- 1前スレ>>125/01/14(火) 21:30:45
前スレまでのあらすじ
聖杯戦争の監督役に会うため、教会にやって来た剣殺同盟。
そこにはなんと、セイバーのマスターくんが聖杯を使って救おうとしていた友達の姿があり、彼女もマスターとして聖杯戦争に参加している事が発覚した。
その後、アサシン陣営と別れて帰路についたセイバー陣営を、小さな飛行機使いライダー&作り物の翼装着バーサーカー&双子マスターが襲う。
林の中へ逃げ込むセイバー陣営を追い詰める騎狂陣営だが、なんとセイバーのマスターくんの友人である少女がアーチャー・ヘラクレスと共に襲来して形勢逆転。
騎狂陣営がヘラクレスパンチで木っ端微塵にされそうになるも、セイバー陣営が彼等を身を挺して守ったことでアーチャー陣営が撤退。
バーサーカーの「ヘラクレス倒すまで同盟組もうよ」という提案により、騎狂陣営が同盟に加わることとなった。
四陣営が集う大同盟が結成されたのに、アチャクレス全然勝てる気がしないしくじり聖杯戦争、なんと3スレ目に突入!!
過去スレ
…確かに、ちゃんと触媒用意しなかった俺にも非はあるよ?|あにまん掲示板けどさぁ、出てきたサーヴァントが大きめのカニっていうのは流石に酷くない?…えっ、喋れるの?カニなのに?…えっと、じゃあ、真名とか聞いても良い?…カルキノス?…あー、蟹座の。ヒュドラの友達で、ヘラクレス…bbs.animanch.com…確かに、ちゃんと触媒用意しなかった俺にも非はあるよ?その2|あにまん掲示板前スレまでのあらすじ友達を助ける為に聖杯を求めて聖杯戦争に参加した一般魔術使いくん。しかし、触媒を用意していなかった事が仇となり、デカめの喋るカニなセイバー・カルキノスを召喚してしまう。やる気だけはあ…bbs.animanch.com - 2>>125/01/14(火) 21:34:33
別に読まなくても良いマスター達の設定
セイバー・カルキノスのマスター
ほんの少し魔術を齧った程度の父親から『ちょっと便利な裏技』くらいのノリで魔術を習ったニワカ魔術使い。
自分の住む街で聖杯戦争が行われる事を知り、とある友達の為に聖杯を使おうと参加。
触媒を用意出来る訳も無く、触媒無しで英霊召喚に挑んだところ、出てきたのはデカめの喋るカニだった。
アサシン・相原尚褧のマスター
歴史の浅い魔術師一族産まれの眼鏡インテリ系魔術師。
『自分の代で達成できなくても子孫達が達成できれば良い』という一般的な魔術師の価値観が根本的に合わないらしく「途中で血筋が途絶える可能性だって充分あるし、そもそも子孫が達成できたとて、自分がそれを目にできなければ何の意味も無いだろう!!」とか思ってる。
自身の代で根源に到達する為に聖杯を求めて聖杯戦争に参加。
常に、ここぞというタイミングで失敗するタイプであり、今回もサーヴァントを召喚したまでは良かったが、出てきたサーヴァントがとてもじゃないが使い物にならず、泣く泣く聖杯を諦めた。
現在は、折角喚び出したサーヴァントを自身の魔術研究に何かしらの形で利用できないかと思案中。
セイバー陣営と同盟を組んだ後は、すっ転んで気絶してたアサシンを引きずりながら帰って行った。
他のマスター達の分は後々書きます - 3>>125/01/14(火) 21:35:59
セイバー・カルキノスのプロフィール
x.gd - 4二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:48:29
たておつ
- 5二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:49:39
おつおつー
カルキノスくん勇猛とか持ってないの以外だな - 6二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:54:34
たておつ
自分が棲んでたレルネーの毒沼を召喚する宝具とか持ってるかと思ったけど意外 - 7二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 21:59:03
立て乙!
- 8>>125/01/14(火) 22:01:52
一区切りついたんで、ここからは以前の書き方に戻ります
…えっと、それじゃあ自己紹介しないとね。
俺はセイバーのマスター、特技はガンド乱れ撃ち。
で、こっちのカニがセイバー。真名は………
……なぁ、セイバー。バーサーカーの真名聞いちゃったし、こっちも言っちゃっても良い?……全然良い?そっか、ありがとう。
…真名はカルキノス。友達のヒュドラを守ろうとしてヘラクレスに挑んだら、秒で踏み殺されたデカめのカニ。ちなみに、宝具は恐怖心を消せます。
…………え?よくそのサーヴァントで聖杯戦争続けようと思ったなって?……アサシンのマスターさんにも、同じ事言われた…。 - 9二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:08:44
スレ主縦乙なのだ
- 10二次元好きの匿名さん25/01/14(火) 22:08:49
しかして10まで埋めねばならぬ
- 11>>125/01/14(火) 22:47:51
…えっと、バーサーカーさんの真名は、やっぱりイカロスだったんだよね?……うん、何となく察してはいた…。見た目まんまだし…。
やっぱり、その作り物の翼が宝具なんだよね?逸話通り、それで飛べたりするの?……あっ、いや、宝具は聞かない方が良いか…。
…えっ!?俺達が教えたから、そっちも教えてくれる!?ありがとう!!
……………空を飛べるけど、飛び立った時点で、最終的に墜落死する事が確定する?
しかも、飛ぶことに執着する方向の狂化がかかってるから、令呪を使ってでも禁止しないと勝手に飛び立とうとする?そのせいで、既に令呪一画使わさせられた?
…………えっと、うん……。お互い、頑張ろうね……。 - 12>>125/01/14(火) 23:40:59
……えーっと、君はライダーのマスターさん、なんだよね?…うん、これからよろしく。
え?バーサーカーのマスターさんの双子の姉?あぁ、やっぱり。二人共そっくりだもんね。
それにしても、君のサーヴァントのライダーさん、ホントに凄いよね!あんな大量の飛行機を飛ばせてさ!
