- 1アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 03:43:25
エラーの可能性も含めてテンプレは>>2へ
- 2アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 03:44:09
このスレは【ここだけダンジョンがある世界の掲示板】の設定スレや本スレ、イベントスレなどを一人だと心細いのでみんなで実況するスレです
取り敢えず1スレ目からそれぞれ実況しつつ適当に感想を言ったり言わなかったりやらかしたら禊に実況したり雑談したりします。
あくまでも実況だし別カテなので、過度な裏スレ化はしないよう、本スレイベスレにも書き込んだり、形になった相談は脳内に適宜移行してねっ
※禊実況ってなんぞ
なにか失敗したときにいつまでも引きずるくらいならなにか実況して禊にしようぜ!というものです
ダイス振って本スレ一つ、もしくはイベントかダンジョン攻略を一本が主流
本スレにリンク無いので見てない人もいることを忘れずに
イベントの本格的な話し合いや告知なんかは設定スレにいかないと見られない人が出るってことです
前スレここだけダンジョンがある世界の色々をみんなで実況 第101層|あにまん掲示板テンプレは>>2へbbs.animanch.com - 3アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 03:49:50
3つ
- 4アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 03:50:00
4つ
- 5アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 03:50:11
5つ!
- 6ジェディちゃん25/01/07(火) 03:51:13
保守援助ー
- 7魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 03:58:41
ほす
スレ立てお疲れ様です - 8アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 04:02:14
- 9アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 04:02:41
9の…ここのつって響きが好き
- 10アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 04:02:56
10!お休みなさいませ!
- 11魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 04:07:52
保守ついでにイメソンを投げてもいいだろうか
「幼さ」「和風」「祭り」「成長」「模倣」「魔法使い」
といった要素を持つ人に刺さるのではと思い、誰かに刺されと一度投げたものですが
アノマスさんに他薦してもよろしいでしょうか
私が好きなだけ(ダブルミーニング)
- 12二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 08:30:52
前スレのあらすじ
急げっ 乗り遅れるな 彼方の魔族さんSSリクエストラッシュだ - 13騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 08:41:21
魔族さんの書いてくれたやつの雰囲気好き…
そしてSSに挑んだ人の俺君好き - 14◆kTvl07K2zU25/01/07(火) 08:41:41
立て乙です
ふと思いついた決め台詞選手権
獣狼突嬢の決め台詞
「ゾリウスと引き剥がされたからって一人前以下と思ったか?」
「俺ァ上級二桁ランカーパーティーの一員だぞ、一人で百人力に決まってらぁ!」
二人が合流したときの台詞
「俺とゾリウス、それぞれ100人力だ」
「二人合わせて何人力かわかるかしら?いいえ不正解」
「俺たちゃテイマーと」「使い魔」
「「二人合わせて万人力だ(よ)!」」 - 15二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 08:49:03
誰でしたっけ獣狼突嬢
- 16魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 09:06:12
グローリアスティーパーティーのラプンツェル担当こと
髪長王子こと跳梁伐鉾ことヴァルフォロメイくんの決めゼリフ
【狼人時】
「おいおい、オオカミの鼻と脚から逃げられると本気で思ってたのかよ」
「この槍からはもっと逃げられねぇぞ…――はっ、これ見りゃあバカでもわかるか?」
【人狼時】
「キレたぜ」 - 17◆kTvl07K2zU25/01/07(火) 09:11:42
- 18二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 09:21:20
はえーそうでしたかありがとう
- 19ズタボロの青鬼さん◆PETEOB6gKw25/01/07(火) 10:03:15
ふっふっふ…寝落ちして立候補に乗り遅れたぜ…
【発車された書く駅列車を見送る者】 - 20二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 10:31:42
- 21ズタボロの青鬼さん◆PETEOB6gKw25/01/07(火) 10:35:43
- 22No.14◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 10:54:36
- 23アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 11:18:22
- 24彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 13:23:22
スレ立てお疲れ様ですわ〜!
受付了解しましたわ〜! - 25彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 13:37:16
>905
────バギッッッッ!!!!と木々が捻じ曲がる音に咄嗟に飛び退く。
高威力の水魔法。この階層では恐らく北の湖に潜む妖精の仕業だろう。無限牢獄の下層ともなると、高威力の遠距離攻撃手段を持つモンスターも珍しくはなくなってくる。
此方の四肢を引き裂こうとするトレントの枝樹を剣を振るって寸断しながら足元の魔石を洞に蹴り入れれば僅かに動きが止まり、その隙に肉薄して斬撃し討伐している。
「通常種が四体、幻惑種が二体、長老個体が一体。随分と豪華なお出迎えだな」
一体だけではない。幻惑作用を有する花粉を使う変種に、通常個体の六倍近い体躯を誇る長老個体が枝を剥き出して一人の冒険者を殺そうと怒り狂う。
再度の水魔法の狙撃。射線上に通常個体が来る位置取りで動いている。一匹死んだ。
妖精への報復か眼前の冒険者への攻撃かでトレントが迷った隙に飛び込んでいる。通常個体と組まれると面倒な幻惑種を一匹両断し、もう一匹の幻惑種に掌を向けた。
「“魔砲・弍式”」
放たれた魔力砲撃が幻惑種を消し飛ばす。無詠唱でありながら、其れは魔力を装甲として纏い高い魔法耐性を有していた幻惑種のトレントを容易に滅ぼす威力を秘めている。
冒険者は不敵に笑った。
「─────蘇生薬を、俺に寄越せ!」
- 26彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 13:53:20
「───それで、今回はどのような品を持って来たのかね?」
ミスター・「顔見知り」の前で、冒険者は項垂れていた。彼は確かにトレントを大群を突破し、宝箱の中に詰まっていた無数の蘇生薬を手に入れたが、彼の望む品では違った。
「蘇生薬だ……………問題は、死んでから三日以内でなければ効果を発揮しない点だな」
「ふむ、君が蘇生薬を求めるのはいつもの事だが、今回は私ではなくギルドショップで売却しても良いのではないかね?」
「ギルドショップでこんな代物を売れば“何故?”と疑問に思われるだろうからな……………聞かれるのは、恥だ。だからアンタに頼みたい」
「あぁ、"戦友"を甦らせる───だったかな?
確かにギルドの者に教えるには少々アレな話題かもしれないな。良いだろう、その"顔"も含めてこの値段でどうだ?」
冒険者の望みを知る紳士は驚きもせずに値段を提示して、冒険者もまた其れに頷いた。
こういった"ガッカリする品物"を得てしまった時、冒険者は決まって彼に持ち込む。
「あぁ………………いつになったら俺はお前を取り戻せるんだ………………」
冒険者は嘆息してから、天を仰いだ。
過去の黄金時代-ゴールデン・エイジ-は今でも鮮明に思い出せる。当たり前だと思って蔑ろにしていた過去の自分をぶん殴りたいが、時は戻らない。
「髪よ………………」
その冒険者はハゲだった。
- 27二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 14:13:59
ああ…………という声が漏れちゃった
切実ではあるんだがお求め先が蘇生薬で本当にいいんだろうか - 28アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 14:15:23
ゴールデン・エイジ…黄金時代…
今は陽の光によって別の意味で輝いていらっしゃる… - 29二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 14:22:15
死んだ毛根細胞の再生と思えばまあ……
- 30彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 14:44:47
>910
「ふっ─────明けぬ夜はないと言うが、しかし暮れぬ昼もない。今宵、善良な一般市民は想像を絶する恐怖を得るだろう」
街全体を見渡せる鐘堂の上に立ち、夏だと言うのに厚手の黒コートに身を包んだ熱中症への道を爆走しつつある怪人は首を傾げた。
"暮れぬ昼はない"と言ったのだから夜じゃなくて昼に実行した方が良かったか?でも昼を今宵みたいにカッコよく表現する単語が分からなかったから仕方ない本当に仕方ない。
ドンドンドンバキッ!と階段を踏み鳴らす音が耳に届く。最後の音はダンボールにすり替えておいた床を踏み落として下に転落する音だろう。コレで怪人も帰れなくなったが、大した事ではない。
「ふっふっふっ……………楽しみだな。泣き叫ぶ音を聞くのが!でも叫ばれると私も鼓膜がとても痛いから泣くだけが良いなぁ」
「お前の好きにはさせねぇぞ!」
高さ666mの不吉な鐘堂から落ちたというのに瞬く間に復活してそのまま外壁をロッククライミングの要領で登り上げた冒険者に怪人は目を剥いた。
最初から階段使わずに其れで良かったんじゃないのか!?!?!?
「貴様─────ッ!護衛銃の調理師!何処までも私の邪魔をしやがりおってぇ……………ッ!!!!前回の“子供達を音楽に熱中させて教育から遠ざける事で大人になった時に騙され易いようにして滅ぼす作戦”も貴様の語呂合わせサンバで壊滅させられたなァ……………ッッ!!!!!」
「いやそれは知らない!別の人とまちがえていると思うぜ!」
護闘剣の騎士だ。
- 31彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 14:50:39
“死滅した毛根を蘇生する…………ッ!”という悲壮な決意を抱いた冒険者ですわね、
ミスター・「顔見知り」さんがガッカリした顔とかにも価値を付けてくれる買取人の部分を書きたかった【懺悔】
彼方の魔族で応募しても宜しいでしょうかしら〜!
設定はコチラの140からですわ〜!
