【トレ♀ウマ・SS】ラモーヌ「……抱いてくださる?」

  • 1全二レス(予定)25/02/01(土) 19:42:34

    珍しく疲れを滲ませた声音でラモーヌがそう言い、こちらに寄りかかってきた。ほのかに艶やかな彼女の髪の香りが鼻腔をくすぐる。

    ……常に超然としている彼女だが、それでも疲れて甘えたくなる事はある。特に、今日のような日は。

    今日はメジロ家としての仕事が立て込んでいた。それに相手をした客人の中には、こう言ってはなんだが……酷く面倒な手合いもチラホラいた。

    成金臭いとでも言おうか?ああいうのを相手にして涼しい顔をしていられる彼女の胆力は、流石に名家のご令嬢。早いところそうできるようにならねばならないと分かってはいても、当分の間自分にはできそうにない。まあ、彼女にとってその程度は瑣末ごとに過ぎないわけで、一番のショックは天候だろう。

    雨。そう、今は収まっているが、今日の天気は雨だったのだ。今日の彼女にとって一大事は、メジロの若芽達へのレース指導だった。しかし、その最も大切で最も楽しみにしていた予定が、雨でお流れしてしまったのだ。

    勿論日課にしているトレーニングも、気晴らしに走るのも変更せざるを得なかった。彼女の心痛は自分のものなどとは比べものになるまい。

    ……そんな彼女に対してこんな事を思うのはどうかと思う。だけど、こんな辛い日に自分を頼って、甘えてくれるというのは正直、嬉しい。自分にだけは弱い所を見せてくれる。それはつまり、自分はラモーヌにとってそれだけ安心できる存在という事だから。

    抱き締める力は強く。頭を撫で、髪を梳く時は優しく。何年も一緒に走って、最早単なるトレーナーと生徒ではなくなったのだ。こういう時彼女がどうして欲しいかはなんとなく分かるようになった。

    「……今日は、ちょっと早く寝ようか」
    「そうしましょう。少し、疲れてしまったもの」

    そうして、いつものようにお休みのキスをしようとした時だった——彼女を押し倒してしまったのは。

    いや、違う。押し倒したのではない。引き倒されたのだ。柔らかいベットに沈みこみながら、悪戯っぽく笑うラモーヌに。

    「疲れたんじゃなかったの?」
    「ええ、疲れましたわ。ですから、お手柔らかにお願いできるかしら?」

  • 2全二レス(予定)25/02/01(土) 19:42:46

    太陽がなかったばかりに消沈することとなった。そんな、自分たちを嘲笑うかのように、冷たい月明かりがいつもより寝室を明るく照らし出す。

    忌々しいことこの上ない月光ではあるが、彼女の美しさをこれほど引き立たせるものは他にない。薄く透ける、扇情的なネグリジェ姿の彼女のことを。その魅力に囚われれば最後。引き込まれ、命を失うと分かってはいても惹かれずにいられない、闇夜の海のように広がる艶やかな髪を。毎夜見ている姿だというのに、それでも息を呑むほどに美しい。

    そうして現実であることを忘れるほどに見惚れさせたのが彼女であるならば、現実に引き戻したのもまた、彼女だった。

    左手に柔らかく、暖かい感触。チラリと伺うと手を握られていた。ほっそりとした彼女の指に、こちらのそれが絡みとられている。

    手を強く握られ、逃げようがないというわけではない。むしろ、離れようと思えばとても簡単だ。彼女が手を握る力は優しい。その上焦らすよう弄ぶよう、人差し指でこちらの人差し指をくすぐっている。これでは、力の入れようがない。

    そうだ、止めようと思えば止められる。引き返そうと思えば引き返せる。けれど、それができない。それどころか、彼女の求めるようにしてしまいたい。そう思ってしまうのは心の弱さ故か、それともパブロフの犬のようなものか……。

    『お手柔らかに』彼女はそう言った。本当に、彼女は酷いウマ娘だ。

    「生殺しだよ、それ」

    クスりと、彼女が笑った。それは、それは、愉しそうに笑って、囁いた。

    「……ケダモノ」

    君に当てられてこうなってしまったのに、酷い言い草だ。そう言い返すのが良いスパイスになるのならば良かったけれど、これを言うのは単なる野暮というものだろう。だから、余計なことは何も言わないことにした。何も言わず、代わりにキスだけを、優しく。

    それは先程しようとした、お休みのキスとは正反対の宣言。まだ眠らせない。もう少しだけ夜は続くという宣言。そうして、深まる夜とは切り離された二人だけの世界を過ごした。






    まあ結局、二人して消化不良の感を拭おうとして寝不足となったのだけれど……。

  • 3おわり25/02/01(土) 19:43:47
  • 4二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 19:52:55

    分かる

    恋愛経験のれの字もなさそうな残念美人が肉食系(?)な歳下に染められちゃうのはえっちいよね いやまあラモトレ♀がモテたことないってのが前提の論理だけどさ

  • 5二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 19:57:36

    パブロフの犬ってことはつまりそういう事ですよね?

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:00:26

    ラモトレ♀いいぞー伸びろ伸びろ

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:01:19

    トレーナーの服装はラモーヌ同様ドえっちなネグリジェなのかそれとも普通のパジャマとか芋っぽいジャージとかなのか

    あまり考えると身体に悪いなこれは…鼻血が止まらん

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:05:49

    してるんか?元気な夜は毎日イチャラブおててニギニギぴょいしてるんか?

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:13:01

    ギリギリの時間に跳ね起きたせいでシャツのボタンをかけ間違えて着てしまう元ラモトレ……

    それを直してあげる同じようなタイミングで起きたのになんか身だしなみバッチリなラモーヌ……

    そのやりとりを見てなんとなく察するものがあったが割とよくあることなので流すメジロ家の人々……

  • 10二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:15:35

    疲れてるってのもあるのだろうけどわざわざ押し倒された形に持っていって主導権握らせるラモーヌはさあ…なんなの乙女なの?

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:25:37

    トレ母・父「レースオタクで将来大丈夫かなこの子と心配してた娘が男捕まえるどころか名家の令嬢にとっ捕まっとる」

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 20:33:42

    つまり条件反射でその気になっちゃうくらいにはいつも手を繋いでうまぴょいしてるってコト!?

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 21:42:06

    室内裸族と言われがちだが個人的にはこのラモーヌみたいにスケスケネグリジェ着てる方が解釈一致なんだよね

    つまり言い換えると『僕の性癖に合っていますね』

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 21:52:27

    コンディション寝不足獲得・体力減するけどそれはそれとしてやる気は上がってそう

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 22:10:14

    ラモーヌ姉さんが受けだと!?こんなのボクのデータにはないぞ!?

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 23:02:43

    ラモーヌは割と誘い受けでは

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/01(土) 23:03:47

    生殺し発言的に普段はだいぶ激しいようで

    これもまた愛か

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