかげで遮蔽物が多い。俺たちの位置も幸いして、階段の近くまでであれば姿を映さず移動できそうなんだ」
まぁ俺が見つけていた監視カメラの話に限られてはしまうが、それでも希望はある。と蟻生くんは続ける。
どちらのものか、ごくりと唾を飲み込む喉の音が鳴った。 - 17125/01/04(土) 21:07:35
(ど、どうしよう……やっぱり動くのはリスクがあるよね?でもこのフロアには見た所、構成員どころか人1人いないし……つまり自由に動けるのは今俺たちだけの可能性が高い)
(不自然に人払いされてるのも気になるなぁ……ここに留まるのは危険かな?)
どうする?
・階段の近くまで移動する
・ここに留まる - 18125/01/04(土) 21:08:28
- 19二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:14:05
ルート分岐ありなの楽しみだな
人払いされてたのが怖いので移動で - 20二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:14:12
2階だから3階と1階どっちにも移動できるし、仮に途中で追われてもどん詰まりってことはないよな?
人払いされてるのが気になるし移動しときたいかも - 21二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:16:19
階段近くに身を隠せる場所はあるんだろうか
あればありがたいな暫くそこに潜伏しながら状況を見守りたい - 22二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:18:13
移動しよう
合流出来れば更にラッキーってことで - 23二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:19:18
分かる人払い怖いよね テロリスト達が集まるために場所確保されてましたってオチだったら時間経過で人集まってくるだろうし、実は武器や爆弾なんかが隠されてましたって話でも怖い
- 24二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:20:41
その場に留まって他のメンツと合流できるとも思えんしな
- 25二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:22:00
あ、なるほど危険物を隠しとくために人払いしてたって可能性もあるのか そしたら逆にこの場所を探したら武器が手に入ったりするのか…?
階段を目指しつつ、周りに何かおかしなものがないか確認しながらゆっくり進むことは可能かな?
- 26125/01/04(土) 21:23:52
階段の近くまで移動する、で決定するよ
大まかなシナリオ作っちゃってるから細かい要望にはあんま答えられないかもしれんのですまんな
まあなるべく反映してみる - 27125/01/04(土) 21:34:15
時光「……わ、わかった、移動してみよう」
俺は蟻生くんの目をしっかり見て、頷いてそう言った。
「こっちだ」と手招く蟻生くんに続き、身をかがめながら展示物の間を縫って、周囲を警戒しながら歩いて行く。
20mほど進むと遮蔽物がそこで切れる。これ以上進むのはカメラに映っちゃいそうで危険だけど、いざとなったら階段に駆け込めるいい感じの位置まで移動できた。
時光「と、とりあえず他の皆に連絡してみない?もしかしたら連絡がつく状況の人がいるかもしれないし」
「そうだな」と言った蟻生くんが携帯電話を取り出し、連絡アプリを開く。今日のためにつくったグループにメッセージを送ろうと操作しているが、なぜかその表情はどんどん曇っていく。
時光「どうしたの?お、俺がやろうか?」
蟻生「いや……携帯電話が使えないようだ」 - 28二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:40:52
電波妨害か
- 29二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:41:19
結構しっかりした?テロだこれ…
- 30125/01/04(土) 21:43:08
~3F凪グループ・玲王視点~
玲王「ちくしょう、繋がらねぇ!!」
3階にあるメンズファッションのフロアを1人で歩いていた俺は、突如上の階から響いた爆発音にショッピングを無理やり中断させられた。
その後すぐ謎の館内放送により命の危機を告げられた俺たちだったが、御影コーポレーションの力を舐めてもらっちゃ困る。すぐに親父かばぁやに連絡してこんな茶番は終わらせてもらう──はずだったんだが。
玲王「くっそ、これ多分ジャミングされてやがる」
電子機器全体への電波妨害。携帯電話だけでなく、カウンターに置かれたデジタル時計の挙動もおかしい。
外部への連絡手段は、全て断たれた。
思わぬ窮地に、舌打ちをして辺りを見回す。誰か、まず誰かと合流しねぇと───
凪「────あ。いた、玲王」
玲王「…………………凪」
壁の近くにぼーっと突っ立っていたその白い長身は、紛れもなく凪誠士郎だった。 - 31125/01/04(土) 21:51:28
──凪か……今は正直ちょっと気まずいっつーか、前みたいに話せる気がしないっつーか……。
そんなことを俺がぐるぐる考えていると、凪がふらふらと歩きながらこっちに寄ってきた。いや動くなって言われたばっかじゃねーか!
慌ててその頭を引っ掴み、ショーケースの陰になるよう押し込んでしゃがませると、「ぐえっ」と鳴く凪。
玲王「何やってんだ凪お前、監視されてるっつったろ!?ただでさえデカいんだから見つかっちまうって!」
凪「いや、よく考えてみてよ玲王」
凪が頭を擦りながら言う。その指が、天井についた監視カメラを差した。
凪「たぶん、妨害で電子機器使えなくなってんでしょ。よく見てよあれ、無線式の監視カメラじゃない?」
玲王「確かにそう見えるけど───あ」
凪「気づいた?でかい俺が歩き回っても反応しない、これはきっと監視カメラにも妨害が働いてるって証拠だと思う。まあ周波数の問題だったり隠すのが上手いだけで有線でしたってオチもなくないけど。つまり……」 - 32二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:53:50
監視されている、の言葉はブラフか?まだ決めつけるのは早計だが
- 33二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 21:58:08
監視はブラフ、もしくは別にの方法か、
ってところやろか - 34125/01/04(土) 21:58:46
玲王「つまり────
────あの放送は、ハッタリか」
有線式の監視カメラと違って無線式は、wifiなどの電波を介して映像データの送信を行う。今回のようにジャミングされる危険性から大きな施設での運用は推奨されないが、明らかな映え目当ての建物だし見た目を優先したんだろうな。
どっちにしろこれは幸先が良い。
凪「うん。なんで館内放送は出来るのかわかんないけど、音質悪いしアレだけ有線で古いのかも」
「何回か改装入ってたり」と凪は続けた。
でも、これで目立つ俺たちでも動けそうだ。隣で使えなくなったスマホを未練がましく触り続ける凪の顔を覗いて、俺は言う。
玲王「凪───
──────やるんだな?俺と」
凪「なに玲王、当たり前じゃん。協力しないと脱出は無理だよ」 - 35125/01/04(土) 22:04:48
──ハッ、そうかよ。
一時仲直りと行こう。こんな時まで変に意識してる場合じゃねぇからな、皆で生きて帰んのが最優先だ。
玲王「はは、脱出じゃなくて解決な」
(さて動き出す理由は出来たとして、どこへ行くか……とりあえずは2階か、4階?でも爆発音が聞こえたのは4階だよな。流石に二人で行くにはまだ危ないか──)
(4階にいるのは確か烏、乙夜、雪宮か。あの3人は無事なのか?助けに行くべきなのか?まあアイツらが巻き込まれて死ぬ光景も思い浮かばねぇけど……ってなんか焦げ臭くね?)
どうする?
・4階へ向かう
・2階へ向かう - 36二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:09:35
うわやべえわかんねえ
4階の方が大変そうだし4階? - 37二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:13:47
ヒント欲しいかも
- 38二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:16:11
4階が陽動で他階に何か目的がある可能性ある?
それ考えたら2階に向かってもいいのでは?他メンバーとも合流出来るかもだし - 39125/01/04(土) 22:19:22
- 40二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:20:55
4階 乙夜・烏・雪宮 爆発はここで起きた、とりあえずブルロ組は無傷?
2階 オシャ・時光 人払いがされていた? 現在階段前で2人が待機中
2階行ってオシャたちに監視カメラのこと伝えたい、カメラのこと伝えないと2階待機継続になって危ない気がする - 41二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:22:17
- 42二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:24:57
キャラ視点だとまずはこっそり四階の様子を伺いたいかな
- 43二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 22:26:26
伏せろって二人に覆い被さった乙夜が負傷してたりしたらそっちに行って欲しい気がするけど怪我してなきゃあの三人はあの三人でしばらく大丈夫そうな気もする
- 44125/01/04(土) 22:29:30
じゃあ多数決で、2階へ行くで決めるよ
- 45125/01/04(土) 22:33:39
玲王「よし、とりあえず他の奴と合流しよう。一旦下降りようぜ」
凪「下?爆発した上見に行かなくていいの?」
玲王「いやまあめちゃくちゃ気になるけどな。時光がパニック起こしてぶっ倒れてねぇかの方が気になるし、まあ4階はメンツ的になんとかならね?」
そこまで言って、凪がコクリと頷く。
そして立ち上がり、ショーケースから顔を出そうとしたとこで───
玲王「──ッ!凪、ステイ!」
凪「おわ」
俺と向き合った凪の背後、死角になっていたエスカレーターから覆面の構成員が数人現れる。下から上がってきたみたいだ。
その手には拳銃が握られていて、咄嗟に見つからないよう凪と俺自身の体を冷たい床に伏せた。
──ジジッ。
そして再び鳴ったスピーカーのノイズ音が、事件の第2フェーズの訪れを残酷に告げる。 - 46125/01/04(土) 22:40:16
『──先程サツのヤロー共にこの百貨店の占拠と諸々の要求を伝えてきた。人質を返して欲しけりゃ、最低でも1億用意しろってのと──
───1時間以内に持ってこられなければ、この施設ごと渋谷を吹き飛ばす大量の爆弾を作動させる、ってな』
凪「1億か。1時間とか無茶苦茶だけど玲王なら頑張れば用意出来そうだし、運がいいねアイツら」
玲王「……おい嫌味か?ってそっちじゃねーだろ、爆弾だってよ」
凪「あー……」
おいおい、マイペースにも程があんだろ。
館内放送を受けた凪が、冷や汗を流す俺とは対照的にショーケースの陰に伏せたままぼやっと天井を見つめだす。
凪「……流石に嘘じゃなくて?」
玲王「一発爆発してるしそうとも言いきれないだろ」
凪「てか、アイツらは何してんの」 - 47125/01/04(土) 22:47:02
──アイツらって?
