【🎲・オリキャラ・オリ学園】独立の道 黄金の自由を目指して(3)

[1 卜部シラク 25/01/25(土) 05:10:16]

前スレまでの簡単なあらすじ

第三歩:慢心ダメ、ゼッタイ！　一見ダメそうな奴でも実際は割と手強いことがある。これ真理ね。
第四歩:君が！講和を！選ぶまで！殴るのを！やめないっ！！

スレ画は描いて頂いた簡易校章。

[2 卜部シラク 25/01/25(土) 05:10:30]

前スレはこっち

【🎲・オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して(2)｜あにまん掲示板

初代スレはこっち

【🎲、オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して｜あにまん掲示板

[3 卜部シラク 25/01/25(土) 05:10:46]

これまでの語り手・登場人物まとめ

④金矢シレナ

シェオルクソデカキンモップ。背はかなり高いが、他のモップ種よろしく胸だけは小さい。
下駄をはかされているがかなり戦闘・身体系技能値が高い。さらに事務と交渉はかなり得意な上、政治や指揮も結構やれる。それはそれとして下っ端ではあるのでその高い能力が発揮される機会は多分あまりない。
野生のフィジカルエリート。シェオル上流階級の出身とかではない。
なぜか催涙弾の中へ突っ込まされたり連戦を要求されることもあるが、なんだかんだ文句を垂れながら乗り越えられるくらいにはタフ。

[4 卜部シラク 25/01/25(土) 05:11:05]

第三歩に登場した艦艇

稲妻号:ORP Błyskawica(ブリスカヴィカ/ブウィスカヴィツァ)
雷鳴号:ORP Grom(グロム)
夕立号:ORP Burza(ブルザ/ブジャ)
雷電号:HMS Nerissa/ORP Piorun(ネリッサ/ピオルン)
疾風号:HMS Myrmidon/ORP Orkan(ミュルミドン/オルカン)
花輪号:HMS/ORP Garland(ガーランド)

[5 卜部シラク 25/01/25(土) 05:11:35]

第四歩に登場した兵器

ショウカの自動小銃:wz. 96 ベリル
クリスの機関銃:HK 21E
クリスが鹵獲した拳銃:Walther P99
ララの火炎放射器:wzór. K
ララの短機関銃:KIS
教導士官の短機関銃:PM-06
教導士官の信号拳銃:wz. 78
教導士官/正規軍のサーベル:wz. 36 Ludwikówka
有翼騎兵の小銃:MSBS Grot C16 FB-M2
有翼騎兵の機関銃:UKM-2020
儀仗兵の小銃:MSBS Grot-R

卵型手榴弾:M39 卵型手榴弾
柄付き手榴弾:M24 柄付き手榴弾
ボトル型手榴弾:R wz. 42 Sidolówka

[6 卜部シラク 25/01/25(土) 05:11:47]

迫撃砲:M98 98mm迫撃砲
対戦車砲:wz. 36 37mmボフォース対戦車砲
高射砲:wz. 36 75mm高射砲
水冷式重機関銃:wz. 30 重機関銃

ロソマク:KTO ロソマク歩兵戦闘車
ラングスタ:WR-40 ラングスタ多連装ロケット砲
ダナ:wz. 1977 Dana(DANA M2/Dana-M) 152mm装輪自走砲

風紀委員の機関銃:MG3
万魔殿兵の散弾銃:HK 512
万魔殿兵の短機関銃:Erma EMP
ゲヘナ重砲:15cm sFH 18 150mm榴弾砲
ゲヘナ迫撃砲:10cm NbW 40 105mm重迫撃砲
万魔殿戦車:Pz.Kpfw. VI Ausf. E Tiger I
風紀委員戦車:Pz.Kpfw. V Ausf. G Panther

[7 卜部シラク 25/01/25(土) 05:12:08]

シェオル学士院軍

一般的には正規軍とも呼ばれる。
シェオル連盟共同体学士院の有する軍事組織の一つであり、軍務委員会の統制下に置かれる。
兵員の多くは中流・下流階級の出身者から構成されている。
基本的に兵員は志願制と選抜徴兵制の併用によって確保されている。
ただし戦時の場合はシェオル生に対する徴兵制と一般市民の群民蜂起による動員と編成が行われる。
なお上流階級出身者に関しては正規軍もしくは学士院騎兵隊、学術衛兵といった組織に所属していない場合、強制徴募によって召集される。
予算に関してはシェオルの財政状況に左右されることが多く、人員数や装備品の調達数も時期によって上下が激しい。
現状、地下学府側の正規軍は中枢陥落後の南部橋頭堡及び中立校経由での脱出とそれに伴う重装備の放棄や侵攻時の損耗、占領期の追放や粛清によって一部の第一線級部隊を除けば人員定数や装備の充足率に問題を抱えている。
流亡学府側の正規軍はその多くが脱出時に重装備を放棄した為、トリニティ総合学園パテル派やマゴニア工業高校から供与された装備品を使用している。

[8 卜部シラク 25/01/25(土) 05:12:21]

学士院騎兵隊

シェオル連盟共同体学士院の保有するもう一つの軍事組織。
ただし正規軍のように軍務委員会の統制下にあるわけではなく、かつての常任評議会もしくは現在の地下学府 政治諮問委員会と流亡学府 暫定統一評議会の直属であり、評議会議長と帯剣官の承認によって作戦行動が可能。
基本的に兵員は志願のみによって確保している。
兵員の多くはシェオルの上流階級である士族の出身者から構成されており、士族の場合は基本的に自身の乗馬とその維持費を自弁している。
また、予算に関しては士族から多額な寄付を受けている為、シェオルの財政状況にあまり左右されることがない。その結果として、シェオル内の武装組織の中ではトップクラスの武装と練度を誇る。
騎兵隊の名が示す通り、その多くは由緒正しき槍騎兵や有翼騎兵と言った騎兵ではあるが、それ以外にも士族の従者たちからなる従僕歩兵や、事実上の機械化砲兵と化した騎馬砲兵、独自の戦車隊である装甲騎兵を有している。

[9 卜部シラク 25/01/25(土) 05:12:34]

学術衛兵

シェオル連盟共同体学士院の有する治安維持組織であり、基本的には治安維持にのみ関わる。
人員は志願制によって確保している。
侵攻時は市民や常任評議会の高官及びシェオルが保有する現金資産(金塊)や美術品の保護と輸送を担っていたため、前線に立つことはあまりなかった。
そもそも正規軍や学士院騎兵隊に比べれば重装備はごく少数しか保有しておらず、さらに言えばシェオルは元来キヴォトス内でも有数の治安の良さを保っていた為、治安維持戦はともかくとして、正規戦においては足手纏いにしかならないとの判断で戦力残存と避難民の誘導とシェオルの資産の保護を優先していた。
シェオル生の常として白兵戦は得意であり、また特殊な訓練によってガスマスクなしの催涙ガスに暴露した状態での戦闘も可能。
それはそれとしてガスマスクなしで催涙弾の中に突っ込めば、任務後揺り返しに襲われてのたうち回ることに変わりはない。

[10 卜部シラク 25/01/25(土) 05:12:45]

積極的武装闘争連合

シェオル連盟共同体学士院 地下学府によって結成されたシェオルにおける地下組織。
シェオル生だけでなく、一般市民も兵士として参加している。
占領直後に結成された正規軍系の“シェオル勝利奉仕団“を母体としつつ、右派連盟系の“学士院軍事組織“や農学科・農業従事者系の“農村大隊“、左派連盟系の“学徒衛兵“をはじめとした複数の抵抗組織が合流して現在の形に至る。
現状部隊によって装備や人員数に差が出ているが、それは限られた生産能力を正規軍や学士院騎兵隊へ優先している他、政治諮問委員会による統制の一環として一部部隊に対して物資の供給を絞っているのもある。
基本的に武器類は各自の持ち寄りや密造品、ブラックマーケットでの横流し、ゲヘナやレッドウィンターの武器庫からの窃盗、密輸、流亡学府からの空中投下によってかき集めたものを装備している。
装甲戦力に関しては手製装甲車の他に風紀委員や万魔殿から鹵獲した戦車や装甲車を運用している。

[11 二次元好きの匿名さん 25/01/25(土) 13:55:52]

たておつ

[12 二次元好きの匿名さん 25/01/25(土) 15:25:17]

スレ立てありがとうございます

[13 卜部シラク 25/01/26(日) 01:47:50]

間話:戦列歩兵と生命の飛躍。あるいはシェオルからのマゴニア評

[14 卜部シラク 25/01/26(日) 01:48:08]

四十雀サカエから見たマゴニア評

「四十雀サカエ将軍、あなたから見てLIMはどのように感じますか？」
「正直に言ってしまえば、LIMは数的主力となる戦列歩兵の場合、野戦ならまだある程度は戦えるが、市街地戦になればかなり弱くなる。
あれは後生大事に温めてきた古の戦術と『生命の飛躍』なる骨董品じみた精神論をぶら下げ、数的主力となる彼女達戦列歩兵はそれに基づいた戦闘教義に従っている。
総合的に見て、市街地なら普通のLIM戦列歩兵だと5:1の比率でも風紀委員長抜きの風紀委員会に負けると断言できる」
「その根拠は？」
「……簡単に言えば、彼女達は古い戦術によって戦うことを前提としたがために、弾と構造と使い心地に問題のある古い連発銃を使い続けている。
だが……彼女達はそのほとんどが強制に近い徴募でかき集められたか、あるいは徴募逃れ用の身代わりに一銭五厘で放り込まれたような連中だ。
そんなのが大多数を占めるような戦列歩兵には、高性能な武器を持たせても使いこなせないと踏んだのだろうな。
戦列歩兵が持たされているのは単発銃じゃないだけマシ程度のものではあるが、一応連発はできなくもない。まあその場合、弾倉内の弾を撃ち切ったら手間の多い再装填をチンタラと時間をかけてする必要があるが」

「ただそれらとは別の歩兵戦力として、質的主力の猟兵と古参親衛隊の歩兵がある。
この2つは普通のLIM戦列歩兵とは別で、完全な志願制の下に人員が集められている。
そして彼女達は規律によって厳格に統制され、適切なカリキュラムによって厳しいながらも適切な訓練を受け、戦列歩兵に比べてかなり優れた武器を持ち、そして何よりも現代の戦闘に適した戦術を用いている。
かなり頼りになる存在だが、彼女達には重大な欠点が一つだけある」
「その欠点とは？」
「単純に数が少ない。普通の戦列歩兵と違って志願兵だけで構成されているのもあるが、何よりも厳格に統制されるのと厳しい訓練を好む者はそう多くないのだろう。
それでも、単発銃より幾らかマシ程度の連発銃を担ぎながら敵の目の前でチキンレースをするよりはいいと思うのだけどね」
「ああそうそう。言い忘れていたが、古参親衛隊は歩兵だけでなく砲兵や騎兵も有している。どれも粒揃いの優秀な兵士たちだ」

[15 卜部シラク 25/01/26(日) 01:48:51]

「そしてLIMの機甲戦力となる戦車隊だが、そのLIM戦車隊が装備している戦車は基本的に何かしらの問題を抱えている。
例えば走攻守三つが程々ながらもバランスよく振り分けられているが、砲塔の人員が車長1人しかいないものだから、車長が砲手や装填手の仕事に忙殺される中戦車。火力と防御力こそ立派だが機動力や信頼性に問題を抱えた重戦車2種。あまりにも貧弱すぎる火力には最早笑うことしかできないような軽戦車。
……正直に言えば、戦車の更新トライアルが長引いていた上、予算と維持能力の問題で結構な数を予備保管送りにしてしまったうちよりも酷い状況だ」
「ふむ……ですが報告される戦況を見る限り、LIMは思った以上によくやってくれているようですよ」
「そりゃあLIMは砲兵や航空機の扱いが上手いのと、妙なところで火力に対する造詣が深いのが大きい。それとうちの部隊による適切な支援もあるな」

「火力に対する造詣が深いとは？」
「たとえば砲兵だが、LIM砲兵は迅速かつ頻繁な陣地転換を行い、対砲兵射撃に晒されるリスクを減らしている上、火砲や牽引車についてはかなり優れたものを取り揃えている。
そして航空戦力の方は調達に際して混乱と支障をきたしてはいるが、概ねまともに戦えるくらいの質と量を揃えてはいる。
そして制空と爆撃や地上支援、猟兵と古参親衛隊歩兵の輸送、偵察・観測にと柔軟に対応している。
とは言っても支援に関しては結構砲兵頼みなところがあって、航空機による地上支援は砲兵では手が届かないところのカバーがメインみたいなところがある」
「なるほど……」

[16 卜部シラク 25/01/26(日) 01:50:41]

「……さて、四十雀サカエ将軍。あなたから見たマゴニアの総評はどのようなものですか？」
「私見としては、主力となる戦列歩兵。これを解体して再編成し、装備と人員の質を最低限正規軍の2線級並までに引き上げる必要がある。
それから戦車隊についてだが……まあ、全体的に問題点が多すぎるから、大規模な装備の刷新が必要。
砲兵と航空戦力、猟兵と古参親衛隊については文句なし。こんなところかな」
「……どうにも、マゴニア側の戦力は頼りにしていいのか不安になりますね……」
「だが、それでも一応は頼れる部隊だっている。戦列歩兵や戦車隊はアレだが、少なくとも航空隊と砲兵、それから猟兵と古参親衛隊は信用してやっても問題はない。
まあ、数については……あまり触れないでやってくれ」

[17 二次元好きの匿名さん 25/01/26(日) 12:39:09]

マゴニアの戦力か
そして積極的武装闘争連合のヤバさよ

[18 二次元好きの匿名さん 25/01/26(日) 23:09:19]

細かなところを見るとやはり問題はあるんだな

[19 二次元好きの匿名さん 25/01/27(月) 09:53:55]

一部の練度は問題なくてよかった

[20 二次元好きの匿名さん 25/01/27(月) 20:21:10]

ここから戦況はどうなっていくか...

