幼児退行したチヒロはきっと可愛いよね(閲覧注意)

  • 1二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:06:10

    若年性アルツハイマーになってしまって少しずつ記憶力を失って人格も幼くなっていくチーちゃんはかわいそ……可愛いよね

  • 2二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:08:29

    思ったよりどぎついのが出てきたな……

  • 3二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:09:55

    しっかりもののお姉さんの幼児退行は良い…
    いやよくないわ曇らせエグいって

  • 4二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:11:32

    マキやハレがチヒロに「あなた誰?」って言われちゃって絶望顔しそう

  • 5二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:11:59

    コタマ・リオ・ヒマリ曇らせ

  • 6二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:13:07

    常識人かつしっかりもので頼りになる先輩がおかしくなっちゃうのが美味しいんだよ

  • 7二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:13:50

    >>5

    その三人だけで済むか?

  • 8二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:14:26

    チーちゃんと面識ある生徒全員曇るだろ

  • 9二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:17:10

    キヴォトスの医療レベルってどうなってんだろう

  • 10二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:19:19

    子育て役はウタハにさせよう!

  • 11二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:26:53

    死人が出たわけでもないのにお通夜みたいになってそう

  • 12二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:28:19

    最初は病を受け入れて周囲の協力を得ながら向き合っていたのに、次第に症状が進行して出来ないことが増えて、その事実が受け止めきれなくて否定しようと周囲に当たってしまい、その負い目で余計に追い詰められていく姿を痛ましく思うミレニアムの面々ですか
    いや普通にしんどすぎる

  • 13二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 21:31:17

    このレスは削除されています

  • 14二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:04:11

    チヒロを回復させる為に脳トレゲームを一緒にやるゲーム開発部はありですか

  • 15二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:08:10

    見てぇ!チヒロがどんどん子供になって皆を忘れていく中でミレニアムの全員が曇っていくSSがクソ真面目に見てぇ!!

  • 16二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:27:21

    >>15

    もしかして、言い出しっぺの法則で僕が自分で書かなきゃいけない感じ?

  • 17二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:29:17

    >>16

    ……そうですね、取り敢えず筆を執ってみたらどうですか?案外良いのが書けるかもしれませんし

  • 18二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:30:29

    おかしい……
    俺は一時的に幼児退行したチヒロとそれに振り回される周囲のストーリーを見に来たはずなのに
    こんなの僕のデータから削除したぞ!

  • 19二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 22:33:34

    >>17

    やってみようかな

  • 20125/01/27(月) 22:43:45

    自分はふとチヒロ幼児退行概念が降りてきただけで文才は無いのでSSはおまかせします。

  • 21二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 23:09:33

    >>19

    ある日の事だった。それは突然の事だった。

    チヒロ「ウタハ......」

    ウタハ「なんだ?」

    チヒロ「いい加減にして、今月に入ってこれで8回目。」

    ウタハ「い、いやなんだ。これでも良くはなったんだぞ?」

    チヒロ「だからってあのバカどもにロケット花火ブレイド、だっけ?あんな物を持たせないでくれる?」

    先日、ウタハは自分の試作品をマキに試してもらっていたのだが、調子に乗ったマキがそれをモモイとコユキと一緒に遊びに使った。それがいけなかった。モモイは何も知らずにただ花火を打ち上げる剣としか伝えられていなかった。結果、運悪くチヒロに打ち上げられた花火が被弾してしまったのだ。幸いにも軽傷で済んだが、もしも先生だったらどうするつもり!?と3人はチヒロに叱られた。そして今、事の元凶であるウタハは頭にたんこぶをつけられ、正座している。チヒロに説教されていたのだ。

    チヒロ「ひとまず、ユウカと話した結果、罰として今月の部費60%引きだそうよ。」

    ウタハ「せ、せめて半額に......」

    チヒロ「ダメに決まってるでしょ。全く......コレに懲りたら反省し......」

    その時だった。突然チヒロは目眩と頭痛に襲われた。

    チヒロ「ア......レ......?」

    ウタハ「チヒロ?」

    チヒロ「あ......」

    チヒロはバランスを崩し、その場に倒れそうになる。

    ウタハ「チヒロ!?」

    倒れそうになったチヒロをウタハが受け止めた。

    ウタハ「チヒロ、大丈夫か!?」

    チヒロ「あ、頭が痛い......目眩も、する......」

    ウタハ(取り敢えず、医師に診せた法が良いな......)

    普段なら医務室で対応するのだが、ウタハは何故か物凄く嫌な予感がしていた。だから病院にチヒロを連れて行く事にした。......結論から言えば、その判断は正解だったと言えるだろう。

  • 22二次元好きの匿名さん25/01/27(月) 23:10:43

    >>21

    まあ、出だしはこんな感じで

    自信は無いですけど、こんな感じで更新していくつもりです。

  • 23二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 07:17:20

    これは周りが(私のせいなんじゃ…)と思ってしまう予感…

  • 24二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:25:45

    >>21

    チヒロ「う〜ん......ん?ここは?私なんで......」

    目が覚めると、チヒロの視界には知らない天井があった。チヒロがそれに困惑していると......

    ウタハ「ああ、チヒロ。起きたのか。」

    チヒロ「ウタハ?」

    ウタハ「突然倒れそうになったから心配したぞ。どうだ?頭痛と目眩は良くなったか?ここに来る時はずっと酷かったみたいじゃないか。」

    ウタハがそう事情を説明した。しかし......

    チヒロ「?そうだっけ?」

    ウタハ「え?」

    チヒロ「まあ、少なくとも......別に今はどうって事ないよ?」

    ウタハ「そ、そうか。なら良いんだ。」

    ウタハは口ではそう言っていたが、内心混乱していた。

    ウタハ(覚えてないのか?まあ、突然の事だったから仕方ないのかもしれないが......なんだ?この違和感は......)

    医師「ああ、目が覚めたのですね。」

    ウタハ「ああ、先生。どうでしたか?チヒロが急に倒れそうになった原因って分かりましたか?」

    チヒロ「私、別にどうって事ないんだけどなぁ......」

    すると、医師は突然暗い表情をする。

    医師「その前に、確認したい事があります。」

    ウタハ「なんでしょうか?」

    医師「白石ウタハさん、貴女は彼女とは古くからのご友人でしたよね?」

    ウタハ「はい、そうです。」

    医師「他にも彼女にはご友人や親しい方はいらっしゃいますか?」

    ウタハ「勿論です。」

    実際、ミレニアムの生徒達は顔馴染が多い。なので、ミレニアムの全員が友人と言っても過言ではないのだ。

    医師「......そうですか。」

    すると、医師は更に表情を曇らせた。ウタハは医師の表情を見るや否や得体の知れない寒気に襲われた。

    ウタハ「せ、先生?チヒロは、どうなってるんですか?」

    医師「貴女を始めとするその方々に取っては、非常にお辛く、悲しいお知らせとなります。診断の結果、彼女は今......」

    医師はこの上なく暗い表情とトーンでウタハにこう告げた。

    医師「若年性アルツハイマーを患っています。」

  • 25二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 08:27:27

    こういうのは慕ってた周囲の反応含めて旨みが出るよね

  • 26二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 10:31:17

    >>24

    ウタハは凍りついた。医者が口にしたその言葉を、自分の耳を、今自分が存在しているこの世界そのものすらも疑った。

    ウタハ「若年性......アルツハイマー......?」

    医者「はい。......認知症、と言えば分かりやすいですかね?」

    若年性アルツハイマー......64歳以下の者が発症した認知症の呼称。通常、認知症は高齢者だけに限らず、若ければ18歳からも発症する。原因や症状は高齢者の場合と同じだが、頭部損傷などの事故による後遺症で起こる事もある。 最初は「あれ、何だっけ?」という一時的なもの忘れから始まるが、やがて進行していくと会議の予定を忘れたり、同僚の名前や取引先の場所が分からなくなったりする為、仕事を続ける事も出来なくなり、徘徊などの行動障害も出てくる。 若年性の患者数は、厚生労働省の補助事業による調査を根拠に全国で10万人前後とも言われている、正確な実態は分かっていない。

    医者「そして、コレについてはアルツハイマー病の全般がそうなのですが、この病気は......」

    ウタハは今日この瞬間程聴覚を失いたいと思った日は無いだろう。その言葉を聞く事を心の底から拒んだ。理解する事を拒絶した。だが、知的好奇心......というべきだろうか?どの道、彼女は耳を塞ぐような事はできなかった。彼女の脳は考えるのを止めなかった。そんな彼女に医者は伝えた。彼は医師である以上、伝えるしか無かった。あまりにも悲惨で無慈悲なその現実を。











    医者「現段階では、"治療法が確立されていません"。」

  • 27二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 13:04:59

    >>26

    気が付くと、ウタハは半狂乱になり、その医者に掴みかかっていた。

    ウタハ「頼む!!なんとかしてくれ!!医者なんだろ!?チヒロを、私の友人を治してくれ!!」

    病院職員ロボ「お、落ち着いて下さい!!」

    看護師「お気持ちは分かりますが!!」

    ウタハ「あっ......」

    ウタハは病院職員のオートマタと看護師の2人に止められた事で我に返る。と同時に、目頭が熱くなっていた事にも気付き、いつの間にか地面に膝をついて泣いていた。

    医者(ああ......やっぱ弟と違ってダメだな、俺......アイツが何人もの子供を笑顔にしたのに対して、俺はもう何回人を泣かせた?)

    医者は葛藤していた。自分と弟は違う。自分は弟のようにはできないのだと。それでも......

    医者「涙を拭いて下さい、ウタハさん。」

    医者はウタハにハンカチを渡した。ウタハはそれを受け取り、涙を拭く。

    医者「ひとまず、落ち着いて聞いて下さい。チヒロさんの症状はもうかなり進行してしまったようです。アルツハイマーの前兆を単なるストレスによるものと解釈してあまり重要視しなかったからでしょう。故に、日常生活にも支障をきたす可能性が高いのです。ですから、貴女達が彼女を支えてあげて下さい。」

    彼はウタハに優しく、悲しく微笑みながらそう告げた。

    ウタハ「ひっく......分かり......ました......」

    その後、その日の内にチヒロは退院する事ができた。ただ......

    ウタハ「チヒロ。」

    チヒロ「何、ウタハ?」

    ウタハ「......自分の家が何処か分かるか?」

    チヒロ「ええっとぉ......えーっと......」

    チヒロは暫く考えていたが、いつまで経っても返事をしない。

    チヒロ「アレ?私何考えてたんだっけ?」

    ウタハ「今日は私の家に泊まっていけ。」

    チヒロ「え?良いの?」

    ウタハ「ああ。」

    チヒロは自分の家が分からないようだったので、ウタハは彼女を自分の家に泊める事にした。

    ウタハ(......さて、ミレニアムの皆にはなんと言うべきか......)

  • 28二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 16:53:10

    >>27

    その日の夜は、ウタハに取って史上最も忙しい一夜だった。

    チヒロ「ウタハ、お腹空いた。」

    ウタハ「あ、ああ分かった。(心做しか言動が度々幼くなっているな......)」

    チヒロ「えっと、火点けるね。」

    ウタハ「待て待て待て待て待て!?!?!?!?」

    ウタハは火を点けようとしたチヒロを大慌てで止めた。そりゃそうだ。今の彼女に火を使わせたらどんな事態になるかなんて想像したくもない。

    ウタハ「えっと......ち、チヒロはそのまま待っててくれ。私が作るから。」

    チヒロ「えっと、ありがとう。」

    ウタハ「さ、先に風呂に入って来たらどうだ?今日は色々あって疲れただろう?サッパリすると思うぞ?」

    チヒロ「あ、うん。」

    [数十秒後]

    ウタハ「......ちょっと待て?何故服を着たまま風呂に入ろうとする?」

    チヒロ「え?ああ。」

    ウタハ(......思っていたよりも酷いな、これは......)

    チヒロ「じゃあ、脱ぐね。」

    ウタハ「いやいやいやいやいや!?!?!?!?ここで脱ぐな!?丸見えだぞ!?」

    チヒロ「?」

    終始一貫してキョトンとしているチヒロ。それに頭を抱えるウタハ。

    ウタハ「......本気で先が思いやられるな、コレは......」

    結局、チヒロが服を脱ぐのも、お風呂で体を洗うのもウタハが手伝う羽目になった。

    更に更に......

    ウタハ「な、なあチヒロ?箸もフォークもスプーンすらも使わずに素手で食事をするのは流石に......」

    チヒロ「?そうなの?ええっと、コレってこう使うんだっけ?」

    ウタハ「違う違う違う!!持つとこが逆だ!いや、待て待て待て!?箸を噛み砕こうとするな!?呑み込もうとするな!?食べ物じゃないぞ!?」

    チヒロ「???」

    やっぱりキョトンとしているチヒロ。初めて味わう類の頭痛に襲われるウタハ。

  • 29二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 16:56:26

    >>28

    そして極めつけは......

    ウタハ「......」シロメ

    チヒロ「?????」

    ウタハ「な、なあ、ち、チヒロ?」

    今にもぶっ倒れそうなウタハがチヒロに問いかける。

    ウタハ「ここが何処だか分かってるのか?」

    チヒロ「いや、分かんない。」

    ウタハ「まず家から勝手に居なくならないでくれ!?こんな夜中にパジャマ姿で外をふらつかないでくれ!?そ・し・て・だ!!用を足すならちゃんとトイレでしてくれませんか!?と、とにかく帰ったらもう一回風呂に入るぞ!!それからトイレの仕方もちゃんと教えるからちゃんと覚えてくれ!?頼むよ!?いやもうほんっとにお願いします!!」

    ウタハはもう既に疲労困憊でズタボロだった。

    チヒロ(スゥ~......スゥ~......)

    ウタハ「取り敢えず、トイレの仕方は覚えてもらえた。アレだけは覚えてもらわないとありとあらゆる意味でマズいからな。それにしても......」

    ウタハはチヒロを見る。今、彼女はまるで小さな子供のようだった。まるで母親に甘える幼子の如く、ウタハに抱きついて寝ていた。

    ウタハ「これからどうするべきか......」

    ウタハは明日からの事を考えると、不安で一睡もできなかった。

  • 30二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:19:34

    >>29

    寝る事ができずにいたウタハは少しアルツハイマーについて調べてみる事にした。

    ウタハ「成る程、大体あの医者が言ってた通りだな。......だが、妙だな。今日のチヒロの言動はちょっと度を越していた気がする。」

    ウタハは調べて分かったアルツハイマーの症状とチヒロの状態が微妙に違う事に違和感を持った。いくらなんでも重症過ぎないか?と。

    ウタハ「何はともあれ、明日学校に行く時も今日のようなドタバタ具合だろうな。......ちょっと対策を練っておくか。」

    ウタハは眠れずにいた時間を明日に備えて準備する事に費やすのだった。

  • 31二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 18:30:18

    いい概念だ…

  • 32二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 19:00:13

    >>30

    そして、翌朝

    ウタハの予感......いや、悪寒は見事に的中した。

    チヒロ「ウタハ。」

    ウタハ「何だ、チヒロ?」

    チヒロ「喉渇いた。」

    ウタハ「ああ、水だ。飲んでくれ。」

    チヒロ「ありがとう。」

    ウタハが最初に準備していたのは水分と小腹満たしである。昨夜のチヒロの破滅的な行動っぷりから、喉が渇いたら公園の噴水を飲む......なんて事を普通にしそうだったので、数本用意した。小腹満たしに関しても同じ理由だ。昨日の食事の際、箸を食べようとしたのだ。手当たり次第に何かを食べようとする筈。それを防ぐ為である。

    チヒロ「ねえ、ウタハ。」

    ウタハ「こ、今度は何だ?」

    チヒロ「トイレ行きたい。」

    ウタハ「ああ、そうか。こっちだ。」

    次に、学校に行くまでの経路で最寄りのトイレの位置を全て丸暗記しておいた。トイレの仕方や用を足すのはトイレでしなければいけない事は覚えてくれたが、何処にトイレがあるのかについては分かる訳がないので、事前にウタハが調べて覚えておいたのである。

    ウタハ「間に合ったか?」

    チヒロ「うん。ギリギリ。」

    チヒロとウタハは近くのコンビニのトイレを借りていた。幸いにも間に合ったようだ。

    ウタハ「うぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?」

    そして、銃撃戦が日常茶飯事のキヴォトスなので、大量の武器も用意した。流石に今のチヒロが銃撃戦に巻き込まれるのは......いくらなんでもマズ過ぎる。道中何回かスケバンに絡まれそうになったが、ウタハが自身の発明品を駆使して薙ぎ払った。

    そして遂に......

    ウタハ「やっっっっっっと着いたぁ!!!」

    ウタハは昨日の一睡もしていない事もあって、昨日の疲労の大部分がまだ残っていた。そこにこのドタバタである。むしろなんでぶっ倒れないのか不思議なくらいだ。そしてやっとの思いでミレニアムに着いた。大遅刻なので、後でユウカに反省文20枚を提出する羽目になるのだろうが......

