【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.9

  • 1ホットドリンク大好き25/02/06(木) 14:44:05

    【あらすじ】
    暇を持て余した、マエストロの、遊び。

  • 2ホットドリンク大好き25/02/06(木) 14:45:09
  • 3ホットドリンク大好き25/02/06(木) 14:46:26
  • 4ホットドリンク大好き25/02/06(木) 14:47:37
  • 5ホットドリンク大好き25/02/06(木) 15:06:07

    現在の躰のカヤの銃器───


    1.拳銃

    2.散弾銃

    3.機関銃

    4.サブマシンガン

    5.アサルトライフル

    6.グレネードランチャー

    7.迫撃砲

    8.レールガン

    9.ロケットランチャー

    10.火炎放射器


    dice1d10=1 (1)

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 15:07:33

    「不知火カヤ」にはならないけど不知火カヤを心酔するシンパとかもいそう増えてそう

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 15:10:05

    「この程度の輩なら拳銃だけで十分ですね」

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 15:18:57

    白兵戦も強そう

  • 9ホットドリンク大好き25/02/06(木) 15:21:03

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    官服:
    「───少し、確かめたいことがある。
    私達は別行動を取らせてもらう。(無理やりスオウと肩を組む)」

    スオウ:
    「離せ。」

    官服:
    「断る。」

    カヤ:
    「最悪の場合 取り残されますが、構いませんか?」

    官服:
    「構わない。
    私は停学中の身。
    困るのはスオウだけ。」

  • 10ホットドリンク大好き25/02/06(木) 15:21:42

    スオウ:
    「いい加減、撃つぞ?」

    官服:
    「・・・。(無言で関節を極める)」

    スオウ:
    「・・・。(無理やり痛みによる呻きを抑え込んだ苦悶の表情)」

    カヤ:
    「それは結構なことです。
    しかし一応、これをお持ちください。」

    イヤホンにしては やけに大きい耳当てを渡すカヤ。
    受け取った官服は、渡された物の見当が付き、納得して頷いた。

  • 11ホットドリンク大好き25/02/06(木) 15:22:24

    官服:
    「なるほど。
    その躰の特異性をコレなら十分に活かせる。」

    装着する官服。
    訝し気にしていたスオウにも無理やり装着させる。

    スオウ:
    「・・・一応聞くが、コレは何だ?」

    カヤは事も無さげに答えた。

    カヤ:
    「ただの古いタイプの無線機ですよ。
    『普通の人が使う分には』一般的に出回っている無線機よりも使い勝手の悪い遺物です。」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  • 12ホットドリンク大好き25/02/06(木) 15:33:02

    戦闘力70にカヤ補正が入って80だから、元がサクラコと同じくらいの強さで、今はイオリくらいの いぶし銀の強さ。
    ゲームで強いのは、デフォルトのカヤではなく こっちのカヤかもしれない。

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 19:13:29

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 19:23:22

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 19:23:37

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 22:26:39

    カヤ「お二人とも仲良いですね」

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 23:51:49

    >>16

    「「良くない」」

    「やっぱり仲良いじゃないですか」

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 06:57:51

    保守

  • 19ホットドリンク大好き25/02/07(金) 12:58:32

    カヤ:
    『良いですね。
    どうやら貴方の見立て通り、クロは そちらに居るようです。』

    官服:
    「後は出口が どっちにあるか。 先に見つけたらゴメン。」

    カヤ:
    『結構です。
    これは そういう賭けなのですから。』

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    『五時の方向から敵が接近しています。』

    スオウ:
    「そうか。
    ・・・なぜ敵が来る方向が分かる?」

    カヤ:
    『そういう遺物ですから。
    ───3秒後に接敵します。』

    スオウ:
    「・・・。」

    ────────────────────

  • 20ホットドリンク大好き25/02/07(金) 18:07:02

    カヤ:
    『ミユ、3時の方向から爆弾ボールが跳ねて来ています。 撃って爆破して下さい。』

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    『モエ、あの物陰から次の攻撃が来ます。 対応して下さい。』

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    『サキ、前の車両に移って下さい。 その位置では連携が難しくなります。』

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 21ホットドリンク大好き25/02/07(金) 18:07:31

    カヤ:
    「ミヤコ、12時の方角です。
    次の攻撃が来ます。 撃ち落として下さい。」

    跳ねてくる爆弾ボールを撃ち落とすミヤコ。

    ミヤコ:
    「・・・よく対応できますね。
    一人で6人のオペレーションなんて。」

    カヤ:
    「そんなことはありませんよ。
    『私』は別々にオペレーターをしています。」

    ミヤコ:
    「? 話が見えてこないのですが・・・。」

    カヤ:
    「簡単な話です。
    この躰の中には、6人以上の『私』が入っています。
    だから、別々にオペレーションすることが可能なのです。」

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 19:23:05

    二重人格ってレベルじゃなかった!

  • 23ホットドリンク大好き25/02/08(土) 00:12:24

    ────────────────────

    スオウ:
    「───つまり・・・多重人格ということか?」

    道なき道を話しながら歩くスオウと官服。
    視線は互いに周囲を警戒している。

    官服:
    「・・・どちらかというと精神異常に近い。
    精神構造が歪んだから、沢山の魂が入る隙間が出来た。」

    スオウ:
    「歪んだ?」

    自身の頭を指差す官服。

    官服:
    「私と『愚妹』は記憶が地続き。
    だから、彼女の記憶もある。
    あの躰の持ち主は、【真理】という名の不可解な観念を認識してしまった生徒。
    探求の袋小路に迷い込み、精神は汚染された。」

  • 24ホットドリンク大好き25/02/08(土) 00:12:58

    スオウ:
    「・・・それで精神が歪んで、『不知火カヤ』が這い込む隙間が沢山出来たワケか?」

    官服:
    「その認識は間違いじゃない。」

    スオウ:
    「含みのある言い方だな。」

    官服:
    「性格には『入り込まざるを得なかった』という方が正しい。
    【真理】の干渉を妨げるには、同じく不可解な観念である【太陽】の力が必要だった。
    沢山の『不知火カヤ』と同化したからこそ、彼女は人を保てている。
    逆を言えばそれだけ───」

    官服は突然、言葉と足を止める。

    スオウ:
    「? どうした?」

    官服は上を見上げていた。

    官服:
    「───見ぃつけた。」

    ニヤリと、完全に悪役の顔で官服は嗤った。
    視線の先には、宙で羽ばたくクロの姿があった。

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 02:08:09

    不安定になっていた人格を不知火カヤを移植することで取り敢えず安定性を保てるくらいにはなった感じかね

  • 26二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 11:19:05

    不知火カヤのたまにこうなる表情に不知火カヤを知っている人は思わずビクっとなるという

  • 27ホットドリンク大好き25/02/08(土) 16:29:57

    カヤ:
    「───どうやら、あちらは大元に辿り着けたようです。」

    ミヤコ:
    「それは・・・こちらはハズレということでしょうか?」

    カヤ:
    「そうとも限りません。
    ミヤコ、衝撃に備えて下さい。」

    ミヤコ:
    「はい?」

    カヤ:
    「まもなく このコースターは落ちます。」

    ミヤコ:
    「はい!?」

    次の瞬間、カヤとRABBIT小隊はジェットコースターごと宙に投げ出された。

  • 28二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 19:38:55

    ( ̄ω ̄カヤ)スタッ(スマートに着地)

    ( ̄ω ̄カヤ)ドヤッ

  • 29ホットドリンク大好き25/02/08(土) 22:54:44

    カヤ:
    「───ご無事ですか、皆さん。」

    各隊員の無事を確認するミヤコ。

    ミヤコ:
    「・・・大丈夫です。
    RABBIT小隊、総員無事を確認しました。
    ・・・カヤ先輩も ご無事で何よりです。」

    ビックリするくらいスマートに着地していたカヤは、どこか得意気に胸を張った。

    カヤ:
    「落下には慣れていますから。
    地の底を巡る遠征では、この数倍の高さから落下することも珍しくはありません。
    もし宜しければ、今度の遠征にはRABBIT小隊も招待致しましょうか?」

    ミヤコ:
    「・・・そうですね、是非宜しくお願いします。」

    カヤ:
    「おや、積極的ですね。
    てっきり断られるものだと思っていましたが。」

  • 30ホットドリンク大好き25/02/08(土) 22:55:12

    ミヤコ:
    「そうですね、正直あまり気は進みません。
    ですが・・・少しでも先生の力になりたいですから。」

    カヤ:
    「あぁ・・・貴方は本当に『私』に近しいですね・・・。」

    カヤは無造作に拳銃を抜き放った。
    銃声が響き、何もない岩壁に命中する。

    カヤ:
    「───分かりました。
    エデン条約の全てが終わり、『青春の物語』が再び紡がれ始めたのなら、私もまた敬意を払って あなた方を誘いましょう。
    呪いと祝福に満ちた『奈落の物語』へと。
    しかし今は───」

