- 1125/01/12(日) 22:53:35
- 2125/01/12(日) 22:54:13初代スレここだけ病弱コハル|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す季節の変わり目でも風邪で熱を出す筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱いそれでも憧れは止められないので正実には入るし…bbs.animanch.com
その2
ここだけ病弱コハルその2|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す季節の変わり目でも風邪で熱を出す筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱いそれでも憧れは止められないので正実には入るし…bbs.animanch.comその3
ここだけ病弱コハルその3|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。えっちなことにも興味あ…bbs.animanch.comその4
ここだけ病弱コハルその4|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。えっちなことにも興味あ…bbs.animanch.comその5
ここだけ病弱コハルその5|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在ミカと先生の秘密の…bbs.animanch.comその6
ここだけ病弱コハルその6|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在ついに水着パーティ…bbs.animanch.com詳しいことは上記参照
- 3125/01/12(日) 22:55:41
【注意事項】
・原作批判、またはそれに繋がりかねないレスはお控えください。原作シナリオに言いたいことがある場合は別スレたててね!
・所詮二次創作であり落書きです。内容を間に受けないでください。展開に多少の粗があっても大目に見てね! - 4125/01/12(日) 22:58:27
結構遅くなっちゃったけど、前スレの続きから行くよー
初見の人はちんぷんかんぷんだと思うから、暇なら初代スレから追ってみてねー
では行くよー - 5二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 23:00:34
来た!
- 6125/01/12(日) 23:01:00
「――まあ、こんなものですわね」
星あかりがまばらに散らばった夜空を眺めながら、私は呟いた。
しこたま銃弾をくらったこの体ではもう動けない。愛銃は無茶の反動でイカれてハナっから使用不能。IEDも手持ちは全て使い切ってしまった。これ以上の抵抗は不可能だ。
負けた。順当に、ある種予定調和で。まあそもそもたった3人で正義実現委員会の戦力、まして先生の指揮下にある連中を相手に、それも正面切って勝てるとは微塵も思っていなかった。だからこそ、この結果に驚きはない。
ただ、口惜しさはない。むしろ、目的そのものは果たせたという達成感と満足が、私を満たしていた。
「……敵指揮官を制圧した。今後の指示を求む」
隣を見れば、多少ボロボロではあるものの、まだまだ戦闘継続可能な様子の、白い翼を持った小柄な少女が目に映る。今回の戦闘にて、恐らく一番前線で活躍してくれた少女だ。お陰様で前線を張ってくれていたアカリさんが比較的早めに沈められてしまった。あとは弾幕を張っていたイズミさんが動揺して止まったところを狙撃され、残った私が……と、芋づる式に撃破されていった。私の目から見ても、良く訓練された素晴らしい兵士だと思う。
「……了解、正義実現委員会に引き渡す。オーバー」
通信終了した彼女はくるりと振り返って、私を見た。目と目が合う。どこか冷たさを感じさせる無表情。……ふふっ、急に冷たいアイスが食べたくなってきましたわね。 - 7125/01/12(日) 23:01:59
「……何故だ?」
「……何故、とは?」
「この戦い、ほとんど負けが確定していた。たった3名という少数で、この戦力を正面から相手どるのは自殺行為に等しい。無駄なあがきとも言えるだろう。……事前に話だけは聞いている。お前たちは仲間意識が希薄で、躊躇なく味方を切り捨てることが多いと。……だからこそ、わからない。何故、今回はこんな真似を?」
時間稼ぎなことはわかっているが……だからこそ、余計に分からない。この場にいない、最後の美食研究会メンバー。赤司ジュンコを逃がすためだけに、こんな大立ち回りを演じるような者たちではないだろう。
少女――白洲アズサと言ったか。彼女には私の行動が理解できないようだった。ふむ。確かに、魔が差したと言われても仕方のない行いではありましたが……。
「そうですわね……まあ、たまには献身も乙なもの、と思ったまでですわ。普段ならば、私だけでも逃げさせていただくところでしたが……今回は、そういうわけにはいきませんでしたので。今回の奪取、一番の最優先はマグロとジュンコさんを逃がすことでしたから」
「……何故赤司ジュンコなんだ? マグロを食べたいのなら、まずお前が逃げ切らないと意味がないだろう」
「ええ。――ですが今回マグロを食べる必要があるのは、私でも、ジュンコさんでもありませんので」
「……何?」
どういうことだ? と無表情に疑問を浮かべた白洲アズサさんを尻目に、私はくすくすと笑みを浮かべた。
「さて、ジュンコさんは今頃どうしているのやら。逃げ切れていれば、こうして私が土に塗れる甲斐もあったというものですが……」
とはいえ、あまり心配はしていない。恐らく、この場にいない特級戦力、剣先ツルギに追撃されている可能性が高いが……普段はともかく、覚悟の決まった彼女の爆発力には目を見張るものがあると、これまでの付き合いで知っている。
「あとは貴方の意地次第です、ジュンコさん。――ご武運を」 - 8125/01/12(日) 23:03:19
「きひひ……終わりだ」
ゆっくりと、鬼が近づいてくる。一息に飛びかかって潰すこともできるだろうに、そうしないのは余裕の表れか、はたまた警戒しているのか。――たぶん、前者だろう。
それを横目で見ながら、私はボロボロになった状態で、仰向けにひっくり返って空を見上げていた。このあたりはあまり人工の光がないからか、星空がよく見える。キラキラと光輝く星々は、今まで見たどんな空よりも美しく見えた。
……もう、いいんじゃないか。
自分で言うのもなんだけど、今回私は相当頑張ったと思う。ハルナたちやフウカを味方につけて、条約前でピリついてる警戒態勢のトリニティに突っ込んで。マグロを奪って、ここまで逃げてきた。その上あの剣先ツルギを相手にして、30分もの間逃げ続けてここゲヘナとの境界線付近までこれたのだ。普段の私からすれば間違いなく大健闘だ。
もういいだろう。足に力が入らない。走り続けた分も含めて、今までの疲労が伸し掛かっている。……ここまで頑張ったのだから。あとはやっぱりダメでしたでも、あの子なら笑って許してくれる。あとはもう、降伏して……。
……コハル。 - 9二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 23:04:08
保守
- 10125/01/12(日) 23:04:08
――記憶が蘇る。あの日。彼女の家で見てしまったもの。コハルが席を外して、手持ち無沙汰になった私が部屋の中を見て回っていたら偶然見つけた、本棚の下に入り込んでいた一枚の紙。破り捨てられた、一枚のページ。
『死ぬまでにやりたいことリスト』
そこには、彼女の願いが、未来への望みがびっしりと書き込まれていて。――その上から、黒く大きなバッテンが書かれていた。紙そのものも、本棚の下で汚れているのを除いても、なんだかよれていて。まるで、一度濡れてしまったかのようだった。
「ああ……それは……気にしなくていいよ」
お手洗いから帰ってきたコハルは、いつものように笑ってそう言った。
「一度書いたんだけど、流石に量が多すぎて。叶えられないから、諦めたの。そんなに重要じゃないから、忘れて」
――嘘だ。量が多すぎて諦めた? 違う、どれだけ量が多くても、時間をかければ達成できるものばかりだ。何よりも、リストの最後に書かれていた願いが……。
・卒業したい
それを諦めざるを得ないということは……つまり彼女は……私の想像以上に、彼女の容態は悪かったのだ。
さりとてあまりにも重すぎて、私もそれを飲み込めなくて、コハルを問い詰めて困らせることもしたくなくて。正直、その後どうやってゲヘナに帰ったのかまるで覚えていない。
どうにかしてあげたい、けど馬鹿な私じゃまるで方法が思いつかなくて。ゲヘナには救急医学部があるけど、それで治るなら救護騎士団が治してるはずで。そもそも彼女がどんな病なのかもわからない。正面切って聞くのも怖い。コハルを傷つけてしまいそうで。……コハルとの友情が、それで終わってしまいそうで、怖かった。
悶々としたまま、時間だけが過ぎていって。――そんな時、ある噂を聞いたのだ。山海経に行った時、ゴールドマグロはどんな病も癒すという伝説を。信憑性はかなり疑わしいものだったけれど……これしかない。そう思ったのだ。 - 11125/01/12(日) 23:05:12
――ああ、ダメだ。
足に力を込める。疲れた体が息を吹き返す。あちこち痛みが走るけど……あの子に比べたら、どうってことない!
