- 1◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 19:02:57
「お疲れ様です」
自身の研究室から出た瞬間、背後から声をかけられた。口から零れそうになったため息を飲み込み、声のした方へと振り返る。
「ヒマリ姉さんもお疲れ様です」
明星ヒマリ。ミレニアムの生徒なら誰もが憧れる『全知』の学位を持ち、自他ともに認める正真正銘の天才だ。
そして、私の姉でもある。
「研究は順調ですか?」
「順調……とは言いにくいですね。でもヒマリ姉さんの助言のおかげでかなり進展がありました。ありがとうございます」
「ふふ、当然です。私は誰もが認めるミレニアム最高の天才清楚系病弱美少女ハッカーで、あなたのお姉ちゃんなのですから」
ふふん、と胸を張ってそう言い切る姉の姿はとてもじゃないが天才には見えない。だが、そのふざけた口上を誰もバカにできない程に、私の姉は優秀だ。
それこそ自身が持つ『全知』の名の通り、知らないものが無いほどに。
だけど──
「また困ったことがあればいつでもお姉ちゃんを頼ってくださいね!」
「はい、そうします」
私が明星ヒマリを嫌っていることは、きっと知らない。 - 2二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:03:24
- 3二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:03:31
画像反映されてないだけか?これ
- 4◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 19:11:31
ここだけ明星ヒマリに妹がいる世界線
拙いところもあると思いますが、多めに見ていただけると嬉しいです
名前 明星ヤヨイ
好感度
ヤヨイ→ヒマリ dice1d30=1 (1)
ヒマリ→ヤヨイ dice1d100=76 (76)
戦闘 dice1d100=55 (55)
知能 dice1d100=27 (27)
技術 dice1d100=58 (58)
政治 dice1d100=53 (53)
交渉 dice1d100=42 (42)
倫理 dice1d100=34 (34)
神秘 dice1d100=65 (65)
- 5二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:13:07
1て
エイミにも嫉妬向けてそう - 6二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:13:57
反抗期かな?
- 7二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:14:30
スレタイに違わぬファンブルだな……
- 8二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:14:31
嫌いというかもう憎しみまで行ってそうな数値
- 9二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:14:39
最低値か()
ヒマリの高さもあいまってよりひどい
なんならダイスが大体低空飛行 - 10二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:25:50
好きの反対は無関心定期
- 11◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 19:42:48
学年 dice1d3=2 (2)
身長 150+dice1d100=46 (46)
髪の色はヒマリと同じ白
周りから見た姉妹仲dice1d3=1 (1)
1.とても良好
2.良くはない。2人が話している時よく見たらヤヨイが嫌そうな顔をしているのがわかる
3.そもそも2人が姉妹であることがほとんど知られていない
ヒマリから見た姉妹仲dice1d2=1 (1)
1.とても良好。最高の姉妹
2.良くはない。ヤヨイが自分のことを嫌っていることを知っている
- 12◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 19:43:21
ミスって身長めちゃ高くなっちゃった
- 13二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:44:27
本当に内心だけに留めてるのか…
- 14二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:46:36
ブルアカのオリキャラスレの身長ダイスの塩梅ってけっこう差出るよな
流石に2メートル近い生徒は初めて見たが - 15二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:47:39
知能が低いし多分、そこにコンプレックスがあるんだろうなぁ……。
- 16二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:48:47
(ぶっちゃけミスったんなら身長だけ振り直しとかでもいいと思う)
- 17二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:49:19
というか能力値的になんの強みも特徴もないので……
- 18二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:49:37
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:50:44
物語で身長高いと悪いことありますっけ?
- 20◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 19:52:22
物語的にあんまり影響はないけど高いのは……癖の関係で振り直し
身長140dice1d30=17 (17)
- 21二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:54:37
因みにヒマリは身長162cmらしい。……意外とデカイなコイツ。
- 22二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 19:56:21
まぁまともに立てないから高くても介助者の負担になる以上の意味はないんですけどね
- 23二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 20:01:36
ユウカよりほんのちょっと高いくらいだね
- 24◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 20:50:30
昔から、私の前には常に姉がいた。
だから、幼かった私にとって姉の存在が全てで、姉のようになりたいと思うのは当然のことだった。
姉は身体が不自由で、制限された生活を過ごす時間がほとんどだったけれど、私とは比べ物にならない程に物知りで、学校の友達よりもずっと賢かった。
そんな姉に追いつくために、私は必死に勉強した。家にある本は全て読んだし、学校と姉のお見舞いへ行く時間以外は勉強に費やした。
私の頭は姉とは違って非常に出来が悪いかったから、学校の授業に追いつくためにも他の人よりも机に向き合わなければならなかったし、姉のようになるには毎日文字通り死ぬ気で取り組まないといけなかった。
いつか姉に「すごい!」と言ってもらうために。
自慢の姉が、胸を張って誇れる妹でいるために。
私なりに頑張っていたつもりだった。
あれは姉の様態が安定し、退院して家に戻って来た日だった。
その時の私は中学生になったばかりだったけれど、既に中学校の範囲は勉強済みで、初めての定期テストでも校内一番だったこともあって浮かれていた。
「お姉ちゃん、ずっと学校行ってなくて勉強わからないでしょ?私が教えてあげるよ!」
そう言って帰って来たばかりの姉に、数学の問題を持って抱きついた。
「ふふ、わかりました。お姉ちゃんと一緒に勉強しましょうか」
「やった!じゃあまずはこの問題からね。えっと──」