    銃弾が命中した岩壁の影から、ひょっこりとシロが現われる。
    イタズラが成功した子供のようにクスクスと嗤うと、マジックのようなエフェクトを帯びた瞬間移動によってカヤ達の前に現われた。

    カヤ:
    「───共に、この試練を乗り越えようではありませんか。」

  • 31二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 22:59:47

    不知火カヤのノリにミヤコも慣れてきたか

  • 32ホットドリンク大好き25/02/09(日) 06:53:29

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    イベント戦闘:vs シロ

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ストライカー:RABBIT小隊

    スペシャル:不知火カヤ(2nd)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ・・・
    ・・・・・・
    ・・・・・・・・・

  • 33ホットドリンク大好き25/02/09(日) 07:11:57

    ミヤコ:
    「はぁ・・・はぁ・・・これで、トドメ・・・!」

    最後の弾丸がシロに命中する。
    シロはコーヒーに溶ける角砂糖のように消えていった。

    カヤ:
    「素晴らしい。
    数々の試練を超えたことによる成長が顕著に出ていますね。
    それでこそ『正しい道理』───おや?」

    カヤ達の視界に、光差す長方形の『出口』が現われた。

    ミヤコ:
    「あれは・・・。」

    カヤ:
    「おやおやおやおや・・・あなた方は運が良い。
    どうやらアタリを引いたようですよ。
    『出口』はシロが守っていたようです。
    となると後は───」

  • 34ホットドリンク大好き25/02/09(日) 07:13:05

    カヤ達の前に再び、何事も無かったかのようにシロが現われた。
    人形であるにも関わらず、明らかに子供じみた無邪気な悪意を滲ませている。

    カヤ:
    「───シロのディフェンスを抜けるだけです。 もう一息ですよ。」

    サキ:
    「・・・なんかこの、『やっと倒したと思ったら』って展開には既視感があるぞ?」

    ミヤコ:
    「言わないで下さい。
    少なくとも、沢山のカヤ先輩に囲まれるよりは ずっとマシなはずです。」

    カヤ:
    「心外ですよ。」

  • 35二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:00:39

    カヤとRABBIT小隊の掛け合い好き

  • 36ホットドリンク大好き25/02/09(日) 17:19:38

    ────────────────────

    カヤ:
    「───おや。
    そうですか、貴方が来るのですか。」

    ミヤコ:
    「はぁっ・・・はぁっ・・・カヤ先輩、どうかしましたか?」

    カヤ:
    「総員、伏せて下さい。 直ぐに衝撃が来ます。」

    RABBIT小隊が伏せる。
    ほんのコンマ数秒後、足元の岩盤を突き破って爆発のような衝撃を伴いナニカが現われた。
    それは黒い人形と、それに取り付く黒い人影が重なったものだった。

    ???:
    【もっとだ。
    もっと私を恐れろ。】

    岩盤を突き破ってきたのは吹き飛ばされたクロと、それを吹き飛ばした官服だった。
    官服の姿は黒スーツも相まって極めて黒服に近く、女性版 黒服と言えるような姿となっていた。

  • 37ホットドリンク大好き25/02/09(日) 17:20:15

    カヤ:
    「おやおやおやおや・・・記憶にある姿から随分ヌルヌルになりましたね。 リミッターを外しているのですか?」

    官服:
    【・・・まだ居たの?
    邪魔だから早く出てって。
    私、スオウと一緒にコイツらと遊びたいの。】

    カヤ:
    「それは失礼しました。」

    RABBIT小隊を連れて出口に向かうカヤ。
    阻もうとするシロ。

    官服:
    【───なんで そっちの『私』なの? 私と遊ぼうよ・・・ねぇ。】

    官服に取り付かれたシロは、その頭部に文字通り『噛み付かれた』。
    シャクッ───という軽快な音と共にシロの頭部が半分消滅する。

    官服:
    【少し私の本質とは違う力だけど・・・どう?
    『食べられる』気分は?
    無機物のアミューズドールだと滅多に味わえないでしょ?】

    シロの『噛み付かれた』部分は直ぐに復活し、癇癪を起こした子供のように無理やり官服を引き離す。

  • 38ホットドリンク大好き25/02/09(日) 17:22:22

    官服:
    【無限復活するシロクロ・・・そして それを食べ続ける私・・・永久機関が完成してしまった・・・。
    今からでもミレニアムプライスを受賞できるかな・・・?】

    スオウ:
    「無理だろうな。」

    官服:
    【なら師にレポートとして提出するか・・・。】

    スオウ:
    「どんなことを書く気は知らないが、十中八九 怪文書だろう。
    時間の無駄だ。 止めておけ。」

    官服:
    【じゃ、推定犯人のマエストロに投げつける。
    多分、きっと、メイビー喜んでくれる。】

    スオウ:
    「・・・それはいい。 是非、提出するといい。
    誰だかは知らんが、迷惑そうな顔が目に浮かぶようだ。」

  • 39ホットドリンク大好き25/02/09(日) 17:23:05

    官服:
    【難しい問題。
    マエストロには頭が二つある。
    未だに どっちの顔を見ればいいのか分からない。】

    スオウ:
    「そうか、勝手にしてくれ。 私は帰る。」

    スオウの襟首を掴む官服。

    スオウ:
    「離せ、私にも休みを楽しむ権利というものがあるぞ。」

    官服:
    【貴方の休暇は、私達と数十分 遊んで終わる。】

    スオウ:
    「嫌すぎるだろう。 誰が そんな休日を望むというんだ。」

    官服:
    【私が望む。
    さぁ、早く銃を構えて。】

    スオウ:
    「断る。 離せ。」

  • 40ホットドリンク大好き25/02/09(日) 17:24:01

    官服:
    【え? 逃げるの?】

    スオウ:
    「・・・何だと?」

    官服:
    【あー、そっか。
    スオウは弱っちいから逃げるんだ。
    そうだよね、スオウは ここから先の戦いにはついてこれない。
    私が間違ってた、スオウは帰っていいよ。】

    スオウの襟首を離す官服。

    スオウ:
    「・・・。」

    官服:
    【ホラ、早く帰って?】

    少し逡巡したスオウだったが、やがて諦めたように銃を構え始めた。

    スオウ:
    「・・・覚えておけ。」

    官服:
    【それは貴方次第。】

    ────────────────────

  • 41二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 18:34:14

    スオウの扱いが段々上手くなってる…

  • 42二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 23:39:39

    怒らせて頭に血が上ったところを利用する
    上手いやり方だ

    最も、カヤや官服は素でやってるのかもしれないが

  • 43二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 06:50:15

  • 44二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 06:58:54

    ら、

  • 45二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 06:59:42

    早く帰って?

  • 46二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 07:00:08

    by官服

  • 47ホットドリンク大好き25/02/10(月) 08:38:33

    ───── 数日後・・・

    マエストロ:
    「かの人形たちが恐怖を抱くとは実に興趣深い。 いかなる手段を用いた?」

    ■■■:
    「記憶にある範囲だと・・・食べてたね。
    (カヤから渡すように言われた分厚いレポートをマエストロに渡す)」

    マエストロ:
    「食べる・・・?
    なんと原始的な所業か。
    ・・・いや、むしろそれゆえに恐怖を抱いたのか。
    (受け取ったレポートを軽く検分すると、直ぐに怪文書と気付いてゴミ箱にシュートする)」

    ■■■:
    「原始的な行動だからこそ、根源的感情を抱きやすい・・・。
    実に興味深い結果だとは思わない? 師匠。」

  • 48ホットドリンク大好き25/02/10(月) 08:39:04

    マエストロ:
    「・・・その見解には同意するが、あいにく私は貴殿の師ではない。」

    ■■■:
    「分かってるよ、師匠。」

    マエストロ:
    「…理解には至っていないようだな。
    まぁ、構わない。
    それよりも、例の課題の進捗は どうなっている?」

    ■■■:
    「! 聞いてくれるかい!?」

    マエストロ:
    「・・・。」

    ■■■:
    「これだよ! 是非、見て欲しい!!」

    そう言って、■■■は謎の肉塊を取り出した。

  • 49ホットドリンク大好き25/02/10(月) 08:39:59

    ■■■:
    「提示された題目通り、脳に瞳を宿してみたんだ!
    これが中々 興味深くてね!」

    ギョロギョロ蠢く眼球を宿した その肉塊を■■■が擽ると、それは狂気的な微振動と共に周囲に小宇宙を展開した。

    ■■■:
    「何と このように想起した空間を現実世界に広げる権能があることが分かったんだ!
    これは何というか・・・実に夢がある!
    そう思わないかい、師匠?」

    マエストロ:
    (・・・この者には品性も知性も経験も備わっているのだがな・・・。)

    マエストロにとって会話に足る相手なのが、■■■の厄介なところだった。
    ただの子供と突き放せれば、マエストロにとってどれだけ楽だっただろうか。
    相手をするのが面倒だったので、育児に疲れた親が子供にテレビを見せるのと同じような感覚で自分が出した課題だっただけに、マエストロは真面目に成果物を検分する。
    触れられた肉塊がプルプルと震えた。