    チヒロ「ここは?」

    ウタハ「ミレニアムだ。私達が通っている学校だよ。」

    チヒロ「私......達?」

    ウタハ「ああ、そうだ。取り敢えず、チヒロの部活の部屋まで案内するから、私について来てくれ。」

    そして、道中何事も無くヴェリタスに着く事ができた。

    ウタハ「ここだよ、チヒロ。ここがチヒロの部活の......」

    チヒロ「ヴェリタス」

    ウタハ「そうだ。ヴェリタス......え?」

  • 33二次元好きの匿名さん25/01/28(火) 21:33:14

    >>32

    ウタハ「え?なんで?」

    チヒロ「......思い出したのよ。」


    医者「ああ、良かった。私の処置の効果が出たんですね。」

    ウタハ「どういう事ですか?」

    医者「貴女のチヒロさんの事を助けて欲しいという必死の訴えに看過されたんです。......なので、危険ではありましたが、特別処置を施しました。」

    チヒロ「特別処置?」

    医者「はい。......とは言っても、一時的な処置に過ぎませんがね。」

    医者はズレ落ちていたメガネをかけ直しながら続ける。

    医者「またすぐに貴女達が私の元に来た時と同じくらいに戻ってしまいます。私もできる限りの手を尽くします。なのでウタハさん、昨日も言った通り、貴女達がチヒロさんを支えてあげて下さい。では、私はコレで......ああ、ちょっと待って下さい。」

    ウタハ「何ですか?」

    医者「私の特別処置は危険が伴う、と言いましたよね?」

    チヒロ「それが何か?」

    医者「正確には危険というよりもデメリット、というべきでしょうか?が生じるのですが、何か思い当たるような事はありませんでしたか?」

    ウタハとチヒロは暫く考えた後、まさか?という心当たりが1つあった。

    ウタハ「あ、あるにはありますが、知らない方が良いかと......」

    医者「な、成る程。で、では詳しくは聞かないでおきます。」

    流石にアレを言うのはチヒロの尊厳を破壊する事になるだろうと思い、ウタハは敢えて黙っておく事にした。

    医者「まあ、また何かありましたらご連絡下さい。それではコレで。はい、失礼します。」

    医者との連絡を終えた後、顔を真っ赤にしたチヒロがウタハの耳元で囁く形でこう言った。

    チヒロ「ね、ねぇ、ウタハ?そ、その、昨晩の事だけど......///」

    ウタハ「ああ、安心してくれ。誰にも言わない。私も忘れるよう努力するさ。」

    チヒロ「そ、そう?な、なら良いけど......えっと、じゃあ、色々とありがとうね。」

    ウタハ「ああ、どういたしまして。」

    そう言うと、チヒロとウタハはそれぞれの部室に入って行った。

    本当に大変なのは、これからだという事を、この時の彼女達はまだ知らなかった。

  • 34二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 06:14:30

    このレスは削除されています

  • 35二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 09:34:52

    少し前に「アルジャーノンに花束を」のパロディスレがいくつかあったな。あたしもみんなも、記憶と老いとかで生まれるドラマが好きなんだろう。

    チーちゃん…

  • 36二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 09:41:17

    >>33

    ウタハ「はあぁぁぁぁ、つっかれたぁぁぁぁ......」

    ヒビキ「だ、大丈夫なの?」

    ウタハ「控えめに言って、もう無理。暫く寝る。お昼過ぎくらいに起こせ。それまでは何がなんでも私を起こすな。もし私を起こしたら覚えとけよ?じゃあ、おやすみ。」

    ヒビキ「1秒で寝た。多分、相当疲れるような事があったんだろうね。......うん、そっとしといてあげよう。」

    コトリ「おっはようございまぁす!!!」オオゴエ

    ヒビキ「しっ!静かに!!今ウタハ先輩は疲れて寝てるみたいなんだ。ゆっくりさせてあげて?」コゴエ

    コトリ「あ、そうだったんですか?す、すいません!」コゴエ

    ヒビキ「良いよ。じゃあ、今日の作業は私達2人だけで進めよっか。」コゴエ

    コトリ「はい!」コゴエ

    ウタハ「ムニャムニャ......」

  • 37二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 14:29:32

    >>36

    ウタハがぐっすり眠っている頃......

    ハレ「あ、おはよう、副部長。遅刻するなんて珍しい。」

    チヒロ「ああ、うん。まあ、その......昨日はウタハのとこに泊まってたのよ。」

    コタマ「ええ!?まさかお二人で一夜を共にしたんですかぁ!?良いですねぇ、あのウタハさんと副部長が......あ、結婚式の友人代表スピーチはこの私にお任......じょ、冗談!冗談ですって!!だからその人殺すような目を私に向けるの止めて下さい!!!」

    なんて茶番じみた事を言うコタマに呆れていると......

    マキ「あ、あの、副部長。」

    チヒロ「ん?どうしたの?」

    マキ「ごめんなさい!!」

    急にマキが謝罪してきた。

    チヒロ「え?何が?」

    マキ「ほら、昨日私とモモとコユキで......」

    チヒロ「あ、ああ、別に大丈夫。昨日も言ったけど、次から気を付けてくれれば良いから。」

    マキ「は、はい。」

    一応、昨日何があったのかは辛うじて覚えていた。

    チヒロ「さ、今日はやらなきゃいけない作業があったでしょ?早く片付けましょ。」

    コタマ「あの、副部長。」

    チヒロ「どうしたの?」

    コタマ「それ、もう一昨日に終わったやつですよ?」

    チヒロ「え?ああ、そ、そうだった。えっと......こっち、だっけ?」

    マキ「えっと、それは私のやつです。副部長のはそっちですよ?」

    チヒロ「あ、ああ、ごめんなさい。あとハレ、教えてくれてありがとう。」

    ハレ「いや、ハレは私ですよ?そっちはマキ。......副部長、大丈夫ですか?」

    チヒロ(ま、マズいわね......まさかここまで酷いなんて......)

    チヒロは少し考えた後、3人にこう言った。

    チヒロ「多分、私疲れてるのね。昨日は色々あったし。あの、良かったらちょっと手伝ってもらえる?」

    ハレ「も、勿論です!(ホントに疲れてるだけ?)」

    マキ「ちゃ、ちゃんとフォローしますよ!(今日の副部長、大丈夫かな?)」

    コタマ「い、いくらでも頼って下さいね?(妙ですね......後でヒマリさんに相談しますか......)」

    チヒロ「あ、ありがとね。(流石にアルツハイマーって事は黙っておこう......)」

  • 38二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 17:25:42

    >>37

    その後はもうとにかく大変だった。

    コタマ「え~っと、また間違えてますね。ここのコードは要りません。そっちのコードは5行も抜けてます。あと38行目のゴードと72行目のコードが逆です。」

    チヒロ「えっと、コレで......」

    ハレ「わわわわわっ!?!?!?!?何やってんのさ、副部長!?!?!?!?そのプログラムコードは実行しちゃダメダメ!!」

    ハレは大急ぎで主電源を無理矢理切る。

    チヒロ「コレ、どうするんだっけ?」

    マキ「ねぇ、副部長、ホントに貴女はチヒロ副部長なんですか?」

    チヒロ「気持ちは分かるけど、流石に酷くない?」

    マキ「えっと、コレはこうやるんです。」

    チヒロ「えっと、こう......」

    (ブチッ......プツンッ)

    チヒロ・マキ「「あ......」」

    ハレ「わぁーーーーー!?!?!?!?マズいマズいマズい!!!急いでデータを復元しないと!!」

    (データの復旧に成功)

    ハレ「超ギリギリで間に合ったぁ......」

    コタマ「ば、バックアップを取っておいて正解でしたね......」

    マキ「ふ、副部長?そ、そんなに落ち込まないで?ね?私達だってたまに同じようなヘマした事あったし......」

    チヒロ「......そ、そうね。ありがとう......」

    (ダンッ!!)

    立ち上がり、前に歩き出した時に足に引っかかったケーブルが引っ張られ、サーバーの機器が落ちる音。

    (ジーッ!!ピーッ!!ブォン......)

    ハレ「あああああああ!!落ちたぁぁぁぁぁ!!!サーバーの回線が落ちてデータ全部消えたぁぁぁぁぁ!!!!!......終わった......終わりだよぉぉぉぉぉ!!!!!」

    コタマ「ちょちょちょ!?元気出して下さいよ、副部長!!コレくらい......」

    チヒロ「だけど、いくらアンタ達でもここまで酷い惨状を引き起こした事は無いでしょ?」

    マキ「うっ!そ、それは......」

    チヒロ「......ほら、図星でしょ?」

    ハレ「だ、だだだだだだだ大丈夫ですよ!!データなんてまた復旧すりゃ良いですしね!ね!!」

    コタマ・マキ「「うんうんうん!!!」」

  • 39二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 17:32:55

    >>38

    とにかく3人に取ってはもう散々だった。

    チヒロ「......ちょっと休憩しましょうか。」

    マキ・ハレ・コタマ「「「賛成。」」」

    その後、チヒロの提案で休憩を取る事になった。

    ハレ「副部長っていつもこんなに大変だったのかな?」

    休憩中ハレがそんな事を口にする。

    コタマ「急にどうしたんですか?」

    ハレ「いやさ、その......言い方悪くなるんだけど......今日の副部長ってすっごく頼りないじゃん?」

    マキ「まあ、確かに。」

    ハレ「自分のやる事も並行しながら、いつも問題ばっか起こす私達3人を相手にこんな事を毎日毎日......すっごく大変な思いさせてたんだなぁって。」

    コタマ「なんだか、申し訳なくなってきましたね......」

    マキ「副部長ってこんなに大変な思いしてたんだね、私だったら半日足らずで心が折れそう......」

    チヒロ「何の話をしてるの?」

    コタマ・ハレ・マキ「「「い、いや別に......」」」

    チヒロ「そう?なら良いけど......」

    (コンッ!!ジュゥゥゥゥゥ!!!)

    チヒロの飲みかけのエナジードリンクがPCのモニターに思いっ切りかかる。

    コタマ・ハレ・マキ「「「ああああああああああ!!!!!」」」

    コレは中々先が思いやられる......

  • 40二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 21:11:23

    >>39

    その後、エンジニア部に協力を要請すべく、エンジニア部の部室に押し入り、スヤスヤと眠っていたウタハを叩き起こすヴェリタスの3人。

    (その後、ウタハがヴェリタスの3人と他エンジニア部の2人がフルボッコにされたのだが、敢えて深くは語らない......)

    マキ「......って事なんです!」

    ハレ「ウタハ先輩、貴女が頼りなんですよ。」

    コタマ「いつもみたいに何かこの事態を解決できるような発明をしてもらえますか?」

    ウタハ「ふむ。良いだろう。(元よりそのつもりだったからな......)」

    ヒビキ「えっと、ウタハ先輩。それ一体いつ作ったの?」

    コトリ「確かに!昨日まではありませんでしたよね?」

    ウタハ「ああ、昨日の夜、徹夜して作った。」

    実際、嘘は吐いていない。ホントに昨晩は徹夜して様々な物を作ったからだ。

    マキ「......で?それにはどんな機能があるんですか?」

    ウタハ「ああ、君達の話を聞いたところ、機械の破損に関わるトラブルが大半のようだったからな。まあ、少し......いや結構見た目は地味なコンタクトレンズみたいな感じだが、性能面は十分だ。なにせ理論上の話にはなるが、あの巡航ミサイルにも耐えられる構造だからな。」

    コトリ「えっと、結構な数ありますが、コレって......」

    ウタハ「ああ。その、なんだ......それは大きさをある程度引き伸ばす事が可能な構造にはなっているんだが、いかんせん耐久性能全振りの構造だから延性・展性は劣るんだ。だから数で補っている感じだな。」

    コタマ「成る程!じゃあ、マキとハレにそれは任せるとしましょう!」

    マキ「え?何?コタマ先輩逃げるの?」

    コタマ「いえ、ヒマリさんに会いに行くんです。」

    ハレ「ヒマリ先輩に?」

    コタマ「はい。全知のヒマリさんなら強力な助っ人になってくれるでしょうからね。」

    ウタハ「じゃあ、私達も手伝うとしよう。コトリ、ヒビキ。そういう事だからヴェリタスの手伝いをするぞ。」

    コトリ「はい!」

    ヒビキ「了解。」

  • 41二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 21:23:28

    >>40

    チヒロ「まさか、貴女が新素材開発部とそんな物を昨晩の内に完成させてたなんてね。」

    ウタハ「まあ、あそこの技術者達は私に負けず劣らずの才能の持ち主だからな。今回のコレも彼女達が居なかったら成功しなかったよ。」

    チヒロ(えっと、まさかとは思うけど......)

    ウタハ(あ、安心しろ。言ってないから......)

    マキ「取り敢えず、こっちの機器は終わったよ〜!」

    ハレ「こっちも終わった。」

    コトリ「こちらも完了しました!」

    ヒビキ「ウタハ先輩、大体終わったよ。」

    ウタハ「ヨシ!じゃあ、コタマがヒマリを連れて来るのを待つか。」

  • 42二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 23:16:19

    >>41

    コタマ「......という事なんです。力を貸してくれませんか?」

    ヒマリ「事情は分かりました。ですが、にわかには信じられませんね。あのチーちゃんがそんな事になってるなんて。」

    コタマ「私達も未だに信じられませんよ。まさかあの副部長があんな事になってるなんて。」

    ヒマリ「エイミ。居ますか?」

    ヒマリがそう呼び掛けると、部屋の向こうから1人の少女が現れる。

    エイミ「居るよ、部長。で、なんの用?」

    ヒマリ「暫く席を外します。留守番をお願いできますか?」

    エイミ「いやさ、部長。ここ最近ずっと暇だったでしょ?それになんかあったらすぐに連絡来るだろうし、默まって居なくなっても別に問題無いと思うよ?」

    ヒマリ「ま、まあ、確かにそれもそうですね。じゃ、じゃあ、行ってきますね、エイミ。」

    エイミ「行ってらっしゃい、部長。」

    ヒマリ「じゃあ、行きましょうか。」

    コタマ「はい。」

    ヴェリタスに向かうヒマリとコタマ。

    ヒマリ「それにしても、ホントに何があったのでしょう?あのチーちゃんがそんな事になるだなんて。」

    道中、ヒマリがそんな事を口にする。

    コタマ「本人は疲れているだけって言ってますが、どうもそれだけじゃ無さそうなんですよね。ただ、それが何なのかが分からない以上、どうしようも無いんですけどね。」

    ヒマリのその疑問にコタマはそう返事をするのであった。

  • 43二次元好きの匿名さん25/01/29(水) 23:34:26

    >>38

    ここであえてハッカーの腕だけは体で覚えてて、プログラムとかは普通にできるとかだったらまた違ったかもしれないな

  • 44二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 07:57:20

    >>43

    それも考えたんですが、やっぱり何もできなくて皆の足を引っ張ッちゃうチーちゃんが書きたかったのと、それを期に日頃の自分がどんだけ副部長に負担かけてたのかを痛感させられるヴェリタスの3人を書きたかったので

  • 45二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 11:26:06

    >>42

    ヒマリ「思ったよりも酷いですね。一旦そのカバー?みたいなのを外してもらえますか?」

    ウタハ「ああ、分かった。」

    ヒマリ「......成る程、大半ソフトウェアは使い物にならなくなってますね。ルーターも故障してますし、ハブが無事なのは良かったですが、ハードウェアの損傷の激しさが予想を遥かに上回ってましたね。CPUの演算装置も制御装置も意味を成していませんし、メモリの記憶装置も殆ど壊れてます。入力装置並びに出力装置も全くと言っていい程には機能してませんし......ちょっとマズいですね、コレは。」

    コタマ「えっと、まあ、内部データの破損についてはなんとかなると思いますよ?」

    ハレ「USBメモリーに重要なデータのコピーを保存しておいたので、最悪ハードを買い替えるような事になってもデータの共有、引き継ぎは可能かと。」

    マキ「問題はルーターの故障だね。さっき副部長が落としちゃったのが原因で、全く動かなくなっちゃった。」

    ウタハ「まあ、それは私達がなんとかしてみせるさ。」

    コトリ「幸いにも、ハードウェアよりも破損は少ない。」

    ヒビキ「うん。これなら直せる。」

    ヒマリ「なら、問題無いでしょう。」

  • 46二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 12:44:33

    >>45

    ヒマリ「アレ?そういえば......」

    ヒマリはある事に気が付く。

    ウタハ「ん?どうしたんだ、ヒマリ?」

    ヒマリ「チーちゃんは何処ですか?」

    ヒマリはそう口にする。

    ウタハ「いや、何を言ってるんだヒマリ。チヒロならここに......」

    ウタハがヒマリのその質問に答えようと、チヒロが居るであろう方に顔を向ける。










    ......しかし、誰も居なかった。


    ウタハ「スゥー」

    ウタハは深呼吸した後、こう叫んだ。

    ウタハ「居なくなっとるやないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!?!?!?!?!?!?!?!?」

  • 47二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 16:45:36

    このレスは削除されています

  • 48二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 17:27:37

    >>46

    チヒロ「ま、マズい......ここ何処?」

    チヒロはちょっとした気分転換に外の空気を吸って来ようと部室を出ていたのだが、その際にミレニアムで迷子になったのである。

    チヒロ「えっと、ヴェリタスの部室ってどっちだっけ?」

    チヒロは完全に方向感覚を失っていた。

    チヒロ「そもそもここ何階?こっちでホントに合ってる?逆方向な気がする......」

    チヒロはもうどうしたら良いのか分からなくなった。

    チヒロ「しかも、誰も居ない。これじゃ道を聞く事もできない。すぐ戻るつもりだったから、スマホも部室に置いて来ちゃったし......どうしよう......しかもここ、なんか暗いし......」

    そう、チヒロが迷っていたところには人が居なかったのだ。更に、日の光があまりよく行き届いていない場所だからなのか、まだ昼間なのに暗かった。おまけにこうなるとは夢にも思っていなかった彼女はスマホも持っていなかったのである。その時......

