- 1125/01/21(火) 22:40:16
- 2125/01/21(火) 22:40:32
- 3125/01/21(火) 22:40:42
- 4125/01/21(火) 22:41:28
- 5二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 22:42:57
立て乙
- 6二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 22:45:29
あざっす
- 7125/01/21(火) 22:47:45
おつあり!
そんじゃ今日の分あげていくね
その騒動は一枚の写真から始まった。
今年の文化祭でやる出し物を決めようと話していた時、いまいち何を出してもピンとこなかった二年A組は「過去の卒業アルバムを見れば良いヒントが貰えるのでは」と考え、過去五年分を漁ることにした。
そこで、ある衝撃の一枚を発見してしまう。
「ねえねえねえねえ! これ先生じゃない!?」
「なに?」
「わあ! 若い!」
「わ、髭剃ってる」
「髪も短くない!?」
「なになになになに、見して」
芦戸が持って来たのは四年前の文化祭準備中の写真だった。今よりも少し若い相澤が画面の端っこの方で指揮をとっているのが見える。写真に写りたがらない彼にしては珍しいショットだった。
さらに珍しいのは、彼がヒーロースーツを着ていながらもトレードマークの無精ひげをきっちり剃って清潔な短髪にしているところだろう。見たことのない担任の姿に生徒たちは思わず沸いた。
「えー! こっちがいい!」
「こっちとか言うなよ失礼だろ」
「でも先生絶対こっちのが似合うよ!」
「ケロ。そうねえ、たしかにこっちの先生の方が「先生」って感じがするわ」
「文化祭で親御さんとか来るから剃ったのかな」
「でもこれ準備中ですわ」
「あ、本当だ」 - 8125/01/21(火) 22:48:18
記者会見以外で相澤が自分から髭を剃ったことなど見たことがない生徒たちは首を傾げた。大きく広げた卒業アルバムを大勢で囲んでみていると、後ろから来た長い腕がそれを取り上げる。
「ずーいぶん懐かしいモン見てンなあ」
「プレゼント・マイク!」
「マイク先生!」
「Hey ボーイズ&ガールズ。何やってんだ?」
「今年の文化祭何やるか決まらなくて、昔の文化祭から何かヒント貰えないかと思いまして」
緑谷の冷静な返しにマイクは「なるほどなあ」と笑う。アルバムを芦戸に返すと、聞きたくてしょうがないと言った様子の少年少女たちが該当のページを開いてマイクに突き付けた。
「ねえ! 先生って昔髭剃ってなかったんですか!?」
「いつから剃らなくなったのかしら」
「髪伸ばしたのっていつから!?」
「なんで今は剃ってないんですの?」
「オーケイオーケイお前ら。いったん落ち着け~」
マイクは口角をあげたまま掌を下にしてボリュームを下げるジェスチャーをする。興奮冷めやらぬ生徒たちは早く答えが知りたいと目を爛々とさせていた。
その熱量に少しだけ気圧されつつ、マイクは「それはなあ」と切り出す。
- 9125/01/21(火) 22:50:21
- 10125/01/21(火) 22:50:55
一瞬の間。
だがすぐに堪えきれないように誰かが噴き出した。
「いや、ちょ、そう言うのは冗談でもちょっと」
「先生が女誑かすって」
「ちょっとおもろいなそれ」
男子陣が失笑交じりに笑い始める。
皆、あの担任の顔を頭の中に思い浮かべていた。無精ひげで髪もぼさぼさ、服はほつれていて寝袋で移動する、見た目からして不審者な男。
はっきり言って女にモテる要素などどこにもない。鼻で笑うという表現がピッタリな笑い方をする男子陣の中で、轟が徐に声を上げた。
「そう思わせるのが狙いってことか?」
「どゆこと?」
上鳴から出た当然の疑問に、言葉を引き継いだのは意外にも爆豪だった。
「あんだけ見た目不審者だったら何やっても差し引きゼロで恋愛に発展しねえだろっつーことか?」
「ザッツラーイレットーセーコンビ!」
「じゃかあしいわ」
「なになにわからん」
- 11125/01/21(火) 22:51:54
それでもなおわからないという上鳴と同じく首をかしげる峰田。だが隣で女子陣は静かに頷いていた。
「確かにあの会見の見た目だったら……」
「髪短くしてね、したら悪くないかも」
「そうでしょうか、十五歳も年上の方ですのよ?」
「うーんでも大人な男性って感じで逆に」
「私は今のままでもとっても素敵だと思うわ」
「つ、梅雨ちゃん……!」
「ケロ」
「え、何女子は分かる感じ!?」
自分たちの知らないところで納得が進んでいく様子に男子の一部が焦り始める。マイクは彼らの雰囲気が良い感じに混沌としてきたのを見て、ようやく口を開いた。
「女子と男子の何人かは勘付いたと思うが、アイツ顔はそこまで悪くねえだろ? で、あの身長と声。雄英入る前は女が途切れたことなかったのよ」
「えー! 意外!」
「それ先生居ないところで言って良いんか」
「これオフレコな」
今更箝口令を敷きつつ、マイクは言葉を止めることをやめない。おしゃべりなのはラジオDJの性なのかもしれなかった。
- 12125/01/21(火) 22:53:02
女が途切れなかった、という言葉に八百万が「先生……不潔ですわ……」と口元を抑える。それをマイクは手を振って否定した。
「あ~、アイツが女とっかえひっかえしてたんじゃなくって、女の方が「私が居ないとこの人はダメになっちゃう~!」って勝手に押し掛け女房してはアイツの無関心さに耐えられなくて逃げて別の女がまた来て……って感じだったんだよな」
「女性の方が?」
「そうそう。アイツ付き合ったことある女み~んな相手からのアプローチだから」
峰田が血涙を啜る。「クソッ! これだから高身長は!」「峰田は身長あってもモテなかったと思うよ」芦戸から軽くあしらわれてさらに泣いていた。
女性が途切れたことがない、と言われて男子陣はあまりピンときた様子ではなかったが「押し掛け女房をされていた」と言われて女子は思わずうなり声をあげて納得していた。
- 13125/01/21(火) 22:54:01
「わ、わかるかも……」
「な、ちょっとわかる……」
「わかんの!? 女子!?」
気まずげに頷く女性陣に男子が大きな悲鳴を上げた。その中には納得している麗日に動揺した緑谷も含まれている。
「え、な、何が分かるの?」
「うーんなんていうか、私がおらんとこの人ダメになっちゃう! って言うの見ると、ちょっとお世話したくなっちゃうって言うか」
「へ、へえ」
「いやいやでも! 私はやっぱ自立してる人の方が良いって言うか!」
「そうなんだ!」
分かりやすく元気になった緑谷に爆豪が舌打ちをした。話を聞いていた轟は一人首をかしげる。
「でも先生ってそう言うの無くないか?」
言われて、生徒たちは相澤を改めて思い起こした。確かに食事をゼリーで済ませたり寝袋で寝たりと少々合理性を通り越している部分がないこともないが、基本的に彼は自立した男性だ。
そこまで誰かが世話を焼かなければと思わせるようなダメ人間ぶりではない。
- 14125/01/21(火) 22:55:41
「アレでもかなり矯正したんよ……」
「えっ、あれビフォアフのアフターっすか!?」
「そうなの……昔はもっと抜けてるところがあったっつーか、無防備だったっつーか」
マイクが遠い目をする。
どうやらかなりの苦労を要したようだった。
「いやね、アイツの女性遍歴的に最初は校長すら「ちょっと女性問題を持ち込まれるわけには」って難色示してたくらいなんだけどよ」
「あの校長が……!?」
「どんだけ付き合ってたんだ」
「まあ相澤が女好きなわけじゃねえし、アイツは子供に言い寄られてもちゃんと断れる理性持ってっから問題ねえかって採用になったんだけど」
マイクが頭を抱える。「そしたらアイツ初出勤日に髪切って髭剃って髪切ってきやがってさ」項垂れながら発せられた言葉に生徒たちは驚愕した。
「えっ、先生やる前は逆に生やしてたんですか!?」
「も~バリバリ生やしてた。今より不審者感マシマシだったし。それが先生やるってなったら「TPOに合わせた容姿にするのが一番合理的だ」って身綺麗にしてきてさあ~」
- 15125/01/21(火) 22:56:54
「それは良いことなのでは……」
飯田のツッコミにマイクは首を横に振った。
違うらしい。
「俺も最初は「おっ、こいつちゃんとTPOって言葉分かってたんだな~感心感心」くらいに思ってたんだけどよ……初年度の受け持ちで相澤に惚れた女子が出ちまって」
「まあ」
マイクは当時のことを振り返りながら話す。
一年A組を受け持った相澤はぼろぼろのヒーロースーツに身を包んでいた物の、最低限の身だしなみを整えて教壇に立っていた。
彼は合理的な男だ。「教師であり大人である以上不快感を与えない見た目である必要性は大きい」と今では考えられないことを言ってその見た目を維持していた。本当に最低限の「そこら辺に居るお兄さん」レベルになった相澤は、生徒たちから警戒をされず初の担任とは思えないほど優秀な生徒たちを除籍しつつ育てていた。
の、だが。
学年が変わろうかというバレンタイン、相澤の元にやってきた女生徒がいた。彼女は“個性”の伸ばし方について相澤から指導を受けていて、自分のことを深く理解してくれる彼に恋心を抱いたのだという。
- 16125/01/21(火) 22:57:57
- 17125/01/21(火) 22:58:52
「イケメンがモテんのはまあもう納得すんだけどよ、正直同レベルじゃね? って感じのツラの人がモテてっと「俺の何が悪いんだよ」ってならねえ?」
「わかる」
「そういうとこだろテメエらはよ」
虚無顔の二人に爆豪がとどめを刺す。
三年間で三人の生徒に告白をされた相澤の話はまだ終わっていなかった。
「問題になったのがその年の卒業式で」
「おっ、一年目の告白の人の卒業式っすね」
「ソーなの。その年にさア、改めて告白した卒業生と、その場面を目撃して「抜け駆けして!」って駆けつけた二年生と二人出し抜こうとした一年生が合わさって」
「お、おああ……」
「乱闘騒ぎにはならなかったけど、保護者から見ると若い男を取り合ってる生徒三人になっちまってよ」
それは大変そうだ。
マイクは手を大きく振り上げて「保護者説明会と状況説明でも~てんてこ舞い!」と叫ぶ。当時の苦労が緑色の瞳から溢れていた。
「で、三人に聴取したら見た目と教育における真摯な姿勢、それから真面目な時とのギャップが情緒不安定な一年生にクリーンヒットしたってことが分かった」
「だから今の先生になってるんですね」
- 18125/01/21(火) 23:00:07
「そゆこと。だから今の相澤はアイツなりの努力の結果ってこと」
「先生も大変なんやなあ」
相澤の苦労を考えて生徒たちはしみじみと頷いた。
彼がモテていたという事実よりも、今の姿が彼なりのリスク対策と言うのが涙ぐましい。
しっとりとした雰囲気になると、それまで黙って見守っていた心操が口を開いた。
「なあ、これ今年の文化祭に生かせるんじゃないか?」
それは、相澤の弟子である彼にしては意外な提案だった。
二年A組の文化祭にて短編映画「格好いいアイツはちょっと抜けてる!?~ギャップな彼にメロメロキュン~」が放映されると、主人公のギャップにキュンとする、という評価が多く集まりとてつもなく好評な結果となった。
すぐに誰をイメージしているか相澤は勘付いたが、実際の人物であることを仄めかさないように徹底的に元の設定からかけ離れた人物像にしていることから生徒たちへの言及を避け、代わりに吹き込んだ張本人であるマイクはしばき倒された
- 19125/01/21(火) 23:03:46
- 20125/01/21(火) 23:09:50
唐突な夢で申し訳ないんだがこの「イケメンの画像検索してたらヤだなって言ってくる相澤消太」は私が見たいシチュでもある
そこで私のことやっぱ好きなんだ…私も消太のこと好きだよって思ってたのに全然会ってくれないし段々疲れてきちゃって私の方から別れを切り出して「今までありがとう」って言われるんだ
そのあと一人になった家であんなに好きだったのにって思って泣くんだ
先生俺死にたいんですよ
- 21二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:09:51
スレ主ありがとう大好きだ‼︎
- 22二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:12:34
女を沼らせる相澤消太良すぎ
俺も先生に振り回されてえよ - 23二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:17:30
先生の沼男味めちゃくちゃ分かる
そっけなく見えて人のことちゃんと見てるし優しいし割と繊細だったりギャップありすぎてズルい
後シンプルにダウナー系の顔面と雰囲気がズルい - 24二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:20:24
八百万が引いてたり安易にみんなが格好いい!って言い出すんじゃないところスレ主の癖を感じる
先生のギャップずるいよなわかる - 25二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:25:03
先生との夢想像してもなぜか最終的に別れる流れにいくのめっちゃ共感しすぎてやばい
