【基本🎲】救済の魔族は好きなように生きたい【葬送フリ二次】

  • 1125/01/22(ć°´) 00:47:29

    ダイスと原作展開に導かれて、オリ魔族が自分の救いを見つけようとするスレ
    なにこのかわいそうな魔族。いやでもサイコパスじゃん。と思いながら読んでください
    感想があるとすごく嬉しいです


    注意事項
    原作キャラ死亡 キャラ崩壊 解釈違い 倫理観がない
    残酷な描写はあるかも スレ主とダイス神の気分次第

    サムネはPicrewで作ったオリ魔族のイメージ。不慣れなスレ主ですがよろしくお願いします

  • 2125/01/22(ć°´) 00:49:45
  • 3125/01/22(ć°´) 01:01:39

    このスレ固有の登場人物紹介

    ・救済のハイリ
    約1000年生きた大魔族。使用するのは"心の声を感知する魔法"。
    好きなものは自分の魔法。
    困っている人間に優しくする。珍しい魔族。

    魔法を何より重視する魔族に生まれて、けれど魔族という生き物には人の心を尊重する生態が無かったので、生まれてからずっと周りから見下されてきた。自己肯定感が最底辺。かわいそうな魔族。
    その世界のすべての人間の心の声を聞くどころか、過去・現在・未来にいる人間の心の声を感知することができる。そこまでやっても同族からの評価は最底辺なのである。魔族ってのはどうしようもない。
    魔法少女育成計画のスノーホワイトというキャラクターがモチーフ。お労しいのは可愛い。

    前スレでは最終的に、『次の魔王』を名乗ることになった。

  • 4125/01/22(ć°´) 01:05:25

    今日はここまで。人物紹介と前スレのあらすじはまた明日。おやすみなさい

  • 5二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:06:42

    このままだと落ちるぞ

  • 6二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:13:00

    新スレは10レスまで保守しないと1時間くらいで落ちますよ

  • 7二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:15:18

    葬送

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:15:38

    ぎ

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:15:59

    うめー

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 01:16:23

    れん

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 11:51:05

    あげ

  • 12二次元好きの匿名さん25/01/22(ć°´) 22:06:34

    たいき

  • 13125/01/23(木) 00:03:37

    ・不死なるベーゼ
    七崩賢と呼ばれる大魔族の一人。
    使用するのは"世界を隔てる魔法"(通常の結界魔法)と"世界を拒む魔法"(結界師の絶界)。

    原作では死亡済み。ダイスの結果生き残った。
    またダイスの結果、クヴァールとシュラハトという魔族陣営で屈指の叡智なキャラとだけ交友関係が結ばれたため、こいつも負けず劣らずの知能キャラになった。


    ・腐敗の賢老クヴァール
    原作において最初に登場した敵の魔族。使用する魔法はゾルトラーク。
    「己の魔法の価値を人類に認めてもらう」というハイリの方針に賛同。ハイリを『次の魔王』と認めている。

    80年の人類の積み重ねをわずか数分で理解する。生かしておいたら人類が大ピンチ。
    こちらも原作では死亡済み。ダイスの結果生き残った。

  • 14125/01/23(木) 00:06:34

    人間サイドの登場人物紹介

    ・ゼーリエ
    人間大好きおばあちゃん。10000年以上生きたエルフ。
    どんな魔法でも使える。どんな魔法でも人に教えられる。それと戦闘狂。
    新しい魔王の脅威に対処するべく、これからフェルンにいろいろと教示する。

    ハイリの強さはなんとなく理解している。
    未来や並行世界を読めることには気づいていないが、自分たちの魔力制限がバレていることには気づいている。


    ・フリーレン
    お子様おばあちゃん。1000年生きたエルフ。
    かつて勇者一行の一人として魔王を倒した原作の主人公。
    鈍感。ひたすらに鈍感。
    魔力制限がバレていることはゼーリエに言われてから気づいた。


    ・フェルン
    天才魔法使いちゃん。
    ハイリの強さとお労しさをなんとなく理解している、現時点で唯一のハイリの理解者。
    はたしてフェルンはハイリとどう向き合っていくのか。今後に注目したい。

  • 15125/01/23(木) 00:16:55

    前スレのあらすじ

    ・デンケンさんが死亡する。
    ・原作ではかませだったベーゼが生存する。
    ・原作では最初に討伐されるはずだったクヴァールのイベントにハイリたちが介入。クヴァールが生存する。
    ・ゼーリエさんが颯爽と登場する。
    ・未来や並行世界を感知できることは隠したが、ハイリが同族から差別されていたことが人間に伝わる。
    ・動揺したフリーレンさんの心を読んで、ハイリが『次の魔王』を名乗りはじめる。
    ・クヴァールさんがハイリのやり方に賛同する。

    ・フリーレンたちは原作通りシュタルクの元に向かう。
     ハイリたちは先回りしてアウラの元に向かう。

  • 16125/01/23(木) 00:17:52

    今日はここまで。おやすみなさい
    投稿は今後もスローペースになります。よろしくお願いします

  • 17二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 10:03:55

    たておつです

  • 18二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 22:03:20

    ほす

  • 19125/01/24(金) 00:45:43

    レイトショーで映画はたく細胞を見てきました。とても良かったです


    今日は次の展開のダイスを振ったら寝ます



    次の展開dice1d10=2 (2)

    2~5.シュタルクのいる村から

    6~9.アウラの登場から

    1,10.ソリテール参戦

  • 20125/01/24(金) 00:46:26

    はたく細胞→はたらく細胞

    ではまた次回。おやすみなさい

  • 21二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 10:27:19

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん25/01/24(金) 21:54:32

    このレスは削除されています

  • 23125/01/24(金) 23:28:02

    「死ぬかと思いました……」

    旅の途中。危険な魔物である紅鏡竜に出会い、竜と人による決死の逃避行を終えたフェルンが言った。

    「こっちの魔法は少なからず効いてた。これを何回も繰り返せばいつか倒せるでしょ」
    「やってみろ。フェルン」

    「無理です」

    無茶振りをしてくる師匠2人に、フェルンは断固拒否を唱えた。
    この2人むちゃくちゃである。

  • 24125/01/24(金) 23:32:51

    ゼーリエの厳しさ dice1d100=7 (7)


    フリーレンの修行を50とする。1で放任。100でレルネン

  • 25125/01/24(金) 23:43:57

    「……ゼーリエ様があの竜を倒せばよいのでは」
    「それではお前の修行にならんだろう」

    じゃあ、何か教えてくださいよ。あれから何もしてないじゃないですか。自堕落なエルフが2人に増えて私の苦労が倍になっただけじゃないですか。とフェルンは思った。

    「私はフリーレンより自堕落ではない」
    「心を読まないでください。そして分かってるなら改善してください」
    「心を読まれても動揺しない。それがお前への修行だ」

    それは自堕落の説明になってない、とフェルンは思った。
    ゼーリエは不敵に笑う。返事をしろ。

  • 26125/01/24(金) 23:57:07

    「とはいえ竜との追いかけっこは魔法使いのやり方じゃない。素直に前衛を仲間に入れよう」

    そう言ってフリーレンは谷の向こうを見る。そこには村がある。戦士アイゼンの弟子のシュタルクがいる。
    フェルンたちは村へと足を運んだ。

    入ってみると、村は活気にあふれていた。人を襲う竜が近くに縄張りを張っているのに、とてもそう見えないほど村は平和だった。

    「そういえば、竜の巣にあった魔導書にはどのような魔法が記されているのですか?」
    「「服が透けて見える魔法」」

    エルフ2人の声が揃う。魔導書の中身にフェルンはドン引きした。

    「…………エルフって変な魔法を集めるのが好きなんですか?」
    「「私のは趣味」」

  • 27125/01/25(土) 00:11:20

    そんなやり取りを挟みつつ、3人に声をかける村人が現れた。シュタルクのいる場所を知っているその村人に導かれて、村の外れにいるシュタルクと邂逅した。

    「仲間になるのは別に構わねえぜ。ただ紅鏡竜だけは絶対に倒してもらう。フリーレン、お前なら倒せるんだな?」
    「30秒足止めしてもらえれば確実に」
    「なるほど、30秒か。それ、俺がやらないと駄目かな?」

    「何を言っているのですかこの人は?」
    「面白いなこいつ」

    シュタルクの弱気にフェルンは呆れる。
    ゼーリエはシュタルクの強さを見抜き、目の前の少年が自分の強さを自覚せず、これほど弱気なことをおもしろがった。

  • 28125/01/25(土) 00:24:38

    「助けてくれよフリーレン! あいつ人間が戦っていいような相手じゃねーよ!! でも逃げられる雰囲気じゃないんだよ!!」
    「こいつは駄目です。他を当たりましょう」

    年甲斐もなく全力で泣き、フリーレンに抱きつくシュタルク。フェルンはシュタルクに蔑んだ目と冷たい声を向けた。

    「見捨てないでくれよぉ!!」
    「フェルン、こいつは竜と戦えるよ。できるはずだ」

    フリーレンは、そばにある岩壁を見る。
    そこに、地震で割れたとしか思えない――――深く、深く、断ち割れた岩壁をある。

  • 29125/01/25(土) 00:39:57

    夜。村の外れから、ドォンと大きな音がする。フェルンはその音が気になった。

    「なんの音でしょうか?」
    「シュタルクでしょ。気になるなら見てくれば? 私はもう寝る」
    「魔法協会に行ってくる。明後日には戻る」

    フェルンはひとり大きな音の鳴る方に向かった。
    数時間前にフェルンたちとシュタルクが話をした場所。
    そこでシュタルクが岩壁に斧を打ち付けていた。

    深くえぐれた岩壁は、村の英雄シュタルクの修行の跡だった。

    「この村の連中にとって俺は英雄なんだよ」

    その言葉には強い意思が込められていた。

    「……とは言ってみたが実際は逃げ出しちまうかもな」
    「……シュタルク様は逃げないと思います」
    「俺の何がわかる?」

  • 30125/01/25(土) 00:42:36

    「わかりません。ただ、怖かったことを思い出したのです」


    フェルンの恐怖 dice1d2=1 (1)

    1.原作通り、最初に魔物と戦ったときのこと

    2.ハイリとのこと

  • 31125/01/25(土) 00:51:59

    フェルンはシュタルクに自分が最初に魔物と戦ったときのことを話した。
    それまでたくさん修行をしたこと。でも恐怖に負けて走って逃げたこと。追い詰められて、覚悟を決めて振り返ったとき、体が勝手に動いて、気がつけば魔物を倒していたこと。

    「必要なものは覚悟だけだったんです。必死に積み上げてきたものは決して裏切りません。シュタルク様はどうしようもない臆病者ですが、村を守りたい覚悟だけはきっと本物だと思います」

    フェルンはシュタルクを励ます。シュタルクは修行でぼろぼろになった自分の手を見る。そして彼はフェルンの励ましを反芻し、握りこぶしを作った。

    「…………覚悟か……」

  • 32125/01/25(土) 00:52:10

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 33二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 12:06:10

    おつした
    源作再現度高い

  • 34125/01/25(土) 22:50:56

    本日の投稿はお休みです。おやすみなさい

  • 35二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 09:55:04

    了解です

  • 36二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 17:20:43

    今日はどうかな

  • 37125/01/27(月) 00:10:13

    紅鏡竜の強さ


    dice1d10=2 (2)

    1~7.原作通り(戦闘描写カット)

    8~9.強化あり(デジャビュする竜)

    10.超強化(壊れず、触れたものを重くする赤い鱗)

  • 38125/01/27(月) 00:27:40

    シュタルクの渾身の斧撃によって紅鏡竜の命脈は途切れる。

    「……俺がやったのか。俺が一人で、竜を倒した……」
    「よくやった。期待以上だ。偉いぞシュタルク」

    少年の肩をフリーレンは優しく叩く。
    戦士の勝利を褒め称える。

    自分一人の力で竜を倒したと思えず、約束していた援護がなかったことに怒ったシュタルクは、フリーレンに向かってクソババァと叫んでいた。けどまあそれはそれだ。
    結局シュタルクと竜の戦いは翌日の出来事だったのでゼーリエはクソババァ呼びを免れた。だからこのことは絶対に忘れないとフリーレンは誓った。

  • 39125/01/27(月) 00:49:43

    自分の力を初めて誰かに褒められた。自分にも戦う覚悟があったことを実感できた。
    2人には助けられたのかなとシュタルクは思った。

    紅鏡竜が集めていたのはおとぎ話のような金銀財宝ではなく魔力のこもった物。魔力を感じられないシュタルクにはそれはガラクタにしか見えない。

    「本当にくだらねぇな。こんな物に夢中になれるのか」
    「ううん、宝の山だよ」

    「師匠はさ……。お前のせいで勇者一行の冒険がくだらない旅になったって言ってたぜ」
    「そう」

    ――――くだらなくて、とても楽しい旅だったってよ。

    シュタルクの師匠でありかつてのフリーレンの仲間、戦士アイゼンの言葉を代弁する。
    フリーレンが微笑んだ。

    「これからどうする?」
    「師匠が俺を連れてけって言ったんだろ。それに、俺もくだらない旅がしたくなったよ」

    戦士シュタルクが仲間に加わった。

  • 40125/01/27(月) 00:57:18

    ――――同時刻。大陸魔法協会 北部支部。

    「そういうわけでな。どこに居ても救済のハイリに心を読まれるなら会議や作戦に意味などない。故に私は独自に動くことにした」

    一級魔法使いたちに新しい魔族の脅威が伝えられる。
    ゼーリエは好戦的な笑みを浮かべている。けれど一級魔法使いたちの表情は重かった。

  • 41125/01/27(月) 01:02:03

    気落ち度


    レルネン dice1d100=10 (10)

    ゼンゼ dice1d100=97 (97)

    ゲナウ dice1d100=64 (64)

    ファルシュ dice1d100=40 (40)


    10以下なら気づきあり

    90以上なら不安に耐えられず同行を申し出る

  • 42125/01/27(月) 01:02:17

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 43125/01/27(月) 01:05:09

    それらしいダイス目になってクスリと来ました


    ちなみに紅鏡竜の強化内容はうえきの法則の能力です


    >>33

    感想ありがとうございます。とっても嬉しいです

  • 44二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 11:18:52

    乙です
    そういえば源作に限らず心を読む魔法とか能力って凄くメジャーだけどみんなどうやって対策してるんだろ
    予め考えてはいけない事を決めて心に蓋をしておくとか?

  • 45二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 17:43:14

    このレスは削除されています

  • 46125/01/27(月) 23:54:59

    「私はゼーリエ様について行く」


    髪を操る魔法使い、ゼンゼが同行を申し出る。

    ゼーリエは彼女の意思を問う。


    「付いてこなくてもいいんだぞ」

    「救済のハイリと戦うためじゃない。召使いとしてついて行きます」



    ゼンゼの不安の要因

    dice1d10=6 (6)

    1~6.心を読まれること

    7~9.ゼーリエをひとりにすること

    10.ハイリへの同情

  • 47125/01/28(灍) 00:13:15

    「ゼンゼ。怖いなら怖いと言っていい」
    「……申し訳ございません。ゼーリエ様」
    「いいんだ」

    ゼンゼがゼーリエに歩み寄る。ゼーリエは優しくゼンゼを抱きとめた。

    ……なおこの場にいる魔法使いはみなゼーリエの熱狂的なファン。他の魔法使いはゼーリエに抱きつくゼンゼを羨ましそうに見た。
    尊敬する人の香りに包まれたゼンゼは「癒やされる……」ととろける。

    ゼーリエ様に癒やされなければ立ち行かないのは事実だが、なんかこう役得だなあ。とゼンゼは思った。

    ゼーリエはゼンゼを置いていこうか一瞬考えた。

  • 48125/01/28(灍) 00:34:33

    「私は城塞都市ヴァイゼに赴きます。ハイリが七崩賢の生き残りを集めるならば、必ず黄金郷のマハトのもとを訪れるでしょう」
    「……レルネン」

    「はい。ゼーリエ様。あなたの思う通りです。私はデンケンの無念は晴らすことを諦めます。――――『救済』とは、そういうものなのでしょう?」
    「……そうだろうな。……だからこそ、厄介極まりない」

    「それに。城塞都市ヴァイゼにマハトを封じた結界は人間の叡智の結晶です。ならば誰かが城塞都市の監視をするべきでしょう」
    「人の心を読み取るハイリ。結界魔法の使い手であるベーゼ。この2人がいれば、ヴァイゼの結界が解かれるのは時間の問題か」

    レルネンの懸念。ハイリがアウラとの合流を済ませれば、次にハイリは最後の七崩賢の生き残りであるマハトとの合流とヴァイゼからの解放を目指すだろう。

    原作においてヴァイゼの結界の解除に無名のソリテールが1ヶ月の時間を要していた。
    ベーゼとハイリがいるのであれば1ヶ月以内に結界は解除される。フリーレンの魔法の解析が間に合わなくなる。

    黄金郷のマハトの完全復活が秒読みに入っている。
    もはやヴァイゼの結界が薄氷にしか見えない。

  • 49125/01/28(灍) 00:34:50

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 50二次元好きの匿名さん25/01/28(灍) 10:49:52

    このレスは削除されています

  • 51二次元好きの匿名さん25/01/28(灍) 20:37:35

    よし復旧

  • 52125/01/28(灍) 21:43:01

    本日の投稿はお休みです。おやすみなさい

  • 53二次元好きの匿名さん25/01/29(ć°´) 01:16:43

    このレスは削除されています

  • 54二次元好きの匿名さん25/01/29(ć°´) 09:44:43

    このレスは削除されています

  • 55二次元好きの匿名さん25/01/29(ć°´) 17:15:32

    AGEAGE

  • 56125/01/29(ć°´) 20:14:42

    風邪引きました。今日もお休みです。申し訳ない

  • 57125/01/29(ć°´) 20:30:09

    37度後半。インフルかも

  • 58二次元好きの匿名さん25/01/29(ć°´) 20:37:32

    >>57

    了解です

    お大事に

  • 59二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 01:55:07

    このレスは削除されています

  • 60二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 10:13:12

    ほしゅ

  • 61二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 18:15:17

    今更だけどフリーレンスレ珍しいな

  • 62125/01/30(木) 23:30:10

    大事を取って今日もお休み。平熱まで下がったけど少し喉が痛いので夜更かしせずに寝ます。明日は投下したいです

  • 63二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 02:24:24

    お大事に

  • 64二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 11:08:47

    回遊祈願

  • 65二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 17:49:22

    あげ

  • 66125/01/31(金) 23:47:15

    ――――シュタルクの竜の討伐の翌日。

    「私の付き人として旅に同行することになったゼンゼだ」
    「よろしく」
    「パーティーの男女比おかしくないか?」

    男1女4の構成に形見の狭さを感じたシュタルクが物申す。

    「ちっさ」
    「ねえいまどこ見て言ったの? 服が透ける魔法使った? ちっさくねーよ!!」
    「いえ、シュタルク様の器が小さいなと」
    「それなら良かった……いや良くねえ!!」

  • 67125/02/01(土) 00:31:12

    「というか事情が飲み込めないんだけど。魔王ってなに? 七崩賢の生き残りってどういうことなの? 危険な旅なら帰りたいんだけど」

    紅鏡竜という目下の脅威があったので、シュタルクにハイリの説明をするのを忘れていた。

    「帰らないでください。それに帰っても意味がありません。たとえ世界のどこにいても心を読まれるので、どこに逃げても必ず見つかります」
    「えっ……。今もじゃあ、俺らの心が読まれてんの?」
    「そうなるよ」

    フリーレンが答える。
    ハイリの脅威に怯えていたゼンゼが、フリーレンのどこか楽観的な様子にむっとする。

    「……ゼーリエ様。もしかしてこのエルフは気づいていないのか?」
    「エルフとしてはまだ若いからな。ただ、フェルンは無意識で気づいているぞ。ハイリの魔法のと、ハイリという存在の救えなさを、な」

  • 68125/02/01(土) 00:34:50

    >>67訂正

    ハイリの魔法のと、ハイリという存在の救えなさ

    ↓

    ハイリの魔法の異常さと、ハイリという存在の救えなさ

  • 69125/02/01(土) 00:50:06

    「どういうこと? 心を読むだけの魔法でしょ?」

    フリーレンの質問にゼーリエとゼンゼが答えた。

    「2つ、訂正することがある。
     まず1つ目。救済のハイリは1000年生きている。
     奴は“今”生きている人間すべての心を読むだけではない。――――“この1000年間”に存在していたすべての人類の心を読み続けてきた。
     それはもう人類の叡智をすべて知っていると同義だ」

    「城塞都市ヴァイゼには黄金郷のマハトを閉じ込めている大結界がある。人間の魔法使いたちが組み上げた強力な結界だが――――“1000年以内に考案されていれば救済のハイリが知り尽くしている”。
     どれだけ強力な魔法だろうとハイリなら簡単に攻略できる」

  • 70125/02/01(土) 01:07:26

    「そのマハトってどのくらい強い魔族なんだ?」
    「魔王軍の中で一番強い魔族だそうです」
    「じゃあやべーじゃん!?」

    「うるさいぞ。まだ途中だ。悪い話が残ってる」
    「そこは良い話と悪い話のパターンじゃねえのかよ!?」
    「悪い話ともっと悪い話のパターンだ」
    「最悪じゃねえか!!」

    「………………」
    「フリーレン様……」
    「ようやく現実が追いついたか。フリーレン。
     2つ目。おそらく救済のハイリは“あらゆる魔法を使える私(ゼーリエ)の記憶”に加えて“あらゆる未来を見ることができた南の勇者の記憶”すら読んでいるだろう。……さすがにこれは、私でも厄介と言わざるを得ないな」

  • 71125/02/01(土) 01:33:10

    「こと対人戦闘において救済のハイリが敗北する道理はない。心を読まれない魔法や魔法を封じる魔法を使えたところで、対策の魔法を使えることも、使おうとしていることも読まれていればどうしようもない」

    「…………なんだよそれ。打つ手ねえだろ。どうすんだよ」
    「……………………」
    「フェルン?」
    「どうしたのフェルン? 泣きそうな顔をして」

    「やはり、気づいているんだな。私たちがハイリに心を読まれていても、大丈夫だという根拠に」
    「……っ、」

  • 72125/02/01(土) 02:13:01

    その途端、フェルンが泣き崩れる。

    「う、う、、――――、―――!」

    えずきながら、大粒の涙を流してフェルンは泣いた。
    心配したフリーレンとシュタルクが駆け寄る。ゼンゼも駆け寄りはしないが心配そうにしている。

    「おい、おい!? いったいどうしたんだよ!?」
    「魔族に同情するからだ。馬鹿だな」

    ゼーリエは泰然としていた。
    突き放すように見えるゼーリエの冷たさにフリーレンは怒りの表情を向ける。けれどゼーリエは表情を変えなかった。耳にかかった髪をすくだけだった。

    「言葉にすれば単純だがな。だが……たとえ“その間隙”を知っていようと、どれだけ奴に同情しようと…………意味がない。フェルンの悲しみも同情もハイリには届かない。むなしいだけだ。今こうして涙するフェルンの優しさをハイリは理解しない。なぜなら奴は魔族だからだ。

     ――――同情しても意味がない。そのことに悲しんでいる。それだけだ」

  • 73125/02/01(土) 02:14:57

    今日はここまで
    スレの主人公、ハイリの重要な設定開示だったのでダイス無しで進めさせていただきました

    おやすみなさい

  • 74二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 10:48:39

    おつした

  • 75二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 16:55:43

    どうなるかな

  • 76125/02/01(土) 23:39:57

    本日はお休み。明日の朝昼夕のいずれかで投下するつもりです

  • 77二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 05:28:13

    スレ主
    文章好きだからさ、多分小説投稿サイトの方が読んでくれると思う
    ここじゃなくてカクヨム ハーメルン pixivの方がレスポンスも貰えていいんじゃない?