    チヒロ「ん?そこに誰か居るの?」

    ほんの微かに物音がした。......が、その正体は単なる風だった。

    チヒロ「気のせい......か。そうよね。こんなところに人なんて......」

    孤独......それを理解した瞬間、チヒロは不安を強く感じた。

    チヒロ「誰も居ない......私だけ......じゃあ、私はもう誰にも会えないの?」

  • 49二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 17:33:33

    >>48

    その瞬間、再び風が吹く。

    チヒロ「ヒッ!?」

    風は彼女の背筋を伝うようにし、物理的にも精神的にも寒気を与えた。

    チヒロ「ね、ねぇ!!誰か居るの!?誰も居ないの!?」

    チヒロはそう問いかけるが、その声は虚空に消え失せるのみだった。

    チヒロ「い、嫌ッ!!お願いッ!!誰か返事してッ!!」

    完全にパニックになり、膝から崩れ落ち、頭を抑えて、地面に伏し、泣き叫ぶチヒロ。

    チヒロ「嫌!!寂しいよッ!!怖いよッ!!私を1人にしないで!!会いたいッ!!皆に会いたいよ!!ウタハ!!ヒマリ!!コタマ!!ハレ!!マキ!!先生!!」

    チヒロは立ち上がって走り出そうとしたが、涙のせいで視界が歪む。ただ、パニック状態で泣いている事にすら気が付けていなかったチヒロは視界が歪んでいる事により一層困惑してしまい、ふらつく足取りで一歩下がろうとした。......のだが......

    チヒロ「......ッ!?」

    後ろにやった筈の足には地面の感覚が無かったのだ。そう、そこには下り階段があったのだ。混乱していた彼女はそれを理解する頃には既に......手遅れだった。チヒロの重心は完全に下り階段の方だった。そのまま、チヒロの体は宙に浮いてしまう。

    チヒロ「あ......」

    次の瞬間、背中と頭に激痛を感じると共に、チヒロの意識はフェードアウトしていった。

  • 501525/01/30(木) 20:23:23

    >>21

    >>24

    >>26

    >>27

    >>28

    >>29

    >>30

    >>32

    >>33

    >>36

    >>37

    >>38

    >>39

    >>40

    >>41

    >>42

    >>45

    >>46

    >>48

    >>49

    取り敢えず、今までの自分自身のSS見返して思ったのが、文才あるない以前に誤字脱字多過ぎるって事ですねw

    文才あんのかは別として、ちょっと誤字脱字が酷いですが、温かい目で見守っていただけると幸いです。

  • 51二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 21:17:16

    >>49

    ウタハ「困ったなぁ。まさかスマホまで置いて行ったなんて。」

    ヒマリ「部室がコレじゃ、ハッキングで捜す事もできませんね。」

    ヒビキ「ねぇ?コレ、マズいんじゃ......」

    マキ「いつもの副部長ならまだしも、今の副部長がコレはマズいよ!!」

    コタマ「さ、捜しに行きましょう!!」

    コトリ「ま、待って下さい!!捜すにしたって、手掛かりが無いんですよ!?」

    ハレ「で、でも!!」

    などと、いつの間にか居なくなっていたチヒロについて口論になっていたエンジニア部とヴェリタス。

    そこへ......

    (バンッ!!)

    扉が思いっ切り開く音がした。

    全員「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」

    その場に居た全員が扉の方を向くと、そこに居たのは......

    ミドリ「ハァ......ハァ......」

    マキ「え?ミド?ど、どうしたのさ?そんなに息切らして。」

    ミドリだった。ここまで走って来たのか、彼女は息を切らしていた。

    ミドリ「ハァ、ハァ、ヴェリタスの、皆さん、居ますね?ハァ、ハァ、アレ?ウタハ、先輩、達も、居たん、ですか?ハァ、ハァ......」

    ウタハ「落ち着け。まずはゆっくり水を飲んで、それから詳しく話してくれ。」

    ウタハはチヒロの為に用意してきていた大量のペットボトル水の内の一本をミドリに渡した。ミドリはそれを受け取るや否や一気にガブ飲みした。

  • 52二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 21:17:34

    >>51

    ミドリ「ぷはぁ~!!」

    ヒマリ「落ち着きましたか?」

    ミドリ「はい。お陰様で......」

    コタマ「で?何があったんですか?あんなに息を切らしていたなんて余っ程の事だと思うのですが......」

    ミドリ「あ!そうでしたそうでした!!ヴェリタスの皆さんに伝えなくちゃいけない事があったんですよ!!」

    ミドリはヴェリタスの3人に伝えるべき事があったのを思い出す。

    コトリ「伝えなくちゃいけない事?」

    ヒビキ「ヴェリタスに?」

    ハレ「何なのさ?私達に伝えなくちゃいけない事って。」

    ミドリ「チヒロ先輩が、階段から転げ落ちたみたいなんです!!」

    全員「「「「「「「え!?!?!?!?」」」」」」」

    ミドリの話を聞いていた全員がフリーズする。

    ヒマリ「そ、それは本当なのですか?」

    最初に口を開いたのはヒマリだった。

    ミドリ「はい!お姉ちゃんが言ってた事なので間違いないと思います!」

    ウタハ「そ、それで!?チヒロは今何処に居るんだ!?」

    次にウタハが口を開く。

    ミドリ「医務室です!お姉ちゃんとアリスちゃんが2人がかりで運んだみたいです!!ついて来て下さい!!案内します!!」

    ミドリの案内の下、ヒマリとエンジニア部、そしてヴェリタスのメンバー達は医務室に向かった。

  • 53二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:00:50

    このレスは削除されています

  • 541525/01/30(木) 23:03:37

    少しお聞きしたいのですが、僕って文才ありますかね?(もっと正確に言うと、僕の書いてるSS面白いですかね?ノリで書き始めたものなんで割と自信なくて......)
    ※誤字脱字に関しては目を瞑るとして

  • 55二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:07:27

    ありますし、長文書けるのもめちゃくちゃすごいと思います。だから気にしないで自分のペースで書き進めてください

  • 56二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:12:46

    これバレるんじゃ…?
    もしや頭打ったから奇跡的に元に戻る展開!?

  • 57二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:33:22

    >>56

    そんな昔のテレビじゃないんだから

  • 58二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:34:51

    >>54

    読みやすいし続きも気になるので自信を持って書いて下さい!

  • 59二次元好きの匿名さん25/01/30(木) 23:38:47

    >>54

    楽しんで見てます、続きも期待しているのでご自分のペースで進めて下さい!

  • 60二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 08:55:51

    あっぶねほす

  • 61二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:19:23

    >>52

    [医務室]

    ミドリ「お姉ちゃぁん!!アリスちゃぁん!!ヴェリタスの皆を連れて来たよぉ!!」

    モモイ「あ、ミドリにヴェリタスの皆!!......とヒマリ先輩にエンジニア部の3人?なんで?」

    モモイはミドリがヴェリタスのメンバー達を連れて来た事を確認すると同時に、何故かヒマリ達も一緒に居る事を疑問に思う。

    ウタハ「それよりチヒロは!?」

    アリス「ここです!!」

    アリスが指さした方にはベッドに寝込んでいたチヒロが居た。先程大泣きしていた影響で目元は赤く腫れており、頭に包帯を巻いていた。

    ヒマリ「だ、大丈夫なのですか!?」

    ヒマリがチヒロの傷は大丈夫なのかをモモイに尋ねる。

    モモイ「見た目が派手なだけで大した怪我じゃないよ。一応熱があるみたいだけど、ちょっと寝込めば良くなる筈。ただ......」

    コタマ「ただ?」

    アリス「ちょっと様子がおかしかったんです!!」

  • 62二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:20:59

    >>61

    マキ「様子がおかしかった?」

    アリスの「チヒロの様子がおかしかった」という言葉に疑問を持つ一同。

    モモイ「私がチヒロ先輩を見つけた場所はミレニアムの北校舎の2階の廊下の突き当りの階段なんだけどさ......」

    コタマ「確かそこって、疑似科学部が解散して以降、もう今は使われていない教室や倉庫しかありませんよね?」

    アリス「はい。モモイはたまに、そこに考え事をしに行くのですが......」

    ハレ「その時に倒れていた副部長を見つけた、と?」

    ハレのその言葉に対し、頷くモモイとアリス。

    モモイ「で、そこで倒れてたチヒロ先輩に声をかけたんだよ、私。暫くしてチヒロ先輩は目を覚ましたんだけど......」

    コトリ「目を覚ましたけど、何ですか?」

    モモイ「私を見るや否や泣きついて来たんだよね。まるですっごく怖い物でも見ちゃった子供みたいに。」

    アリス「運んでいた時もずっとアリスの事を抱き締めて離しませんでした。離そうとしても、大泣きして嫌がるんです。」

    チヒロ「は、恥ずかしいから、言わないで......」

    モモイ達が事情を説明していると、チヒロが顔を真っ赤にしてそう言った。

    ウタハ「チヒロ!!」

    ウタハがチヒロの傍に寄る。

    ウタハ「チヒロ、取り敢えず安静にしていろ。一応大怪我をしてるんだぞ?」

    チヒロ「分かってる。」

    ヒビキ「ウタハ先輩、取り敢えずチヒロ先輩の安否は確認できたし、そろそろ戻らない?」

    コタマ「私達もそろそろ戻りましょうか。」

    モモイ「じゃあ、私達も。」

    そして、その場に居た全員が医務室から退出しようとした、その時だった。

    チヒロ「止めてッ!!行かないで!!」

  • 63二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 09:26:44

    もっとこう…ギャグ概念かと思ってたんだ…
    ストレスで幼児退行したチーちゃん!
    「もうや!チーちゃんなにもしない!やなの!うわあああああああああん!!!」みたいな…

    めっちゃお労しかった…

  • 64二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 10:38:25

    >>63

    ブルアカ2次創作あるある


    「あ、なんかおもろそうな概念あるやん。」


     ↓


    「きょぉれつぅぅぅ♡」ガクッ Ω\ζ°)チーン


    (※勿論最後のはふざけてます)

  • 65二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 12:00:11

    >>56

    大前提として、若年性アルツハイマーはそんな事じゃ治らないみたいです(むしろ悪化するらしいです)。

  • 66二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 15:07:54

    >>62

    急にチヒロがそう叫び、一番近くに居たウタハの腕を掴む。

    ウタハ「!?チヒロ?」

    ウタハをだけでなく、その場に居た全員がチヒロに視線を戻す。

    全員「「「「「「「「「「ッ!!!!!」」」」」」」」」」

    全員絶句した。先程まで恥ずかしがっていた様子とは打って変わって、彼女は冗談抜きで恐怖に怯えたような表情をしていたのだ。別人である事を疑うレベルの豹変ぶりに一同は恐怖すらも感じていた。

    ウタハ「ッ!!」

    ウタハの腕を握り締める力が強くなった。普段の彼女の力を遥かに上回る握力で腕を握られた事に、ウタハは本能的に恐怖を覚えた。

    チヒロ「やめて。行かないで。置いてかないで。1人にしないで。寂しいのは、暗いのは、寒いのは、怖いのは、もう嫌なの。お願い、誰か1人だけでも良いから、ここに残って。私と一緒に居て。」

    チヒロは泣きながら静かにそう言った。

    ウタハ「......すまん、皆。先に行ってくれ。私は少しここに残ってチヒロを見ている事にするよ。」

    ウタハがそう言うと、他の全員は医務室から出て行った。

  • 67二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 18:06:05

    >>66

    チヒロ「ごめん、ウタハ。昨日からずっと迷惑かけっぱなしで。」

    ウタハ「気にするな。私とお前の仲だろう?コレくらいどうって事無いさ。」

    チヒロ「ありがとう。」

    ウタハ「それよりも、何があったんだ?酷く怯えていたようだったが......」

    チヒロ「実は......」

    先程まで自分が味わった恐怖をウタハに打ち明けるチヒロ。途中、何度も何度も想起した恐怖に襲われてパニックになりかけるが、その度にウタハがチヒロに寄り添い、大丈夫だと伝える事で落ち着かせた。

    チヒロ「......って事があって。」

    ウタハ「成る程な。」

    チヒロ「私、一体どうなっちゃったんだろう?あんな思いをするような事、今まで無かったのに。」

    ウタハ「十中八九、アルツハイマー病の症状の一貫だろうな。」

    アルツハイマー型認知症の代表的な症状はもの忘れだが、通常のもの忘れとは異なる特徴があり、仕事や家事などの日常生活に支障が生じる事がある。

    アルツハイマー型認知症によるもの忘れの特徴としては、食事した事自体を忘れる、出来事の全てを忘れる、重要な約束を忘れる、日常生活に支障が出る、もの忘れをしている自覚が無いなどがある。

    もの忘れ以外の中心的な症状としては、慣れた場所で道に迷う、曜日が分からなくなる、時間や場所が分からなくなる、説明などが理解出来なくなる、今まで出来ていた仕事や身の回りの事に時間がかかる・出来なくなるなどが挙げられる。

    そのほかの心理・行動の症状としては、不安を強く感じる、気分が沈む、好きだった事に興味を持たなくなる、些細な事で怒りやすくなる、誰も居ない所に誰か居るように感じる、誰かに物を盗まれたと思い込む、出かけたまま帰れなくなるなどである。

  • 68二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 18:07:08

    >>67

    ウタハ「なぁ、チヒロ。言わなくて良いのか?チヒロがアルツハイマー病って事。このままだと......」

    チヒロ「......分かってる。だけど......」

    チヒロは下を向く。

    チヒロ「怖いのよ。何もできなくなった私の事を、皆は見捨てるんじゃないかって。私が何もできなくなったら、皆は私の事を見捨てるんじゃないかって。」

    ウタハ「そんな事......」

    チヒロ「そんな事無いって事ぐらい、私でも分かってる!!だけど、万が一を、いえ億が一でも考えると、怖くて怖くて仕方が無くなるの。」

    チヒロはそう自分の思いを、自身の恐怖心を口にした。

    ウタハ「......はぁ、全く。チヒロ、確かにそうかもしれない。だが、そういう奴は少なくとも、私が知る限りではミレニアムには居ない。たとえそういう奴が居たとしてもだ!!」

    そして、ウタハはチヒロに向かってこう宣言する。

    ウタハ「私はお前を見捨てるような真似は決してしないと誓おう。」

    チヒロ「本当?ホントに?」

    ウタハ「当たり前だ。さっきも言ったが、私達の仲だろう?約束だ。私は絶対にお前を見捨てない。」

    ウタハはチヒロにそう告げた。

  • 691525/01/31(金) 19:51:24

    >>26

    >>67

    そういや、クッソどうでも良い話なんですけど、アルツハイマー病についての説明文のところは『はたらく細胞BLACK』を意識してます。クッソどうでも良いですけどね。

  • 70二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 20:41:40

    このレスは削除されています

  • 71二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 23:42:35

    >>68

    ヒマリ「成る程、そういう事でしたか。」

    チヒロ・ウタハ「「え?」」

    (シャァァァ)

    突如として向かい側のベットのカーテンが開き、ヒマリが現れる。

    チヒロ「ひ、ヒマリ!?い、いつからそこに!?」

    ヒマリ「最初からですよ。」

    ウタハ「え?いやでもさっき......」

    ヒマリ「裏ルートがあるんですよ。リオが作った物ですがね。それよりも......」

    ヒマリはゆっくりとチヒロ達に近づく。

    ヒマリ「アルツハイマー病ですか......聞いた事はありますが、まさかチーちゃんが発症していたなんて。ああ、言いふらすような真似はしないのでご安心を。」

    ヒマリはこの事を秘密にしてくれるそうだ。

    ウタハ「そうだ、ヒマリ。ヒマリの技術でチヒロを治す事は出来るかい?」

    ヒマリ「結論から言うと、無理です。アルツハイマー病に限らず、脳にまつわる病や精神疾患系統はキヴォトスの医療技術をもってしても治療出来ないものが多いです。幾ら全知の私でも流石にそれをなんとかする事は出来ません。」

    ウタハ「やはりヒマリでも難しいか。」

    ヒマリ「......ところで、チーちゃんはいつからアルツハイマー病に?」

    ヒマリはそう問いかける。

    ウタハ「ああ、分かりやすく一部抜粋して説明しよう。」

    ウタハは昨日、あの医師に説明された事をヒマリに伝えた。

    ヒマリ「ふむ。明確な症状が出始めたのは昨日から。しかし、前兆となる症状自体は前々からあった。ただチーちゃん自身がそれを単なる日頃のストレスによるものだと解釈した事で放置した。その結果、こうなったという事ですか。」

    ウタハ「あの医師曰く、そういう事らしい。」

    ヒマリ「成る程、状況は把握しました。ただ1つだけ、まだ気になる事があります。」

    ウタハ・チヒロ「「気になる事?」」

    ウタハとチヒロはヒマリのその言葉に疑問を抱いた。大方状況は説明した筈。増してや察しの良いヒマリが何かを聞き逃すような事はあり得ない。一体何が引っかかっているのだろうか?と疑問に思っていた2人だったが、ヒマリの「気になっている事」は予想外の事だった。

    ヒマリ「そのお医者様は一体、何者なのでしょうか?」

  • 72二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 06:05:14

    おっと、なんか流れ変わってきたな?