  • 50ホットドリンク大好き25/02/10(月) 08:41:49

    マエストロ:
    「・・・まず、その出来栄え自体は悪くない。
    よくも これほどまでに狂気じみた題材から、かくも神秘を掬い上げたものだな。」

    ■■■:
    「!」

    マエストロ:
    「だが・・・題目に対する解釈がいささか浅い。
    “脳に瞳を宿す”という言葉への捉え方が、あまりにも物理的な次元に縛られている。
    これでは崇高には遠く及ばない。」

    ■■■:
    「そうか・・・。(シュン)」

    マエストロ:
    「・・・一応、貴殿の解釈を聞こうか。」

    ■■■:
    「! あぁ、喜んで語らせて貰うとも!!」

    ────────────────────

  • 51ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:45:42

    鉄格子のはめられた一室で、カヤは分厚い紙束を捲っていた。
    そこには極めて合理的な理論武装で、極めて馬鹿らしい永久機関の仕組みが記されていた。

    カヤ:
    「全く、『最初の私』のワガママにも困ったものです。
    このような怪文書を師やマエストロに渡したところで何になるというのでしょうか。」

    ミカ:
    「えっと・・・私に見せられても困るんだけど?
    っていうか、雰囲気変わった?」

    カヤ:
    「一人で読むにしては内容が奇怪過ぎますから、付き合って下さい。
    あと、雰囲気についてですが良く分かりましたね。
    今は躰が変わっています。
    『最初の私』は停学中で、『二番目の私』はマエストロにコレを渡しに行きました。
    今は沢山の私が並行して業務を進めています。
    今回の件で、大分スケジュールが詰まってしまいましたからね。」

  • 52ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:48:00

    ミカ:
    「その内の一人がこんなところに来てて良いの?
    他に大事な用事があるんじゃない?」

    カヤ:
    「貴方に会うのも大事な用事ですよ。」

    ミカ:
    「・・・。」

    カヤ:
    「その後どうでしょう?
    辛いことはありませんか?」

    ミカ:
    「分かってて言ってる?
    辛いなんてものじゃないよ。
    まぁ、自業自得だけど。」

    カヤ:
    「おや、若干 自暴自棄になっていますね?
    それはいけないと言ったはずですが・・・忘れてしまったのですか?」

  • 53ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:48:20

    ミカ:
    「・・・忘れてないよ。
    だから ここでジッとしてる。
    それ以外にどうしろっていうの?」

    カヤ:
    「ふむ・・・感情が高ぶっていますね。
    それでは役割は果たせませんよ、ミカ。」

    ミカ:
    「・・・分かってる。」

    カヤ:
    「間もなく、調印式です。」

    ミカ:
    「ナギちゃんは・・・。」

    カヤ:
    「向かいました。
    果たすべき責任を果たすのだそうです。」

  • 54ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:48:53

    ミカ:
    「・・・大丈夫、だよね?」

    カヤ:
    「彼女は死にません。
    恐らく、例のお守りが役目を果たすまでもないでしょう。
    問題は先生です。」

    ミカ:
    「嫌だな、良い人なのに。」

    カヤ:
    「どの道、ここを超えれないのであれば やがて死ぬ命です。」

    ミカ:
    「カヤちゃんは辛くないの?」

    カヤ:
    「『最初の私』の時点で、そういった感傷は擦り切れました。
    あるとすれば、先生に対する期待だけです。
    彼の者であれば、あの『夜』を超えられるかもしれない・・・そう、考えています。」

  • 55ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:49:31

    ミカ:
    「そっか。」

    カヤは懐から小箱を取り出した。

    カヤ:
    「例の物です。
    貴方は『押し付ける側』ですが、一応 覚悟はしておいて下さい。」

    ミカ:
    「はは・・・私にこっちが回ってくるなんてね。
    『押し付けられる側』でも良かったんだよ?」

    カヤ:
    「メンタルの問題です。
    貴方では不可逆の影響が出かねません。
    それは会長の意志に背くことになります。」

  • 56ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:49:54

    ミカ:
    「会長の意志・・・ね。
    そんなに あの人が大事なの?」

    カヤ:
    「えぇ、トモダチですから。」

    ミカ:
    「あははっ、変なの。
    友達って、そんなに大したものじゃないでしょ?」

    カヤ:
    「おや、そうなのですか?」

    ミカ:
    「少なくとも私の知ってる友達は、もっと気楽な関係だよ。
    貴方の言ってるトモダチは、なんか神様みたい。
    もっと何か、気楽に話せるような人いないの?」

    カヤ:
    「ふむ、後輩であれば───」

  • 57ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:50:29

    ミカ:
    「同級生限定で。」

    カヤ:
    「・・・はて。」

    ミカ:
    「いないの?」

    カヤ:
    「少なくとも同僚かつ同級生となると職務上の付き合いしかありませんね。」

    ミカ:
    「私は?」

    カヤ:
    「一番 職務上の付き合いしかないではありませんか。」

  • 58ホットドリンク大好き25/02/10(月) 13:51:44

    ミカ:
    「えー、悲しいじゃん。」

    カヤ:
    「私は貴方の弱みを知った上で利用しました。
    貴方の言う、気楽な関係になど成れるはずもありません。」

    ミカ:
    「・・・そうかもね。」

    カヤは席を立った。

    カヤ:
    「用事は終わりました。 また、お会いしましょう。」

    ミカ:
    「うん、またね。」

    ミカは座りながら、軽く手を振って見送った。
    ─────ガチャン
    カヤが部屋から出ていく。

    ミカ:
    「・・・嫌だな。
    カヤちゃんと会う方が気楽だなんて。
    まるで本当に悪人になった気分だよ。」

    「いや、確かに悪人だけどさ。」ミカは誰も居なくなった部屋で独り言ちた。

    ────────────────────

  • 59二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 19:17:43

  • 60二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 19:18:31

  • 61二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 19:18:46

  • 62二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 19:19:17

  • 63二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 21:36:13

    展開が読めなすぎて逆に面白い

  • 64ホットドリンク大好き25/02/11(火) 01:16:50

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ミヤコ:
    「あの・・・カヤ先輩に似た人から連絡先を聞かれたのですが───」

    スオウ:
    「絶対に教えるな。
    もっと言えば、近くにスマホを持って行くな。」

    ミヤコ:
    「そ、そんなに拙いんですか・・・!?」

    スオウ:
    「スタンプ爆撃を定期的にされたければ話は別だが───」

    ミヤコ:
    「分かりました。
    絶対に教えません。」

    スオウ:
    「・・・賢明な判断だな。」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 65ホットドリンク大好き25/02/11(火) 01:18:26

    >>63

    サイコロの出目が悪いということにしておいてくれ。

  • 66二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 10:51:05

    >>65

    「私がその気になればサイコロの出目くらい操作できますよ」

  • 67ホットドリンク大好き25/02/11(火) 13:00:17

    マジで?
    頼む、面白い方に操作してくれ・・・!

  • 68ホットドリンク大好き25/02/11(火) 16:25:34

    サオリ:
    「───では、散開。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ミサキ:
    「リーダー・・・。」

    サオリ:
    「・・・どうした? まだ行ってなかったのか。」

    ミサキ:
    「今でも・・・計画は変わらない・・・?」

    サオリ:
    「変わりは無い。 既にカヤとは話が付いている。
    ・・・何も心配は要らない。」

    ミサキ:
    「・・・私が言いたいのは───」

  • 69ホットドリンク大好き25/02/11(火) 16:26:28

    サオリ:
    「言うな。」

    ミサキ:
    「・・・。」

    サオリ:
    「・・・任務を遂行しろ。 今はそれだけを考えるんだ。」

    ミサキ:
    「・・・分かった。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    サオリ:
    「・・・すまない、ミサキ。」

    ────────────────────

  • 70二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 20:31:42

  • 71ホットドリンク大好き25/02/11(火) 22:37:11

    青い、青い空が広がっている。
    どこまでも青い空が。

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ???:
    「あの空の向こうには、何が広がっているのでしょうか?」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    隣を見る。
    かつて共に空の向こう側を目指したトモダチは、『私』を、『私達』を置いて消えた。
    無限に等しい揺り戻しの先に生まれた『私達』を置いて。

    カヤ:
    「・・・時間ですね。」

  • 72ホットドリンク大好き25/02/11(火) 22:38:08

    清々しい青空に似合わない、一筋の無機質な光が調印式に向かって飛んでいく。
    アリウスが飛ばした巡航ミサイルだ。

    あれを撃ち落とすことも出来る。
    実際、過去何回かにおいては撃ち落とすことが試みられた。

    しかし、ダメだった。
    何千何万という試行の中で、ミサイルを撃ち落とすことには何の意味もないと結論づけられた。
    どの道 古聖堂は瓦礫に変わる。
    ミサイルを止めた所で、その後 それ以上の範囲が戦火で灰になる。

