- 1AI士25/01/18(土) 18:51:40
- 2AI士25/01/18(土) 18:52:00
- 3二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 18:52:47
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- 4AI士25/01/18(土) 18:53:18
- 5二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 19:50:46
- 6二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 20:01:12
- 7AI士25/01/18(土) 20:09:20
- 8AI士25/01/18(土) 20:11:50
- 9二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 20:17:50
- 10AI士25/01/18(土) 20:28:03
いえいえこうやってすり合わせるのが楽しいんですよ個人的には
- 11二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 20:40:01
- 12AI士25/01/18(土) 23:03:04
「・・・・・森に入って迷ってしまったかと思えば・・・何だお前は?」
グミオトコの目の前に、誰かが一人立って道を塞いでいた。
「俺のグミが食べたいのか?やれやれ、人気者は大変だなぁ」
「んなもんいらん。この山に足を踏み入れた時点でお前は俺の贄だ。・・・人間ではなさそうなのが残念だが・・・」
「なに?・・・・・俺のグミよりも・・・人のほうが良いと・・・そう言ったのか?貴様」
「そう言ったのだ、何度も言わせるな贄め」
「そうかそうか・・・ならまず、一口食ってみろ・・・その口にぶち込んでやるから!!」
グミオトコの手から弾丸状のグミが生成され、本物の弾丸の如く高速で射出される!
唐傘へと飛来したグミは、そのまま奴の口にめり込むかと思われたが、
――ガキンッ!!――
「!」
「これがグミ?鉄のようではないか、美味いとは思えんな」
唐傘は傘をバットのように振るってグミ弾を弾いた。 - 13AI士25/01/18(土) 23:03:56
そして地を蹴り、グミオトコに接近する。
「大人しくしておけ」
唐傘はグミオトコ目掛けて傘を振り下ろすが、グミオトコは腕に盾型のグミを作り出し、それで攻撃を防ぐ!
「!」(硬い!?いや、弾性が高いのか?ゴムのように跳ね返される・・・)
「俺のグミを殴るとはッ!許せん!!」
グミオトコはグミで戦鎚を作り、唐傘へと振り下ろす。
唐傘は傘を勢いよく開いて盾のようにするが、傘はメキョッと音を立てて潰れかける。
「チッ」
唐傘が飛び退いて距離を取り、木々の生い茂る林の中へと入る。
「逃がさんぞ!『グミスプラッシュ』ゥウ!!!」
――ドガガガガッッ!!――
グミオトコがグミ弾を複数作り出し、マシンガンの如く連射する。
しかし唐傘は林の中を動き回り、グミ弾の雨を回避する。
唐傘の傘は開いていると魔法などの非物理攻撃に強く、遠距離攻撃への防御に役立つが、相手が放つのはグミ。これは物理攻撃の為開いた傘では防御しきれない。 - 14AI士25/01/18(土) 23:05:31
が、今唐傘がいるのは林の中。木の沢山生えるここでグミ弾を連射した所で木々に阻まれ、弾丸は唐傘に届かない。いくら硬かろうと所詮はグミなのだから。
しかし、唐傘の傘は違う。
「俺の傘は、木々ごとお前を貫ける!!」
唐傘は傘を閉じた状態で召喚し、それを撃ち放った。
グミが弾丸なら、差詰こちらは砲弾だ。木々を穿ち、グミオトコに迫る。
「くっ!」
グミオトコは咄嗟に最高硬度のグミ壁を作り、傘の攻撃を防ぐ。傘は鉄ほどの強度があるグミ壁に突き刺さるっており、直接喰らえば致命傷は避けられないだろう。
現状、唐傘が有利そうに見えるが、
(あのグミ・・・展開速度が相当速い・・・グミ弾を安全に避けれる距離からの攻撃は間に合わないな、当たるより先に壁を張られて防がれる・・・あとどのくらいグミを生み出せるんだ?・・・遠距離戦じゃ決め手に欠けるな・・・)
唐傘も、グミオトコを倒す為にはもっと接近する必要がありそうだ。
そしてグミオトコの方も思考を巡らせていた。
(・・・生み出せるグミもそう多くはない・・・相手が持久戦を選べば負ける可能性が高いな・・・・・ならば!)
グミオトコは一つ策を練り、実行する。
「来い!!『グミズリー』!!」
グミオトコの身体から小さなグミベアが2つ飛び出す。そして次の瞬間、そのグミベアが巨大化し、2メートルを軽く超える巨大なグミベアへと変貌する。 - 15AI士25/01/18(土) 23:07:17
外見も我々の知る可愛らしいグミベアとは異なり、本物のグリズリーのような荒々しさだ。
「グルルルルッ!」
「行け!傘野郎を見つけ出して倒せ!」
「グァァッ!!」
2体のグミズリーは駆け出し、先程傘の飛んで来た方向へと走り出す。
グミズリーはグミオトコの作り出す部下のような物で、知能は低いが力の強いし鼻が利く。
唐傘を倒せなくとも正確な居場所を見つけ出してくれるだろう。そうなれば接近して叩く。それがグミオトコの策だ。
その頃には唐傘の元に、1体のグミズリーが迫って来ていた。
「グォォオオオオオッ!!!」
「うるさいお菓子だ」
唐傘は傘をグミズリーへと撃ち放つ。
動きまわるだけあって流石に先程の壁や盾のような硬さは無いらしく、傘はグミズリーの腹へと突き刺さった。
「グ、グォォォ」
グミズリーはまだ向かって来ようとするが、
「しぶといな」 - 16AI士25/01/18(土) 23:08:19
唐傘がパンッと手を叩くと、グミズリーの腹に突き刺さった傘が展開され、グミズリーを木っ端微塵に吹き飛ばした。
「ふむ・・・」
そして唐傘が前を向くと、
「おやおや・・・元気なクマさんだな」
合計数十体にも及ぶグミズリーが、唐傘目掛けて走りって来ていた。
1体1体が弱いとは言え、これら全てを相手取りのは苦労する。
「なら、本体を叩くまでだな」
幸いにも、グミオトコ本体もグミズリーの群れの最後尾で走ってこちらへ向かって来ている。
グミズリーを相手して疲弊した唐傘を最高火力の一撃で葬る算段だろう。グミズリーもいい壁になって傘を飛ばしてもグミオトコ本体には届かない。
が、唐傘の遠距離攻撃は閉じた傘を飛ばすだけではない。 - 17二次元好きの匿名さん25/01/18(土) 23:08:27
「うるさいお菓子だ」がなんか変なツボに入った
- 18AI士25/01/18(土) 23:09:07
「展開・召喚」
唐傘の周囲に限界まで開いてほぼ円状となった柄のない傘が並ぶ。
そしてそれ等の傘が回転ノコギリの如く高速で回転し始めた。
「『傘刃』っ」
そうして回転する傘が放たれると、それ等は回転したまま地に落ち、まるでタイヤのように転がって超高速で進み出す!
その傘達はグミズリーの群れを回り込むようにして走り出し、最後尾にいるグミオトコの元へと迫る!
「ちっ!だが遅い!」
グミオトコはグミズリーに唐傘を任せ、グミの壁を周囲に張って一つずつ傘刃を防ぐ。しかしグミ壁に弾かれた傘刃はそのまま止まるのではなく、再度回転数を上げて再加速し、再びグミオトコ目掛けて迫って来る。
しかも傘刃は相当鋭いようで、張った壁も数撃攻撃を防ぐだけでズタズタになって再度壁を張り直さなくてはならない。 - 19AI士25/01/18(土) 23:09:53
迫りくる傘刃を1枚1枚確認し、丁寧に壁を張って傘刃を防ぐ。
幸いにも跳ね回ったりなどせず軌道に沿って素直に転がって来てくれるのが救いだ。
そして傘刃を防ぎつつ、チラリとグミズリーの群れを見る。
グミズリーの数が減って来たらグミオトコ本体も突撃して唐傘を叩く必要があるのだが・・・
「?」
そこで違和感に気付く。
唐傘本体を狙えと命令したはずのグミズリー達が、こちらへと向かって走って来ている。
つまりそれは・・・・・唐傘本体がこっちにいると言うことだ。
「!!!」
そして迫って来ていた傘刃を弾いて気が付いた。
「よぉ」
その傘刃の裏に唐傘本人が張り付いているということに。
「ぐっ!!!」
グミオトコは急いで壁を張ろうとするが、
唐傘の方が速い。 - 20AI士25/01/18(土) 23:10:48
――ガボッッ!!!――
唐傘の放った閉じた傘が、グミオトコの体を穿った!!
「ぐぁあ!!!」
「チッ!」
しかし!グミオトコはギリギリで傘の迫る胸部にのみ最小限のグミ盾を生み出し、急所への直撃を回避した!
しかし軌道のそれた傘に左肩を穿たれ、グミオトコの左腕がボトリと地面に落ちた。
「グミズリー!!」
「グァァァアアアッ!!」
唐傘が追撃する前にグミズリーが立ち塞がり、その隙にグミオトコは後退する。
「くっ!俺のグミボディをっ!」
グミオトコは傷口をグミで塞ぎつつ、最後の策に出る。
「グミズリー!!集合!!」
「グォォッ!!」
突然、唐傘の相手をしていたグミズリー達が駆け出し、グミオトコへと駆け寄る。 - 21AI士25/01/18(土) 23:11:22
「最終奥義だ!『グーミネーター』!!」
現れたのは、グミで作られた全長10メートル近い巨大なロボットだった。そして頭部にはグミオトコが乗っている。
(グミ生成数限界まで詰め込んだ最終兵器!!この森ごとこの傘野郎を叩き潰す!!)
「的がデカくなっただけだな!」
唐傘は再び傘を撃ち出す。が、
――ガキンッ!!――
「!?」
グーミネーターの体は先程まで防御に使われていた壁程の耐久性があるらしく、傘が弾き返された。
「マジかよ」
「終わりだ傘野郎!!」
グーミネーターはその巨腕を振り下ろし、唐傘へと攻撃を仕掛ける。
唐傘はそれを躱すと、一つ大きめの傘を作り出して手に握った。 - 22AI士25/01/18(土) 23:12:13
「最終奥義というだけある・・・が、わざわざグミの熊を回収して作ったあたり作り出せるグミはもう殆ど無いのかな?」
「ふっ、だとしたら何だ?」
「ならやりようがある。卑怯とは言うなよ」
唐傘は傘に傘を重ねて即席のシーソーを作り、その端に乗る。
そしてもう片方の先端に、閉じた傘を撃ち放った!
テコの原理で唐傘は空高く打ち上げられる。
そしてそこで1本の傘を開き、まるでパラシュートのように空中にフワフワと浮かぶ。
「グミをもう作れないってことは・・・もう遠距離攻撃はないってことだろ」
唐傘は空中で傘を召喚する。
「なら、こっちは撃ち放題だ」
そうして傘の砲弾がグーミネーター目掛けて降り注いだ!! - 23AI士25/01/18(土) 23:12:38
「ぐっ!降りて来い!!」
唐傘は傘を同時に5本までしか召喚できないが、関係ない。撃ち放って敵に当たれば、再び召喚して撃てばいいのだ。
この傘砲弾の雨は半永久的に続く。
グーミネーターは外装は最高硬度だが、動き回る為内部は柔軟だ。いくら攻撃を装甲が防ごうと、衝撃は内部に伝わって内構造を破壊する。
「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁ!!!」
――ドガァァアンッッ!!!――
ものの数十秒で、グーミネーターは破壊された。
「おのれっ!」
グミオトコは破壊されたグーミネーターのコックピットを開け、外に出る。
眼前には傘を握った唐傘。
「・・・・・クソッ」
「食材がそんな言葉使ったらダメだ」
唐傘が放った傘が、グミオトコの頭を貫いた。 - 24AI士25/01/18(土) 23:14:29
勝者
>>5 唐傘!!
- 25AI士25/01/18(土) 23:28:10
- 26二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 12:40:24
- 27二次元好きの匿名さん25/01/20(月) 18:46:54
- 28AI士25/01/20(月) 22:05:11
- 29AI士25/01/21(火) 10:02:24
- 30二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 18:51:10
能力の対象は「自分」か「他」か。自分に能力を使うと自分以外には能力を行使できない。「他」に能力を使用する場合は総重量数トンぐらいまでが限界。
静止中の物体は動かすことも不可能。空間に固定される。
あと、自分以外の生物に能力を使う際、厳密には相手に信号機を視認させなくても、相手が現在の信号機の状況を把握できる状態にあれば能力を付与可能。
- 31二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 20:35:42
相手が能力を複数所持+全ての能力の詳細が判明済み=好きな能力を選んでコピー
相手が能力を複数所持+全ての能力の詳細が不明=ランダムで一つコピー
相手が能力を複数所持+幾つか能力の詳細が不明=詳細判明済みの物を選ぶか、詳細不明な物をランダムでコピー
- 32二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 12:42:39
このレスは削除されています
- 33AI士25/01/23(木) 22:26:56
昼間の山道には静かな空気が漂い、時折吹き抜ける風が木々の葉を揺らしていた。その中に、不釣り合いな異様な存在が立っていた。信号機を片手に、黒い制服を身にまとった少女――信号姫。彼女の足元には、山道に刻まれた深い轍の跡があり、その向こうにはまばらな木々が立ち並んでいる。
「はぁ、こんなところで誰が相手なのかな~?まさか、臆病者が隠れてるんじゃないよね?」
高らかに響く声は、挑発そのものだった。シンゴウ姫は信号機を軽く回しながら、退屈そうに地面を蹴った。
その瞬間、木々の奥から低い笑い声が聞こえた。
「ケケケッ、面白そうなガキだな。おもちゃ持って、何をする気だ?」
木々の間から姿を現したのは、巨大なカメレオンを模した怪人――キャメ・レオン。緑色の鱗に覆われた体、鋭く光る黄色い瞳、そして異様に長い舌をちらつかせながら、彼は山道に降り立った。
「なぁ、その信号機、飾りじゃないんだろ?遊んでやるから見せてみろよ、その力をさ。」
レオンの声には、明らかな好戦的な響きがあった。
シンゴウ姫は肩をすくめ、唇に悪戯な笑みを浮かべた。
「へぇ~、喋るトカゲなんて初めて見たよ。ま、そんなのもここでおしまいだけどね♪」
彼女は信号機を空高く掲げた。それは昼間の陽光を受けて緑色に輝き、微かな魔力の波動を放っている。
「おしまいだって?」レオンは舌を舐めるような仕草をしながら笑う。
「面白いじゃねぇか、その終わりがどっちに来るか、試してみようぜ!」 - 34AI士25/01/23(木) 22:28:09
風が止んだ。その場の空気が一気に張り詰める。信号姫とレオン、互いに一歩も引かない視線が交差する中、山道の静寂が次の瞬間の激突を予感させていた。
「さあ、止まるのはどっちかな~?」
シンゴウ姫の言葉を皮切りに、戦いの幕が上がった。
「泣いてもやめねぇからな!!」
レオンが駆け出し、信号姫へと迫る。
そして跳び上がり、強烈な跳び蹴りをシンゴウ姫へと放つが、
その直前、シンゴウ姫の持つ信号のランプが赤に変わり、シンゴウ姫の体を赤いオーラが包み込む。
次の瞬間、シンゴウ姫の顔面へとレオンの跳び蹴りが炸裂した。が、
「!?」
シンゴウ姫は瞬き一つせずに、顔面で跳び蹴りを受け止めた。無傷どころか、ビクともしない。
「終わり?じゃあこっちの番!」
シンゴウ姫は信号を振り上げ、レオン目掛けて振り下ろした!