なんならこっちは別れてもまだ引き摺ってんのに先生はもう過去として精算してて欲しいまである - 26二次元好きの匿名さん25/01/21(火) 23:29:24
多感な高校生の時期にあんな大人いたらそりゃ狂う人は狂うよ、仕方ない
本人何にも悪い事してないのに事案過ぎる絵面が出来上がるの笑うわ - 27二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 07:39:59
女性関連がややこしくなりがちな先生好きすぎる
先生は絶妙な世話焼きたい感と自分への頓着の無さが悪魔合体しとる - 28二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 12:28:45
先生は万人にモテるタイプじゃなくて刺さる人に死ぬほど深く刺さるタイプだと思ってるからこういう先生本当に好き
狂わされてえ〜 - 29125/01/22(水) 19:18:34
ごめん今日何もかけないしなんもできないんだけどこれだけ言いにきた
ヴィジランテのPVに相澤先生が出てきたからみんな見て - 30二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:09:36
ヴィジのpv意外と先生出てきてびっくりした
なんだかんだちゃんと五体満足で戦闘してる先生見れるの楽しみかも - 31二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:40:30
スレ主忙しいのにお知らせありがとう
亀なんだけど前スレのTAKUYAがSHOTAにガチ恋してるってのを見てなにかがずっと刺さってる
いつか二人の話も見たいぜ - 32二次元好きの匿名さん25/01/22(水) 22:58:34
掘り返すけど…
そっくりさんの話結構気に入ってたりする
この後のヒーローたちへの災難を想像するとニヤニヤする - 33二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 07:23:13
ガチ恋情報知ってからTAKUYAの設定の
>SHOTAに勉強を教えてもらう時間が今は一番好き
を読むたびに温かい気持ちになる
- 34二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 18:32:16
体調不良ネタが大好きだけど「A組は体調管理しっかりしてるしそんな崩したりしない…!先生もしない…!」って思ってしまう人間だから戦闘の後遺症で体調悪くなる耳郎ちゃんの話ブッ刺さったんだよね
あの話本当好き - 35125/01/23(木) 21:56:22
遅くなってすまん!
日曜まで来れなくなってしまった
申し訳ないが保守頼む〜! - 36二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 23:35:59
保守了解!
のんびり待ってるやで - 37二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 07:38:34
スレ主の相澤先生ちゃんと優柔不断で流されやすいとこと大人/ヒーローとしてかっこいいとこ両方描いてくれるからすこ
- 38二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 08:15:29
いつもこれ無料で読めてええんかな…って思いながら読んでる
ほんま命助かる - 39二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 12:04:33
念のため保守
- 40二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 21:51:00
保守
- 41二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 21:55:36
アイドル=女の子っていう思い込みのせいで最初プロテインとか飲んでフィルターで少しでも可愛らしさをアピールしてる腹筋バキバキアイドル澤♀が脳裏に浮かんでしまったんだよな
フリフリな衣装と綺麗なシックスパックでニッチなファンを喜ばせるドル澤♀
某漫画の巻末おまけのせいなんだけど - 42二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 23:40:00
スレ主いつもありがとうね…
- 43二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 09:32:24
転生ネタが好きでドルパロも好きだから今書いてるドルパロ見た時設定が天才すぎて興奮しちゃったよね
転生の切なさとドルパロの可愛さ両方あって無敵すぎる - 44二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 09:39:13
ここでしか摂取できない先生の話が多すぎて毎日来てss読み返してる
兄妹澤にドル澤、乱交♀澤、有罪澤、あと上位種に可愛がられる澤とか助けた姉妹に眠姦開発される澤とか……完全にスレ主に性癖破壊されたよ……… - 45二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 17:46:35
女性優位系が完全にここのおかげで目覚めた
個人的にミッナイとのドムサブと女体化先生の峰田回がやばすぎた - 46二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 22:36:06
オル相♀の初夜が好きこう言うのを待ってたんだよって思ってる
- 47二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 22:36:21
スレ主の文章って引き込まれるものがあるんだよね
初代スレからずっと追っかけてるけど頭にスって入ってくるから読み飽きない
ちなみに俺は最初のお話からずっと脳焼かれてる
死ネタが美しいって思ったの初めてだったからマジで衝撃だった - 48二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 00:34:16
スレ主のモブ夢好きだよ
モブ達はヒーロー達と違ってちゃんと俗っぽいとこがあるのがいいしドストレートに恋人のやりとりしてる先生が見れるのも好き - 49二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 09:07:00
スレ主の書く先生の美化されすぎてないところが好き
格好いいところも格好つかないところも全部書いてくれるの信頼しかねえ - 50125/01/26(日) 16:59:01
皆保守とか色々ありがとう
今日は何書こうかなあと悩んで結局決められなかったので書こうと思ってる物でダイス振るね
1.配信 者相澤先生ASMR事件
2.ドルパロ澤TAKUYAのガチ恋事情
3.男夢主x相澤♀ハメ撮り流出事件
4.プリンの日なのでプリン作る8年後相澤先生とエリちゃん
dice1d4=2 (2)
- 51125/01/26(日) 16:59:54
TAKUYAのガチ恋事情を書いて来るぜ
そんなに長くならないと思うから21時くらいに出しに来れるはず! - 52二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 17:03:37
おかえりスレ主
配儲相澤先生のASMR事件…!!????? - 53二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 17:14:16
なんだろうな
ASMRが絶対咀嚼音とかガラス叩く音とかそっち系ではないことだけは分かる
俺の消しゴムさんにまたガチ恋が増えてしまう…
TAKUYAのガチ恋事情も楽しみすぎるぜ!
待ってるね - 54二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 17:43:38
スレ主おかえり!
なんだその夢のような4択……全部気になる………
TAKUYAのガチ恋事情楽しみ! - 55125/01/26(日) 20:01:05
21時無理だわ22時に持ってきます
- 56125/01/26(日) 22:09:42
書いてきたで!
すまんクソ長くなった上に「これ全部TAKUYAが先生に脳焼かれた話であって先生の話じゃねえな…ほぼオリキャラの話やんけ」となってしまったのでURLでお送りするぜ
オリキャラに興味ない人は悪いが明日短いもの持ってくるんでそれまで待ってくれやす…
ドルパロ澤(ほぼTAKUYAの話) | Writening ドラマの撮影現場で数式やグラフが書かれたノートを広げていると、さすがに目立つのか後ろから声がかかる。 「勉強熱心ですね」 「……有難うございます」 同じ年頃の女性アイドルが興味津々と言った様子で…writening.net - 57二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:12:15
正直スレ主の書いた物ってだけでかなり信頼度あるからオリキャラだろうとなんだろうと美味しくいただくぜ
今日も読ませていただく - 58二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:24:40
うわー!
野暮だけどショータの本名がめっちゃ気になる… - 59二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 22:26:11
予想の百倍こんがりTAKUYAの脳が焼かれてる…
そして実家の毒感すげえ
中学卒業はしてるけど通わせて貰えなかったのえぐいな - 60二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 23:00:51
相澤家に養子がいてそこにSHOTAの居場所は無いことを前世に囚われてる報いだって言われてるのに違和感があったというか、罰当たるほど前世アピしてなくね?って思ってたんだけど、自分でショータ名乗ってるのはバチバチに囚われてるじゃん…ってなった そりゃ報い受けるよな…
- 61二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 23:02:59
今までの環境のせいからか自分の居場所や自分を認めてくれた人に対してじっとり重めなTAKUYAいい
あとメンバー目線のショータが本当に自分たちのグループを大事に扱ってくれてるのが伝わってきてメンバーからの愛が重めになるのも納得 - 62二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 23:13:29
正直なんで先生がリスク背負ってBLACK CASEを選んだのかよくわかってなかったからこういう理由があったのわかったの嬉しかった
ミツキずっと人を否定しない言葉を使ってて本当に優しいんだろうな…
それはそれとして押しに弱い&馬鹿&世間知らずの3人の代わりにしっかりしないといけないアキラの心労を思うと涙出てくる
めちゃくちゃ感想あるのにまとまらねえ
また投げにくるわ - 63二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 23:35:47
やばいこの調子でメンバー全員のメイン回見たらスマホになってしまう
既にTAKUYAのことだいぶ好きだし愛着がすごい
勉強教えてもらってるんですよ〜ってTAKUYAに言われてタクショーラブラブじゃん!とか言うクソオタクになりたい - 64二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 07:18:20
話読む度にメンバーに愛着湧いてくるの分かる
TAKUYAが自分の家庭や境遇に対してコンプレックス感じてるの伝わってきて凄い愛しくなってくる
ショータと答え合わせしてるとこは若干欲が滲んでたけどめっちゃ温かい気持ちになった - 65二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 15:39:20
メンバーがワイワイキャッキャしてるだけの番組を実況スレに書き込むモブになりてぇ
それはそれとしてASMRの話は読みたい - 66二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 16:00:57
ハメ撮り流出事件が気になりすぎる
- 67二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 17:53:46
- 68二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 18:41:45
- 69二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 19:22:06
>生きてて、生まれてきて、良かった!