そう聞き返す前に、視界の端でチラチラと黒いものが動く。どうやら、黒い服に身を包んだ構成員が従業員や客を集めてテープか何かで拘束しているようだ。
拘束された人達はエスカレーター前に集められ、順番にエスカレーターに乗せられて下の階に運ばれていく。人質を1箇所に集めるつもりなのか。
しっかり息を殺していた俺たち2人は、図体のデカさの割に最後まで見つかることは無かった。壁際に隠れられたのが功を奏したのかもしれない。
玲王「みんな連れて行かれちまったな……他の階にいるメンバーは大丈夫なのか?」
そうして残された1人の構成員が非常用出口から外に出て、俺たちしかいなくなったフロアは静まり返る。詰めが甘ぇぞ。
凪「んーまあ大丈夫なんじゃない?爆破しても死ななそう」
玲王「はは、流石にアイツらでもそりゃねぇよ。じゃ、行動開始だな」
俺と凪は立ち上がり、周りを警戒しながら売り場に出る。特に難なく階段へと辿り着いた俺たちは、他のメンバーと合流するため2階へと向かった。 - 48125/01/04(土) 22:53:16
~1F潔グループ・蜂楽視点~
用を足し終えてトイレから出た瞬間、上の階からものすごい爆発音がして建物全体が大きく揺れた。
びっくりした俺は、急いで走って潔と千切の元へ向かう。二人も、状況が飲み込めないという顔で辺りを見回していた。
潔「あっ、蜂楽!今なんか上で爆発したっぽいんだけど……無事か!?」
蜂楽「うん、俺なら大丈夫だけど何が起こってんの?」
千切「わっかんねぇけど、只事じゃねぇのは確かだな。他の奴らは上にいんだよな?巻き込まれてねぇといいけど───」
そこまで言って、俺たちの近くに2人黒ずくめの覆面が走ってくる。
その手に持っているのはバットだとか銃だとか、オモチャかもしれないけど物騒なものばかり。それを顔面に向けられて、俺たちはようやく事態の異常さに気がついた。
「こっから離れろ!今から出入口を全て封鎖する。手を上げたまま、ゆっくり中央のエスカレーター前へ進め。抵抗するんじゃねぇぞ、いつだって俺はお前達を殺せる」
千切「っ、マージかよ……」
俺たち3人は、言われた通り両手を上げてエスカレーター前へとゆっくり後ずさる。そうしてすぐに、1つの放送が入った。 - 49125/01/04(土) 22:57:39
『──あーあー、聞こえてるか?コホン。
この施設は、俺たちテロ集団が乗っ取った。出入口は全て封鎖してある。その場に座ってここを動くな。サツのヤロー共が身代金を持ってくるまで、お前らは全員人質だ。変な行動を起こせば……分かってるよな?お前らの行動は監視されている』
蜂楽「ヤバい、大ピーンチ……」
潔「蜂楽、しっ」
「無駄口を叩くなお前ら!撃ち殺されてぇのか!」
覆面のその言葉に、ぐっと口を引き結ぶ。こいつはテロリストの下っ端かー。
1階にあるのは化粧品売り場で、そのためか俺たちと同じく集められた面々は女の人ばっかり。青ざめきった顔色がなんとも悲痛。
しばらく黙って座らされていると、構成員数人が俺たち人質の腕をビニールテープで後ろ手に拘束していく。
その後、何やらヒソヒソと会話をしながらエスカレーターで上の階へと登って行ってしまった。
────よーしこれは、俺たちでやるっきゃないよね♪
蜂楽「ねぇねぇ2人とも」
俺は2人に小声で耳打ちする。 - 50125/01/04(土) 23:02:40
蜂楽「アイツら行っちゃったね」
千切「おう、上行ったな」
蜂楽「今のうちに俺たちで解決しちゃわない?」
潔「はぁ!?どういうことだよ、危ねぇって……!」
そう叫びそうになった潔の口を手のひらで塞ぎ、「しーっ」と念押し。慌てて声量を抑えた潔だけど、その表情は変わらず険しい。
蜂楽「ほら、ここって女の人ばっかだしやっぱりアスリートの俺たちが体張るのが一番良いじゃん?」
潔「それはまぁそうだけど……どうすんだよ?作戦とかあんの?」
蜂楽「それはまだわかんないけど、こういうのちょっとワクワクしない?」
千切「いやわかんねーのに言うなよ。まぁ、ちょっとワクワクすんのは同意」
潔「2人ともさぁ……」
すると再びスピーカーの電源がつき、ジジッとあの特徴的なノイズが流れる。
まずい、作戦会議がバレた!?俺たちはごくりと唾を飲んだ。
『──先程サツのヤロー共にこの百貨店の占拠と諸々の要求を伝えてきた。人質を返して欲しけりゃ、最低でも1億用意しろってのと
───1時間以内に持ってこられなければ、この施設ごと渋谷を吹き飛ばす大量の爆弾を作動させる、ってな』 - 51125/01/04(土) 23:07:32
~4F烏グループ・烏視点~
体の上にこんもりと乗った衣服をばさばさ掻き分けて、ぷはっと顔を出す。反射的に思いっきり吸った空気はなんらかの粉塵で汚れてて、思わず噎せ返った。
烏「──ゲホッ、な、なんやこれ……」
目の前に広がっとるのは、なぎ倒された大量の衣服に商品棚、飛び散るガラス片といったまさに地獄絵図。先ほどまでの平和な昼下がりはなんだったのか、ショッピングに勤しんでいた客から従業員から、人1人見当たらん。まさか────
衝撃に冷や汗を流していると、急に後ろからガッと襟を掴まれ誰かに強い力で売り場の陰へと引き込まれた。
烏「ぐぇっ!?」
乙夜「ちゅーす、起きたな烏」
雪宮「失神してたみたいだけど、大丈夫?」
烏「乙夜、雪宮……気ぃ失っとったんか俺は」
売り場の陰で身を潜めていたのは、一緒に爆発に巻き込まれた乙夜と雪宮やった。ピンピンしとるわ。
とりあえず無事だったらしい2人に俺は失神していた間のことについて訊いてみる。 - 52二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:12:24
まあ乙夜は無事だよね
- 53125/01/04(土) 23:17:29
烏「───なるほどな。この施設は金目当てのテロ組織に占拠されて更なる爆破予告までされて、人っ子1人おらんのは隠れてた俺ら以外縛られてエスカレーターで下に連れてかれた───もっかい聞くけど、ふざけとらんよな?」
俺の困惑混じりの言葉を受け取った乙夜が、ぶんぶんとかぶりを振る。隣の雪宮も深刻な表情を浮かべていた。
乙夜「まさか、ふざけてねーって。俺女の子たちがヤバいオッサン達に連れてかれんの、見てるだけしか出来なくてチョー悔しかったもん」
雪宮「仕方ないよ、あっちは武器持ってたし。いくら俺たちがアスリートでも丸腰でかかるのは危ないからね」
烏「にしても火薬て……お前そんな危ないもんなんで気づかんかったんや」
すると乙夜は、俺の言葉にちっさい口を尖らして言った。
乙夜「いくら忍者の末裔ったって俺本職はサッカー少年だし。収監期間長すぎて鼻にぶってたわー」
雪宮「まぁまぁ、倒れた烏くんが見つからないように服被せてくれたのも乙夜くんだし、そんな責めないで」
烏「まぁ……そうか、スマン。お前よう無傷でいれたな」
「あのぅ……」
突如背後から……いや下から?聞こえてきた声に、俺ら3人が振り返る。
声の主は、大男3人の視線を一気に浴びて驚いたのか、びくりと肩を震わせた。 - 54125/01/04(土) 23:23:10
「な、なにがおこったんですか……?」
そこにいたのは、まだ10歳にも満たないであろう少女。目の前のトイレから出てきたようで、状況が飲み込めないのか瞳に涙をたくさん溜めきょろきょろと忙しなく辺りを見回している。
乙夜「おっと、泣かなくていーぜ」
烏「お嬢ちゃん、他の家族は?」
怖がらせないよう俺ら3人は少女に目線を合わせてしゃがみ、乙夜がその小さな頭を撫でた。ぎゅっとワンピースの裾を握った少女が答える。
「か、家族で、5階のレストランにきたんですけど……5階にトイレがなかったから、トイレに行きたくて私だけ降りてきて……そしたらなんか、大きい音が聞こえて、怖くてトイレにかくれてました」
烏「なるほど、わかったわ。ありがとな」
雪宮「そっか、1人で頑張ったね。偉い偉い」
とりあえずその小さな体を俺たちで壁になるよう陰に隠し、作戦会議を続ける。 - 55125/01/04(土) 23:27:39
烏「たしかこの施設は5階6階がレストランで次が最上階やったよな。爆破されたんはこの階だけか?」
乙夜「多分、この階だけ。爆発音が1箇所からしか鳴ってねーから、この子の家族が巻き込まれたとかはねーと思う」
雪宮「なるほど、じゃあ5階以上の人がどうなってるかも気になるね。たしか他のメンバーは皆俺たちより下の階にいたはずだけど……見に行ってみる?」
乙夜「それがさぁ、エスカレーター付近燃えてんのよね。あと監視されてるっぽいし迂闊に出れねーの」
烏「あぁだから焦げ臭かったんか。………ってそれ、煙上がって上の階の人の命が危ないやろ!?」
「えっ、わ、私の家族は、どうなるんですか……?お父さん、お母さん……っ、ぐすっ……」
傍らで話を聞いていた少女の目にうるうると張った涙の膜が、ついに決壊する。俺ら3人は、ぐっと息を飲んだ。
──こんな幼く小さな体でたった1人で、家族の身を案じながらトイレに隠れ続け、味方かもわからん俺たちに勇気を振り絞って話しかけたその恐怖は、どれほどのモンやったか。俺らの配慮が浅かったな、スマンなお嬢ちゃん── - 56125/01/04(土) 23:32:55
烏「嬢ちゃん、スマンかっ──」
すると、雨ざらしの子犬のように震えるその体にそっと寄り添った雪宮が、長い指で少女の丸い頬を伝う雫を拭う。
雪宮「大丈夫、お父さんお母さん、そして妹さんは俺たちがちゃんと助けるからね。もちろん君も。そうだ、お名前教えて欲しいな」
そう現役モデルのイケメンスマイルで笑いかけられた少女の頬は、ぽっと赤く染まり──
「………………………………ゆいな、です」
烏「……………おいお前、幼気な少女の初恋奪っとる場合とちゃうぞ」
乙夜「ずりーぞユッキー、先越された」
雪宮「やめてよ、そんなんじゃないから……あっ」
耳まで真っ赤にして俯いた少女の背に隠れたとあるものを、雪宮が見つけて指を指す。 - 57125/01/04(土) 23:38:43
雪宮「これ、消化器!しかもボタンとか押さなくて済むやつだ」
そこにあったのは、丸裸のままポンっと置いてあるタイプの消化器。レバー引いたら消火作用のある粉が出るあの一般的なヤツな。
烏「でかしたユッキー!これでエスカレーター付近の火は消せんで。経過時間的にまださほど火の勢いは強ないやろ」
乙夜「でもさ、監視カメラに映ったら危ないんじゃね?俺が行こっか?」
雪宮「ただ、これを使うとそれなりに音が出たりしてバレる可能性は高まるね。このフロアにもう人は残ってないとはいえ」
俺は顎に手を当てて考える。
この状況で、一番優先すべき選択肢は─── - 58125/01/04(土) 23:41:06
(乙夜の言う通り、まず監視カメラが鬼門やな。館内放送の通りなら映ってしまえば俺らだけやなく他の皆の命も危ない)
(ただ乙夜は戦闘能力的にこの女の子から離さんほうがええよな。それに監視カメラはさっきの爆発でみんな壊れてもうとるんとちゃうか?)