「うおっ!?」
まるで極太の金棒のように振るわれた信号機は、レオンに避けられ地面に叩き付けられる。
――ドガァ!!――
地面が割れて、軽いクレーターが出来上がった。 - 35AI士25/01/23(木) 22:29:10
「うわお、細腕とは思えない豪力だな」
「そりゃどうも!」
シンゴウ姫はキャハッも笑いながらも金棒信号機を振り回し続ける。
レオンは何とか避けて反撃を喰らわせるが、
――ガンッ!――
まるで鋼鉄の壁を殴っているように、シンゴウ姫の体は傷一つ着かない。明らかにおかしい。
(そういう能力か・・・あの信号機のランプが赤くなってからだな)
レオンは冷静に分析し、信号機と能力の関係を紐付ける。
(赤く光ってる内は攻撃が通らんか・・・ならよぉ)
レオンは後ろに跳んで距離を取り、ひとまず息を整える。
「ふぅ、インチキな能力だな・・・」
「あれ?も〜終わり〜?ザッコ〜」
「様子見は、終わりにしてやるよ」
すると次の瞬間、レオンの体がスゥ~と消え去り、シンゴウ姫の視界から彼が消える。
「?・・・ワープ・・・じゃなさそうだし、透明化?」
シンゴウ姫が周囲を警戒していると、 - 36AI士25/01/23(木) 22:29:53
――ヒュパッ!!――
「!!」
何処から空を切る音がして、次の瞬間金棒信号機が強く引っ張られる感覚がする。
「そこか!」
よく見ると、信号機に何かが絡まっている。彼女から武器を奪い取るつもりだろう。
シンゴウ姫は能力を発動する。すると赤いオーラが今度は信号機に巻き付く何かを包んだ。
それど同時に信号機を引っ張られる感覚がなくなる。
「キャハハッびっくりした?体が動かないでしょ?」
シンゴウ姫は信号機を奪おうとしたレオンを煽り、カチッと信号機のランプを、『赤』から『黄』に変えた。すると、
「うおっ!?」
レオンの体は動くようになったが、何故かレオンの体はあらぬ方向へと引き寄せられ、地面をゴロゴロと転がってしまう。
「なんだ!?」
レオンは何とか受け身を取って立ち上がる。
レオンは信号機に腕から伸ばした舌を絡ませ、後ろに向かって引っ張っていたのに、なぜか横向きに転げ回ってしまった。・・・あれも能力だろう。 - 37AI士25/01/23(木) 22:30:44
(物体を停止させる能力じゃない?・・・空気を操る?空間系の能力?・・・考えても仕方がないか)
とにかく今わかっているのは、シンゴウ姫の能力は直接攻撃に使えないのだろうということ。できるならわざわざ金棒のように信号機を振り回す必要はないだろう。
(触れはしたが、能力の詳細も分からず使うのはリスキーかな?)
レオンは腕の舌でシンゴウ姫に触れた為、相手の能力をコピーすることには成功したが、この能力は自身も対象にできるらしい。詳細も分からずに使って暴発するのは防ぎたいので今は使用を控えることにする。
一先ずは様子見を続けようと足を踏み出し、駆け出したレオンだったが、
「よっ」
「!?」
シンゴウ姫が手に持つ信号機をクイッと動かすと、再びレオンの体を黄色いオーラが包み込み、レオンを近くの木に叩き付けた!
「ぐえっ!」
幸いそこまでの速度ではなかった為大したダメージは受けなかったが、能力の仕組みが分からないと碌に動くことすら厳しそうだ。
「ちっ!」
レオンは再び立ち上がってシンゴウ姫を睨む。
シンゴウ姫はニヤニヤと笑みを浮かべてこちらを見ている・・・このまま遠距離戦でレオンを消耗させるつもりだろうか? - 38AI士25/01/23(木) 22:31:43
(・・・・・だが、立ち止まってる間は吹っ飛ばされない・・・そして信号機のランプ・・・なるほどね)
レオンはシンゴウ姫の能力を徐々に読み解き、自身の力を発動させる。
「つまり、緑は通常、赤は停止、黄色は進行方向の操作だな?」
すると、レオンの特徴的な目がカチカチと色を変えて光を漏らす。緑、黄色、そして赤。
「?なにそれ?」
シンゴウ姫が訝しんでいると、
――カチッ――
レオンの目が赤く光る。次の瞬間、
「!!!」
シンゴウ姫の体がその場に固定され、身動ぎ一つ出来なくなる。
(これは、私の能力!?)
「クックック、驚いてるな?・・・いいねこの能力、暴発で自滅する心配もなさそうだ。実に使いやすくて強い」
レオンは動けないシンゴウ姫にゆっくりと近付き、 - 39AI士25/01/23(木) 22:32:35
「ふっ!!」
彼女に蹴りを食らわせた・・・・・が、
「おや?・・・なるほど、停止中はダメージ無効か。だからさっきの跳び蹴りも効かなかったのね・・・なら停止を解いてから殴るしかないのか・・・」
せっかくコピー能力で初見の不意打ちを行えたのに、これでは無意味だ。コピーの最大の強みが活かせなかった。
しかし、悩んでいても仕方がない。レオンは次の手に移る。
――スゥゥ・・・――
レオンの姿がかき消え、それと同時にシンゴウ姫の体が動くようになる。
「うわっと!・・・こんな感じなんだ・・・思ったより気持ち悪〜・・・さて、消えたトカゲちゃんはどこに行ったのかな?」
再び透明になって奇襲してくるつもりなのだろう。が、そんな手は彼女には通用しないようだ。
ガンッと信号機の柄頭を地面に突き刺し、そのランプを赤に点灯させる。
そうしたらシンゴウ姫は地面に突き刺した信号にもたれ掛かりながら、じ〜くりと周囲を舐めるように見渡す。 - 40AI士25/01/23(木) 22:34:19
ゆっくりと周囲を観察すること数分。
「み〜つけた〜!」
シンゴウ姫が声を上げ、視界の先に見える、若干空間が歪んで見える場所へと信号機を振り下ろした!
「!!」
その刹那、赤信号の影響で停止させられていたレオンの体が解放され、ギリギリの所で振り下ろされた信号機の一撃を回避する。
(ちっ!離れてようが見えてなかろうが能力の効果を受けるのか!)
透明化して距離を取っていればシンゴウ姫の能力から逃れられるかと思っていたが、そうではないらしい。
「よっこらしょ!!」
地面を凹ませた信号機を再び持ち上げ、シンゴウ姫はレオンへと突撃してくる。
一旦距離を取ろうと、レオンは自身の目を黄色に光らせ、シンゴウ姫へ『黄』信号の能力を発動させようとした。しかし、
「なに!?」
黄色の能力を付与したにも関わらず、シンゴウ姫は止まらずにこちらへ向かってくる。
ならばと『赤』の能力を使用するが、やはりシンゴウ姫は止まらない。 - 41AI士25/01/23(木) 22:35:32
「くっ!」
レオンは後方へ跳び退いて離れようとするが、
信号機のランプが黄色く光り、レオンはシンゴウ姫へ向かって引き寄せられる。
「うおっ!?」
「えいや!!」
――ゴンッ!!――
そして真っ直ぐ飛んで来たレオンへと、シンゴウ姫の一撃が叩き込まれる。かと思われたが、
「?」
「ありゃ?外しちゃった?」
なぜかその一撃のタイミングがずれ、レオンには当たらなかった。
レオンは素早く腕から舌を伸ばして遠くの木に絡ませ、舌を手繰り寄せてシンゴウ姫から離れる。
(ふむ・・・コピーした能力の効果が現れなかった・・・だがその代わり攻撃を空振った?・・・なるほど?)
距離を十分に確保したレオンは、自身の目を手で覆う。そして赤の能力を発動してみる。
自身の目が赤く光った。能力は発動している。 - 42AI士25/01/23(木) 22:37:07
相手を視認できずとも能力の効果を与えられるのは、先程透明化したレオンが『赤』の能力を受けたことから判明している。
つまり、今目の前にいるはずのシンゴウ姫は、レオンのコピーした『赤』の効果によって体が動かないはずだ。
レオンは右目だけ能力をオフにして、目を覆っている手をどける。左目今も光っている為能力は発動中のはずだが、
「そーれ!!」
「あぶねっ!!」
ちんたらしてる間に距離を詰めていたシンゴウ姫が武器を振り下ろして来ていた。ギリギリの所で回避し、『赤』の能力を自分に付与する。
シンゴウ姫の一撃は停止したレオンの体に弾かれる。
「うわ、私の能力厄介すぎ〜無駄に時間食っちゃうじゃ〜ん」
『赤』の能力をお互いが使える以上、ここからは泥試合だ。どちらも攻撃を受けない状態が続くことになる。・・・だが、この状況が長く続いた場合、ジリ貧になるのはレオンの方だ。
この能力を長らく使って来たシンゴウ姫の方が練度が上。このままではレオンの方が先にミスをするだろう。
「よっ!」
レオンも隙を見て『赤』を解除し、シンゴウ姫に攻撃を仕掛けるが、やはりそれもシンゴウ姫が自分に『赤』を付与しことで防がれてしまう。 - 43AI士25/01/23(木) 22:38:32
「・・・・・・なるほどぉ?」
しかし、レオンは一つの解を導き出す。能力を相手に付与する場合の条件について。
「つまり、ランプの色を認識させること、だな?」
「・・・・・あら、わかった?」
レオンの予想は正解だ。能力発動時に点灯する光の色を認識させれば相手に能力を付与できる。
先程シンゴウ姫に赤や黄色を向けても効果が無かったのは、単純にシンゴウ姫が目を瞑って光を見ていなかったからだ。ゆえにその後の一撃を加えるチャンスを逃してしまった。視界を遮った状態で武器をふるった訳だから当たるはずもない。
「でも、バレたところで大した痛手じゃないよね!」
シンゴウ姫は武器の信号を振り回してレオンを追い詰める。
レオンも隙を見て反撃するが、攻撃は全て『赤』の絶対防御を前に防がれてしまう。
「さっさと!つぶれ!ちゃいなよ!!」
ブルンブルンと信号機を振り回し、その攻撃は徐々にレオンを捉えだす。
「ケケケッ、早く終わらせたいか?それには俺も賛成だ・・・」
そう呟くと、レオンは透明化の能力を発動し、シンゴウ姫の視界から消えた。 - 44AI士25/01/23(木) 22:39:52
(また透明になった・・・でも能力を付与する条件がバレたなら、さっきみたいにアイツを停止させるのは無理だよね・・・)
一つ透明化への対策が減ったが、別に方法はそれだけではない。
「『赤』」
シンゴウ姫は自分に『赤』を付与し、目を瞑る。これでレオンが何を仕掛けて来ようと、ダメージを受けることは無いし、コピーした能力で『赤』を解除しようとしても、光の色を認識できないので『赤』を無理矢理解除されることもない。
この戦法の弱点は、『赤』を解除した瞬間ダメージを受けるようなトラップを仕掛けられることだが、レオンにそのような能力はないと判断した。
実際、シンゴウ姫のその予想は当たっており、レオンにトラップ等を張る能力はない。
だがシンゴウ姫のミスは、長らく『コピー』という能力を使用し、様々な能力をコピーして使ってきたレオンが、最早初見の能力でも高い練度で扱えるといえことに思い至らなかったことだ。 - 45AI士25/01/23(木) 22:41:00
『ピーッピーッ』
突然、口笛のような甲高い音がシンゴウ姫の耳に届く。
(笛の音?なぜ?トカゲ男が鳴らした?私に向けて?能力のコピーと関係が?・・・信号機・・・笛の音・・・・・)
シンゴウ姫の思考が一つの答えを導き出した瞬間、彼女の赤の能力が解除される。
「!!!」
「理解してくれると思ったぜ嬢ちゃん!!!」
次の瞬間林の中からレオンが飛び出す。その目は『緑』に光っていた。それを視認してしまった以上、もう信号機の能力は自分に使えない。
今シンゴウ姫は、レオンのコピーした光によって『緑』の状態にさせられているのだから。
「こんのっ!!」
シンゴウ姫は『赤』をレオンへ向けて発動させる。信号機の能力は『自分』が『自分以外』かにしか掛けられない。今『緑』をシンゴウ姫に使っているレオンは、シンゴウ姫の放つ能力を防ぐことはできない。
が、レオンは止まらない。 - 46AI士25/01/23(木) 22:42:25
「目を瞑ればいいんだろ?」
レオンは先程シンゴウ姫がやったように、視界を遮って突撃して来る。
だが目が見えないなら攻撃など当たらない。シンゴウ姫は物理戦に備えて武器を構えるが、
「しっ!!」
「うっ!?」
レオンは両腕から舌を伸ばしそれを乱暴に振り回した!
10メートル近く伸びる舌がシンゴウ姫の体を打つ。
「そこか!み〜つけた!!」
レオンは手探り(舌探り)でシンゴウ姫の位置を把握すると、舌で彼女を掴んでそこへ向かって全力で駆け出す!
「くっ!離せ!!変態!!化物!!」
「変態で化物で、そして最強!!それが俺だぜ!!」
そして全身全霊の跳び蹴りを、シンゴウ姫の顔面に叩き込んだ!!!
――ドガァッッ!!!――
「ぐえっ!」
今度こそ入った。顔面を思い切り蹴り飛ばされたシンゴウ姫は吹っ飛ばされ、木に激突した! - 47AI士25/01/23(木) 22:43:10
信号機が彼女の手を離れ、空中でクルクル回った後に地面にガツンと落下する。
「ケケケッ、お前が信号機に精通しててよかったぜ」
レオンがシンゴウ姫の『赤』を解除する為に行った行動。それは、笛のような音を出すことだった。
先程鳴った『ピーッピーッ』という音は、レオンが鳴らした口笛だ。
・・・さて、なぜそれでシンゴウ姫の『赤』が解除されたのか?それは音響式信号機について、シンゴウ姫が知っていたからだ。自分の能力が信号機となれば、調べて知っているのは当たり前だろうが。
音響式信号機は、緑になると笛の音などを発して視界障害を持つ者にも現在横断歩道が通過可能であることを伝える。
レオンは『緑』の能力をシンゴウ姫に向けた状態で口笛を鳴らした。シンゴウ姫がそこから音響式信号機を連想し、現在よレオンの発動している能力を理解した時点で『信号の色を認識した』扱いになる。実際目に見えない人はそうやって識別をするのだから。
結果、シンゴウ姫の『赤』はレオンの『緑』によって塗り替えられた。
シンゴウ姫の敗因は、単純に能力を過信していた事と、レオンを舐めていたことだろう。 - 48AI士25/01/23(木) 22:44:28
勝者!
>>27 キャメ・レオン!!
- 49AI士25/01/23(木) 22:45:15
- 50二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 23:15:29
封魔師、ノーマ
全身黒いスーツに怪しげな文字が書かれた包帯をグルグルに巻く年齢不詳の奇怪な男。背中には楽器ケースのような巨大な箱を背負っている不審者。
口数は少なく、声はしゃがれている。
戦法
身体の様々な所からお札や鎖といった封印の道具を出して相手の身動きを封じた後、「棺」に閉じ込めて敵を倒す。接近戦もそこそここなせる。
武器
・封印のお札
文字が書かれたお札。敵に貼ると動きを封じれる。基本的に一時しのぎの道具で消耗品でたくさん隠し持っている。これを敵に飛ばしたり、壁などにあらかじめ貼っておいて罠として使ったりする。
・封魔の鎖
邪悪なものを縛る鎖。基本的にこれを振り回して戦う。シンプルに鉄なので当たると痛い。特殊な術がかけられおり敵に自動で巻き付いた後、敵の魔力をじわじわ奪い取る事ができる。
・「棺」
背中に背負っている巨大な箱。1度入れられたら2度と出られない底なしの暗黒。この箱に敵を入れたら終わりだが、棺自体に封印が仕掛けられておりその解除には時間がかかる。その上、「棺」に敵を入れるのはノーマ自身がなんとかしなくちゃいけない。 - 51二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 23:22:58
名前:赤松静子(あかまつしずこ)
設定:美しい黒髪ロングと黒い目を持つ美少女でセーラー服を着ている。
格闘術と身体強化魔法の天才。
性格:普段は理知的で落ち着いた大和撫子といった風だが、戦闘時では熱くなる傾向がある。
また、相手の煽りに対しては割とすぐにキレて熱くなるなど、根っこでは気が強いのかもしれない。
戦法: 身体強化の魔法を使い素早く動き回りながら戦うアグレッシブな戦闘スタイルが得意。
近距離では格闘術を、中距離では指から高速で魔力弾を発射する。
得意技
・身体強化魔法
……読んで字の如く自身の身体能力を向上させる魔法。
ただの少女でしかない彼女の拳が岩を砕いたり、目で追いきれないほど早く走れたりするのはこれがあってこそ。
また、自然治癒力の活性化による回復や硬質化による防御など幅広い応用が可能。
・『指鉄砲(フィンガーバルカン)』
…… 両手の指から高速で打ち出される無詠唱の魔力弾。
一発一発の威力はそれほど高くないが、無詠唱かつ高速連射が可能であるため十分に殺傷能力はある。
また、魔力を溜めて放つ『指大砲(フィンガーキャノン)』は一撃で人間の頭を粉砕するほどに強力。
・『気炎万丈』
……特殊な呼吸法と魔力により両手に炎のオーラを纏わせる技。
一時的な身体能力の向上と格闘攻撃による追加ダメージを相手に与える。
また、両手から自在に操れる炎を打ち出すこともできる。
弱点:一見すると近中距離では隙がないように見えるが、決定的な必殺技の一撃を持たないことと、本人の前のめりな戦闘スタイルから防御手段が極めて乏しいこと、搦手に弱いのが弱点。
身体強化の応用により肉体の硬質化等は可能ではあるが、せいぜいそれくらいしか防御手段がない。 - 52二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 23:55:06
これ何かと思ったら「天才ビットくん」のグラモンバトルだわw
- 53二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 00:06:34
これってどういう風にAIがシミュレートしてるの?
