- 1二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:52:22
【教室にて】
(下着を履くのを忘れた……。)
(今日はいつもより早く起きられなくて、遅刻しないように急いで着替えた結果下着を履く暇がなかったの。)
(スカートと下着の両方の穴に尻尾を通して外に出すのがいつもより面倒に感じて……それで、結局とりあえずスカートだけ履いてきてしまったわ。)
(うぅ……恥ずかしい。それに、スカートの仲がスースーとした妙な開放感があって、夏なのに寒く感じる。とても気持ちいいとは言えないわ。)
(下着がないだけでこんなに冷たく感じるだなんて。下着って、いつも私達の肌を冷たい風から守ってくれていたのね……。)
(幸いにもスペちゃんは先に出たからこの事をまだ知らないけど、みんなにもいずれバレるのは時間の問題よね……。)
(万が一にもスカートが脱げてしまったら……普段でも嫌だけど、今日は普段よりずっと嫌。もし絶対に今日スカートが脱げない代わりに明日人前で脱げる呪いがあるのなら、喜んで自らかかるわ。)
(普段から口数が多い方ではないけど、今回は特に目立たないように大人しくしていないと。)
(特に体育座りや脚をM字状にしてしゃがむなんて、絶対にしては駄目。何としても隠し切るのよ……!!) - 2二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:53:26
「ヘェイ、スズカ!」
「スズカさん、こんにちは。」
「あら、タイキにブルボン。どうしたの?」
「今日の二時間目の体育の授業は、確かトビバコでシタよね!」
「ええ。私は恥ずかしながら跳び箱がどうも苦手で……スズカさんにコツを教わりたいのです。」
「跳び箱!!?? 嘘でしょ!!??」
「ど、どうしたんデースか? 急にそんな大声を出シテ……。」
(しまった。つい大声を出してしまった。)
(でも仕方ないじゃない、まさか今日よりにもよって跳び箱があるだなんて知らなかったもの。)
(跳び箱は下着を履いてない時に一番やりたくない種目。ジャージを着るだけでも股に直に生地が擦れるから嫌なのに……あろうことかこのままあれをしなければならないなんて!)
(放課後のトレーニングは始める前に着替える時間があるから問題ないけど……休み時間に寮室に戻って下着を履いてから体育館に向かう余裕なんてないわよ……!!)
(今日跳び箱があるのは昨日確認したから知っていたけど、わざわざ覚えておく必要もないからすぐに忘れてしまった……。)
「もしかして!スズカさんも跳び箱が苦手だったり……。」
「しないわ!! と、跳び箱なんてよゆ、余裕じゃないの……。」
(跳び箱が苦手だからと誤解をされるのは嫌だからこうして誤魔化したけど、果たしてどのくらい誤魔化せたかしら?) - 3二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:54:11
〜更衣室にて〜
「スズカちゃん、掃除用具入れに篭っちゃったね。」
「どうしてだろう? いつもは普通に着替えてるのに。」
(仕方ないじゃない、私だって好きでこんな狭い場所で着替えているわけじゃないわ。)
(今日だけは本当に、あなた達の前でスカートを脱ぐわけにはいかないの。)
(なんとか脚を曲げられるだけのスペースがあって助かったけど……膝や肘がぶつかる度にゴンゴンと鳴って目立ってしまう……。)
(諸事情で今日は皆の前で着替えられないと事前に説明して、その時に脚にできた痣が恥ずかしいからという嘘をついたけど、どのくらい騙されてくれているかしら。)
(もうみんな私が人前で着替えられない理由について、察しがついているかもしれないわね……。)
(察するだけなら構わないけど、噂話なんて流されたらたまったものじゃない。どうにか穏便に口封じをする方法はないかしら?)
