【オリウマ🎲・SS】デカ牝馬から生まれたチビ競走馬をウマ娘にして走らせる④

13ビッグアルケミスト25/01/31(金) 07:23:26

観戦を終え、トレーナー室の戸締まりをするオッサンに付き添って残った。

二人っきりになったついでに言っちゃおう。

ね、オッサン……ケミ子さん、やっぱオッサンの「凱旋門挑戦」の夢に相乗りしたいよ。

「……今日のレースを見たろ？　日本のウマ娘に凱旋門賞は早いんだ」

でも、みんなでレース観戦してて確信したよ。

あたしが追い求めている、観客と走者が生み出す「ギラギラ」は、凱旋門賞にあるんだ。

「まったく……諦めさせてくれよ。俺だって辛いんだぜ？」

鍵を締めながら言うオッサンの声は、ちょっと期待の入り混じった声色だった！

でも続けて「まぁ、まずはケミ子の復帰レースが終わって改めて話そう。今日はとっとと寝ろ」って切り上げられちゃった。ちぇーっ……。

＊　＊　＊　＊　＊

凱旋門賞、3着となったゲミンガさんは帰国後、すぐに会見を開いた。

そこでゲミンガさんが話したことは、速報で全日本を駆け巡った……！！

《速報　三冠ウマ娘ゲミンガ今期限りでの引退を発表》

【ゲミンガ引退！？　ラストランは……　dice1d5=4 (4) 】

1,2 ジャパンカップで引退

3,4 有馬記念で引退

5　ジャパンC、有馬記念両方に出走予定

14二次元好きの匿名さん25/01/31(金) 15:10:42

まだシニア1年目だけど早くない？

15ビッグアルケミスト25/01/31(金) 18:11:46

「ちょっとゲミンガさんが引退ってどーゆー事！？」
「わ、わらわに聞くでない！　フランスではゲミンガとは別行動だったのじゃ……」

お昼休み。さっそくフランスでタレントのお仕事から帰ってきたアグネスディアボロ――ディアちゃんに問い詰めるルガシィ。
いや、ケミ子さんもびっくりだよ……ね、ようやく復調してきて乗りに乗ってるところじゃん。

「……ところが、そうでもないのですよ」
「うわっ！？　ゲミンガ！　急に現れるでないっ！　心臓に悪いのじゃ……」

ぬっ。と仮面を被った状態で現れたゲミンガさんに驚くあたしたち。
話を聞こうとしたけど「ここでは衆目もありますので」と、人気のない屋上でご飯を食べながら話すことになった。

「事務所の方から、高等部卒業を期に芸能界復帰を打診されていましてね。まずはそれが一点」
「ちょっと、それってオトナの都合じゃん！」
「それだけではありません。当機はすでに、成長のピークが過ぎているのです。受け入れがたいことですが……」

成長したゲミンガさんが芸能界復帰すれば、それこそ引く手あまただろう。
それにレースを走っている以上、衰えからは逃れられない……でも、凱旋門賞で3着だったじゃない。ね？

「……それも引退を決意した理由です。当機は持てる全てを投じて凱旋門賞に挑みました。
　三着という結果でしたが、走り終えた後は晴れやかな気持ちでした。初めて『ゲミンガ』という役ではなく、一人のウマ娘としての『ゲミンガ』になれた気がして……満足したのです」

それに続けてゲミンガさんは「それに三冠ウマ娘という看板を背負っている以上、弱い姿を見せたら盛り上がりません。役者は花があるうちに去らなければね」と続けた。

「……有馬記念が、当機のラストランになります。次の代にバトンを渡すためにも、私は、ゲミンガは舞台から降りるんです」

16ビッグアルケミスト25/01/31(金) 23:22:17

……そっか。

ゲミンガさんの、仮面の下の表情は読み取れない。でも声色は穏やかで、迷っている様子はなさそうだ。

「そんな……一人だけ先にいかないでよ。だったらウチも有馬記念に出る！　ウチが勝ったら、引退を撤回してよ！」

「な、何を言っておるのじゃルガシィ！　お主らしくもないぞ！」

「だって……寂しいじゃん！」

確かにルガシィがこんなに声を上げるのは珍しい。それだけゲミンガさんをライバルとして意識してたんだ。

そんなルガシィにゲミンガさんは、仮面を外し真剣な表情で返す。

「ありがとうございます。でも、負けるつもりはありませんよ。ドゥルガシデンカイ……勝負しましょう」

＊　＊　＊　＊　＊

……って事がありましてね。

と、その日のトレーニング後にオッサンに話してしまうのだった。

「特出した成績を収めたウマ娘は、次代にバトンを渡すために早期引退することもある。

　特に三冠ウマ娘はそうだ。衝撃の英雄、飛行機雲の英傑……。ゲミンガも、彼女らに続くつもりなんだろう」

そうなんだ……結局、ケミ子さんとゲミンガさんは一度も勝負できなかったなぁ。

ダメ元で、並走の依頼とかしてみようかなぁ。

「それはそうとケミ子。お前、放牧から戻って走り方が変わったな。今日の走り込み、以前よりも……」

【ケミ子の走り方が変わった……！？ dice1d3=3 (3) 】

1　以前より前傾姿勢に

2　ピッチ数が上がっている

3　コーナリングが上手に

17ビッグアルケミスト25/01/31(金) 23:53:50

「以前よりも、コーナーでの体重移動がうまく行っている……こりゃ、一度まるまる太ったからだな。怪我の功名ってやつ……痛ッ！？」

こらーっ！　女の子の体重は触れちゃいけないの！　ケミ子さんだって怒るよ！

思わず手を出しちゃったけど、太ってたのはホントだもんね。たはは……。

コーナーでは、むしろ体力を温存できる余裕があるぐらいだ。

「……まあ、今のところケミ子に『前より弱くなった』という印象はないのは凄いな。あとは腹の調子だけ……大丈夫そうか？」

――実は今日のトレーニングの走り込みは、途中で胃痛がして切り上げてきたんだよね。

心は走りたがってるんだけど、身体がまだレースに向けて整ってない。しっかり仕上げていかなきゃ……。

＊　＊　＊　＊　＊

そうして、チャンピオンズカップに向けてのトレーニングが続く。

その間に、ルガシィが挑む天皇賞・秋とジャパンカップが開催された！

ルガシィは屋上で宣言した通り、有馬記念への出走も表明。年末に向けて、レースファンの興奮は加速していった。

【ルガシィの天皇賞・秋　dice1d5=1 (1) 】

1　この距離では敵なし！脅威の追い込みで一着！

2,3 「まくり」戦法が炸裂！　結果は dice1d3=2 (2) 着！

4,5 スローペースの展開に惑わされる dice1d6=6 (6) 着。

【ルガシィのジャパンカップ　dice1d5=3 (3) 】

1　ジャパンカップ連覇達成っ！！

2,3 上がってきたのは……あのダブルティアラのウマ娘！？競り合いになり dice1d5=4 (4) 着！

4,5 躍進する海外勢、高速バ場に対応され窮地！　dice1d7=1 (1) 着！

18ビッグアルケミスト25/02/01(土) 07:26:23

ルガシィの秋初戦、天皇賞・秋。

かつて日本を沸かせた単騎大逃げ――それを再現せんと飛ばしたウマ娘の影響で、前半1000m57秒台のハイペースとなった！

しかしこのハイペースを読んでいたルガシィは第三コーナー中盤から「まくり」を使い、最終直線で二位争いの集団まで追いつき、そこから更に末脚を伸ばす！

先を追ったウマ娘たちがバテバテになる中、ルガシィは二着に dice1d2=1 (1) バ身つける勝利で、G1レース3勝目を挙げたんだ。

そして連覇のかかったジャパンカップ。

天皇賞・秋とは打って変わってお互いをマークし合うスローペースの展開となり、ルガシィには厳しい展開となった。

前走と同じタイミングで「まくり」を使うも、全体がそれに合わせる形で加速して抜け出すことができない！

そんな中、前につけていたルガシィのライバル、同期の桜花賞・オークスを勝利したダブルティアラのウマ娘が先頭集団に！　写真判定の結果、クビ差で彼女の勝利が確定したのであった！

なんとかルガシィも最終直線で追い上げたけど、4着にねじ込んだところでゴール。クラシック級のライバルに、リベンジを果たされる結果となった。

＊　＊　＊　＊　＊

12月。

年末にはゲミンガさんのラストランとなる有馬記念に、ワイルドハントが目標に掲げてきたホープフルステークスが開催される。

でもその前に――初週。今週末が、あたしの復帰戦・チャンピオンズカップとなる。

金沢からいちばん近い中央のレース場なので、両親がはじめてレース観戦に来るそうだ。うわぁ、緊張する。

前日入りして、名古屋駅でお父さんが運転する車と合流した。

「娘がお世話になっています」

「いえ、こちらこそお嬢さんを預かり光栄です」

……なんて、初対面のお父さんとオッサンが挨拶してたっけ。

そういえばお父さんたち、お昼ごはんまだ？　だったら名古屋名物のアレ食べに行こうよ。台湾ラーメン！

【ラーメンを食べる描写で、因子継承率 dice1d10=8 (8) %上昇】

19ビッグアルケミスト25/02/01(土) 16:05:54

お父さん、お母さんが名古屋に前日入りしたのは、単にご飯を食べるためだけじゃない。

あたしの進路について、意思を伝えるためだ。

ラーメンを食べた後、喫茶店に移動してオッサンを交えて話し合う。

「こかげ。来年も走るということは、家には戻ってこないんだな」

「……でも、こかげちゃんが自分のしたいことをできていて、お母さんは嬉しい。あなたには迷惑をかけたから……」

トゥインクルシリーズを続けながら、東京の大学に進学すること。

そのために、東京で部屋を借りて住むことも大丈夫だってさ。ただ……。

「でも、辛いならいつでも帰ってきていいんだからね？　こかげちゃんがとてもつらい思いをしたの、知ってるんだから……」

そうお母さんは言ってくれた。あたしがドバイWCの後に、病気で『放牧』に出されてたのはみんな知っている。

でも、その時に家に帰ってたら……あたしはきっと、レースに戻ってこれなかったと思うんだ。

オッサンが代わりに自動車教習を勧めてくれたことは、今思えば大きなターニングポイントだったなぁ……。

――大丈夫だよ、お父さん、お母さん。明日は必ず完走する。できれば……一番先に！

【チャンピオンズカップ　当日の天気】

天気： dice1d10=8 (8) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9雨　10雪】

バ場： dice1d10=6 (6) 【1～6 良 7,8稍重 9重 10不良】（アイテム効果で良バ場の確立上昇）

枠順： dice1d16=15 (15) 番

20ビッグアルケミスト25/02/01(土) 22:06:19

【久々に両親と会った！　気晴らし度　dice1d100=48 (48) 】

＊　＊　＊　＊　＊

そして当日。

半年ぶりに袖を通す勝負服はすっかりクリーニングされ、あの汚れを感じさせることはない。

タクティカルグローブを握って閉じて……ブーツも、蹄鉄も問題ない。

――よしっ。いける。ね、オッサン？

「チャンピオンズカップは、中京ダート1800mのコースだ。スタンド前をスタートして一周してくるコースだが、最初と最後、急坂を登ることになる。ケミ子のパワーなら攻略可能なはずだ」

うん。でもそれだけじゃ足りない。オッサンもっとあたしのこと褒めてよ！

「なんだガキかお前は？　だが……いいぞ。今のケミ子には、ドバイのときには無かった余裕がある。

　フェブラリーステークスからは明らかに成長している。特にコーナリングは凄まじい成長だ。

　俺の愛バ、ビッグアルケミスト。今日はお前がチャンピオンだ。外枠なんて気にせず、いってこい」

――ぷッ。なにそれ、プロポーズみたい。でも、ありがと。

あたしはニッと笑って、控室を出てパドックに向かった！

21ビッグアルケミスト25/02/01(土) 23:41:45

《除外に終わったドバイの苦渋。7ヶ月の時を経ていよいよ今日、再生する！

　運命にだって反逆する錬金術師、ビッグアルケミストが姿を表しましたっ！　パドックを見守る観客からは拍手が巻き起こります》

パドックに出た瞬間、ものすごい拍手で迎え入れられた……！

みんなの「おかえりーっ！」「会いたかったぞー！」「戻ってきてくれてありがとー！」って声が聞こえてくる。

今までパドックでは自分のことで頭がいっぱいだったけど、こんなにもファンの人がいてくれてたんだ。嬉しいな……！

「あっ、こかげちゃーん！」「こかげーっ！」

「「……えっ？」」

そんな中、あたしに幼名の「こかげ」で声をかけてきたのは、あたしのお母さんとビッグビッグビッグ――ビビさんだ！

そういえばビビさんも、チーム＜エダシク＞の子が同日の条件戦に出走するから、旦那さんと応援に来るって言ってたっけ。

「あの……娘が、お世話になってます？　ええ……」「こ、こっちこそお世話になってます……！」

お、お母さんとビビさんの動きが完全にシンクロしてる！　並んでみると、背丈とか体格とか違うけど、雰囲気がそっくりかも？

そりゃ、あたしの幼名を知ってるなんて只者じゃないし、そうもなるか……！

――さて、放牧明けということもあり、ケミ子さんの人気は3番人気にとどまっている。

1番人気はフェブラリーSの勝利ウマ娘（ dice1d16=2 (2) 番）。2番人気は、昨年レパードSで戦ったウマ娘（ dice1d16=13 (13) 番）だ。

（※被った場合は後者に+1）

22ビッグアルケミスト25/02/02(日) 07:27:58

《新旧役者揃い踏み、ダート戦線終盤戦・チャンピオンズカップ！　師走を告げるファンファーレが、中京レース場に響き渡りました》

――きり、きり。

ゲート前、胸元がざわつく。でも今となってはこの胸のざわめきも心地よい。ようやく帰ってこれたんだ、って気分になる。

一時期はゲートの前に立つことすらままならなかった。

でも、レースの向こうに見える「ギラギラ」探求への好奇心は、抑えられないんだ。

ゲートの中、勝負服の胸元をギュッと掴んで深呼吸する――よしっ。大丈夫！

《15番ビッグアルケミスト、ゲート内で落ち着いた様子を見せています。

　その横に16番まもなくゲートイン完了して、12月最初のGⅠレースのゲートが……今開きましたっ！》

・常時スキル：差しのコツ【発動！】/良バ場○【発動！】/自制心【発動！】

・ペース dice1d2=1 (1) 【1ハイペース 2スローペース】

・スキル：円弧のマエストロ(強化!) / 快速 dice2d3=2 2 (4) 【1,2で発動！ 3で不発……】

・中盤 dice1d10=9 (9) 【数字が大きいほどうまくいく！偶数で周囲にプレッシャー！】

・末脚 dice3d6=6 1 1 (8) 【数字が大きいほど加速！ 10以上で末脚爆発！】(強化!)

・固有スキル『スイッチ走法』 3 + dice1d5=1 (1) 【10に近いほど末脚が更に強化！】

23ビッグアルケミスト25/02/02(日) 12:39:12

ゲートはちょっと出遅れた……！？　でも、最初の登坂は楽々登れるからプラマイゼロって所かな！

でも外枠だから、他のウマ娘よりも長い距離を走ることを要求される……まずは気をつけながら、内ラチ沿いを目指す。

《先行したのは３番、逃げに最善の枠を引当て、ダートGⅠ連覇にはずみを付け先頭を取ります。

　下り坂を使って伸びる、伸びる、これは見るからに早いぞ～っ！　果たして前半のタイムはいくつになるか！》

コーナーを曲がると先頭が見える。これはすごいハイペースで縦長の展開になっているのでは！？

でも油断は禁物……あたしの勝負は後半になってからなんだから。向正面に入って、ジリジリと位置取りを調整する。

フェブラリーSでは垂れウマ娘を交わすのに手間取って一着を逃した。でも、この縦長の展開なら前が詰まることはないはず……！

《さあ先頭は第三コーナーに差し掛かっているぞ！　先頭は3番キープ、それを追って13番も追いつき始めている。このペースに後続はついてこれるのか！？

　15番ビッグアルケミストは中段っ！　錬金術師、復活するのか！？》

よしっ……最終コーナーを内ラチ寄り、1人分の感覚を開けて入ることができた！

これで前が垂れてきても楽に交わせることができるはず……！　でも、脚が重い？　末脚が……伸びない！？

くっ、やっぱり7ヶ月――いやドバイは実際走ってないから9ヶ月のブランクは長かったか！

でも前だって垂れてくる……よしっ、今できる限りのことを！　歩幅を伸ばしてストライドを広く！　届け、届け！！

dice1d10=3 (3)

1,2 《ビッグアルケミスト復活っ！　ビッグアルケミスト復活っ！　一着ぅぅぅッ！》

3～5《飛んできたのはビッグアルケミストっ！？　先頭に並んで…… dice1d2=2 (2) 着ッ！》

6～9《逃げ切るのか！　しかし後ろから差すのはビッグアルケミスト！ dice1d5=5 (5) 着に捩じ込みました！》

10　《ビッグアルケミスト、ここは dice2d4=2 3 (5) 着。しかし復活の兆しを見せる素晴らしい末脚でした》

24二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 12:45:31

うーん
よく頑張ったけどやっぱり勝って欲しかった……

25ビッグアルケミスト25/02/02(日) 15:52:00

《ビッグアルケミスト飛んできた！　しかし先頭とは１バ身ついている！

　追い抜くか、追い抜くか！？　両者並んでゴールぅ――っ！！　混戦でしたが、わずかに逃げ切っているように見えました》

全力で、できる限りの末脚を伸ばした。でも……リードが開きすぎていた。

ああ、抜かしきれなかったなぁ。１着は dice1d3=1 (1) 【1:1番人気 2:2番人気 3:低人気の大穴】の子だった。

悔しいなぁ。でも、あたしが放牧に出てる間に、周りもきっちり強くなっていたんだから、負けるのも当然か。たはは……。

「お疲れ様～！」「まだまだいけるじゃないか！」「復帰でこれなら次はいけるぞ！」「次も応援するからな～！」

でも、地下バ道を通って戻る前、観客のみんなに声をかけられたんだ。

暖かい声援に、柄にもなく目頭が熱くなっちゃった……ゴシゴシと袖で涙を拭いながら地下バ道を通っていくと、検量室前でオッサンが待っていた！

「お帰り、ビッグアルケミスト。いい顔してるじゃねぇか」

うっさい。砂が目に入っただけだもん。

でも……ただいま。あたし、ようやくレースに帰ってこれた！

【ビッグアルケミストの覚醒　47 + dice1d50=2 (2) / 100（累計100以上で“？？”に目覚める）】

26ビッグアルケミスト25/02/02(日) 18:22:30

ウイニングライブ終了後、控室には両親が挨拶に来た！

たはは……。あたし、二着だったよ。カッコ悪いところ、見せちゃったかな？

でも、お父さんもお母さんも、無事に走りきったことを喜んでくれた！　二人とも、気を付けて帰ってね。

「ではトレーナーさん。こかげを……ビッグアルケミストをこれからもよろしくお願いします」

「年末はみんなで帰ってきてね。美味しいおそば作って待ってるから！」

うん。ハントのホープフルステークスもあるし、できれば祝勝会もしたいよね！

そうして両親を見送った後、入れ替わりで入ってきたのはビッグビッグビッグさん――うわぁっ、いきなり「ぎゅー」って抱きつかれた！！

「わーんっ！　こかげちゃんお疲れ様ぁっ！　ずっと泣きっぱなしだったよぉ……！」

「おいおい奥さん。ケミ子はあんたの子どもじゃないんだぜ？」

「ぐすっぐすっ……おそらくなんですが、私はビッグアルケミストのお母さんですっ。記憶はないけど、いつの間にか産んだみたいっ。そうでないと説明がつかないくらい、姿をみた瞬間から止まらない涙……！　あなたの駆ける勇姿でさらに大号泣！！　これはもう私がビッグアルケミストを産んでないと説明がつかないのっ！」