[21 卜部シラク 25/01/28(火) 01:19:45]

鋼駒鋒ホマレからみたマゴニア評

「LIMについてですか？」
「そうだ。君にはLIMについて知っていること、見てきたことを話してほしい」
「そうですね……僕が知っている限り、白水河の兵士達はマゴニアでの訓練に対して良い印象は持っていません。
彼女達白水河軍団はマゴニアに編入されるにあたってマゴニア式の訓練を受けていましたが、戦列歩兵とされた者は何か火種があれば暴発しかねないくらいには不満を溜め込んでいました。ただ、戦車兵以外は戦列歩兵ほど不満を持っていたわけではなく、概ね穏健に待機していました。
……ただ、それでも時代遅れの戦術や旧式の装備を使い続けることに不満が溜まりきった歩兵が強訴を起こし、シェオル式訓練の割合を大幅に増やしてからは抑え込むことに成功して、ちゃんと現代の戦場に適応した戦術と行動を取れるようになりました。ただそれでもマゴニア側との折衝もあって鮮烈歩兵としての訓練も行われていました。
……とは言っても、彼女たちはそれほど真面目に取り組んでなんていなかったようですけど」
「……まあ、彼女たちが強訴を起こしたり、マゴニア式の訓練へ真面目に取り組まないのもむべなるかな。君からの又聞きでしか無いが、少なくともLIMの連中と足並みを合わせるのは難しい、この認識で問題はないな？」
「ええ、概ねその通りです。改革派の猟兵や中道派の古参親衛隊はまだしも、保守派の巣食う戦列歩兵に関しては囮にするのが関の山と言ったところです。あのような時代遅れのやり方では到底足並みなんて揃えられたものじゃない」

[22 卜部シラク 25/01/28(火) 08:11:51]

「……それにしても、数的主力とそれ以外の戦力で戦術が違うとはな……しかもそれがうちみたいに正規軍と学士院騎兵隊で分かれてるとかそういうんじゃなくて、同じ組織内で起きている話なんだろ？」
「ええ、その通りです。数的主力となる戦列歩兵は基本的に古びた骨董品の戦術と『生命の飛躍』とかいう馬鹿げた精神論に基づいた戦闘教義に従うことを要求されます。
正直に言って、白水河経由で件の戦闘教義を見た時、それを策定した人物の正気と知能を疑いましたよ。『閉鎖病棟の人間がこれを書いたのか？』とね」
「ふむ……まあ、妥当な意見ではあるな」
「正気の人間なら帯剣官のような反応をしますよ、正気ならですけど」
「正気じゃない奴は俺みたいな反応ではない、と？」
「ええ。LIM側の保守派指揮官はこれを素晴らしいものだと讃えて盲信し、改革派指揮官の方はそれを見下して嘲っていましたね」
「……派閥争いを戦時中にしでかしてるのか？」
「ええ、主に部隊の機械化と戦車の配備数増加、装備や戦術の完全な近代化を目指す改革派。先述の骨董品じみた戦列歩兵と精神論を後生大事に抱え込んだ保守派でやり合っています。
白水河は改革派の側に立っているのですが、それでも保守派の方が数の面では多いですから、一部では押し切られてしまったという訳です」
「派閥争いに巻き込まれるとはな……君らマテル派組も、白水河組も随分と苦労をしてきたんだな」
「それでも、大いなる目標があったから耐えてこれたんですよ。これがなかったら早々にシェオルにいた頃の癖でサーベルを抜いていたでしょうからね……」
「シェオルにいると白黒つけるのが議論か剣による決闘かの両極端に走りがちなのは、シェオル生の悪癖としか言えんな……ま、他を巻き込んで銃撃戦をするよかマシだろうけど」

[23 二次元好きの匿名さん 25/01/28(火) 18:36:39]

戦時下での派閥争いはどこも同じか

[24 二次元好きの匿名さん 25/01/28(火) 23:11:58]

面倒だな

[25 二次元好きの匿名さん 25/01/29(水) 08:08:16]

近代化は一部部隊では進んでするんだな

[26 二次元好きの匿名さん 25/01/29(水) 16:17:09]

色々あるんだなぁ（小並感）

[27 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:38:35]

[身分(双子)]

名前:勅使河原 カシノ(てしがわら カシノ)
学校:シェオル連盟共同体学士院 地下学府
学年:リツェウム 2回生
課程:普通学士課程
学科・学部:馬術科 騎兵学部
所属:学士院騎兵隊 有翼騎兵戦隊 第一槍旗
兵科:有翼騎兵
階級:騎士/少尉
誕生日:11月11日


名前:勅使河原 ユウ(てしがわら ユウ)
学校:シェオル連盟共同体学士院 地下学府
学年:リツェウム 2回生
課程:普通学士課程
学科・学部:馬術科 騎兵学部
所属:学士院騎兵隊 有翼騎兵戦隊 第一槍旗
兵科:有翼騎兵
階級:騎士/少尉
誕生日:11月11日

[28 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:38:53]

外見(共通ダイス以外は左がカシノ、右がユウ)

髪色(共通):dice1d9=6 (6)

1.黒 2.茶 3.金 4.銀 5.赤 6.青 7.水色 8.紫 9.薄紫

長さ:dice2d100=73 34 (107)

(1で肩につかないほど、50で肘あたり、75で腰、100で地面)

瞳(共通):dice1d9=3 (3)

1.黒 2.茶 3.金 4.銀 5.赤 6.青 7.水色 8.紫 9.薄紫

耳:馬(共通)

尻尾:馬(共通)

体型(共通)

身長:120cm + dice2d60=36 43 (79)

胸:dice1d6=3 (3)

1.かなりまな板 2.貧しき者…… 3.大体普通くらい 4.割と大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかい

腹:dice1d5=3 (3)

1.筋肉微量、柔らかめ 2.筋肉少量、やや柔らかめ 3.中間、みっちりしてる 4.筋肉やや多め、少し硬め 5.筋肉マシ、硬め

尻:dice1d6=1 (1)

1.小 2.やや小さめ 3.中間 4.やや大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかいよ

脚:dice1d6=6 (6)

1.細い 2.やや細い 3.普通くらい 4.少し太め 5.太いよ 6.うおっ……ふっと……

[29 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:46:16]

ステータス(左がカシノ、右がユウ)

戦闘系技能

戦闘(所属と兵科補正で最低保証75付与):dice2d25=25 15 (40)

射撃(同上):dice2d25=15 7 (22)

格闘(同上):dice2d25=6 25 (31)

投擲(同上):dice2d25=24 15 (39)

体力(同上):dice2d25=10 2 (12)

回復(同上):dice2d25=12 13 (25)

馬術(同上):dice2d25=23 3 (26)

剣術(同上):dice2d25=5 13 (18)

滑空(同上):dice2d25=6 16 (22)

[30 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:46:26]

身体系技能

筋力(同上/75):dice2d25=17 16 (33)

持久力(同上/75):dice2d25=17 2 (19)

敏捷性(同上/75):dice2d25=20 16 (36)

柔軟性(同上/75):dice2d25=8 13 (21)

運動(同上/75):dice2d25=5 21 (26)

その他技能

知性:dice2d100=3 1 (4)

事務:dice2d100=85 69 (154)

指揮:dice2d100=76 1 (77)

医療:dice2d100=61 16 (77)

技術:dice2d100=31 49 (80)

創作:dice2d100=60 12 (72)

魅力:dice2d100=8 77 (85)

政治:dice2d100=83 45 (128)

交渉:dice2d100=24 13 (37)

倫理:dice2d100=24 51 (75)

慈悲:dice2d100=70 99 (169)

幸運:dice2d100=32 96 (128)

神秘:dice2d100=56 80 (136)

[31 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:53:26]

使用武器

プライマリ:AR/MSBS Grot C16 FB-M2(双子共通)
セカンダリ(カシノ):MG/WKM-B
セカンダリ(ユウ):GL/Pallad-M
ターシャリ(カシノ):SR/ZMT MWS-38
ターシャリ(ユウ):AC/ZUR-23-2SP Jodek

[32 勅使河原カシノ 25/01/29(水) 23:54:06]

使用武器解説

AR
MSBS Grot
ポーランド、ラドム社で設計・製造されたアサルトライフル。
名前の由来はポーランド国内軍の初代司令官、ステファン・ロヴェツキ将軍のコードネームから来ている。
モジュラーシステムを取り入れている為、銃身長の変更やスタンダードとブルパップのスタイル切り替えなどが可能。
5.56×45mmNATO弾を使用する。

MG
WKM-B
民主化後にNSV重機関銃をZMT(タルヌフ機械工業/Zakłady Mechaniczne Tarnów)にてポーランド軍向けに改良したもの。
12.7×99mmNATO弾を使用する。

GL
Pallad-M
ポーランドで試作された歩兵携行型の自動擲弾銃。
40×47mm弾を使用する。

SR
ZMT MWS-38
ポーランドのZMTが設計・製造したモジュラー式のセミオートスナイパーライフル。
.338 Lapua Magnum弾を使用する。

AC
ZUR-23-2SP Jodek
ポーランドのZMTによってZU23-2対空機関砲へ改良を施したもの。
国産対空ミサイルのPPZR GromとPPZR Piorunが装備可能。
ポーランド軍ではトラックの荷台にこれを搭載したHibneryt対空自走砲が運用されてる。
23×152mm弾を使用する。

[33 勅使河原カシノ 25/01/30(木) 01:05:24]

第五歩:ウェットワーク・ツイン

シェオルとマゴニア、そしてゲヘナの間で講話交渉が行われ、それによって通告された停戦協定によって双方による敵対行動が一時的な終わりを告げ、次の一手に備えながら交渉結果を待つ。
双方が停戦協定を遵守し、前線に立つ兵士達の感情はともかくとして、少なくとも一時的な平穏は保たれている……と言うのは表面上の話。
現在は停戦状態にある敵対者はゲヘナ学園。キヴォトスでもトップクラスの問題児を寄せ集めてごった煮にしたようなところで、大規模な武装蜂起を起こした地下学府の相手をするため、ごった煮の中の上澄み連中である風紀委員と万魔殿部隊が雁首揃えている中でも、何処吹く風かと言わんばかりに己の利益や欲望のために暴れ回る者だって出てくるのは当然とも言える。
むしろ停戦協定によって一時的とは言えど戦闘が止んだ今、そのような者によって何かしらの事件が起きたとて何らおかしくはない。
……例えば、たった今前線司令部から無線で告げられた命令がその良い例になる。

「……了解、友軍と合流して対応する」
「カシノ姉、何か問題でも起きた？」
「温泉開発部が停戦ラインを超えてシェオル領へ侵入し、破壊活動を計画している。これに対して付近の余裕がある友軍と合流し、撃退せよとの仰せだ」
「ふんふん、それじゃすぐに向かおう。あんなのを放っておいたら何が起こるかわからないしさ」
「……ちょうど良い、そこのトラックを借りていくぞ。従僕歩兵は乗車！」

無線で伝えられたことを双子のユウと援護担当として同行していた従僕歩兵に伝え、手近なところにキーを差しっぱなしで停められていた兵站局のトラックへ従僕歩兵を押し込み、自分とユウは自分の愛馬に跨って拍車を掛け、急いで合流地点へと向かう。
ただでさえ背が高い上、そこに加えて大きな滑空用の翼がついているものだからますます荷台には窮屈すぎて乗っていられたものじゃない。

[34 二次元好きの匿名さん 25/01/30(木) 10:53:43]

温泉開発部か、激戦の予感

[35 二次元好きの匿名さん 25/01/30(木) 16:59:01]

大丈夫かなぁ

[36 勅使河原カシノ 25/01/30(木) 22:35:17]

それに加えて、ユウが振り回す機関砲を従僕歩兵と共に荷台へ積んだとなれば、機関砲本体と弾薬ベルト入りの弾薬箱、それからオマケの対空ミサイル2発。それらにかなりのスペースを持っていかれるものだから、荷台なんて乗っていられるはずもない。
……まあ、従僕歩兵は支援の他に有翼騎兵の荷物持ちも仕事に含まれているし、給料はシェオルと有翼騎兵、それも大多数を占めるシェオル士族から出ている以上は雇い主に従う義務も出てくる。
我々からも金を出してるんだ、最低限出した金の分は仕事をしてもらわなければな。

「それにしてもさ。カシノ姉、兵站局のトラックを分捕ってきちゃってよかったの？」
「不用心にキーを差しっぱなしで放置していた兵站局の方が悪い。それに、今は緊急事態だ。多少はそれで押し通せる。
まあ、戦果を挙げた上でこれを無事に返してやれば多少はお目溢ししてくれるはずさね」

従僕歩兵が運転するトラックに先行する形で愛馬を走らせ、適宜官給品のPDAでルートを確認してはその度に手綱や拍車で合図を出して進行方向を変えて……と、そんな具合に合流地点へ向かって行く途中、同じように並走している馬上のユウからトラックの件について聞かれるが、適当にあしらって移動に専念する。
途中で物資や兵員を輸送するトラックと馬車、そして前線へ向かう装甲車とすれ違い、その度にトラックの運転手や荷台の正規軍将兵と馬車の御者、装甲車の乗員らが前線とは違う方向へ駆け抜ける我々の姿を見て若干訝しげな視線を送ってくるが、運転に専念する為にすぐさま視線を前方へと戻す。
普通なら前線に向かっている筈の我々が、こんなところを走っているのが気になったのだろう。
立場を変えて考えてみれば、不思議に思えるのも当然ではある。

[37 二次元好きの匿名さん 25/01/31(金) 06:45:12]

輸送用に馬車か、まるで二次大戦だな

[38 二次元好きの匿名さん 25/01/31(金) 15:08:38]

怒られないといいけど
まぁいっか

[39 二次元好きの匿名さん 25/01/31(金) 22:30:39]

忙しい

[40 勅使河原カシノ 25/02/01(土) 02:31:14]

……ただ、今は思索に割ける時間は多くない。
ましてやその原因である温泉開発部が相手となれば尚更だ。少しでも目を離してみれば、どんな惨事が待っていることやら。
全くもって嫌らしい連中だ、クソ喰らえ。

「……確か合流地点はここだったはずだ」
「カシノ姉！友軍はあそこにいるのじゃない？」
「ン、そのようだな。あれは農村大隊の車両と兵員だが、意味もなくこんなとこを彷徨いたりはしちゃいない。農村大隊の連中がしきりに動き回るのは戦時か農繁期だけだ。
そんな奴らが畑でもないところにいるんなら、何かしら問題が起こっているのは確実だ」

心の中で余計な仕事を増やしてくれやがった温泉開発部へ文句と悪態を垂れながら馬を走らせ、後ろにトラックを一台引き連れて到着した先。
そこには友軍であろう農村大隊の源流であるシェオル農学科が保有するトラック、その荷台に23mm対空機関砲を載せた“有害鳥獣駆除車“と農村大隊の兵士が屯しているのを確認し、手綱を操って足を止めさせ、馬上から降りると同時に、肩から手製の短機関銃をスリングでぶら下げた指揮官らしき人物が話しかけてくる。