…えっ!?アレ全部手作り!?すごい量だったよ!?…手作りしなきゃいけない分、動かす為の魔力の燃費が凄く良い?……な、なるほど…? - 13>>125/01/14(火) 23:52:13
…というか、ライダーさんって、ライダーなんだね?特に乗り物とか乗ってないし、ちっちゃい飛行機軍団が使い魔っぽく見えたし、てっきりキャスターなのかと…。
えっ!?乗り物の宝具もある!?しかもそっちも手作りしなきゃいけないタイプ!?な、なんか、凄くDIYなサーヴァントだなぁ…。
……いや、宝具について聞かない方が良いってのは分かってるんだけど…。今までの流れからして、何となく察してしまったというか…。その…。
……何かしら、問題のある宝具だったりする?
……………あぁ、やっぱりそうなんだ……。 - 14>>125/01/15(水) 00:05:17
えっ!?ライダーさんの真名と宝具を教えてくれる!?い、良いの…!?
…アーチャーから守ってくれたお礼?教えたのが妹にバレたら怒られちゃうから、あの子があっちに居る内に?……バーサーカーのマスターさん、どこ行ったのかと思ったら、あっちでバーサーカーさんと言い争ってたのか…。
……真名は、二宮忠八?あぁ、そういえばさっきバーサーカーさんがライダーさんの事を『チューハチ』って呼んでたっけ。……仲間のサーヴァントの真名バラすって、ホントにバーサーカーなんだなあの人…。
…へぇ〜!世界で初めて飛行機の原理を発見した人かぁ…!俺達、凄い人を敵に回してたんだなぁ…。
…………あれ?でも、最初に飛行機作ったのはライト兄弟じゃ─────うおっ!?ら、ライダーさんっ!?急に倒れてどうしたのっ!?
……え?世界初の有人飛行機を作ろうとしたけど、ライト兄弟に先を越された?あ、あぁ…。そういう…。
…ライダーの第二宝具は、生前作ろうとしていた有人飛行機?でも、作ろうとすると途中でライト兄弟のトラウマが蘇って、毎回作成途中の物を自分で壊しちゃう?……そういうパターンもあるのか…。 - 15二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 03:32:08
飛べるならまあ……やりようが……→飛ぶと死ぬけど飛びたがるよ
準備が必要だけど飛行機作れるよ、乗るタイプも出来るよ→でも制作中トラウマで自作宝具壊すよ
暗殺できないアサシンといい、なんかこう……ランサーとキャスターのずっこけ感に期待が高まる構成すぎる……
絶妙にコンボを見出せそうな塩梅なのがまた何ともいい味わい - 16二次元好きの匿名25/01/15(水) 09:43:29
控えめに言って神
- 17二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:55:51
期待してしますな
- 18二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 17:58:01
こいつらスキルにマイナス付いてるタイプだろ
- 19二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:05:25
何かどうやってもヘラクレスに勝てる未来が見えない
- 20二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 18:07:16
忠八さんの宝具、トラウマを乗り越えて完成までこぎつけたらヘラクレスと戦えるとかならワンチャン……
- 21>>125/01/15(水) 18:48:54
別に読まなくても良いマスター達の設定 騎狂陣営編
ライダー・二宮忠八のマスター
双子魔術師の姉の方。気弱な性格で、青いリボンがトレードマーク。
代々二人の当主が二つの魔術刻印をそれぞれ継承する、変わった魔術師一族の跡取り。
魔術の腕は妹より上だが、常に自分より他者を優先してしまう故に魔術師向きではない。
いつも自分を引っ張っていってくれる妹を尊敬している。
ライダーとの主従仲は良好で、彼の宝具作りを手伝ったりもした。
聖杯への願いは妹を根源へと到達させる事だが、その為には最終的にライダーを自害させる事が必須であり、本当にそれで良いのかと悩んでいる。
バーサーカー・イカロスのマスター
双子魔術師の妹の方。強気な性格で、赤いリボンがトレードマーク。
魔術の腕は姉より下だが、他者を蹴落としてでも自分と姉の二人だけは生き残ろうというたくましさ故に姉より魔術師向き。
いつも優しくしてくれる姉を誰よりも大切に思っている。
バーサーカーを召喚した直後、彼が懇切丁寧に宝具の説明をした上で「そんな宝具で今から飛び立つよっ!!!!3・2・1!!!!」とか言い出したので、咄嗟に『アタシが許可するまで宝具の使用を禁ずる』と命じ、早くも令呪を一画使わさせられた。
そんなバーサーカーとの主従仲は最悪で、暇さえあれば言い合いをしている。
聖杯への願いは姉と同じく根源到達───ではなく、姉と自分がそれぞれ受け継いだ二つの魔術刻印を完全に融合させる事で、当主が二人という伝統を消滅させ、姉を魔術師としての責務から解き放つ事。
- 22>>125/01/15(水) 21:57:52
───あれから、騎狂陣営の四人と解散して、家に戻ってきたんだけど…。
いやぁ〜…、メチャクチャ疲れたぁ〜…。
アサシン陣営と一緒に教会行って…、そしたら友達が居て…、教会から帰る途中で騎狂陣営に襲われて…、友達がヘラクレス連れて乱入してきて…、ヘラクレスから騎狂陣営を庇って…、騎狂陣営が同盟に加わって…。
……うん、数時間の出来事とは思えない程の濃度…。
とにかく、今日はもうお風呂入って寝よう!!
友達がヘラクレス喚んでた事とか、騎狂陣営が同盟に加わった事とか、アサシン陣営に伝えないといけないこと沢山あるけど、明日言えば良いか!!
…………いや、普通にアサシンのマスターさんから怒られそうだし、今晩の内に報告しとこ…。報連相、マジ大事…。 - 23二次元好きの匿名さん25/01/15(水) 21:58:43
- 24二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 05:40:08
セイバーくんはお風呂入って大丈夫?
