- 1二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:03:41
- 2二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:08:28
いいじゃん
- 3二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:11:12
いいよ~続けて
- 4二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:12:20
センスあるよ
- 5二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:13:05
本編もこれでいいくらい良いな
- 6二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 21:13:15
ᓀ‸ᓂたぶららさ
- 7二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:02:15
(この概念だったらもしかしてスズミが片羽なのはアリウスの内戦もしくはベアトリーチェの圧政によるものなのか……)
- 8125/01/16(木) 22:51:50
……クソ下手くそで遅筆だけどこの概念を書いて見ようかな
- 9125/01/16(木) 22:54:16
(という訳で保守失)
- 10125/01/16(木) 22:54:29
2
- 11二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:54:33
頑張れ
- 12二次元好きの匿名さん25/01/16(木) 22:55:27
実際のところ片翼だけの生徒ってトリニティに関して言えば他にいないし何かしらバックボーンがある予定だったのかもなあ…
- 131/225/01/17(金) 00:33:27
それは本当に、些細なきっかけでした。
スパイを命じられ、私はトリニティ総合学園に入学しました。
入って数ヶ月のうちで内部を探るというのも怪しまれると思い、模範を意識し学園に通い、巡回と称し襲撃に際しての計画を立てるため、散策を行っていました。
そうしているうちに私が知ったのは、この学園の薄暗さでした。
生きるために、というよりは自分が優位に立つために、安心感を得るために。人前で、または路地裏で、そこかしこというわけではないですが、ふと気にするとそういった、弱者いびりのようなものが行われていました。
あの時は別段気にしていませんでしたね。
『すべては虚しく、どこまで突き詰めても虚しさが残るだけ』。弱者に手を差し伸べようが、いっそ強者側へまわり他人を蹴落とそうが、あとからしたら誰も彼も消えるわけですからね。
見ない聞かないチクらない。……私に友と呼べる方が少ないのはこの入学デビュー失敗が原因だったりするのでしょうか?
そうしてまた一人外に出ていた時のことです。
どこからともなく流れた音楽が、なんとなく耳に入ってきました。回りくどいような、それでいて直接心に語りかけるような。
「ただの道具?何いってんの?」
「ただの友達?違うだろ?」
英語だったのですぐに歌詞の意味を理解することは出来ませんでしたが、そこだけは聞き取れたのです。私が求めていた言葉だったからでしょうか。その場所から離れても、気晴らしに計画を練ろうとしても、しつこいほどにその言葉が頭の中を回るんです。 - 142/225/01/17(金) 00:34:06
後悔、なのだったと思います。その言葉は他ならぬ私自身が言いたかった言葉だったのでしょう。なにせ、初めてトリニティで出来た友人を、その時私は見殺しにしたのです。
『虚しいだけ虚しいだけ虚しいだけ』
「いいや、違うでしょ?」
歌が鳴り止まないんです。
『突き詰めど突き詰めど総て虚しい』
「何いってんの?」
彼女の空元気が、目の下にできたくまが、引きつった笑顔が、忘れられないのです。
『「目が覚めた、ありがとう」』
本当に些細なきっかけで、私は徹底的にアリウスの駒である証拠を消しました。刻印はヤスリでつぶし、通信機はドブに捨て、定期的な連絡のため着ていた服は燃やし、学園が関わっていない非公認の自警団を名乗りパトロールを始めました。
見ないフリをしていた諍いへ、閃光弾を照らしました。
こちらの説得を聞かない耳に、閃光弾は叫びました。
説得は厳しいようだったので、あの時聴いた曲を聴かせてみました。聴いた人は皆苦しんでましたね。あの曲、要約するとナンパが失敗した男の歌なんですよ。曲の最後まで引き下がらない、情けない男の口説き文句でした。
それでも私は、私に生き様を与えてくれたその曲が好きです。虚しいと一蹴する私に、この充実した人生をくれましたから、ね。 - 15二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 00:53:41
諍いへ閃光弾を照らした、聞かない耳に閃光弾は叫んだ
この表現最高に好き - 16125/01/17(金) 07:40:46
うおぉ……いいSSだ……ありがとう……!
