- 1佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/25(土) 19:10:20
……先生? えっ先生!? なんですかその笑顔!!?
佐藤カガリ 16歳(2年生)
出身校:百鬼夜行連合学院
身長 130+40 (40) cm
胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛
腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太
尻 2 (2) 1.小さめ 2.やわらか 3.もちっ
髪色:薄い黄色(3・1) 長さ64 (1で肩につかないくらい100で足元)
瞳の色:オレンジ(5・2)
肌の色:85 (1で芸術級スーパー美白、100で健康的こんがり褐色)
(白亜編の導入から始めます! そして台本を書いていたんですが、このままだとダイスあんまり振れないなってことに気付いたのでカンペ程度にしてゆるく回していきます 結局アドリブかい) - 2佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/25(土) 19:21:14
情報まとめ
天童アリスのストーカー佐藤カガリのまとめ ver2telegra.ph1スレ目
【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい|あにまん掲示板はぁ…………今日もかわいい……………………(スレ画は一番好きな表情)戦闘 dice1d100=@57 (57)@知性 dice1d100=@12 (12)@運動 dice1d100=@67 (67)@…bbs.animanch.com前スレ
【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part9.1|あにまん掲示板わかんないよ~~~~……うう、普通に過ごしてるだけでわからないことがこんなにたくさん……佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 …bbs.animanch.com前回のあらすじ(超ざっくり)
ゲーム開発部の新しいメンバーとして制作に携わり、主に楽曲のほとんどを手掛けた新作"鳥葬のまちエニーリス"の配信開始を見届けたカガリ 元々ネット音痴であることが影響して、売り上げが爆発して大好評を博している事実には今一つ実感がなく、一度ユズと一緒にゲームメディアからインタビューを受けた以外に目立った動きを見せることもなく、有頂天状態のモモイなどとは違っていつも通りに過ごしていた
そしてスレの最後のほうで振った白亜編衣装3択ダイスでバニースーツを引いてしまっていた どうなるカガリ
- 3二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 19:22:39
立て乙
- 4二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 19:36:36
立て乙
よかった - 5二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 19:42:02
せくしースレ画になっている
- 6二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 19:59:11
立て乙
セクシーカガリちゃん - 7二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 20:17:12
たておつよ
- 8二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 20:29:54
バニーカガリちゃんの活躍や如何に
- 9二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 20:37:24
乙です
- 10二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 21:32:40
立て乙
- 11二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 21:53:39
乙です
- 12二次元好きの匿名さん25/01/25(土) 23:33:48
たておつです!
- 13佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/26(日) 03:05:52
――拝啓、ニヤ様。そしてカホさん。陰陽部で働いていた時、僕は密かに思っていたことがあります。『すっかり見慣れちゃってるけど、実はこの人たちの服装ってとんでもないんじゃないか』と。
今、僕はお二人のことを『とんでもない』と言えないような恰好を、自らしていました。いえ、自らっていうのもちょっと違うんです、これにはいろんな事情があって……
「なるほど。なんでバニースーツなんだろうって思ってたけど……いや、敢えて突っ込まないようにしてたけど。こういう理由だったんですね」
「驚きの伏線回収! 今明かされる衝撃の真実、ってやつです!」
と、トキちゃん? その、心細さがまったく小さくなってないんだけど。どうすればいい??
「慣れです。動いていれば気にならなくなると思われます」
そんな簡単そうに言われても!!!! うう、先生もいるのに……いや先生はともかく、アリスちゃんの前でこんな……こんな…… - 14佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/26(日) 03:23:22
時は遡り、ある日のゲーム開発部。
「――結局さあ、『会心』っていうシステムが全体的に不遇なんだよね、"エニーリス"。プロト版触ってた時にもちょっと思ってた」
「う、うーん。強くし過ぎると、ゲームが壊れちゃうから……序盤のうちに"ダークエンティティ"を倒せたり。そういう進捗スキップも、た、確かに面白いは面白いかもしれないけど、今回は本意じゃなかった、っていうか」
「プロト版で思ってたってことは、お姉ちゃんが"シエラ"さんを会心キャラにしようって言い出した時、それはわかってたんだよね? なんで不遇が分かってて推したのさ」
「……ぶっちゃけ、シエラのキャラ付けっていうか、批判的思考(critical thinking)とクリティカルをかけようと思ってたところはある」
「モモイお得意のダジャレですね!」
「うーーーん言葉遊びって言ってほしいなあ!!!」
モモイちゃんが突然、「DLCを作ろう!!!!」と言い出してからはや3日。DLCっていうのは要するに、一度完成した作品に新しい要素……ストーリーとかボスとか武器とかを追加すること。人気がすごいからこの流れに乗ってもう一稼ぎしたい、って意味らしかった。人気がすごいって、いまいち実感がないけど……そもそも僕は普通の売り上げを体験したことないし。
「どうしよっかなあ。カガリ先輩なんかいいアイデア無い?」
……え、なんの話?
「えっとね、『会心』を強化したいんだよ。でも普通に考えると、会心の発生率を上げるか、会心した時のダメージの増え幅を上げるかっていうのしか浮かばなくて、それだとなんかな~って思ってるの」
なるほどね。うーん……
dice3d100=94 87 31 (212) ダイス1つごとにゲーム:制作ステータス(74)以下で1回成功
- 15佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/26(日) 03:59:14
『会心』が出た時に、ダメージが上がる以外の嬉しいことを用意する、とか。
「ほほう」
例えば敵の足が遅くなったり、こっちの体力が回復したり……どれくらいが丁度良いかはわからないけど。そこは上手いこと、ユズちゃんが言ってる"ゲームが壊れる"に当てはまらない程度に……
「ユズちゃん、どう?」
「……考えてみる。全体的にはいい線行ってるはず……ただ……も、問題が無いわけでもないっていうか」
う゛。ど、どういう問題でしょうか。
「会心に大きい変更を入れるって、ヒロイン4人の中で唯一会心が主軸の"シエラ"さんにかなり寄り添った調整だから、DLCで配信するには不公平感があるな、って。やってみたら、画期的な新システムになりそうだからこそ……」
「……要するに、他3人にも同じくらいのインパクトがある調整を施せばいいんですよね? だったらアリス、頑張ってみます!」
モチベーションは十分だし、進捗もそこそこ以上にあって、とても上手く回っているように見える。が、昨日ミドリちゃんに、「大ヒットの報せを受けたお姉ちゃんが最初に取り掛かろうとしたのがグッズの超大量生産で、それを全力で止めた上でDLCに向けさせた結果として今があるから、くれぐれも油断しないでください」って言われた。僕が油断しなければなんとかなるんですかそれ。
「あっ、そうだそうだ。カガリ先輩に訊きたいことあったんだけど、今いい?」
ん、いいよ。何?
「いや、大したことじゃないんだけど。あの、C&Cのトキっているじゃん? 最近カガリ先輩と仲良さそうで、なんならたまにうちの部まで来るけど、どういう繋がりなのかなって」
……えっ?
「……『えっ?』なの?? あれえおっかしいな、私の勘違いかな」
な、仲良し……仲良しというか、仲良くなれたらいいなとは思ってるけど、まだそんなにじゃない? モモトークも交換してなかったような…… - 16佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/26(日) 04:59:48
「……ええっ!? じゃ、じゃああの人、特にカガリ先輩と仲良くもないのに最近うちに出入りしてたってこと!!?」
と、『特に』ってだけで、面識は十分あるよ? ちょっと変だけど、優しい子だなって思うし……
「"エニーリス"の審査待ちの間。しれっと発売前のやつ遊びに来た時も同じ関係性だったってことだよね!?」
まあ、そうだね。あれは……ちょっと変の実例だったけど。えっ、トキちゃんって何か問題あるの?
「う~~~ん……問題……問題ってほどかなあ? いや実際、最近ちょっと関わってみて、なーんだ別に大丈夫じゃんって思ってたし……」
モモイちゃんは急に声を潜め、辺りをきょろきょろ見回し、僕に耳打ちしようと頭を近づけてきた。な、なんか物々しい。ごくりと息を呑んで応じる。
「あの……様子見てる感じ、もう知ってると思うんだけど。リオ会長とアリスの、ちょっぴりひと悶着あった時のこと」
う、うん。ヘイローを……
「ぶっちゃけた話、アリスって結構……いや、詳しくは省くけど、第2形態入ったらあり得ないくらい強いんだよ。その点リオ会長って割とモヤシだし、普通じゃ太刀打ちできないじゃん? だからその、協力者っていうか、"実行犯"が必要じゃん」
えっ。まさか……
「うん、トキって最初、会長直属のエージェントだったの」
それは……確かに、モモイちゃんの立場からすれば。
「っていうか、アリスが優しすぎ。いくらカガリ先輩の友達でも、最初に会ったシチュエーション考えたら、よくあんなすぐに距離近くできるなって……で、言葉選ばずに言っちゃうけど、正確には友達でもないんでしょ?」
わかった。今度ちゃんと話してみるね。
「うん、お願い。……その、トキのこと悪く言いたいわけじゃなくて。むしろあの人もちょっと心配といいますか」
……モモイちゃんもかなり優しいと思うけどなあ。ともかく、どこかであんまり緊張しない流れを作って、聞くべきことは聞いておかないと。
と思っていたある日。思いがけず、C&Cから僕に対して直接のお呼び出しがあった。これは偶然だろうか? - 17二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 11:16:34
むしろ今までよく普通に話せたな
そこらへんは終わり良かったから禍根無しなキヴォトス感か - 18二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 15:15:56
改めて考えると「知り合い」になってしまう関係
- 19二次元好きの匿名さん25/01/26(日) 20:49:35
向こうがガチだから疑心暗鬼になる
- 20二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 00:55:21
カガリちゃんだけか
- 21佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/27(月) 05:11:30
「………………」
『はあ。お前なあ……せめて私らが相手ならそれでも構わねえけど、そうじゃねえなら、もう少しちゃんと言葉で話したほうが良いぞ』
C&Cのブリーフィングルームに出向くと、そこにはトキちゃんと(ホログラム姿の)ネルさんがいた。本題の前に雑談って流れだったから、軽い気持ちでとりあえず最初に、今のトキちゃんと僕たちの状況について話を振った、んだけど……
……もしかして、本人からしてもちょっと痛いところだったのか? ばつが悪そうな様子のトキちゃんは初めて見た。何か言葉を出そうとしては引っ込めてるような、そんな感じ。
『なんつーか……こいつ、あんまり器用じゃないんだと思う。あんまり責めないでやってほしい……いや、お前ならあたしより良くわかるかもしれねえけど』
そ、それはもちろん、悪くは思ってないです! その……悪い目的で近付いたんじゃない、んだよね。むしろ良い目的っていうか?
「……はい。カガリさんの振る舞いを観察していると、かなり後ろ暗い経歴をお持ちであるにも関わらず、ゲーム開発部に馴染み切っているように見えるのが印象的でして」
ぐっ……そ、そうです、僕の経歴は……
『なるほどな。あれか、真似して自分も馴染んでみようと色々試してたってところか?』
「馴染む、とまでは望みませんが。せめて、彼女たちの警戒の対象からは外れておいた方が、と思い」
『良い心掛けじゃねえか。じゃあ今回はお前がちょっと焦って先走っちまっただけ、それでこの話は一旦終わりだな? うし、本題に移るぞ』
あ、そ、そうでしたね! ごめんなさい、思ったより重い話になっちゃって……
『いいよ、元々2人の様子は知っておきたかったからな。むしろ振ってくれて助かった』
通信越しにニカっと笑ってみせるネルさん。……す、すごく度量が大きい!!! トキちゃんと顔を見合わせて、少しびっくりした気持ちを目線だけで共有した後、なんとなく互いに微笑んだ。 - 22佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/27(月) 05:43:26
『さて。呼び出した理由なんだが、急ぎで潜入任務を頼みたい。見ての通りあたしらは全員出払ってるから、お前らにしか頼めなくてな』
「なるほど。……カガリさんと私で、ですか?」
『ああ。潜入っつっても、今回は現地のサービスに紛れてもらうから、一般人と冷静にやり取りする機会が多い……で、トキ1人だと苦労させちまうかもなっていうのが、あたしらの考えだ』
「………………」じーっ
どっ、どうして僕なんですか!? ちょっと前の"体験入部"でお邪魔しただけで、実戦に投入できるような戦力じゃないと思うんですけど……
『んー。交戦が前提の仕事じゃねえってのもあるが……カガリ。全くの無関係からミレニアムを訪れて、あんなに短い期間で"ミレニアムの人間"になってみせた存在を、あたし達はお前の他にたった1人しか知らないんだよ。それが誰だかわかるか?』
……わかんないです。
『"先生"。つまるところ、"コミュニティに入り込む"っていうことに関して、佐藤カガリは先生に並ぶレベルの能力を持ってるとしか思えない。あたしだけの考えじゃなく、C&C全体の見解がそうだ』
「……確かに。そう言われると、私が試行錯誤を交えて実践しようとしていることを、カガリさんは呼吸のように成し遂げていますね」
ぼ、僕がすごいっていうより、周りの人が良い人ばっかりっていうか……
「………………」じーーーーっ
はあ、とため息交じりに、ネルさんが続きの説明をする。そ、そんなに顰蹙を買うような言葉だったでしょうか、今の。
"時計王の冠"を筆頭に、裏ルートへ流れてしまった美術品の捜索……その手掛かりとなる、矯正局から脱走した経歴を持つ生徒"慈愛の怪盗"の足取り。なるほど確かに、トキちゃんの経験や能力が必要不可欠だけど、僕もちょっと助けになれそうだった。
……この任務が、トキちゃんのことを理解する良いきっかけになってくれないだろうか。なんとなく、2人きりになると借りてきた猫みたいに見えるし、たぶんトキちゃんから見た僕も同じ感じなんだよな。
(トキとの好感度が相互に増加します)
カガリ→トキ 51+dice1d10=9 (9)
トキ→カガリ 52+dice1d10=10 (10)
- 23二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 08:33:01
カガリ...混乱してる?