    だから、見過ごす。
    轟音を立てながら超高速で飛翔するミサイルを、見送る。

    ─────願わくば、先生に直撃して亡き者にならないことを祈りながら。

    ────────────────────

  • 73二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 23:43:17

    ミサイルが先生に直撃した世界線もあるのか…

  • 74二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 01:18:21

    先生に直撃すると流石にアロナバリア貫通か・・・

  • 75二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 06:52:02

  • 76二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 08:38:38

  • 77二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 08:39:07

  • 78二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 08:41:02

    今回こそは大丈夫だと…
    そう願いながら…

  • 79ホットドリンク大好き25/02/12(水) 09:45:47

    サオリ:
    「───騙して悪いが・・・これも任務だからな。」

    サオリはスマホを操作してゲヘナの飛行船を爆破した。
    爆炎を上げて飛行船が墜ちていく。
    ・・・キヴォトスの人間なら あの程度で死ぬことは無いが、暫く意識を失うだろう。

    それでいい。
    万魔殿の戦力は空崎ヒナに比べれば大したことは無いが、大切なのはトリニティとゲヘナ両者の首脳陣を黙らせることで事態を混乱させることだ。

    ・・・そろそろ姫が木人形と接触した頃か。
    『複製(ミメシス)』・・・無限の兵力と言えば聞こえはいいが、その実態は現段階で姫に大きく依存している。
    例えば姫が気絶したり、姫が万一 死んでしまった場合は跡形もなく消滅してしまうだろう。
    それは・・・好ましくない。

  • 80ホットドリンク大好き25/02/12(水) 09:46:12

    必要なのは絶対的な力。
    姫に、家族に依存しない、私だけの力だ。
    全ての憎悪を集め、それを抑えて余りある絶対的な力を得る。
    それを成して初めて、私は『疫病神』じゃなくなる。

    だから、

    サオリ:
    「始めよう、不知火。」

    ───私達の計画を。

    全て壊す。
    平和も、街も、マダムの思惑も。
    それで初めて、家族全てが暗闇から光差す世界へと進むことが出来る。
    ゲヘナもトリニティも、全ては私だけを憎めばいい。

    ・・・今こそ、大人に牙を剥く時だ。

    ────────────────────

  • 81二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 16:12:50

    「同志サオリ、私も運命を共にしますよ。」

  • 82ホットドリンク大好き25/02/12(水) 16:17:13

    マエストロ:
    「・・・凡そ、普通の子供であれば、このようなものか。」

    アツコ:
    「?」

    マエストロ:
    「気にすることは無い。ただ拙弟のことを思い出していただけだ。
    アレに比べれば、其方らのなんと真っ当なことか。」

    アツコ:
    「(スッ、スッ、スッ・・・)」

    マエストロ:
    「手話、か・・・。
    そういえば其方は、マダムより言葉を禁じられていたのだったな。
    ・・・拙弟は所詮、拙弟に過ぎない。
    勝手に私を師と仰ぎ、愚かしくも不出来な弟子を気取るだけの者。
    今回の件では、互いの作品を批評する事となっている。」

  • 83ホットドリンク大好き25/02/12(水) 16:18:13

    アツコ:
    「!?」

    マエストロ:
    「面倒であることは否定し難いが・・・同時に、それは知的好奇心を満たす一端とも成り得る。
    要するに、煩わしさと興趣は必ずしも相反するものではない、ということだ。」

    アツコ:
    「(スッ、スッ、スッ・・・!)」

    マエストロ:
    「聞いていない、だと?
    可笑しなことを言うのだな。
    そちらの錠前サオリなる者に、既に事前の通達を済ませておいたはずだ。」

    アツコ:
    「!!」

    ────────────────────

  • 84二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 16:22:08

    アツコ「(むーっ…サッちゃん…後でお説教だね!)」

  • 85二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 17:43:32

    おやおや、アツコはかわいいですねぇ

  • 86二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 19:26:55

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 23:08:21

    ほっぺを膨らませて怒ってるアツコを想像してしまった。かわいい

  • 88ホットドリンク大好き25/02/13(木) 01:08:29

    ■■■:
    「久しぶりだね、ヒナタ。 元気してた?」

    『複製(ミメシス)』を倒しながら現われる、白いシスター服を纏ったイノクラティア・オクルス、および その首領。
    ヒナタは その姿を見て酷く傷付いたような、それでいて驚いたような複雑な表情を見せた。

    ヒナタ:
    「■■■様・・・どうして、ここに・・・。」

    ヒナタが問うと、■■■は当たり前のことのように答えた。

    ■■■:
    「ん?
    『掃除』だよ、聖徒会的な意味でね。」

  • 89ホットドリンク大好き25/02/13(木) 01:09:07

    ■■■はニッコリと笑った。
    悍ましいほど、無邪気な笑みだった。

    ヒナタ:
    「!? それはつまり───」

    ───── ガチャ

    ■■■:
    「ごめんね、ヒナタ。」

    ヒナタが言い寄るよりも早く、■■■はヒナタに銃口を向けた。

    ■■■:
    「今度は上手くやるから。」

    銃声が響き───

  • 90ホットドリンク大好き25/02/13(木) 02:32:10

    ???:
    「やらせると、思うか?」

    酷く低い声が響いた。
    正義実現委員会の委員長たる剣先ツルギが、■■■の銃弾を阻んでいた。

    ■■■:
    「酷いね、私にヒナタを何度も撃たせないでくれないか?」

    その言葉を聞いたツルギは、強く■■■を睨んだ。

    ツルギ:
    「・・・自分を慕う部下を撃つ上司がどこにいる?」

    その言葉を受けた■■■の雰囲気は酷く冷え込んだ。

    ■■■:
    「・・・好きで撃ってると思うの?」

    ───── バンッ
    銃声が響く。
    ツルギの散弾銃の銃口が、■■■に向いていた。
    ■■■が衝撃で強く仰け反る。

    ヒナタ:
    「■■■様っ───」

  • 91ホットドリンク大好き25/02/13(木) 02:32:55

    倒れると思ったヒナタが、咄嗟に駆け寄ろうとするが、それをツルギが制する。

    ツルギ:
    「待て。」

    ヒナタ:
    「しかし───」

    制止を振り切ってでも■■■の下に行こうとするヒナタだったが、ツルギの目が■■■から外れていないことで違和感に気が付いた。
    ■■■は、尋常であれば既に倒れているような姿勢で静止していた。
    まるで躰の中に鉄心でも入っているかのような姿に、ゾッとしたものを覚える。

    ■■■:
    「───酷いことをするね、ツルギ。
    仮にも一組織の長を簡単に撃つモノではないと思うよ。」

    ツルギ:
    「・・・。」

    ───── ギギギッ
    異様な金属音を立てて、■■■の姿勢が機械染みた動きで戻っていく。

  • 92ホットドリンク大好き25/02/13(木) 02:34:25

    ■■■:
    「ねぇ、ヒナタも そう思うよね。」

    ■■■の顔が、正面を向いた。

    ヒナタ:
    「あ、あぁ・・・。」

    ─── ジジッ・・・ジジッ
    異様な電子音を響かせながら、散弾で剥がれたテクスチャが ゆっくりと取り繕われていく。
    タイルを貼り付けるように少しずつ戻っていく姿の奥には、その再生速度では隠しきれない見覚えのある金属の瞳と───鋼の骨格があった。

    ■■■:
    「・・・本当に酷いよ。
    何で こんなことを するのかな。」

    ■■■が そう言っている内に、見えていた金属の骨格はテクスチャの奥に隠れてしまう。
    しかし、眼帯が散弾で飛んだことで金属の眼球は露わになった。
    それが、どうしょうもない現実をヒナタに叩き付ける。

    ヒナタ:
    「■■■様・・・貴方は・・・。」

    言葉に詰まるヒナタ。
    それに対し、■■■は脇に控えていた『防衛室スタッフ』から黒い仮面を受け取った。

    ■■■:
    「───もう、倒すしか無くなってしまったよ。」

    ■■■は、黒い仮面を、被った。

  • 93二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 06:59:44

    保守

  • 94ホットドリンク大好き25/02/13(木) 11:20:13

    ツルギ:
    「・・・!」

    雰囲気の変化を察したツルギが散弾銃の照準を■■■に合わせる。
    しかし それよりも早く、機械が人の声をマネしたような不自然な声が響いた。

    ???:
    【戦闘状態:解除】

    その声を聞いた途端、ツルギは無意識に銃を降ろしてしまう。

    ツルギ:
    「!?」

    機械の声は響き続ける。

    ???:
    【クラウドコントロール:気絶】

    ツルギ:
    「・・・っ。」

    その声を聞いた瞬間、ツルギの意識は暗転してしまう。
    ツルギは、その場に倒れ込んだ。

  • 95ホットドリンク大好き25/02/13(木) 11:21:05

    ヒナタ:
    「ツルギさん・・・!」

    ヒナタが駆け寄り、抱き留める。

    ???:
    「ご安心下さい、一時的な気絶です。
    ツルギさんの再生能力であれば、直ぐに回復されるでしょう。」

    いつの間にか■■■がヒナタの眼前に迫っていた。

    ヒナタ:
    「■■■様・・・? いえ、貴方は・・・誰ですか?」

    眼前の■■■が、自身の知るソレとは別人であることに気が付いたヒナタが問う。

    ???:
    「おや、そういえば名乗っていませんでしたね。」

  • 96ホットドリンク大好き25/02/13(木) 11:22:36

    黒い仮面を被った白いシスターは、胸元に手を当てた。

    ???:
    「私は連邦生徒会 防衛室長の不知火カヤ。
    人は時に、私を『黎明のアテン』と呼びます。」

    ヒナタ:
    「防衛室が どうして・・・。」

    カヤ:
    「単純な話ですよ、ヒナタさん。」

    カヤは両手を、舞台に立った役者のように大きく広げた。

    カヤ:
    「───キヴォトスを守る為です。
    その為に、エデン条約には餌になって頂きました。
    トリニティ及びゲヘナの方々に感謝致しますよ、これで楽園(エデン)への道が拓かれるのですから。」