(ユッキーの言う通り音でバレる危険性も高まる……ただ近くに階段があるからそっからすぐ別のフロアには逃げられそうや。はよ消火せんと上の階の人が危ない……!)
どうする?
・乙夜に行ってもらう
・自分で行く
・ここから動かない - 59二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:44:29
自分で行く
火はヤバいから消したい - 60二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:46:04
監視カメラはそもそも使えないってのはメタ読みにしても壊れてる可能性に賭けて自分で行くかな
- 61二次元好きの匿名さん25/01/04(土) 23:48:54
自分で行くで
女の子と現状最高戦力を放すのはちょっと怖い - 62二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 00:02:01
自分で行く
- 63二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 00:44:12
女の子の保護を最優先にしよう
烏、頼んだ - 64125/01/05(日) 01:02:57
満場一致のようなので自分で行くで決定
- 65125/01/05(日) 08:17:08
烏「──俺が消しに行く」
雪宮「えっ、俺が行ってもいいんだよ?」
烏「アホ、その子お前にべったりやんけ。今更離れたるなや、悪い男やな」
消化器を持ち上げ、安全栓を抜く。小学生んときに実習で使い方は習った。とりあえず火にぶっぱなしゃええんやろ?
乙夜「おーカッケーじゃん烏。やったれ」
ゆいな「あの、私の家族をおねがいします……!!」
烏「おん、任しとけや。2人とも、消火終わったら合図すっからその子連れて階段まで走れよ、ええな?」
2人が頷き、俺は消化器を持って火元のエスカレーター付近へ走る。
積み重なった衣服がごうごうと燃え、火柱が立ち上っているが幸いまださほど燃え広がってはいない。今のうちに消してまえば上の階にそこまで被害は及ばんはずや。
烏「ほな行くで─────」
燃え盛る炎に向かって、俺は思いっきりレバーを引いた。 - 66125/01/05(日) 08:44:39
~2F蟻生グループ・蟻生目線~
時光「ねぇねぇ蟻生くん、あれって何かな」
特に出来ることも無く階段の近くで息を潜めていた所、何らかを見つけたらしい時光に肩を叩かれる。
指差す先には、展示用のパーテーションに隠れて配線だらけの四角い箱のようなものが置いてあった。
蟻生「もしかして、さっき放送があった別の爆弾なのか?」
時光「うわぁそれっぽいよどうしよう……!!は、離れた方がいいんじゃないかな……」
(時光の言う通り、爆発物の疑いがあるものに迂闊に近づくのは良くない)
(だが何かヒントを得られたりする可能性もある、リスクを取ってみるか……どちらにせよ人が来る前に行動を選択せねば)
どうする?
・放っておく
・確認しに行く - 67二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 08:59:19
見に行くだけなら確認しに行ってもいいんじゃないかな
- 68二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 09:42:56
もしかしたら爆弾の近くに敵がやってくるかもしれんし、今は特に武器持ってる訳じゃないから
放っとこう!
いやまぁハワイでオヤジに爆弾処理を習った御曹司がいるなら別かもだけどさ - 69二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 09:51:04
確認しに行く
- 70二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 09:58:19
階段の近くから見える位置に箱が置いてあるなら凪と玲王が降りてきたとき階段から離れてても蟻生時光コンビとお互いの姿が死角に入る心配はないよな?
触るわけでもなければむしろ爆弾(仮)の近くで合流&視覚情報で即情報共有もアリな気がする
確認に一票 - 71二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 10:04:10
解除するわけじゃないっぽいしむしろ人数が少ない今さっと確認しちゃうのが吉だと思うな
まだ敵が本拠地にするために人払いしてた線も捨てきれないから逆にこのチャンス逃すと危ない気がしてくる - 72125/01/05(日) 10:32:56
多数意見の確認しに行く を採用するぞ
- 73125/01/05(日) 10:42:01
蟻生「少しだけ確認しに行ってみよう。なに、手を触れなければ安全だろう」
時光「えっ!?!?近くに起爆装置があったりしたら危ないよ……!」
時光「いや、その可能性は少ない。うっかり誰かが起爆させるかもしれないからな、テロリスト集団が施設に残っているうちに爆発しかねないブービートラップの線は薄いと"俺"は見た」
その言葉に時光は渋々納得したようだ。
俺たち2人は息を殺し、パーテーションや展示物の間を縫って、監視カメラにその姿が映らぬよう爆弾に近づく。
蟻生「──これは……IED、だったか」
時光「あ、IED?」
蟻生「あぁ、簡単に言えば即席の爆発装置だ」
そこにあったのは、いくつかの四角い爆発物をテープで纏め、受信機を括りつけた手作りの爆弾だ。その拙い出来から見てわかる通り、少しの知識さえあれば爆発物のプロでなくても製作できてしまう代物である。
時光「なんでわかったのかな……」
蟻生「たまたま昔映画で見た知識が頭に残っていただけだ。見た所、遠隔操作型で時限装置などはついていない」
得られた情報は1つだったが、そこから更に答えを導き出すことが出来る。想定していた中では割と最悪のアンサーだ。首筋を冷や汗が伝った。 - 74125/01/05(日) 10:53:31
蟻生「……これは起動装置を所持しているであろう親玉を叩かないと、警察が到着しようが危機に変わりがない。ノットオシャだな」
時光「さ、最悪だぁ……なんなら警察が来たら刺激になっちゃうだろうから……ってことは、俺たちがやるしかなかったりする……?」
蟻生「"俺"たちでなんとか親玉を見つけ出すしかないだろう」
そして俺たち2人は、頭上の柱にある館内案内図を見上げる。
探しているのは、中央管理室の表示だ。放送をかけたり監視映像を確認するためには、そこに常駐する必要がある。ほぼ確実に、親玉はそこに居座っているだろう。
時光「や、やっぱりこういうのは地下だよね……」
蟻生「あぁ、この階段から行ける─────
────待て時光、隠れろ!!」
時光の体を、慌てて柱の陰に押し込む。
180を超えた男2人の体が、ぎゅっとその柱のシルエットに納まった。
「──おい、動くな!今からお前ら人質を全員1階に集める。次抵抗したらコロすぞ!」
「チッ、身代金はまだかよ。3時間もコイツらの監視なんざやりたくねーよ俺」 - 75125/01/05(日) 11:10:51
- 76125/01/05(日) 11:21:31
柱の陰から少し顔を出し、声のするエスカレーターの方を覗いてみる。
ざっと老若男女数十人、上階から連れられたであろう客や従業員が後ろ手にビニールテープで拘束され、覆面の構成員たちに怒鳴られながらエスカレーターを下っていくのが見えた。
酷く憔悴しきった顔の人質達の中には、今にも泣き出してしまいそうに顔を歪めた小さな子供もいる。
なんと悲痛な光景だろうか。ギリッと自分の歯を食いしばる音が、俺の耳に響いた。
時光「あわわ……皆1階に連れていかれちゃった……!!にしても、どうしてわざわざエスカレーターを使ってるんだろう……」
蟻生「各フロアの中央に設置されている上に吹き抜けになっているからな。監視がしやすいのだろう」
時光「そっか、蜂楽くんたちは大丈夫かなぁ……」
そうしてしばらくすると、エスカレーターから人の列が切れた。軽く数えた限りは50人ほどか。全員が1階に運び込まれ終えたのだろう。
そこまで規模が大きくないとはいえ、デパートを訪れている客や従業員の人数と考えると些か少なくはあるが。それよりも─── - 77125/01/05(日) 11:43:53
蟻生「見当たらなかったな」
時光「うん、1階にいる3人はわからないけど他は誰も捕まってなかった……う、うまく隠れられたのかも」
だとしたら不幸中の幸いと言えよう。まずは合流してそれぞれの状況や情報を交換したいところだ。次に俺たちが取るべき行動は1つ。
玲王「お、いたいた。蟻生、時光……!」
時光「うひゃあ!?」
蟻生「っ!無事だったのか」
凪「俺もいまーす」
その時。俺達の背後、階段から降りてきた玲王が手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。
背後には凪もいる。2人とも目立った怪我などはなく、元気で何よりではあるが──
時光「あ、玲王くんそこ監視カメラが……!!」
玲王「ん?──ああ、そのことだけどさ」
──2人はそのまま監視カメラの設置された通路を突っ切る。
思わずはっと息を飲んだ俺たちだったが、心配していたのとは裏腹に、監視しているはずのテロリスト側は何も反応を示さない。 - 78125/01/05(日) 12:05:49
凪「スマホ使えなかったでしょ。あれ、まあわかると思うけど電波妨害。そんで監視カメラも使えてないっぽい」
蟻生「あぁ、なるほど……無線カメラだったと」
時光「なんだぁ、杞憂だったみたいだね……あ、そうそう俺たちの方なんだけど──」
こちらも情報交換のため、そう教えてくれた2人に爆弾を指差して見せる。「他の爆弾を見つけたんだ」と時光が言うと、玲王は驚きにその大きな目をぱちくりと瞬かせる。
玲王「マジか、やべぇな」
蟻生「"俺"たちで近づいて確認してみたが、どうやら遠隔操作型のようだ。相手の親玉が起爆装置を持っていると見て、隠れ場所を予想していた」
玲王「あの放送かけてるヤツが親玉でいいんだよな?」
凪「まあ確証は無いけど可能性も1番高いって感じだよね」 - 79125/01/05(日) 12:55:17
俺と時光は頷き、地下一階の1番奥にある『中央管理室』の表示を指さす。次の目的地は、ここだ。
時光「4階の3人とはまだ合流してないんだね」
玲王「ああ、どっち行くか迷って先こっち来たとこだよ。爆発に巻き込まれて怪我してねーか心配だし、2人も一緒に様子見に行こうぜ」
蟻生「その提案最高に『オシャ』だ。3人を助けに行こう」
玲王に腕を引かれて立ち上がる。膝の汚れを軽く払い、今度こそ俺たちは通路を突っ切って階段を静かに駆け上って行った。 - 80125/01/05(日) 14:05:39
~4F烏グループ・乙夜視点~
プシューッという噴射音を鳴らして噴き出した薬物が、燃え盛る火の勢いを弱めていく。
そして小さくなったその炎が完全に消えると同時に、こちらを振り向いた烏が手を振る。
──階段まで走れ、の合図だ。
乙夜「ナイスー。よしゆいなちゃん、俺たちと手繋いでちょっと走ろっか。いける?」
ゆいな「うん!」
雪宮「っ!待って乙夜くん、烏くんが何かジェスチャーしてる!」
ユッキーの言葉を聞いて、バッと勢いよく烏の方を振り返る。
───え、なに?しゃがめって?