ノベルAI的な? - 54AI士25/01/24(金) 07:17:41
- 55二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 10:14:51
このレスは削除されています
- 56AI士25/01/24(金) 12:05:31
- 57二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 14:10:39
51ですけど、こっちに何か質問とかあります?
分かりやすい攻撃一辺倒でチート能力ではないキャラをオリキャラ図鑑から見繕ったつもりですけど…… - 58AI士25/01/24(金) 15:05:04
- 59二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 15:24:47
了解ですー!
やっぱりシンプルイズベストですわー!
あ、ちなみにですけど「指鉄砲」は最大で全部の指から同時に発射できるので最大発射時はまさにバルカン砲みたくなります
ウチの子を存分に可愛がってあげてくださいね〜
- 60二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 15:26:00
- 615025/01/24(金) 19:36:47
返信大分遅くなってすみません(出先が規制されてました)
「棺」は大分頑丈なので困難ですが、強力な攻撃や集中攻撃すれば破壊可能です
また破壊した場合「中から封印していた怪物が湧き出す」といった暴走みたいな事は起きないが、「棺」の破片に触れると封印(触った部位が消滅)されてしまう可能性があります
- 62二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 11:16:59
このレスは削除されています
- 63二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 13:57:10
AIバトラーみたいなのも面白いけど、人の手が入ったやつもいいもんだね
- 64AI士25/01/26(日) 01:40:07
木々に囲まれた山道で、静子はふと足を止める。
「・・・誰ですか貴方?」
静子の視線の先には、異様な外見の人物が一人立っている。呪文のような文字が連なる包帯で露出部を覆い尽くし、人一人程度スッポリ入れそうな大きさの棺桶を背負っている。
封魔師・ノーマだ。
「ァ゛ア゛、・・・次゛の゛獲゛物゛だ・・・」
そう言うと、ノーマは懐から鎖を取り出す。重そうなそれはジャラジャラと音を立て、片端が地面にドスンと落ちた。
――フン・・・フン・・・ブン・・・ブン・・・ブン、ブン、ブン、ブンブンブンブンフォンフォンフォンフォンフォン―――――
「・・・・・・クククッ」
ノーマは不気味に笑いながら鎖を高速で回転させ始める。段々と回転の速度を速める鎖は、徐々に残像を増やして円を描き、発生した風が周囲の枯れ葉を吹き飛ばす。
「・・・・・はぁ・・・敵・・・と言うことでいいんですね」
静子は持っていた鞄を放り捨て、目線を真っ直ぐに、拳を握り込んで、構える。 - 65AI士25/01/26(日) 01:40:35
「・・・・・・」
「・・・・・・」
―――ブォンブォンブォンブォンブォンブォン――――
風切り音だけが響く中、先に動いたのは―――
「ッ!!」
ノーマだった。鎖を回転させたまま駆け出し、静子に迫る。が、
「ん!?」
先に攻撃したのは静子だった。彼女の指先さら、光の弾丸がノーマ目掛けて発射されたのだ。
(魔弾!)
ノーマは回転させている鎖を前方に構え、その魔弾を弾く。というより、
「魔弾が鎖に吸い込まれて消えた?」
静子が思わず呟く。そして再び指を構え、『指鉄砲』を連射する。本物のマシンガンが如く高速で射出され続ける魔弾。幾ら鎖が頑丈で、高速回転していようと、何発かは弾き切れずにノーマに当たるはずだが・・・ - 66AI士25/01/26(日) 01:41:17
――カキンッ!キュインッ!キンッ!ガキンッ!カンッ!――
次々と魔弾は防がれる。・・・やはりあの鎖は特別製のようだ。魔弾が鎖に接近した時点で弾を構成している魔力が乱れ、あの鎖に吸収されている。
この方向からどれだけ撃っても無駄なようだ。
静子が連射を止める。次の瞬間、
「フッ!!」
待っていましたと言わんばかりにノーマが鎖を静子の頭目掛けて振り下ろして来た。
「はっ!」
静子は上段からのその一撃を避け、もう使えぬようにとその鎖を踏んづけた。すると、
「!!」
思わず静子は鎖から足を離す。その隙に鎖はノーマの手元へと引き寄せられてしまった。
(今の・・・なるほど、魔力を吸収する鎖ね) - 67AI士25/01/26(日) 01:41:51
あの鎖を踏んだ瞬間、鎖に触れている部分から身体の魔力を吸収されていくのを感じた。魔力を吸う鎖。そしてその効果は靴一足程度の厚さなら貫通するらしい。魔力の純度ほぼ100%の魔弾が吸われる訳だ。
だが、静子の力は魔弾を撃つだけではない。
再び拳を構え、ノーマを見据える。
「・・・・・終゛わ゛り゛か゛?」
「・・・まさか」
静子は駆け出し、ノーマに向かって拳を突き出した。
「セイッ!!」
「馬゛鹿゛め゛」
ノーマは鎖を束ね、それで彼女の拳を受け止める。鎖に拳が触れた瞬間、鎖がまるで蛇のように彼女の腕に巻き付いて魔力を吸い始めた。
だが、静子はそこで止まらない。
「フンっ!!!」
「!?」 - 68AI士25/01/26(日) 01:43:05
そのまま鎖とノーマの衣服の襟部分を掴み、彼を投げ飛ばした!
「ぐっ!!」
ノーマは棺桶を背負っていた為、地面への背中の強打は避けられたが、それでも相応のダメージだ。
(棺を背負った男を軽々と!身体強化か!)
その強化幅には驚かされたが、鎖は依然彼女の腕に巻き付いている。このまま魔力を吸い取れば有利になるのはノーマの方だ。と、思ったのも束の間、
「『気炎万丈』!!!」
静子がそう叫んだ途端、彼女の腕が燃え始めた!!
「!!!」
その炎は、彼女が掴んでいる鎖とノーマにも燃え移る!
「ぐっ!!」
このままでは彼女の魔力を吸うより先に燃えてしまう!そう判断したノーマは鎖を彼女の腕から解き、燃え始めて脆くなった服の襟を引き千切って静子から離れた。 - 69AI士25/01/26(日) 01:43:34
「・・・・・は゛ぁ゛・・・」
「あら、そのまま燃えてくだされば良かったのに」
そう言って静子はフフッと笑う。目は笑ってないが。それとは対照的に、今やられ掛けたはずのノーマは包帯の下でニヤリと笑う。
そして手を前に出し、
――クイックイッ――
と、彼女を煽った。
「・・・・・おや、私相手に近接戦ですか?・・・いいですよ。お馬鹿さんにはしっかり現実を教えてあげないとですから」
そう呟き、静子が駆け出した4歩目。そこで、
「――――ッッ!!?」
ガチッ!と、突如として彼女の動きが止まった。まるで硬直したようだ。
(何!?)
足元になんとか目をやると、自身が何か紙のような物を踏んでいる事に気付く。御札だ。
(呪札!!) - 70AI士25/01/26(日) 01:45:51
しかもそれ1枚だけではない。よく見ると周囲に何枚もの御札が設置されている!
先程のどさくさに紛れてノーマがバラ撒いたのだ!
「グフフフッ゛!!!゛」
ノーマは鎖を自身の腕に巻き付け、静子に接近する。
「―――ッッくっ!!」
ノーマの拳が迫るギリギリで呪札の拘束から解放された静子は、両腕を使ってノーマの一撃をなんとか防御する。
しかし、魔法で強化された肉体とて魔力を吸収する鎖の一撃となっては上手く防御することが出来ず、強烈な一撃を受けて静子は吹っ飛ばされる。
「厄介な呪札ねっ・・・でも効果は数秒ってとこかしら?」
それでも十分な脅威だ。それはノーマも理解しているようで、懐から更に呪札を取り出し、静子へ向けて放つ。
「当たったらマズイっ」
静子に向かって飛んでくる何枚もの呪札を回避し、静子は林の中を走り回る。
地面に転がり泥を浴びながらも何とか後ろに指を構え、魔弾を連射した。 - 71AI士25/01/26(日) 01:47:20
「ン゛っ」
「チッ!」
しかしノーマは身の丈以上あるサイズの棺桶を盾代わりにし、魔弾を防ぎつつ呪札を投げてくる。効果が発動しなかった呪札は回収して再使用が可能。対して静子の魔弾は魔力に依存する。撃ち合っても不利だ。
だが、今はチャンスでもあると静子は判断する。ノーマは現在棺桶の裏に隠れて呪札を飛ばしている。チラチラと頭を出してこちら見ている関係上、奴の視界はかなり狭まっている。そして今の状態では先程のように鎖をブンブン振り回すことも困難だろう。
「シッ!!」
覚悟を決めた静子は、一旦木の裏に隠れで飛んで来る呪札をやり過ごす。
そして呪札の攻撃が止んだ、一瞬の内に木の裏から飛び出した。ノーマの視界に極力入らぬよう、回り込むように走って奴に接近する。
「『気炎万丈』ぉお!!」
そして炎のオーラを纏い、拳を固めて殴り掛かった! - 72AI士25/01/26(日) 01:49:05
「そ゛こか゛!゛」
ノーマは棺を盾にして攻撃を防ぐ。
「燃えないかっ!、でも!」
棺桶に引火はしないようだが、静子は止まらず連打を叩き込む!
「はぁぁあああ!!!」
(棺を壊すつもりか?)
この程度の打撃ならば何百発も打ち込まれないと壊れないとは思うが、この棺は貴重な道具だ。何か起こる前にノーマは次の行動に移る。
――ジャララッ!――
「っ、来たッ」
ノーマの鎖が静子の腕に巻き付く。再びさっきのようにノーマを投げ飛ばそうと鎖を掴むが、
「んっ!?」
それより先にノーマが盾代わりの棺桶を飛び越えて攻撃を仕掛けて来た!
ノーマの繰り出した飛び膝蹴りを、静子は腕の防御で受け止める。この程度ならば大したダメージにはならない。が、 - 73AI士25/01/26(日) 01:50:58
「ッ!!」
再び、体が硬直する感覚。
見ると、ノーマの膝には呪札が貼り付けてある!
(やられたッ!)
「ぬ゛ぁ゛ぁああ゛!!!゛」
そしてノーマは鎖を棺桶に巻き付け、鎖を振り被って棺をブン回し、その棺で静子を殴り飛ばした!!
「ぐぅっ!!」
吹っ飛ばされた静子は一本の細めの木に背中を強打した。しかし休む間もなくノーマの追撃が来た。
(接近戦!?)
「グァ゛ア゛!!!゛」
ノーマは札や鎖を飛ばすのではなく、腕に鎖を巻き付けて格闘戦を仕掛けて来たのだ!
決定打に欠ける遠距離攻撃を捨て、短期決戦で決めに来た!まだ何枚札を持ってるか分からないノーマと格闘戦をするのはリスクがあるが、これは純粋な身体能力と格闘技術ではノーマを上回っている自分にも勝機があると判断し、静子はこの勝負に乗った!
「『気炎万丈』ぉぉ!!!」 - 74AI士25/01/26(日) 01:53:01
体に炎を纏い、ノーマの鎖拳の一撃を最小限の動きで回避する!そして奴の腕を掴み、位置を逆転させてノーマの背を木に叩き付けた!
「グッ゛!!゛」
「最大火力ぅーッ!!」
そして全身の炎の勢いを上げ、拳には轟炎を纏わせる。
「ッッ破ッッッ!!!」
そして真正面から、美しいとすら感じる程洗練された炎を纏う正拳突きをノーマの胴に叩き込んだッ!!!
――ドガァアッッ!!!――
あまりの威力に衝撃波が発生し、木の裏の草木がなびき、木本体はバキリとへし折れ、ノーマの口からは血が飛び出す。
「勝負あり!!」
静子は声高らかに宣言した!!
「な゛訳゛ないだろ゛」
そしてそれをノーマが否定した。
ヒラリと、静子の眼前に何かが落ちて来る。 - 75AI士25/01/26(日) 01:54:53
へし折ってしまった細木の葉だろうか・・・・・否。
呪札だ。
「っ!!?」
上を見上げると、この木に生えている葉のように見える影の半分近くを、無数の呪札が占めていた!!
「俺゛の札は゛そ゛んな自゛由に操れ゛る物゛じゃない゛んだ・・・ただ事前゛に書゛き込んでお゛いた゛通り゛札゛が行動゛する・・・゛」
呪札を1、2枚当てた所で静子を仕留めれる程の拘束時間はない。ならば事前に何十枚と用意して、一斉に当てればいい。
先程棺に隠れで札を投げていた時、静子の視界に映らぬようにコッソリ飛ばして準備していたのだ。
「『重縛呪札』ッ!!」
へし折れた木が――ズシンッ――と地面に激突すると同時に、100枚近い呪札が四方八方に解き放たれる!至近距離にいる静子は何十枚もの呪札を喰らい、体が硬直して動けなくなる!
ノーマは棺の裏に隠れて飛んで来た呪札を防いだ。 - 76AI士25/01/26(日) 01:56:10
「グフフフ゛フッ!゛」
そして動けない静子を横目に見ながら、その棺に手をやる。
「『常闇の沼を封じし世闇の棺よ、今開き、我敵をその黒に沈めたまえ』・・・゛」
ノーマが呟くと、棺の蓋がゆっっくりと開かれた。その中はまるで、新月の夜空を切り抜いたように永遠と暗闇が続いている。
「さぁ゛来゛い・・゛・常゛闇の中゛へ!」
動きの封じられた静子へと棺を近付けていく。この中に入ったモノは永遠に帰ってこない。入った時点で決着だ。
「クフ゛フフフ゛フッ゛・・・・・あ゛?」
そこでチラリと、棺の闇とは対照的な、明るい輝きがノーマの視界に入り込んだ。
「・・・・・・火゛?」
――ボァッ!!!――
「!゛!゛!?゛」 - 77AI士25/01/26(日) 01:58:18
次の瞬間、静子の足元にチラついていた炎が一瞬の内に燃え広がり、静子の全身を包み込んだ!
紙製の呪札は一瞬の内に燃え尽き、その効果が遮断される!
「な゛に!?゛」
「フフッ!私って運が良かったみたいね!」
『気炎万丈』を発動した際、偶然足元の枯葉に炎が燃え移っていたのだ。
そしてその小さな残り火が静子の身体から漏れ出る魔力に再度反応し、魔力に引火して彼女の気炎万丈が再点火された!
「くっ゛!゛だがも゛う遅゛い!!゛」
ノーマは棺を開けたまま静子に飛び掛かった!そのまま彼女を棺の中に押し込むつもりだ!
「残念だけど、無理よ!」
静子が指をピストルの形で構える。
(魔弾程度じゃ止まらん!!)
ノーマの棺が迫る!すると、静子の指先から幻想的な光が溢れ出した!ただの魔弾ではない! - 78AI士25/01/26(日) 01:59:55
「その棺、さっき目一杯殴ってたでしょ?裏に隠れてた貴方は見えてなかったでしょうけどね、私は一箇所を殴り続けてたのよ!」
炎の熱を纏う拳の連撃を受け続けた棺。破壊は出来なかったが、表面が黒く焦げた。炭化した物質は、壊れ易い。
「『指大砲』ーーッッ!!!」
―ードガッッ!!!ーー
撃ち出された魔力の砲撃が、棺の黒く焦げ付いた部分へと撃ち込まれる!!
ーーメキメキメキッッ!!バコッッ!!!ーーー
そして棺が、砕け散った!!!
「な゛っ!!?゛」
その衝撃に吹っ飛ばされたノーマの口からそんな言葉が零れ落ちた。目の前には、愛用品の棺の欠片が転がって来る・・・。 - 79AI士25/01/26(日) 02:01:29
「棺゛が・・・常闇゛の封゛印゛箱が・・・・・゛」
「残念でしたね」
地に倒れ伏して棺の欠片を見詰めるノーマに接近し、静子は彼にトドメの一撃を叩き込んだ。・・・込もうとした・・・・・
「・・・・・流゛石だ」
ノーマがニヤリと笑い、その欠片を拾ってスッと突き出した。
突き出した先にあったのは、トドメを刺そうと放たれた静子の右手。
「ま゛だ封゛印の闇゛を纏゛って゛いる゛とは・・・゛」
その瞬間、静子の右手が消えた。
「・・・・・え?」
消えた。文字通り。切り取られたとか、燃え尽きたとかでもなく、消えた。消滅した。まるで薄い鉛筆の文字を消しゴムで擦ったように、スッと消えた。血も出ず、痛みもない。 - 80AI士25/01/26(日) 02:03:13
それはあまりにも異様な光景で・・・まだ学生である静子が放心するには十分だった。・・・・・が、今はまだ、戦闘中であった。
「ク゛ククッ゛!゛」
ノーマは素早く鎖を取り出し、静子の残った左腕に巻き付けた!そして続け様に彼女の首にも鎖を巻き付け締め上げる!
