- 1二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 18:51:01
突然の再開は団長室が舞台だった。親善大使の部下としてモンドに帰ってきた彼は、部屋に入るなり、形だけの護衛として代理団長の隣に立っていた私の存在に気付いた。驚いたように瞳を揺らした彼。だが、すぐに張り付いたような笑みを浮かべ、外交についての協議が交わされる間は、ただ上司の側についているだけだった。
そして、会議が終わった後、さり気なく目配せをされ、今は隠れるように人気のない廊下で向かい合っている。といっても、昔話に花を咲かせるといった初々しい雰囲気など一切なく、二人の間には酷く冷たい空気が流れていた。
「久しぶり――とさえ言うつもりはないのね」
渋々と切り出した私に、彼は目を伏せた。感情を押し殺したように。
「まあ昔馴染みとしては言うべきかな?ただ、実のところ、家族との手紙で大方そっちの事は知ってるんだ。随分と君は、あの頃から変わったみたいだね」
「それは……今の君が口にしていい言葉じゃないわ」
そうだね、とだけ返した彼の声は、不自然なほど平坦だった。だからこそ、押し殺した感情の大きさを感じさせると同時に、二人の間で何かが致命的に終わってしまったのだと強く突き付けられる。私が次の言葉を見つけられないでいると、やがて長く息を吐いた彼が肩をすくめながら、「本当は呼び止めるつもりも無かったけど、どうせなら言っておきたいことがあってね」と言った。そして、彼はふわりと緩めた目で私をまっすぐに捉える。
幼い頃、願いをこめた蒲公英を二人で飛ばした、あの日と同じように。
「西風騎士団、入団おめでとう。まだ率直な気持ちで言えるうちに、オレの口から言っておくよ」
その瞬間、私の中でこみ上げてきた感情を上手く言葉にすることはできない。ただ、覚えていてくれたのだ、と思った。だったら――。
「ねえトーマ、君はあの日の約束を――」
覚えている?と聞こうとした、その矢先。
「――止めてくれ」
一変、彼は氷塊めいた声で私を突き刺した。そして、抑揚のない声の裏に、冷ややかな怒気を孕ませながら、
「オレの名前はただの『トーマ』だ。もう君にあげる苗字は無いんだよ……エウルア・ローレンス」
そう自分の名前を告げられた瞬間、私は悟ってしまった。ごめん、の三文字を伝えるには、もう時間が経ち過ぎてしまったのだと。
- 2スレ主25/01/13(月) 18:51:24
って、感じの『プレイヤーのあずかり知らないところで因縁ができてる』ってシチュ。
誰か書いてくれない? - 3二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 20:00:50
お前が始めた物語だろ定期
- 4二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 20:03:17
おい続きを読ませてくれよスレ主……続きはどこにあるんだよ……
- 5二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 20:52:23
- 6二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 21:13:36
プレイヤーの知らないキャラ同士の関係性を作るのか…いいな、とてもいい
- 7二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 21:37:41
ファルザンとリサは知り合いで、リサはファルザンのこと可愛いと思いながらも一応年上なのでちゃんと「先輩」って呼んでる
ファルザンもリサが教令院を去ったことを惜しいと思ってるけど会う度に「彼奴が選んだことじゃ、国を超えても平穏を祈っておるぞリサ」と励ましてる
みたいなノリでよろしい? - 8二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 21:52:52
万葉と千織の稲妻出身他国在籍コンビ気になるから続きか詳細書いて♡
- 9二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 21:54:21
一緒にドラゴンスパインで氷風呂する重雲とエウルア(水着着用)しか思い浮かばなかった
- 10二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 22:52:50
これ良かれと思ってトーマ連れて来たタピニキがとんでもない地雷踏み抜いてひっくり返ってそう
- 11スレ主25/01/13(月) 22:54:17
- 12二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:02:35
稲妻は鎖国と目狩令が原因で敵対してたキャラも、まだ平和だった数年前とかには交流があったりして
忍や裟羅とかは実際交流あるし - 13二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:24:26
ロックの大ファンである雲菫は稲妻にロックスターがいると聞いて会いたがってる
一方で一斗は璃月に自分よりも演技の上手い役者がいると聞いて会いたがってる
みたいな突破素材同じ組で因縁あるといいよね - 14二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:34:43
旅人の絡んでない時のキャラ達の日常が見れるイベント出て欲しいよね
キャラの撮ってきたホームビデオを見せてもらうみたいな - 15二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:39:55
このトーマとエウルアは過去に何があったんだろうか
苗字あげる下りがあるってことは、相当親密だったのは伺えるけど… - 16二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 01:43:02
トーマが冷たくする理由は手紙でエウルアが他のローレンス家と変わらない典型的旧貴族と同じになってしまったと勘違いしてるから?