- 24二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 13:22:31
距離が縮まった
ネル先輩のアシストのおかげだな - 25二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:55:09
良い感じに頼られてるねカガリちゃん
- 26二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 05:31:27
結構上がる
- 27二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 12:23:41
そうしてバニー…
- 28二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 22:05:52
カガリの潜入能力が評価されたからこその依頼か
- 29佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/28(火) 23:06:59
『――リーダー、そろそろ出動。いけそう?』
『ん、了解……とにかく! あたしはお前ら2人の相性が結構良いんじゃないかって期待してる。上手くサポートしてくれ! どっちがどっちを、とかじゃなくて、お互いにな』
心強い言葉を最後に、通信が切れた。2人で使うにはちょっと手広すぎるブリーフィングルームに残され、トキちゃんに何か聞いておこうとするんだけど、何を聞けばいいのか……
しかし、明後日か。僕は最近ちょっと暇になったからいいけど、こうやって急な任務が入ることもあって、しかもそれを1人でこなさないといけない時もあるのは、かなり疲れる生活だな、と思う。トキちゃんから弱音とか聞いたこと全くないけど。
「……準備は全てこちらで済ませておきます。今はひとまず、連絡先の交換だけ」
あっ、はい。……その、僕がしておいたほうが良いこととかありますか。
「特には。強いて言うなら、潜入作戦に専用の衣服が……いえ、カリン先輩のサイズが殆ど合うんでしたか。ゲーム開発部に届けておきますね」
はい……えっと、トキちゃんは大丈夫なの?
「? その『大丈夫』は何を指す言葉ですか」
トキちゃんの調子とか、コンディションとか……
「調子とコンディションは同じ言葉だと思われます。私なら全く問題ありません。……ああ、任務の詳細については後程お送りしますね。再度ご確認ください」
う、上手く話せないよーーー……それに、なんというか、確信はないけど、僕に対してあまり良くない印象な気がする。うわーん……
……ええい、明後日! その時上手くやることだけ考えよう。潜入先のお屋敷で『展示会』が開かれる朝に間に合わせることから! というか、ちょっとの間お出かけしてくるってことはゲーム開発部のみんなに伝えておかないと。 - 30二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 23:23:48
がんばれ〜カガリちゃ〜ん
- 31佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/28(火) 23:36:47
「あっ!!! カガリ先輩おかえり、見てこれ、メイド服届いたよ!!!!」
わっ!? ……め、めいどふく?
「はい。私たちのは、ネル先輩の予備をこっそり借りる形で……カガリ先輩の分はこれ、そもそも専用に仕立てたものだから、改めてこの機会に差し上げます、って書いてました」
メイド服?? え、えーっと……記憶を掘り起こす。
あー、モモイちゃんが言ってたな。確かちょっと前、ネル先輩との人違いで、C&Cの依頼を受けてきちゃったって言ってて。あれ? これって……
「ちょっ、急にすごい顔になって無言で立ち尽くさないでよ。どうしたのさ」
ご、ごめん。C&Cの依頼……あの依頼って、いつだっけ?
「明日! 時間無いし、サイズ合わなかったとしてもちょっと我慢するしかないかな」
「……待ってください、今『いつだっけ』って言いましたか?」
う、うん。忘れてた……
「まあ、依頼の内容は『掃除』ってだけだし、とりあえず行けさえすればいいんじゃないの?」
そうだね。僕もめっちゃそう思います。
「? とりあえず、今日はみんな早寝しましょうか」
僕が協力することになったC&Cの任務と、モモイちゃんが受けてきたC&Cの依頼で、予定がダブルブッキングしてる!!!!! な、わっ、ど……どういうこと???? なんで僕はこんな大事なことを忘れていたんですか!?!?!??
いや待って、それは別によくて。全然よくないよ!!!!!!! ……いや、その、他にも気になってることが。ええと、モモイちゃんが受け取ってきた依頼の封筒……ここだ、冷蔵庫にマグネットで貼ってある。これをもう一回読む。
……やっぱり。これ、明後日からトキちゃんと一緒に行くのと、同じ住所だ。えっ偶然? わ、わかんないよぉ……わかんない……どうすればいいんですか僕…… - 32二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 00:59:43
そういえばカガリちゃんのコールサインはどうなんだろう
- 33佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/29(水) 05:46:42
"推測になるけど、偶然じゃなくて一つの繋がりを持った出来事だと思う"
"仮にそうじゃなかったとしても、もしかしたらブッキングはしてないかもしれない。『依頼』は明日で、『協力』は明後日だから、前者が当日以内に終わったら不都合はないはず"
"ただ、少なくとも巻き込んじゃったみんなには、その辺りを含めてありのままの状態を伝えたほうが良い。きちんと謝ろう"
"どの道、モモイが請けた依頼の件は付き添う予定だったし、後のことは私が取り持つよ。色々と気になることもあるしね"
部室で解散して、寮の自室に帰ってきて、色々済ませてから先生にモモトークで相談したところ、これ以上無いくらいのお返事をいただいた……た、頼りになる……!!!!
よし、言うならなるべく早くにしないと。明日の朝じゃ遅すぎるし、今……いつものチャットアプリで。うーん、あんまり長文投げすぎても……よし。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「待って待って待って、急に何をしてるの?????」
本当に申し訳ございません!!!!!!!!!!!!
「……えっ、まさかとは思いますけど、急に全員向けのビデオ通話繋いだのってそれを映すためですか?」
「とても綺麗な土下座です! アリス、学年が上の生徒が土下座しているところは初めて見ました!」
「そ、その、事情はわかったんですけど。それって今のところ、トキさんには連絡しましたか……?」
してない、です。その、連絡するかどうかも、みんなの反応次第かもなって……思ってて……
「反応次第、って?」
「……なるほど??? つまり、早い話がC&Cとの予定を崩したくないっていうか、私らの任務が日を跨ぎそうだったら、トキと合流するために早上がりとかできないか、ってことでしょ」
うううううう……その通りです、ごめんなさい……
「そんなに何回も土下座しなくていいよ!!??」
「それは別に良いんじゃないですか? 元々お姉ちゃんが凡ミスで請けてきた依頼だし」
「う、うん。それに、場所が同じってことは、その場で臨機応変に対応できるかもしれないし……」
……あと、お願いしたいことがあって……
「? なんですか」
その時の僕、急に奇妙な服装になると思うんだけど……その場では怒らないでくれると……
「うーん、当初思ってたよりも変な人だな、カガリ先輩」 - 34二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 08:45:41
まぁ出会いからしてストーカーだしな…
- 35二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 09:32:07
- 36二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 14:30:47
ドタバタするな、行けるか?
- 37二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 15:49:21
おおう...大丈夫かな?
- 38二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 22:19:04
保守
- 39佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/30(木) 06:13:34
さて、当日の朝。ミレニアムの校門前まで先生が迎えに来てくれるそうなので、じゃあ部室でお着替え済ませちゃおうか! という流れになった。そういえば、『潜入専用の衣服』……まあ、往来を歩く可能性だってあるから、僕もひとまずメイド服にしよう。状況を抜きにしたらメイド服も怪しいけど。
「これ、思ってたより動きやすい! フィット感っていうのかな、でも締め付けゆるいし……部屋着にしたいくらい」
「メイドさんの仕事着だからね。そうだ、資料用に写真撮っておこうかな」
2人ともすごいかわいいね! なんか、猫耳がぴょこんと飛び出て見えるから、その分いつもよりかわいい!
「ふふん、図らずも猫耳メイドの魅力を自力で発見させてしまったね。あー、先生がこの魅力に惑わされてうっかり何か買ってくれないだろうか。新しいプロコンとか」
「煩悩の塊……いや、それはいいんだけど。アリスちゃん、大丈夫かな」
そ、そういえば今日まだ見てない。寝室の方?
「はい。恥ずかしいのとも違うと思うんですが……抵抗があるみたいで。ネル先輩の影響みたい」
「ユズが説得するって言ってたけど……まあ、ユズの説得って、無理に説得しないだろうし。もし難しそうだったら普段着でいいかもね。依頼人は適当に言いくるめれば」
思い返せば、僕が初めてネル先輩と会うって時も、アリスちゃんからちょっと警告というか脅かされたっけ。でも、そんなに怖がってる印象も、遠慮する間柄ってイメージもない……だとしたら、アリスちゃんなりに尊敬してるってことかな。フレンドリーに接することはできても、超えにくい一線がどこかにあって、それがメイド服だった、みたいな。
……でも、アリスちゃんのメイド服姿、見たいな……どうしよう。僕にできることって何かないだろうか。
dice3d100=6 30 68 (104) ダイス1つごとに交渉ステータス(91)以下で1回成功
- 40佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/30(木) 08:01:13
ひとまず、寝室の前に立ってノック数回……数拍置いてユズちゃん(もうメイド服着てた)が現れる。かわいい。様になってる。
「お、おはようございます! アリスちゃん、カガリ先輩来たよ……」
「うう……そろそろ年貢の納め時なんでしょうか」
おはようアリスちゃん。年貢って……そ、そんなにメイド服嫌なの?
「嫌、というわけでは、ないと思います。ただ、自信がありません……レベルが足りていない鎧を装備することは、アリスにはできません……」
半開きの扉を挟んで、互いに姿が見えない状態で話す。アリスちゃんの声色には、単に落ち込むだけではなく、嘆いているような……上手く行かなくてもどかしい思いをしているような、そんなニュアンスが隠れていた。
「メイド服を着ている自分の姿が、イメージできないんです。それを着ると……人形のようになってしまう気がします。麻痺状態の戦士、沈黙状態の魔法使い、盲目状態の弓使い、みたいに」
……どんな格好でも、アリスちゃんはアリスちゃんだよ! メイド服を着ても、思い描いている自分であることを、邪魔されちゃったりはしないはず!
「そう、ですか? アリスは……変わらずにいられるでしょうか」
うん。大事にしていることは、そう簡単には変わらないと思う……アリスちゃんはどんな時でも、ゲーム開発部の"勇者"だよ。
「……わかりました。メイド服、装備してみます」
「! あ、ありがとう、アリスちゃん。着るの、わたしも手伝うね……!」
自分のことみたいにドキドキしながら、寝室のすぐ横で待つ。モモイちゃんには「相変わらずだねえ」と言われたし、ミドリちゃんはちょっと呆れたような様子だったけど、楽しみなのは2人も同じみたいだった。 - 41佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/01/30(木) 08:35:47
「お、お待たせしました! たぶん出来たと思います……アリスちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です。うう、緊張します……」
ついにお披露目の瞬間! ……まるで死を予感しているかのように心臓が高鳴る。ど、どんな感じだろう? 色んな可能性が脳裏にぼやっと浮かび、はっきりと像を結ばないまま消えていく。え、あ、もう出てくる、な、なんて言うのがいいのかな、あっ――
「……ど、どうですか? 変じゃないでしょうか」
「おおーーーーっ、超似合ってるじゃん!!! 高いとこで髪纏めるのも良い!!!!」
「丈の長さもそうだけど、軽やかな感じがアリスちゃんらしい。先生にも早く見てもらいたい」
「そう、だね。アリスちゃん、外には出れそう……?」
「うう……やっぱり慣れません。メイドとしての経験値が足りていないです……」
………………
「んで、この人やっぱり固まったけど」
「カガリ先輩……? 大丈夫ですか、わたしの声聞こえてますか」
はっ! えっと……ちょ、ちょっと待ってて、準備してきてた荷物があって、えと、確かここに……そう、これ!