むぎゅー……っ！！　おっぱいに、おっぱいにつぶされる！！　ビビさんっ、ギブ、ギブ！！

ともかく、あたしの復帰戦は最上とは行かないけど上々って感じで終わったのであった。

【因子継承！】

dice1d2=1 (1) 【1:史実父オルフェーヴル　2:史実母ビッグビッグビッグ】の因子継承率が

dice2d30=18 27 (45) % 上昇した！

27二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 18:24:33

前田玲奈のアレで草
でもあながち間違ってはいないんだよな……

28二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 21:08:17

パンサラッサの母ｗ

29ビッグアルケミスト25/02/02(日) 22:24:17

【史実父オルフェーヴルからの因子継承率が　113%になった！（イベント待ち！）】

～ファンレターへの返信（※メタ視点）～

>>12　>>14

ゲミンガさんの凱旋門賞3着、そして引退宣言……衝撃だったね。

オッサンが言ってた通り、次代にバトンを渡すために早期引退するっていうのが大きいみたい。

……あたしも行けるかな。ロンシャンに。

>>24

チャンピオンズC後のファンレターだ！　しっかり走ったのは9ヶ月ぶり。ただいま……！

復帰戦で1着はさすがに無理があったかな？　でもファン数（収得賞金）も増えたし、このまま次レースでも頑張るよ！

（※ちなみにスレの進行で言うと、ケミ子のフェブラリーSが12月末だったのでほぼ1ヶ月レースに出てませんでした）

>>27　>>28

まったくビビさんったら。ビビさんはボワオンブラージェちゃんのお母さんなのにね。あ、そのボワちゃんは旦那さんが面倒見てたんだって。

それにしても、ケミ子さんのお母さんと意気投合してたみたいだし……やっぱりビビさんにはお母さんに近い何かを感じる！

＊　＊　＊　＊　＊

（※ケミ子のファンの描写があったので、ケミ子ファンの傾向を振ってみます）

・男女比　dice1d100=40 (40) （小さいほど男性人気、大きいほど女性人気）

・ファン層　dice1d100=74 (74) （小さいほどライト層、大きいほどコアなレースファン）

・そういう目で見られてる度　dice1d100=98 (98) （大きいほどそういう目で見てる人がいる）

>>35

30二次元好きの匿名さん25/02/02(日) 22:49:52

大半ダメなほうじゃねーかw

31ビッグアルケミスト25/02/03(月) 07:25:19

帰りの新幹線の中、ビール缶を開けたオッサンの隣で……いよいよ、あの話を切り出してみる。

ねぇオッサン。あたしの走り、どうだった？　ギラギラしてた？

「ああ……だが、相手も同じくらい成長していた。レース感が戻ってない分、上を行かれたが次は大丈夫だろう。次走は東京大賞典となるか……感覚が短いが、いけそうか？」

待った。

あたしさ……やっぱり目指したいんだ。世界のテッペン、凱旋門賞。

こんなちっちゃいウマ娘だけど、レースへの憧れが止まらなくて、半年以上かけて復帰しちゃうほどに焦がれてる。

改めて言うけどさ、オッサンの夢に相乗りさせてよ。あたしを、ロンシャンに連れてってよ。

「……まったく、復帰して気が大きくなってやがるな？　まあケミ子の走りなら、芝レースでも使えるのは確かだ。

　だが、いいのか？　今までダートレースで培ってきたものを一度ぶん投げることになるぞ？」

うん。オッサンがあたしと契約したときに「腹をくくる」って言ってくれたように、あたしも腹をくくる。

――そんなあたしの視線を見たオッサンは、缶ビールをごくごく飲んで……ため息の後、重い口を開いた。

「……俺はURAにいた頃『プロジェクトL'Arc』に参加していた。そのプロセスを、これからのトレーニングに応用する。

　今のケミ子は完全にダートレーサーだ。だからまずは、芝のレースで実績を立てる。次に目指すレースは……」

【オッサンが提示した芝のレースは……！　dice1d3=1 (1) 】

1　京都記念

2　中山記念

3　大阪杯

【東京大賞典の取捨選択】（大きい方を採択）

・出れるなら出る　dice1d100=53 (53)

・流石に感覚が短い dice1d100=46 (46)

32二次元好きの匿名さん25/02/03(月) 15:29:15

ガチ悩みだなぁ

33ビッグアルケミスト25/02/03(月) 18:04:04

「ケミ子がまず目指すべきは……G2、中山記念。芝1800m。マイル・中距離の実力者が春シーズンの始動に使ってくる『スーパーG2』だ。

　そこから大阪杯か宝塚記念を経て渡仏し、フォワ賞、そして凱旋門賞に挑む……ざっとこんなプランだな」

なるほどなるほど……そこまで言ってくれるってことは、オッサンはケミ子さんを凱旋門賞に……！

「すべて順調に行けば、の話だ。まずは目先の、東京大賞典でしっかり成績を出さないとな。

　昨年の勝利ウマ娘が日和って逃げてるようじゃ、凱旋門賞なんて夢のまた夢だぜ？」

ぐぬぬ……そうだね。チャンピオンズCから東京大賞典の間隔はだいたい３週間で、短いけどいけない間隔じゃない。

なにせ昨年のスプリッツァナガンさんと同じローテだもんね。いいよ、いってやろうじゃん東京大賞典！

「そんじゃ……改めてよろしく頼むぜ、ビッグアルケミスト」

そういって手を差し出してきたオッサンと、がっしり手を組んで握手をしたのだった。

こっちこそよろしく、オッサン……いや、トレーナーさん。

【育成目標が『凱旋門賞に出走』になった！】

＊　＊　＊　＊　＊

さぁ、ここからは大きなレースが続くね。ホープフル、有馬記念、そして東京大賞典だ。

でもその前にケミ子さんにはやることがある……そう、大学の推薦願書の提出だ。

ケミ子さん、実は意外と勉強はできるから、推薦枠はバッチシ！　でも、ここで文系か理系かを選ばないといけないんだよねぇ……。

【ケミ子、大学へ！　願書を出す学部は…… dice1d2=2 (2) 】

1 文系　2 理系

34ビッグアルケミスト25/02/03(月) 22:10:21

「ケミ子、願書書いてるの？」

夜の寮の部屋、ルームメイトのルガシィが、机に向かうあたしの手元を覗いてきた。

「うわ、ケミ子リケジョになるん？」って……内容読まれちゃったし。そういうルガシィはもう出したの？

「ウチはもう出したよ。ウマ娘インストラクターの資格取れる短大。

　地元のリッツァも同じ短大に来るって言うから、シェアハウスしよ、って話してんだ。

　ゆくゆくは、ウチとリッツァで地元に新しいクラブを立ち上げたいんだよね」

ふーん……ルガシィ、そこまで考えてるんだ……。

ケミ子さんには、ちょっと先の事過ぎて考えられないや。たはは……。

――よし。気合い入れて、願書の清書をしよう。そういってケミ子さんは、机の中から桐の箱を取り出す。

その中から出したのは、お父さんに貰った金の蒔絵のボールペンだ。

名前：ビッグアルケミスト

進路：大学進学

希望学部：理学部　……っと

金箔の冷たい感覚が、指先に心地よい。

お父さん、あたしようやく、このボールペンに見合うウマ娘になれたかな……？

【史実父オルフェーヴルからの因子継承率が　113%になり、因子を継承！】

【洋芝適性が B→A になり、所有しているスキル一つをレアスキルに進化！ dice1d2=2 (2) 】

1:良バ場○ → 良バ場の鬼　2:快速 → 神速

35◆Jy0yDuvQzw25/02/04(火) 07:22:31

>>29　ビッグアルケミストのファンの反応集

・ちっちゃいのにがんばっててすごいです！（女性・10代）

・芝でも勝っているのが何気に凄い。まだまだ楽ませてくれそう（男性・40代）

・かわいそうは、かわいい。寝起きドッキリしたい（女性・20代）

・あの末脚には、オルフェーヴルとビッグビッグビッグを思い出させる何かがある（男性・50代）

・俺でも彼女にできそう。あわよくば俺でも【検閲済み】そう（男性・30代）

（※朝の保守です）

36二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 09:37:34

俺でも彼女にできそう。あわよくば俺でも【検閲済み】そう

もしかするとこのコメントは俺が送ったのかもしれない

37ビッグアルケミスト25/02/04(火) 18:31:59

12月後半、いよいよ今週末がホープフルステークスと有馬記念だ。

チーム＜エダシク＞から次女ワイルドハントがホープフルSに、そしてゲミンガさんのラストランとなる有馬記念が2日連続、中山レース場で開催される。

ケミ子さんも来週末が東京大賞典だけど、トレーニングを午前中で終わらせてオッサン・せがれ君と一緒に応援に行くよ！

【ホープフルS　当日の天気】

天気： dice1d10=5 (5) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9,雨 10雪】

バ場： dice1d10=10 (10) 【1～4良 5～7稍重 8～9重 10不良】

＊　＊　＊　＊　＊

中山レース場はすっごい人だかり！　障害レースの中山大障害も同日開催だから尚更かぁ……。

周りの人が大きすぎて、前が見えない……っ！　くぅ……かくなる上は！　せがれ君、肩車！！！

「えっ！？　僕が！？」なんて言ってないで、ほら早くしゃがんで！　パドック始まっちゃう！

（ううっ……ケミ子ちゃんのふとももが……！）

《さあ、来年の一等星となるべく、新星たちが中山レース場に集まりました！　障害レース大一番、中山大障害の次はホープフルステークスです。

　さあ見えてきましたのは、見事なバ体。ここまで2戦を無敗で制したワイルドハント。姉にはG1級2勝のビッグアルケミスト。年末は姉より先に金星を挙げられるか！？》

【ワイルドハントの勝負服！】

・見た目　dice1d3=1 (1) （1:北欧風狩猟服　2:コートの軍服　3:ピアノ柄のドレス）

・メインカラー　dice1d11=2 (2) （1赤 2青 3黄色 4緑 5紫 6ピンク 7黒 8白 9グレー 10茶 11水色）

・露出度　dice1d100=42 (42) （小さいほどマイクロビキニ）

38ビッグアルケミスト25/02/04(火) 22:25:00

ワイルドハントの勝負服は、中世の狩猟服を現代風にアレンジしたもの！　もちろん、彼女のチームの女房役で、勝負服テーラー、ビッグビッグビッグさんお手製の勝負服だ。

ファーのアクセントが所々にある北欧風だね。生地は落ち着きのある紺色で、胸元にはフリフリのネクタイをしている。クラヴァットっていうんだって。

下半身はチェックのミニスカートで、健康的な太ももがあらわになっている。そして背中には、モデルガンの猟銃を背負っているね。

「ワイルドハント」、それはヨーロッパに伝わる伝説。退寮の亡者による狩猟――。それを体現した勝負服だ。

「ケミ子ちゃん、もういいかなっ……限界っ」

うん、せがれ君ありがとっ！

……あっ。今のあたし、せがれくんにめっちゃ密着してなかった！？　肩車だよ肩車！？

自分でやっといてアレだけど、冷静になってすっごく恥ずかしくなってきちゃった……。

「ははは。ケミ子、顔が真っ赤だぞ。そしてどうだったよ、ケミ子のトモは」

「その……や、柔らかくてっ……痛ッ！？」

わーわーわー！　この話おしまいっ！　客席に移動するよ！！！

＊　＊　＊　＊　＊

《さあ、中山大障害の興奮冷めやらぬ中、ターフに姿を表したのは若駒たち！　来年のクラシックを担うウマ娘たちが、ジュニア級王者の座を争って出走です！　ホープフルステークス、枠入りが進んでいます》

中山レース場は寒波に伴う降雪が昼間溶けて、ぐちゃぐちゃにぬかるんでいる不良バ場だ。

スタンド前を通って一周してくるコースは、開催期間の後半だけありかなり傷んでいる……これは半分ダートみたいなものでは？

でも……ワイルドハントがあたしの妹なら、このバ場だって大丈夫なはず！　いけっ、ワイルドハントっ！

【ワイルドハント　ホープフルステークスでの調子！ dice1d10=9 (9) 】（大きいほど絶好調！）

39二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 23:02:13

調子は良さげだけどジュニア級のウマ娘には厳しいバ場状態
無理なく完走して欲しいところ

40ビッグアルケミスト25/02/04(火) 23:23:37

《今スタート、おっと6番出遅れたか！　バラけたスタートとなりました。未来のスターたちが、観客の前を過ぎて第一コーナーへと向かいます》

「そういえば、ケミ子の妹の装蹄は、お前が担当したんだっけか」

「うん。エクイロックスを使った接着装蹄。この不良バ場で、接着がとれないといいけど……」

オッサンとせがれ君の会話を聞いてる間に、バ群は向こう正面へ。不良バ場を確かめながらのレースとなり、縦長の展開にもかかわらず時計はかなり遅い。

ワイルドハントは……いた。中段やや前め、先行にしてはやや後ろの位置、内ラチ沿いを確保している。そのまま第三コーナーに差し掛かるが、徐々に内ラチ沿いは荒れていく。

だが……ハントは退かない！　他のウマ娘が大外を回るのに、荒れた不良バ場の内ラチ沿いをキープして突き進む！

《なんとワイルドハントいつの間に、先頭争いに加わっている！　内ラチ沿い、飛沫を上げてただ一人突き進んでいる！》

「あれは……！同じ中山2000m、皐月賞でゴールドシップが見せた“ゴルシワープ”の再現か！」

オッサンが身を乗り出す。内ラチ沿いを進んだおかげで、いつの間にか先頭を切っていたワイルドハント！

しかしここからゴール前の急坂、そして後方からは外側の傷んでいないバ場を突っ切ってくる差し・追い込み勢がきている！

ハント……このままいってしまうの！？

dice1d11=11 (11)

1～4《ワイルドハント独走っ！　内ラチ沿いを突っ切ってゴールっ！！　ジュニア級王者、ワイルドハントです！》

5～8《後方から強襲っ！　先頭ワイルドハントとの先頭争い！　dice1d2=2 (2) 着はワイルドハントだっ！！》

9,10《ワイルドハント、坂に足を取られ減速しているっ！　後続の強襲に耐えられるか…… dice1d5=1 (1) 着でゴールっ！》

11 ファンブルダイス（足元にアクシデント発生）

41二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 23:25:10

なんでダイスは地雷を踏み抜くん…？

42ビッグアルケミスト25/02/04(火) 23:48:08

（※なんでいっつも色気を出すと踏んでしまうんじゃ……）

＊　＊　＊　＊　＊

《先頭ワイルドハントっ、先頭ワイルドハント……おっと減速しているっ！　ワイルドハント失速！

　ここで先頭が入れ替わる、入れ替わってゴールインっ！　ワイルドハント、ここは dice2d4=1 3 (4) 着となりました》

ワイルドハントが坂の途中で、心配な失速をしている！

ゴールの後、表情に痛がっている様子はない……何が起こったの！？

「……あれは、落鉄だ。見ろ、ゴール後に足元を確認している」

「そんな、こんなところで落鉄だなんて」

装蹄のアドバイスをしたせがれ君の落ち込み具合が尋常じゃない……責任を感じちゃってるんだ。

ワイルドハントのはじめてのGⅠ勝利は、アクシデントによって手からこぼれ落ちていった。

＊　＊　＊　＊　＊

「はぁ……っ。無茶な走りをしすぎちゃった、かなぁ……」

ウイニングライブ後、3人で控室を尋ねた。

ハントは涙で顔を赤く腫らしたあとがある……けど、今は落ち着いているみたい。

ますはお疲れ様、ハント。今日は運がなかったと思う他ないよ。

「ううん。荒れた内ラチを行くっていう賭けに出たんだもん。リスクと隣合わせだったから……。

　でも……悔しかったなぁ。悔しかったよぉ。お姉ちゃん……っ！」

再び込み上げてきた涙……よしよし、お姉ちゃんが「ぎゅー」してあげるからね。

43ビッグアルケミスト25/02/05(水) 06:38:43

そうしてホープフルステークスが終わり、いよいよ明日が有馬記念だ。

夜……明日、有馬記念に出走するルームメイト、ルガシィが早めにベッドに入った。

そろそろケミ子さんも寝よ……ってときになって、ふと思い出したことがあって、ルガシィに聞いてみる。

――そういやルガシィさ、ゲミンガさんにレースを辞めてほしくない理由ってあるの？

「……ん。恥ずかしい話だけどさ、ウチ、ゲミンガさん……ってか、子役の『ニューちゃん』のファンだったんだ」

ニューちゃん、とはゲミンガさんの子役時代の通名だ。彼女はかつて、最年少での紅白歌合戦出場もしたことがある、天才子役だったんだ。

なるほどね……っていうことはもしかして、あたしやディアちゃんを時々変な目で見てたのって……。

「あは、気づいてた？　あれは……子役のニューちゃんに似てるところがあるな、って考えちゃってつい、さ。

　ファンだからこそ、ずっと追っていたい。でも彼女の意思も尊重したい。だから……ついあんなこと口走っちゃったんだ。

　ウチのワガママだよ。ゲミンガさんはとっくに大人になってるのに、ウチは天才子役に憧れた、チビっこのままなんだ……」

……そっか。でも、自分の気持ちをしっかり言葉にできるのも、すごく大人だと思うよ。

「そうかな？」とベッドの中から言う声に、「うん、だからきっと、ゲミンガさんにも勝てるよ」と返した。

それじゃ……おやすみ。明日は、頑張ってね。

【有馬記念　当日の天気】

天気： dice1d10=5 (5) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9,雨 10雪】

バ場： dice1d10=6 (6) 【1～4良 5～7稍重 8～9重 10不良】

＊　＊　＊　＊　＊

（※本日と明日、帰宅が遅くなるため保守のご協力お願いします）

44二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 13:39:53

有マ記念と東京大賞典、二人とも頑張れ〜
ケミ子は受験も頑張れ〜

>>46 >>50

45二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 17:02:10

お疲れ様です

>>46

46ビッグアルケミスト25/02/05(水) 19:46:41

>>44 >>45（※保守ありがとうございます！）

＊　＊　＊　＊　＊

一夜明けた中山レース場、ホープフルSが行われた昨日からは持ち直したものの、曇天が続きバ場は「稍重」になるにとどまった。

年末の大一番、有馬記念だけあり、中山レース場は満員御礼。そんな中、ケミ子さんがどこにいるかというと……。

「母上、こちらがビッグアルケミストじゃ！　わらわの友人なのじゃ！」

「こうして面と向かって合うのは初めてね。娘のディアがお世話になっております。おねしょのお世話もしてもらったとか……」

「ぴーっ！　そうじゃが、そればっかりじゃないのじゃーっ！」

ぴしっと決めたスーツ、胸元に光る議員バッジ、そして未だに20代に見えるキレイな芦毛の美魔女っぷり！

この人こそ、ディアちゃんのお母さんで衆議院議員、こども家庭庁担当副大臣・アグネスチャンプル議員……！

そう、ケミ子さんはディアちゃんに連れられて、スタンド4階・来賓席に通されていたのだった！　ホントにいいの！？

「わらわは親の七光りが嫌いじゃが、友人のためだったら何色にでも光ってやるのじゃ」

「意地を張っちゃって……。今日出走するゲミンガさんは、私がアイドル時代に世話になった芸能事務所の後輩。彼女のトレセン学園入りの計らいをしたのも私ですし、彼女のラストランは、しっかり見届けないとと思ったんです」