「きひ……? まだぁ、抵抗する気かぁ?」
剣先ツルギが迫ってくる。ゆっくりと、しかし着実に。正直怖い……でも。
ぐっと目に力を込めてにらみ返す。
「……剣先ツルギ。アンタは強い。マジでヒナぐらい強いと思うわ。アタシじゃ逆立ちしたって勝てやしない。――それでも、ここで諦めるわけには行かない! "コハルのためにも"!!」
「――何?」
鬼の表情が崩れた。今まで余裕綽々だった、半ば狂気じみた雰囲気は消え去り、その目には理性の光と、驚愕が宿っている。
「何故、お前からコハルの名が出てくる? ……ゴールド、マグロ……まさか!?」
その様は、これまで見た中でも最大の隙だった。
すかさず私は懐からあるものを取り出した。今回ハルナから預けられていた、使えるかも分からない最後の切り札。
「っ!」
流石というべきか。剣先ツルギがすごい速度で突っ込んでこようとする。だが、ゆっくり近づいてきていたのが仇になって、まだ多少距離が空いていた。それが明暗を分けた。
私は取り出したスイッチを思いっきり押し込んだ。
――逃げ込んでいた路地一帯が、爆発で丸ごと吹き飛んだ。 - 12125/01/12(日) 23:06:23
「はぁっ……はぁっ……」
よろよろと。おぼつかない足取りで、私はゲヘナとの境界線の最後。大きな橋を渡っていた。
あの大規模な爆発で、剣先ツルギを撒くことができたようだ。ヒナと同レベルの化け物なのでさしてダメージは負っていないだろうが……倒すことが目的ではないので、別に構わない。代わりに私がかなりのダメージを負ったが、あの化け物から逃げられるなら安いものだ。
あの路地の爆発を引き起こしたもの。それは、かつてトリニティで騒ぎを起こした時を見越して、逃走用としてあらかじめ設置しておいた大量の爆弾だ。結局使うことはなかったため、そのまま回収することなく路地に残されたままとなっていた。それがあったから、私はここを逃走ルートに選んだのだ。もっとも、今もそのまま残っているかは賭けだとハルナは言っていたが……上手いこと機能してくれたみたいだ。
トリニティの戦略兵器に一泡吹かせた。これは大金星なのではないだろうか。今度コハルにあった時に話したらどう反応するだろう。……まずここまでの無茶苦茶をしでかしたことで怒られる気がする。
でもこれで、あの子の病気も――あ?
足取りが止まる。
「――少々、おいたが過ぎたわね。ジュンコ」
コツコツ。硬質な音を立てて、橋の向こうから近づいてくる小柄な人影。小学生と見まがう体躯。ふわふわとした、毛量の多い白髪。きっちりと着こなされた……ゲヘナ風紀委員会の制服。
バサリと、コウモリのような翼が広がる。独特な音を立てて、彼女の愛銃(デストロイヤー)がチャージされる。
「一応、言っておくわ。――無駄な抵抗は辞めて、投降しなさい。だいぶボロボロのようだけど……抵抗するなら、容赦はしない」
……ああ、クソが。イオリやチナツならまだマシだったのに。やっぱり神様ってやつはいるならろくでもない奴だ。なんでよりによって……
「ここまで来て……なんでアンタが待ち構えてるのよ! 空崎ヒナァッ!!」
「それが私の仕事だから」
そう言って、ゲヘナの最高戦力……ひいてはキヴォトス最強との呼び声高い空崎ヒナは、静かに獲物を構えた。 - 13125/01/12(日) 23:07:38
「この大事な時期に、こんな大騒ぎを……全員まとめて、反省文じゃ済まさないから」
さっきも言ったけど、無駄な抵抗は辞めなさい。そんな体じゃ、抵抗したところで怪我が増えるだけよ。
絶望が、紫の波動を迸らせながらこちらに向けられる。デストロイヤーの砲口からは、静かにヒナの神秘が火花を散らしていた。
前にはヤル気満々のヒナ。それをすり抜けてゲヘナに入るのは不可能だ。というかすり抜けても追撃されて終わりだ。
かといって後ろに戻るとトリニティ、ひいては剣先ツルギがいる。戻ることはできない。
――ああ、これは詰んだ。
ガシャッと、手から愛銃が滑り落ちる。もう、掴み直す気にもなれなかった。
「それは、降伏の意思表示と捉えて良いのかしら。……ねえ、ジュンコ。一つ聞かせて。何故今トリニティを襲撃したの? 条約前でどこも対応が早いのは分かっていたでしょう」
わかってる。半ば自殺行為だったというのは。それでも、今しかなかった……時間がなかったのだ。
「ゴールドマグロを狙うなら、もっと時期をずらせばよかった。せめてエデン条約の調印式が終わってからなら、もう少し楽だったはず」
わかってる。そんなことは計画段階からわかってんのよ。
「一体、何が貴方をそんなに動かしたの? そんなにその、ゴールドマグロ? ……が食べたかったの?「――るさい」……?」
「うるさい。……うるさい、うるさい! うるさいっ!」
「……ジュ、ンコ?」
「何も知らないくせにっ! 知ったような口を聞くな! 友達が死ぬかもだなんて今まで考えたこともないくせに!!」
まごうことなき八つ当たりだ。ヒナが私とコハルの関係なんて知るわけがない。それでも、我慢がならなかった。 - 14125/01/12(日) 23:08:50
「ゴールドマグロなんて! ……食べてみたい、のは、否定しないけど……それでも、ただ食べたいだけで今狙うなんて馬鹿な真似しないっ! それとも何!? 私がそこまで馬鹿に見えるっていうの!?」
「ジュ、ジュンコ。ちょっと落ち着きなさ――」
おろおろとするヒナ。こんなヒナは初めて見たけれど、今の私にそんなことはどうでもよかった。
「もうあったまきた! 絶対逃げ切ってやる! このマグロは、絶対コハルに届けるんだから!」
「――そう。わかった。細かい話は後で聞くわ。今は頭を冷やしなさい」
キィインと甲高い音を立ててデストロイヤーの銃身が回る。今まで何度となく(不本意だが)くらってきたヒナの弾幕。今の状態でまともに当たったらあっという間に意識を刈り取られるだろう。前には逃げられない、後ろにも逃げられない。……なら!
ヒナの斉射が始まる寸前、私は最後の力を振り絞って大きく横に飛び出した。――橋の欄干を越えて、川へと。
「なっ!? 頭を冷やすってそういうことじゃ……くっ!」
まさかこの夜中の川に自分から飛び込む奴がいるとは思わなかったのだろう。夏とは言え、冷たいじゃ済まないし、ぶっちゃけ自殺行為だ。頑丈なキヴォトス人でも溺れれば死ぬのだから。驚愕したヒナの動きがワンテンポ遅れた結果、私は斉射を避けて川へと躍り出ることに成功した。
何も考えず飛び込んだけど結構な高さだ。果たして今の体力で、向こう岸までたどり着けるのか……いや、もうやるしかない。
クーラーボックスを抱きかかえて、できる限り息を吸い込み……私は水の中へと飛び込んだ。 - 15125/01/12(日) 23:09:43
――冷たい。最初に感じたのは、全身を包み込む水の温度。ついで、鈍い痛みが走っていることに気づく。着水の衝撃で一瞬意識が飛んだらしい。そのまま水底に沈まなくてよかった。幸い息は続く、このまま対岸まで……そこまで考えたところで、何か足りないことに気づく。――クーラーボックスは?
慌てて周りを見ると、光の差さない真っ暗な水の中、ゆっくりと流れていく金色の魚が見えた。ゴールドマグロが!
どうやら着水の衝撃に私は耐えれても、クーラーボックスは耐えられなかったらしい。急いで回収しようと泳ぎだす。幸い流れはそこまで急じゃない、追いつける!
そう思った次の瞬間。金色が何かに飲み込まれた。――は?
大きな魚が、ぱくりと一口でマグロを飲み込んだ。そのまま悠々と泳ぎ去っていく。……待って。待ってよ。それは、お前が食べていいものじゃない。それは、コハルの……
間抜けにも私は、息がなくなることも忘れてただ片手を突き出したまま固まっていた。
呆然とする中、突如ガシッと首に衝撃が走り、すごい力で上に引っ張られる。急激に水面が近づいていく……。 - 16125/01/12(日) 23:11:24
ざぶざぶと水をかき分けて、私は岸へとたどり着いた。引き上げた荷物を降ろしつつ辺りを見ると、向う側にポツポツと申し訳程度の人工的な明かりが見える。ゲヘナは向う側か。つまり今いるのはトリニティ側。……領土侵犯に近いが、救命活動なのでまだ言い訳が効くだろう。
「……ジュンコ、大丈夫? 息はしてる?」
水分を含んでビショビショの髪を雑巾のように絞りながら、私はジュンコに話しかけた。ジュンコは先ほどまでの激情が嘘のように静かだった。ポタポタと毛先から水を垂らしながら、不思議なくらい呆然と、ただ波打ち際を眺めている。呼吸は問題なさそうだが……ん?
「ジュンコ、マグロは?」
ジュンコはその手に何も持っていなかった。後生大事に抱えていたはずのマグロはどこへ行ったのか。
それを聞いたジュンコはハッとして……再び川に飛び込もうとした。待って!?
「辞めなさいジュンコ! こんな真っ暗な川で探し物は無理よ! 見つかるわけない! 体力的にもホントに死ぬわよ貴方!」
「離して!! マグロが!! あれがなきゃコハルが!!」
「ジュンコ!!」
半ば錯乱したかのように死にに行こうとするジュンコを押し留める。すごい力だ。ゲヘナで一番腕っぷしに自信がある私ですら引きずられそうなほどの、まさしく火事場の馬鹿力とでも言うのか。
それでも、自殺行為は見過ごせない。私は必死になってジュンコの顔を両手で挟んで目を合わせた。 - 17125/01/12(日) 23:12:15
「ジュンコ、落ち着いて。冷静になって。何かのっぴきならない事情があるのは分かった。でも……もう無理よ。夜中の川に落としたものはもう回収できない。飛び込んだところで見つからないわ」
「あ……あぁ……」
ガクリ、とジュンコは膝から崩れ落ちた。ポタポタと液体が地面に垂れ落ちる。川の水気じゃない……ジュンコ、貴方泣いてるの?