茹でかににならない? - 25二次元好きの匿名25/01/16(木) 11:46:02
たし🦀
- 26二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 11:58:11
そもそもこの蟹セイバーは霊体化できないの?
- 27二次元好きの匿名25/01/16(木) 15:30:14
ほんまや
- 28二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 15:51:27
アルトリアという例外以外は霊体化できるのでは?
蟹くんは逸話的に死んでるよね? - 29>>125/01/16(木) 21:41:50
「会いに来たよ、ヒュドラさん。」
「……また来たのか、蟹。お前もしつこい奴だな。」
─────これは、夢?
「言ったでしょ?君と友達になれるまで、ボクは何度でも来るって。」
「人々から恐れられ、忌み嫌われる私と友人になりたいなどと、本当におかしな奴だ…。」
「ヒュドラさんは怖くなんてないよ?鱗は星みたいにキラキラ輝いていて、瞳は空みたいに透き通っていて、綺麗でカッコいい!」
「……そんな事を言う変わり者は、お前くらいだ。」
─────違う、これは『彼』の記憶。
「ヒュドラさんを傷付けるなっ!!!!!!!!!!」
「っ…!?よせっ!!やめろっ!!来るなっ!!!!!」
─────誰より優しくて、誰より勇敢で、友人の為なら命だって投げ捨てる。
「ア゙グゥ゙ッ゙!?ア゙ア゙ァ゙ァ゙ッ゙……!!!!」
「あ…、あぁ…!ああぁぁぁ……!!─────ヘラクレスッ、貴様ぁっ!!!!!!!!!!」
(ごめんね…、ヒュドラさん…。君を…、守…れな…。)
─────そんな、俺のサーヴァントの、大切な友人との記憶。 - 30>>125/01/16(木) 22:43:14
「ねぇねぇ、今日はどんな魔法を見せてくれるの?」
「魔法じゃなくて魔術だって言ってるでしょう?……今日は、季節外れの花でも咲かせてみせましょうか。」
─────これは、夢?
「えっ!?このネックレス、俺にくれるの…!?」
「えぇ。私の手作りの、お守りみたいなもの。肌見放さず───特に、魔術を使う時なんかは必ず持っていてね。」
「ありがとうっ…!!あっ、そうだ!コレ、さっきクジの景品で貰った指輪!ただのおもちゃだし、お返しにもならないと思うけど…。良かったら、受け取ってくれない?」
「わぁ…!可愛い…!ありがとう!宝物にする!」
─────違う、これは『彼』の思い出。
「魔術師になりたくない、って……どうして!?魔術の勉強、頑張ってるんでしょ!?」
「魔術師になるって事は…、人間じゃなくなるってことなのよ…。平気で人を殺す…、人でなしになるってこと…。私…、そんなの嫌…!誰かを傷付けたりなんてしたくない…!!」
─────誰より優しくて。誰より勇敢で、友達の為なら命だって捧げる。
「だ、だったら、そんなのにならなければ───」
「許されるわけないっ…!!お父様とお母様が、許してくれるハズがないっ…!!私は…、魔術師になる為だけに産まれてきたんだからっ…!!!!」
(……………俺に、君を救うだけの、力があれば……。)
─────そんな、ボクのマスターの、大切な友達との思い出。 - 31二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:45:19
おっふ
- 32二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 23:08:39
これヘラクレスのマスター蟹のマスター殺せないやつでは?
- 33二次元好きの匿名25/01/17(金) 08:33:31
ぎゃー
- 34二次元好きの匿名25/01/17(金) 10:51:34
保守
- 35二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 11:02:16
もう最悪だよこの聖杯戦争
- 36二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 15:56:57
いや今までのしくじり英霊たちをみてるとヘラクレスもうっかりを発動しそうな予感がする
- 37二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 20:44:18
これでヘラクレスが毒パンツ履いたら爆笑する自信あるわ
- 38>>125/01/17(金) 20:55:19
おはよう、セイバー。
…実は昨晩、君の───君とヒュドラさんの夢を見たんだ。
えっ!?セイバーも俺の夢を見たの!?
…そういえば、アサシンのマスターさんが『マスターとサーヴァントはお互いの記憶を見ることがある』って言ってたっけ…。
ん?俺がいつも着けてるネックレス?……うん、あの子に貰ったんだ。これを着けてると、元気が湧いてくるんだよ。手作りって言ってたし、魔術礼装ってヤツなのかも。
…俺の記憶を見たって事は、あの子の事も───俺が言った『友達を助けたい』っていう願いの本当の意味も、もう分かってるんだね。 - 39>>125/01/17(金) 21:02:21
あの子は、本当は、魔術師になんてなりたくないんだ。だけど、両親の期待に応えなきゃって、無理矢理頑張ってる。
俺は、魔術師のことなんて全然分からない。彼女の家庭の事に口出しする権利も無い。彼女を連れて逃げ出す為の力も無い。
…………だけど、あの子の苦しみと悲しみを、見て見ぬふりなんて、出来ない。
そんな時、たまたま聖杯戦争の事を知ったんだ。
この街で行われる戦いで勝ち残り、聖杯を手にすれば、どんな願いだって叶えられる。
きっと、あの子の事を助けることだって出来る。
……あの時は、あの子の助けることで頭がいっぱいで、あの子自身も参加する可能性を失念してた。あの子の両親は筋金入りの魔術師だ。あの子を聖杯戦争に参加させない訳が無かった。
きっとあの子は、敵マスターを全て殺せって命じられてるんだと思う。じゃなきゃ、騎狂陣営のマスター達を殺そうとするハズない。
……このままじゃあ、あの子は本当に誰かを殺してしまう。
…………人間に、戻れなくなってしまう。 - 40>>125/01/17(金) 21:09:04
セイバー。君に向けてこんな事を言うのは、あまりにも酷いかもしれないけれど…。
……………俺と一緒に、あの子のサーヴァントを────ヘラクレスを、倒してくれないか?