そうでしたか……。では、不束者ですがご同席させていただきます……っ！　ふぅ、緊張するぅ……。

＊　＊　＊　＊　＊

パドックまで少し時間がある。それまでに、ディアちゃんに気になってたことを聞いてみる。

ディアちゃんさ、どうしておねしょのこと、世間に公表したの？　あんなに隠したがってたじゃん。

「む、それか……まあ、一言で言えば『けじめを付ける』ためじゃな」

47二次元好きの匿名さん25/02/05(水) 22:13:57

ケジメかぁ

あとディアちゃんのおねしょって流石に治るよね？

48ビッグアルケミスト25/02/05(水) 23:06:33

「わらわは来年から留学するが、ホームステイ先には迷惑をかけることになる……理解してもらうためにも、おおやけにしておく必要があったのじゃ。

　それに……わらわのおねしょは、レースを走っていた証のようなものなのじゃ。恥じたら『私』に失礼なような気がしての。

　実は、1年ほど前から準備しておったのじゃぞ？」

「最適な企画がないか、いろんな省庁にかけあったんだから。ママけっこう頑張ったのよ？」

「うむ、やはり母上にワガママを言った甲斐があったのじゃ！」

ディアちゃんは「親の七光りは嫌い」なんて言ってるけど、実はけっこうお母さん大好きっ子なんだ。

なーんて言ったら「そんのことないのじゃ！！」「そんなこと言って、ママのこと好きでしょ？」「むーっ！」って親子でイチャイチャし始めた。やっぱり大好きじゃん。

おっと、パドック始まるよ！　画面見てっ！

＊　＊　＊　＊　＊

《さあ、一年の総決算。師走の祭典、グランプリレース有馬記念。中山レース場パドックよりお送りしています。

　今年はクラシック３レースをそれぞれ分け合ったルーキーたちが大集合。

　迎え撃つは昨年度覇者にして、この有馬記念をラストランの舞台に選んだ三冠ウマ娘・ゲミンガ。

　さらにグランプリ連覇を狙う宝塚記念勝者に、秋の盾を手に入れたドゥルガシデンカイと、大物が出走っ！》

さすが有馬記念、G1ウマ娘が続々を姿を表す。

ゲミンガさんは仮面を脱いで、神妙な面持ちでパドックを歩く。それをルガシィがじっと見つめている様子が映った。

やっぱり意識しているんだ……。ディアちゃんは、気になる子いる？

「わらわはクラシック級の時は『シルバーコレクター』と呼ばれておった。じゃから、勝つに勝ちきれぬ者がおると応援したくなる。特にこの、 dice1d16=14 (14) 番のウマ娘じゃ」

《観客を惑わす魅惑のベルベット、黒く光る勝負服は今日こそテッペンを取るために。クラシック戦線のライバルに、今日こそ土をつける時。ボタニカパラレラです》

49ビッグアルケミスト25/02/05(水) 23:31:33

褐色肌のウマ娘、ボタニカパラレラ。話を聞くと既にG1レースで2着2回、3着2回という見事なシルバー＆ブロンズコレクターだそうな。

ケミ子さんも、ダート三冠に挑戦する前はそんな感じだったもんね……彼女にも注目しておこう。

「じゃが、やはり注目はゲミンガとルガシィの直接対決じゃ。荒れた内ラチ沿いを嫌って、皆大外に回ってくるじゃろう。それを追い込みの両名がどう捌くか、それが勝負の分かれ目じゃ！」

（※ボタニカパラレラちゃんは、こちらのシリーズより設定をお借りしております。ありがとうございます）

主要メンバー設定リンク及び注意事項 | Writening最初に# 設定の使用に際して、以下の注意点を熟読した上、マナーを守ってご使用ください・過度なキャラ改悪はお辞めください(酷く悪口を言ったり、特定キャラにイジメ行為をする等) ・既存ウマ娘、又、他人…writening.net

＊　＊　＊　＊　＊

《年末の祭典がまもなく発走。ラストランとなるゲミンガは、果たして花道を飾るのか、引導を渡されるのか……》

そしていよいよ枠入りだ。有馬記念の発走は外回りコース、第三コーナー前からになる。ゆえに、すぐにコーナーを攻めないといけなくなる外枠は不利とされている。

だが、過去にはそこから2着にねじ込んだ猛者もいる。さぁ……まもなく発走だ。

「ううっ……わらわのほうが緊張してきた。おトイレいきたい……」

えっ、今！？　あと3分ちょっとで結果がわかるから、それまで我慢！！！

ほら、大外枠のウマ娘がゲートインするよ！

《さあ、試練の枠16番にゲートイン、曇天の寒空のもと……今年最も熱い2分30秒が幕を開けるッ！！！》

【ゲミンガの調子　3 + dice1d7=3 (3) （数字が高いほど絶好調！　“領域”持ちのため固定値追加】

【ドゥルガシデンカイの調子　dice1d9=1 (1) （数字が高いほど絶好調！　連戦のため最大値減少）】

50ビッグアルケミスト25/02/06(木) 06:55:47

～ファンレターへの返信（※メタ視点）～

>>30 >>36

うそ……ケミ子さんのファン、ガチ恋勢多すぎ……！？

ナイスネイチャ先輩みたいな「距離の近さ」みたいなのがあるのかな、たはは……。

>>32

いやぁ……東京大賞典は迷ったねぇ。

でも近年では、間隔が２～３週間のヴィクトリアマイルと安田記念を連覇したウマ娘もいるし、頑張ってみるよ！

次の京都記念までもちょっと間隔が開くし、頑張って走らなきゃ、だ！

（※33スレ目では「中山記念」へ出走となっていますが、京都記念の間違いでした。申し訳ありません）

>>39　>>41

あのっ……ワイルドハントです。勝負服もお披露目したんだけど……残念な結果になっちゃった。

お姉ちゃんの彼氏さんには、レース後すごく頭を下げられちゃって……彼氏さんのせいじゃないのに。

でも、新しい蹄鉄を提案してくれるって、えへへ……。え、あのお兄さん、まだお姉ちゃんの彼氏じゃないの？

>>44

応援ありがとう！　受験はいわゆる「AO入試」だから、書類を送って面接をしていくんだ。

ケミ子さんはレースの結果も入試の選考の対象になるっていうから、よほどのヘマをしなきゃ大丈夫かな？

リケジョ目指して頑張るぞ、おーっ！

>>47

わらわへのファンレターじゃ！　世間に公表した影響は大きかったようじゃのう。

じ、実は……今朝もちょぴっとやってしまっての。まだまだ付き合いは長くなりそうなのじゃ……。

（※ディアちゃんが主役の前シリーズ後日談にて、ディアちゃんが大学生になってもおねしょが治ってないことが確定しております）

＊　＊　＊　＊　＊

（※本日も帰りが遅くなる予定です。保守のご協力をお願いします。

　ついでにウマ娘たちに質問などしていただけましたら、お答えします）

>>51 >>52

51二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 15:04:34

ハントちゃん、あのお兄さんはお姉ちゃんの彼氏じゃないんだよ

実は俺が彼氏なんだ

>>53

52二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 19:44:01

ちょぴっと…

本当にちょぴっとなのだろうか

ちょぴっと(昨日より下着が軽かった)だったりしない？

>>54

53ビッグアルケミスト25/02/06(木) 19:52:45

（※保守ありです！）

>>51

えへへ……そうなのかな？　そういえばお姉ちゃんの男の人の好みとか、聞いたことなかったなぁ。

わたしは、そのぅ……痛くしない人ならだいじょうぶ、かな。

【ワイルドハントのヒミツ②】

実は、成長が早かったせいで小学校で同級生の男の子にセクハラを受けていたのが、トレセン学園を目指した理由のひとつ。

＊　＊　＊　＊　＊

いよいよ、有馬記念がスタート。大きな出遅れはないが、距離のロスを避けるために全ウマ娘による位置取り争いがすぐ始まった！

ゲミンガさん、そしてルガシィは冷静に後方から。ゲミンガさんとともに凱旋門賞へ行ったダービーウマ娘さんが先行すると、それにボタニカパラレラさんが脚を使って続いていく。

そして最初のホームストレッチに来る頃には、隊列は縦長になっていった。

《あの日本ダービー衝撃の逃げ切りから半年、中山レース場を先頭で走っていきます。その後ろに今度は負けるものかとボタニカパラレラ。そしてグランプリ連覇を狙って、宝塚を制した彼女がこの位置に陣取ります。後方には凱旋門賞帰りのゲミンガ、そして天皇賞・秋を制したドゥルガシデンカイ、なんと最後方っ！？》

ルガシィは当初、有馬記念への出走は見送る予定だった。しかしゲミンガさんのラストランに合わせて出走を決めたんだ。

だからか……疲れが如実に出ている。年末の荒れたバ場が、さらにルガシィのスタミナを奪っていく。

「ううっ……ルガシィ、ゲミンガ……」

「縦長だけど、思ったより時計は出ていないわね。終盤に詰まってくるかしら……？」

>>57

54ビッグアルケミスト25/02/06(木) 22:31:18

>>52

（※ディアちゃんの言う「ちょぴっと」とは…… dice1d3=1 (1) ）

1:寝起きでちょぴっと　2:昨日（ずっしり……）よりちょぴっと　3:先日（シーツまで貫通）よりちょぴっと

＊　＊　＊　＊　＊

第三コーナーに入る！　相変わらず最高峰にルガシィ、そのひとつ前にゲミンガ……いや、ゲミンガさんが4コーナー手前で動いた！

あれは凱旋門賞のときと同じ「まくり」！　ルガシィとの距離を離し、大外から前方に迫っていく！

ルガシィは……まだ動かない、いや、もしかして動けないの！？

（まって、まって。憧れが遠ざかっていく。ただ近くでいたいのに、遠くなってく。なのに……脚が動かない。

　……そっか、ウチが起きかけていたのは子役の『ニューちゃん』であって、ゲミンガさんじゃなかった……）

《動いた動いたっ！　大外からゲミンガ襲来っ！　最後の、パルサー・ラン！　一頭また一頭、飲み込んでいくッ！》

ゲミンガさんが動いた瞬間、観客から湧き上がるどよめき。

これぞまさしく急ピッチ。現地だからこそ背中にぞくっとくる感覚……これが、これが「ギラギラ」！

《さあ最終直線、前の3人粘っている！　しかし外から仮面のウマ娘ゲミンガ襲来！　中山の短い直線に、最後の急坂！

　坂を登る！　外からゲミンガ！　ゲミンガ！　ボタニカパラレラ抜いて！　ゲミンガが！》

ゴール板前、ゲミンガさんが先頭集団を捉える！　ああ、全身のぞくぞくが止まらない、コレが本当の……！

dice1d10=2 (2)

1～3《ゲミンガぁぁぁぁぁ――ッ！　文句なしッ！　花道を飾る dice1d3=3 (3) バ身！》

4～6《並んだッ！　捉えたッ！　ゲミンガだぁぁぁぁッ！　有馬記念を2勝目ッ！》

7～9《しかし逃げ切ったっ！　ダービーに続き有馬を勝利ッ！　ゲミンガ、後進に夢を託しましたッ！》

10　《外からシデンカイ！　シデンカイ！　追い上げる、追い上げる！　並んで……一刀両断ッ！！》

>>58

55ビッグアルケミスト25/02/06(木) 23:51:30

《ゲミンガぁぁぁぁぁぁッ！　強いっ！　強ぉぉいっ！　有馬記念を3バ身！　これが引退レースなのか！？

　他者をぶっちぎる圧倒的な王者の道！　自ら敷いた花道で、ターフから去っていきます！！！》

最後の直線でぐんぐんと末脚を伸ばしていくゲミンガさんを見て、鳥肌が立った。

ああ――あたしたちは、あの末脚に魅せられていたんだな。

圧巻のパフォーマンスに、ディアちゃんも、ディアちゃんママも言葉を失っている。

ようやく出たのはまず、拍手だった。

「……すごいわ。とっても凄い走りだった。これで引退だなんて、惜しいぐらいに……」

「うむ……じゃが、引退はゲミンガが決めたこと。これであの仮面も、見納めじゃのう……」

話を聞くと、年始から早速トーク番組に、ドラマの話も来ているという。

もし仮に引退を撤回すれば、かなりの額の違約金がかかってしまう。もう、本当に引退なんだなぁ……。

……あ。ディアちゃん、おトイレ大丈夫？

「……ぴっ！？　そ、そうじゃった……も、もれる……！」

生理現象すらも忘れさせる末脚『パルサー・ラン』。彼女は最後にまた、最強であることを証明したのだった。

2着は、凱旋門賞を一緒に走ったダービーウマ娘。3着に宝塚記念で1着のウマ娘が入り、4着がレース前に注目していたボタニカパラレラさん。

そしてルガシィは…… dice5d3=2 2 3 1 1 (9) 着だった。

56◆z0gopat5hg25/02/07(金) 07:24:15

＊　＊　＊　＊　＊

　　　　　　　　　　　ﾋｶﾘ
『　遙か彼方より、届く末脚。　』

時計のように精確に刻む超ピッチ。
中性子星の煌めきに、僕達は夢を見た。
三冠を越え、世界へと羽ばたき、自身こそが一番だと証明した。

仮面の奥に秘めた瞳に、僕達はまだ夢を見ている。

　（URAヒロイン列伝　No.XX　ゲミンガ／写真：有馬記念）

【ゲミンガ　芸能界復帰のため引退】
【生涯成績　11戦7勝 / 主な戦績：京都ジュニアS、クラシック三冠、有馬記念連覇】
【特記事項：凱旋門賞3着】

＊　＊　＊　＊　＊

57二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 07:41:18

流石三冠ウマ娘

見事有終の美を飾った

>>53

痛くしない人ならだいじょうぶ、かな

ハントちゃんならそういう優しい人にきっと出会えるよ

もしセクハラするような奴だったら蹴っ飛ばしてしまえ

58二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 08:01:06

ルガシィは連戦にしても調子最悪だったなぁ

そしてディアちゃん >>54

先日とはいえ派手に大惨事起こしてる・・・

59二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 17:34:57

保守

60ビッグアルケミスト25/02/07(金) 17:50:03

中山レース場から武蔵野線で、府中まで帰る。
一緒に帰るのは、ルームメイトのドゥルガシデンカイ。有馬記念を、末脚を思うように伸ばせず9着という結果で終えた。

「あはは……カッコ悪いなぁ。ゲミンガさんに、あんな啖呵切ってコレじゃ、恥ずかしいったら無いよ……」

メイクが落ちて赤く腫れた顔が、レース後にたくさん涙を流したことを物語っている。
でも……あんな末脚を出されちゃ、誰も勝てっこないよ。ゲミンガさんは、まさにあたしたち世代のスターだったんだ。

「そだね……超えようとしても、超えられない壁だった。いや、一度先行したことはあるけど、あれはほんのマグレで……。
　……ウチさ、子役の『ニューちゃん』のファンだったって言ったじゃん？　でも、走ってる最中に気づいたんだ。
　あたしが追いかけてたのは画面の中の『ニューちゃん』で、今いるゲミンガさんじゃなかったってこと」

通り過ぎる夜景を見ながら「だから、ゲミンガさんを見てなかったウチじゃ勝てっこなかったんだ」とルガシィは続けた。
うまくわかんないけど……言いたいことはわかるよ。憧れって、絶対届かないところにあるから憧れなんだもん。

「……ウチ、今度はゲミンガさんに並ぶウマ娘になりたい。だからあとG1を2勝して、G1勝利数に並びたい！」

うん……あたしも、ゲミンガさんに並ぶことができるウマ娘になりたいな。
だからさ……ルガシィには言っちゃおう。あたしは来年、凱旋門賞を目指す。ゲミンガさんが立った舞台に、あたしも立つんだ。

「……マ！？」

61ビッグアルケミスト25/02/07(金) 23:19:09

ゲミンガさんの引退レースとなった有馬記念から一夜明ける。

ネットウマムスメはもちろん、朝のニュースでもゲミンガさんの引退と、芸能界への復帰は大きく取り上げられていた。

こうニュースになると、本当に引退しちゃったんだなぁ、って思うよ。

「ははは。ここまで取り上げられるのは久しぶりです。おもばゆいですね」

そして、学園のカフェテリアで流れる引退＆復帰のニュースを、見るゲミンガさん。

……ってか普通に登校してるんだ、ゲミンガさん。

「学生としての本分を忘れてはいけませんからね。卒業まであと少しですが、改めてよろしくお願いします」

「いやぁ……なんか勝手に『もう会えないかも』とか思ってたウチがアホだったわ」

「皆が帰省する前に、チーム内で祝勝会もするからの。ケミ子も来るか？」

ケミ子さんはすぐに東京大賞典だから、遠慮しとく。ディアちゃん、ハントによろしく言っておいてね。

――ゲミンガさんが引退しても……結局あたしたち４人は、いつもの４人。

でももう３ヶ月もしないで卒業式なんだね……そうだ、卒業旅行行かない？　レース場のある場所への遠征はいっぱいしてるけど、それ以外の行ってない場所で！

「いいじゃんいいじゃん！　行こうよ卒業旅行！　あたしユニバがいい！」

「せっかくですし、当機は群馬の温泉地で体をほぐしたいですね」

「わらわは沖縄がいいのじゃ！　もちろん、お金は母上にお願いするのじゃ！」

うわ、みんな乗り気じゃん。こりゃあケミ子さんも、運転免許の使い所さんかな？

【卒業旅行！　行き先は……　dice1d3=2 (2) 】（1:ユニバ　2:伊香保　3:沖縄）

【東京大賞典　当日の天気】

天気： dice1d10=7 (7) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9雨　10雪】

バ場： dice1d10=2 (2) 【1～6 良 7,8稍重 9重 10不良】（アイテム効果で良バ場の確立上昇）

枠順： dice1d15=11 (11) 番

62ビッグアルケミスト25/02/08(土) 07:37:29

ケミ子さんが運転免許を持ってるんだから、せっかくだから車で行くところで……ってことで、群馬の伊香保温泉をその場で予約！

京都記念のあと、卒業式前の土日で温泉旅行だ！

「……というかケミ子、次走は芝なのじゃ？」

「キャラチェンするんだって。ま、一度芝で勝ってるしいけるっしょ」

「ですがまずは、東京大賞典ですね。ディアお嬢様と一緒に、当機も応援させていただきます」

＊　＊　＊　＊　＊

東京大賞典、当日。薄い雲が日差しを遮る、とても寒い日だ……。

出走に備え、暖房の効いた控室で最終ミーティングを行う。

「大井2000mは、ケミ子が今まで2度勝ってきているコースだ。今更説明する必要はないな。

　今回のライバルは……1年前、ジャパンダートクラシックで2着に入ったあのダート2冠ウマ娘。

　JBCクラシックを勝利しG1級3勝目をあげて複調してきている。久しぶりの直接対決に、客も沸き立っているな。

　人気はケミ子と二分しているが、今のところケミ子は僅差で dice1d2=1 (1) 番人気というところか」

そっか……ダート2冠のあの子は、あたしが初G1級勝利のJDCでケガしたんだよね。

さらに出走表を見ると、レパードSを勝った子や、岩手の原石と言われてた不来方賞ウマ娘、それに……金沢トレセンのあの子も出走してくるみたい。あたしが今までダートで走ってきた因果が、ひとつに集まったみたいだ。