泣いた、もうこれからは幸せしかない人生歩んでくれ
この前の文章で恋してハッピー全開になってるのも可愛すぎる
- 70二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 19:45:07
ただいま〜!
なんかめちゃくちゃ褒めてもらってる!
いっぱいもらえて嬉しい!!!!いつも本当にありがとやで生きる活力や
今日はちょっと書けそうにないので明日書きにくるね!明日は遅刻したけどプリン作る8年後相澤先生とエリちゃん書く予定
他の候補だったやつもいつか時間あったら書きてえとは思ってるよ - 71125/01/27(月) 19:49:54
ごめんコテハン外れてた
ASMRは企業さんから音声作品の耳かきASMRのCVとして起用させてもらえないかっていう意味わかんないオファーが来て「そういうのは声優さんがやるやつじゃ…?」「絶対消しゴムさんのファンは喜ぶと思うんですよね!」みたいなやり取りの末やることになる…みたいな話
ハメ撮り流出はなんかの敵騒動があって警察に「この時間帯の動画ありませんか?」って言われた先生が「ああそれなら…」って大画面に繋いだ状態で再生した動画ファイルがハメ撮りですぐに消したけど「…今のは見なかったことに」ってやる短いやつ
この後事件に繋がってもいいなあと思ってるけどそこまで考えてない
- 72125/01/27(月) 20:10:02
- 736725/01/27(月) 20:26:11
- 74二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:03:41
音声作品のCVに配儲使う企業担当者絶対無能だろって思うのにたぶん消しゴムさんはしっかり仕上げてくるだろうし「R18にしろ」「エロすぎ」って⭐︎5レビューつく
- 75二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:40:27
ハメ撮り流出警察関係者だけで良かったな
衆人にハメ撮り見られる先生はエロいからいくらでも見たい - 76二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:16:05
先生とエリちゃんのプリン作り楽しみ!
ハメ撮り流出しちゃった先生可哀想だけど羞恥心天元突破してる先生は見たい - 77二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 23:31:10
ハメ撮り流出男バージョンも見たい・・・
- 78二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:11:49
スレ主の出す設定の話全部読みてえ〜になってしまう
プリン作る話楽しみや - 79二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:30:23
個人的に競馬の話とスレ主がストレス溜まった時に理不尽にエロい目に合わされる先生の流れがツボ
- 80125/01/28(火) 19:19:22
ただいま!
保守とか色々ありがとう〜!
日付変わる頃に持って来れると思う! - 81二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 21:28:14
スレ主おかえり!
プリンの話楽しみに待ってる! - 82二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 22:23:30
おかえり!
本当労働しつつ平日でもssも書ける体力すげえよスレ主、まじで尊敬するわ
スレ主の書く話で元気もらってるから助かる - 83125/01/28(火) 23:54:27
出していくぜ!!!
台所には鼻を啜る音と、調理器具が触れあう音が響いていた。
小鍋に既定の寮の水とグラニュー糖を入れて火にかける。鍋をゆすっていると次第に茶色に色づきはじめた。それは一度は聞いたことのあるカラメル色だった。
なるほど色と同じ名前なのかと思いつつ、今まで市販品のカラメルなど確認もしなかった自分のずさんさに気付く。粘度のあるそれをプリンカップに流し込んだ。
「先生……」
「ん?」
「これ、どれくらい温めれば良いですか?」
目元を赤くした少女が鼻を啜りながら問いかける。エリはレシピ通り牛乳と砂糖を混ぜ合わせた物を入れた鍋を片手に途方に暮れていた。
鍋を洗いつつ、相澤はレシピを確認する。
「牛乳がふつふつとするまで温めるんだって」
「ふつふつ……?」
相澤は喉の奥でバレないよう笑いをこらえた。
彼女の聞き方が小さい頃にそっくりだった。今はもう相澤の胸くらいまで身長が伸びたのに、小さ時に身に付いた癖は簡単には治らないらしい。 - 84125/01/28(火) 23:54:53
「えーと、ちょっと待ってね」
咳払いを一つ。
お互いやったことのない作業のせいで知らない単語が多い。「牛乳 ふつふつする」と検索欄に入れるとそれらしい画像が出てきた。
「表面がちょっとポコポコしてくるらしいよ」
「それって沸騰じゃないんですか?」
「牛乳は沸騰すると吹きこぼれちゃうから違うんじゃないかな」
以前眠れない夜にホットミルクを飲もうとして電子レンジで爆発させたことを伏せながら疑問に答えてやる。
「そうなんですね……ポコポコ、わかりました!」
勢い良く頷いてエリは鍋を火にかける。
その間に相澤は用意していたボウルに卵と規定量の砂糖を入れた。先ほどカラメルで使ったグラニュー糖を使いたかったが我慢する。砂糖とグラニュー糖の違いはわからないが、レシピが違うと言っているのだから違うのだろう。
卵と砂糖がじゃりじゃりと音を立てつつしっかりと混ざると、エリの方も牛乳を温め終えた様だった。卵を混ぜているそこに温めた牛乳を流し込み、それをかき混ぜる。
- 85125/01/28(火) 23:55:24
「悪い、ザル取ってくれる?」
「はい!」
今日家に初めて踏み入れた時のおっかなびっくりさは既になく、台所の棚を漁って粗めのザルを取り出してくる。相澤は別のボウルを取り出して、ザルに卵液を落として漉した。後ろでは暖かいところでの作業のせいで鼻の通りが良くなったのか鼻をかんだエリが手を念入りに洗っている。
網目にはうっすらついた牛乳の膜や卵液の名残のようなものがこびりついている。漉された卵液は心なしか奇麗に見えた。
それらをプリンカップに一つ一つ注いでいくと、相澤の携帯でレシピを確認していたエリが「あ」と声を出した。
「なんか湯煎……? するらしいです」
「湯煎? 焼くのにか?」
「ほらこれ」
「本当だ……どうやるんだこれ」
レシピを見ると確かに「天板に並べたら湯を張り」と書かれている。二人で顔を見合わせた。オーブンに突っ込めば簡単に出来るものだとばかり思っていたのだ。
用意された天板はそこまで深さのない角皿で、湯を張ったら間違いなくこぼれてしまうだろう。
- 86125/01/28(火) 23:55:54
「先生、これ、どうしましょう」
「安心してエリちゃん。こういう「初心者向け」って書かれたレシピは大抵抜け道があるから」
大昔に言われた言葉を思い出しながら相澤は「プリン 湯煎」と再び検索をした。すると、深めのバットに入れられて湯煎されているプリンの画像が出てくる。
二人して「おお」と声を出し、目線を合わせて笑ってしまった。彼女の目元の赤みは既にだいぶ引いていた。
「バットなんてあるんですか?」
「あー、多分……ここら辺に」
元カノと付き合っていたのもこの家に住んでいたのも随分と昔だ。だがお菓子作り好きの彼女ならばこういう道具を揃えているに違いないと、彼女の癖を思い出して棚を漁る。
暫くすると銀色のバットと呼ばれる深さのあるケースが出てきた。
「先生、お菓子作りしてたんですか?」
「俺はしてないよ。ここにある持ち物は全部昔の彼女が置いてったやつ、俺は食卓に出された物は食べたけど作るって言うガラじゃなかったからなあ」
まだこの辺りで活動をしていた頃の彼女だったか。休日の菓子作りが趣味でよく食べさせられた。味の違いは判らなかったが、とりあえず全部美味かったことだけは覚えている。
- 87125/01/28(火) 23:56:17
バットに湯を張ってプリンカップを並べて余熱をしていたオーブンに入れ、規定時間設定しスタートを押した。
「じゃ、片づけよっか」
「はい」
エリに声をかけてそれぞれが使った調理器具を丁寧に洗って乾かし場に置く。この家兼事務所に帰ってくる頻度を考えると捨ててしまっても良いかと思うが、今日のようなことが無いとも限らず、とりあえず乾かした。
オーブンの中で温められるプリンカップをエリは熱心に見つめている。メッセージの受信をサイレントモードになっている携帯が画面をつけることで知らせて来た。
「……」
そこに表示された文字に「大丈夫です」と返事をし、画面を暗くする。
「先生」
「なに?」
「先生はどうして元カノさんとお別れしたんですか?」
沈黙が嫌になったのか、それともただの好奇心か、エリは部屋を見ながら聞いてきた。相澤は少し気まずくなる、正確な意味を持って答えるには「どの元カノ?」と聞く必要があるが、それを彼女にやる度胸はなかった。
- 88125/01/28(火) 23:56:52
事務所としても使っている部屋は相澤の居住地にしては物が多かった。それもこれも、歴代の彼女たちが物置にしては捨てずに置き去っていったせいなのだけれど。エリからしてみれば不思議なのだろう、相澤は物を持たな過ぎる。
なのに、部屋には心を許した痕のようなものがたくさんあった。相澤を知る人間が見れば不思議でしょうがない光景だ。
「んん……そうだな、まあ俺が大体原因なんだけど」
「先生が?」
「そう。先生はあんまり人と付き合うのに向いてなくてね」
「そんなことないです! 先生はとっても優しくて格好いいです!」
真正面からエリに言われて口元が緩む。彼女の真っ直ぐな言葉と評価はきっと、今まで培ってきた誠実な対応が実を結んだ結果だろう。
だが、相澤はその評価を受けても首を縦に振ることはなかった。
「それはね、エリちゃんだからだよ」
「私だから……?」
「エリちゃんは俺にとって守りたい存在で……あんまりよくない言い方をすると、対等な立場じゃない。これはわかるよね?」
「はい」
- 89125/01/28(火) 23:57:15
彼女は昔から自分の立場を理解しすぎるところがあった。それは決してマイナスな面ばかりじゃない。