あの子が、誰かを殺してしまう前に。
あの子が、本当の魔術師になってしまう前に。
え?オッケー?そ、即答かぁ…。いや、ありがたいけど、ホントに良いの?相手ヘラクレスだよ?君の死因だよ?
……むしろ、必ず戦おうと思ってた?…………なんというか、凄いね、君……。 - 41二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 22:13:05
いいなこの主従
- 42二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 09:52:34
マスターもサーヴァントもかっこいいんだけど、実際の絵面を想像するとなんかほのぼのしちゃう
- 43二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 11:53:51
トンチキっぽいのにめちゃくちゃカッコイイ…
そういや蟹マスとカルキノスは寝るときとかどうしてるんだろう…ベッドと近くに桶とか…? - 44二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:02:35
風呂場とか?
- 45>>125/01/18(土) 18:45:51
セイバー、ちょっと家の片付けを手伝ってくれない?
実は今、昨晩作ったLINEグループ『剣殺騎狂同盟(仮)』で他のマスター達とやりとりしてたら、一度皆で顔合わせしようって事になってさ。
絶対罠とか仕掛けられなさそうって理由で、俺の家が集合場所になったんだよ。……同盟同士の集まりで罠の心配するって、みんな互いの事信用してなさ過ぎじゃない…?魔術師ってそーゆーもの…?
まぁ、とにかく、ここにみんなが来る訳だから、少しでも綺麗にしたくってさ。セイバーは机を拭いておいてもらえる?
いやぁ、それにしても楽しみだなぁ…!お客さんが来るなんて久しぶりだよ!
よし!この前懸賞で当てた、ちょっとお高いお菓子を出しちゃおう! - 46二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:49:45
ほのぼのしてる
…してるよね?
なんか剣マスの家集合な!
って雰囲気が… - 47>>125/01/18(土) 19:35:11
「おや、小生等が最後だったようですな。」
「…らしいな。」
12時半過ぎ、アサシンとそのマスターの二人が到着したことで、我が家に剣殺騎狂同盟(仮)の全員が揃った。
「君達がアサシン陣営だね。僕はイカろ゙ぉ゙っ゙!?!?」
またもや真名を明かしかけたバーサーカーを、彼のマスターが肘打ちで無理矢理黙らせる。
「…バーサーカー、次余計な事言ったら鼻折るわよ?」
「はいはい、分かったよ……………この暴力ゴリr「あ゙?」
「世界一優しくて可愛いマスターを持てて僕は幸せ者だなー!!」
わざとらしくアハハと笑うバーサーカーを尻目に、俺はその場の全員に話しかけた。
「えっと…、それじゃあ…。これより、剣殺騎狂同盟(仮)聖杯戦争戦略会議を始めます!」
それに対して、パチパチと拍手してくれるアサシン、バーサーカー、ライダーのマスター。
冷静に他の面々を観察しているアサシンのマスター。
未だバーサーカーに怒りの視線を向け続けるバーサーカーのマスターと、そんな彼女を恐れて冷や汗を垂らすライダー。
そして、拍手の代わりに、一際大きな音でハサミを鳴らしてくれているセイバー。
そんな様子で、俺達の会議は幕を開けた。 - 48二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 20:11:20
うーん、やはりこの蟹セイバーのマスター…魔術師向いてねぇ!
- 49二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 01:39:19
保守
- 50二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 09:05:47
ほ
- 51二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 17:07:51
基本サーヴァントの方が素直なの可愛い
- 52>>125/01/19(日) 21:00:57
最初に意見を発したのは、アサシンのマスターだった。
「先に言っておくが、僕は今回の聖杯戦争を既に諦めている。……というのも、このアサシンがあまりにも使えなさ過ぎてな。正直言って、そこの蟹にすら勝てるかどうか怪しい。」
マスターからの辛辣なコメントに少しシュンとするアサシンと、そんなアサシンの背中を手(というかハサミ)でさすって慰めるセイバーの一人と一匹をよそに、バーサーカーのマスターが反応する。
「諦めてる、って…。じゃあアンタ、何でここに来たの…?これ、アーチャー陣営に対抗する為の会議よ?」
「お前達にウチのアサシンを貸そう。戦えないとはいえ、囮くらいには使えるだろう。必要とあらば令呪も使おう。……その代わり、お前達のサーヴァントを少し貸してくれ。」
アサシンのマスターの提案に対し、一同は意図を読み取れず首を傾げた。
「僕は今、サーヴァント─────ひいては英霊召喚のシステムを解析して、自分の魔術研究に役立てられないかと考えている。その為には、少しでも多くのデータサンプルが必要不可欠。…つまり、お前達のサーヴァントのデータが欲しい訳だ。」
「英霊召喚のシステムを解析…、なるほどね。私達の家は召喚魔術とは畑違いだから興味無かったけど、そっち方面の魔術師からすれば宝の山か。」
彼の説明にバーサーカーのマスターは納得を示す。
─────が、しかし。
俺と、ライダーのマスター、そしてセイバーを始めとするアサシン以外のサーヴァント達には、大きな疑問が残っていた。
「……アサシンさんは、それで良いの…?」 - 53>>125/01/19(日) 21:45:27
アサシンのマスターの提案は、アサシンにとっては受け入れ難いものだろう。
そもそもサーヴァントは、聖杯にかける願いがあるからこそ召喚に応える。
もしも聖杯が手に入らないとなれば、サーヴァント側としては、マスターに従う理由が無い。
─────にも、関わらず。
「はい!小生はそれで構いませぬ!」
当のアサシンは、元気にそう答えてみせた。
「そもそも、マスターが聖杯を諦めることとなったのは、小生が役立たずであったが故ですから…。せめてもの償いとして、我が命、マスターの役に立てたいのです!」
「アサシンさん…。」
アサシンがあまりにも満面の笑みで言うものだから、俺はそれ以上、何も言えなくなってしまった。 - 54二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 21:45:32
アサシンのマスターはそれでいいんだ
- 55二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 21:47:45
何かもうまともな聖杯戦争じゃないしなぁ……