でも、あたしにだって連覇がかかっている。よぉし……今日は頑張っていくぞっ！

63二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 13:40:30

ケミ子に運転を任せて伊香保…榛名山…これはまずいのでは？

64ビッグアルケミスト25/02/08(土) 18:08:55

《年末最後の国際G1、東京大賞典。大井レース場パドックよりお伝えしています。

　シニア級1年目を走り終えた世代が集結。中でも注目は……いま姿を表しました、ビッグアルケミスト１番人気、11番からの出走です！》

ケミ子さんが一番人気に推されている理由は、この大井2000mでニ度勝っている「大井巧者」ということと、チャンピオンズカップでの復調が好材料になっているみたいだ。

「ケミ子～！！」「連覇しろ！」「あんたが勝つのを見に来たんだ！！！」と、観客席の熱をひしひしと感じるね……！

なんか野太い声が大きい気がするけど。

「お姉ちゃん！」「――ん（サムズアップする）」「がんばってね、おねえちゃん！」

そして客席の一角には固まっている胸の大きな３人組は、ケミ子さんの妹たち！

ディアちゃんたちは、混乱を避けるためスタンドの観覧席にいるんだろう。

妹たちに手を振って返し、あたしは地下バ道へと向かう。

「や、久しぶり。まるまる一年以上ぶりだね」

地下バ道で隣に並んだのは、あのダート２冠ウマ娘。ジャパンダートクラシック以来の直接対決となる。

彼女はJBCの直後に、ケミ子さんはドバイワールドカップ後にそれぞれ長い休養を経た。今となっては、お互い通じるところもある。

――負けないよ。と返すと「こっちだって」と、笑って返された！

【ライバルたちの枠順】（それぞれ被った場合は後ろにずれる。ケミ子の枠順１１番優先）

・２冠ウマ娘　dice1d15=13 (13)

・レパードSウマ娘 dice1d15=13 (13)

・岩手の原石 dice1d15=4 (4)

・金沢トレセンの子 dice1d15=5 (5)

65ビッグアルケミスト25/02/08(土) 18:53:14

《さあ、ゲミンガ世代はダートも熱い！　中央・地方から猛者たちが集う東京大賞典。

　G1級3勝・13番と、昨年度覇者11番ビッグアルケミスト。人気は両者が拮抗しているもののわずかにビッグアルケミストが上といったところ。

　寒空のもと、赤く染まった雲をバックにウマ娘たちのゲートインが進んでいます》

天気は曇り、バ場は「良」。あたしが走る条件としては絶好といったところ。

吐く息が白い。はーっ、と手に息を吹きかけて、頬を温める。

『ケミ子、がんばって――っ！』

そのとき、観客席から声が届いた。妹たちの声と、ファンのみんなの声が合わさった、大きな声。

ああ……いいな、走る前からギラギラしてきた！

【気晴らし度　dice1d100=4 (4) 】

ファンのみんなの熱気、妹たちの応援。同期のみんなの期待――それを乗せて、あたしの脚は動く！

さぁ、ゲートが……開く！！！

・常時スキル：差しのコツ【発動！】/良バ場○【発動！】/自制心【発動！】

・ペース dice1d2=1 (1) 【1ハイペース 2スローペース】

・スキル：円弧のマエストロ / 神速(強化!) dice2d3=1 2 (3) 【1,2で発動！ 3で不発……】

・中盤 dice1d10=10 (10) 【数字が大きいほどうまくいく！偶数で周囲にプレッシャー！】

（※末脚、固有スキルは後半でダイスロール！）

66ビッグアルケミスト25/02/08(土) 21:11:57

《さあスタートしましたッ！　夕暮れのホームストレッチを、ウマ娘たちが駆け抜けるッ！

　今年最後の祭典、観客が拍手でウマ娘を出迎え、最初の勝負、第一コーナーまでの攻防！！》

スタートは皆揃ったスタート！　去年は大逃げの古参ウマ娘がハナを切ってたけど、今年の先陣は金沢トレセンの子だ！

キックバックがある分、ダートは後方脚質が不利になりやすい。不利を被る前に、逃げ切りを図りたいところだろう。

そこから、2位集団の先頭についたのは2冠ウマ娘。さらに昨年の不来方賞を勝った岩手の原石が続く。

中段前内ラチ沿いにレパードSウマ娘がいて、その外側ピッタリつけるようにマークしているのがあたし、ケミ子さん！

第一・第二コーナーを進んでいくと、前が伸びる縦長の展開になっている……緊張で飛ばしまくっているんだろう。

ここで飛ばしてはいけない。あたし自身のペースを守って……いや、ペースはあたし自身が作る！

＊　＊　＊　＊　＊

「……！　ケミ子のやつ、姿勢が低いのじゃ！　あんな走りをするやつじゃったか！？」

「いいえ、あれは現役時代のディアお嬢様の走り方に似て……！」

「ケミ子……まるでゲミンガさんみたいなプレッシャー……！？」

＊　＊　＊　＊　＊

第三コーナーに入る時、内ラチ側に同じ差し脚質のレパードSウマ娘を右側に見て入る……よし、ほぼ完璧な位置！

なぜか周りには距離をとられているし、このまま最終直線に入ったら……一気にブチ抜くだけだ！

・末脚 dice3d6=2 6 2 (10) 【数字が大きいほど加速！ 10以上で末脚爆発！】

・固有スキル『スイッチ走法』 3 + dice1d1=1 (1) 【10に近いほど末脚が更に強化！】

67ビッグアルケミスト25/02/08(土) 22:05:07

《金沢の星、さすがに厳しいか、最終直線で早くも捕まる、先頭は代わって13番！　JBCクラシックに続き連勝なるか！？》

最終直線になり、隊列が急激に縮んでいく。ハイペースで逃げた先頭集団には末脚は残っていないだろう……。

幸い、内ラチ寄りにもかかわらず前にウマ娘はいない……ならばここで末脚を繰り出すだけっ！

ストライドを広げた時に足がもたつく……でも、そのままの低い姿勢で！

《しかし、内側から上がってくるのは、ビッグアルケミストっ！　ビッグの名を！　黄金の名を継ぐもの！

　反逆の狼煙が上がる！　14番も共に上がってくるが厳しいか！　4番も粘っているが、巻き返せるか――》

「行け――っ！」「差せ、差せ――っ！！」「伸びろ！」「粘って……！」「ビッグ！」「ビッグ！！」「ビッグ！！！」

―― 一瞬、レースの最中なのに、周りが見えなくなった。

―― でも、観客の声が、周りを走るウマ娘の息遣いが、手に取るようにわかった。

―― あと何千メートルこの直線が続いても、走っていられそうな感覚。もしかして、この感覚が……本当の「ギラギラ」！？

《ビッグアルケミスト！　弾ける末脚、これが黄金の末脚！　迫る、迫る、差が縮まる！

　残り僅かの最終直線、この勝負を制したのは――！！》

1,2 《ビッグアルケミストぉぉぉ――っ！　連覇を dice1d2=1 (1) バ身という強さで達っ成！！！》

3～5《制したのは……ビッグアルケミストだぁぁぁっ！その差は dice1d3=3 (3) 【1:クビ差 2:半バ身 3:1バ身】っ！》

6～8《連勝か！？　連覇か！？　ハナ差の勝負を制したのは dice1d2=2 (2) 【1:ビッグアルケミスト　2:13番】！！》

9,10《粘った、4番粘った！　11番と13番と並んだっ！！　勝者は dice1d3=2 (2) 【1:ビッグアルケミスト 2:13番 3:4番】！！！》

>>68

68◆z0gopat5hg25/02/08(土) 22:06:06

>>67

【勝負の結果は……！　dice1d10=7 (7) 】

69ビッグアルケミスト25/02/09(日) 01:28:26

はぁ……っ、はぁ……っ。息を整える。

勝負はついた。どうやらケミ子さんはハナ差、先頭に届かなかったらしい。

「リベンジは……させてもらった。鬼気迫る末脚だったよ、悪寒がするほどにね」

と、2冠のウマ娘さんが握手を求めてきて、言われるがままに手を交わした。

当のケミ子さんは勝負の結果よりも、最終直線のあの感覚が忘れられず、きょとんとした顔で地下バ道へと戻っていく……。

「お帰りケミ子。あと一歩だったな……ん、どうした？」

検量室前、オッサンがそんなあたしの様子を見て困惑していた。

――ねぇ。オッサン。あたし……垣間見たかもしれない。「ギラギラ」の正体を。

それはきっと、極限の集中から来るランナーズハイと、その状態から繰り出されるベストパフォーマンス……。

「……“領域”、か」

【ビッグアルケミストの覚醒　49 + dice1d50=32 (32) / 100（累計100以上で“領域”に目覚める）】

70ビッグアルケミスト25/02/09(日) 10:31:20

ウイニングライブを終えて控室に帰る。シャワーを浴びて戻ると、妹たちと同期の皆が待っていた！

たはは～……ごめーん、またニ着だったよ。

「……でも、お姉ちゃんが落ち込んでないみたいで良かった。お疲れ様、お姉ちゃん」

「いえ、前走から間を置かず発揮されるパフォーマンスは素晴らしかったです。それに……」

「ってかケミ子、走り方変わってね？　なんかグワーっていうか、ゲミンガさんみたいな凄みがあるっていうか」

ゲミンガさんとルガシィが口々に言う。や、やっぱりそう？

最終直線の途中で、なんか新時代の扉が開きかけた？みたいなのを感じてさぁ……ほんの一瞬だったけど！

「うわ、分かんな。でもそれってアレなんじゃない？　ゾーン？　とかいうやつ」

「やはりか……わらわも一度、その感覚を味わったことがある。ケミ子よ、その感覚を忘れるでないぞ」

わかった……けど、結果はニ着。あーあ、今年走ったレースは全部ニ着だよ。

そんなケミ子さんのレースが終わり、あたしたちの今年のレースは全部終了！　妹たちも連れて、この脚で忘年会に行くよ！

ふっふっふ……一度行ってみたかったんだよね、ピザとパスタの食べ放題！

【シニア級1年目　戦績】

・フェブラリーステークス（G1 東京ダート1600m）：2着

・ドバイワールドカップ（G1 メイダンダート2000m）：競走除外

・チャンピオンズカップ（G1 中京ダート1800m）：2着

・東京大賞典（G1 大井ダート2000m）：2着

【年末年始のイベント！　dice1d4=4 (4) 】

1:両親からプレゼント……！？

2:着物で初詣！　着付けはビビさんにお願い！

3:ディアちゃんのお姉さんにご挨拶

4:とうとう三女、末っ子もチーム所属……！

71ビッグアルケミスト25/02/09(日) 15:50:48

あけましておめでとうございます！　1月！

姉妹4人で家に帰って、ゆっくり過ごしたんだ。

そいえば、お母さんから「東京に住むんだったら、家を探さないとね」って……まだ考えてなかったな。

トレセン学園の学生寮にいらるのは高等部3年まで。一人暮らしにするか、シェアハウスを探すか……どうしよっかなぁ。

【トレセン学園、卒業したら…… dice1d100=56 (56) 】

・小さければ一人暮らしの部屋を探す、大きければシェアハウスを探す

そんな中、お家でゴロゴロしてたら「――姉さん」ってぼそぼそあたしを呼ぶ声が。

この声は三女ステージデコレータだ。どうした、話聞くけど？

「――姉さんさ。本格化、って来たらどうすればいい？」

え、デコ本格化きたの！？　おめでとう！　……ってか、今年4月からデコも高等部だし、そろそろ来る頃だったかぁ。

それに、本格化が来てなくてもトレーナーがついていれば、自分に合わせたトレーニング組んでくれるし。

「――トゥインクルシリーズで走るには、トレーナーと契約しないといけないんでしょ。ハント姉ぇはちょっと頼りないし、姉さんに聞いとけば問題ないかなって」

「ひぇぇ……頼りないって言われた。ううう……」

「おねえちゃん、スカイマーキュリも……トレーナーほしいな？」

そんな話をしてたら次女ハントに末っ子キュリも話に混じってきた！

わかったわかった……学園帰ったら、トレーナーの話しよっか！

【三女デコ、末っ子キュリの所属は……！？】

・ステージデコレータ　dice1d3=3 (3)

・スカイマーキュリ　dice1d3=1 (1)

（1:チームオッサン　2:チーム＜エダシク＞　3:他のトレーナー）

72ビッグアルケミスト25/02/09(日) 16:40:20

「お、デコちゃんトレーナー探してるん？　じゃ、ウチのトレーナー紹介しよっか？　ベテランだし、ウチみたいなギャルもオールオッケーだし」

「――ん、あの胸が大きくないと入れないっていうチームに？」

「あ、そういや胸でっかい子ばっかだったわ。ウチのチーム、通称『チーム＜たわわ＞』って言われてるし」

で、学園から帰ってきたら、デコがギャル仲間のルガシィと意気投合している！

ステージデコレータは走る素質はあるだろうけど、それと同じくらいダンスも大事にしている。それを分かってくれるトレーナーなら問題ないね。

一方スカイマーキュリは弱い体がネックだ。いざというとき、身内の誰かに早く連絡が来るに越したことはない。

オッサン、正式なトレーナーが決まるまで、キュリの面倒を見てくれないかな？

「任せておけ。オッサンも、ケミ子が学園を卒業したら暇が増えるからな。同じチームに入ることに文句はねぇ。よろしくな、お嬢ちゃん」

「えへへ……よろしくね、おじちゃん」

「おじちゃんか……へへ、なんか歯がゆいなぁ、へへへ……」

オッサンが、早くもキュリにメロメロになっている。こりゃ正式に契約するのも近いかもなぁ……。

＊　＊　＊　＊　＊

で、次はケミ子さんのこと。美浦寮にいられるのは3月まで。それまでに新しい家を探さないと……。

一人暮らしが気ままでいいけど、大学とトレセン学園、どっちにも近い場所を探さないといけない。

放課後、何件か賃貸業者を回ってみたけど、どこも微妙で決まんなーい！

……と、スマホとにらめっこしていると、声をかけてきたのはディアちゃん！

「む、ケミ子は部屋を探しておるのか。それじゃったらシェアハウスじゃが、わらわが紹介できるところがあるぞ」

73二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:43:48

デコちゃんが身内の所に行かないのはそれっぽいなと思う

74ビッグアルケミスト25/02/09(日) 18:34:23

放課後、ディアちゃんに連れてこられたのは一軒家のシェアハウス。駐車場付きだけど、入居者に車を持っている人はいないそうだ。
家賃もそんなに高くないし、なにより立地がいい。トレセン学園と大学、どっちにも電車一本で通える！
問題は他の入居者だけど……陰キャのケミ子さんにシェアハウス、大丈夫かなぁ……。
そんなことを言っていると、ディアちゃんが家の戸を開けて「入るぞ～」と中に入っていく。
ケミ子さんも……お、おじゃまします。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

うわーっ！？　どうしてシェアハウスにメイドさんがいるんですか！？

＊　＊　＊　＊　＊

「改めて紹介するのじゃ。わらわの姉で、このシェアハウスのオーナーの……」
「アットホームカフェ、と申します。お久しぶりです」

このメイド服を着たウマ娘は、一昨年に一度会っていたディアちゃんのお姉さんだった！
いや、なんでメイド服！？　って聞くと「現在は大学に通いながら女流棋士をやっております。そして、将棋といえばメイドですので」だって。
だからといって、普段着メイド服はハイカラすぎるんじゃないかなぁ……。

このシェアハウスは、ディアちゃんのお父さんがお姉さんの将来を見越し、経営を学ばせるために買い与えた物件なのだそう。
他の入居者も、大井所属の現役ランナーや、引退後コーチを目指すウマ娘、東京レース場に就職した誘導ウマ娘と、悪い人たちじゃなさそうだ。
これは優良物件かも。でもシェアハウスかぁ……気持ちが揺れ動く！　ゴメン、決めるのはちょっと待ってもいいかな！？

「問題ありませんよ。ディアのご友人ですから、もしご入居の際には丁重に迎えさせていただきますね」

75ビッグアルケミスト25/02/09(日) 23:02:27

さて、オッサンに見てもらうことになったスカイマーキュリと一緒に、トレーニングを再開しよう！

ケミ子さんの次走は中山記念……じゃなくて、京都記念！　2月の半ばだね。

京都記念はもちろん京都レース場で開催されるG2で、芝の2200mだ。オッサン、今までで一番長い距離を走ることになるけど、大丈夫？

「ああ。そのためのトレーニングだ。坂路トレーニングでスタミナを補強していこう。お嬢ちゃんもやるかい？」

「はいっ。でもおねえちゃん、つぎは芝のレースなの？」

「そうだぞ嬢ちゃん。君の姉ちゃんは芝でも強いんだぞ？」

まだ本格化が来ていないうえに病弱なキュリは、坂路を1回登っただけでも息を切らしてしまう。

でも、せがれ君の装蹄のお陰で内向していた脚は改善している。力いっぱい走れるようになって、キュリは楽しそうだ。

あ、そういえばケミ子さん、まだせがれ君に装蹄を見てもらってないな。何かの機会に見てもらお。

【年末年始を妹たちと過ごし、因子継承率が 66 + dice1d30=2 (2) %になった！（100%以上で……!?）】

76125/02/10(月) 07:25:34

【ステージデコレータのヒミツ①】
実は、ブレイキンを踊っている最中に胸元がかなり跳ねるのが悩み。

（※朝の保守です）

77二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 09:43:03

それ見るのが目的の追っかけとかいそう
というかいるだろ

78ビッグアルケミスト達25/02/10(月) 18:03:39

～ファンレターへの返信（※メタ視点）～

>>57

わ、ワイルドハントです。ゲミンガさんの有馬記念、すごかったね。チームの先輩だし、憧れちゃうなぁ……。

でも、わ、わたしがウマ娘の力で蹴っ飛ばしちゃったらケガさせちゃうし……いじめる子は、わたしが手を出せないって分かってるからいじめてくるの。トレセン学園に入ってからはそういう事もなくなって、ちょっと楽になったかな。

>>58

わらわ宛じゃな。ルガシィには2500mはギリギリ長い距離じゃったのかもしれぬ。それに休養のため、春シーズンは海外遠征を取りやめると聞いておる。

……それはそうと、その、世界地図を作ってしまった件に関しては……うう、恥ずかしいのじゃ……。

>>63

榛名山のなにがまずいって？　え、イニシャルなんたらの「秋名山」のモデルって榛名山なの！？　なるほどぉ……ケミ子さんの腕が鳴りますねえ……！

>>73

ステージデコレータのチーム所属のことだね。わりと姉妹の中でも浮いてると言うか独立志向が強い子だから、よほど困ってたり、向こうから相談されない限りは本人の選択に任せる……ってのがお姉ちゃん視点の考えかな。

それにしても、おっぱい大きい子ばっかりのチーム＜たわわ＞とは、けしからんチーム……！

>>77

――ん。アタシ宛のファンレター？　ども、デコだよ。

胸大きいと、腕の可動域が制限されて踊りづらいんだよね。それにウインドミル(※)やると、胸が地面についちゃうから服汚れんのも早くてさ。ま、もともと見せ物だし、どういう経緯で追っかけになったって構わないよ。ちゃんとアタシを見てくれれば、ね。