悲観せずに言葉の通りに意味を捕らえることの出来る彼女は相澤の言葉にも悲しい顔をせずに頷く。
「でも、恋人って言うのは違うんだよ。お互いが寄り添いあって、許しあって、譲歩しあって、少しだけ相手の人生にお邪魔するんだ。だからどうしても相手の良いところだけを見続けるって言うのが難しい」
「なんだか苦しそう……」
「そうだね、苦しい時もある。俺はそういう苦しいのが嫌で自分から作ることは無くなったかな。でも、時々有難くも俺の人生にお邪魔したいって人が現れてくれるんだ」
それが部屋に散らばる彼女たちの残骸だ。
エリは部屋を見渡して「みんな先生のことが好きだったんですね」と呟く。ほんの少し心が痛んだ。
「そう思ってもらえるのは有り難いことだったんだけどね。俺はそういうのを受け入れることが難しくて。相手の人生にお邪魔は出来なかったんだよ」
「先生はお邪魔されたのにですか?」
「うん。そうするとね、向こうはすぐに気づいちゃうんだ。自分が俺に必要とされてないってことに」
- 90125/01/28(火) 23:57:38
酷い話だと相澤自身思っている。
ここにある残骸は全て、相澤が拒絶した人間関係のなれの果てだ。エリは悲しそうな顔をした。
「そんな……」
「もし俺がもう少し心を開いて俺を好きだって言ってくれる人の人生に一歩踏み込んでいたら、この部屋はもう少し賑やかだったかもしれない。今まで付き合ってくれた人たちには申し訳ないけど後悔もしてないから、きっと俺にはこういう人生が合っているんだと思う」
エリの瞳が揺れている。「本当にそう思っているんですか?」「思ってるよ」確認の言葉にいつものトーンで返せば、彼女は「そう……」と少し俯いて答えた。
「先生はやっぱり格好良いです。ちゃんと自分があって。私はその場しのぎの言葉ばっかり」
エリが椅子の上で膝を抱える。乾いたはずの涙がこぼれそうになっていた。適当な棚からハンカチを取り出そうとするが、いつ使ったかもわからないそれを渡すわけにもいかず、彼女の頭を撫でる。
子供のとき、喜んでいた仕草だ。
「マンダレイは怒ってないよ」
「私が嫌なんです。とっても酷いこと言っちゃったのに、私絶対に謝りたくないの」
- 91125/01/28(火) 23:58:11
久しぶりに溜まった事務処理をするため事務所に戻ってきていた相澤に連絡が来たのは三時間ほど前のことだった。泣きそうな声をしたマンダレイが「そっちにエリちゃんが行ったはずなの」といってきて、大急ぎで回収し少々情操教育に問題のあるこの家へと保護した。
相澤は何があったかなど知らない。だがこの年頃の子供が泣いて家を飛び出すのはそう珍しいことではなかった。
「間違ったことを言ったとは思ってないんだね?」
「……はい」
「でも言ったことは後悔してる」
「言いたかったことと違うんです。あんなひどい言い方をしたかったわけじゃない」
「エリちゃんは偉いね、爆豪に聞かせてやりたい」
言い方ひとつでイメージは大きく変わる。
エリはそのことをよくわかっていた。子供の時から、周りの大人たちが自分に言葉を選んで伝えてくれたおかげだろう。
「マンダレイさんは私の人生にお邪魔してくれたの。私のこと考えてくれたの。でも、私はマンダレイさんたちの人生にお邪魔する勇気がなかったんです」
- 92125/01/28(火) 23:58:48
「そっか」
「だから上辺だけの意味のない言葉で言い返しちゃった。私が悪いのに、マンダレイさんたちはごめんねって言ってくれて、どうしていいかわからないんです」
嗚咽が漏れ始める彼女の頭を優しく撫でる。
──これもしかしてセクハラか……?
思考が一瞬過ったが、相澤は気にしないことにした。この小さな少女が今求めていることは世間の正解でないことは確かだからだ。
思春期になると、自分の口から思ってもみないことが飛び出してしまうことがある。どうしてこんなに過剰に反応をしてしまうのだろうと自分が嫌になることがある。
わかるからこそ、相澤は言葉を選んだ。
「エリちゃんは、言い方が悪かったと思ってるんだよね?」
「はい」
「それで、その言い方でマンダレイを傷つけたことを後悔している、であってる?」
「はい」
「じゃあまずは、そこを謝ろう」
「えっ」
エリは弾かれたように顔をあげた。手が外れたので自分の体の近くに戻した。
- 93125/01/28(火) 23:59:09
「まずは余計なことを考えず、『言い方』と『傷つけたこと』だけを謝ろう。まずそれで仲直りが出来るし、これは先延ばしにしても良いことはない」
「で、でも」
「それにねエリちゃん、保護者のマンダレイが君の人生にお邪魔するのは当たり前のことなんだよ、だってあの人は君の親代わりだ」
親、という言葉を聞いてエリははっとした顔つきになる。今まで気づいていなかったような驚きの顔に、相澤も苦笑した。
「恋人と違うんだ、無理して君まであの人の人生にお邪魔しなくていい。まずは二つのことを謝って、それから嫌だったことを伝えよう。簡単に分かり合えなくていいから、話し合いのスタート地点を作る努力をしよう。大丈夫、君の信じた大人はちゃんと話を聞いてくれるから」
相澤の一言一言をエリは頷いて咀嚼する。
相澤は人の人生相談に乗れるほど人格者ではない。けれど、橋渡し位ならば人間関係構築が苦手な相澤にもできる。
涙を袖で拭う彼女に、ほっと息をついた。
「もうすぐプリンが焼きあがるから、今度はそれを冷やすまで勉強でもしようか。もうすぐ期末テストだろ?」
「……帰るの遅くなっちゃうけど、良いですか?」
「俺から言っておくよ。ちゃんと帰りは送るから、安心して」
- 94125/01/28(火) 23:59:29
そう言うと、彼女はぱっと明るい顔をして教材を取り出し始める。数学の教科書とノートを取り出したあたりで「あ」と声をあげた。
「先生、どうして今日家に連れてきてくれた時プリン作ろうって言ってくれたんですか?」
「え?」
「先生作ったことないんですよね? 私作ってて楽しかったけど、どうしてかなって」
当然の疑問を受けて、相澤は気まずげに頬を掻いた。
「あ゙ー……ほら、数日籠る予定で卵とか牛乳がちょうどあったし。砂糖は未開封のが残ってたし、ちょうど良かったんだよ」
「? でも……」
「まあいいだろ。ほら教科書広げといて。プリンは俺が冷蔵庫に移すから」
「あ、手伝います!」
プリンを焼き上げたオーブンの扉を開くと、しっかりと固まったそれが目に入る。鍋掴みを使って慎重に角皿を手前に引き出し、バットを取り出すエリを相澤は見つめていた。
- 95125/01/28(火) 23:59:53
そして視線を彼女の後ろの方、台所の流しへと向ける。あの頃、仕事で上手くいかないことがあるとストレスを発散させるようにお菓子を作る彼女が居た場所だ。
『お菓子作るとね、嫌なことを忘れられるの』
自分が踏み込むことを面倒くさがっていつの間にかいなくなった女性の言葉だ。まさかこんなところで力を借りることになると思わなかった。
人間関係においては、相澤はエリのことをとやかく言える立場ではないことは確かだ。
「先生」
「なに?」
冷蔵庫にプリンを移動させ、使った角皿とバットを洗って乾かしたエリは顔を赤らめていた。
「あの、また来ても良いですか」
「ここに?」
「はい。えっと、多分まだお話合い、上手くいかないと思うから……家に居たくない時とか……ダメですか?」
「雄英じゃダメ?」
「洸汰が居るから出来れば避けたくて……」
「そうかあ……」
- 96125/01/29(水) 00:00:24
相澤は自分の頭の中でスケジュールを組み立てる。幸いにもプロヒーローとしてはほぼ引退をして呼び出しがかかることは無くなっていた。本当ならここで断るべきだが、では断った後彼女はどこを頼ればいいのかという話になってしまう。
答えはため息だった。
「土日で昼間、絶対に泊まらないこと。来る三時間前には連絡をすること、これを守れるなら良いよ」
「本当ですか!?」
「あとでマンダレイに確認入れるから、それでオッケー貰えたらになるけどね」
「やったあ!」
「まだ確定じゃないって」
結構厳しい条件を付けたと思うが大丈夫だろうか。
だが思春期ならば逃げ場は必要だ。相澤は深いため息を吐く。
どうかこの小さな子供が、自分の人生にお邪魔してくれる相手を快く受け入れられるその日まで、良き大人でいようと柄にもなく誓うのだ。
冷蔵庫の中でプリンが固まり始めていた。
- 97125/01/29(水) 00:01:40
- 98二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 06:12:59
すごいほっこりする話だ
年取って先生の手元から離れても困った時は戻ってくるエリちゃんとちゃんと元保護者として対応する先生がすごいいい - 99二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 07:22:42
親戚の叔父さんみたいな距離感でいいなこの先生
若干女誑しな面があるのもそこをちょっとエリちゃんに突かれて内面ヒヤヒヤしてるのもいい - 100二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 08:05:02
スレ主のほっこりする話好き
元カノの痕跡が多い部屋に未成年を入れるなって思ったけど緊急措置なら仕方ない
なんで家出したのか聞かずに後悔してることだけ謝ろうって言ってくれる先生親戚のおじさんみたいで好きすぎる
朝から元気になれたよありがとうねスレ主 - 101二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 12:28:39
あとでゆっくり読んで感想書こう〜って思ってたけどスレ落ちる時間が12時間から10時間に変更になったってマジ?
このスレ落ちたらガチ泣く
夜まで来れないから保守しにきたぜ - 102二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 18:47:30
小さい頃喜んでた仕草を覚えてて大きくなっても落ち込んだ時にやってあげる先生、一時的とはいえちゃんと保護者やってたんだなって感じがして好き
10時間まじだ
>>101に言われなかったら気づかないとこだった
ナイスすぎるありがとう
- 103125/01/29(水) 20:47:38
ただいま〜!保守とか感想とかありがとう!
親戚のおじさんみたいなポジションの相澤先生だったら良いなあって思って書いたのでそう言ってもらえるの嬉しい!