  • 78125/02/02(日) 09:58:10

    >>77

    ダイスで遊びながらキャラを動かしたいからスレ形式で書いています


    それにPVやお気に入りの数字の増減だけより保守の方がレスポンスをもらってる実感があります

    だからこのスレで書く時はハーメルンで書いてた時よりモチベーションが上がっています。スレ民のみなさんいつも保守ありがとうございます!


    あとハーメルンでオリ魔族小説は完結させてます。でも感想がそこまで入らなかった。このスレ以上に難解な話を書いているから感想は書きにくいし評価も高くならないのは残当ですけど


    さらに言うと、前作のオリ魔族は魔族の特性に完全に縛られていて、全然自由に動かせませんでした。その憂さを晴らすために今回は自由に動かせる魔族をやりたいんです


    今はまだハイリは魔族の価値観と生態に縛られています。しかしいずれはそれを超越します

    だから彼女は次の魔王です

    自由を得るために。誰かを好きになるために。魔族の在り方を変えるために。彼女は魔王になりました


    私の欲しいのは閲覧数ではなく「見ているよ」という声(保守)です

    だからこのままスレを続けるつもりです

  • 79125/02/02(日) 10:05:00

    ちなみにハイリの物語は全4章で考えています。今は2章の中間辺り。そこまで長くなりません

    1章はプロローグ。2章はアウラ。3章は魔法使い試験とマハト。4章で最終決戦

    今後の展開をお楽しみに

  • 80二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 17:15:53

    お疲れ様でした、応援してます

  • 81125/02/02(日) 22:03:08

    「同情するな。これから殺し合う相手を憐れむな。お前が死ぬぞ」

    「……フェルン。こればっかりはゼーリエの言う通りだよ。これまでずっとそうだった。どれだけ魔族に対して優しく接しても、魔族は絶対に人を殺そうとする。分かり合えることはないんだ。むしろ、人間に積極的に親しみを持つ魔族の方が危険だ」

    ゼーリエとフリーレンがフェルンを説得しようとする。
    はてしない年月、魔族と戦い続けた。だから魔族というものをよく知っている。
    本当におそろしいのは人間に近づこうとする魔族なのだ。

    「前の魔王。かつて私と勇者ヒンメルが倒したこいつは、人間との共存を考えていたんだ。それなのに魔王がやっていたことは人類をできるだけ多く殺すことだった。共存を願っていた。そして人類の勢力圏が3分の1になるほどのものを滅ぼした。
     ハイリも同じだ。きっとハイリも自分の魔法を人間に好きになって貰えるまで悪人を殺し続ける。
     いつまで? 人類が絶滅するまでだ。
     人類が最後の一人になって、善と悪に分けられなくなるまで。優しいフェルンが一人残されるまで――――魔王は悪人を殺し続けるよ」



    「……………そんなことは、分かってます」

  • 82125/02/02(日) 22:18:25

    「……フリーレン様。……ゼーリエ様。私は、分かってます。だってあの時、ハイリと面と向かった時に、私は心の中でハイリに向かって質問しました。


    『dice1d10=2 (2) 』って」



    1~5.人間を好きになったりしないんですか?

    6~9.魔族に怒りたくならないんですか?

    10.――――――――あなたは「■■■■」が言えないんですね。

  • 83125/02/02(日) 22:46:15

    「1000年生きて……1000年間人間の心に触れ続けて。1000年以上生きているゼーリエ様の記憶に触れても、未来を見られるお方の記憶に触れても、ハイリは人間を好きになることも、魔族を嫌いになることもなかったんです。
     それって、きっと………本当に最初からすべての人の心に触れることができてしまったから」

    「……最初から」

    「ハイリは最初から分かっていないんです。ハイター様は言っていました。差別は、特別な誰かや特別な何かを作ろうとする気持ちから生まれる、どうしようもないものだって。――たぶんきっと、ハイリにはそれがなかったんです。――きっと、特別を作るきっかけを、もらえなかったんです」

    1000年あっても誰かを好きになるきっかけがなかった。

    だって始めから全部知っていたし、魔族はハイリの魔法のすごさが分からなかったから。
    全人類の心を読むなんて、とってもすごいことをできてるのに。

    意味がなかったから。むなしいだけだから。
    そんな、そんな、悲しすぎる理由で――差別という感情にすらハイリは共感できなかったのだ。

  • 84125/02/02(日) 23:27:51

    「……いていいのかよ」

    シュタルクは目に涙を溜めていた。

    「そんな悲しいやつ、いていいのかよ!! なんとかして助けるべきだろ!!」
    「ダメだ」
    「なんでだよフリーレン!」

    「いまフェルンが言っているのは、それだけの時間ときっかけがハイリにあっても、心変わりをするきっかけにならなかったって意味もあるんだ。
     シュタルク。もう終わっている話なんだ。これまでもこれからもハイリを変えるきっかけが現れなかったからハイリは“ああ”なってる。『誰かがハイリに優しかったら』なんて話はとっくの昔の1000年前に通り過ぎた。始まる前に終わってる」
    「…………だったら、」

    「私たちにできるのはハイリが人間を殺す前に私たちの手で引導を渡すことだけ」
    「……………………くそっ、くそっ、ちくしょぅ……」

    シュタルクは泣いた。つらい現実から逃げるように走り出した。シュタルクが見えなくなって、大きなものが激突したような衝撃が響いて地面が揺れる。おそらく、岩か壁に八つ当たりでもしたのだろう

    「…………シュタルク、様」

    それでももし救われるものがあるとすれば、救えないものを知った少年と少女は今日を糧に成長するだろう。次に誰かを助けられるように、2人はこれからもっと強くなる。

  • 85125/02/02(日) 23:58:41

    ――――――そしてハイリは過去からこの顛末を見届けた。
    グラナト伯爵領、その近辺。今はクヴァールの封印地を離れた翌日。
    これからフェルンがハイリに同情する。ハイリから見て未来の出来事。そして、彼女は何も感じない。だって世界の違いが分からないから。
    だから彼女は自分のやりたいように計画を進める。ハイリの考える計画のために、ハイリとクヴァールとベーゼはグラナト伯爵領の近くに潜伏していたアウラを訪ねた。

    「こんばんわ。このたび『次の魔王』を名乗ることになりました。ハイリです」

    まずは挨拶をする。

    「――はぁ? 次の魔王ですって? 馬鹿にしてる? ……殺してやろうかしら」

    獰猛に唸る獣のような殺意を返された。
    身の程知らずにもほどがある、とアウラは不快そうに顔を歪めた。

  • 86125/02/03(月) 00:11:37

    今日はここまで


    >>82の出目10は、ハイリの最大の急所です

    残念ながら命中しなかったので今回は伏せます。遅かれ早かれ解禁するものなのでご安心ください


    おやすみなさい

  • 87二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 10:01:35

    ほしゅ

  • 88二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 20:02:03

    保守

  • 89125/02/03(月) 23:31:30

    今日の投下はなしです。おやすみなさい

  • 90二次元好きの匿名さん25/02/04(灍) 02:10:05

    おやすみー

  • 91二次元好きの匿名さん25/02/04(灍) 10:14:19

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん25/02/04(灍) 17:45:26

    このレスは削除されています

  • 93125/02/04(灍) 23:49:43

    いつも保守ありがとうございます


    前スレで決まったハイリと他の魔族との交友関係

    類友
    シュラハト 66
    クヴァール 67
    ベーゼ 96

    知り合い
    アウラ 30
    グラオザーム 24
    リヴァーレ 34
    トート 40

    ハイリとアウラは知り合いです

  • 94125/02/05(ć°´) 00:00:59

    2人の間で何かあった?

    dice1d10=6 (6)


    1~6.ない。ただの顔見知り

    7~9.会話をしたことがある

    10.アゼった



    茳厢

    アウラの手下 dice1d4=1 (1)

    1.いる dice1d3=3 (3) 人

    2~4.いない


    グラオザーム dice1d10=2 (2)

    リヴァーレ dice1d10=5 (5)

    トミト dice1d10=8 (8)

    ソリテール dice1d10=9 (9)

    1~9.いない

    10.なんかいる

  • 95125/02/05(ć°´) 00:16:40

    噛ませくんも観客なのはちょっと予想外。アニメを見返したくなったので今日はここまで。おやすみなさい

  • 96125/02/05(ć°´) 00:23:11

    ドラートのことは好きだよ……
    見事な噛ませっぷりでフリーレンがどれだけ強くて魔族に通用するか読者に見せつけるポジションだから

  • 97二次元好きの匿名さん25/02/05(ć°´) 09:46:35

    このレスは削除されています

  • 98二次元好きの匿名さん25/02/05(ć°´) 17:05:57

    このレスは削除されています

  • 99125/02/06(木) 00:22:00

    原作とアニメを見たらいっそうドラートに噛ませをやってもらいたくなりました

    それとドラート戦で今後のために入れておきたい展開を思いつきました。次にアウラとハイリの戦いがあって、そこでの伏線になるから入れておいた方がいい

    というわけで趣向を変えてドラートと戦います

  • 100125/02/06(木) 01:00:11

    「ねえアウラ様。俺が相手していい?」

    細身の少年のような体躯の魔族が上司であるアウラに戦いを申し出る。
    彼の名はドラート。魔力の糸を作る魔法の使い手。若くて血気盛んな魔族である。

    「うわさには聞いてる。クソみたいな魔法を持って生まれた、恥さらしの大魔族。俺にも殺せそうだ」

    そう言ってドラートはハイリを見下した。自分より10倍以上生きている大先輩を全力で侮った。
    でもこれがハイリの日常なのだ。同族から軽く見られる。どれだけ長く生きていても、魔力を鍛えていても、魔族の本能がハイリをみっともないものに感じさせる。

    大魔法使いフランメは鍛えた魔力を見せつける魔族の有り様を豪華絢爛を見せびらかす貴族にたとえた。
    同じように人間の感覚で例えるなら、魔族からハイリの有り様は『はだかの王様』のように見えている。

    ドラートはまさに王様が裸を晒していることを指摘する女の子と同じことをしている。
    この場で一番若い彼がハイリのみっともなさを指摘した。

    「心を読む魔法は魔族に通じない。なんだそれ。精神を読む魔法は魔族に効くのに。お前、殺し合いに向いてないな」

  • 101二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 01:16:44

    このレスは削除されています

  • 102125/02/06(木) 01:23:00

    「…………そう思いますか? 私の魔法はみっともない魔法に見えてますか? それとも。『馬鹿には価値が分からない魔法』に見えますか?」
    「クハハハ。おいおい笑わせるな。それではこいつらが馬鹿だと言っておるようなものじゃぞ」

    はだかの王様になぞった買い言葉。売り言葉に買い言葉を受けたドラートではなく、クヴァールがハイリの言葉におかしくなって笑う。そしてさらにベーゼが疑問を呈す。

    「クヴァール。それだと俺たちまで馬鹿ということにならないか?」
    「おっと。儂はハイリの魔法の価値を信じておるぞ。むしろベーゼは信じておらんのか」

    「まだ。ハイリとアウラの殺し合いを通して見定める心算だ。私がハイリに教えた擬似全知は対人間の域を出ない。魔族を束ねるに足る、魔王を名乗るに足る価値を示せていない」
    「なら期待するといい。これから面白いものが見れる」

    クヴァールは顎に手を当て笑う。フリーレンとフェルンが使った対ゾルトラークの防御魔法の欠陥を一目で見抜いた時のように。

  • 103125/02/06(木) 01:27:50

    「お前とハイリが先ほど組み上げた魔法か?」

    「そうとも」

    「………………」


    新しく作ったハイリの魔法の意図を、ベーゼは

    dice1d2=2 (2)

    1.気づく

    2.気づかない

  • 104125/02/06(木) 01:51:26

    「……予想がつかん。あの魔法が戦いに活かせるのか?」
    「まあ見ておけ」

    クヴァールとベーゼは今から始まる2つの殺し合いを観戦する姿勢をとる。手出しはしない。するつもりがない。ハイリ1人だけでアウラたちと戦う。というかハイリの魔法のアレンジに手を貸した。これ以上は過保護というものだ。

    ハイリも始めからそのつもりだ。
    クヴァールとベーゼの手を借りず、一対一でアウラに土を付ける。そしてアウラにハイリの存在を認めさせる。

    ――その前に、自分の魔法を馬鹿にした若いのはちょっと黙らせる。

    軽くけちょんけちょんにしようと思いながら、ハイリは薙刀の刃先をドラートに向けた。

    「では期待されているようなので早速始めましょう」

  • 105125/02/06(木) 02:13:57

    「ねえ。期待されてるように見えないけど」
    「あー、そうですね。あなたとの殺し合いに大した見せ場はありませんから」

    大魔族と若い魔族。魔力の絶対量が違うのだから、そもそも心を読むまでもなく。
    勝負にならない。とハイリが指摘する。

    「そうか」

    ドラートは人差し指を持ち上げる。指先から魔力の糸を作る魔法を発動させた。

    「じゃあ死んでくれ」

    ハイリの首に、細く強靭な糸が巻き付こうとする。ハイリはひょいと上半身を傾けて糸を躱した。
    土を蹴る音。その音と同時に、ドラートの目の前にはハイリが立っていた。

    アウラの配下の少女が目を開く。リーニエという魔族はその動きをよく知っている。それは熟練の戦士のような卓越した縮地。瞬間移動と見紛う高速移動の歩法だ。

    そしてひと呼吸。風を切る音が4回。ドラートの両手足は、ハイリに薙刀にあっけなく斬られた。

  • 106125/02/06(木) 02:23:20

    ――――突如、ドラートの脳内に溢れ出した『存在しない記憶』。

    『魔力の糸で首を絞めた相手が死ななかった』『勝ち誇っていたら、後ろから左腕を切られた』

    『「このクソ女…」』

    『反撃しようとした。一瞬で、右腕も切られた』

    『迫る白銀のエルフ』『首にかかるエルフのてのひら』『すなわち死』

    『「待て! 話を……」』『バスン!』



    「………………なんだ? この記憶は? 俺は……いったい何を見ている?」

    四肢を切り落とされてドラートが仰向けに転がる。
    妄想の彼の首にはエルフ。
    現実の彼の首には魔族。
    彼の者の命を刈り取る、死神の手が触れている。

  • 107125/02/06(木) 02:32:37

    「今見たものはあなたの宿命です。宿命に従って死を選びますか? それとも私に降伏しますか?」


    ぎり、とドラートの首にかかった手に力がこもる。最後通牒。次の一言でドラートの生死は決定する。


    「ぁ――――……」



    dice1d2=1 (1)

    1.噛ませは噛ませらしく散る

    2.生き残る

  • 108125/02/06(木) 02:47:48

    「ハッ! このクソ女が!」

    みっともない魔法をまとうだけに留まらず、ついに他人にまでみっともない魔法を着させようとするおぞましい魔族。彼は嘲笑った。
    思った本心の言葉を口にして、自分の宿命を受け入れて、ドラートは最後に清々しい気分になれた。

    怒る魔力の斬撃が、彼の首を刎ねる。魔族の誇りに殉じた若い魔族。その顔に笑みを浮かべながら跡形もなく消えていった。

  • 109125/02/06(木) 02:48:03

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 110二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 09:32:53

    このレスは削除されています

  • 111二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 18:40:31

    かませにしては中々潔い最期だったな
    無論悪人としては、だけど

  • 112125/02/06(木) 23:39:42

    感想ありがとうございます

    今日は投下するか半々です。夜ご飯お腹いっぱいたべてねむい……

  • 113二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 01:58:34

    生き残ったら再戦とかあったのかな


    >>112

    ごゆっくりー

    やりたいときにやるのが一番

  • 114二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 10:46:10

    危ない

  • 115二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 16:06:23

    余談だけど開き直っただけの見苦しい悪役と敗北破滅覚悟で前のめりに斃れる悪役の線引きって難しいよね
    ヘルシングのヤンや北斗の拳のジャギも最期は嘲笑と悪意を吐き出しながら倒れたけど、だからって大物感やカリスマ性が増したなんて事は全然無いし

  • 116125/02/07(金) 23:34:17

    アウラの配下である痩身の男、リュグナーの内心は荒れ狂っている。

    「今のはなんだ?」

    ドラートが死んだ。それはいい。どうでもいい。同族が死んだところで魔族は何も感じない。
    今の一瞬のやり取りにおかしなところが2つあった。1つは縮地――戦士の体術の模倣。もう1つは死の間際のドラートが見た謎の記憶。

    原理も意図も分からない。救済のハイリの魔法は、人の心を読むだけの無意味で無価値で無駄な魔法のはずだ――――とリュグナーは間違った考察を巡らせる。

    リュグナーもまた、ハイリを見誤っていた。ある意味、『魔族が必ず油断する』というのはハイリの特性の一つかもしれない。

    原理はとても単純なのだ。ハイリは戦士の記憶を読んで、縮地の技法を"模倣した"。それだけ。リーニエの魔法とまったく同じ。

    リーニエは"模倣する魔法"により、一目みた相手の動きを記憶し、模倣できる。
    ハイリはあらゆる人の心を探知し、相手の心から動きの記憶を引き出し、模倣する。

  • 117125/02/08(土) 00:03:32

    「……むかつく」

    魔法がパクられた、とリーニエは苛立った。けれど自分が見た相手しか模倣できないリーニエと違い、ハイリは過去現在未来のあらゆる人間を模倣できる。リーニエはハイリの魔法が上位互換になっていることを受け入れられない。

    そして、リュグナーはハイリが使ったもう1つの魔法について考える。
    リュグナーはドラートの記憶を見ていない。ドラートの未来を見たのはドラートとハイリの2人だけ。目の前で起きた状況からリュグナーはハイリの使った魔法を推測した。

    原作の一幕で、彼はわずかなヒントだけでフェルンとフリーレンが魔力を制限していることを見抜いた。それと同じように、リュグナーはここでハイリの魔法の効果を言い当てた。

    「宿命……いや、未来か? "未来を見せる魔法"ということなのか?」

    ハイリの"未来を見せる魔法"によって。
    ドラートは『フリーレンに殺される未来』を見せられた。

    「なんだ……、それは……。未来を見せるだけの魔法だと? そんなものに何の意味があるというんだ」

  • 118125/02/08(土) 00:21:00

    「分からないんですか? そんなことだからあなたはみじめに殺されるんです。リュグナー」

    「なんだと?」

    「未来が見えるならそれを利用すればいい。自分がどう死ぬか分かれば対策ができる。というか他の未来だって見せられます。何事もなく北側諸国を支配下に収める未来。あなたの仇敵、フリーレンを見事討ち取る未来。そういった"希望"を見せることができるんです」

    「ますます理解に苦しむ。自分にとって都合のいい未来を見れるのなら――なぜそれを自分で独占しない?
     なぜ分け与えようとする。なぜ他者に優しくする。欠片も理解できん」

    「……やっぱり分かってませんね」

    その傲慢さが今の魔族を滅びに向かわせているのだ。
    ……拭いきれない魔族の傲慢さを理解していたソリテールならこの危うさを分かってくれただろうか。

  • 119125/02/08(土) 00:30:53

    「あなたの言ってることは分からないけど。結局魔族に効果がない魔法を増やしただけでしょ? じゃああなたは私の脅威にはならないわ」

    アウラが魔力を解放する。そしてアウラの支配する戦士たちが動き出す。
    ハイリという魔族を仕留めるために。

    「1000年近く生きたあなたもそれなりの魔力を持っているようだけど。でも残念、魔力は私の方が上よ」


    アウラの魔力 1d1000+500

    ハイリの魔力 1d1000(最低保証500)

  • 120125/02/08(土) 00:31:23

    振り直し


    アウラの魔力 dice1d1000=73 (73) +500


    ハイリの魔力 dice1d1000=(最低保証500)

  • 121125/02/08(土) 00:33:03

    なにしてんだアウラァー!!

    1000面にしたのに!!!!!!??




    ハイリの魔力 dice1d1000=724 (724) (最低保証500)

  • 122125/02/08(土) 00:36:14

    ここで勝つのは想定外。アゼリューゼされても勝てるようにするための魔法だったのに。アウラァーー!!!!!!

  • 123125/02/08(土) 00:39:35

    ハイリの方が多い理由

    dice1d10=4 (4)


    1~9.ゼーリエとフリーレンが魔力誤認してるの知ってるから鍛えてるよ……(魔力制限なしでこの数値)

    10.魔力制限してこの数値だが?(実際はdice1d10=5 (5) 倍)

  • 124125/02/08(土) 00:42:56

    ついでにフリーレンの魔力も振っておく。……これ以上事故らないはず!