（ウインドミル：上半身を地面につけ、脚を広げて回転する技。スピニングバードキックに近い）

【京都記念までのイベント！　dice1d3=2 (2) 】

1:凱旋門賞に向けて体質改造！　2:妹といっしょにとれーにんぐっ！　3:道草を食うウマ娘に出会う

79ビッグアルケミスト25/02/10(月) 21:34:51

「お嬢ちゃん、ほれ水。あまり無理をするんじゃねぇ」

「ひゅぅ……ひゅぅ……は、はいっ。ありがとうございます……」

京都記念まで、オッサンとスカイマーキュリといっしょにトレーニングをしていくよ。

今日はタイヤ引き。あんな小さい体でも、キュリはしっかり引けるんだね……息が切れてるけど。

オッサンいわく、キュリには中・長距離は体質的に無理そうだということで、トレーニングを短距離・マイル向けのパワートレーニングに絞っているんだそう。

「……よーしケミ子、ここらで一丁ケミ子が指導してみるか」

「おねえちゃんが、おしえてくれるの？」

「自分が教わってきたことを自分の中で噛み砕き、自分の言葉で伝える。言語化は立派なトレーニングだ」

えぇ……ケミ子さんが？　うわっ、キュリがキラキラした目でケミ子さんを見ている。これはもう、逃げられない……！

よ、よーしやっちゃいましょうか、あたしのご指導っ！

【ケミ子、言語化トレーニング！　スカイマーキュリに教えるのは…… dice1d3=1 (1) 】

1:コーナリング練習（通常スキル取得）

2:レース展開予想（常時スキル取得）

3:スパートのタイミング（スキル強化）

【そして、ケミ子の指導力は……？　dice1d100=52 (52) 】（大きいほど教えるのがうまかった！）

80二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 21:52:36

無難にいけてりゃ御の字だな

81ビッグアルケミスト25/02/10(月) 23:49:21

ケミ子さんが得意としているのはコーナリング！　コーナリングを鍛えるには、スラローム走行だよね。

というわけで、そこに立てた三角コーンを交互に避けながら走ってみよう。

「んっ……ふぅっ、ふぅっ……！　どう、おねえちゃん、ちゃんとできてる？」

うん、ちゃんとできてるよ！　で、今の走破タイムを図ってたから……ここからどんどんタイムを更新できるようにしよっか！

……ってな感じで、スカイマーキュリにコーナリングの手ほどきをしてるんだけど……オッサン、これで合ってる？

「ああ、オッサンがケミコにやったやつを、趣旨を理解して指導できているな。及第点と言ったところだろう」

「ねーねーっ、おじちゃん！　またタイム更新できた！」

うわ……キュリの成長速度えぐい。この短時間で1秒も縮めてる。でも息が上がってきちゃったから、クールダウンしようね。

その間にケミ子さんがスラロームするから、見ててね……よっ、ふっ、はぁっ……！　あれ、なんかケミ子さんも上手くなってる！？

と、教えたことでなにかコツを掴んだのであった！

【ケミ子はコーナー系スキルを獲得した！　dice1d3=2 (2) 】

1:中距離コーナー○　2:差しコーナー○　3:コーナー加速

82ビッグアルケミスト25/02/11(火) 07:22:55

……ってな感じで、いよいよ京都記念がやってきた。

その前に大学のAO入試で面接とかやってたんだけど、その辺りはおいおい話すとして……。

ケミ子さんの京都記念への出走に、世間からは「キャラチェンか！？」「芝でも走れるの？」「でも函館の芝で勝ってるし……」と、やっぱり困惑の声が多いみたい。

ここで良い結果を出せたら、いよいよ世間に「凱旋門賞挑戦」の夢を公表するつもり。よぉし……頑張るぞ！

でも頑張る前に……前日入りして京都を楽しむよ！　遠征は久しぶりに、オッサンとせがれ君の3人。

本当はキュリも来る予定だったんだけど、喘息の発作が出ちゃって断念したんだよね……。

【前日の京都観光は……！　dice1d3=3 (3) 】

1:やっぱり黙って金閣寺！

2:坐禅体験。ワオ……ZEN……

3:やっぱりラーメン！京都背脂醤油っ！

【気晴らし度……　dice1d100=48 (48) 】

83二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 17:18:16

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84ビッグアルケミスト25/02/11(火) 18:34:49

ふっふっふ……京都に本店があるラーメンチェーン店は、ドロドロ鶏白湯ラーメンだけじゃないっ！

濃厚鶏ガラスープに、熟成醤油ダレ。カエシと合わせたあと背脂チャチャッ……！　魁●屋の定食メニュー最高っ！　もちろん本店に参拝してきたよ！

「年頃の女の子が京都で行きたいお店がラーメン店なのはどうなんだよ。しかも東京にもあるじゃねぇか」

ちがいます―！　本店に来るのが一番なんですー！　チェーン店の本店参拝は、トレセンラーメン部の憧れなの！

これで天●一品と魁●屋をコンプリート！　まあさすがにラーメンだけってのはアレだったんで、N天堂ミュージアムにも行って、京都レース場近場のホテルに宿泊だね。

それにしてもせがれ君、ミュージアムですっごい盛り上がってたなぁ～。

【ラーメンを食べて、 dice1d2=1 (1) （1:オッサン　2:せがれ君）との絆or友好度が dice1d2=2 (2) 上昇！】

＊　＊　＊　＊　＊

そして夕食後ホテルでお風呂に入って……今は、せがれ君に爪や蹄鉄の様子を見てもらっているところ。

妹たちのは見てもらってるけど、ケミ子さんの脚はなんだかんだいって見てもらってなかったね。どう？

「文句なしの丈夫な足と爪だよ。両足とも大きさが揃っていて、力強い踏み込みにも負けない強さがあるね」

……と、ベッドに腰掛けてながら脚を見てもらってると、なんかアレっぽくない？　女王様と下僕みたいな。

ほれほれ、わらわの脚をお舐め？　なんちて……。

85二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 18:40:11

せがれ君ズルい！
ケミ子ちゃん俺にもそのSっ気出して！

>>89

86ビッグアルケミスト25/02/11(火) 21:06:25

……なんか変な雰囲気になっちゃった。
脚と蹄鉄の様子を見終わり、二人でベッドに腰掛ける。……隣同士で。や、やっぱり変な雰囲気。

「ね、ねぇ……ケミ子ちゃんは、僕のことどう思ってる、の？」

変な雰囲気がそうさせるのか、しどろもどろにせがれ君が喋る。
ケミ子さんは、その……年上のお兄さん、っていうふうに思ってたんだけどさ。最近なんかむすっとくることが多くて……。
ほら、おっぱい大きな妹たちに囲まれて、顔赤くしてたじゃん。なんかあれ、イヤだった……。なんでだろ、あたし自身もよくわかんないんだけど、さ。
そういうせがれ君は、ケミ子さんのことどう思ってるの？

「僕は一人っ子だからさ。年の近い妹がいたらこうだったんだろうな、って思ってるよ」

い、妹かぁ……。たはは……。あたし、家ではお姉ちゃんなんだけどなぁ。
……あ、今ちょっとむすっときた。あたしもしかしたら、せがれ君にちっちゃい子扱いされるのがイヤなのかも。

「……ってことは、ケミ子ちゃんは僕に……？」

そ、だね。あたしだって18歳だし、ひとりの女の子として見てほしい、な。
――そんな事を言いながら、となりに「ぴとっ」とくっついて、肩を預けてみる。

「お父さんが、大人になるってのは『頼れる先を増やすこと』だって言ってた。その、ケミ子ちゃんは……」

うん。大人に、なりたい。
真っ赤な顔になったせがれ君に、こんな事を言っているあたしも、内心ものすごく後悔していた。
こ、こんなのもう告白してるようなもんじゃん……！

87二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 21:09:27

質問
ケミ子ちゃんに恋愛感情を向けられるせがれ君が憎くてたまりません
今からケミ子ちゃんを振り向かせるためにはどうすれば良いですか？

>>89

88ビッグアルケミスト25/02/11(火) 21:34:05

「そ、それじゃあ僕はこの辺で……っ！　もう遅いから、ゆっくり休んでねっ！」

答えをはぐらかして、せがれ君は逃げるようにオッサンの部屋に戻っていった。

ああ……やっちゃった。ケミ子さん、ほんと何やってんのっ！　というか、自分の本心に気づいちゃって恥ずかしいったらありゃしないんですけど！？

枕をギューっと抱いて、しばらく脚をバタバタし続けたのでした……。

【せがれ君との友好度 98 + dice1d2=2 (2) (1:+1 2:あがらない）/ 100（100%で……！？）】

＊　＊　＊　＊　＊

「よう、おはようさん。昨日は良く眠れたか？」

なにか察しているんだろう。ホテルの朝食を食べに行くと、オッサンがニヤニヤしながら隣りに座ってきた。

何よ。今日は大事なレースの日なんですけど。

「……せがれは、俺の大事な一人息子なんだ。あんまりイジめてくれるなよ？」

おどけた口調で言うオッサン。ああ、これが大人の余裕っ……！

ますます、意気地のない自分に気づかされてしまい、それを隠すように白米をかきこんだ。

「レースは最も我の強いやつが勝つ。凱旋門賞に向かった連中を見ろ、どいつもこいつも俺様気取りだろう？

　その点で言えば、『凱旋門賞に行きたい』ってきっちり言えたの大きな進歩だったかもな。

　……ケミ子はもうすこし、甘えられるようになったほうがいい。小さい頃から『姉』であることを強いられ、自分のワガママを出せなくなっちまってる。それがレースにも影響するんだ」

むぅ……。甘えるって、なんか大人になるのとは正反対な言葉でちょっと……なんて渋ると「大人になるってのは、甘えられる先を増やすことなんだぞ。親ばっかりに甘えてたときから、学校の先生、友達、電車やバス、先輩や上司、そして社会システムに……ってな」と説教をかましてきた。

……あ、昨日せがれ君が言ってたことと同じだ。オッサンの決め台詞なんだろうな、コレ。

89ビッグアルケミスト25/02/11(火) 22:04:53

「ま、俺はケミ子に『夢に相乗り』なんて甘えてくれて、嬉しかったぜ。そうやって俺も、ケミ子に甘えさせてもらってんだ。それじゃ、後でロビーに集合な」

そういってオッサンはケミ子さんの肩をポンと叩いて、部屋に戻っていった。

……そっか、オッサンもあたしに甘えてるんだ。それじゃ、その甘えに応えられる大人にならなきゃ、だ。

気合を入れ直して、残りの朝食ビュッフェをかきこんだのだった。

【オッサンとの絆が、5段階評価で 3 → 5 ぐらいに上がった！（最大値！）】

【京都記念　当日の天気】

天気： dice1d10=10 (10) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9雨　10雪】

バ場： dice1d10=8 (8) 【1～6 良 7,8稍重 9重 10不良】（アイテム効果で良バ場の確立上昇）

枠順： dice1d16=2 (2) 番

＊　＊　＊　＊　＊

～インターミッション（※１による返信）～

>>85 >>87

まだここからどうなるかわかんないから！　このまま行かない可能性だってあるから！！

それはそうと、せがれ君に感情移入できるようにしておくと、後からおいしいかもしれません。たぶん……

90ビッグアルケミスト25/02/12(水) 07:24:28

「おいおい、雪降ってきたぞ。どうりで今朝寒いと思ったぜ……」

「芝コースはこのままだと稍重だね。ケミ子ちゃん、大丈夫？」

うん、平気平気。しっかし、こんな時期に寒波が到来とか、運がないねあたし達。

こりゃ、キュリは怪我の功名だね。帰りの新幹線、動くかな……。

「ま、その時はその時だ。それよりも今日は久々の芝だ。京都芝2200m。スタンド前からスタートして、外コースを一周してくるコースになる。

　レース中盤に訪れる“淀の坂”の攻略がカギだ。今じゃ“淀の坂はゆっくり下る”なんてもんは通用しねえ。

　ゲミンガやドゥルガシデンカイがしたように、ケミ子もここで脚を使ってみるか？」

そうだね……そうでもしない限り、ケミ子さんに勝機はない。

それに、東京大賞典の最終直線で見た「ギラギラ」――あれをまた追いかけたい。きっとあれが“領域”なんだ。

「……半信半疑だったが、やっぱりあるもんなんだな、“領域”って」

「ともかく、芝の重賞はケミ子ちゃんにとっては初めて。2200mも初めてなんでしょ？　慎重に行ってきてね」

うん。わかった……！　ほっぺを両手でパシッと叩いて、気合を入れていくよっ。

いざ、パドックへ！

【ビッグアルケミスト（1枠2番）…… dice2d3=2 3 (5) 番人気】

91二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 17:18:07

そりゃダート馬がいきなり芝に出てくりゃあな…

92ビッグアルケミスト25/02/12(水) 18:31:32

「本当にビッグアルケミストだ……」「芝に……？一応芝でも勝ちはあるけどさ」「フェブラリーSには出ないのか？」

「今日もバ体詐欺では……？」

パドックに出ると、観客席からこのような声が聞こえてくる。うーん、まあしょうがない。

「バ体詐欺」ってのは、ケミ子さんが調子良さそうに見えて上位人気なときに限って勝ちきれないのを現した言葉だ。本人の前で言うのはさすがにノンデリじゃない？

そして他のメンバーは……っと。おや、あの褐色肌のウマ娘は……。

《新シーズン初戦はフェブラリーSでもサウジでもなく、なんと芝2200mを選びました。砂の錬金術師ビッグアルケミスト、今日は芝の錬金術師を目指します。

　そして、有馬記念4着が記憶に新しい魅惑のチョコレート・ボディ。今日こそ勝利をこの手に掴みたいボタニカパラレラ。 dice1d16=9 (9) 番です》

（※被った場合は+1）

ディアちゃんが注目してたウマ娘、ボタニカパラレラさんだ。彼女も出走していたのか……！

とはいえ、あたしのほうが先輩だもんね。芝でもあたしは走る、そして勝って……凱旋門賞への足がかりにするんだ！

ゲートイン、そして……出走！

・常時スキル：差しのコツ【発動！】/良バ場○【不発……】/自制心【発動！】

・ペース dice1d2=1 (1) 【1ハイペース 2スローペース】

・スキル：円弧のマエストロ / 神速 / 中距離コーナー○ dice3d3=3 2 1 (6) 【1,2で発動！ 3で不発……】

・中盤 dice1d10=1 (1) 【数字が大きいほどうまくいく！偶数で周囲にプレッシャー！】

・末脚 dice3d6=1 1 2 (4) 【数字が大きいほど加速！ 10以上で末脚爆発！】

・固有スキル『スイッチ走法』 3 + dice1d5=5 (5) 【10に近いほど末脚が更に強化！】

（※芝適正B：勝利判定ダイスが1d12に変更……）

93二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 21:48:54

うーん下振れた
これはキツいですよ……

94ビッグアルケミスト25/02/12(水) 21:57:27

《さあ雪舞う京都レース場、稍重のバ場の中……ゲートが開いたっ、おおっと２番躓いている！　２番はビッグアルケミスト！》

うわぁーっ！　雪で濡れた芝に足を取られ躓いてしまう！　出だしは最悪、最後方でホームストレッチを駆けていくことになってしまった！

このままでは「淀の坂」の絶好のポイントに間に合わない。ひとまず最初のターンで脚を使って、中段後方ぐらいまで位置を調整する。

くっ……本当は中段前まで出たいけど、ここでスタミナを使ったら絶対後半でタレちゃう！　冷静に、冷静に……！

《先頭から振り返ります。先頭は今回は逃げをうちましたボタニカパラレラ。中段後方に位置していますのはビッグアルケミスト。まもなく第三コーナー『淀の坂』に差し掛かる》

スタミナは使ってしまったし、位置だっていつもより後ろの位置。ああもう、しっちゃかめっちゃか！

でも……問題の「淀の坂」は大丈夫。ここでスピードを付けて、最後まで一気に駆け抜ける！

《さあ第四コーナー、各ウマ娘スピードを付けて曲がってくる！　濡れたバ場が体力を奪う、最終直線ボタニカパラレラ粘っているが、後方勢一気に襲い掛かるっ！》

幸い、道中は縦長の展開になっていたから、最終直線の進路はなんとか確保できた。

でも……やっぱり芝ってのもあるし、距離が伸びてスタミナが残ってない。いつものような末脚は出せない、けど、ピッチからストライドに切り替えて……！　姿勢を低く保って、いっけぇ――っ！

dice1d12=12 (12)

1　《後方から一気にごぼう抜きっ！　dice1d2=1 (1) バ身つける勝利！　ビッグアルケミスト、芝ダート重賞制覇！》

2,3 《上がってきたビッグアルケミストっ！　先頭を交わしゴールっ！　わずかに先行か！》

4～7《末脚を伸ばすビッグアルケミスト、しかし先行勢と並ぶ！どうやら dice1d3=2 (2) 着でのゴールです》

8～10《なだれ込むようにゴールインっ！　厳しいレースとなりましたが、芝重賞初挑戦の2番は dice1d5=1 (1) 着です》

11,12《ボタニカパラレラ、交わされるっ！　ここは惜しい2着です！　後方からビッグアルケミストは dice2d5=2 2 (4) 着でした》

95二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 21:59:12

残念だけど今年の凱旋門賞挑戦は諦めてもろて……

96ビッグアルケミスト25/02/12(水) 22:28:30

《先頭ボタニカパラレラ！　しかし交わされるっ！　またしても2着、『シルバーコレクター』返上ならずっ！》

なんとか上がってきた。けど……そこまで。先頭からは大きく離されての4着だった。

たはは……。恥ずかしいな。去年2着になったG1を蹴ってまで来たのに、この着順はちょっとね……。

「まったく、ここまで荒れたバ場でのレースはノーカンだノーカン。ともかく早く着替えてライブに備えろ」

バスタオルを広げて、検量室に戻ってきたオッサンは荒れ気味に言う。

ねぇオッサン、もし天気や枠順が違ってたら、あたしはこのレース勝ててたかな……？

「……いい出したら止まらなくなる。止めておけ」

大人の経験則から来る、即答だった。

【ビッグアルケミストの覚醒　71 + dice1d30=7 (7) / 100（累計100以上で“領域”に目覚める）】

【痛い敗戦。この後、ケミ子に起こる出来事は……？　dice1d3=1 (1) 】

1　あれは「シルバーコレクター」と言われてた……

2　新幹線が止まってもう一泊。せがれ君と……

3　持つべきは友達。約束の卒業旅行へ！

97ビッグアルケミスト25/02/12(水) 23:35:06

京都記念のウイニングライブ終了後、京都レース場を後にするケミ子さんたち……。
そんな折、複数のウマ娘に囲まれた集団を発見した。その中心にいるのは……見間違えぬ褐色肌。ボタニカパラレラさんだった。

「ボタニちゃん、今日も二着だったね」「せっかくお姉ちゃんたちが応援に来たのに」「むしろこのバ場で上位に来れてるのはすごいぞ」「そうそう。また次があるよ」
「あは……ごめんね、せっかく見に来てくれたのに」

口から覗く舌が二股に別れているウマ娘、大きな帽子のウマ娘、眼鏡をかけた任侠映画に出てきそうな雰囲気のウマ娘、そして身長が小さいのにざっと見100cmを超える爆乳のウマ娘――に囲まれたボタニカパラレラさんは、困ったように笑いながら返している。
察するに、囲んでいるのは彼女のお姉さんたちのようだ。

「……でも、ありがとう。この調子で、5月また京都に来る。そして今度こそ――」
「5月ということは、天皇賞・春か。母さんゆかりのレースだな」「そうね。お母さんあの時は……」「あー、またお母さんのノロケが始まるぞ」

――驚くことに、あの小さくて爆乳なウマ娘は、彼女たちの母親らしい。マジでか、でか――っ。
そんな風に話していると、ケミ子さんのスマホが鳴る。LANEの通話のようで、連絡相手は……

『……あっ、おねえちゃん！　つながった！　レースおつかれさま！』
『――姉さん、芝でもそこそこいけるじゃん。アタシ、ぶっちゃけ着外になると思ってたし』
『ちょっとデコねぇ、それは……ごほっ、ごほっ』
『ほらキュリ、まだ喉痛いんだから無理しないで』
『でも……ケミ子おねえちゃんに、こえをとどけたくて……』