ここだけダンジョンがある世界の掲示板 脳内設定スレ90|あにまん掲示板ここは、「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」から派生したスレです。ルールは特になし、設定など固めすぎず好きにロールプレイして遊ぼうぜ!という趣のスレですが、やはり個々人で「自分のキャラ」の設定など…bbs.animanch.com - 32彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 15:17:15
しかし動揺を直ぐに抑え、怪人は片手をビシッと上に伸ばし片足を直角に曲げながら足裏をもう片方の脚の太腿にくっつけ曲げた脚の太腿にもう片方の手を置いた。
6のポーズである。
「だが今回の私の計画は完璧だ───ッ!貴様にも教えてやろう、この大怪人六百六十六面相の華麗にして凄惨なる計画!“666計画”の真髄をなァッ!!!」
「どんだけ6好きなんだよッ!」
「大大大大大大好きだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
吼えながら怪人───否、大怪人六百六十六面相。以降"甲"と記述する事とする。は鐘堂から見渡せる街にとても悪そうな笑みを向けた。
「闇のオークションで手に入れた呪物によって完成を果たした私の完璧な666計画は、貴様等冒険者が善良な一般市民には手を出さない事を利用した計画だァ……………!
狂気を伝染させて、暴徒と化した市民は次々と側にいた者達を殺戮する!家族!恋人!友人!同僚!仮に狂気を解けたとしても、果たして自らの手で人を殺した罪業に耐えられるか!?
フッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!冒険者ァ!正義の味方であるからこそ、貴様には何も出来ないのだァ────ッ!!!!!」
「そんな悪行、ぜったいにさせねぇぞ!」
「私を漫画に出てくるなわざわざ自分の計画の弱点を教える馬鹿なヴィランと一緒にされては困るな!既に計画は始まっている!私がこのポーズを取るのを許した時点で貴様の負けだ!」
甲は6のポーズを取りながら高笑いして、眼下の街から響いてくるであろう悲鳴を期待して目を瞑ったが何も聴こえない。
甲は愕然とした。
「馬鹿な………まさか私が闇のネットオークションで購入した呪物に不備があったというのか!?早急に運営にクレームを入れなくては!!!!」
「その前にお前を牢屋に送ってやるよ!オラァーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!」
「グワァーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!」
悪・即・斬!正義は勝つ!
- 33祀り香◆UwIgwzgB6.25/01/07(火) 15:25:35
立て乙です!!!毛根に蘇生薬……なんだか生えた毛が動き出しそうな気もする…
そして呪物に不備があったばかりに捕まった大怪人六百六十六面相……このあと彼?はクレームを入れられたのだろうか…?
ギャグのテンポが小気味良くて面白いですね…!!!
では私も……祀り香で応募します!!!
設定はこちらです!!!
https://bbs.animanch.com/board/3978444/?res=41
ありがとうございます!!!
- 34護闘剣の騎士25/01/07(火) 17:03:48
- 35『碁盤の上』◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 17:10:43
ふむ、何用かな
討伐依頼の直後に集団で話しかけてくるとは奇天烈なものだが、私のファンであるなら快く応対しよう
先程の闘いぶりに魅了されてしまったのかな?
【依頼からの帰路、真黒のローブを被った十数人がこちらを包囲し、魔族に向けて機銃を構える】
【確実性はないものの、殲魔教団の一派であることは分かる】
「魅了?ククッ、馬鹿言ってんじゃねーよ、まァただのご挨拶ってところだな」
【下卑た嘲笑うような声で魔族を取り囲む殲魔の尖兵たち、片手に持つ機銃は全て等しくこちらに銃口を向けている】
【しかし、魔族はこの程度のことに気圧されない】
貴君がこの集団の頭、という認識でよろしいかな?
「だったらどうする、泣いて詫びるか?おい」
いいや、ただ挨拶されただけでそのようなことをするはずがないだろう
ただ……統率者が変われば集団の質が落ちるものだと思ってね、それとも殲魔教団の《カリ派》は、『アンダーボス』の支柱一つ抜け落ちれば、即座に瓦解する脆い集団だったと言えるのか
「ッ!知ってやがったかテメェ、加えて下手に出てりゃ喋り腐りやがって……仇討なんかと勘違いするなよ?元々テメーら魔族は最優先殺戮対象だっての、この状況見て分かんねぇのか?」
ほう、それは行幸だな
この大陸にいるファドラ魔族は私だけだ、私を殺すことができれば貴君らの“魔族狩りごっこ”も終わるだろう
【興味深そうにカリ派の集団とその頭目を観察している、以前に接敵した『アンダーボス』とは天地の差ほど見劣りするが、彼らなりに頑張ってはいるのだろう】
【だがしかし、その態度が尖兵たちを激昂させた】
「俺たちの崇高な目的を“ごっこ遊び”だと……!?ざけんなクソが!卑しい魔族がデケェ口叩いてんじゃねぇぞ!」
あ、いやすまないな、てっきりその鉛玉の雨一つや二つで戦時国の魔族を滅せられると考えていると思ってはいなくてな
では改めて忠告しておこう、私はその鈍い鉄で倒れることはない、敵討ちは“相手が悪かった”と思って身を引いてくれ
【申し訳なさそうに頭を下げながらも、殲魔たちが持つ機銃を指して忠告する、この鉄屑を使う方法では魔族滅殺の目論見に遠く及ばない】
- 36『碁盤の上』◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 17:11:57
「クソ魔族が……俺らをコケにしやがって……!だがそうやって油断してやがれ、テメェの首を土産にアジトへ戻りゃ、次期『アンダーボス』の座は俺のもんだ!」
ふむ、それでどうやって私の首を奪るつもりだ?
「こうして俺らに囲まれてる時点で、テメェは既に「詰んでる」んだよ!死に晒せオラァ!」
【頭目の男の一声を皮切りに、機銃の発砲音が雪崩のように炸裂する】
【撃ち込まれた銃弾は三百と数十、地に刻まれた弾痕と硝煙の臭いは尖兵たちに勝利の高揚感を与える興奮剤となり……】
【既に倒れゆく己の意識すらも見失うこととなった】
「ゴホッ……て、テメェ……なんで、生きて……」
【ただ鳩尾に一撃、重い拳を受けて頭目は忌々しく恨み言を吐きながら気絶する】
フゥ……だから言っただろう、その程度では私を殺すことなどできないと
それに貴君らは勘違いしているようだが
盤上に上がれる駒は『凡そ同価値の駒』のみだ
ゲームすら始まっていないのに、“詰み”と論ずるのは早過ぎるのではないか?
【推測から得た銃弾のコースを読み、発砲と同時に全てを躱し切って、尖兵を背後から気絶させた】
さて……余計な仕事が増えてしまったな
ギルドか衛兵殿から殲魔捕縛の報酬も貰えればいいのだが
【魔族は彼方遠くを見つめている、その眼が捉えているのは遥か先の未来であるのだ】
- 37彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 17:13:47
>979
「むっ、此処は……………」
“汲土のニヴィ”は目と耳を疑った。周囲一帯が砂に包まれた枯れた砂漠のど真ん中である。忽然と、気付かない内に誰かが現れるなど有り得ない。
────ましてや、“千刃の嶺リュガテール”の前に現れるなど自殺行為だ。
ニヴィは生贄として捧げられていた。若い男の肉を切り裂くのを、リュガテールが好んでいた。
『────貴様、何者だ?いや、それよりも随分と鍛え上げられた身体をしている…………』
「あぁ、ありがとう!両手剣を使う上で筋肉は必要だからな………!」
全身の竜鱗が、逆鱗となった竜である。鋭い竜鱗は一つ一つが名剣魔剣の域に達する斬れ味を誇る。今までニヴィの住んでいるオアシスの村は何度も彼を撃退しようとしたが、ただの一度として成功する事はなかった。
────ニヴィよりも突然現れた両手剣使いの方に興味を惹かれて、リュガテールは"詠唱"をした。
『【移ろう砂。閃裂暴風。テュルクの鱗片に───奔れ!】』
全身の逆鱗が無数の剣群となって殺到する。近距離の尽くを封殺する多重にして一つ一つが必殺の子機が螺旋に空に裂きながら翔んで、
「フッ、ハァッ!」
砂漠から現れた無数の鋭い砂岩の槍が竜鱗を失ったリュガテールの全身を貫き、鮮血が砂を濡らすよりも疾く雷光のように飛び込んだ両手剣使いがリュガテールを両断した。
- 38彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 17:30:42
「────貴方は村の大恩人です!アイツには俺の九人の兄も殺されちまって…………是非ともウチに来て下さいよ!宴会しましょう、宴会!」
「うぅむ、行きたいのは山々なんだがな…………」
「あぁ、無理は言いませんよ!きっと、もっと強いモンスターを倒しに行く途中だったんでしょう?何にもないこんな砂漠に来るなんてそれくらいしか考えられませんからね!」
両手剣使いは八つ裂きにされたリュガテールの素材を引き摺りながら、悩ましげに腕を組んだ。
ニヴィにとっては牛の何倍もありそうなドラゴンを片手で引き摺っているのは全く想像すら出来ない力だったが、リュガテールの刃鱗に腹を貫通されながらもピンピンしている時点で常識では計れない強さだと諦めている。
「実は近所の八百屋へのお使いの途中で、妹に白菜の買い出しをお願いされていたんだが…………ここでは流石に買えないか?」
「なんて????」
凡そニヴィの考え得る限り最強の迷子だろう。そもそもこの砂漠は外まで辿り着くのに徒歩では一週間以上必要な辺境だ。何で八百屋に行く途中の迷子で来れるのか。
ニヴィの困惑も気にせず、マイペースに両手剣使いは続けた。
「どうにも今夜は鍋らしくてな!それで具材の調達をお願いされていたんだ!」
「あ、あぁ………でしたらコチラの砂蠍の干物とかどうですか?」
ありがとう、と朗らかに両手剣使いが砂蠍の干物を受け取る。その様子にニヴィは"こんな良い人が変な冗談とか言う訳がないよな…………"と困惑を深めた頃に、一陣の風が砂を巻き上げニヴィと両手剣使いを遮断した。
砂煙が晴れる。リュガテールの素材は残っているが、両手剣使いと手渡した砂蠍の干物は見渡せる砂漠の何処にも存在しなくなっていた。
「まさか────"なった"のかッ!?!?今、この瞬間に、“迷子”にッッッッッ!!!!!!!」
- 39彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 17:36:36
- 40彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 18:03:28
>996
────怨みは人を鬼にする
────長く使われた道具は付喪神となる
────ならば、長く笑われた道具が怨みを抱いたなら?