これ後々にエウルアと直に接したお兄様とか或いは旅人から実際の人となりを聞いて自分の態度に死ぬほど後悔するやつじゃない? - 17二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 06:52:08
久岐忍とアルハイゼンが一緒に仕事をすることになって(こいつ、仕事できるな…)ってお互いに思って欲しい。必要最低限の会話でサクサク仕事を進められそう。
- 18二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 16:28:49
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- 19二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 17:29:48
迷惑客――接客業に携わっていれば、避けては通れない試練のようなもの。
すぐに怒鳴りだす客、代金を払わない客、バーに来ておいて飲み物を頼まない客。
特に、お酒の飲み過ぎで暴れる酔っ払い客なんかは最悪中の最悪。消えてしまえばいいのに、と本気で思う。
けれど。
「間違いなく、あなたは今まで会った中で一番面倒だにゃあ……」
可愛らしい猫のしっぽがついたシェイカーを、カシャカシャと振りながら、ディオナはジト目で愚痴をこぼす。と、視線の先で優雅にディオナ特製ドリンクを楽しんでいた男が、グラスを口に運ぶ手をピタリと止めた。
「……一応、私は客のつもりでここにいるのだが、もしやモンドでは、バーテンダーが客に対する文句を口にするのが一般的なのだろうか?」
「全然違うし、そもそもあたしが怒ってるのは、あなたに早く帰れと思ってるからにゃ!」
怒りに任せて、バン、とディオナがカウンターを叩く。
「ヌヴィレット、さん?だっけ?大人の癖に働かず、朝から晩までバーに居座って、ホントみっともにゃい!」
ディオナの怒鳴り声に、お酒やテーブルゲームを楽しんでいた客たちが一斉に振り返った。けれど、目の前にいるいかにも紳士風を装った迷惑客は、まるで風のない日のシードル湖の湖面のように一切動じることなく、
「ひとつ反論させてもらうと、私は無職ではない。それに本日は休暇なのだ」
と言いつつ、一息にドリンクを口に運んで、より味を楽しむように瞼を閉じた。まるで高級レストランの魚料理を食べているみたいに、本当に美味しそうな顔をしているのが逆にムカつく。
「もうなんなの?飲み物をせがまれることは今までいっぱいあったけど、お酒じゃなくて普通の飲み物ばかり頼まれるのは、あたしも初めてにゃ……」
そう愚痴を漏らしつつ、ディオナはうんざりと溜息を吐いた。
お酒を作るのは大嫌いだし、お酒を好きな人も大嫌い。けど、ノンアルコールドリンクを頼むお客さんに、ここまで嫌気が差すなんて、生まれての初めての経験にゃああああ!!
- 20二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 18:49:47
風神を裁けよ
- 21二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 18:58:05
綺良々には、よくしてくれる人間がいる。出会うたびに稲妻のあちこちの匂いを纏っている、二人組の男だ。
猫姿で足元にすり寄ればおやつをくれて、撫でる手つきはとても優しい。紐や枝で遊んでくれて、猫の仲間からも評判が良かった。安心できる人間はみんなから人気なのだ。
そうやっていつものように遊んでもらったあと、綺良々の元に紐が残っていることに気がついた。男の1人が身につけている組紐である。
『ね、ね、これあの人間たちのやつ?』
『忘れてっちゃったんだ』
『次に会えたら返してあげよ』
仲間とにゃあにゃあ相談した結果、しばし綺良々が預かることになった。その頃彼女はヒトの姿に化けることができるようになっていたので、同じ人間の姿なら怪しまれずに返せるだろうということだ。
しかし、そのあとは2人そろって忽然と姿を表さなくなった。猫たちみんなで行方を探して、綺良々は人間にも話を聞いて、それでも2人は見つからなかった。
「どうしたらいいのかなぁ……」
紐は未だ綺良々の手元にある。狛荷屋に勤める始めた彼女は、たとえ小さな物であっても誰かの大切な物であることを理解したのだ。捨てるわけにはいかなかった。
そんなある日、綺良々の鼻を潮風と久しく嗅いでいない別な国の匂いがくすぐった。その奥に隠れているのは懐かしい匂いだ。
「……あのおにいさんの匂い!」
綺良々は走った。人間の二本足がまどろっこしくて、四つ脚になって建物たちの隙間を駆けた。
「そこのおにーさん!止まって!」
人間に化け、ぴょいと屋根から一回転。ようやく見つけた探し人の前に着地して、綺良々はようやく一息ついた。
「その、随分と急いでいるようだが…拙者になにか用でござるか?」
「あるよぉ!ずーっと探してたんだから!」
あの日からずっと持っていた紐を、綺良々は男に差し出した。
「これ、おにいさんたちが忘れてったやつ」
「どこでこれを?」
「えっ、えーと、猫が拾ってたよ!」
綺良々も猫だ、嘘は言っていない。
「……ふむ。これもまた何かの縁、か」
男の言うことはよくわからない。だが、彼が毛羽だった紐を大切そうに眺めているから、そういうものかと理解した。綺良々の心はようやく渡せた達成感でいっぱいだ。
「それじゃあ、わたしはこれで。おにいさんたちも元気でね」
「ああ、承知した。……ん?」
綺良々は大きく手を振って、2人の男に別れを告げた。 - 22二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 19:39:38
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- 23スレ主25/01/14(火) 19:40:58
- 24二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:15:57
俺は何のネタも出せないけどこういうの好きだぜ
- 25二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:21:47
主人公の絡まない人間関係って作品世界の広がりというか奥行きというかそういうのを感じていいよね
- 26二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 05:35:35
- 27二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 06:17:50
モンド出身ではないキャラがウェンティを女の子だと勘違いする話がみたいな