「……デジカメ? そんなの持ってたんですか」
え、えへへ。ねえアリスちゃん、メイド服着てる間、久しぶりに撮ってもいい……? その、変なことには使わない! 誰にも見せないし! お願い、だってすごい素敵だから……
「むむむ……大丈夫、です。勇者の冒険に記録は付き物ですから」
やった!! その、自然にしてていいからね! 僕もあんまり意識させないように撮るし。
「……『久しぶりに』?」
あ、うん。ストーカー時代、ずっと物陰からみんなのこと見てて、これで撮ってて……
「えっ、撮られてたの初耳なんだけど私。怖っ」
「ストーカー時代っていうか、カガリ先輩は今もストーカーだと思いますよ」 - 42二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 09:18:15
変態…
- 43二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 12:08:12
進行形でストーカー扱いされてるのか...ひでぇ
- 44二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 18:12:47
まぁ…アリスにだけ変になるしな…
- 45二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 22:12:01
久しぶりに出てきたストーカー要素
- 46二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 00:52:29
- 47二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:14:13
後ろから抱き着くついでにアリス吸いをして絶好調になったり、
メイド服姿を拝むための説得をダイス値低めで成功させたり・・・
あとスレ落ちまでの時間が10時間になってたのね、今気が付いた - 48二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 13:48:15
ナチュラルに今は違うからって自白するのがなんかこう…キヴォトスだなって…
仲良いからいいんだけど - 49二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 19:55:28
ぼ
- 50二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 22:31:07
ほっしゅー
- 51佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/01(土) 06:24:43
「せ、先生、もう来てるかな。ちょっと時間かかっちゃったけど」
「校門前には着いたって。あの辺りかな……」
「……あ、先生いた!! やっほーーー先生!!!」
真っ先に駆けていくモモイちゃんを追って、先生のもとへ……いや、行っていいものだろうか。気懸かりで振り向くと、自信無さげなアリスちゃんを物陰に見つけた。ちょっと一人にはし辛い。
「うう……問題が山積みです。"装備"は出来ましたが、アリスがメイドになれたわけではありません」
だ、大丈夫だよ。僕だって、1日C&Cで任務やったけど、全然自分のことメイドとは言えないし、何日やっても言えなさそうだし。
「どうすれば、アリスはメイドになれるでしょうか。メイドになるために必要な経験値……クエスト……」
……何事も、真似してみる所からじゃないかな! いちばん印象的なメイドさんをイメージしてみる、とか。
「それは、つまり……ネル先輩の真似ですか? うわーん!!余計に無理です!!!」
そ、そういうことになっちゃうか。……じゃあ、こうしよう! ちょっとそこで見てて。
「?」
僕の場合、いちばん印象に残っている『メイドらしさ』とはアカネさんだった。あの柔和な微笑み、お淑やかな声色、花のような魅力……纏っているオーラを思い出して、なりきってみる。軽いステップで足音を奏で、先生の前に踏み出る。
"――カガリ! おおっ、噂には聞いてたけど……すごい、完璧に似合ってるね!!"
お褒めに預かり光栄です。重要な『任務』のため、柄にもなく少し張り切ってしまいました。
"……!?"
本日はゲーム開発部の年長者として皆を見守るだけでなく、先生のお隣でサポートを務めさせて頂きたいと思います。困ったことがございましたら、いつでもお申し付けくださいね、"ご主人様"♪
"ぐはっっっ!!!!" バタン
「せ、先生ーーーーッ!!!!!」
「先生が死んだ!! 何してるんですかカガリ先輩!!!」
……そんなに見るに堪えなかった????
「いえ……"良すぎた"から、だと思います……!」
"わかってくれるかい、ユズ……"
「うわあ生き返った!!!!!」
……アリスちゃんはこれを見て少し緊張がほぐれたらしく、まだ堅い表情だったけど、姿を見せてくれた。数枚写真を撮ると、先生が"後で私にも見せて!"と軽やかに言ってきて、何故僕の時だけあんな感じだったのかわからなかった。 - 52二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 09:33:49
先生尊死してるじゃん大丈夫?(口から血を垂らしながら)
- 53二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 09:34:51
- 54二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 16:06:36
つよい
- 55二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 22:31:21
褐色…?
- 56二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 02:38:32
メイド仕草がかなり板についてるなカガリちゃん
- 57二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 08:32:08
ほ
- 58二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 14:40:17
ほしゅー授業部
ここのゲーム開発部は本編とか他の二次創作だとあまり見られないタイプの側面が出てて好き
ストーカー面出てるカガリ相手だとさりげなく辛辣なミドリとか
カガリに理想のヒロイン像か何か重ねてしまって色々バグってるユズとか
本編だとそういう目で全然見られてないから、割と無防備なアリスが、カガリとの関わりで少しだけ貞操観念身に付けつつあるとか - 59佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/02(日) 22:04:56
「ようこそ、皆様。お待ちしておりました」
今回の依頼主、美術商の"銅田 明太郎"さん。次のオークションにとても貴重な作品が並ぶみたいで、そこでC&Cとしての『お掃除』を……まあ、いわゆる婉曲表現で、警護をしてほしいってことだった。普通のお掃除じゃなさそうだとは思ってたけど。
「ターゲット確認! 出力臨界点突破……光よ!!!」
ともかくなんやかんやあり、若干危なっかしかったけど、メイド服も合わせてC&Cだと信じてもらうことには成功した。後は乗り切るだけ! アリスちゃんも少し自信がついてきた様子で、いいことずくめ。
それで、さしあたって問題なのが、慈愛の怪盗から届いたという予告状の内容。その場の誰も、何を意味しているのか察することができなかった……これってちゃんと"予告"したことになるの???
dice3d100=85 66 18 (169) ダイス1つごとに知性ステータス(22)以下で1回成功
dice3d100=26 69 80 (175) ダイス1つごとに交渉ステータス(91)以下で1回成功
- 60佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/02(日) 22:49:10
「1日に22回、向き合う2人の旅人。
正確な2人。計り知れない20。そして半歩。
月の届かない場所、止まった舞とアンティキティラの裏側。
一度も授与された事の無い、贅沢であるが不遇な剣のもとへ伺います。 ――慈愛の怪盗」
「「「「「………………」」」」」
これって……慈愛の怪盗、毎回こんな感じの予告状を出すんですか?
「はい、そのように知られています。そのため、この予告がどんな品物を示しているのか、盗まれてみてようやく判明するというケースが多いのです」
「そ、それを避けるためには、まずこれを読み解かないと……」
うーん。少し失礼、まず調べてみますね。
「あっ、ノートパソコン? 持ってきてたんだ」
わからないことはまず調べる! でも、こんなこと調べても情報あるかな……? と思ったのも束の間、慈愛の怪盗の"ファン"だという人がこれまでの予告を個人サイトに纏めているのを探し当てた。いつの間にか覗き込んでいたみんなと、その内容を検めてみる。
「すごいですね。このサイト。何事にも熱心な人はいるってことかな」
この人によると、予告状は『何を盗むか』、『いつ盗むか』と、『シチュエーションや場所についての補足』、この3つを内容に盛り込んで書かれてることが多い、みたい。
"最低限必要なのは『いつ盗むか』の情報だと思う。慈愛の怪盗は、盗みの時に必ず姿を見せるみたいだから"
そうですね! えっと、『何を盗むか』は最後に書いてあることが多くて……だとしたら、ここの『月の届かない場所』って、そのまま場所の話なんじゃ?
「じゃあ、最初の2行を読めば『いつ盗むか』がわかるかもしれません!」
「おおっ! ……いや、でもわかんないよ私には。『1日に22回、向き合う2人の旅人』……????」
"うーん……時間の話、ってことから逆算して考えられないかな。この問題の答えが、ある特定の時間もしくは時間帯になるとしたら、それはいつなのか"
「うわーん、そんなのでわかったら苦労しません……」
「……あっ!? わ、わかったかもしれないです!!!」
「ええ!? うっそでしょユズ、冴えすぎ!!!」 - 61佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/03(月) 03:54:08
ユズちゃんの推理! 『2人の旅人』はアナログ時計の長針と短針のことで、『1日に22回向き合う』とは、長針と短針が文字盤の上で重なり合う回数のことを言っている、とのこと……ここからは聞いててもよくわからなかったんだけど、予告を読み解いた結果、慈愛の怪盗は『5時27分から7時38分の間』に来る可能性が高い、みたい。
そして、銅田さんから改めて今後について打診があった。追加の依頼として、展示会とオークションが立て続けに行われる明日からの3日間、美術品……こっちもまた、ターゲットの可能性として新しく挙がったばかりの、『叙任式の絵』を警護してほしい、と。
「何はともあれ、時間帯に目処が付いたのは確実な前進です! こちらの警備を増強する上でも大いに参考にさせていただきますよ」
警備……このお屋敷、あちこちに美術品っぽいものありますよね。どれもこれも高そうで……
「む。まあ、半ば趣味のようなものですな。何かお気に召したものなどございましたか?」
い、いや、僕は美術とか全然わからないんですけど。ただ、守るのって『叙任式の絵』だけで大丈夫なのかなって……それ以外にもあれば気軽に言ってくださいね! 例えば、特に高価なものとか、個人的に思い入れがある品、とか。
「……はい、何か思い出した時にはお頼み申し上げるかもしれません。ですが、ひとまずは『叙任式の絵』をよろしくお願いしますね」
ふーむ。なるほど。何か隠してるな? 勘でしかないけど、どんなことを喋っていてもいまいち真剣味がない人だった。決まった台詞を読み上げてる感じ。
言い換えるなら、僕たちを対等以上の相手として見る雰囲気がない。まるでビデオゲームの中のキャラクターの言葉を聞いている時のような冷淡さ……コマンドを選んで適当に返事をするみたいな、適当さ。だからって今すぐどうとかじゃないけど。 - 62二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 08:05:44
わぁ気づいてる
- 63二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 09:30:11
NPCか・・・。
- 64二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 14:19:02
流石カガリ、よく見てるな~
本編だとモモイたち、無難に仕事をやり過ごすのに精いっぱいで、依頼主がボロを出すまでは疑うっていう発想もなかったからなぁ
初対面の相手でも、人柄を見抜いて適切な対応を取れるのは、最初にミレニアム生に紛れてストーカーしてた時から持ってる強みよね - 65二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:52:04
ここからどう対応できるかやな
- 66二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 08:29:48
どのぐらい変化があるか
- 67二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 14:14:32
とりあえずメイドしないとね
- 68二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 22:45:26
このレスは削除されています
- 69佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/05(水) 04:57:10
"わかった。教えてくれてありがとう、私も注意しておく"
いえっ、こちらこそありがとうございます! その、あんまり疑って掛かるのもよくないのかなって思うんですけど……
"ある程度は仕方ないよ。キヴォトス全体で見ても、子供というだけで相手を軽んじる大人は、それなりに存在するし……だからこそ私も、ちょっとしたことで腹を立てたりはしないしね"
柔和に、しかしシニカルに微笑む先生……その表情の裏側にはたくさんの経験がありそうだった。
銅田さんからの依頼を改めて受けることにした僕たちは、初日の任務を給仕に扮しながら遂行することになった。ちょうど服装もそれっぽいし、ということ。ただ、僕には追加で考えなきゃいけないことが……
『本日ですが ウェイターに紛れて現場にポジションを確保しつつ、慈愛の怪盗が現れるまで待つ形を取りたいと思っています』
その ウェイターに紛れるって、任務用の衣装で、ですか?
『はい、そのつもりです』
変な目立ち方しないかなって 今日のパーティ、どっちかと言うと落ち着いた感じの雰囲気だし
『ウェイターとしての仕事を流麗に務めれば、奇異の目で見られる心配はないと思われます』
僕そんなに上手くやれないかもしれないんですけど
『可能な限りサポートするので、ご安心ください あくまでも本旨は慈愛の怪盗とスムーズに接敵することなので』
『現場ではスーツを目印に合流しましょう それでは』
モモトークのやり取りはこれで終了……着替えといてね、ってことですか。うーーーーーん。いや、良いんですよ。ちょっと勇気がいるくらいのことだし。
……トキちゃん、ああ見えて意外と……甘えんぼさん? っていうか。人の気持ちがわかって、色々気を回せる子だからこそ、僕が例の衣装に戸惑ってること、気付いてないわけじゃないだろうし……つまり、僕に着てほしいんだと思う。理由まではわからないけど、なんとなくそれを思うと、断るほどのことじゃないなぁって気持ちに傾いていった。
dice8d100=28 73 47 59 34 22 38 74 (375) ダイス1つごとに掃除ステータス(94)以下で1回成功
- 70佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/05(水) 05:59:19
「す、すごっカガリ先輩、1回でありえない数のお皿回収してる!!!! 居酒屋の店員さんみたい!!!!!」
「いや、お姉ちゃん居酒屋行ったことないでしょ……ぇあ、はい、ミルクティーですね! お注ぎいたします」
「うう、それにしたってお客様が多すぎます……カガリが一度に8人ずつ対応していても、まだこんなにいるなんて」
「が、がんばってみよう、まだ何とかなりそうだし……! アリスちゃん、あっちの床掃除手伝って!」
パーティーの会場としてはちょっと見栄えが悪いほどに走り回る。それくらいしないと回らない。どうやら僕の手際はそこそこ以上に良いらしく、みんな褒めてくれるのでにやにやしていたが、バニースーツについては殆ど見て見ぬ振りをされていることにも気付き、急に心が痛くなる。そりゃ触れられないよ先輩がこんな格好で出てきたら。とにかく、忙しいんだけど、なんか楽しくもなってきた。
いや、楽しくしてる場合ではなくて。せめてトキちゃんと一言くらい交わしておきたいんだけど、さっきから何回も目が合ってるのに無視される……よし、ちょっと仕掛けてみよう。
「………………」テキパキ
おはようトキちゃん! いい天気ですね!!