今日、遠征についてこれなかったキュリと、看病しているデコだった。そっか、ケミ子さんにも家族がいる。
最初が躓いただけで、へこたれてちゃいけないね。帰ったら直接あって話そうね、デコ、キュリ。

98ビッグアルケミスト25/02/13(木) 07:23:41

ケミ子さんの芝重賞初挑戦は、黒星に終わった。

でも、へこたれてちゃいけない！　妹たちにも励まされて、まだまだ挑戦しないと、って気持ちだよ。

そして、帰りの新幹線の中で、オッサンに次走について聞いてみた。ね、どうする？

【ビッグアルケミスト、次走は……！？　dice1d3=3 (3) 】

1:間隔は短いが挑戦。金鯱賞

2:もう一度同じコースで立て直す。京都新聞杯

3:一度ダートに戻ろう。川崎記念

＊　＊　＊　＊　＊

……ってな感じで次の週末がやってきた。なにがあるかというと……そう、前に言ってた卒業旅行！

無事にレンタカーも借りれて、ケミ子さんの運転でルガシィ、ディアちゃん、そしてゲミンガさんの4人で、群馬・伊香保に出発だ！

――でも、旅にトラブルはつきもので……。

【行きのトラブル！ dice3d4=1 1 3 (5) 】

1:「さ、サービスエリアはまだなのじゃ？（もじもじ）」

2:「ねぇケミ子、次で止まってくんないかな……（そわそわ）」

3:「……少々、コーヒーを飲みすぎてしまいましたか（ふるふる）」

4:け、ケミ子さんも……ちょっと飛ばそっか……！（かたかた）

99二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 10:22:51

ダブルディアちゃん…限界近そう…

100ビッグアルケミスト25/02/13(木) 18:38:30

運転はバッチリ。前日にオッサンの車で練習させてもらったもんね。
レンタカーは普通のコンパクトカー。カーナビも付いてて助かったぁ。関越自動車道を通って、群馬に向かうよ！
それにしても、高速道路すっごい緊張する。ずっとレース走ってるような雰囲気だもん。
でも、そろそろ運転して1時間出し休憩――あ、高坂サービスエリア過ぎちゃった。

「あ゛……！　休憩しないのじゃ……！？」
「ディアちゃんどうした？」
「そ、そのぅ……お、おトイレ……」

えっ！？　ディアちゃんおトイレなの！？　次のパーキングまで……16キロ！　だからあと15分ぐらい！

「そんなになのじゃ！？　ううう……」
「で、できれば急いでいただけますか？　と、当機もテイクオフしてしまいそうで……」

ゲミンガさんもなの！？　ええいっ、分かった！　追い越し車線飛ばしていくよ！

「……は、早く……。車のガタガタで、我慢が……」
「やば、ディアちゃんまじで余裕なさそ。ケミ子ぉ、今何キロ！？」

105キロ！　わかばマークのケミ子さんにはコレが限界っ……。
そんな感じで2人を励ましながら、もう間もなく嵐山パーキング！　ほら、もう少し！
ディアちゃんはもう限界なのか、縮こまって一言も喋らなくなっちゃった……でも着いた！　ゲミンガさん、ディアちゃん、お待たせ！

「ディア、お先に失礼しますっ」
「げ、ゲミンガぁ……っ！　……あ……っ」

車から降りた瞬間、ディアちゃんは足を止めてしまい……。

101二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 18:41:16

足元に素晴らしい黄金色の湖が……
おむつ履いてるだろうし出来ないか

102ビッグアルケミスト25/02/13(木) 22:09:17

「ぐすっ……ぐすっ……ケミ子の努力を無駄にして申し訳ないのじゃ……」

お着替えを済ませ、車に戻ってきたディアちゃんはすっかり意気消沈してしまっていた。
万が一のために、夜用の「アレ」を履いてたから服が汚れることはなかったけど……それでも、みんなの前でしちゃったことには変わりない。恥ずかしいよね。ケミ子さんにはそれがとってもよく分かるよ。
こっちこそゴメン、ちゃんと休憩とるか聞けなくてさ……。と、ディアちゃんに頭を下げる。

「もー、過ぎたことは水に流してさ。トイレの話だけに、的な」
「ははは……そうですね。当機も恥ずかしい姿を見せてしまいましたし、ディアも気持ちを切り替えていきましょう」
「そうそう、まだ行きの車だよ？」
「……うむ、そうじゃったな。水を差すようなことをしてすまんかったのじゃ！　ではケミ子よ、引き続きよろしく頼むぞ！」

【アグネスディアボロ　残機：２ → １】

＊　＊　＊　＊　＊

その後、ルガシィが「あそこ行こ！なにか知らんけど」と寄った博物館が、実はマル秘な宝の館で顔真っ赤にして帰ってきたり、榛名山ロープウェーの帰りの下り坂で脳内にビビっとユーロビートが流れてギュアアア！！したり……。
そんなこんなで旅館にチェックインして、温泉街を散策したあとは……いよいよ温泉だ！

「はぁ……癒やされます」
「やっぱ芸能人は、こういうところ来ないの？」
「ロケで来ることはあっても、結局足湯だけとかじゃものな。完全プライベートは貴重なのじゃ」

ふーん、そうなんだ……。と相槌をしながら、そういえばよく見たことのなかった3人の体を見る。
ゲミンガさんのちょうどよく柔らかそうな体、ルガシィの張りのある双丘、ディアちゃんの絶壁……。

「おいケミ子、お主からよこしまな目線を感じるのじゃ……」

103ビッグアルケミスト25/02/13(木) 22:46:38

温泉に浸かっていると、話は自然と今後の進路の話になっていった。

「当機……いや、私は、演劇コースのある大学へ通いながら、芸能活動を続けるつもりです」
「ゲミンガは働き者じゃのう。わらわは前から言っているとおり、留学じゃ。イギリスのウマ娘クラブのトレーナーが、ホームステイのホストになってくれるのじゃ！」

良かったじゃん！　ってことは、おねしょも受け入れてくれたの？なんて聞いたら「そういうことを聞くでない！まぁ……大丈夫じゃったが」とのこと。
3月はじめの卒業式がある週には、もう日本を出立するとのことだ。もうほんの少ししか会えないんだね……。

「……寂しくなるね。ウチは、地元から出てくる同期と一緒に住みながら、ウマ娘クラブを作るための勉強を始めんだ。
　そんで……やっぱレースを続けられんのは、今年までかなって。今年のジャパンカップをラストランにするんだ」

……！　ルガシィはもう、そこまで考えてるんだ。そうだよね、いつまでも走り続けることなんてできないもんね。
で、ケミ子さんは……そうだ、ここでケミ子さんの今後について、まとめておこう。

大学はAO入試で合格！　晴れて大学生になることができる。単位も、レースの実績である程度免除になるって。
そんで、寮を出たあとは……結局部屋を吟味したけど決まんなくて、ディアちゃんに勧めてもらったシェアハウスに入れてもらうことになった。実はあそこ、紹介が無いと入れない超優良物件だったって聞いてびっくりしちゃった。
4月はじめの川崎記念に出るから、トレーニングのために3月半ばまでは寮にいるかな。

「じゃあケミ子、お互いの引っ越し手伝いっこしよ。ね？」
「そういえば先日は京都記念に出ておったが……ケミ子よ、どういう魂胆だったのじゃ？」

うん……みんなには言っておこう。ケミ子さんは今年、凱旋門賞出走を目指してるんだ。

104ビッグアルケミスト25/02/14(金) 07:25:38

「凱旋門賞……私が、ゲミンガが勝てなかった……あそこへ」
「じゃがお主はダートが主戦場じゃろう！　確かにダートから凱旋門へ行ったやつは知っておるが、お主には経験が……」

うん。京都記念で負けて、実績を積むチャンスはあと一度きり。それが宝塚記念だ。
宝塚記念で、最低でも2着。それを足がかりにして、あたしは凱旋門賞を目指す。あたしは……手段を選ばないよ。

「……そっか。じゃあケミ子のライバルは、ウチだね。
　今年はヴィクトリアM、宝塚記念、天皇賞・秋、そしてジャパンカップに出る予定なんだ。
　だから……残念だけど、1着は譲らないよ。たとえケミ子の夢を壊してでも」

望むところだよ、ルガシィ。そうでなくっちゃ……「ギラギラ」しないからね！
そう言い合って、お互いニッ、っと笑い合う。ふふっ、ルガシィがあたしのルームメイトでホント良かった。

でも……みんな将来のこと考えてる中、ケミ子さんだけ目先のことばっかり考えちゃって、なんか子供っぽいな……。
みんな大人になっていくのに、あたしだけ子どものまま。大人びて見える3人から、貧相なおこちゃまボディを隠すように湯船に浸かった。

＊　＊　＊　＊　＊

その後は、豪華な食事を食べて！　ちょっと温泉に入り直したり、布団に入りながら女子トークしたり！
「ディアちゃんの年下彼氏は大丈夫なん？」「わーっ！　じゃからカレシとかじゃないのじゃ！」って慌てふためくディアちゃん、やっぱりかわいい。

「そいえばケミ子も、良さげな人いるじゃん？　トレーナーの息子さんだっけ？」

わーわーわー！　まだそういうのじゃないってば！　寝るよ！　消灯！　ケミ子さんは明日も運転するんだからっ！

【翌朝……　アグネスディアボロ　残機：１ → ０】

105二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 12:13:32

よし、次もやらかせばいよいよだ！
やってやれディアちゃん！

106ビッグアルケミスト25/02/14(金) 18:20:42

車の運転で疲れたからね……旅先でも珍しく朝まで一回も起きずに朝を迎える。

そして目を覚ますと……

「わ゛――っ！　ひとりでできるのじゃ～っ！」

「いいからいいから。ルガシィお姉さんに任せなさい……っ♡」

「お主、もしかしてフケが出ておらんか！？　ゲミンガ、助けるのじゃ～！」

「ははは。少しぐらい、ルガシィさんに甘えてもいいのではないですか？」

「ぴ――っ！」

ディアちゃんがルガシィにおむつ替えさせられていた。と、とりあえずみんなで朝風呂いこっか？

＊　＊　＊　＊　＊

朝食の後、朝の温泉街で映え写真を取ったあと、ゆっくりチェックアウト。

近くの観光牧場で動物と触れ合いながらお昼ごはんを食べて、帰り際にラスクで有名なお菓子屋さんでお土産購入！

そしていまは帰りの車の中。いやぁ……皆さんお疲れ様っ！　

「しかし家に帰るまでが旅行、ですからね。最後までよろしくお願いします、ケミ子さん」

「ディアちゃん、おとなしいと思ったら遊び疲れて寝ちゃってるし」

「……そろそろ起こしたほうが良いかもしれません。その、今のディアは普通の下着ですので……」

ひどいときはお昼寝でも「じょわぁ」してたって昔話してたっけ。ディアちゃんにとって、おねしょとの付き合いは本当に切実だったんだね……。

じゃ、次のパーキングで停まるから、ルガシィ起こしてあげて？

【お昼寝ディアちゃんのピンチ度　dice1d100=71 (71) （大きいほどピンチ！ 90以上なら……）】

107ビッグアルケミスト25/02/14(金) 21:35:11

「ディアちゃん、もうすぐパーキングだけど大丈夫？」
「うにゃ……はっ！　おトイレは！？」

ディアちゃん、もしかしておトイレ行く夢見てた？　それって割とピンチだったんでは？
バックミラーを覗くと案の定、お股に両手を差し込んで我慢している様子が見えた。そのポーズかわいい……じゃなくてっ！　ほら、すぐパーキングだから我慢ね！

＊　＊　＊　＊　＊

幸い粗相もなく、夕方には無事にレンタカーを返却して学園に帰ってこれた！
夕暮れのトレセン学園、コースにはまばらにウマ娘が走っている姿が見える。

「……これでウチたちも、卒業だね。もう一緒に揃うことはないのかな」
「それぞれ忙しくなるでしょうからね。ディアは海外へいってしまいますし」

赤い空が、あたしたちを感傷的な気分にさせていく。
じゃあ……最後にもう一つ、思い出づくりしよっか！　今から走ろう、学園の練習コース！

「良いじゃろう！　思えばわらわ達が揃ってレースに出たことはない。これが最初で最後じゃな」
「ふふっ、ウチ負けないよ？　だってウチ、現役だもんね」
「おや、それを言ったら私は年度代表ウマ娘です。急なエキシビションとはいえ、負けませんよ？」

みんな乗り気だ……もちろん、ケミ子さんだって負ける気はないもんね！
そんじゃあ位置について、よーい……どんっ！

【『青春の思い出』を手に入れた】

108ビッグアルケミスト25/02/14(金) 23:26:30

――3月1日。いよいよこの日がやってきた。

《卒業生、入場》

ルガシィいわく、入学式と比べると、卒業式に参加するウマ娘は半分ぐらいに減っているそう。

トゥインクルシリーズを去り、転学・退学をした生徒も多いという。無事にトレセン学園を卒業できたというだけで、この世界ではステータスなんだ。

そしてお嬢様学校というだけあり、来賓の数が多いったらありゃしない。ディアちゃんママ含めて国会議員が3人も来てるよ。

送辞は昨年のダービーウマ娘。そして答辞はゲミンガさん。奇しくも去年の凱旋門賞に挑んだ2人だ。

生徒会長の挨拶に、理事長の檄。そして校歌斉唱――。

泣いてる子たちもいっぱいいるけど、ケミ子さんにはあっという間で、そしてこれからも続いていく道。事実、今日以降もトレーニングは続くし、4月にはG1級レースが待ち受けている。

卒業式は、ひとつの通過点に過ぎない。

《卒業生、退場――拍手でお送りください》

そしてファンファーレに送られ、あたし――ビッグアルケミストは、トレセン学園を卒業した。

＊　＊　＊　＊　＊

卒業式が終わったあと、あたしは学園の三女神像前まで来ていた。待ち合わせをしているんだ。

希望に満ち溢れてきた時のあたしも、失意の中のあたしも見てきた三女神像。いまのあたしは、どんな風に見えているかな？

【そのとき、ビッグアルケミストの身体に不思議なことが起こった――！】

・dice2d4=3 1 (4) の因子を継承！

　→ 1：史実父オルフェーヴル　2：史実母ビッグビッグビッグ　3：ダートの先輩！　4：妹たち！

・前者の因子継承率　dice1d100=71 (71) ％

・後者の因子継承率　dice1d100=44 (44) ％

109ビッグアルケミスト25/02/15(土) 08:46:07

「こかげ、待ったか」「お待たせ～。もう、お父さんったら泣いちゃって」「ははは……恥ずかしいね」

三女神像の前、待ち合わせをしていたのは金沢から来た両親。
どうして待ち合わせていたかと、これからある場所へ連れて行くためだ。
一緒に学園を出ると、添乗員付きのリムジンが停まっている。これに乗るんだってさ。

――そういや、制服を着て出入りするのはこれが最後だったな。神社の鳥居よろしく、校門に一礼してリムジンに乗り込んだ。

＊　＊　＊　＊　＊

そうして着いたのは、都内某グランドホテルの宴会場。
会場には主催者、アグネスディアボロちゃんが黒のシックなドレスに衣装なおしして待っていた。

「ビッグアルケミストのご両親じゃな。彼女には世話になりっぱなしじゃった。お礼を申し上げるのじゃ」

そう、これはディアちゃん主催の卒業記念パーティ……兼、お別れ会。明後日には、もう日本を出発するんだって。
会場には、ルガシィやゲミンガさんといった同級生とその両親、エダシクトレーナー夫妻、他にもディアちゃんが学園生活でお世話になった人たちが集まっていた。
いやぁ……国会議員の娘となると、ここまで集まっちゃうんだ。

「それでは僭越ながら、姉の私アットホームカフェが乾杯の音頭を取らせていただきます。
　アグネスディアボロのトレセン学園卒業、並びにイギリス留学の検討を祈って――乾杯！」

そして、ケミ子さんがこれからお世話になるアットホームカフェさんの音頭で、会が始まった！

110ビッグアルケミスト25/02/15(土) 13:34:42

お嬢様学校に通う子たちの親というわけで、どこぞの社長だとか、資産家だとか……そんな人が多い。
そのなかでウチのお父さんは金箔職人かぁ……なんて思ってたけど、結構色んな人と名刺を交換している。

「ケミ子よ、両親ともども参加してくれて、感謝するのじゃ」

いやいや、こっちこそ呼んでくれてありがとう。でも……寂しくなるね。イギリスに行ったら一人っきりでしょ？
ディアちゃんっていつも周りに人がいるっていうか、いつもお世話されてるっていうか……。

「わらわじゃって、もう立派な卒業生なのじゃ！　この身一つでやっていけるところを見せねばな！」

そっか……ディアちゃん、あたしなんかよりずっと大人だもんね。でも、寂しくなったらいつでも連絡してくれていいからね？
そんな事を言うと「大丈夫なのじゃ！　わらわは大人のおねーさんになるのじゃ！」って強気に言って、そのあと……

「……じゃが、心配してくれてありがとう、なのじゃ。もう寂しくて泣くような事はせぬぞ！」

でもおねしょは……って言った瞬間「わーわーわー！！　それは別なのじゃ！」って。
ごめん、ごめんって。でも……頑張ってね。応援してるよ。

「うむ……離れていても、心はひとつ、なのじゃ」

111ビッグアルケミスト25/02/15(土) 13:36:04

「あーっ、ディアちゃんにケミ子！　二人だけずるい～！」
「おやおや、てっきり離れたくなくて泣いてしまうかと思っていましたが」

そこに割って入ってきたのはルガシィとゲミンガさん！　
いやぁ、別に二人っきりでコソコソしてたわけじゃあなくて、ね。

「水臭いこと言うなし。そうだ、ディアちゃん帰ってきたら、またこの4人で集まらん？　絶対盛り上がるっしょ！」
「それは良いアイデアです。私も女優業で忙しくなっている時期でしょうが……駆けつけますよ」
「では決まりじゃな！　わらわ達の絆は、ずっと続く！　のじゃ！」

うん……うん！　約束だよ。あたしも絶対行くからね。
4人で「ぎゅー」って抱きしめ合い、再開を誓ったのであった！

【アグネスディアボロの因子継承率が236%になり、ダート適性がＡ → Ｓに上昇！中盤ダイスが強化された！】

【現在の因子継承など】
・史実父オルフェーヴル：157%（洋芝適正アップ、レアスキル進化）
・ビッグビッグビッグ：232%（芝適正アップ、末脚ダイス強化）
・アグネスディアボロ：236%（ダート適性アップ、中盤ダイス強化）
・ワイルドハント達：68%（100%ごとに……！？）
・せがれ君との友好度：　98 / 100%（100%で……！？）
・オッサンとの絆：5段階評価中「５」（最大値！）