「ココダナ………野良パンジャンドラムが出没する場所は…………!」
ソワスレラ、『エンニーニョ地方』である。
如何にソワスレラの南方であろうと冬の寒さは大陸中央部よりもずっと厳しい。そんな中で薄着の少女が問題なく活動できているのは、一重にその異能のお陰であった。
生命の形を模倣する異能ならばアザラシやペンギンの器官を模倣する事で寒冷地にも適応可能である。冬の寒さも問題にならない。
近頃の『エンニーニョ地方』では夜中にパンジャンドラムが街道を闊歩して近隣住民を恐慌させる事件が多発していた。
人々はいつ爆発するとも知れぬ車輪の音に息を潜めながら、嵐を過ぎ去るのを待つばかり。
故に彼女が派遣された。常人では正気を失うだろう規格外にして想定外の異常存在、野生のパンジャンドラムにも臆さない冒険者である彼女が。
『パーンジャンパンジャンパンジャン………………愚か者がやってきたドラムなぁ。たっぷりと燃料を与えたパンジャンドラムを破壊しているのはお前だドラムな?』
「おう、そうダ!街の皆んなの安眠を奪うのは看過できない行為だゼ………………!」
『フン…………………奴らは我々パンジャンドラムを“碌に使えない兵器”、“設計だけで終わるべきだった作品”、“鉄とエンジンの無駄遣い”などと嘲り笑う賎しい迫害者だドラム!』
丘の向こうから姿を現した無数のパンジャンドラムが一つに複合した巨大パンジャンドラムは、怒りを露わにしながら吼えた。
モンスター区分は、“怨霊”種。怒りと憎悪に狂ったパンジャンドラムはギガギガギガと鋼を組み替える音を鳴らした。
『だから見返してやるんだドラム………………パンジャンドラムよ、世界に冠たれ!』
無数の車輪を最大限に運用すべく設置面積を最大限増設したその姿は、パンジャンドラムというよりも鋼の蛇であった。ファドラ大陸に渡った元ランカーパーティーへの著しい風評被害では?
- 41『真実を点く人形』◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 18:20:06
少年少女たち、知っているかい?この世には“世の全てを決定づける球蹴り遊び”があることを
「え〜っ!そんなのウソだよ〜!」
「せんせー!またぼーけんしゃさんが変なこと言ってる〜!」
ふふ……私はウソをつかないよ
【祀り香は依頼で孤児院へ手伝いに来ていた、子どもと遊ぶだけでそれなりの額を貰えるなら、孤児院の仕事も悪くない……と思っていたが、案外子どもと話すのは難しい】
『すみません祀り香さん、この子たち素直なんですが素直過ぎるところがありまして……』
ふふふ……そう謝らずとも、子どもは素直な方が良い子に育つからね
「ねーねー!ぼーけんしゃのおねーちゃん、おはなしよりおえかきしようよー!」
ふふ……良いとも、私はね、とある大芸術家にそこそこ良い絵を描くと評されたことがあるのさ
「またへんなウソついてるー!」
【はしゃぐ幼子に連れられてトテトテと遊び場に向かう祀り香、郊外の孤児院でゆったりとした時間を過ごす……はずだった】
「うわーん!せんせー助けて!」
「こわいよー!痛いことしないでー!」
『グヘヘ!良いところに孤児院があるじゃねぇか、街中は衛兵の目があって派手に暴れられなかった分、ここで目一杯略奪してやるぜ!』
【盗賊による襲撃で数人の子供が捕えられ、職員たちは手出しの出来ない状況となっていた】
「ぼーけんしゃのおねーちゃーん!ぼくたちをたすけてー!」
『冒険者だと?ならお前大人しくしてろよ?じゃないとこのガキの喉をナイフでスパッとやっちまうぞ?』
「うわーん!ぼーけんしゃさんたすけてー!」
【祀り香は内にある怒りを鎮めつつ、子どもたちを助けるために最善手を尽くそうとする】
おや……これは、困ったものだ……貴殿は何か、金目のものが目当て、なのかい?
『おぉ?テメェ持ってんのかぁ?ならさっさと出せよ、それでならこのガキども離してやってもいいぜ?』
ほう……なら私の友人の故郷の土産物をあげよう、ああただの土産物とは思わないでおくれ?
これはね、カンミ村で採れた稀少な飴なんだ、一口放れば頰もとろける、セントラリアでも手に入りづらい絶品の飴……売れば100万Gはくだらない
『なっ、100万だと!?おいおい、本当か〜?だったらその飴を早くよこしな!』
【ごそごそと懐から飴を取り出そうとする、だがその最中に祀り香はふと口を開けてとある話を始め出す】
- 42『真実を点く人形』◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 18:23:43
ああ貴殿、“飴というものは捨ててはいけない”という話は聞いたことがあるかい?
『おぉ?どうした急に、まさか譲らないって気じゃあないだろうなぁ?』
「おねーちゃん!こんなときにまたウソの話をするのはやめてよ〜!」
【子どもからの「ウソ」という言葉にニヤニヤしながら山賊は祀り香の様子を伺う、少しでも不審な動きをしたら子どもの喉を掻っ切るつもりだ】
【山賊の様子に沸々と怒りが湧き上がるが、そこはこらえてマイペースに話を続ける祀り香、相手が嘘と思い込んでいるのなら、それはそれで好都合だ】
まあまあ、落ち着いて聞いてくれたまえ
何故、飴を捨ててはいけないかというとね、この世では飴には神が宿るとされている場所があるからだよ
飴を捨てるは神を捨てるのも同義、つまりは不運になってしまうということなのだよ
こんなことわざを聞いたことはあるかい?
“不運は罪人の元へやってくる”、これはその飴の話が転じて生まれたことわざなのさ、飴を捨てる、つまり食べ物を捨てる粗末な人間、粗末な人間はその生き方もお粗末、即ち罪を犯しやすいということ
食べ物を粗末にすることは不運の始まり、食べ物を粗末にするような生き方では、後々に罪人になるような悲しい末路を『あーっ!うるせぇ!』
【祀り香の話は盗賊の怒声によって遮られた】
『ごちゃごちゃとワケの分からん話を……飴を捨てたからなんだって?不運?罪人?』
『ギャハハハ!現に盗賊やってる俺が捕まってねぇんだから、そんな迷信あるわけないだろ?そんなくだらねー話を聞けば大人しくなると思ったか?』
『飴はもういらねぇ!そこどけよこの人形が!』
うっ……
【祀り香は盗賊に突き飛ばされて倒れる、取り出そうと思っていた丸い飴はバラバラと溢れて地面に落ちた】
『オラオラ!早く金があるところに案内しな!早くしねーとガキの喉にナイフをぶっ刺すぞ!』
【我が物顔で孤児院を支配しようとする盗賊、ドンドンと床を踏み締める足も強くなった、だからこそ足元が疎かになった】
『早く金をン……!?』
【盗賊は転がっていた丸い飴を踏んで滑り、体のバランスを崩して倒れ込む】
【それを狙っていたと言わんばかりに祀り香は盗賊の手から離れた子どもを抱えて奪い、そのままもう片方の腕で盗賊の関節を絞めて制圧した】
それで貴殿、飴の味は如何だったかな?
『ぐ、ぐぐぅ〜!ま、まいった!』
- 43『真実を点く人形』◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 18:24:57
【それからしばらくして、祀り香によって拘束された盗賊は衛兵の手で連行され、孤児院の子どもたちは全員が無事という状態で依頼を終えられた】
「ぼーけんしゃのおねーちゃんすごーい!あめのおはなしがほんとになっちゃった!」
「盗賊のやつが本当に不運になるなんて!ぼーけんしゃさんはウソつきじゃなかったんだね!」
ふふ、そうだとも
私は貴殿らにも負けない素直な者さ、私の口はこの世にある真実しか吐かない……とびきりの正直者だからね
【別れの間際、祀り香は孤児院の子どもたちともう一度語らっていた】
【盗賊の襲撃があったというのにこんなに元気になって、と楽しそうにはしゃぐ子どもたちを見て、祀り香は心より安心して、話の続きを行った】
さて、少年少女たちよ
貴殿らはこんな話を聞いたことはないかい?
