- 1二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:38:58
- 2二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:40:06
早速放流してみます。途中制限で落ちてしまったらごめんなさい
- 3モリバーSS25/01/27(月) 20:41:03
砂塵舞う古城の街、マルティラ。そこの唯一の酒場でモリスはうんざりしていた。
この街で行方不明者が出るたびに駆り出され、既にいもしない人を探し、徒労に終わり、そしてその結果に涙し愚痴を吐く自分の上官に。
マルティラで行方不明者が出ている。そしてその犯人は落ち騎士のハイザメ。そのように情報を撹乱させ、自分は粛々と裏の作業をこなして大金を得る。それだけでいいはずだが、何せ自分は表向きは兵士だ。街の警護というドサ回りを上官とともに休日返上で付き合わされる。下手に嫌がれば疑われる。
地下深くで飼っているニンゲンの餌調達では「最近ハイザメによる誘拐が出ています。城の中ならば安全でしょう」とでも言えば簡単に手に入る。
それはこの目の前にいる上官・バードンが城から離れている間にこそできるのだが……。
「うっ……うっ……私はどうして……こうも不甲斐ないんだ!」
今回も餌の調達は成功したがその引き換えに上官の愚痴を聞かねばならない。
バードンが泣くのは領民を攫われた悲しさや悔しさもあるが、不安や恐れを吐ける相手に心を開いている証拠でもある。しかし非情の男のモリスにそれは伝わらない。
「悪いのは隊長ではなくハイザメでしょう。早く泣き止んでくださいよ」
そこへ店主が気を利かせたのか大皿で料理を運んでくる。それもまたモリスの倦怠感を募らせるものだった。
「ずっと外でお仕事してたんだろう?ほら、精力の付く『大砂蟲の幼虫の内臓』をおごるからさ!」
決してまずくはないが一度王都グラン・トラドでの食事を知ると、これがただのゲテモノ料理であることはよく理解できた。
裏を返せば食べるものに乏しく、砂に包まれた変革を望まない閉鎖的な街。だから領主のジョアンナはこの街の因習で狂い、突如現れたニンゲンに我が子と呼びかけ自分に誘拐を指示してきたのだ。それは一種の転機でもあった。
何せ元来の仕事は命も吹き飛ぶような厳しいものなのに、それに見合わぬ安い給料。おまけに娯楽も何もない。やはり大金を持って王都での暮らしが望ましい。
その為にも金が要る。国もこの街も一身が惺教で凝り固まっているのだからそこしか金が集まらない。この仕事はまだ始まったばかり。
今は目の前の上官を宥めてとっとと休もう。
モリスは出された料理を掻き込んで食べ、酔いでぐでんぐでんになっているバードンを担いで兵の詰所へ向かう。 - 4モリバーSS25/01/27(月) 20:42:26
詰所にあるバードンの部屋へ2人は入る。肩に担いだ自分よりも大きくて重く、鎧を着こんでいるせいで更に重い上官を簡素なベッドの上に横たわらせた。
(クソ重かったな……チッ、忌々しい)
ルサント族のバードンはクレマール族のモリスよりも体格が大きく力もあって、まさに軍人向きの身体つきだった。モリスも別に体が小さいわけではない。
だが頭一つ分も身長差があり、軽量とも言えない鎧を易々と着こなし軽快に動くバードンはやはり別格、生まれついての身体だった。
眠気で虚ろな目のバードンが鎧を脱ごうとする。が、酔いで手元が覚束ない。
「あーあー手伝いますよ」
「うう……すまないな、モリス……」
鎧と具足を大雑把に脱がせてその辺に置いておく。他人の私物なので片づけは本人がやればいい。脱がせた途端に体が軽くなったせいか、バードンはそのまま大の字仰向けで寝転がんだ。そして軽いいびきを掻き始めた。鎧を脱いだことで汗ばんだ軽装からは呼吸に合わせて上下する腹筋が少しだけ見える。
「人を介護要員にして自分はご就寝ですか。いいご身分だぜまったく」
その疲労の原因はモリス・ジョアンナ一派の行った誘拐事件が原因であるが、モリスにとっては厄介な相手だとしか映っていなかった。
しかし今は?
酔いと無力に打ちひしがれていびきを掻いて寝ているだけのただの大男だ。こんな甲斐性無しが警備隊長なんだから妻子が愛想を尽かして出ていくのもわかるというもの。そう思うとモリスの鬱屈とした感情は部屋の扉前から踵を返し、後ろ手で鍵をかけると再びバードンの側へと歩み寄らせた。
「あの店主の料理のせいですよ……」
- 5モリバーSS25/01/27(月) 20:43:35
モリスはベッドへ腰かけると両の掌を広げて服越しにゆっくりとバードンの胸を揉み込んでみた。緊張から解かれているせいか、とても柔らかく指が沈み込むように大胸筋を包む。そしてそれに驚いたのはモリスだった。
ルサント族はもれなく筋肉バカだと思っていた。頭も固ければ筋肉も固い、だから隊長格であるバードンは鋼のような体だと思い込んでいた。そうだ、肉なのだ。誘拐してきた連中と同じニンゲンの餌と変わらないのだ。そう思うと内心バカにできる要素が一層増えた。モリスの中で何故かバードンが一気に俗っぽく感じてしまったのだ。
とても冷たい目線でバードンを見下ろすが、両の手は止めず、今度は服越しではなく服の下へと潜り込ませて直に触ってみる。
「……っん」
胸の突起物に当たるとバードンから小さな声が漏れ、反射的に胸筋が跳ねた。
左手で上着の裾を首元までめくれば胸の中央にはそこそこの体毛が生え、先ほど触れた突起物がより目立つ。右手で下履きの帯を緩めてずらすと、下着越しにわかる隆々としたナニがゆっくりと大きくなっているのがわかった。
モリスは今すぐ下着を剥ぎ取りたいと思ったがそれではつまらないと感じ、自分も下履きを脱ぎ下着だけの状態になっては寝ているバードンの股へと自身をすり寄せる。
モリスも自身の上着を首元まで捲り、薄いベッドで大の字に倣うかのように体を重ねるがやはり体格差でモリスの頭はバードンの胸に埋もれてしまう。捜索のドサ周りで汗臭くなっているが、今は不思議と嫌ではない。むしろこの行為を掻き立てるような情欲の匂いがした。
「ハァ、ハァ……」
頭と頬はぴったりと胸にくっつけてはいるが、下着越しの剛直としたものは激しく上下に擦り合わせている。互いの先走った液がじんわり染み出し、布のこすれた感覚が鈴口を鋭敏に刺激してぐちゃぐちゃと湿っぽい布の音を出していた。
このままでも快楽は得られるがもっと愉しみたい。モリスはバードンの下着をふくらはぎまで下げると、自身の下着は脱いでとうとう直に兜合わせをした。
「クソッ、やはりデカいな……」
右手で両雄を握りこもうとするも、どうしてもバードンの方が太くて大きく支えるような形になってしまう。色の白いモリスのと違い赤黒く血管が浮き出ている一物は、擦り合わせたせいか先程より硬く怒張して熱く脈を打っている。それを見て劣等感より興奮が勝った。
- 6モリバーSS25/01/27(月) 20:45:38
モリスはバードンの両足の間に自らの下半身を割り込ませ大股を開かせた。そして兜は合わせたまま両方から染み出た透明な汁を右手いっぱいに濡らしては、中指と人差し指でバードンの秘所を割り開こうとする。
(指一本すら難しいな。初めてか。まあそうだな)
見下している相手に優しくする道理など無いが、痛みで目を覚まされても困る。濡らしていたおかげで中指は入り、ぐにぐにと指先を動かしながらゆっくり出し入れして解していく。
出し入れを繰り返してようやく少しだけ柔らかくなると、まあこんなもんかと指を引き抜き入れ替わるように汁を垂らした穴に自分の剛直を突き入れた。
ズブッ!