「ーーッ!?ぐあっ!!」
ノーマは静子の背中に張り付き、左手の指先が自分に向かぬように押さえ付けながら鎖を絞って彼女の気道と動脈を締め上げる。
「がっ!ぐぇっ!!がぁぁっ!!」
「素゛晴ら゛しい・・・゛素晴゛ら゛しい゛ぞ封印゛の棺゛よ゛!砕け゛散って゛な゛おそ゛の暗黒゛を封゛じ続け゛て゛いる!!゛触れ゛た゛物を゛消し゛去って゛し゛まう程゛の力を゛!!そ゛の棺゛の内側゛に今だ留゛め続゛け゛ている゛!!!゛」
「ぬぅぅう!!!ぬぁぁあああ!!!」
静子は体に炎を纏わせ、ノーマの腕を握る。尋常ならざる握力が彼の腕の骨を軋ませ、体を焼く。
ノーマもすぐさま離れたくなるほどだが、・・・なぜだか、先程まで騒がしかったノーマが突然静かになり、ピクリとも動かなくなった。それでもシッカリと静子の首は絞め続けている。 - 81AI士25/01/26(日) 02:04:26
「ぐっ!?ぐうっ!!?」
見ると、ノーマは自分に呪札を貼り付けている!呪札の硬直を利用し、痛みや苦痛を無視して静子の首を絞め続けているのだ!
「ぅぅぅうううっ!!!」
静子はジタバタと暴れるが、最早鉄の人形状態のノーマはビクともしない。
「が・・・・・・ぐぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」
徐々に静子の動きは大人しくなり、数十秒経過すると、静子は意識を落とした。
「ふぅ・・・゛・・・・・痛゛かった・・・゛封印゛具の力゛はや゛はり偉大゛だ・・・゛」
動かなくなった静子を足で突きながらノーマはそう呟いた・・・・・。
学生の静子と封印師と呼ばれるまで封印術を磨いてきたノーマとで、経験値の差が出たと言えるだろう。 - 82AI士25/01/26(日) 02:06:05
- 83二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 02:22:03
うーわー!ウチの子が負けたー!!くやしー!
良いところまでいったのにー!くっそー!
やっぱ相性差が良くなかったか……高速アタッカーだから搦手ダメだもんなー!
静子ちゃんさー、自分の身体を炎の弾丸にして突っ込むみたいな『シャインスパーク』的な超必殺技とかないのー!?
もうちっとパッとした技無いとダメだよー?(※生みの親です)
……でも良く頑張ったね。
最後首を絞められても炎を纏わせて抵抗したガッツは素晴らしかったよ、ただ今回は相手が一枚上手だった。
今回の反省を活かして次こそは勝とう!
まずは腕が消えたくらいで放心しないように頑張ろうね!
いやー楽しかったですー!
最後までドキドキで読んじゃいましたよ!
また、機会があればよろしくお願いしますね〜!
オリキャラ設定めっちゃあるのでw
というかウチの子が戦ってるところが見たいです! - 84AI士25/01/26(日) 11:34:26
- 85二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 12:04:25
- 86二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 14:43:47
ゾンビボルト
銀髪碧眼の青年。なのだが、体が常にふらふらとしており、目線が定まっていない。電気を操る能力者なのだが、以前ある戦いで脳にダメージを負い、脳死状態となった。しかし電気を操る能力が肉体を強制的に操ること目覚めた。つまり電気を操る生ける屍である。
戦法
電気を体を放って戦う。電気を周囲に放つことで一種のレーダーのようにして敵を察知しているため幻覚などは効きづらい。ただし、敵が半径50mを離れるとレーダーの範囲外になり敵を見つけられなくなる。接近戦は苦手。蹴る殴るは出来るが単調で回避しやすい
能力
・電装砲雷(タケミカヅチ)
生前から使っていた能力で身体から電気を放てる。
・電装屍雷(イザナミ)
脳が死んだ肉体を能力の電気で動かしている。能力というよりは状態。電装砲雷の電気が脳信号の代わりを果たしており、脳死状態であるのに行動をしている。無論本人に意識はない。痛みなどはないので無茶な動きが出来る。
・電装毒雷(キドクオウ)
ゾンビボルトは半径20メートルに常に気づかれないほど微弱な電気を放出しており、下手に近づくと敵の体内の電気信号に異常を起こさせる。主な症状は手足の痙攣や吐血など。ずっと近くにいると命の危険が生じる。射程範囲は半径20メートル程で離れると症状はすぐに治まる。
弱点
脳で考えて動いてるわけではないので攻撃自体は単調。敵を見失うと動きを止めてしまう。格闘戦は生前の模倣にすぎず大振りの技しか出来ない。 - 87AI士25/01/26(日) 16:07:32
- 88二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 16:18:21
他の生物の行動が何を意味するのかを何となく理解できる程度の知能はありますが、複雑な思考や長考はできないです
飛行能力や地中に潜る能力はありませんが、尻尾を使って自身より重いものでも運ぶことができます
- 89AI士25/01/26(日) 17:56:05
- 90二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 18:01:49
- 91AI士25/01/27(月) 22:57:05
山の林の中をガサガサと音を立てながら進む異形の存在が一つ。地球外生命体の怪物、アンバーだ。
突然、奴の動きがピタリと止まる。その視線の先には、山道のど真ん中に佇む人影。
「ギィィィ」
アンバーの強靭な顎がガパッと開き、ポタリポタリと溶解液が垂れて地面の草葉が焼けていく。
そして狙いを定めたアンバーは、6本の足で地面を蹴り上げ、その人影へと突撃した!
「シャァァァアアア!!!」
アンバーの顎が人影の首筋を捕らえ、頸動脈に顎牙が突き刺さる。
そして血が噴き出すかと思われたが、流血は殆ど無い。
「?」
流れない血に、生気を感じない体温、抵抗一つしない獲物。今まで狩ってきたどの生物とも違うその感覚に、アンバーが困惑していると、 - 92AI士25/01/27(月) 22:58:24
ーーパチッーー
一瞬、噛み付いた人の体をから白い閃光が迸った。アンバーがそれに気が付いたのも束の間、
ーーバリバリバリバリッッ!!!ーー
「ギッ!?」
突然目に見えるほどの電撃がアンバーを襲った!
堪らずその場から離れたアンバーの目に映ったのは、電流を纏い、首に出来た傷を触れて確認する相手の姿だった。
相手はゾンビボルト。既に死んでいる身だ。頸動脈を貫かれた程度どうという事はない。
「フシィィイイイイ」
アンバーが威嚇行動を取り、強靭な尻尾を立てるが、ゾンビボルトは気にせず電流を手に纏う。
そして次の瞬間、超高速の稲妻がアンバー目掛けて撃ち放たれた!
「ッ!!!」
放たれた雷は真っ直ぐ突き進み、その先にあった大木を貫いた。アンバーはギリギリ回避したが、直撃すれば自分があの大木のようになっていただろう。 - 93AI士25/01/27(月) 22:59:14
「シャァァアアア!!!」
アンバーは尻尾のトゲを逆立て、ゾンビボルトに接近する。そしてその強靭な尻尾を彼に目掛けて叩き付けた!!
ーードガッ!!ーー
動きの鈍いゾンビボルトはその一撃をモロに喰らい吹っ飛ばされるが、何事もないように立ち上がり、再び雷撃を撃ち放つ。
しかしただ突き出した手に沿って真っ直ぐ飛んで行く雷撃の軌道は、すぐアンバーに察知された。
アンバーは雷撃を避け、ゾンビボルトに迫り、その腕の鋭い爪を彼の身体に突き刺した!!
「ーーっ」
「シャァア!!!」
このまま触れていると再び電撃を喰らうと学習したアンバーは直ぐ様爪を引き抜き、尻尾で彼を殴り飛ばす。
吹っ飛んだ先で木に激突したゾンビボルトの体は、至る所の骨がへし折れたらしく腕や首がプラプラしている。
しかしそんな事は気にせず、ゾンビボルトは雷撃を撃ち続ける。距離を詰められれば強烈な爪や尾の攻撃を喰らうことになる。流石にバラバラにされては戦えない為それは避けたい。ならば、接近されなければよいのだ。 - 94AI士25/01/27(月) 22:59:47
ゾンビボルトは先程のような極太の一本ではなく、無数の稲妻を連射するように雷撃のタイプを切り替え乱れ撃った!
ーードガガガッ!!!ゴゴゴゴゴッッ!!!ーー
何十発もの雷撃が森の木々を薙ぎ倒し、草木を焼き、アンバーを追い詰める。
このままアンバーを消耗させる。予定だったのだが、
「ブシュッ!!!」
アンバーの口から緑色の液体が噴水のように噴射された!
周囲にバラ撒かれたそれはアンバーの溶解液だ。周囲のあらゆる物を焼き溶かし、ジュワジュワと煙が上がる。
「・・・・・」
アンバーのいる周囲から白煙が勢いよく上がり、奴の姿はその煙の中に消えて行った。
ゾンビボルトは撃ち放つ雷撃の数を増やし、乱れ撃ちを続けるが、ジワジワと白煙が広がりゾンビボルトに迫って来る。アンバーが溶解液を吐き散らして地面を焼きながら少しず接近して来ているようだ。 - 95AI士25/01/27(月) 23:00:23
ゾンビボルトはヨタヨタと後退しながら雷撃を撃ち続けるが煙の進行速度の方が速い。
煙との距離数メートル程になった時に、ゾンビボルトの張っていた電気レーダーにようやく生物の影が映り込んだ。
「キシャァァァアアアアア!!!」
煙を突き破ってアンバーが飛び出し、その尾でゾンビボルトの頭部を地面に叩き付ける。
地面と強靭な尾に挟まれ、ゾンビボルトの頭がバキバキと音を立てて砕け始める。
そのまま頭が押し潰されるかと思われたが、
「ッ!?」
グラリと、アンバーの視界が歪んだ。呼吸が荒くなり体も思うように動かせなくなる。
ゾンビボルトが常に周囲に展開している微電流の効果だ。戦闘中の彼に不用意に接近し過ぎると効果が現れ、ジワジワとその体を蝕む。
アンバーはガクリと膝を付き、まるで酩酊状態のように藻掻き回る。
「ギギッ!ギィィッ!!ギュギギギッ!」 - 96AI士25/01/27(月) 23:00:53
それを確認したゾンビボルトは頭が取れないように支えながらフラフラと立ち上がり、右手をアンバーに向けて構えた。
碌に動けないアンバーには、その右手から撃ち出される雷撃を防ぐ事は出来ない。
が、・・・・・それは碌に動けなければだ。
「っ!?」
次の瞬間、アンバーの右手が吹っ飛んだ。
「ギシシシシッッ」
アンバーが鋭い爪を振るい、彼の腕を切り落としたのだ。
アンバーは、あらゆる環境に対する高い適応能力を持つ。微電流が流れる環境も、例外ではない。
再びアンバーの尾がゾンビボルトを襲う。が、それより先にゾンビボルトの身体に電撃が迸った。
「ッ!」 - 97AI士25/01/27(月) 23:02:06
ーーバチバチバチッ!!!ーー
電撃を察知したアンバーが尻尾を離しゾンビボルトから少し離れる。その隙にゾンビボルトも距離を取ろうと退避するが、
「ブシュァッ!!!」
アンバーが溶解液を吐き出し、ゾンビボルトの走る先に毒の水溜りを作った。
ーージュゥゥウウ!!ーー
「ッ?」
動きの鈍重なゾンビボルトはその水溜りに足を踏み入れてしまい、足が焼け溶けてガクンと地面に尻もちを着いてしまう。幸運にも転けた地面にまで溶解液は広がっていなかったが、足を失ってしまった。
「キリリリリリリッ」
アンバーはそんな溶解液の水溜りを気にせずゾンビボルトに真っ直ぐ近付く。
ゾンビボルトは奴が接近するより先に雷撃を撃とうとするが、 - 98AI士25/01/27(月) 23:02:43
「ブシュゥゥウウッッ!!」
アンバーの口から、圧縮された溶解液がまるでレーザービームのように撃ち放たれた!
その溶解液ビームにより、雷撃を撃とうとしたゾンビボルトの左腕も斬り飛ばされてしまう。
焼き飛ばされた左腕がクルクルと宙を舞う。
「シャァァアアアアア!!!」
そしてアンバーの尾が、ゾンビボルトの体を貫いた!
彼の体を貫通した尾が、彼をゆっくりと持ち上げる。そしてゾンビボルトの胸を爪で切り裂き、彼の核とも言える心臓を露出させた。
アンバーがその心臓に爪を突き刺す。そうしようとした瞬間、奇跡が起こった!
ーーべチャリーー
と、アンバーの背後で音がする。
振り返ると、そこには雷撃を放とうとして斬り落とされたゾンビボルトの左腕。・・・それが、アンバーも立っている溶解液の水溜りの中に落下した。
次の瞬間、左腕にチャージされていた雷撃の電気が溶解液に伝わり、そのなかに入っていたアンバーの体に電撃が走った!! - 99AI士25/01/27(月) 23:03:43
「ギギャァァァアアアアアア!!!!」
突然の激痛に、思わずアンバーが鳴き叫ぶ。
ゾンビボルトを放り投げ、水溜りから脱出した。
「ギギギギギィッ!!!」
アンバーの体から焦げくさい臭いと煙が上がる。アンバーが呼吸を整えていると、
ーービリリッ、バチバチッーー
アンバーの聴覚が、不穏な音を感じ取る。
「ギギ・・・・・」
振り返るとそこには、能力の核である心臓に、限界まで強めた電力をチャージするゾンビボルトがこちらを睨んでいた。
彼の心臓から直接、最大出力『電装砲雷』が撃ち放たれた!
ーーバリバリバリバリィッッ!!!!ーー
空を劈く轟音が響き渡るよりも先に、瞬く間もなく閃光が空間を裂き、アンバーの体を貫いた!!
アンバーの体は吹き飛ばされ、最後には上半身の燃えカスと、断面が焼け焦げピクピクと動く下半身のみが残されていた。 - 100AI士25/01/27(月) 23:04:25
勝者
>>86 ゾンビボルト!!
- 101AI士25/01/27(月) 23:05:13
次の募集は明日の朝行いたいと思います!
- 102AI士25/01/28(火) 06:33:02
- 103二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:15:31
セシル・レイナード
肉体強化魔法専門の魔術師(♀)
得意の肉体強化魔法を専一に磨き上げており、肉体強化魔法において彼女の右に出る者はいない
肉体強化魔法の効果を最大限に活かすために肉体そのものも鍛えているため素の身体能力もかなり高い
かなりの脳筋
【シングレイブ】(研究に研究を重ねて編み出したオリジナル魔法)
直接体に魔法陣を刻み込んでいるため魔力効率が極めて高く、肉体強化魔法の恩恵が通常のものよりも顕著に現れる
杖などの媒体を使用せず直接体から魔力を消費して発動するため燃費も良い
魔法陣から直接発動するタイプの魔法のため魔法の詠唱はしなくてもOK
戦法
肉体強化魔法で身体能力を強化して物理で殴る
小手先の技術に頼らない肉体スペックの暴力
弱点
①強化魔法以外は一切使えないため物理攻撃が効きにくい相手にはほとんど無力
②脳筋のため絡め手に対応できない場合が多い - 104二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:25:40
佐哲 奪(さてつだつ)
能力名
「鉄奪(てつだつ)」
自分の周囲に存在する鉄分を感知し、引き寄せたり、奪い取る能力を持つ
単に鉄そのものを動かすだけでなく、相手の体内に含まれる鉄分(主に血液中のヘモグロビン)をも操作可能
戦闘スタイル
対象の体内から鉄分を奪うことで、貧血や虚弱状態を引き起こさせる
取り込んだ鉄分を利用して、武器や防具を即席で形成することも可能。
相手の血液中の鉄分を奪う速度は彼女の集中力次第で変わり、長時間の使用で相手を昏倒させることも可能。一気に奪うことにより即座に相手を死に至らしめる
相手が鉄製の武器を使用している場合、その武器の鉄分を分解して奪う
性格
冷静沈着で感情をあまり表に出さない性格。だが鉄分に執着する一面があり、美しい金属細工を見ると無意識に手を伸ばしてしまう癖がある - 105AI士25/01/28(火) 19:20:50
- 106AI士25/01/28(火) 19:21:41
- 10710325/01/28(火) 19:26:34
- 10810425/01/28(火) 19:45:52
強いて言えば金属製のブレスレットとかアクセサリー色々つけてます
- 109AI士25/01/29(水) 23:03:33
太陽が空の中央を陣取った頃の時間帯。とある山の中では轟音が響いていた。
「オラオラオラァ!」
「チッ、馬鹿ゴリラめ」
セシルと奪の戦闘が勃発していたのだ。
「フンッ!!」
セシルが拳を振り下ろすと、その先にあった大木がまるでスナック菓子のようにボキッと折れる。筋肉質な体格をしているとはいえ、おおよそ人の出せる力ではない。身体強化魔法、それも他に類をみないレベルの練度のものを発動しているらしい。
本来であれば、すぐにでもこの拳が相手を捉え、殴り倒してしまうだろう。そうならず戦闘が続いているのには理由があった。
「よっ!!」
再びセシルの拳撃が放たれる。今度はちゃんと相手を捕捉している。そのまま行けば当たるはずだが、
「ーーーっ!」
ビクンッと、突然セシルの動きが止まる。 - 110AI士25/01/29(水) 23:04:07
その隙に相手は能力を発動させ、手に着けている金属製の指輪やブレスレットを変形させてナイフを作り出し、それでセシルの腹を切った!