「あんたらが例の増援なんか？」
「然り。我らは友軍、つまりは貴公らと合流し、停戦ラインを超えたことが確認された温泉開発部への対処に当たるよう命じられた」
「そかそか、そんじゃパパッと仕事を片付けに行きましょや。畑を吹き飛ばされるんも勘弁願いたいし」

お互いに温泉開発部対策で協働する友軍だということがわかると話はあっという間に終わり、直様温泉開発部の迎撃へ向かうことで合意し、再び移動を始める。
その間にも情報は更新され、温泉開発部は工業地帯北方の湿地帯を通っていることが判明する。
……連中は水陸両用車でも持っているのだろうか？だとしたら間違いなく面倒なことになるぞ。クソが。

[41 勅使河原カシノ 25/02/01(土) 02:38:23]

温泉開発部の移動ルートがわかったところで、湿地帯の案内人を探すために一度森林地帯の外縁部に構えられた野営地へ寄り道し、正規軍将兵の他に不思議な雰囲気を漂わせるスーツ姿のシェオル生が少しばかり入り混じるそこで案内人役の分隊を同行させてもらう。
案内人がついたところで、車両の燃料を補給している間に情報の共有を忘れずにしておく。

「情報によると、温泉開発部はここから北西にある湿地帯を通って移動中とのことだ。我々とゲヘナとの停戦ラインはこの湿地帯や近くの森林地帯を跨ぐようにして設定されているから、温泉開発部の奴らはシェオル領へ忍び込むのにちょうど良いと判断したのだろう」
「位置的に時間はかかるが、頑張りさえすれば森林に入り込んで追っ手を撒くことだって可能だ。そうされればかなり厄介なことになる」
「温泉開発部の奴が停戦ラインを超えたのに気づかず追い続けてラインを超えてしまえば交渉は即破断、また戦闘が始まる。少なくとも今はまだその時ではないというのに、だ」
「あんな何も考えていないエゴイストの気狂い共のせいで戦闘再開となれば、ウチらと共闘関係にあるマゴニアとの足並みが狂うかもしれん。
それと打通組から聞いた話やけどな、マゴニアはこの交渉期間を使ってなんとか損害の穴埋めを図っとるらしいわ。それがおじゃんになったら、マゴニアはウチらに対してカンカンに怒り狂うかもしれんで」
「……どっちにしろ、これは少しでも選択を間違えれば高度な政治的案件にまで跳ね上がる。それだけは防がねばならない、それは皆理解しているな？」
「そら勿論理解しとるがな。けんどもこの寄せ集めでうまくやれんのけ？」

……お互いに持つ情報を交換していく中で、少しずつこの状況が大きな不発弾のようにも思えて気が重くなってくる。
どうしてテロリストの事でこんなに頭と腹を痛めなくてはならないのか。串刺しにしてやりたいものだ。余計な仕事まで増やしやがって。

……だが、どれだけ文句を言おうが呪詛を吐いて見ようが、状況が好転することはない。
諦めて自分の仕事に取り掛かるしかないのだ。すまじきものは宮仕えかな。

「ま、何をするにしてもまずはここから移動しましょうや。おしゃべりはそれからでもできるでしょ？」
「そうだな、その通りだ。燃料の補給も終わったようだし、さっさと移動を始めよう」

[42 二次元好きの匿名さん 25/02/01(土) 11:15:35]

大変だね

[43 二次元好きの匿名さん 25/02/01(土) 19:58:57]

温泉開発部の水陸両用車...絶対工兵機能付いてそう

[44 二次元好きの匿名さん 25/02/02(日) 00:50:19]

大丈夫なのかねこの学校

[45 勅使河原カシノ 25/02/02(日) 01:26:30]

リアルタイムで更新された情報から導き出した推論で温泉開発部が通ると仮定した地点を横から叩ける地点へと移動し、簡素な陣地を構築して兵士を配置につけ。
配置について装備の確認も終わったと同時に我々が追っている温泉開発部の連中、それらが使う装軌式の工兵車両や爆薬といった機材人員を乗せた大型の水陸両用車数両に分乗し、想定した通りのルートを通り過ぎようとしている。

「連中はここを通ったか……待ち伏せがいるとも知らずに呑気なことだ」
「カシノ姉、あのタイプの車両ならこの機関砲で簡単に仕留められるよ！」
「戦車を撃つわけでもなし、カシノやったか？あんさんの重機関銃でも簡単に食えるで」
「それなら好機だ。ユウと有害鳥獣駆除車は射撃用意！まずは先頭のを仕留めるぞ！」

呑気に破壊活動のプランを立てながら進んでいるであろう温泉開発部の車列。それの先頭車目掛けて自分の持つ重機関銃と、ユウが構えているのと有害鳥獣駆除車の荷台に載せられたので2基ある23mm対空機関砲によって狙いをつけ、安全装置を解除して引き金を引く。

砲口から発砲炎を光らせ、重機関銃と対空機関砲の猛射が先頭車に浴びせられていく。
数発に1発混ぜられた曳光弾が発光体によって弾道を描き、その度に射撃の精度を高めていく。
猛射を浴びる羽目になった先頭車は徹甲弾で車体に穴が空き、乗せていた人員は大量に飛びかかる銃砲弾で倒れ、信管が取り付けられていなかった爆薬は曳光弾か焼夷弾、榴弾によって引火して緩やかに燃焼し始める。
先頭車が猛射を浴び、自分たちが待ち伏せされていたことに気づいた温泉開発部の連中は急いで離脱を試みるが、その試みは従僕歩兵の持つ対戦車ミサイルと、先頭車を仕留めて次の標的を探していた2基の対空機関砲と重機関銃に車体を穿たれ、水陸両用車の荷台に載せていた機材は全てが滅茶苦茶に引きちぎられていく。
哀れなものだが、妥当な末路とも言える。これまでは好き勝手してきたツケ、それをここで一部だけでも償還させているだけだ。

[46 勅使河原カシノ 25/02/02(日) 03:19:18]

逃げ出すことは叶わないと理解した温泉開発部の連中はなんとか足掻いてやろうと手持ちの銃火器で健気に応戦してくるが、それも我々の振り回す対空機関砲や重機関銃によって打ち据えられ、従僕歩兵や農村大隊の小火器で追い打ちをかけられてじわじわと戦力を削られていく。

「カシノ姉！火力は全てを解決するのはわかったでしょ？今からでも遅くないからさ、カシノ姉も重機関銃をこれに変えてみない？」
「吾はこれで十分満足している。それに、足りない火力は他から持ってくるのでも事足りる。牛刀割鶏、些事にまでその大物を持ち出す必要性はなかろう」
「そっかそっか、でも念には念を入れてもいいんじゃない？」
「……ユウ、吾は機関砲を持つつもりはない。前から言っていただろ」
「それは残念。余はカシノ姉も火力を信じてくれるまで諦めぬぞ〜」

圧倒的な火力で収穫期を迎えた麦のように刈り取られていく温泉開発部員を嘲笑い、ユウが機関砲を撃ち放ちながら無線で話しかけてくる。
内容は火力信奉への誘いで、いつものことだと話の中身を聞き流して適当にあしらう。
我が双子ながら、どうしてあんな火力狂いになってしまったのやら。

……まあ、カルトにハマっているわけではないから今のところは見逃してやるとしよう。
それよりもまずは陣地から温泉開発部員を狙い撃ちにしている指揮下の兵士を前進させて、連中の掃討と拘束、それから使えそうな物資の鹵獲をさせる。
……まあ、車両に乗せていた物資に関しては散々撃たれていたから諦めた方が早いだろうが。

「兵士諸君、前進して仕上げに掛かれ！連中を逃せばまた後から同じ様なことをして後方を滅茶苦茶に掻き乱す！ここで徹底的に痛めつけろ！」

命令一下と同時に従僕歩兵は陣地から一気に飛び出して前進を始め、その後に農村大隊の兵士も続いていく。
貧弱な温泉開発部からの反撃を物ともせず、圧倒的な火力で土壇場の抵抗を擦り潰し、あっさりと勝利を掴む。
……まあ、制圧できたのは概ねではある。一部は1人で、あるいは少人数のグループで散らばってこの場を離れようと走り出す。

……余計な仕事を増やすのには随分と熱心な様だが、ここで一匹でも逃してしまえば後からまた何かしらの面倒ごとを起こすのは確実だ。
後方を脅かされる前に、その芽は摘み取っておかねばなるまい。

[47 二次元好きの匿名さん 25/02/02(日) 10:05:37]

火力は正義

[48 二次元好きの匿名さん 25/02/02(日) 18:29:03]

こっわ

[50 勅使河原カシノ 25/02/03(月) 08:02:44]

「ユウ、機関砲を従僕歩兵に預けて騎乗しろ！あの逃げ出した連中を追うぞ！」
「はいはい、わかりましたよ〜っと」
「そんじゃうちらはばらけたやつの方を追ってくるとすっかね」
「そうしてくれ、頼んだ」

逃げ出した連中、その中でも少人数のグループを組んで逃げ出したのを追いかける為、ユウの機関砲を従僕歩兵に預けさせて愛馬に騎乗し、拍車を掛けて馬を走らせる。
湿地帯故の軟弱な地盤を愛馬はものともせずに軽々と走り抜け、あっという間に温泉開発部の小グループを射程内に収める。
馬上故の激しい揺れを抑え込み、地面に足を取られながらも逃げ出そうとする温泉開発部員の背中を狙撃銃の照準器に納めて引き金を引く。

銃口に取り付けたサプレッサーのおかげで炭酸飲料からガスが噴き出す程度にまで抑えられた銃声が一つ。シェオルの正規軍と学士院騎兵隊向けに製造された特別な8.6mmの軍用弾が脊髄に突き刺さり、強烈な痛みに悶えて膝から地面に崩れ落ちる温泉開発部員が一つ。
地面に崩れ落ち、何とか体勢を立て直して少しでもここから離れようとしたのにユウが自動小銃で追い撃ちをかけ、完璧に無力化して。次の標的を狙い、もう1発発砲。
今度は肩に命中したが、その程度では動きが止まることはなく、少しよろけながらも体勢を立て直して再び走り出そうとしたので、次は完璧に仕留めんと頭を狙って1発。
これは首に命中し、肩に命中した奴を一撃で昏倒させる。

と、そんな具合に馬上から優雅にハンティングをしていたが、流石にこれ以上黙って撃たれ続けるのは我慢ならなかったか、3人ほど我々の方へ向き直り、各々が持つ銃器で迎撃を試みる。
それに対してユウがスリングで背負っていたグレネードランチャーを使い、擲弾で先手を打つ。
ポン、ポン、ポンと気の抜けた発砲音を響かせ、40mmの擲弾を周囲に叩き込んでいく。
その隙に構えていた狙撃銃を重機関銃に持ち替え、弾薬ベルトを交換してからただかられるだけの獲物ではなく、健気な抵抗者となった温泉開発部員に向けて弾幕を張る。

[51 二次元好きの匿名さん 25/02/03(月) 16:40:21]

圧倒的ではないか我が軍は

[52 二次元好きの匿名さん 25/02/03(月) 23:15:54]

強みを押し付けれると楽だね

[53 勅使河原カシノ 25/02/04(火) 07:51:37]

飛び掛かる擲弾と12.7mm弾の暴風を諸に浴び、腰が引けながらも散弾銃やロケットランチャーを構え、我々に狙いをつけようとするが、擲弾の爆風とそれに巻き上げられた土塊で視界が遮られ、連続的に撃ち込まれる機銃弾であっという間に撃ち倒される。

「ふむ……立ち向かおうとする割には随分とお可愛らしいことしかできていなかったが……テロリストならこんなもんか。風紀委員や万魔殿の方がまだ手応えがあったな」

余計な仕事を増やされた恨みも込め、地面に倒れ伏す温泉部員を馬上から見下ろしながら嫌味を吐き捨て、他に逃げ出した者の追撃に移る。

……まあ、結局は簡単なハンティング程度のもので、グループになって逃げ出したのは取り逃がしもなく全員を仕留めて捕虜としている。
そして、他に逃げ出したのを追った従僕歩兵や農村大隊の方もうまくなすべきことを果たしてくれた。
それは一箇所に集められた鹵獲品を一つ一つ確認してリストに記入していく従僕歩兵の指揮官である執事の姿と、若干泥に塗れ、後ろ手に縛られて拘束された温泉開発部員の姿が物語っている。

「お二人ともお戻りになられましたか。現在農村大隊の加藤殿が参謀本部第2部の所属を名乗る人物の応対をしています」
「我々はともかくとして、農民の寄せ集めやテロリスト連中にドヴォイカ連中は用事なんぞないはずでは？」
「ですが現にそのドヴォイカの人物がここに来ているのです。少なくとも、話を聞くだけ聞いてみてはいかがでしょうか？」

……ただ、どうにも奇妙な招かれざる来客も来ているらしく。農村大隊の指揮官である加藤某が軍務委員会参謀本部第2部……正規軍と学士院騎兵隊流に呼ぶならば“ドヴォイカ“の連中が来ているそうで。
対ゲヘナ諜報活動を担うドヴォイカが一体全体こんな辺鄙なところの時化た連中に何の用があるのかとんと見当はつかないが、執事は話だけでも聞いてこいと言うものだから、とりあえずはその進言に従うとしよう。

「……わかった、加藤某とドヴォイカのやつはどこにいる？」
「彼方の少し離れたところへ赴かれました」
「そうか、どうも。捕虜の監視と鹵獲品のリストアップを続けてくれ」
「御意」

……本当に、ドヴォイカの連中は何が目的なのやら……

[54 二次元好きの匿名さん 25/02/04(火) 17:08:27]

諜報部の人間がなぜこんなところに…温泉開発部関係で来たか？

[56 勅使河原カシノ 25/02/05(水) 07:37:11]

執事から教えてもらった方へ向かってみれば、近づくにつれて加藤某とドヴォイカの人物が言い争っているのが聞こえてくる。
どうやら捕虜の引き渡し関連で揉めているようだが、加藤某は真っ当な人物らしく、真っ当な相手に捕虜を引き渡そうとしている。
それに対してドヴォイカの方は聞く限り特に不審点のない言い分と共に身柄を寄越せと言う。

