【かなり閲覧注意】モエと

  • 1二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:15:48

    出会ったのはもう1年も前になる。

    廃校にされたSRTの1年生。爆発物と破滅が好きな、変わり者の子。
    その危うさに、どこか自分と似たようなものを感じて、いつしか彼女のことを気にかけるようになった。

    違法な土地取引を暴いたり、連邦生徒会のクーデターを収めたり、色々な問題を彼女や他のRABBIT小隊の皆と共に解決してきた。

    そして、彼女が2年生になった年の9月13日──彼女の誕生日。夏の暑さがやわらいできたこの時期に、私はモエをシャーレに呼び出した。

    ”誕生日おめでとう、モエ”

    綺麗にデコレーションされたケーキをモエに贈る。

    「誕生日ケーキ?いや別に、私には花火さえあればそれで……。そうだね、どうせならド派手で強烈なのを……くひひ。」
    ”……そういうと思ったよ”
    「ああ、いや、これでも全然嬉しいよ?ケーキなんて普段の野宿じゃ絶対に食べられないし……」

    気を使ってくれたモエの言葉を遮るように話す。

    ”モエ、花火よりも破滅的な体験に興味はない?”
    「というと?」

    ”私の……首をしめてほしい”

  • 2二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:16:19

    「……はい?え、もう一度聞いていい?聞き間違いだと思うんだけど……」
    ”モエに私の首をしめてほしいんだ”
    「えぇ……と、先生、最近寝てる?徹夜でとうとう……」
    ”いや、これは私がキヴォトスに来た頃から思っていたことでね……端的にいうと、私もある種の破滅願望を持っているんだ”

    一瞬の沈黙ののち、モエはニヤリと笑った。

    「へえ……先生もそういうタイプ?もっと早く言ってよね~」
    「でも……私、裏方とはいえキヴォトスの、それも特殊部隊の人間だよ?先生の骨を折ったりするくらい、素手で余裕なんだけど……」

    ”それがいいんだよ”
    ”下手に手加減されるよりも、本気でギリギリを攻めてくれる。もしかしたら手違いで超えてはいけないラインを超えてしまうかもしれない。そういうスリルがある方が昂る……そういうもんでしょ?”

    「くひひ……なぁんだ、先生も筋金入りじゃん?私でいいなら全然、やってあげるよ?」

    私はモエの揶揄うような目を見ながら頷いた。言葉は必要なかった。

  • 3二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:16:28

    これは気になるな保守

  • 4二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:16:50

    ”始める前に、万が一に備えて停止の合図を決めておこう”
    ”流石に、他の子もいるのに私だけ死ぬなんてことはできないし”
    「そりゃあねえ。部隊でも行動の合図は厳守しろってサキからいつも言われるし?」

    こういう「特殊な触れ合い」のときは、普段出てこないような単語をセーフワードとして設定するが、今回は首を抑えられるわけだから声は出せない。
    危険を感じたときに即座にできるアクションとして、モエの袖についた校章のワッペンを引っ張ることに決めた。

    そして、休憩室のソファの上。モエは仰向けになった私の上にまたがる形で座っている。他人に見られたら大問題になるであろう場所と状況だが、今回は事前に人払いをしてある。……非常事態に備えてセリナとミネにだけは部屋の外で待機してもらっているが。

    「じゃあ……先生、覚悟はいい?」
    ”……ああ”

    モエの細い指が私の首筋に触れる。
    暖かく、それでいて芯の通った柳の枝のような強さを持った指。普段はキーボードや電子機器を操作しているからか、指先は少し硬かった。

  • 5二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:17:28

    首の血管が徐々に圧迫されていく。
    鈍い痺れが広がってくる。視界が徐々に暗くなってくる。
    思考が回る間に、目の前の状況を再確認する。

    目の前にいるのは風倉モエ。私よりもずっと強靭でつよい、キヴォトスの女性。そんな彼女に首をしめられたら、いつ死んでもおかしくない。
    それに、彼女の性格上、破滅の興奮のあまり勢い余って私をころしてしまうかもしれない。まだ、私には守ってやるべき生徒が、慕ってくれる生徒が大勢いるのに。
    それに、その場合──モエはキヴォトスを破滅に導いた大罪人になってしまう。
    私が自分の欲望に付き合わせたばかりに。