「!!? お、おはようございます。御用でしょうか」
や、用事ってほどのことじゃないんだけど……その、集中し過ぎてない? もうちょっと適当でもいいと思うよ。
「……そう、ですね。まさかカガリさんに背後を取られるとは思っていませんでした」
トキちゃん、回り方が合理的っていうか……傍から見てると進むルートわかりやすいし、振り返る回数も少ないから、追えさえすればって感じ。トキちゃんが振り切ろうと思ったら追い付けないよ。
「………………」じーーーーーーっ
ご、ごめん、ちょっと意地悪しちゃってたかも。気を付けます。
「いえ、そうではなく。……スーツ、似合っていますね」
ぐっ……何かを間違えた気がしてならない……
(トキからの好感度が上昇します)
62+ dice1d3=1 (1)
dice3d100=43 17 49 (109) ダイス1つごとに知性ステータス(22)以下で1回成功
- 71二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 10:26:44
メイドの事前研修が生きたか
- 72二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 13:56:43
メイドにバニーが混ざってるのはもうそういうお店なんよ
- 73二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 19:51:16
うーん、この隠密性能よ
存在感増強制服を着てないとトキでもびっくりするか - 74二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 00:00:50
今思った。
登場した衣装全部実装したら確定で三着あるんだけど
・恒常衣装①(シャーレ制服)
・恒常衣装②(ミレニアム制服)←カガリが持っているのかがわからないため
・メイド衣装
・バニー衣装 - 75二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 06:27:14
早めの保守
- 76佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/06(木) 06:40:10
そして、給仕の隙をついて全員が一堂に会し、冒頭に繋がる。バニースーツを着ている理由についても少し理解してくれたかも……いや、理由になってない気もした。楽しそうならいいか!
「ふう。ちょっとお仕事落ち着いてきたね……みんな大丈夫?」
「だ、大丈夫! その、カガリ先輩がすごい動いてたから……」
「アリス達は後衛でサポートしていました! これがパーティの役割分担ですね!」
まあまあ、僕だけが忙しかったわけじゃ全然ないけど。ねっトキちゃん。
「それにしても、ちょっとびっくりしました。気付いた時にはもう居たので」
「……ふむ。皆さん、私がここに居ることを、然程驚いていない様子ですね」
う゛っ……ご、ごめんなさい……
「ご説明頂いてもいいですか? 先生」
あ、先生なんだ。助かった……いや、助かったとかじゃないよ僕。その考え方やめようね。
それぞれがこのお屋敷にいる経緯、僕がやっちゃったダブルブッキング、予告状の内容……あと、言うか迷ったけど、銅田さんがちょっと胡散臭いってのも。軽く共有だけでもよかったけど、話し合いも円滑に進んだ。
トキちゃんとゲーム開発部の関係、ちょっと不安だったけど……心配いらないか、それとも心配は後回しでいいか、そんな感じかな。一緒の時間を共有できてることが大事なのだろう、と思った。
「てかカガリ先輩、いつまでそれ着てるの? もう合流は出来たんだし、無理しなくてもいいんじゃ」
無理してるように見えるんだ??? いや、どうしよっかなーって……折角用意してもらえたんだしって気持ちも……
「わ、私はメイド服の方が好きです!」
「むむむ。どちらも似合っていますが……トキとのシナジーを考慮すると、バニーがより強力になるかもしれません」
「ふむ。これはカガリさんが、ゲーム開発部側に付くかC&C側に付くか、その分水嶺ということですね?」
えええええええ!!?!?? そ、それを言うなら、僕は所属がゲーム開発部……
「でもカガリ先輩、今日の予定はC&Cを優先しようとしてましたよね」
ミドリちゃんは僕をどうしたいの???? ……先生!! 先生に決めてもらおうかなーって思ったんですけど!!!
"私!? う、うーん……"
dice1d2
1."ここはメイド服で行こう!"
2."もうちょっとバニーにしよう"
- 77佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/06(木) 06:41:14
- 78佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/06(木) 07:11:40
「……まあ、この機会でもないと、カガリ先輩のこんな格好見られなさそうですしね」
そう言ってカメラを取り出し、僕に向かってシャッターを切るミドリちゃん。……今まで撮らなかったのは僕に気を遣っていたからで、今撮ったのはそれが無くなったってことですか? どういう精神状態なんですかそれ。
ふと気が付くと、僕たちが給仕に回らなくてもパーティーが十分回り始めているようだった。つかの間の休息……さっきの流れのまま、ミドリちゃんがみんなにカメラを向けて回る。そうだ、僕もアリスちゃん撮ろうかな! うーん、自信がついてきた様子だけど、正面から行くと拒まれちゃうかも。こっそり……
電源を付けて、気付かれないようにファインダーでアリスちゃんを捉える。ミドリちゃんの側に立って、みんなの写真を覗き込んでるみたい。うん、今日もかわいい……そう思った時だった。
"!?"
「て、停電!? み、みんなどこ、集まって!!」
僕たちだけじゃなく、会場の全体からどよめきが反響する。混乱で声を荒げる人々を銅田さんが鎮める。停電は一時的、少し待てばすぐ復旧するようになっている、と……
それらの応答を遮って、まるで笑うような声が、足音が、暗闇に響く。
ある者は、こう言いました。「価値あるものは、その手に収めてこそだ」と。
例え人目に触れぬまま……何年、何十年と経過し、いつしか人々から忘れ去られようとも。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか? 美術品とは、広く知られてこそ、その価値を証明できるのでは?
みんな、演説の正体には心当たりがあった。それでも声は続く……まるで、僕たちに教えを説くように。
ある者は、私を盗人と蔑み。そしてまた、ある者は私を咎人と罵る。
人は生まれながらにして名を持つものではありません。呼び名とは、他者から与えられるもの。
故に、私は――その名を受け入れました。
そう、我が名は――
復旧した照明。直前までの闇の中、声のする方を曖昧に向いていた数十数百の視線が、その一点に吸い込まれていく。純白のいでたち、瀟洒なスーツにマント、腰の高さほどもある長身の銃を杖のように構え、頭の上にぴんと立った一対の耳、謎めいたマスク……そしてその唇が、名前を紡ぐ。
「"慈愛の怪盗"」 - 79二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 12:22:03
そこでアリスを撮ろうってなるの、カガリちゃんさぁ…
- 80二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 15:53:42
来ましたね慈愛の怪盗
- 81二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 21:10:48
きたー!
- 82二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 22:04:49
いよいよ来たか
- 83二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 07:36:24
保守
- 84二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 15:58:14
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:30:15
対処できるか皆
- 86佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/08(土) 05:11:29
「――緊急クエスト発生です!」
アリスちゃんの声に反応して前に飛び出る。視界の端には、まったく同時に飛び出したトキちゃんの影が映っていた……のも束の間、たった3歩ぶんだけで2mくらい離される。は、はやい。これがトキちゃんのトップスピード? C&Cに同行した時に見たのもかなり速かったけど、あれですら陣形を重視した動きだったっていうのか。
同時接敵は諦めて、ここから射撃しながらじわじわ距離を……と思って階段の上を一瞥すると、そのまま怪盗と視線が合う。良い予感はしないけど一応発砲。やっぱり簡単に躱される。いちいち動きに余裕があるというか、優雅というか……美しかった。ファンがいるってのもわかる。
「……―――――――――――……―――」
「―――――――――――、――――――――――?」
とっくにトキちゃんは怪盗の目前まで辿り着いて、なにか問答を交わしているようだった。でも、交渉の類が通じる相手とは思えない……人並み以上に芸術の興味があるって、要するにマキちゃんみたいな感じってことでしょ?
dice8d100=57 39 51 85 13 96 23 14 (378) ダイス1つごとに戦闘ステータス(62)以下で1回成功
- 87二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 05:16:50
6回成功か・・・。
- 88佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/08(土) 06:23:54
「……嗚呼。想像していたよりも手強いですね、お二人とも」
「ありがとうございます、泥棒様。大人しくお縄についていただけると」
ファンの人たちには悪いけど、ただで帰すつもりはありませんからね!
「ふふっ。しかし、あまり美しいとは言えません……二人であるが、一対でない。簡単なことです」
な、何が言いたいんですか!
「っ!? ここっ、罠――!」
大きな破裂音と共に、黒い煙が辺りを一瞬で覆う。衝撃の中心は、前に立っているトキちゃんの足元、後ろに控えている僕の目前……一瞬にして分断が成立した。耳の奥がまだキーンと鳴っている……慈愛の怪盗が何か得意げに言っているのもうまく聞こえない。
「……逃がさない、よっ!」
「私たちの相手もしてもらいます!」
――モモイちゃんとミドリちゃん! 反対側の階段から登ってきたみたいだった。こっちの2人が態勢を立て直せれば、そしてあっちの2人が足止め出来たら、まだ戦闘を続けることはできる!
「ふむ、期待以上に面白いですね。しかし……お嬢さん方も、己の力不足を知らないわけではないでしょう?」
「へ、へえ? やっぱりわかるんだ。そうだよ、私たちただの一般人だよ」
「それでも勝ち方なんて無限にあります! お願い、アリスちゃん!!」
「……?」
「貫けっ、バランス崩壊! ――光よ!!!!」
一筋の極光。射角を通すためか、遠く離れていたアリスちゃんが放ったレールガンの一撃が、慈愛の怪盗が直撃する……こ、このままいけそう!! - 89佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/08(土) 06:27:35
「……ぐっ。力不足とは、間違った見立てだったかもしれません……お見事です」
「え゛、防ぎ切ってるんだけど!? そのマント何で出来てるのさ!!」
「飛鳥馬トキ、復帰しました。畳みかけましょう」
僕もまだ動けるよ! どうするんですか怪盗さん、僕たちが有利だと思うけど――
「『慈愛の怪盗』め! この屋敷に忍び込んだが最後、そう簡単には抜け出せんぞ!!」
……銅田さんの連れてきた警備兵が、無差別に放った弾丸。最前衛で戦っていたミドリちゃんがそれに巻き込まれて、手すりの向こうによろめいていく……
「――み、ミドリ!!」
「お姉ちゃ……っ」
驚愕の一秒間。鳥が墜ちるように転落するミドリちゃんに、『慈愛の怪盗』が針を落とすような軌道で迫って、アクション映画さながらの体当たりの手順で抱き留める。
次の瞬間、『慈愛の怪盗』の右腕から階段の上に伸びていたワイヤーが反対向きに張って勢いを削ぎ、非致傷的な衝撃とともに着地する。ミドリちゃんがメインホールの床に倒れ込もうとする時、既に2本目のワイヤーが天井に向かっていて、怪盗はそのまま飛び去ってしまった。僕たちが階段を降りて駆け付けたのは、全てが終わった後。
「ミドリ、大丈夫でしたか? 怪我はありませんか?」
「は、はい、平気です。……あの人、なんで、私を……」
……ミドリちゃん、服に何か挟まってるよ。これ……予告状?
「えーっと。"予告は実行されておりません"、だって。つまりまた来るってことかな」 - 90佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/08(土) 06:58:19
少し遅れてアリスちゃん、そこからもう少しで先生とユズちゃんも合流する。誰も目立った怪我はないみたいで、とりあえず一安心。先生の機転で、トキちゃんの存在とかの銅田さんに説明してなかったことは、全部陽動作戦の一環だったことになった。これで堂々と動けるようになるから……次はもっと息を合わせたいな。『慈愛の怪盗』に言われたことを少し気にしてしまっていた。
ユズちゃんの方はというと、少し気になることがあったみたいで……
「最初に停電した時、怪盗さんがワイヤーアクションで移動してるのが見えて……だから、逃走手段もこれだろうな、って予測して、先生にも相談して、待ち伏せしてたんです。あっちの方に」
"天井の西側に、階段上のみんなからも、アリスの狙撃地点からも死角になってる部分があって。逃げるにはうってつけの中継地点だと思ったから、狙える位置に控えてたんだ"
「それで、その予測が当たって……いちおう、照準は合わせたんですけど……ミドリのこと、助けてくれたから……ご、ごめんなさい、迷っちゃって……」
"ユズのせいじゃないよ、私も悩んじゃったから"
「まあ、気持ちはわかるかな……う、うーん、C&C的にはどう?」
「ターゲットを取り逃がしているので、結果的には微妙です。しかし……難しいと思います。先輩方でも、全員が揃った答えを出せるかどうかは」
「……『慈愛の怪盗』、見られてるのに気付いたみたいで、天井からわたしと先生の方を見たんです。特に心配することもなく、飛んでっちゃいましたけど」
"きっと、撃たれないってわかってたんだと思う。相当肝が据わってる子だと思った"
『慈愛の怪盗』の人物像に、ちょっと気になるところがあるとしても、自分たちのやることは変わらない。全員で再確認した後、それまで通りの警戒態勢に戻った。
……僕って、根に持つタイプなんだろうか。銅田さんが銃撃にミドリちゃんを巻き込んで高い所から落としたの、思い返すとかなり……嫌な気持ち? になるんだけど、その場では触れないことにした。僕自身、『謝罪が無かった』ってことに対して感情的になってるだけだし、任務に自分の感情を持ち込むのは無しだと思ったから。でも2回目があったらその時はわかんない。 - 91二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 10:23:15
逃がしちゃったか
まぁしゃーない - 92二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 15:55:02
痛いですむ程度でもいい気分はしないわな
- 93二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 22:52:01
どうなるかねぇ
- 94二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 01:20:25
このレスは削除されています
- 95佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/09(日) 08:31:32
結局、その日のパーティーはそれでお開きだった。簡単に後片付けを手伝って、1日目の任務もこれで終了……用意してもらった客室を、先生も入れて6人で使い、念のためいつでも出動できるような態勢だけ整えておきながら、デリバリーのピザを楽しむ……あれ、6人?