烏は随分と必死な表情で両手を下に向けて下げるジェスチャーを続け、そして横方向に指を指す。そんな感じで何かを訴えたかと思うと自身もエスカレーターの陰に身を潜めてしまった。
と同時に、ツンと嗅ぎ覚えのある匂いが鼻腔を突き刺す。 - 81125/01/05(日) 14:39:46
「──あ?なんだ今の音?まさか誰か隠れてやがんのか?」
乙夜「…………………ヤッべ」
──やーば、覆面隠れてやがったんこの階。火事起こってっしもう誰もいねーだろって早とちりした。
パタン、と何かが閉まる音がして、足音と嫌な匂いがだんだんこっちに近づいてきた。この匂いは間違いなく火薬、つまり実銃持ってやがる。俺が気づけなかったってことは隠れてたってより近くの非常出口外側で見張ってた感じ?ドア閉めるっぽい音したし。
俺たち2人はゆいなちゃんを背に庇い、売り場の陰にしゃがんで必死に息を殺す。
2人の心臓のバクバク高鳴る音が聞こえてきて、ゆいなちゃんがユッキーのコートの裾を強く握りギュッと目を瞑る。その強く閉じられた瞼から、一筋の涙が流れた。
──いや、ここはやっぱ俺がやるしかねーよな。
「そこか?そこに隠れてやがんのか?」
カツン、カツン。
まるでカウントダウンするみてーな乾いた足音が1歩1歩、徐々に近づく。俺らの体躯じゃ前通られたら確実に見つかっちゃいそ。反撃のタイミングは、今。 - 82125/01/05(日) 14:58:09
乙夜「っし2人共、そこに居なね」
俺は売り場の陰から素早く飛び出し──
「なんだおま─────うっ!?!?」
覆面の首の付け根の、さらにちょっと上んトコ。その急所にすかさず俺はトンッ、と手刀を入れる。
こっちに慌てて銃を向けるも為す術なく気絶させられた男が前のめりに倒れてくるのを、デカい音がならねーように片腕で抱きとめた。
乙夜「うわ、男と抱き合うとかサガる」
そして再び売り場の陰に周り、「もう出てきていーぜ」と律儀に隠れたまんまの2人に声をかける。
雪宮「おぉ……!」
ゆいな「そ、その人しんじゃった……?」
乙夜「んーやまっさか。ゆいなちゃんを泣かせたワルい男にちょっとオシオキしてやったら寝ちゃっただーけ、にんにん」
ゆいな「よかったあ」
ほっと胸を撫で下ろすゆいなちゃん、なんてやっさしー子。大きくなったら絶対モテるぜ、俺が保証する。
覆面男の上着のポケットからビニールテープを取り出し、体と口元をぐるぐる巻きにして売り場の陰に押し込む。テキトーじゃねーよ、ちゃんと逃げられないように工夫したから。 - 83二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 15:02:08
さす忍者
- 84125/01/05(日) 17:21:18
雪宮「流石、ナイス忍者だね」
乙夜「まーこんくらい朝飯前っしょ」
すると、急いで駆けてきたであろう烏が、肩で息をしながら売り場の陰に滑り込んできた。
烏「あーホンマ焦ったわ、お前無茶しすぎやろボケ」
乙夜「成功したんだし無茶じゃねーって」
何はともあれ、火事は治まったし危機も脱した。これで3人(と女の子が1人)が再集結。作戦会議も再開だぜ。
あ、ちなみに念の為他にも気絶した覆面男の持ち物を漁ってみたけど、トランシーバーはおろか銃弾の予備すら無かったぜ。コイツら準備悪すぎてマジでテロ舐めすぎって感じ。いやテロ舐めすぎって意味わかんねーけども。
烏「にしても、こっからどうする。とりあえず誰かに連絡してみるか?」
雪宮「誰かって他のメンバー?みんな連絡できる状況じゃないんじゃないかな。直接合流しようよ」
烏「んなもんわかっとる、外部に情報提供できるか試してみるんや」
乙夜「つかさ、さっきのアイツ外の見張りだったっぽい。俺外行って様子見てこよっか?」 - 85125/01/05(日) 17:37:22
俺たちはゆいなちゃんの手を引いて通路へ移動しながら話し合う。
(外部に情報提供……出来りゃもちろんサイコーだけど、こんだけ時間が立ってケーサツも手も足も出ないんなら出来ない理由があんじゃねーかな)
(さっきはあー言ったけど、俺戦えるしゆいなちゃんから離れるのは危ねーかも。烏とユッキーなら大丈夫っしょって言いたいとこだけど、女の子1人庇いながら立ち回るのはムズい)
(となると誰かと合流して情報交換すんのが安牌ってトコ?下行けば確か凪と玲王がいたよな。てかアイツら無事なん?)
どうする?
・外部と連絡を取ってみる
・みんなと合流する
・外に出て様子を見る - 86二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 17:41:10
みんなと合流する
- 87二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 17:41:44
合流
- 88二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 17:41:59
外に出て様子をみる
- 89二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 17:44:26
合流で、やっぱ女の子と離したくないな乙夜は
- 90二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 17:55:37
合流
- 91125/01/05(日) 18:09:20
じゃあ合流で決定
- 92125/01/05(日) 18:20:18
雪宮「やっぱりこっちには小さい子供もいるし、合流を最優先にしたいんだけど」
烏「まぁー……せやな、連絡も確認も後からできるしそうするか」
結局、合流を優先するってことで作戦会議は終了。ま、そもそも無事捕まらずに逃げきれたかすらわからんし賭けなんだけど。まあ捕まったにせよさっさとアイツらならなんとかなるっしょ、そう思いながら通路を走り、階段に駆け込もうとしたとき。
烏「ぐへっ!?」
玲王「うおっ!?───って烏!?お前らも!!」
なんと、曲がり角から出てきた美少女……じゃなくて御影玲王と烏がドーン。
烏と衝突した玲王の後ろには、凪、蟻生、時光も居て想定外の再会って感じ。 - 93125/01/05(日) 18:47:39
乙夜「おーお前らちゅーす。そのカオ見るに超ピンピン丸って感じ?」
蟻生「何を言う、俺は24時間365日オシャだぞ」
時光「と、とりあえず無事で良かったよ……!!」
烏「……チッ、お前ら──そんな急いでどんだけ俺らに会いたかったんや、ええ情報でも持ち帰ってきたんか?」
顔面からぶつかった烏が鼻を擦りながら聞く。その言葉に、他3人と顔を見合せた玲王がニヤリと口角を吊り上げた。
玲王「あぁ、お前らにボス戦のパーティに加わってくれって言いに来たんだよ」
──どうやら決着の時が近づいてきたみたいだぜ。
凪「それよりさ、なんで子連れなの?誘拐?」
そう聞く凪に、「いや、ユッキーの隠し子」って答えたら流石に不謹慎だったみてーで怒られた。誘拐も不謹慎だろ。 - 94125/01/05(日) 19:01:16
~潔グループ・千切視点~
このデパートのみならず渋谷を巻き込んだテロ予告の後、「ワクワクとか言ってる場合じゃねぇ!」と俺たちが驚いている暇もなく上階から集められた人質が合流し、エスカレーター前はギッチギチになった。
そして今度は2人の見張りを残した後、他の構成員達はまたエスカレーターに乗って上の階へと消えていく。
蜂楽「……また行っちゃった」
千切「ああ、よく見えなかったけど……今回は2階で降りたか?」
潔「お前らシーッ……!喋ってたらまたバレるぞ!」
潔に注意され、ハッと息を潜めるも2人の構成員は気づいていないようだ。
そして何やら少しの会話を交わした後、1人は裏側の非常用出口へと歩いて行ってしまう。
──え、どっか行くのか?見張り1人?