「せやから何度も言うとるでしょうが！捕虜は正規軍に引き渡す、それがウチらのやり方なんですわ」
「だが、そこを曲げてでも連中を引き渡してほしいのだよ。我々は防諜上の理由からあの停戦ライン超えを敢行した温泉開発部の連中、その身柄を確保しておきたいのだ。どうかそのことを理解してはもらえないだろうか？」
「……あんたらが本当に参謀本部第2部の人間なのか。それは証明できるんか？」
「それはこの書類と身分証が担保してくれる。確認したいなら好きなだけ目を通してくれ」

とは言ってもそれだけで加藤は易々と捕虜を引き渡したりはせず、本当にドヴォイカの所属か証明してみせろとまで言ってのける。
流石にここまで疑われている以上、大人しく身分証を出した方が手っ取り早いと判断し、丁寧に折り畳まれた書類を一枚と、軍務委員会発行の手帳型身分証を加藤に渡して確認させている。

「ふむ……ひとまず、身分証の方に不備はないみたいやな」
「ああ、それは我々が保証しよう」
「そうだねぇ……どこをみても偽造品とかではない、ちゃんとした軍務委員会発行の身分証だよ。少なくともどこかのスパイではないかな」

横から身分証を覗き込んでみるが、紙質や軍務委員の印章と貼り付けられた顔写真、記載された情報を照らし合わせてみたところ、嘘偽りは何一つない正規品であることは確認できた。
……と、なればドヴォイカの人間であることは確実と見て良いだろう。
そのことを加藤某に伝えたところ、面倒ごとに巻き込まれかねんと見たのか後の対応を我々に放り投げて自分の部下の元へ走り去っていく。

「なんや、2人とも戻ってたんか？お客様の対応は任せたわ。ウチはちいとばかし捕虜と鹵獲品の確認をしてくるわ」

[57 二次元好きの匿名さん 25/02/05(水) 16:51:08]

組織人って大変だねぇ

[58 勅使河原カシノ 25/02/06(木) 00:07:04]

加藤某から押し付けられた身分証を返し、書類に目を通しながら審問を始める。

「……さて、貴公がドヴォイカの人間であることはわかった。だが、何故に貴公は我々が捕縛した温泉開発部の引き渡しを要求するのかね？」
「先にも言ったように、防諜上の理由から彼女たちの身柄を確保しておきたいのです」
「では、その防諜上の理由とは何かね？」
「越境を試みた温泉開発部員。その中に万魔殿情報部のスパイが紛れ込んでいる可能性がある。
もしここでそいつを取り逃した場合、温泉開発部なんぞよりももっと大きな被害がシェオルにもたらされる。それを防ぐ為、連中の中から情報部の人間を炙り出して身動きを取れないようにしておく必要がある。ここまで言えばわかるな？」

質問に対してすらすらと至極真っ当な理由で答えていくその声色や表情には嘘や偽りは見られない。
書類の方もタイプライターで作成され、右上に参謀本部の蝋印が押されている上、堅苦しくて古めかしい言い回しのシェオル公用語で打たれていることから目の前の人物に怪しい点はないと言える。

「……成程。そのような事情があるのならば、我々としてはあの温泉開発部員共をドヴォイカへ引き渡すことに関して、協力を惜しまない」
「ご理解いただけたようで何より」

……だが、本当に目の前の人物……身分証を信じるならば、“四十九院カノン“はドヴォイカの所属であるのかもしれない。
念には念を入れて、シェオル公用語と古典語のマカロニックで鎌をかけてみるとしよう。
少なくともシェオル生なら何かしら反応を返せるが、ゲヘナのスパイなら難しいだろう。まず連中は糞真面目に複雑な言語の講義を受けるようにも思えない。

「それで……Nonne "Przygody kanoniera Dolasa" spectabatis?」
(“砲手ドラスの冒険“は見たか？)
「Ten rozśmieszył mnie od samego początku. Nie spodziewałbyś się, że bohater będzie spał w pociągu, dopóki nie dotrze na terytorium wroga」
(あれは冒頭から笑わせてくれたな。まさか主人公が敵地に到着するまで列車の中で眠っているとは予想できまい)

[59 二次元好きの匿名さん 25/02/06(木) 09:40:53]

普通に読めねぇ

[60 二次元好きの匿名さん 25/02/06(木) 18:11:33]

かしこい

[61 二次元好きの匿名さん 25/02/06(木) 23:08:46]

考えたな、どうするのか

[62 二次元好きの匿名さん 25/02/07(金) 07:54:04]

保守

[63 勅使河原カシノ 25/02/07(金) 16:08:05]

その結果は、紛れもないシェオルの同胞であることが明白な事実であると証明された。
流暢なシェオル公用語での回答は、アクセントや発音等どこをどうひっくるめても我々の同胞でしかなく。
結局、ただ同胞を無駄に疑っただけでしかなかったのを申し訳なく思い、カノンへ詫びを入れつつ書類を丁寧に折りたたんで返す。

「……悪いな、試すような真似をしてしまった。君は歴としたシェオルの同胞だ、吾は君に温泉開発部の捕虜を引き渡すことを確約する」
「お気になさらず。こんなことをやっていれば疑われることなんてのはよくあることです、もう慣れましたよ」

疑われた側のカノンは謝罪を快く受け入れ、書類を受け取って懐に戻しつつ気にしていないように振る舞っている。
ここで問答は終わったと判断したユウが話を本題に戻してくる。

「それで……捕虜の引き渡しについてだけどさ、それについてはドヴォイカに引き渡すって認識で合ってる？」
「ン、その通りだ。もしかしたら、後方に移送したところで結局ドヴォイカに預けられる可能性だってある。だったら先に押しつけたって変わりはせんだろう」
「ええ、時間はかかるでしょうが、最終的には我々の預かりになるでしょう」
「そっか。それじゃあそのことを加藤だっけ？あの農村大隊の人に伝えてくるね」
「説得も任せたぞ」

変な方向に流れかねなかった話の流れを修正し、本題である捕虜の移送先についてを取り決め、ユウに加藤某の説得と取り決めの通達を任せる。

[64 二次元好きの匿名さん 25/02/07(金) 23:18:06]

よかったよかった

[65 二次元好きの匿名さん 25/02/08(土) 08:41:06]

説得か、大変かな

[66 二次元好きの匿名さん 25/02/08(土) 16:56:10]

無事に進んだか

[68 二次元好きの匿名さん 25/02/08(土) 23:56:49]

保守

[69 勅使河原カシノ 25/02/09(日) 03:57:41]

暫し待った後にユウが見張りの従僕歩兵と共に捕虜を連れ、カノンが無線で呼び付けた後送用トラックの車列が到着する。
加藤某の説得には成功したと見て良いだろうし、到着した車列も運転手が持っている書類曰くドヴォイカの本部行きのやつで間違いはない。

「大人しく荷台に乗り込め！暴れるようならお前らの四肢を一つ不具にしてやるからな！わかったか！」

そのトラックに拘束した捕虜を押し込み、車列の荷台が多数の捕虜と少しの監視で満杯になったら出発させ、厄介者を遠くへ追いやって問題は一つ解決したと見て良いだろうと判断して。
お互いのやり方でお互いの上級組織へ任務完了を報告してから我々はお互いに別れ、元の持ち場に戻る……はずではあったが、どうにもユウと2人仲良く、上から指名を受ける羽目になった。

「……上から直々にご指名とは、一体何があったのやら。軍法や規律に反した行動はしていないはずだがな」
「ふんふん、余が思うに……何かしらの試験とかそういうのじゃないかなとは思うんだ。ほら、プルトンだったかジルコンだったか何かしらの軍事的な計画が進行してた気がするんだけど、それ関連の試験とかじゃない？」
「そうかな……そうかも……いやでも違うことの可能性も……でもやっぱそうなのか……？」

PDAで送られた命令文書には前線司令部どころか、そこをすっ飛ばして軍務委員会本部の参謀本部へ吾とユウの2人だけで出頭せよと記載されている。
呼ばれる理由がわからなければ、心当たりもまるでない以上、何かをうだうだと考えるよりは命令通り上の指定された司令部へ出向くしか無い。
ただ、できれば装備品類の試験とかそういう類のことであって欲しいものだ。

[70 勅使河原カシノ 25/02/09(日) 03:57:52]

我々の指揮下にあった従僕歩兵の指揮権を同僚に委ね、不安を内心に抱えて参謀本部へと出向き。
PDAで送られた文書に記載のあったドヴォイカ管轄の部屋である“作戦局“の中へノックをして許可を得てから入り、到着したことを報告する。

「勅使河原カシノ、只今出頭致しました」
「勅使河原ユウ、只今出頭しました！」
「よく来てくれたね。だがまずはそこの椅子に掛けたまえ、話は少し長くなるかもしれないからね」

部屋の中で暖炉の前へ置かれた椅子に腰掛けて待っていたのは堂々と足を組んで腰掛けている、この場で最も階級が高い学士院騎兵隊の将校が1人。
その人物は槍騎兵少佐であることを示す肩章を縫い付け、透明な液体が注がれたショットグラスを揺らしながら部屋に到着した我々へ椅子に座るよう促す。
その言葉に大人しく従い、自分達の事を少し場違いに思いながらも大人しく椅子に座って何かが起こるのを待つ。ドヴォイカは我々に何をさせようというのやら……

「よく来てくれたな、2人共。君達の活躍は我々も良く耳にしている。
それで、だ。今日ここに来て貰った理由だが、君達にはゲヘナ内での特殊作戦に従事してもらう」

目の前の上官が何を言ってくるのか。ドヴォイカ管轄のこの部屋に足を踏み入れてしまった以上、我々への用事は兵器の試験などでは無いのは誰がどう見たって明らかで。
そして、徐に椅子から立ち上がってショットグラス片手に話し始めた少佐が伝えようとしているのは我々にとってかなりの面倒事であることも確定し始める。
諜報機関が関わっているのなら、もはやどう足掻いたって厄介ごとなのには変わらんだろう。できればせめて軽いマシな方であって欲しいが！

[71 二次元好きの匿名さん 25/02/09(日) 11:13:20]

面倒ごとじゃありませんように

[72 二次元好きの匿名さん 25/02/09(日) 15:42:02]

上司の無茶ぶり

[74 勅使河原カシノ 25/02/10(月) 01:06:06]

その願いも虚しく、我々は面倒事から逃れることはできなかった。しかも特大サイズでのお出ましと来た！

「……ええと、その……もう一度用件をお聞かせ願えないでしょうか？」
「君達にはゲヘナ内での特殊作戦に従事してもらう。聞こえたか？」
「はい、ちゃんとしっかりと聞こえました……」

とりあえず聞き間違いではないかと聞き返してみたのは良いものの、我が聞いたのは一言一句間違いなく、ゲヘナ内での特殊作戦とかいう特大の面倒事を任されるという結果になった。
いまだ停戦状態にあるこの状況の中、なぜゲヘナ内で特殊作戦なんて馬鹿げた火遊びをやる必要があるのか。まるで理解はできないししたくもないが！
これを認可した上の連中は気が狂ったか、あるいは酒に酔っているのか……どっちにしろ、クソな状況には変わらん。部下として精神病院を探してやったほうがいいだろうか？

……だが、我々が宮仕えの身である以上、上層部の命令に従う義務が出てくる。詰まるところ、どれだけ狂った命令であろうとも流れに身を任せることしかできない。
半ば諦めの境地に立ちながら、任務に就く意思を見せて内容を聞き出す。

「それで、その特殊作戦とは一体どのようなものですか？」
「君達に頼みたいのは写真に写っている人物の拉致、もしくは排除だ。
ターゲットはゲヘナ学園風紀委員会の情報部に所属する小谷口ミユキ、年齢は18歳、学年は3年生。情報部では雷帝の遺産の足取りを追っているとのことだが、実際は見つけたものの幾らかをちょろまかしている。
奴は雷帝の元部下で、ちょろまかした遺産を使った何かを企んでいるらしい。が、本題はそこではない」

目の前の少佐はペラペラと任務の詳細を教えてくれるが、その中身はどうにも初っ端から血生臭さが滲み出てくる。
まあ、ターゲットが雷帝の元部下ともなればそうもなるかな。何かしら戦争犯罪だのをしでかしていたっておかしくはない。

[75 勅使河原カシノ 25/02/10(月) 01:07:57]

一旦ここで言葉を区切った少佐はショットグラスの中身を一気飲みし、空になったグラスへガラス瓶の中身である透明な液体を注ぎながら言葉を続ける。

「奴はあのクソみたいな豚面したみっともないコレラみたいなクソ雷帝の部下だったが、うまいこと空崎ヒナと羽沼マコトの情報網から逃れるくらいには腹芸が上手で舌がよく回る。具体的には十分な蒸気が供給されたタービンみたいなものだ。
で、そのよく回る舌で2人をだまくらかし、自らの血に塗れた経歴を嘘で塗り替えて今の地位に着いている。
それで……奴は雷帝失脚前、保安委員の一員としてシェオル領内での市民に対する弾圧や略奪を含めた戦争犯罪と、失脚騒動時に一部の遺産や資料類の隠匿に関与しており、それが今回奴の身柄確保を狙う理由となる。
出来れば奴を確保した上で奴の関与した戦争犯罪の証言と、隠匿した資料の居場所を吐き出させたいところだが、確保が難しい場合は別途支給する雷帝謹製の対神秘弾なる特殊弾薬を使って仕留めろ。それから奴の身柄確保に必要な麻酔銃と麻酔ダーツも受け取るように」

途中で息継ぎと一気飲みを挟みながらも少佐は我々へ任務の中身を伝え終わり、2人分の厚紙でできたパンチカード式のキーカードと、必要な物資を受け取れる地下室へのメモを渡される。
……ここまで話を長々と聞いた以上、機密保持の為にもこの任務を受けねば自分達の進退が危うくなる。それに加え、ターゲットであるミユキとやらがちょろまかした雷帝の遺産を使って何かを企んでいる以上、ここでやらねば後でまずいことになる。
で、あるならばもはやこの任務を受けて、奴の身柄を抑える。もしくは支給されるクソ雷帝謹製のオカルトみたいな対神秘弾とやらを使って仕留める以外の選択肢はないともいえよう。
それはそれとして上が正気なのか確かめておきたい気持ちはあるが。

[76 二次元好きの匿名さん 25/02/10(月) 09:56:15]