  • 97二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 11:55:48

    仮面だけでなく悪役も被ろうとしているカヤ

  • 98二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 18:38:00

    あのツルギがこうもアッサリ…

  • 99ホットドリンク大好き25/02/13(木) 22:11:41

    ヒナタ:
    「何を仰って───」

    カヤはヒナタの言葉を遮って、ヒナタの手の中にあるツルギに手を伸ばした。

    ヒナタ:
    「! ダメです!」

    ヒナタは とっさにカヤの手からツルギを庇った。

    カヤ:
    「おやおやおやおや・・・困ってしまいますよ、ヒナタさん。
    本当に そろそろ起きてしまいます。
    『真理の呪言』も万能ではないのですよ?」

    カヤはヒナタを引き剥がそうとする。
    しかしヒナタは、その生まれ持った怪力で抵抗した。

    ヒナタ:
    「ダメなものはダメです!」

    カヤ:
    「あぁ、ヒナタさんは可愛らしいですね。 ───【STR:0】」

    カヤの口から、明らかに人の声帯から出るはずのない機械音が響いた。
    すると、ヒナタの躰は その意識に逆らって脱力してしまう。

  • 100ホットドリンク大好き25/02/13(木) 22:12:55

    ヒナタ:
    「■■■様・・・。」

    カヤ:
    「ご安心ください。
    少し拘束するだけです。」

    そうしてカヤがツルギに手を伸ばし───



    ツルギ:
    「───触るな。」

    発砲音と共に、カヤの躰がズザザッと後退した。
    微動だにはしないが、明らかに動きが鈍く、ダメージがあることが分かる。

    カヤ:
    「・・・時間切れですか。 【クラ───」

    再び発砲音が響く。
    カヤは再び発砲の衝撃によって後退した。

  • 101ホットドリンク大好き25/02/13(木) 22:16:46

    カヤ:
    「・・・やはり同じ手は通じないと。 厄介なことです。」

    ツルギが立ち上がる。

    ツルギ:
    「少し寝て気分がいい。
    きひひっ・・・覚悟はいいか?」

    カヤ:
    「覚悟? 勿論出来ていますよ。
    ずっとずっと以前から。 ───あなた方こそ どうでしょう?」

    次の瞬間、カヤの背後から衝撃と砂埃が上がった。
    咄嗟にツルギとヒナタは腕で目を守る。
    砂埃が晴れると、そこには かつてゲヘナ自治区で暴れた巨人兵器『宵鳴きの霧骸(ネーベルダージ)』よりも一回り大きい巨人が膝を突いていた。

    カヤ:
    「この躰 本来の用途をお見せ致しますよ。」

    いつの間にか大巨人の肩に乗っていたカヤが、そう言って大巨人の影に消えた。

  • 102二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:40:56

    本編カヤがこれくらい大物感あったらカルバノグも盛り上がったんだけどなあ…w

    な  お

  • 103二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 22:42:22

    >>102

    まあ本編カヤはいても居なくても変わらんようなちっぽけな……どっちかというと居ない方が良かったタイプの奴だからな

  • 104二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 06:15:52

  • 105二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 08:37:32

  • 106ホットドリンク大好き25/02/14(金) 12:13:17

    >>103

    私は生々しい人間臭さがあって好きだけどね。

    まぁ、この世界線だとカルバノグ編は大体メタルギアになる予定だから、そういう要素が出せるかは怪しいけど。

  • 107ホットドリンク大好き25/02/14(金) 17:19:27

    ────────────────────

    防衛室スタッフ:
    「『イザヤ』の準備できました。」

    イノクラティア・オクルス正員:
    「ありがと。」

    黒装束に身を包んだ生徒が、白い修道服に身を包んだ生徒に道を譲る。
    その先にはカヤのそれより少し意匠の異なる巨人が膝を付いていた。
    巨人の周りはクレーンで固定され、その上を防衛室スタッフが忙しなく歩き回っている。
    クレーンに設けられた簡易エレベーターに乗り込むと、防衛室スタッフが暇潰しに口を開いた。

    防衛室スタッフ:
    「それにしても凄いですよね、こんなに大きな聖体を動かせるなんて。」

    I.O.正員:
    「・・・褒められたことじゃないよ。」

  • 108ホットドリンク大好き25/02/14(金) 17:21:14

    どうやら後輩に当たるらしい防衛室スタッフの言葉を適当に流しながら、I.O.正員は困った表情になった。
    巨人型兵器である『宵鳴きの霧骸(ネーベルダージ)』のミドルレンジタイプである『イザヤ』は、尋常の精神では動かすことが出来ない。
    それは単に『イザヤ』の躰が大きすぎて、魂一つ程度では全てを掌握できない為だ。
    だからこそI.O.のメンバーが必要になる。

    I.O.正員:
    「私達には室長が沢山入っているから、『イザヤ』の制御に適切なだけ。
    室長がいなければ人すら保てない私達が誇ることは何もないよ。」

    どうやら防衛室スタッフの何気ない言葉がI.O.正員の古傷に塩を塗ったらしく、場の空気は少し凍った。

    防衛室スタッフ:
    「・・・えっと・・・どれくらい室長が入ってるんですか?」

    テンパった防衛室スタッフは、咄嗟に一番聞いたら拙そうな話題を深堀してしまう。
    口に出した後に気付いて咄嗟に口を抑えるが、出した言葉が戻ることはない。
    それに対してI.O.正員は、己の後輩に対するディスコミュニケーションを恥て真摯に答えることにした。

  • 109ホットドリンク大好き25/02/14(金) 17:22:57

    I.O.正員:

    「う~ん、補員で2~5人。

    私達正員だと10~30人くらいかな。」


    防衛室スタッフ:

    「そ、そんなに・・・。

    では、首領の あの方だと・・・?」


    I.O.正員は頤に手を当てた。


    I.O.正員:

    「う~ん、確か───


    100 + dice1d899=92 (92)


    ───くらいだったかな。」


    ────────────────────

  • 110二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 17:42:07

    精神崩壊しちゃうて…2人いるだけでもヤバいのに…

  • 111二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 19:23:43

    このレスは削除されています

  • 112二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 03:33:11

    ここのモブ防衛スタッフ個性豊で好き

  • 113ホットドリンク大好き25/02/15(土) 08:15:03

    『左腕部の神経を接続───』

    『四肢の操作系を統合───』

    『感覚器の感度を───』

    『視覚の調整が───』

    『聴覚機能を拡張───』

    『体温調節、クリア───』

    『バランス感覚、正常に機能───』

    『指先の動作調節が完了───』

    『拡張機能の解凍を開始───』

    ・・・

    『システム、オールグリーン。』

  • 114ホットドリンク大好き25/02/15(土) 08:31:38

    頭の中で響いていた無数の声が収まっていく。
    拡散していた自意識は再び再統合を開始し、やがて私という意識は己を自覚するに至る。

    ■■■:
    『あぁ・・・やはりコレを使う他なかったんだね。』

    カヤ:
    「試みましたが、無傷で鎮圧には至りませんでした。」

    古い付き合いの隣人は、どこか申し訳なさそうに言った。
    人外の隣人が見せた人間臭さが どこか可笑しくて、少し笑ってしまう。

    ■■■:
    『構わないよ、死ぬよりはマシさ。』

    カヤ:
    「妥協に感謝しますよ。」

    ヒナタ達を攻撃しないといけないのは残念だけど、大局においては影響はない。
    そう・・・ここで私達がツルギをダウンさせることが出来れば、何ら影響はない。

    193人:
    「『エゼキエル、起動。』」

    『宵鳴きの霧骸(ネーベルダージ)』のハイエンドタイプであるエゼキエルが、鼓動を開始した。

  • 115二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 13:56:52

    ツルギ(ガチモード)

  • 116ホットドリンク大好き25/02/15(土) 17:27:45

    ────────────────────
    ・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・。

    ツルギ:
    「・・・。」

    ───── バタンッ(倒れる音)