  • 73二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 11:47:19

    >>71

    チヒロ・ウタハ「「......は?」」

    チヒロもウタハもヒマリが予想外の点を指摘してきた事に戸惑う。

    チヒロ「えっと、それは一体どういう意味?」

    ヒマリ「そのままの意味ですよ、チーちゃん。チーちゃんの事を診てくれたその医師は一体何者なのか、という事です。」

    ウタハ「すまん、ヒマリ。何故医者の話題になるんだ?少なくともチヒロのアルツハイマー病についての話だった筈だぞ?」

    ヒマリ「ええ。私も軽く聞き流しそうになりましたが、よく考えてみるとその医師に少し違和感を感じるんです。」

    チヒロ・ウタハ「「どういう事?」」

    チヒロもウタハも全くヒマリの言っている事を呑み込めない。あの医者の何処に違和感を感じるような点があった?と疑問符を浮かべていた。

    ヒマリ「冷静に考えてみて下さい。何故そのお医者様は一時的かつデメリット付きとはいえ、チーちゃんの症状を和らげる事が出来たのでしょう?全知である私にも、キヴォトスの医療技術をもってしても、どうする事も出来ない筈の若年性アルツハイマー。それをたった1人で和らげるなんて、普通に考えたらおかしな話です。」

    チヒロ「ッ!!」

    ウタハ「言われてみれば、確かにそうだな!!」

    2人ともハッとした。何故今まで気付かなかった?そんな2人にヒマリは続ける。

    ヒマリ「それに、そのお医者様がチーちゃんに施したという『特別処置』にもおかしな点があります。何故その方は『デメリット』という言葉を選んだのでしょうか?」

    チヒロ「えっと、危険が伴うから......って言ってた筈。」

    ウタハ「ああ、あの医師は確かに『危険が伴う事』を『デメリット』と言い換えていた。」

    ヒマリ「何故?」

    チヒロ・ウタハ「「え?」」

    ヒマリ「何故その医師は『危険が伴う事』を『デメリット』と言ったのでしょう?普通なら、『リスク』という言い換えの仕方をする方が自然です。なのに、その医師は敢えて『リスク』ではなく、『デメリット』と言った。何故でしょう?」

    チヒロもウタハも頭を抱える。少し冷静になって考えれば、確かにあの医者にはおかしな点が複数存在していた。

  • 74二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 13:41:03

    >>73

    ヒマリ「こうは考えられませんか?」

    チヒロ・ウタハ「「?」」

    ヒマリ「あくまでも私の憶測に過ぎませんが、『そのお医者様はチーちゃんに何か特別な方法で治療を施した』という事です。まあ、あくまで私の推測の域を出ませんが、可能性は十二分にあると思います。」

    チヒロ「ッ!!ウタハ!!昨日、私を診てくれたそのお医者さんに連絡して!!今すぐに!!」

    ウタハ「あ、ああ!!元よりそのつもりだ!!」

    ウタハはスマホを取り出し、昨日のあの医師から教えてもらった電話番号を入力する。......ところが、ここで問題が起きた。

    ウタハ「つ、繋がらない!?幾ら待っても通話に出ない......ど、どうしてだ!?」

    チヒロ「え?ちょ、ちょっと待って。その電話番号、私にも見せて。」

    ヒマリ「私にも見せて下さい。」

    ウタハは言われた通り、チヒロ達に電話番号を見せた。

    ヒマリ「!?コレ、病院の電話番号じゃないです!!」

    チヒロ・ウタハ「「え!?」」

    ヒマリ「この電話番号、お二人が行ったという病院の電話番号とは全くの別物です!!」

    チヒロ「待って!?じゃあ、あの人は......」

    ウタハ「一体、誰なんだ?」

  • 75二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 14:52:35

    >>74

    苦虫を噛み潰したような顔をしているウタハとヒマリ。

    ヒマリ「コレはマズいですね。」

    ウタハ「う〜む。あの医者は結局何者だったんだ?」

    チヒロ「......ねぇ。」

    悩み込む2人にチヒロが声をかける。

    ウタハ「チヒロ?」

    ヒマリ「どうかしましたか?」

    チヒロ「取り敢えず、その件は後回しにしない?なんか、今考えてもしょうがないだろうし......」

    ウタハ「......そ、それもそうだな。」

    チヒロ「で、話を戻すけど......」

    チヒロはヒマリの方を向く。

    チヒロ「今ミレニアムで私のアルツハイマーを知ってるのは、私達2人を除くとヒマリだけなんだよね?」

    チヒロはヒマリにそう問いかけた。

    ヒマリ「え、ええ。この事を知っているのは、ここに居る私達だけになりますね。」

    ウタハ「それがどうかしたのか?」

    チヒロ「明日......他の皆にも打ち明ける。私がアルツハイマーって事。」

    ウタハ・ヒマリ「「!!」」

    チヒロ「ただ、まだ少しだけ、気持ちを整理する時間が欲しい。だから2人とも、今日はまだ他の皆には黙っていてくれる?」

    チヒロはヒマリとウタハにそう頼んだ。

    ウタハ「......分かった。」

    ヒマリ「......分かりましたよ、チーちゃん。」

    2人は暫く考えた後、チヒロの頼みを了承した。

    チヒロ「ありがとう、2人とも。」

    チヒロはそんな2人に微笑みを浮かべ、感謝の意を述べたのだった。

  • 76二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 22:43:11

    >>75

    その後、ヒマリは退出し、チヒロの熱も平熱まで下がった。

    チヒロ「......ところで、ウタハ。」

    ウタハ「ん?」

    チヒロ「今日、一緒に居てくれない?」

    ウタハ「......理由は?」

    ウタハがそう尋ねると、チヒロは顔を真っ赤にしてこう答えた。

    チヒロ「その、あんな事があったから、1人で夜を過ごすのが怖くて......」

    ウタハ「ああ、成る程。ああ、分かった。」

    チヒロ「......ありがとう。」

    ウタハ(余程怖かったんだな。ここまでトラウマになっているなんて......)

    その夜、ウタハは1人で夜を過ごす事に怯えているチヒロを気遣い、彼女の家に泊まる事にした。

  • 77二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 05:39:50

    精神的に弱っちゃったチヒロも、その……可愛いですね

  • 78二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 13:58:42

    >>76

    一方、医務室から退出したヒマリはというと......

    エイミ「部長、何調べてるの?」

    ヒマリ「ああ、エイミ。居たのですね。」

    エイミ「いや普段からずっとここに居るけど?」

    ヒマリは手元のパソコンのモニターから声をかけてきたエイミに視線を変える。

    エイミ「......で?何してたの?」

    エイミがヒマリにそう問いかける。

    ヒマリ「先程お話しましたよね?チーちゃんの若年性アルツハイマーを一時的に和らげるという本来ならあり得ない事を1人で成し遂げた医師の電話番号を調べているんです。運が良ければ、その人物を特定できます。」

    エイミ「へぇ、で?進捗の方はどうなの?」

    ヒマリ「ひとまず、先程の電話番号を調べて分かった事......それは......」

    エイミ「それは?」

    ヒマリはラップトップのノートパソコンの画面に映っている電話番号の調査結果を眺めながら、エイミにこう告げた。

















    ヒマリ「チーちゃんを診てくれたというその医師の電話番号は、"キヴォトスには存在しない"という事ですね。」

  • 79二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 19:49:01

    >>78

    チヒロ「えっと、ちょっと散らかってるかもしれないけど⋯⋯」

    ウタハ「いや、そんな事無いぞ。むしろ私の家より遥かに綺麗じゃないか!!」

    チヒロ「それはウタハの家の汚さが単に規格外なだけでしょ。」

    ウタハ「⋯⋯おっしゃる通りです。」

    ウタハはチヒロの家にやって来ていた。理由は、今日ウタハはチヒロの家に泊まるからである。

    チヒロ「ウタハ、その⋯⋯ホントにありがとう。こんな私の我儘を聞いてくれて。」

    ウタハ「まあ、今のチヒロは支えてもらう相手が必要な状態。私は好きでその役割を担っているだけだ。だから、そんなに気にするな。」

    チヒロ「うん⋯⋯ありがとう。」

    ウタハ「まあ、それはそれとして⋯⋯チヒロ?」

    チヒロ「うん?」

    ウタハ「いつまで私の手を握っているんだ?」

    ウタハはチヒロがずっと自分の手を握って離さない事を指摘した。

    チヒロ「ごめん。こうしないと、夜は落ち着かなくて⋯⋯」

    ウタハ「はぁ⋯⋯まあ、良いさ。⋯⋯流石に風呂とトイレの時は離してくれよ?」

    チヒロ「⋯⋯」

    ウタハ「ちょっと待ってくれ!?冗談だよな!?」

    チヒロ「⋯⋯トイレは、離してあげる。ただし、出来るだけ早く出てきて。」

    ウタハ「トイレ"は"?!え~っと⋯⋯風呂も入ってますよね、チヒロさん?」

    ウタハのその質問に対し、目を逸らすチヒロ。

    ウタハ「⋯⋯嘘だろ。」

    チヒロ「い、良いでしょ///私達、女の子同士なんだし⋯⋯さ、流石に先生だったら私もそんな真似はしないわよ///」

    チヒロは顔を赤くしながらそう答える。

    ウタハ「ああはいはい分かった分かった!!裸の付き合いといこうじゃないか!!」

    ウタハは腹をくくった。

    結局、ホントに2人で一緒にお風呂に入る事になった。

  • 80二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 23:11:47

    >>79

    ウタハ「な、なぁ、チヒロ?」

    チヒロ「どうしたの?ウタハ?」

    ウタハ「私の事を抱き枕の如く抱きしめているが、そんなに怖いのか?」

    ベットに横になり、眠る際に部屋の照明を消すや否や、チヒロはウタハの事を抱き締めたのだ。それに困惑していたウタハはチヒロにそう問いかける。

    チヒロ「……うん。」

    チヒロはウタハの質問にそう答えた。

    ウタハ「そ、そうか。だ、だが、寝れるのか、それで?」

    ウタハがそう尋ねると……

    チヒロ「うん。大丈夫。むしろこうしないと、明かりを消してる真っ暗な部屋が怖くて、パニックになって寝れなくなっちゃうと思うから。」

    ウタハ「そ、そうか……」

    チヒロ「それに……」

    ウタハ「それに?」

    チヒロ「こうしていれば、寒くもないから……ウタハの体の温もりが、私を温めてくれるから……ウタハが、ここに居るんだって……私は、1人じゃないんだって……安心、出来るから。」

    ウタハ「そう、か。……なら、そうだな。」

    チヒロ「ッ!?ウタハ!?」

    ウタハ「どうだ?こうすれば、もっと私の温もりを、私が傍に居るって事を感じられて、安心出来るだろう?怖くないだろう?」

    チヒロの事を優しく抱き締め返すウタハ。

    チヒロ「……うん。ありがとう、ウタハ。」

    そして、チヒロもまたウタハの事を強く抱き締めるのだった。気が付くと、2人はそのままスヤスヤと眠っていた。

    翌日、彼女達は衝撃的な事実を知る事になるのは……もう少しだけ先の話。

  • 81二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 05:42:58

    まだちゃんと「怖い」ってことを言えてそばに見知った友人であるウタハが居るからまだ現状悪くはない
    衝撃的な事実とは一体……?

  • 82二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 12:26:31

    >>80

    [翌朝]

    (プルルルッ!!)

    チヒロ「ん~~⋯⋯ん?」

    突如として鳴り響いた着信音に目を覚ますチヒロ。

    チヒロ「私のスマホから着信音が?こんな朝っぱらから誰が?あ、切れちゃった⋯⋯」

    ウタハ「ん~?あ、チヒロ。起きてたのか、どうしたんだ?」

    ウタハも起きたようだ。

    チヒロ「ああ。ウタハ、おはよう。コレなんだけど⋯⋯」

    チヒロはウタハに先程まで着信音が鳴り響いていたスマホを見せた。

    ウタハ「着信履歴が凄い事になってるな⋯⋯しかも全部同じ相手からか⋯⋯え~っと?その相手は⋯⋯ヒマリ?これまたなんでだ?」

    チヒロ「それが分かったら苦労しないよ。」

    ウタハ「⋯⋯それもそうか。」

    すると⋯⋯

    (プルルルッ!!)

    チヒロ「あ、また鳴り出した。」

    ウタハ「やはりヒマリからだな。出てみたらどうだ?」

    チヒロ「言われなくてもそのつもり。」

    チヒロはスマホを操作し、通話に出た。

    チヒロ「もしもし、ヒマリ?」

    ヒマリ「あ、やっと出ました!!もう10回以上コールしましたよ?!」

    ウタハ「いやヒマリ、まだ朝の4時52分だぞ?普通は寝てるに決まってるだろ⋯⋯」

    ヒマリ「あら?ウタハさん?ウタハさんもチーちゃんのところにいらしたのですか?」

    ヒマリは何故か電話にチヒロだけでなく、ウタハの声も入っていた事に疑問を持つ。

    ウタハ「まあ、こっちの事情でね。」

    チヒロ「それよりもヒマリ。こんな時間に、そんな鬼電を、貴女がしてくるって事は⋯⋯何かあったの?」

    ヒマリ「ハッ!!そうでした!!とんでもない事が分かったんですよ!!」

    チヒロの指摘され、本来の目的を思い出したヒマリは2人にそう言った。

  • 83二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 12:27:28

    >>82

    チヒロ・ウタハ「「とんでもない事?」」

    ヒマリ「昨日、お二人が言っていたお医者様の電話番号を調べてみた結果⋯⋯そんな方は"キヴォトスには存在しない"事が分かったんです!!」

    ウタハ・チヒロ「「え!?!?!?!?」」

    ヒマリのその報告を聞いたチヒロとウタハは耳を疑う。キヴォトスに存在しない?だとしたら、一昨日自分達が出会ったあの人は一体?

    ヒマリ「それでその病院に尋ねてみたのですが『そんな方はいらっしゃらない』と言われたんですよ!!」

    チヒロ・ウタハ「「ッ!?!?!?!?」」

    ヒマリ「⋯⋯お二人とも、ひとまずミレニアムに来て下さい。詳しい話はそこでしますので。」

    ウタハ・チヒロ「「⋯⋯分かった。」」

    2人はミレニアムに行く支度を始める。その最中、ずっと疑問に思っていた。確かに自分達はあの医師と出会い、チヒロの事を診てもらい、アルツハイマーの症状を一時的に和らげてもらった⋯⋯筈なのに、何故?

    ウタハ「⋯⋯取り敢えず、ミレニアムに行ってヒマリと話すしか無いか。」

    チヒロ「⋯⋯うん。」

    そうして、支度を終えた2人が家を出ようとしたその時⋯⋯

    (プルルルッ!!)