きつい肛門にまっすぐ腰を突き立てるが、脈動してうねる内臓が押し返そうとする。熱を持った肉の感覚。これがモリスの情欲に火を点けた。
(やっぱり肉の感触はたまんねえなあ!)
娼館もない寂れた城下町では遊ぶところもない。今までの溜まった鬱憤を晴らすかのようにただひたすらに真っすぐ腰を打ち付ける。再び全身をバードンの体に重ねた。やはり体格差で顔は胸に当たってしまう。モリスの両手は相手の肩や脇腹に添わせ夢中で快楽を貪った。
更に息が荒くなり舌を出す羽目になると、これでは地下で飼っている野犬と同じではないかと思う。自身の声を抑えるためにも口寂しさを紛らわせたい。胸の突起物が眼前にあるではないか。
はむ、と左胸の乳首を口に含むとちゅっちゅと可愛らしい小さな音を立てて、吸う。かと思えば丹念に舌で舐め回したり歯で甘噛みしたりと弄び、右胸の方は左手の指で先端を柔らかく揉み込んでいる。その間にも腰はガクガクと動かして体を密着させているので、体液によりねちゃねちゃと卑猥な音が部屋に響く。
上下を同時に責められたせいか、モリスの臍の位置にあったバードンの一物が大きく跳ねて精を吐いた。
大量の精液。録に性処理もしていない日々であろう証がねっとりと互いの体の隙間から、一筋の白い汁が脇腹を垂れた。擦れ合うことでバードンの腹毛に精が絡みつく。
一方モリスは頂点に至って腰がガクンと動く。より奥へと腰を突き出すとそのままバードンの腸内へと熱をぶちまけた。
- 7モリバーSS25/01/27(月) 20:46:19
「……っ!……隊長……」
胸元で呟く。何故そんな言葉が出たのかはわからない。
腰は依然小刻みに動き、まだ自身のモノは快楽を求めてはいたが一晩明かすわけにもいかない。第一どんな理由でもこんな姿を見られれば刑罰対象になるだろう。今はここでしな垂れているより、さっさと処理して速やかに部屋を出なければ。緩やかに体を引き抜くときゅっと締まった穴から白い糸が引く。ベッド脇に掛けられていたタオルで軽く汗や体液を拭うと、剥がした下着と下履きを着直させた。ベッドから離れる際、バードンの長い耳が目に入る。
ルサント族特有の長い耳、それは先が黒く尖がっている。モリスはその先端に顔を近づけて唇だけで食む。それも何故したのかわからない。
彼は踵を返すと鍵を開けてそのまま部屋を出た。
モリスは人のいない城壁でもたれかかって一服する。グラン・トラドへ同行してきた際に買ってきた金細工の入った喫煙器だ。王都ではこれを使用している一般庶民もいる。中間層でさえ買える物がここでは入手が難しい。やはり金だ。金が欲しい。
ふーっと一筋の煙を吐き出すと視線の先では月明かりに照らされてキラキラと光が見える。だがそれは星ではない。この土地特有の、ガラスの粒子が混じった砂埃だろう。明日は光砂の日だったかと天気予報をふと思い出した。
「当分は城の中か。調達が遅れるとめんどくせえな」
誰に言うでもなくモリスはそう愚痴った。
- 8モリバーSS25/01/27(月) 20:47:21
翌朝はやはり光砂が舞っていた。領民が出歩かないし流石に外出は控えたいが、こんな時でも捜索を緩めないバードンはマルティラ領内の巡回をするという。
「おはようモリス。昨夜は休日のところ出向いてもらってすまない。今日は休んで貰っていいぞ」
「はあそうですか。じゃあお言葉に甘えて」
昨夜の事は一切無かったというようにしれっというモリスに、いつも通り淡々と指示を出すバードン。まあ深酒で昏倒しているやつが覚えているはずないよな、と安堵してそのままモリスは直帰した。
実はバードンは覚えていた。腰に違和感を感じ途中で目が覚めたのだが、酒で変な夢を見ているのだと思っていた。しかし自身の下半身でずっと疼くし快楽が鋭敏に神経を呼び覚ますもので、うっすらと目を開けると部下が自分の胸元を吸ったり舐めているではないか!ぎょっとするが酩酊した体は重く、第一何故こんな行為になっているのか頭が回らない。バードンは常識から外れた事が一度も無いので男同士でこのような行為をするという発想すら無かった。何より痺れる様に心地良い。
そして胸元で囁くような声が聞こえた。
「……っ!……隊長……」
理由はわからないが、ギュンッ!と胸が締め付けられるような感覚がした。その時点で起き上がる気力など失せてしまったのだ。
もしかしたら鬱憤が溜まっていたのだろう、手近な存在も無かったのだろう。それもすべてずっと連れ回している私のせいだ。ならその責任は上官である自分が引き受けなければ。行為の後に微睡むバードンはそう思ってしまった。
巡回中、昨夜の痴態とも言える行為を思い出して顔を片手の平で覆うバードンを別の部下が見つける。
「どうしました?熱ですかバードン隊長。顔が真っ赤ですよ」
「い、いや、すまない。光砂が目に入っただけだ」
「そうですか。今日は兜を装備した方がいいかもしれませんね」
ああ、ありがとう。とぎこちなく答えてその場を後にするバードン。
ハイザメ討伐隊がやって来る、数か月前の出来事だった。
- 9二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:48:10
保守ついでにまだまだ放流しますね
(区切り) - 10バーモリSS25/01/27(月) 20:49:17
恐化結晶、と云う中々に便利なものが裏の世界ではあるという。
しかしそれは魔導器のような道具かといえばそうではない。道具というより巨大なマグラ結晶の一種だという。その力にあてられた動植物はもれなく外で闊歩するような怪物たちの仲間入りをするし、またニンゲンは結晶に惹かれてやってくる。
そのお陰かせいかただの犬でさえ凶悪な猟犬になり周囲には見慣れない化け物、攫った領民が逃げ出す意思も無くなる。マグラのエネルギーが常時漏れ出ているからか化け物を維持する餌代は巨大な頭の赤子の分だけで充てられた。
さてこの便利な結晶、人に対して使ってみたらどうなる?と思ったのがモリスの失態の始まりであった。 - 11バーモリSS25/01/27(月) 20:49:53
マルティラ領内で行方不明事件が始まり未だ解決の糸口すらない時期、モリスは上官の動きに目を光らせていた。
地下活動で誘拐をしている兵士は自分を含めてわずか数人。領民を城内に引き入れるにもバードンや事情を知らない他の兵士に見つかってはいけない。何せ領主のジョアンナから早く我が子にご飯を食べさせたいとせっつかれている以上、速やかに餌を調達してこなくては。
しかし行方不明者が増えるにつれバードンの警戒は高くなるばかり。そこへマルティラ周辺に落ち騎士のハイザメが流れ着いているとの情報を得て、こいつが攫っているという目撃情報をでっち上げた。お陰で捜査の視点が城内から逸れたが安心はできない。モリスは目の上の瘤であるバードンをどうにかしなければいけないと考えていた。
最近城内の地下に花のように咲く結晶の花弁、その小さな欠片をモリスは掌の上で転がして思案する。魔導器に組み込まれているそれとは違って異様な光を発する結晶は、確かに何者も魅了する赤い色をしていた。
ただの犬が化け物じみた生物になる。それは実に言うことを聞く道具になった。ではバードンに使ってみれば?警備隊長が道具になれば誘拐の防御は陥落しやすい。仕事も捗るし報酬も増えるだろう。
とはいえ城内や領内で使えばどこで誰に見られるか分かったもんじゃないし、かといえばいきなり地下へ招き入れるなど察しを示されて自分の首を絞めかねない。となると遠征ついでの野営地で結晶の欠片を使おうか?しかしそれでは欠片とはいえ結晶の輝きで怪物たちがやってくる恐れがある。
つまり民にも怪物にも出会わず領内以外の場所で結晶の欠片を使い、尚且つ化け物を呼ばずに済む方法だ。そんな都合のいい場所などあるのだろうかと軍が所持している地図を見て考えあぐねいている。
バードンは遠目でそんなモリスを見て、頼もしいなと内心感じていた。
ハイザメによる誘拐事件捜査が難航している最中ああやって警戒の眼を広く持とうとしている姿勢に見えたのだが、実際は真逆の悪辣な思考をしている事に彼は気が付かなかった。
- 12二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 20:50:14
本スレでクリア感想を出したバードンに劣情を覚えてた偉大なる探索者(プレイヤー)……!