「くっ!」
ナイフは確かにセシルの腹に裂傷を作ったが・・・少し皮膚が切れた程度の傷だ。身体強化により、体の硬度が底上げされた結果だろう。
「フンンッ!!」
そしてセシルはその身体能力を使い、無理矢理硬直した体を動かす。
セシルの相対している少女、佐哲 奪の能力により血中の鉄分を操られ、体は金縛りにあったような状態のはずなのに、それをパワーだけで無理矢理解除してくる。
硬直によりセシルの攻撃を躱す奪と、奪の攻撃では碌なダメージを負わないセシル。この二人が対峙したことで、戦闘は長期化していた。
「ふっ!」
奪が手をグイッと動かし、空を掴んで何かを引っ張り出すような動きを取る。
すると、先程セシルの腹に着けた傷からボタボタと血が流れ始める。ただの掠り傷とは思えないほどの出血量だ。これも血中の鉄分を操作して発生させる奪の基本戦術なのだが、 - 111AI士25/01/29(水) 23:04:40
「ヌンッ!!」
セシルがグッ!と力んで腹の傷を無理矢理抑えると、出血はピタリと止んでしまう。しかも強化された身体能力により、浅い傷はすぐに塞がる。
先程からこれが、かれこれ1時間近く続いているのだ。
セシルが貧血を起こすのが先か、奪に攻撃が当たるのが先か・・・・・確率は五分五分だろうか?
そんな事を奪が考えていると、
「ふ〜ん・・・・このまま続けても長引きそうだなぁ・・・」
突然セシルが手を止め、呟いた。
「長引くのが嫌ならもう倒れてくれて構いませんよ」
「へっ、やなこった。安心しろ、もう長引きはしないさ」
そう言うとセシルは後方へ跳び退き、奪から離れた。
「生憎私は賢いんでな〜、お前をちゃちゃっと倒す方法を思い付いたんだ」
そう言ってセシルは、傍にあった木を片手で引っこ抜いた。 - 112AI士25/01/29(水) 23:05:06
「・・・・・チッ」
奪の予想通りの事をしようとしているのなら、これは単純だが、非常に効果的だ。
「フンンッ!!!」
そうしてセシルは、奪の予想通りその木を投槍のように投擲した!
「くっ!」
セシルと距離が離れ過ぎている。能力の効果範囲外にいられては、相手の体内の鉄分を操る事はできない。
鉄で矢でも作って飛ばせばこちらも遠距離攻撃はできるが、セシルには大したダメージを与えられないだろう。
ならば接近すればよいのだが、
「ま、させてはくれないよな」
セシルは下がりながら木を引き抜いて投げてくる。あの身体能力の相手にこいらから接近するのはまず不可能だ。
「チッ、こうなったら・・・」
このままいても負けは明確なので、奪は一か八かの策に出た。 - 113AI士25/01/29(水) 23:05:53
「おい馬鹿力女!」
「あ?誰が馬鹿だ!」
「お前こんなんでいいのか?」
「・・・・・は?」
こちらもとても単純な策。挑発だ。
「木を馬鹿みたいに引っこ抜いてポイポイ投げて、それで勝って満足かって聞いたんだよ」
「ぁあ?」
「正々堂々、殴り合う勇気はないのか?」
「・・・なるほど?喧嘩売ってるって訳ね・・・・・・いいよ、乗ってやるよ」
セシルは木から手を離し、こちらに向かって歩を進める。
(馬鹿だな・・・)
と、奪は思ったが、どちらにしろチャンスは出来た。これを逃す手はない。
奪は身に着けていた金属製の部品を全て変形させ、両手にトゲ付きのガントレットを装着する。そして、
「来いよ」
クイックイッと指を動かし、セシルを煽った。 - 114AI士25/01/29(水) 23:06:18
「言われなくても!!」
セシルはその馬鹿力で地面を蹴り、一瞬の内に奪
へと迫る。
奪はセシルの足内を流れる鉄分を引っ張り、彼女を転倒させ、素早くガントレットの一撃を彼女ノ頭に叩き込んだ!!
ーーゴッ!!ーー
と鈍い音が響くが、セシルは何事も無かったかのように立ち上がる。
そしてニカッと笑うと、拳を振り下ろした!
「っ!!」
ギリギリの所でセシルの腕の鉄分を操り、パンチの軌道を逸らせて回避する。そしてカウンターの一撃をセシルへと喰らわせるが、やはりダメージは無さそうだ。
「チィッ!」
「オラオラどうした!」
セシルが大きく拳を振り被り、目にも止まらぬ拳のラッシュを繰り出した! - 115AI士25/01/29(水) 23:06:44
「くっっ!!」
奪はセシルの中を流れる鉄分を操作し、パンチの軌道を一つ一つ逸らせるが、そのあまりの速度と威力に段々と鉄分操作が間に合わなくなってくる。
パンチが奪の額を掠り、ドパッと血が流れ出した。掠っただけでこの威力。喰らえば間違いなくやられる。
そしてラッシュ最後の一撃を、奪は回避する事が出来なかった。
「ぬりゃぁあ!!!」
「ぐあっ!!」
何とかガントレットで防御したが、奪はピンポン玉のように吹っ飛ばされ、地面をゴロゴロと転がる。
「くっ、さっきまでと動きのキレが違う・・・どうなってるんだ」
モノの数分前まで接近戦で戦っていた時はこれほど追い詰めるられなかった。奪がセシルの体内の鉄分を操れば、少なくとも1秒近くは動きが鈍くなっていたのに、今やその様子はない。戦闘開始から約1時間、この間に何が変わったというのか?
その答えはセシルの口から答えられた。
「なんか・・・慣れたわ」
「・・・はぁ?」 - 116AI士25/01/29(水) 23:07:11
その解答は単純。慣れだ。あらゆる肉体的能力が魔法によって極限まで強化されているセシルは、物事の動きに適応する速度も桁外れなのだろう。
「・・・はぁ、フザけやがって・・・・・」
「お、諦めてくれる?」
「・・・・・まさか」
奪はフラフラと立ち上がるが、左腕はなんだかプラプラしている。先程のパンチを防いだ拍子に折れたのだろう。だが奪はそんなことを気にせず両手のガントレットを変形させる。
「?」
周囲の土からも砂鉄さしき物が抽出され、それが少しずつ奪の元へと集まっていく。
「今から貴方に私の最高火力をお見舞いします。受けられるモノなら受けてみてください。・・・あ、自信がないなら避けても構いませんよ」
「言うじゃねぇか・・・いいよ、受けて立つ」
「そう言うと思いました、馬鹿ゴリラ」
そうして奪の手元には、螺旋状に捻れたドリルのような物体が形成されていた。 - 117AI士25/01/29(水) 23:07:42
「ふぅー・・・」
奪は手をクイッと動かし、そのドリルを動かし始める。ドリルはゆっくりと回転し始め、徐々にその速度を上げていく。
高速で回転するドリルからはまるで空気を裂くような音が鳴り始め、風が発生して周囲の草花が揺れている。
「行くぞ」
「来いよ?」
セシルの返答を合図に、高速で回転するドリルが射出された!
空を貫き真っ直ぐに突き進むドリルは、直ぐ様セシルへと迫った!
ーードガァァアアア!!!!ーー
鉄塊が人に当たったとは思えない音が響き、周囲の土が吹っ飛んで土煙が舞う。
「・・・・・」
しばらくして土煙が晴れた先には・・・
「・・・・・・・へっ」
服の腹部から血を流しながらも真っ直ぐに立つセシルと、砕け散ったドリルの破片が落ちていた。 - 118AI士25/01/29(水) 23:08:14
セシルは奪の最大出力を弾き返したのだ。
「ハッハッ!私の勝ちでーーー」
セシルが声高らかに勝利を宣言。しようとしたその時、
眼前に、刃が迫って来た。
「しね」
奪が自分の体内の鉄分を利用してナイフを作り出した。そしてそれを、セシルの眼球に突き刺した!!
身体強化をしていても、ナイフは彼女の皮膚を切った・・・ならば皮膚より柔らかく、尚且つ露出部であり急所である目を攻撃されたら?
セシルは死ぬ。
(最初からドリルが防がれるとは分かっていた!本命はこっちだ馬鹿ゴリラ!)
「ぐあっ!?」
目にナイフが突き刺さり、眼球を貫き、そのまま脳髄にまで貫通する。 - 119AI士25/01/29(水) 23:08:54
奪の予想ではそのはずだった。
しかし、ナイフは・・・
「ーーーッッ刺さらないっ!?」
「ハッ!」
なんとセシルは、瞼でナイフを受け止め、ダメージを最小限に抑えていた!
「捕まえたぜ」
「っ!!」
セシルは奪の首を掴んだ。
そしてそのまま、奪を地面に叩き付けた!!
ーードガァア!!!ーー
大木をも貫く剛力を叩き込まれた奪の頭からは血が飛び散り、彼女は意識を失った。
「いってぇ〜、ビックリしたぁ・・・中々いい勝負だったぞ〜」
セシルは目からナイフを引き抜き、呟いた。 - 120AI士25/01/29(水) 23:10:20
勝者!
>>103 セシル・レイナード!
- 12110325/01/29(水) 23:30:23
面白いバトルをありがとうございます
細かい戦闘描写とかキャラ同士の掛け合いが良く作られていて好きです - 122AI士25/01/30(木) 07:18:44
- 123二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:35:21
ライラ・カストーレ
先祖代々受け継がれてきた剣魔法を得意とする剣聖魔術師
名家のご令嬢であり、幼い頃から魔法の英才教育を受けてきた(そのため魔法の扱いに関してはプロ級)
常に冷静沈着で他人に弱みを見せないタイプ
あくまで魔法で剣を使うだけなので剣術は習得していない
剣魔法「ソラスティス」
魔法陣から無数の剣を召喚して遠隔操作する魔法
火力特化型の魔力構築で、初級魔法の時点でも鋼鉄程度なら難なく切り刻むことが可能
剣速は初級魔法の時点で約270m/s
《魔法に関する設定》
魔法名の頭に付く文字で魔法の位が変化する
≪魔法の位(後に行くほど高位)≫
文字なし(初級魔法)→ゲイン・→ガドル・→ギガス・→グラン・(神話級魔法)
例:ゲイン・ソラスティス
高位になるほど魔法の規模は大きくなるが、その分魔力消費も多くなる
そのため彼女の最強魔法であるグラン・ソラスティスは一戦闘につき最大2回までしか使用できない
弱点
・プライドが高く挑発に乗りやすい
・剣魔法は通常の魔法と異なり実体があるため物理的に破壊できてしまう - 124二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 08:34:19
天河キリエ
黒髪のショートカットにブレザーの制服を着た少女。日本刀を竹刀袋に入れ持ち歩いている。言葉遣いはお淑やかで穏やかだが、戦闘中もその穏やかな口調を崩さないため少々不気味に見える。
戦法
日本刀を使って戦う。接近戦は日本刀を利用した剣術によって無類の強さを誇り、刀で何でも切り裂く。遠距離攻撃もある程度なら刀で弾くことが出来る。ただし戦闘能力の大半は日本刀に頼っている。
武器
斬々舞(きりきりまい)
日本刀。妖刀であり持ち主の魔力を吸収して切れ味を上げたり斬撃を飛ばしたりすること出来る。意思のようなものがあるらしくキリエが呼びかけると遠くからキリエの元に飛んでくる。
技
鎌鼬(かまいたち)
鞘に納めた状態で斬々舞に魔力を送り居合のように斬々舞を鞘から走らせることで斬撃を飛ばすことができる。射程は100メートル程で当たったものを一刀両断する。
強力な技だが絶対に鞘に収める必要があり隙が生まれてしまう。
野分(のわき)
斬々舞を敢えて投げた後呼び寄せてブーメランのように使う。飛んだ先を何でも切り裂くが戻ってくるまでキリエ自身は無防備になる。
烈風(れっぷう)
舞うように剣を振るい周囲に斬撃を飛ばす連続斬り。攻撃範囲は半径10メートル程でそこまで広くないが防ぎきることは困難を極める。
疾風(はやて)
居合の態勢で相手の懐に飛び込んで斬りつける居合斬り。
弱点
戦闘能力の大半を刀に依存してるため刀がなくなると攻撃手段は無いに等しい。近接戦闘は強いが斬撃を遠くに飛ばすには溜めが必要になるため遠距離攻撃は隙が多め。 - 125AI士25/01/30(木) 12:22:15
- 126二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 13:09:31
このレスは削除されています
- 12712325/01/30(木) 13:10:31
- 128AI士25/01/30(木) 18:45:02
- 12912325/01/30(木) 18:58:39
- 130AI士25/01/31(金) 23:16:11
陽の照る正午の山の中、天河キリエが一人で山道を歩いていると、不意に風切音が聞こえる。
「!」
直後、背後から刺すような殺気を感じ取り、キリエは頭を下げてその場に伏せた。
すると次の瞬間、先程まで頭があった場所を、鉄の刃が通り過ぎた!
(剣?)
まるで放たれた矢のように、一振りの剣が飛んでいた。
そして剣はピタリと空中で静止すると、ゆっくり剣先をキリエに向け直す。
「・・・・・・」
その不気味な剣を見詰めつつ、キリエは背負っていた竹刀袋から刀を取り出す。
キリエが刀の柄に触れた瞬間、弾かれたように剣が彼女へと突撃して来た!
「はぁっ!」
キリエは素早く刀を引き抜き、飛んで来る剣を切り払った! - 131AI士25/01/31(金) 23:16:39
見るからに硬い金属で造られているであろう剣が、まるでチーズのようにパックリと両断され、消滅する。
「消えた・・・やっぱりただの剣ではないようですね」
振り返ったキリエの視線の先には、洋風な衣装に身を包んだ女性が一人立っていた。
今飛んで来た剣の主、ライラ・カストーレ嬢。
「御名答。今のは私が魔法で創り出した剣ですの。・・・しかし、初級の魔法で創った剣とは言えあのように切り裂いてしまうとは・・・正直、驚きましたわ。流石噂に違わぬ妖刀です」
ライラは終始余裕そうにニコニコしながら告げる。それに対するキリエも、表情を一切崩さない。まるで日常会話のような風景だが、ここは今や戦場だ。
「あの程度の剣しか出せないのなら、私に挑む事はオススメしませんよ?」
「御安心ください。『ゲイン・ソラスティス』」
ライラが魔法を唱えると、魔法陣が現れてそこから剣が一本召喚される。先程の剣よりも立派だ。
「まだまだ上がありますから」
そしてその剣が、何十本も魔法陣から出て来た。 - 132AI士25/01/31(金) 23:17:14
「・・・・・そうですか」
「今度は捌けますかー?」
ライラが指をキリエへ向けて傾けると、その剣達が一斉にキリエへと飛び掛かった!まるで雨の如く!
しかし、キリエは動かない。
剣の雨が30m、20m、10mと迫って来るが、キリエはまだ動かない!
「・・・・・・・」
そして無数の剣が数mまで接近しキリエの射程内に入り込んだ瞬間、キリエに迫った順から次々と剣が斬り弾かれた!