- 171(14さんとは違います)25/01/17(金) 17:00:58
「守月スズミ、貴方はこれからトリニティに入学して貰います。」
僅かな明かりに照らされて、ベアトリーチェ──マダムらスズミに告げる。
何故トリニティへ、と聞く前に彼女は言葉を続ける。
「近い将来、締結されると思われるエデン条約を見越しての事です。貴方には『トリニティの生徒』として、会場や敷地を見てもらいます。」
そうして直ぐ、スズミはトリニティへ入学する事となった。アリウスにいたスズミと自由を謳歌するお嬢様学校の生徒達には、お互い意識せずとも隔たりがあった。
部活はトリニティ自警団。「他校の生徒の襲撃からトリニティ生を守る為」という入部理由は、自らの戦闘能力の高さに違和感を持たれない為の方便であり、閃光弾を持つのも、何か面倒な事が起こったとしても余り騒ぎにならないようにする為の物であった。
(忙しいから一旦ここで切る……ごめん) - 18125/01/17(金) 17:12:11
(よく見たら誤字ってた……「マダムら」じゃなくて「マダムは」です)
- 19二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 17:13:18
そんな子をもう一度ヴァニタスに染めたいね
- 20二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 21:40:12
このレスは削除されています
- 21二次元好きの匿名さん25/01/17(金) 23:38:40
首を出せ
- 22二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 08:25:53
実はレイサもアリウス出身(スズミは知らない)
で監視の為に来てて絆されてるとなおいい - 23125/01/18(土) 13:15:59
そうして時間は過ぎ、スズミは「トリニティの生徒」として入学することが出来た。
数ヶ月過ぎた頃、偵察の為にパトロールと称して条約が締結されるだろう場所を散策していた。
ちょうど古聖堂が再建中ということもあって人が行き交い、賑わいを見せていた。
しかし、人が集まるそこを離れ、路地裏を見れば、そこにはスズミがアリウスに教えられ、そしてアリウスでさえ見た歪みと憎悪が滲んでいた。
他愛のない笑い声は、他者への嘲笑、ドロドロとした権威を狙う机上の戦争。
全ては虚しく、やがて消えていく。自分も、他人も、権威も、全ては意味が無いものなのに。
そんな事を思っていると、突然、スズミの頭部に電気の走るような痛みが生じた。
「……っ!」
顔を歪め、本能的に腕で抑えながら彼女にとって何度感じても慣れきれないその痛みの正体を察する。
「幻肢痛」。失った部分が存在するように勘違いすることから起こる現象。アリウス内戦時に負傷し、切り落とした右翼は未だ存在すると思っているようだ。
くるりと向きを変え、もと来た道を引き返す。少し歩けば、薬局にたどり着くことができる。隣を過ぎれば―‐
その時、「音」が聞こえた。一瞬、争いも、痛みも、教義も、消え去ってそれ以外何も無い様に錯覚した。何か、引き寄せられるような感覚。気がつけば、スズミは目的を忘れて、その音楽を聴いていた。
暗く悲観的な歌詞。それから察せられたのは、主人公が隔たれた存在だったこと。
厭世な考えで蓋をしても、心は愛を、幸福を求めていたこと。
苦しみの中、それでもやって来る幸福を信じていること。
『例え苦しくても、そこに諦める理由は無い』と。
曲が終わる頃には、痛みはとうに消え去って、そして不思議と満たされたものがあった。
「全ては虚しいはずなのに、どうしてでしょうか。どこか、この曲に自分を重ねていて、幸
福を求めていたのでしょうか……」
その考えが、やがて信じていた「教義」に亀裂を、光をいれる日は遠くなかった。