    カヤ:
    【あぁ・・・ようやく倒れましたか。】

    倒れたツルギの先には、輝ける光の巨人が立っていた。
    無手でありながら圧倒的な存在感を放つ それの腕は、しかし凶暴な獣に噛み千切られたかのようにズタズタであり、その激戦の様子を物語っている。

    ヒナタ:
    「ツルギ・・・さん・・・。」

    ヒナタもまた、立っているのが やっとといった有様だった。

    カヤ:
    【ヒナタさん、ツルギさんを病院まで運んであげて下さい。
    それくらいなら、まだ出来ますよね?】

    光の巨人の背後から、横並びになって灰色の巨人達が行進してくる。
    揃った足並みが、地震のように市街地を揺らした。

  • 117ホットドリンク大好き25/02/15(土) 17:28:44

    by DALL·E

  • 118二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 17:29:49

    >>117

    ((((;゚Д゚)))))))

    ひぃ…

  • 119ホットドリンク大好き25/02/15(土) 17:43:25

    ヒナタ:
    「・・・一つだけ聞かせて下さい、■■■様───いえ、カヤさん。」

    カヤ:
    【おや、なんでしょう?】

    光の巨人と、ヒナタの目が合った。

    ヒナタ:
    「このトリニティの地で、一体 何をされる おつもりなんですか?」

    光の巨人は、少し考えるようにダメージで光を失いつつある手を頤に当てる。

    カヤ:
    【そうですね、予定としてはサオリと協力してトリニティとゲヘナの両者にダメージを与える予定です。
    この際、主犯はサオリということになっていますので、『複製(ネメシス)』と我々の指揮権は彼女に与えられます。
    その後は・・・あなた方 次第になってきますね。】

    ヒナタ:
    「えっと・・・。」

    思いの外 素直に重大なことを聞き出せたヒナタは、目を白黒させる。

    カヤ:
    【さぁ、もう行って下さい。
    願わくば、トリニティとゲヘナが連邦生徒会の直轄地にならないことを祈っていますよ。】

  • 120ホットドリンク大好き25/02/15(土) 18:09:36

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    灰色の巨人達は、光の巨人の前に整列する。
    背丈は光の巨人の方が少し高かった。
    光の巨人の前に立った、灰色の巨人の一体が少し頭を下げる。

    I.O.正員:
    【すみません、準備に手間取り戦闘に参加できませんでした。】

    それに対し、光の巨人は軽く手を上げて鷹揚に返した。

    カヤ:
    【結構です。
    元々この段階で出す予定では無かったのですから。
    むしろ、良いタイミングで来てくれたとすら言えるでしょう。
    あそこで あなた方が来て下さらなかったら、ヒナタさんを撤退させることが出来なかったかもしれません。】

    上げた手が戦闘の影響でズタボロなのに気が付いた光の巨人は、隠すように後ろで手を組んだ。
    灰色の巨人は器用に嘆息したような動きをする。

  • 121ホットドリンク大好き25/02/15(土) 18:10:13

    I.O.正員:
    【・・・そう言って頂けると幸いです。 ───では、ご指示を。】

    光の巨人は、灰色の巨人達を見回した。

    カヤ:
    【我々は当初の目的通り、ゲヘナへと行進します。
    ゲヘナでは なるべく被害を出すように努めて下さい。
    被害の量だけ、サオリ へと『憎悪』が向くことになります。
    それの回収こそが、我々の戦略目標を達するのに必要不可欠な要素なのです。】

    作戦の概要を説明し終えた光の巨人は、灰色の巨人達を従えてゲヘナ方面へと歩みを進める。

    カヤ:
    【───行進開始。】

    ────────────────────

  • 122二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 18:55:13

    (…私ではカヤを救えないのかしら…)

  • 123二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 18:56:24

    「キヴォトスも救う」
    「カヤも救う」
    両方やらなくっちゃあならない

  • 124二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 01:04:58

    止める方法は無いのか!?

  • 125二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 08:17:24

    『死者』ではなく『被害』と言ってるあたり一線を越えないよう加減してるだろうが果たして…

  • 126二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 14:27:19

    目標を達成するために手荒い真似はするが
    一線は越えないよう心のどこかでブレーキをかけそうではある

  • 127ホットドリンク大好き25/02/16(日) 16:48:01

    ヒナ:
    「っ・・・。」

    ─── ドサッ(ヒナが倒れる音)

    ”ヒナっ!!”

    サオリ:
    「・・・ようやく、倒れたか。」

    サオリは聖徒会の『複製(ネメシス)』を背後に控えさせながら、息も絶え絶えに言った。
    その躰はボロボロであり、全身の所々に怪我を負っている。

    サオリ:
    「『複製』のアドバンテージがあってコレとは・・・恐ろしいな。」

    ”君は・・・アリウスの・・・?”

    サオリ:
    「・・・貴様が先生か。
    カヤから話は聞いている。
    ・・・『善い大人』だそうだな。」

    ”カヤから・・・?”

  • 128ホットドリンク大好き25/02/16(日) 16:48:46

    サオリは銃口を先生に向けた。

    サオリ:
    「───だからこそ、貴様の死が必要なんだ。」

    ”(銃口が・・・。)”

    ───── ダァンッ
    引き金が引かれ、銃声が響く。

    ヒナ:
    「あぁぁぁぁっ!!」

    ヒナが射線を阻むように先生の前に立った。

  • 129ホットドリンク大好き25/02/16(日) 16:49:08

    サオリ:
    「っ! まだ動けるのか、空崎ヒナ!」

    ヒナ:
    「セナ! こっち!」

    サオリ:
    「逃がすかっ!」

    ヒナ:
    「貴方の相手は私!!」

    サオリ:
    「くっ・・・!」

    セナ:
    「先生! 手を!!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 130ホットドリンク大好き25/02/16(日) 17:04:02

    サオリ:
    「・・・やってくれたな、空崎ヒナ。
    あの大人を亡き者にすることが出来れば、私の計画は万全だった。」

    ヒナ:
    「貴方が何を企んでるかは知らないけど、先生は殺させない・・・!」

    サオリはヒナの言葉を受けて、悪い笑みを浮かべた。

    サオリ:
    「・・・それはどうだろうか。
    確かに貴様に妨害はされたが、銃弾は当たっている。
    あれはキヴォトスの外の者だ。
    ヘイローは壊れ・・・いや、死ぬはずだ。」

    ヒナ:
    「っ!」

  • 131ホットドリンク大好き25/02/16(日) 17:04:37

    ヒナは反射的にサオリへ銃口を向けて引き金を引いた。
    無数の銃弾の嵐がサオリを飲み込む。
    しかし、それでもサオリは立っていた。

    サオリ:
    「ゲホッ・・・そんなに あの先生が大事なのか。
    奇遇だな、私にも そんな存在がいる。
    そいつらの為なら、命すら投げ出してもいいと思える存在が。
    ・・・いいだろう、切るには早いが・・・見せよう。
    私の切り札、私の覚悟をっ!」

    サオリの影の形が崩れていく。

    サオリ:
    【アリウスが積み重ねてきた『怨嗟』を知るがいい、ゲヘナ!】

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 132ホットドリンク大好き25/02/16(日) 17:19:41

    サオリ:
    「はぁっ・・・はぁっ・・・。」

    立っていたのはサオリだった。
    他は何もいない。
    殿の役目を果たしたヒナは撤退し、『複製』もまた『怨嗟』に呑み込まれた。
    再集結には時間が掛かるだろう。

    サオリ:
    「・・・ここで お前が出てくるのか。」

    アズサ:
    「どうして先生を・・・! サオリ・・・!!」

    サオリは複雑な表情でアズサを見た。

    サオリ:
    「そうか、お前に とっても あの先生は『善い大人』だったのか。」

    アズサ:
    「答えて!」

    アズサはサオリに銃口を向けた。

  • 133ホットドリンク大好き25/02/16(日) 17:20:17

    サオリ:
    「・・・より良い未来の為だ。
    それを手繰り寄せる為には あの『先生』が邪魔だった。 だから殺した。」

    アズサ:
    「そんな・・・! そんなのは・・・!!」

    サオリは鼻で嗤った。

    サオリ:
    「そうだ、人殺しだ。
    人殺しが目の前にいるぞ、アズサ。
    大切な人だったのなら、仇を討ってみたら どうだ?」

    アズサ:
    「サオリぃぃぃっ!!」

    サオリに向かって突撃するアズサ。

  • 134ホットドリンク大好き25/02/16(日) 17:20:57

    サオリ:
    「そうだ、もっと憎め。
    それこそが、『より良い未来』を手繰り寄せる・・・!」

    アズサ:
    「憎しみで手繰り寄せられる未来にっ、『良い未来』なんて無いっ!
    そんなことも分からないのか、サオリぃ!」

    サオリ:
    「そうかもな。
    だが、何事にも『作用』と『反作用』がある。
    私は その『反作用』が欲しいんだ。」

    アズサ:
    「何を訳の分からないことをっ!」

    サオリ:
    「分かる必要は無い。 ・・・永遠に。」

    ────────────────────

  • 135二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:17:52

    乗るなアズサ!