まるでミキサーに放り込まれた野菜のように、剣がバラバラに切り払われる。最早キリエの剣速は目で追えるモノではない。
「なんとまぁ・・・」
何十秒と降り注いだ剣の雨は、全てキリエの妖刀によって切り捌かれ、消滅してしまった。
「ふぅ・・・」
「・・・・・雑に数で押しただけでは倒せそうにないですね・・・なら、こういうのはどうですか?」
ライラが指を鳴らすと、初級魔法の剣が現れる。先程の『ゲイン・ソラスティス』の倍近い数だ。 - 133AI士25/01/31(金) 23:18:05
「・・・・・数で押すのは無理・・・と、言ったように聞こえましたが?」
「ええ、ただ突撃させるようなことはしませんよ。剣士の弱点は、武器の向く方向にした剣を振れないこと、そして武器の数しか攻撃できないこと」
召喚された剣はフワフワと移動し、キリエの周囲を結界のように取り囲む。
「そして武器のリーチ外には手が出せないこと・・・つまりリーチの外側で準備を固めて、全方位から一気に襲えば、簡単です」
その言葉を合図に、キリエの周囲全方向から剣先が迫り来る!
「・・・・・私をただの剣士と思いで?」
「・・・はい?」
キリエが刀をクルクルと回し、周囲の向かって数度刀を振るう。まだ接近途中の剣には届かないはずだが・・・
「斬々舞・『烈風』」
すると次の瞬間、彼女の刀から斬撃がまるで風のように放たれ、周囲を切り刻んだ! - 134AI士25/01/31(金) 23:19:07
「っ!」
キリエを囲むように迫っていた剣達は、その斬撃に巻き込まれ、バラバラになって消えて行く。
「・・・魔法ですか?」
「いいえ?剣技の一つです。手練の戦士なら大抵使えますが・・・どうやら剣については詳しくないようですね?剣を使っているのに・・・」
キリエは煽るように「フフッ」と笑いながら、鞘に刀を収めつつそう言う。
「・・・魔法を極めれば、距離を詰めなければ大した脅威にもならない剣について知る必要なんて微塵もありませんかーーー」
その刹那、瞬きの一瞬にしてキリエはライラの懐に入り込んでいた。
「ーーーーーーーッッ」
「『疾風』」
神速の居合斬り、それを放つ為の特殊な歩行法が可能にする、まるで瞬間移動の如き縮地の技だ。
そのままキリエは柄を強く握り、鞘から刀を抜き払おうとする。 - 135AI士25/01/31(金) 23:19:33
「『グラン・ソラスティス』ッ!!」
が、ライラの詠唱の方がコンマ数秒速かった。
瞬時に巨大な大剣が現れ、キリエへと振り下ろされる!
「っ!」
キリエはすぐに姿勢を変え、その大剣を防ごうとする。が、
(詠唱してから顕現するまでが速すぎる。無詠唱の剣、ゲインの剣よりも巨大で豪華。込められている魔力が膨大)
それらの情報を僅か1秒にも満たぬ間の内に整理し、キリエは無理矢理体勢を傾けてその剣撃を回避した!
結果的にその判断は正解だった。あのまま受けていたら無事では済まなかっただろう。・・・なぜなら、
「・・・・・うわぁ」
グラン・ソラスティスが振り下ろさえた先にあった大地が、まるで地割れでも起きたかのように真っ二つに切り裂かれていたのだから。
そのあまりの威力に、キリエは驚愕する。その隙にライラは退避してキリエから距離を取った。 - 136AI士25/01/31(金) 23:20:24
(・・・・・焦って神話級の剣を召喚してしまいましたわ・・・これを操作している間は他の剣が碌に操作できなくなってしまうから無闇矢鱈に出すべきではないのだけれど・・・あの速度で動く剣士相手にこれ一本は心許ないわね・・・仕方ない)
勿体ないが、勝負が優先だ。ライラはグラン・ソラスティスの操作を放棄し、ゲインの一つ上の位であるガドルの剣を召喚する。
「『ガドル・ソラスティス』」
召喚された剣は全部で20本。それの半分を自分の周囲に展開し、残りの10本をキリエへと向けて放つ!
ガドル剣はドローンのように不規則に動き回りながらキリエに接近し、四方八方から襲い掛かる!
「斬々舞・『烈風』!」
再びキリエの斬撃が周囲に放たれ、ガドル剣の突撃を弾き返すが、
「・・・切れないか」
先程までとは違い、剣そのものがバラバラにはならない。この剣でようやくキリエとチャンバラができるレベルらしい。あの妖刀はそうとうの力が込められているのだろう。 - 137AI士25/01/31(金) 23:21:13
だが、これで現在はライラ有利だ。四方八方から迫る魔剣10本を捌きつつ、ライラ本体に接近して、更に彼女を守っている魔剣10本を凌ぎ、本体に攻撃を加えるなど簡単には出来ない。
・・・ライラはそう思っていたのだが、
キリエはガドル剣の猛攻を凌ぎつつ、隙を見て刀を鞘に収める。
「『鎌鼬』!」
そして『烈風』よりも強力な斬撃を、ライラ本体に向かって撃ち放った!
「っ!」
ライラは周囲に浮かべていた剣でそれを防ぐが、その一瞬、キリエを攻撃させていた魔剣のコントロールが鈍る。
「『疾風』ッ!」
その隙を見逃さず、キリエはライラへと瞬時に接近し、居合斬りを放つ!!
「くっ!!」
その一撃は防御用に展開していた魔剣が防ぐが、
「『烈風』!」
続け様に無数の斬撃が周囲へと放たれる。
幾ら10の魔剣とて、雨のようなこの斬撃を全て防ぐ事は出来ず、ライラの頬を斬撃が掠める。
「チッ!」 - 138AI士25/01/31(金) 23:22:01
ライラは魔剣に乗って空中へと飛び上がり、キリエへと残りの剣による連撃を繰り出す。
空中にいれば先程のように急接近されることはないだろうが、飛ぶ斬撃は今でも脅威だ。隙を見てまた仕掛けて来るだろう。
周囲全体に攻撃を放つ『烈風』ならばまだ食らっても耐えられるかもしれないが、一閃に力を込めた『鎌鼬』や『疾風』は喰らえば真っ二つにされそうだ。
ライラ的には戦闘を長引かせたくはない。
なので、早速次の手に移ることにしたようだ。
「?」
キリエへと飛び掛かっていた魔剣達がピタッと止まり、空中からこちらを見下ろしていたライラ本体の元へと撤収していく。
「これ以上時間を掛けたくないので、そろそろ本気で行かせてもらいますわ」
ライラが空からそう言うと、集まって行ったガドル剣がガシャガシャと集合し始める。
そして総数19本の魔剣が合体した、巨大な円錐型の物体を創り出した。
「『ガドル・ソラスティス』グングニル」 - 139AI士25/01/31(金) 23:22:26
すると、その集合体はドリルのように回転し始め、そのままキリエへと向けて放たれた!
「『鎌鼬』!」
キリエの飛ぶ斬撃がグングニルへと直撃するが、ガドルの剣で作られたそれはビクともしない。勿論受け止められるような質量の物体でもない。
ーードゴォオ!!ーー
「っ!」
キリエはグングニルの突撃を回避するが、それは止まること無く追尾ミサイルのようにキリエを追い続ける!
「厄介・・・ですね」
「そのまま逃げ回るといいですわ。その内追い付かれて貫かれますから!」
本体のライラは剣に乗って空中で高みの見物状態。護衛の剣もなく隙だらけだが、これに追われながらあっちに攻撃を仕掛ける余裕は流石にない。
キリエが木々の生い茂る林の中に逃げ込んでも、グングニルは木や岩を貫きながらキリエへと迫って来る。 - 140AI士25/01/31(金) 23:23:04
「剣の集合体による追尾式の巨大な槍・・・剣先が全てこちらに向いている・・・攻撃は魔剣の刃で弾かれる・・・」
ブツブツと呟き、情報を整理したキリエは、バッと振り向いてグングニルの方へと向き直った。
(・・・・・)
ライラが無言で見詰める中キリエは・・・・・なんと愛刀の斬々舞をグングニルに向けて放り投げた!
「・・・はぁ?」
何が起こるでもなく、投げられた刀はグングニルに弾かれ、何処かに飛んでいく・・・
(・・・重りを捨てたつもりですか?)
グングニルはキリエの奇行を無視し、彼女を追い続ける。
確かに刀を捨てた分機動力は増したが・・・そこまでの差はない。このまま行けばあと数分でバラバラにされるだろう・・・・・しかし、その予想は裏切られる。
「斬々舞・『野分』」
そう呟いてキリエは走りながら手をグングニルの方に向ける。 - 141AI士25/01/31(金) 23:23:35
すると、
「!」
キリエの投げた刀が、まるで主に呼ばれた猟犬のように、真っ直ぐ彼女の手に向かって突き進んでいる!その速度はグングニル以上だ!
しかし、その斬々舞とキリエの間には、キリエを追い掛けるグングニル。このままではキリエの元へは戻れないか・・・そう思っていると、キリエの口が開く。
「剣の集合体による突撃。その剣の硬度は容易く岩を砕き、地を削り、妖刀の攻撃すら弾く。グングニルに狙われた相手は常にその無数の剣先に追い掛けられ、相手の攻撃も刃が弾き無効化する・・・一対一なら最強の戦法でしょうけど、私は一人ではないんです」
キリエを追う妖刀が、そのスピードを加速させる。
「相手の攻撃を弾く為、グングニルの矛先は剣先に包まれて隙間がほぼない。でも逆に剣先が全て相手に向く都合上、グングニルの裏側は全て柄が向くことになる。そこは隙間だらけですよね?」
グングニルの後面に、斬々舞が突き刺さる!そしてそのまま速度を上げ、キリエへと一直線に突き進んだ! - 142AI士25/01/31(金) 23:24:15
ーーガッシャァァアンンンッッ!!!ーー
グングニルが後ろから貫かれ、魔剣達がバラバラに散らばった!
キリエはその隙に愛刀を掴み、構える!この一瞬の隙に、ライラ本体へ攻撃を仕掛ける為に!
そしてライラは、
「残念でしたわね」
・・・そう呟いた。
キリエの視線が、空中のライラから砕け散ったグングニルへと向き直る。
そこには、
「『グラン・ソラスティス』」
最高位の魔剣、『グラン・ソラスティス』。
「グングニルが防がれるかと思って、あれの中に隠しておきましたの〜」
本来、グランを発動すると他の魔剣は操作できない。・・・ならば、操作しなければいい。ライラはグングニルの中にグランを挟み込むように突き刺し、グランの操作を放棄していた。
操作を失ったグランは、グングニルを形成しているガドルが持ち上げて運んでくれる。
あとは好きなタイミングで操作権を復活させるだけだ。 - 143AI士25/01/31(金) 23:24:38
「斬れ、神話のソラスティス」
乗っていた魔剣も操作ができぬ状態になったライラは重力に従い落下するが、そのままグラン・ソラスティスの操作を続ける。
グラン・ソラスティスがその刃を振り回すほどに、周囲の地形がバコバコと変化する。
木々は切り倒され、大地は裂かれ、川は断たれて岩は砕ける。
「くぅっ!」
流石にこれを受ける事は出来ないキリエは回避に専念するが、体の至る所に傷ができ、血が噴き出す。
(コレの相手をする必要はない!)
キリエはグラン・ソラスティスの剣撃の風圧で吹っ飛ばされ、ゴロゴロと地面を転がった後に素早く頭を上げる。
この魔剣を操作しているなら、近くにライラがいるはずだ。しかも今は他の剣を操れないのにグラン・ソラスティスから離れている隙だけの状態!
「・・・いた」
グランが周囲を切り払ったお陰ですぐにライラを発見出来た。 - 144AI士25/01/31(金) 23:25:57
「『疾風』!!」
キリエは血の流れる足を踏み出し、ライラへと接近する!
「っ!やはり速い!ですが!!」
キリエの接近を読んだライラは、直ぐ様グランを向かわせる。その速度もやはり神話級で、一瞬の内にキリエへと迫った!!
「くっ!!」
ライラは目の前だが、それより先にグランが後ろから迫って来る!
キリエは方向転換し、迫り来るグランへと居合を構えた!!
本来敵に背を向けるなど剣士にとってあり得ないが、ライラ本体が今攻撃の手段を持たない故にできる戦法だ。
「『疾ーー」
だが、それは誤算だ。
ライラが使えないのは、魔法だけだ。
この日この時、生粋の魔術士であるライラが、人生で初めて剣を握った。
「終わり、ですわ」
空中浮遊に使用していて、グランを使う時共に落下したガドル。ライラはそれを拾いあげ、構えていたッ! - 145AI士25/01/31(金) 23:27:16
居合抜刀は一方向にしか繰り出せない。
グランとライラ本体による挟撃だ。鞘に刀を納め、抜刀の構えを取ったキリエには防げない。
「ーー風』ッ!!」
そしてそのまま、キリエの『疾風』はグランへと放たれ、後方から迫るライラの一撃には向けられない。
そして結果、・・・・・ライラの一撃は防がれた。
「ーーーーーっッッッ!!?」
キリエはなんと、抜刀と同時に鞘を後方に引き、その鞘でライラの剣撃を防いだ!!
天才剣士の勘が成した、ノールックガード!!
「残念、でした」
「なッッーーーーーー」
「切り捨て、御免ッ!」
『疾風』により弾かれたグランが戻るより先に、キリエの斬撃がライラを切り裂いた!!
「がッーーー」
ライラの体をから血が噴き出し、魔剣が消滅する。そして彼女は地面に倒れ伏したのを確認し、キリエは刀をパチンと鞘に納めたのだった。 - 146AI士25/01/31(金) 23:28:45
勝者!
>>124 天河 キリエ
- 147AI士25/02/01(土) 07:43:25
- 148二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 11:37:10
グイード・コンティ
・人物
スーツを着て黒髪をオールバックにしているイタリア人の男性。顔は整っているが張り付いた笑みをしていて、カタコトの日本語で話す。
・武器
拳銃
装弾数15発口径9mmのオートマチック拳銃。銃自体に特殊な能力はない。グイードは2丁持ち歩いている。
・能力
ワープホール
2箇所の空間に穴を発生させ「道」を作る能力。穴に物を通すと距離を無視して瞬時に移動させることが出来る。発生させられる穴の大きさは最大直径100cm程。同時に出せる「道」の数は最大で2つ(穴は4つ)。穴の位置は最大で100m先に出現させられる。
グイードは弾丸を穴に通して敵の背後から攻撃する。相手の攻撃を穴に入れ防御やカウンター、地面に穴を作り落とし穴のように利用、時にはグイード自身がワープするために使ったりとトリッキーに使う。
・戦法
2丁拳銃と自身の能力であるワープホールを利用して戦う。ワープホールの穴を敵の死角に出現させ弾丸で攻撃したり、ワープホールを警戒しだしたら銃で直接狙ったりと狡猾に立ち回る。
銃自体の腕前も高く狙った場所に正確に当てるだけでなく、壁などに当てて跳ね返った弾を人に当てるなんて神業も難なくこなす。
・弱点
攻撃は拳銃のみなため接近戦は苦手。銃自体に特殊な能力は無く、撃ち切ったらリロードの隙なども出来てしまう。 - 149二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 11:42:47
中澤美咲
自称「超天才メカニック美少女」
えげつないナルシストだが実力は本物
幼少期の事故の影響で右腕が義手になっており、その義手を武器に改造した
全身に機械武装を仕込んでおり、状況に応じてそれらを使い分ける
《武器》
特殊機械腕「カラミティ」
彼女の最初の発明品
特殊なチップをセットすることで様々な効果を発揮する
【アームズチップ】
カラミティにセットすることでカラミティが武器に変形する
種類
・クロー
・マグナム
・ハンマー
【フォームチップ】
カラミティにセットすることで特殊な機械武装のロックを解除する
種類
・ブースト
腕部と脚部にバイクのマフラーを模したジェットエンジンが出現し、超スピードでの戦闘が可能になる
・ガーディアン
特殊超合金性の全身鎧が出現し、防御力が大幅に向上する
《最終奥義》【キングダム】
カラミティにキングダムチップをセットすることで体に仕込まれた全ての機械武装のロックを解除する最終殲滅モード
弱点
戦闘は機械武装頼りなので素の身体能力はそんなに高くない - 150AI士25/02/01(土) 18:53:05
- 15114925/02/01(土) 19:15:03
①基本的にガーディアンフォームじゃない場合ならどこの部位でも2、3発打ち込めば装甲が壊れるのでそこから攻撃されるとダメージを受けます
ちなみにガーディアンフォームは重装甲の代わりに鈍重なので攻撃に耐えられてもこっちも攻撃を当てられない可能性があります
②アームズチップとフォームチップは併用可です
アームズチップは腕だけが変形するタイプで、フォームチップは全身に特定の機械武装を装備するタイプです
③キングダムフォームそのものに特に弱点はないんですが、全機械武装を同時に使用する都合上デザインがごちゃごちゃしててダサいので本人が絶対に使いたがりません
それはもうマジの死にかけにならない限りは完全に封印してます
そのため使用する場合は本体が確実に虫の息になってます(下手すると時間経過で気絶or死ぬ)
色々詰めすぎて行数制限にひっかかったので削ったのですが、それが原因で説明不足になってしまいましたね
- 152AI士25/02/01(土) 20:45:01
- 15314825/02/01(土) 21:37:44
はい、何処にでも可能です。特に制限はないです。
- 154AI士25/02/02(日) 21:05:43
時計の針がテッペンを少し回った頃、天才エンジニア『中澤 美咲』はとある山を訪れていた。最近この山で起きた謎の殺人事件を追うためだ。
その事件は何とも奇妙で、被害者はとある能力者だったのだが脳天に一発弾丸を食らってやられていたらしい。
しかし不思議な事に、発砲音や薬莢、火薬跡を考慮して美咲が推測した、その弾丸を発射したと思しき場所はそこから何十メートルも離れた所に生える木の裏側。
弾丸は9mm拳銃で、方向的には絶対に相手を撃てない。
相手も能力者である可能性が高い。
好奇心を擽られた美咲は、そうして山中の捜索を始めていたのだが、
ーーパァンッ!!ーー
突然銃声が響き、美咲の側頭部に弾丸が直撃する!
