- 1二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:25:49
「……プレハブが大量に並んでますね。奥の方では、すごく大きな建物がいくつも建設中で……どこの地域の写真ですか?」
「スタディーエリア。あなたが普段過ごしているのと同じ区画」
「そ、そうなんですか? でも、こんな場所知りませんよ。特にこの中央の塔、こんなの自分の学校の中で見たことあったら、忘れるわけ――」
「それが現在のミレニアムタワー。その写真を撮った時点から数えて、およそ1年後に完成した」
「えっ? ……待ってください。2年前の1年後って、その時って私はもう入学してましたか?」
「記録上はそういうことになっているわね」
「……??……???????」
「"世界5分前仮説"って、知っているかしら。この出来事を理解する上で助けになる考え方の1つよ」
「………………」
「3年前、全てがこの場所から始まった。人口生産プラント『ガフ』、正常性整合システム『ハブ』、認識再編手続『オネイロス』……必要なものは時間と共に揃っていったけど、私と同じ使命を共有する存在だけは、最後まで現れなかった」
「……嘘ですよね?」
「本当のことよ。誰かに話すのは、これが初めてのことじゃないわ」
ここだけ中学生リオが本当の意味で1からミレニアムを作っていた世界線
- 2二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:28:30
- 3二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:40:00
- 4二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 21:54:02
そして先生がシミュレーション仮説だったってことを知らせるのか?
- 5二次元好きの匿名さん25/01/07(火) 22:39:19
「で? 教えてもらったところ悪ィけど、あたしには何も出来ねえぞ。たまに様子見に来るくらいか?」
「その必要も無い。ここを出る時に、ここで得た記憶はすべて失ってもらうから」
「ハァ!!?!??」
「この事実を隠したままでいるのも不誠実だから……時々こういう形で、覚悟を持った人が情報を持ち帰るチャンスを作っているの。そういう人が現れた時が、明かすべきタイミングだと思う……何か抜け道が見つかることは十分あり得る話だし。あなたもそれを可能とする能力の持ち主」
「まあ、今ここでアンタをブン殴って気絶させて引きずって一緒に帰るってのも、不可能ではないな」
「それはちょっと、困るけれど」
「安心しろ、んなこたあしねえ。なんつーか、なんであたしがそんな面倒なことするんだよっていうのもあるけど」
「?」
「ミレニアムの連中……あたしの後輩もそうなんだけどな。あいつらなりに色々頑張ってるんだよ。クローンだとか5分前仮説だとか、そんなことわざわざ気にしてる余裕は無い」
「……そう、ね。ごめんなさい」
「謝る必要もないんじゃねえの? とにかくなんでもいいから、いつか1回は顔見せろよ。会計がご立腹だぞ」