112ビッグアルケミスト25/02/15(土) 22:36:24

「……こかげ、トレセン学園に入って、いい友達ができたんだな」

そんな、同級生との様子を見ていたお父さんが話しかけてきた！

い、いやぁ……なんかキャラじゃないところ見られると、恥ずかしいな。たはは……。

「恥ずかしくないぞ。それに、お父さんはすごく安心した。シェアハウスのオーナーも良い人だったし、な」

「お母さんは周りが有名人ばかりで、ほんと驚きっぱなしよ。ディアちゃんにゲミンガちゃんに……テレビで見るウマ娘の子ばかり……」

「そうだ。こかげ。卒業祝いになにか欲しいものはあるか？　小さい頃は、ろくにワガママを聞いてやれなかったからな。少しは贅沢なことも言っていいぞ」

お父さん……うん。ありがとう。でも気持ちだけで嬉しいよ。

――なんて言ったら「でも」「だって」って、お父さんはどうしてもケミ子さんに高いものを買わせたいらしい。

それだったらお父さん、その……（こしょこしょ）……って大丈夫？　え！？　いいの！？

それじゃあ……甘えちゃおう、かな。上手に甘えられるのが大人だって教わったばかりだし、ねっ？

《これより記念撮影を行うのじゃ！　わらわとの写真は日本で最後の機会じゃぞ！》

っと、それじゃディアちゃんのところ言ってくる！　お父さんもお母さんも、楽しんでね！

＊　＊　＊　＊　＊

その翌々日。ディアちゃんは無事にイギリスへと旅立っていった。国際線ロビーでギャン泣きしたって、後でアットホームカフェさんから聞いたなぁ。

え、お父さんに何を頼んだかって？　それは……

【ケミ子が父親にお願いしたのは……？　dice1d3=1 (1) 】

1:堅実的なもの　2:趣味に走ったもの　3:サブカル受けするもの

113ビッグアルケミスト25/02/15(土) 23:04:35

「……この部屋ともお別れだね」

うん。3年間ありがとう、だね。

ディアちゃんのお別れ会からしばらくして、ケミ子さんはルガシィといっしょに美浦寮から引っ越しを済ませ、何もなくなった部屋に思いを馳せていた。

「現役の間は練習中に会うかもしれないけどさ、毎日顔を合わせんのは、これが最後だね」

そうだね。じゃあ、最後に「ぎゅーっ」で終わろっか。

そういって両手を開くと、ルガシィが胸に飛び込んできて「ギューっ」てされた！　えへへ……ルガシィ、ありがとう。

でも次に会う時はライバルなんだ。宝塚記念、ルガシィはケミ子さんにとって最大の壁になる。

「……じゃ、バイバイ。ターフでケミ子のこと追いかけるの、楽しみにしてるから！」

うん……バイバイ！　次はターフで！

――そうして退寮を済ませて、あたしは正式にトレセン学園OGとなったのだった。

＊　＊　＊　＊　＊

「ようこそ、シェアハウス『アットホーム・カフェ』へ」

そして今日から、ケミ子さんはこのシェアハウスで生活することになる。

入居者はオーナーでディアちゃんのお姉さん、アットホームカフェ――アットさんに、大井レース場所属の現役ランナー「ソプラノノミコト」、ウマ娘コーチを目指して大学に通う「アルトトリリオン」、そして東京レース場の誘導ウマ娘として働いている「テナージョーカー」の4人。あたしを含めて5人で暮らすことになる。

部屋は四畳半でベッド・クローゼット付き。生活に必要な家具や大学で使うパソコンは、サービスでつけてもらえる太っ腹ぶり。

そしてシェアハウスの前には、ケミ子さんがお父さんに頼んだものが、もう届いていた！

それは……そう、車！！

【ケミ子が父親にお願いした堅実的な車種（なお中古車）、それは…… dice1d3=3 (3) 】

1:ホンダ・エヌボックス　2:スズキ・ハスラー　3:ダイハツ・タント

114二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 08:08:25

ケミ子ちゃんもマイカー手に入れたんやな……
おめでとう

115ビッグアルケミスト25/02/16(日) 09:16:52

いろいろと便利な片側スライドドア！　広くて安心トールワゴン！　小回りの効く軽自動車！色は dice1d4=3 (3) 【1:白　2:黒　3:青　4:ミントグリーン】！

えへへ……中古車だけど、お父さんには無理言っちゃたかなぁ。

「いいじゃん。とうとう駐車場がバーベキュー会場じゃなくなったじゃん」

「これで居酒屋で飲みつぶれても送迎してもらえるねえ」

「真っ先にソレ思いつくのはノノミ様だけだって」

先輩入居者３人も感心している。足が必要だったら車を出しますので、どうぞよろしくお願いします！

……ってなわけで、今日はそのままシェアハウス内で歓迎会だ。うわ、めっちゃお酒が置いてある……。メニューもおつまみ系ばっかりで、こりゃあそそりますねぇ……！

「ケミ子さんにはお酒飲ませないでよノノミ」

「だいじょうぶらってぇ……ひっく」

「ノノミ様もう酔ってるじゃん……」

――さっきから喋っているのは、先輩入居者の３人。

フランクな喋り方をしているのはアルトトリリオンさん。尾花栗毛で容姿端麗なウマ娘だ。実はルガシィのギャル先輩で、大学に行きながらビッグビッグビッグさんのお店でバイトをしているんだって。

お酒のことばっかり喋っているのがソプラノノミコトさん。大井レース場所属の青毛のウマ娘で、ダートティアラ路線で重賞勝利している古豪だ。実は、次の川崎記念で対決することになっている。

そしてツッコミ役に徹しているのが芦毛で長身のウマ娘、テナージョーカーさん。現役時代、東京レース場でばかり好走していた縁で、誘導ウマ娘にスカウトされたそうだ。

「それでは……ビッグアルケミストさんの入居を祝いまして、乾杯！」

『かんぱーいっ！』

【気晴らし度　dice1d100=5 (5) 】

116ビッグアルケミスト25/02/16(日) 09:44:00

「やだぁぁぁ……まだおしゃけのむのぉぉ！」

「ノノミ様もうダメだって！　これ以上飲んだらこの前みたいにまたナイアガラしちゃう！」

「ウケる」

歓迎会は３０分もしないうちにただの飲み会になり、シラフのケミ子さんは介抱に回ることになってしまった！

それにしてもノノミさんの絡み酒すっご……トレーナーのオッサンとは何度も晩酌に付き合ったことあるけど、実はかなりおとなしい酔い方だったんだなぁ……。

「入居早々、申し訳ありません……彼女には深酒はしないよう、散々注意しているのですが」

と、ノノミさんをベッドに寝かせたあとで、アットホームカフェさん――アットさんが頭を下げる。

いえいえ……これぐらいお酒飲みが集まってると、ケミ子さんのお料理スキルが活かせるな、って思ってたところですよ。たはは……！

……とは言いつつもこれからのシェアハウス生活を想像し、思わずため息をつくのであった。

＊　＊　＊　＊　＊

4月。新年度になり、大学の入学式も終わっていろいろと忙しい中、とうとう川崎記念がやってくる。

トレーニングと入学前後のゴタゴタ、そしてシェアハウスへの入居でバタついて、ちょっと気は張ってるけど……ここでしっかり勝ってかないと、だ。

【川崎記念　当日の天気】

天気： dice1d10=1 (1) 【1～4 晴れ　5～8 曇り　9,10雨】

バ場： dice1d10=2 (2) 【1～6 良 7,8稍重 9重 10不良】（アイテム効果で良バ場の確立上昇）

枠順： dice1d14=1 (1) 番

117ビッグアルケミスト25/02/16(日) 17:43:20

さて……凱旋門賞を目標にしているケミ子さんが川崎記念に出走するのを決めたのは、京都記念のあと。

「惜しい走りが続いていて、調子が下がっている。ここいらで得意なコースで一度調子を上げた状態で、宝塚記念に向けて休養を取る」……というオッサンの作戦を受けての出走だ。

「どうだ、大学の調子は？」

たはは……まだ入学式とガイダンスだけでさっぱりだよ。でもまあ、悪くはないかな。

で、オッサン。川崎レース場で走るのは初めてだけどさ、どういうコースなの？

「大井レース場とは逆の左回りのコースで、一周1200mの典型的な小回りコースだな。高低差はない。

　中距離2100mは、向こう正面から出走して1周半して戻って来る形になる。コーナリングが得意なケミ子には有利だ。

　開催日程が変わりドバイWCと完全に重なったことで、拮抗した能力を持つ走者が集まるようになった。ケミ子、いけるか？」

そう。昨年のドバイ遠征で体調を崩したケミ子さんは、ドバイからの招待を早々に辞退していた。

かわりに国内の重賞に出走しているだけなんだけど、この辺はファンのみんなの理解してくれてるはずだ。

でも……大丈夫！　心配なのは出走が最内枠ってことかな。なるべく埋もれないようにしなきゃ、だ。

＊　＊　＊　＊　＊

《クラシック級で名を上げた反逆の錬金術師、川崎レース場に初登場！　地方の雄たちを相手にどう立ち回るか。

　1枠1番は吉と出るか凶と出るか！？　ビッグアルケミスト、パドックに登場です》

そうして始まったパドック。応援に来ているファンも「今日こそ勝てよ！」「ケミ子はやっぱりダートだよな！」と声をかけてくれる。

《そして、2月のクイーン賞で見事 dice1d3=3 (3) 【1:逃げ切り 2:差し切り 3:作戦勝ち】、酔いどれ脚でG1級に踏み入った！　大井のドランクモンキー、ソプラノノミコト！ dice2d7=6 7 (13) 番での出走！》

118ビッグアルケミスト25/02/16(日) 20:01:12

「みんな～、今日はシラフだよ～」

「当たり前だろ！」「飲酒運転はやめろ！」「レース終わったらいくらでも飲め！」

シェアハウスの先輩ソプラノノミコト――通称ノノミさん。酒好きなのは知れ渡っているのか、ファンとはコントのようなやり取りが行われている。

彼女の走り方は逃げ～差しの間で、その日の気分によって変わるという。クイーン賞では前走の大逃げを意識した他ウマ娘を逆手に取り、スローペースを作り出して先行策で抜け出してみせた。

不安定な脚質は通称「千鳥足」と呼ばれ、彼女への対策を難しくしている。枠は離れているが、要注意だ……！

＊　＊　＊　＊　＊

《大阪杯に続き、ダートにも新年度の旋風吹き荒れる。桜が満開の中、川崎の地に砂の猛者たちが集結！　川崎記念、間もなく発走です》

「ほほほ。ケミ子ちゃんのお手並み拝見ね～。負けたほうが今日のお酌よ～」

枠入り前、マイペースで話しかけてくるノノミさん。本当にシラフ？

でも……先輩だからといって手加減なんてできない！　果実酢ソーダ割り、作ってもらいますからね！

・常時スキル：差しのコツ【発動！】/良バ場○【発動！】/自制心【発動！】

・ペース dice1d2=2 (2) 【1ハイペース 2スローペース】

・スキル：円弧のマエストロ / 神速 / 差しコーナー○ dice3d3=1 3 1 (5) 【1,2で発動！ 3で不発……】

・中盤 dice1d10=1 (1) 【数字が大きいほどうまくいく！偶数で周囲にプレッシャー！】

・末脚 dice3d6=3 2 5 (10) 【数字が大きいほど加速！ 10以上で末脚爆発！】

・固有スキル『スイッチ走法』 3 + dice1d1=1 (1) 【10に近いほど末脚が更に強化！】

119ビッグアルケミスト25/02/16(日) 21:39:14

《さあ川崎記念、ダートに桜前線到来、今……スタートっ！》

スタートは問題ない。むしろ問題なのは、ここからどうやって囲まれないようにするかだ！

まずは右側に進路を……ダメだ、内ラチ沿いに閉じ込められて窮屈なレースを強いられる！

左には内ラチ、そして前後と右側をウマ娘に囲まれたまま最初のターン。スタミナこそ温存できているけれども、完全に複数のマークを受けてしまっていた。これは……まずい！　なんとか抜け出さないと！

《先頭からぎゅっと固まったままスタンド前を通過。第一コーナー、注目のビッグアルケミストは内ラチ沿いをキープしています》

このペースを作っているのは……やっぱりソプラノノミコトさん！　今日は「逃げ」を使って、ケミ子さんをマークしているウマ娘の動きを抑制しているんだ。

でも、大外から脚を使っているから、逃げ足はそうそう長く持たないはず……彼女が垂れ始めたら勝負が動く！

そして二度目の第三コーナー……先頭を行くノノミさんの脚が陰り始めた！　彼女を交わすために固まっていたバ群が大きく動き始める。

ここから短い最終直線では、ストライドを大きくしてたら交わせなくなる。ピッチ走法のまま、バ群を縫って前に出ないといけない！　ケミ子さんにできる？　いや……やるんだ！

【ダート適性S　勝利判定ダイスが1d8になる！】

dice1d8=4 (4)

1,2 《やはり強ぉぉぉいっ！　復活の錬金術師！　スルスルと抜け出し dice1d3=1 (1) バ身つけて圧倒！！》

3～5《ビッグアルケミスト抜け出した！　抜け出したが間に合うのか！　もつれるようにゴール！！　dice1d2=2 (2) 着！》

6,7 《先頭固まっている！　固まっているがビッグアルケミストが割って入る！　写真判定では dice1d3=3 (3) 着です》

8　《ビッグアルケミスト！　前が壁になっている！　展開に恵まれず dice2d7=4 3 (7) 着と悔しい結果に終わりました》

120二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:40:03

もう強制的に一着にして欲しい……
負けてるの見てられない

>>121 >>132

121二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 01:40:40

>>120

気持ちはわからんではないけど……ダイスSSってそういうものよ

>>122 >>132

122二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 01:44:14

>>121

正直に言うと下振れて負けてを繰り返して物語に起伏がなくてちょっとモヤッとしてるから勝確イベ立てて欲しいんだよね……

123ビッグアルケミスト25/02/17(月) 06:36:52

《ビッグアルケミストが抜け出してきている、しかし届かないっ！　その差は dice1d2=1 (1) 【1:クビ差 2:ハナ差】か！

　またしても1着には届かないのかーっ！》

はぁ……はぁっ……。また、また届かなかった……！？

これでG1級での2着は4連続だ……たはは……。

「あら……先行されちゃったねぇ。ケミ子ちゃんの強さはよぉく分かったわ～」

逃げを打ったものの、最終コーナー以降勢いを失ったソプラノノミコトさんは dice3d4=4 2 1 (7) 着。

でも、負けを感じさせずにいつものペースで、検量室へと戻っていったのであった。

＊　＊　＊　＊　＊

「……前回の京都記念といい、展開が向かないレースが続くな。堪えてないか？」

うん……大丈夫。でも、焦ってはいる、かな。

ライブを終えて着替え終わったあと、オッサンがケミ子さんに聞いてきた。調子はいい。けど、勝ちきれないレースがずっと続いている。

最後に勝った東京大賞典から、もう1年以上過ぎて……結果を出さなきゃ、って焦ってるのが裏目に出続けてるのかな。

……いいや、何かのせいにしちゃいけない。勝ちきれないのはあたし自身の問題だ。

オッサン、ケミ子さんはこのまま宝塚記念を目指せばいいんだよね？

「ああ……だが、現在の実績ではエントリーに厳しい部分がある。でも宝塚記念にはファン投票での出走枠がある。

　……お前の人望が試されるときだ。ケミ子、お前のファンサを見せつけてやれ」

うん……頑張ってみるよ。絶対に行くんだから、凱旋門賞に……！

【ビッグアルケミストの覚醒　78 + dice1d30=4 (4) / 100（累計100以上で“領域”に目覚める……！？）】

【敗戦の続くケミ子。もしかして……？ dice1d10=4 (4) （1～9：まだ大丈夫　10:衰えを感じ始めた……）】

124◆z0gopat5hg25/02/17(月) 07:25:25

～インターミッション（※１による見解）～

・ケミ子が勝てないレースが続いてることについて

ダイスSSってこういうもんだよね……まあ仕方がない。とはいえここまで下振れが続いているのはもどかしいですね

しかしレースごとに振ってる覚醒ゲージまで下振れてて、手を付けづらい状態です

もうしばらくもどかしい展開が続くかもしれませんが、勝利した際は盛大に祝っていただけると幸いです

・これからの物語について

ケミ子がトレセン学園を卒業したので、物語の展開スピードを早めるつもりでいます

レースをダイジェストで済ませるケースも増えると思いますが、ご了承ください

【なかなかレースに勝てないケミ子。しかし転機になるのは……？ dice1d3=3 (3) 】

1:ワイルドハントのG1勝利

2:ビッグビッグビッグさんの贈り物

3:せがれ君と進展……？

>>126 >>132

125二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 16:26:07

ほ

126二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 18:03:15

>>124

それでも少ししんどいです

本当にすみません

127ビッグアルケミスト25/02/17(月) 18:26:51

４月、川崎記念のあった週の週末。
シェアハウスの買い出しに行こうと思ったら、突然の雨！　うわぁ……びしょびしょだぁ。
こんなになるんだったら、素直に車で来ればよかったなぁ……。

「……あれ、そこにいるのは、ケミ子ちゃん？」

上着の端っこを絞っていると、声をかけてきたのは……あっ、せがれ君だ。
せがれ君は買い物帰りなんだって。いやぁ、ケミ子さん運がなくてさぁ……くしゅっ。ずびっ。

「風邪ひいちゃうよ。ちょっと家に寄ってきなよ」

＊　＊　＊　＊　＊

せがれ君の家、つまりケミ子さんのトレーナーの家は、雨宿りしてたスーパーのすぐ近くだった。
濡れてしまった上着に肌着を洗濯機に放り込んで、シャワーを使わせてもらっちゃった……。
乾燥が終わるまで、せがれ君のスウェットを着させてもらう。うーん、ブカブカ。
ってか、せがれ君ちのお母さんは？

「母さんは仕事、遅いからね。まあ、そうそうすぐには帰ってこないよ。
　父さんもそのうち、学園に迎えにいかないと。それにしても、その……」

せがれ君が言葉に詰まる。……はっ、そうだった。上着はスウェット一枚、下も下着にスウェットだけだった！
顔を火照らせながら背を向けた。窓の外には、厚い雲に覆われた空が見えた。
……ゴロゴロと雷の音が外から聞こえ、雨が屋根を打つ音が響く。そんな憂鬱な雰囲気が、あたしに口を開かせる。

――あたしさ、この前また２着だったんだ。それであたし、メディアからなんて言われてると思う？
錬金術師じゃなくて、錬“銀”術師だって、たはは……まったく、そのとおりだよね。

128二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 18:30:23

本当にしんどくなってきた
ダイスが憎い

129ビッグアルケミスト25/02/17(月) 20:13:27

G1級レースで勝てたのは、クラシックのときだけ。その後はずっと2着ばっかり4連続。

いつになったら勝てるのかな、って。考えれば考えるたび、気分が落ち込んでさ……。

――せがれ君は、返事を返してくれない。掛ける言葉を選んでいるようだった。

あたしさ。凱旋門賞に行きたいって夢があるんだ。でも、今のまんまじゃ、夢は夢のままで終わりそうで、さ。

針に糸を通すような、そういう望みにかけるしかなくってさ……あたし、あたし……。

あたしの頬を熱い涙が伝った。

その時だった。あたしのなかに、よこしまな考えがよぎったのは。

――もし、あたしの身体に、レースができないような『何か』が起こってしまえば。諦めがつくかもしれない、と。

背を向けたせがれ君の両肩を掴んで、こっちに向かせる。

そして手首を掴むと、せがれ君の手を、あたしの胸――おっぱいに触れさせた。ヒトでは、ウマ娘の力に抗えない。

ねぇ、せがれ君。いや、『――――君』。あたしを大人の女にしてよ。

こんなちっちゃい身体だけど、妹たちよりもちっちゃな胸だけど、もうすぐ19歳なんだから。

何者でもない、あなたの手で、あたしを大人の女に……！

【せがれ君の衝動】

・ dice1d999=768 (768)

【せがれ君の理性と意志】

・ dice2d9999=1573 7972 (9545)

130ビッグアルケミスト25/02/17(月) 20:56:14

「……ダメだよ。そういうのは」

あたしの力に抗って、せがれ君は手を引く。

「大人って、そういう風に無理やりなるものじゃ、ないんだ」

いいから、ひとおもいにやっちゃってよ。
そう言葉を絞り出す声は震えていた。彼の手に、あたしの涙がぽたぽたと落ちる。

「そんな泣いているケミ子ちゃんに、ひどいことなんて、できない」

一言一言、せがれ君も言葉を絞り出していく。あたしは腕に力が入らなくなって、ただ泣いた。
――ああ。あたしって最低だ。あたしがレースから逃げたいがために、彼を巻き込もうとしたんだ。
そんなあたしを、せがれ君はただただ優しく、背中をさすってくれる。
ごめんなさい、ごめんなさい。あたし、子どもみたいなことをして。

