- 1二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:43:47
夜、寮の部屋でジョーダンがひとりベッドに寝そべってネットのネイル動画を見ていると、ドアのほうからコンコンコンとノックする音が聞こえた
「入っていーよー」
ジョーダンがそう返事して、がちゃ、と部屋の扉を開けて入ってきたのはシチーだった
「お邪魔しまーす」
「わお、シチーだ! おすおす」
「あれっ、ジョーダンひとり?」
「うん。チケゾーさんはいま遠征中。ちょうどひとりっきりでタイクツだったんだよねー。んで、シチー何の用で来たの?」
「今日撮影現場で差し入れもらったんだ」
するとシチーは手に持っていた、取っての付いた白い箱を掲げてジョーダンにみせた。箱には”effort”と書かれたロゴがあった。
「なにそれ」
「スイーツ。友達と分けて食べてっていわれたんだ。良かったら一緒に食べる?」
シチーの誘いにジョーダンは喜んで首を振った。
「食べる食べる! シチーマジ神だわ。持つべきものはやっぱ友達だよねー☆」
はしゃぎながらそんなことをいうジョーダンに、シチーは「はいはい」と苦笑した - 2二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:45:27
洋菓子店のロゴが印刷されている箱を開けると、中にはカップ入りのプリンアラモードがふたつ入っていた。土台となるカスタードムースの上にプリンが乗っていて、その周りをホイップクリームが囲んでいる。クリームの上には小さくカットされたキウイやミカンがいくつか乗せられ、プリンの上にはさくらんぼがひとつちょこんとあった。
携帯のカメラ機能でその姿を写真に収めると、箱の中に一緒に入っていたプラスティック製の小さな使い捨てスプーンでプリンやクリームを突きながら「おいしー!」「うん、すごい人気店のやつらしいよ」と、ジョーダンとシチーは言い合いながらスイーツの素晴らしい味を楽しんでいた。
ジョーダンがプリンの上のさくらんぼをぱくっ、と茎を指でつまんで口に入れたとき、彼女は不意にあることを思い出した。さくらんぼの甘味と酸味を味わい終え、種を口から出してカップの片隅に置くと、ジョーダンはさっきまで手に持っていた茎を口の中に入れ、その中でもごもごと動かさせた。
「ジョーダン、何やってるの? 行儀悪いよ」
ジョーダンの様子をみて、シチーが彼女を咎めた
「いやさ、こんな話知らない? 口の中でさくらんぼの茎が結べるヒトは、キスが上手いって話」
「あー……何かで聞いたことあるかも。それやってんの?」
「そう、やってみてはいるんだけど」
しばらく口をもごもごさせていたジョーダンだったが、諦めたのか彼女は照れ笑いを浮かべながら舌を出して、結べなかった茎をシチーにみせた。
「ううん、コレむずいわ。ゼッタイ出来る気しないもん」
「へえ、アタシもやってみようかな」
そういってシチーは既に食べ終えていたさくらんぼの茎を口の中に入れ、さっきまでのジョーダンと同じように口の中を動かした
ジョーダンがじっとその様子を見つめていると、「あっ」とシチーが口を漏らした
「……できたっぽい」
するとシチーは舌を出して、片結びになったさくらんぼの茎をジョーダンにみせた - 3二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:46:01
「ウッソ、ヤバ〜っ! 本当にそんなことできるんだ!」
「うん……アタシも出来るなんて思わなかった」
「それじゃシチー、キスが上手いってことじゃん!」
「さあ、どうだか」
シチーはさらりというと、舌の上の茎を手にとってプリンの入っていた箱のなかに置いた
「だけどマジっぽいじゃん、そんだけ舌が器用ってことはキスが上手いって。うわ、なんか想像するだけでエロいわ」
ジョーダンが軽薄な口調でそういうと、シチーが彼女の顔のほうを向いた
「それじゃ、本当かどうか試してみる?」
「え?」
そのとき、シチーがぐいと身を乗り出してジョーダンに顔を近づけた。目と目が至近距離に合い、鼻と鼻の間の距離が数センチまで迫る - 4二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:46:26
「してみようか?」
「……してみるって、ナニ」
ジョーダンの額に汗が一筋つつーっと流れた。シチーの紺色がかった瞳に見つめられ、彼女の身体がすこし熱っぽくなる
「だからキス。アタシが上手いかどうか、試してみない?」
どうしよう。ジョーダンの頭の中はほとんどパニック状態になっていた
そんな、キスなんてあたししたことないし、それに女同士でキスなんて……
……だけどシチーならいいかな。キレイだし、それに、一番の友達だから……
ジョーダンは目の前にいる親友の口づけを受け入れようと、そっと目を閉じた - 5二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:46:57
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- 6二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:47:25
「なーんてね、冗談に決まってるでしょ」
「……え」
ジョーダンが目を開けたとき、シチーはプリンアラモードの残りをスプーンで割いていた
「さ、早く食べちゃおっか。アタシもバンブー先輩が見回りに出てる間に部屋に戻んなきゃいけないからさ」
「えっ、あっ、うん……」
そしてシチーが部屋を去ったあと、心の準備までしていたジョーダンはベッドのなかで枕に顔を埋め、「あーっもうナニ期待してたんだあたし! 死にたい死にたい死にたい〜っ!」と顔を真っ赤にしながら悶絶したのだった - 7二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:48:21
スレ主です
このあとジョーダンは学園でシチーと会うたびにこのことを思い出し、「友達でこんなこと考えるなんて」とシチーを避けるようになってしまい、ふたりの仲がギクシャクするも、「ねえ、なんでアタシを避けるの」と問い詰めたシチーにジョーダンが本心を告白し、「あはは、バッカみたい!」「バカじゃないし!」と笑って和解。その流れでキスをしてぴょいぴょいする流れまで浮かびましたが長くなるしセンシティブでアウトなカンジになってしまうので、キリのいいところで終わらせました
また何か浮かんだら来ます。サラダバー! - 8二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:50:25
サラダバー!良かったわ
シチーに詰め寄られるジョーダンめっちゃ見たい - 9二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:53:21
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- 10二次元好きの匿名さん21/09/12(日) 23:53:43
シチー×ジョーダンはもっと流行れ
- 11二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 00:22:01
いいものを見させてもらった
- 12二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 00:50:11
ご馳走様でした
- 13二次元好きの匿名さん21/09/13(月) 00:54:38
ありがとうございますスレ主……