“この世には、言葉全てに力を与える女神がいる”と
「なぁにそれ?」
「しらなーい!」
ふふ─────良き極光のあらんことを
- 44騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 18:29:15
設定あげてーって言われても…自キャラを自分で説明するとなると薄くなるのは何なんだ…
- 45魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 18:29:48
めっっっっちゃいい曲なんですよ
個人的な解釈だと"どっちも"です
極めて、極めて極端な例えをすると、"幻想"が神様とかだとしたら人間魔術師全員"童"になっちゃいますからね
そして上級魔術師とかが比較対象に出てくるなら、それらから学ぶ人もいるわけです
私の解釈ではですが。
学(まね)び、成長して継いでいく人の営みの繰り返しというか、
真似て学んで試して造って、造ったそれを真似る誰かがいればそれは前者になるものなのだと思います
いずれ幻想を生んでいく、とあるように。
ただ、そういった輪の中にいることが感じられる人だなぁという感覚なんですよね…
あと、花咲くように笑ってほしいと思っている願望
それとまぁアノマスさんは立派にファンタジー(まぼろしのくに)の住人なのでね…?魔物(怪異)を討伐する魔法(怪異)使いは
>>前970
当のジュディちゃんに「まあ呪いって危ないもんだから」された牛乳女ですからね…
>>前994
いいよ
【さむずあっぷ】
お互い信頼はしてるし大切にしてるけど
対等な相棒でありたい魔刀剣士と、"主人のモノ"でありたい神剣とで微妙にすれ違ってる関係だよ
>>前996
やったぜ
A連打はメタ視点の意味(作者側の意図)ですけどね!セリフそのものは全然好き好きしてるやーつ
- 46彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 18:34:02
猛烈な勢いで蛇の形になったパンジャンドラムが火を吐きながら薄着の少女に迫り、しかし少女は焦りも困惑もせずに異能を行使した。
(パンジャンドラムは多数の固形燃料ロケットモーターを一斉に噴射させることによって車輪を回転させて走行する陸上機雷─────それナラ!)
「タコ────からのミイデラゴミムシ!」
シュルルルルル!!!!と一気に延長した腕の先に形成された器官がパンジャンドラムのモーター近くに触れて、その機能を起動した。
生命は時として脅威的な能力を発揮する事がある。例えば、過酸化水素とヒドロキノンの反応によって生成した、主として水蒸気とベンゾキノンから成る100℃以上の気体を爆発的に噴射する─────だとか。
“誘爆”が発生する。積み込まれた無数の爆薬は想定されていた通り、自爆を引き起こした。
其の爆破半径からも逃れている。チーターは100mを4秒よりも疾く駆け抜ける生命であり、その形を模倣すれば戦場から離脱するのに不足はない。
破綻した設計の妥当な末路として崩れゆく巨大パンジャンドラムは、しかしまだ終わらない。
彼は“怨霊”である。物質的に破壊されようとも、火に灼かれた鋼を束ねて甦る事ができる。
ただ、怒りと憎悪の為に。
『まだ─────まだだッ!!!!!このまま笑われるままで終われるものかァッ!!!!!!!』
「いいや、」
醜く歪んだ鋼鉄の巨人となって再び立ち上がろうとする野良パンジャンドラムと目と目を合わせて向き合い、少女はその言葉を否定した。
「アンタは凄い敵ダ!」
『………………あぁ、その、一言さえあれば……………俺は……………欲しかった……………認められ……………』
積み上げられようとしていた妄執が、ゆっくりと光の塵となって崩れてゆく。泣きそうな声で、誰からも見捨てられた怨霊は天を仰いだ。
呟きは、雪の中に薄く溶けていった。
- 47魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 18:36:52
以下、甲すき
前はゆるかったのに今回は悪事が結構ガチだな……
その奇怪なポーズをとらないと起動できない装置の時点で不具合を訴えるべきだったよきみは
報恩さん、なんかの妖精か何かみたいなムーブしてる
らぴすさんの妖精の
“悪戯できなさそうだから湖に沈めよっか”、だいすき
これだよこれ
わかる
暁の炎の真火がなぜ消えないのかどれだけ消えないのか説明ようとしちゃったり
加減がわからないしひかえめにしとこ……ってなっちゃった
わたしもつかっていいよ
ほしがりゅう、牛乳女、キャー、蒼鎧少女、夜遊び尼僧
のいずれかからえらんでもいいしえらばなくてもいいよ
指定くれたら設定のせるよ
ただ初期設定とだいぶ変わりがちなのが私なのと前者2つは普通に現行の設定に置いてあるやつなのでそこは…
- 48◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 18:41:18
- 49〈不死身の黒百合〉25/01/07(火) 18:43:21
ここまで作者の名前を決めてなかったのでめっちゃ焦った……
- 50二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 18:59:10
おそらく6のポーズで呪術が発動するようにしたのは以下甲くん側っぽそうなので闇オークション運営からすれば遺憾の意かもしれませんね
それに以下甲くん、実は6のポーズを取れてないのでは? - 51二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 19:00:39
- 52祀り香◆UwIgwzgB6.25/01/07(火) 19:06:03
おぉぉぉぉ……飄々とした祀り香さんが受けていた意外な依頼、子どもたちとのやり取りが微笑ましい…!!!
冷静にマイペースに話を進めて相手を惹き込み、身に宿る知識を駆使した山賊との駆け引きが熱くて格好良いです…!!!
彼女のつく嘘(とされているもの)は並行世界や異世界、現世界の情報であるということが言動にガッツリと描写されていてありがたいですね…!!!
そして…最後の仄めかす言葉も良き……!!!
完璧です……ありがとうございます!!!
おぉぉぉぉ……パンジャンドラムの怨霊なるトンチキな存在に、生物の能力を駆使してクレバーに挑む甘き異牙…!!!
自分には描写できなさそうな組み合わせで、見上げるほどの相手を倒していて…格好良いです……!!!
そして最後は…そうそう、コイツは本心でこういう事を言う…優しいヤツなのです…!!!
完璧です……ありがとうございます!!!
作者側の意図ということは判っていたのですが、なるほど…ツンデレのようなイメージでしたか…!!!
- 53彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 19:08:37
>997
「弓を教えて欲しい?」
矢が放たれる。その結果を振り返りもせずに“白祈のカルカラ”は少女に向き直った。矢は人形の首を貫き背後の樹木を薙ぎ倒した。
巨大な女だった。身長は3m10cmにもなるだろうか?鬼の末裔で殊更に小さく生まれ付いたと言っていたが、誰も信じてはいなかった。
彼女は山よりもずっとずっと巨きな鬼が闊歩する鬼ヶ島から船で大陸に辿り着いたらしいが、その島はこの世の何処にも存在していなかった。
その力だけが証明だった。
「狙いは悪くない。私が教えを乞いたいくらいだ。教えられるものは何もないさ」
「でも………………」
梓弓の少女は顔を伏せた。好きな人がいた。幼馴染だった。
上級冒険者になった。
「ずっと弱いのは、嫌なんです」
「……………そうだな。少しお茶会でもしようか」
彼女の恋人、或いは夫の話はカルカラも聞いた事がある。彼女と一緒にいる人々の事も。
カルカラはそれなりに歳を重ねていた。だから少しだけ余計なお世話にしようと思った。
健気な少女だ。偶々強く生まれただけの自分よりも、彼女のような人にこそ力が宿れば良いと思う。
- 54彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 19:13:15
- 55◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 19:14:15
- 56二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 19:15:19
- 57騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 19:16:27
- 58◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 19:17:53
- 59報恩の両手剣使い25/01/07(火) 19:22:10
- 60彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 19:30:11
「私の生まれた島は酷いものでね。ドイツもコイツも他人から奪う事を好んでいて、何かを作ろうとはしなかった────当然、他の島から奪う事になる訳だ。滅んだのも自業自得ね」
「え、えっと……………は、い?」
眼前に並べられた溢れんばかりの和菓子と抹茶に、梓弓の少女は困惑しながらカルカラの話に頷いた。
他人から奪うだけの鬼、欲望の怪物と称するに相応しい怪物であろう。当然、滅ぼされるべき悪であるのに否やはない。
しかし、その話が一体何を指し示そうとしているのかは婉曲的に過ぎる。
其れが分かるから、カルカラは言葉を続けた。
「その向上心、誉高いという事だよ。
君は現状を善しとはせずに上を目指そうとしているのだろう?」
「そう、です…………何にも出来ずに負担を掛けるだけの自分じゃ、いたくない」
「出来るさ」
カルカラは断言した。強いものが弱いものから全てを奪い、弱いものよりはもっと弱いものから奪う島の中で角を折られて追放された異端だった。
だからこそ、上を目指そうと思えるその意思が眩しかった。
「君は強くなれるし、負担を掛けるだけな訳がない人だ。その努力が報われない筈がないし、その愛が力にならない筈もない。
───それに、私よりもずっと弓が上手いんだ」
心に聖域があれば、人は何処までも強くなれる。
- 61彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 19:31:19
- 62◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 19:32:36
- 63〈不死身の黒百合〉25/01/07(火) 19:33:00
- 64騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 19:37:11
- 65祀り香◆UwIgwzgB6.25/01/07(火) 19:39:29
- 66ズタボロの青鬼さん◆PETEOB6gKw25/01/07(火) 19:50:47
そうはならんやろって迷子になりながら村を救ったり野良パンジャンと戦ったりと元の方々が書きそうでありイメージに合致したストーリー書けるの滅茶苦茶凄いですわね…!?
自分ではその辺りが苦手なので非常に憧れます!