ゲヘナ情報部内部員の排除か

[78 二次元好きの匿名さん 25/02/10(月) 18:14:32]

ガチ排除は流石に原作破壊過ぎないか？

[80 勅使河原カシノ 25/02/10(月) 19:52:15]

……何はともあれ。任務に必要な物品を受け取る為に階段を降り、地下にしては清潔感のある参謀本部の地下室へ足を踏み入れ、メモに記されたドヴォイカの職員と医官を見つけ、ドヴォイカの方からは小型のアタッシュケースを、医官からは大小二種のガンケースを受け取り、中身の説明を受ける。

「君達が今回の作戦を担当することになったオペレーターだな？今回の作戦で使う弾薬はこの中に入っている。一応中身の確認はしておくように」

まず最初にドヴォイカの職員からアタッシュケースの中身について説明を受ける。
どこか不服そうにしながらも、彼女は自身の職分を忘れているわけではなく、中身について淡々と我々へ伝えていく。

「このケースには放棄されたゲヘナ保安委員会の輸送デポから回収されたクソ雷帝謹製の5.56mmNATOの対神秘弾が6マガジン分、180発用意されている。こいつのマガジンは赤テープを巻いてある、間違えるなよ。
それとは別で、同じ出所の強装弾を12マガジン、360発用意してある。こっちは安心と信頼のカイザー製で、気楽に使えるやつだ。こっちは白テープを巻いておいた」

机の上にアタッシュケースを置いて開き、説明された通りの物品が揃っているのを確認し、余計な指紋が付かないように手袋を着けてから状態を確かめる。
その間に彼女は我々へ作戦に対する要求を付け加えてくる。
……まあ、流石にターゲットを拉致するのは既定路線とはいえど、身柄を確保した場合の処遇に関する方針は固まりきっていないのだろう。
だが、どっちにしろ彼女の言い分に道理がある以上、どちらの側に立つべきかは明確だ。
それに、保安委員会の連中と同じ穴の狢になってやる義理もないし。

「いいか？あいつは場合に応じて始末しろと言っただろうが、私としては何が何でも奴を生きて確保して欲しい。奴に勝ち逃げはさせるな！どんなクソであろうとも、法に則った手順に従って裁きが下されるべきだ。君達も同じ意見だろう？
……まあ、奴を裁く法は連邦戦争法になるから、我々ができるのは可能な限り証言を引き出して、ゲヘナ関連のおまけがあったらそのおまけをゲヘナに投げつける。それだけだ。
それで……もしその対神秘弾を使う場合、出来ればそいつを撃つんじゃなくて、適当なところにでも投げ捨てて撹乱用にでも使え。そうすりゃ雷帝シンパ同士の内ゲバに見えなくもないだろう」

[83 二次元好きの匿名さん 25/02/11(火) 13:23:16]

成功したらゲヘナとの取引に使えるカードを手に入れた事になる

[84 勅使河原カシノ 25/02/11(火) 20:36:46]

アタッシュケースに詰め込まれた弾薬とマガジンの確認を終わらせ、次にガンケースを開けて中身を確認しながら医官の説明を受ける。

「さて、今回用意した麻酔銃はライフル型が1挺と、拳銃型が2挺になる。どちらも圧縮空気によって電波発信機付きの注射筒を射出する。射程距離はライフル型で70m程、拳銃型は15m程になる。だが有効射程はそれよりもっと短くなると考えておいてくれ」

ガンケースから麻酔銃を取り出し、安全装置の位置や動作手順を確認してから戻して。
次に付属の注射筒を取り出し、保護用プラスチックケースに入ったままのそれを手に取り、注射筒に充填されている薬剤についての説明を促す。

「麻酔銃についてはわかったが、こっちの注射筒には何が入っている？」
「それには筋弛緩剤の塩化スキサメトニウムと、麻酔剤のハロペリドールが入っている。充填されている薬剤はごく少量だが、計算上は十分な時間ターゲットを眠らせてくれるし、ターゲットにこれを撃っても後遺症は残らんようになっている。
その分、薬剤の効果時間は短いが……まあ、2人が無駄に時間を掛けなければいいだけだ。
それと……注射筒の針には返しがついているから、すぐに引き抜かれるなんてことは起こり得ないし、電波発信機もついているから注射筒を撃ち込んだ後にターゲットが逃げ出した時も簡単に追跡できるようになっている」

ずっと持っていてもしょうがないのでケース内に注射筒を戻し、ガンケースを閉じて両方ともユウに持たせ、説明が終わったのを確認してから地下室を出ようとしたところで追加の説明が始まる。
こいつでいいやとドヴォイカ職員に背中を向けさせ、体の部位を指し示しながら撃つときの注意点を伝える。

「ああそうだ、麻酔銃を撃つ時はできる限り筋肉量の多い部位……つまりは臀部と大腿部、上腕部を狙って撃つように。頭を撃つよりもこっちの方が早く良く効いてくるぞ」

何が悲しくて仕事中に医者に体を触られなければいけないのか。そんな空気を漂わせている彼女には何も触れず、取り敢えずは医官の説明を大人しく聞いておく。
どっちにしろ、我々は麻酔銃に関しては素人でしかないのだから、説明無しに使い方を理解なんぞできやしない。
申し訳ないが、麻酔銃の素人である我々の為にも彼女には教材になってもらおう。

[86 二次元好きの匿名さん 25/02/12(水) 08:35:30]

やはり本格的な任務だな

[87 二次元好きの匿名さん 25/02/12(水) 17:09:48]

相手は情報部所属な上、雷帝派の生徒、対神秘弾を所持してる可能性もあるから油断ならない相手になりそう

[88 勅使河原カシノ 25/02/12(水) 22:40:15]

あらかた必要な説明を聞き終え、機材の詰まったケースを2人で分担して持ち、地下室を出てメモを確認してやることは全て済んだか……と思えばまだまだここで足踏みをしなければならない。
足踏みの一環として資料室へ向かい、そこで一見シェオルとは無関係な、キヴォトスの辺境にある無名の学園の生徒に偽装した身分証や書類等と、ある程度の額が用意された現金を受け取り。
次にブラックマーケットで調達された使い捨てにする“消毒済み“のスマートフォンとラップトップにそれらの処分用のテルミット手榴弾数発を受け取って参謀本部での足踏みはここでおしまい。

作戦時に持ち込む武器についてだが、あまりにも巨大すぎる対空ミサイル付きの機関砲はサーベルや銃剣と共にシェオルに置いていき、重機関銃やグレネードランチャー、狙撃銃は分解して麻酔銃入りのガンケースや2人で分配した2種類の弾薬と共にかなり大きめのキャリーケースに収納して隠しておく。
次に有翼騎兵であることを示す全ての装備を外し、シェオルの有翼騎兵であることを示す真紅の制服上下からカッターシャツとブレザーに着替え、長めのキュロットスカートを穿き、その上からインバネスコートを着込んで中折れ帽を被って完璧にスタイルを整え、仕上げに紛失防止の鎖がついたフィンチ型の眼鏡を掛ければ少なくともシェオル生には見えず、どこかよその人間にしか見えない。

身分や外見の偽装が済んだところでドヴォイカが手配した南方橋頭堡行きの車に荷物を押し込んで乗り込み、シェオルの南方で境界線を接する伝統的な友好校(但し表向きには中立を保っているが！)の領内に到着してからはハイランダーの鉄道に乗り換えてワイルドハント領まで移動し、そこから今度は百鬼夜行領へ空路で移動して。
最終的にはミレニアム経由ゲヘナ行きの旅客便に乗り込み、複数回の乗り継ぎや手続きを超えた果てに標的がいるゲヘナ学園の自治区へ足を踏み入れる。

後はゲヘナ内に潜伏しているシェオル諜報員に接触してターゲットの詳細な情報を受け取って拉致を実行するだけになった。
……この作戦が戦局に与える影響はそこまでないだろうが、少なくとも雷帝派に対しての攻撃という点では大きな意義があると見て良いし、雷帝派に対する掣肘が加わるのは確実として、雷帝派における内ゲバの引き金になる可能性だってある。
で、あればこの作戦を実行しない理由はないだろう。

[89 二次元好きの匿名さん 25/02/13(木) 07:48:26]

複数の中継地を介しての移動
工作員の移動手段だな

[91 二次元好きの匿名さん 25/02/13(木) 23:13:47]

がんばれ皆

[92 勅使河原カシノ 25/02/14(金) 03:05:41]

兎にも角にも、紆余曲折を経た末に我々は作戦区域になるゲヘナ学園の自治区に到着したわけだが、まずはターゲットの行動範囲等を知る為にも潜伏しているシェオルの諜報員と接触して最新かつ正確な情報を入手せねばならない。

そして、接触するのに必要な情報は使い捨てのラップトップにデータとして転送されていて、それを閲覧するにはあの少佐から渡されたパンチカード式のキーカードが必要になる。

USBポートに読み取り機を取り付け、そこにキーカードを差し込んで、ラップトップ内のファイルを開けばこの作戦に関与している諜報員2名に関するものや、シェオルが設置した諜報員向けのセーフハウスに支給された使い捨てスマートフォンでの通信時に使う暗号表等、接触時に必要な諸々の情報が載っていた。

「さて、と……どっちから接触を図るべきだろうか？」

「万魔殿情報部に潜入している香宗我部ニナと、救急医学部に潜入している五百木カサネの2人から選ぶのなら、余としてはカサネから先に接触したほうが良いと思うよ。所属的にも結構身辺調査とか頻繁にあるかもしれないだろうし、接触するのは直接じゃなくても良いと思うんだ」

「ふーむ……だが、ニナの方は潜入先から見てもより多くの情報を持っていると見て良いだろうし、ターゲットについてもかなり詳しいはずだ。さっさとこの作戦を終わらせる為にも、ニナから接触してみないか？」

周囲を入念に確認しながら諜報員2人分の情報や資料類を見比べてどちらから先に接触するべきか。それをユウと討論しながらも使い捨てのスマホで通話アプリを開き、キーパッドで電話番号を入力できるようにだけしておく。

接触ダイス:

dice1d2=1 (1)

1.香宗我部ニナ

2.五百木カサネ

[94 勅使河原カシノ 25/02/14(金) 19:28:13]

最終的には香宗我部ニナから接触することになったわけだが、ユウはどうにもニナとの接触に懸念を抱いているらしく、接触は吾1人だけで、という形になった。
虎穴に入らずんば虎子を得ず、作戦目標達成の為にはリスクを承知の上で行動するのも必要だ。

「まあ、カシノ姐が誰と接触するのを決めるのは良いけどさ。その選択がギャンブルのようなものだってことは覚えておいてね。余は今回の件に関しては、本当に危険な時以外は手を貸さないからね？」
「ン、そんぐらい百も承知の上だ。吾が面倒ごとはさっさと終わらせる性質なのはユウならよーく知ってるだろう？」

ニナとの接触に消極的なユウは、そう言い残すと荷物を置くため、シェオルが設置したセーフハウスへと向かう。
どうせだから吾の荷物もユウに預けて身軽になってからニナの電話番号を入力し、顔合わせのために電話でアポを入れる。

「それなら面倒ごとは増やさないで、穏便に済ませてきてね。余は荷物を置きにセーフハウスに行ってるよ」
「……どうせだから、こいつらもセーフハウスに置いてきてくれないか？身軽にしておきたいんだ」
「はいはい、わかりましたよーっと」

幸いなことにニナはすぐに電話の応対をしてくれたので、最初に相手がニナ本人であるかを確かめてから自身の身分と目的を明かし、どこで落ち合うかを決めればアポは完了。
後は取り決めた場所で直接顔合わせをして、情報を貰うだけ。だが、油断はできないし、ニナの同僚や風紀委員情報部に探られる可能性も考慮しておかねばならない。

[95 二次元好きの匿名さん 25/02/15(土) 01:02:53]

難しい…

[96 二次元好きの匿名さん 25/02/15(土) 09:50:01]

別れたか

[97 二次元好きの匿名さん 25/02/15(土) 18:41:57]

何事もないと良いんだが

[99 勅使河原カシノ 25/02/16(日) 04:39:00]

道中で絡んできた破落戸共を叩きのめしつつ、誰からも追跡されていない事を確認し、ニナと落ち合いの場に取り決めた映画館に到着する。
映画館に入ってからはニナが予約した席の隣のチケットを買い、チケットと座席の番号を照らし合わせてから自分の席に座り、ニナが来るのを待つ。
席に着いた頃にはすでに映画は始まっていたが、どうせまともに見もせずすぐに出るのだから、内容を気にしたってしょうがない。

「ご機嫌よう。君がオペレーターの勅使河原カシノか？」

監視や追跡は受けていないが、一応念の為にいつでも戦闘状態に移行できるよう備えつつも、一般客のように振る舞ってニナが来るのを待つ。
暫しスクリーン上の物語が進行したところで左隣の席に万魔殿の制服を着込んだ生徒が1人やってきて席に腰掛け、目線をスクリーンに向けたままに隣に座っているデカブツが目当ての人物かどうかを尋ねてくる。

「ああ、その通りだ。そう言う貴公は香宗我部ニナで間違いないな？」
「そりゃ勿論、私は香宗我部ニナ本人さ。それと先に行っておくが、私は今のところ追跡や監視は受けていない。上映中の間は安心して悪巧みができるぞ」
「そうでないと困るよ。ところで、頼んでいたターゲット……小谷口ミユキについての情報だが、それは持っているか？」

シェオルの身分証を見せてお目当ての人物である事を示しつつ、香宗我部ニナ本人である事を確認して問題はなし。
ド派手なカーチェイスシーンのおかげで他の客に聞かれる事なく話をできるので、この機を逃す事なくニナからターゲットの情報が記載された資料の入った大判の封筒を受け取り、ちょっとした助言と共に受け取ったそれを肩掛け鞄に押し込んで目的は概ね達成した。

「勿論、ターゲットに関する最新かつ詳細な情報類はこの封筒の中に入っている。
それと先に言っておくが、この作戦に関して私はあまり君達に関与できない。他にも探る情報はあるし、目をつけられないようにしておく必要がある。
……だが、ちょっとした便宜くらいなら図ってやれる。できるだけ上手く立ち回ってくれよ。それじゃ、私はもう行くとするよ。祭壇と炉の為に！」

やることが済んだ以上、お互いにほとんど用は無くなったので会合も解散となり、先にニナが映画館を出て、その数分後に追跡を警戒しながら映画館を出て、ユウがいるセーフハウスへ移動する。