    フリーレンの魔力 dice1d1000=555 (555) +500

  • 125125/02/08(土) 00:49:20

    ゾロ目という地味な奇跡が起きたのでフリーレンに追加ボーナスをあげます

    dice1d10=8 (8)


    1~6.領域展開を手に入れる(安価で募集するかも)

    7~9.黒閃が使える

    10.黒閃が連続でキマる

  • 126125/02/08(土) 01:03:11

    「ここで私と出会って良かったですね。アウラに勝ち目はありません。私が相手でも、フリーレンさんが相手でも」
    「なんであのエルフの名前が出るのかしら。それだとまるで私が未来でそいつに負けてるみたいじゃない」
    「……まあそういうことです」

    『ヒンメルはもう死んだじゃない』と言って、フリーレンの地雷を踏んだアウラが黒閃を喰らうことは黙っておいた。

  • 127125/02/08(土) 01:06:18

    今日はここまで。おやすみなさい

    1000面ダイスでゾロ目は100分の1だからクリティカルですね。フリーレンの強さを盛っておきます

    実は3章か4章でフリーレンを脱落させるつもりでした
    フリーレンがハイリと同じくらい強くなるなら、この先に待つ展開でフリーレンが生き残る可能性が生まれます

  • 128二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 10:17:49

    ここのダイス神は混沌とした展開が好きなんだろうか

  • 129125/02/08(土) 12:00:11

    整理を付けるためにこのスレの現時点での最強ランキングを作りました
    あくまで参考です。ダイスの結果や展開次第で入れ替わることがあります

    ――― Tier0 ―――
    ゼーリエ
    (まこーらありフル装備すくな)

    ――― Tier1 ―――
    フリーレン、ハイリ
    (五条先生)

    ――― Tier2 ――
    勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン
    クヴァール、アウラ、ベーゼ、マハト、ソリテール
    (五条先生を殴れる勢)

    ――― Tier3 ―――
    フェルン、シュタルク、原作の一級魔法使い
    (五条先生を殴れないけど普通に強い)

  • 130125/02/08(土) 12:09:34

    原作のヒンメルハイターアイゼンはTier3かもしれない
    このスレではTier1フリーレンと一緒に旅して鍛えられて魔王を倒した全盛期はこれくらい強かったとかそんな感じで

  • 131二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 17:35:21

    なるほど分かりやすい
    ゼーリエはスクナ=サンより強そうな気がしてきた

  • 132125/02/08(土) 23:38:03

    今日は投下なしです。おやすみなさい

  • 133二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 08:21:45

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  • 134二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 13:49:26

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  • 135二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 21:38:04

    このレスは削除されています

  • 136125/02/09(日) 22:36:34

    「はあ? この私が負ける? たかがエルフひとりに? ……信じられないわ。あなたの魔法、節穴じゃないの?」
    「…………そんなに私の魔法は信用できませんか?」
    「当然よ。だってそのエルフやあなたの魔力は私に遠く及ばないもの。知っての通り、私の"服従させる魔法"は魔力のより大きい者が魔力を小さい者を支配する魔法よ。魔力の小さいあなたたちに勝ち目はない。私が負けるなんて天地がひっくり返らないとありえないわ。どうやって天地をひっくり返すのかしら。ねえ、教えてちょうだい?」

    アウラは手に持った天秤を構えて魔法を発動させようとする。
    服従の天秤。2つの皿に敵味方の魂を乗せて魔力の大きさを量り取る。

    アウラは気づいていない。フリーレンがアウラにすら分からないほど巧妙に魔力を隠蔽していることに。フリーレンを真似て、ハイリもまた魔力を制限していることに。

    魔族に未来を信じ込ませるためにハイリはわざと相手の死因を再現している。
    原作におけるドラートの死因は首狩り。アウラの死因は服従だった。
    このままアウラは"服従させる魔法"を発動させれば、原作通りに魔力の大きさを見誤ったアウラが敗北する。

    「――再現度が足りませんね」
    「なに?」
    「未来のアウラがフリーレンにやったように不死の軍勢を私にもけしかけてください。軍勢を無力化してあげましょう」

  • 137125/02/09(日) 23:02:28

    ――――突如、アウラの脳内に溢れ出した『存在しない記憶』。

    『首のない死体がフリーレンを包囲する』『動く死体がフリーレンに襲いかかる』
    『「どう? 私の不死の軍勢は強いでしょ?」』
    『フリーレンが魔法の光を放つ。光に当たると軍勢が動きを止める』
    『「これほど強力な解除魔法、魔力の消費も相当なものになるはず」』
    『「こんなことをする必要ないでしょ?」』

    『「――ヒンメルはもういないじゃない」』




    「…………なにこれ? …………フリーレンが死体を無傷に留めようとしてる。わざわざ余計な魔力を消費して、自分の首を絞めてるの?
     あははははは! この状況から!? どうすれば私が負けるっていうのよ! あっははははははは!!!」

    "肝心な部分が削られた未来"を……アウラは見せられた。

    自分が有利になっていく未来を見せられて、アウラは余計に自分の負ける未来を想像できなくなる。アウラの天秤が油断、慢心、傲慢に傾いていく。
    術中に嵌まって体をよじらせながら笑っているアウラ。その油断しきった姿をハイリは哀れむ。

  • 138125/02/09(日) 23:14:34

    「アウラ。私はこれから同じことをします。あなたの不死の軍勢を、フリーレンが使った大量の魔力を消費する解除魔法で解散させます。あなたの大事な戦力を削いでしまいますが……」

    「あははははははは!!! いいじゃない! おもしろいじゃない! ホントにやってくれるならぜひ見てみたいわ!」

    アウラの笑い声を合図に不死の軍勢がハイリに襲いかかった。ハイリは軍勢の攻撃を躱す。
    ハイリの魔法は首のない死体の心も読めるのだ。ハイリには不死の軍勢の動きが手に取るように分かる。

    首がなくても。
    頭がなくても。
    服従の魔法がかかっているならそこに魂がある。ハイリが読むべき心がある。

    「――――はい。聞こえます。あなたたちを助けます」

  • 139二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 23:19:36

    RIP

  • 140125/02/09(日) 23:48:08

    「――――クヴァール。これがお前の言う面白いものか?」

    不死の軍勢とハイリの戦いを見ていたベーゼがクヴァールに問いかける。

    「ふむ、ものの見事にアウラは己の死因に嵌まったか。クヴァールとハイリが開発した"未来の見せる魔法"。これは使用する者が好きな未来を切り取って相手に見せられる。しかし、あのアウラがこうも簡単に嵌まるとはな」
    「確かにそれも"未来を見せる魔法"の特色だが、その魔法の長所はもう1つある」

    「ふむ。なんだそれは?」
    「どんな未来が見えているか、他の者には見えない。ああ、こう言えば分かりやすか。――――どんな罠に嵌めているのか、他の者には分からない。とな」

    クヴァールからヒントを貰うとベーゼはすぐに正解にたどり着いた。

    「…………まさか、ハイリは死体どもに"未来"を見せているのか?」
    「流石じゃのうベーゼ」

    「…………それに、何の意味がある」
    「ここからが見ものだ。死体をよく見ろ。見るのはハイリでもなければアウラでもない。――ほら、死体がひとりでに動き始めておるぞ。

     魔法の"善用"が――――人間の心を動かしたのだ」

  • 141125/02/10(月) 00:00:48

    「えっ?」

    違和感に気づいた。軍勢の中に動きを止めるものが現れる。
    解除魔法を使われた死体が動かなくなるのは分かる。……でも、解除魔法が当たっていない死体が動かなくなるのは分からない。何が起きている。

    「なにしてるの。動きなさいよ」

    アウラは死体に命令する。――――けれど死体は動かなかった。
    天秤を見た。どこも不具合なんて見当たらない。アウラの"服従させる魔法"は完璧に機能している。なのに。なぜ。

    「……なによ、これ」

    ハイリは自分に襲いかかる死体に触れ、解除魔法を発動する。がしゃんと死体の来ている鎧が音を立てながら地面に崩れ落ちる。
    違う死体が動きを止める。ハイリが死体に解除魔法を発動する度に、動きを止める死体が増える。

    そして異常なことが起こった。

    「――――――――なんで、」

    アウラが命令していないのに。死体がハイリに襲いかかるようになった。

    「なにしてんのよ、止まりなさい…………止まりなさい!!」

  • 142125/02/10(月) 00:16:12

    ハイリに殺到する死体と動きを止める死体。
    いつしかアウラの命令を受け付けるものはいなくなっていた。

    なんで、なんで、どうして、とアウラは叫ぶ。

    "服従させる魔法"は発動している。服従させた相手にも一時的に逆らう奴はいたが、首を切り落としてしまえば逆らえなくなっていた。アウラの魔法に逆らえるものはいなかった。そのはずだった。そのはずだったのに。

    「私は彼らに未来を見せたんです」

    ハイリは薙刀を地面に突き刺した。もうこの戦いに武器は必要なかった。ハイリに襲いかかるのは、ハイリに殺して貰おうとする死体しかいなくなったのだ。

    優しい笑みを浮かべて死体に歩み寄る。死体はハイリに跪いた。アウラの支配を完全に振り切り、ハイリという優しい悪魔に身を委ねる。ハイリは救われない魂を解き放っていった。

    不死の軍勢たちは、ひとり、またひとりと跪いていく。彼らはみな指を組んでハイリに祈りを捧げ出した。

    ハイリは不死の軍勢の中から"帰る場所のない死体"だけを救済していった。

    「私は彼らに、"帰る故郷があるという希望"と"帰る故郷がないという絶望"を見せたんです」

  • 143125/02/10(月) 00:48:18

    不死の軍勢はアウラの服従が終わる未来を見た。アウラが別の誰かに服従されれば、軍勢たちは服従から解放される。

    「死体を数十年、あるいは百余年、あなたは動かし続けましたね。そうすることで彼らの中に、帰る場所を失った死体が生まれました。それはつらいことなんです。死を受け入れるほどの悲しみなんです。人間にとっては。私は教えました。たとえ私やフリーレンがアウラを服従させても、その死体には帰る場所がないことを」

    その結果、こうなった。
    不死の軍勢はハイリを崇拝するようになった。

    ここで魂を終えたいという祈り。帰る故郷を持たない絶望。
    故郷を失ったことを知ったものはここで終わることをハイリに望んだ。

    ハイリは不死の軍勢を助けた。これ以上ないほど慈悲深く、これ以下がないくらい残酷に――――

  • 144125/02/10(月) 00:49:19

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 145二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 10:22:58

    お疲れ様です
    ズンビーのみんな可哀想

  • 146二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 18:03:19

    救われて欲しい

  • 147125/02/10(月) 21:23:25

    今後の展開をおおよそ決めているので、このスレでは展開予想や考察は全然しちゃって大丈夫です

    もちろん感想合いの手いいね雑談でもめちゃくちゃ嬉しいです

    最近は「保守」という書き込みだけだと規制になるらしいから、スレ主が買い込めない日中は適当なことを書いてくれると助かります

  • 148125/02/10(月) 23:46:42

    今日の投下はなしです。アウラを煮るなり焼くなりどうするか考えてみます。おやすみなさい

  • 149二次元好きの匿名さん25/02/11(灍) 00:04:42

    面白かったです

  • 150二次元好きの匿名さん25/02/11(灍) 01:07:12

    仮に成仏(?)したら彼等はどこへ行くのだろう

  • 151二次元好きの匿名さん25/02/11(灍) 08:34:49

    >>150

    オレオールかな?

  • 152二次元好きの匿名さん25/02/11(灍) 15:10:29

    そう言えば来世とかあるのかなこの世界

  • 153二次元好きの匿名さん25/02/11(灍) 16:27:28

    生まれ変わりという概念が果たしてあるのか

  • 154125/02/11(灍) 21:51:23

    帰る場所のない、救われない魂だけを天に召し終えて。あとに残ったのは帰る場所のある死体たちだけ。
    運良く残った死体たちは"希望"を知ってしまったからこそハイリに屈する。もし彼らに頭が付いていて、表情を見ることができたなら、歓喜と恐怖が混ざりあって涙を流す面貌を見れただろう。
    どうしても故郷に帰りたい。だから彼らはフリーレンとハイリという次の支配者に服従する。

    "服従させる魔法"は発動している。
    ただし死体たちは、今の支配者であるアウラではなく、次の支配者であるフリーレンとハイリに服従しているだけなのだ。

    「そういうわけなのであなたの支配はここで終わり。私に従ってくれますよね」
    「……信じられない。信じられるものですか! ハイリ! 魔力の少ないあなたやフリーレンにこの私が負けるはずない!!」
    「――はい。その通りです。だから、魔力の少ないあなたが負けますよ」
    「……え?」

    「私の魔力の方が大きいんです」

    そう言って、アウラは制限していた魔力を解放する。
    魔力こそが絶対。魔族は自分より鍛え上げた魔力を持つ者に屈服するようになっている。アウラも例外ではない。

    ハイリはアウラに未来の続きを見せた。
    アウラの死の未来。"服従させる魔法"を発動したところでフリーレンが魔力を解放し、自分の魔法に支配され、フリーレンから命令されて首を刎ねる。

    死んだドラートと同じように自分の死因を見せられて、アウラは理解した。今見たものが間違いのない未来なのだと。
    そして自分は救われたのだと。眼の前に広がる死体たちのように。尊厳のない死を迎えずに済む。
    だったらやるべきことはひとつしかない。

    「あ……、あ……、もうしわけ、ございません。ハイリ様……」

    アウラは地面に膝をついて、ハイリに服従する姿勢を見せた。

  • 155125/02/11(灍) 22:14:02

    「でも私の魔力もフリーレンに負けているんですよね。ここにある軍勢をすべてけしかけたとしても、あなたを服従する魔力が残ってしまいます。あなたの魔法ではフリーレンに勝ち目はありません。――――はあ。使えない魔法ですね」
    「……くっ」

    すぐさっきまであざ笑っていた相手から見下し返された。アウラは悔しくてたまらなくて臓腑がひっくり返りそうになった。しかしアウラは言い返せない。
    魔族は自分の魔法にこれ以上ないプライドを持っている。そしてそのプライドを捨てることができない。
    たとえ首を落とすことになったとしても、それは自分の魔法が強かったからだ。そうやって考えて、アウラは自分を慰める。
    基本魔族は自分の魔法の弱さを受け入れない。例外は、自分の魔法を人間に凌辱されたハイリとクヴァールだけである。

    「安心してください、アウラ。あなたの魔法が古びても、あなた自身には『次』がある。

     グラナト伯爵領に行きましょう。
     あなたたちが侵略するはずだった場所へ。

     私が助けたあなたの不死の軍勢をそこに連れて行くんです」

  • 156125/02/11(灍) 22:29:01

    ――――数日後。グラナト伯爵領、門前。

    アウラとその不死の軍勢。ハイリ。クヴァール。ベーゼ。そしてグラナト伯爵と衛兵たちが相対する。リュグナーとリーニエはどこかへと消えた。

    ハイリとグラナト伯爵がそれぞれの陣営の代表者として、前に出て話をしている。
    そしてハイリの話を聞いたグラナト伯爵は、目を見開いて驚いている。

    不死の軍勢が動かなくなった死体を背負っている。動かなくなった方は故郷の存在しない死体だと。アウラの魔法でいまなお動いていて、魂が残っているのは、故郷がある死体なのだと。

    「…………それは、本当なのか」
    「はい」
    「…………彼らは、帰れるのか」
    「はい」
    「…………………………俺の息子は……、帰ってきたのか」
    「はい。ですので、どうか安心してください」

    軍勢の中から、首のない死体がひとつ、前に出る。息子の形見である首飾りを付けたそれは間違いなくグラナト伯爵の息子のもの。グラナト伯爵は、息子との再会に顔をほころばせた。
    これが夢でも、魔族の罠でもいい。
    グラナト伯爵は帰ってきた息子を抱きしめた。

    「ハイリ……。儂は今日ほど誰かに感謝したことはない。……ありがとう」

  • 157125/02/11(灍) 22:44:17

    「丁重に弔ってやらないとな。各地へと連絡を送ろう。彼らの故郷に届くように。故郷がない者は――慰霊碑を立てよう。ここに、我らの英雄とともに埋葬する。ハイリが彼らの名前を教えてくださり、慰霊碑に名を刻むことができる。それがなによりの弔いになればよいのだがな」

    グラナト伯爵は死体となった者たちを受け入れた。原作では伯爵領の外れに死体を埋めて、彼らの持っていた武器を墓標にするしかなかった。
    ハイリが彼らの魂を優しく運んでくれた。だからそれよりさらに丁重に弔うことができる。
    やがて伯爵領から感涙の声が聞こえてくる。きっと領民も、ハイリという救世主を崇めてくれることだろう。

    「ハイリ。儂はお前に出来うる限りの褒美を取らせたい。望むものはなんだ? 欲しいものはあるか?」

    「そうですね。では、今回のことは美談にしてもらえませんか?」
    「――名声か。なるほどいいだろう。正直に言うと儂や領民の命は覚悟していたが。どうやら、あなたは他の魔族と違うらしい」
    「あはは。まあそうかもしれません。ですがそれだけではありません」
    「ほう。言ってくれ。あなたの頼みならぜひ叶えたい」

    「ありがとうございます。

     ――――リュグナーとリーニエのことはきっぱり諦めてもらえませんか?」

  • 158125/02/11(灍) 23:02:31

    「…………? いや、そういえば、やつらがいない。リュグナー。リーニエ。ドラート。アウラの配下たちは今どこに?」
    「ドラートは私が殺しました。リュグナーとリーニエはここにいません。まあでも、またすぐにでも」

    グラナト伯爵が尋ねると、なぜか、アウラが怯えたように震え出した。そしてハイリがくすりと笑う。
    結果だけを聞かされた。ハイリがアウラを支配下に置いたことと、アウラが支配していた死体たちを連れてきたこと。グラナト伯爵はまだそれだけしか聞いていない。
    彼はここに至る過程をまだ知らない。

    「…………なぜ」
    「安心してください。あなたたちグラナト領民のためでもあるんです」

    さっきも同じことを言った。安心。その言葉が伯爵の心を不安へと駆り立てる。

    目の前の笑顔が途端に不気味なものに見えてくる。貼り付いた仮面に見える。彼女は優しい魔族のはず。けれど、まさか、やはり彼女も、魔族でしかなかったのか。

  • 159125/02/11(灍) 23:29:30

    ここからは人に話しにくいことです、とハイリは言った。

    グラナト伯爵は嫌な予感しかしなかったがハイリの言うことに従った。当然のことながら領内に魔族は入れることはできない。
    伯爵が供回りの衛兵に少しの間だけ離れるように言った。ハイリもそれにならってクヴァールとベーゼにもそう言った。
    伯爵と、ハイリと、子鹿のように震えて嗚咽を漏らすアウラの3名がその場に残った。アウラのただならぬ様子に、伯爵は恐怖を覚える。

    「……あいつらは。アウラの兵士だ。ここグラナト伯爵領の兵士を殺しているに違いない」
    「はい」
    「……諦めろ、と。彼らへの怨恨を忘れろと言うのですか」
    「はい」
    「………………それは」

    困惑するグラナト伯爵。
    対してハイリは指で髪をすかし、伯爵にやわらかい声をかける。

    「アウラを諸悪の根源に仕立て上げ、リュグナーとリーニエを領民の記憶から忘れさせておいてください。そうしないと大変ですよ。――――いずれ"血を操る魔法"と"模倣する魔法"があなたたちの手元に届いた時、その魔法が使いにくくなりますから」

  • 160125/02/11(灍) 23:50:37

    「――――――」
    「ようするに私はこれから"血を操る魔法"と"模倣する魔法"を全世界に配る予定です。この2つの魔法は魔力の少ない人間が使っても効果を発揮できるので、みんなすぐに使うようになります。魔力が強いものが使わないと意味がないアウラの魔法とは大違いです。……ね?」

    ひ、とアウラが悲鳴を上げる。

    グラナト伯爵は絶句した。
    彼にとって――アウラは不倶戴天の敵だった。
    息子を殺した許せない相手だった。

    気づけば伯爵はアウラに憐憫の情を覚えていた。
    なんと、かわいそうに、と。

    「なぜ……その2つが――」

    「"血を操る魔法"は相手を切り裂く血の刃を作るだけじゃなく、血を固めて傷を塞ぐことができます。魔力が少ない人が使うなら、かさぶたくらい作れますね。"模倣する魔法"は武術の模倣と模倣した武術に関連する武器の生成ができます。少ない魔力でもナイフやフォークくらいなら作れます」

    ハイリは"血を操る魔法"と"模倣する魔法"の、人間にとって有用な使い方を示した。それを聞いたグラナト伯爵はクヴァールが作り出した一般攻撃魔法――"人を殺す魔法"を思い出した。
    しかもクヴァールはいる。すぐ近くに。

    グラナト伯爵は薄々察してきた。

  • 161125/02/11(灍) 23:52:48

    今日はここまで。おやすみなさい

    はてさてリュグナーとリーニエはどんな目に遭ったやら

  • 162二次元好きの匿名さん25/02/12(ć°´) 01:32:45

    やっべ更新見逃してた
    おやすみなさい

  • 163二次元好きの匿名さん25/02/12(ć°´) 10:23:14

    他にも血が固まらない病気の人にも効きそうだな

  • 164二次元好きの匿名さん25/02/12(ć°´) 13:20:21

    面白かったです

  • 165二次元好きの匿名さん25/02/12(ć°´) 21:46:18

    血を操る能力ってとてつもなく厄介な気がする
    脳とか心臓に血栓とか作られたら防ぎようがないし

  • 166二次元好きの匿名さん25/02/12(ć°´) 22:55:00

    >>165

    魔力を纏った魔法使いに対してそのイメージができれば、だな

  • 167125/02/12(ć°´) 23:33:19

    今日の投下はなしです。おやすみなさい

  • 168二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 01:26:45

    >>165

    高レベルの戦士なら防げるような気がする

  • 169125/02/13(木) 08:46:36

    原作ではガレキを魔力で物を浮かせてるシーンがあります
    名前の付いていない物を浮かせる魔法ですが、これが一番汎用的な魔法だと思います

    情け容赦ない使い方は、数十人の魔法使いで投石とゾルトラークをセットにする。歩兵が終わる

  • 170二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 17:14:14

    ソリテールの使った、ただ魔力を操作するだけの魔法も汎用性は高そう

  • 171二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 17:14:50

    >>166

    あ、そういう魔力避けのバリアみたいなのなら防げそうか

  • 172二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 20:11:32

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  • 173125/02/13(木) 23:54:29

    「――人間が魔法を汎用化することを理解している。一般攻撃魔法と呼ばれるようになった"人を殺す魔法"がそうであるように。あなたは……魔族の力を人間に普及させるつもりですか?」

    グラナト伯爵からの問い掛けにハイリは返事をしなかった。ハイリは唐突に、アウラへ後ろから抱きついた。背の高いグラナト伯爵にアウラの顔がよく見えるように、アウラの顎を掴んで、ぐいと持ち上げる。

    「ぅが……ぐ、う、うぅ…………」

    ハイリは逆の手でアウラの口に指をつっこみ、ほっぺを引っ張った。アウラは呻いたが抵抗しなかった。涙目になる少女の姿をした生き物。いじめられているようにしか見えない。

    「グラナト伯爵の考える通りです。ただしアウラの魔法は人間が加工するには向かない。象牙としての価値はありません」
    「象牙……?」
    「その素材は加工しやすいから、人間は命ごと収奪するんですよね」
    「―――」

    残酷な指摘。グラナト伯爵は舌を引き抜かれたように黙るしかない。
    それを言うためだけにアウラを歪ませているとしたら、ハイリという魔族はまちがいなく悪意に満ちている。

  • 174125/02/14(金) 00:30:48

    「リュグナーとリーニエの魔法には『人間が加工しやすい』という価値がありました。でもアウラの魔法は堅牢、強靭、けれど加工するには向いてませんね。――象牙に価値がない害獣となれば、殺されるしかありません。どうでしょうか? いっそここで、グラナト伯爵に委ねてみますか?」
    「やめて……! わたしを見捨てないで……!」
    「はい。わかっています。アウラは"ヘイルカーテン"にしてあげます」
    「ああぁ……」

    ハイリが言った謎の言葉に、アウラは安心した様子を見せた。

    「その……"ヘイルカーテン"というのは」
    「聞きたいですか?」

    ハイリは目を細める。それ以上聞いてはいけないことだとグラナト伯爵は理解した。
    もしこれ以上聞いていればきっと今のアウラのように、服従の魔法を使わずに服従させられる羽目になるだろうから。

  • 175125/02/14(金) 00:55:42

    「リュグナーとリーニエがどうなっているのか。今はまだ私の口から話せません。ご納得いただけました?」
    「ああ」
    「良かったです。ではくれぐれもリュグナーとリーニエのことはグラナト伯爵領の人が思い出さないように、私の美談とアウラへの怨讐で領民の意識を逸らしてください」

    いつか届くはずの"血を操る魔法"と"模倣する魔法"は、ここの人たちが使ってくれますように。絶対に、必ず、使ってくれますようにというお願い。

    そして、私(ハイリ)の思惑に従わなければアウラのようになるという脅し。

    グラナト伯爵は空を仰いだ。数秒ほど考えて。彼は結論を出した。
    きっと、どうしようもない。そんなことを考えながら。

    「それでも儂は――息子をここに連れてきたあなたに感謝している。この感謝は死ぬまで消えることはない」



    グラナト伯爵領は、救済のハイリに降伏した。

  • 176125/02/14(金) 00:59:08

    今日はここまで。もうすぐ2章が終わります
    突然出てきたオリジナル設定。新しい魔法"ヘイルカーテン"については3章で明かします
    では。おやすみなさい

  • 177二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:18:14

    面白かったです
    おやすみなさい

  • 178二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 08:24:02

    お疲れ様です
    ヘイルって雹の事だよな

  • 179二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 16:04:28

    このレスは削除されています

  • 180二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:17:29

    このレスは削除されています

  • 181125/02/14(金) 23:48:25

    時系列の整理メモ


    クヴァールの封印解放(1章)
    ↓
    ハイリとアウラの対峙(翌日)
    ↓
    グラナト伯爵領の降伏(数日後)
    ↓
    フリーレンたちがシュタルクの村に到着(数週間~1ヶ月)
    ↓
    ゼーリエが一時離脱。シュタルクの紅鏡竜討伐&仲間入り
    大陸魔法協会でゼーリエと一級魔法使いたちでハイリの脅威の話し合い(翌日)
    ↓
    ゼーリエとゼンゼがフリーレンたちと合流(翌日)


    ハイリたちの時系列
    クヴァール封印→アウラ→グラナト伯爵領→数週間→3章


    フリーレンたちの時系列
    クヴァール封印→数週間→シュタルク仲間入り→グラナト伯爵領→3章


    大体こんな感じです

  • 182125/02/15(土) 00:11:30

    一級魔法使い試験で、ゼーリエは遠く離れたメガネくん(本体)を探知してました

    そんなゼーリエならハイリとアウラとグラナト伯爵の顛末は当然見たはず。"ヘイルカーテン"の意味に気づいた可能性があります


    気付いたかどうか

    dice1d100=98 (98)


    50以下なら気づきなし

    51~90で気づきあり

    91以上でハイリの狙いに気づく

  • 183125/02/15(土) 00:21:53

    このスレのダイス神は容赦してくれない!