……おハゲの彼の黄金時代と相棒が蘇ることを祈って…
あの話が一番好きでやんした…! - 67彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 19:53:26
>998
「ららら ららら!」
深い森の中を、樹人が歌いながら楽しそうに進む。
緑豊かな森だ。危険も少ない────というよりも、“減らされている”森だ。
フィングラスは一つの依頼の為に森を訪れていた。セントラリアのとある病院からの依頼だ。森の奥に住む魔法動物から素材を採取したいという依頼。
────“森角獣エッパゲン”という魔法動物が存在する。翠色の体表に様々な花を咲かせる魔法動物であり、リラックス効果と鎮痛作用を併せ持つ獣だ。
「こんにちは エッパゲンさん! そのお花を 少しだけでも くれませんか?」
『──────』
歌うように鳴いて、時には“森の女王”とも称される魔法動物は自らの体表に咲き誇る花々を自ら噛み千切って樹人に渡した。
此れで依頼達成─────ではあるが、樹人は来る前に聞いたとある話を思い出した。
曰く、その丸まった角は“巨大化薬”を分泌すると。
「あの 良かったら 大きくしてくれませんか?」
『──────』
エッパゲンは少女の期待を裏切らない為に、本来は怒らなければ分泌できない“巨大化薬”を絞り出して樹人の少女に塗り付けた。
─────ドンッッ!!!!!と森の木々よりも背が高くなった樹人の少女は楽しげに笑った。
「凄い ですね! 迫力満点のプロレスが できそうなです!」
- 68〈春風〉◆FZj6svE9vc25/01/07(火) 19:54:45
- 69彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 20:03:35
- 70◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 20:21:12
【無限牢獄には、偽りの炎神が顕れる】
【そんな話を聞いて挑みに行かずにはいられない、無理を押して、というわけではないが黒髪の彼から貰ったお守りを片手に下層へ乗り込む】
【ここまで心強いお守りもないだろう】
【熱い闘争心が悪魔の誘惑を弾いて落ちる、関係ないね戦いってのはノリが良い方が勝つもんだ】
さあさあ!出てこいよデミスルト!
俺のレーヴァとお前のレーヴァテイン!どっちが強いか勝負しようぜ!
【勇ましい声に競り上がる炎獄の大地、悪魔の領域が焔に侵され震え上がる、焦熱が喉を伝う度に闘争意欲が倍以上に跳ね上がる】
【火神来襲】
【片手に持つ『デミ・レーヴァテイン』がカタカタと音を立てる、武者震いか否かはこの際どうだって良い、今はただ】
恐怖とか精神面ボロボロとかは関係ない!
今はただ、俺はお前と!戦いたい!
【獄炎が巻き上がり灼熱の大王がこちらを覗き込む、終焉の炎同士がぶつかり合う、熱の扱いは炎を統するあちらの方が上手か】
【だがしかし、こちらにはコスモス・レガリアという宇宙の力を秘めた剣もある】
【創始終焉、両極の光を二刀に宿して大いなる炎神へと斬りかかる、神々の闘いは既に始まっているのだ】
フル!バースト!
【巨剣と双剣がぶつかる、膨張する白熱が爆炎と共に場を破壊する、流血も返り血も今は神の戦闘欲を飾るための“紅”に過ぎなかった】
ハッハァ!汗も血潮も全部燃えろォ!
燃え滾るくらい強くなくっちゃあ楽しくないんだ!
【見よ、戦神はここに在り】
【戦火も着飾る戦いの女神は強敵に相対してこそ、華麗に大胆に踊り明かすのだ】
- 71魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 20:35:10
- 72◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 20:38:56
【獄炎紡いで神火と成し、三つ紡いで煉獄と呼ぶ】
【神剣は姿形を変えながら神の焔を裂いて潜る、神すら掌に乗せる「千変万化」の真髄は我に在り】
【対する界滅の悪神も炎熱を遺憾なく走らせ、巨剣と巨拳で小さな女神を押し潰す】
【進化する一進一退の剣戟と神話が奏でる大質量】
【押しも押されもせぬ神同士の真剣勝負、紛い物とてこうも並べば壮観麗美】
【しかしサイズの差というものは基本的に天秤を大きく傾けるもの、攻め手を潰しに潰されジリ貧に陥る騒々神】
【だが忘るる勿れ、爆炎を超えて煌めくは天上の灯火、コスモス・レガリアは宙を映した神の剣】
【神炎で葬られるのならば宙からの鏡で炎を亡す、天で燃ゆる炎はこの場に一つのみで良い】
ハハハハッ!俺の闘争心はその程度の熱じゃ上書きできない!
教えてやるぜスルト神!この闘いの勝利者は!
【絶対の好機にこそ傲岸に笑え、我が頂に敗北の二文字なし】
戦神フレイヤ様だァァァ!!!
【神ならば不遜たれ、己が『領域』に寄せ付けぬ威風を構えて無礼者の首を刎ねん】
【支配領域、それは神々の領域】
【騒々しいほどに混ざり合った神の色、この神の領域こそは原初の混沌と似て非なる“あやかしもの”の領域なり】
【デミ・スルトを埋め尽くす妖神の大嵐、憐み・憂いの類は必要なし、闘いにこそ誉あり】
【立てば勝利、伏せれば敗北】
ふぃ〜……今日も勝った勝った!
【偽りの焔は地に眠り、女神はお祭り騒ぎと言わんばかりに勝鬨を上げる】
【勝利を求める故にこそ、この小さき神はどのような場にも立ち続けるのだ】
- 73二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 20:45:43
パラノイアさんと水使いさんはひたすらテンションとボルテージ上げるのが得意という点で勝手に同じポジションだと思ってます
- 74護闘剣の騎士25/01/07(火) 20:46:25
- 75彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 20:47:56
────轟ッ、と風が吹き荒んだ。
鴉めいたフォルム怪鳥が翼を広げて爪を薙いだ。人を丸呑みにしてしまえる巨大さである。隼より疾く急降下し、駝鳥よりも力が強い。
爪が青鬼の方を抉って、そのまま怪鳥が空へと飛び上がる。徹底したヒットアンドアウェイ、今でこそ再生が攻撃に間に合ってはいるが何時まで続くかは分からない。
「んにぃ……………」
飛び立つ怪鳥に鉄球が当たらない。迎撃しようにも巧みに鎖を掻い潜って爪を叩き付けてくる。
当たれば一撃で倒せるだけの力を有していながらも、その一撃が遠い。
天より睥睨する四つの瞳が青鬼を見下ろして如何に仕留めるかを考える。既にそれなりに傷を与えてはいるが、弱った気配はない。
攻撃が効かないのかもしれない。ならば攻撃されるリスクを冒してまで近寄るよりも遠距離からの攻撃に徹した方が良いだろう。
─────見当違いな思考ではあるが、しかし脅威である事に間違いはない。惨空獣モラガルファ程の慎重さと能力こそ有していないが、怪鳥もまた魔境と称される天空で生き延びるだけの力はある。
風を束ねる。刃として撃ち出すべく滞空して、狙いを定めるべく大地を見下ろし─────
「かんがえて、たいさくする!」
鉄球が高速で大きく振られる。其れだけならば怪鳥にとって大した問題にはならない。軌道が読める類の攻撃であり、また“延長”しない攻撃だからだ。
────岩が撃ち出されている。脇腹が爆砕され、怪鳥が墜落する。
- 76彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 20:51:31
- 77彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 21:06:23
────誇りがある。積み上げてきた歴史がある。此処で負けられない。
束ねた風を墜落しながら刃として撃ち出し、続く岩の砲弾を細断して防御する。両手首を落とす。時間稼ぎにしかならないが、十分。
大地に降り立つ。翼を広げる。彼はまだ生きていて頭が動く。ならば何を怖れる事があるだろうか?
『──────ガ、アァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
爆砕された脇腹が噴き出す鮮血の雨で一瞬だけ青鬼の視界を塞ぐ。其れで十分だ。翼で加速する。低空を飛行するのは初めてではない。
血の煙を突き破って突撃する。彼にはまだ爪があるのだ。引き裂く、そして勝利するべく突っ込んで──────バックステップ。鉄球が青鬼と爪の間に入り込む。
「かんがえて、たいさくする!」
攻撃が避けられなかった。だが相手は攻撃を此方に当てられている。
・・・・・・・・・・・
つまり、必ず自分の近くには来る。だから青鬼は身を囮にしてその攻撃に鉄球を当てた。怪鳥の動きが止まる。
鉄球を引き戻す時間はないだろう。しかし彼女こそが鬼と比べてさえも十倍の膂力を誇る規格外なればその一挙一動が必殺の域である。
「お、りゃあ!」
振り下ろされた拳が怪鳥を打ち砕いた。
その技量、未だ成長中。
- 78護闘剣の騎士25/01/07(火) 21:09:32
- 79二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:14:26
あーたしかにそうかも水使いさんの作風かなりパラノイズムを感じる
さぶろーくんとのやりとりとかかなりこうパラッとしてる - 80二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:16:15
チャーハン?