「んむ。そういえば、トキは?」
「た、確かに。その内来るかと思ってたけど、来ないね」
……部外者なの、ちょっと気にしてるのかな。任務中っていうのもあるし。
「えぇーーー。今更じゃない?? ってか元々C&Cの任務だし、見ようによっちゃ私らの方が部外者なんじゃ」
「うーん……気持ちの問題、でしょうか。本当のパーティメンバーになってもらうためには、まだイベントの数が足りていないのかもしれません」
"みんなさえ良ければ、呼んでみる? 多分連絡できると思うよ"
先生にお願いして、食事のお誘いを送ってみる。20秒も経って無かったと思うんだけど、部屋にノックの音が響いた。
……扉ではなく、窓から。ここ、2階じゃなかったっけ? カーテンを開ける。
「コールサイン04、ここに。お呼びでしょうか」ぬっ
うわ゛あああああああ!!!!!!!
「こ……こんばんは、トキさん。せっかくなので、お話したいな、って思って」
「あの、寒くないですか? というか、任務中じゃなくてもその服なんですね……」
「先程までは上着を羽織っていました。今、脱いでいるのは……先生からの呼び出しだったので」
「先生?」
"違う!!!! 誤解だよ!!!!!" - 96二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 11:14:05
こっわ
- 97二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 18:53:39
急に来るな…
- 98二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 20:07:09
うーん、この平常運転押しかけメイドよ
- 99二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 01:44:06
何してんだこの人・・・
- 100佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/10(月) 04:26:23
「そ、そういえばだけど。カガリ先輩、あの後トキと話してくれた?」
最初に無言を破ったのはモモイちゃんだった。ちょっと話したよ、と、多少つっかえながらも返す……返した。終わり。
いや、だって、話したっちゃ話したけど、あんまり進まなかったもの。立ち会ってくれたネルさんが解決を焦らないことを選んでくれた結果でもあるから、良いことでもあるんだけど……か、かくなる上は。
「………………」
と、トキちゃん。いや、トキさん!
「はい」
その……アリスちゃんとのこと! いろいろあったみたいだし、まだしっかりは話せてない、みたいで、僕も助けになれたらなって気持ちがあったりもするんだけど……
「はい」
……それで、ついこの前も、ちょっと蒸し返すみたいになっちゃったんだけどさ。その、もちろん話し合いですっきりするならそれも良いけど、無理に清算しろって言いたいわけでもなくて……
「……はい」
そう、だから! ……えーっと。もしトキちゃんがこれからも変わらず僕たちと仲良くしてくれるなら、今から僕がこの……この、ピザについてきた辛いソースを、一気に口に含みます。
「……はい?」
?
「待って待って待って待って、何言ってんのこの人」
「っふ、あはっ、あははははははっ!!!!!www」
「…………無理、何もツッコミの言葉出てこない。私の負けです」
「ひ……ひぃ……っwww」
「うわーん、ユズが笑い過ぎで使い物にならなくなりました! ちょっと真面目だった空気が台無しです!」
「……それは、どっちの意味ですか? 仲良くしてほしいのか、してほしくないのか、わかりません」
た、たしかに! えーっと……逆にしよっか、トキちゃんが仲良くしてくれないなら、悲しさのあまりこの辛いソースを――
「カガリ先輩、本当にちょっと一回黙って」
あっはい……
"……うーん"
"平和、だなあ" - 101佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/10(月) 05:07:25
「本当にさあカガリ先輩はさあ、なんでこうなるわけ?」
まことに申し訳ございませんでした。反省しています。
「お姉ちゃんもちょっと落ち着かない? いや、これが落ち着いてられるかって感じだけどさ」
「すごいですカガリ。アリス、怒ってるモモイなんて初めて見ました」
「い、いや、怒ってはないよ。ただ……あーーーもう、この人めっちゃ上手いこととか良いこと言う時だってあるんだよ??? なんでこんな……」
「……こほん。その……カガリ先輩、大人数の前で話すのは向いてないのかも」
だと思います……
"ひ、ひとまず、お互いに気になってることと、理由を話し合ってみようか!"
本題の前に奇妙な迂回をしてしまった気がする。目配せで、どっちが先に話すかを図り合い……ゲーム開発部が先っぽい雰囲気に。そういえば、トキちゃんの方を気にしてばっかりで、みんながどんなスタンスなのか聞いたことは無かったかも……
「アリスは、トキと仲間になってみたいだけだと思います。きっとそこに特別な理由はありません」
「……アリスちゃん? 仲間、って……」
「トキは最近、何度もゲーム開発部に遊びに来てくれますよね。それにどんな理由があるのかはわかりません……でも、そのずっと前から、"トキと一緒に遊んでみたい"と思っていた気がするんです。順序が反対で、勘違いかもしれなくても、それが今の本当の気持ちです」
「……私は――」
「トキが今、どんな気持ちでいたとしても、ゲーム開発部の扉はトキのために開けておきます。だから……安心してください」
「………………」
「はー。アリスってば、ちょっと良い子すぎるね」
「本当に。カガリ先輩も見習ってください」
うん。本当に……すごい……
「さて。トキ、うちのアリスにここまで言わせたんだから……今すぐじゃなくても良いけど、いつか返事はしてほしいなって思うんだけど」
「いえ、御心配には及びません。話せるだけ、話してみようと思います……お二方の方法を参考にして」 - 102二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 09:07:02
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- 103二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 11:31:40
経験者なのか・・・。
- 104二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 16:33:49
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- 105二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:16:20
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- 106二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 08:04:44
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- 107二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 15:42:43
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- 108佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/11(火) 20:44:50
「――つまり、私たちの警戒心を解くために部室まで遊びに来てた、ってことですか?」
「はい、概ねその認識で合っています。……ネル先輩は、『もう少しちゃんと言葉で話したほうが良いぞ』と」
「否めないね。でも実際、最近はそんなに警戒してなかったし、功を奏してはいたのかも」
「それなら……トキ、これからも一緒に遊んでくれますか?」
「………………」
……気負いしちゃう?
「しているかもしれません。私がしたことの重さに釣り合うようなことは、まだ出来ていませんので」
"無理して一度に釣り合わせる必要はないよ。これまでと同じように、ゆっくり時間をかけていけばいいんじゃないかな"
「そう……でしょうか」
"うん。すぐには難しいと思ったことは、時間が経つのを待ってみるのも方法の一つだから"
「なんだか、釣りのゲームに似ています!」
"言い得て妙だね。のんびり行こう!"
「……わかりました。では、辛いソースは私が飲めばいいですか?」
……えっ?
「先程学びました。ゲーム開発部では、相手がこれからも仲良くしてくれることが決まった時これを飲む、という慣習があると」
「そうかな……そうかも……?」
「どうすんのこれ、完全にカガリ先輩のせいだよ」
そ、それは……どうしよう、アリスちゃん。
「うーん……仲良くするのはお互いになので、2人一緒に飲むのはどうですか?」
アリスちゃん!?!??
「決まりですね。これをどうぞ」
すっと手渡された、深緑色の小袋入りチリソース1つ。ど、どうしてこんなことに……僕のせいか…… - 109佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/11(火) 20:45:07
「……では、いただきます」パクッ
い、いただきまーす……
「………………」
ぐ、はわぃ……
「はわい。辛いって言ってるのかな」
正解。ちゃんと辛い。いや、辛い以上のことはないんだけど。顔がカッと熱くなって汗をかく。依然として気まずく、トキちゃんと目が合う……
「?」ツーーーーーーーーー
!!?
「ウワーーーー!!!!かたや涙を流してかたや顔が真っ赤になってる!!!!!!」
「……あ、あれ? カガリ先輩って、辛いの平気じゃありませんでした?」
んぐ……そういえば大丈夫だよ僕! 暑くはなるけど!
「はい、私も並の刺激物には免疫があります。生理的反応で落涙する以上のリアクションは取れません」
「……だったらこの時間まるごと何だったんですか??????」
「パンパカパーン! トキとカガリが合同チャレンジをクリアしました!」
「いえーい! とはならないよ!!!!わざわざ呼び付けてまでしたことが辛いソース飲ますって!!!!!」ぼこぼこ
ご、ごめ、っすいませんでした!!! 本当に申し訳ありません!!!!!
"平和だぁ…………"
その後、7人で場所を分け合って就寝した。トキちゃんはまた窓から帰ろうとしてたけど……「シャーレの先生がいる部屋から目元を腫らした際どい恰好の女の人が出て行った」みたいな様子を見られると非常に良くないので、一緒にいることに。
でも、おかげで楽しかったし! 結果オーライと言えなくも……いや、言動には気を付けます。収拾がつかないので。
(トキとの好感度が相互に上昇します)
カガリ→トキ 60+ dice1d6=2 (2)
トキ→カガリ 62+ dice1d6=1 (1)
- 110二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 22:37:02
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- 111二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 07:06:31
ほ
- 112二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:22:06
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- 113二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 21:18:44
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- 114二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 21:29:27
あぁ~、青春の音~
- 115二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 06:47:20
朝保守
- 116二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 12:51:20
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- 117二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 15:09:23
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- 118二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:44:31
絆が深まったぞ
- 119二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 03:18:21
いいねいいね
それはそうと「シャーレの先生がいる部屋から目元を腫らした際どい恰好の女の人が出て行った」(>>109)は普通に考えればまずいね。うん。
- 120二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 07:26:55
カガリちゃんもトキちゃんも可愛いね…
- 121二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 16:08:23
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- 122二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 23:03:34
方法はアレだけど打ち解けられて良かったね
- 123二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 08:47:04
大丈夫かね
- 124二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 18:04:38
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- 125二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 22:05:14
真夜中に落ちると困るので保守
- 126二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 07:36:33
朝保
- 127二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 15:16:12
規制かねぇ
- 128佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/16(日) 19:16:10
一夜が明け、2日目の警備!
昨日の忙しさに比べれば、無風に等しいくらい。折角余裕があることだし、今の内にできることをしておきたい……周りを見渡すと、ミドリちゃんがカメラをあっちこっちに向けているのと目が合って、ついピースしてしまった。ぱしゃり。
「……あっ、撮っちゃった」
やっほ。資料集めって感じ?
「はい。綺麗なもの、沢山あるから……次回作に活かしたくて。そう思ってるんですけど……あの、見てください」
もちろん! どれどれ…………
「気付いたら最初の方、身内の写真ばっかり……」
……ほんとだ。モモイちゃんとかアリスちゃんとか……このダンボールもユズちゃんか。
「一応、カガリ先輩は撮らないように気を付けてたんですけど。あとトキさんも」
……なんで????
「自分とか友達をキャラとして使うの、そろそろやめたくて……まだ使ったこと無い人まで巻き込んだら、私もう戻れなく……」
ま、前もそういうこと言ってたね。……今更じゃない? やめるって言っても、ミドリちゃん多分、"あのぬいぐるみ"仕舞ったりできないし………
「ぐううううう……」
こんなに苦しむミドリちゃん久しぶりだな。"あのぬいぐるみ"とは、僕がゲーム開発部の部室に初めて立ち入った時には既にひっそり存在してたらしい、モモイちゃんとミドリちゃん、ユズちゃんにアリスちゃんをそれぞれ象ったぬいぐるみ4体のこと。最初は普通にかわいいなって思ってたけど……まあ、変だと思って見れば、ちょっと変。
「ゲーム開発部、4人から5人になりましたよね」
……そうだね? いつもありがとうございます。
「ぬいぐるみがまだ4人なの、気になってて。気になり続けて、もう頭の中に展開図あるんです。作ってないだけです、カガリ先輩」
………………
「なんで……なんで私って、変なところ気持ち悪いんだろう……カガリ先輩のこと言えない……」
大きくため息を吐き、自分たちを出すゲームは最低でもあと1作作っちゃう気がします、と半ば諦めるように宣言したミドリちゃん。そもそも姉のメイド服姿を見た時から、薄々こうなる気はしてたとか……
ど、どうすればいいんですかこれ。本人の問題すぎるけど、放ってもおくのも……どうすれば……
dice1d100=21 (21) 目安は倫理ステータス(52)
dice1d100=18 (18) 目安は慈悲ステータス(67)
- 129二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:59:58
どっちも低めでクリアだな
- 130佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/17(月) 04:02:09
……でも、そういう作品を待ってるっていうファンの人もいるんじゃない?
「いると思いますよ。でも、そんなの求めてたら怪しい人じゃないですか……応えていい要望なのかなって」
た、確かに。うーん……僕は見てみたいけどなぁ。
「カガリ先輩、怪しい人ですもんね」
そうじゃなくてね??? その……せっかくミドリちゃんが情熱持ってる分野ならさ。それだけでやる価値あると思うし、どんなものになるか気になるな、って。
「言うほど違いました? 怪しい人なんじゃ」
ぐっ……怪しい人でもいいけど! とにかく、それも含めてゲーム開発部っていうブランドの一部なんだとしたら、大事にしてみたって罰は当たらないはずじゃないかな。それでも気になるところは……またみんなで話し合う、とか。
「……わかりました。そんなに言ってもらえるなら」
うん! そうだ、僕も今日カメラ持ってきてるから、いろいろ撮ってみるよ。美術品もそうだし、みんなの様子も……ミドリちゃんもね?