「うわあああああああぁぁぁっ!!!」
今まで聞いたこともないような、血を吐くような叫び声をあげながら、ジュンコは号泣していた。……ジュンコがここまで泣くところを初めて見た気がする。一体、何が貴方をそこまで駆り立てたというの?
「……もしもし、セナ? こっちに来れる? ……うん。命に別状はないけど、要救助者一名。川に落ちたの」
普段よりも後味の悪さを感じながら、とりあえず私はセナに連絡することにした。弱々しく地面を叩く音が、私の耳に響いていた。 - 18125/01/12(日) 23:14:52
今回はここまで。
赤司ジュンコ。彼女はどうにも不運で、望む食べ物を得られないという特徴がある。――たとえそれが、自分ではなく、誰かに食べさせたいものであっても。
次回はこの騒動の後始末だよー - 19二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 23:26:16
呪いの如き食運のなさ
- 20二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 23:45:16
このレスは削除されています
- 21二次元好きの匿名さん25/01/12(日) 23:46:28
※21=>>20
うわあ・・・これジュンコ発狂するって
- 22二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 08:14:53
- 23二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 11:31:12
うっわぁ……いやもう何て声かければ良いんだよこれ
- 24二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 11:38:36
「他人の妨害が無かろうとも目的を達せず泣く」ことが多いジュンコ…… キヴォトスでコハルと連邦生徒会長の次ぐらいには不自由な女……
- 25二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 12:00:20
めっちゃ悔やむだろうな…ジュンコ…。
それはそれとしてゴールドマグロを飲み込んだ巨大魚、山海経の話が事実に近ければイベントに出てくる怪魚みたいなポジションになりそうだな。 - 26二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 13:43:26
ああージュンコの不運がここで…
- 27二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 13:51:40
このレスは削除されています
- 28二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 13:52:12
事情を知った関係者全員、遣る瀬無い顔してそう。
ツルギは完全に事情を察していて、尋常じゃない様子からヒナは調べて動機に辿り着くだろうし。
正実から報告上がるだろうから、ナギサも知る事になるだろうし。
それにゴールドマグロが本当に効果があるかも眉唾物だから、
そんな微かな希望すらも否定されてしまったら、ジュンコの心が本当に折れそう。 - 29二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 15:22:08
コハル本人にも連絡が行く可能性もあるよ
- 30二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:01:19
ほ
- 31二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 07:58:04
しゅ
- 32二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 18:47:56
ほ
- 33二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:31:51
しゅ
- 34二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 07:26:03
ぽしゅ
- 35二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 10:53:36
- 36二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 19:34:26
保守
- 37二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 04:53:10
保守
- 38二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 13:39:31
- 39二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:34:59
保守
- 40二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:36:37
最早言葉すら…
- 41二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:37:45
いやまぁ、そうだよなもはや何も言えないよな
- 42二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:38:13
Q.一体、何が貴方をそんなに動かしたの?
A.友達が死ぬかもだなんて今まで考えたこともないくせに!!
Q.一体、何が貴方をそこまで駆り立てたというの?
A.あれがなきゃコハルが!!
う~んヒナちゃぁん…シゴトニンゲン…
いや実際通さないのが仕事だし、今の時期には特に通すワケにはいかないし、なんならジュンコがいつもと違うヒナに活路を見出して激情を説得に活かしていれば、クーラーボックスが耐えていれば……
でも、そうはならなかった ならなかったんだよ、ジュンコ だから、この話はここでお終いなんだ - 43二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:43:46
- 44二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:47:15
コハルがもういいんだ、って説得もしても逆効果になっちゃうよ
せめてゴールドマグロを奪い去った巨大魚の行方を追っかけての捕り物ができれば…… - 45二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 07:09:19
続きはまだ先になるか
- 46二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 07:20:29
そもそもゴールドマグロの薬効自体あるかどうか…
- 47二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 18:43:46
保守
- 48二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 21:03:56
追い付いた
ほしゅ - 49二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 08:23:38
藁にもすがる思いだったのは間違いなかったんだろう
- 50二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 10:41:38
ツルギの反応からして薬効があるという噂は知ってたのかなぁ
というかこれ、後始末でジュンコが素直に話したら何人かメンタルやられそう - 51二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 11:27:45
実の所、本当にゴールドマグロには薬効があって、
既にナギサがどこかに研究や製薬化の依頼を掛けてたりしてね。
水族館に寄贈されてたのはそれで余った個体か、
あるいはコハルと親しい事を隠す為、表向きの理由として水族館に一部を寄贈したとかだったり。 - 52二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 16:41:14
- 53二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 16:53:03
てるてる坊主が一つ増えちゃう…… あるいはジュンコ*テラー
- 54二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 16:58:49
こんなのジュンコがホシノみたいになっちゃうよ
- 55125/01/18(土) 19:20:48
- 56二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 19:21:55
お疲れ様です
- 57二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 19:23:17
気長に待ってます
- 58二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:00:05
ほ
- 59二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 10:09:20
お疲れ様です、ゆっくり休んでもええんやで
- 60二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:53:43
セイアが実装される…ここのコハルとの交流ネタに使えそうなストーリーとなるのか楽しみ
- 61二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 01:44:15
ほしゅ
- 62二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 07:37:28
ほしゅ
- 63二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 17:27:46
ほっシュッシュー
- 64二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 20:14:23
- 65二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 05:54:38
ほしゅ
- 66二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 16:34:41
保守
- 67125/01/21(火) 19:38:12
ひぃん更新が滞っちゃっててごめんよーわりと難産で……申し訳ないけどもうしばらく待っててほしいよー
セイアちゃん実装おめでとう! セミの人たちも成仏できてよかったね! 私も嬉しいよー(場合によっては砕けそうな今後のプロットからは目を逸らしつつ) - 68二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:22:33
保守
- 69二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 08:10:33
保守
- 70二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 08:12:43
このレスは削除されています
- 71二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 11:41:28
ここのコハルって食事制限とか大丈夫なんかな。
下手なもの食べたら体調崩したりしそうな気もするけども。
(ちなみに腎臓が極限まで弱ると塩分にくわえてタンパク質もかなり制限される) - 72二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 17:07:52
とりあえず、アビドスと会ったらどうなるんだろ
- 73二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 18:11:42
- 74二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:27:43
とにもかくにもこの後のジュンコ大丈夫か不安やな。。。
ここでメンタルリカバリーできても、完全回復までかなり時間掛かりそうな気はするなぁ。 - 75二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 02:50:15
少なくとも数週間はかかりそうだよね
- 76二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 08:12:12
朝ほ
- 77二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:57:14
ホシュー
- 78二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:02:42
保守
- 79二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 03:14:37
楽しみに待ってます
- 80二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 08:16:10
楽しみに待機
- 81二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 12:15:39
ラーメンを食べれないコハルのために胃に優しい料理を即席で作ってくれる柴大将が頭をよぎった
- 82125/01/24(金) 12:18:43
ひぃん長い事お待たせしてごめんよー
今夜更新します! - 83125/01/24(金) 19:43:41
正義実現委員会聴取記録より抜粋
「……マグロは、失われましたか。そうですか……可能性としてはありうると考えていましたが……かける言葉が、ありませんわね……」――黒館ハルナ
「あら……一口でいいから食べてみたかったんですが、ゴールドマグロ。……残念です。それはもう、いろいろな意味で」――鰐淵アカリ
「え? マグロなくなっちゃったの!? それは……大丈夫かな、ジュンコ……あんなにすがってたのに」――獅子堂イズミ
「そう。……反応が蛋白って? まあ私はアイツラの仲間ってわけじゃないし。……でも、ここまでした上でこの結末は……無事に帰ったら、なんか作ってあげようかな」――愛清フウカ
被疑者錯乱につき、聴取中止――赤司ジュンコ - 84125/01/24(金) 19:44:39
翌日。あれだけの大捕物があったというのに、日を跨げばそこにはいつものトリニティの日常があった。チチチとさえずる鳥の声。賑やかな淑女たち。夜中に大騒ぎがあったとはとても思えない、いつも通りの市街地の中を、1台の車が突っ切って行く。
「……」
「……」
外の喧騒とは打って変わって、車内は静寂で満たされていた。私はあまり喋るたちではないし、同乗者はそもそも口がきける状態じゃない。運転手は車内に満ちる緊張感からか、これまた口を開くことはなかった。正義実現委員会所有の公用車は静かに目的地へと向かっていく。
「……。あ、あの」
「なんだ?」
耐えきれなくなったのか、運転手が話しかけてきた。……私に話しかけてくる人間は同じ正義実現委員会でも多く無い。精々がハスミや、イチカと言った極少数にとどまる。普段の言動が言動なだけに仕方ないが。
「……今やっていることですが、大丈夫なんでしょうか。正直かなり職権乱用というか……ティーパーティーへの報告が……」
「問題はない。たとえ問題があったとしても、その時責任を取るのはお前じゃなく、私だ。安心しろ」
「ツルギ先輩がそうおっしゃるなら……でも」
運転手は不安そうにバックミラーを見つめた。正確には、そこに映る同乗者を。
同乗者――赤司ジュンコは、項垂れたまま微動だにしなかった。光のないその目には、何も映していない。昨日の聴取で錯乱して……いや、その前から、ただただ虚空を見つめるばかりで、何に対しても反応することはなかった。……正直、見ていてとても痛々しい。なまじ気持ちが理解できる分余計に。 - 85125/01/24(金) 19:45:05
「この状態であの子の前に出しても、まともな会話にはならないんじゃ……むしろ逆効果では?」
「……逆効果になるやもしれないとは、私も思った。だが……このままにしていても、今後いい方向に転ぶとは思えない。それならいっそ賭けに出たほうがいい。……今のこいつに言葉を届かせられるのは、彼女以外いない」
というか、彼女でダメならもう打つ手がない。
「……試験前ですけど、向こうは大丈夫ですかね? そもそも起きてるかな……」
「連絡は入れた。簡単にだが、事情も説明した。驚いていたが……快諾してくれたよ」
「そうですか……」
それきり、車内に声が響くことはなかった。車は重たい空気を乗せつつ進んでいく。――補習授業部が使っている合宿所へと。 - 86125/01/24(金) 19:45:47
正義実現委員会に運ばれた先は、年季の入った建物だった。流石トリニティというべきか、悪目立ちしない、上品な豪華さを持った建物だ。どうでもいいが。
「こっちだ」
剣先ツルギが私に呼びかけて、建物の中へと連れて行く。私は抵抗する気もなくそれを受け入れて進んでいった。……拘束もされてないし、逃げようと思えば逃げられるかもしれない。でもそれで何になる? この場から逃げたところで、結局私が失敗したことに変わりはない。もはや何をしたところで意味なんて無い。
建物の中に入ると、そこには先客がいた。トリニティの生徒だろう4人の人間と、白い連邦生徒会のコートを着た大人が1人。先生……。
「試験前の大事な時期にお邪魔して申し訳ありません、先生。補習授業部の方々も」
【気にしないで。こういうのは早めに片を付けたほうがいいから。時間が解決してくれることもあるけど……悪化する場合もあるからね】
彼女は?