- 56二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 21:51:58
アサシンのマスターは最悪エインズワースみたいな方法で根源目指せそうだし
- 57二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 05:46:35
アサシンくんには何かしら幸運が来てほしい
- 58二次元好きの匿名25/01/20(月) 11:43:52
わかる
- 59二次元好きの匿名25/01/20(月) 20:28:42
保守
- 60>>125/01/20(月) 20:36:07
「……えっと、じゃあ、次は俺が発言しても良いかな?」
俺も、皆に必ず伝えておかないといけない事がある。
それは、俺の友達─────アーチャーのマスターの事だ。
「自分でも、凄く身勝手な意見だとは思う、けど……。アーチャー陣営と戦う上で、アーチャーのマスターを殺すっていうのは、絶対やめて欲しい。それが無理なら、俺達セイバー陣営は─────この同盟を抜けさせてもらう。」
ヘラクレスといえど、サーヴァントである以上、マスター無しでは現界していられない。
ならば、そのマスターを狙うのが、一番勝率が高いに決まっている。
だというのに、それをするなと言うのだから、どう考えても皆の反感を買う─────
─────と、思っていたのだが。
「…なーにバカなこと言ってんの?んなもん、ハナからやる訳無いでしょーが。」
「どう考えても一番の愚策だろう、ソレは…。」
「…………はぇ?」
アサシンのマスターとバーサーカーのマスターの呆れた様な反応に、俺は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。 - 61>>125/01/20(月) 21:30:50
唖然とする俺に対して、ライダーのマスターが説明をしてくれた。
「えっとね…。アーチャーのサーヴァントは、クラススキルとして『単独行動』っていうのを持っているの。通常なら、サーヴァントはマスターを失ってから間もなくして力を大幅に失って、やがて消滅してしまう。だけど、単独行動スキルを持ったサーヴァントは、マスターからの魔力供給無しでも長時間力を保っていられるのよ。」
そこへ更に、バーサーカーのマスターが補足説明を加える。
「ヘラクレスくらい強力な英霊なら、低く見積もってもBランクはあるでしょうねぇ。Bもあれば、二日間は現界していられる。薄情な反英霊ならともかく、誉れを重んじる大英雄ヘラクレス様は、守るべき自身の主───しかも、よりにもよって若き少女を殺されたとなれば…。」
「ブチ切れるだろうな。でもって、マスターの仇を打たんと、全力で僕達を殺しに来る。ヘラクレス相手に、丸々二日かけての命懸け鬼ごっこ。…どう考えても死ぬな。」
トドメとばかりのアサシンのマスターによる結論に、俺は納得せざるを得なかった。
「べ、勉強不足で、申し訳ございません…。」
「聖杯戦争に参加するというのに、各クラスの特性すらまともに調べていないとは…。」
「アンタ、それでよく『同盟抜ける〜』なんて言えたわね…。」
俺が撃沈してなお収まらぬ、殺狂マスター二人による追撃。
その後、ライダーのマスターがなだめてくれるまで、俺への攻撃は続いたのだった。 - 62二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 21:36:20
アーチャーで召喚されたことでマスターの命に保証がついた
- 63二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 22:03:40
そもそもヘラクレスのマスターをヘラクレスがそう簡単に殺させるか?と聞かれたらな…
- 64二次元好きの匿名25/01/21(火) 08:32:16
よかった
- 65>>125/01/21(火) 19:02:49
〜マスター達が話し合っている頃のサーヴァント達〜
セイバー「あのねあのね!ボクのマスターはね!ボクがどんなに弱くても『一緒に戦おう』って言ってくれて、自分の友達の為なら命だって懸けられる、凄くカッコいい子なんだよ!」
アサシン「小生のマスターは、聖杯を諦めてなお、別の形で聖杯戦争を利用しようとする不屈の精神を持った、立派な御方です!」
ライダー「私のマスターは、少し気弱なところがあるが…。妹想いで、私の宝具作りを手伝ってくれたり、心優しい子だ。」
バーサーカー「僕のマスターはいつもすぐ殴る暴力ゴリラだよ。」
ライダー「……せめて一つぐらい良い所を言ってあげたらどうだね?」
バーサーカー「マスターの良い所?う〜ん…………………………姉(騎マス)より巨乳。」
バーサーカーのマスター(あの馬(バ)ーサー鹿(カ)ー、後で絶対ぶん殴ろう。)
ライダーのマスター「………。(´・ω・`)」 - 66二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 03:23:51
ステイナイトでも13回目を魅せてくれたあのヘラクレスだからなあ……まっとうな攻略は難しいが裏をかくと楽にはならず別の地獄が展開する、難儀
それはそうとイカロス、言語野が別の意味でバーサーカー過ぎる
こいつだけ残念英雄の中でもなんか大変なことになってるが頑張ってるマスター!じゃなくてよく呼んでくれたね死にまーす!首輪ぐいー!だからテンション感も違うのおもろ - 67二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 06:07:51
タヒに急ぎ野郎じゃん…
- 68二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 15:00:31
蟹セイバーかわいいな。両ハサミをぶんぶんしてるのが見える見える。
- 69二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 15:41:39
こんな可愛い蟹を踏み潰した大英雄がいるらしいですね
- 70二次元好きの匿名25/01/22(水) 15:45:35
- 71二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 16:42:27
まぁ半神だしな
- 72>>125/01/22(水) 20:41:59
俺への攻撃が止まった後、意気消沈した俺がセイバーに慰めてもらっている間も、他三人(主に殺狂マスター二人)による作戦会議は続いた。
「さて、この同盟の戦力をどう使えばアーチャーを倒せるのか、だが─────」
そう言いながらアサシンのマスターはチラシの裏に、この同盟の四人のサーヴァント達、そして四人から少し離れたところに一際大きくアーチャーの絵を描く。
─────余談だが、アサシンのマスターが描いた絵はいわゆるデフォルメイラストであり、それを見たライダーのマスターは「可愛い…!」と呟いて、スマホでこっそり撮っていた。
アサシンのマスターは、描いた絵をしばらく眺めた後。
「───うん、どう考えても無理だな。微塵も勝てる気がしない。」