    3章の一級魔法使い試験の内容が、自分が考えていた予定から大きく変わります

    「フリーレンの強さは原作通り」かつ「ゼーリエの監修が入るのは第三次試験から」だったら、一級魔法使い試験にハイリを介入させて、原作キャラの死亡率が50パーセントを超える鬼畜試験にするつもりでした

    ダイスの結果、「フリーレンは最強」かつ「ゼーリエは第一次試験から監修を入れる」ということになったので、一級魔法使い試験で原作キャラの死亡する展開はなくなりました

  • 184125/02/15(土) 00:43:23

    "ヘイルカーテン"の意味がわかったゼーリエはハイリのことを全力で警戒します
    なぜなら"ヘイルカーテン"という魔法はゼーリエの地雷を踏むことになるから。ハイリはゼーリエにとって不倶戴天の敵になります

    まだ詳しくは言えませんが、すこしヒントを出すと、葬送のフリーレンの魔法名はドイツ語です
    "ヘイルカーテン"もドイツ語です

    実態が分かれば安直な名前なのですが。もし予想を当てることができたらマジですごい。今後の展開で明かしていくので今日言えるのはここまでです

  • 185125/02/15(土) 00:44:30

    ダイスの出目が予想外だったので今日はここまで。おやすみなさい

  • 186125/02/15(土) 01:06:45

    ここでゼーリエに全バレは予想外すぎて……
    すみませんが時間をください……

  • 187125/02/15(土) 08:37:43

    次の展開

    dice1d2=1 (1)

    1.ヘイルカーテンのネタばらしをしつつゼーリエを倒す

    2.ネタばらしはしないままゼーリエを倒す

  • 188125/02/15(土) 08:44:47

    3章ラストに出す予定だったハイリvsゼーリエの戦いをここに持ってきます
    これでどうにか軌道修正できます

    ひとえにゼーリエとスレ主のダイス運が悪かった。ここで、気づいてはいけないこと気づいたら……『やる』しかないです

  • 189二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 13:18:03

    続きが楽しみです!

  • 190二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 16:28:37

    いよいよ技解明編か
    これは期待

  • 191125/02/15(土) 22:32:59

    「――グラナト伯爵領で私たちは奇妙なものを見ることになる」

    ゼーリエは思い詰めた表情でそう言った。主人のただならぬ様子に従者であるゼンゼが心配そうにゼーリエを見つめる。

    「ゼーリエ様。奇妙なものとは?」

    フェルンがゼーリエの言葉を聞き返す。

    「これから私たちは"変わり果てた魔族の姿"を見る」
    「……それは、どのような姿ですか?」
    「いいや。覚悟を決めなくていい。見た目は拍子抜けするものだからな。……だが、なぜハイリは魔族を"そんな姿"に変えているのかその意図が分からない。だから直接見て確かめる」

    「だからどんな姿なんですか」
    「札だ」
    「………ふだ?」

    見れば分かる、とゼーリエは言った。そしてゼーリエはそれ以上何も言おうとしなかった。あのゼーリエが、まるでなにかに怯えているようだった。

  • 192125/02/15(土) 22:43:32

    ハイリによってアウラの魔の手から救われたグラナト伯爵領。
    そこで人々は穏やかに生きている。
    街の風景を横目に見ながら、ゼーリエが一行を先導する。
    先を行くゼーリエにフリーレンが聞いた。

    「ゼーリエ。魔族はどこにいるの」
    「ここだ」
    「……魔道具店。こんなところに魔族がいるの?」

    それは普通の一軒家。ごく普通の大きさの魔道具店だった。
    フリーレンは魔力を探知した。でも魔族の気配はどこにもなかった。

    「魔力を感じないよゼーリエ。本当にここにいるの?」
    「いいから来い。それに警戒しなくていい」

    店の扉をくぐり中に入る。ひとめで見渡せる店内に魔族の姿は見当たらない。
    警戒しなくていいと言うゼーリエの表情は剣呑そのものだ。説得力がない。

    年配の男の店主がお客様に気づいて声をかけてきた。

    「いらっしゃい旅人さん。どんな商品をお探しですか?」
    「……リュグナーとリーニエのカードはあるか?」

    ごく当たり前のありふれた態度で。
    店主は小気味よくはきはきとした声で、変わり果てた魔族がここにいることを教えてくれた。

    「どうぞ! たくさんありますよ!」

  • 193125/02/15(土) 22:55:32

    店主は山積みされたカードを示した。

    『リュグナーのカード』『リーニエのカード』

    そう書かれた札がそれぞれ数十枚から数百枚ほど。白磁や象牙を思わせる白色のカード。

    「これはなに?」

    フリーレンが店主に聞く。

    「魔族の力を借りるカード型の魔道具。"ヘイルカーテン"という名前です!」

    魔族の力。そんな危ないものを封印することもなく無防備に置いているのか。とフリーレンが眉をひそめる。
    おもむろにシュタルクがリーニエのカードを手に取った。

    「なんかかっけえじゃん」

    子供心をくすぐるアイテムにシュタルクの心が揺れる。
    カードをひっくり返すと、裏面に文字がある。

    ――――"Heil Karten"。「ハイリのカード」という銘があった。

  • 194125/02/15(土) 23:16:33

    「――これ、魔族だよね。あぶないよ」
    「この2人はハイリ様がこらしめて改心されていらっしゃるので安全は保証します!」
    「えっ、魔族が改心するなんてありえないよ?」

    「いやいやお客様。これは伯爵様がお認めになった商品ですから。事実ここグラナト領の兵士はリュグナーのカードを装備して身を守り、リーニエのカードを使って日々訓練していますよ」
    「――――――は?」

    フリーレンの思考が停止する。常識と価値観が違っていた。違うものが多すぎて、フリーレンは店主の話を理解できなかった。

    「……ゼーリエ様?」
    「――――いやまさか。いいや、そんなこと……。あ、あー……。は? それならたしかに――――」
    「ゼーリエ様、なにかお気づきに?」

    ゼーリエはカードを解析してぶつぶつと呟いている。しかし、途中から、言葉が出なくなっていった。徐々に顔が青ざめていく。

  • 195125/02/15(土) 23:35:07

    「ちょっとまってお店の人、もっと詳しく教えて」
    「もちろんです! ここグラナト領はついこの間の1ヶ月前まで、大魔族アウラとの戦いを続けていました。そして……あの救済のハイリ様が! 私たちをアウラから助けてくださった!! アウラとその配下の魔族を倒し、こらしめ、改心させたんです!!」

    「改心させたってところが信用できない」
    「すみません。続けてください」
    「ええ! リュグナーとリーニエはすぐ反省して改心しました! しかしアウラはまだまだ反省が足りなかった……! なのでハイリ様がアウラを引き取りました! きっとアウラも反省するでしょう!」

    「ハイリとアウラはどこ?」
    「もうグラナト領を離れています。改心したリュグナーとリーニエ、彼らはこれまでやってきたことを反省し、自分たちの罪を償うため、自分たちの力をカードに込めました! それがこれです!」

    そうしてリュグナーとリーニエのカードを見せる店主。あきらかに人間向けに盛られた話を、フリーレンたちは信じることはできない。
    ハイリという魔族が関わっているなら、その事件の裏にはどうしようもなく救いようのない真実が隠されている。そのことをフリーレンたちはよく知っている。

  • 196125/02/15(土) 23:45:28

    「……これ、ベーゼの魔法? いや、アウラの魔法も感じる」
    「フリーレン様?」
    「もしかして複合させてる? ベーゼとアウラ……いやクヴァールとハイリも? あいつらの合作か?」

    フリーレンがカードに使われた魔法に気づく。
    ベーゼの魔法とアウラの魔法を解析したことがあるフリーレンだから気づけた。
    そうして調べていくうちに、フリーレンはこのカードの魔法の実態に近づいていった。

    「――――うわ」
    「ドン引きするんですか」
    「いやだってびびるよ。アゼリューゼで服従させてる項目が1000以上あるんだもん」
    「え……なんですかそれ」

    「ほとんど『人間にこう言われたらこう返す』の単純な命令だね。たとえば『人を殺したか聞かれたら一人も殺していないと嘘をつけ』みたいな。意味わからないよね」
    「…………人間への対応への命令が1000以上ですか?」
    「そうだよ」

  • 197125/02/16(日) 00:05:20

    ――――人間の心をよく知るハイリによる的確な人間指導。

    「それ……改心した振りをする演技の指示じゃないですか……?」

    アウラの魔法の用途に気づいたフェルンが冷や汗を流す。あのハイリによる人間の振りならおそろしいほど正確な指導になっているはずだ。自分たちですら騙されるほどの反省した人間の振る舞いをされるかもしれない。

    「でももしそうなら魔族が改心してないってことだよ。というか、このカードを通して魔族の力を貸してるだけで出てこないでしょ。応対の指示なんて必要? このカードから出てくるわけでもないし」
    「えーと、魔法使いの方ですよね? 魔法使いならリュグナーとリーニエは出てきますよ」

    店主の声にフリーレンたちが振り向く。

    「えっ?」
    「どういうことですか?」

    「人より多い魔力や精神力がある方ならリュグナーとリーニエを実体化できますよ!」

    私には無理ですが、と店主は付け加える。
    しかし店主の言葉を聞いて、改めてカードの力を感じ取ったフリーレンたちはその使い方に気付いた。

    2人がそれぞれのカードに魔力を込める。カードが光を放ってフリーレンとフェルンの手から離れ、角持つ人型を形成する。
    青年の魔族と少女の魔族が目の前に現れた。彼らはフリーレンたちに跪いた。

    「「お呼びでしょうか」」

    リュグナーとリーニエは人間を害そうという感情を欠片も見せなかった。
    否、見せる自由がないというのが正しいだろう。

  • 198125/02/16(日) 00:05:34

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 199二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 02:32:04

    このレスは削除されています

  • 200二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 10:08:20

    面白かったです

  • 201二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 10:09:10

    200越えおめ!

  • 202二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 17:34:12

    このレスは削除されています

  • 203125/02/16(日) 23:12:02

    ――グラナト伯爵の応接室。

    あれからフリーレンたちは魔道具店を離れていた。カードについてもっと深く知るならば、これを認可したグラナト伯爵に直接話を聞く必要があると思ったからだ。

    フリーレンたちはグラナト伯爵に面会を求めた。
    そしてグラナト伯爵はフリーレンたちとの面会を快く引き受けた。

    開口一番にフリーレンが伯爵へと質問する。

    「どうして魔族を、ハイリを受け入れた?」
    「……我々には返しきれない恩がある」

  • 204125/02/16(日) 23:46:41

    グラナト伯爵は知る限りのことをフリーレンたちに話した。

    「ごめん……。話が難しいよ……。説明してくれフェルン……」
    「しょうがないですね……。いいですかシュタルク様? アウラは死体を操っていたんです。それもたくさんの。ハイリはそれに目をつけました。ハイリは死体をこれ以上ないくらい大事にして、グラナト伯爵に恩を売ったんです」

    「それは俺でも分かる。グラナト伯爵も『息子を連れてきたことに感謝している』って言ってたからな」
    「はい。そしてフリーレン様とゼーリエ様も似たようなことを、死体を取り戻してグラナト伯爵領を助けることならできると思います。ですがハイリは違いました。もっとすごくて、人智を超えたことをしました。フリーレン様とゼーリエ様にもできないことを」

    「それは?」
    「ハイリは死体の魂も助けたんです。"心の声を感知する魔法"で死体の心を聞いて。……たとえ打算があったとしても、彼女の優しさに感謝するしかないんです」

  • 205125/02/17(月) 00:06:30

    「……いや、でもさ、フェルン。打算って言うなら、ハイリは悪いことを企んでたんだろ? なら――」
    「いいえシュタルク様。ハイリは人間に危害を加えてない。一貫して優しい態度しか取ってません。ここの人たちはハイリに対して感謝しか持ち合わせていないから、グラナト伯爵はハイリの要求を受け入れたんです」

    「えっ、そうなのか?」
    「そうですよ。まあそれについては私も不思議な気分になります。魔族なのに、やってることが善行そのものなんですから」
    「なーんだ! だったらハイリも改心したってことか! 良いことじゃん!」

    「……シュタルク様」
    「ん? なに?」
    「……ハイリは人間に優しくする反面、魔族にはおそろしく残酷です」

  • 206125/02/17(月) 00:34:56

    「分かりやすく言えば、フリーレン様とゼーリエ様に早寝早起きと食べた後の歯磨きを魔法で無理矢理やらせてます」

    「うっわマジかよ……残酷じゃん……!」
    「ねえ、なんでそれで伝わるの?」

    フェルン(ママ)の冷たさにフリーレンが嘆く。ひとえに普段の生活態度が悪い。それはさておき。

    「ハイリは魔族にやっているのは『躾』です。人格が変わったり、好きなものが変わったりするようなとっても厳しい躾です。……もし、魔族に心があったら、きっと心をすり減らすくらいに」
    「…………でも、たしか、魔族には心がなかった」

    「はい。でも、心がないとしても、ハイリがやったことは残酷だと思います」

    たとえ人間もハイリと同じことをしていても。ハイリのやったことの重さは変わらない。でもそれは言い訳にしかならないので、せめてフェルンは口に出さなかった。

  • 207125/02/17(月) 00:36:02

    今日はここまで。おやすみなさい

    自分のスレが200に到達するのは初めてです!! いつも応援ありがとうございます!!

  • 208二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 01:06:30

    面白かったです
    お休みなさい

  • 209二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 02:21:46

    早寝早起きと歯磨きはいいと思う

  • 210125/02/17(月) 07:55:48

    しばらくは、ヘイルカーテンが「人間にとっては有用。魔族の在り方をねじ曲げる魔法」ということを描写していきます

    ヘイルカーテンの表向きは「ハイリのカード」
    実は裏の意味もあります。まあそれも「ジークハイル!」くらいの単純な意味です

  • 211二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 11:04:03

    了解です
    続きが楽しみです

  • 212二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 18:13:10

    このレスは削除されています

  • 213125/02/17(月) 22:44:17

    「しかし実際お前たちはこのカードがどう見える? 人類を陥れようとする魔族の罠なのか? カードを使った人間を蝕む魔法が隠されていたりせんか?」


    グラナト伯爵が聞く。


    「……いいえ。私には分かりません。フリーレン様は?」

    「そうだね――」



    フリーレンの解析:dice2d50=18 11 (29) %

  • 214125/02/17(月) 23:00:40

    「解析できたのは30パーセントくらいかな。たまたま私がアウラとベーゼの魔法を解析していたから同じ魔法が使われていることが分かった。でもそれだけ。それ以外は分からないよ」

    「解析するのにどれくらいかかりそうですか?」
    「ざっと1000年以上かかる」

    魔法を解析することにおいて右に出るものがいないフリーレンでもそれだけの長い時間がかかる。フェルンは驚いた。けれどフリーレンの次の言葉でさらに驚く羽目になった。

    「私の力だけじゃないよ。ゾルトラークの時みたいに人類が総動員して解析してもこの魔法を解析するには1000年以上かかると思う」

  • 215125/02/17(月) 23:30:28

    「……ゾルトラークは、クヴァールの"人を殺す魔法"は、80年かけて一般攻撃魔法と呼ばれるようになりましたよね」

    「ある意味、ヘイルカーテンはゾルトラークよりも強いと言えるね」


    まるで細部構造に未来の魔法が使われてるみたい。とフリーレンは思った。


    「ゼーリエはどう思う? ――ゼーリエ?」


    フリーレンが振り向くと、そこには苦悶の表情を浮かべるゼーリエがいた。

    ゼンゼはとても心配している。実は、ゼーリエは魔道具店でカードを見てからずっと曇ったままだった。

    あまり仲良くないフリーレンは半分くらいしか心配していなかったが、フェルンやシュタルクはただならぬゼーリエの様子に気になっている。

    ゼーリエはいったい、このカードの何に思い詰めているのだろうか。どうして、何も話そうとしないのだろうか。


    「何か気づいたことでもあるの? やっぱりこの魔法は危険だった?」


    しかし空気を読まないフリーレンが功を奏した。とてもたどたどしいけれど、ゼーリエが反応を見せた。


    「……きけん。……きけん? あ、あ……、いや、これは――――」



    dice1d2=2 (2)

    1.危険かもしれない

    2.危険ではない

  • 216125/02/17(月) 23:48:18

    「危険、では――ない」
    「どうして?」

    「…………カゴに入ったネズミは危険と思わないだろう……」
    「なんでいきないネズミの話に」

    「……リュグナーとリーニエはベーゼの結界に閉じ込められている」
    「カード型の結界に閉じ込められているんだよね。それは分かるよ」

    いいや違うと言いたげにゼーリエは黙った。その場に居た全員ゼーリエの言葉を待った。数秒あるいは数時間の沈黙。そしてゼーリエは続きを言った。

    「分身。影。まぼろし。そのカードから表れる魔族はカードによって生み出されたつくりものの魔族。ベーゼの結界に囚われた本物の魔族のコピーだ。だから危険性はない。お前たちが気づいた1000項目以上のアゼリューゼの命令は……自分では動く力のない幻像を動かすためだけのプログラムだ」

  • 217125/02/18(灍) 00:19:02

    「それともこう言った方が分かりやすいか。
     ―――結界に閉じ込めた魔族に人間と仲良くする夢を見せる魔法だよ」

    「…………………、本気で言ってるの?」

    「さて、どうだか」

    「ゼーリエが今言ったことがホントなら……ハイリがやっていることは『魔族の無害化』だ」

    「もしそうなら、フリーレン。お前はどうする?」

    「………………」

    「アウラの魔法は『矯正』。ベーゼの魔法は『隔離』。クヴァールの魔法は『新系統』。そしてハイリの魔法は――――いや、言うのはやめておこう」

  • 218125/02/18(灍) 00:19:33

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 219二次元好きの匿名さん25/02/18(灍) 02:12:22

    このレスは削除されています

  • 220二次元好きの匿名さん25/02/18(灍) 10:41:12

    このレスは削除されています

  • 221二次元好きの匿名さん25/02/18(灍) 18:20:35

    このレスは削除されています

  • 222125/02/18(灍) 21:37:04

    今日の投稿はなし。おやすみなさい

  • 223二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 00:48:37

    このレスは削除されています

  • 224二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 02:03:04

    このレスは削除されています

  • 225二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 07:11:51

    このレスは削除されています

  • 226125/02/19(ć°´) 08:07:30

    定住する人がいるととても嬉しい。いつもスレ保守助かってます!

  • 227二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 10:28:32

    続きが楽しみです

  • 228二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 18:11:37

    期待しております

  • 229125/02/19(ć°´) 23:04:56

    私は信じたくない。とゼーリエは言った。

    カードの魔法にハイリの魔法はどのように使われたのか、気づいてしまった。
    『それ』は気づいてしまえば単純な、あまりにも魔族らしい使い方だった。

    けれど『それ』に気づいてしまった。
    そのことがゼーリエの精神をこれ以上なく苦しめる。

    ゼーリエは気づかなかったことにしようとした。本当は、気づかなかったことにしたかった。
    嘘だ。嘘だ。嘘だ。と。目の前の現実を否定して、幼稚な子供のように駄々をこねかった。

    ずっと。ずっと。ずっと――――――ゼーリエは幸せな夢に浸っていたかったのだ。

    でもそれはもう叶わない。

  • 230125/02/19(ć°´) 23:19:16

    「ゼーリエ様……?」

    ゼンゼは、今にも消えそうな主の名前を呼んだ。
    しかしゼーリエは、呼ばれたことが分かっていても、うまく反応できなかった。
    体はキレイなままだとしても、彼女の心はもう満身創痍で、まともに動いてくれないのだ。

    「信じたくないよ――――」

    幸せな夢から醒めたくないと。まるで、絹のように細い声を漏らす。
    周りの誰もが、幽鬼のように揺れるゼーリエを見つめていた。
    そして不意に、偶然に、フェルンはゼーリエと目があった。するとほんのすこしだけゼーリエは目に光を取り戻した。

    「―――お前は精神魔法を、使えるか?」
    「え、いいえ、使えません。それがどうかし――――」

    フェルンもまた『それ』に気づき、凍りついた。

  • 231125/02/19(ć°´) 23:32:00

    「えっ、えっ……、えっ? は? はぁ!? こんな……こんなことのために!? たったこれだけのために!? ハイリはいったい何を考えているんですか!!!」

    事実を認識したフェルンの停止が解けると、驚きのあまり、らしくない大声を張り上げた。フェルンは現実を受け止めきれなかった。

    「お、おい。どうしたフェルン……」
    「え、いや、違うんです、シュタルク様。いやち、違わなくて……なんて言えば……」
    「落ち着けよ! どうしたんだいったい!?」

    「さっき――――」
    「……え?」

    「さっき、魔族には心がないって……」
    「あ、ああ……。そういえば言ってたよな俺ら」



    「……ここに、あったんです。

     ――――――――このカードには、『魔族の心』が宿っています」

  • 232二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 23:35:11

    このレスは削除されています

  • 233125/02/19(ć°´) 23:35:56

    「――、なんのため?」


    「そうすればハイリの魔法は『魔族の心』を読めるようになる。たぶん理由はそれだけで……、たぶん、それ以外の機能は、ついでなんです」

  • 234125/02/19(ć°´) 23:46:41

    魔族には読心の魔法が通じない。心がないから。
    だったら魔族に心を持たせよう。これで読心の魔法が通じるようになった。
    ああ単純明快だ。単純すぎて吐きそうになる。

    「え? なんか、命令で縛る魔法がどうとかって」
    「心があるのにやってます」
    「――――っ!」

    「しかもハイリからすれば『だったらなんですか』って感想が出てくるんでしょうね。――ああ! そういうところは魔族なんですね! これまで1000年、他人の苦しみの声を聞いても何も感じない生き物なら!! 今更自分が苦しめた魔族の心の声なんて聞いて、動じるはずありませんよね!!」

  • 235二次元好きの匿名さん25/02/19(ć°´) 23:57:20

    なんか苦しいな

  • 236二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 00:16:21

    面白いです!