寝室で待ってるよ。
そんなやり取りをぼうっと眺めながらも、私の脳裏に浮かぶのは、忌まわしい昨日の出来事ばかりだった。 - 87125/01/24(金) 19:46:27
セナに応急処置を受け、タオルで包まれた赤司ジュンコは、普段よりも幾らか小さく見えた。先ほどまで泣き喚いていた彼女だが、今では騒ぐことこそなくなったものの、焦点の合っていない目でブツブツと何か呟いている。……正直今の彼女は怖かった。まるで、壊れてしまったかのようで。
静かになった今だからこそ、考えることができる。先ほどの彼女の発言。
――友達が死ぬかもだなんて今まで考えたこともないくせに!!
……友達が死ぬ……もしかしてだが、今回の騒動。その原因に、いつもの美食研のアホな理由とは違うものがあったのではないだろうか。マグロが何故そこにつながるかは不明だが、後々調べれば分かることだ。とにかくまずは、ジュンコをゲヘナに移送するとしよう。
「では、委員長。この……彼女はこちらで運びます」
「お願いする。ありがとう、セナ」
流石に今のジュンコを指して死体と呼ぶのは憚られたのだろう。セナがジュンコを救急車に入れようとして……
「――待て」
第三者に止められた。同時に感じる空気の変化。それに気づいたのかセナも動きを止めて、息を呑む。……この声には、聞き覚えがある。何を隠そう、ゲヘナの最重要警戒対象なのだから。そう、よりによって貴方がここに来るのね……
「何用かしら。正義実現委員会委員長」
「そいつに用がある。移送は待ってもらおうか、風紀委員会委員長」
トリニティとゲヘナの境界線上で、互いの最高戦力が邂逅を果たした。 - 88125/01/24(金) 19:47:44
「……まずは、容疑者確保の協力感謝する」
「それに関しては、こちらの不手際でもある。容疑者がゲヘナ生徒なのだから、我々も然るべき対処は取るわ。――で? 彼女に用がある、とは?」
重苦しい空気の中、対峙する私と、正義実現委員会委員長――剣先ツルギ。思えば、こうして彼女と一対一で話すのは初めてだ。互いの立場の問題もあり、そんな機会はないものだと思っていた。というより、あってほしくなかった。まず間違いなくろくなことにならないだろうから。今のように。
「容疑者――赤司ジュンコの身柄だが、こちらで預からせて貰う」
「――何故? 赤司ジュンコを確保したのは私、つまり風紀委員会よ。ゲヘナの犯罪者はゲヘナで裁く……治外法権は、今回認められているはずだけど」
本来ならば、トリニティの自治区内で犯罪を犯した他自治区の生徒は、トリニティ側に処遇を決める権利がある。しかし、今は時期が時期であるため、ゲヘナ生徒はゲヘナ側に送って処理することとなっていた。一応トリニティ側の生徒がゲヘナで問題を起こした場合は、その逆もまた然りなのだが……生徒の気質上、そもそもゲヘナに行くトリニティ生が皆無なので、トリニティが割を食う形となっているのだが、それは仕方ない。それを飲み込んででも、トリニティは条約を締結させたいのだから。
「ああ、そうだな。だが足元を見てみろ、風紀委員長。お前が今立っているのはどこだ?」
「……随分と強引なやり方ね。ジュンコの身柄を確保して、何をするつもり?」
バサリと、威嚇するように翼を広げる。銃は橋の上に置き去りにしてしまったけれど……抵抗できないわけではない。もっとも、その場合条約がおじゃんになるが。……難しい局面だ。 - 89125/01/24(金) 19:48:39
私が今立っているのは川岸、ややこしいことにトリニティ側だ。つまり、ギリギリトリニティの自治区内である。私やセナがここにいるのはジュンコの救命活動のためなので、そこは目を瞑るだろうが、結局トリニティの自治区内でジュンコを確保したことになるため、彼女の身柄の処遇はまだトリニティ側に決定権がある。そう言いたいのだろう。……一応正論だ。筋は通ってはいる。かなり強引ではあるが。
ここまで強引な理由付けで、それもこの微妙な時期に、事前の取り決めを半ば無視してまでジュンコの身柄を手元に置きたい理由……一体何を狙っているのか。……事と次第によっては、ここで一戦交える必要があるかもしれない。これで条約がめちゃくちゃになったとしても、だ。
臨戦態勢を取った私に対して、剣先ツルギは少し考え込んでいたが……やがて、その手に持っていた銃を手放した。ガランガランと音を立てて、彼女の愛銃(ブラッド&ガンパウダー)が2丁、地に転がる。丸腰になった彼女は、そのまま腰を90度曲げ……
「――頼む」
「――っ!?」
「……トリニティの、正義実現委員会の長が……ゲヘナの風紀委員長に、頭を下げた……?」
しっかりと頭を下げてきた。……驚いた。正義実現委員会のトップが、風紀委員会のトップとはいえ、ゲヘナの人間に頭を下げるだなんて。……この行いは、決して軽いものではない。もしもクロノスが盗撮していたら、明日の一面はでかでかとこの光景が載っていることだろう。あまりにも衝撃的な光景に、横で成り行きを見ていたセナも呆然としている。
「かなり強引なことを言っているのは百も承知だ。だが……決して悪いようにはしない。明日にはゲヘナに移送すると約束しよう。何なら、彼女以外の容疑者は今夜引き渡してもいい」
「……一つ聞かせて。どうしてそこまで赤司ジュンコに拘る?」
「……」
黙り込んだ剣先ツルギは、私の背後――今もなお、心ここにあらずな彼女を一瞥する。その目に浮かぶ感情は、敵意でも悪意でもなく……どこか、悲しいものだった。
「こちらも詳しい事情を聴いたわけではないが……もし私の予想が正しいものならば……こいつの気持ちは、決して他人事ではないからだ。一言で言うなら――安い同情だよ」 - 90125/01/24(金) 19:49:23
あの夜。剣先ツルギと空崎ヒナ、学園を代表する戦力同士で何やら話していたが、何を話していたのかは分からない。そんな事を気にする余裕は、私にはなかったし。ただ一つ言えることは、私の身柄の移送が、一日延びたということ。その猶予の間に、剣先ツルギによってここに連れてこられたということだけ。……何をさせたいのか知らないけど、放っておいてくれないだろうか。ほぼ唯一の解決手段を、あれだけの騒ぎを起こした挙げ句最後の最後ポカで失った間抜けのことなんて、どうでもいいだろう。
そう思っても、口には出さない。というか、口に出す気力もなかった。
先生が私を心配そうに見つめているのが見える。……昨夜、抵抗するハルナたちを捕まえたのが、先生とその指揮下の部隊だったそうだが、流石だと思う。ハルナ達を捕まえるのは風紀委員会でも一筋縄ではいかないのに。……散開して逃げたはずのハルナたちが、先生たちの部隊を足止めしてくれたと後で知った。正直かなり驚いた。そんな自分を犠牲にするような行動、今まで取ったこともなかったのに。……でも、それすらも私が無駄にしたんだ。ハルナたちの献身を。フウカの優しさを。私が。
……最初から先生を頼っていれば、また違ったのかな。先生なら、こんな手段取らずに、マグロをコハルに渡すことができたかもしれない。
そこまで考えて、思わず自嘲する。馬鹿が。今さらそんな事思い至っても遅いんだよ。
【――丈夫かな、ツルギ。この状態のジュンコを会わせて】
「錯乱するようなら私が止めます。それに……この状態の彼女に言葉を届けられるのは、やはりあの子しか……」
【……荒療治に近いけど、わかったよ。今の彼女には、私ではどうにも役不足のようだしね。――ジュンコ。なにか話したいことができたなら、いつでも相談してね】
先生が何か言っている。生憎、ぐちゃぐちゃになった頭では何を言っているのか咀嚼できなかった。咀嚼する気も起きなかった。ただただ、ぼうっと床を見つめているだけ。
「……。こっちだ、赤司ジュンコ」
剣先ツルギに半ば引っ張られるようにして、私は建物の奥へと入っていった。 - 91125/01/24(金) 19:50:08
廊下の途中。とある部屋の扉の前で、剣先ツルギは立ち止まった。
「ここだ。少し待て」
コンコンとノックする。誰かいるらしい。私をわざわざ連れてきたってことは、そいつと私を会わせたいということか。……どうでもいい。こっちはまともに会話できるような頭をしてないんだ。誰に何を言われたところで……
「開いてますよ、どうぞ」
――。え? ……は?
