- 1二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 00:33:28
「ん〜〜、あっ」
朝から続いてた作業が一区切りつき、固まった体を伸ばしていたら時計が目に入った
「後、1時間」
今日は週末
夕方から先生と会う約束をしている
「先生……早く行ったら迷惑かな?」
無意識にそんな呟きをしていたらしく、待機モードにしていたアテナ3号が反応した
「つい5分ほど前に、シャーレの先生からモモトークを受信しました」
その言葉を聞いてタブレットに目を向けると、確かに通知が入っていた
「先生……どうしたんだろ」
もしかして、この後の予定に変更が起きたのだろうか
少し不安を覚えながらもトーク画面を開く
「ハレ、お疲れ様」
「素敵な音声をありがとう」
「おかげでぐっすりと眠れて、寝不足が解消されたよ」
…………
……音声?
身に覚えのない話に、トーク画面をスクロールさせると……あった - 2二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 00:35:16
今日のお昼頃
先生宛に音声データが送信されていた
「何……これ。アテナ3号、分かる?」
「はい。そちらの音声は対象小鈎ハレが昨晩就寝時に望んだ願望を形にしてシャーレの先生に送信した物となります」
昨……晩?
私が望んだ……事?
全く見当が付かなかった
「対象の音声を再生しますか?」
私が、アテナ3号の問いかけに静かに頷くと謎の音声の再生が始まった
「先生、今日も一日お疲れ様」
「うん、なんか眠れなくて」
「それでね、先生。もし良ければ……今日も一緒に」
冒頭数十秒で再生を停めた
「な、なななな何……これ」
もちろん、こんな音声に心当たりなどない
昨晩、私は何を望んだと言うのだろうか
「昨晩対象小鈎ハレが、寒い夜は先生と寝たら暖かく寝れるのかな……と呟いていたので」
……全く記憶にない - 3二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 00:35:23
おお
- 4二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 00:36:43
「待機モードの間に過去のデータを元に合成音声を作成し、ASMR風の音声に仕上げました。もちろん全年齢対象です」
……ASMR?
という事は……先生はこれを……イヤホンかヘッドホンで……
想像しただけで顔が真っ赤になるのが分かった
ASMRという事は、ほぼ先生とゼロ距離で話が進んで行くと言うこと
先生の吐息が……ぜ、ゼロ距離で
「ちなみに作品の後半は、対象小鈎ハレの昨晩の寝息ループとなってます」
はぅっ!?
……寝息……ループ?
寝てる所を……録音されて……た?
「完璧に静音して、環境音等不快な音は全て取り除きました」
もう私には、アテナ3号の言葉を理解する余裕はなかった
この後……どんな顔して先生と会えばいいのか……その事に脳のリソースを全て持っていかれてたからだ - 5二次元好きの匿名さん25/02/04(火) 00:37:42
失礼しました
アテナ3号ならお節介でこれくらいやりかねないなと思ったら筆を走らせていました