そう言い切り、イラストを描いた鉛筆を机の上に放った。
「…やっぱり、残りのランサー陣営とキャスター陣営を同盟に引き入れるしかないでしょうね。」
そう言うとバーサーカーのマスターは、机に転がった鉛筆を拾い、同盟のサーヴァント達の絵のすぐ横に、槍兵と魔術師と思われる絵を描いた。
─────これまた余談だが、バーサーカーのマスターが描いた絵は色んな意味で独創的であり、それを見たバーサーカーが「いくらなんでも下手過ぎない!?」と言って爆笑し、直後にバーサーカーのマスターに締め上げられていた。 - 73二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 20:51:00
蟹かわいい…
- 74二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 05:29:14
コミュニケーションできてるのに致命的な失敗してるのがバーサーカーであること証明してるなー
- 75二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 06:51:08
しくじりサーヴァントだらけだけど性格良い奴ばっかでマスターとの相性はめちゃくちゃ良いな
- 76二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 14:51:10
かっこいいな剣主従
- 77二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 16:19:35
蟹がガチのピンチになったらヒュドラがオート召喚されそうだな
- 78二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 16:24:44
- 79>>125/01/23(木) 16:41:07
どうも、スレ主です
実は今まで蟹を『水中と陸上の両方で呼吸出来る生物』だと思ってたんですが、調べてみたら『水中で溜めた水分を使って陸上でもエラ呼吸出来るだけで、長時間の活動は出来ない』という事実を知りました
なのに蟹セイバー、割と長時間陸上で活動しちゃってるんですよね…
なので急遽、女神の加護スキルに『陸上で長時間活動出来るようにする効果』を追加することにしました
行き当たりばったりですいません…
↓それに伴い、プロフィール内容も少し変更しました
x.gd - 80>>125/01/23(木) 21:21:42
─────あれから数時間話し合ったけれど、結局『ランサー陣営・キャスター陣営が見つからない限りはどうしようもない』という結論にしかならず、今日は解散という事になった。
皆を見送った後、セイバーと一緒にソファの上に腰掛ける。
「ねぇ、セイバー。他のサーヴァント達と話してたみたいだけど、仲良くなれた?」
「うん!三人共、とっても優しい子達だったよ!」
俺の問いかけに対して、セイバーはハサミをブンブン振りながら元気に応えた。
───今気付いた事だが、セイバーは三人称として『あの子』『〇〇な子』という風に、年下を対象とするような呼び方を多用する。
もしかしたらこのカニ、生前はかなりの御長寿だったりしたのかもしれない。
「……そういえば、アーチャーのマスターが俺の友達だって、皆に言いそびれたな…。」
そう呟きながら、首からかけたネックレスを眺める。
あの子から貰った、思い出のネックレス。
─────あの子は今頃、どうしているのだろう。 - 81二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 21:24:07
…どうしようこの次のシーンでめっちゃくちゃ前スレの前出てくるところ思い出して悶えてたら
- 82二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 21:27:46
まぁ神話の時の蟹だし…長生きさんなんだろうなぁ…
- 83>>125/01/23(木) 21:35:35
─────彼は今頃、どうしているのだろう。
胸に手を当て、この身から魔力が流れ出ていくのを感じ取る。
今は霊体化させている私のサーヴァント・アーチャーへの、魔力供給の流れ。
そして、もう一つ。
─────彼への、魔力供給の流れ。
「───魔力のパスに異常は無い…。大丈夫…、彼は無事…。」
こうして彼の無事を確認出来るのだから、彼に『アレ』を贈って、本当に良かったと思う。
昔、彼に贈ったネックレス。
私特製の魔術礼装であるアレは、彼が身に着けている限り、彼と私の間に魔力のパスを繋げ、彼のもとへ私の魔力を供給し続ける。
魔術刻印を持たず、魔術回路も殆ど無い彼が、魔弾(本人はガンドだと思い込んでいる)を無尽蔵に連射し続けられるのは、私が魔力を送り続けているからだ。
勿論、渡した際にそんな説明は一切していないし、彼からは私との魔力のパスを一切認識出来ないように細工済みなので、彼はこの事実を知らないし、この先も気付くことは無いだろう。 - 84二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 21:41:59
GPS…?
魔力供給の流れで位置情報わかったりしない - 85二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 06:30:20
逆探知されそうな魔力供給システムだな。
- 86二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 16:33:26
バーサーカーの活躍に期待ほしゅ
- 87二次元好きの匿名25/01/24(金) 19:27:57
保守するの忘れてた
- 88>>125/01/24(金) 20:00:58
─────彼と初めて出会ったのは、数年前。
魔術の鍛錬に疲れた私は、両親の監視を潜り抜けて、気晴らしに夜道を散歩していた。
そして、住宅街から少し離れた所にある人気の無い公園の前を通り過ぎようとした、その時。
「─────ガンドッ!!」
そんな掛け声と共に、何かが弾ける音が、夜の冷たい空気に響き渡った。
音のした方を向くと、公園の中に、彼の姿を見つけた。
「ガンドッ!!ガンドッ!!ガンドォッ!!!!」
彼はそう言って、指先から魔弾を放ち、離れた場所に置かれた空き缶を次々に撃ち抜いた。
(魔術師っ…!?)
私は咄嗟に茂みの裏へと身を隠す。
私と両親以外で、魔術を行使する人間を見たのは、生まれて初めての事だった。 - 89二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 20:31:45
もしかしてこのアチャクレスのマスター蟹の魔力も渡してるのでは?その気になったら蟹のマスター傷つけずに蟹退去させられない?それ
- 90>>125/01/24(金) 21:19:54
(あり得ない…。人通りの少ない場所とはいえ、人払いの結界すら張らずに魔術を使うなんて…。一体何を考えているの…?)