「………………」じーーーっ
あれー? 怪訝そうな目が発動している。特に何も変なこと言ってない気がするんだけど……え、服装?? 服装だったらどうしようもないですが……
「出発の前、アリスちゃんのこと励ましてた時も、ちらっと見てて思ったんですけど」
え、えっ? はい。
「カガリ先輩、人が欲しがってる言葉投げかけるの上手いですよね。ちょっとどうかと思います」
????? ご、ごめん、どういうこと……
「すっごい嬉しいこと言ってくれるんですけど、淀みなさすぎて、カガリ先輩は軽い気持ちで言ってそうなのが、なんか複雑です。責任感というか」
……思いつくままに喋ってるから、軽い気持ちってのは否定しづらいかも。無責任っぽくなってたらごめん。
「………………」
でも、その場でかける言葉だけじゃなくて、それ以外の方法でも助けになる、って感じで考えてたい。いちおう、仲間、だし……
「っ……わ、わかりました! 今のは私が意地悪でした、ごめんなさい!」
あ、謝られてしまった。何が起こったんだろう?
……ここで『何が起こったんだろう』と思ってしまうことがよくないのかもしれない。だからと言って、わかんないことがわかるようになりはしないけど……むむむ…… - 131二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 07:53:24
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- 132二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 14:59:36
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- 133二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 22:21:38
楽しそうで何より
- 134佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/18(火) 04:43:30
"ある程度は仕方ないよ。キヴォトス全体で見ても、子供というだけで相手を軽んじる大人は、それなりに存在するし……だからこそ私も、ちょっとしたことで腹を立てたりはしないしね"
僕が銅田さんに疑いを掛けた時、先生はこう言った。理解を示してくれたようでありながら、暗にやり過ぎるなと制された印象もある……
それで、上手く折り合いが付く考え方を頑張って導き出した。何も情報が無いうちは、ちょっとした疑いを前提にして進んでいったっていい……新しく情報が出た時、古い前提に拘ることさえなければ。ということで、僕は銅田さんが僕たちに伏せている何かの正体を探ろうと思った。
dice3d100=75 75 94 (244) ダイス1つごとに交渉ステータス(91)以下で成功
特に気になるのは、やっぱり予告状について話してた時の反応。銅田さんが主立って話を進めていたくだりは全部疑って掛かるべき? それだとキリがないような。
……予告状。ファンサイトの情報によると、慈愛の怪盗は"美学"を重視するらしい……それって、公平性の証になるだろうか。つまり、僕たちが誤解無く予告状の内容を読み解くことができたら、それが真実を語ってくれたりしないだろうか。
- 135佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/18(火) 05:01:30
「止まった舞と……アンティキティラの裏側?」
は、はい。このお屋敷の中で……何かそれっぽいものってありませんか?
「ふうむ。なんというか、気取った言い回しって感じはするけどねえ」
ここはひとつ、来場しているお客様に知恵を借りてみることにした。口実としては、「仕事中、別のお客様に謎解きを出題されたから、ぜひ解いてお返ししたい」といったところで。
「時に、君。『水の無い川をよく見よ』と指示があったら、どこに行く?」
え。それは……干上がっちゃった川とかが近場にあるなら、そこかな……
「これは昔に読んだミステリの謎だったんだけどね。答えは実際の土地じゃなく、『紙に書かれた地図の川の部分に秘密が隠されている』ってものだったんだ」
……へ、へー。
「『止まった舞』も、その例に当てはまる気がする。舞そのものじゃなく、その形を模した別のものまで視野を広げてみるといい……謎ってのは基本、答えから連想して作るものだから。1つヒネって作られた謎は、反対側に1つヒネれば、答えになるはず」
頑張りな、と励ましてもらい、さっそく教えを実践。……『アンティキティラ』はよくわからないので、まず『止まった舞』から。舞……ダンス。この屋敷の中に。ヒントを求めて、自分が撮ってきた写真の一覧をずらーっと流して確認する……
……案外早く、1つ目の候補が上がった。そう遠くないし、実物を見に行ってみようかな。 - 136二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:46:04
このレスは削除されています
- 137二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:39:15
聞いた甲斐があったな
- 138二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 17:25:21
お客さんもナイスヒントだがカガリちゃんも冴えてるね
- 139二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 22:45:44
順調そう
- 140佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/19(水) 05:08:27
─────────────────────────
「ねえミドリ、カガリ先輩どこにいるか知らない? あとユズも」
「カガリ先輩? さっき話したよ。ホールの真ん中の方に行った気がするけど……ユズちゃんの方はわかんない」
"どうかしたの?"
「急に見かけなくなったから、とりあえずモモトーク送ってみたんだけど、全然反応なくてさ。おかしくない?」
「……確かに。あの人、どんな時でも即レス返してくるのに」
"私からも送ってみるね。もしかしたら、迷ってるのかもしれないし……みんなで探してみようか"
dice5d100=52 75 89 41 68 (325) ダイス全てが戦闘ステータス(62)を下回れば成功
dice5d100=67 67 72 90 94 (390) ダイス全てが掃除ステータス(94)を下回れば成功
(突如、ホールの照明が切れ、暗闇が一帯に満ちる)
「ま、また停電!? このっ、また現れるつもりなら今度は逃がさないよ!!」
"よし……それじゃあ打ち合わせ通りに。トキ、絵画を――"
『問題ありません、すでに確保済みです』
『こちらアリス、既に狙撃準備できています!』
─────────────────────────
- 141佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/19(水) 05:32:14
─────────────────────────
『――私の声は届いておりますか?』
『幾許の猶予もございませんので、手短に。貴方がたは今、騙されています……そして、可能な限り早く、今まさに窮地に陥っている仲間を救けなければなりません』
『……予告状のことを思い出してごらんなさい。残された謎を解けば、結果として彼女らと同じ場所に辿り着くことが出来るはず……私からお教えできるのは、ここまでです』
『それでは、私はこれで。先んじて"争奪戦"に参加させていただきましょう……お待ちしておりますよ』
「――あっ、点いた! なんだったんだろう、結局怪盗は来なかったみたいだけど……」
「トキさん、何も盗まれなかったですか?」
「はい、全て無事です。展示会を続けるのであれば、元の場所に戻すことになるでしょうか」
"いや、それよりも先に話したいことがある。一度みんなで集まろう"
───────────────────────── - 142二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 10:07:12
掃除は成功多いけど戦闘が微妙…
大丈夫かな - 143二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 13:17:09
意味深な事だけ言いおって
- 144二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 20:27:56
ほ
- 145二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 00:00:52
戦闘の方が不安だ
- 146佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/20(木) 03:44:23
「なるほど……カガリ先輩は、『止まった舞』の方からここに来たんですね。私は、『アンティキティラ』について考えてたら、この時計が気になって」
ユズちゃん曰く、脱出ゲームのセオリーは、『怪しい余白を片っ端から触ってみる』ことだという。2人で同じ場所に辿り着いたなら絶対ここに何かあるはず! と決めてかかり、実際に調べてみたら怪しいタイルが見つかって、弄ってみたら隠し階段が出現して、その中に2人で入っていって……
うーん、しくじったなぁ。証拠を掴むことは出来たけど、自分から泥沼に入っていってしまった。
「出てこい、C&Cの黒鼠! どの道ここから逃れることはできんぞ!!」
怒ってるね。まあ、冷静さを欠いてくれる分には嬉しいけど。
「こ、これ、本当に勝てるんですか!? いくら地の利があるからって、こっちは2人だけで、あっちはあんなに沢山……!」
勝つっていうか、ひとまず負けなければいいかな。電波さえ繋がれば話が早いけど……そうならなくても、先生が気付いてくれるかもしれないし。
「……こういうの、経験あるんですか。C&Cに体験入部したっていう話以外にも」
不安そうな表情を見て心がぐさっと痛む。僕自身あんまり覚えてないから、答えようがない。
状況を整理しよう。階段を下って秘密のオークション会場の扉を開いた僕は、同時に銅田さんにばっちり見つかって……その階段が地上と繋がる唯一のルートであることを察し、咄嗟に爆薬で破壊して誰も出られないようにした。まさか僕がこんなアカネさんみたいな方法を使うことになるとは。
後はモモトークで応援を呼べばいいと思ったんだけど、電波が急に途絶えてしまい、密室が成立。長時間のゲリラ戦に発展して、いつまで逃げ続けられるかもわからない……僕はまだいいけど、ユズちゃんに強いストレスを与えてしまっていた。
「カガリ先輩」
ん。どうしたの?
「わたしが止められなかったのも、よくなかったですけど……どうして、先生に相談しないまま、ここまで来ちゃったんですか」
……決定的な証拠が出てから共有した方がいいかなって。
「次からは……もし、次があるとしたら、やめてほしいです。みんなが無事であること以上に大事なことなんて、ありません」
返す言葉もなかった。本当に、どうして僕ってこうなんだろうか…… - 147二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 04:40:55
このレスは削除されています
- 148一方その頃 ◆IEd0n050V225/02/20(木) 04:43:31
─────────────────────────
「や、部長。元気?」
「……エイミ? 招集は取り消したはずですが」
「ん、いちおう顔見とこうと思って」
「あら、可愛い後輩もいるものですね。可愛いついでに、天才美少女の愚痴に付き合っていただいても?」
「……初っ端からその調子。荒れてるみたいだね」
「ええ、それはもう。発端はカガリさんのことなのですが……問題の多くは先生です。いえ、それほど憎たらしいというわけでもありませんけれど」
「先生が? 部長、いつもは困らせる側でしょ」
「ゲーム開発部が諸事情でC&Cの任務に向かっていることはご存知ですか?」
「まあ、多少は。何かあったの?」
「カガリさんが行方不明だそうで。いま現在どこに居るかの座標を調べてくれと、先生から私に直接連絡があったのです」
「……先生って、カガリの特異性のこと知ってるよね?」
「はい。勿論再びお伝えしましたよ、『有効な情報が得られる可能性は低い、例え特製の制服を着ていたとしても』と。しかも、聞くところによれば制服は荷物の中だそうで、当人は今バニースーツを着ているとか」
「ああ……経緯はなんとなく想像できるかも」
「その上で、先生が仰ったんです。"ヒマリが探してくれるなら、見つかると思う。お願いしてもいい?"と。先生の人物像を知っていると、いささか不可解にも思える発言でした」
「………………」
「何よりも私を悩ませているのは、先生に促されるまま探知を実行した結果、いとも簡単にカガリさんの座標が発見できてしまったことです。一体これは何故なのでしょうか」
「……あ、見つかったんだ。なら問題ないんじゃない?」
「はあ……まあ、貴女にとってはそうかもしれませんけど。恐ろしいものですよ? 説明のできない成功って」
───────────────────────── - 149二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 07:42:26
これは・・・ケイちゃんか?
- 150二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 12:49:02
バグの見つからないコードみたいなものか
- 151二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 13:01:51
エラー吐きまくるコードが何故か動く奴
- 152二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 22:03:55
とりあえず何とかなりそうだからヨシ!
- 153佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/21(金) 06:29:23
「――お知らせしておきましょうか。あなた達の処遇について、こちらで話し合っていました」
誤魔化しながらやってきたけど、劣勢が誤魔化せなくなってきた。残ってた爆薬3個使い切って、弾もあと2マガジン分まで消耗して……やっと3分の1くらい掃除できたかと思えば、予備隊とか言ってさっきの倍の頭数が出てきた。こっちは算数がしたくてここに来たわけじゃないんですけど。
「お客様の中に、ペット趣味をお持ちの好事家の方がいらっしゃいまして。そちらに永久就職いただくことになりそうです……何分、人の身柄を扱うことまでは通じておりませんでしたので。いやはやラッキーでした」
「ひい……っ」
だ、大丈夫だよ、ユズちゃん。あっちも痺れ切らしてるだけ、多分この後『今のうちに投降するなら』とか……
「もし、今のうちに投降なさるのであれば、最低限の食事は保証してくださるそうですよ。悪くない提案ではありませんか?」
ほら。わかりやすいねあの人。
「……な、なんでそんなに平然としてるんですか」
うーん、自分でもよくわかんない。さて、ユズちゃんだけでも先に逃がしたほうがいいかな。爆破しちゃったから道途切れてるけど、1人が囮役やればもう1人が昇り切るくらいの時間は……間に合うか? 物陰から出入り口を見上げてみる。さっきから何回もこうしている……
「そんなに外が気になりますか?」
わ゛あああああああああ!?!?!??
「!? ど、どうし――」
「ふふっ、驚かせてしまいましたね。ですが危害を加えるつもりはありませんよ」
「……慈愛の、怪盗、さん?」
「お近付きの印に、こちらを。と言っても、貴方がたの荷物から代わりに取ってきただけですが」
……追加のマガジン! た、助かる!!!!