ものすごく聞き覚えのある可愛らしい声が聞こえた気がする。……え、まさかこの部屋にいるのって……
反射的に逃げ出そうとした私の首根っこをツルギが抑える。反応が早すぎる……くっそこいつわかってて最初から身構えてたな!
「離して! 離せぇっ!!」
「ああ、今離してやるさ」
次の瞬間、ツルギはパッと扉を開け、有無を言わさず私を中に放り込んだ。
部屋はどうやら寝室のようだった。ベッドが6つ、規則正しく並んでいる。その内5つが使われているようで、謎のぬいぐるみが置かれていたり、掛け布団がめくれていたりとそれぞれ使用感があった。そのうちの一つ、一番布団の多いそこに、彼女は腰掛けていた。
「――ジュンコ」
「――あ……」
思わず頭が真っ白になる。もう合わせる顔なんてないと思っていた、私が助けたかった友達。――下江コハルが、パジャマ姿で私を見つめていた。 - 92125/01/24(金) 19:50:43
今朝方、突然ツルギ委員長から連絡が来た時には驚いたけど……昨夜の大騒ぎ(この連絡で初めて知った。なんでも美食研究会がトリニティで強奪騒ぎを起こしたらしい。私とハナちゃん以外皆関わってたみたいで……教えてくれてもよかったのに)の原因がどうやら私にあるらしく……あのジュンコがだいぶまいってしまっていて、このままだと最悪自死しかねないと言われて危うくひっくり返るところだった。ハナちゃんが支えてくれたけど。
詳しい事情は後で説明するとのことで、急遽ジュンコと会うことになった。ぶっちゃけあまり体調は良くないのだが、今はそんなこと言ってられない。幸い熱も下がっていたため、強めの薬を使い、ジュンコが連れられてくるまで寝て待つことにした。
そして今。ちょうどついさっき起きたばかりの私の前に、ジュンコが放り込まれてきた。……実を言うと、見た時本当にジュンコか一瞬疑ってしまった。あまりにも、その……目が……光を失ってて……何があったらこうなるの?
「……コ……コハ……」
パクパクと、ジュンコの口が池の鯉のように開閉する。顔色が悪い。もともと白目の肌が、今や血が通っていないかのように青褪めている。目も右往左往していて、とても健常とは言い難い。……うん、これは会話にならなさそうだ。今は落ち着かせるのが先決だろう。
「ジュンコ。とりあえず、座らない? どこでもいいから。対面がきついなら、隣でも、なんなら私から一番遠い場所でもいいよ」
「……っ」
「落ち着いて。深呼吸して。大丈夫、急かしたりしないから」
吸って……吐いて……吸って……吐いて……と、指示しながら呼吸を整えさせると、半ばパニック状態に近かったジュンコの息は次第に落ち着いてきたようだった。……うん、少しマシにはなったかな。本当は近づいて気遣ってあげたいんだけど、如何せん薬で無理やり動いてる状態なので、今は言葉だけで許して欲しい。 - 93125/01/24(金) 19:51:21
落ち着いた? 大丈夫なら座って。立ち話もなんだから。と、タイミングを見計らって声を掛けると、ジュンコはフラフラと言われた通りに私の対面に座った。……目を合わせてくれない。あのいつも元気一杯で騒がしいジュンコが、まるで借りてきた猫のようだ。いや本当に何があったの? 私が原因らしいけど、何かしちゃったかな……。
「……うーん、ねえジュンコ。一応聞くね。辛かったら何も言わなくて大丈夫だから。……昨日何かあったみたいだけど、何があったの? まだ詳しいことは何も聞いてないの」
いやまあ一応予想はついてるけど。たぶんゴールドマグロ絡みじゃないかなーって。何せ幻の魚だし、そりゃ美食研究会の人間なら食べたくなるよね。トリニティが半ば厳戒態勢に入ってる今の時期に狙うのはなかなかリスキーだが、この子や、話に聞く美食研究会の人たちならやりかねない。……でもそれで失敗して正義実現委員会に取り押さえられた程度でこうもなるだろうか。私が原因って話とも辻褄が合わないし。
疑問をストレートにぶつけてみると、途端ジュンコは携帯のバイブレーションのように震え始めた。ああうん、やっぱり自分の口から説明するのは無理か。
「ジュンコ、落ち着いて。大丈夫、何も言わなくていいから。ごめんね。……ツルギ委員長」
「ああ、私が説明する。……昨夜――」 - 94125/01/24(金) 19:52:52
ツルギ委員長から事のあらましを聞いた私は、開いた口が塞がらなかった。……ええと、つまり。ゴールドマグロにはあらゆる病を治すなんて伝説があり、それを知ったジュンコが私の病気を治そうとして美食研究会を味方につけて襲撃し、奪取はしたものの妨害を受け、ツルギ委員長とゲヘナの空崎ヒナ相手に奮闘し、……結局川でマグロを無くした、と。……うわあ。
思わず顔を両手で覆ってしまう。なんというか、物凄く胸が痛くなる話だ。いや心臓ではなく。私の場合は思いっきり騒動の原因だから尚更ね。
……確かに、ジュンコにはどうにも食べ物関係になると極端に不運になる傾向があった。でも、よりによってこの件でバッドラックを発揮しなくてもいいだろうに。……これは本人が一番言いたいか。
それにしてもどうしよう。なまじっか彼女の暴挙の原因なものだから、下手なこと言えない。この件での彼女の頑張りを思うと、否定するようなことは口が裂けても言えないし……でも、こんなやり方で治ったとしても……うーん……。
悩む私に対し、唐突にジュンコが口を開いた。
「ねぇ、コハル……」
「うん? どうし……」
たの、と言い切る前に、私はジュンコに押し倒されていた。初めて目と目があった。
「――聞きたいの。コハル、大丈夫だよね?」
「……だ、大丈夫って何が?」
聞き返しながらも、明らかに臨戦態勢に入って今にもジュンコを引きはがしにかかりそうなツルギ委員長を目で押し留める。幸い委員長はギリギリ気付いて動きを止めてくれた。それに気づかないまま、ジュンコは私に問いかけ続ける。――瞳孔の開いた目から、涙を流しながら。 - 95125/01/24(金) 19:53:53
「……死なない、よね? 大丈夫なんだよね? きっと、いつか、良くなるんだよね?」
「……っ」
「良くなるって、言ってよ。あの日、部屋で見たアレも……何かの間違いだって、そう言ってよ。お願いだから……じゃないと私、私……」
涙を流し続けながら、ポツリ、ポツリと言葉を投げ続けるジュンコに、私は固まった。……今のジュンコは、罪の意識に苛まれている。私を助けるチャンスを不意にしてしまったと。このままだと、私が死ぬのではないかと。
……あの日見たアレ……もしかしてあれだろうか。最後にジュンコとリアルで会ったとき、私の部屋でジュンコが見つけてしまった、アレ。気にしないでと言っておいたし、ジュンコもその日こそ挙動不審だったけど、後日のモモトークではいつものジュンコだったからすっかり安心していた。今考えると気にしないわけないよね……流石に無理があったし。なるほど、ジュンコが今の時期に動き出したのは、私の時間が残り少ないと悟ったからか。
――一つ、深呼吸をする。
「……あー、ゴメンね、ジュンコ。不安にさせちゃったみたいで。大丈夫だよ、死ぬわけじゃないから」
「……嘘」
「嘘じゃないよ。私がジュンコに嘘ついたこと一度でもあった? あの日のアレはただの書き損じ。ホントにやりたいことだけ書きまくったら量が多くなりすぎて収拾つかなくなったから消しただけ。おっきなバッテンついてたでしょ?」
病気も、いずれ治るから大丈夫。無茶させて本当にごめんね。
私の言葉に、ジュンコは動きを止める。今しかない。ちょうどジュンコの方から近づいてくれたのだから。 - 96125/01/24(金) 19:55:50
「あっ……」
「――本当に、ありがとね。ジュンコ。やり方はちょっと褒められないけど……気持ちは凄く伝わったし、嬉しかった」
ぽんぽんと、背中を叩いて落ち着かせる。ジュンコって食べ物に目がない割には小柄で体重も軽いから抱きしめやすくてとても助かる。背丈もほとんど変わらないから首が痛くなる必要もないし。
「……死なない?」
「死なないよ」
「……本当に?」
「うん」
どうにも不安が根強いのか、何度も何度も聞いてくるジュンコに、根気強く何度も返す。……やがて、死人のような顔をしていたジュンコは、ニッコリと私に笑いかけた。
「……よかったぁ……」
そのままズルズルと、私にもたれ掛かってくる。うっ……いくら軽い方とはいえ、私にはちょっと重い……。 - 97125/01/24(金) 19:56:44
「……これで、コハルが治らなかったらどうしようって。死んじゃったらどうしようって。私のせいだって、ずっと思ってた」
「……何かあったとしても、ジュンコのせいじゃないよ。それにね、マリーさん……シスターさんが言ってたの。死んだ人の魂は神様にすくい上げられて、善行を積んだ人は楽園(エデン)に導かれるって。私はシスターフッドの人たちほど敬虔な人間ではないけれど……たぶん、ギリギリ楽園に行けるんじゃないかな」
まあ今すぐ行きたくはないけどね。なんて冗談めかして言うと、ジュンコの目からブワッと涙が溢れた。ジュンコ!? なんか涙腺壊れてない? 大丈夫!?