しかも残された1人は、なんと俺たち人質に背を向け、暇そうに漫画の単行本か何かを取り出して読み始めてしまった。えーっと……
千切「……いやいや、全体的に舐めすぎツッコミどころ多すぎ。夏休みの課題やってる俺より集中力続かねーじゃん」
潔「だから喋りすぎだって千切……」
蜂楽「小声だしいいじゃん、絶対聞こえてないよアレ。てか1人どこ行ったの?」 - 95二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 19:10:03
テロリストたちデカい建物占拠しといて舐めすぎてて笑う
- 96125/01/05(日) 19:13:57
潔「んー……他の施設とか?大量の爆弾って言ってたし、渋谷まるごと巻き込むんならここ以外にあってもおかしくないんじゃ」
「おいコラそこの坊主!!黙ってないとコロすぞ!!」
急に振り返った構成員が、潔を中心に俺たち3人に向かって怒鳴る。他の人質たちの肩もビクリと揺れ、じとーっとした非難の目線が背中に集まるのを感じる。い、いてぇ。
そして再び構成員は読書に戻った。なんならポケットから有線イヤホンを取り出し、小型の再生機器で音楽まで聴き始めたぞ。くそ、余裕ぶりやがって。
「なんで俺だけ……」とボヤく潔をよそに、俺は視界の端に気になるものを見つけてはっと目を見開いた。
蜂楽と潔を爪先でツンツンとつつき、俺を見た2人に階段の方を顎でさして示す。
千切「あれさ、手振ってんの玲王じゃね!!?」
潔「てか皆いんじゃん、なんでアイツらだけ無事合流できてんの!?」
──安心しろよ、そこそこ感嘆符ついてっけど全部ちゃんと小声だぜ。
まあつまりはそれだけ衝撃的な光景だったってこと。玲王と凪を先頭に、他の階にいたはずのメンバーが後ろに並んで身を隠しながらこっちに手を振ってアピールしてんだからな。 - 97125/01/05(日) 20:07:45
死角になってる見張りは全く気づいてないけど、普通にデカい男子高校生7人があんなとこに集まってちゃ他の人質にもすぐ見つかる。あまりにも目立ってるもんで若干場がざわめき始めた。
とりあえず、再会に喜んだアイツらがはしゃいだせいでバレて死ぬなんてダセェ最期は迎えたくない。
俺たちは人質に振り返って、手は使えないから変わりに思いっきり口を横に引き結んで「シーーーッ」とアピール。加えて、隣に座らされていたご婦人に
「アイツら俺たちの連れっす。もしかしたらなんか解決の手掛かり掴んだかもしれないんで、協力してやって下さい」
と言ってみたりした。ついでに、人質全体に行き渡るよう近くの人に情報伝達を頼んでおく。
そうしてざわめきが収まってきた頃、先頭の玲王が何やら床に向かって両手で指を指す。
何らかのジェスチャーなんだろう──が。
蜂楽「ねぇあれ、ちぎりん意味わかる?」
千切「………………………地獄に堕ちろ?」
潔「そんなわけないだろ」 - 98125/01/05(日) 20:20:53
何のことだかさっぱり分からん。俺たちは初っ端から捕まっててろくに情報も持ってねーんだよ。玲王に向かって、ぶんぶんと首を横に振った。
すると、烏に背中を押された乙夜が売り場の間を縫って、姿勢を低くしながら素早くこっちに駆け寄ってきた。ちなみに忍者らしく足音はゼロ。有事のときにこんな頼もしい属性持ってる奴なかなかいねーよ。
乙夜「ちゅーす。大変そうじゃん」
潔「まあそりゃな……で、さっきのなに?」
乙夜が口元に手を当て、ひそひそと耳打ち。
乙夜「単刀直入に言うとラスボスの居場所がわかった。地下にいるっぽいから今から叩きにいこうとしてたとこ。あと──」 - 99125/01/05(日) 20:31:27
それから俺たちは、他の3階層にいたヤツらが集めた情報全てを教えて貰った。ざっとこんな感じ。
・監視カメラは機能してない
・館内の電子機器は妨害されて基本使えない
・構成員は確実に寄せ集めの素人。銃が扱えるとは思えない
・2階に遠隔操作型の爆弾アリ。そしてその2階では今テロ集団の下っ端が会議中
・4階のエスカレーター付近が燃えて使えなかったことから5・6階に構成員はいないと予想
・以上から、地下を除く館内には5人かそれより少し多いくらいしか構成員がいない - 100125/01/05(日) 20:42:53
乙夜「警察は来てんだか来てないんだかわかんねー。まあ爆弾ある以上来てても下手に手出せねぇだろうけど」
状況が理解出来てるんだかよく分からない呑気なままの乙夜が、「にんにん」とポーズを取る。当たり前だけど人質みんな困惑してるぜ。
千切「ま、情報提供は助かるわ。とりまアイツらはボスぶっ潰しに降りるって意味だったんだな」
蜂楽「なーんだ、5人くらいならなんとか倒せそうじゃん?」
潔「いやいやあくまで地下除いてだし5人『くらい』だろ?そういや乙夜はどうすんの?一緒に地下行くのか?」
乙夜「んー、正直7人一気にカチ込むのも厳しいしお前らの選択次第ってトコ?まあとりあえず解放はしに来たぜ」
なるほど、俺らの決断によっちゃこっちに協力してくれる気でいんのか。正直戦力不足のこの状況に乙夜の参戦は助かる。
じゃあ、俺たちが1番最初に取るべき選択は──── - 101125/01/05(日) 20:44:02
(マジで5人ならぶっ倒せんじゃね?でも爆弾ある階に殴り込みに行くのはこえーしな、人質を巻き込みかねねぇ。これはナシ)
(じゃあ見張り1人なんとか倒して外の警察に助け求めに行く?いやいや、突入準備してるだろうとこに出てったら間違って撃たれちまうかもしれないだろ!)
(あ……なるほど、警察の突入を前提に考えると人質を解放すんのが先かもな。人質盾にされちゃ、突入しても制圧できないし。ただこの人数を気づかれねーように解放すんのは至難の業だな)
どうする?
・外に出る
・人質を助ける - 102二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 20:49:33
人質を助けるかな、1人で外出たら逃げたって思われそうだし
- 103二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 20:52:12
このあと爆弾が爆発する展開になったとき人質がいっぱい残ってたら集団パニック不可避でだと思うんだよね 先に逃がしておいて不安要素の排除をしておきたい
- 104二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 20:54:15
人質を逃す
弱々テロリストとはいえ下手に人いると危ない - 105二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:02:24
同じく人質の解放で
- 106二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:09:24
外に出るのは危なそうだし人質助ける
- 107125/01/05(日) 21:14:48
じゃあ人質助けるよ
- 108125/01/05(日) 21:19:53
千切「うっし、じゃあまずここにいる人達の拘束解いてやろうぜ。ただアイツをどう対処するかだな」
乙夜「…………アイツやっぱ見張りなん?」
潔「まぁ……そういう反応になるよな」
俺が視線を向けた先、ショーケースの上で胡座をかきながら未だ漫画鑑賞をやめない構成員を見て、乙夜が困惑ぎみに言う。だってなんなら音楽聴きながら若干縦ノリし始めてんだけど。緊張感なさすぎにも程があんだろ。
乙夜「とりあえずさ、まず試しにお前の拘束解くねお嬢。もしバレたら走って外出て、撃たれる覚悟で」
千切「お、おう。なかなか無茶言うじゃねーかお前も」
そして乙夜が、俺の手首を固めているビニールテープを少しずつ剥がしていく。
なかなかキツく何枚も重ねられている上に、ペリ、ペリ……と小さいながらもしっかりと音が鳴ってしまう。クッソ、バレんじゃねーぞ……。
固唾を飲んでその様子を見守り、ようやく俺の両手が解放される。乙夜には悪いんだけど、ハラハラして背中汗びっしょりだぜ。
そして俺、潔、蜂楽、乙夜は顔を見合わせて頷いた。自由に動ける俺と乙夜が足音を潜めて見張りの背にそっと忍び寄り、俺は後ろを向いて人質に今度こそ「シーーーッ」のジェスチャーをしておく。 - 109125/01/05(日) 21:30:50
「─────………………っ!?むぐっ───」
千切「やれ乙夜!」
乙夜「らじゃ、っと」
俺が背後から思いっきり見張りの口と鼻を全力で押え、すかさず乙夜がギュッと力強く頸動脈を抑える。
作成は大成功。叫ぶ間もなく気を失った見張りの腕がだらんと力を失って横に垂れた。
潔「やった!」
蜂楽「ナイスじゃんお二人さん!」
そして俺は近くの売り場からラッピング用のカッターナイフを数本拝借し、まず潔と蜂楽のビニールテープを切る。そして2人にもカッターナイフを渡し、他の人質の解放を手伝うよう指示した。
スムーズに50人近くの拘束を解いていき、「ありがとう」と口々にお礼が伝えられる。
「もしかしたら見回り来るかもしれないんで、まだ動かないで捕まったフリしてて」と制止し、ふぅっと額の汗を拭う。
──よし、一先ずミッションクリア。あとはこれからどうするか、だな。
俺は再び階段に目をむける。アイツらはいつの間にか最終決戦に向かったようで、そこにはもう誰も居なかった。 - 110125/01/05(日) 21:39:20
~B1F最終戦・凪視点~
烏を先頭に据え、俺と玲王と時光がその後を追うようにして薄暗い通路を駆けていく。この通路の突き当たりにあるデカい部屋が、目的地の中央管理室だ。
ユッキーは女の子を守るために1階の階段部分に隠れて待機してもらって、あと蟻生も最初は着いてこようとしてたけど引き返した。
理由は簡単、めっちゃ天井低いんだよねこの通路。2mと数センチくらいしかなさそうな通路に所々設置された蛍光灯のせいで、俺の頭がギリッギリぶつからないくらいのスペースしかない。俺より1センチでもデカかったら蛍光灯に頭ぶつけながら走ることになりそう。
まぁユッキー1人じゃ何かあった時女の子を庇うのも大変だろうし、いい人数配分なんじゃない?
烏「あァ!?おい、なんかシャッター閉められてて進めんぞボケ!!」
通路の突き当たりまで進んだ烏が声を上げる。
持ち上げようとしたが、どうやら鍵まで掛けられていて持ち上がらないようだ。
「ん?おい、何の音だ?」
「誰かそこにいるのか!!」 - 111125/01/05(日) 21:49:41
シャッターの向こう側からそんな声が聞こえる。マズい、これ絶対テロリストだよね?焦って持ち上げようとしたのは失敗だったぽい。
玲王「やっべ、どうする……!?」
(んー、騙して開けさせるとか?テロリストたちは寄せ集め集団らしいし、一々構成員の声とか覚えてないだろうし)
(ただ如何に準備不足のアホテロリスト集団だとはいえ、さすがにこんなんで騙されてくれるとも思えない。合言葉とかあったら詰みだし)
(ならぶち破るとか?ちょうどいいところにピッタリの人材がいるじゃんね)
どうする?