＊　＊　＊　＊　＊

「……もう大丈夫？　落ち着いた？」

うん。と、ちっちゃい子のような返事が出てしまった。
彼の淹れてくれた甘いカフェオレが、泣いて酷使した喉にしみる。
――あたし、怖かったんだ。またレースに出て勝てなかったらどうしよう、って。
でも……その気持ちにようやく自分で気づけた。せがれ君が、耐えてくれたおかげだよ。

「ああいうのは、その……もっと仲良くなってからに、しようよ」

え。あたし達、十分仲が良いと思ってたけど……いや、もういいよね。
せがれ君、改めてよろしくね。今度は友達以上の関係として、ね。

131ビッグアルケミスト25/02/17(月) 22:12:30

【せがれ君との友好度　98 + dice2d1=1 1 (2) / 100%】

【せがれ君と、特別な関係になった】

＊　＊　＊　＊　＊

「昨日は俺の家に来てたんだってな。せがれが変なことしなかったか？」

イ、イイエ！　ナンニモオキマセンデシタ！　……たはは。実は色々ありまして。

と、翌日打ち合わせで顔を合わせたオッサンには色々ぼかしつつも、自分がレースに対して恐怖感を抱いていることを伝えた。

「まあ、堪えねえほうが異常だ。ケミ子にはつらい思いをさせちまってるな。

　だがな、弱さを自覚できたことはとても有意義だ。正体がわかれば、対処ができる」

そうだね。オッサンは「甘えられるのが大人」って言ってたし、ここはオッサンに甘えちゃおっかな？

そういうとオッサンは部屋の片隅から段ボール箱を取り出した。これって？

「お前宛てのファンレターだよ。ケミ子を応援しているのは、俺やせがれだけじゃねぇんだ」

中を見ると……うわあ、すごい山積みのファンレター！

「何度でも立ち上がる姿に勇気づけられます」「ドバイのあとすっごく心配しました」「シルバーコレクターって逆に凄くね？」って……たはは。こんなにケミ子さんのことを見てる人がいるんだ。

……ここで逃げたら、この人たちのことガッカリさせちゃうよね。それにこの人たちがいてこそ、あたしは宝塚記念に挑めるんだ。よーし……、気合を入れて返信しなきゃ！

132ビッグアルケミスト25/02/18(火) 07:25:22

～ファンレターへの返信（※メタ視点）～

>>91

こう見えても芝でも走れるんだぞ、ってところを見せたかったんだけどね、たはは……。

でもダートウマ娘が急に芝長距離に出てきたこともあったし、意外と行けるかなって、さ。

（※2024年天皇賞・春に出走してきたハピとか……）

>>93　>>95

今年になってから調子はいいと思ってたんだけどね。でも、宝塚記念では頑張るよ！

もちろん出れればだけどね。そのためにはファンのみんなの声が必要なんだ。応援続けてくれると、嬉しいな。

>>99　>>101　>>105

ディアちゃんはおねしょ癖で有名になっちゃったけど、おもらしも意外とやらかしてて心配なんだよねぇ……。

イギリスでは大丈夫かなぁ？

『ぶぇっくしょっ！　噂されておるのかのう……あっ、ちょぴっとしてしもうた……！』

>>114

中古車で既に何万キロか乗ってるやつだったけど、まさか本当に買ってもらえるとはおもわなかった……！

荷物が多い時便利だし、そのうち自分の車でレース場に行ったりしよっかな？　ウマ娘なんだから自分の足を使え？　まあ、それはそう……。

>>120 >>121 >>122 >>124 >>128

勝負は時の運、だからね……。でも、こんな状況でも応援してくれる人がいる、っていうことが今のケミ子さんの支えだよ。

……逆に2着ばっかり続いてるって事は、宝塚記念で目標にしている2着に入れちゃったりして！　もしそうなったら、胸を張って「錬銀術師」の称号に感謝しなきゃ、だ！

みんな心配してくれてるのはわかってる。でも、ケミ子さんはいくよ。だって自分出始めた物語だから、ね！

【※本日、帰宅時間が遅くなりますので保守のご協力お願いします】

133二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 08:58:04

理性と意志がガッチガチだったから良かったものの、もしせがれ君がケミ子ちゃんの誘いに乗ってレースができないような『何か』を起こしちゃったとしたらどんなエンディングになってたんだろうか

>>134 >>135

134二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 15:43:27

>>133

正直見てみたいしwritingとかに書いて欲しい

規約に触れない程度で

>>135

135ビッグアルケミスト25/02/18(火) 22:09:53

>>133　>>134

（※保守ありです！　『何か』が起きそうになった際は横槍を入れるつもりでしたが、もしそのまま続いてしまった場合のエンディングは何らかの形で表に出したいと思います。ですが、いわゆるバッドエンドですのでご了承ください）

＊　＊　＊　＊　＊

シェアハウス「アットホーム・カフェ」はその名の通り、共有スペースはちょっとしたカフェのような間取りになっている。

早めにシャワーを浴びたあと、共有スペースの机に向かって、ファンレターの返信に筆を走らせる。

「応援ありがとうございます。宝塚記念出走のため、ぜひ応援をお願いします」……っと。

「おや、遅くまで精が出るねぇ。ファンレターかい？」

そう声をかけてきたのは、シャワーあがりのテナージョーカーさんだった。

はい、この通りで……落ち込んでたけど、こんなにいっぱいファンの方がいてくれるのは心強いです。

「分かるよ。自分も現役の時、落ち込んだ時の励みはファンレターだったもん。

　レース走ってるとどうしても独りよがりになりがちでさ。でも、ちゃんと見てる人がいるって形になると嬉しいんだわ。

　自分さ、人と話すの大好きだし。ファンの人の声で誘導ウマ娘になれたようなもんだからさ」

そうして「邪魔しちゃいけねぇ、そんじゃ先に寝るわ」とテナージョーカーさんは部屋に戻っていく。

……うん。みんなの声、もっと大事にしなきゃ、だ。目を擦って、あと一通、もう一通と、返事を書いていくのであった。

――そうして宝塚記念までの期限は近づいてくる。その前に起こったのが……まず、次女ワイルドハントのクラシック挑戦だ！

【ワイルドハントのクラシック戦線　皐月賞前哨戦　dice1d4=3 (3) 】

1:弥生賞で dice1d3=2 (2) 着　2:弥生賞で dice1d2=2 (2) 着　3:スプリングSで dice1d3=1 (1) 着　4:若葉Sで dice1d2=2 (2) 着

136二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 22:31:49

ハントちゃんはホープフルS以外好調だね
このまま皐月賞も勝ったらせがれ君落鉄のことでまた落ち込みそう

137ビッグアルケミスト25/02/18(火) 23:07:48

前哨戦に選んだのはスプリングステークス。本当は弥生賞を予定していたのだけれど、足元の調整が間に合わず3月後半にずれこむことになった。

でも、ワイルドハントは力強い走りで1/2バ身差での1着！　見事に重賞二勝目を挙げるとともに、皐月賞への優先出走権を手に入れたのであった！

そうして迎えた皐月賞。姉妹たちを連れてドライブがてら中山レース場に……って思ったらすっごい渋滞してた！

会場に入れたのはパドックが始まってから！　地下バ道に行こうとするハントに、大声で呼びかける！

ハント――っ！　がんばって――っ！　「――（サムズアップしている）」「ハントねえ、がんばってー！！」

「……っ！　うん、頑張るね、お姉ちゃん、デコ、キュリ！」

【ワイルドハントの皐月賞、結果は……！？ dice1d5=4 (4) 】

1　《「ワイルドワープ」炸裂ッ！　もうその差は覆せない！　保ったままでゴール！》

2,3《きわどい勝負になった！　軍配が上がったのは dice1d2=2 (2) 【1:スプリングS勝者！　2:弥生賞勝者！】》

4,5《前方固まってゴール！　前哨戦好調のワイルドハントは dice1d5=1 (1) 着か！？》

138二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 23:13:00

ハントちゃんやったか
MCローテ行っちゃう？

>>140 >>153

139ビッグアルケミスト25/02/19(水) 06:49:10

《勝利はなんと胸の差！　荒野の女王ワイルドハント、ここに戴冠！》

ワイルドハントが……ワイルドハントがクラシックで勝った！

姉妹3人で抱き合って勝利を称える！　そしてワイルドハントはウィナーズサークルでこう語った！

「わたしは……いつかお姉ちゃん、ビッグアルケミストと戦いたいです！

　そのために、お姉ちゃんには宝塚記念に出て、勝ってほしいです……みなさんも、応援よろしくお願いします！」

……そんな事、妹から言われたらさ。俄然がんばらなくちゃってね！

【妹たちからの因子継承！　66 + dice1d50=6 (6) （100%ごとに……！？）】

＊　＊　＊　＊　＊

そして4月後半……アットホームカフェさんが、慌てた様子でケミ子さんに「車を出してほしい」と言ってきた。

どうしたんですか？

「ビッグビッグビッグさんから連絡です。陣痛が始まったと……すぐ、病院へ連れて行っていただけますか？」

140◆Jy0yDuvQzw25/02/19(水) 07:25:25

>>138

【ワイルドハントの次走は……　dice1d5=1 (1) 】

1～4：もちろん日本ダービー！　5:え、NHKマイル！？

141二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 07:41:38

勝ったのはいいけど因子継承クソ下振れてて萎えそう
もうちょっと足してあげても良いんじゃ……

142二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 13:57:34

ホープフルSでの落鉄が悔やまれる

143ビッグアルケミスト25/02/19(水) 18:18:09

（※お正月のイベントで姉妹の因子継承率上がってたのを失念したので再計算。でも正月でも下振れてた……）

【妹たちとの因子継承率　74％（100%ごとに……！？）】

＊　＊　＊　＊　＊

「肩を貸しますね。荷物はあとで私が届けに行きますので、まずは病院へ」

「うん……アットちゃん、こかげちゃん、ありがとう……」

昨日、産休に入ったばかりだというビビさん。予定よりも早い陣痛に戸惑っているようだった。

陣痛が引いたタイミングでビビさんを車に移動させようとすると……。

「あ……！　ダメ、止まって……っ！」

びしゃびしゃ……と、ビビさんの足元に温かい液体が。もしかして、お漏……違う、破水してる！

大きくなったお腹を抱えながら、顔を赤らめるビビさん……恥ずかしくないですって！　むしろ大変ですから！

ほら、アットさんがタオル持ってきてくれましたから、これを当てて車に！

＊　＊　＊　＊　＊

ビビさんを病院に連れて行ったあと、入院用の荷物をまとめて送り届け、気づいたらもう午後……。

今日はきっと、エダシクトレーナーさんも病院につきっきりですね。そうなると娘のボワちゃんは？

「ボワオンブラージェちゃんは、今日はこのシェアハウスで預かることになりました。

　大丈夫です、今まで何度か預かっていますし、私はナースメイドもこなせます」

……ということで、託児所からのお迎えの時間に、アットさんと2人でボワちゃんを引き取りにいく。

ボワちゃんも、もう1歳10ヶ月だ。走れるようになってきたし、単語も話せるようになっている。問題はご機嫌具合だけど……。

【ボワオンブラージェちゃんのご機嫌　dice1d100=2 (2) （大きいほどナナメ）】

144二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 18:23:10

むしろ上機嫌…？
どうしたんだろうか

145ビッグアルケミスト25/02/19(水) 23:27:17

「ぱいぱい」
「アットお姉さんからは出ませんよ～」

ボワちゃんは思ってた以上に上機嫌だった。たぶん、まだお母さんが出産のために入院してるのに気づいてないんだろうなぁ。
……というかアットさん、さっきからおっぱいペチペチされてますけど痛くないですか？

「痛くないですよ。ほら、ケミ子お姉ちゃんにもご挨拶してね」
「ないない」

ぐっ……！　ボワちゃんにまでおこちゃまボディ煽りされたっ……！
でも泣いてる時間はない。この間にも、ビッグビッグビッグさんは陣痛に耐えてるんだ。お世話はしっかりしないと、だ！

アットさんがご飯の準備をしている間に、一緒に遊んであげよう。ボワちゃん、お絵描き好き？
え、「おしょと」、って外で遊びたいの？　しょうがないな……あーっ！？　速い速い速い！　もう夕方なのにすっごい勢いで走っていく！　本当に1歳10ヶ月か！？
ボワちゃんはどうやら一人遊びが好きなタイプのようで、道端のお花をつんだり、小枝を振り回したりして遊んでいた。
そんなこんなで30分は遊ばせただろうか。もうそろそろ帰らないと……って思った矢先、ボワちゃんが道端でしゃがんでしまった！
どうしたの？　お腹すいた？　一緒にしゃがんで、目線を合わせる。

「……んーち、でた」

あぁ……おむつ交換かぁ。はいはい、お姉ちゃんと一緒に帰ろうねぇ。

146ビッグアルケミスト25/02/20(木) 07:24:14

「エダシクトレーナーから連絡がありました。今日はやはり、ビッグビッグビッグさんとご一緒すると」

と、アットさんが連絡を受けたそうだ。やっぱり……でも、ボワちゃんが大人しくて良かったです。
……あのあと、おむつ替えをしてご飯を食べ終わったボワちゃんは、遊び疲れてぐっすり眠ってしまった。
共有スペースのソファに横になってるけど、ベッドに連れて行ったほうが良いですかね？

「寝るのが早かったですし、多分一度起きると思いますから、その時私が連れていきます。
　それまでボワちゃんが寝返りで落ちないよう、見張っていていただけますか？」

はーい。とはいえケミ子さんもシャワー上がりでちょっとウトウトしちゃう時間なのよね。
ボワちゃんの横に座ってトントンと触れていると……け、ケミ子さんにも眠気が……。ぐぅ……。

【ビッグビッグビッグ　第二子の難産度　６０/１００】

＊　＊　＊　＊　＊

不思議な夢を見た。
目を開けると、そこはあったかい布団の中。目の前に、一緒に横になっている大きなウマ娘の姿が見える。
黒鹿毛に前面が真っ白な白面の流星、青い右目、そしてそのふくよかな体つき……ビッグビッグビッグさんだ。

「ふふ……私の赤ちゃん、こかげちゃん」

私は、ビッグビッグビッグさんの赤ちゃんになってしまっていた。

147二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 17:19:54

ビッグビッグビッグちゃん、オリウマレースでレース出走してたと思ったらこっちでは出産始まってた…

148こかげちゃん25/02/20(木) 21:20:51

愛おしそうな目で見られると、見られているあたしまで幸せになってしまいそう。
ビッグビッグビッグさんは、そういう不思議な魅力を持ったウマ娘だ。でも……その笑顔の下に苦悩を隠しているのを、あたしは知っていた。

「私ね、お母さんってどうやるのかわからなくて、あなたをちゃんと愛してあげられないかもしれない。
　それに……私は、あなたが生まれたときのことを覚えてない。本当にあなたが私の子なのか、時々不安になるの」

曇った表情であたしの顔を撫でると、ビッグビッグビッグさんは立ち上がり、あたしを抱きかかえた。

「……あなたが大きくなったら、私のG1級4勝っていう成績が、あなたの足かせになるかもしれない。
　小さいあなたを、レースの道に進ませるのを、今でもちょっとためらっているの」

温かく柔らかいビッグビッグビッグさんの腕の中。
大丈夫、心配しないで、と微笑みかけると、夢の中のビビさんは笑い返してくれた。

――その時だった。この幸せな光景に割って入る傲慢不遜な声が響いたのは！

『ぬるい。それが余の覇道の先に進む者の心得か。余の血を継ぐものなら“宇宙一のウマ娘”ぐらい大口を叩いても釣り銭が返ってくるぞ』

声のした方を向くと、ものすごい逆光！　かろうじて、栗毛であることがわかる。
でも、このプレッシャーは間違いない。このウマ娘は金色の暴君と呼ばれた――！

『余の覇道の先に轍はない。貴様自身が、余の覇道の先に轍を作るのだ。
　そこな巨体の伴侶が貴様に授けた車輪に、余が授けた器用さ。星となった先人に、血を分け合った兄弟。
　その全てが噛み合った時、貴様は真に“偉大な錬金術師”となるのだ。
　余に愚息と罵らせるなよ、ビッグアルケミスト』

＊　＊　＊　＊　＊

149ビッグアルケミスト25/02/20(木) 23:23:44

＊　＊　＊　＊　＊

「ないない、おっき」

「ケミ子さん、起きてください。ほら、ボワちゃんもっと頑張って」

「ないない、ないない！」

……った、痛い！　顔をぺちぺち叩かれている！

起きて顔を上げると、ボワオンブラージェちゃんに顔を叩かれていたようだ。

ってかケミ子さん、ボワちゃんから「ないない」って名前で認識されてんの！？　ショック……。

「……ビッグさんが分娩室に入ったと連絡がありました。私はボワちゃんを寝かしつけてきます」

「あっと、ねんね？」

「はい、一緒にねんねしましょうね……。では、連絡がありましたらよろしくお願いします」

そういって、アットさんは自分の部屋のベッドに、ボワちゃんを連れて行った……。

うーん……それにしても、なんか不思議な夢を見た気が……ビッグビッグビッグがお母さんで、あの“金色の暴君”がお父さんで……。

やっぱり、ビッグビッグビッグさんとは特別なつながりがある気がする。そんなビビさんが今、赤ちゃんを生むために頑張ってるんだ。あたしだって……今できることを頑張らないと！

【ビッグビッグビッグとの因子継承率が 232 + dice1d100=67 (67) %になった！（100%ごとに芝適正アップ、末脚ダイス強化）】

>>151

150チーム＜エダシク＞トレーナー25/02/21(金) 07:25:06

～分娩室　A.M 1:20～

「はっ……ああ、んっぐぅ……！！！！」

「お母さん、頭が見えてきましたよ！　もうひと踏ん張りです」

「んっ……に、に゛ぃぃぃぃっ！！！」

ビビは、ボワオンブラージェを生んだ時は全身麻酔をしての帝王切開だった。

だから今回が初めての自然分娩になる……もう2時間ほど経ったが、ようやく生まれる！

もうビビには言葉を話す余裕はない。汗と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、最後の仕事が始まった。

僕には、ビビの手を握って声をかけることしかできない……頑張れ、ビビ。もう少しで2人目の赤ちゃんのお母さんだぞ！

「はぁはぁ……ん、んんっ……！！　だめっ、もうっ……」

「もう一息です、最後にもう一度！」

「あ、あああっ……ん……ッ！　あ゛あ゛んっッ！　――――――ッ！！」

その時だった。彼女の豊満な身体越しに、元気な泣き声が聞こえてきたのは――。

「……おめでとうございます。元気な……」

【元気な赤ちゃん！ dice1d3=2 (2) 】

1:おとこのこ！　2:おんなのこ！　3:ウマ娘！

「はぁ……はぁ……ちゃんと、わたし、うめたよ……おとうさん……！」

ああ、ああ……！　僕も安心して、分娩室の部屋に倒れ込んでしまった。

その時だった。ビビを握っていた手に違和感を感じたのは。

彼女が握っていた手が痛む。あれ、指ってこんなに曲がるものだったか……？

【エダシクトレーナー　全治3ヶ月の骨折　原因：分娩中の制御不能な握力】

151二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 17:03:47

>>149

232+67=299

寸止めにもほどがある…w