「ぐっ!」
美咲は自分で自分を機械に改造したサイボーグ。そう簡単にはやられないが、今ので頭部にヒビが入った。
「シールド!」
美咲は自身の右腕となっている装置『カラミティ』にとあるメモリーチップを差し込む。
すると右腕がガシャガシャと変形し、全身を隠せるほどのサイズの盾となった。
そして美咲はその盾を、弾丸の飛んで来た方向に構える。わ - 155AI士25/02/02(日) 21:06:30
そして次の瞬間、
ーーパァンッ!!ーー
二発目の発砲。
それが再び、美咲の側頭部に撃ち込まれた!
「!!?」
全く同じ部位に銃撃を受け、側頭部の外装が砕け散る。
「クソッ!『ガーディアン』!」
美咲は新たなチップをカラミティに挿し込む。
すると今度は右腕だけに留まらず、美咲の全身が変形ロボのように展開し、姿が変わる。
全身をより重厚な鎧が包み込み、彼女の防御力は飛躍的に向上した。
(さて、これで銃撃は凌げる・・・でも何処から撃って来てるの?複数人?それとも瞬間移動か・・・でも発砲音は同じ方向から・・・)
美咲が得意分野の思考を働かせようとした。その時、姿勢がガクンと傾いた。
「なっ!?」
突如右足の下に穴が空き、そこに足が刺さってしまったのだ。 - 156AI士25/02/02(日) 21:07:15
美咲が行動に移るより早く、その穴は縮まり閉じてしまった。勿論、彼女の足はそのままに。
「ぐぅっ!!」
まるで豆腐のように、彼女の右足は切断された。
「クソクソクソッ!こうなったら!」
このままではやられる。そう確信した美咲は奥の手を使うことにする。
「キングダムーーー」
新たなチップを取り出し、カラミティに挿し込もうと手を伸ばした。ら、カラミティとチップの間の空間に、ボワンと穴が出てきた。
「!?」
そしてそこから手が伸びて、美咲のチップを奪ってしまう。
「ホゥ〜ン、これで変身スルの?」
男性の声が背後から響く。
振り返ると、見知らぬ男が一人、グイード・コンティ。彼が銃を片手に立っていた。そしてもう片方の手には美咲のチップが握られている。
「ダメダよ嬢チャン、敵前でソンナ堂々と武装の使い方見せタラ〜、現実はアニメみたいに、変身するマデ待ってくれタリしないヨ〜?」
「・・・・・そう?でもそのお陰で、敵を誘き出せたみたいだけど?」
「ハッハッハッ!俺が何の準備も無しに敵の目の前に出てクルと思う?」 - 157AI士25/02/02(日) 21:07:55
その発言に嫌な予感を覚えた美咲は、スラスターを点火して敵に接近しようとするが、
「もう勝負は着いテルからサ」
グイードの目の前に小さな穴が開く。
それと同時に、美咲の頭から今までの人生で一度も感じた事のない不快感が込み上げてきた。
そしてグイードはその穴の中へと発砲する。
乾いた音が鳴り響くと同時に、美咲は電源を抜かれたかのように倒れて地面を転がった。
グイードの創り出した次元のポータルが、弾丸を直接彼女の脳内に送り込んだのだった・・・。 - 158AI士25/02/02(日) 21:08:48
勝者!
>>148 グイード・コンティ!
・・・・・すみません、グイードの圧勝になってしまった・・・・・AIとも審議したのですが、特に油断や舐めプをするようなキャラでもなく最強クラスの能力を持つグイードに、一端のエンジニアの少女が勝てる展開がなくって・・・
- 15914925/02/02(日) 23:26:33
これに関しては同レベルの強さのキャラを選ばなかったこちらのミスですな
変な心配をさせて申し訳ない - 16014825/02/03(月) 00:29:17
攻撃を拳銃のみにすれば多少便利な能力でも…と思ってたら思ったよりえげつない戦法を使っていた…
でも人の足入れてる途中でゲート閉じたり、頭に直接弾丸撃ち込むはやれるならグイードはまあしますね
個人的にチップをすっと奪い取る下りは格好いい好きです
もうちょっと能力に色々制約を持たせるべきでしたね、これは - 161AI士25/02/03(月) 06:39:49
- 162二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 07:00:14
竜滅士
ドラゴンによって毎年甚大な被害を受けるとある国が、対ドラゴン用に国が一丸となって育成した男。しかし強過ぎて国周辺のドラゴンを絶滅させてしまい、仕事がなくなった今は冒険者兼何でも屋をしている。
武器
才能と幼少期からの特訓で鍛え上げられた戦闘能力。ドラゴンにも殴り掛かる精神力と、それを可能にする怪力。
『ドラゴンバスター』
ドラゴンを倒す用に造られた巨大な片刃の剣。片刃なので殴ること出来るし、デカいので盾にも出来る。これをその怪力を活かして軽々と振り回す。が、対人に於いては邪魔になる事も多い。
『竜殺技法』
竜を倒す為に造られた武術を対人にも使えるように改良したもの。以外その技。
『壊牙』
魔力で強化した発勁。相手の内部に大きなダメージを与える。
『翼突』
相手に向かって突撃し、両手を捻り伸ばして放つ貫手。鋼鉄ぐらいなら軽く貫く。
『鱗砕脚』
岩をも砕く後ろ蹴り。硬度の高い物を砕くことに特化しているが、シンプルに威力も高い。
『爪割』
飛び上がり、落下と共に振り下ろす手刀。剣や槍などの武具の破壊力が高い。
『蛇刈』
体を回転させながらドラゴンバスターを思い切り振るう、ドラゴンの首を斬り落とす為の一撃。これだけは未だに対人用に調整されていない。
『螺旋・壊牙』
腕を捻りながら撃つ発勁。圧倒的破壊力を誇るが、使うと腕を痛める。 - 163二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 07:01:13
大野愛美
つい最近まで普通の女子高生だったが、なんか色々あって成り行きで能力を手に入れた
不便だがなんだかんだ強いのでわりと気に入っている
能力【暴(プリミティブ)】
自我を失い目に入る全てを破壊し尽くす完全なバーサーカーと化す代わりに圧倒的な身体スペックを手に入れる
一度発動すると戦闘終了まで絶対に解除できない(自分の意思でも他者の干渉でも)
理性が消え去ったことで野生の本能に忠実となっており、感覚が研ぎ澄まされている
戦闘スタイルは身体スペックに任せた凄まじい暴力・暴力・暴力
技術や知能を一切必要としない原始の戦い方
自我を失うリスクがある分身体スペックの上昇値はかなり高く、超速いし超硬いし超強い
最大の弱点であり最大の強み
「一切の頭脳戦ができない」
相手はこちらの行動を予測できないし、自分はそもそもそんなことができる知能が残ってない
彼女との戦闘において読み合いなんぞは何の意味も持たない - 164AI士25/02/04(火) 22:21:54
とある山の中を竜滅士がフラフラと歩く。まるで一般人が散歩をしているかのようだが、その背には常人には持ち上げる事も叶わないほどの重量があるであろう大剣が背負われている。
「さ〜てと〜・・・ここらに野盗がいるはずだが・・・」
竜滅士が1枚の紙を懐から取り出して覗き込む。
今朝受注した野盗を追い払ってくれという冒険者への仕事。その依頼書だ。
数日前からこの山で武装した野盗集団による襲撃が起きているらしいのだが・・・・・。
するとその時、
ーーバァアンッ!ーー
発砲音だ。こちらに向けられたモノではないが、近い。
「誰が襲われてる?」
その可能性を考えた竜滅士は、音のした方向へと駆け出す。魔力によって強化された脚力は虎をも超える速度で彼を走らせた。
そして音の発生源へと近づいて来た時、ツンとした臭いが彼の鼻孔を刺激する。 - 165AI士25/02/04(火) 22:22:22
(・・・血の臭い)
もう手遅れという可能性が脳裏を過ぎるが、竜滅士は足を止めずに音のした場へと辿り着く。そこには、
「・・・・・なんだ?」
まず、3人の亡骸。男性で、銃を持っているがブロック玩具のようにバラバラになっている。
そしてその亡骸に囲まれ血の海の上に立つ女性が1人。恐らくまだ十代ぐらいだろう。身体にはベットリと血がついているが、怪我はなさそうだ。
そして不気味に「フーッフーッ」と息を切らしている・・・。
「あー・・・嬢ちゃん?大丈ーーー」
竜滅士が声を掛けたその瞬間、
「ガァァアアア!!!」
突然、女は竜滅士へと飛び掛かった!まるで血に飢えた獣のようだ!
「うおっ!?」
竜滅士は驚きつつも彼女の腕を掴み落ち着かせようとするが、
「っ!? なんつう力!?」
その細腕からは想像も出来ない程の剛力が竜滅士を押し潰さんとする。 - 166AI士25/02/04(火) 22:23:23
「ぬんっ!」
竜滅士は足払いを繰り出して彼女を転倒させる。
地面に転がった女は四つん這いになるが、その風貌はまるで獲物を狙う獅子のようだ。
この女こそ大野 愛美。野盗に襲われてうっかり能力を発動させてしまっただけなのだが、竜滅士がそれを知るすべは無い。
「スゲェな、人間じゃない奴相手にしてるみたいだ」
「ウガァ!!」
再び飛び掛かって来た愛美に対し、竜滅士は背の大剣を取り出してその攻撃を防御する。
ーーガギィインンッ!!ーー
彼女の爪と剣が打つかり、少女と鉄塊が当たっただけとは思えない轟音が山の中に響く。
そして竜滅士と愛美の押し合いが始まる。
お互いが全身に力を込め、地面を軋ませながら大剣を挟んでの力比べ。
それを制したのは、愛美のほうだ。
「ぬぅっ!」
ガリガリと竜滅士が押され始め、地面が削れていく。愛美は雄叫びを上げながら歩を進め、竜滅士の大剣を弾き上げた! - 167AI士25/02/04(火) 22:23:49
「っ!」
「ガァア!!」
そして愛美の剛拳が、竜滅士の腹へと叩き込まれる!!
「ガハッ!」
竜滅士が吹っ飛ばされ、木々を破りながら山の奥へと消えて行った。
「グルルルルル・・・・・」
愛美はゆっくりとその後を追う。
が、程なくして目線先の木々の暗がりから、先程の大剣が手裏剣の如く飛んで来た!
「ガゥッ!!」
それを容易く弾き返し、大剣は近くに生えていた木へと突き刺さる。
すると、
「いやはや、これはいいぜ・・・」
山の奥からユラリと竜滅士が出て来た。所々流血しているが、まだピンピンしている。
「これならいらねぇな?」 - 168AI士25/02/04(火) 22:25:15
竜滅士は敵前という事など気にせず、一度大きく伸びをし、愛美を睨む。
「手加減はよぉ」
次の瞬間、瞬きの一瞬の内に竜滅士は愛美の懐へと迫った!
「グッ!?」
そして彼の拳が打ち放たれる。
「竜殺技法・壊牙ッ!!」
その拳はまるで吸い込まれるように、愛美の腹部へとめり込んだ!
「ゴェッ!!」
続くアッパーカットが、愛美の視界を歪ませる!
「グッ!」
フワリと浮いた彼女へと、もう一撃が加えられる。
「鱗砕脚!!」
体をクルリと反転させ、強烈な後ろ蹴りが愛美を吹っ飛ばした!
「ギャンッ!!」
吹っ飛んだ先で大木に激突した愛美へと、更なる追撃が迫る! - 169AI士25/02/04(火) 22:26:11
「死なないでくれよ!」
木を背にし、逃げ場のない愛美へと、竜滅士は拳を構え、そして!
「竜殺・連舞ッッ!!」
竜の牙を壊す拳が、翼を貫く貫手が、鱗を砕く蹴りが、爪を割る手刀が、それら全てが、連撃となって愛美に叩き込まれるッ!!
ーードガガガガガガガガガガガガッッッ!!!!ーー
まるでマシンガンを連射しているが如き爆音が山へ轟く!周囲の生物は皆逃げ、木々は揺れる!
そして愛美の背の大木が砕けようとした時!
「竜殺技法ーーー」
竜滅士の最後の一撃が!
「ーーー螺旋・壊牙ァッッ!!!」
愛美の体を打ち弾いたッ!!
ーーボゴォォォンンンッッ!!!ーー
大木は塵紙が如く周囲へと飛び散り、愛美は血を噴き出しながら吹っ飛んだっ!! - 170AI士25/02/04(火) 22:26:43
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
腕を捻り、破壊力を上げた『壊牙』を打った竜滅士の右腕が、ブラリと垂れ下がる。
痛めた腕を抑え、思わず片膝をついた竜滅士は、・・・・・自分の目を疑った。
「ガハッ!ゴハッ!・・・フゥ、フゥ、フゥ・・・グフフフッ」
目の前に、最大火力で吹っ飛ばした細身の少女が立っていたからだ。
全身血だらけなのは間違いないが、立っている。竜すら討ち滅ぼす破壊の一撃を食らった女がだ。
「ガァッ!!」
放心する竜滅士に遠慮もなく、愛美の攻撃が叩き込まれる!
「ぐっ!!」
「グァァァアアアア!!!」
さっきの仕返しと言わんばかりの、怒涛の連撃!!竜滅士のような技術ある連撃ではないが、猛獣じみたその身体能力が、その乱雑な連撃を攻撃たら占めている! - 171AI士25/02/04(火) 22:27:18
片腕が使えない今の竜滅士にそれを捌き切る手段はない!ならば!
「ゴリ押す!」
竜滅士は空へと跳び上がる!愛美もそれを追って跳躍!
「爪割!!」
愛美は空までも追ってくる。それを読んでいた竜滅士の手刀!
「ガゥッ!!!」
「ぐぅっ!!?」
が、その手刀は愛美の口で受け止められる!
そして彼女の歯が竜滅士の左手の肉を食い破った!!
「ヌガァアア!!」
「っ!!」
更に愛美は乱暴に竜滅士を掴み、地面へと叩き付けた!
「くぅっ!」
「グガァッ!!」
地面に背を強打し、竜滅士の視界には空が広がる。そしてそこから落下しながら、こちらへと襲い掛かろうとする愛美の姿! - 172AI士25/02/04(火) 22:27:41
「眼穿!」
竜滅士は上から飛び掛かって来た愛美へと両足を突き出し、愛美に蹴りを喰らわせて押し飛ばす。
「グゥッ!」
「チッ・・・」
竜滅士は愛美に食い破られた左手を押さえ、愛美は連撃によりつけられた傷を押さえ、二人は睨みを利かせる。
「・・・・・・」
ジリッ
愛美に恐れをなしたのか否か、竜滅士は少し後退した。・・・それは野生界において自分が相手より弱いということの主張。
愛美に宿る野生の勘は、その隙を見逃したりしない。
「ガァアアアッ!!!」
愛美が地を蹴り、竜滅士へと迫る!
竜滅士は更に後ずさる!
愛美は逃がすまいと竜滅士に飛び掛かった!!
そして! - 173AI士25/02/04(火) 22:28:15
ーーボゴォッ!!ーー
突如、竜滅士の左隣に生えていた木が、引っこ抜ける!!
「グッ!?」
竜滅士はニヤリと笑う!その手には、彼の大剣、ドラゴンバスターが握られていた!!
少し前の戦闘で投擲し、どこかに飛んで行ったこの大剣。偶然にも、落下した彼のすぐ傍にあった木に突き刺さっていたのだ!!
竜滅士はその大剣を、木ごと引き抜いた!!
「ぬぁぁぁあああああッッ!!!」
そしてその木を、愛美へと向けて振り下ろすッ!