「いやだぁ……! コハルを神なんて性悪に連れてかれたくないぃ……!」
「しょ、性悪って……もう、泣きすぎ。ほら、ハンカチ。これで拭って。目がおかしくなっちゃうよ」
「うえぇ……!」
「なんかすっごい幼くなっちゃった……あー、よしよし。大丈夫よ、私はここにいるから」
少なくとも、もうしばらくは。 - 98125/01/24(金) 19:57:20
「……寝ちゃいましたね……ツルギ委員長」
「……ああ、わかった」
泣きつかれたか、昨晩の疲労が響いたか。スゥ…スゥ…と小さな寝息を立てて眠るジュンコを眺めながら、ツルギ委員長を見る。委員長は皆まで言わずとも私の意を汲んで、起こさないようにジュンコを抱き上げてくれた。……ふふ、正義実現委員会のトップにお姫様抱っこされるゲヘナの生徒か。なかなかに凄い絵面だ。エデン条約の広告にピッタリじゃなかろうか。
「――コハル」
「はい?」
ジュンコを抱えて部屋を出ようとしていたツルギ委員長が、振り返って私に呼びかける。どうしたんだろう?
……しばらく、沈黙が続き……じっと私を見つめていたツルギ委員長は、不意に視線をそらした。
「……いや、何でもない。今日は突然連絡した上に、こんなことをさせてすまなかった」
「気にしないでください。ジュンコの暴走の原因は私にありましたし。むしろここでジュンコと話せなかったら、今後どうなってたことか……」
ジュンコのあの様子を見る限り、ツルギ委員長が強引につれてこなかったら……うん、どう考えてもいい方向には行かない気がする。自死しかねないと判断されたのも仕方ない。私にもそう思えたもの。まあでも、とりあえず今の会話でその危険性はなくなったかな。
「まずろくなことにはならなかっただろうな。……重ね重ね礼を言う。ありがとうコハル。今日は体調は大丈夫だったのか?」
「体調は……はい。もう試験も近いですから、また体調を崩して受けられませんでした、じゃお話にならないですし」 - 99125/01/24(金) 19:57:43
「……コハル」
スッと、ツルギ委員長が手を伸ばしてきた。片手で器用にジュンコを抱えながら、もう片手で私の頬を撫でてくる。ちょっとくすぐったい。
「以前した約束を、覚えているか?」
「約束……あれですか? 何かあったら報告しろっていう」
「そうだ。……くれぐれも、忘れないでくれ。お前に何かあったら、みんなが悲しむ。ハスミも、イチカも、マシロも。――勿論、私もだ」
「ツルギ委員長……」
「……息災でな、コハル」
ツルギ委員長は多くを語らず、ジュンコを抱えて去ってしまった。寝室の中が急に静まり返る。
「……あ、しまった」
昨日わがままを言って買って来てもらった限定パフェ。結構大きくて、一人で食べきるのは無理そうで……せっかくだからジュンコに食べさせようと思ってたけど、話の流れですっかり忘れてた。
「……これは買ってきてくれたみんなで一緒に食べるとして……今度、ジュンコを誘って一緒に行こうっと」
――私の命が、尽きる前に。 - 100125/01/24(金) 19:58:15
これは、少し前の話。トリニティのアクアリウムに、ゴールドマグロが展示されるという話が出てきたばかりの頃だ。
「う、うへぇああぁ!? ななな、なんですか急にアポなしで! せ、正義実現委員会の委員長に突っつかれるようなことしてませんよ!」
カーテンが閉め切られ、薄暗い古書館の中で、テンパった様子の図書委員長が喚いていた。……なるほど。
「い、一体何のようですか!? いくら正義実現委員会委員長といえども、抜き打ち査察は断固抗議しますよ! やましいものなんて何も「――お前の本性はもう知っている。くだらない猿芝居はよせ。話が進まない」!……」
嫌な空気が、古書館内に染み渡る。物理的なものではない、されど確かに感じる、湿った気配。化けの皮を被った、温度のない視線。
「――なるほど。ハッタリ……ではなさそうですね」
やれやれ、面倒なのがまたしても……
頭を振って、図書委員長――古関ウイはどっかりとソファに座り込んだ。先ほどまでの狼狽っぷりが嘘のように怯えた目が一転、ふてぶてしさ全開でこちらを見ている。……話に聞いていただけだったが、こいつの素はこっちか。人嫌いで厭世的で、他者に関心を持たない。ある種の究極的な傍観者。確か後輩の円堂シミコくらいだったか、彼女が興味を向けるのは。 - 101125/01/24(金) 19:59:05
「それにしても、言うに事欠いて"猿芝居"と来ましたか。このキャラ、結構気に入ってるんですけどね。お嬢様どもの受けが良くて、勝手にベラベラ大事なことをお漏らししてくれるので」
「そこらのお嬢様と一緒くたにされたのは生まれて初めてだ」
「へーそうですか。よかったですね」
至極どうでも良さそうな反応をした古関ウイは、胡乱げな眼差しで私を見つめた。
「で? ご要件は? くだらないことでしたら辞書があるんでそちらへどうぞ」
「ゴールドマグロについて話を聞きたい」
「アクアリウムがご丁寧に解説してくれてますが。ホームページでも見ればいいのでは? 生物学的な細かいところまで書かれてますよ解説欄に」
「私が知りたいのは生物学的な話じゃない。――山海経に伝わる伝説についてだ」
「……」
「……曰く、黄金魚はあらゆる病を癒す、と。これがゴールドマグロのことを指してるのか、伝説は本当なのか、裏付けを取りに来た。他校の伝説とはいえ、トリニティの古書館は歴史も古い。多少なりとも記録はされてるはずだ。……古関ウイ、お前は古書館の本の内容をすべて把握していると聞いた。禁書も含めてな。……頼む。お前の知っている限りの情報を教えてくれないか」
「……はぁ」
古関ウイは手を額に当て、溜息を一つこぼした。 - 102125/01/24(金) 19:59:40
「一つ聞かせてください。それを知りたがるのは……"あの子"のためですか? どう見ても貴方自身は必要なさそうですし」
「その"あの子"が、正義実現委員会の人物を指してるなら、答えはYESだ」
「……。いいでしょう。本来ならば閲覧許可だけ出してあとは勝手に探せと言うところですが……」
ソファから立ち上がって伸びをした古関ウイは、おそらく作業机だろう、何かの道具が散らばった机へと向かい、そこに置かれていた一冊のメモ帳を拾い上げた。
「これを聞いてきたのは、貴方で二人目ですよ。全く……今では知名度のほとんどない、古い伝説だというのに、どこで聞いてきたんだが」
――確かに、ゴールドマグロは山海経に伝わる黄金魚伝説……その黄金魚と特徴が合致しています。では黄金魚=ゴールドマグロなのかと問われると、断言はできません。可能性は高いと言えますが。幻の魚と言われるだけあって、歴史の表舞台に登場することがほぼないんですよ。……ただし、病を癒す黄金魚という存在は、極わずかにですが、さまざまな文献で散見されます。百鬼夜行連合学院や、オデュッセイア海洋高等学校など、魚を食す文化のある自治区ですね。……結論から言えば、『伝説上の黄金魚の薬効はある。ゴールドマグロが黄金魚かは断言できない』と言ったところでしょうか。
喋り疲れたのか、古関ウイは机に置いてあったアイスコーヒーを一口すする。カラリと中の氷が軽い音を立てた。
「……現状の情報を纏めた上での結論です。わざわざ現地くんだりしてまで確認してきたので、そう間違ってることはないでしょう」
「わざわざ現地まで確認しに行ったのか?」
割と素で驚く。あの古書館の魔術師が……口さがない者曰く"引きこもり"が、外出し、それも他自治区まで出向くとは……。 - 103125/01/24(金) 20:00:02
「私も、他人事ではありませんでしたので。――さて、私が知っている情報はここまでですが、これを知った上でどうするおつもりで?」
「……アクアリウムに交渉して、ゴールドマグロを譲ってもらう」
「無駄ですよ」
「何?」
自慢ではないが、こんな形でも私もトリニティの生徒であり……まあそれなりに懐は厚い方だ。流石にティーパーティーほどではないが。故に、買い取れる可能性は他の人間より高いと踏んでいたのだが……
「さっき言ったでしょう。聞いてきたのは貴方で二人目だと。……件のゴールドマグロは展示期間終了後、表向きには海に帰されるとされていますが……実際には、ある人物によって既に買い取られ、所有権が移っています。彼女曰く、伝説が本当か確かめるそうですよ。金持ちの道楽Level100って感じですね」
「それは……困るな。本当に困る。せめてあの子の分は残してもらわないと……そいつは誰だ?」
古関ウイは不機嫌そうに片眉をあげた。憮然とした表情で、嫌そうに口を開く。
「――現ティーパーティーホスト代理。つまり、貴方の飼い主ですよ」 - 104125/01/24(金) 20:01:02
「もっとも、今回の騒動でゴールドマグロは喪失。全て水の泡になったわけだが……」