じゃなくて。……いや、軽くお礼はするけど、警戒が解けるわけではなかった。 - 154佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/21(金) 07:45:02
「お二人が危機に瀕していることだけは、"先生"に伝えさせていただきました。じき救けに来るかと」
「あ……ありがとうございます。でも、なんでですか……?」
「素晴らしい美術品は、特定の少数によって独占されるべきものではないと、私は考えます。そういった考えから、銅田は私の……私の美学にとって、大敵と呼べるのです」
利害の一致ってことか。……念のために聞きたいんですけど、怪盗さんの最終目標って教えてもらえますか?
「私ですか? 予告状で述べてあることが全てですよ」
それがわかんないんだけど……
「で、でも、協力できるってことですよね。目標も、『銅田さんの手から美術品を奪う』ってことは、たぶん共通してて」
「でしたら―― ?」
「……こっちだ! 次は逃がさないぞ!」
「おや、邪魔が入りましたね。後ほどまた落ち合いましょう」
そう言って手からワイヤーを伸ばし、なんの躊躇いもなく天井の影に消えていく怪盗さん。……ほ、本当に協力なんてできるんだろうか????
dice1d100=97 (97) 掃除ステータス(94)以下で成功
dice1d100=97 (97) 戦闘ステータス(62)以下で成功
dice1d100=14 (14) 運動ステータス(67)以下で成功
- 155佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/21(金) 08:08:22
――ひいいいい危なかった!!! もうちょっとで捕まるところ……
「少し動揺しているようですね。昨日、私を相手に立ち回っていた時よりも動きが悪い」
びっくりするから急に出てこないでください!!!! ……まあ、そうかもしれませんけど。増えた弾薬けっこう無駄に使っちゃった気がするし……
「ど、どうしよう……このままじゃジリ貧だし、逆転のきっかけを探さないと……」
「無為無策に戦闘を繰り返すべきではありません。何か作戦を立てられませんか?」
仮に作戦があったとして、怪盗さんは僕の言うことに従ってくれるんですか?
「はい。余程の無茶でなければ」
……えっ!?
「3人以上の機動では、誰か1人を司令塔にすることが効果的でしょう? 私がそうするよりは、貴方にそうしていただいた方が、円満に進みそうだと思った次第です」
仮面越しにもわかるくらい、にやにやと笑っている。あ、遊ばれてるんだろうか……
「カガリ先輩、作戦ありませんか?」
うん、何も思い浮かばない。……ユズちゃんは?
「……えへへ、やっぱりわかりますか。1つあります……綱渡りだけど、上手く行けば全部ひっくり返せるのが」 - 156二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 08:09:49
あっなんかダメそう
- 157二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 16:34:49
大丈夫か?
- 158二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 17:43:32
2ファン・・・・・・あれ?ここってファンブル=100だっけ?
- 159二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 23:08:48
スレ主さん次第やな
- 160二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 07:32:25
保守
- 161佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/22(土) 08:36:18
「……まず、一度、この場所からわたし達の姿を消します。つまり、これまでよりも完璧に隠れる必要があるんですけど……怪盗さんに、助けてもらえないかなって」
「ふむ。完璧とは、中々高い注文ですね……まあ、やってみましょう」
マントの裏側からお財布くらいの大きさの包みを取り出し、釦をばちんと開くと、内側から色褪せたブルーシートが現れる。僕たちが今隠れている場所を暖簾のように包むと、裏側を数か所ほどクリップで留め、固い針金で張り子のようにして……
「差し当たり、これで凌げるでしょう」
ええええええええ??? これでいいんですか????
「『向こう側に何も無い』と思わせるのには慣れていますので。人の認知とは、想像よりも穴があるものです」
「ひ、ひとまずは、信じます。ありがとうございました」
……ユズちゃんが良いなら良いけど。それで、これからどうする?
「えっと……仮に裏社会の人々でも、あれだけの人数がいれば、危機感が無い人もいると思うんです。つまり、いくら探してもC&Cが出てこないってことになったら……オークションが再開されるんじゃないか、って」
「有り得ない話ではありませんね。我々が具体的な行動に出るのはその後、という認識で宜しいでしょうか」
「は、はい。今はとりあえず待って、オークションが始まったら……まずは、物陰からこっそり証拠写真を撮りましょう。万が一、わたし達が敗走するしかなくなっても、それを先生に渡せれば、銅田さんの悪事を止めるのには十分なので……!」
『対戦ゲームの基本は、相手にとって嫌な行動を取り続けること』と語るユズちゃん。た、頼りになる……
(先生たちの到着は?)
dice1d3=2 (2)
1.オークションが再開される前
2.オークションの途中
3.オークションの途中、かつダイナミックエントリー
- 162二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 12:25:18
先生たちはどうかな
- 163二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 19:22:41
ダイナミックじゃなかったか、残念
- 164佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/22(土) 23:57:42
「次は……こちらの『ゴールデンカナリア』です! 隕石から産出したイエローダイアモンドを磨き上げたこの一品――」
ホントに始まった。まるで緊張感がない……いや、もしかしたら緊張感というものは存在してて、そのスリルを愉しもうっていう向きが強くなったのかもしれない。どっちにしても不気味。
……そういえばこのカメラ、シャッター音消す機能付いてたっけ。心の中でぱしゃりと鳴らしながら証拠を保存する。うぐぐ、今まで可愛いものと綺麗なものしか撮ってなかったのに。用事が全部済んだらさっさと消そうと思った。
「次の策は? 思えば、貴方がたの最終目標は未だ聞き及んでいませんでしたね」
「どうしますか、カガリ先輩。全員の逮捕と、盗まれた美術品全部の回収、ってゴールのつもりで考えてたんですけど」
うん、僕もそのつもり。一人も無事で帰すつもりないよ。
「では、いずれ交戦は始めるということで。そのタイミングは……"先生"がここに辿り着いた瞬間、でしょうか」
「は、はい! 先生たちのチームと、できれば怪盗さんにも敵を引き付けてもらいたいです。お願いできますか?」
「構いませんよ。存分に暴れさせて貰いましょうか」
……今のうちにハッキリさせておきたいんですけど。怪盗さんが狙ってる美術品と、C&Cが確保を目指してる美術品って、同じですよね?
「そうですね。しかし、今この状況で、それは大きな問題となり得るでしょうか?」
なりますよ。こっちは一歩も譲る気ありませんし、もしそっちも同じなら、あなたの手を借りずに作戦を成功させなきゃいけなくなる。
「過ぎた強がりを口にするものではありませんよ、お嬢さん。既にこれは貴方一人の作戦ではないのだから」
………………
「……い、今は、協力しましょう。呉越同舟、です」 - 165佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/23(日) 03:41:12
――来た! 控えめに扉が開かれる音。モモイちゃんを先頭にミドリちゃん、臨戦状態のアリスちゃんとトキちゃん、神妙な面持ちの先生……オークションの存在にも、今まさに気付くか気付かないかって感じだった。今回の作戦、タイミングにはそこそこ気を遣っている。
「もし出来るなら、で大丈夫なんですけど……先生たちがここで行われてることを理解するのと、銅田さんもまたC&Cが忍び込んできたことを認識するのが、両方満たされた頃合いを見計らって、登場してもらいたいです。なるべく乱戦にしたいので」
臆することなく、『慈愛の怪盗』にそう注文してのけたユズちゃん。プライドが高そうなイメージを持っていたけど、それ以上に度胸がある人を高く買う性格があるのか、余裕ありげに笑っていた。
さて、みんなの様子を見ると、オークション会場にしっかり視線が向いている。銅田さん達も騒々しさに気付きつつある……あと少し?
そう思った時、1発の銃声が響く。
……失敬。舞台の開幕に、手向けられる花の持ち合わせがなかったものですから。
そう、これは舞台。或る者は強欲な資本の走狗。或る者は仮面付きの侍従たち。或る者は秘密のベールを纏うエトランジェ。そして私もまた、闇の中に落ちる影として参上した次第です。
皆、求めているものは同じ。私たちはそこに、この世で唯一つの美を見つけることが出来るでしょうか? ……否、見つかりはしないでしょう。だからこそ、美はその力を以て、私たちに奪い合う宿命を与えたのです。
オークション会場から、各々がスマートフォンを取り出してライト機能を点け、声の方向に向かって翳し始める。薄い光の層が幾重にも重なって、背を向けている白い姿をぼんやりと浮かび上がらせた。
この館で最も貴重な品物から意を借り受けるならば、この舞台は『戴冠式』と呼ぶべきでしょうか。今日ここでは、誰しもが王になる資格を持っています……ただ、力によって。そこに一切の美学はありませんが、それでも素晴らしき機会です。
……嗚呼、こちらの皆様には自己紹介をしていませんでしたか。では、改めて。
人呼んで、『慈愛の怪盗』。美に対する率直な敬意を実践すべく、ここに参上いたしました。
――さあ、舞踏を始めましょう!
「……ま、待ってカガリ先輩、まだ飛び出したら駄目です……!!」
はっ! そ、そうだった。見るだけで乗せられちゃってた…… - 166二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 06:21:36
ユズちゃんがいなかったら危なかったな
- 167二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 12:16:11
ストーカーに走っただけあって結構衝動で動くよねカガリちゃん
- 168二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 19:47:06
作戦は順調だな
- 169佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/23(日) 23:45:47
「なっ、なんなのさこの数!!!! ホントに2人ともこんなところまで入り込んでるわけ!!?」
「はい。ヒマリ部長から送られてきた座標は、確かにこの辺りを」
"……みんな、警備兵の数を減らすことに集中して! 無理に前進しなくて大丈夫!"
「え、えっ!? わ、わかりましたけど……『慈愛の怪盗』はどうするんですか?」
「っ、怪盗はアリスが相手します! 任せてください、1発も外しません……!」
固唾を飲んで見守る地獄絵図。み、三つ巴って、こんなに荒れるのか……
撃破数が一番多いのはトキちゃん。腕に取り付けた武装から強力な射撃を繰り出したり、ときどきその武装そのもので殴ったり。こんなに攻めっ気を出せるのは、後方でモモイちゃんとミドリちゃんが先生を守っているからでもあるはず。
『慈愛の怪盗』は今のところ、完璧に僕たちの要望を達成している。戦いを攪乱してなるべく多くの警備兵を参加させつつ、程々に横槍を入れて注意を引き付ける……アリスちゃんが放つ光のエネルギー弾を、マントや仕込み銃で弾いて逸らしながら。動きの一切に無駄がなく、これは遊びに過ぎないと言わんばかりに、余裕を見せつけてるみたいだった。
「……せ、先生、気付いてるのかな?」
気付いてる、って?
「この作戦に。なんて言うのかな……どんどんわたし達にとって、都合がいい状況になっていくんです。怪盗さんのお陰だけじゃない、ような」
……あの立場とあの状況から、全く顔すら見せてない僕たちが後ろにいるどころか、警備兵が剥がれるの待ってることまで見抜いてたら、僕は先生が怖いよ??
「先生ならあり得ると思います。とにかく、思ったより早く出番が来そうなので、準備を……!」
ユズちゃんの立案は、シンプルな『不意打ち』。C&Cが回収したい美術品も、オークションを取り仕切る役も、ボディーガードの指示権限も、銅田さん1人で纏めて持ってしまっている、という弱味を付く作戦だった。つまり、銅田さんを守る人数が最も少なくなった時、僕たちが急に飛び出て捕まえて、頭に銃口を突き付ける絵面を見せつけられれば、後は全部僕たちの思い通り、ってわけ。
……他に不安事が無いでもないけど、それでも今はこれが最善だと思う。上手くやるしかない!
dice5d100=40 90 90 57 86 (363) ダイス1つごとに戦闘ステータス(62)以下で1回成功
- 170二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:21:52
2つだけか、いけるか?
- 171二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:35:47
掃除は上手くなったんだけどなぁ
- 172二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:54:06
なんとかなれー!
- 173二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 00:12:27
保守
- 174佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/25(火) 04:42:21
……ぐ、思ったように動けない……!
気が散るっていうか、焦ってしまうというか、何故かわからないけど前にいるユズちゃんを上手く支援できない。弾使いの効率も悪い……ど、どうしよう、このままじゃ折角バラけてた敵が集まってきてしまう。
「――カガリ先輩っ、交代しましょう! 前に出てどんどん倒してください!!」
僕の不調を見抜いてか、ユズちゃんから指令が入る。肩同士ですれ違い、進みながら撃てるように脇腹の位置で銃を構え直して……決めた、難しいことはもう考えない!
撃つ姿勢はそのまま動かさず、脚を使って横方向に大きく動き、なるべく多くの敵が射線上に並ぶよう立ち回る。そしたら後はひたすら連射! 数が減ったら前に詰めて、そこにいる敵に同じことを繰り返す。多少の撃ち漏らしはユズちゃんが片付けてくれる!
「……な、なんだお前たち!? いいいい今までどこに――」
ようやく僕たちの存在に気付いた銅田さんが飛び上がって驚く。言い終わるころには既に、ボディーガードの大部分を制圧し終わっていた……僕の弾切れと同時に。装填……いや、あんまり隙を与えたくない……
あ、こうすればいっか。銃身をフルスイング。
「があああっ!!?!?」ボゴッ
はい、年貢の納め時ですよ。今から自分がすべきことわかりますか?