- 81二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:16:53
むしろあの二人はベッチョベチョだろ主にミレイちゃんが
- 82報恩の両手剣使い25/01/07(火) 21:18:35
- 83二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:21:31
対サブローくん時のミレイちゃんのもぎゃり感はパニクってる時のパラノイアさんちの皆さんとノリが近しいわよな
- 84◆kTvl07K2zU25/01/07(火) 21:22:46
- 85◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 21:29:52
「いいかい?今日はギルドでお留守番だよ、俺が帰ってくるまではギルドのみんなと一緒にいるんだよ?」
……うん、いいよ
「ししょーっ!早く行った方が早く帰って来られますよーっ!ビューンっと行ってビュビューンと帰って来ちゃいましょう!」
【心配そうな表情の主人と、その主人を連れて行く主人の弟子を見送る、エルピスは半日ほどギルドで過ごすことにした】
【一人でお留守番は出来る、エルピスは0歳だが誰かから褒められるくらい偉い子なので出来るのだ】
【だがしかし、少し時間が経ったので誰かからちょっとだけ褒めてもらいたくなってしまった】
【なので自分とちょっと似ているものを探して、それが褒められているかどうかを観察することにした】
あっ、あれ……ちょっと似てる…………
【早速酒場の中で、自分と似たような黒い翼を持つ吸血鬼の冒険者を発見する、彼の様子をしばらく見てみよう】
『オレさ、ヴァンパイアなのに太陽の光30秒耐えれるんだぜ?すごくね?』
『スゲェ』
えへへ…………
【黒い翼の同族が褒められている、エルピスはちょっぴり嬉しくなった!】
『けどお前報告書貯めまくるじゃん、それ直せよ』
『いや〜オレ、ヴァンパイアだけど暗くなるとすぐ眠くなる体質でさ……』
『普通逆だろ』
むむっ…………
【同族が批判を受けた!エルピスはちょっぴり険しい顔をした】
うん、次のボクに似てるものを見に行こ……
- 86◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 21:31:22
【エルピスは自分の角に似た結晶を持っている冒険者のパーティを見つけた】
『この結晶あんま人気ないんだよな、色こそ綺麗だけど価値は石ころと一緒だし』
しゅん…………
【エルピスは、自分の角もそんなに良いものじゃないかもしれないと思い込んで落ち込んだ】
『私は好きよ?なんだか丸くて可愛いじゃない』
『まーそこが子供に人気の理由ではあるんだが、苦労して拾って来たのが子供でも拾えるものだと後から知るのはキツいぜ……』
にへへ…………
【『丸くて可愛い』と『子供に人気』というワードが自分にも当てはまりそうだと思って、エルピスは嬉しくなって、静かにクスクスと笑っていた】
ここもよし、それじゃあ次いってみよー……
【エルピスは次に似ているものを探しにその場から立つ前に、結晶を持っていたパーティの男に「子どもに人気だぞ」と肩を叩いてから去っていった】
【冒険者の男は『誰?』という感想を抱いた】
- 87◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 21:33:36
あれ……星のカタチだ……綺麗…………
【エルピスはある剣士の描いた軌跡を眺めていた、もう既にギルドの外に出ているのだが、今のところは奇跡的に他の魔物には襲われていない】
「やっぱり綺麗ですよね!ししょーの剣は!」
「ズバーン!ズババーンとたくさんの敵を一気に一掃しちゃうんですから!」
むふーっ、星は綺麗だね
「え、エルピスちゃん!?」
【そうしてエルピスは、何と依頼に出ていた主人たちの一行に追いついてしまったのだ】
「エルピス、俺が受けた依頼がギルドから割と近いからここまで来ちゃったのかい?」
ううん、クオン、ボクはちゃんとお留守番してたよ
「こら、ここはギルドじゃないぞ」
あ…………ごめんなさい……
【ようやく気づいたエルピスはまたもしゅん……となって身を縮めていた】
【それを見たエルピスの主人は怒るに怒りきれず、ため息を一つ吐いた後、頭を撫でてあげた】
「まあ……3時間我慢できただけ良いか……よく頑張ったね、エルピス」
えへへへ……ふふふ………
「ししょーっ!今日の依頼も頑張ったこんなに可愛い弟子がいながら、エルピスちゃんを褒めるのをゆうせんするんですかーっ!?」
「分かった分かった、後でね後で」
えへへ……ボク、褒められるの大好き………
【エルピスはやっぱり自分の主人に撫でられるのが好きみたい、結局今日はたくさんの褒めをもらった良い一日になったのだった】
- 88二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:39:14
ほしがりゅうちゃん可愛すぎてギュッと抱きしめたくなっちゃった…………今空気を抱きしめてる
- 89魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 21:41:15
かわいいーーーっ!!!
蒼鎧もいてうれしい
いっぱいうれしい - 90アノマス◆UBru6zWM0.25/01/07(火) 21:47:50
褒められるのが好きな子かわいい
いっぱい褒めてあげたい - 91彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 21:51:02
良いよね…………………良い……………………
- 92魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/07(火) 21:53:41
なんか私まで褒められてるみたいで照れるな………?
同じこと二回言うの口癖みたいな感じあるので(私の)
いろんな細かいところを見て拾ってくださってるのかなと思ってうれしみ
行動が“端から見ている”なのもエルピスっぽい
蒼鎧がわりと身内相手には子供っぽい態度をとるのとかもね……そうそう、そうなんすよ
蒼鎧も書いてほしい筆頭だったので本当に嬉しい。 - 93彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 22:22:32
慟哭が聴こえる。空に浮かぶ翼の主は哭いていた。誰をも恐れさせる古き龍の一角が、尽きぬ悲しみに狂い果てていた。
『オオオオォォォォォォ………………………オオオォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!!!』
“雷燎に輝く翼”。人の言葉では"フレガ"と呼ばれる龍である。
稀に、このような龍が出現する事がある。長き寿命の果てに狂い果てる龍が。絶大な力と寿命を持つが故に、運命に絶望する龍が。
黒雷が撒き散らされる。千にも達そうかという雷の一つ一つが人間を消滅させて余りある威力を秘めていて、"フレガ"の行く先には自由都市アルヘルナが存在していた。
秒速1054mで飛翔している。埒外の速度だ。通常の飛行だけでなく、電磁力による加速で己を一種の砲弾として突き進んでいた。
龍鱗の強度も踏まえれば、其れは都市をも薙ぎ倒す魔弾であるとさえ言えるだろう。其れ程の暴虐で、其れ程の脅威であった。
────地上から放たれた斬撃が、その右翼を喰い殺して"フレガ"を墜落させた。
ヂガート領村。既に住民の避難の終わった農村で、一人の冒険者だけが待ち構えている。
「よォ、」
音速を超える機動で"フレガ"が爪を振るった。余波だけで四つの家が吹き飛び、一町の田畑が消し飛ばされた。
受け止められている。城壁すら切り裂く爪が喰らい滅ぼされていた。捕食だ。頂点捕食者たる龍が、人に喰われている。
「此処から先は通さねェぜ」
『【雷光の輝きに臥せよ】』
黒雷が弾けた。
- 94祀り香◆UwIgwzgB6.25/01/07(火) 22:23:06
良いですよね……たくさん褒めたい……可愛い……!!!
- 95二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:34:39
遅れに遅れましたが鋳悉火くんサンプルでけました、思ったより詳細なのであとで脳内にもあげんと
鋳悉火くんサンプル | Writening性格 よくいえば前向きで陽気、率直に言って楽天的でちゃらんぽらんなタイプ。責任を取らねばならない立場や不自由な状況に苦手意識があり、戦闘狂抜きにしても素で社会不適合気味 負の感情が薄く怒ったり恨ん…writening.net - 96ハードワイヤード◆.UIszdl3fc25/01/07(火) 22:36:39
ソワスレラに野生化したパンジャンドラム?
いるでしょうね…機械科学に偏重する前は機械科学と魔術を組み合わせた独自技術の開発を目指していたようですし人工精霊のコントロールするパンジャンドラムだってきっと居る…!
(※好き勝手言ってるけどソワスレラの設定を作ったのは別の御方なのであくまでハードワイヤードの個人的意見ですー) - 97二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:38:21
彼方の魔族さんの強敵描写、何がどうすごいのかの説明の構成すごく勉強になりますね…………なるほどなあ………
- 98ズタボロの青鬼さん◆PETEOB6gKw25/01/07(火) 22:40:21
- 99◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:48:16
【報恩の両手剣使いことジェイドは悩んでいた】
マリィ殿の実家に一人で行くことになったとして、果たしては私はフランテに辿り着けるのだろうか
【これまで自分の進む道を疑ったことは一度としてない、恐らくこれからも疑うことはないだろう】
【だがしかしいつもの自分だと、己が考えている目的地には永遠に辿り着けないどころか、自宅のポートキーが無ければセントラリアに帰還することすら難しくなってしまう】
【断じて方向音痴ではないと思われるが、これは冒険者になって以後、父と会うことと同等の「ジェイド最大の危機」と言えるだろう】
このままではフランテへ婿養子として行くことになったら、私はマリィ殿の元へ永遠に辿り着けなくなってしまう、どうしたら良いものか
【うんうん唸っていると、近場から友人の声らしきものが聞こえてきた】
「俺も慣れてきたとは言えファドラ出身だからね、また君に色々と聞くかもしれないな」
「ではコーヒーを飲みながら話しましょう?私だってロイさんの助けにはなりたいですから」
人に聞く……人に聞く……はッッッッッ!!!
そうか、道を人に尋ねれば良いのか
【あまりにも、あまりにも長かった遠回り、だがしかし報恩の両手剣使いは一つの答えに至ったのだった】
よし、次に受ける依頼は結構な遠出をするはずだ
明日から実践してみよう!
- 100◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:49:30
【翌日、早速報恩は人に道を聞いてみることにした】
【近くにこれまた英雄登竜門の試練を共に受けた友人がいたので、折角だから彼に道を聞いてみることにした】
「おはようございます報恩さん、そちらの地図は一体……?」
ああ建築小人殿、これから遠征に行くのでな
しかし今回の依頼地はかなり遠方のため、迷わず行けるように道を聞いておこうと思ってな!
「道を」
【建築小人は数秒ほど鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていたが、その後は冷静に依頼地までの道筋を教えた】
「ここから南東へ向かってください、いいですか?南東ですよ」
「そこに港があるので、そこの3番港の船に乗ってください、そうすれば早めに着くはずです」
うむ!承知した!港だな?ではそこへ向かおう!