  • 237125/02/20(木) 00:25:54

    「……フリーレン様、心があることを知ったら魔族を助けた方がいいんですか」
    「……フェルン。それはできない。人を殺す猛獣の首輪は外せない」
    「……ですよね。それに魔族が心が持ってくれるなら、人間と魔族が和解できる可能性を探れます」

    「私たち人間がハイリの魔法を許容すれば……人間と魔族は仲良くなれる。ハイリは魔族の心が読めるようになってより魔王に近づく。人間は魔族を騎獣と同じように管理できるようになる。他の魔族を抜きにして、ハイリと人間との間でWIN-WINが成立してる。
     ……なんなんだろうね。感情論を抜きにすれば正しいって思えてくる。ゼーリエはこれに気付いんだね?」



    「――――いいや。まだだ」
    「え?」

    「フリーレン……さっき"ヘイルカーテン"の解析には1000年かかると言っていたろ」
    「あ、うん」
    「私もそう思う。この魔法を私たちの魔法に完全に取り入れようとするなら1000年以上かかる。私たちエルフにとっては大したことのない時間だが、人間にとっては途方もない時間だな」
    「そうだね。……何が言いたいの?」


    「このカードが私たちの……"フランメの作った魔法"を完全に取り入れるのにかかる時間が『たった数十年』なら、どうなるんだろうな?」

    ――――私はな、フリーレン。人間が1000年を耐えられないと信じたくないんだ。

  • 238125/02/20(木) 00:27:15

    今日はここまで。おやすみなさい

    これでヘイルカーテンの正体は8割まで明かすことができました

  • 239二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 09:11:59

    今までてっきり氷の粒を降らす技かと思ってた……>ヘイルカーテン

  • 240二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 16:45:32

    そう言えば基本ドイツ語だったなこの作品

  • 241125/02/21(金) 00:13:27

    今週のジャンケットバンクで三角誉(敵キャラ)がやってることを、ここのハイリは1億倍くらいのスケールでやってるなあ

    今日は疲れてるので投下しないまま寝るかもです

  • 242125/02/21(金) 00:37:41

    今日は投下なしです。おやすみなさい

  • 243二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 00:48:25

    お休みなさい!

  • 244二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 02:27:23

    おやすみー

  • 245二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 11:10:17

    このレスは削除されています

  • 246二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 17:47:00

    このレスは削除されています

  • 247125/02/21(金) 23:34:53

    "ヘイルカーテン"を人類の魔法体系に完全に取り入れようとするなら1000年かかる。しかし逆に、"ヘイルカーテン"が今の魔法体系を取り込むなら数十年しかかからない。

    かつて"人を殺す魔法"はあらゆる防御魔法を淘汰し、新しい魔法体系を作った。
    地方に住む冒険者の四割。魔法使いの七割がクヴァールの作った魔法に殺された。

    あの時と同じことが、いいや、あの時以上の殺戮が始まる。
    魔法使いの在り方が壊れる。

    "ヘイルカーテン"は――――今あるすべての魔法使いを淘汰する。


    「……数十年、それだけの時間で」
    「……ああ。私たちの、フランメが夢見た『人間の時代』が終わる」

  • 248125/02/22(土) 00:00:50

    「ゼーリエ様……。何もそれは、考えすぎ、ということは……」
    「ゼンゼ。私も今の話を妄想だと吐き捨ててしまいたい。腐敗の賢老クヴァールを配下にしていながらハイリはクヴァールに何もさせていないと思いたい。魔族が人を殺す魔法を開発しない生き物だと信じられれば良かったのにな」

    それは、無理だ。一級魔法使いとして数々の魔族と対峙したゼンゼだから、それが無理だと分かってしまう。
    魔族は魔法を人を殺す道具としか考えられない。他でもないクヴァールがそれを人類に刻んだのだから。

    「だったら――大陸魔法協会が"ヘイルカーテン"を禁忌に指定して、広めないようにすれば……」

    「…………………………無理だ」

    ゼーリエの弱々しい声。

    「…………この魔法を使うことで魔族が人殺しをやめるなら、使う以外に選択肢がない」

  • 249125/02/22(土) 00:17:54

    その効果を捨て置くことなどできるはずがない。
    1万年以上続いた人間と魔族の殺し合いが終わるのだから。

    魔族が心を持つようになることも。
    ハイリが魔族を完全に従えるようになることも。
    魔族の脅威を取り除いたことで、ハイリが平和の象徴として崇められるようになるとしても。

    ――――どんな条件だろうとも受け入れるに値する。



    そしてゼーリエはそれが許せない。
    今この瞬間のゼーリエの心を読んでいるのに、何も感じないあの魔族のことが、絶対に許せない。

    ゼーリエの思いは怒りですらない。これは悲しみ。

    フランメの夢を『ことのついで』で消し去ろうとする。

    ――――許すことなど、できるはずがなかった。

  • 250125/02/22(土) 00:39:31

    ゼーリエは何かを決心すると、悲しい表情を消して、笑った。
    まるで大切なものを護るために命を散華する特攻兵のように、悲しい顔で笑った。

    「ゼーリエ、様?」
    「お前は付いてくるか?」
    「あ……、……っ! はい……ゼーリエ様」

    「悪いな。フェルン、シュタルク、フリーレン。突然だがここでお別れだ」
    「ゼーリエならハイリに勝てるよ」
    「だといいがな。フリーレンが倒した魔王に戦いを挑めなかった私が、魔王(ハイリ)を相手に勝てると思うか?」
    「――ヒンメルなら、勝つって言うよ」

    「ヒンメルはもういない。私たちにはもういないんだ。フリーレン」

  • 251125/02/22(土) 01:03:09

    フェルンとシュタルクは引き留めようとしたが、ゼーリエの決意は変わらなかった。
    最後にフランメの墓参りをしてから行くと告げて、フリーレンたちと別れる。
    その後ゼーリエはレルネンや弟子たちにも別れを告げた。その人達はみなゼーリエとの別れを悲しんだ。
    最後まで付いていこうとする者はいた。死出の旅路に付いていくことを許されたのは、かつてハイリという脅威に強い不安を覚えたゼンゼだけだった。

    そしてそれから十数日。別れを終えて。
    ゼーリエはゼンゼとともにハイリの前に現れた。
    手始めに極大の氷柱を出す魔法で牽制する。ベーゼの結界がそれを砕き弾いた。

    砕けた氷の粒が舞い散る景色の中。エルフの大魔法使いと救済の魔王が目を合わせる。

    「先日ぶりだな」
    「はい。先日のあなたの言葉にならって、私の魔法に心を付けてみましたけど、どうでしたか?」
    「最高に最悪だよ。魔族には人の心が必要ないと思い直す羽目になった」
    「それはよかった。では――――楽しい殺し合いを始めましょうか」

  • 252125/02/22(土) 01:05:23

    第二章『心を痛めるもの』 完結。

    お疲れ様でした。今日はここまで。おやすみなさい

  • 253二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 10:43:42

    お疲れ様です
    本当に始まってしまうのか…

  • 254125/02/22(土) 10:47:16

    ハイリの物語は全4章で完結の予定でしたが、予定が早まったので全3章で完結になりそうです
    ここから一級魔法使い試験開催はたぶん無理……

    ・ゼーリエとの戦い
    ・ベーゼに見せ場を作る
    ・マハトとソリテール
    ・完成したヘイルカーテン
    ・『◯◯◯◯』が言えない魔族とは

    これらを回収して、上手く着地しようかと

  • 255二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 19:20:36

    面白かったです!
    続きが楽しみです

  • 256125/02/22(土) 21:40:37

    本日の投稿はなしです。おやすみなさい

  • 257二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 01:11:32

    おやすみなさい

  • 258二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 04:20:45

    おやすみー

  • 259二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 11:49:48

    おつー
    終わりが近づいてるな…

  • 260二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:40:49

    このレスは削除されています

  • 261二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 22:49:15

    おやすみなさい

  • 262125/02/23(日) 22:57:31

    「お前に聞きたいことが2つある」
    「はい」

    ゼーリエの体から魔力が噴き出す。1万年以上生きているゼーリエの魔力は途方もなく、まるで城塞のように巨大。
    ハイリも魔力の隠蔽をやめて、1000年近く研鑽した魔力を解き放つが、ゼーリエの魔力に遠く及ばない。
    魔力は劣っている。けれどハイリは欠片も怯まない。

    「カードの魔法を作った目的はなんだ?」
    「そうですね……、一言でいえば、パラダイムシフト。今の魔法使いが今の魔法を使わないようにして、みんなに"ヘイルカーテン"(私の魔法)を使ってもらいたいです」

    「フランメの魔法を排除するつもりだな」
    「結果的にそうなりますね」

  • 263125/02/23(日) 23:14:35

    「私がお前に戦いを挑む理由はそれだけだ、ハイリ。私はな。フランメの魔法が世界を救ったことが私の誇りだったんだ」
    「そうですか。それは残念です。次に世界を救うのはフランメの魔法じゃなくて私の魔法です」

    「ははっ。―――次に世界を脅かすのもお前の魔法だというのに」
    「マッチポンプをするのはおかしいですか?」
    「いいや。悪意があると思ってな」
    「私に悪意はありませんよ。もしあるとすれば――善意です。救世主になって人間を救いたいという願いです」

    「救世主になるために『人類の敵』を人間から見繕う。『人類の敵』がお前の魔法を使って殺戮する。カードを介して『人類の敵』を操る。――それらに悪意はないんだな?」
    「はい。ありません」
    「お前は救世主失格だよ」

  • 264125/02/23(日) 23:30:55

    「さてもう1つの質問だ。この魔法は"ディーアゴルゼ"(黄金化の魔法)を組み込んで完成だな?」

    その質問にハイリはくすくすと笑う。ゼーリエの質問は核心を突いた。

    「その通り。ゼーリエさんはすごいです。推測でそこまで分かるなんて」
    「ぬかせ」

    計画のすべてを見抜いたゼーリエをハイリが褒める。ゼーリエは悪魔のような計画に目を鋭くする。

    「お前、ベーゼ、クヴァール、アウラ、マハト。そいつらのカードは"黄金製"だろう?」

    「大正解です。朽ちず、壊れず、永遠に残り続ける。

     "たとえ人類を滅ぼしたとしても"!

     "次の人類を待てる不老不滅の新しい体"!

     それこそが本当の"ヘイルカーテン"です!」

  • 265125/02/23(日) 23:34:29

    「"だからデンケンさんを殺しておいたんです"! "ディーアゴルゼ"が解析される可能性がゼロになります!」

    「――――――――」

    デンケンの真相に、ゼーリエは言葉を失った。

  • 266125/02/23(日) 23:43:43

    短いですが今日はここまで。おやすみなさい

    ドイツ語のheilには「無傷」という意味があります
    "ヘイルカーテン"の意味は「ハイリのカード」であり、「救世主になれるカード」であり、「何がどれだけ滅びようとこいつは無傷のカード」です

    前スレのデンケンさん死亡の時にディーアゴルゼ解析フラグを全部折っておいたのが上手くハマりました

  • 267二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 01:20:16

    おやすみなさい
    俺の予想まるっきりの外れか……

  • 268125/02/24(月) 08:19:26

    遊戯王の世界でミレニアムアイが最強のチート能力だから遊戯王(カードゲーム)の世界にします!みたいなノリです

  • 269二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:20:05

    この人なら並大抵の魔王ならワンパンしそう

  • 270二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:08:08

    続きが楽しみです

  • 271二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 18:47:39

    漫画版でも読みたい

  • 272125/02/24(月) 22:13:48

    休日出勤と寒さがつらい…
    今日の投稿はなしです。おやすみなさい

  • 273二次元好きの匿名さん25/02/25(灍) 01:31:13

    このレスは削除されています

  • 274二次元好きの匿名さん25/02/25(灍) 08:54:59

    面白かったです

  • 275二次元好きの匿名さん25/02/25(灍) 17:13:30

    このレスは削除されています

  • 276二次元好きの匿名さん25/02/25(灍) 23:30:45

    このレスは削除されています

  • 277125/02/25(灍) 23:35:13

    怒りと悲しみがないまぜに吹き荒ぶ。ゼーリエがハイリに向かって雷の魔法を放った。

    「ジュドラジルム!」

    地面をめくり上げて破壊の渦を象る雷竜。それをハイリは飛行魔法で巧みに避ける。まるで空中の羽を手で掴もうとした時のように、ひらりひらりと雷はハイリをすり抜けていく。膨大な魔力が込められた先制攻撃をかすり傷ひとつ負わずにハイリは回避せしめた。

    「――――ハァァッ!」

    戦士としても動けるハイリが一息でゼーリエに接近し、薙刀を振るう。

    「……私を忘れるな!」

    ゼンゼの操る髪の毛が、ゼーリエを襲うハイリの槍を防いだ。そのまま次の髪の毛が迫り、ハイリを刺し貫こうとする。しかしそれを読んでいたハイリは身をよじるだけで回避する。

    「ははは! ゼーリエさんとの殺し合いの邪魔ですね! ――ベーゼ! "拒絶"!」

    ハイリの体が薄暗い球体に覆われるとともに、球体に入ったゼンゼの髪の毛が瞬く間に消滅する。

  • 278125/02/25(灍) 23:52:25

    ベーゼの"世界を拒む魔法"。この魔法の球体に飲み込まれた物体は跡形もなく消滅する。
    幾重にも魔法を重ねがけしたゼンゼの髪の毛だろうとやすやすと消滅する。
    驚くゼンゼの隙を突き、ハイリは一歩踏み込み、ゼンゼを球体に飲み込み消滅させようとする。

    「させるか――!」

    急転回に軌道するゾルトラークが横槍となってハイリを吹き飛ばす。ゼンゼはあわや球体に飲まれずに済んだ。

    「あー……、当たり判定が大きいと躱しにくいですね。ゼーリエさんのゾルトラークを防げているから、ベーゼの結界が弱いということはないですが」

    吹き飛ばされたものの、ベーゼの結界に守られたハイリはノーダメージである。
    ハイリが人差し指をくいと曲げると、それが合図だったのか、ベーゼの結界が消える。

    「団体戦がお望みですか? ならこっちが有利ですよ? ――アウラ!」
    「アゼリューゼ!」
    「やらせるか!」

    ゼーリエの魔力弾がアウラの天秤に命中し、アゼリューゼの発動がキャンセルする。

    「私の目が光っているうちはアゼリューゼを発動できると思うな」

  • 279125/02/26(ć°´) 00:24:41

    「まあそうでしょうね。でもアウラはゼンゼさん狙いを続けてください。戦士との近接戦闘に対抗できるゼンゼさんが落ちれば、私の刃がゼーリエさんに届きますから」

    「わかったわ」


    アウラが天秤をカチャリと鳴らす。ハイリが薙刀を構える


    「……手強いな。魔王を名乗るのは伊達ではないか」

    「はい。まあ強いのは人間相手に限りますけど」


    「死体含めて人間扱いできるやつの『人間相手』という台詞は参考にできん。……というか、あれだけの魔法を開発できる奴が近接戦闘を得意とするのはズルくないか?」

    「得意ということはないですよ。私より近接戦闘ができる人は星の数くらい居ますから」


    なおハイリの視点は過去現在未来に広がっている。参考にならない。


    現在のハイリの近接戦闘技能

    dice1d10=10 (10)

    1~3.シュタルク・アイゼン・リヴァーレ以下

    4~6.シュタルク・アイゼン・リヴァーレと同等

    7~9.シュタルク・アイゼン・リヴァーレ以上

    10.パパ黒

  • 280125/02/26(ć°´) 00:25:23

    はい今日はここまで!! ダイスの女神様ァァァ!!!!!!!

  • 281125/02/26(ć°´) 00:27:57

    Q.星の数いるの?

    A.いてたまるか。

  • 282二次元好きの匿名さん25/02/26(ć°´) 00:49:21

    お疲れ様です
    やっぱりダイス神っているんだね

  • 283二次元好きの匿名さん25/02/26(ć°´) 08:02:03

    このレスは削除されています

  • 284二次元好きの匿名さん25/02/26(ć°´) 15:13:10

    面白かったです!

  • 285125/02/26(ć°´) 22:11:25

    今日はおやすみです

  • 286二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 00:47:25

    おやすみなさい!

  • 287二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 01:08:21

    このレスは削除されています

  • 288二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 08:57:30

    このレスは削除されています

  • 289二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:49:14

    このレスは削除されています

  • 290二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:06:42

    保守

  • 291125/02/28(金) 00:18:36

    「あ、星の数いるというのは訂正します。自分がもっと強いことをいま思い出しました」
    「は?」

    突然、ハイリの魔力から揺らぎが消える。その現象はゼーリエたちの目に時間が止まる感覚を与えた。
    何かが起きると思う前にハイリの攻撃が終わる。
    次の瞬間、ゼーリエの右腕が切れた。

    「――――――!!!!!!!??」

    「ヘイルカーテン」

    断ち切ったゼーリエの右腕を拾ってカード化の魔法を発動する。
    右腕は結界の中に収納。封印が施され、カードに変わる。

    「これで右腕は封じられましたよ。ゼーリエさん」

  • 292125/02/28(金) 01:03:42

    「ゼーリエ様!!?」
    「ハァ……、ハァ……、ぐぅ……いま、なにが」

    切られた右腕に左手をあてがって回復魔法を使う。なのに一向に回復する兆しがない。それどころか血が出ない。

    「封印……、封印だと……」
    「その幻肢痛はすぐに慣れるので安心してください」
    「っ!! 私の腕を返せ!!」

    腕を切られた痛みで膝を折るゼーリエをハイリは見下す。油断しているように見えるそれに対し、ゼーリエの魔法とゼンゼの髪が迫る。だがしかし音どころか空気の揺らぎすら起こすことなくハイリは回避する。

    ハイリの動きをゼーリエたちは目で追えない。ゼーリエたちの全身に、ぶつぶつと鳥肌が立った。冷や汗が流れ、背筋が凍る。

    理解できないから怖いのではなく、理解できるからこそ怖い。
    速く動いているから動きが見えなかったわけではなかった。ハイリの動きはゼーリエたちに見えている。ただ精緻すぎて理解できない。柔術の達人が簡単そうに見える動きで人を投げるように、ハイリは簡単な動作でゼーリエたちの攻撃を躱している。

    ハイリは特別な魔法を使っていない。

  • 293125/02/28(金) 01:22:08

    「幾億の心を聞き分ける精密さを魔力操作や体の動作でもやってみました」
    「…………な」

    「相手に合わせて。その相手が騙されるまで。フェイントを入れているだけなんです。単純ですよね」
    「単純で済ませていいわけがあるか!!」

    ゼーリエからの攻撃は必ず回避できる。
    ハイリからの攻撃は必ず当たる。
    そう言っているに等しい。

    言っていることは単純だ。
    やっていることは次元が違う。

    「神話の時代から生きている私の目を欺く魔力操作なんて……もう人間が入り込める領域にいない……! この、化け物め……!!」

    「褒め言葉と受け取っておきます」

    ニコっと笑う魔族。エルフは恐怖する。

  • 294125/02/28(金) 01:24:15

    今日はここまで。おやすみなさい

    魔法使わずにゼーリエ倒すってどういうこと……
    強くなりすぎて怖い……

  • 295125/02/28(金) 08:10:02

    でも七崩賢全員を相手にして半分落としてる南の勇者はこれくらい強そう

    もし全治のシュラハトがいなくて、南の勇者が生きていたら、南の勇者がハイリを倒してる

  • 296二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 08:53:38

    面白かったです

  • 297二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 13:05:19

    南の勇者パネェっす
    しかし惜しい人をなくしたな

  • 298二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 20:29:36

    続きが楽しみです

  • 299125/02/28(金) 23:53:13

    今日は投下なしです。明日は投下します。おやすみなさい

  • 300二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 01:23:35

    このレスは削除されています

  • 301二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 10:00:46

    このレスは削除されています

  • 302二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 16:50:19

    このレスは削除されています

  • 303125/03/01(土) 22:54:07

    「ではこの戦いを終わらせましょう。神話の時代から生きてきたゼーリエさんの送別ですから、神話のような決着がふさわしいです」

    ハイリは"未来を見せる魔法"をゼーリエに使う。
    ゼーリエの頭の中に『存在しない記憶』が映し出される。

    それは――――神話を思わせる破壊の跡の天地。

    世界の果て。そして向こう側の景色。
    世界の淵に立っているハイリがなにもない世界の向こう側に手をかざす。
    地平線も水平線もない。カプチーノのように層に分かれる空が、全天を覆う。

    「これは、未来? 私は未来を見せられているのか?」

    今見ている空と海と地が跡形も残さず消失した光景。それが未来の出来事で、ハイリが魔法で見せている光景だと、ゼーリエは理解した。

  • 304125/03/01(土) 23:34:21

    「"超冪に増やす魔法"――――"テトラシオン"。この魔法を使えば今ゼーリエさんに見せている光景は現実になる」

    「………………」

    ゼーリエは数秒ほど硬直する。

    「私の記憶から"テトラシオン"を読んだのか」
    「はい」
    「机上の空論だ。誰も成功しなかった。神話の時代でもだ」
    「私ならできると思いませんか?」
    「…………ああ、できるかも、しれんな」

    はは、と乾いた笑い声が漏れる。

    「世界が滅ぶぞ」

  • 305125/03/01(土) 23:48:43

    「やめろ。不発するならまだいい。もし万が一発動して手元が狂えばお前も死ぬぞ」

    ゼーリエはハイリの奇行を止めようとする。他の者は"テトラシオン"がどんな魔法か知らない。2人が何を言っているのか分かっていない。
    巻き込まれる可能性を知ってベーゼが口を挟む。