最初は順調だった。私が得意げに解法を説明し、姉がそれに対して頷く。
今思えば、ひどく滑稽でくだらない茶番だ。 - 25二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 20:57:20
- 26◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 22:39:49
そんなお粗末な授業の真似事は、私の一言で瓦解した。
「んと……あれ?ここどうするんだっけ……」
解いていた数学の問題がわからなかった。姉に煽てられてすっかり調子に乗っていた私は、自分ならできると信じて疑わずに、その問題を睨んでいたけれど……
「ヤヨイ、ここはこうするんですよ」
私がそうこう悩んでいる間に、姉はいとも簡単にその問題を解いた。
いつもなら口から飛び出てくる姉への賞賛の言葉は、いつまで経っても出てくる気配はなかった。
「────ということです。わかりましたか?」
「え、あ……うん。ありがとう、お姉ちゃん」
姉の説明は何も入ってこなかった。私の頭の中は困惑でいっぱいだったから。
お姉ちゃんは最初から全部わかって聞いていたのか。なら、どうして自分よりも不出来な私のことを褒めたのか。
思考がまとまらないまま、私は姉に問いかけた。
「えっと…………ならさ、お姉ちゃん……これは?」
「これは────」
問題集の私が到底わかるはずない問題を、姉は考える素振りも見せずに解いてみせた。
「じゃあ次は──」
私は次々と姉に問題を出した。どれも私では解けないもので、姉でも解けないだろうと思って出した問題だったが……姉はその全てを解いてみせた。
私の悪足掻きは、私は姉と一緒に勉強したいのではなく、姉に間違ってほしいだけなのだと自覚するまで続いた。
この時、私は初めて姉に嫉妬した。 - 27二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 22:41:50
おおう……劣等感がオーバーフローしちゃう
- 28二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 22:45:57
あー()
- 29二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 22:47:28
上質なヒマリ曇らせの気配
- 30◆i49.3lKjwPUK25/01/13(月) 23:12:19
姉がミレニアムサイエンススクールに入ってから、姉と関わる時間は徐々に減っていった。唯一私達が同じ空間にいる家でさえも、私は勉強でいっぱいいっぱいで、ご飯の時に少し話す程度だ。
姉がヴェリタスという部活に所属してからは、ほとんど姉と関わることはなかった。姉のいない生活に退屈する私とは逆に、自分と同じレベルの仲間を見つけた姉は毎日楽しそうにしていた。
姉が学園生活を謳歌している一方、学年が上がった私は少しずつ成績が落ちていった。満点だったテストが90、80点台になり、1番だったテストは3番、6番、10番へ。
今まで当たり前だった1番が、年月と共にどんどんと減り、幼い頃から積み上げてきたものが崩れ落ちていく気がした。
受験期へ差し掛かる頃には、私の成績は全体の真ん中までになっていた。
この頃からだ。『天才』の姉と比べて、『平凡』だと言われるようになったのは。
それでも、なんとか姉と同じ学校へ行くために、努力は怠らなかった。何の才能もない私にできることは、続けることしかないから。そして────
「お姉ちゃん、私……合格したよ!」
「そうですか」
受かることがさも当然だと言わんばかりの冷めた言葉に、私は絶句した。
一言そう言って部屋に戻っていった姉の背中を呆然と見つめる。いつの間にか私が押していたはずの車椅子は無くなっていて、電磁浮遊で動くミレニアム製のものになっていた。
私の合否などどうでもいいくらい、ヴェリタスの活動が楽しいのだろうか。
それとも、姉は私に興味を失くしたのか。
…………いや、そもそも姉は私に最初から興味などなかったんだ。思い返してみても、姉から私に話しかけてきたことはほとんどない。私が姉の後を追いかけていただけだ。
きっと姉は、こんな不出来な妹など端から眼中にない。
そうだ、そうに違いない……!
……お願いだから、そうであってほしい。
だって、最初から期待されていない方が、失望されるよりもずっといい。 - 31二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:15:39
これでもヒマリ視点だと良い姉妹なんだよな
- 32二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:17:32
ヒマリはさあ……
(妹の成績なら合格するのが)当然だと思ってても喜ぶ素振りくらい見せなよ…… - 33二次元好きの匿名さん25/01/13(月) 23:28:00
妹ちゃんは是非ともリオと仲良しでいて欲しい リオの唯一の理解者であって欲しい
- 34◆i49.3lKjwPUK25/01/14(火) 00:02:23
ミレニアムに入ってから、私はとにかく勉学に励んだ。……いや、せざるを得なかった。以前とは問題の難易度も、量も、授業の進行スピードも桁違いだったから。
家ではヴェリタスの活動以外していなかった姉との差をまた感じる。私は家で勉強しなければついて行けないというのに。
劣等感が、私の心に重くのしかかる。『明星』という名を消してしまいたいくらい、暗くて冷たい気持ちが私の中に渦巻いている。そして、姉に対して、八つ当たりみたく嫌悪の感情を向けている自分にさらに嫌気がさす。
これでは駄目だ。しばらく姉には会わないでおこう、そう決めたのに……
「ヤヨイ、少しいいですか」
「……ヒマリ姉さん、どうかしたの」
姉が話しかけてきた。その事実に少しだけ胸が高鳴るが、あっという間にその熱は冷めていく。
頼み事であっても、相談であっても、私が姉の期待の応えられるわけがないのだから。
「ヤヨイに聞きたいことがあるのですが……」
「なに?」
いつもの自信満々な態度ではなく、少し不安そうにしている姉を見るのは初めてのことだった。
「何か部活動には所属しないのですか?」
「……今のところは。勉強が大変ですから」
「なるほどなるほど……では、そんなヤヨイに一つ提案があります」
姉は一呼吸置いて、それを告げた。
「ヴェリタスに所属しませんか?」
「私は………」
dice1d3=2 (2)
1.わかりました。姉さんの力になれるように頑張ります
2.ごめんなさい。勉強が疎かになったら留年してしまいますから
3.ヴェリタスよりも、セミナーに興味があるんです
- 35二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 00:08:15
ヒマリが食い下がるかちゃんと引くかどうか
- 36◆i49.3lKjwPUK25/01/14(火) 00:23:19
断られたヒマリは……
dice1d3=2 (2)
1.もう一度ヤヨイに頼み込む
2.チヒロにバトンタッチする
3.本当に、本当に癪だが下水道に溜まった水のような女に託す
- 37二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 00:34:33
食い下がるという選択肢が無いヒマリ
- 38二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 00:44:59
ヒマリだし……
なんならいつものクソ長自讃で誘わずチーちゃん呼んでる分察してる方まである - 39二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 01:00:35
チーちゃんに妹のことなんて言ってるんだろうか
「私と違って病弱ではありませんが美少女で頑張り屋さんで...」ってべた褒めしてたらギャップが凄そうだが - 40二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:40:09
まあ自分で行かないだけマシか
- 41二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:43:58