【報恩はこれまでにないほど晴々とした表情で全速力で走って行った】
【北西に】
「…………何故だ……何故だっ……!」
【建築小人はまたも敗北してしまった】
むっ、やはり港があったな
流石は建築小人殿、素晴らしい道案内力だ
【尚、彼の努力が水泡に帰すことになったのは紛れもなくこの男のせいである】
だがしかしこの港には来たことがないな、周囲の人から話を聞いてみることにしよう
失礼、この港の3番港はどこだろうか
「んあ?ああ……旅行者かい?3番港はあの赤い帆が張ってある船だよ……もう少しで出航だから急ぎなさい」
うむ!承知した!うおおおおお!
【そうして報恩の両手剣使いは迷うことなく船に乗り込んだ】
【5番港の船に】
ふむ……もはや道に迷うことのなくなった私は無敵なのではないだろうか
目的地周辺の砂漠のオアシスを見るのが楽しみだ
【ジェイドは知らない、これが極寒の海へと向かう船だということを、そして周囲の客から「砂漠のオアシス……?」という奇異の目で見られているということを】
- 101彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 22:52:00
爪と剣が交錯する。絶えず地形を蹂躙しながら移動する嵐は余人の目には到底捉え切れぬ域まで加速を果たしている。
磁力によって砂鉄が全方位から冒険者を食い破らんと殺到して、しかし振り抜かれた剣の軌跡に現れた斬撃が鉄の蝗害を喰らい尽くす。
電磁加速によって撃ち放たれた雑多な農具は全てが迫撃砲をも上回る火力だったが、敢えなく回避され間合いを詰められている。
────必然、"フレガ"は近距離での戦闘に応じるしかない。
『貴様は、恐怖を知るかッ!積み上げた強さと得た知識が老いと時と共に失われ、少しずつ弱くなってゆく恐怖を知るかッ!?!?
オオオオオオオ、矮小なる人間よ!!!!!!短命なる人間よ!!!!!!!想像を絶する時の中で、少しずつ"我"という存在が削られてゆくあの恐怖を知っているかッ!?!?!?』
「分かんねェな、俺はアンタみたいに長く生きた訳じゃないから─────でも、一つ言える事はあるぜ」
冒険者が、絶対捕食者が剣を振るう。其れが決して当たってはならぬ必殺の斬撃だと理解している。己自身に作用する形で磁力を操り、関節の可動限界を超越した動きで“潜り”避けている。
『【雷光の輝きに臥せよ】』
クーロン力を“消滅”させる龍詞-ドラゴンブレス-である。全ての物質は形を失い、塵となって分解され消え失せる筈の先天魔法-レア・マジック-だ。
「アンタの“死の恐怖”は、アンタだけが持ってる物じゃねェ………………其れを振り撒くなら、良いぜ。」
その恐怖を"喰らい尽くして"やる。呟かれた言葉は龍の耳には届かなかった。
一直線に振り下ろされた斬撃は“雷燎の輝き”と頭部と胴体中央部を虚空へと消し去り、死を与える。
こうして多くの民の恐怖は英雄によって葬られ、龍の恐怖もまた英雄によって葬られた。
- 102◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:52:03
むっ……しまったな、寝過ごしてしまったのだろうか
南方面に行くつもりが、一周して北の方へとやってきてしまったのだろうか
【決してそんなことはない】
【そんなことはないのだが、決して後ろは振り返らないこの男、折れるということを知らないポジティブハートで地元民に道を尋ねた】
すまない、少し道を尋ねても良いだろうか
私はここを目指しているのだが、どうやら私の知らないうちに船は世界一周していたようでな
ここからこの×印のあるところへ行くにはどうすれば良いだろうか
「?????????????????」
【地元民はフリーズしてしまった、何だこの目の前の男は、方向音痴にしても行き過ぎだろう】
【だがしかし、この純真無垢そうな素朴な青年に、そんな辛辣に当たってよいものか、いいや良くない】
【今は己の持てる最大限の善意を持って告げる】
「えっと、その……取り敢えず、自分を信じて突き進めば良いと思います、よ……?」
なるほど!承知した!
【報恩は駆ける、もはや方向の概念は必要ないのだろう、更に更に人気のない僻地へと全力でダッシュして行ったのだ】
【もはや彼を止める術は誰にもなかった】
- 103◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:54:02
『俺とお前の因縁、ここで決着をつけてやる!』
「来い……!どちらが死に向かおうとも、我が復讐は留まることを知らず!亡き親友の想いと共に!」
すまない、道を教えてくれないだろうか
【割り込んでしまっている、報恩は確実に割り込んでいけないものに割り込んでしまっている】
【剣を握る2人の騎士は報恩の方をチラリと見てみる、本当に、本当に申し訳程度の困り顔をしている】
『…………あの、ちょっと今だけは遠慮してもらえませんかね』
「これが終わったら私が出来る限りの道を教えますので、それまではちょっと……」
むっ!それは出来ん!
君たちの仕合を邪魔して申し訳ないと思っているが、仕合の後だと疲れているだろうから、先に聞いておきたいと思ってな!
『…………』
「…………」
【彼は己を気遣いの達人と思い込んでいる、全身鎧の2人の騎士はそんな彼に「気遣いできてないよ」なんて言うこともできず、むしろショックを与えまいと大人しく道を教えることにした】
『じゃあ俺の故郷までの道を教えますね、ここから南西方向にある……』
「待て!そこは私の故郷もある場所だ!ならばお前は……いえ、貴方は……!」
『ま、まさか……お前は……生きて……!』
【再会の抱擁をし合う騎士たちを見て微笑む報恩】
【フッ、気の遣える私は無言のままクールに去ることにしよう、とでも言いたげな表情で、足音を立てずに素早くその場から走り去る】
【世界から悲劇が一つ減ったと思えば、方向音痴も役に立つものである】
- 104彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 22:55:34
- 105◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:55:45
むっ!すまないが道を教えてもらえないだろうか!
「ナマイッテンジャネーゾテメー!コノママブチコロシテヤルワー!」
【報恩はまた一つ道を違える】
ありがとう!これで私は先に進めそうだ!
「押忍!報恩の兄貴!行ってらっしゃいませ!」
むっ!道を教えてくれないか!
「どうせアタシなんて……人生を間違えたバカな女なの……どこで道を間違っちゃったんだろうなぁ……」
【報恩はまた一つ道を違える】
ありがとう!これで迷わず辿り着けそうだ!
「逞しさこそ全て……我もかつての軟弱な己を捨て去ることができた……礼を言うぞ、朋友」
【報恩は道を間違い続けた、だがしかし人としての道を間違えることはなく、道行く人に道を尋ね、それと同時に道行く人に正しき“道”を教えていたのだ】
【素晴らしい、道を尋ねるとは何と素晴らしきことか、報恩の両手剣使いは道尋ねの素晴らしさを全身で体感し、ようやく辿り着くことができた】
【マリィのいる、フランテに】
よし……何はともあれ目標達成だな!
私は迷わず一人でフランテに到着したんだ!
「うーんと……できてないんじゃないかなっ☆」
【自信満々の報恩に、マリィは困惑しながら笑うことしかできなったとさ】
【めでたしめでたし】
- 106彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 22:57:16
ウワァーーーーッ『道を間違えた女』さんが世紀末覇王みたいになっておりますわ!?
会話のパワーとセンスがお強いですわ〜!!!! - 107二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:57:43
- 108◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 22:57:57
今日はこれで一旦終わりです……
まだ残っている方の分は明日にやります! - 109二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:59:15
軟弱な己を捨て殻を割り漢女に目覚めた女性さん!?どの道をどう違えればそうなるのか!?高速道路の上限速度を優々上回る速度のダンプカーと正面衝突し三車線向こうに弾き飛ばされたくらいの紆余曲折あったとしか
報恩さんの迷子は他人の人生にも及ぶのだなあ - 110二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:59:45
前々から思ってましたがノコギリさんとリモンチェッロさんってギャグ全然できる側の人ですよね
掛け合いネタや地の文の中にしれっと盛り込むタイプのボケが多くてツッコミレスが付くことが少なめになりやすいだけで - 111彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 23:01:35
- 112二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 23:04:11
外見のイメージ固まってないんですのね。意外ですわ〜〜
彼方の魔族さんが魔法で外見を偽ってる時のモンスターみたいな見た目の方のイメージも下記三点くらいなのでしょうか……?
・黒い
・ツノ生えてる
・怖い - 113◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 23:07:51
- 114◆wwRUO8jqsY25/01/07(火) 23:09:04
- 115二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 23:10:17
- 116彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 23:10:20
- 117彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/07(火) 23:11:54
- 118騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 23:12:10
- 119二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 23:13:18
- 120騒々神◆7Ne9e.LPTA25/01/07(火) 23:14:05
あと魔族さんの複腕要素を忘れる時がある……
両面宿儺の時とかもそういえば魔族さん腕いっぱいあったな……ってなったし - 121二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 23:52:53
報恩さんのSS、報マリだけじゃなくて、さらっとロイエラも入っている……これは匠の技……………!
- 122異世界系現役学生バイトマン25/01/07(火) 23:57:06
なんかいまいちキャラが定まらないなこいつ……
ピエロがトラウマなこいつの『大道 海志』という名前は実は『道化師』からのもじり、連想だったりします
『大道』は大道芸人、『海志』は(道)化師→けし→芥子(けし/かいし)→海志という - 123二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 23:57:37
- 124二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 00:05:03
このレスは削除されています
- 125魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 00:11:21
ギコギコは、しません。
一度魔力が入るとスゥウウ~~~!(ギコギコ)
ほしがりゅうも癖だけど牛乳女もだいぶ気に入ってる
魔刀少女も動かしてて楽しくなってきたし
暁の炎もそうなのでなんかこう、自分の好きなものを表現する力はついてきている……気がする……
いいですね!!