・騙せないか試す
・凪「行け時光」 - 112二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:50:56
ポケモンじゃないんだから!
- 113二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:53:35
行け時光!?
まあ行ってもらうか… - 114二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:54:07
スレ民「行け時光」
- 115二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:55:11
まぁこんなアホどもなら制圧できるだろうし…
時光GO - 116二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:55:52
巧妙なスレ民への責任転嫁
まあ行け時光 - 117二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 21:59:45
ポケモンで草、行ったれ時光!
- 118125/01/05(日) 22:03:53
10分で結論出て草
結論でいいんよな?時光召喚するで - 119二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:05:35
行け!時光、10万ボルト!
- 120二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:06:46
時光ならやれるって信じてるで
- 121125/01/05(日) 22:07:34
凪「ぶち破ってよ時光、得意でしょこういうの」
時光「得意でしょって!?!?!?」
玲王「おぉ、その手があったな!」
シャッターの向こう側からは、「おい、なんか怪しくないか?」と訝しむ声が聞こえる。ヤバい、時間が無い。
「ムリムリムリムリ」とぶんぶん首を横に振る時光の背に、烏が手を添え───
烏「オラ行けや筋肉戦車ァ!!!!」
時光「ひぃいい────!!!!!」
思いっきりシャッターに向かって突き飛ばす。そして顔面からダイブしそうになった時光が、咄嗟に身をかがめて腕を体の前に突き出し─── - 122125/01/05(日) 22:13:07
────バァァン!!!!!
「何だぁ!?ぐへっ」「ぎゃふ!?」
時光の全力タックルを受けたシャッターが、ひしゃげて根元から折れる。
そのまま向こう側に倒れたシャッターの下敷きになったテロリスト2人が呻き声を上げるが、俺たちはトドメとばかりにその上を踏んづけて走った。
凪「おお、筋肉戦車」
玲王「やるじゃねーか時光ぅ!!」
時光「よ、良かったぁ……──じゃなくて!!人をシャッターに向かって突き飛ばすなんて常人の思考じゃないよぉ!?」
烏「はは、褒め言葉やボケ。んじゃこのまま直進行くで!!」
目標の中央管理室は目前に迫っている。残り30m、20m、10m───────。 - 123125/01/05(日) 22:20:10
~1F最終戦・雪宮視点~
地下へと駆け下りて行った4人を見送って、ゆいなちゃんと壁の隅で待機。
万が一のことがあったら、ゆいなちゃんのことは俺が守らなければならない。ギュッと身が引き締まる思いだ。
「気をつけてください!」と手を振って見送ったゆいなちゃんが、ギュッと目を瞑って祈るように顔の前で両手を組んでいるのを見て、その健気さに胸を打たれる。
目線を合わせるように屈んで、精一杯元気づけられるように笑顔を作った。表情管理はモデルの必須スキルだからね、任せて欲しい。
雪宮「大丈夫、お兄さん達がすぐに解決してくれるからね」
ゆいな「……はい……!」
ゆいなちゃんは真剣な顔で頷く。
一応5階・6階の人達に危険はないだろうということはゆいなちゃんにも伝えたけど、それでもこんな小さいのに家族と離れて1人で修羅場に巻き込まれちゃってるんだよね。絶対に、無事に御家族のもとに帰してあげなきゃ。
──そう、決心した時。 - 124125/01/05(日) 22:28:27
「おいお前、何してやがる!!」
「隠れてやり過ごしてやがったのか!?」
雪宮「やっば……!!」
階段から構成員が2人、こちらに向かって駆け下りてくる。
やばい、ちょっと騒がしかった!?それとも時間かけすぎた!?
片方の手には金属のバットが握られていて、それに気づいたゆいなちゃんが漂う暴力の香りにギュッと身を竦ませた。
「チッ、面倒なことになる前に寝ててもらうぜ───!!」
バットを振り上げた構成員が、階段上からジャンプして俺に飛びかかる。
このままじゃ、俺はともかくゆいなちゃんが巻き込まれてしまう。早くどうにかしないと、決断の時間はもう残されてない──!! - 125125/01/05(日) 22:29:03
(や、ヤバい。俺は鍛えてるから素人に殴りかかられたくらいじゃ大した怪我もしないと思うけど……)
(あんまり刺激的なもの見せるのも良くないけど、防いでも危機に変わりないよね。ゆいなちゃんに見ないよう言って反撃しちゃおうか?)
どうする?
・防ぐ
・反撃! - 126二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:30:33
凪「行けユッキー」
- 127二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:31:41
攻撃は最大の防御
- 128二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:34:56
男を見せろ雪宮、反撃だ
- 129二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:35:30
防いでも2撃目来るだけだろうしなぁ 反撃で
それはそれとしてオシャはどこへ…?まだ引き返し中でユッキーの元まで戻ってきてないのかな - 130二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:35:36
行け!ユッキー、でんこうせっか!
- 131125/01/05(日) 22:38:46
じゃあ「行けユッキー」ってことで反撃に決めるで
- 132二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 22:40:10
ネームドキャラが死ぬことはないらしいので安心して行け◯◯!ができる
- 133125/01/05(日) 22:44:01
雪宮「ゆいなちゃん、目瞑ってて──!!」
ゆいな「えっ!!?」
そして俺は1歩踏み込み、バットに当たらないよう頭を下げてからの──
──上段蹴り。
「ごふぅっ!?!?」
飛びかかってきた構成員の鳩尾にモロに入り、バットを取り落として転がり落ちる。一応184センチだからね、リーチで圧勝。
「てめ、なにす─────ぐへぇっ!!」
雪宮「それはこっちのセリフ!!」
隣にいたもう1人は掴んで床に押し付け、腕を捻りあげた。コキッ、という音と共に動かなくなる。関節外しちゃったかな?
ゆいな「──すごいすごい、お兄さん映画のヒーローみたい!!」
雪宮「おっと、目瞑っててって言ったのに……怪我してない?」
ゆいな「うん、ありがとう。
────あっ、お兄さんうしろ!!!」
雪宮「えっ──────」 - 134125/01/05(日) 22:49:49
「……よくもやってくれやがったな───!」
振り向くと、最初に蹴り倒した構成員が立ち上がって、ゆいなちゃんの前に立つ俺に再びバットで殴りかかろうとしていた。
──くそ、入りが甘かった。
その様子が、やけにスローモーションで見える。ヤバい、今度こそ避けられない──!
蟻生「───"俺"、オシャに参上」
いつの間にか現れた蟻生くんが、そのバットを片手で押さえつける。
不意を打たれた構成員が、ふらりとバランスを崩すのが見えた。
「な、なんだお前!!」
蟻生「か弱い少女を狙うとはノットオシャだぞ。───ふん!!」
「でっ!!!?」
そのまま蟻生くんがバットを構成員の頭に叩きつけると、今度こそ意識を失って床に沈んだ。 - 135125/01/05(日) 22:54:20
ゆいな「わあわあ、倒しちゃった……!」
雪宮「助かった、ありがとう!それよりなんでここに?」
蟻生「残念ながら地下は"俺"のオシャボディには少々天井が低くてな。引き返してきたんだが間に合ってよかった」
なるほど、そういうことか。どちらにせよ、来てくれなかったら脳天に喰らってたからホントにナイスタイミングだよ。
ただ───
雪宮「そっか、ただ下が戦力不足にならないといいんだけど───」
「──お、やあやあお二人さん。そこは俺に任せちゃって?」
そこに聞こえた、やけに聞き覚えのある第三者の声。
同時に振り向いた俺と蟻生くんが目にしたのは───
蟻生「蜂楽!?」
雪宮「蜂楽くん!?」
──なぜか小脇にサッカーボールを抱えた、蜂楽くん本人だった。 - 136125/01/05(日) 22:59:58
~1F最終戦・潔視点~
潔「──よし、そろそろ移動し終えるな。俺たちはどうする?」
人質を全員解放し終えた後、どこか警察が突入した場合でも安全な所……ということで、併設されたカフェにこっそり人質50人弱を移動させることにした。
カフェも外に繋がる出入口は封鎖してシャッターが降ろされていたけれど、とりあえず身を守るためなので大丈夫。さすがに狭いけど、我慢して頂こう。
人質の皆さんがしっかり協力してくれたおかげだ。というかなんなら俺たちの活躍をテレビで見た人もいて、正体に気づいた数人にお声掛け頂いたり───ってのは余談だ。
たが、そんな油断がピンチを呼ぶ。あと1組、小さい赤ちゃんを連れた御家族を移動させたら任務完了───と言うところで。
「う、うえぇぇぇぇぇえええん──!!!!」
なんと、抱かれていた赤ちゃんが空腹か眠気か、大声を上げて泣き始めてしまった。
「あっ、ちょっとどうしよう────!!!」
潔「大丈夫です、隠れて!」
オロオロと慌てだすご両親を宥め、無理やりカフェに押し込んで扉をしっかりと閉める。一応、鍵もかけておくよう注意して。 - 137125/01/05(日) 23:04:04
「おいおい、ガキの面倒くらい────
──なんだこのザマは!!どこ行きやがった!?」
千切「やーべ、バレちまったな」
乙夜「ま、こうなるかー」
そうして泣き声を聞きつけゾロゾロと構成員達がエスカレーターから降りてくる。全員で5、6、7───
潔「───全然5人じゃなかった!!」
8人。俺らの倍の数。まあいくらなんでも5人は少ないからそりゃそうだよな!