  • 84二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 13:23:18

    >>83

    チヒロ・ウタハ「「え?」」

    またスマホの着信音が鳴り響く。

    チヒロ「またヒマリから?」

    ウタハ「いや違う。この着信音、私のスマホだな。相手は⋯⋯ッ!?」

    ウタハは通話の相手の番号を見て目を丸くした。

    チヒロ「ど、どうしたの?ちょっと、その相手は一体⋯⋯ッ!?」

    ウタハのスマホを覗き込む形でその電話番号を見たチヒロも思わず絶句した。

    ウタハ・チヒロ「「どうして⋯⋯」」

    2人は通話に出てみる事にした。











    そして、通話を終えた2人は暫く話し合った後、ヒマリとの約束を断る為、ヒマリに連絡する事にした。

  • 85二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 20:44:17

    >>84

    ヒマリ「ま、まあ⋯⋯お二人がそう言うなら⋯⋯はい。じゃあ、失礼します。」

    チヒロ達からの通話を終えたヒマリはスマホを置く。

    ヒマリ「⋯⋯にしても、いきなり断るだなんて⋯⋯一体何があったのでしょう?」

    とそこへ⋯⋯

    エイミ「部長。」

    エイミがやって来た。

    ヒマリ「おや?エイミ?どうかしましたか?」

    エイミ「コレ⋯⋯」

    エイミは自身のスマホの画面をヒマリに見せる。

    ヒマリ「え~っと、どれどれ?」

    そこにはこんな事が書かれていた。

    〜〜ミレニアムの皆へ〜〜

    〜〜今日、皆さんに大切なお話があります。〜〜

    〜〜身勝手なお願いではありますが、今日の午前11時30分にミレニアムの大会議室にお越し下さい。〜〜

    〜〜各務チヒロより〜〜

    ヒマリ「コレは⋯⋯」

    エイミ「さっき送られてきた。多分、部長のにも⋯⋯」

    ヒマリは自身のスマホを再び手に取り、確認してみた。すると、先程エイミのスマホにあった物と全く同じ内容のメールが送られていた。

    ヒマリ(成る程。そういえば、今日チーちゃんは自身がアルツハイマー病を患っている事を打ち明けるんでしたね⋯⋯)

    ヒマリはスマホを閉じると、エイミにこう言った。

    ヒマリ「エイミ。ひとまず今日はこの時間までにやるべき事を全て終わらせておきましょう。」

    エイミ「了解。」

  • 86二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:29:25

    >>85

    モモイ「ナニコレ?」

    ミドリ「チヒロ先輩から?」

    アリス「何事でしょう?」

    ユズ「さぁ?」

    マキ「ねぇ、ハレ先輩にコタマ先輩!!これ見て!!」

    ハレ「大切な話?」

    コタマ「副部長から?」

    コトリ「……らしいです。」

    ヒビキ「成る程。じゃあ、お昼の作業は中止だね。」

    ユウカ「チヒロ先輩から?」

    リオ「ええ。どうやらミレニアムの全員に送られているそうよ。」

    ノア「珍しいですね。あのチヒロ先輩がイタズラでこんな事をするとは考えられませんし……」

    コユキ「一体何があったんでしょう?」

    スミレ「ふぅん。……行ってみるか。」

    アスナ「ねぇねぇ、皆も見た?」

    カリン「チヒロ先輩のやつですよね?」

    アカネ「ええ、勿論。」

    トキ「只事では無い気がします。」

    ネル「はぁ……ま、今日はコレといってやる事ねぇし、行くか……」

  • 87二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 22:30:49

    >>86

    チヒロ「もう、皆見てくれたかな?」

    ウタハ「ああ、ちゃんと全員に送信しといたから大丈夫だと思うぞ。」

    チヒロ「えっと……ありがとう、ウタハ。私の代わりに皆にメールを送ってくれて。」

    ウタハ「仕方ないだろう。だって、メールアドレスが分からないんだろう?」

    チヒロ「うん。皆のメールアドレス、昨日までは覚えてたのに……」

    ウタハ「あ、一応先生にも送っとくか。」

    チヒロ「先生の予定が空いてるかは怪しいけどね……」

    ウタハ「まあまあ、一応送ってみよう。」

    チヒロ「……私、皆にちゃんと伝えられるかな?」

    ウタハ「はぁ、心配し過ぎだ。大丈夫だ、チヒロ。私も居るし、あの人も協力してくれるみたいだからな。」

    チヒロ「……うん。分かった。頑張ってみる。」

    ウタハ(昨日から薄々感じてはいたが、言動が段々と幼稚になってきている……確実に症状が進行している……)

  • 88二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 06:46:21

    >>87

    そして遂に時間となった。

    ユウカ「失礼しまぁす。⋯⋯って、もう皆集まってるじゃない。」

    コトリ「わぁ!!セミナーの方々まで来ましたよ!?」

    リオ「何か悪いかしら?」

    コタマ「別に悪いって訳じゃないと思いますよ?」

    アカネ「取り敢えず、そろそろ時間ですね。」

    ミドリ「何の話をするんだろう?」

    ヒマリ「そろそろチーちゃんも来ると思いますが⋯⋯」

    チヒロ「お待たせ⋯⋯」

    マキ「お、噂をすれば⋯⋯」

    ウタハ「皆揃ってるじゃないか⋯⋯」

    ノア「お待ちしてましたよ。チヒロ先輩に、ウタハ先輩。⋯⋯ん?お二人とも、そちらの方は?」

    一同は、ミレニアムの大会議室にチヒロとウタハと共に入って来た男性に目を向ける。その男性は黒いシャツの上に白衣を着ており、メガネをかけた若い外見の大人の男だった。

  • 89二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 12:55:33

    >>88

    医者「ミレニアムサイエンススクールの皆さん、はじめまして。この度、各務チヒロさんの治療を行った医師です。」

    ヒマリ「へ!?」

    ヒマリが驚く。

    ヒマリ「チーちゃん!?どういう事ですか!?貴女を診た医者は⋯⋯」

    チヒロ「ああ⋯⋯それね。」

    ウタハ「実は⋯⋯」

    ヒマリに事情を説明するチヒロとウタハ。

    その話の内容を要約すると⋯⋯

    医者の電話番号が病院の物と違ったのは、医師の携帯の番号だったから。

    ヒマリの調べでこの医者の電話番号がキヴォトスに存在しなかったという結果が出た理由⋯それはこの医師がそもそもキヴォトスの外からやって来た人だから。

    そして⋯⋯

    ヒマリ「じゃ、じゃあなんで昨日電話に出なかったんですか!?」

    医者「スマホを失くしたからです。スマホが見つかったのは夜遅くだったので、そのまま寝落ちしてしまったんですよ。」

    ヒマリ「んじゃぁ、そりゃぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」

    エイミ「部長、昨日はそのお医者さんが怪現象の類か何かだって、子供みたいにはしゃいでたからねぇ。」クスクス

    ヒマリ「言うなぁ!!!⋯⋯ちょ、笑わないで下さいよ!!!」

    大爆笑しているモモイ・マキ・ハレ・ネル・アスナ・リオ・コユキ。必死に笑いを堪えているミドリ・アリス・ユズ・ヒビキ・コトリ・コタマ・カリン・アカネ・トキ・ユウカ・ノア・スミレ・ウタハ・チヒロ。思わず吹き出してしまい、むせていた医師。

    ウタハ「⋯⋯で、ふふっ、その、ふふっ、なんだ、プッ。」

    チヒロ「け、ふふっ、今朝、ふふふっ、この人、ふふっ、から連、うっ、絡があって、ふふっ、今に、プッ、至る、ふふふっ、って、ふふっ、事よ、プッ。」

    ヒマリ「そうなんですか⋯⋯笑いながら言うの止めてもらって良いですか?不愉快なんですけど⋯⋯」

    医者「す、すいません、ゲホゲホッ!!つ、つい⋯⋯」

    ヒマリが赤っ恥をかいた事は暫くミレニアム全体で話題となった。

  • 90二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 20:32:15

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 20:33:58

    うっそだろwww

  • 92二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 21:06:07

    >>89

    [今日の朝]

    医者「ふわわわわぁぁぁ〜~⋯⋯」

    医者は欠伸をした。

    医者「ああ⋯⋯昨日はスマホ失くしたから大変だったなぁ。まさか、途中仕事サボって公園でミルクティを嗜んでた時にベンチに置きっぱなしにしてたなんて⋯⋯まあ、心優しい誰かさんがヴァルキューレに届けてくれたおかげでスマホは無事に帰って来た。⋯⋯そういや、昨日は疲れてすぐに寝落ちしちゃったけど、オレのスマホになんか連絡あったのかな?」

    医者は自分のスマホの連絡履歴を確認すると⋯⋯

    医者「ん?あっ!!ヤッベ!!この電話番号、一昨日オレが診たアルツハイマーの子のやつじゃん!!⋯⋯素直に謝るしか無いか⋯⋯」

    医者は少しだけ身支度をした後、その番号に電話をかける。

    ウタハ「はい、もしもし?」

    医者「あ、もしもし?私です。一昨日貴女のご友人を診た医師です。」

    チヒロ「あ、この声⋯⋯間違いない。」

    医者「すみません、実は⋯⋯」

    医者は昨日電話に出られなかった理由を説明し、2人に謝罪した。

    ウタハ「な、成る程。そういう事だったんですか⋯⋯」

    チヒロ「えっと、ご愁傷様です⋯⋯」

    医者「ええっと、コレは私からの提案なんですが、せめてものお詫びとしてアルツハイマーを打ち明ける際には、私も立ち会いましょう。」

    ウタハ「え?良いんですか?」

    医者「はい。今日は休診の日なので⋯⋯」

    ウタハはチヒロの顔を見る。チヒロは少し考えた後、ゆっくりと頷いた。

    ウタハ「じゃあ、お願いします。」

    医者「はい!任せて下さい!!」

    ウタハ「じゃあ、場所と時間を送るので、宜しくお願いします。」

    通話を終えた医師は早速場所と時間を確認し、身支度を始める。その際⋯⋯

    医者「あっ!!!ヤッベ!!!今日弟との約束があんの忘れてた。⋯⋯はぁ、仕方ない。弟にも謝るしか無いか。⋯⋯ってかオレ、今日謝罪してばっかじゃね?まあ、全部オレが原因だから文句言えねぇんだけども⋯⋯」

  • 93二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 21:10:07

    シリアスな場面な筈なのに草しか生えないのだが?
    …いや、これはもしや嵐の前の静けさなのか?

  • 94二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 21:12:44

    このあとチーちゃんの病気の件で現実に戻されるよ
    だから今のうちに笑っておけ

  • 959325/02/04(火) 21:43:48

    >>94

    うん、笑うわ

    ククッ…!クハハッ…!クハハハハハァ!

  • 96二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 21:51:36

    >>92

    医者「⋯⋯ってな訳なんだ。ごめんな?」

    医者は自分の弟との約束を破る羽目になった事を謝罪した。⋯⋯のだが⋯⋯

    医者「え?そっちでも急用ができた?だから、こっちこそごめんだって?」

    どうやら、医者の弟さんも急用ができてしまい、約束を守れなくなったらしい。

    医者「そうか⋯⋯じゃあ、また今度お互いの予定が合う日に改めて会う約束するか。とりま、そん時はオレがなんかお前の好きなもん奢ってやるよ。ああ。じゃあ、またな。」

    医者は弟との通話を終えると、身支度を済ませて家を出て、近くの自販機でレモンティを購入した。

    医者「じゃ、行くか⋯⋯えっと、ミレニアムサイエンススクール⋯⋯だっけ?に。」

    医者はレモンティを飲み、ミレニアムに向かって歩を進めた。

  • 97二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 23:44:52

    >>96

    医者「……お待たせしました、ウタハさんにチヒロさん。」

    ウタハ「ああ、来たか。」

    チヒロ「わざわざありがとうございます。」


    医者「……以上です。」

    チヒロのアルツハイマー病について打ち明けたチヒロと補足で細かい説明をしたウタハと医師。

    コタマ「……嘘、ですよね?副部長?」

    チヒロ「残念だけど、紛れもない真実よ。」

    モモイ「えっと、つまりは……どういう事?……ってか、若年性アルツハイマーって何?」

    医者「若い方が発症する認知症の事です。」

    マキ「認知症?……え?……って事は?」

    ウタハ「チヒロは日に日に記憶が薄れ始めている。……と同時に、自我も薄れ始めているんだ。事実、さっき皆をここに呼ぶメールを送る際も、皆のメールアドレスを誰一人として覚えてなかったからな。私が居なかったら、皆をここに呼べなかっただろうな。」

    ユウカ「自我が薄れているっていうのは?」

    ウタハ「チヒロは、日に日に幼稚になってるんだ。」

    ヒビキ「え?なんで?」

    医者「ただでさえ、アルツハイマー病を患っていたにも関わらず、その上から更に脳に過度なストレスが日常的にあった事が考えられます。何か、お心当たりはありませんか?」

    次の瞬間、その場に居た全員が反応した。チヒロはミレニアムの中でも屈指のまともな思考回路の持ち主である。ただでさえ、毎日激務なのにも関わらず、問題を起こすヴェリタスやエンジニア部、日々からかってくるヒマリ、あまり関係が良好ではないセミナー等の対応に追われているのが、ミレニアムの日常茶飯事だったからだ。

    医者「そして、非常に残念なお知らせですが……」

    医者はミレニアム生達に伝えた。









    医者「今のチヒロさんが回復する確率はほぼ0に等しいでしょう。」

  • 98二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 08:28:18

    >>97

    一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「……え。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

    一瞬、全員が無表情になった。

    医者(ああ、知ってたよ。知ってたさ。そういう反応するって事ぐらい……もう見慣れたオレはもう何度も見てきた。……それでも、堪えるもんは堪えるな……)

    医者はその様子を見て、胸が締め付けられるように感じがした。

    ハレ「治らない?もう、元の副部長には……戻らないの?」

    マキ「副部長!!どうしてその事黙ってたのさ!?」

    チヒロ「それは……」

    チヒロは少し躊躇ったが、勇気を振り絞って言う事にした。

    チヒロ「……怖かったからよ。」

  • 99二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 12:56:11

    >>98

    コタマ・ハレ・マキ「「「怖かった?」」」

    チヒロ「うん……何もできなくなった私の事を、皆は見捨てるんじゃないかって。私が何もできなくなったら、皆は私の事を見捨てるんじゃないかって。そう思ったの。」

    コタマ「そ、そんな事……」

    チヒロ「昨日の私のやらかし具合を見てもそう言える?」

    ハレ「いや、そんな事……」

    チヒロ「大前提、部の予算はどうするつもり?ヴェリタスは半セミナー組織……他の部活と違って、部費はセミナーからじゃなくて私の収入で賄ってる。それが、無くなるのよ?仮に、貴女達が、私を見捨てなかったとしても、私のせいで、部が潰れるのは、変わらない……!!」

    話してる最中、気が付くとチヒロは泣いていた。

    マキ・ハレ・コタマ「「「ッ!!」」」

    マキもハレもコタマも、何も言えなかった。確かにそうだ。チヒロの収入が無ければ、ヴェリタスの予算は無くなる。実質廃部に近いと言っても過言ではないのだ。泣き続けるチヒロに何も言ってあげられないヴェリタスの3人。その時……




















    モモイ「……この、おバカさん達がッ!!」

  • 100二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 18:19:48

    >>99

    ヴェリタス「「「「え?」」」」

    ミドリ「お姉ちゃん!?」

    アリス・ユズ「「モモイ?」」

    モモイだ。さっきまで医者の話が難し過ぎてついて行けず、沈黙していたモモイが声を上げたのだ。

    モモイ「何それ!?訳分かんない!!」

    医者「いや、その⋯⋯大分分かりやすかったと思いますけど⋯⋯」

    モモイ「貴方は黙ってて!!」

    医者「ッ!?!?!?!?」

    医者はモモイに圧倒された。

    モモイ「アルバイトマナーだとかアイドルハンマーだとか、そういう難しい話⋯⋯バカな私には理解出来ないけど、チヒロ先輩とマキ達の関係はそんな病気なんかで無くなっちゃうような物だったの?違うでしょ!!」

    ヴェリタス「「「「ッ!!!!」」」」

    モモイ「私は知ってるよ!!マキはチヒロ先輩の事を信頼してるっていつも言ってた!!他の2人だって同じでしょ!?」

    マキ「モモ⋯⋯」

    コタマ「ええ⋯⋯ええ、そうですよ!!そんな事で私は副部長を見捨てる気は一切ありません!!」

    ハレ「私もコタマ先輩と同意見。ヴェリタスには副部長が必要。」

    マキ「そうだよ、副部長!!副部長が居なかったら、とっくにヴェリタスは無くなってた!!全部副部長が居てくれたおかげだよ!!」

    モモイの言葉に看過され、先程まで何も言えなかったヴェリタスの3人が口を開く。

    チヒロ「コタマ⋯⋯ハレ⋯⋯マキ⋯⋯こんな何も出来ない私を、受け入れてくれるの?」

    そんなチヒロにモモイは続ける。

    モモイ「当たり前じゃん!!他所の部活の私が言うのもなんだけどさ⋯⋯他所者の私から見ても、ヴェリタスの関係はそんなんじゃ切れないってはっきり分かるよ!!」

    そして、モモイは大声でこう告げた。

    モモイ「それに、私達だってそうだよ!!何も出来ないから見捨てる?じゃあ、なんで昨日、私とアリスは先輩の事を助けたの?なんでヒマリ先輩やヴェリタス、それにエンジニア部の皆が心配して来てくれたの?なんであの時、ウタハ先輩はチヒロ先輩の為に残ってくれたと思ってるの?」

    チヒロ「そ、それは⋯⋯」

    モモイ「皆、先輩がどうなろうと見捨てたりなんかしない!!アリスがケイに乗っ取られて、会長に攫われた時だって、皆アリスの事を最後まで見捨てなかったじゃん!!そんな私達が病気なんかにかかっちゃっただけで先輩の事を見捨てる?そんな訳無いじゃん!!」

    モモイがチヒロに向かってそう叫ぶ。

    チヒロ「モモイ⋯⋯」

  • 101二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 21:05:15

    >>100

    ウタハ「⋯⋯モモイの言う通りだな。チヒロ、そろそろ分かっただろ?このミレニアムに、そんな事でチヒロを見捨てる奴は居ないって事。」

    チヒロ「だ、だけど!!予算はどうすれば良いの?このままじゃ⋯⋯」

    チヒロがそう問いかけると⋯⋯

    リオ「ユウカ。確か今月の予算、まだ余ってたわよね?」

    ユウカ「はい!ちょうど部活1つ分の予算を賄えるくらいは。」

    ヒマリ「おや?珍しいですね。貴女がそんな真似をするとは⋯⋯」

    リオ「はぁ⋯⋯あのね、ヒマリ。私は生徒会長よ?ミレニアムの生徒が困っているなら、それが問題児だろうと、反セミナー組織だろうと関係無い。⋯⋯それに、モモイのあの言葉には私も看過されちゃったから。非合理的かもしれないけど⋯⋯この際、いくらだって割り切れる。」

    ノア「ふふっ♪素直じゃないですねぇ、会長?」

    ネル「けどよぉ、それはたまたま今月がそうだっただけだろ?⋯⋯つぅか、いつも赤字ばっかのミレニアムで毎月のヴェリタスの部費を賄うのは無理じゃね?」

    ユウカ「そうなよねぇ⋯⋯かといって、他の部活動に割り当てる部費を削減すると問題になりかねないし⋯⋯そこに居るゲーム開発部なんて良い例だし⋯⋯」

    モモイ「ギクゥッ⋯⋯」

    ユウカ達は頭を抱えた。ひとまず、今月分のヴェリタスの部費はセミナーで賄えるが、リオの横領の件があったのと、日頃の損害賠償請求による大赤字が日常茶飯事のミレニアムで賄える予算には限界があるからだ。そんな時⋯⋯

    (コンコンッ!)