私が気配を殺しながら観察している間も、彼は魔弾で空き缶を撃ち続けた。
「ガンドガンドォッ!!よしっ、あともう半分っ!!」
その様子は心底楽しそうで、その笑みは真夏の太陽みたいにキラキラ輝いて見えた。
そんな彼の姿が、私には不思議でならなかった。
(どうして…?どうしてそんなに楽しそうに、魔術を使えるの…?)
私にとっての魔術は、やらなければいけないこと、仕方無くやること。
とてもじゃないが、楽しい、嬉しい、なんて感情を抱けるものじゃない。
だというのに、目の前の彼は。
「これでっ、最後っ!!!!─────やったぁっ!!!!遂に一発も外さず全部撃てたっ!!!!」
「─────いいなぁ…。」
私も、あんな風に、魔術を使えたら─────。
「…………えっ!?君っ、いつから居たのっ!?」
「……あっ。」
気付けば私は、彼のもとへ歩み寄っていた。 - 91二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 08:50:16
ほしゅ
- 92二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 13:22:01
いいですよ…こういう恋…?
- 93二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 13:23:51
アーチャーのマスターも魔術師としては甘かったから見逃されたんやな…本来の魔術師とかなら神秘の秘匿を破ってる奴には容赦ないから運が良かったな蟹のマスター
- 94>>125/01/25(土) 19:28:25
それから私達二人は、公園のベンチに腰掛けて、お互いの事を話した。
「へぇ〜!じゃあ君は本物の魔法使いなんだね!」
「魔法使いじゃなくて、魔術師よ。」
「……何が違うの?」
話す中で、彼は魔術について殆ど知らない、いわゆる『魔術使い』と呼ばれる部類の人間であると分かった。
「貴方、いつもあんな事をやっているの?」
「うん!学校が休みの日の前日なんかは、夜中にここへ来て、ガンドの練習をしてるんだ。」
「……貴方が使っているのはただの魔弾。ガンドとは別物よ。」
「えっ!?そうなのっ!?……魔弾、かぁ…。でも、ガンドの方が叫んでてカッコいいしなぁ…。俺はやっぱり、ガンドって呼ぶ事にしたいんだけど…………ダメかな?」
「……別に、貴方がそうしたいなら、そうすれば良い。」
「本当!?よしっ、じゃあこれからもガンドにしよう!」
嬉しそうにそう言う彼を見て、私の中の疑問は大きくなる。
「……ねぇ。貴方は、どうしてそんなに楽しそうに、魔術を使えるの?どうしてそんなに嬉しそうに、魔術の話が出来るの?」 - 95二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 19:29:22
の、脳焼きガンド(偽)…
- 96>>125/01/25(土) 20:11:39
私の問いかけに、彼はキョトンとした表情を見せた後。
「そりゃあ、楽しくて嬉しいからだよ!!アニメやマンガのキャラみたいに、指鉄砲をバンバンッて撃ててさ!!こんなにカッコいい─────こんなに凄いことが俺にも出来るなんて、思いもしなかった!!」
「凄い、こと…?」
彼の魔弾は、たった一工程(シングルアクション)の、多少魔術を学んだ者なら誰でも出来る、極めて容易な魔術。
それも、彼の微小な魔力量ては、輪ゴム鉄砲程度の威力の弾を十発くらい撃てるだけだろう。
勿論私にだって当たり前に出来るし、きっとそんなことをしても、私の両親は反応すらしてくれない。
たかが、そんな、ことが。
──────────凄いこと? - 97>>125/01/25(土) 20:26:45
「あっ、そっか!」
「えっ…!?」
突然彼が声を出し、ハッとする。
「君は魔法使いなんだから、俺のガンドよりもっと凄いことが出来ちゃうんだ!」
「……まぁ、そりゃあ…。」
「ちょっとだけ、君の魔法も見せてくれない?……お願いっ!!本当にちょっとだけで良いからっ!!」
本来、魔術師にとって自身の魔術というのは、そう易々と見せて良いものではない。
それもこんな、ほとんど一般人の様な相手に見せるなんて、論外にも程がある─────だというのに。
「……ちょっと、だけなら。」
私は何故か、それを良しとしてしまった。
両手を合わせ、その中心に魔力を集めると、それを『ある形』に編んでゆく。
そして、両手を開くと同時に、解き放つと─────
──────────虹色に輝く、魔力の蝶が、飛び立った。 - 98二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 06:42:05
乙です
甘酸っぺぇなぁおい! - 99二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 10:03:04
でもなぁ、これきっとこの娘の家族が介入してきたのが想像出来るんよなぁ……
- 100>>125/01/26(日) 17:50:56
これは、幼かった頃の私が初めて自力て編み出した、オリジナルの魔術。
とある絵本に出てきた虹色の蝶を、魔力で再現する。
ただ、それだけの、何の意味も価値も無い魔術。
褒めてもらおうと両親に見せた時は『そんな事をしている時間があるなら魔術の鍛錬をしなさい』と言われてしまった魔術。
「……悪く思わないで。貴方には、この程度の魔術しか見せてあげられな─────」
──────────それなのに。
彼は、魔弾の練習をしていた時の、何倍も、何百倍も、キラキラした瞳で。
「──────────凄い、綺麗。」
「……………は?」
私が思わず間の抜けた声を漏らすと、彼は勢い良くこちらを向いた。
「凄いっ!!凄いよっ!!!!流石魔法使いっ!!!!こんなっ─────こんなに綺麗でっ、素敵でっ、凄い魔法が使えるなんてっ!!!!!!!!!!」
興奮しきった様子で、まくし立てる様にそう言う彼。
「…………すご、い……?」
「うんっ!!凄くっ!!凄く凄く凄く凄いっ!!!!!こんなに綺麗なもの、生まれて初めて見たっ!!!!!!!!!!」 - 101>>125/01/26(日) 18:27:20
魔術なんて、出来て当たり前。
鍛錬なんて、頑張って当たり前。
だから、父も、母も、褒めてくれたことなんて、一度もなかった。
誰かに褒めてもらったことなんて、生まれてから、一度もなかった。
「っ……、ぁ……。」
「えっ!?ちょっ!?なっ、何で泣いてるのっ!?」
嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
嬉しくて、嬉しくて、涙が止まらない。
(褒めてもらうのって、こんなに嬉しいことだったんだ…。)
それからしばらくの間、困惑する彼の前で、私は泣き続けた。 - 102二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 19:27:20
この蟹マスターよくアチャクレスマスターの親とか関係者に口止めされなかったな
- 103二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 19:28:02
てぇてぇ
- 104二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 19:40:35
- 105二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 19:41:29
そこまで外道…か?