- 13バーモリSS25/01/27(月) 20:50:46
「ハイザメめ!どうやってあの巣の中で隠れているというんだ」
「今回は、そこにいたという目撃だけでもよしとしましょうよ」
大砂蟲の巣から這う這うの体で退却してきたバードンとモリスの2人組は、ユークロニア王国内にある奇景の一つ・白夜砂漠へ辿り着いていた。
ハイザメが大砂蟲の巣で出入りをしているという情報を入手し、バードンは早速自ら調査を志願した。場所が場所だけに新兵や練度が足りない兵に向かわせるわけにはいかない。せめて具体的な位置取りだけでも知るために早馬を使った斥侯を買って出る。そしてモリスはそのめんどくさい遠征に付き合わされる羽目になった。
だがモリスとしてはバードンがそのまま大砂蟲にやられて消えてくれれば手間が省けるわけで、むしろ顛末を見届けておく必要があった。結局は戦況の見極めが出来る隊長の指示で撤退を余儀なくされたが、砂蟲の餌になるのはご免だ。それにバードンが城から離れているおかげで、自分の配下にニンゲンの餌の調達を頼むことができた。遠征で内部から視線が外れているとこうもすんなりいく。どちらに転んでもいい結果さえ出ればよい。
「ちょっとだけ休憩しませんか?」
野営地ではないにしろ、ここはあの結晶を使うのに最適だと思って声をかけた。白夜砂漠は巨大な大砂蟲の抜け殻でできている場所、周囲がガラスの粒子の砂漠でそれはあの中央に鎮座するガラスの抜け殻の破片だと推測される。マルティラ特有の鬱陶しい光砂の原因はこの抜け殻にあった。
そのお陰か、ここではあまり怪物が見られない。人にとって野営地にはできないが砂蟲もガラスの砂漠では生息がしにくい。白い砂漠と青い空と透明な抜け殻、それ以外は何もない清涼感すらある光景だった。
「そうだな。砂に埋もれないよう、抜け殻の中を使おう」
すんなりと申し出を受け入れたバードンは馬から降りて手綱を曳きながら抜け殻の中に入り、柱のように太い骨組みに繋ぎ止める。2頭の馬は大人しく日蔭に入った。
その間にモリスは例の結晶を細かく粉にしたものをバードンの水筒に混ぜ込んだ。斥侯をバードンが買って出たようにモリスもまた荷物持ちを請け負ったのだ。奴が大砂蟲にやられてくれればよし、生き残っても結晶で言いなりにさせることができる。どちらでもよかった。
バードンが水筒の水を一気にあおる。モリスはその様子を目を細めながら水を飲み、一息をついた。
- 14バーモリSS25/01/27(月) 20:54:22
「…………」
「…………」
相手は水を飲み終えたというのに沈黙が流れる。頭がくらくらしているような様子にモリスは「しめた!」と思った。結晶の効果で意識が朦朧とし廃人化したのだろうと、雛鳥の刷り込みのごとく命令する為、バードンに声をかけようと近寄った。
次の瞬間、両腕を捕まれて引き寄せられたモリスにバードンが噛み付く様な接吻をする。いや、接吻とも言えないような口内を一気に蹂躙するような激しい舌使いだった。
「!!!!????」
モリスは何が何やら分からなかった。真っ直ぐ見据えれば確かにバードンの眼は赤く光り、怒りにも近い形相で凶暴化しているのが見て取れる。ならば何故このような行為になっているのか。異様な馬鹿力で体を微塵も動かすことができずにそのままじゅるじゅると貪りモリスの口内に吸い付いている状態に、とうとう酸欠で意識が飛びそうになる。
「……プァッ!隊ちょっ……!」
そこをこらえて首を振り回して離れて一呼吸するも、すぐに頭を押さえられて再度口付けられ蹂躙される。
畜生!やられてたまるか!とモリスは口の中に潜り込んだバードンの舌を思いっきり噛んだ。案の定舌は引っ込みモリスの口にはねっとりとした鉄の味を感じる。
顔が離れた際に互いの口から吊り橋のような唾液が伸び、その間を血の珠が伝い重みで落ちる。それはモリスの軍服の胸元にジワリと広がった。
- 15バーモリSS25/01/27(月) 20:56:00
「ハァッ!ハァッ……」
「…………」
顔は離れたが依然両腕は自由にならず、体を動かそうにも仰け反る程度が精一杯だった。バードンの表情は口元から血の筋が垂れている以外変わらず、もしかしたら逆上してこのまま殺されるかもしれないと脳裏を過った。
「隊長!放してください隊長!放せって言ってんだろ!」
もがけばもがくほど力が込められて引き寄せられる。バードンが次にとった行動はあらん限りの力を込めた抱擁だった。だが抱擁というよりそれはもはやサバ折りにも近い拷問だった。何せガチガチに着込んでいる鎧の状態で抱きしめれば、軽装のモリスに鉄板押しをしている状態だ。
噛み付かれて興奮したのか血が流れる舌で再度口付けし左手の平でモリスの後頭部をアイアンクローの如く掴み、右手はしっかりと腰に手をまわして自身の腰へと密着させる。案の定バードンのモノはすでに激しく怒張していた。一方モリスの一物は恐怖で委縮してしまっている。それに気が付いたのかバードンは両肩を掴んだまま体を離した。
(や、やっと飽きたか)
とモリスが思った瞬間、天地がひっくり返った感覚がした。
何とバードンはモリスの太腿を片手で掴み上げて逆さ吊りにしたのだ。それはまるで屠殺した兎を持ち上げる様に軽々と。いくら力の強いルサント族とはいえこうはいかない、偏に恐化結晶の力である。それこそ兎の皮を剥ぐが如くモリスの下履きを下着ごと一気に剥いだ。逆さになって頭に血が上り垂れた上着で周囲が見えないモリスは下半身が露になった感覚に驚き、そして震える。
- 16バーモリSS25/01/27(月) 20:57:17
正気を失ったバードンの荒い息遣いを肌が感じ取っていた。それは城内地下での野犬やマンジュラが獲物もしくは逃げ出した領民を追い詰めた時、まず首を掻き切り、次に腸を引き摺り出して貪る様子を思い出したからだ。