  • 136二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 01:37:11

    カヤもサオリも自ら汚れ役を買うのか…うぅ…

  • 137二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 06:46:55

  • 138二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 09:24:08

  • 139二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 09:24:23

  • 140二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 09:25:57

    こういう計画ものは不確定要素が止めに来るもしくは流れを変えてくるが
    (原作だとアビドス組とか)
    果たして今回はそう都合よくなるか否か

  • 141二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 16:28:56

    保守

  • 142二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 18:26:07

    カヤもサオリも徹底的に悪役になろうとするの好きだよ

  • 143ホットドリンク大好き25/02/17(月) 21:30:37

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    セイア:
    「・・・君は何故そこまで足掻くんだい?
    キヴォトスの終末が決定事項なことは、君も分かっていることだろう?」

    カヤ:
    「えぇ、存じ上げております。
    やがて『夜』が来ること、そしてそれが、誰にも越えることの出来ないほど険しいものであることは。」

    セイア:
    「なら、なぜ───」

    カヤ:
    「約束をしましたから。」

    セイア:
    「・・・え?」

    カヤ:
    「多くの人と約束をしました。
    ある人とは必ず家族を保護すると。
    ある方とは必ず『夜』を越え、その先の景色を見ると。」

  • 144ホットドリンク大好き25/02/17(月) 21:31:20

    セイア:
    「・・・それだけの為に、君は足掻き続けられるというのかい?」

    カヤ:
    「おや、おかしいですか?
    善いものですよ、誰かの為に足掻くというのは。」

    セイア:
    「・・・。」

    カヤ:
    「セイア、貴方が『此方側』に来てくれることを切に祈っています。」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    セイア:
    「・・・カヤ、私は君のように強くはなれないよ。
    だって怖くて堪らないんだ。
    終末を防ぐ為に、誰かを傷つけるのが。
    そんな私がどうして、『其方側』に行けるだろうか・・・。」

    ────────────────────

  • 145二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 00:06:15

    カヤの影響でスオウやサオリも彼女たちなりに前向きになった
    セイアもそうなると良いな

  • 146二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 07:04:50

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:45:25

    自分のためじゃなく自分たちのために足掻いてるの好き

  • 148ホットドリンク大好き25/02/18(火) 14:51:42

    シノン:
    「速報、速報です!
    現在、エデン条約の会場は火に包まれ───」

    マイ:
    「! シノンちゃん、これ!」

    紙束をシノンに渡すマイ。

    シノン:
    「何ですか、マイ先ぱ───」

    紙束の文字に目を通したシノンの顔が驚きに染まる。

    シノン:
    「え!? これ、ホントなんですか!?」

    マイは無言で頷いた。

    シノン:
    「───緊急速報です!
    ただ今 入ってきた情報によりますと、トリニティ、ゲヘナ両者の自治区内で武装勢力の動きが確認されました!
    これは戦争の始まりを意味しているのでしょうか!?」

    (背後で起こる爆発)

  • 149ホットドリンク大好き25/02/18(火) 14:52:28

    マイ:
    「シノンちゃん、そろそろ安全な場所に退却しよう!?」

    シノン:
    「そうですね、マイ先輩!
    すみませんが もう少し安全な場所に動いた後───」

    ???:
    「ようやく見つけたぞ。」

    突然、背後から現われた人影に、シノンは取り押さえられた。

    マイ:
    「! シノンちゃ───」

    ???:
    「動くな!
    然もなくば蜂の巣になる。」

    よく見ると、クロノス報道部の周りは『複製(ミメシス)』で包囲されていた。

    ???:
    「諸事情で遅くなったが・・・これで誰にも止めることは出来なくなるな。」

    人影はシノンからマイクを奪うとカメラの前に立った。

  • 150ホットドリンク大好き25/02/18(火) 14:54:46

    ???:
    「・・・私は、アリウスの代表、錠前サオリだ。」

    サオリ:
    「我々はトリニティ、ゲヘナ両者に宣戦布告する。
    戦争目的は両者の自治区を消滅させること。
    長い時を超え、我々こそが両自治区の支配者となる。」

    サオリは、それを言い終えるとマイクをシノンに返した。

    サオリ:
    「『錠前サオリ』・・・この名を忘れないことだ。」

    そう言って、サオリは『複製』と共に去って行く。
    後には遠くに聞こえる銃声と爆発音だけが残った。

  • 151ホットドリンク大好き25/02/18(火) 14:55:04

    シノン:
    「『錠前サオリ』・・・。」

    シノンは譫言のように、サオリの名前を口の中で転がす。
    そこにマイが心配そうに駆け寄った。

    マイ:
    「シノンちゃん! 無事で良かった・・・!

    ───それはそれとして、今のスクープじゃないかな!?」

    シノン:
    「はっ!」

    その言葉を聞いたシノンの目の色が変わる。

    シノン:
    「そうですね!
    『錠前サオリ』の名前で特集を組みましょう!
    今の映像、保存してありますか!?」

    ────────────────────

  • 152二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 18:30:51

    アズサやシノンマイへの言い方
    私がやったと露骨にアピールするあたり
    わざとヘイトを買ってる

  • 153二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 18:32:13

    カヤもサオリもわざとヘイトを買おうとするあたり
    そこまでして焚き付けないと厳しい事態なのかもしれない

  • 154二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 18:34:05

    カヤもサオリも本心は心優しい
    無理に悪役を続ける必要はない

    続けないと目的達成出来ないとしても

  • 155二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 18:34:57

    武力行為に出るけど無駄に暴力しないあたり非情になりきれてないところはあるかも

  • 156ホットドリンク大好き25/02/18(火) 22:48:41

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    カヤ:
    「セイアさん、貴方の夢では絶望的な終末がやってくるのでしたね。」

    セイア:
    「あぁ、空は赤く染まり、サンクトゥム・タワーは砕けるだろう。」

    カヤ:
    「なるほど・・・興味深い内容です。
    私の知る、どこまでも深い黒の『夜』とは異なるようですね。」

    セイア:
    「・・・カヤ、君は───」

    カヤ:
    「しかし、為すべきことは変わりません。
    先生の存在により、未来の収束が変わったとしても何も変わることは無いでしょう。」

  • 157ホットドリンク大好き25/02/18(火) 22:49:18

    セイア:
    「・・・。」

    カヤ:
    「セイア、前から不思議に思っていたのです。
    絶望的で避けようのない終わりがやってくるのなら───どうして自分が それをねじ伏せることが出来る怪物になろうとは考えないのですか?」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    セイア:
    「・・・あぁ、カヤ。
    君達は本当に成ろうというのだね。
    私が成り損なった『巨大な怪物(リヴァイアサン)』に。
    終末を呑み込み、暁を臨む怪物に。」

    ────────────────────

  • 158二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 06:11:47

  • 159二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:29:03

  • 160二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:29:17

  • 161二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:29:30

  • 162二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:29:42

  • 163二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:30:26

    ボルボロス…確かにモンスターではあるが…

  • 164二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 12:14:42

    だがしかし成りたいのはリヴァイアサンだ!

  • 165ホットドリンク大好き25/02/19(水) 12:49:19

    そうだよ(便乗)

  • 166ホットドリンク大好き25/02/19(水) 13:26:17

    サオリ:
    「あれが例の『失敗作』か?
    ・・・見覚えがあるな。
    『戦術兵器』としては使えるのか?」

    アツコ:
    「(スッ、ススッ、スーッ、スッ)」

    サオリ:
    「・・・なるほど。
    あの人形の弟子が模倣した習作。
    となるとイノクラティア・オクルスの・・・。
    ・・・処分品を掴まされたな。
    『戦術兵器』としては十分使えるだろうが。」

  • 167ホットドリンク大好き25/02/19(水) 13:26:59

    アツコ:
    「(スーッ、スッ、ススッ、スーッ)」

    サオリ:
    「なんだ、姫。
    私に隠し事があるんじゃないかと?」

    アツコ:
    「(コクコク)」

    ミサキ:
    「・・・。」

    ヒヨリ:
    「そ、そうですよ。
    何かテレビにも出てましたし・・・あんなの作戦に無かった・・・。」

    サオリ:
    「・・・極秘の作戦だった。
    敵を騙すには味方からと言うだろう?」

  • 168ホットドリンク大好き25/02/19(水) 13:33:56

    アツコ:
    「(スッ、スッ、スーッ、ススッ)」

    サオリ:
    「極秘であった意味? それは───」

    そこまで口にして、突然サオリは何かに気が付いたようにハタと止まった。

    サオリ:
    「・・・。」

    ミサキ:
    「・・・リーダー?」

    サオリ:
    「・・・アズサが居る。」

    ヒヨリ:
    「へ?」

    サオリ:
    「・・・。(無言でワザとトラップに引っ掛かる)」

    次の瞬間、爆発音が響いた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 169二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 18:04:34

    わざとアズサを挑発している…アズサもそろそろそのことに気がつくかもしれない…

  • 170ホットドリンク大好き25/02/19(水) 22:21:52

    アズサはサオリに対する違和感に───


    1.気付く。

    2.気付かない。


    dice1d2=2 (2)

  • 171二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 22:50:14

    アズサは頭に血が上って冷静さを失っている

  • 172二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 23:50:17

    気づかないか〜
    これは結構アズサさんピンチなのでは?