実態に気づいてしまった時にゃあ
チーちゃんの胃が死ぬ… - 42二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:52:32
- 43二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:54:22
もうお前ら1度本音ぶちまけまくりの銃撃戦祭りで大喧嘩しろって思ったけどダメだ……部長銃撃戦で大喧嘩とか無理だった……
- 44二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 08:58:11
見た目:仲良しの姉妹
実情:何も気づいていないでデーモンコアを触ってしまっているヒマリ
かな?コレ - 45二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 09:10:29
- 46二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 09:12:17
喧嘩できないだけで不満の類は積もるもんなあ
- 47二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 12:17:23
誰も何も悪くないのが余計に辛いやつ……
- 48二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 12:17:47
いっそのこと妹が居ないと何も出来ないレベルの要介護ならもうちょっとマシだったかもしれない
- 49二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 12:18:53
チーちゃんが黙ってればいつか爆発するまでヒマリは無事だぞ
- 50二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 12:24:35
元仲悪姉妹で仲良くなった実績持ちの才羽姉妹はこの二人どう見ますか?
- 51二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 12:50:12
ぶっちゃけその2人は能力値が似たりよったりだからどうにかなった部分もあると思うんだ
- 52二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 14:09:04
ヒマリに勝ってるところ健康だけじゃない?
- 53二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 15:16:50
ヒマリが優秀すぎたのが悪い
- 54二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 15:20:46
- 55二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 16:11:33
ヤヨイちゃんが離れてもヒマリが近づいてくるぞ
- 56二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 16:19:06
ところでこのヤヨイちゃんが離れても追尾してきそうな姉なんですが
- 57◆i49.3lKjwPUK25/01/14(火) 18:32:30
「ごめんなさい。勉強が疎かになったら留年してしまいますから」
「そう、ですか……」
私の言葉に、姉はひどくがっかりしたようだった。
まただ。また、私は姉の期待を裏切った。
私達の間に沈黙が流れる。
「……では、私はこれで」
「これからどこへ?」
「自習室です。勉強しないといけないので」
「……頑張ってくださいね」
返事は、しなかった。
姉と別れた後、誰もいない自習室でこれからのことを考える。姉から距離さえ取ってしまえば、姉に対するこの気持ちも、時間が解決してくれるはずだ。そのはずだったのに…………
「貴方が明星ヤヨイだよね」
「…………はい」
「勉強中にごめんね。私は各務チヒロ。ほら、ヒマリの友達」
「知っていますよ。それで、姉に何か用ですか?」
「いや、用があるのは貴方の方」
チヒロ先輩は、私を指さしてニヤリと笑った。それが、さっきまでの姉そっくりで、ついペンを握る手に力が入る。
「知っての通りうちの部活は今、人が足りてなくてね。まぁ、つまりは勧誘ってこと」
「えっと、勧誘ならもう姉に……」
「まぁまぁ、見学だけでもしていかない?それに、ヒマリがいつも何してるか気になるでしょ?」
「…………わかりました。見るだけなら」
見るだけ見て、すぐに帰ろう。もとよりどの部活にも所属する気はないのだから。それが姉がいる部活なら、なおさらだ。 - 58二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:13:08
好感度が減る音が聞こえる…
- 59二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:01:33
これ妹ちゃんが爆発した時のヒマリのメンタルヤバくね
- 60二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:44:47
爆発するときも大爆発だろうから更に曇るぞ
- 61◆i49.3lKjwPUK25/01/14(火) 23:16:08
チヒロ先輩に案内されて、ヴェリタスが活動している部屋へと訪れた。お世辞にも綺麗とは言えない部屋に、足を踏み入れる。
チヒロ先輩の話は、ほとんど頭に入ってこなかった。私の興味の大半は、部屋のいたるところにある姉の形跡に向いていたから。
「──と、まぁ部室はこんな感じかな」
部屋にあるものを一通り説明し終え、チヒロ先輩は部屋のドアの前で立ち止まった。
「最初は慣れないことも多いけど、うちはノルマとかほとんどないし……勉強とも両立できると思う」
「姉から、聞いたんですか」
「……うん、ちょっとだけ」
チヒロ先輩の申し訳なさそうな声が耳に入る。いつの間にか床しか映さなくなった視界のせいで、その声が余計に心に響く。
「でも、勉強なら私とヒマリで教えられるし、セミナーのデータをちょっと見れば過去問だって手に入る。それに、そんなに心配しなくても案外なんとかなるもんだよ」
優しい声だ。
聞き分けのない子供に言い聞かせるような、優しくて、今の私には……耐えられないほどに屈辱的な声だった。 - 62二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 23:24:26
なんか起爆スイッチがオンとオフの境目ギリギリまで押されてるような緊張感
- 63◆i49.3lKjwPUK25/01/14(火) 23:51:40
「私、バカなんです」
腹が立った。
私の気持ちなんか何も考えていない姉に。向けられた優しさに、自分勝手な理由で憤る自分に。姉の後を追うことしかできない自分に。
「昔から要領が悪いくて……きっと2人から教えてもらっても、あんまり成績は上がりませんよ。姉に教えてもらってもダメだったし、多分私に勉強の才能がないんだと思います」
悔しかった。
自分自身で、今までの全てを否定することが。姉には勝てないと、自分で認めてしまったことが。それを、才能のせいにしたことが。
「それに、才能のない私なんかが入ったらお二人に迷惑でしょう?機械の操作を覚えるのに時間もかかりますし、足を引っ張ることしかできませんよ」
一度口から溢れてしまえば、私の醜い言い訳は止まることはなかった。
「姉だって、本当は私なんかに入ってほしいとは思ってないはずです。だって、私ができることは、全部姉でもできますから…………所詮私は姉の劣化版なんです」
顔を、上げる。初めてチヒロ先輩と目が合った。
「だから、ヴェリタスには入れません…………あと、今言ったことは姉には内緒でお願いします」
こうやって姉から逃げ続ける自分が、惨めで、情けなくて……嫌いで、嫌いで仕方がなかった。
私がどれだけ頑張っても遥か遠くにいる姉が、ずっと妬ましくて、憎かった。
「すみません、失礼……します……」
お姉ちゃんなんて大嫌いだ。 - 64二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 23:55:57