緊張で強張るモリスの太腿を今度は両手で鷲摑みにして口元に引き寄せる。そして足の付け根を味わうように長く伸ばした舌でベロベロと嘗め回した。
「ひっ!やめろ!放せ!放せー!」
両足でバタバタと蹴りを入れようにも高く持ち上げられているので何も無い空を切る。両腕で叩いて攻撃するも鎧を着こんでいるうえに恐化しているので実質ノーダメージだ。そんな行為を何も感じ取れないようにバードンの舌はより中心部へ向かっていく。
「アッ!」
たっぷりの唾液を含んだ口はモリスの雄の部分をすっぽりと加えこんで、しゃぶる。じゅぶじゅぶと下品な啜る音を立てて思い切り吸い込む。恐怖しているとはいえ、むしろ恐怖していたからこそ余計に反応が早く萎れていたそれは一気に勃ち上がった。逆さのまま隆起したのでより高く持ち上げられ雁首を強く吸われると我慢もできずに精を出してしまった。またそれをバードンはベロベロと舐めて飲み込んだ。
不意の快楽でガクガクと腰が震えているモリスをようやく地上へ下すと、そのままうつ伏せの態勢にして体全体で圧し掛かり押し倒した。頭に血が上り朦朧し、両足を掴まれて神経が麻痺している状態では匍匐前進でしか逃げられない。しかしモリスが少しでも動こうものならすぐにその個所に力が籠められる。その動作は至ってゆっくりしているが隙が無かった。それは弱った獲物をゆっくり食事する獅子ですらあった。
鎧の大男に押し倒され密着すれば、また鉄板の痛みが迫ってくる。しかも今度は背後から。露になった腰にバードンはいよいよ自身のブツをぐっとモリスの中心に添え当てた。
「あ……あ、嫌だ……やめっ……!」
- 17バーモリSS25/01/27(月) 21:00:36
ドスン!と勢いよく突き立てられた剛直は懇願も空しく侵入を果たしてしまう。ただでさえ大きなバードンの一物が結晶の力でより大きく太くバキバキに硬くなっている。それはモリスの柔らかな体内に入れるには凶器といっても過言ではなかった。最初に入れた時点ですでにどこか切れてしまったのだろう、血が垂れている。
無遠慮に激しく出し入れされれば痛みを伴うが、バードンの先端が他の内臓の裏をゴリゴリと刺激し続けるせいでとてつもない快感も全身を巡り意識が飛びそうだ。
下手に抵抗するとまた麻痺するような力押しをされるので何とか痛みを軽減しようと力を抜く。ふと、押さえつけられた顔の視線が下を向き、多層になったガラスの抜け殻の向こう側を見た。鏡の反射となって今のモリスの姿がありありと映し出されている。
露なった半裸の体は汁気と熱で肌がぺったりとガラスの板にくっついていた。以前王都にある魔導器の店のショーウィンドウにカエルが引っ付いていたのを見たことがあるが、今の自分はまさしくそれだ。いや、それよりもひどい状態とも言える。何せカエルは逃げたが自分は身動きも取れずに逃げれない。しかも相手の蹂躙で自分のモノは意思とは関係なく精を吐く。
「……っ!ハァッ……アッ」
自身の痴態を自覚してなぜか興奮してしまったのかまた精を出してしまう。連動して内側のひだが快楽でびくびくと波打つとそれに合わせてバードンはまた激しく腰を動かす。そしてまた快楽の波が襲ってくる悪循環。もう嫌だ帰りたい。体の情報とは裏腹に、モリスは心底そう願っていた。
バードンがモリスの白い首に噛みつく。その痛みは背中を駆け巡りゾクゾクとさせた。と同時にバードンの雄が最奥まで突き立ててたっぷりの熱をどくどくとモリスに注ぎ込む。ケダモノの交尾と変わらない。
その交配の3回目でモリスは失神し、バードンは同じ体勢で抜かずの10回をした。
怪物も人も通らない白夜砂漠のその様子を2頭の馬が眺めている。いつも一緒にいる2人が番っただけのことだと。
- 18バーモリSS25/01/27(月) 21:01:53
バードンがふと目を覚ますとモリスを膝にのせて抱いている。所謂世間でいう『姫抱っこ』のような状態だが、バードンはそんな知識が無いし何故この様な密着しているのかわからない。しかもモリスは憔悴しきった顔で寝ている。
自分はいつの間にか眠っていてその間に何があったのか、まったく記憶に無い。まさかハイザメの襲撃か?しかし自分たちの命は無事だ。馬が無事なら怪物も寄ってはいないだろう。なら何故?
ふと口の中にざらりとした痛みが走る。どうやら口の中を切っていたようだ。ガラスの破片でも入ってしまったのだろうか。後で医者に診てもらわねばと思った。
眠っているモリスを叩き起こしすと「うわぁっ!」とまるで怪物に襲われたかのような反応で飛び起きる。日が傾きかけているから急いで夜までに戻る旨を告げるといつもの憮然とした表情で
「はいはい行きますよ」
といつもの調子で返事がされた。しかし視線は虚ろでふらついている。流石に大砂蟲の巣の遠征はやりすぎただろうか?
マルティラ領内へ入ると途端にモリスは失神して倒れた。モリスにとっては無事帰ってきたことによる安堵だが、事情を知らないバードンに連れられてそのまま宿屋で看護を受ける羽目になった。だがモリスにとってはこの際どうでもいい。バードンが城内へ報告している間、見舞いと称して自分の代わりに誘拐をしていた配下が報告に来た。
モリスらがいない間に一人は餌にできたため、領主ジョアンナ様は大層喜んでおられたとのこと。そしてバードンは自分がいない間に事件が起きたことで気に病んでいた。彼にとってダメージが入るのは結晶よりも事件らしい。
あの男はどうにも言うことを聞く様な人物じゃない。もう二度と隊長を手駒にしようなどとは考えないようにしよう。そうモリスは心に深く刻み込んだ
- 19バーモリSS25/01/27(月) 21:02:35
はい、今はだいじょうぶです。復帰できます。手筈は整っていますので滞りなくまた用意します。肉が柔らくて生きがいいヤツですか?子供がいいと。
はいわかりました。そのようにします。お任せください。その分報酬も弾んでください。
え?遠征で何かあったかって?