[100 二次元好きの匿名さん 25/02/16(日) 12:43:54]

何事もなく情報ゲットだ

[101 二次元好きの匿名さん 25/02/16(日) 20:50:28]

セーフハウスでの合流か

[102 二次元好きの匿名さん 25/02/17(月) 01:01:43]

快適だと良いな、セーフハウス

[104 二次元好きの匿名さん 25/02/17(月) 16:46:29]

内通者と無事接触できたか

[105 勅使河原カシノ 25/02/17(月) 23:48:06]

ひとまず追跡を受けることもなくセーフハウスに到着し、ユウが仕掛けたであろうワイヤー式のトラップを解除して中へ入り、そこから数秒もしないうちに二の矢による手厚い歓迎を受ける。

「クソ、恨むぞユウ……」
「わーお。まさかカシノ姐が引っかかるなんて……」
「あー……注意する前に来ちゃったかー……」

扉には安全ピンがワイヤーで繋がれた手榴弾の他に、ドアの開閉に連動して除去される玄関マットの下に隠す形でプラスチック製のブロック玩具が対人地雷よろしく散布されていた。
そして、それを靴下越しとはいえど勢いよく踏み抜いてしまったわけだ。
当然ながら玩具に偽装した対人地雷として悪名高きそのブロック玩具は威力を発揮し、痛みで床にのたうち回る羽目になった。

なんとか痛みから復帰した後、ブロック玩具を踏み抜いた足を氷嚢で冷やしながらニナの入手した情報をユウと、いつの間にかユウと一緒にいたカサネと共に確認しながらターゲットの拉致作戦を組み立てていく。

「何故ユウがカサネと一緒にいるのかは放っておくが、肝心の情報は安全に手に入った。早速奴の拉致計画を立てようじゃないか」
「……ひとまず、ターゲットは資料を見るにゲヘナ自治区でもあまり治安が良くないところにある、ペーパーカンパニーを経由して購入した倉庫でお仲間とつるんでいるみたいだね。木を隠すなら森の中ってやつかな」
「その倉庫までの移動ルートは固定化されているみたいだから、多分情報部に嗅ぎつけられずなかったのをいいことに油断してるみたい。そこを狙えば簡単に拉致できるかも。
護衛は一応いるけど、ほんの少ししかいないから途中で足止めをさせて護衛を無力化してからターゲットの拉致、の流れでも大丈夫だと思うよ」
「拉致の際は拘束したターゲットを移送するための車も必要になるな……カサネ、どうにかできるか？」
「できるよ。それに私の潜入先は救急医学部だから、万魔殿や風紀委員よりは余裕もあるし」
「それじゃ車両と諸々の手配は頼んだ」

ニナが集めた情報は非常に詳細であり、これだけで十分に拉致作戦の中身を煮詰めることができる程にはありがたいものであった。
潜入先に怪しまれないよう、程々に万魔殿情報部の仕事をしながらこれほどまでに詳細な情報を集めてくる執念に舌を巻きつつ、ターゲットの行動範囲やルートが記された地図に作戦の流れを書き加えていく。

[106 二次元好きの匿名さん 25/02/18(火) 08:44:06]

まさかの非爆薬内蔵地雷を踏むとは

[107 二次元好きの匿名さん 25/02/18(火) 17:14:57]

これは痛い
隠密で入ってきた敵に踏ませてのたうち回れせてグレネードの連鎖かな?

[108 二次元好きの匿名さん 25/02/18(火) 23:28:29]

想像できる痛さなのが嫌だ…

[109 二次元好きの匿名さん 25/02/19(水) 07:52:58]

完全にマキビシの類だな

[110 勅使河原カシノ 25/02/19(水) 16:00:38]

「……さて、ターゲットの小谷口ミユキは護衛4人と共に君らが待ち伏せている通りを車で通過する手筈となっている。できる限り早く済ませろ、こっちのできることにも限界はある。そうなればもうどうしようにもできん」

プランも立て終わり、ニナがジャックした監視カメラ越しに状況の推移を報告し、ユウと2人でターゲットを前後から挟撃する形になるよう待ち伏せている。
そこへ一台の目立たない小型の乗用車が馬鹿正直に取り締まりのないこの通りで交通規則を守ってゆっくりとカーブして通りへ入ってくる。
……それが命取りになるとも知らず、情報部の人間らしくない怠慢をしでかしているターゲットは呑気に司令官気取りで乗用車の後部座席で護衛に挟まれながらゆったりと腰掛けている。

「ユウ、あと少し引き付けたらあの車を止めてターゲットを抑える。プランは頭に叩き込んであるな？」
「勿論、準備は万端。パパッと仕事を終わらせて悠々と凱旋しよっか」

少なくともゲヘナからは監視や尾行を受けていないのを良いことに、安全運転でのんびりしている一行は、突然前から出てきて小銃を撃ってくるユウによって一度は足を止めたが、すぐさま引き返そうとフロントをユウに向け、後進を始める。
そこに後ろからも銃撃を受けたとなれば、身動きが取れなくなった一行は逃げ出す為に車から飛び出て応戦を始める。

「報告する。今のところ風紀委員に通報は届いていない。おそらくは身内のはずの風紀委員にバレたくないんだろう。だが、油断はするな。最悪の場合、自分達の計画が露呈するリスクを負ってでも通報する可能性はある。手早く終わらせろよ」

ターゲットの離脱援護担当と殿担当の二手に別れた護衛が我々の頭を抑え込むべく制圧射撃をしてくるが、それを有翼騎兵として鍛えられたクソ度胸で無視し、頭や胴体といったバイタルパートを狙っての点射で殿を乱雑に無力化し、その間に路地へと逃げ込んだターゲットと護衛2名を追いかける。

[111 二次元好きの匿名さん 25/02/19(水) 22:50:11]

いいぞいいぞ

[112 二次元好きの匿名さん 25/02/20(木) 07:33:30]

順調だな

[113 二次元好きの匿名さん 25/02/20(木) 16:27:02]

ひとまずは順調か

[114 勅使河原カシノ 25/02/21(金) 00:00:31]

「ターゲットは路地に逃げ込んだ、と。その先は入り組んでいる上にカメラも置かれていない。今後はカサネのサポートに専念するよ」

ターゲットが路地へ逃げ込んでしまった以上、監視カメラを使ったニナのサポートは受けられなくなる。

そして、逃げる側は拳銃や短機関銃を片手で乱射しながら適当な物を転がしたり倒したりして精一杯の嫌がらせをしながら何とか逃げ切らんと路地を走る。

「麻酔銃は撃てそう？」

「無理！どっちも射程範囲外だ！今はとにかく追うしかないぞ！」

ユウの方は拳銃型の麻酔銃を懐から抜こうとしているが、それを止め、ターゲットの追跡に専念させる。

……もしターゲットに逃げられてしまえば、作戦は失敗になる。それは避けた方が良いし、政治的な問題になるかはともかく、これをきっかけにゲヘナ側の警戒が強まってシェオルの諜報員が動きにくくなるかもしれない。

同胞に面倒をかけない為にも、何とか奴の身柄を抑えなくては。

追跡ダイス:

(カシノ)dice1d4=3 (3)

(ユウ)dice1d3=3 (3)

ダイス結果換算表:

1.追跡中　2.護衛排除(1名)

3.麻酔銃の射程内(拳銃型)　4.麻酔銃の射程内(ライフル型/カシノのみ)

[115 二次元好きの匿名さん 25/02/21(金) 07:31:37]

３だ、仲良いな

[116 二次元好きの匿名さん 25/02/21(金) 15:00:01]

お揃いだねぇ

[117 勅使河原カシノ 25/02/21(金) 22:32:49]

投げつけられた猫避けの水入りペットボトルを払い除け、時間稼ぎに倒された雑具置きの棚を飛び越え、勢いよく角を曲がって……と、そんな具合に路地での追いかけっこをしていた我々だが、遂にターゲットの背中を麻酔銃の射程範囲に収めた。

合図なしに拳銃型の麻酔銃を懐から抜き、全速で走っている影響から酷くぶれる照準器にターゲットのシルエットを重ね、同時に薬剤入りのダーツを放つ。

射撃ダイス:(左がカシノ、右がユウ)

dice2d2=1 2 (3)

ダイス結果換算表:

1.命中(dice1d3=2 (2) /1.小谷口ミユキ　2.護衛A　3.護衛B)

2.外れ

[118 二次元好きの匿名さん 25/02/22(土) 07:40:33]

護衛を一人やったぞ

[119 二次元好きの匿名さん 25/02/22(土) 16:57:35]

ターゲットには当たらなかったか

[120 勅使河原カシノ 25/02/22(土) 23:49:30]

「うぐっ！」

「クソ、要らんオマケに無駄なダーツを使ったか」

「無駄なオマケでも敵に当たる方が、外れるよりはずっといいよ」

「ミユキさん……後で合流します……」

ダーツを放った結果だが、我々が何かを打ち出したのに気づいた無駄なオマケことターゲットの護衛1人に命中した。

アドレナリン自己注射薬の注射器のように太くて長い針が太腿に刺さり、更には命中の衝撃で投与された即効性の筋弛緩剤が効果を発揮し、不運にも、あるいは職分を果たした彼女は配管にもたれかかり、追いかけっこから離脱する。

なおユウが放ったダーツは室外機の上に放置された殺虫剤のボトルに命中していたが……深く刺さったアレを引き抜くのは面倒だろうな。

まあ、何はともあれ追いかけっこはまだまだ続くというわけだ。

「追跡しながら再装填を急げ！時間は無駄にできんぞ！」

「はいはいわーってます！」

ターゲットと残り1人になった護衛は手持ちの銃火器を撃ち、何とか怯ませようとしてくるが、全力で走りながら撃っている以上、それは掠りもしない。

当たることはそうそうないと別れば、悠々と反撃もせず麻酔銃の再装填ができるというものだ。

追跡ダイス:

(カシノ)dice1d5=4 (4)

(ユウ)dice1d4=1 (1)

ダイス結果換算表:

1.追跡中　2.護衛排除　3.身柄確保

4.麻酔銃の射程内(拳銃型)　5.麻酔銃の射程内(ライフル型)

[121 二次元好きの匿名さん 25/02/23(日) 09:15:02]

ユウが走った

[122 勅使河原カシノ 25/02/23(日) 18:28:33]

牽制射撃が腕に着弾したユウは再装填中だったダーツを取り落とさないようにすることを優先した影響か、麻酔銃の射程範囲外まで垂れ下がっていった。

「……吾だけでチャンスを独り占めできるとは。妹からの多大なご配慮に感謝するよ」

落伍気味ながらも再装填を済ませたユウを一瞥し、いまだ射程範囲内に収まっているターゲットのシルエットを再び照準器と重ね合わせて引き金を引く。

射撃ダイス:

dice1d2=2 (2)

ダイス結果換算表:

1.命中(dice1d2=2 (2) /1.小谷口ミユキ　2.護衛B)

2.外れ

[123 二次元好きの匿名さん 25/02/23(日) 21:06:15]

残念、外れだ

[124 二次元好きの匿名さん 25/02/24(月) 04:19:48]

振るわんな

[125 二次元好きの匿名さん 25/02/24(月) 13:01:04]

惜しい

[126 二次元好きの匿名さん 25/02/24(月) 20:32:00]

どうなるかなぁ

[128 勅使河原カシノ 25/02/25(火) 00:25:53]

「あっちゃ〜……カシノ姐も外したかぁ……」
「次が最後のチャンスだと思うしかないな。全く、悪運が非常に強いやつだこと！」

次弾を外し、ダーツが何かに当たることもなく明後日の方向へヨタヨタと飛んでゆくのを確認し、残りわずかとなったダーツを再装填しつつ、ターゲットを追い続ける。


その途中からニナがカメラから我々の動きを確認できるようになったのか、カサネと我々の指揮を執り始める。

「あー、聞こえているか？そっちの位置を確認できた。今はカサネが手配したバンを君達が追っているターゲットを出し抜ける位置にナビゲート中だ。うまいことカサネと連携して、やつの身柄を抑えろ！」

カサネがどれほどやれるのかはわからないが、シェオルの諜報員であるのだから、ある程度の能力があると見て良いだろう。少なくとも、そこらの新品ヒラ風紀委員よりはうまくやってくれるだろうさ。

行動ダイス(カサネ):

dice1d5=1 (1)

ダイス結果換算表:

1.(意図的な)人身事故　2.ターゲットの挟撃

3.ターゲット及び護衛の制圧　4.乱戦に突入　5.追跡に参加

追跡ダイス:

(カシノ)dice1d5=3 (3)

(ユウ)dice1d4=3 (3)


ダイス結果換算表:

1.追跡中　2.護衛排除　3.身柄確保

4.麻酔銃の射程内(拳銃型)　5.麻酔銃の射程内(ライフル型)

[129 二次元好きの匿名さん 25/02/25(火) 09:55:58]

確保か

[130 二次元好きの匿名さん 25/02/25(火) 17:08:24]

やったぜ
…事故？

[131 二次元好きの匿名さん 25/02/25(火) 19:06:30]

気絶させたか？

[132 二次元好きの匿名さん 25/02/25(火) 23:57:22]

何か起こったのかな

[133 二次元好きの匿名さん 25/02/26(水) 08:05:12]

意図的な人身事故...どっちが仕組んだんだ?