    大会議室の戸を叩く音がした。

  • 102二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 04:10:46

    リオ、あんたは紛れもなく生徒会長だよ

  • 103二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 08:25:59

    このレスは削除されています

  • 104二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 16:47:12

    誰が来たんだろう?

  • 105二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 21:15:24

    その場に居た全員が大会議室の戸の音に反応した。そして、その向こうから聞こえてきたのは⋯⋯
    "ウタハ〜、チヒロ〜、居る〜?"
    チヒロ「あ、先生だ。」
    ウタハ「そういえば、先生の事も呼んでたんだった。⋯⋯入って良いよ、先生!!」
    医者(ん?今の声って⋯⋯いや、まさかな⋯⋯)
    "失礼するよ。⋯⋯って、え!?なんで皆あつまってるの?"
    ウタハ「ああ、実は⋯⋯」
    ウタハが先生に事情を説明しようとしたその時だった。
    医者「ッ!?お前、なんでここに!?」
    突然、医者がそう声を上げる。
    "え!?"
    先生も医者の姿を捉えるや否や驚く。
    チヒロ「え?お医者さん、先生の知り合いなの?」
    チヒロが医者にそう問いかける。
    医者「知り合いも何も⋯⋯っていうかお前、ホントになんでここに居るんだよ?!」
    "い、いや⋯⋯












    『兄さん』こそ、なんでミレニアムに居るの!?"
    ミレニアム一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「兄ぃぃぃぃぃさぁぁぁぁぁん!?!?!?!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

  • 106二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 02:54:34

    兄 さ ん

  • 107二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 11:38:24

    >>105

    全員が驚愕した。

    ヒマリ「は!?え?!は!?」

    ユウカ「先生、お兄さんが居たんですかぁ!?」

    ユウカが先生にそう尋ねる。

    "う、うん……"

    医者「久し振りだな、まさかこんな形で会うとは思わなんだが……」

    "兄さん、ホントになんでここに?"

    先生がそう訊くと……

    ウタハ「えっと、それはだな……」

    ウタハが先生に事情を説明する。

    "成る程。チヒロがアルツハイマー病になって、兄さんが診てくれた、と。しかも、ふふっ、ヒマリが、くふっ、兄さんの事を、フッ、そんな風に……www"

    ヒマリ「先生。それ、いちいち触れなくて良いです……」

    ヒマリは笑いを堪らえようとしてプルプル震えている先生にそう告げる。

    医者「それにしても、病院側の決定で移動になったオレのキヴォトスでの初仕事が、まさか弟の教え子を診る事だとはな……」

    "僕もビックリしたよ。まさか、兄さんがチヒロの事を助けてくれてたなんて。ありがとう、兄さん!!"

    チヒロ「えっと。じゃあ、私からも……先生のお兄さん、改めてありがとうございます……」

    チヒロは先生と共に、改めてその医者に感謝を告げた。

  • 108二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 17:46:13

    このレスは削除されています

  • 109二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:43:48

    >>107

    医者「いやぁ、別にオレは医者として当然の事をしたまでであって、礼を言われるような事は……」

    ノア「あの、水を差すようで申し訳ないのですが、ヴェリタスの予算の件はどうするんですか?」

    ノアが先生達にそう指摘した。

    モモイ「あ!そうだった!先生!今ウタハ先輩が説明してたけど、ヴェリタスの予算について、何か良い案とか無い?」

    ノアに指摘されたモモイはその件を思い出し、先生にそう問いかける。

    "う〜ん……ちょっとそれは私にも難しいかな……"

    医者「それいくらくらいなの?」

    ユウカ「え?いや、大体コレくらい……」

    医者はユウカが出した金額を見て決意する。

    医者「ヨシ!!じゃあ、私が払うよ。」

    ユウカ「え?」

    "ちょっと待って?流石に兄さんが払うのはズルじゃない?"

    医者「いや、別に良いよ。こんくらい出せるさ。」

    モモイ「まさか、先生のお兄さんって、結構お金持ちなの?」

    医者「ああ、オレの年収は……大体こんくらい。」

    自分の年収を教える医者。

    ミレニアム一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「たっっっっっっっっっっっっっっっっっかぁ!?!?!?!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

    全員その(文字通り)桁違いの年収を見て腰を抜かしたのだった。

  • 110二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 03:37:22

    どんだけ権威ある医者なんだ兄さん

  • 111二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 11:31:40

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 17:09:58

    >>109

    ウタハ「えっと、なんでそんなに高収入なんだ?」

    ウタハが医者にそう訊くと⋯⋯

    医者「いや、オレ実はキヴォトスの外だとマジで知らない奴が居ないってレベルの名医なんだよ。」

    チヒロ「そうなの?!」

    チヒロがちょっと⋯⋯いやかなり驚く。思ったよりも先生のお兄さんは凄い医師だったようだ。

    医者「ああ。でも、キヴォトスでは真逆で、全くと言って良い程知られてなかったみてぇなんだよな。⋯⋯っていうか、んだよあのポンコツ医師ども。あの病院老害ばっかでうんざりだよ。テメェらのそのしなびたチ◯ポは溶けた脳を出す為にしかねぇのかよ、ああ?年功序列マジで氏ね。どいつもこいつもしけた面しやがって⋯⋯地獄に堕ちちまえ。(虚空に向かって中指立て)テメェらみてぇな老いぼれ野郎共は路上の犬のクソみてぇにしながら人のゴミをカラスみてぇに漁ってろや!! F**k you B1#ch !!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!【☆自♤主♡規♧制♪】!!」

    すんげぇ汚ねぇ言葉をズラズラと並べて文句を言う医者に、全員ドン引きしていた。

    "ちょちょちょ!!兄さん、まだ彼女達子供なんだよ!?増してや、これから社会に出て行く準備を調える大事な時期にある子供に、良い大人が社会の闇を突き付けてどうすんのさ?!"

    医者「あ、すまん⋯⋯」

    先生が止めた事で、漸く医者は恨み言を吐くのを止めた。

    ユウカ「えっと⋯⋯取り敢えず、お兄さんがお仕事でストレスを溜めてるって事は分かりました⋯⋯」

    医者「えっとその、オレ的には忘れてくれるとすげぇ助かるよ⋯⋯」

    ミレニアム一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「⋯⋯⋯⋯⋯💧」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

  • 1131525/02/08(土) 18:56:15

    そういえば、この兄弟の見た目は⋯⋯
    医者(兄の方)⋯便利屋先生
    先生(弟の方)⋯アニメ先生
    ⋯⋯となっています。

  • 114二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 20:57:33

    お兄さんが濃すぎて本題を忘れそうになる

  • 115二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 00:16:30

    保守

  • 116二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 06:56:18

    >>112

    医者「そういやさ、せっかくだし自己紹介をしてくれねぇか?前々から弟の教え子には興味があったんだ。」

    "ああ、良いね!!皆!!兄さんに自己紹介してあげて!!"

    その後、1人ずつ順番に自己紹介をしていくミレニアムの一同、途中先生や生徒本人に色々と質問する医師、そして⋯⋯

    ネル「アタシで最後か。」

    最後にネルの番がやって来た。

    ネル「ミレニアムサイエンススクール『Cleaning&Clearing』、略して『C&C』所属のコールサイン『00(ダブルオー)』。3年生の『美甘ネル』だ。宜しくな、先生の兄貴。」

    医者「『美甘ネル』⋯⋯あと3年生って事は来年で卒業かぁ⋯⋯ふむふむ。」

    ("ん?なんだろう?凄く嫌な予感⋯⋯")

    医者「えっと、ネルさん。少し質問しても?」

    ネル「⋯⋯?別に良いけど?」

    医者「彼氏居る?」

    ネル「はぁ!?!?!?!?」

    "うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!?!?!?!?"

    余りに唐突な事だった為、ネルは頭が真っ白になり、先生は医者に向かって叫び声を上げた。

    "兄さん何してんのさ!?しかも学校で!!しかもこんな大人数の前で!!"

    医者「ナンパ」

    "この馬鹿兄貴がッ!!そういう事じゃねぇんだよ!!なんでここですんだって話だよ!!ってか、僕の生徒にホントに何してんだよ?!"

    医者「いやぁすまんすまんw」

    医者は先生に全力で止められた。

    医者「⋯⋯だが弟よ。お前も知ってるだろう?男とは、性欲に従順な生き物なのだという事を。(イケボ)」

    "確かに、それは否定しないし、気持ちは痛い程分かるよ、兄さん。(イケボ)"

  • 117二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 06:56:47

    >>116

    ネル「」

  • 118二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 12:39:53

    このレスは削除されています

  • 119二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 20:33:44

    >>117

    ネル「先生、兄貴。」

    兄弟「"はい。"」

    ネル「取り敢えず、遺言は?」

    兄弟「"誠に申し訳ありませんでした。"」

    ネル「はぁ⋯⋯取り敢えず、チヒロの件だ。先生の兄貴が払うんだよな?」

    医者「はい。」

    ウタハ「良かったな、チヒロ。」

    チヒロ「素直に喜べない⋯⋯」

    "兄さん、他に注意すべき事は?"

    医者「そうですね。とにかく、皆さんの話を聞いた感じだと、暗所、冷気、孤独⋯⋯これらを酷く怖がるようになってしまっているようなので、出来る限り皆さんでそれを減らす事ですね。あと、日常生活にも支障が出始めるでしょうから、それを支えていく事ですね。一応、こっちでもある程度症状を遅らせるように努めますので。」

    "だそうだよ、皆。"

    ウタハ「任せてくれ。それくらいお安い御用さ。」

    医者「では、私は病院に帰ります。⋯⋯あ、そうだ。ネルさん、もし良かったらこの後オレと⋯⋯」

    ネル「⋯⋯まあ、行くだけ行ってやるか。」

    医者「マジで!?よっしゃぁ!!」

    "兄さん、嬉しそうだなぁ⋯⋯"

  • 120二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 03:23:13

    何やってんだ兄さん
    いやしっかり医者やってるし無くてはならない人材なんだろうけど

  • 1211525/02/10(月) 07:58:14

    そういや、ケイとミライもこの後出て来ます。

  • 122二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:20:55

    >>119

    チヒロ「えっと、ウタハ。今日もありがとう。」

    ウタハ「どういたしまして。」

    その夜、ウタハはまたチヒロの家に泊まる事になった。

    そして早速⋯⋯

    チヒロ「え~っと、何しようとしてたんだっけ?」

    ウタハ「取り敢えず、靴を脱ぐところからだな。」

    チヒロ「え?ああ。」

    ウタハに指摘され、靴を脱ごうとしていた事を思い出す。

    ウタハ(やはり、昨日よりも症状が酷くなっているな⋯⋯)

    その後も⋯⋯

    チヒロ「アレ?メガネ、何処やったっけ?」

    自分のメガネを探すチヒロ。

    ウタハ「机に置いてあるぞ?」

    ウタハは机の上を指差す。

    チヒロ「あ、ホントだ。」

    チヒロは机の上にあったメガネをかけた。

    ウタハ「やはり、症状が進行しているみたいだな。昨日の夜よりももの忘れが激しい。」

    ウタハはチヒロの事を心配していた。と同時に、自分達の事さえもその内忘れてしまうのではないか?という恐怖を少し感じていた。

    チヒロ「そう、みたい。」


    その後も色々な事をウタハの手伝ってもらいながら、チヒロはその晩を過ごした。

    ウタハは少しでも長く、チヒロがチヒロのままでいてくれる事を願い、眠りに就いた。

  • 123二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 21:54:05

    症状の進行って、目に見えてわかるレベルなのは深刻だね……

  • 124二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 03:10:43

    「忘れること」って、結構怖いことだと思うんだ
    周りにとっても、本人にとっても

  • 125二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 08:36:07

    このレスは削除されています

  • 126二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 13:05:04

    >>122

    [翌日、ヴェリタスの部室にて]

    チヒロ「えっと、これ何だったっけ?」

    マキ「ウソでしょ、副部長!?それついさっきまでやってたじゃないですか!?」

    ハレ「コレは⋯⋯」

    ヒマリ「昨日よりも酷い⋯⋯」

    ヴェリタスの機材関係についての問題は一通り解決したが、チヒロのアルツハイマーは悪化する一方だった。

    コタマ「副部長、私が今何をしてると思いますか?」

    チヒロ「えっと⋯⋯音楽でも聴いてるの?」

    コタマ「ああ、コレは結構マズいですね。」

    ハレ「コタマ先輩は盗聴してるんですよ?」

    チヒロ「え?あ!コタマ、またなの?」

    コタマ「いや気付いて下さいよ!!」

    マキ「副部長、ホントにもの忘れが激しくなってる。」

    ヒマリ「⋯⋯確認しましょう。チーちゃん、皆の名前をフルネームで言って貰えますか?」

    チヒロ「えっと、なんで?」

    ヒマリ「良いから、言って下さい!!」

    チヒロ「⋯⋯分かった。『明星ヒマリ』、『小塗マキ』、『音瀬コタマ』、⋯⋯アレ?ハレの苗字って何だっけ?」

    ハレ「⋯⋯『小鈎』ですよ、副部長。私は『小鈎ハレ』です。」

    チヒロ「えっと、なんで?」

    ハレ「え?」

    チヒロ「なんでいきなり名乗ったの?貴女がハレって事は皆分かってるのに⋯⋯」

    コタマ「へ!?」

    ヒマリ「もう忘れてしまったのですか?!」

    マキ「ねぇ、コレさ。私達の事を綺麗さっぱり忘れちゃうような事にはならないよね?ねぇ?」

    マキは不安でいっぱいだった。当然、他の3人も、なんだったらチヒロ本人も心の何処かで感じていた。いつか皆の事を綺麗さっぱり忘れてしまうかもしれないという事を。

  • 127二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 20:37:46

    >>126

    一方その頃⋯⋯

    医者「はぁ⋯⋯やっぱダメか。」

    ネル「何してんだ?」

    医者「ああ、ネル⋯⋯いやさ、チヒロさんを治す手段を考えてるんだけど⋯⋯やっぱり中々上手くいかなそうで。」

    ネル「⋯⋯そういや、ヒマリから聞いた話だが⋯⋯アンタ、どうやってチヒロが症状を一時的に和らげたんだ?」

    医者「知らない方が良い事もある。」

    ネル「ッ!?」

    いきなり雰囲気の変わった医者に、ネルは思わず身構えた。

    アスナ「リーダー!ご主人様のお兄さぁん!居るぅ?」

    医者「居ますよ、アスナさん。」

    ネル「⋯⋯どうしたんだ?」

    カリン「チヒロ先輩の件についての進捗を聞きに来た。」

    アカネ「どうでしょうか?」

    トキ「治せそうですか?」

    C&Cのメンバー達は医者にそう問いかける。

    医者「いや、ちっとも⋯⋯」

    アカネ「そう、ですか。」

    カリン「チヒロ先輩、大分もの忘れが悪化してるらしい。」

    トキ「私達の事を忘れるのも、時間の問題でしょうね。」

    医者「私に出来る限りの事はします。1日でもチヒロさんの症状を和らげる為に努めます。」

    医者はC&Cのメンバー達にそう言った。

  • 128二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 01:25:03

    言ったら思い出せる分まだ末期ではないけれど、それでも充分に支障をきたすレベルまで進んでるのか……

  • 129二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 09:36:59

    このレスは削除されています

  • 130二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:03:26

    >>127

    それから数日が経った。日に日に悪化していくアルツハイマー病。それに伴い、チヒロの暗所恐怖症、冷風恐怖症、孤独恐怖症も酷くなっていった。

    [エンジニア部]

    ウタハ「ヒビキ、コトリ。準備は良いか?」

    ヒビキ「大丈夫だよ。」

    コトリ「いつでもオッケーです!!」

    ウタハ「よし!じゃあ、スイッチオン!!」

    自分達が完成させた新型クーラーのスイッチを入れるウタハ。

    チヒロ「さ、寒い。寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!!」

    ウタハ「ち、チヒロ!?ま、マズい!!スイッチを切れ!!今すぐに!!」

    コトリ「りょ、了解です!!」

    大慌てでスイッチを切るコトリ。

    ウタハ「だ、大丈夫か、チヒロ!?」

    チヒロ「ウタハ、ウタハ!!」

    駆け寄って来たウタハに泣きつくチヒロ。

    ヒビキ「今、ヒーターを点けたよ。」

    チヒロ「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!寒いよ寒いよ寒いよ寒いよ!!!ウタハ、居なくならないで!!怖いの!!!」

    ウタハ「す、すまない!!ちゃんと居ないかどうか確認してから装置を起動するべきだった。」

    チヒロを抱き締めて気持ちを落ち着かせるウタハ。

  • 131二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:04:53

    >>130

    [ヴェリタス]