そして隠れる暇も無かった俺たちは、アッサリと見つかってしまった。
「テメェらがやりやがったのか!?くそ──
──手加減しねぇぞ!!覚悟しやがれ!!」 - 138125/01/05(日) 23:11:24
蜂楽「こっちのセリフだし。ほらいくよ皆♪」
乙夜「忍者の末裔、舐めてもらっちゃ困るぜ」
千切「ほら潔、ボーっとしてねぇでやるぞ!」
潔「いやいや俺、喧嘩とかしたことないんだってば!!」
俺たちと降りて来た8人の構成員が、一斉に走り出す。俺はちょっと出遅れたけど。
何はともあれ、戦いの火蓋が切って落とされた。
千切「遅い遅い!ブルーロックの韋駄天舐めんなよ───うらぁ!!」
乙夜「忍法、普通に腹パンの術」
蜂楽「あっはは何それ、忍者カンケーないじゃん!──ほいっ!」
潔「おい蜂楽、商品武器にしちゃダメでしょうが!!───うわっと!?」
殴る蹴る、商品の香水を蹴り上げてぶつける──などなど、様々な方法で他三人は構成員をばったばったと倒していく。
いや、喧嘩慣れしすぎだろ!!コイツらって普通の高校生じゃないの!?ちょっと収監前の話だとかが気になる所だ。 - 139二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 23:13:09
普通に腹パンの術すき
- 140二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 23:15:25
こういう場面で喧嘩慣れしてないコートの外では普通のDKな潔さん好きだよ
というか潔以外の渋谷組が喧嘩に慣れすぎているだけなんやが 相手がテロリストとはいえ"""暴"""への躊躇がほぼ無いの草なんだ - 141125/01/05(日) 23:16:41
俺はというと、なんとかサッカーで鍛えた反射神経で殴りかかってくる奴らを避けるばかり。
バットだの拳だのじゃなくて銃を使われちゃ流石に俺じゃ避けられないと思うんだけど、マジでズブの素人なんだな。何が動機でこんなことやってんの?
千切「バカ潔!!1人そっち行ったぞ!!」
「よそ見してんじゃねぇぞクソガキ────!!!」
潔「まじかよ───!?」
走り込んできた構成員が1人、こちらに向かって拳を振り上げている。
避けてばっかじゃ始まらねぇ!俺の武器、俺の武器……よし、フットボーラーなら脚力だ。一か八か、うなれ俺の右脚───!!
潔「──おりゃっ」
「がふぅっ!!!」
千切「バカお前、それは死ぬって!!!」 - 142125/01/05(日) 23:22:11
目を瞑ってしまったからかそれとも喧嘩慣れしてないからか、思いっきり振り回した右脚がテロリストの側頭部にヒット。
フットボーラーの脚力で思い切り蹴られた体は大きく横に吹っ飛ばされてショーケースに突っ込み、頭にデカイ衝撃を受けたテロリストはそのまま気を失った。
潔「や、やややばぁ!!!?」
蜂楽「あっはは、潔1キル♪」
乙夜「いいじゃん潔ぃ、アガるアガる」
駆け寄ってきた3人に気づいて周りを見てみると、8人いたテロリストはみんなショーケースに突き刺さったり床に沈んだりして気を失ってた。俺の側頭部ダイレクトシュートよりよっぽど怖いだろ。
千切「おいお前さぁ、ヒーローインタビュー受けてすぐ今度は犯罪者としてニュースに映るワケ?欲張りだなー」
潔「わざとじゃないんだってマジで、つかお前らの方がやばいだろ!?」
乙夜「褒めんな照れるー。にしてもこっからどうするよ」
すると、蜂楽が勢いよく手を挙げた。 - 143125/01/05(日) 23:26:33
蜂楽「はいはーい、俺ボス戦参加してくる!武器みっけたし」
そう言った蜂楽の手に乗っていたのはなんと、サッカーボール。
千切「いやお前、どこにあったんだよそんなの。つか武器になんの?」
蜂楽「んーなんかそこに飾ってあった!サインボールみたいだけど、緊急事態だしちょっと借りるくらいいいっしょ?」
乙夜「まー俺たちサッカー少年だからな、サッカーボールありゃ元気百倍。つか誰のサイン?」
蜂楽はこんなときでもいつも通りだな。ほんっと、なんか尊敬するよ。
じゃあ、俺はそんな相棒になんて言葉をかけるべきだろう? - 144125/01/05(日) 23:29:02
(あっはは、蜂楽らしいっつーかなんつーか。まあ真面目に考えるとして、そろそろ警察も呼べるだろうしもうここに4人も必要ないか?)
(念の為テロリストは縛り上げておこう。じゃ、言うことは決まりだよな)
どうする?
・潔「行ってこい、蜂楽」
・潔「いやいや危ねーってここにいろ!」 - 145二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 23:32:55
こんなんほぼ一択じゃないですか!行ってこい蜂楽!
- 146二次元好きの匿名さん25/01/05(日) 23:36:52
前日譚を見ても喧嘩は強い
任せたぞ蜂楽 - 147二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 00:18:51
そうだ行け!アイアンテール!
- 148二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 03:53:59
- 149二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 06:29:40
行っちゃえ!!
- 150二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 06:34:08
- 151125/01/06(月) 07:52:54
- 152二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 08:48:16
行け!蜂楽、アイアンテール!
- 153125/01/06(月) 13:34:45
潔「行ってこい、蜂楽。気をつけろよ!」
蜂楽「あいあいさー!潔も、2キルしないようにね♪」
潔「だからキルしてねーよ」
俺は、いつもみたいにそそっかしい相棒の背中を押すことに決めた。
そしてパタパタと階段に向かって走り出す蜂楽の背中を、そのまま見送る。
──パチパチ、と拍手の音。
聞こえた方を振り向くと、カフェのガラス扉越しに人質だった皆さんが俺たちの健闘を称えてくれているのがみえた。
まあ健闘したのは他3人であって俺はたまたま一発入れたくらいだけど、な、なんか恥ずかしいな…… - 154125/01/06(月) 14:19:13
潔「あはは……」
千切「おい手振り返してる暇ねーぞ。コイツらテープでぐるぐる巻きにしてやろうぜ」
潔「おう、わかった」
まあ蜂楽のことならあんま心配ないだろ。
俺は気絶したテロリスト達を拘束するため、その上着からビニールテープを取り出した。
潔「……マジで俺やっちゃってないよね?」
乙夜「脳震盪待ったナシだけど一応生きてるっぽいぜー。一命取り留めたなぁ、二重の意味で」
千切「あっはははは!!」 - 155125/01/06(月) 18:15:32
~B1F最終戦・烏視点~
中央管理室のドアを、乱暴に突き飛ばすようにして開ける。
待っていたとばかりに椅子に座ったままこちらを向いている、主犯格と思われる男。そいつは大量のモニターを背に、薄暗い部屋の中央で腕を組んでいた。
その手には、スイッチ部分がむき出しの何かのリモコンが握られている。多分、爆弾の起爆装置や。
烏「おい、無駄な抵抗はやめて投降せぇ!」
玲王「こっちには現役のアスリートが4人揃ってるぜ!」
「ハッ──」
だが男は不敵に笑う。
傍らから拳銃を取り出し安全装置を外すと、銃口を上に向けて思い切り引き金を引いた。
────バァン!!! - 156125/01/06(月) 19:19:40
俺らは、驚きに口を開ける。
音にやない、銃口の先──天井に、確かに銃弾が作った穴が空いとったからや。
「驚いたか?部下共は大半が銃なんて使えやしねぇから火薬だけ詰めたオモチャを持たせているが───俺のは本物だぜ」
更に、男は何かを乱暴に俺らの前に蹴り転がす。
「お前らこそ無駄なことは辞めるんだな。コイツを撃ち殺しても、爆弾をさっさと起爆してやってもいい」
──クッソ、ここでまた人質や。
常駐の管理人さんなのか、初老の男性が拘束されて床に転がされている。既に痛めつけられた後のようで、意識がない。
時光「あわわわわ…………」
玲王「やべぇ、こりゃどうにもできねぇぞ……!!」 - 157125/01/06(月) 19:39:52
銃口がこちらに向けられ、俺ら4人は為す術なく両手を上げる。そのまま「座れ」と言ってきた男の指示通り、ゆっくりと地面に膝を着いた。
烏「クソッ…………」
俺らだけならどうにでもなろうが、人質をとられてしまえば抵抗はできない。クッソ、ここに来て詰みや───!!
「──頭下げろよおバカストライカーズ!」
そんな声と何かを蹴る音が後ろから聞こえた次の瞬間、男の顔面に何か丸いものが猛スピードで直撃し──
「─────ぐへぇっ!?」
そのまま、大きく後ろに仰け反って気絶した。 - 158125/01/06(月) 20:00:39
玲王「蜂楽!?」
蜂楽「にゃはは、大将討ち取ったりぃ!」
なんと、俺らのピンチを救ったのは1階から駆けつけてきた蜂楽やった。
ポンポン、と蜂楽が俺らの頭上から蹴り飛ばした何かが地面に跳ねる。
烏「サッカーボール!?お前こんなんどこから持ってきたんや!!」
時光「待って皆、そんな場合じゃないよあれ見て!!!」
時光が指さした先、気絶した男の右手に握られてるスイッチむき出しの起爆装置が──
玲王「───ヤバイ、落ちる!!」
蜂楽「え、俺なんかした?」
今にも男の手から滑り落ちようとしている。しかも、むき出しのスイッチ部分を下にして。ヤバイ、このままだと作動してもうて渋谷丸ごと爆発しかねんで!?
烏「───アカン、間に合わ────!!」 - 159125/01/06(月) 20:14:06
凪「よっと」
烏「……………お前、ホンマええとこだけ持ってくな」
凪「え?何の話?」
咄嗟に飛び出した凪が、足の甲で滑り落ちた起爆装置をキャッチ。いや、トラップ?