[134 勅使河原カシノ 25/02/26(水) 15:24:46]

追いかけっこも終盤に入り、ゴールと言っても良いかもしれない通りが見えてきたのを良いことに、ターゲットは走る速度を上げて我々を振り切ろうとした。

「カサネ、アクセルを踏み込め！ここで抑えるぞ！」
「いつからうちは救護騎士団みたいな真似をするようになったのやら」

……が、通りに少しばかり踏み入れたところで一台のバンに2人仲良く跳ね飛ばされる。
ニナの指示に従ったカサネが運転するバンによってかなりのスピードで横から突っ込まれた2人はボンネットとフロントガラスの上を転がり、ルーフを滑り落ちてアスファルトの地面に叩きつけられる。

「うへっ……痛そうだねぇ……」
「だが、自分のしでかしたことのツケが分割で返済され始めたとも言えよう。同情は不要だ、薬剤を打ち込んでさっさとここを離れるぞ」

痛みに悶えて路上に転がる2人のうち、護衛に数発銃弾を撃ち込んで無力化し、ターゲットである小谷口ミユキ本人には太腿に麻酔銃の銃口を押し当ててダーツを打ち込む。
事前に猿轡を噛ませておいたので悲鳴は響かなかったものの、太く長い針を勢いよく刺されたものだから、痛みから逃れようともがきだす。
が、それも即効性の筋弛緩剤によって弱められていき、ゆっくりとおとなしくなっていく。

「ターゲットは抑えたか？抑えたのなら、カサネのバンに乗って早くそこを離脱しろ」
「悪いが少しばかりやることができた、後で合流する」
「……わかった、カメラで君達の周囲を警戒しておく」
「すまんね、助かる」

抵抗もまともにできず、ただおとなしく縛られるだけの存在となったターゲットに耳栓とアイマスクをつけさせ、目と耳を塞いでからバンに押し込み、先に離脱させる。
その間にニナのサポートを受けつつ、麻酔銃から放たれたダーツの回収と、敵が使っていた装備類の軽い見聞を始める。

[135 二次元好きの匿名さん 25/02/26(水) 23:52:09]

あなたのそのー
ゆめーのーなーーかーー

[136 二次元好きの匿名さん 25/02/27(木) 08:25:29]

拉致には成功か
何か仕込んでないか心配だったが弛緩剤で無力化成功だな

[137 二次元好きの匿名さん 25/02/27(木) 17:45:57]

装備類か、護衛に付いてたしあの弾薬支給されてたりしそう

[138 二次元好きの匿名さん 25/02/28(金) 00:29:14]

何が出るかな

[139 勅使河原ユウ 25/02/28(金) 02:44:40]

カシノ姐から装備の見聞をするように命令され、それに従って無力化した敵の懐を漁っていた所、どうにも表現し難い雰囲気を放つ銃弾の込められた弾倉を見つけ、拳銃用と短機関銃用の二種を回収してカシノ姐を呼ぶ。

「……カシノ姐！ちょっと見て欲しいものがあるから来て！」
「なんだ？ダーツの回収は終わったからいいものの、それがしょうもないものだったら容赦はしないぞ」

何となくそれが対神秘弾とやらに似ているようにも思え、作戦前に渡された赤いテープの巻かれた弾倉を取り出し、中から一発だけ弾を取り出す。
取り出した弾と、回収した弾倉の中の弾薬を渋々と言った態度で寄ってきたカシノ姐に見せてみれば、その二つを見比べて何かを理解したからか、一気に態度を変え始める。

「ユウ、それは敵が使っていた弾だろう？それがどうしたって…………」
「続けて？」
「……どうも奴らは随分と大層なものを使ってらっしゃることで……」

回収した4.6×30mm弾と9×19mm弾、そして事前に支給された5.56×45mm弾。現状でこの3つの弾薬にある共通点は、どれも先端が青みがかった金属光沢を放っていることで。
少なくとも、普通の銃弾に塗られている弾種表示用の塗料ではないその青色は、敵が明確に対神秘弾を使っていたことを示す証拠となる。
……とは言っても、これはもう少し肝心な所で使うと思っていたのだけれど、それがここで覆されるとは予想していなかったし、どうやったらできるのやら。

「まさか、ターゲットとそのお仲間が対神秘弾を持ち出すとか、予想できてた？」
「……いいや？てっきり別の所で使うものかと思ってたが……」
「少なくとも、ターゲットが与していたところは、数種類の対神秘弾を護衛にも大量に持たせられるくらいには、備蓄量に余裕があると見たほうがいいよ」

……ひとまず、このことは上に報告しておいて損はない。そう判断し、敵から押収した対神秘弾の弾倉を一箇所に集め、中の弾薬を一発ずつ抜き出してから両者を写真に収める。

[140 二次元好きの匿名さん 25/02/28(金) 09:59:06]

かなりヤバイな？

[141 二次元好きの匿名さん 25/02/28(金) 18:34:21]

あれただポッケナイナイにしたにしては多いな?
思ったよりもバックがありそうだぞ

[142 勅使河原カシノ 25/02/28(金) 18:34:23]

「……ニナ、周囲の状況はどうなってる？」

とんでもない厄ネタを掴んでしまった以上、頭を抱えたくなりはするが、今は作戦中である以上、精神を落ち着けてこのとんでもない作戦を果たさねばならない。
眉間を揉みつつ、フラッシュを焚いて押収品の対神秘弾を写真に収めるユウを放っておいて、ニナに周囲の状況を聞く。

「今のところ、風紀委員は目立った動きを見せていないが、どうやら美食研究会の起こした騒動に注目が向いているらしいな。戦時中も講和交渉中も、変わらずゲヘナは平常運転。慌てているのは風紀委員会と万魔殿だけだ」
「それはそれは……随分とんでもないところに送り込まれたものだ……」
「ゲヘナへようこそ、有翼騎兵さん」

ニナ曰く、どうやらゲヘナは今日も元気に平常運転らしく。
とんでもないところに送り込まれたものだと思いつつも、ひとまず現状は風紀委員に指名手配を食らっているわけでないことはわかったのでよしとしよう。

「……見聞おーわり！カシノ姐、早く撤退するよ！」

ダーツの回収はとうの昔に終わったし、ユウに任せていた装備品の見聞も終わった以上、ここに留まる理由もないからさっさとカサネのバンで離脱するとしよう。

「待たせてすまんな、もう用は済んだ。早く車を出してくれ！」
「了解。行き先はシェオル領内、でしょ？」
「その通り。ルート選択は任せた、うまくやれよ」

バンに飛び乗り、麻酔薬が効果を発揮してぐっすり寝息を立てるターゲットをよそに、カサネの運転でバンは動き出す。
……ひとまず、作戦は成功した。後はターゲットと諜報員の入手した情報、それからユウが撮影した写真を上に届けなくては。

[143 二次元好きの匿名さん 25/02/28(金) 23:56:36]

かなりヤバそう

[144 二次元好きの匿名さん 25/03/01(土) 08:20:34]

やばい組織を知ってしまった…

[145 二次元好きの匿名さん 25/03/01(土) 17:23:39]

これ無事で済むかな

[146 勅使河原カシノ 25/03/01(土) 23:27:28]

行きとは別のルートで作戦区域から離れ、ゲヘナ航空倶楽部の管理下にある飛行場で中型輸送機に乗り込み、真っ直ぐにシェオル南方の中立校へ飛び。そこの自治区内に設置されたシェオル外務委員会の出張所でドヴォイカへ連絡を入れ、陸路でシェオルへ帰還するようにと命令を受ける。

行きと同じように陸路でシェオルへ戻ることになったわけだが、行きはともかくとして今回はゲヘナから拉致してきたお荷物を抱えている上、それは他人に見られてしまうとかなりまずいものであるから、必然的に陸路＝自動車での移動ということになる。
それに加えて、越境時は検問所を通るか、あるいは非合法なルートを使うかの二択が選べるわけだが、今回に限っては指定された検問所を通れとのお達しである。

「……ここの上層部とは話がついていると言うが、それを信じて良いものなのか……？」
「侵攻を受けてシェオルの部隊が南方へ撤退した時、ここは重装備の接収だけして他の学園への移動を許してくれたんだし、信用してもいいんじゃないかな？」

……連絡を入れた時、ここ─エーレトファ馬事学苑─の上層部とは話をつけてあるとは言われたものの、それを馬鹿正直に鵜呑みにして真正面から車で越境を試みるべきか。
少し考えを巡らせ、最終的にユウの一押しと上層部からの通達を信じ、陸路で指定された検問所を通っての越境を試みることにする。

「……まあいいさ、なんとかなるはずだ。車を調達して、何事もないように越境してシェオルへ帰るだけ。楽な仕事のはずだ」

[147 二次元好きの匿名さん 25/03/02(日) 08:33:56]

不安だなぁ

[148 二次元好きの匿名さん 25/03/02(日) 17:07:07]

楽だと思ってるとなんか来るんだよ
いや来なくていいんだけど

[149 二次元好きの匿名さん 25/03/02(日) 23:58:57]

帰るだけで問題は起きないでしょう

[150 二次元好きの匿名さん 25/03/03(月) 08:30:48]

検問に引っ掛かるか別の問題が起きるか無事に通れるか

[151 二次元好きの匿名さん 25/03/03(月) 17:16:36]

保守

[152 二次元好きの匿名さん 25/03/03(月) 23:56:07]

車が変なのだったくらいで済みますように

[153 勅使河原カシノ 25/03/04(火) 00:35:47]

車についてはカサネが運転していたものとは別タイプのバンを入手することができたので、ひとまず移動手段についての問題は解決された。
これで移動手段は確保できたので、耳栓やアイマスク、猿轡を装着させたフル装備状態で拘束したターゲットをガソリンの入ったジェリカンや結局使わなかった重機関銃や狙撃銃を分解して隠したキャリーケース等と共に荷台へ押し込み、いざ出発。



……道中は特に問題もなく、無事にシェオル＝エーレトファの境界線近くに設けられた検問所に到着した。
もちろん、指定された通りの場所である。
そこでは書類の提示を求められることもなく、シェオル生であるかどうかの確認だけがされ、そこから少しばかり車内で待つことになった。

「……なぜ我々がシェオル生であることだけを確認したのやら……」
「もしかしたら面倒くさい高度な政治的案件とか？」
「それの可能性が大きいかもしれん。あそこの建屋からなんか偉そうなやつが出てきたろ？」
「うげっ……本当じゃん……」

とりあえずは大人しく待機しつつ、ユウと2人で駄弁っていたわけだが、ふと外に視線を向けてみれば、検問所の建屋からそこで待機していたであろう“レヴェンテ“のホンヴェードが2人と、紺の布地に明るめの藍色で刺繍がされた袖口の広いジャケットの上から、黒をベースにバラを形どった赤や緑の鮮やかな刺繍と金糸の飾り縫いが入った豪奢な外套を羽織ったおそらくはエーレトファでもかなり位の高い役職に就いているであろう人物が車の側に近寄ってくる。
そして、件の人物は開けておいた窓から我々へとそう話しかけてくる。

「少し失礼しますね、有翼騎兵さん。シェオルまでご一緒しても宜しくて？」
「……どうぞ、こちらにお掛けください」

我々の身元は確実にバレているだろうが、恐らくはシェオルの上層部と何かしら関係があるお偉いさんだろうから丁重な応対を心掛けることにし、ユウと替わるように助手席へ座るように促す。
それに従い、助手席側のドアをレヴェンテの片割れに開けてもらった彼女はゆったりと席に腰掛け、バンに乗り込まなかった2人を検問所の方へ向かわせる。

[154 二次元好きの匿名さん 25/03/04(火) 09:58:09]

お偉いさんだ
気が重い

[155 二次元好きの匿名さん 25/03/04(火) 10:02:25]

どうなるか

[156 二次元好きの匿名さん 25/03/04(火) 18:44:12]

かなりの高官が検問所に…嫌な予感がしてきた

[157 二次元好きの匿名さん 25/03/05(水) 02:03:26]

保守

[158 二次元好きの匿名さん 25/03/05(水) 10:22:30]

現場のつらみ

[159 二次元好きの匿名さん 25/03/05(水) 19:50:38]

まだ悪いことが起きると決まったわけじゃないし…

[160 二次元好きの匿名さん 25/03/06(木) 00:43:48]

保守

[161 勅使河原カシノ 25/03/06(木) 05:04:29]

乗り込まなかった2人が、検問所警備のホンヴェードと少しの間話を交わすと、これまで閉じていたゲートが開く。それに伴って警備担当は我々に対して早く通れと言わんばかりにジェスチャーで促してくるので、それに従って検問所と境界線を越える。

「……それで、なぜ貴方のような位の高いお方がここのような辺鄙なところまで出向いていらっしゃるのですか？」
「ふむ……シェオル上層部と擦り合わせておきたいことがある、それだけでは不十分かしら？」
「ええ、シェオル上層部と貴方との間で会談があるのでしたら、わざわざここで我々との合流を待つ必要はなかったでしょう。何なら、誰か信頼できる人物に書面を持たせて行かせたり、あるいは外務部経由で話をつけておくことだってできたはずです」
「ふむ……貴女の意見も一理ありますが、それ以上に私のシェオル派遣は本命の前座でもあるのです。聞きたいですか？」
「いえ、遠慮しておきます」

面倒な手続きは一切無くスムーズに越境している間、彼女がこんなとこまで出向いて我々と合流した理由を聞き出そうとしてみたはいいものの、その答えはどうにも下っ端が聞いてはいけない気がするのでここで詮索は止めておくことにする。

「有翼騎兵さん、貴女は賢明なお方ですね」
「面倒ごとはお偉いさんに投げつけるのが一番効率的でしょう？」
「……ですが、貴女にも否応なしに関わってもらいますよ」
「へ？」

……とは言っても、面倒ごとというものは自分から出向いてくることだってあるものだ。
それこそ、今のような感じでな。

「現在エーレトファはシェオルに対する物資の援助や義勇軍の派遣を検討しています」
「……で、そこに対価も要求するのか？」
「ええ。エーレトファが要求するのは、シェオル製の暗号機および暗号解読機の供給と、暗号戦要員の教育。それから貴女方の使ってらっしゃる軍用弾の製造権と製造機材です」
「成程ね……だがその取引は少々釣り合っていないようにも見えるぞ」

彼女から聞かされたものは、良くも悪くもかなり衝撃的な情報。
エーレトファがシェオルにとって昔っからの姉妹とも言えるくらいに関係の深い隣人にして友好校といえど、暗号関連はともかく軍用弾などというちっぽけなものを求めて危ない橋を渡ろうとは。このプランを書いた人物はかなり博打が好きなんだろうな。そうでもなきゃ、こんなのを打ち上げたりはしない。

[162 二次元好きの匿名さん 25/03/06(木) 11:48:29]

無関係でいられなかったわ

[163 二次元好きの匿名さん 25/03/06(木) 20:11:38]

何かきな臭いな

[164 二次元好きの匿名さん 25/03/07(金) 00:08:55]

まだ隠してることが？

[165 二次元好きの匿名さん 25/03/07(金) 08:31:35]

弾薬程度でここまで…

[166 二次元好きの匿名さん 25/03/07(金) 17:02:22]

弾のためだけにやったんだとしたらそれはそれで世知辛い

[167 勅使河原カシノ 25/03/08(土) 00:22:36]