ちーちゃん大丈夫?エナドリ飲む?
- 65二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 23:59:02
チーちゃんならこれだけでも色々状況は察せられるだろうなあ……
- 66二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 23:59:21
うーん……ゲーム開発部行く?
- 67二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:00:32
ここにリオ会長をひとつまみw
ってのは冗談で、マジでこの世界だとリオとヒマリの不仲の原因だったりしない?
何か波長が合うようなイベントがあってそこからヤヨイとリオは仲良くなってくけど、それを妹を盗られたように感じたヒマリが少しずつリオに対して険悪になってくるとか…
当然、仲の良い友人に嫌味を言う姉に対して心も離れていって…
あとヤヨイ(弥生:3月)と調月で月コンビで相性も良さそう(適当) - 68二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:13:11
- 69二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:33:17
自分は入らなかったヴェリタスに、これまた天才のハレが入部するのか
- 70二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:53:16
ミレニアムは天才が集まる場所なので何処にいようがミレニアムに入った時点で、うむ
- 71二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:56:56
逆に言えばミレニアム入れてる時点で少なくとも全くの無能ではないんだけどね
- 72二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:57:41
- 73二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 00:57:41
だから劣等感を拗らせる
- 74二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:00:01
チーちゃんの胃が…
- 75二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:03:34
本編はどうか知らないけどゲーム開発部の大冒険だとミレニアムの敷地内は全て監視されてる…
ミレニアムにいる時点でヤヨイの行動は筒抜けなのだ… - 76二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:03:37
ちゃんと遊べるゲームをサザエさん時空なの差っ引いてもそれなりの開発期間で作れてるのは普通にすごくないかな
- 77二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:04:43
自分なんてPython少し使えるくらいでゲーム作るなんてもってのほかだから全然すごいと思ってるよ
- 78二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 01:06:17
普通にハイペースで開発できてる時点で有能
- 79二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 09:14:49
モモミドはあいつら爆発力すげえぞ
何が解決の糸口になるかわからん千年難題解くって校是からするとちょっと頭の良い凡人よりああいうのが欲しい - 80二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:21:49
age
ミレニアムに入ってしまったばっかりに… - 81二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:27:58
今褒めても逆に拗れそうなんだよなぁ…
- 82二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:37:28
本当に姉から離れた方が良い距離感してる……気にせず好きな事に打ち込めたら良いんだけどね
- 83二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:44:19
ヒマリが居ないことが退屈になるレベルで姉中心の生活だったっぽいけど、他に好きなことある?
- 84二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:46:19
トレーニング部とかどうです?
運動してスッキリするのは結構いい手だと思うぞ - 85二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 15:54:10
いっそミレニアムで文芸活動でもする?
- 86二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:10:50
たぶんヒマリの足のことがちらついて全然スッキリしない気がする
- 87二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:12:37
鬼滅の某兄弟とは逆で姉の方が偉大なの面白いな
この子もゲマトリアとかに唆されて闇堕ちするんだろうか? - 88二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:14:54
- 89二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:16:02
ゲマトリアが興味示すような能力値じゃないんですよ……
せいぜい一般悪い大人にコンプレックス利用されて都合のいい道具になるくらい - 90二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:17:59
マジで能力値が特長がないのが特徴なんだよね
- 91二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:18:32
こう…姉に悩まない生活なら楽しく研究出来てただろうなとは思う
そもそもミレニアムに行かないかも知れないが…コンプレックスを解きほぐすのか姉を気にせずいや姉を乗り越える何かがあるのか…ちょっと楽しみ - 92二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:21:40
俺は能力だけ見ると無味無臭だなと正直思う
1の文章のおかげでヤヨイの事好きになってきたよ
もっとヤヨイの事知りたいっすね… - 93二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:25:46
ヒマリって本人の前以外ではうちの妹は凄いんですよ!とか言ってそうだからなぁ
交わらないねぇ… - 94二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:27:57
良く言えば優しい悪く言えば踏み出せないせいでヒマリの愛が毒みたいに蝕んでるね
ヒャッハァ!研究楽しい!楽しい!ついでに盗聴!ハッキング!って振り切れるなら苦労してないだろうけど - 95二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:46:01
気晴らしに趣味か何か作って没頭しようとしても「姉なら自分よりもっとうまくやれる」か「姉がやろうとしても身体的に絶対できないこと」のどちらかしかなさそう
- 96二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:49:29
ヒマリが悪いわけじゃ無いがヒマリが人生に置いて漬物石くらいデカい!