    「なにをしようとしている?」
    「これから"テトラシオン"に挑戦します。ああ、"テトラシオン"はベーゼの結界やマハトの黄金なら防げます。万が一失敗しても私たちは無事生き残れます」
    「……本当か?」
    「単純に巨大なだけの魔力に壊される結界でしたか?」
    「……………………」

    ベーゼは黙った。

  • 306125/03/01(土) 23:53:51

    「では――――」


    ハイリは、手を空にかかげた。てのひらにとても小さな魔力の玉を作る。

    ゼーリエは戦々恐々とした顔でそれを見守る。


    dice1d1000=146 (146)

    ゾロ目または1000:成功

    それ以外:うまくいかない

  • 307125/03/02(日) 00:07:27

    "テトラシオン"とは、文字通り超冪でありテトレーションを起こす魔法だ。

    誰も実現できない。誰も成功できない。
    理由は極めてシンプルに。テトレーションで起こる現象を、現実が許容できない。

    『世界の描画が不足する』

    呪術廻戦に登場する黒閃という技。発動に成功した時、術式の威力が込めた呪力の2.5乗になる。
    2.5乗、とは累乗という計算方法。

    テトレーションは、累乗の上に位置する計算方法なのだ。

    ただ強いだけ。
    ただ多いだけ。
    それだけでしかない。魔族の魔法は壊せない。

  • 308125/03/02(日) 00:26:19

    ゼーリエがそれを恐れた理由は、恐怖というより畏敬である。

    3の累乗。3の3乗は27倍で済まされる。
    3のテトレーション。3の27乗は――――

    「……あっ」


    この瞬間、人類は空に現れた神を見た。

    小さい魔力な玉が『太陽の50倍の大きさ』になる。
    約7兆6000億倍。これがテトレーションの恐ろしさ。


    「……うまくいきません。作るので精一杯です」

    そう言うとハイリは太陽を消す。
    1秒にも届かない顕現のあとに、すべての人間は雲一つない空を見上げた。
    もし地面に向かって振り下ろしていればゼーリエの見た未来の通り、確実に世界は滅んでいただろう。

    そして、いつも通り。ハイリは神にも未来にも興味がない。あっけなく引き下がる。

    「……………私の負けだ」

    ゼーリエは降伏した。

  • 309125/03/02(日) 00:29:12

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 310二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:42:27

    お疲れ様です
    そうそう上手く行かないか……

  • 311125/03/02(日) 10:23:26

    しかし巨大数の世界ではテトレーションすら小指の先を踏み込んだ程度です
    比較的メジャーなグラハム数はさらに桁違い。どころか桁という表現すら使えなくなる

    人間の想像力ってすごい

  • 312二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:22:34

    もうこの人に色々任せちゃえばいい気がしてきた

  • 313125/03/02(日) 23:46:46

    ①3を3のテトレーション乗(約7兆6000億)する。この時点で宇宙にある原子の数を超える
    ②3を①乗する
    ③3を②乗する
    :
    :
    :
    これを64回繰り返して出てくるのがグラハム数です
    ①がすでに想像を絶する数字なんよなあ

  • 314125/03/02(日) 23:50:11

    今日は投下なしです。おやすみなさい

  • 315二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:17:38

    面白かったです
    おやすみなさい

  • 316二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 02:35:58

    このレスは削除されています

  • 317二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:49:32

    おはようございます

  • 318二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 16:20:14

    このレスは削除されています

  • 319125/03/03(月) 18:55:15

    ゾルトラークがTwitterのトレンドに上がってて笑いました

  • 320125/03/03(月) 22:27:13

    ゼーリエの腕は

    dice1d2=1 (1)

    1.元に戻した

    2.戻さなかった(一刀火葬したことになった)

  • 321125/03/03(月) 22:55:31

    「ん? 獲った腕は戻すのか?」
    「脅しや人質より、恩を売る方が有効だからですね。これでゼーリエさんとゼンゼさんもグラナト伯爵のようにヘイルカーテンを広めることに協力します」
    「ふむ……そういうものか」
    「なんにせよ、あのゼーリエに勝てて良かったです」
    「しかも無傷の勝利。大したものだ」

    「あんたひとりでも勝てたじゃない」
    「それはそうなんですけど」
    「……ま、いいわ。化け物みたいな魔力のエルフに、魔力で勝つなんて。ちょっとだけ面白かったから」
    「ありがとうございます」

    クヴァールとアウラがハイリの勝利を称える。

    「……………………」

    ベーゼは無言だった。

  • 322125/03/03(月) 23:14:56

    「やはりお前は私の知る魔族と根本的に違う。人を殺すことより己の魔法の地位向上を優先するんだな」
    「はい。そうですね。マハトやソリテールみたいに私も例外なんです」
    「いいや。お前は違うよ。殺戮の本能を超えることができた魔族は、お前しかいない」

    ゼーリエはハイリという化け物に悲しそうな目を向ける。

    「……続けるのか?」
    「はい」

    その問いにはどんな感情が込められているのか。それはハイリしか分からない。
    そして、ゼーリエの心を読み取ってなお、ハイリは止まらないと答えた。

  • 323125/03/03(月) 23:41:07

    「私はもうお前を止めない。お前を殺して止めることは私なりに慈悲のつもりだったよ」

    背を向ける。付き添ったゼンゼに、帰ろう。と声をかける。ゼーリエはハイリを殺すことを諦めた。
    人間の魔法はフランメの編み出した系統からカード魔法の系統に置き換わっていく。けれどそれは仕方のないことだ。と受け入れた。

    「ゼーリエさん。ゼンゼさん」

    帰ろうとするゼーリエたちをハイリが呼び止めた。
    なんだ。とゼーリエは振り返る。

    「ヘイルカーテンのこと、きっと好きになれますよ」

    仏のように薄く柔らかい笑顔を浮かべてハイリは別れの言葉を送る。
    その笑みにゼンゼは顔を逸らす。とても痛ましいものを見た気がした。
    ゼーリエは、

    「お前は素直になれるといいな」

    と言って。ゼンゼと共に姿を消した。

  • 324125/03/03(月) 23:53:04

    「何の話だったの?」

    アウラが聞いた。

    「私を助けようとしていたみたいです」
    「はぁ? なんで殺そうとした奴を助けようとするのよ」

    「人間は心を持った相手には優しいんですよ」
    「ふーん。だったら魔族には関係ないことじゃない」
    「そうですよね」

    アウラとハイリは笑い合う。ゼーリエたちはもういない。ここにいるのは人の心を理解しない魔族だけ。ハイリの笑顔の裏にあるものを感じ取って、ハイリに同情する者はここにはいない。

  • 325125/03/04(灍) 00:10:39

    「私は。ここまでだ」

    沈黙していたベーゼが口を開く。出たのは別れの言葉だった。

    「わかりました。さようならベーゼ」

    突然別れを切り出すベーゼに、クヴァールとアウラが困惑する。
    けれどハイリはまるでこうなることが分かっていたように何も驚かずに返事した。

    「は? なんでいきなり……? 別れて自由に動くのはマハトのところに行ってヘイルカーテンを完成させてからが合理的のはずよ!? ヘイルカーテンが完成すれば、私たちは不滅の存在になれるのよ!」

    「魔族に心は必要ない。私は魔族の誇りを穢してまで、不滅になろうと思わない」

    私は命よりもプライドを優先する。と不滅のベーゼは離反の意を示すのだった。

  • 326125/03/04(灍) 00:11:05

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 327二次元好きの匿名さん25/03/04(灍) 09:54:33

    このレスは削除されています

  • 328二次元好きの匿名さん25/03/04(灍) 10:33:42

    面白かったです

  • 329二次元好きの匿名さん25/03/04(灍) 17:16:39

    このレスは削除されています

  • 330125/03/04(灍) 23:28:02

    離反したベーゼ


    dice1d10=3 (3)

    1~3.ハイリと殺し合う(負け確定)

    4~6.フリーレンにハイリの弱点を教えに行く

    7~9.クヴァールと殺し合う dice1d2=2 (2) 1なら勝ち

    10.クヴァールを殺した(ここに来て覚醒)

  • 331125/03/04(灍) 23:36:29

    憐れベーゼ。ダイスに恵まれたのは最初だけでした
    ハイリは未来が見えている。けど見えてしまう未来に縛られている。奴隷根性が抜けていないのです
    それをフリーレンに話す機会はなくなりました

    ベーゼの結界魔法に対抗できるのはフリーレンとゼーリエだけ
    相手がアウラなら勝ち確。クヴァールなら互角でしょう
    ベーゼは弱くない
    しかし覚醒したハイリにベーゼの勝ち目はありません

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 332二次元好きの匿名さん25/03/05(ć°´) 01:49:02

    お休みなさい
    ハイリじゃ仕方ないか

  • 333125/03/05(ć°´) 07:57:19

    ハイリさんまた覚醒しますか?

    dice1d100=8 (8)

    1〜99.さすがに打ち止め

    100.覚醒!(テトラシオン習得&進化)

  • 334二次元好きの匿名さん25/03/05(ć°´) 17:21:55

    やっぱりダメか…

  • 335125/03/05(ć°´) 23:26:30

    投稿おやすみです

  • 336二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 01:14:53

    了解しました

  • 337125/03/06(木) 09:03:18

    アニメ葬送のフリーレン2期!!!! やった!!!!

  • 338二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 09:22:51

    >>337

    祝! フリーレン2期!

  • 339二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 17:41:31

    やったぜ

  • 340二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:50:36

    ㊗️

  • 341125/03/06(木) 22:55:13

    「何故。とは聞くまい」
    「ええ。言われなくても分かります。やり方が気に入らない。それだけですよね。私たち魔族が殺し合う理由なんて短絡的なものです」

    「ヘイルカーテンの雛形が出来た時点で私は用済みだったろうに。もっと早く私を始末してもよかったはず。私を見逃していたのは何故だ?」
    「あなたに心を与えたかったから。あなたに絶望を教えたかったから」

    「やはり私を恨んでいたか」
    「そうです。これは、あなたが始めた物語(まほう)ですよ?」

  • 342125/03/06(木) 23:10:56

    ハイリとベーゼは互いを見つめて、殺気をぶつけ合う。
    これから始まる戦いにアウラとクヴァールは参加しない。ハイリに命令されれば協力するだろうが、命令されてないし、そもそも協力が必要とも思わない。

    この戦いに勝つのはハイリ。それが分かっている。
    だからアウラとクヴァールは観戦するだけ。緊張感のないアウラはクヴァールに質問する。

    「クヴァール。あの2人は何の話をしてるの?」
    「ああ、『ベーゼが原因でハイリは未来を見るようになった』ということだ。お前がハイリに絶望の未来を見せられたように、ハイリもまたベーゼに未来を見るようにされた。未来を見て絶望する魔族は、ベーゼによって始まったことなのだ」

    「ハイリはベーゼを恨んでたってこと?」
    「ああ」
    「ふぅん。そういうことだったのね」

  • 343125/03/06(木) 23:39:21

    それならベーゼは死んでいい。潔く散ったドラートと同じ道を辿るべきだ。とアウラは思う。
    因果応報もなく。復讐心もなく。魔族にあるのは強者の自己満足だけ。

    冷酷。無慈悲。無感情。それが魔族の本質。
    ハイリ(この場の強者)がベーゼを殺したいと思っている。それが分かれば、議題は終わり。

    極めて単純な猛獣の秩序である。
    だから、アウラの問いはすぐ終わった。クヴァールもそれ以上語らない。

    たとえハイリとベーゼが家族だったとしても。
    魔族はそれを物語にしない。

  • 344125/03/06(木) 23:56:46

    ハイリがゾルトラークを連射する。一度に十数本の光線がベーゼに迫る。
    "世界を拒む魔法"――入り込んだものを一瞬で消滅させる黒い球体の結界が、ベーゼを襲う光線を一つ残らず打ち消した。

    ベーゼが指を動かす。ハイリが地を蹴り、その場を離れる。ハイリの居た場所に"世界を隔てる魔法"――白い球体の結界が現れる。

    空を駆ける鳥を追うように。俊敏に動いて結界を躱すハイリ。捕まえようとするベーゼの結界。ハイリから牽制のゾルトラークが放たれる。しかしゾルトラークはベーゼを包む黒い球体に呑まれては消える。

    勝負はすぐに終わる。ゾルトラークと白い結界は決定打になりえない。ハイリとベーゼは、分かりきっていたことを確認した。

  • 345125/03/07(金) 00:19:16

    この戦いが終わったらどうしよう。とハイリは考える。

    思えばベーゼとは色々あった。結界に閉じ込められた。絶望を知る羽目になった。未来を聞き取るきっかけになった。
    あの白い結界の中。フリーレンと違って脱出する方法なんてなくて。
    何もない日々。
    何もない場所。
    結界の中で、魔法を研鑽し続けた時間は、ハイリを救いようのないものに変えてしまった。

    フリーレンの心を読み取り、ベーゼの結界を解除する方法を知り、結界から脱出した時、運命の歯車が切り替わる音が聞こえた。
    もしあの時、違う音があったとしたら。と考える。
    もしあの時――――『   』が言えていたら、だなんて。

    意味のない考え。でもまだ間に合うのでしょうか。とハイリは思った。

  • 346125/03/07(金) 00:37:30

    白い結界の檻を躱しながら、ハイリはベーゼに接近する。
    決着は目の前に。戦いが始まってわずか一分ほどだった。
    ハイリがその魔法を発動する。

    「"世界を拒む魔法"――――!」

    黒い球体の結界がハイリを包む。そして、ハイリとベーゼの黒い結界がぶつかり合った。

    「グゥゥゥアアアア――――――!!」

    ベーゼが叫ぶ。ベーゼの結界にヒビが入る。
    ハイリの結界は健在。一方的だった。分かりきっていたことだった。ベーゼの結界に亀裂が広がっていく。

  • 347125/03/07(金) 00:48:52

    「――これは私とあなたで作った魔法ですね」
    「そう、だったな……! お前が使えるのは、当然だ……!」
    「この魔法は使用する者の負の感情が大きいほど強くなる」
    「お前に、ぴったりの魔法だ……!」

    やがて亀裂はベーゼの結界すべてを覆い、甲高い音を立てながら破裂する。
    ベーゼの結界がなくなり、ハイリがベーゼの首を掴み、ハイリの結界がベーゼを飲み込んだ。結界の中でベーゼの体が消えていく。

    「ここまでか……」

    死を悟った魔族はなんとしてでも助かろうとする。けれど中には潔く散ることを選ぶ魔族も居る。違う世界のベーゼは人間を侮ったまま死んだ。この世界のベーゼはそうではなかった。
    自分を討ち果たしたハイリを見て、魔族らしくからっぽの笑みを浮かべて、ベーゼは、

    「先に行くよ。母さ――」

    と言って、消滅した。

  • 348125/03/07(金) 00:50:16

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 349二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 01:30:59

    面白かったです
    おやすみなさい

  • 350二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 09:43:14

    おはようございます

  • 351二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 17:49:31

    このレスは削除されています

  • 352125/03/07(金) 22:20:28

    本日の投稿はなしです。おやすみなさい

  • 353二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 01:07:34

    おやすみなさい

  • 354二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 09:56:40

    了解しました

  • 355二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 18:03:07

    このレスは削除されています

  • 356125/03/09(日) 00:15:28

    今日の投下はなしです。投稿頻度が下がってすみません
    残っている要素は少ない。綺麗にたたむ展開を考えています
    あともう少しで完結ですので、最後までお付き合いください

    おやすみなさい

  • 357二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 01:32:21

    了解です
    みんな幸せになってほしい

  • 358二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 11:15:22

    このレスは削除されています

  • 359二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:41:18

    このレスは削除されています

  • 360125/03/09(日) 23:07:05

    マハトが封印されている城塞都市ヴァイゼへの道中はまさに凱旋だった。

    あのゼーリエが負けたのだから、もう誰もハイリに勝てない。

    ヴァイゼの大結界の目前で、一級魔法使いのレルネンと出会う。


    レルネンとの戦い

    dice1d10=6 (6)

    1~9.順当にハイリが勝利した

    10.狂犬がやらかした(アウラかクヴァールが落ちた)

  • 361125/03/09(日) 23:20:30

    「満足しましたか? レルネンさん」
    「……ええ。ありがとうございます」

    満身創痍のレルネン。傷一つないハイリ。
    もし仮に、断頭台のアウラまたは腐敗の賢老クヴァールがレルネンと戦っていれば、相手を落とすことはできたかもしれない。けれどレルネンはハイリとの戦いを希望した。負けると分かっていてもなお。

    かつての友、デンケンの死に決着をつけたかった。
    それに付き合う善性が救済のハイリにあるのかを確かめたかった。

    レルネンは命を賭けて戦いに挑み、そして、答えを得た。試合は負けでも勝負は勝ち。ボロボロになりながら、レルネンは答えを勝ち取った。

    「友人の死に意味はあったのですね」

  • 362125/03/09(日) 23:41:12

    「では追加の善意です。あの人はただ愛情表現を表に出すのが苦手なだけで、レルネンさんのことは忘れたりしません。余生を無駄に燃やして私を倒して名前を残そうとせず、ゼーリエさんと一緒にヘイルカーテンを広めてください」
    「わかりました」

    そうしてついに城塞都市ヴァイゼにたどり着く。

    「ふむ……なかなかの結界じゃのう」
    「ま、あんたなら解けるんでしょ」
    「そうですね」

    人類の叡智の結晶。
    偉大な魔法使いたちが結集して作り出された不解の大結界。
    人類の魔法を長きに渡って研究していた大魔族、ソリテールが2ヶ月かかって解析したそれを、わずか数秒見ただけで解析を終わらせる。

    「では、解除します」

    ハイリが手を触れると結界の表面に数十もの魔法陣が展開する。
    時計台の中で動く歯車のように魔法陣の群れが音を立てて輪転する。
    そして結界に亀裂が広がっていって、ガラスのように砕け散って、破片の雨を降らせた。

    「すごい。この結界をこんな簡単に壊せるなんて」

    ハイリたちの後ろに、無名の大魔族ソリテールが立っていた。

  • 363125/03/09(日) 23:53:22

    色々あったので、ソリテールとマハトのハイリへの印象に変化があったかどうか


    ソリテール dice1d10=9 (9)

    1~3.強いから従う(変化なし)

    4~6.人の心を知ってるなんて面白いわ(印象↑)

    7~9.人の心についてもっと教えてちょうだい(印象↑↑)

    10.人の心とかないんか(印象↓)


    マハト dice1d10=2 (2)

    1~3.強いから従う(変化なし)

    4~6.善意について教えて欲しい(印象↑)

    7~9.俺にも善意を教えて欲しい(印象↑↑)

    10.人の心とかないんか(印象↓)

  • 364125/03/09(日) 23:57:41

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 365二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 01:02:07

    更新お待ちしておりました!
    お休みなさい

  • 366二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 10:24:04

    このレスは削除されています

  • 367二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 17:54:29

    このレスは削除されています

  • 368二次元好きの匿名さん25/03/11(灍) 00:03:57

    「はじめまして。私は大魔族ソリテール。あなたが救済のハイリね」
    「ええ。はじめまして」

    ハイリとソリテールが挨拶を交わす。

    「あなたを探していた。あなたと会ってみたかったの。ヘイルカーテン――この魔法を初めて見た時とても感動したわ。ああ、この魔法を作った魔族は人類と共存しようとしているって。興味が湧いたの」

    あこがれの人に会えた女の子のようにソリテールは目を輝かせた。

    「ハイリ。あなたは誰よりも人の心を理解している。ねぇ……私に人の心を教えてちょうだい」

  • 369125/03/11(灍) 00:29:24

    「わかりました。ソリテール。でもその前にマハトを仲間に入れましょう」
    「ええ。ヘイルカーテンにマハトの"黄金に変える魔法"を組み入れるためね」

    ソリテールを加えて一行は黄金郷に変貌を遂げた城塞都市ヴァイゼに入る。マハトの魔力を感じ取り、マハトの居る場所へ向かう。

    「――先日、空を覆った魔力の出処はお前だな」

    金色に凍てついた噴水のある広場。城塞都市ヴァイゼを黄金郷に変えた大魔族マハトが佇んでいた。

    「はじめまして。私は救済のハイリ。次の魔王です。あなたの言う通り。あの魔力を出したのは私です」
    「……そうか。それなら次の魔王を名乗るに値する」

    「ヴァイゼの結界を壊したのもこの子よ」
    「そうか。感謝しよう」
    「どういたしまして」

  • 370125/03/11(灍) 00:47:01

    全知のシュラハトのメッセージ


    dice1d10=8 (8)

    1~6.「マハト。結界を壊す者が次の魔王だ」(無難)

    7~9.「ハイリに従え。その魔族がお前に悪意を教える」(印象↑)

    10.「全知を使っていい。俺を復活させろ」

  • 371125/03/11(灍) 00:47:40

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 372二次元好きの匿名さん25/03/11(灍) 01:54:23

    お疲れ様です全知は使わずか

  • 373二次元好きの匿名さん25/03/11(灍) 11:22:22

    このレスは削除されています

  • 374二次元好きの匿名さん25/03/11(灍) 19:42:59

    このレスは削除されています

  • 375125/03/11(灍) 23:07:33

    「悪意を教えてくれ。シュラハトが言っていた。お前なら俺に悪意を教えられるとな」
    「全知のシュラハトが……。ええ、わかりました。ソリテールにも人の心を教えると約束してますし。
     じゃあこれから『善意と悪意』、『人の心』を教えますね?」

    マハトとソリテールは頷く。誕生日を心待ちにする子どものように、ハイリの言葉に耳を傾ける。
    アウラは興味なさげ。クヴァールは無反応。これからハイリの話す内容をなんとなく分かっているのだろう。

    「ではまず善意と悪意から。簡単に言ってしまえば、死と生は『0と1の考え方』で、悪と善は『1と100の考え方』です」
    「全体や社会を活かそうとする考え方か」

    それだけなら俺が聞き出した答えとあまり変わらない。マハトはそう思った。

    「ただし魔族は『1の考え方』しか出来ない生き物。そこから進化しなければ善悪を考えることはできませんね」
    「じゃああなたは進化したの?」

    ソリテールが尋ねると、ハイリは顔に手を当て、微笑を浮かべた。

    「はい。――過去や未来を見ることで、進化しました」

  • 376125/03/11(灍) 23:20:38

    「なので全知のシュラハトも悪意を分かっていたはずですよ」
    「……なんだと?」

    「確かに。シュラハトは『魔族全体』を意識して行動していた。それは善意だって言うつもり?」
    「はい。複数の未来を見て、見た未来を比較し、善と悪に分ければ、おのずと善意と悪意が覚醒します」

    マハトやソリテールは知らないが。
    未来を知った上で生存より反論を選んだドラート。『自己満足』を意識した彼は悪意に覚醒していたことになる。
    ――"未来を見せる魔法"は、魔族に善意と悪意を学ばせる魔法だった。