流れるトリニティの風景を車窓から眺めながら、独りごちる。運転手をしてくれている生徒、正義実現委員会の後輩が私を気にして気も漫ろのようだが、何でもないと手を振ると視線をバックミラーから外した。散漫にさせて悪いが運転に集中して欲しい。
――赤司ジュンコの心境は、とても他人事とは言えないものだった。最初は美食研究会が主犯ということで馬鹿が馬鹿やらかしただけだと思ったが……実際は、コハルの治療のためだった。……最初から動機を知っていれば、上手いこと逃がしていただろうが……今更言っても詮無きことだ。
赤司ジュンコの気持ちは、痛いほどによくわかる。空崎ヒナにかなり強引なお願いをしてまでコハルとの会話を設けたのは、私が同じ立場でこの結果になったら間違いなく発狂してるからだ。……安い同情だ、本当に。
「……しかし、これでナギサ様に交渉する必要もなくなったか」
そこまで考えて、一つ思い至る。今更だが、何故ナギサ様はアクアリウムからゴールドマグロを買い上げたのだろうか。古関ウイは金持ちの道楽と言っていたが……もしや……
「実はコハルと関係があったり……いや。流石にないな」
何せ、明らかにコハルを利用して、何か企んでいるのだから。でなければ補習授業部などとわけの分からない部活を無理やり作った上、強制的に合宿に放り込んだりしない。……ふぅ。
考えていたらイライラしてきたので、息を吐いて落ち着かせる。私までハスミのようになっては収拾がつかない。……コハル。 - 105125/01/24(金) 20:02:37
先の会話にて、病はいずれ治ると語っていたが……今までコハルを見てきた私には、とてもそうは思えない。救護騎士団からも、あの子の症状が根治するものだとは聞いていないのだ。ミネ団長が自身の無力さを嘆いていたこともよく覚えている。もっとも、私のほうが無力だが。何せ何もしてやれていない上、こうしてお上の事情に巻き込まれ様々な負担をかけてしまっているのだから。……ミネ団長は今行方知れずとのことだが、今回のコハル周りについて全部知られたらとんでもないことになりそうだな、私含めて何人かが。
まあそんなことはどうでもいい。重要なのはコハルの発言が真実か否かだ。真実なら万々歳だが……あれが、赤司ジュンコを慮っての嘘だとしたら。もっと言えば……一瞬本人を問いただしかけて……あまりにも重すぎてつい日和ったが……もしも、死なないという発言すらも、嘘だったのなら。
「『逃がした魚は大きい』というが……あまりにも大きすぎるな……」
私は……いや、正義実現委員会(私たち)は。正義のために、とても大きな代償を払ったのかもしれない。 - 106125/01/24(金) 20:03:01
トリニティ本校舎の屋上。夕焼けに沈むトリニティの街並みを、私は1人眺めていた。狙撃手たるもの、訓練も兼ねてこうして屋上から街並みを眺めるのが、私は好きだった。
視力が高い私には、ここからでも街の様子がよく見える。笑って会話する生徒たち。笑顔で走る子供たち。――平和な日常。今日も一つ、正義を為すことができたと、見る度に胸を張ることができたのだ。
なのにどうしてだろう。今日は、この光景を見ても気分が晴れない。胸のうちに鉛が入り込んだかのように、重苦しい物がつかえている。
「ああ、やっぱここだったっすか」
不意に声が聞こえて振り返ると、そこには何でも卒なくこなす、尊敬する先輩の1人が立っていた。
「……イチカ先輩」
「……。隣、失礼するっすよ」
どっこいしょ、と大げさな声を上げて、イチカ先輩が私の隣に腰掛けた。そのまま夕焼けに沈む街並みを眺める。言葉を発する気になれなくて、先輩も口を開かず。不思議な沈黙が、しばらくの間続いた。
「……聴取記録、見たっすよ」
「……」
15分ほど経っただろうか。不意に、先輩が口を開いた。ああ、貴方も見てしまったんですね。 - 107125/01/24(金) 20:03:47
「……先輩」
ぎゅっと拳を握る。言葉にならない気持ちが、握力という形で出力された。それでも何とか、胸の内を言葉で伝えようと努力する。
「……私たちは、間違っていたんでしょうか?」
「……マシロ」
「条約前の大事な時期に、ゲヘナの生徒がトリニティの財産を奪取した。いつものゲヘナらしい、欲望が全ての犯行だと思っていました。それを取り返し、犯人を捕まえることこそ正義の行いだと。――でも!」
目頭が熱くなる。思わず目をこすると、「あまりこすると目がおかしくなるっすよ」とイチカ先輩がハンカチを差し出してくれた。素直に受け取って目元に当てる。
「……全部、コハルさんのためだったんです。あの魚が、コハルさんを治す唯一の手段かもしれなかった。なのに……私たちはそれを知らずに、あの人たちの邪魔をしました。その結果、マグロは……」
「……仕方ないっすよ。マグロにそんな伝説があるなんて誰も知らなかった。美食研究会が今までやってきたことがことだったんで、誰もそんな裏があるなんて考えもしなかった」
「でも、もっとやり方があったはずです! ……先入観に囚われず、動機を聞いていれば……正しさを盲信しなければ……こちらから歩み寄っていれば、こんな結果には……」
ズルリと、肩に下げていた愛銃のケースがずり落ちた。普段ならいの一番に直すそれに、今は触れる気も起こらない。 - 108125/01/24(金) 20:04:25
「……先輩。コハルさんのために行動したあの人たちと、それを妨害した私たち。どちらが、本当の"正義"と言えるのでしょう。……今の私には、彼女たちを悪だと断言できません。むしろ……私たちのほうが……悪だったのでは……」
「……マシロ、しっかりするっすよ」
イチカ先輩が肩を揺らしてくる。
「難しい問題っすけど……決して、私たちが徹頭徹尾間違っていたわけではないっす。私たちはトリニティの正義をなした。その結果、別の正義……ジュンコさんたちの正義とかち合った。それだけの話っすよ。……向こうの正義に、コハルが絡んでただけで」
「別の、正義……」
……よく、わからない。正義とは、不変のものではないのか。絶対の指針では、なかったのか。
「いいっすか、マシロ。よく聞くっすよ。前から一度は言っておかないといけないと思ってたんで、ちょうどいいから今言うっす」
イチカ先輩が目を開いて、私の顔を手で挟んで目止めを合わせた。普段なかなか見られない綺麗なガラス細工の様な瞳に、人様には見せられない顔をした私が映っている。
「……正義っていうのは、人の数だけあるんすよ。時にそれらをぶつけ合って、時に同調して、皆この社会で生きている。……私達が今まで取り押さえてきた犯罪者達は、いわば彼女たちなりの正義に沿って行動した結果、私たちトリニティの正義とぶつかっただけなんすよ。……まあだいたいその正義がしょうもないんで、そうそうこんな事態にはならないんすけどね」
今回の場合は、『どちらかが間違っている』のではなく、『どちらも正しかった』んすよ。
喋り疲れたのか、イチカ先輩は持っていたペットボトルの飲み口を口に当てた。マシロも飲むっすか? と差し出してきたそれを、遠慮がちに受け取る。 - 109125/01/24(金) 20:05:00
「どちらも正しかった……でも……」
「『それではどうすればいいのかわからない』……当たってるっすか?」
「!」
目を丸くして驚いた私に、イチカ先輩はくすくすと笑って、懐かしそうに目を細めた。
「……私にも、同じように悩んでた時期があったんすよ。相手が正しくて、でもやり方がトリニティの正義と反してる。じゃあどうすればいいのか、何が正しいのかと……長い事考えて、出した結論が……『後悔しない選択をする』ことっす」
「後悔しない、選択……」
「相手も自分も正しいのなら、自分が後悔しない選択をする。勿論私たちの立場上、トリニティの正義が最優先っすけど……誰もが正しいならば、後で後悔しない正しさを選ぶ」
……それで今回みたいになることも、稀にあるんすけどね。それでも、反省はしても後悔はしない。反省と後悔って、似ているけれど違うものなんすよ。
イチカ先輩は遠くを見つめながら私に語った。
「……私には、わかりません」
だって私にとって、今まで正義は一つしかなかったから。先輩たちが作ってきた、トリニティの正義こそ唯一絶対で。……それが、人の数だけ正義があるなんて。まるで足元が崩れて奈落の底に落ちているような気分だ。
そんなにたくさんの正義から、後悔しない選択をするなんて、私には……
「あー、マシロは生真面目だから、なかなか受け入れ難いっすよね。……まあ、考え方の一つということで。頭の片隅にでも入れておいてくれると嬉しいっす」
そう占めたイチカ先輩は、立ち上がって大きく伸びをした。いつの間にか日は沈み、夜の帷が顔を出している。
「……正義って、なんなんだろう」
輝く月は、小さくつぶやいた私の疑問に答えてくれる気配はなかった。 - 110125/01/24(金) 20:09:14
今回はここまで!