いざという時頼れる場所であり続けるまた保護者の先生が良いなあと思うのです
保守の時間10時間になったの!?
いつもみんな保守ありがとやで…保守本当にありがたくて嬉しいけどもし落ちちゃったらそん時はそん時だとも思ってるから無理しないでね
今日はクソ疲れてしまったので寝るで!
うまくすれば明日来れるけど明日来れなかったら次来れるの土曜の夜か日曜になると思う
上の話題出た直後で申し訳ないが保守を頼む…!
おやすみ! - 104二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 21:07:05
おかえり&お疲れ&おやすみスレ主
どちらかというとスレが落ちた時困るのはワイらなんや…スレ主がいる限り保守させてもらうで… - 105二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 21:20:04
くそぉ…スレ主のクロスに一生脳焼かれてる
フリーレンクロスだったら
先生の誕生日にでっかいハンバーグ作って食べきれないからと2人で分けてて欲しいし、「10年くらいこの村にいたいな〜」っていうフリーレンに本当はやめて欲しいけど恩があるから強く言えない先生がいて欲しい
ウマ娘クロスだったら
ゴルシに逆スカウトされてて欲しい
なんか悩んでたらどこからか現れたゴルシがリアカーに先生を乗せて町内のウマ娘専用レーンを爆走してて欲しい… - 106二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 22:59:05
もうスレ主のSSがないとダメな体になったので死ぬ気で保守するで、昼は厳しいけど
スレ主のクロスだと血界戦線のやつも好き
あのSS読んでから血界戦線気になってアニメ一気見した - 107二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 23:44:43
スレ主、堀越先生のXに相澤先生のイラストが上がってるね…かっこいいね…
- 108二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 06:42:36
スレ主の書いた話が膨大すぎて好きな話を出すと大体被らないのおもろい
- 109二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:39:51
イラストの先生目つきも雰囲気もだけど仁王立ちに見えてすぐにでも捕縛布を使えるように指に巻いて臨戦体制とってるのがめっちゃ怖いしかっこいい
- 110二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:55:03
クロスなら絶対BLが好き
スレ主この漫画知ってんの?!って嬉しさで大興奮した覚えある - 111二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 12:29:09
前にちょろっと言ってたアイスダンスやる相澤先生の話好き
ssになってない小話でもおもろいのが多すぎるんだよな - 112二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 13:00:47
スレ主の小ネタや解釈を見たいがために1スレ目から見返す行為をかれこれ5回以上してる
- 113二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 13:34:26
- 114二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 18:33:08
- 115125/01/30(木) 21:42:11
ありがとうありがとう
あいざワンと言い本当に先生の描く恐ろしい相澤先生好き
敵より敵らしいビジュの先生可愛いよね
夜の道であいつにあったら気をつけろ
イレイザーヘッドはお前の命を狙ってる
みたいな感じの怪談として今まで勤務してたエリアで語り継がれてる相澤先生とかいいなって思ったよ
自分で言っててなんだけど怪談になってるイレイザーヘッドマジで良いな…土日に書きにくるかもしれん
今日はファッキン労働の日なのでごめん無理や!
土日にくるので申し訳ないが保守頼む!来れそうならワイも保守にくるで!
おやすみ!
- 116二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 22:37:03
スレ主お疲れ様〜
あんだけおどろおどろしい雰囲気の人影を夜道で見たらマジでビビりすぎて息止まるだろうな
怪談の内容もだいぶ不気味なものになってそう
保守了解!のんびり待ってるで! - 117二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:58:09
保守
いつもありがとうスレ主 - 118二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 07:40:17
確かにあの先生怪談になるレベルの怖さあるな
全身真っ黒だし髪で顔ほぼ見えないし余計怖そう - 119二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 08:06:52
あんなに怖い顔した人が生徒や周りの人には優しいし結構面倒見もいいのギャップありすぎて風邪引く
いつもありがとう、労働がんばれスレ主 - 120二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 12:28:21
スレ主が書くドルパロ澤だんだんと話が核心に迫ってくみたいで読んでて面白いけど怖くもある
でもめちゃくちゃ続き気になるんだよな… - 121二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 21:02:49
ドル澤と配儲澤がすごい好き
どっちも先生がこれから社会とどう関わってくのか気になるのと周りのキャラの温かさが好き - 122二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 22:08:46
最近このスレ発見してありがたく読んでるんだけどあまりにも膨大な数でビビる
しかもクオリティがかなり高いし
文章もそうなんだけど構成が良すぎるほんmoney好き - 123二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 23:02:14
正直ssスレというかスレ主の個人サイトとして見にきてる
リアルタイムで感想投げられる個人サイト - 124二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 07:37:22
1人のSSスレで16まできてるのすげえよ
ほしゅー - 125二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 14:42:51
亀なんだけどこのあいだのエリちゃんの話思春期の時にこんなおじさんいて欲しかった〜って思って泣いちゃった
子供にとっての逃げ場になる選択肢をしてくれる先生イケメンすぎかよ - 126二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 15:55:15
前にスレ主の♂サーナイト×先生に狂わされた人間なんだけど
Twitter見てたらサーナイトの等身大ぬいぐるみが出るニュース流れてきて全然そう言うものじゃないのに「これエロすぎない?大丈夫なの?」って一瞬本気で思っちまった
責任をとってほしい - 127二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 19:02:25
このレスは削除されています
- 128二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 22:01:13
スレ主のポケモン×先生の話好きなの分かる
インテレオン×先生の話も良かった - 129二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 00:30:19
怪談になってる相澤先生おもろいな
- 130125/02/02(日) 03:13:23
ごきげんよう!
起きたから書いてきた
ドルパロ澤でマネさんと澤の話
例によってオリキャラと転生澤の話でなんのこっちゃなのでURLで一括公開するぜ
ちょっとドルパロ澤はやりたい展開があるから少し更新が続くよ~
付き合ってくれると嬉しい
ドルパロ澤7(マネさんの話) | Writening SHOTAにNGはないが、事務所NGは存在する。 相澤は「なんでもできること」を売りにしていきたいと事務所に強く望み事務所NGを撤廃してほしいと入所当初から言い続けていたが、願いは今のところ叶っていない…writening.net - 131二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 03:49:50
ドル澤好きだから嬉しい アイドルという仕事を今世は他の人の責任まで負ったりすることなくできてるのかと思いきや前世と変わらず色々背負ってて転生しても相澤なんだなぁって思った
- 132二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 07:11:41
スレ主おかえりなさい!
マネージャーさんかなり敏腕なビジネスマンって感じでかっこいいし頼り甲斐ありすぎてびっくりした
SHOTA側にも事情を知りつつサポートもできる人間がいて良かった
先生の心が帰省後からぐらついてるのもマネージャーの整形痕のこともめちゃくちゃ気になる - 133二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 11:22:32
マネージャーさん、設定だけ読んだら結構人情味に溢れた優弱タイプの人かと思ってたら強めの仕事人姉さん出てきてびっくり
なんかかなりの訳ありっぽいしますますBLACK CASEの人たちのことが気になってきた - 134二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 13:16:35
やべぇマネさんの性格好きすぎる
スレ主のやりたい展開がどんなのか全く予想つかなくてドキドキしてる
せめてSHOTAの心労にならない展開だといいな…それはそれで好きだけども - 135125/02/02(日) 17:27:44
まだ書き終わってないけど早く見てほしくなったから書きながら投稿するぜ
とりあえず出来てるところまで一気に投げていくよ
BLACK CASEが結成当初、地下でのライブを行っていたのには理由がある。
今でこそ落ち目だが、DD9はドーム公演や全国ツアーを頻繁に行うだけの集客力のあるグループだった。BLACK CASEはそこの元メンバーが集まったグループなのだから、本来地下でやるのはキャパオーバーなのだ。
単純な運営力の低下。これが大きな理由だった。
マネージャーがどれだけ古巣の超大手事務所に対して強気に出れる立場であっても、まして超人的な働きをすることが出来ても、洗練されたスタッフや現場指示のノウハウまでを持ち合わせているわけではない。そんな状態で大人数を動員すれば混乱は避けられないと踏んでいた。
だがSHOTAが加入して、大炎上した直後売り出したシングルが爆発的なヒットをしてしまい、そんなことも言っていられなくなった。
急遽キャパを増やし二千人程度が入る会場を抑えるも、チケットは完売。特典会をつけたライブは大成功をおさめた。
の、だが。
DD9メンバーのファンであり、強烈なSHOTAアンチが特典会中に暴走を起こし警察やヒーローを呼ぶ騒ぎとなってしまった。 - 136125/02/02(日) 17:28:12
俺はその横で握手をしていたから、女の人が“個性”らしきものを発動させたところを視界の端で捉えていた。でも、何が起こったのか全然わからなくて動くことは出来なかった。
「警察とヒーロー呼べ! ファンの避難を頼む!」
あ、と気づいたのはSHOTAの怒鳴り声が響いてから。
俺よりずっと細い未成熟な体が自分を殺そうとしていた女性を床に押さえつける光景を見て、頭の中に後悔と恥ずかしさが溢れかえって、せめて自分に出来ることをしようとすぐにスタッフを呼んだ。
この時、ファンの安全確保に走っていたのはMITUKIとマネさんで、警備員さんと刺股一緒に持って来たのはTAKUYAだった。RENはすぐに館内放送かけていて、多分この時一番役に立たなかったのは俺だった。
それでも、全部終わった後SHOTAは頭を下げた。
「ライブ台無しにしちまって悪い、それと対応をしてくれてありがとう」