記憶喪失になった方がマシってくらい不健全
一人の人間を主軸にした評価なんて自傷に過ぎないのだよ…なんつって - 97二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:54:56
自分の能力値とあった子たちと仲良くなろうとすると、「明星」が邪魔をしそうで、
逆に「明星」に合わせると、能力値が邪魔をしそうで…
友達とか仲間とかそんな関係の子が、この子にできるのだろうか? - 98二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:56:42
- 99二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 16:58:05
技術力並くらいあるならエンジニア部とかで細々と活動するのもありだよな
- 100二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:03:12
姉追いかけるのが熱になってるぽいから手がつけられない…
- 101二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:14:29
>>1を見る限り(ヒマリに手伝ってもらわないと研究1つ進められない)研究者として細々とやることになるみたい
- 102二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:16:24
わざわざ自分で出来ないくらいの研究してたりするのかな越えてやるくらいは思ってそうだし
ヒマリは頼られて喜ぶヤヨイは頼って苦しむ - 103二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:22:15
単純に学力が追いつかなくて普通の研究すらきついのかもしれない
- 104二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:45:21
昔見たネットワーク研究部のスレのごとき天才への劣等感を感じられるいいSSだ、、、
- 105二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:49:11
1としてはこれ晴らせる気っていうのはあるんかい?
- 106二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:09:45
知能27だからありえる
- 107二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:13:31
ヒマリが部屋に入ったら首吊っててプラーンとぶら下がってる可能性があるレベル
- 108◆i49.3lKjwPUK25/01/15(水) 18:13:47
世界で一番の努力家で自慢の妹、なんて毎日のように聞かされていたから、放課後の自習室で一人で勉強している姿を見ても、違和感はなかった。
……いや、違和感はあった。
「…………はい」
姉のヒマリとは明らかにテンション、というか性格が真逆のように感じた。きっと、この子の口からは「超天才美少女」なんて言葉はでないと思う。
部室を紹介している時も、どこか上の空だった。これがヒマリであれば、一つ一つの機器に興味を示し、絶えず質問が飛び交ったはずだ。
「姉から、聞いたんですか」
そう言って、ヤヨイは俯いて顔を上げなくなった。
ヒマリからは「勉強で困っているから助けてあげたい」としか聞いていなかったけれど、私が思っていたよりも、状況は良くないのかもしれない……
そんな私の不安は、すぐに確信に変わった。 - 109◆i49.3lKjwPUK25/01/15(水) 18:14:12
「私、バカなんです」
矢継ぎ早に紡がれるヤヨイの自虐は、聞いてるこっちまで胸が苦しくなった。
少し考えればわかることだった。ヒマリは、普段の言動こそあれだが、ミレニアムで最も優秀と言っても過言ではない。だからこそ、ヒマリを賞賛する人もいれば、その才能に嫉妬する人だってもちろんいる。ヤヨイも、その一人だっただけだ。だけど────
『見てくださいチーちゃん!このマフラー!ヤヨイが私にプレゼントしてくれたんですよ!!』
『ヤヨイは、キヴォトスで一の努力家で私に負けないくらい美少女でかわいい、私の自慢の妹です』
脳裏に、嬉しそうにそう語っていた友の姿が過る。
「…………所詮私は姉の劣化版なんです」
初めて目が合ったヤヨイは、微笑を浮かべながら、泣いていた。
きっと、私がどうこうできるほど彼女の傷は浅くない。私にできるのは、いつか2人のすれ違いが解決されるように願うことだけだ。それか、ヒマリに妹離れを促すことくらいか。
「すみません、失礼……します……」
今日のことはヒマリに言わない。
そうだな……初めての姉妹喧嘩が終わった時にでも、笑って言えばいい。 - 110二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:15:08
喧嘩……できる?
- 111◆i49.3lKjwPUK25/01/15(水) 18:18:08
- 112二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:18:23
- 113二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:19:02
期待してる
- 114二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:25:59
喧嘩と言うにはヒマリが何も知らなすぎるし……
- 115二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:28:10
なんせ喧嘩(物理)なんてできないからなこの姉妹HAHAHA
- 116二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:29:21
まあ仲が良い状況の逆を喧嘩と形容してると考えれば
- 117二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:32:51
ダイスで出た学年が2年で、ヴェリタスにヒマリの形跡がいっぱいあるってことはおそらく1年時点だから、解決イベントをブルアカ本編開始時系列に持っていく場合この状態が1年弱続くことに……?
- 118二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:42:05
先生どうにかして
- 119二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:43:48
>>1はこの勧誘イベントの前と後どっちなんだろう
時系列によってはちーちゃんの妹離れ支援が全く意味なかったということに
- 120二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:53:03
心が重くなるけど良い概念SSスレだぁ……
- 121二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:13:22
- 122二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:14:07
本当どうしようもない精神性してるな
- 123二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:55:05
ネガティブなナギサ様
- 124二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 22:57:56
先生ー!!!なんとかしてくr……ダメだ先生来るの来年だ……
- 125二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 04:28:43
大いなる力には大いなる責任が伴うってのを理解しないと…
- 126二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 07:49:39
- 127二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 08:57:00
ヒマリならできたぞヒマリならできたぞ
- 128二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 09:39:07
- 129二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 10:01:31
最後に晴れるということは、道中はどこまでも曇らせて良いということです
- 130二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 16:05:34
ここから本当に晴れるのか?
