「閲覧注意」SSを書きました

1二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:43:03

仮面ライダーガヴのSSを書きました。ヴラムとショウマのやり取りに思いを馳せて生まれた産物です。供養したいと思ったので此処に投稿してみようと思います。原作と違うところがありましたら笑ってやってください。そして界隈初心者なのでなにか問題があったら言ってください。修正または消去の措置を取らせていただきます。
よろしくお願いします。

2二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:44:15

「ヴラム、話って？」

目の前には黒装束の彼。水色を覆い隠して、闇に染まることを選んだ彼。ヴラムは俺と同じだった。大切な家族を失った、グラニュート。彼の話した過去は重く、痛かった。それはダルがりな彼を突き動かすのに十分な衝動で、だから俺たちの前に立ちはだかって。でも、もしそうならこれ以上戦わなくてもいいんじゃないか。ライダー同士助け合うことができるんじゃないか。俺にとってそれは希望だった。今度こそ、今度こそ。きっとヴラムは俺の提案に答えに来たんだ。ごくりと生唾を飲む。ピリピリと緊張感が高まるのに、彼の口が開くのを待った。

「赤ガウ………。何人だと思うか？」

ヴラムの口から放たれる意外な言葉。組むか組まないかしか想像してなかったから驚きになんて返せばいいか分からない。ただ無反応も良くないと焦ったようにオウム返しで返事をする。

「何人？………………何人って…？」

そうすると、ヴラムはダリいとでも言うように小首をかしげて、吐いた。

「132人………俺がプレスした人間の数だ。」

「分るか？」

「お前が殺してきた闇菓子中毒の奴らと同じだって事だ。」

「それに、」

「お前はコメルのことを何も知らない。そんな奴が何をどうやって協力するんだ？俺と一緒にストマック社に取り入るのか？」

「…………そんなわけないだろ。」

3二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:47:02

奴らとは協力しないって言った筈なのに。ヴラムのそれは試すような口振りだった。駄目な要素を箇条書きして、此方の反応を見ている。

「俺はコメルをやった奴を見つけ出して、殺す。その為には何だってやる。何を犠牲にしたって構わない。」

4二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:47:36

「お前はどうなんだよ、赤ガウ。」

「俺は………。」

彼の目には灼熱の復讐心と寒冷の哀しみがあった。苦しそうだ。怒りは痛い。失うのは辛い。それは俺も知っていること。だからこそ、彼の言葉に真剣に答えようと思った。

「９体。」

「俺が殺したグラニュートの数だよ。」

沢山殺めてきた。闇菓子欲しさに人間を襲うグラニュート。彼等にもヴラムみたいな家族が居るはずなのに。

「手段を選んでないのは俺も同じだ。もう誰の幸せも奪わせたくないから。同族殺しでもなんでもやってやるって決めたんだ。」

「ねぇ、ヴラム。」

「俺達、似た者同士だね。」

彼の瞳が大きく見開く。

「手を組もうよヴラム。君がもう奪わないように、奪われないように。」

そう言い放つと彼は笑った。

5二次元好きの匿名さん25/01/19(日) 19:47:50

「ハッ、どこが似てんだか。」

それは、自嘲のような、安堵のような。

「手を組もう、だったな。」

「いいさ、協力してやるよ。」

そう彼の手が差し出される。

「ラキア・アマルガだ。宜しく。」

俺は迷わずその手を取った。ラキアはラキアの、俺は俺の目的を叶えられるように。眩しくて、戻らない瞬間をもう誰にも奪わせないように。絆斗は怒るかな。でも、それでも。

「俺はショウマ、よろしくねラキア。」

固い固い握手が交わされる。その契りは血塗れでも、俺にとって確かな希望だった。