すぐに他のメンバーからお前のせいじゃないって言葉が飛んで来た。俺もそうだって思ったはずなのに、口が上手く動かなかった。
- 137125/02/02(日) 17:28:38
ライブ中、SHOTAが歌う時だけ全く声を出さないファンが居た。MC中にSHOTAが喋る時だけ笑う奴が居た。俺はそう言うのを見てMITUKIやRENみたく注意することも、TAKUYAみたく庇ってやることも出来なかった。
こんな一生懸命ステージに立ってくれる仲間に、俺は何もしてやれなかった。
だから、せめて。
せめてこれからはこいつの為に出来ることをしてやりたいって、あの時そう思ったんだ。
‡
あれから半年、年が開けて季節はバレンタインだ。事務所にはさばききれないチョコレートが届く予感がしていて、蓮が浮かれていた。
「差出人不明のチョコレートの何がそんなに有難いんだか」
「めちゃくちゃ高いチョコとか貰えんじゃん!? 俺楽しみなんだよなあ」
- 138125/02/02(日) 17:29:07
最近の物騒さを考えるとそう思うことも出来ない。まあ嬉しいは嬉しいんだが。やはりチョコレートという物はファンの愛情のバロメーターだ、アイドルとして受け取れることに喜びはある。
「でも今年はショータと光木の二人勝ちだろうな」
「光木に勝てたことないだろ今までも」
「あいついつも量おかしいんだよな」
事務所で二人蓮と話をしていると、扉が開く。
「外まで声聞こえてたけど、何の話してたの?」
「おっ、拓哉おはよ~。今年のバレンタイン楽しみだなってことと光木とショータにどんくらい来るかなってこと話してた」
「ああ、そんな季節か……」
角に被らないよう穴の開いた帽子を取り、マフラーとコートを取った拓哉は俺たちが居る来客用のソファに座る。カバンから勉強道具を取り出すので蓮が気持ち悪い虫を見た時のような顔をして舌を出した。
「うわあ、ベンキョ」
「前に出して貰った問題の復習やってんだ、昨日仕事で出来なかったから」
「勉強好きなのやべえよな~。俺文字見るだけで熱出る」
「蓮のそれはもうアレルギーだろ」
「彰はそこまで苦手じゃないよね? 確か高校も良いところ出てたし」
「あ~……まあ」
蓮が「彰頭良いよなあ~」とソファに凭れ掛かって叫んでいる。別に頭がいいわけじゃないけどこの二人のことを考えると否定するのはちょっと嫌味っぽいからやめた。
- 139125/02/02(日) 17:29:39
「そういえば今年のバレンタインだけど、もう届き始めてるらしいよ。バイト雇って分別作業してるってマネさん言ってた」
「マジか。そっかもうあと三日しかねえもんな、遠方ならもう届き始めてるか」
「俺宛てあるかなあ~」
「蓮はライト層のファン多いからこういうプレゼント系弱いよね」
「やめてよ傷つくじゃん」
お徳用のミルクチョコレートをカバンから取り出して机の上にあけると「いただきます」と許可も得ずに二人の手が伸びてきてそのまま口に運ばれていく。俺も気にせずに一個頬張った。
拓哉はしゅんとしているけど、そこまで気にすることはないだろうと思う。
「たぶん今年も一番少ねえの俺だし気にすることないって」
「彰の数伸びねえのいまいちよくわからねえんだよな」
「彰は金額だったら蓮より高いよねいつも」
「まあ数より質で勝負する男なんで」
「腹立つぅ~!」
チョコを三つ口に入れて蓮が抗議してくる。
それをいなしていると、俺の携帯が震えた。見たことのない番号から電話が入っている。
- 140125/02/02(日) 17:30:09
「……見たことない番号だ、誰?」
「わからん、ワンチャン営業の電話かもしれんからちょっと出て来るわ」
「行ってら~」
俺らの個人情報はマネさんによって厳重に管理されているが、DD9時代に漏れた物までは回収できていない。直接営業がかかってきた場合、マネさんに対応してもらわなければならないし、他のメンバーが聞いていると相手に伝わったら面倒になる。
廊下に出てなおもしつこく鳴る電話の受話ボタンをフリックした。
「はい」
『あ、もしもし。この電話、AKIRAくんの番号であってるかな?』
「……どちら様ですか」
聞いたことのある声だ。
青年だとは思うけど優しさを含んだ柔らかい声。でもこの業界は悪い奴ほど優しいものだ。俺は警戒を解かないまま応答する。
電話先の相手は少し慌てた様子で言葉を詰まらせてから『ごめんビデオ通話に切り替えるね』と言った。
「……!?」
『どうも、急にごめんね、デクです』
「デッ……!?」
- 141125/02/02(日) 17:30:31
緑色の天然パーマ、そばかす、冴えない容姿と裏腹に身に付けているのはごついアーマー。俺と同じ“無個性”ながらにヒーロー活動を始め“個性”問題の啓蒙活動や教職に就いている伝説のヒーロー。
であり、SHOTAのファンの一人。
『申し訳ないんだけど、今から言う物を買って△△ビルまで来てくれないかな、ちょっと厄介なことになってて』
「△△ビルですね、大丈夫ですけど何があったんですか」
『SHOTAくんが敵に巻き込まれちゃったんだ。それで、本人がどうしても警察に対応されたくないからAKIRAくんを呼んでほしいって』
「SHOTAが? 俺を……?」
デクが映る画面を隅々まで見るがSHOTAが居るようには思えない。背景を見るにかろうじてそこが男子トイレなのはわかった。
信じられなくて首をかしげるが、デクが急いで電話をかけてきたということは緊急事態に違いなく、携帯に電子マネーが入ってるのを確認して事務所を飛び出す。
近くの薬局で言われた通りの物を買い、△△ビルに入った。ここは今テナントの空きがある状態のビルで、受付にすら人はいない。
- 142125/02/02(日) 17:31:15
「AKIRAくん! こっち!」
電気も通っていないみたいでエレベーターも当然動かない。約束の場所は三階だったから、階段を上ろうと非常階段の入り口に行くと上から声が降ってきた。
電話をした時と同じ顔のデクが見えて、二段飛ばしで三階まで駆け上がる。
「ごめんねありがとう。SHOTAくん! AKIRAくん来たよ!」
「……はい」
トイレの個室から、ショータの声が聞こえた。最悪の場合敵の罠かもとすら思っていたので俺はその声を聞いて安心する。
内側から扉が開くと、個室からあふれ出すように真っ白な何かが現れた。
「く、雲……?」
雲みたいにふわふわとした触り心地のそれに埋もれていると、触った感触が別の物であることに気付く。真っ白な物は雲ではなくて髪だった。
恐る恐る視線を動かすと、トイレの便座の上で膝を抱えている真っ白な髪のショータがいた。
.
- 143125/02/02(日) 17:44:24
「え、え……?」
ショータは黒髪ストレートのショートヘアだったはずだ。混乱してデクを見ると、彼の足元には拘束された人物が転がっている。恐らく敵だろう。
「この敵に襲われたんだけど、この人が髪を伸ばす“個性”らしくてね。抵抗したときにつけてたコンタクトも外れちゃって、SHOTAくん、ちょっとパニックになってしまったんだ」
「そ、うなんですか」
デクが白い洪水を起こしているそれを踏まないように歩いてショータの元に歩み寄る。肩を触り、落ち着かせるように背中を撫でた。
「もう大丈夫かな? AKIRAくん来たからね」
「……はい」
「そっか、じゃあ僕は行くから。もし落ち着いたらまた連絡をしてね」
デクは立ち上がると俺の手に一枚のメモを握らせた。小声で「あとはよろしく」と言って、敵をひっつかんでそのまま窓から出ていく。俺はメモを見て、そこに書いてある文を見て口を引き結んだ。
- 144125/02/02(日) 17:56:13
『僕やプレゼント・マイクなどのヒーローに今の姿を見られることを極度に恐れています。刺激をしないよう髪を切って、近くの美容院に連れて行ってください。調書は落ち着いて話せるようになったら僕の方から話を伺いに行くので、さっきの番号にかけて教えてください』
最後に『よろしくお願いします』の文字が書かれているメモをポケットに突っ込んで、俺はショータの傍に行く。いつもならば不遜な態度をしているそいつは相変わらず体育座りのままだった。
「ショータ? 大丈夫? 怪我とかしてねえ?」
「だい、じょうぶ」
「そっかそっか。なら良かった。じゃあ切ってくからよ、ちょっと髪触るな?」
ショータの首元からたっぷりとした白い癖っ毛を掬い上げる。よく見ると毛先だけが黒いストレートになっていて異質さを感じさせた。
買ってきてほしいと言われていた大きい鋏をパッケージから取り出して髪に入れる。ジョキリと景気の良い音を立てて白い髪が落ちて行った。
- 145125/02/02(日) 18:02:55
「すげえ毛量だなあ、お前これ普段どうやって手入れとかしてんの? 根元白くなってるとこなんて見たことねえんだけど」
「……」
「これドネーションとかしたらよさそうだよなあ。なあ、これから連れてく美容院に寄付とか話して良いか?」
「……」
無言。
いつもなら腹が立つけど、ショータの肩が震えててそれどころじゃないのがわかる。自分の髪が嫌なのかもしれないが、その感覚は分からない。もしかしたら“個性”由来の髪なのかもしれないが、そうなると“無個性”の俺では何もわからなかった。
震えるショータの吐息と、素人の俺が髪に鋏を入れる音だけが人気のないビルに響く。途中「お痒い所ございませんか~」と話しかけてみたがそれも無視された。
「お前も災難だよなあ、こんなクソ敵に引っかかっちまって。っていうかこんな所で何してたん?」
今のはもしかして「こんなところに居るお前が悪い」みたいな感じに聞こえただろうか。訂正を入れようとしたら、ショータが答えた。
「今度、ドラマあっから……」
「ドラマ……あー、刑事ものの? たしかゲスト出演するんだよな、廃ビルで追いかけっこするって言う! そっかその為かぁ、お前真面目だもんなあ」
- 146125/02/02(日) 18:07:54
少し落ち着いてきたのか、ショータは会話に返事をするようになってきた。これだけの量の髪だと切るだけで軽さを感じるのか、項垂れた首も上がってくる。五分の一ほどを切ると、ショータの顔が億劫そうに上を向いて俺と目が合った。
「おわ……」
ショータの目は冬の空みたいに薄い青をしてた。俺の髪と似ている色だ。確かコンタクトが外れたと言っていたし、恐らく今までのがカラコンだったんだろうな。
奇麗な色なのに勿体ない。これなら人気だって今より出るだろうに。だけど、さっきまでの震えてたところを見て「カラコン外せば?」なんて言う気にはなれなかった。
「ストックは持ってない感じ?」
「……ある、けど。首が重くてつけらんねえ」
「オッケ。じゃあこれ切ったらカラコンつけて美容院行こうな。俺のパーカー着れば髪も隠れるっしょ」
「わりい」
素直に謝る末っ子に「そこは有難うだろ~」と言えばまた素直に「ありがとう」と返ってくる。だいぶ精神的にキてるみたいだ。
かなり束が重くて切るのも重労働で、俺も少し疲れてくる。けどこいつを黙った空気の中に居させるのはなんか嫌で、口は会話を欲しがった。
- 147125/02/02(日) 18:14:05
「ってかさ、なんで俺のことご指名してくれたわけ? あの時間帯なら蓮も拓哉も居たじゃん?」
「それは……」
「ああ別に俺が来たくなかったわけじゃなくって。こういう時頼りに何のは拓哉の方だなあって。蓮はまあ……アイツ馬鹿で口も軽いからバレたくねえのは分かるんだけど」
ごめん蓮、フォローしきれなかった。
ショータはちょっと迷ってから、呟き始める。
「……いや、一番頼りに何のはあの中だとお前だろ」
「え、マ?」
「拓哉は結構取り乱すし、正義感が暴走することもある。お前が一番頼れる」
「へ、へえ~」
「俺は光木が居てもお前を呼んだよ」
あまりにも嬉しくて小躍りしそうだ。
いつもは不愛想なガキがこうして俺のことを頼れる大人だと思ってくれていることが嬉しい。
「そっか。そっかあ……ちなみに何で?」
「それ言う必要あるか?」
「俺のモチベ的に必要」
- 148125/02/02(日) 18:19:34
髪を持ち上げるのに疲れてきて手をぶらぶらさせつつショータに問いかける。別に答える必要はないけどモチベ管理と言われて末っ子は頬を膨らませた。
「いつも気がきくだろ、彰は」
「えっ、そう?」
「言わなくて良いことは言わないようにしたり、逆に行ってほしいことは言ったりしてくれる。人を気持ちよくさせるのがうまいって言うか……俺とは違う対人関係の上手さがある」
「マッジ? そう思ってくれてるわけ? 嬉しすぎるんだが」
再び小躍りして喜ぶと「だから言いたくなかったんだよ」と嫌そうな声がする。それすら可愛くて白い長さが不ぞろいの頭を撫でまわした。
嫌がるように頭が振られたので俺も髪を切る作業に戻る。既に三十分が経過していたが、切れたのは半分だった。持ち上げるのも重いし、簡単には切れないから少しずつ切り落としていくしかない。
根気よく切っていると、今度はショータの方から話しかけてきた。
- 149二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 18:20:44
黒髪も黒目も元々のものじゃなかったのか!