…………。
何も無かったですよ。
- 20バーモリSS25/01/27(月) 21:04:18
放流に夢中で気が付かなかったが、バーモリSSの方はちょっとだけ流血表現あったわ!
後カキコ説明でごめんなさい。 - 21二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:06:06
- 22二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:16:56
- 23二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:18:19
・(没落)貴族
・自己犠牲も厭わない類の正義漢
・パーティの中ではメンタル豆腐寄り
・不憫枠(ヒュルケンベルグランク3、調子に乗るな定期等)
・田舎出身なので主人公ほどじゃないが世間知らず
・敵を見くびる習性&煽り癖持ち(賞金首討伐イベで反省するけど)
ストロールって「仲間を庇って人質になったらわからせ快楽堕ちさせられる無様エロ」において最強の存在じゃないか……? - 24二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:23:10
くっころ女騎士の「高慢ちきだからわからせたい」とは別の
貴人属性と親しみやすさを合わせたやつ - 25二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:28:44
- 26二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:30:24
「貴族の末裔たるものが……尻の穴から……」とかいう、本編の最悪な絵面(大砂蟲のアレ)さえ見なければエロ漫画の一コマな台詞
触手トラップに捕まって下側から栄養与えられてるシーンで普通に言ってそう - 27二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:45:09
色んなとこで劣情の目で見られてたグローデル
あのチンピラ味が劣等感で出来ていて
肉体に優れるはずのルサントなのにほっそくて
力は外付けの愛犬頼りでと要素抜き出すと納得しかない - 28二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:53:45
このレスは削除されています
- 29二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:55:27
去年流行った感覚遮断穴に入ってほしい貴族ナンバーワンだよ!ストロールお前は
- 30二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:57:40
寡夫の色気を醸し出すくせに端々から可愛さを放出しまくってるハイザメもなかなか
- 31二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:03:46
本編でも言ってたけどハイザメの過去話でお酒頼んだら断られたんだっけ
幼女?幼女扱いなの?
実際プレイするまでユージフ族ってウサ耳の種族かと思ってたんだよね - 32二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:40:21
- 33二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 23:51:49
スレが落ちる前にまだ放流しますね
- 34ルドギド・ギドルドSS25/01/27(月) 23:58:43
王権競技会も後半へ差し掛かった8月下旬頃の夕方、ギドはすでにモンタリオ公国の首都・アルタベリーの教会内にて祭祀を行っていた。
なにせ9月の目玉でもある惺教祭があるのだから、今のうちに事前準備もかねて熱心に布教活動とフォーデン猊下の偉業を伝えねばなるまい。
ありがたいことに自分は序盤からずっと3位を維持している。フォーデン猊下の1位は揺らがないとはいえ、2位のルイ派が迫ってきている時点で自分が2位になり猊下を支えねば。惺教がユークロニアの命運を背負っている以上、悪鬼悪行のルイめに国を滅茶苦茶にされるのを防がなくては!ギドの顔は平静を保っているが内心は厚い信仰心と出世欲の野心で渦巻いている。例えルイが惺教祭へやってきても国教のお膝元でもあるモンタリオでは揺るがない。そう確信していた。
最後に残っていた信徒も夕餉の時間なので帰り、ギドも扉を閉めて夜は書類整備を進めておこうと箒片手に教会内の掃除をしていた時だった。
「失礼する」
張りのある声と共に一人の男が扉を開けながら真っ直ぐギドの元へと進み出た。
「私は候補者の一人、ルドルフと申す。ギド殿と話し合いをしたくここへ参った」
「ほう?私に用があると」
候補者がいきなり本拠地に殴り込みをかけすかさず警戒の態勢に入るギド。そこは僧兵の身のこなしだが持っている得物がいつもの錫杖ではなく長箒なのが何とも言えない姿だった。とはいえ何もないよりまし、持っている柄に力が籠められる。
「話し合いたいと言っている。そもそもお互い候補者では傷すら付けられないではないか!」
「フッ、そうだったな」
一笑に伏すと再び箒の穂を下に向けるが警戒は解かない。
「さて何の用件で?私は掃除で忙しい。惺教祭の準備もある。手短に」
「ギド殿、どうか私と手を組んでほしい」 - 35ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:00:48
教会内の椅子で向かい合いながら話す二人。
ルサント民族主義を代表するこの男・ルドルフはギドとは大差をつけられてはいるものの、20位圏内の人気を持っている。確かに3位のギドと連立すれば一気に上位へ追い上げるだろう。しかしそれでは3位のギドの票田を大きく割く形になる。第一ギドにとって旨味は一切無い。
「愚問だな。私が競技会へ出るのはフォーデン猊下をお支えするためで……」
「そう!それが今回の悲劇の原因ではないか!」
ルドルフの説明では、全ては長らくローグ族・クレマール族が政治を主導し腐敗政治をしてきたツケが回ってきたからだと言う。フォーデンが惺教を私物化し国軍だったルイが反旗を翻し、それが鬨の声となって王の魔法は発動。民衆は誰を王にするのかと一斉に囀りだした。
「今こそルサント族の独立国家を樹立すべきだ!もう二度と多民族による圧制や屈辱を受けてはならない!」
「だから同じルサント族の私に話を持ち掛けてきたと。それを私が快く受諾するとでも思ったのか?」
「現時点で3位ならば連立を果たすことで順位を上げることができる。ギド殿が1位となり王となるならば、更に惺教の教主になればよい」
教主、の言葉にぐらりと来たが所詮はたった1種類の民族主義。長らく8種の民族を束ねてきたきた惺教の力を分かっていないらしい。
「惺教が広まったお陰でユークロニアは連合国として大きな力を持ち、長い平和を保ってきたのだぞ?ルイめが波風を立たせたところでフォーデン猊下が1位で決まれば、またこの国には安寧が戻る」
「その安寧が再度、腐敗政治を呼び込むのだ!だからこそルサント族による純正の政治と惺教で調えるべきだ」
どうやらこれ以上話しても平行線だと悟ったギドは嘆息を付いて席を立つ。
「お引き取りを。貴方のやる事には力を貸せない」
「待て!お前には民衆の叫びが聞こえないのか!?」
「それはルサント族だけだろう?惺教は全ての民衆の声を」
「エルダ族は滅ぼすくせにか?」
挑発にギドが振り向くとルドルフがすぐ背後に立っていた。しかしお互い触れることもできない。
- 36ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:02:14
王の魔法。