(暴力や脅しは使いたくないから………そうね、ジュースでも奢っておきましょう。)
「おーいスズカ、着替え終わったか?」
「開けてもいい?」
「ちょっと嘘でしょ!!! まだ着替え終わっていないからやめて!!!」
(いけない、柄にもなく大声を出してしまった。)
(でも仕方ないわ。下半身が素っ裸になっている時に開けてなんて言われたら……。) - 4二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:55:24
〜体育の授業中〜
(うう、私の番は次だ……。)
「次、サイレンススズカさん!」
「は、ひゃいっ!」
(いけない、緊張で変な声が出てしまった。そんな事より、とうとう自分の番が来てしまった……。)
(列に並んで待っている間も緊張を態度に出さないのが大変だったけど、本番の大変さはその比じゃない。)
(跳び箱なんてしたら、生地が股に直接擦れるから嫌に決まってるじゃない。)
(うぅ……前回の跳び箱で我ながら華麗に跳んでしまったせいで、みんな今日も私が綺麗に跳んでくれると思ってる。)
(みんなの視線が苦しい……辛い……冷や汗が止まらない……。)
「スズカさん?」
「あっ、はい! 大丈夫です。」
(どうしよう、先生にも心配され始めてしまった。)
(もうこれ以上は誤魔化しが効かない。どうにか跳ばないと。)
(下手になったと思われるかもしれないけれど、この方法で行こう。)
(……よし。) - 5二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:56:01
(まずは足元に引かれたラインにつま先を置いて、いつものように前傾姿勢を取る。)
(構えてから走り出し、いつものように跳ぶと見せかけて跳び箱の五歩分ぐらい前で減速。)
(そして、わざと力を入れずに跳び、クッションに尻もちをつく。これで完璧。)
(自分で言うのもあれだけど、私は周りには跳び箱が上手いと思われているから、周りの反応はやっぱり……。)
「スズカ……?」
「スズカサーン! ついに跳び箱が下手っぴになっちゃいましタカー?」
「わざと手を抜いているようにしか思えませんね……。」
「どうしちゃったの? スズカなら、そのぐらいの跳び箱は余裕で跳べるでしょ?」
(やっぱり。私が急に跳べなくなった事に驚いているわ。これはなんて説明したらいいのかしら……。)
「タイキ、ブルボン、ドーベル、その他のみんなも。これは諸事情があるの。具体的にその諸事情っていうのは……今日はちょっと、調子が出ないみたい。」
(タイキ、私が元からちょっと下手だったみたいな言い方やめてよ……。)
「今日は膝が痛くて……ほら、そろそろ次の子に跳んでもらいましょう!」
(普段は練習でいい結果が出なかったりレースで他の子に負けても、膝が痛いだなんて言い訳は絶対にしない。)
(そういうのは自分のポリシーが許さないから普段はしないんだけど、今回ばかりはせざるを得ないわね……。)
(不本意な結果にはなったけど、とにかく何とか誤魔化し切れたわ。) - 6二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:58:57
〜教室〜
(教室にいる間は、とりあえず安心ね。この学園の制服のスカートは長くて、座れば膝まで覆えるから助かるわ。)
「うわっ! シャーペン落とした!」
(えっ?)
「あっスズカ! ちょっとそのシャーペン拾ってくれない?」
(嘘でしょ。今の私にシャーペンを拾えですって?)
(拾う為にしゃがんだら、普段は隠したくて下着で覆っている部分が見えてしまうかもしれないじゃない。)
(こうなるから、今日は自分の近くで誰も物を落とさないのを祈っていたのに……。)
(とは言え本来は、床に落ちたシャーペンを拾うだなんて造作もない事。拾えないだなんて言ったら、遠回しに不潔だと言っているようで相手を傷つけてしまうわ。)
(ここはもう……。)
「!!」
「拾うの早っ!」
「はい、どうぞ。これからは机から落とさないように気をつけてね………えぇっ!?」
「ごめんスズカ、消しゴム弾いて遊んでたらそっちに飛ばしちゃった! ちょっと拾ってくれない?」
(嘘でしょ……。) - 7二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 17:59:39
〜寮室にて〜
(やっと寮室に戻れた……今日一日なんとか隠し切れたわね。でも、外でトレーナーやスペちゃんを待たせてしまっているから忙しいと。)
(トレーニングも下着なしでやるだなんて、信じられないもの。特訓の前に着替える時間を取れてよかった。)
(下着を履いて……と。やっぱり、これがある方がなんだか暖かくて落ち着くわ。)
(下着がないと、スカートを履いていてもまるで素っ裸で過ごしているような解放感があって恥ずかしいもの。)
(スースーと冷たい風が直に当たるし、)
(それにしても今日は災難だったわね……。跳び箱や床に落ちたシャーペンを拾うといった普段なら造作もない事が、余計に大変に感じられて。)
(着替えるだけでわざわざ更衣室に篭らなければならない理由を作るのも、結構大変だったな。)
(さ、トレーナーやスペちゃん達の元に戻りましょう。下着も履いた事だし、今度こそ最高のコンディションで特訓に望めるはず。)
(今日の事は教訓として忘れないようにしておいて、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。)
〜翌朝、教室にて〜
(嘘でしょ、ブラジャーを忘れたわ。) - 8二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 18:00:47
乙
- 9二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 18:01:05
これイメ損にならん?
- 10二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 18:01:21
過敏すぎ
- 11二次元好きの匿名さん25/01/23(木) 18:01:56
エッ!それはそうと書き乙