- 131二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 18:08:55
ヒマリが理解するのは手遅れになった段階だと興奮する
- 132二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:16:39
ヒマリには仲直りまでなにも気づかないでほしい。
それでヤヨイと喧嘩したときにやっと気づいてほしい。 - 133二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:32:57
完全に決別しても良いし仲直り出来ても良い
- 134◆i49.3lKjwPUK25/01/16(木) 22:22:13
あれから、無気力な日々が続いた。いつものように勉強をしようとしても、姉の姿が頭を過る。
私ができないことも、姉ならできる。私ができることは、姉ならもっとうまくできる。
なら、私なんていらないじゃないか。
そんな思考を打ち消すように、ほとんど使っていない自分の銃を撫でる。この銃で姉を撃てるなら、どれだけ楽なんだろうか。
本当に、本当にずるい姉だ。
「これからどうしよ……」
姉のようになりたい、とはもう思わない。私はどう頑張っても姉のようにはなれない、そう理解してしまった。
虚無感と一緒に手に入れたのは、幼い頃から抱き続けてきた絶対に叶わない夢は、確かに私の心を支えてくれていたという何とも皮肉な事実だった。姉のようになりたいと思えたから、今まで頑張ることができたのだ。私は、心の拠り所すらも失ってしまった。
これから何を目標に頑張ればいいのか。そもそも、何をしたらいいのかすらもさっぱりわからない。姉以外に、何か私の心に火を点けてくれるものがないか、部屋をぐるりと見渡す。
そこには、幼い頃に撮った私と姉の写真があった。
「ばん」
引き金を引く。銃弾が写真を引き裂くが、私の心はちっとも晴れない。
次に目に入ったのは、鏡だった。
映っているのは、背中まで伸びた白髪に、花の髪飾りをした……姉にそっくりの私だ。姉に憧れて頑張って伸ばした髪は、今となっては私を苛立たせるものでしかない。
鏡に映った自分の顔が、どんどん歪んでいく。
「……私は、お姉ちゃんじゃない……!」 - 135◆i49.3lKjwPUK25/01/16(木) 22:37:13
私はお姉ちゃんじゃない。
私なんかよりお姉ちゃんはすごい。何でも知ってるし、何でもできる。そんなすごい人に、私はなりたかったし、認めてもらいたかった。特別な才能もない私でも、お姉ちゃんの「すごい」があれば、何でもできる気がしたから。
お姉ちゃんはすごい。私は、ずっとお姉ちゃんに負けている。初めて計算ができた時も、お化けの話をした時も……私が何かをできるようになった時には、お姉ちゃんはそれをもう完璧にできるし、私が何かを知った時には、お姉ちゃんはそれをもっと詳しく知っている。
その度に、お姉ちゃんはすごいと改めて思った。それに、悔しかった。それに、また負けたと感じているのは私だけで、お姉ちゃんは私よりできるのが当たり前みたいにずっと思っている。
そうだ。
私はそれがずっと、ずっと──────
「嫌だったんだ」
言葉にしたそれは、かちりと私の空いた胸に納まった。。それは、羨ましいとか憎いとか、そんなものよりももっと単純で、私の根源にあるものだった。
私よりできても、お姉ちゃんは喜ぶことはない。それはまるで、私なんか恐るに足らないと、私がお姉ちゃんより劣るのは当然だと、そう言われているみたいじゃないか。
お姉ちゃんのことは尊敬している。
だけど、私をずっと下に見ていることが、誰かに負ける悔しさを知らないその態度が、気に食わない。
ずっと、私より遥か高みにいて、私の気持ちなんて全然理解していないお姉ちゃんが、嫌いだ。
「お姉ちゃんを、超える」
もう、お姉ちゃんからの評価なんていらない。このミレニアムで、黒星だらけの私の人生に初めての白星を飾る。
私は、私が誇れる私になる。 - 136二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 23:52:22
さて、ヤヨイはどのようにして白星を飾り、ヒマリに黒星をつけるのか
- 137二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 23:56:05
- 138二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 23:58:10
- 139二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 00:30:52
リオについてヒマリに無い物を得るとか
- 140二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 00:34:18
ヒマリに出来ない(才能の無い)人間の心を理解してもらうなんて結構な難問だわな
- 141二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 08:32:19
ヒマリを超えたと思ってもヒマリは更にその先を征く
- 142二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 08:55:38
ヒマリと対立してヒマリの目的を真っ向から潰すのはどうだろう。アリス関連とか
- 143二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 09:41:33
同一の問題に対してヒマリと真っ向から対立して打ち負かすような超え方もあるけれど、「私は、私が誇れる私になる」という決意からは、姉という精神的な殻(ヤヨイにとって世界を見るフィルターでもあるもの)を破り、姉とは別の分野で、初めて自分自身だけに向きあうような「超克」の方法も読み取れると思う。ちょっと暗い始まりだけれど、”いかに生きるべきか”という青年期ど真ん中の話になりそうでかなりワクワクする。
前途はまだ見えずらいけれど、頑張れヤヨイちゃん!! - 144二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 09:57:35