やることが……やることが多すぎる……(画像略)
ひぃんいろいろと書きたいことを詰め込んだら長くなっちゃったよーその上ごちゃごちゃ考えてたら内容もごちゃごちゃしたものに……
正義云々についてはあくまで落書き帳の与太話程度に捉えて雰囲気で楽しんでねーちな執筆時間の7割がここに消えたよー
次回はとうとう二次試験! 皆合格点圏内やし補習授業部大勝利! 希望の未来へレディゴー!
になるといいね - 111二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 20:14:37
- 112二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 20:15:09
山海経の薬膳とサヤの作ったキサキ用の薬…そして申谷カイ、鍵を握ってるかもしれない
特に仙丹、アレであれば可能性はある、反動に耐えられるかは別として - 113二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 22:26:27
- 114二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 22:56:51
…黙ってた方が良さそうですね
- 115二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 06:32:19
- 116二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 07:34:29
- 117二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 07:38:55
- 118二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 09:41:31
この補習授業部編でコハルが死んでしまった場合
今回の騒動の件でナギサ様が自らエデン条約を白紙撤回しそう
調書読んでいてもゲヘナのせいでって考えないと自分がコハルを切り捨てた自責の念に押しつぶされそうだし
トリニティのために友達を時限爆弾にして切り捨てることを決意して
それでもなんとか助けたい気持ちが見え隠れするナギサ様の矛盾した行動ほんと好き
最後にハナコとアズサに対面した時押さえていたものが爆発して
あなたたちトリニティの裏切り者さえいなければーーって叫んでほしい
可哀想なキリちゃん・・・ひとえにお前の幼馴染のせいだが - 119二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 18:50:41
保守
- 120二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 22:08:57
誰もが「助けになりたい」という一心で動いてるのに、言葉を交わさないせいで何一つ上手くいかないの、エデン条約してるって感じがする ニコッ(悪い大人の笑顔)
- 121二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 08:56:22
ほ
- 122二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 17:17:15
すごい一人の病だけでここまで大ごとになるなんて。まあそれだけコハルが愛されてるってことだけど
- 123二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:57:04
保守
- 124二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 00:55:51
マグロの強奪←やらなきゃ自動的にコハルの下に届いてた可能性が高い
マグロの効能←眉唾モノ
「死なない?」「死なないよ」←明日にも死にそう
なんかもう、ジュンコのメンタルが地下生活者とかに突かれたら秒で崩壊しそうな状況すぎる - 125二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 07:31:35
朝ほ
- 126二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 07:44:36
この世界線が実装されてるブルアカ、プレイヤー目線から見たらカルバノグ編のミヤコが「おめぇ何言ってんだ」感が更に酷くなりそう
「お前らの正義は偽物だ!SRTこそ真の正義!」と言ってテロ起こしてるとこから始まって、ここのマシロと同じ段階に達するのは2章後半だから… - 127二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 08:01:55
先生が"ある人の話をしようか"って今回の話を例に出す演出が入りそう
- 128二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 15:05:23
言い方悪いかもしれんが最強の道徳の教材だな
- 129二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:55:43
今の話からは反れるけど、ここのジュンコ、原作ジュンコと違って「値段に相応しい美味しい美食」とかじゃなくて「どんな人でも美味しいって食べれる美食」を求めて、栄養学とか学んで病人食とか追求するようになったりしてほしい。
愛用品のグルメ手帳も、どんなものが食べてよくて、どんな栄養に気を使わなきゃいけないのか、そうやってどうしたら美味しく作れるのか、みたいなことがびっしり書いてたりしてそう、 - 130二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:11:42
☆
- 131二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:17:27
ブルアカって身内に同じ名前が居る現象起こりやすいじゃん?
ジュンコでその現象起きててね
なんかこう………つっら - 132二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:19:06
- 133二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 10:47:08
名物にしたってダメージが跳ね上がりすぎたと思うんだが
- 134二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 13:01:49
- 135二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 13:26:18
最近になってエデン条約編を進めてるワイにとってはタイムリーな概念だァ
見届けなければ... - 136二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 13:30:53
ゴールドマグロ紛失からの発狂とか…
- 137二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 14:02:45
- 138125/01/28(火) 21:25:06
- 139二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 21:27:47
身内名前現象起こした者だが
それだけ引き込まれてるって事だから気にせずどんどんやっちゃって下さい! - 140二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 01:16:08
ほしゅ
- 141二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 01:54:51
- 142二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 08:05:35
☆
- 143二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 16:58:01
当分先の話ではあるけど、ここのコハルはミレニアムEXPOに行けるんかな。
行けたとして、やっぱりミレニアム製の車いすとかに座らせられたりするんかな。 - 144二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 16:58:22
全裸待機しまぁす!!
- 145二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 17:12:47
過保護なメンツをみてて思う
最終章大丈夫?コハルの活躍知ったら倒れない? - 146二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 17:21:26
ミカが覚醒するじゃんね☆
- 147二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 21:34:17
1から見直してるけど、今の状況って本当に歯がゆいし辛いだろうなコハル。
自分のせいで周りを曇らせたくないのに、どうしようもできないんだもんな。 - 148二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 00:29:22
ほ
- 149二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:35:40
- 150二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:52:24
私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。
私が。
マジでこうなりかねん
- 151二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 15:27:20
ジュンコはもちろんナギサもコハルへの埋めあわせのしようが無くなってしまったの辛いだろうな…
- 152二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 22:51:50
とゆうか
ナギサ(?)→コハルの為にゴールドマグロ入手
ツルギ→コハルの為にゴールドマグロを譲って貰おうと交渉しようとしてた
ジュンコ→コハルの為にゴールドマグロ奪取
またしても何も知らない空崎ヒナさん(17) - 153二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:15:56
ほ 10時間で落ちるから気を付けて~
- 154二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 04:37:57
ほ
- 155二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 08:05:05
しゅ
- 156二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 12:17:37
保守
- 157二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 18:34:18
トリニティ外の友人がどれくらい居るかだよなぁ
長時間弄れないとは思うけどネットなんて動けない子が他と繋がるのに適してるだろうし - 158二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 23:38:14
本名は知らないがネット上では繋がりある可能性あるのか
SNSとか掲示板とか - 159二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 08:25:33
10時間になったの結構痛いよね
- 160二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 17:10:38
保守
- 161二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 21:45:58
ほ
- 162二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 22:11:50
このコハルがミカのために燃え残ったアクセサリーを集めるのか…
ミカが好感度うんぬんよりも罪悪感で吐きそう - 163二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 01:42:48
ほす
- 164二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 09:07:08
おいついた
- 165二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 16:03:10
色んな生徒の脳を焼いていく病弱コハル…
ここまでとはな - 166125/02/02(日) 18:09:09
ひぃん申し訳ないけど今後の展開に悩んでてまだ完成してないよー
明日になっちゃうかもしれないよーごめんねー - 167二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 20:40:55
- 168二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 22:26:31
- 169二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 01:42:28
ほしゅ
- 170二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 08:16:33
ほ
- 171二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 09:29:16
・・・クロコをジュンコに変えたらいけるんじゃね?
- 172二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 16:05:59
悪人がいないのがまた心が軋む
ちょっと言葉が足りなかったり時間が足りなかったり、予想以上にゲヘナとのつながりがあったり重めの矢印を向けられていたり、
全てが予想外なだけで思いがすれ違っていく - 173二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 16:23:12
ここのナギサ様、なにもかも上手くいかなくて大丈夫ですかね・・・。
心労で死んだ目になってないですかね・・・。 - 174二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:42:47
ほ
- 175二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:43:48
- 176二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 07:16:40
保守
- 177二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 10:09:50
ほしゅ
- 178二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 17:54:37
保守
- 179二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:51:38
保守
- 180二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 05:44:35
保守
- 181二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 08:13:14
ほ
- 182二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 12:54:00
保守
- 183二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 17:15:41
微妙に次スレになりそうな残りレス量
- 184二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 21:01:21
そろそろ立てた方がいいかもね
- 185二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 00:49:24
待機保守
- 186二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 06:58:44
餌を持つ身だから文句って訳ではないことを先に言っておく
◯◯ぐらいには出せる~ってあってその後にごめんやっぱ◯◯ぐらいになりそう!って連絡なく経過するの初?
忙しいだけなら良いけど何かあったか?と心配しちゃう - 187二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 16:19:27
保守
- 188125/02/06(木) 19:44:19
おまたせして本当に申し訳ない……スレ覗くのが億劫になるくらい忙しかったのもあるけど、ちょっと一部人物にヘイトが集まりそうで、何回か書き直したため時間を食いました。
正直スレ落ちるのもしょうがないと思ってたけど、保守してくれてたみたいで本当にありがとうございます!
まだ帰れてないけれど、帰ったら今夜次スレ立て次第続きを投稿するよー - 189125/02/06(木) 20:47:10ここだけ病弱コハルその8|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在第二次学力試験、果…bbs.animanch.com
次スレだよーなんならもう続き出してるよーただ18000字もあるから暇な時に読んでねー
残りは埋めるなり感想書くなり落とすなり好きにしていいよー
- 190二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 21:09:32
うめうめまってた
- 191二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 21:44:45
めっちゃ楽しみ
うめ - 192二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 22:56:45
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