    「成長。挑戦。実験。殺戮。どれも必要ありません。

     魔族が善悪を学ぶ上で真に必要なものは、想像力。未来を想像する力です」

  • 377125/03/11(灍) 23:37:36

    「ではマハトは実際に見てみましょうか」

    "未来を見せる魔法"によって、マハトは2つの未来を見る。

    どちらの未来でもマハトはカードに変えられていた。2つの未来では、マハトのカードの使い手が違っていた。
    1つ目の未来は、ハイリがマハトのカードを預かる。
    2つ目の未来は、黄金から解かれたヴァイゼ領主のグリュックがマハトのカードを預かる。
    いずれにせよマハトの生存だけは確定している。

    「これまでの魔族であれば『どちらが殺せるか』が選ぶ基準になるでしょう。でも、カードになったマハトは心を持っています。――どうですか? どちらのマハトが心に満足感を感じていますか?」

    「……………」

  • 378125/03/11(灍) 23:55:04

    マハトは、いま自分が答えを迷っていること自体に、驚いていた。

    ハイリを持ち主に選べば殺戮が叶えられる。魔族ならこちらを選ぶことが当然の思考のはずだ。
    ただグリュックを持ち主に選んだ未来では……マハトは喜びを感じていた。

    それがあまりにも不可解なのに、どちらの未来も納得できてしまう。
    矛盾がマハトを支配する。

    「未来を想像して、よりよい未来を望む考え方が善意、あえて良い未来を消そうとする考え方が悪意ですね。殺戮を意識する悪(1)の未来。保全を意識する善(100)の未来。この2つのうちから選んだら――その時点でマハトは覚醒を迎えます」

    おめでとうございます。と言って、まさに魔王らしくハイリは微笑むのだった。

  • 379125/03/11(灍) 23:55:17

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 380二次元好きの匿名さん25/03/12(ć°´) 01:25:39

    どちらを選ぶのだろうか……

  • 381二次元好きの匿名さん25/03/12(ć°´) 08:00:58

    悪選んだらちょっとヤバくない

  • 382二次元好きの匿名さん25/03/12(ć°´) 17:11:09

    メガテンのダーク属性やfateの悪属性もどうしようもないワルばかりってわけじゃないから……

  • 383125/03/12(ć°´) 22:29:37

    今日の投下はなしです。おやすみなさい

  • 384二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 02:45:46

    このレスは削除されています

  • 385二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 11:18:09

    このレスは削除されています

  • 386二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 16:24:47

    このレスは削除されています

  • 387125/03/13(木) 22:40:00

    マハトの選択

    1d2=
    1.提示された未来は選べない
    2.悪い未来を選ぶ

  • 388125/03/13(木) 22:40:11

    dice1d2=2 (2)

  • 389125/03/13(木) 23:10:02

    「――――決めた」

    そうして悩み抜いた末にマハトは答えを選んだ。
    悪意を。より正確に言えば、雌伏することを選んだ。

    この選択が悪意に繋がるという実感はまだない。けれどかつてヴァイゼ領主グリュックに従っていた時と同じことだ。悪意を知るためならば誰にだって従おう。
    もし仮にハイリが悪意を教えることを達成できなければ、その時はハイリを殺してしまえばいい。
    面従腹背。いざという時が来たら躊躇せずにハイリを始末しよう。とマハトは考えた。

    「マハトは、グリュックさんを殺す未来を選びましたね」
    「ああ。そうだ。――これで、俺は覚醒したのか? しかし悪意を獲得した実感はまったくない」
    「実感なんて後から分かりますよ。心を手に入れた時にいくらでも。――嫌でも」

    悪意を得た実感がないことを疑うマハトに、変わらない笑顔でハイリは答える。
    マハトはその笑顔に一抹の不安を覚える。そしてマハトの不安は的中する。

    「では、グリュックさんにマハトのカードを渡しますね」
    「…………なんだと?」

    ハイリは先ほどとは真逆のことを言い出した。
    グリュックのいない未来にマハトの悪意がある。そう見せられた。だから、マハトはグリュックのいない未来を選んだ。それなのに。
    ハイリはマハトに善意ある未来を渡そうとしてきた。

  • 390125/03/13(木) 23:32:07

    「ありふれた魔族ならこの2つから選びません。『興味がない』『どうでもいい』と答えるんです。でもマハトはそうしなかった。他の魔族とは違う。殺戮の未来を選べた。その未来を選択する意思こそ、"悪意"です。
     だからこれで、悪意を知るというマハトの願いは達成しました。おめでとうございます!」

    褒め称えるように明るい声。
    納得がいかない。とマハトは苛立ちを覚える。

    「なんだそれは。誤魔化しか? 言葉遊びで騙そうとしているのか?」
    「まさか。騙してません。未来のマハトは『騙されていなかった』と分かっています」
    「…………その言葉を信じろと?」
    「信じるも信じないもありません」

    今悪意を知ろうとするマハトと、未来で必ず悪意を知れるというハイリの意見は、平行線だった。
    見かねたアウラが口を挟む。実感を伴う言葉でマハトに制止を促す。

    「マハト。そこでやめておきなさい。ここで折れた方が"まし"よ」

  • 391125/03/13(木) 23:45:41

    「――仲裁か。お前らしくないな。アウラ」
    「マハト。あなたハイリと戦おうとしてるでしょ」
    「それがどうかしたか?」
    「やめておきなさい。ひどい目に遭うわよ」

    親切に止めようとするアウラの言葉を、マハトは鼻で笑う。

    「ああ。ハイリは魔力を膨大に増やす魔法を使えるようだ。しかしあの魔法で俺の黄金を壊せない。まさか、アウラは俺が負けると思っているのか?」
    「……あー、まあ、そういうところよね、魔族って。……私もそうだったわ」
    「何の話だ」
    「いいわ。止めようとした私が馬鹿だった。やりたいなら勝手にどうぞ」

    アウラはうんざりした。今からここで、マハトの魔法が完膚なきまで壊されるところを見せられる。
    1000年以上研鑽を続けた魔法を、嘲笑いながら攻略し、大魔族のプライドをへし折る。
    ハイリという魔族は、そういうことがとても得意なのだ。

  • 392125/03/13(木) 23:56:34

    ソリテールの反応


    dice1d10=6 (6)

    1~3.傍観(ハイリ対マハトを観戦する。折れない)

    4~6.参戦(マハトと共闘。1対2。折れる)

    7~9.傲慢(ハイリとソリテールの1対1。先に折れる)

    10.地雷を踏む(あっ)

  • 393125/03/13(木) 23:57:15

    というわけでハイリvsマハト&ソリテールです
    今日はここまで。おやすみなさい

  • 394二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 01:20:12

    面白かったです
    おやすみなさい

  • 395二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 09:48:16

    このレスは削除されています

  • 396二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 17:31:26

    このレスは削除されています

  • 397二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 00:11:30

    戦いの中身は決まったけど、ソリテールが参戦する流れはもっと考えたい。あと花粉症が本当につらい。投下はまた次回
    おやすみなさい

  • 398二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 01:57:46

    おお共闘するのか

  • 399二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 09:37:13

    このレスは削除されています

  • 400二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 17:18:48

    無事完結させるためにも上げは忘れないようにするか

  • 401125/03/15(土) 23:31:52

    興味を湧かせたソリテールが、アウラに話しかける。

    「あなたはマハトはハイリに負けると思うの?」
    「ええそうよ。タチの悪いことに、ハイリは『人の心』を利用して勝とうとするわ」

    「――――へえ、そうなのね」
    「『人の心』を利用しなくても勝てる実力差がある。なのにわざとそうするから、私のプライドはズタボロなのよ。ほんと嫌になる」
    「いったい何をされたの?」

    答えない。アウラは顔を逸らした。支配したはずの兵士がみなハイリに跪く。"支配する魔法"が負けた時の光景を思い出し、不機嫌になる。
    その反応によりいっそう、ソリテールは目を光らせる。そして誘惑に耐えきれなくなる。

    「その戦いに私も入っていいかしら」

  • 402125/03/16(日) 00:06:42

    「お好きにどうぞ」
    「待て。ソリテール。まさかそちら側につくのか?」

    ハイリはソリテールの参戦を許可する。1対1から1対2に、戦況が不利になると考えたマハトから当然文句が出る。

    「? ソリテールはマハトの方につきますよね?」
    「お前は何を言っている」
    「私は第三陣営になるつもりで言ったけど」

    「マハトとソリテールが組んでも大丈夫ですよ。私は」
    「随分と舐めてくれる」
    「いいの? 別に私はどちらでもいい。あなたがそういうなら、私はマハトの方につくわ。それで見たいものが見れるなら」

  • 403125/03/16(日) 00:49:02

    舐められていた方がよっぽどましよね。と。
    これから始まる蹂躙を横目に、アウラが思う。

    格下との戦いをつまらないと思う感性は魔族にだってある。
    けれどハイリの戦いはそれとは勝手が違う。アウラもハイリに対する理解は深めた。あれは、実は、怖がっているだけだ。もっと言えば、安全を主張している。
    優しさにアウラの嫌悪感が増す。それは『人類に対する』優しさなのだから。

    「ほんといやになる。マハト。ソリテール。そいつにやられるのは屈辱極まるわよ」

    魔族の牙を、魔法を、プライドをへし折って、人間に提出するための儀式。
    人類に対して魔族の象牙が安全かつ有用であることを証明するために行われる。
    どうせ負けると分かっている。……それでも、だからこそ。

    アウラは内心で、マハトとソリテールに応援を送った。

  • 404125/03/16(日) 00:49:46

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 405二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 02:43:25

    勝てぬと分かっている戦いは美しくも悲しい……

  • 406二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 11:03:31

    このレスは削除されています

  • 407二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 13:19:15

    面白かったです

  • 408二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:21:01

    これはスピンオフ漫画化しても違和感なさそう

  • 409二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:45:15

    どんな未来だろうか

  • 410125/03/17(月) 00:07:00

    マハトの右腕に嵌められた。支配の石環。
    これはマハトがヴァイゼの民に悪意を抱いた時、装着したマハトの命を断つ。
    ヴァイゼの民には、領主のグリュックが当然含まれる。

    なら先程のやり取りで腕輪は発動するはずだ。
    ハイリは、グリュックを捨てる選択が悪意だと言った。けれど腕輪は発動しなかった。
    悪意に反応し、マハトの命を断つ腕輪が発動しないということは、いまだマハトは悪意に目覚めていないということになる。だからマハトはハイリの言葉を信用しなかった。

    ……支配の石環を作りしは、賢者エーヴィヒ。
    ……救済のハイリが賢者エーヴィヒを超えているという考えには至らなかった。

  • 411125/03/17(月) 00:19:10

    己の主人グリュックと初めて会った日のことを、マハトは思い出す。

    ただの気まぐれで貴族の馬車を襲い、その中にグリュックが居た。
    部下を失い、深手を負い、逃げることは叶わない、死にかけの人間。そして当時のマハトにとって当たり前の習慣。マハトはグリュックに悪意や罪悪感について尋ねた。

    『きっと魔族には悪という概念自体がわからないんだろうな。そのほうが幸せだ』

    煙草を吹かしながら。

    『もしかして、正義感とかもないのか? ――なるほど。それも幸せだな』

    グリュックは語った。

    悪意や罪悪感、正義感を知れば不幸になる。悪意を理解しながら殺しを続けたら必ず報いを受ける。
    マハトは悪意を知るために。報いを受けたかった。


    ――――だとすれば?

    目の前の、ハイリという魔族は、果たして報いを受けるのだろうか。
    彼女は不幸なのだろうか。

  • 412125/03/17(月) 00:19:27

    短いですが今日はここまで。おやすみなさい

  • 413二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 08:32:43

    このレスは削除されています

  • 414二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 17:47:33

    このレスは削除されています

  • 415125/03/17(月) 23:19:33

    今日の投下はおやすみです

  • 416二次元好きの匿名さん25/03/18(灍) 01:58:42

    このレスは削除されています

  • 417二次元好きの匿名さん25/03/18(灍) 09:31:44

    このレスは削除されています

  • 418二次元好きの匿名さん25/03/18(灍) 15:24:58

    一応保守

  • 419二次元好きの匿名さん25/03/18(灍) 19:08:31

    面白かったです

  • 420125/03/19(ć°´) 00:10:01

    「"万物を黄金に変える魔法"」

    予備動作や前兆すらなく発動したマハトの魔法がハイリに命中する。
    ハイリの体が黄金に変化していく。

    「"世界を拒む魔法"」

    ベーゼの絶界魔法がハイリの体を包むと、ハイリの体を蝕んでいた黄金の侵食が末端で止まる。

    「安心した。これで殺し合いが成り立つ」
    「これ、かなり初見殺しですよね」

    人間の英雄、力を持つ魔族が最初の黄金化すら防げずに負けている。黄金化を防げずに敗北し、戦いにならなかった者など数え切れない。
    マハトとの戦いが成立する。それだけで指折り数えるほどの存在証明になる。

  • 421125/03/19(ć°´) 00:25:49

    原作ではマハトの愛弟子であり、マハトの魔法の前兆を感じ取れるデンケン。"呪い返しの魔法"を使ったゼーリエしかこの黄金化を防ぐことは叶わなかった。

    ハイリの読心は魔族相手に発動しない。デンケンを真似することができない。

    "呪い返しの魔法"は魔力を大きく消費する。前兆が分かるデンケンだから使えたのであって、前兆が分からないハイリには合わない。

    だからハイリは絶界魔法を使ってマハトの黄金化を防いだ。黄金化の解除ならフリーレンの知識を借り受ければどうとでもなるが、黄金化そのものを防ぐにはこれしか方法がなかった。

    「それじゃあ私も。――"剣を操る魔法"」

    マハトの次は。ソリテールによるお手並み拝見。一息つく間に数十本の魔法剣がハイリを襲う。

  • 422125/03/19(ć°´) 00:44:52

    ソリテールの魔法剣が絶界魔法にぶつかると、ばちっという音とともに弾かれる。剣だけではなくハイリもぶつかった衝撃にのけぞる。そのまま魔法剣の群れがハイリに殺到し、ばちばちばちとぶつかって、ハイリが転がされる。
    ダメージはない。ハイリはすぐに起き上がって服を直す。

    「この結界で消滅できないなんて。すごい剣です」
    「あなたのその結界、いやそのオーラもすごい。私の剣やマハトの魔法を防げるんだもの」

    「ベーゼが遺してくれた魔法です」
    「あのベーゼが?」
    「はい。あなたの想像通り。七崩賢の不死なるベーゼです。つい先日私が殺しました」
    「七崩賢の魔法はそう簡単にコピーできるものじゃない。なのにあなたはベーゼの魔法を使ってる。……ねぇ。どうやったの?」

    魔族は人生のほとんどを魔法の研鑽に費やす。七崩賢の使う魔法となれば再現不可能な技術で作られたロストテクノロジーの工芸品のようなもの。そうやすやすと真似できるものではない。

    だというのにハイリは七崩賢の魔法をコピーしている。その事実にソリテールは興味を持った。

  • 423125/03/19(ć°´) 01:00:10

    「この"世界を拒む魔法"は私とベーゼが共同で作った魔法。だから私も使えます」
    「なるほどね。ヴァイゼを封じた結界魔法のように、複数の魔法を組み合わせている。魔族は魔法の組み合わせをやろうとしないけれど、あなたはそれをする。いいえ。あなたはそれができる魔族なのね」

    人間の発想を学んで作られた、新しい魔族の魔法。
    とても興味深い。見たかったものが見れたわ。とソリテールの気持ちが沸き立つ。

    そして興奮したソリテールはいきなり奥の手を出した。圧縮された魔力の球を作り、それを目にも止まらぬ速さで飛ばして、ハイリに当たる。

    轟音とともに、ハイリがさらに遠くに吹き飛ぶ。絶界魔法が剥がれかけた。

    「魔力をぶつけるだけの魔法。これは効いたかしら」

  • 424125/03/19(ć°´) 01:27:33

    次の瞬間。先ほどより大きな爆発音が鳴り、今度はソリテールが後ろに吹き飛んだ。

    「単純な魔力操作ですね。簡単に真似できます。魔力操作なら私は負けません」

    ソリテールと同じように、ハイリもまた圧縮した魔力の球を飛ばしてソリテールにぶつけた。
    ソリテールは高密度の魔力で身を包み、堅牢な防御を取っていた。しかしハイリの攻撃でソリテールは傷を負った。
    頭から血を流す。ハイリはまだ絶界魔法を揺らがしただけで傷はついていないというのに。

    「……ふふっ、ふふふっ、素晴らしいわ。ハイリ」

    血を流し、土に塗れ、ボロボロに汚れて。ソリテールは歓喜した。

    「魔族と戦って、生まれて初めて楽しいと感じた。あなたはとても、おもしろい」

    圧縮した魔力が飛び交う。大魔族同士の命がけの戦いは激化していく。
    そこにマハトも参戦する。マントを変形させて作った黄金の大太刀でマハトはハイリに斬りかかる。マハトの斬撃をハイリは薙刀で受けた。

    「――――ああ。楽しい」

    そして魔力の球による反撃。マハトは自らの体を黄金にすることでそれを防ぐ。
    これまで体験することのなかった攻撃と防御のやり取り。マハトもまた歓喜を覚え、鋭い笑みを浮かべる。

  • 425125/03/19(ć°´) 01:27:51

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 426二次元好きの匿名さん25/03/19(ć°´) 09:43:00

    面白かったです!

  • 427二次元好きの匿名さん25/03/19(ć°´) 17:14:22

    更新見逃してた!
    乙です!

  • 428二次元好きの匿名さん25/03/19(ć°´) 23:04:25

    このレスは削除されています

  • 429125/03/20(木) 00:01:53

    今日の投下はなしです。おやすみなさい

  • 430二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 03:01:00

    おやすみなさい!

  • 431二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 08:11:24

    このレスは削除されています

  • 432二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 16:34:00

    そう言えば物や人間を黄金に変える能力って多いけど
    元ネタはギリシャ神話のミダース王なんだろうか

  • 433125/03/20(木) 22:26:09

    それに加えて、錬金術と黄金郷伝説が元ネタだと思います

  • 434125/03/20(木) 23:42:41

    熾烈な戦いは続く。しかし天秤は一方に傾く。マハトとソリテールは傷を増やし血を流す。ハイリはかすり傷ひとつ負わなかった。

    マハトとソリテールは、ハイリの二重の防御を突破できずにいた。

    「ハイリのオーラ……絶界魔法の下にある魔力防御に気づいているか?」
    「ええ。高密度かつ柔軟な魔力防御。堅実な絶界魔法を突破できたとしても、突破する際に勢いが殺されてる。そして、勢いがなくなった魔法を、ゴムのように弾き飛ばす。あの二重の防御のせいで、こっちの攻撃が通じない」
    「まさか……魔力を柔らかくするなんてやり方があるとはな」

    あれは真似できない。とソリテールすら感嘆し舌を巻く。

  • 435125/03/21(金) 00:09:48

    「読心魔法が封じられているのにあの強さなのだから恐ろしいね。ただでさえ当たっても効かないのに、しかもその上心が読まれるようになれば攻撃すら当たらない。フリーレンもハイリには勝てなさそう」
    「……たしか勇者の仲間、エルフの魔法使いだったか」

    魔王様を倒した勇者ヒンメル。僧侶ハイター。戦士アイゼン。
    そして―――魔法使いフリーレン。
    彼らはきっと強かった。先代の魔王を倒し、世界を救うほどだから。
    でも救済のハイリには勝てないだろう。
    救済のハイリはあまりにも強すぎる。

    「このままだと私たちも負けるわ」
    「そうだ。ならどうする。ソリテール」
    「一つだけ打つ手があるわ。……でもね、この方法は……」
    「…………なるほど。それで勝てたとしても、ハイリのやり方を肯定することになる」

    だがやらなければ負ける。マハトは矜持を守って敗北するより屈辱だろうと勝利に繋がる方法を選んだ。

  • 436125/03/21(金) 00:30:13

    「何をするつもりですか?」
    「あなたを真似ることにしたわ」

    そう言ってソリテールは次々と魔法剣を生成する。目まぐるしい勢いで。百本を超えても止まることはなく。
    やがて空を埋め尽くすように。数百本の魔法剣が浮かび上がる。

    そこに。マハトが魔法をかける。

    "万物を黄金に変える魔法"は空に浮かぶ魔法剣のすべてを一瞬にして黄金へと変えた。

    「…………これは……」
    「そう。"合体魔法"だよ」

    ソリテールは血に塗れた顔で笑った。
    本来の魔族ならありえない。仲間意識や同族意識、協調から遠いはずの魔族にはありえなかった。
    魔王であるハイリが魔族にもたらした発想。まさかそれが彼女自身に牙を剥いたのだ。

  • 437125/03/21(金) 00:54:21

    「――ふふっ、それっ」

    可愛い声とともに黄金の剣を数本、ハイリに向かって撃ち落とす。ハイリは地面を蹴って剣を躱した。
    ――――ガガガガキン!!! と黄金の剣が地面に突き刺さる。

    「この俺の黄金すら破壊できてしまうのか……。これは凄まじい魔法だ」
    「そうね。でもこれなら」
    「……!!」

    そして黄金の剣の雨が降る。

    そもそも原作でデンケンが、マハトの黄金化にわざと呑まれて、ソリテールの魔法剣を防ぐほどなのだ。はじめからゾルトラークも圧縮した魔力の球もマハトの黄金を傷つけるにあたわない。黄金の剣を撃ち落とすという考えはなかった。ハイリは全力で回避しようとした。

    人間が相手だったら。読心や未来視で軌道を読むことができた。並の魔族が相手だったら。実力差で躱し切ることはできた。
    けれど相手は大魔族。それもふたり。しかも魔法を展開する速さも異次元。

    恐ろしいことに落ちる剣よりも補充される剣の方が多かった。死に至る黄金の雨は激しさを増していった。

  • 438125/03/21(金) 01:18:58

    グサリ、と黄金の剣は絶界魔法と魔力防御を貫いて、ハイリの左の二の腕に突き刺さった。
    攻撃が通用したのを確認し、マハトたちは一度雨を止める。

    「当たった。それに、二重の防御を貫通できたわ」
    「……そうですね」

    ハイリが応える。剣が刺さった腕から黄金に侵食されながら。
    2対1でよく戦った方だ。とハイリより深手を負っているマハトが思う。

    「心躍るすばらしい殺し合いだった。感謝する」
    「ええ。とても楽しい時間だったわ。ありがとう」

    戦いはここで終わり。……マハトとソリテールはそのつもりだった。

    ――けれどもハイリの殺意が収まらなかった。まだ戦いは終わりではないというかのように。むしろここからが本番だというかのように。

    ……嫌な予感がした。とびきりの。ただならぬものを感じ取ったソリテールが"剣を操る魔法"を使用する。

    ソリテールが操作する黄金の剣は、背後からハイリの心臓を刺し貫いた。

  • 439125/03/21(金) 01:19:54

    次回、死神降臨

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 440二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 10:22:38