正直に言って、この取引に釣り合いが取れているようにも思えない。うちの暗号技術はともかくとして、軍用弾はそこまでする価値はないはずだし、同じ弾ならゲヘナのクソ雷帝が作ったあのクソのがなんぼか価値は高いはずだ。
1人のシェオル生としてはそんな考えしか浮かばないが、エーレトファは事情が違うのだろう。

「いいえ、これは十分に釣り合いの取れる取引となるでしょう。暗号技術も、シェオル軍用弾の製造権も、エーレトファからしてみればどちらも喉から手が出るほどに必要なものですから」
「だが軍用弾の製造権なんて手に入れてどうするつもりだ？あれ程度にはゲヘナのクソ雷帝が作り上げたクソほどの価値はない。その程度のものに、ここまでのリスクをかける必要はないはずだろう」
「……我々にとっては、一般に流通している弾薬よりも強力で、尚且つ低致死性のシェオル軍用弾の方が、ゲヘナの対神秘弾よりも価値が高いのです。
現状エーレトファはレヴェンテが有する装備の刷新をする上で、従来よりも優れたものを持つ必要が出てきています。それには、貴女方シェオルが持つ種々の技術を導入することが重要となる。そう判断したまでです。
それに、ゲヘナからそのようなものを手に入れたところで、サンクトゥムからの横槍が入ってくるでしょう」

実際、助手席の彼女が語ったエーレトファからの軍用弾に対する評価は使用者である我々シェオルからの評価とはまた違うものであった。
……まあ、確かにシェオル軍用弾は一般に広く出回ってるのに比べれば強力で、数発撃ち込んでやれば大抵の敵は無力化できるが、そのメリットと引き換えに発砲炎と反動、それから機関部と銃身への負担増大のようなデメリットだってある。
それに何よりも、専用の配合がされた高速度工具鋼の弾芯を、鉛と薄い銅のジャケットで覆った構造であるが故に製造コストが他の弾薬よりも高くなるのは一番大きなデメリットであろう。
こんな複雑極まりない上に値段の高い弾薬は金満なトリニティか、上流階級が軒並み私財を投げ打つくらいには軍備を重んじるシェオルでもなきゃまともに運用できやしない。他は予算が足りないか、或いはそこまでする理由もないかのどっちかだろう。
ただ、それらデメリットを理解した上でなお、エーレトファはこの弾を欲しがる理由があるらしい。

[168 二次元好きの匿名さん 25/03/08(土) 08:10:55]

シュオル軍用弾は他の銃弾と比べると強装弾＋徹甲弾なのか
シュオルのは単純な威力が高い故に致死性は低く、雷帝のは対神秘用に作られてるからか威力は高いが致死性も高いのかな?

[169 二次元好きの匿名さん 25/03/08(土) 16:34:05]

何があるのか

[170 二次元好きの匿名さん 25/03/09(日) 00:16:18]

保守

[171 二次元好きの匿名さん 25/03/09(日) 09:39:47]

ブルジョワな弾だ

[172 二次元好きの匿名さん 25/03/09(日) 18:33:19]

絶対面倒なやつ

[173 勅使河原カシノ 25/03/09(日) 23:34:43]

道を間違えないよう、カーナビを見ながら慎重にハンドルを握り、最低限の舗装はされている道を進む。
その間中、話が止まることはなく、軍用弾に関するものから義勇軍に関するものへと話題が移り変わる。
……ただ、義勇軍とは銘打っているが、向こうは暗号技術と軍用弾を求めている以上、実際にはエーレトファの正規軍、レヴェンテとそう変わらないものにはなるだろう。
まあ、我々からすれば戦力が増えるだけありがたいから、あくまでも有志による義勇兵でしかないと言い続けるのは間違いない。

「……まあ、軍用弾の性能は保証できる。だが、その引き換えとして義勇軍を派遣するとは、随分物騒じゃないか？」
「装備の更新や新たな技術・戦術の導入だけで軍隊が強くなることはありません。軍と軍を構成する兵士と将校がしっかり育っていなければ、張子の虎でしかない。そのことは貴女方もよく理解しているでしょう？」
「で、ピカピカの装備に身を包んだレヴェンテを張子の虎ではなくする為に義勇軍を送り込んでフィードバックを得る、と？」
「ええ、その通りです」
「……現状、エーレトファから派遣可能な義勇軍の規模はそこまで大きくできませんが、レヴェンテの現役兵員から抽出した数個中隊を基幹とすることは既定路線となっています」

実際のところ、学園間で真正面からの正規戦なんてやっているのはうちとマゴニア、ゲヘナくらいなものだから、そういった戦訓やデータを得るのには丁度良いのだろう。
キヴォトスでも数少ない真正の正規戦が始まった以上、遅かれ早かれデータや戦訓収集の為に観戦武官や義勇軍と銘打った事実上の正規軍が双方へ送られたっておかしくはない。
そう考えれば、むしろエーレトファの行動は真っ当なものとも言えるだろう。

[174 二次元好きの匿名さん 25/03/10(月) 07:50:48]

数個中隊…データ収集にはちょうどいいくらいか

[175 二次元好きの匿名さん 25/03/10(月) 16:50:24]

大丈夫だろうか

[176 二次元好きの匿名さん 25/03/10(月) 23:54:28]

私情じゃなかったのね

[177 二次元好きの匿名さん 25/03/11(火) 07:31:27]

事情は分かった

[178 勅使河原カシノ 25/03/11(火) 15:36:42]

「それでは、またどこかで会いましょう。有翼騎兵さん」

暫しの旅路を共にしたエーレトファからの使者を本校まで送り届け、ドヴォイカへターゲットを配送して任務を終わらせて。
届けるものはあらかた届け終えたのでもうやることはないだろうと少しばかり気を緩めていたのはいいものの、帰還翌日にシェオルのスパイマスターことあの槍騎兵少佐から呼び出される。

「よく無事に戻ってきてくれたな、2人共。君達には今後の作戦にも関与してほしいところだが、それは君達がシェオルへ招待してくれた情報源が全てを歌うのを待つとしよう」

仕方がないからドヴォイカまで出向き、嬉しくもない労いの言葉を貰いつつ、面倒臭い案件であろう本題に入るのを待つ。

「さて、君達が無事にここまで案内してくれたエーレトファの使者との協議の結果、我々は暗号技術の提供と軍用弾の製造権提供を引き換えに義勇軍の派遣と物資の援助を得ることに成功した。詳細は後日詰めることになるが、概ねはこの条件に則ったものになるだろう」

……ひとまず、我々の側は実質的にエーレトファが協力することになったのは良しとしよう。
暗号技術と軍用弾の製造権提供だけである程度まとまった数の戦力を追加できるなら、うちの上層部は喜んで受け入れるだろう。
暗号技術に関してはかつて他校に対して行った機材供与・技術教育の時と同じく一世代前のものになるかもしれないだろうが、それでもエーレトファからしてみれば垂涎ものなのだろう。
まあ与えられたものが最新のであろうと一世代前のものであろうと、どっちにしろゲヘナやレッドウィンターの情報セキュリティを全部ひっぺがせるのには変わらない。

「それで……次の任務についてだが、それは情報源からの情報が精査出来次第となる。それまでは使者の護衛を行い、護衛が終了次第ゲヘナ領にて他のドヴォイカ職員と協働で諜報活動を行うように」

貧乏暇なしとはこのことかだろうか、任務の次にまた任務があるぞと告げられる。
とはいっても今度のに関しては使者の護衛からとなるので、少しはゆっくりできるだろう。
……ひとまずは、ここを離れて使者と合流をするとしよう。あの胡散臭いスパイマスターと一緒の部屋に長く居たいわけではないし。

[179 二次元好きの匿名さん 25/03/11(火) 15:36:58]

巻き込まれる方にはたまったもんじゃないな

[180 二次元好きの匿名さん 25/03/11(火) 23:37:08]

もうちょっとゆっくりしない？だめ？

[181 二次元好きの匿名さん 25/03/12(水) 07:45:41]

義勇軍の使い所が少し気になる

[182 二次元好きの匿名さん 25/03/12(水) 16:41:03]

保守

[184 二次元好きの匿名さん 25/03/13(木) 09:43:30]

保守

[185 勅使河原カシノ 25/03/13(木) 18:24:51]

スパイマスターから離れる為にも、任務が言い渡された瞬間に内心で中指を立てつつさっさとその場を離れ、その途中にゲヘナ潜入時に置いていった装備品を回収し、完全装備状態に着替えてひとまず外見は取り繕った。
次は今まで使っていたバンに変わる送迎用の車両の調達だが、それについては上の方で手を回してくれていたらしく、リムジンではないが豪華で素敵な車両が運転手とオマケ付きで割り当てられた。

「それで……アレが送迎用の車両なの？」
「そうみたいだな。にしても完全装備のロソマクを送迎用の車両にしてしまうってことは、それだけ上がエーレトファとの関係を重んじているってことだ。少なくとも、こいつらをまともに相手すんのはちゃんとした対戦車兵器がなけりゃかなり面倒だぞ」

無人砲塔に30mm機関砲と二発の対戦車ミサイルを載せ、ついでに増加装甲を取り付けた完全武装の歩兵戦闘車型ロソマク装甲車が3両と、完全装備の歩兵8人からなる分隊が1つ。正規軍の一線級部隊から引き抜かれてきたそれらが使者の送迎用、あるいは護衛として我々の指揮下に置かれることとなった。
上からのとてもありがたい配慮に感謝しつつ、重機関銃や対空ミサイル付きの機関砲のような大掛かりで護衛に不向きな銃器をロソマクの兵員輸送スペースに押し込み、護衛向きの身軽な状態になってから車列を交渉の場として使われている本校へと向かわせる。

……現時点で講和交渉が暗礁に乗り上げ、先行きが見えない状況になっている以上、本校や使者がゲヘナからの襲撃を受ける可能性も鑑みての編成ではあるだろう。
少なくとも、ゲヘナの連中は自前の特殊部隊を持っている以上、停戦明けか期間中のどちらかは分からんが、斬首作戦をしてきたっておかしくはない。
それにエーレトファの使者が巻き込まれたとなれば、外交問題にもなるし、何より表向きには中立だとしているエーレトファが中立違反を咎められて我々への支援が取り消しになる可能性だってある。そうなってみれば、頭数と一応の装備や物資は揃えられたうちの懐事情も厳しくなる。
そのような状況を防ぐ為には、我々護衛担当が命をかけてでもあの使者を守り抜いてエーレトファまで送り届けねばならない。

……いやはや、実に面倒なことに巻き込まれたものだ。件の使者が「関わってもらいますよ」と言ったのはこのことだったのかもしれんな。

[186 二次元好きの匿名さん 25/03/14(金) 00:57:31]

豪華だけど快適じゃなさそうだ

[187 二次元好きの匿名さん 25/03/14(金) 09:41:04]

まぁすてき（）

[188 二次元好きの匿名さん 25/03/14(金) 17:53:51]

あらやだまさかの斬首作戦の可能性

[189 二次元好きの匿名さん 25/03/15(土) 00:12:15]

こまった
どうするよこれ

[190 二次元好きの匿名さん 25/03/15(土) 09:25:51]

保守

[191 二次元好きの匿名さん 25/03/15(土) 18:10:04]

斬首作戦って字面が怖い

[192 勅使河原カシノ 25/03/16(日) 00:22:37]

3両のロソマク装甲車で編成された車列で出迎えられた使者は非常に驚いていたが、我々が乗っていることを知ると、安堵したように乗り込み、簡素な折り畳み式の椅子に腰掛ける。

「ここまで豪華な送迎車両を用意していただけるとは、外交官冥利に尽きますわね」
「貴女は我々にとって重要な客人ですので、『パンと塩』のように手厚くもてなすのは当然です。まあ、状況が落ち着いていればもっと良い車両を用意できたのですが」

うちの上層部との協議を終え、一度情報の整理や報告の為に上層部御用達の高級ホテルへと移動することになった。
その道中、雑談をして車列が無事に任務を終えるのを待っていたが、運行を再開した路面電車やバスの十字路での通過待ちとも違う、妙なところで停車した。

「……何かで停車しているようですが、心当たりは？」
「いいえ、何も。今から確認してきます」

原因を確かめる為にも、使者を車内に残し、機関砲を引っ張り出してきたユウと共に護衛の歩兵分隊を下ろして車列の先頭へと向かって見れば、半自動小銃や軽機関銃を抱えた正規軍の二線級部隊による検問が設置されていた。
……ただ、大まかな外見はともかくとして、ディテールはかなり粗雑なものであり、確実にシェオルの正規兵ではない。
それは護衛全員の総意であり、何かしら言葉を交わさなくとも、敵の姿を見るだけですぐに一致した。

「申し訳ないんだが、敵工作員摘発の為に協力してくれないか？上が講和交渉の中断をかなり警戒していてね、それを落ち着かせる為にもこうしなきゃいけないんだ」

一見ご立派なお題目を掲げ、全員分の身分証の提示を要求してくる検問の指揮官らしき敵工作員。その左胸に飾られた連隊記念バッジは肩章の連隊番号「18」とリンクしていない上、他の兵士も配置されている地区が違うか、そもそも装備や人員の当てが付くまで再編待ちをしている連隊ばかり。
こんな風体だが、我々に対して検問を仕掛けてきた以上、おそらく潜入して我々の情報を掴んでから正規軍の制服に着替えて展開したのだろう。

「あそこにいるのは55歩連、その隣は2工連、向こうにいるのは63歩連、一つ飛ばして27軽砲連。全部別の管区か、実質未定の再編予定で本校近くにはいない連隊ばかり。しかも肩の連隊番号は同じ18歩連で揃えているが、18歩連は最前線にいるし、衛戍地もここじゃない。こいつら全部パチモンだ」

[193 二次元好きの匿名さん 25/03/16(日) 10:23:28]

ほ

[194 二次元好きの匿名さん 25/03/16(日) 13:31:29]

的確な判断

[195 二次元好きの匿名さん 25/03/16(日) 22:43:28]

ドンパチすするのか？

[196 二次元好きの匿名さん 25/03/17(月) 07:44:54]

思ったよりも早そうな会敵
あとそろそろ次スレかな？

[197 二次元好きの匿名さん 25/03/17(月) 16:27:57]

保守

[198 勅使河原カシノ 25/03/17(月) 23:16:17]

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【🎲・オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して(4)｜あにまん掲示板

[199 二次元好きの匿名さん 25/03/18(火) 07:53:41]

スレ立てありがとうございます

[200 二次元好きの匿名さん 25/03/18(火) 17:18:04]

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