- 145二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 18:04:11
彼女は如何にして「ヒマリの妹」ではなく、「ヤヨイ」として輝くのか
すごく楽しみだ - 146二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 19:16:44
現状ヤヨイが姉に勝っているのは常識と倫理観ぐらいだからな
- 147二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 19:19:59
- 148二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 19:20:47
姉を見ている自分を超えるって意志良いよね
- 149二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 22:55:35
- 150◆i49.3lKjwPUK25/01/18(土) 00:10:58
「リオ先輩、私をセミナーに入れてください」
そう言って彼女……明星ヤヨイは私に頭を下げた。ずいぶんと前から続いているこのやり取りに、私はヤヨイにバレないようにため息を吐いた。
私は、この子がわからない。ヤヨイは私のことを慕ってくれる数少ない……いや、たった1人の後輩だ。けれど、私と彼女の姉のヒマリはまるで性格が違うし、多分ヤヨイとも馬が合うわけではない。私が知っているのは、この子がミレニアムで一番の努力家だということだ。ヒマリがよく自慢するのも理解できる。
だからこそ、ヤヨイがセミナーに拘る理由がわからない。セミナーは、彼女の姉のヒマリが所属しているヴェリタスと敵対関係にあるというのに。聞けば、以前ヴェリタスからの勧誘を断っているらしい。
そこまでしてセミナーに入りたがる理由を、私はずっと聞けずにいた。
「ダメよ」
「どうしてですか。成績ならもう問題ないはずです」
「成績の問題じゃないわ。貴方、気づいていないの?」
だけど、理由を聞かなくても、ヤヨイがセミナーに入るために無理をしているのはわかる。
私が『貴方の成績が低すぎる』と断った次の試験で、ヤヨイは学年1位を取ってみせた。入学直後は、下の上か中の下程度の学力だったのにも関わらずだ。平凡な能力を持ちながら、人よりも優れた結果を出すためにどれだけの労力と時間を要したのかは、私にはわからない。
「目の下の隈、すごいわよ。何時まで、何をやっていたのかしら」
「えっと……今日の朝まで研究を……」
それに、ヤヨイは勉強以外の時間のほとんどを彼女自身の"研究"に割いている。勉学で人一倍努力し、さらに自分の研究を一人で進める。それはとてもじゃないが常人にこなせる量ではなくて、彼女の体調が常に悪いのもそれが理由だろう。
「何がそこまで貴方を…………」
私にも人の心はある。自分のことを慕ってくれる後輩が疲労で潰れていくのは見たくない。今でさえギリギリの状態だというのに、セミナーの業務まで彼女に与えてしまうなんてことは、私にはできない。
私の不完全な問いに、ヤヨイは微笑を浮かべて問い返した。
「…………凡人が天才に勝つためには何が必要だと思いますか?」 - 151◆i49.3lKjwPUK25/01/18(土) 00:23:30
ヤヨイの問いに私は少し考えてから答えた。
「…………努力、だと思うわ」
「不正解です」
私の答えが彼女の琴線に触れたのか、それとも別の何か思うところがあったのか……彼女の言葉には熱が籠もっていた。
「正解は、準備です」
準備とは、物事に取り組む際に、予めその用意をしておくこと。それが何故天才と凡人の差を埋めることになるのか。何故ヤヨイがその結論に辿り着いたのか。それらの疑問が口から出そうになるのを堪え、ヤヨイの次の言葉を待つ。
「何において勝つか。どうやって勝つか。どんな状況が自分にとって有利なのか。天才が直感で導き出す結論を、いかに事前に用意できるか……!」
語るほど、ヤヨイの言葉には熱が籠もっていく。
「足りない思考パターン、劣る演算能力、理不尽なまでの予測、圧倒的な差がある知能。これらを補うために、凡人は死ぬ気で準備をするんです!」
私が合理が正しいと信じるように、ヤヨイもまた、準備こそが凡人が天才に勝つための方法だと信じている。きっとそれは、彼女の今までの人生から導き出された信念のようなものなのだろう。
「私は姉に勝つために貴方の下へ来ました」
目の前に立ったヤヨイのが、私をじっと見つめる。
「姉に勝つための……勝負のきっかけが欲しいんです」
ヒマリに勝つ。それが彼女にとってどれほど大きなことなのか……私には理解できないし、させてもらえないだろう。
「お願いします。どうか私にチャンスをください」
そう言って、ヤヨイは再び頭を下げた。 - 152二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 00:23:54
本当にヤヨイは過ぎるくらいに努力家だな。
- 153二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 00:27:03
異常な成果の為には相応の準備と狂気は言い過ぎだけどそういう事ね
- 154◆i49.3lKjwPUK25/01/18(土) 00:37:47
私は天才か凡人なら、天才に分類されると思う。ヒマリもチヒロもそうだ。だけど、ヤヨイは違う。彼女は努力が得意なだけの凡人だ。
そんな彼女が、ヒマリに勝つと言った。それは、なんて浪漫があるのだろうか。
「…………トロッコ問題は知っているかしら」
きっとこの判断は合理的ではない。だけど、間違っていないはずだ。
「5人を助けるために1人を殺してもいいか……ですよね?」
「えぇ、そうよ。……貴方ならどうするの?」
「そうですね6人全員の才能が等しいとするなら───」
そう一言前置きだけして、ヤヨイは迷う素振りも見せずに答えた。
「5人のために、1人を殺します」
私はこの日、良き理解者を得た。 - 155二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 00:48:49
なるほどそうきたか!面白いなぁ!