俺、玲王、時光が「はぁ……」と崩れ落ちるように床に膝を着いた。力が抜けたからやで。
どちらにせよ、最後の手柄はコイツがかっさらってく形で事件は終幕を迎えた。
蜂楽「ちょっと凪っち、それ何~?」
玲王「バカ蜂楽迂闊に触るんじゃねぇ!ったくヒヤヒヤさせやがって……あ、このアンテナみたいなやついっぱい付いてんのが妨害装置か?解除するぞ」
時光「うん、じゃあ俺みんなに連絡するね?あっちは大丈夫かなぁ……なんて送ろう、今そっち行くよとかでいい?」
俺は額の汗を拭いながら答える。
烏「アホ、俺が送ったるから貸せや───」 - 160125/01/06(月) 20:29:37
~デパート外・警察視点~
緊迫した、立てこもり現場のデパート前。
テロリストの犯行声明から、約50分が経過した。タイムリミットまで、残された時間は多くない。
シャッターが下ろされていて中の様子が窺えないのが怖かったが、そろそろ突入を決める時か。そう思ったとき──
ウィイイン─────
「…………へ?」
なんと、シャッターが自動で上がって行ったのだ。
えっ、このタイミングで投降?いや罠か?
どちらにしろもう時間は残されていない。同じく困惑している部下たちへ指示を下す。
「と、突撃─────!!!」
俺の合図を受け、隊列を組んでいた部下達が一気に走り出す。
そのまま入口のガラスを割って、盾を構え突撃するが──── - 161125/01/06(月) 20:45:44
「───すみません、これはどういう状況でしょうか……」
──なんと最初に目に入ったのは、通路のど真ん中にビニールテープで縛られて伸びている黒ずくめの集団。それ以外に人質っぽい姿は、そこにはない。
………こいつら、絶対犯人側だよな?
というか、商品は散乱しガラスは割れて飛び散り……といったフロアの様子がそもそもおかしい。
誰か抵抗したのか?
えっ?じゃあ縛られてるテロリスト側が負けたってことになるのか?一体誰が……
俺ももう、部下達にこう答えるしか無かった。
「………………………………わからん」 - 162125/01/06(月) 20:54:28
~渋谷地下街・潔視点~
蜂楽「いやぁ大変だったねぇ」
潔「まあ発端お前だけどな……
──にしても、あのまんま抜け出しちゃって良かったのか?」
あの後、テロリストの拘束を終えた俺たち。そうしてすぐ、急に電波が復活したスマホに時光からの連絡が届いた。
『出口見つけたから地下に来い。人質への口止めは忘れずにな』
──うん、時光の文じゃない。たぶん打ったのは烏?
まあツッコミどころはそこじゃない。この状況を放置して帰るのも気が引けたけど、あんまり変な方向で有名になると今後に響くから……かな? - 163125/01/06(月) 21:08:27
烏にも考えがあるだろうしと、階段脇に隠れていた雪宮、蟻生と合流して女の子をカフェに移動させた皆さんに預け、「すみません、お忍びなんで俺たちの正体については秘密でお願いします」とだけ言い残して地下に向かった。
とりあえず起爆装置を安全な所に置いて気絶していた管理人さんの拘束を解き、主犯格は逆に縛って通路に転がしておいた。
そして地下街に繋がる連絡通路を抜け、俺たちは今その地下街から渋谷駅へ向かっているところなのだ。
烏「アホお前、あそこで警察だのなんだのに捕まったら1日潰されてまうやんけ」
千切「そうだぞー、地元遠い同士で集まれる機会なんてなかなかねーからな。遊びてぇじゃん?」
雪宮「そこは嘘でもブルーロックを巻き込まないためって言わないと」
時光「それって結局雪宮くんも嘘ってことじゃ……あぁ、な、なんでもない!!」 - 164125/01/06(月) 21:17:21
潔「はは、あんなことあったのに元気すぎだろ……」
凪「いや、俺は帰りたい。疲れた」
蟻生「何を言う、ここまで来たならば最後まで付き合うのがオシャな礼儀だろう」
乙夜「俺キャーキャー言われそびれたんだけど。もっと居てもよかったじゃん、ちぇー」
玲王「いやあの状況じゃナンパとか成功しねぇからな?さっさと遊んで忘れちまおうぜ!」
今頃警察の皆さんは俺たちがめっちゃくちゃにした現場の処理に追われてるんだろうなと思うと、このまま遊びに行っちゃうのはちょっと申し訳なく思う。
というか、逆に俺たちなんかの罪に問われて探されたりしない?大丈夫?まあそこは客や従業員の皆さんの口裏合わせに期待しておこう。
指紋だとか取られたら普通にバレちゃいそうだけど、警察の上の方の人達が俺たちの特殊な身の上を考慮してくれることを願って。 - 165125/01/06(月) 21:28:48
千切「つーかあのデパートさぁ、地下はボロボロのくせに遠隔操作できる自動シャッターだったり無線監視カメラだったり、変なとこ金かかってるよな」
玲王「ありゃ見栄え目的の改装入れたんだろ。中身が伴ってなきゃ意味ねぇけどな」
雪宮「玲王くんは厳しいね」
烏「ハッ、電波妨害装置だ銃だって金だけ掛けて手下の統率は取れんかったアホテロリストの悪口はやめたれや」
蜂楽「やっぱお金より人望だよね~」
蟻生「真のオシャは細部にこそ宿る……」
ちなみにこれは後日知ることになるんだけど、あのテロリストたちの動機は「成功者が恨めしい。百貨店で高い買い物してる奴らを巻き込んでやりたかった」だってさ。
だとしたらなんというか、先日U-20戦で見事勝利した俺たちにテロを阻止されたのはきっとすごい皮肉なんだろうな───ってのはちょっと自惚れすぎか。 - 166125/01/06(月) 21:55:18
どちらにしろ、1番の仕返しは俺たちがテレビに引っ張りだこになるくらいすごいサッカー選手になることだったりすんのかな?
蜂楽「潔ー、なにボーっとしてんの!置いてくよー!」
千切「次の電車乗るっつったろ、乗り遅れても知らねーからな!」
気づくと結構距離の離れてしまった俺に向かって、蜂楽がぶんぶんと手を振っていた。
潔「ごめんごめん、今行く!!」
そうして人知れず渋谷の危機を救った10人の男子高校生は、渋谷駅の人混みへと姿を消したのだった。 - 167二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:04:49
これにて一件落着…かな?
- 168二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:05:57
乙!!
皆めちゃくちゃかっこよかったし面白かった - 169125/01/06(月) 22:07:04
───後日、潔家の食卓にて。
伊世「あらよっちゃんこれ見て、昨日の渋谷テロ事件のニュースだって。よっちゃん達巻き込まれなくてよかったわねぇ」
潔「う、うん……」
いや巻き込まれたというかガッツリ当事者ですとは言えないけど……。
テレビに映るニュース映像には、昨日行ったあのデパートの事件後の姿が映っている。
インタビューを受けている人達にも、なんだか見覚えがあった。千切の隣にいた御婦人、小学生くらいの女の子とその御家族──
──あっ、次映ったこの2人って赤ちゃん連れてた御夫婦じゃん。
『──はい、助けてくれた男の子達が居たんですけど……テロリストの頭に回し蹴りいれたりとか、すごく頼もしかったです!!』
潔「ブフ─────ッ!!」
一生「どうしたんだ世一!?」
俺は、思いっきり麦茶を吹き出した。 - 170125/01/06(月) 22:07:32
~END~
- 171二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:08:25
乙ー!!
スレ主楽しいスレをありがとー!!! - 172125/01/06(月) 22:09:18
正規ルート突っ走ってゴールです、おめでとう
渋谷の安全は守られましたとさ
隠しキャラとルート解説を書いて締めようかな - 173二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:11:40
主乙
楽しかった!
おまけも楽しみにしてます - 174125/01/06(月) 22:19:26
1つ目
→移動する、が正解。移動しないと爆弾の情報が手に入らない
2つ目
→言った通り特にルートに影響なし、順番が前後するだけ。先に4階行ってたら無愛想高身長の凪が女の子をビビらせてあたふたする描写を入れるつもりだったってくらい
3つ目
→自分で行く、が正解。動かないは論外として乙夜に行かせていた場合、烏・雪宮で接敵することになりどちらかの負傷は避けられなかった
4つ目
→確認しに行く、が正解。1つ目同様爆弾の情報入手に関わっていた。ここ2つの選択肢間違えると爆弾の情報無しでボス戦だったかもしれないと考えると2人にデカイ責任負わせたなって思う。まあ階段から降りてきたメンバーが見つけたかもしれないけど - 175125/01/06(月) 22:20:43
5つ目
→これはどれ選んでもいいけど実は大きく描写が変わる。合流が1番無難かつハプニングなしかな
外部と連絡をとってみるを選んだ場合→警察に繋がらなかった烏が氷織に鬼LINEして、電波妨害解除後に「頭おかしなってもうた?」って電話かかってきてたよ。隠しキャラその1
外に出て様子を見るを選んだ場合→非常階段で接敵。乙夜が倒して最終戦のテロリスト8人が1人減ってたけど狭くて危ないからまあ選ばなくても全然よかった、どうせ倒せるし
6つ目
→人質を助ける、が一応正規ルートだけど外に出るを選択した場合裏口から出て千切が1人で接敵、からのなんとたまたま居合わせた馬狼を巻き込み戦闘とかいう原作ガン無視ルートに突入してた。隠しキャラその2 - 176125/01/06(月) 22:21:13
7つ目
→凪「行け時光」で正解。まあ騙そうとしても結局失敗して強行突破しなきゃいけなくなるのでどっちみち時光は使われる。かわいそう
8つ目
→反撃!が正解。防いでもオシャが間に合って倒すことは出来たと思うけど、防御した雪宮の腕に痣が……
9つ目
→潔「行ってこい、蜂楽」が一応正解。まあ前描写から蜂楽は1人でオシャとユッキーの前に登場してたしどっち選んでも結局突撃してたからルートに影響なかった、つまりただの相棒感を演出したかったスレ主のエゴでした。付き合ってくれてありがとうスレ民。それに蜂楽が止めて言うこと聞くとは思えない - 177125/01/06(月) 22:24:26
- 178二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:35:58
スレ主おつ!
隠しキャラひおりんと馬狼だったのか - 179二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:42:15
乙です!
今回もめっちゃ面白かったし、リアルタイムで読めて楽しかった!
次回作も楽しみに待ってます!! - 180二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 22:55:37
スレ主はテロ経験がないようで安心したよ
- 181125/01/06(月) 22:56:08
- 182二次元好きの匿名さん25/01/06(月) 23:45:24
おつおつ~楽しかったありがとう
スレ主はバトルが好きなんだね