    このレスは削除されています

  • 441二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 17:41:25

    このレスは削除されています

  • 442125/03/21(金) 23:35:54

    あと少しでこのスレは完結です。3月末か4月初旬に完結する予定です

    今日の投稿はなしです。おやすみなさい

  • 443二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 02:07:10

    このレスは削除されています

  • 444二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:36:57

    終わりが近づいてきたか

  • 445二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 17:19:57

    漫画でも彼女の物語を見てみたい

  • 446125/03/22(土) 23:11:33

    心臓を貫かれたハイリは膝を折る。その目は虚空を見ている。ハイリは苦痛の声を出さない。何も言葉を発しない。

    あっけない決着だった。
    マハトとソリテールの体は傷だらけではあるものの致命傷に至らない。時間が経てば回復する。心臓を穿たれたハイリは致命傷。死は避けられない。そのはずだ。

    「………………」

    ソリテールは無表情でハイリの死体らしきものを見ている。これから始まる出来事を決して見逃すまいというかのように。
    それに対してマハトは気を緩めていた。先程までの楽しい時間を名残惜しんでいる。彼は違和感に気づいていない。

    「ここまでか。ソリテール、お前の剣の黄金化も解除しよう。……ソリテール?」

    戦闘体制を解くため、マハトは持っていた剣をマントに戻した。
    合体魔法を解除するというマハトの呼びかけにソリテールは答えない。

  • 447125/03/22(土) 23:29:26

    ――――――――ふと、"それ"が通り過ぎる。

    青色のちいさなカケラ。黄金郷に染まらないそれは、ソリテールの目を引いた。ソリテールはハイリから目を離し、地面に落ちたそれを拾う。

    「……蒼月草、の花弁。風に流されてきたのかしら」

    この青い花びらは、数十年前に絶滅した蒼月草のはなびらだ。人間の文化に詳しいソリテールはそれの正体をすぐ看破した。

    ……どこかにまだ蒼月草が生息していて。城塞都市ヴァイゼの結界がなくなったことで、花びらが風に運ばれたのかしら。珍しいことがあるものね。と一瞬考える。

    そんな偶然あるわけない。偶然でなければ。蒼月草が必然なら。このはなびらは……いったい何を意味するのか。

    答えはすぐに分かった。戻した視線の先にあった。

    俯くハイリの体から――――――"蒼月草の花畑"が出現していたのだ。

  • 448125/03/22(土) 23:56:19

    この場にいる魔族は誰も蒼月草の意味を知らない。ただ、アウラだけはその花の色を見てとある人物を思い出し青褪めていた。
    城塞都市ヴァイゼは黄金とともに時が止まった。蒼月草がそよ風に揺られている。静止したヴァイゼの中、その花畑だけは正常な時間が流れている。まるで蒼月草の花畑は幻想的な聖域のように見えた。

    花畑の少女はゆっくりと起き上がる。

    その左腕と胸に黄金の剣が刺さっている。

    けれど傷から血と魔力は漏れ出していなかった。いつの間にか黒色のオーラは解除されていた。そして、徐々にハイリの体からは青色のオーラが沸き立っていた。

    眠りから醒めるようにハイリの目が開く。そこには蒼月草と同じ晴天の空の色の光を放つ瞳があった。


    「勇者、ヒンメル――――」


    それは魔族にとっての死神の名前だった。

  • 449125/03/23(日) 00:12:13

    「……そんな、いやでも、まさか…………初めから?」
    「かもしれんのう……」

    アウラとクヴァールがなにかに気づいた。

    「今更アイツのやることに『ありえない』なんて言うつもりない。だってハイリは未来が見えているんだもの。でもだからって、あれは信じられない」
    「リーニエの"模倣する魔法"に近い。が、限りなく遠くもある」


    「ふざけんじゃないわよ……。『魔族に絶対殺されることがないヒンメル』なんて幻想を模倣してんじゃないわよ!!」


    その幻想を作り出しているのは。その幻想を信じているものこそが。人の心なのだろう。とクヴァールは思った。

  • 450125/03/23(日) 00:13:55

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 451二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:58:03

    お疲れ様です
    ハイリどうしよう……

  • 452二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 10:52:49

    このレスは削除されています

  • 453二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:51:54

    このレスは削除されています

  • 454125/03/23(日) 23:31:13

    魔族の価値観と人間の価値観は、違う。
    魔族にとって"力"とは、生きた年数と鍛え上げた魔力がすべて。
    だから。

    「やがて肥大化する人類の信仰は、心臓に刺されても死なない人間を想像します」

    だから魔族は、心臓が刺されても死なない人間を想像できない。
    だから魔族は、ハイリが見せる幻想を理解できない。
    …………理解できないものを見て、恐怖する。

    「――――――ッ」

    喜びと恐れがないまぜになったソリテールはひきつけを起こした。威嚇する獣のように顔を歪ませた。
    ハイリは痛そうな素振りを見せずに自分の体に刺さった剣を引き抜いた。左腕から引き抜いた剣は地面に落とした。背後から刺さった剣は背中に手を回し、傷を抉り広げる勢いで引き抜いた。

    血は流れない。出来たキズを蒼い光が埋めて、瞬きしている間に完治する。
    『魔族には殺されることがない』という幻想を、現実でも披露する。

  • 455125/03/24(月) 00:07:21

    「それが……」

    マハトは。恐怖していた。

    「俺が知ろうとしていた、『悪意(もの)』なのか……?」

    悪意を知ろうとした。悪意に幻想を抱いた。マハトの愚行。マハトの間違い。
    ようやく彼に報いを受ける時が来た。

    「人類はみな"想像のヒンメル"を信じているのか?」

    「大なり小なり、ですよ。今この世界に『幻想のヒンメル』を想像する人間は全体の数パーセントだけです。これが数十年後、百年後になれば、世代を経るごとに勇者ヒンメルの偶像化が進みます。
     未来では『過去の偉人の魔改造と偶像化』がもっと盛んになります。魔改造されたヒンメルの方をヒンメルだと信じる人が全体を占めるようになります。
     私の作ったヘイルカーテンは、『それ』を掬い上げる魔法です。カードという媒体はそれにピッタリの受け皿です」

    バキン! ――と、黄金の剣が握り潰された。蒼いオーラは黄金を簡単に破壊せしめる。
    そしてハイリは握った手を開く。すると手のひらから空色のカードが現れる。

    「『初めから』とはそういうことか……。
     初めからお前は『自分以外の魔族』に象牙か黄金のカードしか与えないつもりだったんだな。ヘイルカーテンの完成に協力した大魔族には一つ上の黄金のカードを与えるつもりだった。

     だが……黄金の上に位置する空色のカード。黄金のカードを与えられる俺達はそれに太刀打ちできなくなる。文字通りの"神のカード"。

     これだけは――――『自分とヒンメルだけのもの』にするつもりだったんだろう?」

  • 456125/03/24(月) 00:28:16

    「……」

    「否定しないの?」

    ソリテールの呼びかけ。ハイリは黙った。いつもなら返事をするのに返事をしない。
    ヒンメルのカードを両手に持ち替える。カードをじっと見つめる。するとハイリは愛しいものを見つめるように、優しい顔を浮かべた。

    「………………………だって」

    すっと顔を上げる。

    「ベーゼの結界から出られたのはヒンメルが出ようしたから。彼の心の声が時空を超えて私に届いたからなんです。私はヒンメルに助けられました」

    ハイリは、微笑んだ。

    「……ヒンメルは私の恩人なんです」

  • 457125/03/24(月) 00:33:31

    今日はここまで。おやすみなさい

    心の声を聞く魔族は、閉じ込められた世界の中で、『ヒンメル』という自由な空と出会いました
    つまりは、そういうことです

  • 458125/03/24(月) 00:42:06

    あ、でも、それはそれとして
    ヒンメルを取る算段はちゃっかりやってます

    原作でフリーレンが立てるはずだった魔族残党の討伐という功績が無くなって、フリーレンはやがて知名度の少ないエルフへと落ちます
    人間の歴史に名を残すようになった救済の魔族を、人間はどんな風に幻想するでしょうか?

    ハイリは未来を総べる魔族なのです

  • 459二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 02:16:41

    このレスは削除されています

  • 460二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 10:18:34

    このレスは削除されています

  • 461二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:10:33

    そもそもフリーレンがドイツ語なの忘れてた

  • 462125/03/24(月) 22:30:42

    急な気温上昇で自律神経が逝ってる。投下はおやすみです

    ハイリは強力な魔法をどんどん覚えていって、魔王と呼ぶに相応しい存在になりました
    しかし安価で選ばれた「魔法の強度:★1」と「害悪度:★1」の初期設定を崩さないまま、終わりに到達できたことはスレ主として達成感がありますね

  • 463125/03/24(月) 22:46:25

    やりたいことを全部やりきったハイリは、スレ主もすごいと思います

    原作の雰囲気と魔族らしさを大事にしながら、「善意に動かされている魔族」を書いたら、他にはないキャラクターになりました

    書いている私もすごく楽しかったです

  • 464二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 22:54:41

    お大事に

    この魔王なら大抵の勇者は勝ち負け以前に自分から膝を折りにいく様な気がする

  • 465125/03/24(月) 23:08:38

    いちおう『お前は「◯◯◯◯」が言えない魔族だ』と指摘できる人間なら勝つ確率が生まれるようにしていました

    唯一にして最大の弱点。しかしその穴は前回のヒンメルへの気持ちで埋まりました
    ゼーリエは今のハイリを見てショボ顔になってます

    ◯の中身はきちんとエピローグで明かします。ご安心ください

    それではおやすみなさい

  • 466二次元好きの匿名さん25/03/25(灍) 02:01:44

    このレスは削除されています

  • 467二次元好きの匿名さん25/03/25(灍) 09:45:51

    このレスは削除されています

  • 468二次元好きの匿名さん25/03/25(灍) 17:41:08

    このレスは削除されています

  • 469125/03/25(灍) 23:38:08

    「俺達の負けだ」

    最後の戦いが終わった。魔族の行く末もこれで決まった。
    マハトが負けを認めたことで、カードの魔法は完成する。

    カードの魔法が完成したから、ハイリを止められるものはこの世界にいなくなった。
    物理的にも止めようがない。社会的にも止めようがない。

    その場にいた大魔族たち。クヴァール、アウラ、マハト、ソリテール。
    そして彼らはみな、"黄金のカード"に変えられたのだった。

    「みなさん。ありがとうございました」

    黄金のカードになったみんなにハイリはお礼を言った。

  • 470125/03/25(灍) 23:54:29

    あとはダイジェスト。ハイリに立ち塞がる障害は、もうどこにもいないから。

    ハイリは世界にいたすべての魔族をカードに変えた。そしてカードを人間に配った。
    人類と魔族の共存を叶えた。

    その功績に怪しむ者はいた。しかし当然ながら、心を読めるハイリに勝てるはずもない。グラナト伯爵や大魔法使いゼーリエと同じ道を辿る。全員『説得』した。

    ハイリはカードを配りながら、困っている人間を助け続けた。
    世界各地を回り、各地の勇者ヒンメルの像に蒼月草を献花した。
    聖女らしいその姿は人間の記憶に残った。ハイリの物語は人間たちに語り継がれるだろう。

  • 471125/03/26(ć°´) 00:24:37

    アウラたちの他に奇跡のグラオザーム、終局の魔女トート、血塗られし軍神リヴァーレが黄金のカードに選ばれた。

    象牙のカードは増産するが、黄金のカードはそれぞれ1枚ずつ作らない。

    『黄金のカードを7枚集めることで救世主の力を借りることができる』という伝説を広めさせた。

    希少さ。物語性。そしてなにより――伝説に見合う"強さ"がそのカードにはあるのだから。
    あらゆる魔を討ち果たす勇者のカードとあらゆる魔を支配する魔王のカード。その2枚のカードは伝説として人々に語り継がれていった。


    ――――しかし、それとは別に。
    黄金のカードを7枚集めることで『魔王に挑戦できる』という願いもまた叶えられる。

    決着から数年後の出来事だった。

    「……ようやく会えたよ。救済のハイリ」
    「フリーレンさん。お久しぶりです」

    かつて2人が出会った場所。クヴァールが封印されていた丘の上。
    エルフと魔王が再会した。

  • 472125/03/26(ć°´) 00:25:18

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 473二次元好きの匿名さん25/03/26(ć°´) 00:32:52

    寂しい気分もするが終わりが近づいてきたな……
    お休みなさい

  • 474二次元好きの匿名さん25/03/26(ć°´) 07:43:27

    このレスは削除されています

  • 475二次元好きの匿名さん25/03/26(ć°´) 15:09:49

    このレスは削除されています

  • 476125/03/26(ć°´) 22:14:19

    今日はおやすみです

  • 477二次元好きの匿名さん25/03/26(ć°´) 22:37:19

    了解です

  • 478二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 01:11:46

    このレスは削除されています

  • 479二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:15:34

    このレスは削除されています

  • 480二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:18:56

    このレスは削除されています

  • 481二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 17:21:54

    あれどうした?

  • 482125/03/27(木) 20:58:06

    今日も体調が悪いので投下はおやすみです。気温と花粉症が辛すぎます……

  • 483二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:01:50

    お大事に
    お疲れ様です

  • 484二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 01:39:26

    花粉症は向こうでは魔法でなんとかしてるんだろうか

  • 485二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:09:05

    防護魔法でなんとかなるかな

  • 486125/03/28(金) 08:04:48

    花粉症を防ぐ魔法……ゼーリエに頼めばもらえませんかね……

  • 487二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:15:35

    免疫の過剰反応を抑える魔法とかないかな?

  • 488125/03/29(土) 00:25:52

    本日の投下はおやすみです

  • 489二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 02:07:36

    このレスは削除されています

  • 490二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 09:03:47

    周辺の樹木に花粉出させないようにする魔法とかありそう

  • 491二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:53:38

    花粉症よりもっとヤバい危機があったから対策も進んでなかったりして

  • 492125/03/29(土) 18:44:53

    たぶん、魔族のせいで大量の魔法使いが死んで、フリーレン世界の民間魔法のほとんどが失伝しています

    魔族と戦う魔法は発展してるけど、魔族と対抗するには戦う魔法を鍛えないといけないし、魔法使いが魔族に殺されるから、魔族と戦えば戦うほど民間魔法は失伝していくという悪循環

    民間で使えそうなものを女神様が奇跡として残しているから女神様の功績はとてつもなく大きい
    民間魔法を保管しているゼーリエの功績も大きい

    失伝した魔法を過去の人間の心から読み取ってカード化して配る魔族が原作にもいたらいいのに

  • 493125/03/29(土) 23:34:44

    「以前、私たちが出逢ったのはこの場所だった」
    「そうですね。フェルンさんとゼーリエさんはここにはいませんけど」
    「2人とも、行きたくないってさ。誘っても断られたよ」

    ハイリに会いに来たのはフリーレンただひとり。
    フェルンとゼーリエはフリーレンに付き添わなかった。
    これから何が始まるのか。フリーレンとハイリが何を話すのか。2人はある程度想像がつく。

    ハイリはフリーレンを殺さない。
    この最後の話し合いが――――無事に終わることが分かっている。心配はしていなかった。きっとまた会える。だから2人はフリーレンを送り出した。

    「信頼されてますね。あなたも。私も」
    「……そうだね」

    フリーレンは、今更魔族に復讐したりしない。2人にそう思われている。

  • 494125/03/29(土) 23:49:04

    「たった数年。私にとって一瞬のように感じる僅かな時間で世界は変わった。魔法使いはみんなお前が作ったヘイルカーテンを使うようになったし、魔族はみんなカードに変わって、人間を襲うことはなくなった。到底信じられないことだけど。ハイリ、お前は世界を平和にしたんだ」

    「喜んでくれましたか?」
    「複雑」

    かつての魔族の本性と今の魔族の無惨な姿をフリーレンは知っている。それを知っているからフリーレンはハイリの言葉に頷けない。
    いったいどの口で。と思った。

    「――あのことに気づいているんですね。では。最後の答え合わせをしましょうか」
    「そうだね。ハイリ。私はそのために黄金のカードを全部集めたんだ」

  • 495125/03/30(日) 00:12:44

    「まず、お前の魔法は"心の声を感知する魔法"だ」
    「はい」
    「現時点のすべての人の心。ついでにカードになって心を得た魔族の心を読み取ることができる」
    「そうです」

    「そして、お前は過去と未来の心の声を感知する。未来だけじゃなくて、過去の人間の心の声を拾えるんだ」
    「はい」

    そこで。フリーレンは鎮痛な顔を浮かべて口を閉じた。

    「フリーレンさん。黙っていても、心は読めますよ。あなたの考えていることは合っています。でもせっかくですから。フリーレンさんの口から聞かせてください。――『救済のハイリは誰の心の声を聞いてしまったのか』。その最後の問いの、答えを」

    是非に。とハイリはいつもの笑顔で、フリーレンの次の言葉を聞き出そうとする。フリーレンは……痛ましそうに、泣きそうになりながら、ハイリの顔を見た。
    救済のハイリの始まりは――――。
    フリーレンの目から涙が流れていた。

  • 496125/03/30(日) 00:20:26

    「……………魔族にとって言葉は人類を欺く手段だ。……師匠(せんせい)は、大魔法使いフランメは、言葉を話す魔物を"魔族"と定義づけた」

    すべての始まり。魔族という種族の始まり。
    ハイリの魔法は、過去の人間の心を読み取ることができる。

    「その……祖先は」

    だから。ハイリは。
    魔族に襲われた最初の人間たちの――"無念の声"を、聞くことができた。
    だから、

    「人(えもの)をおびき寄せるために『たすけて』と言葉を発した魔物」

    ハイリは。

    救済は。

    「……………ハイリ、お前、は」
    「ええ」

    「『たすけて』を…………、言いたくても言えない魔族なんだね……」

  • 497二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 00:32:33

    このレスは削除されています

  • 498125/03/30(日) 00:37:55

    「はい。魔族のプライドと過去の無念の声を聞いた罪悪感から、私はその言葉を口に出せません。言う必要はないし、言う資格すらありません。それが私。"救済のハイリ"です」

    『たすけて』と言って、人を騙して殺した生き物の末裔だから。
    そして、その生き物の王だから。
    きっと、責任がある。

    だから言わなかった。言えなかった。人間に許されない限り言う資格がないとハイリは思ったのだ。

    「なんだよ。お前のやってきたことって、全部贖罪じゃないか……。だったらこのカードに掛かっていたあの命令は……そういうことなの?」

    フリーレンは持っているカードをハイリに突きつけて、叫んだ。

    「命令の中に『助けを口にするな』がある。この命令はそういうことなの? これは魔族全員が"背負うべき罰"だって……そのつもりで……お前は!」

    「ええ」

    ハイリの魔法を解析し終えた人類がその命令を外す時。
    巡礼の終わり。人を騙して食らった生き物の、その原罪が赦される。

  • 499125/03/30(日) 00:38:30

    今日はここまで。おやすみなさい

  • 500二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 01:43:38

    このレスは削除されています

  • 501二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 09:41:53

    このレスは削除されています

  • 502二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 18:02:35

    この魔王なら勇者要らない?

  • 503125/03/30(日) 23:35:10

    「フリーレンさん。今あなたは私の魔法をどう思っていますか?」
    「―――――……」

    痛ましい。とハイリの魔法の真実を知ったフリーレンは思う。
    助けたい。とフリーレンは思ってしまった。

    どうすれば助けられるかは目の前でハイリが提案した。幾星霜をかけてヘイルカーテンを解析して、彼女がかけた呪いを解けばいい。魔族の原罪を赦せばいい。
    魔族と人間の共存は叶えられる。

    「……どうして」

    嘆かずにはいられなかった。フリーレンの目から涙が止まらなかった。

    「……もっと好きに生きれば良かったのに」

    そうなっていたら。フリーレンはハイリを魔族として見ることができて、憎めたのに。
    泣いているフリーレンの頭にハイリはゆっくり手を近づけて、優しく撫でた。フリーレンはヒンメルが死んだ日のことを思い出した。余計に悲しくなって、胸が痛くなった。

    「なにしてんだよ……、魔族だったら殺すところだろ……」

  • 504125/03/30(日) 23:48:44

    フリーレンの頭を撫でる手はとても柔らかかった。

    「勇者ヒンメルならきっとこうしました。これはきっと……最強の、魔法の言葉ですから」
    「なんだよそれ……」
    「私は人間を殺すことより、価値ある魔法を使って人間を助けたいんです」
    「…………ばかだよ。ハイリは」

    「そうでしょうか?」
    「だってそんなの、魔法じゃないよ」
    「いいえ。魔法の言葉です。それにフリーレンさんだって使ってますよね?」
    「………………そうかも」

    「人間の強さであり、人間にしか使えない魔法であり、魔王様の敗因なんです。そこから反省した私は、この魔法を使って人間に勝ちましたよ。どうですか?」
    「その言葉を勝ち負けで考えるところは魔族らしい。……あははっ。なんかようやく、ハイリの魔族らしいところを見た気がする」

    フリーレンはハイリの手を払う。もう涙は止まった。赤くなった目でフリーレンは笑ったのだった。

  • 505125/03/31(月) 00:17:08

    「ねぇ。ハイリ。一緒に旅をしない?」
    「分かりました」
    「判断が早いよ。もうちょっと考えてよ。こっちの心の準備が間に合わないんだよ」
    「私、心が読めるんです」

    私の魔法は素晴らしいって思ってくれるから十分です。とハイリは思った。口に出さずにニコリと笑った。

    「それじゃあ行きましょう。"フリーレン"」
    「――あっ」

    フリーレンは、呼び方の変化に気づいた。

    「そういえば気になってたんだった。ハイリはなんで魔族の名前は呼び捨てで、人間はさん付けしてるの? 私のさん付けはいま取れて、ヒンメルも付いてなかったけど。さん付けしてる理由はなに?」

  • 506125/03/31(月) 00:18:41

    「さあ?」
    「さあ、って……」
    「私にも理由はわかりません。でもそこに"魔族の心"が秘められているのかもしれません。……だから、フリーレンが考えてください。まあ、鈍感なあなたには分からないと思いますけど」
    「言ったな。絶対気づいてやる」

    エルフの少女と魔族の少女は和気あいあいと話しながら、その場を後にする。
    そして、100年ほど経ってから。解析されたカードの魔法からとある命令が外された。
    ――――それはまた別の話。ということで。

    魔王はもう誰も殺すことはなくなりました。
    人間と魔族は殺し合うことはなくなって、これからずっと笑い合って生きるようになりました。めでたしめでたし。

  • 507125/03/31(月) 00:21:04

    第三章『誰かを好きになる魔法』 完結。

    このスレの物語はこれで終了です。お付き合いありがとうございました!!

  • 508二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 00:56:31

    お疲れ様です
    何はともあれ幸福なエンディングで良かった

  • 509二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 10:10:17

    お疲れ様でした
    この子漫画でも見てみたい

  • 510二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 17:44:03

    寂しくなるな

  • 511125/03/31(月) 23:18:27

    改めまして1です。
    完結までスレを応援してくださって本当にありがとうございました!
    原作再現度が高い、漫画で見たいという声はとても嬉しかったです!
    以降はいつスレを落としてもらっても大丈夫です。保守お疲れ様でした!

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