  • 173シャーレ先生25/02/20(木) 02:18:55
  • 174二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 06:50:27

    保守

  • 175二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 08:41:55

    >>173

    先生起きろ!

    アズサをサオリをカヤをみんなを助けるんだ!

  • 176二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 14:05:05

    保守

  • 177二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 14:10:52

    >>168

    これ爆発アツコたち巻き込まれてない?

    大丈夫?

    サオリのとばっちり喰らってない?

  • 178ホットドリンク大好き25/02/20(木) 14:30:02

    でぇじょうぶだ。
    原作でも爆発自体はしてる。

  • 179ホットドリンク大好き25/02/20(木) 14:32:47

    サオリへの『憎悪』蓄積値───


    1.普通に臨界点(そろそろ人の形を失う)

    2.割と余裕がある(まだ半分くらい人間)


    dice1d2=1 (1)

  • 180二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 14:34:47

    ホシノテラーみたいな見た目になりそう

  • 181ホットドリンク大好き25/02/20(木) 15:12:31

    サオリ:
    「───そろそろ限界だな。」

    サオリは自身の手を見つめながら、そう呟いた。
    反対の手でアサルトライフルの銃口を倒れたアズサに突きつけている。

    アズサ:
    「? 何の話だ?」

    呟きを聞き取ったアズサの声で、サオリは現実に引き戻された。

    サオリ:
    「・・・なに、お前が気にするようなことじゃない。
    お前は私を殺すことだけを考えていれば良いんだ。」

    アズサ:
    「言われなくとも・・・!」

    サオリはアズサから銃口を離した。

    サオリ:
    「なら立て。
    私を殺せるように稽古を付けてやろう。」

    アズサ:
    「っ!」

    サオリは自身に向けられる銃口を静かな目で見つめる。
    その目には、アズサとは別種の覚悟が滲んでいた。

  • 182ホットドリンク大好き25/02/20(木) 15:14:22

    サオリ:
    (これで お前を鍛えてやれるのも最後になるだろうからな・・・。)

    銃口の先から躰を逸らす。
    引き金が引かれる。
    銃声が響く。
    銃弾が肌を掠める。
    爆発音。
    不明瞭になる視界。
    消えるアズサ。

    しっかりと教えた通りに戦えている。
    自らの強みを活かし、激情に駆られ、しかし冷静に立ち回ることが出来ている。
    ・・・一人でも生きていけるように教えたつもりだ。
    しかし、アズサには友達が出来た。
    死んでいるだろうが・・・目指すべき『善い大人』とも巡り会えた。

    嫉妬すら覚えそうな幸運に恵まれたアズサだが、今のサオリには喜びしか無かった。

    サオリ:
    (お前の未来に、溢れんばかりの祝福のあらんことを───)

    姉として、妹の幸福を心から祈った。
    ・・・あとは3人を同じ世界に送るだけだ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 183二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 18:08:33

    だっ誰かー!誰か来てくれー!

  • 184二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 20:21:12

    救いはないのかっ⁉︎

  • 185ホットドリンク大好き25/02/21(金) 00:30:41

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    カヤ:
    「サオリ、貴方は『押し付けられる側』です。
    なるべく耐えるようにしてください。」

    カヤは そう言って、サオリに一つの果実を渡した。
    真っ赤なリンゴのように見えるソレは、普通のリンゴよりも明らかに血に近い色をしていた。

    サオリ:
    「・・・そうか。
    私が『引き受ける側』なのか。」

    サオリは感慨深そうに赤リンゴを見つめた。

    カヤ:
    「おや、不服ですか?」

    サオリは首を振った。

    サオリ:
    「いや、むしろ感謝している。
    今まで私は家族に迷惑しか掛けてこなかったように思う。
    ・・・これでようやく、『疫病神』ではなくなるだろう。」

    カヤ:
    「素晴らしい・・・。
    その慈しみ合う心こそが、ヒトを家族たらしめます。
    それこそが、私の欲しい要素そのものです。」

  • 186ホットドリンク大好き25/02/21(金) 00:33:14

    サオリ:
    「講釈はいい。
    ・・・これは どう使う?」

    カヤ:
    「使い方は単純です。
    ただ、食して下さい。
    そうすれば、貴方は『憎悪』を集める体質となります。
    しかし、これには多大な負荷が───」

    ───── シャクッ

    カヤが最後まで言い切る前に、サオリは赤リンゴを食した。

    サオリ:
    「・・・全て食べた方が良いか?」

    カヤ:
    「効果的には一口で結構ですが・・・折角なので残りはウサギ型にカットして差し上げましょう。
    それにしても説明も聞かず・・・それほど待ちきれなかったのですか?(リンゴをウサギ型にカットしながら)」

    サオリ:
    「あぁ、待ちきれない。
    これでようやく、家族を『光差す世界』へと送り出せるのだからな。」

    カヤ:
    「何度も言うようですが、コレにはリスクが───」

    サオリ:
    「関係ない。」

  • 187ホットドリンク大好き25/02/21(金) 00:34:03

    カヤ:
    「そうですか。
    そこまで確固たる意思があるのなら、『怨嗟』に自我が呑まれることも無いでしょう。」

    サオリ:
    「その代わり、約束は守って貰うぞ。
    それが守られないのであれが、お前であろうと───」

    カヤ:
    「結構ですよ。
    しかし その時はオリジナルにして下さいね。
    他の躰は借り物ですから。」

    サオリ:
    「・・・いいだろう。」

    カヤ:
    「あと、対となる方はミカさん に渡す予定です。
    とはいえ彼女には他の道もありますから、万一のときは私が食べます。」

    サオリ:
    「・・・そうか。」

    カヤ:
    「対の方が無くても目的は達成できるでしょうが・・・後遺症が残るのは連邦生徒会長の意思に反しますからね。」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  • 188二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 00:51:00

    サオリ「シャクッ」
    👺判断が早い!

  • 189二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 06:52:17

  • 190二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 09:38:04

  • 191二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 09:39:54

    保険…サオリが失敗したときの保険でミカとカヤ(実質カヤ)が動く感じかな

  • 192二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 17:02:56

    保守

  • 193ホットドリンク大好き25/02/21(金) 18:49:13

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    サオリ:
    「・・・逃げたか。」

    アツコ:
    「(スッ、スッ、スーッ、ススッ)」

    サオリ:
    「・・・追う必要は無い。
    ───戻ってくる必要もな。」

    アツコ:
    「・・・。」

    サオリは足元に落ちていた縫いぐるみを拾い上げた。
    そして おもむろに その腹をナイフで開く。
    中には見覚えのある爆弾が仕込まれていた。

    アツコ:
    「っ!!」

    駆け寄ろうとするアツコを、サオリは手で制した。

  • 194ホットドリンク大好き25/02/21(金) 18:49:55

    サオリ:
    「いや、問題はない。 ・・・これは甘んじて受ける。」

    ─────バンッ
    次の瞬間 起こる爆発。
    しかし、爆煙の晴れた後、サオリは平然として立っていた。

    サオリ:
    「まぁ・・・偽物なら これくらいだろう。」

    アツコ:
    「・・・。 (スッ、スッ、スッ、スーッ)」

    サオリ:
    「・・・あぁ、アズサに渡した『ヘイローを破壊する爆弾』は、最初から偽物だ。
    あの子を万一にも人殺しにしてしまうワケにはいかないからな。」

    アツコ:
    「(スッ、スーッ、ススッ、スススッ)」

    サオリ:
    「・・・そうだ。
    私は嘘を付いていた。
    この作戦が始まった時・・・いや、その ずっと前から。」

  • 195ホットドリンク大好き25/02/21(金) 18:51:33

    その時、アリウススクワッドの、アズサを除く残り二人が姿を現した。
    ヒヨリはアツコの側に、ミサキはサオリの側に立つ。

    ミサキ:
    「リーダー・・・。 やるの? 今、ここで?」

    サオリ:
    「・・・あぁ、もう限界が近い。 決行するなら今だ。」

    ミサキ:
    「・・・そう。 ・・・そうなんだ。
    ・・・・・・今からでも、考え直すことは出来ない?」

    サオリ:
    「・・・。
    足掻くのか? お前が? 今更?」

    ミサキ:
    「・・・。」

    サオリ:
    「・・・そうか。
    これがカヤの言っていた、『慈しみ合う心』というわけか・・・厄介だな。」

  • 196ホットドリンク大好き25/02/21(金) 19:04:53
  • 197ホットドリンク大好き25/02/21(金) 19:06:05

    気付いたら195スレ目で焦った。

  • 198二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 19:09:30

    建て乙

  • 199二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 19:28:21

    誰も犠牲にするな!

  • 200二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 19:29:20

    200でアズサが絶望

オススメ

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