    ヒマリ「取り敢えず、コレでオッケーですね。」

    ハレ「じゃあ、もう電源切るか。」

    PCの電源を切るハレ。全てのモニターの画面が暗転し、真っ暗になる部室。

    チヒロ「ヒィィィ!?」

    突然部室に叫び声が響き渡る。

    ヒマリ「チーちゃん!?」

    コタマ・ハレ・マキ「「「副部長!?」」」

    突如として、泣き出すチヒロ。

    ヒマリ「ち、チーちゃん、大丈夫ですよ!」

    コタマ「私達、ちゃんと居ますから!!」

    マキ「ね?怖くありませんからね?」

    チヒロ「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!暗いの怖い!明かり点けて!!!」

    ハレ「わ、分かりました。」

    お大急ぎで部屋の明かりを点けるハレ。

    チヒロ「ううっ……」

    ヒマリ「ご、ごめんなさい。チーちゃんの事を思って、部屋の明かりを点けてから電源を切るべきでした。」

    ヒマリはチヒロの手を握り、そう彼女に謝罪した。

  • 132二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 18:38:29

    >>131

    [ゲーム開発部]

    ユズ「ヤダァァァ!!外怖い!!」

    チヒロ「ヤダァァァ!!1人怖い!!」

    何故かロッカーに籠もっているユズを引っ張り出そうとするチヒロ。

    ユズ・チヒロ「「ヤダヤダヤダヤダ!!ヤダヤダヤダヤダ!!ヤダヤダヤダヤダ!!」」

    ミドリ「えっと、どういう状況?」

    部室に戻って来たミドリは困惑した。

    ユズ「チヒロ先輩が、『1人は怖いから』って理由で私を引っ張り出そうとしてるの!!ミドリ、助けて!!」

    ユズはミドリに助けを求めた。

    ミドリ「ち、チヒロ先輩?ユズちゃんが嫌がってますよ?ほら!私が代わりに一緒に居てあげますから、ね?」

    ミドリはチヒロに優しくそう声をかける。

    チヒロ「あ、ミドリ⋯⋯ありがとう⋯⋯」

    チヒロはミドリに気が付くや否や、ユズを離した。

    ミドリ「⋯⋯って事があったの。」

    ミドリは部室に戻って来たモモイとアリスに事情を説明した。

    アリス「それ、大丈夫なんですか?」

    モモイ「絶対に酷くなってるよね?」

    ミドリ「⋯⋯うん。」

    ゲーム開発部のメンバー達はチヒロに視線を向ける。

    彼女は今、ミドリに抱き着いて離れようとしなかった。

  • 133二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 22:12:57

    このレスは削除されています

  • 134二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 01:19:05

    ミドリに抱きついてるチヒロ思い浮かべると微笑ましく思ったが、彼女の置かれてる状況思い返して真顔に戻った

  • 135二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 09:05:10

    >>132

    医者「成る程、アルツハイマー病に加えて、その3つの恐怖症も悪化している訳ですか。」

    ユウカ「はい、そうみたいですね。」

    医者「おそらく、今のその話を聞いたところ、チヒロさんは今、『暗所恐怖症』、『冷風恐怖症』、『孤独恐怖症』の3つを患っていますね。」

    暗所恐怖症⋯⋯暗闇を極度に怖がる症状。暗闇になると、動悸、息切れ、吐き気、震え、発汗など、パニック症状が出てしまう。ヒトは夜行性ではない為、暗闇には誰しもある程度の警戒心を持つものだが、その程度を超えて、恐怖が持続してしまう。暗所恐怖症は子供に発症する事が多い為、真っ暗な部屋や押し入れの中など、暗所恐怖症に繋がりそうな場所は避けるのが良いとされている。

    冷風恐怖症⋯⋯冷気や風の音への恐怖を感じる症状。この恐怖症にまつわる詳細は不明。

    孤独恐怖症⋯⋯自分が孤独な状態である事への恐怖を感じる症状。必ずしも1人で居るという訳では無く、複数人で居ても無視されているような恐怖を覚える事がある。

    ノア「では、どうするべきでしょうか?」

    医者「まず、暗所を極力作らない。次に、出来る限り彼女の居る場所の温度を下げない。そして、積極的に彼女に寄り添ってあげる事ですね。」

    リオ「アルツハイマーについては、今まで通りで良いのかしら?」

    医者「はい。それで良いと思います。では、私はこれで。」

    医者はそう言うと、再び対策を講じるべく、病院に戻って行った。

  • 136二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 16:09:25

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  • 137二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:13:50

    >>135

    そして遂に……恐れていた事態に至り始めた。

    [ヴェリタス]

    チヒロ「コレ、何の為にあるんだっけ?」

    チヒロはPCを見ながらそう言う。

    ヒマリ「何言ってるんですか、チーちゃん!?私達はハッカー集団の部活ですよ!?ハッキングをする為にPCがあるに決まってるじゃないですか?!」

    チヒロ「ああ、ご親切にどうも。……えっと、どちら様?」

    ヒマリ「え?」

    ヒマリは一瞬頭の中が真っ白になった。

    コタマ「副部長!?嘘ですよね!?ヒマリさんですよ!!ヒマリさん!!」

    チヒロ「ヒマリ?……あ、ああ!そ、そうだった!!な、なんで忘れそうになって……」

    ハレ「いよいよマズい段階みたいだね。副部長が、皆の事を忘れかけてる。」

    マキ「そんな……!!」

    [エンジニア部]

    ウタハ「やぁチヒロ、先日はホントにすまなかったな。」

    ウタハはこの前の新型クーラーの起動実験の件について謝罪する。

    チヒロ「良いよ、もう覚えてないし……それよりも、そこに居るのは?」

    ウタハ「ああ。ヒビキとコトリだな。」

    コトリ「こんにちは、チヒロ先輩!」

    ヒビキ「調子どう?」

    チヒロに挨拶するヒビキとコトリ。それに対してチヒロは……

    チヒロ「ああ、ヒビキさんにコトリさん?……えっとその、はじめまして?」

    エンジニア部一同「「「え?」」」

    エンジニア部の3人は困惑のあまりフリーズした。

    チヒロ「ウタハ、この人達って新入部員?もしそうなら、良かったわね。」

    ウタハ「な、何を言ってるんだ、チヒロ!?ヒビキとコトリだぞ!?忘れたのか!?」

    ウタハはチヒロにそう訴えるように叫ぶ。

    チヒロ「え?……あ!そ、そうだった!!わ、私、どうして……」

    ウタハに指摘され、チヒロもハッとした。

    ウタハ「成る程、もうそんなに症状が進んでしまったのか……もうそんなに時間が残ってないみたいだな……」

  • 138二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 07:51:33

    保守

  • 139二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 14:02:48

    このレスは削除されています

  • 140二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 14:13:41

    もうそろそろ、やばいレベルに突入してる

  • 141二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:56:29

    >>137

    ユウカ「大分酷くなってるわね。」

    リオ「そろそろ、本格的にマズいわね。」

    ノア「ヴェリタスの皆さん、結構落ち込んでますね。」

    ネル「ヴェリタスだけじゃねぇな。エンジニア部もゲーム開発部もかなり落ち込んでたぞ。」

    アスナ「そりゃそうでしょ。こんなに早く忘れられちゃう時が来るなんて思わないよ。」

    カリン「私も割と⋯⋯覚悟はしてたが、いざ食らうとかなり来るものがある。」

    アカネ「まだ思い出す事自体は出来るようですが⋯⋯」

    トキ「短い場合だと、なんとたったの7秒で何かを忘れてしまうようです。」

    コユキ「コレ、更に悪くなるんですか?」

    医者「う~む。いよいよ事態が深刻になってきたな。」

    医者はセミナー及びC&Cのメンバー達から、今のチヒロの症状の進行度合いについての報告を聞いていた。

    "兄さん、そっちは何か良い案ある?"

    先生は医者にそう問いかける。

    医者「すまんが何も⋯⋯」

    医者は申し訳なさそうにそう答える。

    "⋯⋯だよね。"

    医者「⋯⋯けど、チヒロさんの件についてはギリギリまで試行錯誤を続ける予定です。」

    ユウカ「はい、お願いします。」

    ユウカ達は医者にお辞儀をした。医者は再びデスクの資料とメモに視線を向けた。


    この時の彼女達は知らなかった。この後、まさかあんな事が起きてしまうなんて⋯⋯

  • 142二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 00:33:57

    ただでさえキツイのにこっから更に酷くなるんですか

  • 143二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 08:42:48

    これ以上が、あるんですか……?(震え)

  • 144二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 09:39:42

    >>141

    ある日の事……

    チヒロは1人でトイレに居た。流石にトイレは1人である。孤独を極端に怖がるようになってしまった彼女に取っては、数少ない1人の時間だ。とはいえ、彼女自身もこの時間をなるべく早く済ませたいのだ。手を洗うと、ハンカチで手を拭きながら、皆の元に急いで向かおうとした。……その時だった。

    (ダンッ!)

    いきなり重い音共に、彼女は自身の後頭部に強い衝撃と痛みを感じる。そして……

    (ドサッ……)

    彼女はその場に倒れた。気絶したのだ。

    ???「部長、これで良いですか?」

    駄女神顔「フフフ……はい!上出来です!!では、早速連れて行きましょうか!!!」

    その場に居た2人は気絶したチヒロを持ち上げ、何処かに運んで行った。

  • 145二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 17:16:10

    このレスは削除されています

  • 146二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 22:39:16

    このレスは削除されています

  • 147二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 04:14:55

    うわぁこんなタイミングでやりやがった!!
    いやこのタイミングだからこそか……?

  • 148二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 09:45:51

    >>144

    ウタハ「見つかったか?」

    ネル「いや⋯⋯そっちは?」

    コタマ「まだです。」

    ユウカ「コレはマズい⋯⋯」

    ミレニアムの生徒達はバタついていた。突如として、チヒロが行方不明になったのだ。

    ミドリ「確か、今のチヒロ先輩が1人で迷子って可能性もあり得るんですよね?」

    ヒマリ「ええ。それこそ、チーちゃんが1人になるのを怖がるようになったきっかけもまさにそうでしたから。」

    ハレ「副部長、見つからない。」

    マキ「結構監視カメラのデータ漁ってはいるけど⋯⋯」

    ヒビキ「こっちは違うっぽい⋯⋯」

    コトリ「こっちもです!!」

    急がなければいけない。今の彼女は1人になる事が精神的苦痛に直結してしまう状態だ。ここ最近の彼女を見てきたミレニアムの生徒達なら、嫌でもそれが容易に分かってしまう。

    リオ「⋯⋯このデータ、改竄された形跡がある。」

    ノア「え?改竄?誰かが意図的に書き換えたって事ですか?」

    マキ「一体誰が?」

    モモイ「ダメだぁ~⋯⋯見つからない。」

    アリス「もうミレニアム中を全部見て回りましたよ?」

    スミレ「⋯⋯だとすると、ミレニアムの外?」

    エイミ「あり得なくは無い。」

    アカネ「しかし、そうなると骨が折れますね。」

    トキ「だからといって、チヒロ先輩を見捨てる訳には⋯⋯」

    ⋯⋯とその時だった。

    ケイ「ん?⋯⋯アバババババ!?!?!?!?」

    いきなりケイがバグり始めた。

    ユズ「えちょっ⋯⋯どうしたの、ケイ?」

    カリン「なんか、嫌な予感がするな。」

    コユキ「私、ちょっと下がってます。」

    次の瞬間、ケイの顔のモニターに何かが映し出される。

    駄女神顔「さて、繋がりましたかね?」

  • 149二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 11:46:46

    アルツハイマー患者の頭を…何が起こる?

  • 150二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 16:41:17

    ミライこれチーちゃんの症状知ってんのか…?

  • 151二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:47:18

    このレスは削除されています

  • 152二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:26:43

    >>149

    A.トドメ

  • 153二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:29:15

    題材が題材だからスレ主人の心がない文章書くな

  • 154二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 03:49:02

    なんていうか情景がありありと浮かんでき過ぎて胸が痛くなってくる(語彙力)

  • 155二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 11:33:43

    >>148

    駄女神顔「フフフ……ミレニアムサイエンススクールの皆さん。はじめましての方ははじめまして。そうでない方々はお久しぶりですね。」

    リオ・ヒマリ「「あ、貴女は……!」」

    駄女神顔(あぁ、良かった。流石に調月リオもようやく私の事を覚えてくれたようですね。それに、ミレニアムの全知である明星ヒマリはちゃんと私の事を覚えていたみたいですね……)

    と、駄女神顔が安堵した次の瞬間……

    リオ・ヒマリ「「誰だっけ?」」

    駄女神顔「ずこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ──────────ッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

    駄女神顔は思いっ切りズッコケた。

    ミライ「私ですよ!私ぃ!!ミライです!!!ミィ!ラァ!!イィ!!!」

    リオ「あ!そういえば、居たわね。」

    ミライ「酷い!鬼!!悪魔!!下水ぃぃぃぃぃ!!!」

    ヒマリ「……っていうか、存在自体を忘れかけてましたね。」

    ミライ「っざけんな!!こんの、クソババアァァァァァ!!!」

    ミライは泣きながらリオとヒマリにそう怒鳴る。

    ミライ「ううっ……ま、まあ良いです……このまま本題に入ります……」シュン

    ミライは取り敢えず気を取り直し、本題に入った。

    ミライ「さて、ミレニアムの皆さん。ヴェリタスの副部長『各務チヒロ』の身柄はこちらで預かっています。フフフ……」

    ミライは画面越しに自分達がチヒロを誘拐した事を、ミレニアムの一同に告げた。

  • 156二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 18:10:12

    地獄への片道切符を自ら受け取りに来やがった……

  • 157二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:11:03

    >>155

    シリアスとギャグの緩急で整う~

  • 158二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:14:10

    ミライという名前なのに未来がヤバい

  • 159二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 22:27:25

    このレスは削除されています

  • 160二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 04:18:50

    >>150

    ミライのことだから知ってもいそうだし、超ガバガバなまま計画を進めてて知らなそうでもある……

  • 161二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:37:17

    >>155

    ウタハ「何?」

    ミライ(お?よしよし!!良い反応!!それを待っていました!!)

    ミライのその発言にウタハを始めとするミレニアムの全員が反応した。それに対し、先程まで落ち込んでいたミライの気分が高揚する。

    ミライ「ええ……もう一度言わせて貰います。ヴェリタスの副部長『各務チヒロ』はこちらで預かっています!!」

    いきなり部屋に乱入して来た医者「な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」ガチャ

    ミライ「ダレェェェェェェェェ!?!?!?!?アナタ、ダレェェェェェェェェ!?!?!?!?」

    医者「地獄からの使者、スパイダーマッ……」

    (暫くお待ち下さい……)

    ふざけていた医者をボコボコにしたネル「コイツは先生の兄貴でチヒロを診ている医者だ。」

    ネルにたんこぶを付けられた医者「宜しくお願いします、ミライさん。」

    ミライ「ゆ、愉快な人ですね……そ、それよりも」

    ミライは話題を軌道修正する。

    ミライ「ヴェリタスの副部長『各務チヒロ』がアルトファイバーとかいう病を患っていると聞きましてね。隙を突いて誘拐させていただきました。」

    いきなり引き出しから出て来た先生"なぁぁぁにぃぃぃ!?!?!?!?やっちまったなぁっ!!!"

    ミライ「ギャァァァ?!?!?!?!今度は何ですかぁぁぁ!?!?!?!?」

    "どぉもミライさんこんにちは。ボォク、ドラ……"

    (暫くお待ち下さい……Part2)

    ふざけていた先生をボコボコにしたネル「先生だ、お前も知ってんだろ?」

    ネルにたんこぶを付けられた先生"あはは……"

    ネル「ったく。で?さっさと話の続……」

    医者「イッツァミィ!○ァリオォ!!」

    "アンド○イージィ!!!"

    (暫くお待ち下さい……Part3)

  • 162二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:39:21

    先生たちがバカほどふざけてる間にハッキングして所在地割り出してそう

  • 163二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 13:47:57

    ふざけてるけど洒落になってない状況なんだよなぁ

  • 164二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 16:35:52

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 16:37:48

    このレスは削除されています

  • 166二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 16:41:58

    >>161

    ミライ「とにかく!各務チヒロを返して欲しいなら!私の要求に従いなさい!」

    ミライが大きな声でそう言うと、ネルにボコボコにされていた兄弟もふざけるのを止めた。

    "要求?"