そういや筋金入りの親だっけ…? - 106二次元好きの匿名25/01/26(日) 21:29:28
やめろ
- 107二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 08:31:47
保守る
- 108二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 18:54:35
どうしてヘラクレスこういうマスターにばかり呼ばれてしまうん?
- 109>>125/01/27(月) 19:05:25
それからというもの、私達は定期的に夜の公園に集まるようになった。
会う度に私が様々な魔術を披露すると、彼はいつも興奮混じりにそれを褒めてくれた。
それが嬉しくて嬉しくて、彼に褒めてもらう事がモチベーションになり、今まで仕方無くやっていた魔術の鍛錬にも力が入るようになった。
幸い、両親は魔術に関する事以外では私への関心が一切無いので、何度も夜中に出かけている事も、彼と会っている事も、全くバレなかった。
それどころか『以前より魔術に真摯に取り組むようになった』と喜んでいた。
彼との日々が、いつまでも続けば良いのに。
そう、心から願った。
──────────『聖杯戦争に参加しろ』と言われたのは、その矢先の事だった。 - 110二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 19:34:12
型月の極端な魔術師は我が子に見張りの使い魔くらい普通におくから…(震え声)
- 111>>125/01/27(月) 19:41:22
「半年後、この街で聖杯戦争を開催する。そこで、自分以外のマスター全員を殺し、聖杯を手に入れなさい。それが、お前が一人前の魔術師となる為の試験だ。」
やっと、明るい方へ行けると思ったのに。
「──────────はい。分かりました、お父様。」
私は再び、暗い方へと引き摺り落とされる。
(─────あぁ、私、何で勘違いしてたんだろう。)
これからも、彼と一緒に居られる訳が無かったんだ。
私は、彼とは違う生き物なのだから。
(─────私、何で思い上がっていたんだろう。)
私は、彼と同じ、人間になんて成れる訳が無かったんだ。
ヒトデナシ
私は、生まれながらの、魔術師なのだから。 - 112二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 19:49:22
この聖杯戦争次第では命を落とす(しくじりだらけなのでほぼ無さそう)か魔女になるかしかないのかね
- 113二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:01:58
- 114二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:29:36
ヘラクレス自身がヘラに虐められたから?
- 115二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:33:47
魔術師に囚われずに生きて…蟹鱒なんとかして…!
- 116二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 07:59:48
アチャクレスさんキレてない?大丈夫?
- 117二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 17:36:23
☆
- 118二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:26:28
- 119二次元好きの匿名25/01/28(火) 19:52:21
別にいい気がする
- 120>>125/01/28(火) 19:54:39
ネーミングセンスが無いので決めてなかったのですが、即席で決めてみました
セイバー・カルキノスのマスター 上見 夜白(うえみ やしろ)
アサシン・相原尚褧のマスター 美枝栗 月也(みえぐり つきや)
ライダー・二宮忠八のマスター 組橋 凪乃(くみはし なきの)
バーサーカー・イカロスのマスター 組橋 野樹菜(くみはし のきな)
アーチャー・ヘラクレスのマスター 条夏 彩咲(じょうか あやさ)
一応、全員Fateシリーズに因んだ名前です
自分がちゃんと覚えてられる自信無いので、本編ではこれまで通りセイバーのマスター、剣マスターといった表記になると思います
- 121>>125/01/28(火) 21:36:25
─────思い出の中から、現実へと意識を戻す。
(……まさか、彼が聖杯戦争に参加するなんて…。)
二日前の夜、彼に大量の魔力を持っていかれた事があった。
あの時は、またゴキブリ相手に魔弾乱れ撃ちでもしているのかと思ったが、今思えば、英霊召喚を行っていたのだろう。
(一体、何処で聖杯戦争の事を…。いや、そんな事より─────)
お父様は、私に、『自分以外のマスターを全て殺せ』と命じた。
そして、彼は、マスターになった。
それは、つまり─────
「─────彼を、殺さなくちゃ、いけない?」
もしも、あの時。
彼が、他のマスター達を庇って、私とアーチャーの目の前に立ち塞がった時。
拳を振り下ろそうとするアーチャーを、咄嗟に止められていなかったら。
私は、彼を─────
「─────彼を、殺していた?」 - 122>>125/01/28(火) 21:54:58
瞬間、猛烈な吐き気が襲いかかる。
「う"っ…!!ぐっ…、お"え"ぇ"っ…!!」
自室の床へ吐瀉物を撒き散らした後、私は力無くベッドに倒れ込んだ。
「ごぼっ、ごほっ…!!ひゅーっ…!ひゅーっ…!」
息が乱れる、目眩がする、冷や汗が止まらない。
そんな中、ふと、ある物が目に付く。
左手の薬指にはめた、おもちゃの指輪。
ネックレスのお礼にと彼がくれた、私の唯一の宝物。
その指輪に唇を落とすと、少しずつ落ち着いてきた。
(……彼を、殺したくない…。でも、お父様には逆らえない…。彼を傷付けたくない…。お父様の言うことは絶対…。彼と友達で居たい…。私はお父様の操り人形…。彼とずっと一緒に居たい…。魔術師になる事だけが私の存在意義…。彼の敵になんてなりたくない…。私は魔術師になる為だけに生まれてきた…。)
「─────私、どうすれば良いの…?」
─────いくら指輪に乞うたところで、答えが返ってくることは、無かった。 - 123二次元好きの匿名25/01/28(火) 22:40:57
保守