「な、なんだと? 貴様、私が誰だと思って口を――」
これから1回余計なこと喋る度に2回殴りますからね。よいしょ、っと。
「ぐっ、痛、やっ、やめろ!! わかった、何から、何からすればいい!?」
全員に武装解除を命令してください。もし妙なことを口走るつもりなら、顔の形がそのままで済むと思わないように。
「ヒイッ……」
銅田さんが足を引きずりながら、マイクのある壇上に向かって進んでいくのに、装填し直しながら着いて行く。……ふと振り向くと、ユズちゃんが明らかに僕を見て怯えていた。や、やりすぎたかも…… - 175佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/25(火) 05:27:45
"……警備兵たちは片付いたけど"
"私たちと戦うつもりはないの? 『慈愛の怪盗』さん"
「貴方がたと? ……そちらの目的次第、と言ったところでしょうか」
「え、私たちの目的? そりゃ……請けた依頼の達成、だったけど」
「銅田さんの素性がわかって、前提が覆されちゃったね。でも、『C&C』としてすべきことは……」
「『盗品となっていた美術品の回収』が当初の任務です。ので、慈愛の怪盗とは敵対する他にないかと」
「ふふ、これも巡り合わせでしょうか。もっとも、私とてそれしきのことで、予告状に書いたことを諦めるつもりはありませんが」
「……アリス、いつでも戦えます。先生の指示があるなら、ですが」
「わ、私だって! 昨日だって結構いいところまで行ったし!」
「嗚呼、勇ましいですね。大変素晴らしいことです……それで、聞きたかったことはそれだけですか? "先生"」
"うん、聞くのはひとまず充分かな"
"私からも、伝えておきたいことが2つあるんだ"
「?」
"ミドリのこと、助けてくれてありがとう"
「……そういえば、そうだった。あ、ありがとうございます……」
「感謝されるほどでは。無駄に血が流れることは私の美学に反する、というだけです」
"あの時、怪我をしていたんじゃない? 少しよろめいているように見えたけど"
「あら、よく見ていますね。心配には及びませんよ、あの程度よく有ることです」
"……危ないことはし過ぎないでね"
「して、2つ目は?」 - 176二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 11:59:07
景気のいいフルスイングだ
- 177二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 18:27:13
対決は避けられんか
- 178二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:26:31
お礼は大事
- 179佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/26(水) 02:56:00
(スレ主です!!!!! 急ぎで大量のバレンタインエピを読まなければならないので本日の更新はお休みします……来年はもっとこまめに読んでおけ私……)
- 180二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 04:40:58
HAHAHA⋯意外と長いから大変だよね⋯
- 181二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 12:01:37
そういやカガリちゃんはどんなチョコ作るんだろうね
十中八九アリス及びゲ開部のついでにはなると思うんだけど - 182佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/26(水) 18:17:59
武装解除も無事に済んで、目的の半分は達成された。トキちゃんにお願いして、銅田さんが逃げ出さないように拘束を済ませておく……
……いちおう注意しておいたけど、慈愛の怪盗はその間ずっと、僕たちの目の届くところで大人しくしていた。正直、不意を突くことなんてそこそこ簡単に出来ちゃいそうなものだけど……美術品を手に入れることよりも、銅田さんの逮捕が確実になることを優先してるのかも。長い目で見て、みたいな。
「さて。これで、あなたの仕事は残りたった1つだけになりましたね?」
そう言って銅田さんに睨みを利かせるトキちゃん。もちろん、それは"美術品の保管場所"という最重要情報を吐くことだった。なるべく、僕たちだけにわかるように、小さな声で。
それでも、争奪戦で優位に立てるかどうかは不確実。そもそも慈愛の怪盗が具体的にどの美術品を狙ってるかすらわかってないのである……どう足掻いてもこの状況、勝利を確実にすることはできなかった。もっとも、後々こうなることがわかってたからこそ、慈愛の怪盗はユズちゃんの作戦に乗ってくれたんだろうけど……
「なぜ、静かになさるのです? そうすることで何かメリットがあるわけでも――」
「っ、そ、そこのカーテンの裏だ!!! その扉の中に美術品は全てある!!!!」
!? お、お前っ――
「お前ら今だ、頭突きでもなんでもいい、暴れろ!! 隙を作るんだ!!!」
銅田さんが突然声を張り上げる。……成程、どうせチャンスが僅かなら、いっそ僕たちを争わせて、そのドサクサに紛れようと……
トキちゃんと慈愛の怪盗がほぼ同時に動き、一拍遅れてゲーム開発部全員が先生と走り出す。……一方、ボディーガードや警備兵たちは、一瞬身じろぎこそしたが、大人しいままだった。そりゃ、元が寄せ集めな上に銅田さんなんてただの雇い主でしかないんだから、負けを承知で暴れる義理なんてないでしょ。傍迷惑なことしてくれちゃって。
「……ぐ、ぐうっ……ちくしょおおおおおおお!!!!!!!」
(最終戦闘!)
dice8d100=4 75 35 9 89 39 41 68 (360) ダイス1つごとに戦闘ステータス(62)以下で1回成功
- 183佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/26(水) 19:24:28
「怪盗の狙いは『時計王の冠』のはず、です!! 部屋に入れたら、冠の形をしたものを真っ先に探してください!!!」
ユズちゃんが何故そう結論付けたのかわからなくても、みんながそれを信用していた。トキちゃんは扉の前で既に戦いを始めていて……どうやら鍵が掛かっていて、こじ開けようにも遠距離からの妨害で時間がないみたい。
「エナジー、オーバーロード……『光の剣』いつでも撃てます、扉を爆破しますか!?」
「いえ、美術品の安全が最優先です! 第一目標を慈愛の怪盗の排除に設定!」
「了解です、っ……光よ!!!!!」
「私たちも続きます! 先生、指揮をお願いできますか」
"……トキ、火薬を使わない方法で扉を壊すことはできる?"
「アームギアのオプションを換装すれば。ただ、少々お時間を頂くかと」
"どのくらい?"
「2分……いえ、1分半で。可能でしょうか?」
"よし。ゲーム開発部、飽和攻撃だ! 私が言うタイムラインに合わせて90秒間、慈愛の怪盗の行動を縛り続けて!"
"部隊先頭から順に、モモイ・カガリ・アリス! 撤退って言うまで攻撃に集中!"
「おっけーだよ! うおおおおっ、覚悟ーーーー!!!!!!」
「次弾装填、ひたすら撃ちます ……光よ!!!!!!」
3人並んでダッシュで接敵! ……するや否や、見るからに何か仕込まれてそうなカード状の物体が僕とモモイちゃんに衝突する。何それ怖い。いや、攻撃に集中って言われたから集中! ……なんか、それなりに嫌な予感がするけど集中――
「ぎゃーーーーーーっ!!!!!!」ボカン
のわ゛あああああああああ゛!!?
"……なるほど。モモイ撤退、カガリはポジションを一番後ろに! アリスは……予告状が着弾するまではそのまま攻撃して。そしてミドリ、モモイの代わりに入って!"
「わ、わかりました! うう、ユウカがいてくれたら……」
"大丈夫、体力管理は私に任せて" - 184二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:41:03
成功数ギリギリか?
- 185二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 01:17:12
成功5回。いい感じかな?
- 186佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/27(木) 06:46:22
「……光よ!!!!!!」
うおおおおお光よーーーーー!!!!!
「光よ~~~~……」
「も、盛り上がってるね。お姉ちゃん交ざれなくて寂しいよ」
残り40秒。先生の指示通りのローテーションが2週目に入り、モモイちゃんが再出撃できなくなったりしたものの、壊滅的被害は受けずに済んでいる。一方、僕たちの方も慈愛の怪盗に対して痛手を与えられているわけではなく……
つまり、かなり有利ってことなんじゃ? トキちゃんの様子は見れてないけど、先生が作戦を大きく変えてないってことは、順調なはず。こっちは時間を稼ぎ切れれば勝ちだし、このまま行けば。
「光よ!!!!!!」
「ふむ。何度見ても驚嘆に値する威力ですが……実際に有効打となったことは、これまでに一度もありません。しっかり狙えていますか? お嬢さん」
「アリスは……っ、自分にできることをしているだけです。アリスはまだ、エージェントとしては未熟かもしれませんが……先生が信じてくれる限り、何度でも同じことを繰り返しする覚悟があります!」
「その意気だよ、アリスちゃん! 実際、さっきから必ず防御か回避はしてるし、ああは言ってるけど十分痛手なはず!」
……!? アリスちゃん、危な――
「おや、よく気付きましたね。しかし……もう遅い」
カモフラージュ用の赤い粉塵が舞う。バチン!という大きい音とともに、赤い絨毯の中からゴム製の細いベルトがいくつも起き上がり、中心に立っているアリスちゃんをトラバサミのようにレールガンもろとも縛めながら、装置の重みに従ってばたりと倒れる。……その直ぐ上を、慈愛の怪盗が飛び越えていった。
そんなの、いつ仕掛ける暇が……最初からこういう場面を見越してたのか? 完全に意表を突かれ、陣形を組み直す隙も与えられないまま突破されてしまう。トキちゃんの様子は……まだ動ける状態じゃなさそう、どうにかなれと思って乱射してみるけど効果がない、どうしよう――
「――えいやああっ!!」
「!? い、いつの間に後ろに……ぐっ!?」
"ユズ、ナイス! ミドリ、カガリ、全速力で駆け付けて加勢して!"
「ふう。予想通り何かしてきましたね……大人しく負けるような人じゃないのは、見てたらわかる」
「アームギア、起動シーケンスに入ります、残り15秒! もう暫く持ち堪えてください!」
"さあ、最後まで油断せずに行くよ!" - 187佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/27(木) 07:28:19
不意打ちで防衛ラインは後退しちゃったけど、僕とミドリちゃんで前線を張り直す。直後……手始めと言わんばかりに僕の方だけ予告状爆破を喰らい、ボロボロになって撤退。いや急に容赦ないじゃん、様子見やめた途端にこれ? い、今までのは遊びだったとでも……
「ふふ、そんなに恨めし気に見つめないでくださいな。単純に、一対一の相手としては貴方の方が厄介だと見えたからこそ、先に退場してもらっただけです」
「っ、余裕そう、ですね! もう時間もありません、私たちの勝ちです!」
「そうお思いですか? では、まだ驚いていただけるかもしれませんね」
「……あっ!? ま、待って、どこに!?」
慈愛の怪盗は突然、僕たちに背を向けてワイヤーアクションで天井へ飛び去った。
……何のつもり? 真っ先に思い浮かんだのは広範囲爆破。いや、そんなことしたら美術品がどうなるかわかったもんじゃないよね? 僕たちの内、誰もその答えは思いつかなかったみたいで、ただぼうっとそれを見上げていた……トキちゃんを除いて。
「スライスモード、起動完了。お待たせしました、対象物を裁断します」
「おお! やった、これで『時計王の冠』が確保できるね!」
破壊的な音と共に金属製の爪を操り、まるでクッキーみたいに扉を握り潰すトキちゃん。そのまま瓦礫を掴んで後ろに放り投げ、内部に突入する……
信じられないことだけど、そこには静寂があった。トキちゃんも、見守っている僕たちも、慈愛の怪盗も……辛うじて思い浮かんだイメージは、トキちゃんが部屋の中で立ち尽くしている姿。そして、その想像は的中していた。
「……報告します。ここに『時計王の冠』はありません。それがあったと思しき場所には、銅の塊が置いてあるのみです」 - 188佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/02/27(木) 07:51:31
「『時計王の冠』――しかとこの手に」
まさかそんな訳、と思って振り返り、見上げた先で、慈愛の怪盗がそう宣言する……その手に王冠を抱えながら。
"……なるほど"
"午後5時27分ちょうど。予告状の時間に合わせたかったんだね"
「……えええええええ!?!??!?」
「待って、待ってよ、じゃあ今まで私たちホントに遊ばれてたってこと!??」
「それはどうでしょうか? 予め確保できていたのはこれ1つだけですし、結果として私が今日持ち帰れるのもこれ1つだけになってしまいました。叶うならば、救い出したい美術品は他にもあったのですが……残念です」
「そ……そんな……」
残念と口で言いながら、彼女は仮面の裏側で笑っていた。
……このまま……このまま、あの影が飛び去るのを、みすみす見送れと? 人生の中で他に味わったことがないくらいの"悔しい"という強烈な感情に支配される。結果がどうとかじゃなくて、このままじゃ僕は、ネルさんの前に胸を張って帰れない、そう思った。
「――どうかしましたか? これまでで一番怖ろしいお顔になっていますよ」
ユズちゃんの予測が正しければ、予告状に書いてあった時間は『5時27分から7時38分の間』でしたよね。まだ十分猶予はある。もう少し付き合ってもらうことってできますか?
「……ふむ。十分に興味深い内容であれば」
決闘を申し込みます。もし僕が勝ったら、その王冠は返してください。
「………………」
………………
「成程。続きを聞きましょうか」 - 189二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 08:56:11
一騎打ちか
- 190二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:37:56
やるのかカガリちゃん
- 191二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:32:14
保守
- 192二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 07:52:22
戦闘あんまり得意じゃないけど大丈夫か
- 193二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 15:55:42
うまい事乗せられてる気がしなくもない