びっくり!
よくよく考えるとSHOTA以前の人生や家族について詳しく知ることなかったな読書も周りも - 150二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 18:22:34
白い癖っ毛に青い目って特徴だけ聞くとちょっと白雲みたいだな
- 151125/02/02(日) 18:23:17
「……いつも、お前に貧乏くじを引かせて悪いと思ってる」
「そんないつもかあ?」
「蓮の後始末とか」
「ああ……」
「押しに弱い光木の尻拭いとか」
「ああ……」
「DD9が所属してる事務所のアイドルに対して異様にあたりが強い拓哉の緩衝材とか」
「よく見てんね」
ショータは人のことを良く見ている。拓哉が光速で懐いたのも、光木が信頼するようになったのもマネさんとやたら仲が良いのもそう言うところがあるんだろう。
まあ、余りにも頭が良いオーラが出てる感じが合って蓮は苦手みたいだが。
「俺はこういう時頼りにされんの悪くねえなって思ってるんよ。やっぱメンバーのこと好きだしね」
ちょっと恥ずかしいが勢いで言うとショータが「あのさ」と切り出した。
「んー? なに?」
「彰って、なんでアイドルやってんだ?」
「おっ、それ聞いちゃう?」
「まあ……ガキの頃から芸能界居た光木とか、アイドルやるしかなかった蓮や拓哉と違って、お前って家庭環境にも本人にも問題なさそうだったし、前から気になってて」
- 152125/02/02(日) 18:32:25
あの面々と比べたら確かにそう思われても仕方がないか。「言いたくないならいい」とショータに言われるけど、別に言いたくない話でもなかった。
三人に比べると別に波乱万丈でもない自分の人生はメディア受けが悪いから、言う必要もないかなと思っていただけだ。
「えーとさ。俺ってまず“無個性”じゃん?」
「そう、だな」
「そんな思いつめた声出すなよ~! 俺別にこれで虐められたりしてねえって! 周り良いやつばっかだったし、逆に“個性”由来の悩みとかなくてラッキー! って思ってたし!」
“無個性”って言うとどうしても周りが暗くなる。やっぱりこれが由来で差別とかあったりするんだろうな。知らんけど。
ショータの空気が「じゃあどうして?」って言いたげだった。
「えっとさあ、高校の進路決めるくらいの頃、デクがデビューしたじゃん? “無個性”ヒーローってすげえ騒がれてたの。ショータは八歳とかだからあんま覚えてねえかもしれないけど」
「……いや、そのニュースは見たよ」
「マジ? 記憶力良いなお前」
- 153125/02/02(日) 18:36:39
八歳の頃の記憶なんて俺持ってねえよ。
でもたしかショータは五歳の時に被災した記憶はあるんだっけ。最近の子供の記憶力半端ねえ。
あの時のことを思い出す。“無個性”ってものが大々的に光を浴びて、それでも真っ直ぐ進んでいくその人を見て、俺は。
「俺さあ、そのニュース見て「ずりぃな」って思っちまったんだよね」
「……は?」
「いやマジね、何言ってんだって思うよね。デクがアーマー受け取ったのだってオルマイから“個性”貰ったのだって全部デクだから出来たことなのにね」
ずるいって、嫉妬をすることすら身の程知らずだってわかってる。デクのことを特集した番組を見たけど、もし俺が同じ“無個性”だからって理由で同じ目に合ったら、絶対いやふざけんなよって思うに決まっている。
だから、俺はそう思う権利すらない、はずなんだけど。
- 154125/02/02(日) 18:41:26
「やっぱさ、“無個性”って“個性”にすら選ばれなかった人間なわけじゃん? そう思うと運命ってやつに選ばれるデクが羨ましくて、良いなって思っちゃってさ」
「……」
「だから、アイドルになろうって思ったんだよね」
「悪い、間をもうちょっと説明してくれるか?」
俺としてはちゃんと説明したと思ったけど、説明不足だったみたいだ。「うーん」って形だけ唸って、とりあえず一から説明をする。
「いやさ、デクが選ばれてんのが羨ましいなって思うわけじゃん?」
「ああ」
「だからアイドルになろうかなって」
「……ファンに選んでもらえる人間になりたいってことか?」
「そうそうそれ!」
言いたかったことが伝わって嬉しくなる。思わずハイタッチをしたら案外抵抗なく手を叩いてくれた。
「やっぱり誰かに選んでもらいたいんだよ俺は。俺が良いって言ってほしい」
「……そっか」
「でも今からヒーロー目指すのは遅いし、何より“無個性”で今のヒーロー激戦区に入る度胸もなかったからな。そんで一番選ばれた実感がありそうなアイドルを目指したってわけよ」
- 155二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 18:46:48
ある程度嫉妬や思うところがあるのにジメジメ腐らず歩いていけるの強い子やなAKIRA
- 156125/02/02(日) 18:48:24
ショータは納得したのか深く頷いていた。
そうこう言っている間に髪を全部切り落とすことに成功して、デクから買ってくるように言われていたゴミ袋の中に詰め込む。ショータもだいぶ回復して鞄の中からカラコンを取り出していた。
「あ」
「どしたー?」
「カラコン壊れてる……さっきの騒ぎん時にやっちまった見てえだ」
「おお、ドンマイ」
ショータは肩を落としていた。後ろからパーカーを引っかけてやると「助かる」って可愛げのない声でかんしゃされてフードを目深にかぶった。やっぱり触り心地の良いふわふわした白い髪と、青い目、凄い奇麗だなって見入っちまう。
まあ蓮が白髪だからこのままだとキャラ被って大変なことになるだろうし、グループ的には有り難いんだけども。
「このことは……」
「大丈夫、誰にも言わないから」
「悪い」
「だから有難うだって~」
「……サンキュ」
「はいサンキューいただきました~! じゃ、美容室の人には話しつけてあっから今から行こうぜ」
「ん」
- 157125/02/02(日) 18:49:57
ショータの背中を押して階段を下りていく。二人で持った髪の毛は冗談みたいに重かった。それすらおかしくて思わず笑いあった。
ビルの外に出ると足を取られるほどの強風が吹いていた。びゅんって耳元を掠めていく風圧が、空と同じ色をした俺の髪を巻き上げる。
「うわっ」
両手にゴミ袋を持っていたせいで、ショータももろに風をくらってフードがずり上がった。青い空に雲みたいな髪が映えた。
「わー!」
俺はゴミ袋を取り落してフードを被らせる。そのまま紐を引き絞って簡単にずり上がらないようにした。誰にも見られていないかとあたりを見回すけど、よくわからない。
「だい、じょうぶだから」
「いやでもさあ!」
「手間かけて悪い、早く美容院行こうぜ」
またガキに気を遣わせてしまった。
悔しい思いをしつつ、俺はゴミ袋を手に外を歩く。ショータの顔は見えなかった。
この時、物陰から聞こえて来た「カシャリ」って音に俺が気付けてたら。
あんなことにはならずに済んだかもしれないのに。
- 158125/02/02(日) 18:57:05
‡
事務所に戻ると、マネさんと他の三人も揃っていた。
蓮が俺の姿を見るなり飛びついてくる。
「彰! やっと帰ってきた!」
「わりーわりー。ちょっと野暮用あってさ」
「ショータも一緒だったんだね……あれ、なんか髪切った?」
「ちょっと整えて貰った」
「そうなんだ、とっても奇麗だよ」
なんか拓哉ナチュラルに口説くんだよなショータのこと。途中でばったり会ったって適当に嘘を言うと、蓮は素直なので信じてくれる。
ショータも美容院で髪を元に戻してもらって、家に取りに行ったカラコン入れて通常運転だ。
「やけに時間がかかっていましたが、大丈夫でしたか?」
「あー……ちょっとな」
「そこで敵に襲われたんだ。デクが助けてくれたけど」
「え!? ショータそれ大丈夫なん!?」
「デクが助けてくれたって言ったろ」
- 159125/02/02(日) 19:02:18
周りが騒然とするけどいつも通りのテンションで応えるショータに「じゃあ大丈夫か」とみんな落ち着いてくる。マネさんがショータの頭をポンと叩いた。
「本当に大丈夫なんだな?」
「……ああ」
ぐしゃぐしゃと念入りに頭を撫でるマネさんは目をちょっと瞑って何か考えてたみたいだけど、すぐに手を離した。
「ならいい」
なんかいつもとちょっと違う雰囲気で怖かったけど、それ以上なんも言うことはなかったから俺も気にしない。芸能界で長く生き残るには不必要に首を突っ込まないことって教えてもらってるから。
蓮が背中をバンと叩いてきた。
「い゙っ」
「それよりよお! なあお前やるじゃん!」
「えっ、何が……?」
「いつもの奴ですよ」
「えっなになに。知らないんだけど」
ホワイトボードの前まで案内されると、そこには明らかに蓮の手書きで「チョコ獲得ランキング!」と書かれた紙が貼られていた。
一位は光木、二位はショータ。明らかに次元の違う数に悔しさすら浮かばない。だけどその下、三位のところにDD9に居た時すらパッとしなかった俺の名前が書いてあった。
- 160125/02/02(日) 19:09:29
「え……」
「最近ショータと一緒にバラエティ出たり、蓮の暴走止めたりで人の目につくことが増えましたからね」
「やっぱさあ、人目に付きゃわかるんだよねみんな彰の良さってやつが!」
「これから仕事増えていくと良いね」
ちょっと想像以上のことに頭がパンクしている。
DD9時代は正直地味だって言われて、“個性”もないし推すところが少ないだなんて言われることも少なくなかった。バーターとして出てもメインボーカルじゃないからって理由でカットされることも少なくなかったし。
びっくりして固まっていると、肩を叩かれた。得意げな顔をしたショータがこちらを見ている。
「ショータ」
「選ばれたなあ」
まだ、お前らのおまけだけど。
そう思う自分もいたけど、今まではおまけですら選ばれなかった。目に入ることも少なかった。そう考えると、これは凄い進歩だ。
自分でも驚くくらい嬉しくて、隣に居たショータを思わず抱きしめる。細い体が水に入れられた猫みたいに跳ね上がったのが面白くてもっかい力強く抱きしめた。
なぜか怒った拓哉に引きはがされるまで抱きしめていたら、毛を逆立てたショータにめちゃくちゃ怒られた。
なんだかそれも、悪くないと思うんだ。
- 161125/02/02(日) 19:10:29
- 162二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 19:13:28
AKIRAくん思ったより大型犬っぽい性格でめちゃくちゃ可愛いな、ていうかメンバー全員可愛いわ
徐々に地道な努力が報われてきてて本当に良かった
途中の写真撮られたっぽいのが不穏すぎるけど続きも楽しみに待ってます - 163二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 19:23:27
AKIRAいい奴すぎる…
- 164二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 19:25:38
出てくる情報が不穏すぎるのに拓哉が速攻口説きに行くの可愛い〜ってなっちゃったし彰良い子すぎる
グループ全員幸せになってほしい
続き気になるけど怖いな - 165125/02/02(日) 19:32:23
遅くなったけどマネージャーの話に感想くれた人&反応くれた人ありがとう!