それが非暴力不可侵の制約をまとわりつかせ、この身を護っているし身動きも取れない。それはルドルフの歯痒い表情で苛立つ様子が物語っている。彼はギドに掴み掛りたくとも両の手をわなわなと震えさせ我慢していた。その姿が滑稽でギドは思わずニヤリと笑う。
「フフフ、どうかされたか?殴っても良いのだぞ?」
その一言でルドルフの額に青筋が入るもすぐに、スンとした表情で姿勢を直す。じっとギドの顔を見て窺っている。再び警戒の態勢に入るギド。王の魔法があるから無事だろうが次の一手がどう出るか、流石に惺教の本陣で暴れるような真似はするまいが……。
僅かにも、長くも感じられる沈黙が流れた後、ルドルフが大きく一歩進んでギドの眼前に迫る!反射的に後ろへ飛び退くギドに今度はルドルフが嘲る様に笑う。
「どうした?王の魔法で庇護されているはずではないのか?」
意趣返しされた。ここで引いたら3位の面目が立たない。ギドはすかさず身を乗り出しルドルフの前へ直立した。
それはメンチ切りだった。視線を逸らしたら負けだという意識がお互い働いている。双方ルサント族で方や僧兵、もう片方は軍人とどちらも体格が同等で軍属の身だ。武力はあるが手が出せない。こうやって王の魔法が発動しないギリギリの境目を探っている。
体に触れないようメンチの切り合いで顔を近づけていけば、どちらともなく唇が触れた。
「「!!??」」
今度は両方飛び退いた。 そして二人とも自分の口元を抑える様にして動揺している。変な空気が流れそれまでの緊張感が一気に解けた。
「きょ、今日のところは失礼する。いや、もう二度と会うこともあ・あるまい」
「そっそそ、そのようだな……こちらから出向くこともないだろう」
カツカツと軍靴を鳴らして足早に教会を立ち去るルドルフを見送ると、どっと疲れが出たのかギドはその場でへたり込む。
- 37ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:03:24
- 38ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:04:23
- 39ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:04:58
数日後、9月に入り二人は思わぬところで再会した。蒼穹橋・下層にある洞窟温泉の内部。
この温泉は半露天風呂で空が見えるような場所もあるが、鉱山と同じ掘り方をしているのでモグラ穴のようにうねる浴槽が複数ある。惺教祭も近くなり来客も多くなるだろうから今のうちに入っておこう、と双方同じ事を考えていたようだ。湯気で姿が見えなかったせいでギドは先に入っていたルドルフに気が付いていなかった。
「……こんなところで会うとはな」
「宿屋の風呂でいいものを」
「教会に浴槽はついていないのか?あれだけ豪華な建物で権威を誇示しているというのに」
「惺教を愚弄するな!」
以前あった出来事でしこりが残りつつも相容れないとわかった以上、牽制し合うしかない。惨事があったのでもう近寄りたくない。
「さっさと上がれ」
「貴様が上がれ」
「私が先だ」
「なら充分入浴したではないか」
不毛なやり取りをしている二人の背後から複数の足音がぱちゃぱちゃと聞こえてきた。
「わ~、ひろーい!」
「いいわねー」
「空いててよかったねー」
女性客だ!ずっと長居をしていたのか、はたまた時間を間違えていたのかとにかくこの状況は危険と察知した。
「まずい!逃げるぞ」
ひそひそしつつすぐさま潜って、音を立てずにワニの遊泳の如く半洞窟の奥へ進んで逃げる。何か似たような事が某ペルソナ3のイベントであったような気がするが、同じアトラスなので問題無い。
女性達は空が見える広い浴槽で留まってくれたお陰か、速やかに明かりの少ないモグラ穴の方へ移動できた。必死に泳いで一番奥の源泉が噴き出る洞窟穴まで到達した。流石に無事だろうと半身を出す。温度が高めなので熱い。
「死……死ぬかと思った……」
「熱い……けど肝が……冷える!」
死は熱によるものではない。社会的抹殺を意味する。いくら社会的信用の高い惺教の要人で人気3位でも、風呂場で女子と鉢合わせなど順位が底辺になるのは見えていたからだ。一方ルドルフは歯の根が合わずガチガチと震えていた。何故温泉に入ってこんな矛盾した体験をしているのか理解不能だ。
できうる限り発見されないよう奥の壁に二人とも身を寄せるが、長い耳を側立てて乙女達の気配を慎重に探っている。どうやらこちらへ来る気配は無さそうで少し安堵した。
- 40ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:06:00
「「……」」
社会的な九死に一生を得て二人とも終始無言で女性客が出ていくのを待っている。やがて無言に耐え切れなくなったのか先にルドルフが声量を抑えて口を開く。
「ギドは本当に惺教が人を救うと信じているのか?」
もはや敬称は付けていない。
「何を言う!貴っ……貴様」
挑発と捉えて瞬時に声を荒げるが見つかってはいけないと気が付き小声で反応する。だがルドルフは決して陥れようと思って言ったわけではなかった。
「治安がいいとされている惺教の聖地アルタベリーでも浮浪者は多いし死体も放置されている。この国は一つしか大陸が無いのに民族は8種、エルダも入れれば9種にもなる。無理に纏めようとするから歪みが生まれるのだ」
「それを惺教の教えが正しく導くのだ。ルイのせいで今は国難が降りかかっているが、選挙が終わりフォーデン様が王となれば再び世は定まる」
「またそれか。祈るだけで腹は膨れないし怪物の脅威も去らない。そもそもルイが反乱を起こす前から格差が是正されていないのは失政そのものだ」
「亡き国王陛下が無能だったからだ」
「国王が無能なのはそうだが、それで音頭を取っているお前たちが政治を糺さなくてどうする。実質惺教と元老院が政治をしていたんだろう?それなら無理に纏めなくていい。自分の民族は自分で守ればいいのだ、他は知らん」
「私は惺教を信じている」
「お前が信じているのは権力だろう?」
「何だと!?貴様」
「それとも……フォーデンか?」
ギドが横を向いて再びメンチ切りが始まったかと思うと眼前にはルドルフがいて口付けをしてきた。今度は偶然ではなく明確に。それは殺気立ったようなものではなく歯を立てるようなものでもない、唇だけで軽く触れ合い、優しく吸い上げる小鳥のような接吻だった。
ちゅっ、と小さなリップ音を立てて離れると一息ついて言う。
「敵意が無ければ王の魔法は発動しない。そうか、ここまでならできる範囲なのだな」
「ルドルフ!お前は私で試し……」
「改めて申し込む。ギド、私と手を組もうではないか」
- 41ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:09:45
ルドルフがその場からすっくと立つと、ギドの頭一つ上で一物がギンギンに隆起している。大きくなったモノに目が行きがちだが、その視線の向こうには筋骨隆々の鍛えられた腹筋に戦いの切り傷がいくつが残っていた。潜って泳いでいた時は背中に傷が無くきれいなものだったのを見ている。
対して自分の体には一切の傷が無い。これでは実戦を知らぬお飾り僧兵ではないかと屈辱を感じるも、いや違う、練度が高いから傷すら付かないのだと言い聞かせかぶりを振り、自分も立ち上がってルドルフと同じ目線になる。今度はギドから口付けた。
歯を立てないよう傷つけないよう恐る恐るなのが感じ取れる。上下の唇で相手の下唇を挟むようにして吸い上げるとゆっくり舌を潜り込ませた。ルドルフもそれを拒むことはしなかった。双方の舌は探り探りで絡み合っている。
「ふっ……ぅ」
「……うむぅん」
ちゅるちゅる、じゅぶ、ねちゃ、と明かりの乏しい薄暗い洞窟の中で口から洩れる音だけが聞こえる。口以外は触れてはいない、はずだった。
ルドルフの勃ち上がった先端がギドの下腹部をさわさわと刺激して、それが呼び水となりギドの肉棒もピクン!と反応して隆起する。お互い薄眼で顔から視線を逸らしてはいないが、生殖器の鋭敏さは感じ取っていた。2本の直立棒は交差するように擦り合わせ、つついたり押し付けたりの戯れを始める。