    今の状況に思考を巡らす度、破滅に近づくことへのドス黒い喜悦が背筋を走る。
    背徳的な多幸感が脳を満たしていた。

    私は、ダメな先生だ。

  • 6二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:18:08

    ──先生に頼まれて、首をしめるプレイの手伝いをしている。
    先生の首筋に両手をかけ、少しずつ、指に力を込めていく。
    我を忘れてしまわないように。勢い余って本当に帰らぬ人にしてしまわないように。
    少しずつ。少しずつ。

    目の前にいるのは先生。私よりもずっと弱い、キヴォトスの外の男の人。私なんかでも本気を出せば、一瞬で死んでしまう。
    もし、この手に込める力を少しだけ強くしてみたら?大切な先生は一瞬でこと切れるだろう。そうすれば、ミヤコも、サキも、ミユも、きっと私を赦さないだろう。それどころか、私はキヴォトスの生徒全員を敵に回すことになってしまう。まともに生きていればあり得ない、考え得る限り最大の破滅。

    そう思うと、胃のあたりに重く大きな塊のようなナニカがずんと落ちる感覚がする。
    これは破滅の味。
    苦しいはずなのに、いつもなめている飴よりもずっと甘美な味がする。

    先生の肌のぬくもりを感じているはずなのに、背筋が冷える。それでいて、うっとりするほど魅力的な気持ちもする。

    私は、ダメな生徒だ。

  • 7二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:18:19

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:18:36

    視界が狭まる中、まだ意識があるうちに……
    私は自分の首筋に伸びるモエの腕に手を伸ばし、事前に決めていた通り、校章のワッペンを引っ張る。
    手に力が入らないが、モエは気づいてくれた。

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:19:12

    首元が緩む。
    血が巡りだし、息が戻る。
    少し、酸欠で思考がボヤけるが、まだ生きている。

    「おかえり、先生。どう?痛いところとか、動かしにくい部分とかはない?」
    "ただいま。……うん、力はちょっと入りにくいけど、手も脚も動くよ"

    手を握ったり開いたりしながら、生きている実感を確かめる。

    「……先生は、私たちみたいにヘイローがないからさ」

    そう言いながらモエはソファに寝たままの私に抱きつく姿勢になった。

    「……もし、本当に死んじゃったら、ヘイローが確認できないのにどう判断すればいいんだろうって……」

    その声は少し震えていた。
    モエはそのまま、私の胸に耳を当てた。

    「……まだ、心臓の音がしてる。殺してしまわなくて良かった……」
    "……ごめん、モエ。私のわがままに付き合わせて不安な思いをさせて……"

    私はモエの頭をそっと撫でた。

    その日、私とモエはそのままソファで眠りに落ちた。



    ……みたいな極限の破滅をモエと共有する話ってどこに行けば読めますか?

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:19:49

    そこにありますね

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:20:18

    いや、もうあんたが書いたのでいいんじゃないかな…

  • 12二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:21:27

    読めましたね

  • 13二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:21:29

    青い鳥の寓話をご存じ?

  • 14二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:21:29

    >>9

    書き終えた瞬間記憶失ったんか?

  • 15二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:22:31

    首絞めながら書いた…?

  • 16二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:24:47

    ちょっと前に首絞めSS書くスレがあって、最後にモエを書くって言って落ちてたけどもしかしてそれの人?

  • 17125/01/08(水) 22:25:55

    >>16

    待ってそれ知らないっす

    私はただの野良のマゾです

  • 18二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:26:43

    野良のマゾて

  • 19二次元好きの匿名さん25/01/08(水) 22:34:13
  • 20125/01/08(水) 22:36:23

    >>19

    たすかる

    ありがとう

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