かっこよかわいい
- 126二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 00:18:50
あれイケメン女子系の顔に見えますか……?
わかりました、明日もう一枚描いています - 127異世界系現役学生バイトマン25/01/08(水) 00:25:11
すみません忘れてください
眼球を洗濯機にぶち込んでくるので落ちます - 128魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 00:32:04
スカーフェイスとかはカッコいいよりの要素だからとか?
なによりラインさんはかっこいいので…… - 129二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 00:37:04
- 130ジェディちゃん25/01/08(水) 00:38:26
旅行SS、なんかチキチキ☆呪力男エンカウントマインスイーパ♡みたいになってきました
アルカスとジェディちゃんをエンカウントさせた末路がこれです - 131アノマス◆UBru6zWM0.25/01/08(水) 00:42:15
強者メンタルだぁ…!!
年頃の少女並みにかわいくなりたい心はあるので仕立て上げられるとアノマスちゃんは喜びます - 132魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 00:57:57
- 133ジェディちゃん25/01/08(水) 01:00:32
- 134異世界系現役学生バイトマン25/01/08(水) 01:01:05
マジでなかったことになんないかなさっきの発言
都合よく第三の爆弾が発現しないかな
確かアレ撒き戻せる時間1時間だったからまだ間に合うよな - 135ジェディちゃん25/01/08(水) 01:01:38
少なくとも私は見てないから知らないよ強く生きて
- 136魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 01:10:50
- 137千剣后25/01/08(水) 01:23:17
- 138魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 01:26:21
うおおおおおっ!!
カッコイイ!!!サイコー! - 139ジェディちゃん25/01/08(水) 01:30:03
- 140二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 01:33:40
最近流行ってる絵柄が丸顔鼻の主張控えめだから卵型の顔に鼻をしっかり描くだけでちょっと男キャラっぽく見えちゃうんですよね
おそらくそれが原因 - 141絹狸25/01/08(水) 01:53:52
- 142彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 08:05:59
示威効果に加えて、展開されている黒腕と剣はあくまで“鞘”なので油断していると霧から蹴り出した剣で狙撃してくるフォルムなのですわよね!
二代目“ライン”の卑劣な術ですわ……………
“脳構造の都合上、剣を使える腕は二本まで”みたいな設定があるので専ら鞘として使わないので仕方ない本当に仕方ない
想像以上に遠距離も強くなってしまった弊害ですのよね
わぁありがとうございますわ〜〜〜〜!!!!!!!!!!
凛々しくも細い体つきに角までしっかりと表現されてて素晴らしいイラストですわね!!!!!!!!!!!服装の紋様の書き込み凄いですわね………………………
改めてありがとうございますわ〜!!!!!!!!
書き込みがお強いですわ!?!?!?
- 143魔刀剣士◆BuOGBplkzY25/01/08(水) 08:29:21
記念闘技場でそびれたかァ~~?(毎回思ってる)
これはほしがりゅう(エルピス)のイメソン…候補…と、主張するもの
『Midnight Parad』
最初はこれをイメージしてたはず。……まぁ前身の影竜がこれ?
亡者の亡の部分というか、心亡くした蒙の闇というか…そういう曲じゃない?たぶんそう。
『ひとりぼっちじゃない』
歌ってそう。こういう歌たぶん大好き。
でもイメージと呼べる部分、夜に光くらいでは??
これは牛乳女(クレア)のイメソン。説明不要
お前これ元ネタのキャラが食事の尊さとか語るの無理だぞ…
……元ネタの元ネタなら言えるか
…にしてもか
- 144彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 09:35:37
「おや」
鋳悉火と、そう呼ばれる冒険者は微かに眉を上げてから、少し身を竦ませながらギルド酒場に入ろうとしている少女に目を向けた。
闘技場で延々と戦を繰り広げるのを楽しむ人種ではあるが、人並みの倫理観を備えている。そうでなくては命が保障される闘技場で戦いはしないだろう、というのは置いておいても施された教育は確かに彼に良識を与えていた。
「こんにちはー。ギルドにどうかしたかい?」
「その、冒険者登録をしたいと思いまして」
「あぁ、じゃあ後輩ちゃんになる訳だね。りんご飴とか要る?受付まで案内しよっか?」
整えられたワンピースだ。貴族という程ではないのだろうが、それなりに上等の商人の娘と言った所になるだろう。
────霊力を抑える護符を首元から下げている。国際退魔連盟の品だ。恐らくは霊能力の系統だろうと推察する。冒険者だけでなく、彼方の方でも後輩であるのかもしれない。
りんご飴を受け取った少女は一口舐めると、味が気に入ったのか目を輝かせてパクッとりんご飴を一気に食べて、それから鋳悉火を見上げた。
「あの、それからもう一つ聞きたいがあるのですが大丈夫でしょうか?」
「いいよいいよー!何でも聞いてね、それなりに俺もギルドは長いからさ」
では、と決意を固めたような貌で少女が鋳悉火と目を合わせる。その瞳の色に覚えがあって、鋳悉火は脳内で記憶を検索した。
「─────“闘技場”という、幾ら戦っても疲れず何度でも戦えるこの上なく素晴らしい施設があると聞いたのですが…………!」
「なるほどね?」
良く顔を合わせる闘技場常駐勢と同じような想いの込もった目だった。鋳悉火は頷いた。
「じゃあちょっとやろっか!」
- 145彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 10:14:28
「《心霊電流-ポルターガイスト-》────ッ!」
やはり、と鋳悉火は思考した。霊力操作の特異形質として雷の形を取った神秘を、護符を仕舞った少女は発揮していた。
ビリビリとした力の奔流が衝突せんと迫るのを背後に飛び退いて回避する。霊的エネルギーの発露だ、実際の雷霆とは違う─────そこまで思考して、背後から飛び出した砂鉄の槍を軍刀で切り落として鋳悉火は理解した。
「“別軸”だね、霊能力と通常の妖術を組み合わせているのか……………んー、楽しくなってきたね!」
「はい。その、元々雷の魔術は得意だったので」
輝く雷光が惑星が旋回するように少女の周囲を巡りながら、無詠唱且つ地面の下で手繰られる物理的な性質を併せ持つ魔術の雷が駆動する。
一度切り落とした砂鉄の槍が、今度は無数の鋭い礫となって鋳悉火に殺到する。金属に引き寄せられているのだろう。物理的現象だ。
「空は薪に同じ」
- 146彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 10:20:54
鋳鉄の術による鉄の気化。其れと同時に生じる爆発が、しかし少女の周囲を軌道する雷霆によって受け止められる。木行に属する雷は古くから金気に弱いが、しかし《心霊電流-ポルターガイスト-》は魔術属性としての性質を持たない。
爆破させた分を補填し再度抜刀し、今度は電磁加速を載せて放たれた砂鉄の散弾を躱す。目眩しであると理解している。追い込まれた座標を穿つ魔術の雷を軍刀で受け止めてから地面に流した。
「攻撃に一、防御に一の配分かな?いやぁ、五行的には相性が良いかもと思ってたけどコレは五分五分かもしれないね」
太刀筋が闘技場内を荒れ狂う磁力によって乱されている。雷避けの護符とか持ってきた方が良かったのかもしれないと考えて、でも磁力って雷避けの護符の守備範囲内だろうか?と疑う。
「じゃあコレで仕留めよっか!」
明るく軍刀を投擲する。少女を貫くには過剰なまでの威力を秘めていたが、だからこそ警戒されて磁力によって瞬時に地面に縫い止められている。
───地面に縫い止められた其れを“蹴り飛ばす”。腕の三倍近い力が惜しみなく振るわれ、磁力の縛りを脱した軍刀が少女に迫る。しかし旋回する《心霊電流-ポルターガイスト-》で受け止められる。
「まだです!」
「いいや、オレの勝ちだ」
最初の軍刀は見せ札だ。対処に集中している間に、もう片方の軍刀を放物線軌道で投げている。前方に雷霆を集中させていた少女を、重力で以て加速した上からの軍刀が貫いた。
「ナイスファイトだ、楽しかったよ!」
────そして全てが巻き戻る。
- 147彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 12:20:45
「それで、闘技場はどうだったかい?」
鋳悉火の問いかけに、コクリと少女は頷いた。
充実した表情は言葉にされるよりも疾くその感情を如実に表している。
「最高でした」
「そっかぁ………………」
鋳悉火は腕を組んだ。鍛えれば楽しく戦えそうな新入りに喜ぶ気持ちと、年端も行かぬ少女をこの道に本当に引き込んで良いのかと心配する気持ち。心が二つある。
改めてその立ち姿を確認する。重心の移動の推移を見るに武術の類いを修めていないだろう。まだまだ伸び代がある。
─────うん。其れをアドバイスするだけなら、問題はないだろう。強敵の方が強く戦えるし、そうでなくとも強ければ何処かでうっかり死ぬような事も避けられる。
「剣とかちょっと握ってみない?多分今よりもっと強くなれると思うのだけれど」
「私、バスタードソードとか使ってみたいです!」
「思ったよりも雄々しい返事来たね…………」
何て事のない日常。鋳悉火のギルドでの日々はこうして過ぎてゆく。
- 148彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 12:22:01
コレで全部になりますでしょうか〜?
思ったよりも手癖が出てしまいましたわね…………………心情が上手く描けませんわ…………ッ! - 149二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 14:23:33
- 150二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 14:27:41
- 151彼方の魔族◆o4H3Dx3iss25/01/08(水) 14:50:43
- 152二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 14:59:34
キャラ性とか過去ストーリーの方向性が完全に伝奇バトルモノの異能者キャラなのリモンチェッロさんの持ち味でてるよね