ルドルフはギドの潤んだ瞳を見て自分と同じ水色をしている事に気が付いた。そして剃髪し僧衣も魔導器も纏っていない、傷一つない身体を見て惚れ惚れするほど美しいと感じ、やはりルサント族こそが至高だとその思いを強くする。
一方ギドは真っ直ぐ見据える相手の眼光に何とも言えないゾクゾクを感じていた。濡れて重くなった黒い長髪はギドの首にも絡みつき、不快で取り払いたくも首輪のように引っ付いている。第一こちらから離れたら敗ける気がした。
- 42ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:10:26
(聖職者であるこの私が……粗野な軍人にいいようにされるなどあってはならない)
元から権力欲が強く、性の煩悩に対しては薄いギドにとって性処理など片手で済むもので充分だった。そもそも他人との交わりなど穢わらしい。だが今こうして自分と同じ種族同じ性別の相手と口内を蹂躙しあい、生殖器を擦りつけ合うなど初めての出来事で温泉の湿度もあってか頭がクラクラし始めた。なのに腰を振る動きが止められず、その動きはだんだん早くなっていく。
ルドルフも相手のその行為が一段愛らしく見えてしまう。両の掌の重ねる様にして握りこむ所謂『恋人繋ぎ』をしてお互いの胸板をピタリと合わせれば、心音も重なる。傷の無い白い胸から心臓が浮き出ていくような鼓動を感じた。
ギドもまたドッドッドッドッ、と早鐘を打つルドルフの心音を聞いていた。体を揺すれば傷だらけの胸板をザラザラと擦るがそれがかえって快感を増していく。表情は売変わらず鋭い眼光でこちらを見つめているが、心臓は異様に高鳴っているのが正直でわかる。相手の胸から自分の心臓へ、そこから脊髄を通り脳へ音が響いていく。
お互い腰を激しく動かした。
「はぁーっはぁー……うぶっ!」
動きに合わせて二人の呼吸も乱れ息継ぎもままならない。しかし激しい口付けは止められず呼吸の合間合間に唾液が零れ落ちる。やがて双方の体に電流が走ったような感覚が奔り、腰をガクガクと激しく押し付け合い同時に達した。
「ふうっ!」
「あぁ……」
二人分の白い精が迸ると腹から飛び散り、重力に添って太腿を伝い温泉に溶け込む。
ギドにとっては初めての心地良さに倒れこみたくもなるが、意識を振り絞って握りこんだ手を名残惜しそうに放し半歩後ずさるとこう言った。
「もう……いいだろう。恐らくあの客たちもいなくなっただろうから」
「あ、ああ……そうだな」
ルドルフは粘り付いた長い髪をかき上げて絞ると、来た道を少し戻って様子を見た。確かにもう誰もいない。今のうちなら帰れると二人は無言で脱衣所まで泳ぎ急いで着替えた。
- 43ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:11:08
それぞれ僧衣と軍服に身を包み外へ出ると冷たい風が心地いい。9月に入ったばかりでも秋と冬に季節が固定されている高山地帯のモンタリオでは、夏でも通年気温が低い。長時間温泉に入っていて茹で上がっている身としては有難かった。肺の中いっぱいに冷たい空気を取り込むと吐いた息が真っ白に出てくる。これでまだ9月初めである。
ルドルフはいつもの厳しい表情で向き直り「失礼する」と一言言って去っていく。
「ああ、また」
ギドも何事も無かったかの様にそう言って視線をあさっての方向へ外した。
宿屋手前まで歩いてルドルフは最後の言葉を思い出していた。
『ああ、また』
……。
…………。
…………また?
それはルサント民族主義に協力してくれるということか?いやあの様子だとまた拒否するのは見えている。では、また、とは?私個人になら会ってやってもいいということか。いやしかし社交辞令ということも……。
ルドルフは自室へ戻るとかつてのギドのように耳を真っ赤にして、ベッドの上でゴロゴロと悶えて自問自答していた。
ギドはギドでうっかり出てしまった「また」の言葉にもの凄い自己嫌悪が出てしまい、全ては自分の油断だと責めては祭壇に向かいひたすらブツブツと聖句を唱えている。
仲良きことは美しき哉。
- 44ルドギド・ギドルドSS25/01/28(火) 00:11:51
ギドとルドルフの鞘当て映像は微妙にぼかされて、どこかの街のどこかのマヨナカテレビのチャンネル『女人禁制!男だらけの汗だく熱帯天国!』の背景映像として紛れているとかいないとか、そんな噂が珠閒瑠市でまことしやかに流れているとかいないとか。
- 45二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 00:13:41
書き溜めていたのは今のところ3本だけだけど
このままスレ落ちしても形にできたので後悔は無い - 46二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 03:25:12
じゃあ好きなように閲覧注意ネタを書いていいか
それぞれの種族にとっての性的魅力が気になってる
クレマール族は角、ルサント族は耳が特徴だけど
どういった生え方が魅力、イケてるとかあるのかな
あと伸びすぎるとヤスリで削ったりするのかどうかも
パリパス族はやはり毛並みが重要だと思う
ニディア族は虹彩、イシュキア族は羽の量や生え方?
ローグ族とユージフ族はなんだろう… - 47二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 03:29:08
種族ごとの胸の大きさや尻の大きさも気になる
とりあえずヒュルケンベルグはいい尻してる
あと性器
パリパスやユージフどうなってるの? - 48二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 07:32:22
角に関してだけど、血管が通っているタイプかどうかで性器判定できるかどうか
鹿は爪みたいに伸びて生え変わるけど、水牛の一種は血管通っているから切ると血が出るんだっけ - 49二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 07:33:24
書きたいものがまだあるから保守コージュラ
しかし夜までに落ちないでくれるかな - 50二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:28:08
角の大きさがアレのデカさに直結するみたいな噂が流行ってた場合「ストロールの角ってルイに比べたら小さいよね」とか(悪意なく)主人公に言われてプライドズタボロにされてそう
- 51二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:52:48
そして王宮で角がポロリしてるの見て「今のルイは……女の子!?」って思う主人公
そうなのか!ってなるストロール - 52二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:58:20
>>50のデリカシーゼロ主人公、カラドリウスでの最初のやりとりがとんでもないことになりそう
ルイ「お前の知りたい事はなんだ?答えよう」
主人公「ルイ様の角、ご立派ですね……(目線を下げつつ)そちらもご立派なんですか?」
ストロール「」
- 53二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 21:07:13
ローグは尖り耳と民族独特の化粧だからなぁ
強いて言うなら中年や老人が多いから渋い魅力を理解する層が多そう
ユージフはわからんな…… - 54二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 21:36:55
ベルギッタとメタ主のイチャイチャSSを誰か書いてくれ〜!!