AKIRAの話も読んでくれてる人ありがとう!嬉しい!
AKIRAの話はオリキャラと転生澤の話だからURL一括にしようとも思ったんだけど後々の展開的にみんなに見て欲しい話だったから直書きにしたぜ
ほんまみんなの反応が驚くほどモチベにつながってるのでありがたく感想いただいてる - 166二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 20:28:03
このSSでAKIRA推しになりそう 無個性って言うと微妙な空気になるのって多分本人からしたら結構不快だと思うんだけどそれでも真っ当に頑張ってきて報われ始めてるの嬉しい 撮られたの不穏すぎるが…
- 167二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 22:33:07
BLACK CASEに愛着が湧きすぎてる
これ全員分の掘り下げ来たらどうなっちまうんだろう
もうみんな幸せになってほしい - 168二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 23:44:01
色彩から勝手に白雲っぽいな〜って思ったけど、もしかして白雲家系の人間…??
- 169二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 07:57:36
マネさんの素性とショータの家族が気になりすぎる
ドル澤の話が更新されるたびにメンバーのことが好きになってくる - 170二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 10:58:48
メンバーとのやり取りがめちゃくちゃ可愛いけど実家訪問辺りから不穏さがうっすら残ってるのが不安
ショータが素顔を前世関わりのあった人間に見せたがらない理由もはちゃめちゃに気になる〜!! - 171二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 12:36:35
スレ主の好きなように書いて♡
って気持ちと
お願いだから苦しめないで♡
って気持ちが喧嘩してる
読み物としてめちゃくちゃ気になるけど不穏さが忍び寄ってくる感じがこええ - 172125/02/03(月) 21:08:08
ただいま
ファッキン労働
尿道責めが好きなので♀澤の尿道からクリトリスを刺激して排尿だけで甘イキするだらしねえ体に改造したい
理由はなんでも良いのでたぶん先生のことを好きなストーカー激強敵とかで
激強敵はクソ童貞だから挿入に躊躇しちゃって後ろから陥没乳首をカリカリして乳首だけでイケるくらい開発とかもしてくる
そのあと満を辞して挿入されて子宮が快楽を受け取りたがって絶望しながら中イキしてしまう先生可愛いな
監禁されて2ヶ月くらいで助けが来るんだけど変わり果てた淫らなイレイザーの姿に言葉を失いてえよ
いや相澤先生はどんなことがあっても心は折れないので淫らな姿になってるだけですぐに戦線に復帰します
今日は無理なので寝るぜ
おやすみ! - 173125/02/03(月) 21:13:11
男の尿道責めも好き
やはり尿道という出すだけの穴に一方的に物を入れられて快感を得るようにさせられるっていう屈辱的な状況がたまらないよね
どんな拷問にも声をあげないのに激強敵に捕まって尿道から前立腺を刺激されて泣き叫ぶイレイザーが見てえよ
理不尽に与えられる快楽にケツを上げて無様に耐えようとしてて欲しい
男と女の快楽を同時に摂取してて欲しいのでふたなりでもいい
先生が快楽でダメになる姿が私の心を癒してくれる
そういうわけなのでよろしくお願いしますね先生 - 174二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 21:57:27
スレ主の限界どすけべ小話大好き
快楽で堕とされる先生で癒されるのめっちゃ分かる
激強敵に改造されて絶望しながら中イキする先生も肩上げながら必死に耐えてる先生も最高すぎる - 175二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:45:57
またスレ主に性癖壊されちゃったや
ドスケベボディに改造されたせいでその後の排尿にまで支障きたすのえっち過ぎる
俺も淫らに変わり果てた先生発見してえよ - 176二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 23:08:04
どすけべ先生を発見したのは誰なのか…
- 177二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 07:21:13
尿道責めいいよな分かる
スレ主の快楽堕ち澤の話本当大好き
メンタル強いから屈辱的な感情が長く続くのも最高 - 178二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 08:11:36
♀澤の乳首が陥没してるのめっちゃエロいな
ていうか男でもエロいけど
ストーカー男にカリカリされて開発される先生見たすぎる - 179二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 12:24:25
スレ主が労働で苦しんでると生まれるドスケベ小話本当に好き
日常生活で甘イキしちゃう♀先生エロすぎて可愛い
激強ヴィランに体だけ感堕ちさせられてほしい - 180二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 18:47:06
スレ主には健康でいて欲しいのにファッキン労働の時に話してくれる理不尽エロ先生の話が好きすぎるジレンマ
望んでないのに体は感じちゃうの大変どえっちで良い - 181125/02/04(火) 22:20:16
今日は書けねえ!
明日は書きに来れる
理不尽スケベが好評で何よりだよ
先生の体は理不尽にスケベな目に合うために存在してるからね
前に話してた上位存在に人権ぐちゃぐちゃにされる先生が個人的にアツい
やっぱりこの世界の人間相手だと可哀想が勝っちゃうから
上位存在ならいくらでもぐちゃぐちゃにされていいからね
宇宙から侵略されてもう人類絶滅するってなった時「この人を伴侶にしてもらえたら侵略辞めます」って向こうから指名されてやったらあ!って花嫁(男)になることを選ぶ相澤先生とか良いよね
初夜の時どっろどろのぐっちゃぐちゃにされて大泣きするけど「帰りたいですか?」って聞かれても絶対に君の傍に居たいって返す先生
そのあと地球は宇宙人の庇護下に入って幸せに暮らすけど先生は宇宙人と同じ長さの命を与えられて終わり無い快楽と失うことのできない正気に絶望しつつ毎日幸せに愛されてほしい
上位存在の気分によっては女の子になったりケモになったり大忙しの先生
でも最後は全部気持ちいいから大丈夫だよ
寝るぜ - 182二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:21:42
ケモになるの!?
また癖を壊されたわ
ありがとう - 183125/02/04(火) 22:26:45
ケモは良いよね…ケモ度が高ければ高いほど良いよ…
複乳とかで狂うポイントを沢山増やされてほしいよね
あいざワンって絶対メス化したら複乳だと思うんですよ
首輪繋がれてウォンウォン鳴いても言葉分からないねえ~wって言われて弄ばれる先生はとっても可愛いと思うんですよ
でも人型で全身に毛が生えているタイプのケモも好き
耳としっぽだけのやつはケモ化という名の逃げ - 184二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:31:40
どの段階の先生も興奮するよね…
わかる… - 185二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:34:19
>耳としっぽだけのやつはケモ化という名の逃げ
ま…まあ あんたほどのスレ主がそう言うのなら…
- 186二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:48:01
ペットにされる先生の話好きだったから助かる
上位存在だから感度操作からケモまでやりたい放題できるの激アツすぎる - 187二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 07:35:33
ケモナーワイ大歓喜
複乳あいざわんエロ過ぎて泣いた - 188二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 08:04:53
ケモが守備範囲外だったから一瞬戸惑ったけどたしかに乳が複数あれば乳首も複数あるってことか…
それはエロいな… - 189二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 08:24:07
- 190二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 17:35:13
人型の全身に毛があるタイプのケモ化が好きなワイ、歓喜
わかる可愛いよね - 191二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 18:44:20
ドル澤の話なんだけどBLACK CASEって後ろ盾のないアイドルグループだから絶対そっくりさんAVがあると思うんだよな
SHOTAのそっくりさんAVを見つけたらTAKUYAはどうするんだろうか - 192125/02/05(水) 21:01:30
ただいま〜
今から書いて持ってくるから日付変わりそう
新スレと一緒に持ってくるからこっちはその時一緒に埋めちゃうね - 193二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 21:17:46
やったー!
新作だー! - 194125/02/05(水) 22:35:54
- 195二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:36:26
埋めて良い?
- 196二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:36:37
おっけ!埋めちゃおう!
- 197二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:36:48
埋め
- 198二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:37:18
これからもスレ主の先生への歪んだ愛を見れますように
- 199二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:38:01
うめ
- 200二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:38:12
スレ主の健康祈願