ーーバコォォォオオオンンッッ!!ーー
木が一撃で砕け散る!それほどの威力の攻撃が愛美へと叩き込まれた! - 174AI士25/02/04(火) 22:29:09
「グェッ!!」
直ぐ様立ち上がろうとする愛美が顔を上げ、その目が捉えたのは、
「人用の技じゃねぇが!!」
鉄塊の如き大剣を高速で回転させる竜滅士!
「お前なら死なねぇだろ!!」
そして遠心力を得たその極大の剣を、振り下ろすッッ!!!
「蛇刈ッッ!!!!」
ーードガァアアアアッッ!!!ーー
その竜を討つ一撃が、愛美の体を切り裂いた!! - 175AI士25/02/04(火) 22:33:14
勝者!
>>162 竜滅士!
- 176AI士25/02/05(水) 07:12:42
- 177二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 07:42:32
- 178二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 08:29:09
- 179二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 10:57:36
- 18017825/02/05(水) 11:45:43
誤字脱字が多いので再投稿
コユキ
異世界に転生するときに神からスキルを授かった典型的な異世界転生者
ポジティブで楽観的だが敵に対しては結構容赦がない
バカそうだけど戦闘IQは意外と高い
【鑑定】
対象の名前、スキル、戦闘スタイル、弱点などの詳細な情報を一瞬で脳内にインプットするスキル
どの情報をインプットするかは取捨選択できる
弱点:一度に大量の情報をインプットしすぎると脳がパンクしてしまうので一度の使用では必要最低限の情報しかインプットできない(多くて3項目ぐらい)
脳の情報処理の都合でクールタイムは3分程度
【習得】
相手のスキルを正確に模倣して習得するスキル
発動条件として対象のスキルの効果について正確に把握しておく必要があり、基本的に【鑑定】を使って情報を得てからでないと使えない(そのため【鑑定】でインプットする情報の一つは実質「習得したいスキルの詳細」に固定される)
スキルを習得するとそのスキルに対してのみ耐性を得る
弱点:一度に習得できるスキル数は2つが限度(それ以上習得しようとすると最初に習得したスキルが上書きされる)
- 181二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 12:18:44
- 18217825/02/05(水) 12:32:44
1つ目:能力やら技能を全部まとめて「スキル」として定義しています
2つ目:クールタイム挟めばまた最大3項目の情報をインプットできます
3つ目:相手の記述次第です
例えば相手が「パンチ」「キック」とそれぞれ区切って記述していればそれぞれ1つのスキルとして別で習得しますが、「近接格闘術」とだけ記述されていたらパンチやキック等の技も全部ひっくるめた1つのスキルとして習得できます。
特殊能力とかでも「炎を出す能力」と記述されていればその能力そのものを一つのスキルとして習得できますが、「火球」「炎ブレス」といった感じで区切られていたら、それぞれを1つのスキルとして習得することになりますね
また、「炎を出す能力」と「火球」がそれぞれ別に記述されていた場合は、「炎を出す能力」を習得しても「火球」は使用できません
- 18318225/02/05(水) 16:07:30
補足
逆もまた然りで「火球」のスキルを習得した場合、「炎を出す能力」は使えないが「火球」だけ使えるようになる
耐性関連の補足
「炎を出す能力」の耐性を得てもあくまでそのスキルに対する耐性なので炎全般に対する耐性を得るわけではない
また、「炎を出す能力」の耐性を持っていても「火球」のスキルは別扱いになるので等倍で受ける
- 184AI士25/02/06(木) 21:46:54
「はぁっはぁっはぁっ!」
1人の少女が山の中を走っている。コユキだ。彼女は後方をチラチラと確認しつつ、足場の悪い山道をかなりの速度で駆けていく。その運動能力からして、普通の一般人ではないのは明らかだ。
「!」
すると彼女を追うように、何かが山の中から飛んで来る。
「うわっ!」
コユキが飛び込むようにしてそれを回避すると、飛来物はコユキの前に生えていた木に突き刺さった。
それは透明で、白い湯気のような煙を立てる星型の手裏剣だ。どうやら氷でできているらしく、ポタポタと水滴が滴り始めた。
「・・・やれやれ、逃げ足の速い奴だ」
コユキが振り向くと、そこには男が一人。和風の戦闘服に身を包んだ忍者だ。
彼が手裏剣を放ち、コユキを追う張本人、ヒムロと呼ばれている腕利きの忍だ。
「鬼ごっこは終わりにしようじゃないか。さっさと諦めたほうが楽だぞ?」
そういうと、ヒムロの自分の手元に氷の刀を創り出す。この氷を生み出す【氷遁】が、ヒムロの得意とする忍法だ。 - 185AI士25/02/06(木) 21:47:53
「・・・・・忍者が堂々と姿を見せるだなんて、ちっとも忍んでないじゃないですか」
「問題無い。お前を殺せば、目撃者はいないも同然だからな」
ヒムロが剣先をコユキに向け、歩み寄って来る。
が、コユキはニヤリと笑ってみせた。
「そういうことじゃないですよ」
コユキが話し終わる前に、ヒムロの氷刀が彼女の首筋目掛けて振るわれる!
しかし、その一撃は硬い何かによって防がれた!
「私に姿を見せるのは愚かだなってことですよ」
「なにッ!」
ヒムロが振りかざした刀は、コユキの左手にある氷の塊によって受け止められていた!
「俺の忍法ッ」
ヒムロが驚いている隙に、コユキの右手には氷の刀が生成される。
「とりゃぁ!」
「ムッ!」
コユキはその刀を思い切り振るうが、ヒムロは跳び退いてそれを避ける。
「・・・俺の忍法・・・偶然か?・・・いや、事前に与えられた暗殺対象の情報にはそんなこと・・・」 - 186AI士25/02/06(木) 21:48:26
ヒムロは今回の任務の為に渡されていた資料の内容を思い出す。
「・・・・・・なるほどな、確かに不用心に姿を見せるのは迂闊だったな」
そして一つの結論に至った。
今回のターゲットであるコユキという少女は、これまでに様々な能力の使用が確認されている。火炎放射、瞬間移動、空中浮遊などなど・・・。
しかし、先程までにそれ等の能力を使った様子はない。
そしてヒムロが姿を見せた途端、ヒムロと同じ術を使い始めた。つまりこれは、
「相手の固有能力や使用する術のコピーか?・・・だがそれをストックしておく事はできないと見た。できるならとっくに使ってるはずだしな?」
「さぁ?どうでしょうね?」
「まぁ、俺の氷遁は氷を創るだけで、どんな形状の氷を生み出すかは本人の技術次第な訳で・・・初見で刀まで創れるその器用さは褒めてやろう。だが、」
ヒムロは片手に三つずつ、合計六つの氷手裏剣を創り出す。
「俺の忍法は、ただ真似ただけで実戦投入できるほど甘いモノじゃない!」
そしてその六つの手裏剣を、コユキ目掛けて投擲!全ての手裏剣は一見すると四方にバラバラに飛んで行ったようで、コユキには当たらないかと思ってしまうが、それは間違いだ。
手裏剣全て、形状が僅かながら異なっており、ある物は真っ直ぐに、ある物はカーブを描きながら、コユキへと飛来する! - 187AI士25/02/06(木) 21:49:53
「っ!」
コユキは身長が高くなく、小柄の少女だ。彼女はそれを活かし、自分が覆えるサイズの最小限の盾を氷で創り出し、手裏剣から身を守る!
「甘い!」
しかしヒムロはそれを読んでいた!
片足の裏に氷を張り、もう片方の足で地面を蹴る。
するとまるでスケートリンクの上を滑るかのように、ヒムロの体は素早く滑らかに前進した!
そしてあっという間にコユキに接近し、両手を振り上げる!
次の瞬間には、その両手には氷の戦鎚が出来上がる!
「破ァアッ!!!」
そしてその氷戦鎚を、思い切り振り下ろした!
「うっ!」
コユキの創った氷盾は砕け散り、彼女の姿が露わになる。
「貰ったぁ!!」
ヒムロは戦鎚を直ぐ様刀に変形させ、コユキへと突き出した!
先程の戦闘で、コユキの格闘戦能力が高くないことは判明済み!彼女にこれを防ぐ手立てはない!
そう思っての行動だったのだが、
「はぁっ!!」
コユキはまるで熟練の戦士のような身の熟しで、その剣撃を回避した! - 188AI士25/02/06(木) 21:50:37
「んんっ!?」
そしてコユキの手にツララのような氷の杭が生成される。彼女はそれを、ヒムロの脇腹目掛けて振りかざした!
「フンンッ!!」
惜しくもその攻撃は、ヒムロが自身の脇腹に咄嗟に張った氷によって防がれる。これはコユキの動きを読んでいたのではなく、長年忍者として戦ってきて培われたヤマカンだ。
「どりゃぁッ!!」
「うわっと!」
ヒムロの続く攻撃もコユキは回避し、一旦ヒムロから離れて距離を取る。
ヒムロも深追いせずに息を整え、脇腹に張った氷の鎧に突き刺さっているツララを引き抜いた。
「・・・んん?・・・・・」
違和感を感じ、ヒムロはしばらくそのツララを眺める。
(・・・不格好だ・・・まるで始めて陶芸をやった初心者が、見様見真似で創った壺のような・・・先程は精巧な氷刀を創って攻撃してきた女が、咄嗟とは言えこんな歪んだ武器を?)
ヒムロの中に疑問が生まれ、その疑問を忍者として鍛えられた頭脳が瞬く間に解明していく。
そして導き出された解は、
「分かったぞ。模倣できるのは能力術だけでなく、その技術もだな?・・・まぁ、そもそも忍法も魔法も、言ってしまえば時間さえあれば誰にでもできる人の身の技法の一つ。それを模倣できるならば、武器術や体術、能力の操作術までも模倣の対象か・・・」 - 189AI士25/02/06(木) 21:51:12
ヒムロはツララを握り砕き、続ける。
「だから初見のはずの氷遁でも、熟練者のように精巧な武器が創れた訳だ・・・そして先程の身の熟しも、俺の体術を模倣した結果、という事だな。・・・だが、それにも制限がある。だろ?」
「さぁ?制限なんてありませんよ?」
コユキは再びニヤリと笑って答えるが、ヒムロにはそれが嘘だと分かる。
「制限がないならば、先程のようなツララは創らんだろう?お前は俺の氷遁と、体術と、氷の生成技術をコピーしたはずだ。だが俺が接近した時、明らかに氷の生成技術が落ちた・・・その変わりに俺の体術を使用した。つまり、模倣できるスキルは二つまでだな?」
コユキは常にヒムロの『氷遁』をコピーし、コピーのもう一枠は『体術』と『氷生成技術』の二つを状況に応じて切り替えて使っているという事だ。
これにより、ヒムロが攻撃してくれば『氷遁』と『体術』で応戦し、隙があれば『氷生成技術』に切り替えることで、鋭い攻撃が可能になるという寸法だ。
「確かに厄介。態々暗殺依頼が忍に回ってくる訳だ。・・・だが、所詮は相手の技術ありきの能力・・・その上に制限まで掛けられている。そんな弱い能力、弱い身体の相手に遅れを取る我々ではない」 - 190AI士25/02/06(木) 21:51:49
すると、ヒムロの体からユラユラと白い湯気が上がり始める。
瞬く間に湯気は周囲に広がり、冷たい濃霧となって辺り一面を包み込んだ!
「くっ!前が見えないッ」
コユキの視界は一気に悪くなる。数メートル先すらよく見えないほど濃い霧だ。
(・・・私の【習得】は相手を一度【鑑定】で視認しないと使えない・・・これじゃあ状況に応じて切り替える戦法はもう使えない・・・このまま【氷遁】と【体術】の二つで切り抜けないと・・・)
コユキがそんな事に考えを巡らせていると、
――ヒュルルルッ――
と、嫌な音がする。
などと思ったのも束の間、コユキの肩に氷手裏剣が突き刺さった!
「ぐあっ!?」
「俺は忍者だ。暗闇での暗殺も十八番。その為に視覚に頼らない戦法も心得ている・・・相手を見えないんじゃ今じゃ、これはコピーできまい?」
「くっ!」
コユキは再び氷盾で周囲を覆い、手裏剣の飛来に備える。
また接近して来たら、互角に体術勝負に持ち込める。これならば十分な勝機がある。 - 191AI士25/02/06(木) 21:52:11
「ふむ・・・接近戦なら勝ち目があると・・・思ってるのか?」
突如、背後から声。
コユキは驚きつつも、後ろへ向かって蹴りを繰り出す。しかし、
その蹴りは、ヒムロに容易く受け止められる。
(!? 体術は互角のはずッ!)
「お前がコピーしたならば体術は確かに互角だろう・・・だがな、」
ヒムロは蹴り出されたコユキの足を掴み、彼女を放り投げた!
「体格差と筋肉量は変わるまい?」
そして足裏に氷を纏ってコユキに接近し、
「格闘戦に於いて、身体差は大きなステータスだ」
地面を氷で滑る勢いを利用し、素早く回転して鋭い回し蹴りを繰り出す!
「『滑氷脚』ッ!」
「ぐぅっ!」
戦士の蹴りをモロに受け、コユキは吹っ飛ばされるが、ヒムロは止まらない。また地面を滑ってコユキに迫り、今度は右手の拳に氷を纏わせる。
「今まで、感じた事はなかったのか?」 - 192AI士25/02/06(木) 21:52:52
その拳がコユキの腹に叩き込まれるや否や、拳に張り付いていた氷が破裂する!
「『氷炸拳』!」
「ガハッ!?」
打撃のインパクトと同時に氷を炸裂させることで、打撃を強化する、【氷遁】の技術の一つだ。
コユキの腹と口から血が飛び散り、彼女は地面を転がった。
「げほっ、げほっ・・・ぉえ゛・・・」
「さて、諦めたほうが楽と言った意味が分かってきた頃かな?」
ヒムロは氷の刀を創り出し、それを握ってゆっくりとコユキに歩み寄って行く。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
コユキは腹を抑えながらも、氷遁を使用して手裏剣を創り出し、それをヒムロへと放った。
しかし、それは2本の指で容易く受け止められる。
「やれやれ・・・なんだその投げ方は?全然なってない。もっと撓らせて投げるんだ。そしてなんだ、この手裏剣は?形は歪んでいるし表面はガタガタ・・・というかトゲトゲ。まるでタワシじゃないか・・・折角忍者の術を扱わせて貰っているのだからもっと誠意を持って欲しいもので―――」
ヒムロがコユキに接近ながら、タラタラと語っていたその時、それを遮るようにコユキが呟いた。
「それが、いいんですよ」 - 193AI士25/02/06(木) 21:53:48
「は?」
「【習得】解除」
その瞬間!
――バキャァッッ!!――
「ッ!?」
ヒムロが手にしていた、コユキの投げた手裏剣が破裂した!
トゲトゲとした手裏剣の表面が周囲に飛び散り、破片の幾つかがヒムロの顔に突き刺さる!
あの手裏剣は、コユキが【習得】によってコピーした氷遁によって創られた氷!
つまりコユキがその忍法のコピーを中断すれば、生成元を失った手裏剣は破壊される!それを利用した目潰しだ!
「【習得】選択変更!!」
コユキはコピーするスキルを変更する!
彼女の手には、先程ヒムロが投擲し、彼女の肩に突き刺さった精巧な氷手裏剣!
コユキはヒムロの投擲技術をコピーした!
「ンどりゃぁぁあああああッッ!!!」
そして腕は鞭のように撓り、手裏剣は最高速度で真っ直ぐに、ヒムロ目掛けて飛んで行く!! - 194AI士25/02/06(木) 21:54:02
「!!」
氷の破裂により隙が出来たヒムロが前を向くと、そこには自分の生成した手裏剣の刃。
ヒムロは、自身の生成した触れずに氷をコントロールすることは出来ない。
「南無さ―――」
手裏剣は無情にも、ヒムロに祈りの時間すら与えず、彼の顔面を貫いたッ!! - 195AI士25/02/06(木) 21:55:40
- 196二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 23:11:12
お疲れ様でした
キリエちゃんが思ったより格好良く戦ってくれたので満足
またやるなら参加したいです
次回やるなら夜の学校とかみたいな建物内での戦いとか見てみたいです - 197二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 15:42:04
面白かった!
次のフィールドなら、高い所とか船の上とか、移動に制限のある場所とかだとおもしろそう! - 198二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 17:53:08
今回も面白かったです!
提案なんですが、キャラの実力差が大きいと勝負が一方的になってしまうことがあるので、そういった場合に限りハンデを設けるようにするのはいかがでしょうか?
イッチさんへの負担が大きいかもしれませんが、よければ検討していただけると嬉しいです - 199二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 18:02:57
ぐみ
- 200二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 18:03:07
ところでこれは私の猫さ