- 55火の竜SS25/01/28(火) 22:34:28
ユークロニア大陸の西方の空を、火の竜は当てもなく飛んでいる。
ノルドの廃鉱山をねぐらにしていたこの竜は、かつては旧世界のマグラ兵器としてその世界を滅ぼした一因の一柱ではあるが、今ではマグラの流れに身を任せて伝説の怪物に成り下がっている。
ただ大人しく寝ていただけなのに珍妙な魔法を使う3人組の登場でその静寂は破られ、今は新しいねぐらを探しつつ久しぶりの飛行を楽しんでいた。
荒涼とした岩山はすぐに遠ざかり向かう先には濃い緑が生い茂っている。特に何も考えずに清涼な空気が流れているであろう深い森へ向かうと、一点大きな赤い色の山が見えた。
それは国軍所有の鎧戦車・カラドリウス号だった。この鎧戦車は国で一番の大きさと動力、防御と攻撃を兼ね備えたまさに動く要塞で、唯一空を飛ぶことができる鎧戦車でもある。他の鎧戦車が節足動物の足を模した移動方法なのに対して、こちらの足は離着陸の為の支えにしか使われていない。なので今は僅かな開けた場所に移動して森を覆う屋根のように被さっている。
その鎧戦車から強いマグラを感知した火の竜は自然とカラドリウス号へと飛んで行った。 - 56火の竜SS25/01/28(火) 22:35:02
カラドリウス号から離れた場所でルイは一人で花を摘んでいた。王家の花を象徴する、百合にも似た真っ白な美しいな花だ。エルダの郷に近いその群生地で乱獲といってもいいほどの量を摘んでいる。それは後の国葬で撒くための準備でもあった。
他の部下が手伝いを申し出ると
「いや、結構だ。王家の花はこのルイめが直々に摘んでこそ意味がある」
といつもの無表情で断った。
内情は、燃やされる前の故郷では美しき女王がこの花を好いていたな、本当の王になるべきは私であり真の平等は力によってもたらされるものとか何とか色々考えているが要は激重感情一筋で、王家の花というより「自分の」花だという意識が働いている。よって自分以外がこの花に触れるのが嫌なのだ。
花を摘んでいる間、その表情はかすかに笑みを浮かべてにこやかであり、穏やかでもあった。事実平穏な時間であっただろう。もはやその時のルイはちいかわと化している。
その様子を群生地に入らないように木の陰から半身を隠して覗いている者がいた。ストーカー忠臣・ゾルバが、はわわ……とした乙女の貌で時にはねっとりとした視線を混ぜながらルイの行為を脳裏に焼き付けている。王家の花を摘むルイ様のルンパッパな姿は尊く、それを邪魔させないのが今のゾルバの使命でもあった。そう思っていた矢先!
ドガンッ!
重い金属音と同時に地響きが鳴り、一斉に森の小鳥たちが逃げ出した。
鎧戦車に危機が!ルイとゾルバは瞬時に判じ、持っていた花を投げ出して一気呵成でカラドリウスへと向かう。その間にも断続的に重低音が鳴り響く。
- 57火の竜SS25/01/28(火) 22:35:44
カラドリウスの後方に火の竜は組み付いていた。それはドラゴンカーセッ久だった。ドラゴンより数倍も大きいカラドリウスは火の竜の征服欲を掻き立てるにふさわしい、まさに『大物』だ。腰を振らずにはおれない魅力的な機体。
だがそれを知らないルイとその一派は伝説のドラゴンが鎧戦車を襲っているようにしか見えなかった。まあ理由はともかく実際襲っているわけなんだが。
カラドリウスは全ての足となる野望の土台。ここで壊されるわけにはいかず、短期決戦で火の竜に立ち向かう、
「皆のもの、行くぞ!」
「「「応!」」」
ルイの掛け声に腕に覚えのあるものが次から次へと火の竜を痛めつけた。低レベルの主人公3人組でも何とか追い払える程度の弱ったドラゴンなので、それが最強ルイ一門が総出で向かえば1分も立たずに撃退。火の竜は情欲を発することなく再び空へと向かって逃げて行った。
「ふん。ドラゴンといえど口ほどにもない」
と言ってはいるが、内心心臓がバクバクしていた。本当に焦っていた。ニンゲン討伐は慣れたものではあるがドラゴン相手は初めてだった。
「皆の者!すぐにカラドリウスの修復に取り掛かれ!いつまたドラゴンが襲撃してくるやもしれぬ、常に万全の状態で国葬に間に合わせるぞ!」
再び応!の声が一斉に発せられるとルイは踵を返してまた花畑へと向かっていった。その姿は興を削がれてしまったらしく、表情に陰が落ちる。
ドラゴンめ許さんぞ!とゾルバの怒りの念がより強いマグラを生んだ。
- 58火の竜SS25/01/28(火) 22:36:16
火の竜はフラフラになりながらもまた気ままに空を飛んでいる。ルイ一派との戦闘でボロボロになりながらもやはりドラゴン、結構しぶとい。
来た道を戻るかのように王都寄りの東へ向かうと、また見慣れないものが停泊していた。
今夜はこれでいいか。
火の竜はそう思った。
「あーあーなんで俺が王都の様子を探んなきゃいけねぇんだよ。なー、ヘクトー」
かれこれずっと何時間も愛犬ヘクトーに愚痴をこぼしているグローデルだ。彼はルイに偵察を命じられているにも拘らず休憩と称して平地で鎧戦車を降り、ヘクトーとキャッチボールをして遊んでいる。こんなんだから出世できないんだよ。
ぎゃんぎゃんぎゃん!とヘクトーが異変を感知して吠えたてる。グリーデルは咄嗟に振り向くと、背後の鎧戦車はいつの間にか巨大な竜に覆いかぶさられていた。
かと思えばすぐに離脱してどこかへ飛び去って行った!どぎつい紫色の鎧戦車にべったりと白い液体が大量に塗れている。
長時間組み付けばまたボコボコにされるのはわかっていたので、出すもの出してすっきりしたかったのだろう。流石に火の竜でも三連戦は無理だった。
「?????????」
あっという間の出来事と目の前の光景がまったく結びつかず、茫然自失しているグローデルにヘクトーのキューンという鳴き声が意識を戻した。
「あっああ、そうだなヘクトー。俺たちの城をきれいにしなくちゃな!」
急いで鎧戦車に入ると中もご多分に漏れずべったりと白い何かが入り込んでいた。ドロドロと臭く、ヘクトーは耳と尻尾を垂らして嫌がる。その様子を見たグローデルは、愛犬のために必死になって鎧戦車の清掃と修理を行った。多分一番真摯に働いているのはこの時だったと思われる。
そして「何もかもルイが悪い!」と心の中で悪態をつきながらデッキブラシで床を擦っていた。
- 59二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 22:37:55
メタファーで書きたかった劣情、ドラゴンカーセッ久かけたぞー。
ドラゴンがいて、鎧戦車というはたらくくるまがある。ならば答えは一つ! - 60二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 08:17:01
敗者は処女を失う闇のゲーム会場に男だけ放り込むことで生まれる地獄絵図が見てェ…