    ミライ「ええ。今この画面に映っているこの額を私達に払いなさい。」

    医者「あの、これ……」

    ミライ「え?まさか払えないと?」

    医者「いや、もしかして読めないから口で言わずに画面に表示したんですか?」

    医者がそう尋ねると……

    ミライ「なぁに言ってんですか。当たり前でしょ。だって、テキトーに0をポチポチした結果ですもん。何桁なのかを数えてすらいませんよ!」

    ミライはそう言う。

    "自慢気に言う事じゃないでしょ。"

    先生はミライに呆れていた。

    ミライ「ああ、それから……期限は明日の夜20:00までです。それまでに払えないなら、各務チヒロは一生あの暗くて寒くて何かが居そうで超怖い牢獄……えーっと、ウチの部員曰く、近所のおばちゃんから貰い受けたガレージから二度と出る事が出来な……」

    医者「ちょっと待て!」

    いきなり医者がミライの話を遮る。

    ミライ「な、なんですか?」

    医者「今、なんて?」

    ミライ「いやだから、各務チヒロが監禁されているのはウチの部員がご近所さんから貰えた倉庫で……」

    医者「違う!その前!!」

    ミライ「え?期限は明日の……」

    医者「そこじゃない!もっと後です!!」

    ミライ「えーっと、各務チヒロは一生あの暗くて寒くて何かが居そうで超怖い……」

    医者「そう!そこだ!!」

    ミライ「えっと、それが何か?」

    医者「今すぐ、チヒロさんの監禁場所を変えて下さい!!!」

    ミライ「はい?」

    ミライは医者の要求内容の意図が理解出来ずに困惑した。

    医者「マズいぞ……」

    医者は焦っていた。

  • 167二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 22:03:58

    このレスは削除されています

  • 168二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 01:45:59

    率直に言って続きが気になりすぎるので保守

  • 169二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 09:37:29

    >>166

    医者の要求、それは今のチヒロが暗闇、冷気、孤独を極端に恐れるようになった事を考慮すれば、妥当な忠告と言えるだろう。だが……

    ミライ「何故です?何故私がそんな事をしなくてはならないのですか?」

    アルツハイマー病という事しか知らないミライには全く理解が出来ない。それどころか……

    ミライ「……ていうか、そんな事出来ませんよ。だって……」

    ミライは少しだけ間を置いた後、こう告げる。

    ミライ「お金無いんですもん!その貰い受けた倉庫だってオンボロですよ!寒いのは隙間風が通るようなボロい建物だからだし、暗いのは電気もガスも水道も切られてるからだし、なんか変なガラクタがいっぱい置き去りにされたままだし、蜘蛛の巣とかも張ってるしでもう散々ですよ!でももう、そこしか監禁場所無かったんです!」

    ミライはなんか悔しそうにそう言う。

    ミライ「だから、その要求に応じる事なんて出来ません!!」

    ミライは医者にそう告げた。

    医者「だが……」

    反論しようとする医者だったが……

    ミライ「無理なものは無理!!!」

    ミライは医者の言葉を一蹴する。

    医者「……ッ!」

    ミライは続ける。

    ミライ「それに、"たかが"認知症を患っただけです。そこでも別に良いでしょ?氏ぬ訳じゃありませんし!」

    ミライはそう言った。……それが医者の逆鱗に触れる引き金を引く行為だという事を知らずに……

    医者「何だと?……お前、今何つった?」

  • 170二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 15:58:19

    真摯に病と向き合っている医師に「たかが」か……地雷も地雷すぎる

  • 171二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 18:17:37

    「頭やられてるのはどっちだ」というのは言い過ぎかな

  • 172二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 23:20:49

    このレスは削除されています

  • 173二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 01:45:14

    ハッピーエンドでもそうでなくとも希望のある結末を迎えてほしいですね……

  • 174二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 08:13:36

    >>169

    突如として辺りの空気が変わる。

    医者「"たかが"認知症だと?お前......」

    "に、兄さん!落ち着いて!!"

    慌てて兄を止めようとする先生だが、当の本人は止まらない。

    医者「お前、チヒロさんの患っている病を軽く扱ってるみたいだな。」

    ミライ「だってそうでしょう?認知症なんて、『頭が馬鹿になるだけの病』ですよ。違いますか?違いませんよね?どうせバカになってるんですし、何処に監禁しようが関係無......」

    ミライはニヤけながらそう言う。

    医者「黙れ。口を閉じろ。」

    医者はミライの言葉を遮り、ケイの画面に近寄る。その時、一瞬だけ部屋の灯りが点滅した。

    "マズいぞ......兄さんが本気で怒ってる……!"

    ミライ「な、何ですか?何本気になってるんですか?"あんな病気ごときでバカになっただけの少女"に対して。」

    医者「オレは医者だ。それくらい当然だ。」

    ミライ「そうですか。じゃあ、さっさと要求した額を支払……」

    医者「お前……」

    (ダンッ!)

    医者はケイのボディを蹴る。と同時に、部屋にあった全ての機器が起動する。だが、何だか様子がおかしかった。

    ハレ「え?なんでいきなり電源が点いたの?」

    ヒビキ「私達、操作してないよね?」

    全員困惑する。

    医者「オレはお前みたいな奴が大嫌いだ。」

    次の瞬間、部屋中の機械という機械が過剰に動き始める。照明は激しく点滅し、機械は忙しなく動き続け、電子機器には様々な画像やデータが次々と映し出された。

    ヒマリ「ちょ、これは一体?!」

    ユウカ「なんか怖いんだけど!?」

    モモイ「何が起きてるの?!」

    医者「どうしてお前はそうやって他人の病を軽く扱えるんだ?」

    医者のその問に対して、ミライは……

    ミライ「他人の事なんて知った事じゃないですよ!!私達は私達の明日の為に日々こうしてお金を稼いで……」

    医者「分かった……もう良い……」

  • 175二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 08:13:58

    >>174

    医者がそう言うと……

    (ジジジジジジジッ……)

    (パーンッ!パーンッ!!パーンッ!!!)

    機械はオーバーヒートを起こして次々とクラッシュし、電子機器はモニターが割れて次々と爆発し、照明も次々に破裂して、部屋中に火花が飛び散った。

    ネル「おい!?ど、どうなってんだよ?!」

    "マズい!兄さんを止めないと!!"

    ミライ「ワワワワワワ!?な、何なんですか、貴方は?!」

    これにはミライも流石に恐怖を感じた。

    医者「そうやって弱者を蔑ろにするのが楽しいのか?……悪いが、オレは弟と違って子供でもそういう奴は容赦しないぞ……!」

    医者がそう言うと、次の瞬間……

    ミライ「アガッ?!」

    突然ミライが苦しみ出す。

    ミライ「い、息が、出来なっ……!」

    医者「寒いか?痛いか?苦しいか?……その身を持って知れ……!!それが今お前が軽んじたものだ……!!」

    ミライ「や、やめ……た、助け……」

    "兄さん、ドクターストオォォォップ!!!"

    ネル「悪いな、先生の兄貴!!!」

    ネルは医者を殴る。

    医者「ガッ!?」

    そして、医者はそのまま気絶し、先程まで起こっていた全てが収まり、辺りは静かになった。

  • 176二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 16:05:31

    超能力者?

  • 177二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 19:24:37

    記憶の追体験…?

  • 178二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 19:42:24

    電気(電流や体を動かす電気信号)弄った?

  • 179二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 22:49:52

    >>175

    その後、泣きながらも尚身代金を要求して通信を切ったミライ。……いや、あんな目に遭ったのに懲りないって地味にすげぇな、お前。

    医者「イテテ……何だ?一体何が?」

    目が覚めた医者。

    ネル「ああ、目が覚めたのか。」

    医者「ん?ネル?」

    ネル「取り敢えず、落ち着いたみたいだな……」

    ネルは医者が冷静さを取り戻している事を確認する。そして……

    ネル「なぁ、先生の兄貴。」

    医者「ああ、どうしたネル?」

    医者がそう言うと……

    ネル「単刀直入に訊かせて貰う。さっきのアレは何だ?」

    ネルは医者にそう問いかけた。

    医者「……」

    暫く医者は視線を逸らし、黙り込んでいた。

    ネル「……」

    ネルはただ黙って、医者が自分に話してくれるのを待っていた。

    医者「……ハァ。もう隠せねぇか。……っていうか、きっとお前以外には弟が喋ってるだろうしな。」

    医者はネルに"その事"について話す事にしたらしい。

    医者「分かった。オレの秘密、オレのこの力にの全てをお前について打ち明けるよ。」

  • 180二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 05:00:36

    続きを求めて

  • 181二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 11:17:02

    お兄さん、何かすげぇな(小並)

  • 182二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 16:31:01

    次スレそろそろかな?

  • 183二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 21:14:43

    >>179

    [その頃、ミライは……]

    ミライ「ううっ……ひどい目に遭ったのだ。」

    疑似科学部員「部長、お疲れ様です……」

    ミライは駆けつけた部員の手を借りて、ベッドまで向かい、横になっていた。

    疑似科学部員「あの、部長。ホントにあんなおっかないの相手にあんな事言っちゃて良かったんですか?なんか嫌な予感しかしないんですが……」

    ミライ「大丈夫ですよ。何故なら……」

    不安を抱く部員にミライはこう告げる。

    ミライ「各務チヒロの命は私達が握っているも同然。向こうもそれを理解出来ない程バカではない筈です。故に、下手に私達に手を出そうとはしない訳です。」

    説明を終えるミライ。

    疑似科学部員「確かに、それもそうですね。」

    納得した部員。

    疑似科学部員「ありがとうございます、部長。おかげで、なんとかなる気がしてきました。」

    ミライにお礼を言う部員。

    ミライ「フフフ、当然の事をしたまでですよ。さ、分かったら早く仕事に戻って下さいね。」

    疑似科学部員「はい!」

    部員はミライからの激励を受けた後、持ち場に戻って行った。

    ミライ「それにしても、あの力はホントに何だったのでしょう?」

    1人部屋に残されたミライは、ベッドに横たわりながらそう疑問に思った。

  • 184二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 01:27:02

    スレ主の意向によるけど完結後に設定を明かしてほしいですね

  • 185二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 08:38:22

    命握ってるというより、現在進行系で(主にメンタルの)命の危機と言いますか、もうちょっと人質大切にしようよ……

  • 186二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 10:04:54

    >>183

    [その後]

    医者「取り敢えず、これがオレの能力だな。」

    "やっぱり、兄さんもネルに話したんだね。"

    医者「当たり前だろ?あんな派手なお披露目をしたんだしな。お前も他の生徒達に話したんだろ?」

    "まぁね……"

    医者と先生は自販機で缶コーヒーを購入し、会話していた。

    "チヒロの件だけど……"

    医者「勿論、オレは最後まで付き合うさ。」

    "……!ありがとう、兄さん!"

    先生は兄に感謝した。

    [ヴェリタス]

    ハレ「副部長、無事で居てね。」

    コタマ「急ぎましょう。」

    マキ「取り敢えず、ある程度まで範囲は絞れた。」

    ヒマリ「『近所のおばちゃんから貰い受けたガレージ』……という発言のおかげでここまで細かく特定出来ましたね。」

    エイミ「今思うと、何を思ってあんなヒント言ったんだろうね?」

    ヴェリタスと特異現象捜査部はミライ達の居場所の特定を急いでいた。

    [エンジニア部]

    ウタハ「スミレ、手を貸してくれた事に感謝するよ。」

    スミレ「どういたしまして。」

    コトリ「取り敢えず、チヒロ先輩を助ける為の準備はこれでオッケーです!」

    ヒビキ「ヴェリタスが特定するまでに間に合ったね。」

    エンジニア部とスミレはチヒロを救出する準備を調えていた。

  • 187二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 10:05:10

    >>186

    [ゲーム開発部]

    ケイ「くっ……!してやられました……」

    アリス「とにかく、チヒロ先輩救出クエストの時間ですよ、ケイ!」

    モモイ「そうそう!だから気持ち切り替えとかないと!」

    ユズ「取り敢えず、私達に出来る事は待つ事くらいだね……」

    ミドリ「うん。」

    ゲーム開発部はミライのハッキングを受けた挙げ句、医者の能力の影響を少なからず受けたケイを気遣いながら、ヴェリタスとセミナーからの報告を待った。

    [セミナー]

    ネル「つまり、アタシらの立ち回りはこれで良いのか?」

    リオ「ええ。」

    アカネ「まぁ、妥当な策でしょう。」

    カリン「こっちの動きがバレたら……」

    トキ「奴らがチヒロ先輩に何をするか分からない。」

    ノア「チヒロ先輩の事も考慮した上での作戦ですので。」

    ユウカ「隠密行動を心がけるように。」

    アスナ「うん。」

    コユキ「かなり気を付けないといけませんね。」

    セミナーとC&Cはチヒロを救出する為の作戦を立てていた。

    事態は一刻を争う。現在彼女が監禁されている環境は、今の彼女の精神状態を考えれば、早くしないと取り返しのつかない事になるのは容易く想像がつく。ミレニアムの皆が急いだ。こうしている間にも、彼女は徐々に精神的に追い詰められているのだから。

  • 188二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 17:29:11

    ミレニアムを完全に敵に回したら怖いぞ……

  • 1891525/02/22(土) 21:26:16

    SSについてですが、多分このスレでは絶対に終わらないと思うので、スレ主さんには是非とも2スレ目を建てて貰いたいところですね……(まぁ、僕が勝手に2スレ目建てちゃっても良いんですけどね……)

  • 190二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 06:42:47

    このレスは削除されています

  • 191二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 12:36:19

    このレスは削除されています

  • 192二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 21:03:30

    >>187

    [数時間後]

    ヒマリ「やりました!特定しましたよ!!チーちゃんの居場所!!!」

    漸くヴェリタスによる居場所の特定が完了した。

    リオ「成る程……って、そこって……」

    ウタハ「D.U.地区?」

    ノア「そんな所に?」

    モモイ「思ったより普通の場所だね?」

    ヒビキ「確かに。」

    ユウカ「どの道……」

    マキ「ここに副部長が……」

    エイミ「うん、間違い無い筈。」

    ネル「じゃ、場所的に作戦通りにいけそうだし、とっとと準備して行くか!」

    アリス「早く行きましょう!!」

    ハレ「そうだね。」

    コトリ「善は急げです!!」

    コタマ「行きましょう!副部長を助けに!!」

    医者「よし!それじゃあ……今回はオレも行く。先生、指示を。」

    "はは、兄さんに先生って言われるのは違和感が凄いけど……行こうか皆!!チヒロを助けに!!!"

    全員「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おおー!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

    一同は各々最後の準備を始めるのだった。

  • 193二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:11:50

    奪還!!奪還!!

  • 194二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:38:51

    >>192

    [ちょうどミライが身代金を要求した頃……]

    チヒロ「ん、んー。ん?……んむ!?」

    目が覚めると、チヒロは全身を縄と鎖でコレでもかと言う程雁字搦めにされており、口に関してはガムテープで塞がれていた。

    チヒロ(どうなってるの?!ここ何処?!)

    チヒロは今自分が居る場所を見渡す。

    チヒロ(ヒッ!)

    暗い。寒い。怖い。見事に今の彼女に取っての地雷となりうる三拍子が揃っていた。

    チヒロ(イヤ!!ここ怖い!!誰か居ないの?!)

    チヒロは泣きながら辺りを見渡す。しかし、そこにあったのは……

    黄ばんでいる不気味な人形、色褪せた絵画、いかにもな雰囲気を醸し出す古いオルガン、積み重なったボロボロの本、枯れている花瓶の花、ビリビリに破れた新聞紙、何かが入っていそうな錆びついた鳥カゴ、壊れた海中時計、蜘蛛の巣が張っている古いテレビ、微かな風でユラユラ揺れる木馬、何かが出てきそうなキャビネット、気味の悪い三面鏡、火の点いていないランプのロウソク、折れ曲がった風見鶏、こっちを見ているようにも思える大きな望遠鏡、今にも動き出しそうな甲冑の置物、コードでグルグル巻きにされている受話器の外れた黒電話……そこにある全てが彼女を不安にさせた。

    チヒロ(何よ、ここ……ねぇ!!誰か居ないの?!お願い!!誰でも良いから私をこんな所で1人にさせないで!!)

    チヒロは心の中で泣き叫ぶが、そこには不気味なガラクタの山と暗闇、そして孤独と寒気があるのみだった。

    チヒロ(ヤッ!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!!!!ここ嫌い!!暗いの怖い!!!寒いのイヤ!!!!1人寂しい!!!!!)

    チヒロは完全に恐怖で取り乱していた。

    チヒロ(ウタハ!ヒマリ!先生!コタマ!ハレ!マキ!ユウカ!リオ!ネル!モモイ!エイミ!コトリ!ヒビキ!ミドリ!アリス!ユズ!ケイ!ノア!コユキ!アスナ!カリン!アカネ!トキ!スミレ!先生のお兄さん!1人にしないで!!一緒に居て!!!怖いよ皆!!!!お願いだから助けてよ!!!!!)

    心の中で助けを求めて、虚空に向かって泣き叫び続けるチヒロ。その時……

  • 195二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:33:55

    このレスは削除されています

  • 196二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:48:55

    この兄ちゃんの前にゲマ達は当然だけどカヤやシュロと合わせたらどうなるか想像しただけで恐ろしいなぁ・・・

  • 197二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 23:36:30

    ほしゅ

  • 198二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 08:10:11

    (ギィィィィィィ……)
    突如として、眼の前に扉が現れた。そして、そこから誰かが出て来る……
    チヒロ「……ッ!?」
    出て来たのは、おそらく成人の男性と思われる謎の人物だった。彼の見た目は全体的に真っ暗で真っ黒なコート。かなりの高身長で黒い手袋をしており、黒い帽子を被っていた為、顔がよく見えなかった。
    チヒロ「……ッ!!」
    チヒロはその男から得体の知れない恐怖を感じた。
    謎の男「……」
    男はチヒロにゆっくりと近付く。堅い革のブーツが鳴らす足音は彼女の恐怖を増幅させていっった。

    果たしてこの男は一体何者なのか?チヒロはどうなってしまうのか?そして、先生のお兄さんの秘密とは?

    2スレ目に続く……

    もう僕が自分で勝手に次スレ建てる事に決めました。
    このスレにも2スレ目のURLを後で貼っときます。

  • 199二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 08:11:59
  • 200二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 12:33:24

オススメ

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