- 156二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 11:13:31
- 157二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 14:13:44
リオが狂気を理解できてなくて足元すくわれるやつでは
- 158二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 14:22:32
- 159二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:44:15
この子、才能がないのを理由に、自分自身を犠牲にしていきそうで心配になる
現に睡眠時間削ってるし - 160二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:49:08
可愛い可愛い妹が自分と少し距離を離そうとしているところにリオのことを慕いだしてるのヒマリからしたらNTRみたいに映ってそう
- 161二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:55:17
今のところヒマリはヤヨイに対してかわいさのあまり盲目気味だからこの状況を知ったらどう思うか…
- 162二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 23:41:33
- 163二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:26:54
キヴォトスを破壊できる存在ってことはつまりキヴォトスなんかよりも価値がある存在なのでは?って言い出す?
- 164二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:40:21
下水道女から評価どんな感じになるんだろ
- 165二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:40:34
- 166二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:42:26
完全に等価な一人と一人だとトロッコ問題としては破綻してるんだよなー
- 167◆i49.3lKjwPUK25/01/19(日) 00:43:30
ヤヨイには、セミナーではなく私直属の部下として動いてもらうことにした。ヤヨイが私に求めたのは、『ヒマリと勝負する舞台』を用意すること。セミナーへの加入によって、ヒマリに監視されては元も子もない。
対して、私がヤヨイに求めたことは主に二つ。
一つは、私のもう一人の部下であるトキの"武装"の開発。そしてもう一つは、ヤヨイの"準備"の一つを私に貸してもらうことだ。
このおかげで私は要塞都市エリドゥの開発に専念することができ、人手不足と戦力不足などの問題も解決することができた。ヤヨイには感謝してもしきれない。
私の行いは、きっと多くの者を敵に回す。だけど、ヤヨイの願いを叶えるためにも、キヴォトスの未来を守るためにも、絶対に成し遂げなければならない。私は改めて決意を固めた。
そして──────"それ"はやって来た。
予兆はあった。連邦生徒会長の失踪に、先生の登場とシャーレの発足。キヴォトスに何かが起こる、そんな予感めいたものがあった。
ミレニアムに現れた生徒、その名を"アリス"。ゲーム開発部の新入部員であり…………連邦生徒会長が遺した廃墟から訪れたモノだ。
「あの子が"名もなき神々の王女"なんですか?」
そう聞いてきたヤヨイの顔色は良くない。徹夜続きの研究のせいか、アリスへの罪悪感か、それとも別の何かなのかは私にはわからない。
「今はまだ私もヒマリも結論を出し切れていないわ。だから、しばらくは様子見ね」
「わかりました。…………もしあの子が"そう"なら?」
「計画を始めるわ。いつでも動けるようにしておきなさい」
きっと、そう答えた私の顔色も良くはない。
「ふふ、いつも言ってますよねリオ会長。私はもう、準備万端です」
そう言って笑ったヤヨイは、とてもヒマリに似ていた。 - 168二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:45:44
- 169二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:48:02
ヤヨイの願いにはキヴォトスの未来が勘定されてなさそう
- 170二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:55:26
産まれて初めての喧嘩が世界の存亡を賭けた舞台ってのも激アツじゃん?
- 171二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 00:59:24
ただヒマリへの逆張りのためだけに命を狙われるのは流石にアリスがかわいそう
- 172二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:00:38
このレスは削除されています
- 173二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:01:09
おう今までの話全部読み返すんだな
- 174二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:05:27
「だけ」で済むならそもそもみんなで話し合えば良かった様なシナリオが全部酷いみたいじゃないですか
- 175二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:06:37
実際ただのワンマンリーダーの暴走だし
- 176二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:15:35
あまり語気強くせずに続きをのんびり待とうぜ
- 177二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:23:26
この子のメモロビどんな感じになるかな…?
姉のヒマリが足裏見せるエッチな感じのヤツだったけどこの子の場合ミサキとかサオリみたいな痛々しい感じになりそうで… - 178二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:33:16
トキの武装の開発って、アビ・エシュフの開発に関わったのか
それともオリジナルの武装を作ったのか、どっちだろうか? - 179二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:34:11
メモロビとか無く、シュロみたいな敵対生徒になる可能性
- 180二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:36:57
曇らせで終わらせないらしいし今後にマジで期待
- 181二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 02:02:51
ヒマリに勝つ事は命題だけど合理的判断として一人の犠牲を選ぶ事とは無関係よ
アトラ・ハシースの危険性は色彩が証明したから誤った判断ではないしね
想定外だったのはソレを味方側で活用しないと対処できない事態が起こる事と破壊手段が通用しなかった事 - 182二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 02:03:16
エイミに対しても滅茶苦茶嫉妬心拗らせてそうだなこの子
- 183二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 02:07:35
セミナー入れなかったのは地味にファインプレーかもしれん
ユウカノア見たらまた劣等感で潰れてただろうし
あとハレみたいな天才って明言されてる生徒をどう思ってるかも気になる - 184二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 02:12:28
- 185二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 02:14:09
確かに1番不味そうだな…
- 186二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 03:28:30
- 187二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 03:34:50
- 188二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 12:27:57
続き期待
- 189二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 12:57:37
- 190二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 13:14:05
- 191二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 13:15:18
次スレ立てたほうが良さそう。とりあえずイッチに任せるけど
- 192◆i49.3lKjwPUK25/01/19(日) 13:36:00
- 193二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 13:37:02
- 194◆i49.3lKjwPUK25/01/19(日) 13:37:52
- 195◆i49.3lKjwPUK25/01/19(日) 13:38:34
- 196二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 13:39:05
大丈夫ですよ
- 197二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 16:19:03
埋め
- 198二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 21:31:53
うまるうまる
- 199二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 21:39:25
- 200二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 22:40:26
200